(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】動物健康管理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/20 20180101AFI20220808BHJP
【FI】
G16H10/20
(21)【出願番号】P 2022507308
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2021028248
【審査請求日】2022-02-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515158272
【氏名又は名称】株式会社PECO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 純
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-221447(JP,A)
【文献】特開2020-027364(JP,A)
【文献】特開2013-117941(JP,A)
【文献】国際公開第2020/075675(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/029387(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物種及び動物の撮影部位を含む、前記
動物の健康状態についての質問事項を記憶する質問事項記憶部と、
前記質問事項を含む問診情報、及び前記
撮影部位の撮影の仕方を含む、前記動物を撮影させる指示をユーザ端末に送信する問診送信部と、
前記ユーザ端末から前記動物の状態を撮影した画像データを受信する画像受信部と、
前記画像データを出力し、獣医療従事者から前記動物の健康状態の入力を受け付ける健康状態取得部と、
前記健康状態を前記ユーザ端末に送信する健康状態送信部と、
前記動物種及び前記撮影部位に対応付けて前記指示を記憶するインストラクション記憶部と、
を備え、
前記問診送信部は、前記質問事項
に含まれる前記撮影部位及び前記動物の前記動物種に
対応する前記指示を
送信すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、前記動物を撮影する理由を送信すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、前記獣医療従事者を特定するための情報を前記ユーザ端末に送信すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、前回に指示した前記撮影部位とは異なる前記撮影部位を撮影させる旨の指示を送信すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、所定期間内で複数回の同じ前記撮影部位を撮影させるように、前記指示に含める前記撮影部位を決定すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
請求項4のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
動物種ごとに、撮影する前記撮影部位の順番を記憶する順番記憶部をさらに備え、
前記問診送信部は、前記順番記憶部を参照して前記指示に含める前記撮影部位を決定すること,
をさらに備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
受信した前記画像データの履歴を記憶する画像データ記憶部と、
前記画像データの一覧を前記ユーザ端末に送信する画像データ送信部と、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
動物種及び動物の撮影部位を含む、前記
動物の健康状態についての質問事項を記憶するステップと、
前記質問事項を含む問診情報、及び前記
撮影部位の撮影の仕方を含む、前記動物を撮影させる指示をユーザ端末に送信するステップと、
前記ユーザ端末から前記動物の状態を撮影した画像データを受信するステップと、
前記画像データを出力し、獣医療従事者から前記動物の健康状態の入力を受け付けるステップと、
前記動物種及び前記撮影部位に対応付けて前記指示を記憶するステップと、
前記健康状態を前記ユーザ端末に送信するステップと、
をコンピュータが実行し、
前記コンピュータは、前記送信するステップにおいて、前記質問事項
に含まれる前記撮影部位及び前記動物の前記動物種に
対応する前記指示を
送信すること、
を特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
動物種及び動物の撮影部位を含む、前記
動物の健康状態についての質問事項を記憶するステップと、
前記質問事項を含む問診情報、及び前記
撮影部位の撮影の仕方を含む、前記動物を撮影させる指示をユーザ端末に送信するステップと、
前記ユーザ端末から前記動物の状態を撮影した画像データを受信するステップと、
前記画像データを出力し、獣医療従事者から前記動物の健康状態の入力を受け付けるステップと、
前記健康状態を前記ユーザ端末に送信するステップと、
前記動物種及び前記撮影部位に対応付けて前記指示を記憶するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記コンピュータに、前記送信するステップにおいて、前記質問事項
に含まれる前記撮影部位及び前記動物の前記動物種に
対応する前記指示を
送信させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物健康管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して問診を行うことが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に問診は患者が自覚症状を感じたときに行われる。しかしながら、獣医療においては飼育者が健康状態を把握する必要がある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、飼育者が動物の健康状態の悪化を早期に検出することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、動物の撮影の仕方を含む、前記動物を撮影させる指示をユーザ端末に送信する問診送信部と、前記ユーザ端末から前記動物の状態を撮影した画像データを受信する画像受信部と、前記画像データを出力し、獣医療従事者から前記動物の健康状態の入力を受け付ける健康状態取得部と、前記健康状態を前記ユーザ端末に送信する健康状態送信部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、飼育者が動物の健康状態の悪化を早期に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る定期検診システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ30のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の定期検診システムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
動物の撮影の仕方を含む、前記動物を撮影させる指示をユーザ端末に送信する問診送信部と、
前記ユーザ端末から前記動物の状態を撮影した画像データを受信する画像受信部と、
前記画像データを出力し、獣医療従事者から前記動物の健康状態の入力を受け付ける健康状態取得部と、
前記健康状態を前記ユーザ端末に送信する健康状態送信部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記動物の健康状態についての質問事項を記憶する質問事項記憶部をさらに備え、
前記問診送信部はさらに、前記質問事項を含む問診情報を前記ユーザ端末に送信すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目2に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、前記質問事項に応じて前記指示を変更すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
項目1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、前記動物を撮影する理由を送信すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目5]
項目1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、前記獣医療従事者を特定するための情報を前記ユーザ端末に送信すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目6]
項目1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、前記動物の撮影部位を前記指示に入れて前記ユーザ端末に送信し、
前記問診送信部は、前回に指示した前記撮影部位とは異なる前記撮影部位を撮影させる旨の指示を送信すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目7]
項目6に記載の情報処理システムであって、
前記問診送信部は、所定期間内で複数回の同じ前記撮影部位を撮影させるように、前記指示に含める前記撮影部位を決定すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目8]
項目6のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
動物種ごとに、撮影する前記撮影部位の順番を記憶する順番記憶部をさらに備え、
前記問診送信部は、前記順番記憶部を参照して前記指示に含める前記撮影部位を決定すること,
をさらに備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目9]
項目1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理システムであって、
受信した前記画像データの履歴を記憶する画像データ記憶部と、
前記画像データの一覧を前記ユーザ端末に送信する画像データ送信部と、
を特徴とする情報処理システム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る定期検診システムについて説明する。本実施形態の定期検診システムは、動物の定期検診を支援しようとするものである。
【0012】
本実施形態の定期検診システムは、獣医療機関側からペット等の動物の飼い主に対して定期的な問診を行うことにより、動物の健康状態を判断することができる。また、本実施形態の定期検診システムは、動物種に応じて問診内容を変えるようにすることができる。また、本実施形態の定期検診システムは、動物の特定部位の画像を送信させることができる。画像は静止画であってもよいし動画であってもよい。また、本実施形態の定期検診システムは、所定期間(例えば1か月や1週間等)ごとに質問の一部を変更するようにすることができる。また、本実施形態の定期検診システムは、所定期間内において問診で何度か同じ質問をするようにすることができる。また、本実施形態の定期検診システムは、定期的に問診した結果に応じて来院の要否を判断(トリアージ)することができる。また、本実施形態の定期検診システムは、問診結果をカルテに連携することができる。また、本実施形態の定期検診システムは、所定期間内での画像等の問診に対する回答を並べて表示させることができる。
【0013】
図1は、本実施形態に係る定期検診システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の定期検診システムは、管理サーバ20を含んで構成される。管理サーバ20は、ユーザ端末10及び医療端末30と通信ネットワーク40を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク40は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0014】
ユーザ端末10は、動物の飼い主などの飼育者が操作するコンピュータである。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。本実施形態では、ユーザ端末10は、カメラにより動物を撮影する機能を備えるものとする。
【0015】
医療端末30は、獣医療機関の従事者(例えば、獣医師や看護師など)が操作するコンピュータである。医療端末30は、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。
【0016】
管理サーバ20は、定期検診を支援するコンピュータである。管理サーバ20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
<管理サーバ20の構成>
図2は、管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ20の各機能部は、CPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ20の各記憶部は、メモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0018】
図3は、管理サーバ30のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ30は、問診送信部211、回答受信部212、健康状態取得部213、健康状態送信部214、質問事項変更部215、カルテ連携部216、回答履歴表示部217、質問事項記憶部231、問診記憶部232、回答履歴記憶部233、診断履歴記憶部234、カルテ情報記憶部235、担当者情報記憶部236、問診履歴記憶部237を備える。
【0019】
質問事項記憶部231は、動物の健康状態についての質問事項を記憶する。質問事項記憶部231は、動物種ごとに質問事項を記憶する。質問事項記憶部231が記憶する質問事項には、質問を識別する質問IDに対応付けて、当該質問が該当する動物種、質問、部位、インストラクション、及び理由を含めることができる。質問は、例えば、テキストデータとすることができる。質問には、画像や音声を含めるようにすることもできる。本実施形態では、少なくとも1つの質問事項には、特定の部位を撮影した画像(静止画であってもよいし、動画であってもよい。)により回答するべき質問が含まれるものとする。インストラクションは、回答についての指示を含む。特に画像により回答するべき質問について、インストラクションには、動物の状態をどのように撮影するべきかを示す指示を含めることができる。この指示は、テキストによるものであってもよいし、撮影の仕方の手本を示す静止画像であってもよいし、撮影の見本動作を撮影した動画像であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。理由は、何のためにこの質問を行っているのかを示す情報とすることができる。なお、インストラクションは省略することができる。とくに、画像以外の選択肢を選択させるような質問事項についてはインストラクションを省略してもよい。
【0020】
問診記憶部232は、1回の問診に関する情報(以下、問診情報という。)を記憶する。問診情報には、問診を識別する問診IDに対応付けて、問診を担当する(回答を見てトリアージする)獣医療従事者を示す担当者ID、問診対象とした動物を示す動物ID及び問診に含めた質問を示す質問IDを含む。1つの問診IDに対して質問IDは複数設定されてよい。問診情報には、飼い主を示す飼い主IDを含めてもよい。
【0021】
回答履歴記憶部233は、問診に係る質問に対する回答の履歴を記憶する。回答履歴記憶部233が記憶する回答履歴には、問診ID、動物ID及び問診を行った(又は回答を受け付けた)日時に対応付けて、質問を示す質問IDと、当該質問に対する回答とが含まれる。なお、1つの問診IDに対して、質問の数だけ質問ID及び回答のセットが登録されうる。回答は、数値やテキストデータであってもよいし、画像であってもよい。
【0022】
診断履歴記憶部234は、問診結果(質問に対する回答)に応じて獣医療従事者(本実施形態では獣医師を想定する。)が判断した動物の健康状態(本実施形態では、来院の要否)の判断に係る履歴(診断履歴)を記憶する。診断履歴には、来院要否及びコメントが含まれる。来院要否は、必要又は不要のいずれかである。コメントは、獣医師による問診結果に対するコメントである。コメントは、例えば、テキストデータとすることができる。コメントには、可能性のある病気を含めるようにしてもよい。
【0023】
カルテ情報記憶部235は、動物の診療に係るカルテ情報を管理する。カルテ情報には、獣医療機関において行われた動物の生体検査の結果、獣医師による診断、獣医師による処置や手術、処方された薬などの情報が含まれる。
【0024】
担当者情報記憶部236は、問診を担当する獣医療従事者(担当者)に関する情報(以下、担当者情報という。)を記憶する。担当者情報には、担当者を特定する担当者IDに対応付けて、氏名、紹介文、画像を含めることができる。
【0025】
問診履歴記憶部237は、過去に送信された問診の履歴を記憶する。問診履歴記憶部237は、問診IDと問診が送信された日時とを対応付けて記憶することができる。
【0026】
問診作成部210は、問診を作成する。問診作成部210は、質問事項記憶部231に記憶されている質問事項を1つ又は複数選択して1つの問診を作成することができる。問診作成部210は、患者動物の動物種に対応する質問事項を、例えば、ランダムに所定数選択することができる。
【0027】
問診作成部210は、獣医療従事者の担当者の入力を受け付けて、当該担当者を特定する担当者IDを問診に設定することができる。
【0028】
問診作成部210は、例えば、事前に設定された所定のルールに従って質問事項を選択することもできる。例えば、動物種ごとに、撮影するべき部位の順番を記憶する順番記憶部を設けるようにし、問診作成部210は、複数回の問診について、順番記憶部に管理されている順の部位に対応する質問事項を選択していくようにすることができる。この場合に、問診記憶部232には、問診を送信するべき送信日を対応付けて記憶するようにしてもよく、問診作成部210は、所定期間(例えば、1週間や1か月、四半期、半年、1年など任意の期間とすることができる。)中の所定時間(例えば、1日などとすることができる。)ごとの日を送信日として予め問診を作成しておくことができる。なお、問診作成部210は、問診の送信前に動的に問診を作成するようにしてもよい。
【0029】
問診作成部210は、前回に指示した撮影部位とは異なる撮影部位を撮影させる旨の指示を送信することができる。問診作成部210は、例えば、患者動物の動物IDに対応する、問診履歴記憶部237に記憶されている最新の日時の問診IDを取得し、取得した問診IDに対応する質問IDを問診記憶部232から取得し、取得した質問IDに対応する質問事項の部位を取得して、前回の撮影部位を特定することができる。問診作成部210は、問診の作成時に、前回の撮影部位とは異なる部位に対応する質問事項を選択するようにすることができる。
【0030】
問診作成部210は、所与の撮影部位が複数回撮影されるように問診を作成することができる。問診作成部210は、例えば、所定期間(例えば、1週間や1か月、四半期、半年、1年など任意の期間とすることができる。)内の日時と患者動物の動物IDとに対応する問診IDを問診履歴記憶部237から特定し、特定した問診IDに対応する質問IDを問診記憶部232から特定し、特定した質問IDに対応する質問事項を質問事項記憶部231から特定し、特定した質問事項に含まれる部位をカウントすることができる。問診作成部210は、部位ごとの上記カウントが所定回数以上となるように、質問事項を選択することができる。
【0031】
問診送信部211は、質問事項を定期的にユーザ端末10に送信する。問診送信部211は、問診記憶部232から患者動物に対応する質問IDを読み出し、質問IDに対応する質問事項を質問事項記憶部231から読み出してユーザ端末10に送信することができる。また、問診記憶部232から患者動物に対応する担当者IDを読み出し、読み出した担当者IDに対応する担当者情報を担当者情報記憶部236から読み出して、ユーザ端末10に送信することもできる。
【0032】
回答受信部212は、質問事項に対する回答をユーザ端末10から受信する。回答受信部212は、質問事項に、特定の部位を撮影した画像により回答するべき質問が含まれていた場合には、画像のアップロードを受け付けることができる。回答受信部212は、受信した回答を回答履歴記憶部233に登録することができる。
【0033】
健康状態取得部213は、回答に応じた獣医療従事者から動物の健康状態の入力を受け付ける。本実施形態では、健康状態は、動物の獣医療機関への来院要否である。健康状態取得部213は、ユーザ端末10に送信した質問と、その質問に対する回答とを医療端末30に送信し、その回答に応じた来院要否及びコメントの入力を医療端末30から受け付けることができる。健康状態取得部213は、受け付けた来院要否及びコメントを、問診を示す問診IDに対応付けて診断履歴記憶部234に登録することができる。
【0034】
健康状態送信部214は、健康状態をユーザ端末10に送信する。健康状態送信部214は、医療端末30から受信した来院要否及びコメントをユーザ端末10に送信することができる。
【0035】
質問事項変更部215は、所定のタイミングで質問事項の少なくとも一部を変更する。質問事項変更部215は、例えば、一定期間(例えば1か月や1週間等任意の期間とすることができる。)ごとに送信する1回の問診に含める質問事項のセットを、少なくとも1部変更するようにすることができる。質問事項変更部215は、例えば、問診を行うインターバル期間よりも長い一定期間(例えば1年や半年など)内において所定回数以上同じ質問が行われるようにすることができる。
【0036】
カルテ連携部216は、回答をカルテ情報に書き込む。本実施形態では、カルテ情報記憶部235は管理サーバ20が備えるものとしたが、例えば、カルテ情報を管理している別のカルテサーバにアクセスして、カルテ情報に追記するようにすることができる。カルテ連携部216は、質問と回答とをペアにしてカルテ情報に追記することができる。
【0037】
回答履歴表示部217は、回答の履歴を表示することができる。回答履歴表示部217は、例えば、ユーザ端末10からのリクエストに応じて、過去所定期間(全期間としてもよいし、直近1か月、直近1年等の期間としてもよいし、ユーザから期間の指定を受け付けるようにしてもよい。)内の日時に対応する回答履歴を回答履歴記憶部233から読み出して、ユーザ端末10に送信することができる。ユーザ端末10では、回答履歴を一覧表示することができる。ユーザ端末10は、例えば、数値に係る回答についてグラフ表示をするようにしてもよいし、カテゴリ(はい、いいえ等)の回答について、カテゴリ毎の回答回数をグラフ表示したり一覧表示したりしてもよいし、回答が画像データである質問事項については、時系列に画像を一覧表示するようにしてもよい。
【0038】
<動作>
図4は、本実施形態の定期検診システムの動作を説明する図である。
【0039】
管理サーバ20は、問診を作成する(S301)。上述したように、問診は、例えば、質問事項記憶部に記憶されている質問事項のうち、患者動物の動物種に対応するものを所定数読み出すことにより作成することができる。管理サーバ20は、作成した問診をユーザ端末10に送信する(S302)。また、管理サーバ20は、送信した問診を問診履歴記憶部237に登録することができる。問診には、患者動物の特定の部位を撮影した画像により回答する質問事項が含まれる。また、画像を求める質問事項には、どのように撮影を行うべきかというインストラクションが含まれる。
【0040】
ユーザ端末10では問診が表示される。問診は例えばチャット形式により行うようにしてもよいし、Webページのフォームにより行うようにしてもよい。
図5は、問診の様子の一例を示す図である。ユーザ端末10の画面40には、問診を開始する旨のメッセージ401が表示され、担当者情報の紹介分402及び画像403が表示される。
【0041】
その後、質問事項のインストラクション404が表示される。
図5の例では、インストラクション404には、動物患者の特定部位(
図5の例では耳)を撮影するように指示するテキスト404(1)、撮影の仕方を指示するテキスト404(2)及び撮影の仕方を示す画像404(3)が含まれている。また、当該撮影を行う理由405も表示される。
【0042】
図4に戻り、管理サーバ20は、ユーザ端末10から回答を受信すると(S303)、受信した回答を質問とともに獣医療従事者(獣医師等)の医療端末30に送信する(S304)。医療端末30では、獣医療従事者が問診の結果(質問に対する回答)を閲覧しながら患者動物の来院要否を判断する。医療端末30は、獣医療従事者から来院要否の入力を受け付ける。また、医療端末30は、獣医療従事者からコメント(患者動物の飼育者に対するコメント)の入力を受け付けることもできる。医療端末30は来院要否及びコメントを管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、医療端末30から来院要否及びコメントを受信し(S305)、受信した来院要否及びコメントをユーザ端末10に送信する(S306)。管理サーバ20は、来院要否及びコメントを診断履歴記憶部234に登録することができる。また、管理サーバ20は、問診結果(質問)、回答、来院要否及びコメントをカルテ情報に書き込み(S307)、患者動物の来院時に獣医療従事者が問診結果と、問診結果に対する一次的な回答とを確認することができるようにする。
【0043】
管理サーバ20は、定期的な問診の送信を行う期間が終了するまで(S308:NO)、定期的にS301からの処理を繰り返す。なお、2回目以降のステップS301では、問診の内容を変更することができる。
【0044】
以上のようにして、本実施形態の定期検診システムでは、獣医療機関側が主体的に、定期的に問診を患者動物の飼育者に対して送信し、患者動物の健康状態を確認することができる。また、撮影した画像による回答を求める質問事項については、撮影の仕方を指示するインストラクションを表示することができる。これにより、ユーザは患者動物をどのように撮影すればよいのかを容易に把握することが可能となり、また、獣医療従事者にとっても、トリアージに適した画像を確実に得ることが可能となる。また、画像の回答を受け付けることにより、皮膚病などを写真や動画等の画像により視認して、処置(投薬を含む)の必要性を判断し、必要に応じて来院を促すようにすることができる。
【0045】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0046】
例えば、本実施形態では、管理サーバ20がユーザ端末10に対して問診を送信するようにしたが、ユーザ端末10が質問事項のデータベースを備えるようにして、ユーザ端末10が定期的に飼育者に対して問診を行うようにしてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、質問事項記憶部231に記憶されている質問事項からどれを問診として送信するかは問わないものとしたが、例えば、質問するべき順番を設定するようにしてもよい。この場合、質問事項に順番を設定することができる。
【0048】
また、回答に応じて質問事項を変更するようにしてもよい。この場合、質問事項には送信する条件を設定することができる。例えば、ある質問事項に対して所定の回答を行ったこと(例えば、食欲があるかどうかの質問に対して、ないことを回答したことなど)を条件として、あるいは、ある質問事項に対して所定の回答を所定の回数以上行ったこと(例えば、食欲があるかどうかの質問に対して、ないことを3回連続で回答したことなど)を条件として設定することができる。この場合に、条件を満たした質問事項を選択することができる。また、質問事項に優先度を設定しておき、条件を満たす質問事項のうち優先度の高いものから所定数を選択するようにしてもよい。
【0049】
また、問診作成部210は、質問事項の質問に応じて質問事項のインストラクションに含まれる指示を変更することもできる。この場合、管理サーバ20は、インストラクションを動物種及び部位に対応付けて記憶するインストラクション記憶部を備えるようにし、問診作成部210は、インストラクションに含まれる指示を、動物種及び部位の少なくともいずれかに応じて変更することができる。問診作成部210は、例えば、同一の画像を用いて、テンプレートに動物種及び部位を入れたテキストデータを添えてインストラクションを作成するようにすることができる。
【符号の説明】
【0050】
210 問診作成部
211 問診送信部
212 回答受信部
213 健康状態取得部
214 健康状態送信部
215 質問事項変更部
216 カルテ連携部
217 回答履歴表示部
231 質問事項記憶部
232 問診記憶部
233 回答履歴記憶部
234 診断履歴記憶部
235 カルテ情報記憶部
236 担当者情報記憶部
237 問診履歴記憶部
【要約】
【課題】飼育者が動物の健康状態の悪化を早期に検出することができるようにする。
【解決手段】情報処理システムであって、動物の撮影の仕方を含む、動物を撮影させる指示をユーザ端末に送信する問診送信部と、ユーザ端末から動物の状態を撮影した画像データを受信する画像受信部と、画像データを出力し、獣医療従事者から動物の健康状態の入力を受け付ける健康状態取得部と、健康状態をユーザ端末に送信する健康状態送信部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図5