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<図1>
  • -止流プラグ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】止流プラグ
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/134 20060101AFI20220808BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
F16L55/134
D03D1/00 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018120740
(22)【出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2020002969
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】508342910
【氏名又は名称】横浜ゴムMBジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】512243007
【氏名又は名称】株式会社 加島
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【弁理士】
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】亀井 輝男
(72)【発明者】
【氏名】佐柄 浩和
(72)【発明者】
【氏名】道家 和貴
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-020498(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158858(WO,A1)
【文献】特開平08-199449(JP,A)
【文献】特開2011-132992(JP,A)
【文献】特開2015-183309(JP,A)
【文献】特開2018-071030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/134
D03D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給・排出する流体給排管に接続可能な剛性を有する筒状の口金を一端に突設した膨縮自在な内装バッグと、前記内装バッグの膨張規制と防護用に前記内装バッグを被包する外装バッグと、前記外装バッグの口元を介して前記口金を外嵌圧着するカシメリングとを備える止流プラグであって、
前記外装バッグは、0.1mm以上0.7mm以下の厚みを有する織物基布から形成されており、
前記織物基布は、経糸密度及び緯糸密度が、20本/inch以上80本/inchであり、強度が、経、緯共に、1.5kN/3cm以上8kN/3cm以下であり、
前記織物基布は、高強力ポリエチレン繊維から形成される糸材を用いて形成されていることを特徴とする止流プラグ。
【請求項2】
前記織物基布は、その目付が、80g/sqm以上300g/sqm以下であることを特徴とする請求項1に記載の止流プラグ。
【請求項3】
前記内装バッグは、長球状に形成されており、その長手方向に沿って形成される帯状の肉厚部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の止流プラグ。
【請求項4】
前記外装バッグは、前記織物基布の少なくとも一部分における緯糸が、前記口金の軸方向に対して略同心的に配置されるよう構成されており、
前記織物基布の経糸密度は、緯糸密度よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の止流プラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、止流プラグに関する。特に、水道管の切断を伴う修理や交換工事に際し、水道管内を一時的に遮断する止流装置に使用する止流プラグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水道管の途中部分を補修、交換する場合やその途中部分に新しく分岐管を接続する場合等の工事の際に、水道管内部の水を一時的に遮断するために使用される止流プラグが知られている(例えば、特許文献1)。このような止流プラグは、例えば、図15の要部拡大断面図に示すように、筒状の口金101を一端に突設した膨縮自在な内装バッグ102と、該内装バッグ102の膨張規制と防護用に内装バッグ102を被包する外装バッグ103とを備え、外装バッグ103の口元を介して口金101をカシメリング104にて外嵌圧着することにより各バッグの口元と口金101とを一体的に連結して構成されている。
【0003】
この止流プラグは、例えば、図16の使用状態図に示すように、水道管Aに取付けた止流装置B内から、水道管Aに穿設した止流プラグ挿通用孔Cを通して水道管Aに収縮状態にある止流プラグ100を配設し、止流プラグ100の口金101に連結した流体給排管Dから空気又は水を止流プラグ100内に供給して該止流プラグ100を膨張させて使用される。止流プラグ100の膨張によって、水道管A内における水が遮断され、水道管Aの途中部分の補修、交換といった工事を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-241590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の止流プラグにおいては、止流プラグの膨張に伴って、外装バッグや内装バッグの口元の一部がカシメリングから引き抜かれてしまい、外装バッグ等の位置ズレが生じるという問題があった。このような事態が生じると、止流プラグの止流性能が悪化し、また、外装バッグによる内装バッグの膨張規制や防護機能を発揮しなくなる。
【0006】
また、カシメリングによる緊縛力を高めるために、図17の要部拡大断面図に示すように、長尺の口金101を用い、その軸方向に沿って複数のカシメリング104を配置して外装バッグ103の口元を口金104に固定する構造を有する止流プラグ100も知られているが、このような構造の止流プラグ100の場合、口金の長さが長くなることに起因して、水道管Aに穿設した止流プラグ挿通用孔Bを通して水道管Aの内部に止流プラグ100を略90°方向転換させて挿入する際に、長尺の口金101が止流プラグ挿通用孔Cの出口部分と干渉してしまいスムーズに挿入できないという問題があった。特に、内径が比較的小さい水道管に止流プラグ100を挿入しようとする場合には、挿入自体が不可となってしまう。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、高い止流性能を発揮すると共に、膨張時に外装バッグ等がカシメリングから引き抜かれてしまうことを効果的に防止することができる止流プラグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、流体を供給・排出する流体給排管に接続可能な剛性を有する筒状の口金を一端に突設した膨縮自在な内装バッグと、前記内装バッグの膨張規制と防護用に前記内装バッグを被包する外装バッグと、前記外装バッグの口元を介して前記口金を外嵌圧着するカシメリングとを備える止流プラグであって、前記外装バッグは、0.1mm以上0.7mm以下の厚みを有する織物基布から形成されており、前記織物基布は、経糸密度及び緯糸密度が、20本/inch以上80本/inchであり、強度が、経、緯共に、1.5kN/3cm以上8kN/3cm以下であり、前記織物基布は、高強力ポリエチレン繊維から形成される糸材を用いて形成されていることを特徴とする止流プラグにより達成される。
【0009】
また、この止流プラグにおいては、前記織物基布は、その目付が、80g/sqm以上300g/sqm以下となるように構成することができる。
【0010】
また、前記内装バッグは、長球状に形成されており、その長手方向に沿って形成される帯状の肉厚部を備えるように構成することができる。
【0011】
また、前記外装バッグは、前記織物基布の少なくとも一部分における緯糸が、前記口金の軸方向に対して略同心的に配置されるよう構成されており、前記織物基布の経糸密度が、緯糸密度よりも大きくなるように構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高い止流性能を発揮すると共に、膨張時に外装バッグ等がカシメリングから引き抜かれてしまうことを効果的に防止することができる止流プラグを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る止流プラグの概略構成平面図である。
図2図1に示す止流プラグの概略構成要部拡大断面図である。
図3】(a)は本発明に係る止流プラグが備えるカシメリングの平面図であり、(b)はそのA-A断面を示す断面図である。
図4図3の要部拡大図である。
図5】外装バッグ表面に形成され得る段差部を説明するための説明図である。
図6図1に示す止流プラグの変形例を説明するための斜視図である。
図7図1に示す止流プラグの変形例を説明するための説明図である。
図8図1に示す止流プラグが有するカシメリングの変形例を示す概略構成要部拡大断面図である。
図9図1に示す止流プラグが有するカシメリングの変形例を示す概略構成要部拡大断面図である。
図10図1に示す止流プラグが有するカシメリングの変形例を示す概略構成断面図である。
図11図1に示す止流プラグが有するカシメリングの変形例を示す概略構成断面図である。
図12図1に示す止流プラグの変形例に関する(a)平面図、(b)断面図である。
図13図1に示す止流プラグの変形例を示す断面図である。
図14図13に示す止流プラグの変形例を示す口金部分に関する断面図である。
図15】従来の止流プラグに係る要部拡大断面図である。
図16】止流プラグの使用状態図である。
図17】従来の他の形態を有する止流プラグに係る要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る止流プラグについて、添付図面を参照して説明する。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。図1は、本発明に係る止流プラグ1に関し、膨張した状態を示す概略構成平面図であり、図2は、その概略構成要部拡大断面図である。この止流プラグ1は、水道管の途中部分を補修、交換する場合やその途中部分に新しく分岐管を接続する場合等の工事の際に、水道管内部の水を一時的に遮断するために使用されるものであり、背景技術において説明したように、水道管Aに取付けた止流装置B内から、水道管Aに穿設した止流プラグ挿通用孔Cを通して水道管Aに収縮状態にある止流プラグ1を配設し、止流プラグ1の口金21に連結した流体給排管Dから空気又は水などの気体や液体又はその混合を止流プラグ1内に供給して該止流プラグ1を膨張させて使用される。なお、本実施形態においては、水道管内の水道水を止流(止水)する場合を例に採り説明するが、止流を行う管内の流体は、水道水に限定されず、例えば、ガス、工業用水、下水などの気体や液体又はその混合であってもよい。
【0015】
本発明に係る止流プラグ1は、図1及び図2に示すように、内装バッグ2と外装バッグ3とを備えて構成されている。内装バッグ2は、流体を供給・排出する流体給排管Dに接続可能な剛性を有する筒状の口金21を一端に突設した膨縮自在な構成を有しており、また、外装バッグ3は、内装バッグ2の膨張規制と防護用に内装バッグ2を被包して配置されている。
【0016】
内装バッグ2は、気密性及び柔軟性を有するゴム材料からなり、所定長さの長軸及び短軸を有する長球状に形成されている。ゴム材料としては、例えば,天然ゴム,ブタジエンゴム,イソプレンゴム,ブチルゴム,エチレン-プロピレンゴム,スチレン-ブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,アクリルゴム,エピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。なお、内装バッグ2は、ポリウレタンなどのエラストマーや布製素材、ゴム引き布からなってもよい。
【0017】
口金21は、流体を供給・排出する流体給排管Dに接続可能な一方端部を有する部材であり、内装バッグ2の長軸の一端に設けた開口部(筒状に形成された口元)を閉塞するように内装バッグ2に接着(加硫)一体化されるものである。この口金21は、図2の断面図に示すように、その一方端から他方端に向けて貫通する内部貫通孔21dを有する筒状の口金本体21aを備えている。
【0018】
口金本体21aは、例えば、ステンレス等の金属材料またはプラスチック等の樹脂材料から形成され、剛性を有するように構成されている。この口金本体21aは、その一方端部の外表面から径方向外側に拡径する第1拡径部21bと、他方端部の外周表面から径方向外側に拡径する第2拡径部21cとを備えている。第1拡径部21bは、口金本体21aの一方端側に配置され、外部に露出しており、第2拡径部21cは、口金本体21aの他方端側に配置され、内装バッグ2の内側に配置される。これら第1拡径部21b及び第2拡径部21cは、カシメリングの抜け止めとしての機能を備えている。また、第1拡径部21bは、口金本体21aの一方端の端面と面一となるように構成されており、同様に、第2拡径部21cは、口金本体21aの他方端の端面と面一となるように構成されている。口金本体21aに形成される内部貫通孔21dの内周面においては、一方端側(第1拡径部21bが形成される側)に雌ネジが形成されており、この雌ネジに、流体を供給・排出する流体給排管Dの先端部が螺合されることにより流体給排管Dと口金21(止流プラグ1)とが連結され、内部貫通孔21dを介して流体給排管Dから供給される流体(空気又は水等)の作用により、内装バッグ2は膨張する。
【0019】
ここで、内装バッグ2を形成する際に、上記ゴム材料やポリウレタンなどのエラストマーに強化繊維を含有してもよい。このような強化繊維を含有させることにより、内装バッグ2の強度を高めることができ、後述のカシメリング4によって加締められた際に内装バッグ2が劣化することを効果的に抑制することが可能となる。なお、強化繊維としては、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、およびアルミナ繊維等を挙げることができる。また、含有される強化繊維の形態としては、短繊維のものを使用することが好ましい。また、エラストマーに対する強化繊維の含有率は、設計仕様によって適宜選定される。
【0020】
外装バッグ3は、内装バッグ2の膨張規制と防護用に内装バッグ2を被包して配置される部材である。この外装バッグによって、内装バッグ2の過度の膨張が規制されて、その膨張時形状を維持すると共に、内装バッグ2の損傷、破裂などを誘引する突起物などから保護される。外装バッグ3は、内装バッグ2を内側に収容した状態で内装バッグ2の口元に設けられる口金21に対応する外装バッグ3の口元をカシメリング4により緊縛固定されている。
【0021】
カシメリング4は、外装バッグ3の口元先端部の所定長さを口金21の第1拡径部21b側に引き出した状態で、外装バッグ3の口元を介して口金21(口金本体21a)を外嵌圧着する部材である。なお、カシメリング4は、口金本体21aにおける第1拡径部21bと第2拡径部21cとの間に配置されて外嵌圧着される。カシメリング4は、例えば、鉛、錫、アルミニウム、銅、ステンレス鋼などの金属あるいはプラスチックなどの樹脂にて円環状に形成され、圧着工具等を用いて縮径変形できるように構成されるものである。
【0022】
カシメリング4の内周面には、図3(a)におけるA-A断面図である図3(b)の断面図(カシメリング4の軸線を通り、該軸方向に沿った断面図)に示すように、当該カシメリング4の内側に向けて突出する突出部41が形成されている。本実施形態においては、突出部41は、カシメリング4の周方向に沿って環状に形成されており、この環状の突出部41が、カシメリング4の軸方向に沿って、所定間隔をあけて複数配置されている。また、各突出部41同士の間には、溝部42が形成される形態となっており、この溝部42もカシメリング4の軸方向に沿って、複数配置される構成となっている。
【0023】
また、図3の要部拡大図である図4に示すように、カシメリング4の軸方向に沿った断面視において、溝部42は、カシメリング中心方向側の開口幅W1が、溝底部42aの幅W2よりも幅広となるように形成されている。上記開口幅W1の寸法は、溝底部42aの幅W2の寸法の2倍以上4倍以下の範囲に設定されることが好ましい。本実施形態においては、開口幅W1の寸法が、溝底部42aの幅W2の寸法の3倍となるように構成されている。
【0024】
また、図3図4に示すように、カシメリング4の軸方向に沿った断面視において、各突出部41は、溝部42の溝底部42aからカシメリング4の内側に向けて伸びる一対の側面部41aと、当該一対の側面部41aのカシメリング4の内側の端部同士を接続する先端部41bとを備えるように構成されている。また、先端部41bは、尖鋭とはならないように、カシメリング4の軸方向に沿う平坦部41cを有するように構成されている。また、先端部41bが、尖鋭とはならないよう球面としたり、曲面をつなぐ形としてもよい。また、一対の側面部41aは、カシメリング4の内側に向かうに従い、互いの距離が小さくなるような傾斜面として構成されており、カシメリング4の軸方向に沿った断面視において、各突出部41は台形形状として構成されている。なお、説明するまでもないが、突出部41における先端部41bは、カシメリング4の最内周面を構成する。また、突出部41における側面部41aは、溝部42の側壁部42bとして構成されることとなる。ここで、突出部41の高さ(溝底部42aから先端部41bまでの高さ)W3は、溝底部42aの幅W2の寸法に対して、1倍以上3倍以下の範囲に設定されることが好ましい。本実施形態においては、突出部41の高さW3は、溝部42の幅W2の寸法の1.5倍となるように構成されている。
【0025】
ここで、外装バッグ3は、引張強さが大きく、透水率が小さくて柔軟性を有する織物として形成される織物基布から形成されることが好ましい。また、外装バッグ3の厚みとしては、例えば、0.1mm以上0.7mm以下の範囲のものを使用することが好ましく、0.15mm以上0.55mm以下の範囲のものを使用することがさらに好ましい。また、織物基布を構成する糸材としては、高強力ポリエチレン繊維から構成される糸材を用いることが好ましい。織物基布を構成する糸材の繊度としては、外装バッグ3の厚みによって適宜変更されるものではあるが、例えば、100dTex以上1000dTex以下の範囲のものを使用することが好ましい。また、150dTex以上900dTex以下の範囲のものを使用することがより好ましい。また、この織物基布の強度としては、経、緯共に、1.5kN/3cm以上8kN/3cm以下の範囲のものを使用することが好ましく、2.7kN/3cm以上6.7kN/3cm以下の範囲のものを使用することがさらに好ましい。また、この織物基布の目付としては、80g/sqm以上300g/sqm以下の範囲のものを使用することが好ましく、90g/sqm以上250g/sqm以下の範囲のものを使用することがさらに好ましい。なお、目付とは、1mあたりの重量を意味する。また、織物基布における経糸密度及び緯糸密度としては、それぞれ、20本/inch以上80本/inch以下の範囲に設定することが好ましく、特に、30本/inch以上70本/inch以下の範囲に設定することがより好ましい。なお、織物基布における経糸及び緯糸としては、同一径のものを使用することが好ましいが、互いに径寸法が異なる経糸及び緯糸を使用してもよい。
【0026】
また、外装バッグ3は、織物基布の少なくとも一部分における緯糸が、口金21の軸方向に対して略同心的に配置されるよう構成されることが好ましい。特に、止流プラグ1を水道管内で膨張させた場合に管内面と接触する外装バッグ部分においては、織物基布の緯糸が、口金21の軸方向に対して略同心的に配置されるよう構成されることが好ましい。このように構成することにより、図16に示すように、止流プラグ1を水道管A内で膨張させた場合、管内面との接触部分においては、外装バッグ3を構成する織物基布の緯糸が、管内面の周方向に略沿う状態となり、また、織物基布の経糸は、緯糸に対して直交する方向に配列されているため、織物基布の経糸が、水道管Aの長手方向に略沿う状態となる。
【0027】
また、外装バッグ3を構成する織物基布は、その経糸密度と緯糸密度とが、同一の密度を有するように構成することもできるが、経糸密度が緯糸密度よりも大きくなるように構成してもよい。経糸密度が緯糸密度よりも大きくなるように構成することにより、止流プラグ1を水道管内で膨張させた場合に、管長手方向に沿う内装バッグ2の膨張をより効果的に規制して、該内装バッグ2が管径方向に膨張しやすくなるように、内装バッグ2の膨張方向をコントロールすることが可能となり、その結果、止流プラグ1の止流効果をより一層向上させることができる。
【0028】
また、外装バッグ3の形成方法としては、高強力ポリエチレン繊維から形成される糸材を用いて、袋状の織物基布を織ることにより形成する方法や、高強力ポリエチレン繊維から形成される糸材から一旦シート状の織物基布を形成した後、袋状に縫製して形成する方法等、種々の方法を採用することができるが、例えば、シート状の織物基布を袋状に縫製して形成する場合、図5の模式斜視図(一部断面を示している)に示すように、織物基布同士が重ね合わされた縫い合わせ部Hの縁部に、下側の織物基布3aに向かって段落ちした段差部31が形成される。この段差部31は、止流プラグ1を水道管A内で膨張させて使用する場合において、水道管内壁と外装バッグ3表面との間に水が漏れでる流路を形成するおそれがある。特に、段差部31の長手方向が、水道管Aの延伸方向に沿って水道管A内に配置されてしまうような場合には、止流プラグ1の止流性が低下するおそれが高くなってしまう。そこで、図6の模式斜視図に示すように、当該段差部31に、下側の織物基布3aに向かうに連れて傾斜する傾斜面を有する段差緩和部6をその長手方向に沿って設けるように構成してもよい。段差緩和部6は、例えば、エポキシ系或いはアクリル系等の接着剤を段差部31に沿って塗布成形することにより形成することができる。また、図7(a)の模式斜視図に示すように、ゴムなどのエラストマー素材を用いて傾斜面を有する長尺状の段差緩和部6を予め準備し、接着剤を介して段差部31に沿って固定してもよい。また、図7(b)の模式斜視図に示すように、エラストマー素材を用いて構成された傾斜面を有する長尺状の段差緩和部6に、平坦な挿入部6aを連接して構成し、図7(c)の断面図に示すように、縫製前の段階で、縫い合わされる上下の織物基布の間に挿入部6aを介在させて接着剤等により固定し、下側の織物基布3a、挿入部6a及び上側の織物基布3bを一体的に縫製することにより段差緩和部6を段差部31に沿って配置してもよい。
【0029】
以下、本発明に係る止流プラグ1の作用効果について説明する。まず、本発明の止流プラグ1が備える外装バッグ3は、0.1mm以上0.7mm以下の厚みを有する織物基布から形成されており、該織物基布は、経糸密度及び緯糸密度が、20本/inch以上80本/inchであり、強度が、経、緯共に、1.5kN/3cm以上8kN/3cm以下となるように構成されているため、強度を備えつつ、極めて柔軟性に富むものとなる。これにより、カシメリング4が加締めによって縮径変形する際に、その縮径に追従して外装バッグ3の口元部分もスムーズに移動することとなり、加締め時の外装バッグ3の位置ズレを極めて効果的に防止することができる。また、カシメリング4の縮径変形に追従しやすいことから、カシメリング4の内周面との密着性が高まることになる結果、カシメリング4による外装バッグ3の強固な緊縛固定を行うことが可能となり、止流バッグ膨張時に、外装バッグ3や内装バッグ2の口元の一部がカシメリング4から引き抜かれてしまうことを効果的に防止することが可能となる。また、外装バッグ3が高い柔軟性を有することにより、水道管A内で膨張させる内装バッグ2の拡径に外装バッグ3が追従しやすくなり、水道管内壁との間で水が漏れ出る隙間が形成されることを効果的に抑制することが可能となり、高い止流性を発揮させることができる。
【0030】
また、高強力ポリエチレン繊維を用いて外装バッグ3を構成する場合、高強力ポリエチレン繊維は、摩擦係数が低く摺動性が高いため、止流プラグ1を水道管内で膨張させた際に、外装バッグ3が管内面上をスムーズに移動しながら拡径することとなり、外装バッグ3が部分的に重なってしまったり、皺が発生した状態で設置されてしまうことを効果的に抑制でき、管内面の周方向全域に亘って密着した状態で外装バッグ3を設置させることが可能となる。
【0031】
また、流体給排管Dから供給される流体(空気又は水等)の作用により止流バッグ1が膨張すると、外装バッグ3の表面の一部が、カシメリング4の開口部の内周面側の角部(特に、口金本体21aに第2拡径部21c側に配置されるカシメリング4の開口部の内周面側の角部)に擦られながら強く押圧され、カシメリング4の開口部との接触箇所において該外装バッグ3の表面の一部に損傷が生じるおそれがあるが、本発明に係る止流プラグ1は、上記のような高い引張強さ(経、緯共に、1.5kN/3cm以上8kN/3cm以下の強度)を有するものとして構成されているため、耐圧性、耐摩耗性が向上するため、上記損傷が発生することを効果的に防止することが可能となる。
【0032】
また、上記実施形態においては、カシメリング4の軸方向に沿って、環状の突出部41が、所定間隔をあけて複数形成されており、各環状の突出部41同士の間に溝部42が形成されている。一方、上述のように、外装バッグ3は、柔軟性のある織物基布から形成されているため、カシメリング4を口金21(口金本体21a)との間に外装バッグ3を介在させて加締める際に、外装バッグ3の口元部分の一部が、突出部41同士の間に形成される溝部42内に進入しやすくなる。この結果、カシメリング4から外装バッグ3の口元を引き抜こうとする力が発生しても、外装バッグ3の口元部分の一部分が、突出部41同士の間に形成される溝部42内に進入した状態(収容された状態)が維持されやすくなり、引抜力に対して極めて強力な抵抗力が外装バッグ3や内装バッグ2に付与され、外装バッグ3等の位置ズレを極めて効果的に防止することが可能となる。
【0033】
また、上記実施形態に係る止流プラグ1においては、突出部41が、カシメリング4の周方向に沿って環状に形成されている。つまり、止流プラグ1の膨張に伴ってカシメリング4から外装バッグ3の口元を引き抜こうとする力の向きに対して略垂直な方向に突出部41が延在して形成されているため、カシメリング4から外装バッグ3の口元を引き抜こうとする力に対して強い抵抗力を外装バッグ3に付与することができ外装バッグ3や内装バッグ4の位置ズレをより一層効果的に防止することが可能となる。
【0034】
また、上記実施形態においては、カシメリング4の軸方向に沿った断面視において、溝部42は、カシメリング中心方向側の開口幅W1が、溝底部42aの幅W2よりも幅広となるように形成されている。このような構成を採用することにより、カシメリング4を加締める際に、突出部41同士の間に形成される溝部42内に進入させる外装バッグ3の口元部分の領域を多くすることが可能となる。つまり、カシメリング4の内周面と外装バッグ3の外表面との接触面積を大きくすることができ、カシメリング4から外装バッグ3の口元を引き抜こうとする力に対するより一層大きな抵抗力を生じさせることができ、外装バッグの位置ズレを極めて効果的に防止することが可能となる。
【0035】
また、上記実施形態においては、カシメリング4の軸方向に沿った断面視において、各突出部41は、溝底部42aからカシメリング4の内側に向けて伸びる一対の側面部41aと、当該一対の側面部41aのカシメリング4の内側の端部同士を接続する先端部41bとを備えており、先端部41bは、カシメリング4の軸方向に沿う平坦部41cを有するように構成されている。このような構成により、カシメリング4の加締め時に、一の突出部41における側面部41aと、この一の突出部41に隣接する突出部41における側面部41aとの間で形成される溝部42に、外装バッグ3の口元部分の所定領域を進入させて外装バッグの位置ズレを効果的に防止しつつ、突出部41の先端部41bが、外装バッグ3を突き破って、外装バッグ3やその下方にある内装バッグ2に損傷を与えることを効果的に抑制することが可能となる。
【0036】
以上、本発明の一実施形態に係る止流プラグ1について説明したが、止流プラグ1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態において、図8の概略構成要部拡大断面図に示すように、突出部41における先端部41bと各側面部41aとの接続部分に、先端部41bにおける平坦部41cに接続される突出部面取り部41dを形成するように構成してもよい。このような突出部面取り部41dを備えることにより、カシメリング4の内周面と外装バッグの外表面との接触面積を更に大きくすることができ、カシメリング4から外装バッグ3の口元を引き抜こうとする力に対して、より一層強力な抵抗力を生じさせることが可能となり、外装バッグ3の位置ズレを極めて効果的に防止することができる。
【0037】
また、上記実施形態においては、突出部41をカシメリング4の周方向に沿って形成される環状となるように構成しているが、このような形態に特に限定されず、突起部41を、複数所定間隔をあけてカシメリングの内周面上に分散配置するように構成してもよいし、また、例えば、カシメリング4の内周面から該カシメリング4の内側に向けて突出する半球状や角柱状等の突起体として突出部41を構成し、カシメリング4の内周面上に環状あるいは分散配置するように構成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態においては、カシメリング4の周方向に沿って形成される環状の突出部41を複数形成するように構成しているが、このような形態に特に限定されず、例えば、単一の環状の突出部41を設けるようにしてカシメリング4を構成してもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、環状の各突出部41は、図3図4の断面図に示すように、カシメリング4の軸方向に沿った断面視において、溝部42の溝底部42aからカシメリング4の内側に向けて伸びる一対の側面部41aを備えており、この一対の側面部41aが、カシメリング4の内側に向かうに従い、互いの距離が小さくなるような傾斜面として構成されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図9(a)の断面図に示すように、一対の側面部41aが、カシメリングの軸方向に対して垂直な方向に沿った面として構成し、溝部42におけるカシメリング内側の開口幅W1の寸法が、溝底部42aの幅W2の寸法と同一となるように構成してもよい。また、図9(a)に示す構造に対して、図9(b)の断面図に示すように、上述の突出部面取り部41dを形成して構成してもよい。
【0040】
また、本実施形態に係る止流プラグ1において、図10の概略構成断面図に示すように、カシメリング4の両端開口部において、それぞれ内周面側の角部に、その全周に亘って形成される面取り部45を設けるように構成してもよい。面取り部45の具体例としては、例えば、R面取りが好ましいが、C面取りを採用してもよい。ここで、流体給排管Dから供給される流体(空気又は水等)の作用により止流バッグ1が膨張すると、外装バッグ3の表面の一部が、カシメリング4の開口部の内周面側の角部(特に、口金本体21aに第2拡径部21c側に配置されるカシメリング4の開口部の内周面側の角部)に擦られながら強く押圧され、カシメリング4の開口部との接触箇所において該外装バッグ3の表面の一部に損傷が生じるおそれがあるが、上述のような面取り部45を形成することにより、外装バッグ3の表面がカシメリング4の開口部の内周面側の角部によって損傷することを効果的に防止することが可能となる。また、面取り部45の一方の端部(カシメリング4の開口縁側とは反対側に存在する端部)は、最もカシメリング4の両端開口部側にそれぞれ配置される環状の突出部41の立ち上がりの始点となる個所に接続するように構成することがより好ましい。このような構成を採用することにより、外装バッグ3が、カシメリング4の開口部との接触によって損傷することをより一層効果的に防止することができる。なお、面取り部45を、カシメリング4の両端開口部のそれぞれに形成するのではなく、口金本体21aの第2拡径部21c側に配置される開口部にのみ設けるように構成してもよい。
【0041】
また、本実施形態に係る止流プラグ1において、図11の概略構成断面図に示すように、カシメリング4の両端開口部の各内周面46が、カシメリング4の軸方向外側に向かうに従って徐々に拡径するテーパ―状となるように構成してもよい。このような構成を採用することにより、外装バッグ3の表面の一部がカシメリング4の開口部の内周面側の角部によって損傷することを効果的に防止することが可能となる。特に、上述の面取り部45を更に形成することにより、外装バッグ3の表面がカシメリング4の開口部によって損傷することをより一層効果的に防止することが可能となる。なお、図11に示されるように、カシメリング4の両端開口部の各内周面が、徐々に拡径するテーパ―状となるように構成する代わりに、口金本体21aの第2拡径部21c側に配置される開口部の内周面のみが、テーパ―状となるように構成してもよい。ここで、カシメリング4の開口部のテーパ―状の内周面46は、例えば、カシメリング4を製造する際に、切削加工等の機械加工を各開口部に対して行うことにより形成することができる。また、テーパ―状の内周面46が形成されていないカシメリング4(例えば、図3に示すような形態のカシメリング4)を加締める際に、カシメリング4の開口部エリアを除外した領域(カシメリング4の軸方向中央領域)を、圧着工具を用いて縮径変形することによっても形成することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る止流プラグ1において、図12(a)の平面図、及び、図12(a)のB-B断面に相当する図12(b)の断面図に示すように、内装バッグ2の長球状部分にその長手方向に沿って形成される帯状の肉厚部7を複数形成するように構成してもよい。帯状の肉厚部7は、図12(b)の断面図に示されるように、内装バッグ2の周方向に沿って略等間隔に配置することが好ましい。このような肉厚部7を形成することにより、内装バッグ2が過度に膨張してしまうことを効果的に抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態においては、第2拡径部21cは、口金本体21aの周方向に沿うリング状に形成されているが、このような構成に限定されず、例えば、口金本体21aの外表面上において部分的に隆起する複数のドット状の第2拡径部21cを備えるように構成してもよい。なお、ドット状の第2拡径部21cは、複数である必要はなく、単一であってもよい。
【0044】
また、上記実施形態に関し、図13の断面図に示すように、口金21が、補強部材8を備えるように構成してもよい。この補強部材8は、口金本体21a及び内装バッグ2の間に介在され、口金本体21a及び内装バッグ2に接着固定される部材である。この補強部材8は、口金本体21aの外周表面を囲繞被覆して配置されており、口金本体21aの他方端側に向かうに従い拡径するテーパ部81を備えている。補強部材8を形成する材料としては、例えば、ゴム材料等の弾性部材を挙げることができる。ゴム材料としては、例えば、天然ゴム,ブタジエンゴム,イソプレンゴム,ブチルゴム,エチレン-プロピレンゴム,スチレン-ブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,アクリルゴム,エピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。
【0045】
図13に示すような補強部材8を口金本体21aの外周表面に設ける方法としては特に限定されないが、例えば、口金本体21aを配置した状態で、補強部材8の形態に対応する内部空間を有する金型を用い、当該金型の内部空間に所定の材料を射出することにより形成する方法を採用することができる。また、口金本体21aと補強部材8との接着性を向上させるため、口金本体21aと補強部材8とは、加硫接着により互いに接着固定されることが好ましい。
【0046】
また、図13に示す口金21においては、口金本体21aの他方端及び当該他方端に設けられる第2拡径部21cが、補強部材8のテーパ部81内に埋設されるように構成されている。つまり、口金本体21aの他方端側の全域が補強部材8のテーパ部81の内部に埋設されるように構成されている。また、補強部材8におけるテーパ部81には、口金本体21aの内部貫通孔21dと連通する連通路82が形成されている。この連通路82は、内装バッグ2の内部に向かって開口しており、これにより、内部貫通孔21d及び連通路82を介して流体給排管Dから供給される流体(空気又は水等)の作用により、内装バッグ2は膨張する。
【0047】
このような構成の口金21を内装バッグ2の長軸の一端に設けた開口部(口元)に接着固定するには、例えば、内装バッグ2の一部を切り開き、この切り開いた孔から口金21を内装バッグ2の内部に進入させ、内装バッグ2の内側から開口部(口元)に向けて口金21における第1拡径部21b側を挿入することにより行うことができる。口金21を内装バッグ2の開口部(口元)に突設した後、切り開かれた孔部分に、例えば、帯状のゴム片等の閉塞部材を重ね合わせて接着することにより、切り開かれた孔を閉塞することができる。また、口金21における補強部材8と内装バッグ2における開口部との接着性や、内装バッグ2と切り開かれた孔部分を塞ぐためのゴム片との接着性を向上させるため、補強部材8と内装バッグ2における開口部、及び、内装バッグ2と切り開かれた孔部分の閉塞用のゴム片は、加硫接着により互いに接着固定されることが好ましい。
【0048】
このように、ゴム材料等の弾性部材から形成され、口金本体21aの外周表面を囲繞被覆して配置される補強部材8を備えることにより、内装バッグ2及び外装バッグ3は、より強固にカシメリング4を介して口金に緊縛固定されることとなる。具体的に説明すると、外装バッグ3は、上述のように、薄くて柔軟性のある織物基布から形成されているため、カシメリング4を用いて加締めた際に、カシメリング4の突出部41を、内装バッグ2及び外装バッグ3の口元部を介して、補強部材8に食い込ませることが可能となり、強固な緊縛固定が実現される。また、補強部材8が弾性部材から形成されているため、その弾性反発力が、内装バッグ2及び外装バッグ3の口元部に作用することになり、内装バッグ2及び外装バッグ3の口元部に対するカシメリング4の確実な締め付け力を維持することが可能となる。
【0049】
また、口金21が、口金本体21aの他方端側に向かうに従い拡径するテーパ部81を備えるように構成を採用することにより、内装バッグ2と口金21との接着面積が従来の構造よりも大幅に増加するため、内装バッグ2と口金21とが強固に接着固定され、その結果、止流プラグ1の使用を継続していくに従い発生するおそれのある口金21に対する内装バッグ2の接着強度低下を効果的に防止することができ、内装バッグ2の口元の一部分或いは全体が、口金21から剥離してしまい、カシメ部分から抜け出ることを効果的に防止することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態に係る止流プラグ1は、口金本体21aが、その他方端部の外周表面から径方向外側に突出する第2拡径部21cを備えるように構成されているが、このような第2拡径部21cは、補強部材8に対してもストッパーとしての機能を発揮するため、補強部材8が、口金本体21aの他方端側に引き抜かれてしまうことを効果的に抑制することが可能となる。
【0051】
また、口金本体21aの他方端及び第2拡径部21cが、補強部材8のテーパ部81内に埋設されるように構成される場合、口金本体21aの他方端側の全域が補強部材8のテーパ部81の内部に埋設されることになる為、口金21と補強部材8との接触面積をより一層増加させることができ、口金21と補強部材8との接着強度を向上させつつ、第2拡径部21cのストッパーとしての機能をより向上させることが可能となる。また、補強部材8が、口金本体21aの他方端側に引き抜かれてしまうことや、口金本体21aの一方端側に位置ズレしてしまうことを効果的に抑制することが可能となる。
【0052】
なお、図13に示す止流プラグ1においては、口金本体21aの他方端側の全域が補強部材8のテーパ部81の内部に埋設されるように構成しているために、口金本体21aの他方端及び第2拡径部21cが、補強部材8のテーパ部81の内部に配置されるように構成されているが、例えば、図14(a)の断面図に示すように、口金本体21aの他方端部に設けられる第2拡径部21cの少なくとも一部分を補強部材8のテーパ部81内に埋設するように構成してもよい。このような構成であっても、補強部材8を備えない場合と比べて、口金本体21aと補強部材8との接触面積が増加するため、口金本体21aと補強部材8との接着強度を向上させることが可能となる。また、第2拡径部21cのストッパーとしての機能は維持されるため、補強部材8が、口金本体21aの他方端側に引き抜かれてしまうことを抑制することが可能となる。
【0053】
また、第2拡径部21cは、口金本体21aの他方端の端面と面一となるように構成されているが、このような構成に特に限定されず、図14(b)の断面図に示すように、口金本体21aの他方端との間に所定の間隔をあけた状態で、口金本体21aの他方端部の外周表面に第2拡径部21cを形成し、当該第2拡径部21cの全体を埋設するように補強部材8のテーパ部81を構成してもよい。
【0054】
また、補強部材8は、肉厚部7と重ねて加硫するようにすることが好ましい。例えば、肉厚部7を補強部材8のテーパ部81まで延設させ、その上からテーパ部81ないし補強部材8を加硫することで内装バッグ2の強度を高めることができ、補強部材8が、口金本体21aの他方端側に引き抜かれてしまうことや、口金本体21aの一方端側に位置ズレしてしまうことを効果的に抑制することが可能になる。ただし、このような構成に限られることは無く、補強部材8と肉厚部7とが離間していても構わない。
【0055】
また、上記実施形態においては、図3(b)に示すように、カシメリング4の内周面に当該カシメリング4の内側に向けて突出する突出部41が形成されているが、このような突出部41を設けることを省略し、例えば、図15に示すような従来からあるカシメリング104(内周面が平滑な面として構成されるカシメリング)を使用してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 止流プラグ
2 内装バッグ
21 口金
3 外装バッグ
4 カシメリング
41 突出部
41a 側面部
41b 先端部
41c 平坦部
41d 突出部面取り部
42 溝部
42a 溝底部
42b 側壁部
45 面取り部
46 カシメリングの開口部のテーパ―状内周面
6 段差緩和部
7 肉厚部
8 補強部材
81 テーパ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17