(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】車内監視モジュール、及び、監視システム
(51)【国際特許分類】
B60R 11/04 20060101AFI20220808BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20220808BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20220808BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20220808BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220808BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20220808BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
B60R11/04
G08B21/00 U
G08B25/04 E
G08B25/08 A
H04Q9/00 301B
B60R16/02 655A
B60R16/02 655V
B60R11/02 M
B60R11/02 S
B60R11/02 W
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2018065263
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】岡本 進一
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏二
(72)【発明者】
【氏名】古屋 嘉之
(72)【発明者】
【氏名】ガフ アントニー
【審査官】西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/132251(WO,A1)
【文献】米国特許第09315152(US,B1)
【文献】特開2008-199515(JP,A)
【文献】特開2005-125977(JP,A)
【文献】特開2016-057673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9-00 - 11/06
1/00 - 1/31
21/00 - 21/38
G08B 19/00 - 21/24
G08B 23/00 - 31/00
H04Q 9/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内の状況を検出する検出部と、
前記車両に設けられるサービス動作部と、
前記検出部によって検出された前記車両の室内の状況に基づいて当該車両の室内で発生した事象の種別を判定し、判定された前記事象の種別に基づいて前記サービス動作部を制御し、当該サービス動作部に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能である制御装置と、
前記検出部、前記サービス動作部、及び、前記制御装置が組み付けられてユニット化し、前記車両の室内の上方に設けられる筐体と
、
前記車両の外部の外部機器と通信可能である車外通信部とを備え
、
前記サービス動作部は、前記車両の室内に向けて情報を出力可能である情報出力装置を含み、
前記制御装置は、前記車外通信部を制御し、判定された前記事象の種別に関する情報を当該車外通信部を介して前記外部機器に送信させる処理、及び、前記情報出力装置を制御し、前記外部機器から前記車外通信部を介して受信した情報を出力させる処理を実行可能であることを特徴とする、
車内監視モジュール。
【請求項2】
前記検出部は、前記車両の室内の画像を撮像することで前記車両の室内の状況を検出する撮像装置を含み、
前記制御装置は、前記撮像装置によって撮像された前記車両の室内の画像に基づいて当該車両の室内で発生した前記事象の種別を判定する、
請求項1に記載の車内監視モジュール。
【請求項3】
前記検出部は、前記車両の室内の音を検出することで前記車両の室内の状況を検出する音検出装置を含み、
前記制御装置は、前記音検出装置によって検出された前記車両の室内の音に基づいて当該車両の室内で発生した前記事象の種別を判定する、
請求項1又は請求項2に記載の車内監視モジュール。
【請求項4】
前記制御装置は、前記外部機器から前記車外通信部を介して受信した情報に基づいて前記検出部を制御し、当該検出部を遠隔操作させる処理、及び、前記車外通信部を制御し、前記検出部によって検出された前記車両の室内の状況に関する情報を前記車外通信部を介して前記外部機器に送信させる処理を実行可能である、
請求項
1に記載の車内監視モジュール。
【請求項5】
前記車両の前記筐体外に搭載される車載機器と通信可能である車内通信部を備え、
前記制御装置は、判定された前記事象の種別に基づいて前記車内通信部を介して前記車載機器を制御し、当該車載機器に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能である、
請求項1乃至請求項
4のいずれか1項に記載の車内監視モジュール。
【請求項6】
前記制御装置は、前記事象の種別として、前記室内への残留物の発生、前記室内の人物のシートベルトの未着用、前記室内の人物の体調悪化、前記室内の人物の不審行動、又は、前記室内の異常事態を判定する、
請求項1乃至請求項
5のいずれか1項に記載の車内監視モジュール。
【請求項7】
車両に搭載される車内監視モジュールと、
前記車両の外部に設けられ前記車内監視モジュールと相互に情報を送受信可能である外部機器とを備え、
前記車内監視モジュールは、
前記車両の室内の状況を検出する検出部と、
前記車両に設けられるサービス動作部と、
前記検出部によって検出された前記車両の室内の状況に基づいて当該車両の室内で発生した事象の種別を判定し、判定された前記事象の種別に基づいて前記サービス動作部を制御し、当該サービス動作部に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能である制御装置と、
前記検出部、前記サービス動作部、及び、前記制御装置が組み付けられてユニット化し、前記車両の室内内の上方に設けられる筐体と
、
前記車両の外部の外部機器と通信可能である車外通信部とを備え
、
前記サービス動作部は、前記車両の室内に向けて情報を出力可能である情報出力装置を含み、
前記制御装置は、前記外部機器と連携して前記サービス動作部に前記事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行させる
ものであり、前記車外通信部を制御し、判定された前記事象の種別に関する情報を当該車外通信部を介して前記外部機器に送信させる処理、及び、前記情報出力装置を制御し、前記外部機器から前記車外通信部を介して受信した情報を出力させる処理を実行可能であることを特徴とする、
監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車内監視モジュール、及び、監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される従来の車内監視モジュールとして、例えば、特許文献1には、車両用乗員感情対応制御装置が開示されている。この装置は、車両の乗員の生体情報に基づいて当該乗員の感情を推定し、必要に応じて当該乗員の感情を改善させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の装置は、例えば、車両の室内の監視の点で更なる改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、車両の室内を適正に監視することができる車内監視モジュール、及び、監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る車内監視モジュールは、車両の室内の状況を検出する検出部と、前記車両に設けられるサービス動作部と、前記検出部によって検出された前記車両の室内の状況に基づいて当該車両の室内で発生した事象の種別を判定し、判定された前記事象の種別に基づいて前記サービス動作部を制御し、当該サービス動作部に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能である制御装置と、前記検出部、前記サービス動作部、及び、前記制御装置が組み付けられてユニット化し、前記車両の室内の上方に設けられる筐体とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記車内監視モジュールでは、前記検出部は、前記車両の室内の画像を撮像することで前記車両の室内の状況を検出する撮像装置を含み、前記制御装置は、前記撮像装置によって撮像された前記車両の室内の画像に基づいて当該車両の室内で発生した前記事象の種別を判定するものとすることができる。
【0008】
また、上記車内監視モジュールでは、前記検出部は、前記車両の室内の音を検出することで前記車両の室内の状況を検出する音検出装置を含み、前記制御装置は、前記音検出装置によって検出された前記車両の室内の音に基づいて当該車両の室内で発生した前記事象の種別を判定するものとすることができる。
【0009】
また、上記車内監視モジュールでは、前記車両の外部の外部機器と通信可能である車外通信部を備え、前記制御装置は、前記車外通信部を制御し、判定された前記事象の種別に関する情報を当該車外通信部を介して前記外部機器に送信させる処理を実行可能であるものとすることができる。
【0010】
また、上記車内監視モジュールでは、前記サービス動作部は、前記車両の室内に向けて情報を出力可能である情報出力装置を含み、前記制御装置は、前記情報出力装置を制御し、前記外部機器から前記車外通信部を介して受信した情報を出力させる処理を実行可能であるものとすることができる。
【0011】
また、上記車内監視モジュールでは、前記制御装置は、前記外部機器から前記車外通信部を介して受信した情報に基づいて前記検出部を制御し、当該検出部を遠隔操作させる処理、及び、前記車外通信部を制御し、前記検出部によって検出された前記車両の室内の状況に関する情報を前記車外通信部を介して前記外部機器に送信させる処理を実行可能であるものとすることができる。
【0012】
また、上記車内監視モジュールでは、前記車両の前記筐体外に搭載される車載機器と通信可能である車内通信部を備え、前記制御装置は、判定された前記事象の種別に基づいて前記車内通信部を介して前記車載機器を制御し、当該車載機器に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能であるものとすることができる。
【0013】
また、上記車内監視モジュールでは、前記制御装置は、前記事象の種別として、前記室内への残留物の発生、前記室内の人物のシートベルトの未着用、前記室内の人物の体調悪化、前記室内の人物の不審行動、又は、前記室内の異常事態を判定するものとすることができる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係る監視システムは、車両に搭載される車内監視モジュールと、前記車両の外部に設けられ前記車内監視モジュールと相互に情報を送受信可能である外部機器とを備え、前記車内監視モジュールは、前記車両の室内の状況を検出する検出部と、前記車両に設けられるサービス動作部と、前記検出部によって検出された前記車両の室内の状況に基づいて当該車両の室内で発生した事象の種別を判定し、判定された前記事象の種別に基づいて前記サービス動作部を制御し、当該サービス動作部に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能である制御装置と、前記検出部、前記サービス動作部、及び、前記制御装置が組み付けられてユニット化し、前記車両の室内内の上方に設けられる筐体とを備え、前記制御装置は、前記外部機器と連携して前記サービス動作部に前記事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る車内監視モジュール、及び、監視システムは、制御装置が検出部によって検出された車両の室内の状況に基づいて当該車両の室内で発生した事象の種別を判定する。そして、車内監視モジュールは、制御装置が判定された事象の種別に基づいてサービス動作部を制御し、当該サービス動作部に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行する。このような構成にあって、車内監視モジュールは、検出部、サービス動作部、及び、制御装置が筐体に組み付けられてユニット化され車両の室内の上方に設けられる。この結果、車内監視モジュールは、車両の室内を適正に監視することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車内監視モジュールを備える監視システムの概略構成を表すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る車内監視モジュールの搭載例を表す模式的な部分斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る車内監視モジュールが適用される車両の室内の概略構成を表す模式図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る車内監視モジュールが適用される車両の室内の概略構成を表す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る車内監視モジュールにおける制御の一例を表すフローチャート図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る車内監視モジュールにおける残留物対応処理の一例を表すフローチャート図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る車内監視モジュールにおけるシートベルト未着用対応処理の一例を表すフローチャート図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る車内監視モジュールにおける体調悪化対応処理の一例を表すフローチャート図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る車内監視モジュールにおける不審行動対応処理の一例を表すフローチャート図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る車内監視モジュールにおける制御の別の一例を表すフローチャート図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る車内監視モジュールにおける異常事態対応処理の一例を表すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0018】
[実施形態]
図1、
図2、
図3に示す本実施形態の車内監視モジュール1は、車両Vに搭載される車載システムである。本実施形態の車内監視モジュール1は、車両Vの室内INの状況を監視し、状況に応じて様々な対応処理を行うための構造的なモジュールである。そして、本実施形態の車内監視モジュール1は、主要な部分がユニット化された上で車両Vの室内INの上方、ここでは、屋根部材(ルーフ)RFに配置されることでルーフ集中配置型の監視ユニットを構成する。ここで、屋根部材RFは、車両Vにおいて鉛直方向上側に位置して当該車両Vの外装を構成する構造体である。屋根部材RFは、中空柱状に形成された複数のピラーPLを介して車両ボデー本体BOに連結され当該車両ボデー本体BOの鉛直方向上側に支持される。車両Vは、当該屋根部材RFを鉛直方向上側の境界として、室外OU側と室内IN側とに領域分けされる。車内監視モジュール1は、例えば、中空柱状のピラーPLの内部空間等に配索される電力線(電線)等を介して電源と電気的に接続され電力が供給される。車内監視モジュール1は、車両Vの外部に設けられる外部機器CLと共に監視システム500を構成する。本実施形態の監視システム500は、車両Vに搭載される車内監視モジュール1と、車両Vの外部に設けられ車内監視モジュール1と相互に情報を送受信可能である外部機器CLとを備える。そして、本実施形態の車内監視モジュール1は、外部機器CLと連携して種々の処理を実行する。車内監視モジュール1は、
図1に示す構成要素を車両Vに搭載することで実現される。以下、
図1、
図2、
図3を参照して車内監視モジュール1の各構成について詳細に説明する。
【0019】
なお、
図1に図示する車内監視モジュール1において、電力供給、制御信号、各種情報等の授受のための各構成要素間の接続方式は、特に断りのない限り、電線や光ファイバ等の配索材を介した有線による接続(例えば、光ファイバを介した光通信等も含む)、無線通信、非接触給電等の無線による接続のいずれであってもよい。また、車内監視モジュール1が適用される車両Vは、電気車両(EV(Electric Vehicle))、ハイブリッド車両(HEV(Hybrid Electric Vehicle))、プラグインハイブリッド車両(PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle))、ガソリン車両、ディーゼル車両など、駆動源としてモータ又はエンジンを用いるいずれの車両であってもよい。また、当該車両Vの運転は、運転者による手動運転、半自動運転、完全自動運転等、いずれであってもよい。また、当該車両Vは、いわゆる個人が所有する自家用車、レンタカー、シェアリングカー、バス、タクシー、ライドシェアカーのいずれであってもよい。以下の説明では、一例として、車両Vは、バス、タクシー、ライドシェリングカー等、特定の事業者等によって管理され不特定多数の利用者によって利用され、利用者によって予約された乗降位置に自動で移動する完全自動運転可能な車両であるものとして説明する。完全自動運転の場合、車両Vに運転者自体が不在となる場合もありうる。
【0020】
具体的には、車内監視モジュール1は、筐体2と、車外通信部3と、車内通信部4と、検出部5と、サービス動作部6と、制御装置7とを備える。車内監視モジュール1は、これら筐体2、車外通信部3、車内通信部4、検出部5、サービス動作部6、及び、制御装置7がユニット化されることで構成される。車内監視モジュール1は、この他、さらに、ルームランプ、各種操作部等を含んで構成されてもよい。
【0021】
筐体2は、車内監視モジュール1を構成する車外通信部3、車内通信部4、検出部5、サービス動作部6、及び、制御装置7が組み付けられるものである。筐体2は、例えば、絶縁性を有する合成樹脂によって形成される。筐体2は、例えば、複数の部材が組み合わさって全体として中空箱状に形成されてもよい。筐体2は、中空箱状の内部に車外通信部3、車内通信部4、検出部5、サービス動作部6、及び、制御装置7が組み付けられこれらを収容し、車内監視モジュール1としてユニット化する。ここでは、筐体2は、内部に収容した車外通信部3、車内通信部4、検出部5、サービス動作部6等の一部が外面に露出している。そして、筐体2は、車両Vの室内INの上方、ここでは、屋根部材RFに設けられる。筐体2は、典型的には、車両Vの室内INの上方であって、室内INの全乗員を見渡せる位置(後述する撮像装置51で室内INの全乗員を撮像可能な位置)に設けられることが好ましい。より詳細には、筐体2は、屋根部材RFの室内IN側の面に据え付けられる。ここでは、筐体2は、例えば、屋根部材RFとウインドシールドWSとの交差部分でかつ車両Vの車幅方向の略中央位置に設けられる。ウインドシールドWSは、車両Vの前部に設けられ室内INと室外OUとの境界となるものである。ウインドシールドWSは、光を透過する光透過性の部材によって構成され、フロントガラスとも呼ばれる。本実施形態の車内監視モジュール1は、全体が車両Vの屋根部材RFの室内IN側の面に設けられ、種々の機能を統合したオーバーヘッドモジュール(OHM:Over-Head Module)、あるいは、ルーフモジュール(RM:Roof Module)を構成する。
【0022】
車外通信部3は、車両Vに搭載される無線通信機能部品である。車外通信部3は、車両Vと当該車両Vの外部のネットワークNとを無線により接続する通信モジュールである。ここで、ネットワークNは、車内監視モジュール1と車両Vの外部の機器とを通信可能に接続するものである。ネットワークNは、有線または無線を問わず、任意の通信網を用いることができる。車外通信部3は、ネットワークNに接続された機器と車内監視モジュール1との間で情報の送受信を行う。車外通信部3は、例えば、広域無線、狭域無線等、種々の方式の無線通信によりネットワークNを介して車両Vの外部の機器と通信可能である。ここで、広域無線の方式は、例えば、ラジオ(AM、FM)、TV(UHF、4K、8K)、TEL、GPS、WiMAX(登録商標)等である。また、狭域無線の方式は、例えば、ETC/DSRC、VICS(登録商標)、無線LAN、ミリ波通信等である。本実施形態の車外通信部3は、少なくともネットワークNを介して、当該ネットワークNに接続された外部機器CLとの間で情報の送受信を行う。つまり、本実施形態の車外通信部3は、車両Vの外部の機器として、少なくとも外部機器CLと通信可能に構成される。ここで、外部機器CLは、車両Vの外部のネットワークN上に実装されるクラウドサービス機器を構成するものであり、いわゆるクラウドサービスにおけるセンタを構成する。外部機器CLは、車内監視モジュール1(車両V)との間でネットワークNを介して相互に情報を送受信することができる。外部機器CLは、既知のPCやワークステーションなどのコンピュータシステムに種々の処理を実現させるアプリケーションをインストールすることで構成することもできる。車内監視モジュール1は、当該車外通信部3を介して外部機器CLと相互に通信し連携することで当該外部機器CLから様々なクラウドサービスを受けることができる。なお、この車外通信部3は、後述するサービス動作部6の一部を構成してもよい。
【0023】
車内通信部4は、車両Vに搭載される通信中継機能部品である。車内通信部4は、車載ネットワーク等を介して車両Vに搭載されたECU(Electronic Control Unit)100や車載機器101と通信可能に構成される。つまり、車内通信部4は、車両Vに搭載されるECU100や車載機器101と種々の情報を送受信可能に構成される。ここで、ECU100は、車載機器101等を含む車両Vの全体を統括的に制御する電子制御ユニットである。このECU100は、車内監視モジュール1の一部として構成されていてもよい。言い換えれば、車内監視モジュール1は、ECU100を備える構成であってもよい。車載機器101は、車両Vの筐体2外に搭載され、種々の機能を実現させる機器である。車載機器101は、複数設けられる。車内通信部4は、ECU100を介して、当該ECU100に接続された複数の車載機器101との間で情報の送受信を行う。車内通信部4は、例えば、ルーティング処理を行うルータ機能やプロトコル変換処理を行うゲートウェイ機能等を有して構成されてもよい。本実施形態の複数の車載機器101は、一例として、走行系アクチュエータ111、シートベルト装置112、ドア装置113を含んで構成される。走行系アクチュエータ111は、車両Vを走行させるための種々の機器である。走行系アクチュエータ111は、典型的には、走行用パワートレーン、操舵装置、制動装置等を含んで構成される。走行用パワートレーンは、車両Vを走行させる駆動装置である。操舵装置は、車両Vの操舵を行う装置である。制動装置は、車両Vの制動を行う装置である。シートベルト装置112は、車両Vのシートベルトを電動でロックする装置である。ドア装置113は、車両Vの乗降用のドア、及び、当該ドアのロック機構を電動で開閉する装置である。なお、この車内通信部4は、後述するサービス動作部6の一部を構成してもよい。
【0024】
検出部5は、車両Vの室内INの状況を検出するものである。検出部5は、車両Vの室内INの状況を表す室内状況情報を検出する。室内状況情報は、例えば、車両Vの内部環境を表す情報、車両Vの内部の人物、物体等の有無、位置、状態を表す情報、車両Vの座席への着座の有無やシートベルトの着用の有無を表す情報等を含んでいてもよい。
図1に示す検出部5は、一例として、撮像装置51、レーダ/ソナー52、及び、音検出装置としての音圧センサ53を含んで構成されるものとして図示している。撮像装置51は、車両Vの室内INの画像を撮像することで車両Vの室内INの状況を表す室内状況情報を検出するものである。撮像装置51は、筐体2に組み付けられ、例えば、撮像範囲が車両Vの室内INの全域をカバーするように画角が調整されている。撮像装置51は、1つで車両Vの室内INの全域をカバーできない場合には複数が設けられ当該複数によって車両Vの室内INの全域をカバーするように構成されてもよい。撮像装置51は、例えば、2次元画像を撮像可能な単眼カメラであってもよいし、3次元画像を撮像可能なステレオカメラであってもよい。また、撮像装置51は、いわゆるTOF(Time of Flight)カメラ等であってもよい。レーダ/ソナー52は、赤外線、ミリ波、超音波等を用いて車両Vの室内INの状況を表す室内状況情報を検出するものである。レーダ/ソナー52は、筐体2に組み付けられ、例えば、検知範囲が車両Vの室内INの全域をカバーするように調整されている。レーダ/ソナー52は、1つで車両Vの室内INの全域をカバーできない場合には複数が設けられ当該複数によって車両Vの室内INの全域をカバーするように構成されてもよい。音圧センサ53は、車両Vの室内INの音を検出することで車両Vの室内INの状況を表す室内状況情報を検出するものである。ここでは、音圧センサ53は、車両Vの室内INの音の音圧を検出するものとして説明するがいわゆる集音マイク等であってもよい。音圧センサ53は、1つで車両Vの室内INの全域をカバーできない場合には複数が設けられ当該複数によって車両Vの室内INの全域をカバーするように構成されてもよい。また、検出部5は、車内通信部4や車載ネットワークを介してECU100等の処理部から室内状況情報を取得する取得部を含んで構成されてもよい。検出部5(撮像装置51、レーダ/ソナー52、音圧センサ53)によって検出された情報は、例えば、制御装置7によって室内INで発生した事象の種別判定に用いられる。
【0025】
サービス動作部6は、車両Vに設けられ当該車両Vの室内INにおいて、車両Vの室内INで発生した事象の種別に対応したサービス動作を行うものである。本実施形態のサービス動作部6は、車外用ディスプレイ61、車内用ディスプレイ62、スピーカ63、マイク64、回転灯65等を含んで構成される。車外用ディスプレイ61は、車両Vの室外OUに向けて情報を出力可能である車外用の情報出力装置を構成する。車外用ディスプレイ61は、車両Vの室外OUに向けて画像情報(視覚情報)を表示(出力)するものである。車外用ディスプレイ61は、例えば、薄型の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等によって構成される。車外用ディスプレイ61は、筐体2に組み付けられ、車両Vの室外OUからウインドシールドWSを透過して目視可能な位置に画像情報を表示する。車内用ディスプレイ62、及び、スピーカ63は、車両Vの室内INに向けて情報を出力可能である車内用の情報出力装置を構成する。車内用ディスプレイ62は、車両Vの室内INに向けて図柄や文字等の画像情報(視覚情報)を表示(出力)するものである。車内用ディスプレイ62は、例えば、薄型の液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等によって構成される。車内用ディスプレイ62は、筐体2に組み付けられ、車両Vの室内INの全ての座席から目視可能な位置に画像情報を表示する。スピーカ63は、車両Vの室内INに向けて音情報(聴覚情報)を出力するものである。スピーカ63は、例えば、車両Vの室内INにおいて、情報を提示したい特定の乗員にのみ音情報を聴き取り可能とする指向性の高いものを用いてもよい。同様に、車内用ディスプレイ62は、例えば、車両Vの室内INにおいて、情報を提示したい特定の乗員にのみ画像情報を視認可能とする技術が適用されていてもよく、例えば、各乗員に対応するように個別に設けられていてもよい。マイク64は、車両Vの室内INで発生した音を電気信号に変換する集音装置である。回転灯65は、車両Vの室外OUに向けて車両Vが緊急走行中であることを報知するものである。回転灯65は、例えば、光源からの光を、当該光源の周りを回転する反射鏡によって反射させて水平方向に回転放光させることで、車両Vが緊急走行中であることを報知する。回転灯65は、筐体2に組み付けられた状態で、屋根部材RFの一部を貫通し車両Vの室外OUに露出するように設けられる。
【0026】
制御装置7は、車内監視モジュール1の各部を統括的に制御するものである。制御装置7は、車両Vの室内INの状況を監視し、状況に応じて様々な対応処理を行うための種々の演算処理を実行する。制御装置7は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の中央演算処理装置、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。制御装置7は、車外通信部3、車内通信部4、検出部5、及び、サービス動作部6が電気的に接続される。制御装置7は、各種の検出信号や各部を駆動させるための駆動信号等の各種の電気信号を各部との間で相互に授受することができる。
【0027】
具体的には、制御装置7は、機能概念的に、インターフェース部7A、記憶部7B、及び、処理部7Cを含んで構成される。インターフェース部7A、記憶部7B、及び、処理部7Cは、電気的に接続されている各種機器との間で種々の情報を相互に授受することができる。インターフェース部7Aは、車外通信部3、車内通信部4、検出部5、サービス動作部6等の車内監視モジュール1の各部と種々の情報を送受信するためのインターフェースである。インターフェース部7Aは、各部との間で電線等を介して情報を有線通信する機能、各部との間で無線通信ユニット等を介して情報を無線通信する機能等を有している。記憶部7Bは、種々の情報を記憶する記憶装置である。記憶部7Bは、例えば、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスクなどの比較的に大容量の記憶装置、あるいは、RAM、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)などのデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部7Bは、制御装置7での各種処理に必要な条件や情報、制御装置7で実行する各種プログラムやアプリケーション、制御データ等が格納されている。記憶部7Bは、例えば、車両Vの室内INで発生した事象の種別判定に用いられる事象種別判定情報等をデータベース化して記憶する。また、記憶部7Bは、例えば、車外通信部3、車内通信部4によって受信された各種情報や検出部5で検出された室内状況情報を一時的に記憶することもできる。記憶部7Bは、処理部7C等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。処理部7Cは、各種入力信号等に基づいて、記憶部7Bに記憶されている各種プログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより各部に出力信号を出力し各種機能を実現するための種々の処理を実行する部分である。
【0028】
より詳細には、処理部7Cは、検出部5によって検出された車両Vの室内INの状況に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する処理を実行可能である。そして、処理部7Cは、判定された事象の種別に基づいてサービス動作部6を制御し当該サービス動作部6に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能である。ここでは、処理部7Cは、判定された事象の種別に基づいてサービス動作部6を制御すると共に、外部機器CLと連携して当該サービス動作部6に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能である。処理部7Cは、車外通信部3を制御し、判定された事象の種別に関する発生事象種別情報を当該車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる処理を実行可能である。さらに、処理部7Cは、車外用ディスプレイ61、車内用ディスプレイ62、スピーカ63等を制御し、外部機器CLから車外通信部3を介して受信した出力情報を出力させる処理を実行可能である。また、処理部7Cは、外部機器CLから車外通信部3を介して受信した遠隔操作情報に基づいて検出部5を制御し当該検出部5を遠隔操作させる処理を実行可能である。さらに、処理部7Cは、車外通信部3を制御し、検出部5によって検出された車両Vの室内INの状況に関する室内状況情報を車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる処理を実行可能である。また、処理部7Cは、判定された事象の種別に基づいて車内通信部4を介して車載機器101を制御し当該車載機器101に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能である。本実施形態の処理部7Cは、上記処理を実行するために、機能概念的に、情報処理部7a、画像認識部7b、音声対話処理部7c、及び、サービス実行部7dを含んで構成される。
【0029】
情報処理部7aは、車内監視モジュール1で用いる種々の情報に関する処理を実行可能な機能を有する部分である。本実施形態の情報処理部7aは、検出部5を制御し、室内状況情報を検出させる処理を実行可能な機能を有する。例えば、情報処理部7aは、撮像装置51を制御し、車両Vの室内INの画像を撮像させることで室内状況情報を検出させる処理を実行する。また、情報処理部7aは、レーダ/ソナー52を制御し、赤外線、ミリ波、超音波等を用いて室内状況情報を検出させる処理を実行する。また、情報処理部7aは、音圧センサ53を制御し、車両Vの室内INの音を検出させることで室内状況情報を検出させる処理を実行する。そして、情報処理部7aは、検出部5によって検出された室内状況情報を記憶部7Bに記憶させる処理を実行する。また、本実施形態の情報処理部7aは、車外通信部3を制御し、外部機器CLとの間で種々の情報を送受信させる処理を実行可能である。情報処理部7aは、車外通信部3によって送信される情報を記憶部7Bから読み出す処理や車外通信部3によって受信された情報を記憶部7Bに記憶させる処理を実行する。例えば、情報処理部7aは、後述する画像認識部7bや音声対話処理部7cによって判定された事象の種別に関する発生事象種別情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる処理を実行する。発生事象種別情報は、車両Vの室内INで発生した事象の種別に関する情報であって検出部5によって検出された室内状況情報に基づいて画像認識部7bや音声対話処理部7cによって判定された当該事象の種別に関する情報である。また、情報処理部7aは、車外用ディスプレイ61、車内用ディスプレイ62、スピーカ63で出力させる出力情報を、車外通信部3を介して外部機器CLから受信させる処理を実行する。出力情報は、車外用ディスプレイ61、車内用ディスプレイ62、スピーカ63から出力される情報であり、例えば、
図4に例示するように、車外用ディスプレイ61、車内用ディスプレイ62で表示する画像情報やスピーカ63から出力する音情報等を含む。さらに、情報処理部7aは、検出部5を遠隔操作させる遠隔操作情報を、車外通信部3を介して外部機器CLから受信させる処理をする。遠隔操作情報は、検出部5を外部機器CLからの指示によって遠隔操作するための情報である。また、情報処理部7aは、検出部5によって検出された室内状況情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる処理を実行可能である。また、本実施形態の情報処理部7aは、車内通信部4を制御し、車載機器101との間で種々の情報を送受信させる処理を実行可能な機能を有する。情報処理部7aは、車内通信部4によって送信される情報を記憶部7Bから読み出す処理や車内通信部4によって受信された情報を記憶部7Bに記憶させる処理を実行する。情報処理部7aは、ECU100を介して車載機器101との間で種々の情報を送受信させる処理を実行する。例えば、情報処理部7aは、後述するサービス実行部7dによって走行系アクチュエータ111、シートベルト装置112、ドア装置113等を動作させるための情報を、車内通信部4を介して走行系アクチュエータ111、シートベルト装置112、ドア装置113に送信させる処理を実行する。
【0030】
画像認識部7bは、検出部5によって検出された車両Vの室内INの状況を表す室内状況情報に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する処理を実行可能な機能を有する部分である。画像認識部7bは、後述の音声対話処理部7cと共に、当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する事象判定部として機能する。本実施形態の画像認識部7bは、例えば、種々の公知の人工知能(Artificial Intelligence)技術や深層学習(Deep Learning)技術を用いて車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する。例えば、画像認識部7bは、検出部5によって検出された室内状況情報、記憶部7Bに記憶されている事象種別判定情報等に基づいて車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する。当該事象種別判定情報は、人工知能技術や深層学習技術を用いた様々な手法によって、室内状況情報等に応じて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を学習した結果が反映される情報である。言い換えれば、事象種別判定情報は、室内状況情報等に基づいて車両Vの室内INで発生した事象の種別を推定するために、人工知能技術や深層学習技術を用いた様々な手法を用いてデータベース化された情報である。ここでは、画像認識部7bは、事象の種別として、室内INへの残留物の発生、室内INの人物のシートベルトの未着用、室内INの人物の体調悪化、又は、室内INの人物の不審行動(例えば、器物損壊行動、窃盗行動、傷害行動等)を判定する。つまりここでは、制御装置7によって判定される事象の種別は、一例として、室内INへの残留物の発生、室内INの人物のシートベルトの未着用、室内INの人物の体調悪化、及び、室内INの人物の不審行動を含む。本実施形態の画像認識部7bは、検出部5を構成する撮像装置51によって撮像された車両Vの室内INの画像を表す画像情報に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する。つまり、画像認識部7bは、室内状況情報を構成する画像情報、及び、記憶部7Bに記憶されている事象種別判定情報に基づいて上記事象の種別を判定する。例えば、画像認識部7bは、車両Vへの乗員の乗車前の画像情報と、車両Vからの乗員の降車後の画像情報との差分画像に基づいて、室内INへの残留物の発生を判定することができる。さらに、画像認識部7bは、例えば、画像情報に含まれるシートベルトの画像に基づいて、室内INの人物のシートベルトの未着用を判定することができる。また、画像認識部7bは、例えば、画像情報に含まれる車両Vの室内INの乗員の挙動や表情と記憶部7Bに記憶されている事象種別判定情報とを照合することで、室内INの人物の体調悪化や室内INの人物の不審行動を判定することができる。
【0031】
音声対話処理部7cは、検出部5によって検出された車両Vの室内INの状況を表す室内状況情報に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する処理を実行可能な機能を有する部分である。音声対話処理部7cは、上述の画像認識部7bと共に、当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する事象判定部として機能する。ここでは、音声対話処理部7cは、例えば、事象の種別として、室内INの異常事態(音情報から判別可能な事態)の発生を判定する。つまりここでは、制御装置7によって判定される事象の種別は、一例として、さらに、室内INの異常事態を含む。本実施形態の音声対話処理部7cは、検出部5を構成する音圧センサ53によって検出された車両Vの室内INの音を表す音情報に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する。例えば、音声対話処理部7cは、音圧センサ53によって検出された車両Vの室内INの音の音圧が予め設定された閾値以上である場合に室内INの異常事態を判定することができる。
【0032】
サービス実行部7dは、画像認識部7b、及び、音声対話処理部7cによって判定された事象の種別に基づいてサービス動作部6を制御し当該サービス動作部6に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行可能な機能を有する部分である。本実施形態のサービス実行部7dは、画像認識部7bによって室内INへの残留物の発生が判定された場合、残留物対応処理の少なくとも一部を実行することでサービス動作部6に残留物対応動作をさせる(例えば、後述の
図6参照)。また、サービス実行部7dは、画像認識部7bによって室内INの人物のシートベルトの未着用が判定された場合、シートベルト未着用対応処理の少なくとも一部を実行することでサービス動作部6にシートベルト未着用対応動作をさせる(例えば、後述の
図7参照)。また、サービス実行部7dは、画像認識部7bによって室内INの人物の体調悪化が判定された場合、体調悪化対応処理の少なくとも一部を実行することでサービス動作部6に体調悪化対応動作をさせる(例えば、後述の
図8参照)。また、サービス実行部7dは、画像認識部7bによって室内INの人物の不審行動が判定された場合、不審行動対応処理の少なくとも一部を実行することでサービス動作部6に不審行動対応動作をさせる(例えば、後述の
図9参照)。また、サービス実行部7dは、音声対話処理部7cによって室内INの異常事態が判定された場合、異常事態対応処理の少なくとも一部を実行することでサービス動作部6に異常事態対応動作をさせる(例えば、後述の
図11参照)。また、サービス実行部7dは、画像認識部7bによって判定された事象の種別に基づいて車内通信部4を介して走行系アクチュエータ111、シートベルト装置112、ドア装置113を含む車載機器101を制御し当該車載機器101に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行することもできる。
【0033】
次に、
図5のフローチャート図を参照して車内監視モジュール1おける制御の一例の概略を説明し、その後、
図6、
図7、
図8、
図9を参照して、残留物対応処理、シートベルト未着用対応処理、体調悪化対応処理、不審行動対応処理の具体例について説明する。
【0034】
まず、制御装置7は、例えば、車両VのイグニッションがONとされると、車内監視モジュール1が構成するシステムをONとする(ステップST1)。
【0035】
次に、制御装置7の情報処理部7aは、撮像装置51を制御し、車両Vの室内INの画像を撮像させることで室内状況情報を検出させる。そして、情報処理部7aは、当該室内INの画像情報を含む室内状況情報を取得する(ステップST2)。
【0036】
次に、制御装置7の画像認識部7bは、ステップST2で取得された室内状況情報に含まれる車両Vの室内INの画像を表す画像情報を分析する。そして、画像認識部7bは、上述したように、車両Vの室内INの画像を表す画像情報に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する(ステップST3)。
【0037】
次に、画像認識部7bは、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INへの残留物の発生が判定されたか否かを判定する(ステップST4)。
【0038】
制御装置7のサービス実行部7dは、ステップST4の処理で、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INへの残留物の発生が判定された場合(ステップST4:Yes)、残留物対応処理を実行し(ステップST5)、ステップST6の処理に移行する。
【0039】
画像認識部7bは、ステップST4の処理で、室内INへの残留物の発生を判定しなかった場合(ステップST4:No)、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INの人物のシートベルトの未着用が判定されたか否かを判定する(ステップST7)。
【0040】
サービス実行部7dは、ステップST7の処理で、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INの人物のシートベルトの未着用が判定された場合(ステップST7:Yes)、シートベルト未着用対応処理を実行し(ステップST8)、ステップST6の処理に移行する。
【0041】
画像認識部7bは、ステップST7の処理で、室内INの人物のシートベルトの未着用を判定しなかった場合(ステップST7:No)、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INの人物の体調悪化が判定されたか否かを判定する(ステップST9)。
【0042】
サービス実行部7dは、ステップST9の処理で、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INの人物の体調悪化が判定された場合(ステップST9:Yes)、体調悪化対応処理を実行し(ステップST10)、ステップST6の処理に移行する。
【0043】
画像認識部7bは、ステップST9の処理で、室内INの人物の体調悪化を判定しなかった場合(ステップST9:No)、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INの人物の不審行動が判定されたか否かを判定する(ステップST11)。
【0044】
サービス実行部7dは、ステップST11の処理で、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INの人物の不審行動が判定された場合(ステップST11:Yes)、不審行動対応処理を実行し(ステップST12)、ステップST6の処理に移行する。
【0045】
画像認識部7bは、ステップST11の処理で、室内INの人物の不審行動を判定しなかった場合(ステップST11:No)、ステップST6の処理に移行する。
【0046】
制御装置7は、ステップST6の処理では、例えば、車両VのイグニッションのOFF等に伴って車内監視モジュール1が構成するシステムがOFFされたか否かを判定する(ステップST6)。制御装置7は、システムがOFFされていないと判定した場合(ステップST6:No)、ステップST2の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。制御装置7は、システムがOFFされたと判定した場合(ステップST6:Yes)、この制御を終了する。
【0047】
次に、
図6のフローチャート図を参照して残留物対応処理の一例の概略を説明する。
【0048】
情報処理部7aは、残留物対応処理では、まず、車外通信部3を制御し、画像認識部7bによって判定された事象の種別に関する発生事象種別情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。ここでは、情報処理部7aは、室内INへの残留物の発生を表す発生事象種別情報を外部機器CLに送信する。これにより、情報処理部7aは、センタを構成する外部機器CLに対して車両Vの室内INへの残留物の発生を通知する(ステップST501)。
【0049】
次に、情報処理部7aは、車外通信部3を制御し、遠隔操作情報を、車外通信部3を介して外部機器CLから受信させる。これにより、情報処理部7aは、外部機器CLから車外通信部3を介して受信した遠隔操作情報に基づいて検出部5を制御し当該検出部5を外部機器CLからの指示によって遠隔操作させる。例えば、外部機器CLを管理する事業者のオペレータ(以下、単に「オペレータ」という場合がある。)は、撮像装置51の画角を遠隔操作して車両Vの室内INの全域を撮像させる。そして、情報処理部7aは、車外通信部3を制御し、検出部5によって検出された室内状況情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。ここでは、情報処理部7aは、遠隔操作された撮像装置51によって撮像された画像情報や音圧センサ53によって検出された音の音情報を、車外通信部3を介して室内状況情報を外部機器CLに送信させる。これにより、オペレータは、例えば、車両Vの室内INで発生した事象の詳細を確認することができる(ステップST502)。
【0050】
次に、画像認識部7bは、室内INへの残留物が汚物(例えば、ゴミ、吐瀉物、汚れ等)であるか否かを判定する(ステップST503)。画像認識部7bは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて室内INへの残留物が汚物であるか否かを判定することができる。また、画像認識部7bは、ステップST502で事象の詳細を確認したオペレータから外部機器CL、車外通信部3等を介して入力される情報に基づいて室内INへの残留物が汚物であるか否かを判定してもよい。画像認識部7bは、室内INへの残留物が汚物であると判定した場合(ステップST503:Yes)、ステップST504の処理に移行する。画像認識部7bは、室内INへの残留物が汚物でないと判定した場合(ステップST503:No)、ステップST511の処理に移行する。
【0051】
画像認識部7bは、ステップST504の処理では、車両Vの室内INに乗員がいるか否か(乗員ありか否か)を判定する(ステップST504)。画像認識部7bは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて車両Vの室内INに乗員がいるか否かを判定することができる。また、画像認識部7bは、ステップST502で事象の詳細を確認したオペレータから外部機器CL、車外通信部3等を介して入力される情報に基づいて車両Vの室内INに乗員がいるか否かを判定してもよい。画像認識部7bは、車両Vの室内INに乗員がいると判定した場合(ステップST504:Yes)、ステップST505の処理に移行する。画像認識部7bは、車両Vの室内INに乗員がいないと判定した場合(ステップST504:No)、ステップST510の処理に移行する。
【0052】
情報処理部7aは、ステップST505の処理では、車外通信部3を制御し、車外通信部3を介して外部機器CLとの間で相互通信を行わせる(ステップST505)。この場合、サービス実行部7dは、サービス動作部6を構成する車内用ディスプレイ62、スピーカ63、マイク64等の動作をONとし、情報処理部7aによる相互通信を実行可能な状態とする。情報処理部7aは、例えば、オペレータから外部機器CLに入力された出力情報を、車外通信部3を介して外部機器CLから受信させる。そして、サービス実行部7dは、受信した出力情報に含まれる画像情報を車内用ディスプレイ62から室内INの乗員に向けて表示させる。また、サービス実行部7dは、受信した出力情報に含まれる音情報をスピーカ63から室内INの乗員に向けて出力させる。これにより、サービス実行部7dは、例えば、
図4に示すように、車内用ディスプレイ62にオペレータの画像を表示させると共にスピーカ63から「何か問題がありましたか?」等の音声案内を出力させることができる。なおこの場合、サービス実行部7dは、例えば、外部機器CLから送信される出力情報ではなく、オペレータから外部機器CLに入力された指令情報に基づいて記憶部7Bに予め記憶されている画像情報や音情報を読み出すようにしてもよい。そして、サービス実行部7dは、記憶部7Bから読み出した画像情報や音情報を車内用ディスプレイ62、スピーカ63から出力させるようにしてもよい。また、情報処理部7aは、例えば、車外通信部3を制御し、マイク64によって集音された乗員の音声情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。この結果、サービス実行部7dは、例えば、室内INの乗員と外部機器CL側のオペレータとの相互通信を行わせることができ、意思の疎通を図らせることができる。
【0053】
次に、サービス実行部7dは、汚物処理のため車両Vの乗り換えが必要か否かを判定する(ステップST506)。サービス実行部7dは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて車両Vの乗り換えが必要か否かを判定することができる。また、サービス実行部7dは、ステップST502で事象の詳細を確認したオペレータやステップST505で相互通信を行ったオペレータから外部機器CL、車外通信部3等を介して入力される情報に基づいて車両Vの乗り換えが必要か否かを判定してもよい。サービス実行部7dは、車両Vの乗り換えが必要と判定した場合(ステップST506:Yes)、ステップST507の処理に移行する。サービス実行部7dは、車両Vの乗り換えが必要ないと判定した場合(ステップST506:No)、残留物対応処理を終了する。
【0054】
サービス実行部7dは、ステップST507の処理では、代替車両の配車を要請する(ステップST507)。この場合、情報処理部7aは、例えば、車外通信部3を制御し、サービス実行部7dによって要請された代替車両の配車に関する情報を、車外通信部3を介してセンタを構成する外部機器CLに送信させる。外部機器CLは、代替車両の配車に関する情報を受信すると、例えば、当該車両Vの現在位置近傍にいる空車両を、代替車両として当該車両Vの現在位置に配車する。
【0055】
次に、サービス実行部7dは、車内用ディスプレイ62、スピーカ63等を制御し、室内INにいる乗員の降車を案内させる(ステップST508)。
【0056】
次に、サービス実行部7dは、室内INにいる乗員の降車が完了したか否かを判定する(ステップST509)。サービス実行部7dは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて室内INにいる乗員の降車が完了したか否かを判定することができる。サービス実行部7dは、室内INにいる乗員の降車が完了したと判定した場合(ステップST509:Yes)、ステップST510の処理に移行する。サービス実行部7dは、室内INにいる乗員の降車が完了していないと判定した場合(ステップST509:No)、ステップST508の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
【0057】
サービス実行部7dは、ステップST510の処理では、車両Vを事業者が管理する整備基地等に帰還させ(ステップST510)、残留物対応処理を終了する。この場合、サービス実行部7dは、ECU100によって走行系アクチュエータ111を制御させ、車両Vを自動で整備基地等に帰還させる。そして、事業者は、整備基地等に帰還させた車両Vに対して清掃等の必要な処置を実施する。
【0058】
画像認識部7bは、ステップST511の処理では、室内INへの残留物が乗員の忘れ物であるか否かを判定する(ステップST511)。画像認識部7bは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて室内INへの残留物が乗員の忘れ物であるか否かを判定することができる。また、画像認識部7bは、ステップST502で事象の詳細を確認したオペレータから外部機器CL、車外通信部3等を介して入力される情報に基づいて室内INへの残留物が乗員の忘れ物であるか否かを判定してもよい。画像認識部7bは、室内INへの残留物が乗員の忘れ物であると判定した場合(ステップST511:Yes)、ステップST512の処理に移行する。画像認識部7bは、室内INへの残留物が乗員の忘れ物でないと判定した場合(ステップST511:No)、例えば、残留物が汚物、乗員の忘れ物等ではないものとして残留物対応処理を終了する。この場合、情報処理部7aは、例えば、車外通信部3を制御し、残留物が汚物、乗員の忘れ物等ではない旨を表す情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させてもよい。
【0059】
サービス実行部7dは、ステップST512の処理では、忘れ物の持ち主を特定可能か否かを判定する(ステップST512)。サービス実行部7dは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報、車両Vの予約時等に登録された利用者情報等に基づいて忘れ物の持ち主を特定可能か否かを判定することができる。サービス実行部7dは、忘れ物の持ち主を特定可能であると判定した場合(ステップST512:Yes)、ステップST513の処理に移行する。サービス実行部7dは、忘れ物の持ち主を特定不能であると判定した場合(ステップST512:No)、ステップST514の処理に移行する。
【0060】
サービス実行部7dは、ステップST513の処理では、ステップST512で特定された忘れ物の持ち主に忘れ物がある旨を通知し(ステップST513)、ステップST514の処理に移行する。この場合、情報処理部7aは、例えば、車外通信部3を制御し、忘れ物がある旨を表す通知情報を、車外通信部3を介して、上記で特定された忘れ物の持ち主が所持する携帯端末等に送信させる。車両Vの利用者(持ち主)が所持する携帯端末のアドレス等は、例えば、車両Vの予約時等に外部機器CLに予め登録される。なお、忘れ物がある旨を表す通知情報は、外部機器CLから上記で特定された忘れ物の持ち主が所持する携帯端末等に送信されてもよい。忘れ物がある旨を表す通知情報を携帯端末等で受信した持ち主は、携帯端末等を介して忘れ物の渡し場所等を外部機器CLに登録することもできる。
【0061】
サービス実行部7dは、ステップST514の処理では、室内INの全乗員が降車したか否かを判定する(ステップST514)。サービス実行部7dは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて室内INの全乗員が降車したか否かを判定することができる。サービス実行部7dは、室内INの全乗員が降車したと判定した場合(ステップST514:Yes)、ステップST515の処理に移行する。サービス実行部7dは、室内INの全乗員が降車していないと判定した場合(ステップST514:No)、ステップST514の処理を繰り返し実行する。
【0062】
サービス実行部7dは、ステップST515の処理では、忘れ物の渡し場所が確定しているか否かを判定する(ステップST515)。この場合、情報処理部7aは、例えば、車外通信部3を制御し、忘れ物の渡し場所に関する情報を、車外通信部3を介して外部機器CLから受信させる。サービス実行部7dは、忘れ物の渡し場所に関する情報を受信した際には忘れ物の渡し場所が確定していると判定し(ステップST515:Yes)、ステップST516の処理に移行する。サービス実行部7dは、忘れ物の渡し場所に関する情報を受信しなかった際には忘れ物の渡し場所が確定していないと判定し(ステップST515:No)、ステップST510の処理に移行する。
【0063】
サービス実行部7dは、ステップST516の処理では、車両Vを忘れ物の渡し場所に関する情報に基づいた渡し場所に移動させ(ステップST516)、残留物対応処理を終了する。この場合、サービス実行部7dは、ECU100によって走行系アクチュエータ111を制御させ、車両Vを自動で忘れ物の渡し場所に移動させ、当該忘れ物を持ち主に受け渡す。
【0064】
次に、
図7のフローチャート図を参照してシートベルト未着用対応処理の一例の概略を説明する。
【0065】
サービス実行部7dは、シートベルト未着用対応処理では、まず、車内用ディスプレイ62、スピーカ63等を制御し、室内INにいる乗員に対してシートベルトを着用するように注意喚起を行わせる(ステップST801)。
【0066】
次に、サービス実行部7dは、室内INにいる乗員のシートベルトの着用が完了したか否かを判定する(ステップST802)。サービス実行部7dは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて室内INにいる乗員のシートベルトの着用が完了したか否かを判定することができる。サービス実行部7dは、室内INにいる乗員のシートベルトの着用が完了したと判定した場合(ステップST802:Yes)、ステップST803の処理に移行する。サービス実行部7dは、室内INにいる乗員のシートベルトの着用が完了していないと判定した場合(ステップST802:No)、ステップST804の処理に移行する。
【0067】
サービス実行部7dは、ステップST803の処理では、車両Vの発進を許可して(ステップST803)、シートベルト未着用対応処理を終了する。
【0068】
サービス実行部7dは、ステップST804の処理では、車両Vの発進を許可せず待機させ(ステップST804)、ステップST801の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
【0069】
次に、
図8のフローチャート図を参照して体調悪化対応処理の一例の概略を説明する。
【0070】
情報処理部7aは、体調悪化対応処理では、まず、車外通信部3を制御し、画像認識部7bによって判定された事象の種別に関する発生事象種別情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。ここでは、情報処理部7aは、室内INの人物の体調悪化を表す発生事象種別情報を外部機器CLに送信する。これにより、情報処理部7aは、センタを構成する外部機器CLに対して車両Vの室内INの人物の体調悪化を通知する(ステップST1001)。
【0071】
次に、情報処理部7aは、上述したステップST502の処理と同様に、車外通信部3を制御し、遠隔操作情報を、車外通信部3を介して外部機器CLから受信させる。これにより、情報処理部7aは、外部機器CLから車外通信部3を介して受信した遠隔操作情報に基づいて検出部5を制御し当該検出部5を外部機器CLからの指示によって遠隔操作させる。そして、情報処理部7aは、車外通信部3を制御し、検出部5によって検出された室内状況情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。これにより、オペレータは、例えば、車両Vの室内INで発生した事象の詳細を確認することができる(ステップST1002)。
【0072】
次に、情報処理部7aは、上述したステップST505の処理と同様に、車外通信部3を制御し、車外通信部3を介して外部機器CLとの間で相互通信を行わせる(ステップST1003)。この場合、サービス実行部7dは、サービス動作部6を構成する車内用ディスプレイ62、スピーカ63、マイク64等の動作をONとし、情報処理部7aによる相互通信を実行可能な状態とする。この結果、サービス実行部7dは、例えば、室内INの乗員と外部機器CL側のオペレータとの相互通信を行わせることができ、意思の疎通を図らせることができる。
【0073】
次に、サービス実行部7dは、緊急性があるか否かを判定する(ステップST1004)。サービス実行部7dは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて室内INの人物の体調悪化が緊急性を有するものであるか否かを判定することができる。また、サービス実行部7dは、ステップST1002で事象の詳細を確認したオペレータやステップST1003で相互通信を行ったオペレータから外部機器CL、車外通信部3等を介して入力される情報に基づいて室内INの人物の体調悪化が緊急性を有するものであるか否かを判定してもよい。サービス実行部7dは、緊急性があると判定した場合(ステップST1004:Yes)、ステップST1005の処理に移行する。サービス実行部7dは、緊急性がないと判定した場合(ステップST1004:No)、体調悪化対応処理を終了する。
【0074】
サービス実行部7dは、ステップST1005の処理では、上述したステップST507の処理と同様に、代替車両の配車を要請する(ステップST1005)。
【0075】
次に、サービス実行部7dは、上述したステップST508の処理と同様に、車内用ディスプレイ62、スピーカ63等を制御し、室内INにいる体調が悪化した人物以外の乗員の降車を案内させる(ステップST1006)。
【0076】
次に、サービス実行部7dは、上述したステップST509の処理と同様に、室内INにいる体調が悪化した人物以外の乗員の降車が完了したか否かを判定する(ステップST1007)。サービス実行部7dは、室内INにいる体調が悪化した人物以外の乗員の降車が完了したと判定した場合(ステップST1007:Yes)、ステップST1008の処理に移行する。サービス実行部7dは、室内INにいる体調が悪化した人物以外の乗員の降車が完了していないと判定した場合(ステップST1007:No)、ステップST1006の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
【0077】
サービス実行部7dは、ステップST1008の処理では、回転灯65を制御し、車両Vの室外OUに向けて車両Vが緊急走行中であることを報知させる(ステップST1008)。この場合、サービス実行部7dは、車外用ディスプレイ61等を制御し、車両Vの室外OUに向けて車両Vが緊急走行中であることを表示させてもよい。
【0078】
次に、サービス実行部7dは、車両Vを救急車両として病院等に搬送させ(ステップST1009)、体調悪化対応処理を終了する。この場合、サービス実行部7dは、ECU100によって走行系アクチュエータ111を制御させ、体調が悪化した人物を乗せたまま、車両Vを自動で病院等に搬送させる。
【0079】
なお、以上の説明では、制御装置7は、体調悪化対応処理として、車両Vを救急車両として病院等に搬送させる処理を行うものとして説明したがこれ限らず、例えば、救急に通報し当該車両Vの近傍に救急車両を要請する処理を行うようにしてもよい。
【0080】
次に、
図9のフローチャート図を参照して不審行動対応処理の一例の概略を説明する。
【0081】
情報処理部7aは、不審行動対応処理では、まず、車外通信部3を制御し、画像認識部7bによって判定された事象の種別に関する発生事象種別情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。ここでは、情報処理部7aは、室内INの人物の不審行動を表す発生事象種別情報を外部機器CLに送信する。これにより、情報処理部7aは、センタを構成する外部機器CLに対して車両Vの室内INの人物の不審行動を通知する(ステップST1201)。
【0082】
次に、情報処理部7aは、上述したステップST502の処理と同様に、車外通信部3を制御し、遠隔操作情報を、車外通信部3を介して外部機器CLから受信させる。これにより、情報処理部7aは、外部機器CLから車外通信部3を介して受信した遠隔操作情報に基づいて検出部5を制御し当該検出部5を外部機器CLからの指示によって遠隔操作させる。そして、情報処理部7aは、車外通信部3を制御し、検出部5によって検出された室内状況情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。これにより、オペレータは、例えば、車両Vの室内INで発生した事象の詳細を確認することができる(ステップST1202)。
【0083】
次に、サービス実行部7dは、緊急性があるか否かを判定する(ステップST1203)。サービス実行部7dは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて室内INの人物の不審行動が緊急性を有するものであるか否かを判定することができる。また、サービス実行部7dは、ステップST1202で事象の詳細を確認したオペレータから外部機器CL、車外通信部3等を介して入力される情報に基づいて室内INの人物の不審行動が緊急性を有するものであるか否かを判定してもよい。サービス実行部7dは、緊急性があると判定した場合(ステップST1203:Yes)、ステップST1204の処理に移行する。サービス実行部7dは、緊急性がないと判定した場合(ステップST1203:No)、不審行動対応処理を終了する。
【0084】
サービス実行部7dは、ステップST1204の処理では、不審行動の対象者のシートベルトをロックする(ステップST1204)。この場合、サービス実行部7dは、ECU100によってシートベルト装置112を制御させ、不審行動の対象者のシートベルトをロックさせる。
【0085】
次に、サービス実行部7dは、上述したステップST507の処理と同様に、代替車両の配車を要請する(ステップST1205)。
【0086】
次に、サービス実行部7dは、上述したステップST508の処理と同様に、車内用ディスプレイ62、スピーカ63等を制御し、室内INにいる不審行動の対象者以外の乗員の降車を案内させる(ステップST1206)。
【0087】
次に、サービス実行部7dは、上述したステップST509の処理と同様に、室内INにいる不審行動の対象者以外の乗員の降車が完了したか否かを判定する(ステップST1207)。サービス実行部7dは、室内INにいる不審行動の対象者以外の乗員の降車が完了したと判定した場合(ステップST1207:Yes)、ステップST1208の処理に移行する。サービス実行部7dは、室内INにいる不審行動の対象者以外の乗員の降車が完了していないと判定した場合(ステップST1207:No)、ステップST1206の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
【0088】
サービス実行部7dは、ステップST1208の処理では、車両Vの乗降用のドアをロックする(ステップST1208)。この場合、サービス実行部7dは、ECU100によってドア装置113を制御させ、車両Vの乗降用のドアをロックさせる。
【0089】
次に、サービス実行部7dは、回転灯65を制御し、車両Vの室外OUに向けて車両Vが緊急走行中であることを報知させる(ステップST1209)。この場合、サービス実行部7dは、車外用ディスプレイ61等を制御し、車両Vの室外OUに向けて車両Vが緊急走行中であることを表示させてもよい。
【0090】
次に、サービス実行部7dは、車両Vを警察車両として警察署等に搬送させ(ステップST1210)、不審行動対応処理を終了する。この場合、サービス実行部7dは、ECU100によって走行系アクチュエータ111を制御させ、不審行動の対象者を乗せたまま、車両Vを自動で警察署等に搬送させる。
【0091】
なお、以上の説明では、制御装置7は、不審行動対応処理として、車両Vを警察車両として警察署等に搬送させる処理を行うものとして説明したがこれ限らず、例えば、警察に通報し当該車両Vの近傍に警察車両を要請する処理を行うようにしてもよい。
【0092】
次に、
図10のフローチャート図を参照して車内監視モジュール1おける制御の別の一例の概略を説明し、その後、
図11を参照して、異常事態対応処理の具体例について説明する。この
図10で説明する制御は、典型的には、
図5で説明した制御と並行して実行される。
【0093】
まず、制御装置7は、例えば、車両VのイグニッションがONとされると、車内監視モジュール1が構成するシステムをONとする(ステップST21)。
【0094】
次に、制御装置7の情報処理部7aは、音圧センサ53を制御し、車両Vの室内INの音・音声を検出させることで室内状況情報を検出させる。そして、情報処理部7aは、当該室内INの音情報を含む室内状況情報を取得する(ステップST22)。
【0095】
次に、制御装置7の音声対話処理部7cは、ステップST22で取得された室内状況情報に含まれる車両Vの室内INの音・音声を表す音情報の音圧を計測する(ステップST23)。
【0096】
次に、音声対話処理部7cは、ステップST23で計測した音圧に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する。ここでは、画像認識部7bは、ステップST23で計測した音圧が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップST24)。
【0097】
音声対話処理部7cは、音圧が閾値以上であると判定した場合(ステップST24:Yes)、車両Vの室内INで発生した事象の種別として、室内INの異常事態を判定し、ステップST25の処理に移行する。制御装置7のサービス実行部7dは、ステップST25の処理では、異常事態対応処理を実行し(ステップST25)、ステップST26の処理に移行する。音声対話処理部7cは、音圧が閾値未満であると判定した場合(ステップST24:No)、ステップST25の異常事態対応処理をとばしてステップST26の処理に移行する。
【0098】
制御装置7は、ステップST26の処理では、例えば、車両VのイグニッションのOFF等に伴って車内監視モジュール1が構成するシステムがOFFされたか否かを判定する(ステップST26)。制御装置7は、システムがOFFされていないと判定した場合(ステップST26:No)、ステップST22の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。制御装置7は、システムがOFFされたと判定した場合(ステップST26:Yes)、この制御を終了する。
【0099】
次に、
図11のフローチャート図を参照して異常事態対応処理の一例の概略を説明する。
【0100】
情報処理部7aは、異常事態対応処理では、まず、車外通信部3を制御し、音声対話処理部7cによって判定された事象の種別に関する発生事象種別情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。ここでは、情報処理部7aは、室内INの異常事態を表す発生事象種別情報を外部機器CLに送信する。これにより、情報処理部7aは、センタを構成する外部機器CLに対して車両Vの室内INの異常事態を通知する(ステップST2501)。
【0101】
次に、情報処理部7aは、上述したステップST502の処理と同様に、車外通信部3を制御し、遠隔操作情報を、車外通信部3を介して外部機器CLから受信させる。これにより、情報処理部7aは、外部機器CLから車外通信部3を介して受信した遠隔操作情報に基づいて検出部5を制御し当該検出部5を外部機器CLからの指示によって遠隔操作させる。そして、情報処理部7aは、車外通信部3を制御し、検出部5によって検出された室内状況情報を、車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。これにより、オペレータは、例えば、車両Vの室内INで発生した事象の詳細を確認することができる(ステップST2502)。
【0102】
次に、画像認識部7bは、上述したステップST504の処理と同様に、車両Vの室内INに乗員がいるか否か(乗員ありか否か)を判定する(ステップST2503)。画像認識部7bは、車両Vの室内INに乗員がいると判定した場合(ステップST2503:Yes)、ステップST2504の処理に移行する。画像認識部7bは、車両Vの室内INに乗員がいないと判定した場合(ステップST2503:No)、ステップST2504の処理をとばしてステップST2505の処理に移行する。
【0103】
情報処理部7aは、ステップST2504の処理では、上述したステップST505の処理と同様に、車外通信部3を制御し、車外通信部3を介して外部機器CLとの間で相互通信を行わせ(ステップST2504)、ステップST2505の処理に移行する。この場合、サービス実行部7dは、サービス動作部6を構成する車内用ディスプレイ62、スピーカ63、マイク64等の動作をONとし、情報処理部7aによる相互通信を実行可能な状態とする。この結果、サービス実行部7dは、例えば、室内INの乗員と外部機器CL側のオペレータとの相互通信を行わせることができ、意思の疎通を図らせることができる。
【0104】
サービス実行部7dは、ステップST2505の処理では、上述したステップST1004の処理と同様に、緊急性があるか否かを判定する(ステップST2505)。サービス実行部7dは、例えば、撮像装置51によって撮像された画像情報に基づいて室内INの異常事態が緊急性を有するものであるか否かを判定することができる。また、サービス実行部7dは、ステップST2502で事象の詳細を確認したオペレータやステップST2504で相互通信を行ったオペレータから外部機器CL、車外通信部3等を介して入力される情報に基づいて室内INの異常事態が緊急性を有するものであるか否かを判定してもよい。サービス実行部7dは、緊急性があると判定した場合(ステップST2505:Yes)、ステップST2506の処理に移行する。サービス実行部7dは、緊急性がないと判定した場合(ステップST2505:No)、ステップST2506の処理をとばして異常事態対応処理を終了する。
【0105】
サービス実行部7dは、ステップST2505の処理では、車両Vの近辺に警察車両、救急車両等を派遣、又は、車両Vを事業者が管理する整備基地等に帰還させ(ステップST510)、異常事態対応処理を終了する。この場合、サービス実行部7dは、ECU100によって走行系アクチュエータ111を制御させ、車両Vを自動で整備基地等に帰還させてもよい。そして、事業者は、整備基地等に帰還させた車両Vに対して必要な処置を実施してもよい。
【0106】
以上で説明した車内監視モジュール1、監視システム500は、制御装置7が検出部5によって検出された車両Vの室内INの状況に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定する。そして、車内監視モジュール1は、制御装置7が判定された事象の種別に基づいてサービス動作部6を制御し当該サービス動作部6に当該事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行する。このような構成にあって、車内監視モジュール1は、検出部5、サービス動作部6、及び、制御装置7等が筐体2に組み付けられてユニット化され車両Vの室内INの上方、ここでは、屋根部材RFに設けられる。この構成により、車内監視モジュール1は、主要な部分がユニット化された上で車両Vの屋根部材RFに配置されることで室内INの上方の当該屋根部材RF側から車両Vの室内INを集中監視することができる。この結果、車内監視モジュール1は、車両Vの室内INを適正に監視することができる。この場合、車内監視モジュール1は、例えば、運転者自体が不在となる完全自動運転を実行可能な車両Vに適用された場合であっても、運転者等にかわって車両Vの室内INを監視し状況に応じて様々な対応処理を行うことができる。この結果、車内監視モジュール1は、例えば、あたかも運転者が乗車しているかの如く、安全、安心、快適に車両Vを運用させることができる。
【0107】
ここでは、以上で説明した車内監視モジュール1、監視システム500は、制御装置7が検出部5を構成する撮像装置51によって撮像された車両Vの室内INの画像に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定することができる。この結果、車内監視モジュール1は、車両Vの室内INの画像に基づいて適正に車両Vの室内INを監視することができる。
【0108】
また、以上で説明した車内監視モジュール1、監視システム500は、制御装置7が検出部5を構成する音圧センサ53によって検出された車両Vの室内INの音に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定することができる。この結果、車内監視モジュール1は、車両Vの室内INの音に基づいて適正に車両Vの室内INを監視することができる。
【0109】
また、以上で説明した車内監視モジュール1、監視システム500は、制御装置7が車外通信部3を制御し、判定された事象の種別に関する情報を当該車外通信部3を介して外部機器CLに送信させる。この構成により、車内監視モジュール1は、外部機器CLから様々なクラウドサービスを受けつつ、サービス動作部6に室内INで発生した事象の種別に応じた動作をさせることができる。また、この構成により、車内監視モジュール1は、外部機器CLを管理する事業者のオペレータ等が、常時、車両Vの室内INを監視することなく、室内INで発生した事象の種別に応じて必要な時に対応すればよいように運用することができる。この結果、車内監視モジュール1は、例えば、外部機器CLを管理する事業者の業務効率を向上することができる。
【0110】
より詳細には、以上で説明した車内監視モジュール1、監視システム500は、制御装置7が車内用ディスプレイ62、スピーカ63を制御し、外部機器CLから車外通信部3を介して受信した出力情報を出力させることができる。この構成により、車内監視モジュール1は、外部機器CLを管理する事業者のオペレータ等から車内用ディスプレイ62、スピーカ63を介して車両Vの室内INに向けて様々な情報を出力することができる。この結果、車内監視モジュール1は、室内INで発生した事象の種別に応じてよりきめ細かな対応をとることができる。
【0111】
また、以上で説明した車内監視モジュール1、監視システム500は、制御装置7が外部機器CLから車外通信部3を介して受信した遠隔操作情報に基づいて検出部5を制御し当該検出部5を遠隔操作させることができる。さらに、車内監視モジュール1は、制御装置7が検出部5によって検出された車両Vの室内INの状況に関する室内状況情報を車外通信部3を介して外部機器CLに送信させることができる。この点でも、車内監視モジュール1は、室内INで発生した事象の種別に応じてよりきめ細かな対応をとることができる。
【0112】
さらに、以上で説明した車内監視モジュール1、監視システム500は、制御装置7が車内通信部4を介して筐体2外の車載機器101を制御し当該車載機器101に室内INで発生した事象の種別に応じた動作をさせることもできる。この結果、車内監視モジュール1は、例えば、車両Vの車載機器101を構成する走行系アクチュエータ111、シートベルト装置112、ドア装置113等も交えて、室内INで発生した事象の種別に応じてよりきめ細かな対応をとることができる。
【0113】
ここでは、以上で説明した車内監視モジュール1、監視システム500は、一例として、室内INへの残留物の発生、室内INの人物のシートベルトの未着用、室内INの人物の体調悪化、室内INの人物の不審行動、及び、室内INの異常事態を区別して判定することができる。そして、車内監視モジュール1は、サービス動作部6に、室内INへの残留物の発生、室内INの人物のシートベルトの未着用、室内INの人物の体調悪化、室内INの人物の不審行動、及び、室内INの異常事態のそれぞれに応じた動作をさせることができる。
【0114】
なお、上述した本発明の実施形態に係る車内監視モジュールは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0115】
以下の説明では、一例として、車両Vは、バス、タクシー、ライドシェリングカー等、特定の事業者等によって管理され、完全自動運転可能な車両であるものとして説明したがこれに限らない。車両Vは、例えば、車両Vの運転者による運転操作に応じて車両Vの挙動が制御される手動運転可能な車両であってもよい。
【0116】
以上の説明では、車内監視モジュール1は、筐体2に、車外通信部3、車内通信部4、検出部5、サービス動作部6、及び、制御装置7が組み付けられユニット化されるものとして説明したがこれに限らない。車内監視モジュール1は、例えば、車外通信部3、車内通信部4が筐体2とは別体に設けられ、制御装置7と通信可能に接続される構成であってもよい。また、車内監視モジュール1は、車外通信部3、車内通信部4自体を備えない構成であってもよい。また、車内監視モジュール1は、少なくとも検出部5を構成する撮像装置51、レーダ/ソナー52、音圧センサ53のいずれかが筐体2に組み付けられていればよく、検出部5の一部が筐体2とは別体に設けられ、制御装置7と通信可能に接続される構成であってもよい。同様に、車内監視モジュール1は、少なくともサービス動作部6を構成する車外用ディスプレイ61、車内用ディスプレイ62、スピーカ63、マイク64、回転灯65のいずれかが筐体2に組み付けられていればよく、サービス動作部6の一部が筐体2とは別体に設けられ、制御装置7と通信可能に接続される構成であってもよい。例えば、スピーカ63やマイク64は、ヘッドレストに設けられていてもよい。
【0117】
また、以上の説明では、筐体2は、車両Vの屋根部材RFに設けられるものとして説明したがこれに限らず、室内INの上方であれば、室内INの側壁部材の屋根部材RFの近傍に設けられてもよい。
【0118】
以上の説明では、
図1に示す検出部5は、一例として、撮像装置51、レーダ/ソナー52、及び、音圧センサ53を含んで構成されるものとして説明したがこれに限らない。検出部5は、撮像装置51、レーダ/ソナー52、音圧センサ53以外の他の検出器を含んで構成されてもよい。例えば、以上で説明したマイク64は、検出部5の音検出装置として兼用されてもよい。この場合、検出部5は、音検出装置としてマイク64と音圧センサ53との双方を備えてもよいし、マイク64のみを備えてもよい。また、以上の説明では、サービス動作部6は、例えば、車外用ディスプレイ61、車内用ディスプレイ62、スピーカ63、マイク64、回転灯65に限らず、例えば、情報出力装置として、座席振動等を出力する触覚情報出力装置等を含んで構成されてもよい。また、サービス動作部6は、情報出力装置以外に、さらに別の動作部を含んで構成されてもよい。
【0119】
以上の説明では、制御装置7は、画像認識部7bが撮像装置51によって撮像された車両Vの室内INの画像に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定するものとして説明したがこれに限らない。また、制御装置7は、音声対話処理部7cが音圧センサ53によって検出された車両Vの室内INの音に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定するものとして説明したがこれに限らない。制御装置7は、例えば、レーダ/ソナー52や他の検出器によって検出された室内状況情報に基づいて車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定してもよい。例えば、制御装置7は、室内INの画像や室内INの音の他、室内状況情報として、室内INの振動、室内INの臭い、室内INの気体(有毒ガス、たばこの煙等)、室内INの熱等に基づいて当該車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定してもよい。また、以上の説明では、制御装置7は、事象の種別として、室内INへの残留物の発生、室内INの人物のシートベルトの未着用、室内INの人物の体調悪化、室内INの人物の不審行動、又は、室内INの異常事態を判定するものとして説明したがこれに限らない。また、残留物対応処理、シートベルト未着用対応処理、体調悪化対応処理、不審行動対応処理、異常事態対応処理等の内容は、上記に限られない。
【0120】
以上の説明では、音声対話処理部7cは、音圧センサ53によって検出された車両Vの室内INの音の音圧が予め設定された閾値以上である場合に室内INの異常事態を判定するものとして説明したがこれに限らない。音声対話処理部7cは、画像認識部7bと同様に、種々の公知の人工知能技術を用いて車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定するようにしてもよい。例えば、音声対話処理部7cは、検出部5によって検出された室内状況情報、記憶部7Bに記憶されている事象種別判定情報等に基づいて車両Vの室内INで発生した事象の種別を判定してもよい。この場合、音声対話処理部7cは、例えば、音検出装置を構成する集音マイク(例えば、マイク64等)によって集音された音情報に基づいて「殺す」、「やめてー」等の特定ワードを認識した場合に室内INの異常事態を判定するようにすることもできる。
【0121】
以上で説明した検出部5(撮像装置51、レーダ/ソナー52、音圧センサ53)によって検出された室内状況情報は、例えば、記憶部7Bやドライブレコーダ等の記録装置に記録、保存されてもよい。この場合、車内監視モジュール1は、室内状況情報が記録、保存されている旨を乗員に通知するようにしてもよい。
【0122】
以上で説明した制御装置7は、外部機器CLと連携してサービス動作部6に事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行させるものとして説明したがこれに限らない。制御装置7は、外部機器CLとは連携せずに、車内監視モジュール1で完結するようにサービス動作部6に事象の種別に応じた動作をさせる処理を実行させてもよい。
【0123】
以上の
図10で説明した制御は、
図5で説明した制御に組み込まれていてもよい。
【0124】
以上で説明した制御装置7は、各部が別体に構成され、当該各部が各種の電気信号を相互に授受可能に接続されることで構成されてもよく、一部の機能が他の制御装置によって実現されてもよい。例えば、音声対話処理部7cは、外部機器CL側に設けられていてもよい。また、音声対話処理部7cは、例えば、種々の公知の人工知能技術を活用して、外部機器CLを管理する事業者のオペレータの役割を疑似的に担ってもよい。また、以上で説明したプログラム、アプリケーション、各種データ等は、適宜、更新されてもよいし、車内監視モジュール1に対して任意のネットワークを介して接続されたサーバ(例えば、外部機器CL等)に記憶されていてもよい。以上で説明したプログラム、アプリケーション、各種データ等は、例えば、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。また、例えば、制御装置7が備える処理機能については、その全部又は任意の一部を、例えば、CPU等及び当該CPU等にて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジック等によるハードウェアとして実現してもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 車内監視モジュール
2 筐体
3 車外通信部
4 車内通信部
5 検出部
6 サービス動作部
7 制御装置
51 撮像装置
53 音圧センサ(音検出装置)
62 車内用ディスプレイ(情報出力装置)
63 スピーカ(情報出力装置)
101 車載機器
500 監視システム
CL 外部機器
IN 室内
RF 屋根部材
V 車両