(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】箱詰め装置
(51)【国際特許分類】
B65B 5/06 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
B65B5/06
(21)【出願番号】P 2018196593
(22)【出願日】2018-10-18
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 文彦
(72)【発明者】
【氏名】有本 直弘
(72)【発明者】
【氏名】池澤 和幸
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-105475(JP,A)
【文献】特開2012-224359(JP,A)
【文献】特開2012-224368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/00- 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上に複数の物品を整列させてなる物品群が載置される床板を有し、前記床板を開閉駆動する床開閉装置と、
前記床板が開放された状態において前記物品群の上面を下方に押して前記床板の下方の箱詰め位置に配置された外装箱に前記物品群を押し込む押込み装置と、
その箱の上面を形成するための4つのフラップが立った状態の空の外装箱を搬入し、前記物品群が押し込まれた前記外装箱を搬出する外装箱搬送装置と、
前記外装箱が載置される昇降台を有し、前記昇降台を所定の下降位置から所定の上昇位置との間で昇降可能に構成され、前記昇降台が前記下降位置において前記外装箱搬送装置によって搬入される空の前記外装箱を受け取り、前記昇降台を前記下降位置から前記上昇位置へ上昇させることにより空の前記外装箱を前記箱詰め位置に配置させるとともに、前記物品群が押し込まれた前記外装箱を載置した前記昇降台を前記上昇位置から前記下降位置へ下降させ、前記下降位置において前記物品群が押し込まれた前記外装箱を前記外装箱搬送装置へ渡すよう構成された外装箱昇降装置と、
前記床板の下方に設けられ、前記箱詰め位置に配置される前記外装箱の前記フラップに内側から当接し、前記押込み装置により押し込まれる前記物品群を前記外装箱に案内する案内部材と、
前記昇降台に取り付けられ前記昇降台上の前記外装箱の存在を検出する箱検出装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記押込み装置により前記物品群が前記外装箱に押し込まれた後、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置を制御し、前記昇降台が下降して前記下降位置になったときに、前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合には前記外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成されるとともに、
前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置の制御を開始した後、前記昇降台が下降している最中に前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合にも前記外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成された、
箱詰め装置。
【請求項2】
その上に複数の物品を整列させてなる物品群が載置される床板を有し、前記床板を開閉駆動する床開閉装置と、
前記床板が開放された状態において前記物品群の上面を下方に押して前記床板の下方の箱詰め位置に配置された外装箱に前記物品群を押し込む押込み装置と、
その箱の上面を形成するための4つのフラップが立った状態の空の外装箱を搬入し、前記物品群が押し込まれた前記外装箱を搬出する外装箱搬送装置と、
前記外装箱が載置される昇降台を有し、前記昇降台を所定の下降位置から所定の上昇位置との間で昇降可能に構成され、前記昇降台が前記下降位置において前記外装箱搬送装置によって搬入される空の前記外装箱を受け取り、前記昇降台を前記下降位置から前記上昇位置へ上昇させることにより空の前記外装箱を前記箱詰め位置に配置させるとともに、前記物品群が押し込まれた前記外装箱を載置した前記昇降台を前記上昇位置から前記下降位置へ下降させ、前記下降位置において前記物品群が押し込まれた前記外装箱を前記外装箱搬送装置へ渡すよう構成された外装箱昇降装置と、
前記床板の下方に設けられ、前記箱詰め位置に配置される前記外装箱の前記フラップに内側から当接し、前記押込み装置により押し込まれる前記物品群を前記外装箱に案内する案内部材と、
前記昇降台に取り付けられ前記昇降台上の前記外装箱の存在を検出する箱検出装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記押込み装置により前記物品群が前記外装箱に押し込まれた後、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置を制御し、前記昇降台が下降して前記下降位置になったときに、前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合には前記外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成されるとともに、
前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置の制御を開始した後、所定時間の経過後から前記昇降台が前記下降位置に到達するまでの前記昇降台が下降している最中に前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合にも前記外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成された、
箱詰め装置。
【請求項3】
その上に複数の物品を整列させてなる物品群が載置される床板を有し、前記床板を開閉駆動する床開閉装置と、
前記床板が開放された状態において前記物品群の上面を下方に押して前記床板の下方の箱詰め位置に配置された外装箱に前記物品群を押し込む押込み装置と、
その箱の上面を形成するための4つのフラップが立った状態の空の外装箱を搬入し、前記物品群が押し込まれた前記外装箱を搬出する外装箱搬送装置と、
前記外装箱が載置される昇降台を有し、前記昇降台を所定の下降位置から所定の上昇位置との間で昇降可能に構成され、前記昇降台が前記下降位置において前記外装箱搬送装置によって搬入される空の前記外装箱を受け取り、前記昇降台を前記下降位置から前記上昇位置へ上昇させることにより空の前記外装箱を前記箱詰め位置に配置させるとともに、前記物品群が押し込まれた前記外装箱を載置した前記昇降台を前記上昇位置から前記下降位置へ下降させ、前記下降位置において前記物品群が押し込まれた前記外装箱を前記外装箱搬送装置へ渡すよう構成された外装箱昇降装置と、
前記床板の下方に設けられ、前記箱詰め位置に配置される前記外装箱の前記フラップに内側から当接し、前記押込み装置により押し込まれる前記物品群を前記外装箱に案内する案内部材と、
前記昇降台に取り付けられ前記昇降台上の前記外装箱の存在を検出する箱検出装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記押込み装置により前記物品群が前記外装箱に押し込まれた後、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置を制御し、前記昇降台が下降して前記下降位置になったときに、前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合には前記外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成されるとともに、
前記昇降台が前記上昇位置にあるときに運転が停止され、その後、運転が再開される前に原点復帰操作が行われると、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置を制御し、前記昇降台が下降して前記下降位置になったときに、前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合にも前記外装箱の下降異常と判定し、運転を再開しないよう構成された、
箱詰め装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記昇降台が前記上昇位置にあるときに運転が停止され、その後、運転が再開される前に原点復帰操作が行われると、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置を制御し、前記昇降台が下降して前記下降位置になったときに、前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合にも前記外装箱の下降異常と判定し、運転を再開しないよう構成された、
請求項1または2のいずれかに記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記制御装置が前記外装箱の下降異常と判定したときに、その旨を報知する報知装置をさらに備えた、
請求項1~4のいずれかに記載の箱詰め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ポテトチップ、豆、飴等の食品が袋詰め又は箱詰めされた物品を、段ボールケースやダース箱等の外装箱に箱詰めする箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の物品を段ボールケース等の外装箱の内部に収容する箱詰め装置が知られている。箱詰め装置は、例えば、供給される複数の物品を整列させる整列コンベアと、一対の床板(ダンパー板、シャッタとも言う)を有し、床板を開閉駆動する床開閉装置と、整列コンベアで整列させられた複数の物品を床板上に押し出す押出しプレートと、押出しプレートで物品を押し出したときに物品を挟んで押出しプレートと対向するように配置されて物品を床板上で停止させるためのストッパプレートと、床板上に押し出された複数の物品をその整列方向の両側から挟圧して保持する一対の保持プレートと、床板上に押し出された複数の物品を床板が開いた際に上方から箱詰め位置に配置された外装箱の内部に押し込むことにより物品を箱詰めする押込み部材と、昇降台(台座)に外装箱を載せて昇降台を所定の下降位置から上昇位置へ上昇させることにより上記床板の下方の箱詰め位置まで空の外装箱を上昇させ、昇降台を上昇位置から下降位置へ下降させることにより物品が箱詰めされた外装箱を後述の外装箱搬送装置へ渡す外装箱昇降装置と、搬入される空の外装箱を下降位置の昇降台へ搬送するとともに、物品が箱詰めされた外装箱を搬出する外装箱搬送装置とを備えている。なお、外装箱は、4つのフラップ(蓋)が起立した状態で搬入され、その状態で箱詰め位置に配置され、その中へ物品が押し込まれるようになっている。
【0003】
このような箱詰め装置において、箱詰めされる物品が外装箱にきちんと収納されるように工夫が施されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
特許文献1,2には、床板の下方に案内装置が設けられた構成が記載されている。この案内装置は、各々案内部材が取り付けられて互いに近接又は離間する方向に移動可能に設けられ、物品が通る開口のサイズを規定する第1枠部材及び第2枠部材とを備え、第1枠部材と第2枠部材との間隔を調整可能に構成されている。このような案内装置では、生産される箱詰め品の品種が変更されることにより外装箱のサイズが変更される場合には、第1枠部材と第2枠部材との間隔を調整して物品が通る開口のサイズを変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-224368号公報
【文献】特開2017-105475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような案内装置では、案内部材が外装箱のフラップの内側に当接し、外装箱へ押し込まれる物品がフラップへ引っ掛かるのを防止できるようになっている。ところが、箱詰めされる物品が軽い場合には、昇降台が下降しても外装箱のフラップが案内部材に接触した状態から離れずに引っ掛かった状態となり、外装箱が上昇した位置で残されたままとなることがある。このような異常状態で運転を継続すると、箱詰め済の外装箱に新たな物品の箱詰め(2度詰め)が行われる等のトラブルが発生することがある。このようなトラブルが発生すると復帰作業に時間と手間を要するという問題がある。
【0007】
なお、特許文献2には、案内装置が第1枠部材と第2枠部材とを互いに近接又は離間する方向に移動させる移動機構を有し、昇降台(台座)が上昇位置から下降する直前に、第1枠部材と第2枠部材との間隔が所定の間隔よりも狭い間隔となるように移動機構が制御されることにより、物品が収納された外装箱が軽い場合に、外装箱が案内部材に引っ掛かって下降しにくくなるのを防止することが記載されている。しかしながら、生産能力の一層の向上が図られて、箱詰め装置が配置される生産ラインの前段の装置から供給される物品の供給速度が速くなると、箱詰め装置も高速運転されることになり、このような高速運転される場合に案内装置を動作させると、間隔が狭められる案内部材と退避(上昇)する押込み部材とが干渉(接触)する等の問題が発生することがあり、運転中は、案内装置(移動機構)を動作させないようにしている。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、物品が箱詰めされた外装箱が案内部材から離れないという異常状態を検出して、2度詰めというようなトラブルの発生を防止することができる箱詰め装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る箱詰め装置は、その上に複数の物品を整列させてなる物品群が載置される床板を有し、前記床板を開閉駆動する床開閉装置と、前記床板が開放された状態において前記物品群の上面を下方に押して前記床板の下方の箱詰め位置に配置された外装箱に前記物品群を押し込む押込み装置と、その箱の上面を形成するための4つのフラップが立った状態の空の外装箱を搬入し、前記物品群が押し込まれた前記外装箱を搬出する外装箱搬送装置と、前記外装箱が載置される昇降台を有し、前記昇降台を所定の下降位置から所定の上昇位置との間で昇降可能に構成され、前記昇降台が前記下降位置において前記外装箱搬送装置によって搬入される空の前記外装箱を受け取り、前記昇降台を前記下降位置から前記上昇位置へ上昇させることにより空の前記外装箱を前記箱詰め位置に配置させるとともに、前記物品群が押し込まれた前記外装箱を載置した前記昇降台を前記上昇位置から前記下降位置へ下降させ、前記下降位置において前記物品群が押し込まれた前記外装箱を前記外装箱搬送装置へ渡すよう構成された外装箱昇降装置と、前記床板の下方に設けられ、前記箱詰め位置に配置される前記外装箱の前記フラップに内側から当接し、前記押込み装置により押し込まれる前記物品群を前記外装箱に案内する案内部材と、前記昇降台に取り付けられ前記昇降台上の前記外装箱の存在を検出する箱検出装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記押込み装置により前記物品群が前記外装箱に押し込まれた後、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置を制御し、前記昇降台が下降して前記下降位置になったときに、前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合には前記外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成されている。
【0010】
この構成によれば、物品群が外装箱に押し込まれた後、昇降台が下降して下降位置になったときに、箱検出装置によって外装箱の存在が検出されていない場合には外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成されている。よって、物品が箱詰めされた外装箱が案内部材から離れないという異常状態を検出し、それによる運転停止(異常停止)後に、作業者が外装箱を昇降台上に降ろし、その後で運転を再開させることで、2度詰めというようなトラブルの発生を防止することができる。
【0011】
前記制御装置は、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置の制御を開始した後、前記昇降台が下降している最中に前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合にも前記外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成されていてもよい。
【0012】
前記制御装置は、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置の制御を開始した後、所定時間の経過後から前記昇降台が前記下降位置に到達するまでの前記昇降台が下降している最中に前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合にも前記外装箱の下降異常と判定し、運転を停止するよう構成されていてもよい。
【0013】
前記制御装置は、前記昇降台が前記上昇位置にあるときに運転が停止され、その後、運転が再開される前に原点復帰操作が行われると、前記昇降台を前記下降位置に下降させるよう前記外装箱昇降装置を制御し、前記昇降台が下降して前記下降位置になったときに、前記箱検出装置によって前記外装箱の存在が検出されていない場合にも前記外装箱の下降異常と判定し、運転を再開しないよう構成されていてもよい。
【0014】
この構成によれば、運転再開前に、原点復帰操作による原点復帰動作(昇降台を下降位置に下降)が行われて昇降台が上昇位置から下降位置に下降した場合にも、下降位置になったときに箱検出装置によって昇降台上の外装箱が検出されなかったときには、外装箱の下降異常と判定し、運転を再開しないよう構成されている。よって、外装箱が案内部材から離れないという異常状態を検出し、運転を再開しないことで、作業者が外装箱を昇降台上に降ろし、その後で運転を再開させることで、運転再開直後に、既に物品が箱詰めされている外装箱への2度詰めというようなトラブルの発生の防止することができるとともに、空の外装箱の昇降台上への置き直しによる物品の正確な箱詰めを行うことが可能になる。
【0015】
前記制御装置が前記外装箱の下降異常と判定したときに、その旨を報知する報知装置をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上に説明した構成を有し、物品が箱詰めされた外装箱が案内部材から離れないという異常状態を検出して、2度詰めというようなトラブルの発生を防止することができる箱詰め装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態の箱詰め装置の一例の概略を示す斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、案内装置を上から視た平面図であり、
図2(B)は、案内装置の正面図であり、
図2(C)は、
図2(A)におけるA-A断面図である。
【
図3】
図3は、箱詰め装置の制御系統の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、箱詰め装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、箱詰め装置における搬出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0019】
(実施形態)
[全体構成]
図1は、本実施形態の箱詰め装置の一例の概略を示す斜視図である。
【0020】
本実施形態の箱詰め装置100は、例えば食品が袋詰め又は箱詰めされた複数の物品Wを整列させた状態で外装箱110に箱詰めする装置である。この箱詰め装置100において、便宜上、前後左右を
図1に示すように決めて説明する。なお、
図1に示す上下は真である。
【0021】
この箱詰め装置100は、供給コンベア200から順次供給される物品Wを複数(所定個数)整列させて所定の整列位置Tまで搬送する整列コンベア(物品整列装置)6と、押出しプレート70の押出し動作によって整列コンベア6の整列位置Tから複数の物品Wを整列状態で一対の床板11上の物品載置位置(目標位置)Aへ押し出す押出し装置7と、物品載置位置Aへ押し出された複数の物品Wからなる物品群と当接するストッパプレート17と、物品載置位置Aへ押し出された物品群を押出方向と直交する水平方向から挟圧する挟圧装置8と、物品群が載置されている一対の床板11を開閉する床開閉装置10と、物品群を外装箱110に押し込む押込み装置9と、外装箱110に押し込まれる物品群を外装箱110に案内する案内装置40(
図2)と、外装箱110を床板11の下方に配置する外装箱配置装置20と、箱詰め装置100の動作を制御する制御装置30と、操作表示器50と、これら箱詰め装置100の各構成要素を所定の位置に支持する枠体1と、を有している。
【0022】
[供給コンベアの構成]
供給コンベア200は、例えばベルトコンベアによって構成され、包装機等の前段の装置(図示省略)から複数の物品Wが順次供給されると、これらの物品Wを搬送して整列コンベア6へ供給する。
【0023】
[整列コンベアの構成]
整列コンベア6は、複数の物品Wを立てた状態で1列に整列させるものであり、複数の物品Wを一方向(
図1では左から右に向かう方向)に搬送する無端軌道60と、無端軌道の搬送面60aに搬送方向に間隔を隔てて設けられた複数のフィン(仕切板)61とを有している。複数のフィン61によってフィン61間の無端軌道60上に物品Wを収容できる収容部62が複数連なって形成される。
【0024】
無端軌道60は、4本の環状ベルトが一対のスプロケット63によって支持されている。4本の環状ベルトは2本ずつに分かれて第1ベルト群64及び第2ベルト群65を構成している。第1ベルト群64及び第2ベルト群65にはそれぞれ、フィン61が複数装着されている。第1ベルト群64は、一方のスプロケット63によって回転駆動され、第2ベルト群65は、他方のスプロケット63によって回転駆動されるように構成されている。一対のスプロケット63のそれぞれは、別々のモータによって駆動される。これによって、第1ベルト群64及び第2ベルト群65を互いに独立して循環駆動することができ、一方のベルト群が暫時停止を繰り返しながら物品取り込み位置Sにおいて収容部62に物品Wを受け入れる動作と、他方のベルト群が収容部62の物品Wを整列位置Tにおいて停止させた状態を保持する動作とを同時に行うことができる。
【0025】
また、整列コンベア6の上流側には、物品取り込み位置Sに移送されてきた物品Wを検出するために光電センサ等からなる物品取込検出装置69が設けられている。整列コンベア6は、物品取り込み位置Sにおいて供給コンベア200から移送されてくる物品Wを順次受け取り、これら物品Wの姿勢を寝た姿勢から直立した姿勢に転換すると共に一列に整列し、整列位置Tへ搬送する。
【0026】
[押出し装置の構成]
押出し装置7は、複数のスリット71が形成された平板状の押出しプレート70を備えている。そして、押出しプレート70は、駆動装置(図示せず)の駆動力によってレール部材(図示せず)に案内されて、整列コンベア6の一方の側に沿って位置する退避位置と、整列コンベア6の他方の側の所定の進出位置との間で、水平方向に進出及び退避動作するように構成されている。複数のスリット71は、押出しプレート70が退避位置から進出位置へ進出動作(押出し動作)する際に、整列位置Tに位置する複数のフィン61と接触しないよう、押出しプレート70の下端から上部にかけて鉛直方向に延びるように形成されている。
【0027】
押出しプレート70が、退避位置(図示されている位置)から進出動作(x方向へ移動)して進出位置まで進出することにより、整列コンベア6上に整列された複数の物品Wが移送路75を通って物品載置位置Aへ押し出される。移送路75は、渡り板73と閉じた床板11とで形成されている。なお、移送路75の両側には、押出しプレート70によって押し出された複数の物品Wが散乱することを防止するために一対の案内板74が設けられている。
【0028】
したがって、整列位置Tに位置する一連の収容部62に収容された複数の物品Wは、押出しプレート70によって、整列コンベア6の搬送方向(整列コンベア6上での複数の物品Wの整列方向)と直交する水平方向(x方向)へ押し出されて移動し、整列コンベア6の搬送方向と同方向に整列した物品群となって、閉じた床板11上に設定された物品載置位置Aに載置される。
【0029】
[ストッパプレートの構成]
ストッパプレート17は、整列コンベア6の搬送方向と平行方向に延びる板状体であり、進出位置に位置する押出しプレート70と対向するように枠体1に固定されて設けられている。したがって、押出しプレート70によって物品載置位置Aへ押し出された物品Wは、ストッパプレート17と当接し、閉じた床板11上で停止するよう構成されている。
【0030】
[挟圧装置の構成]
挟圧装置8は、一対の保持プレート80を備えている。この一対の保持プレート80は、一対の床板11の上方において、一対の案内板74の延長線上に配置される。即ち、一対の保持プレート80は、押出しプレート70の押出方向xと直交する水平方向に対向して設けられている。そして、この一対の保持プレート80は、ストッパプレート17の近傍にまで延伸している。
【0031】
そして、押出しプレート70によって複数の物品Wが押し出されたときに、床板11の上には、押出しプレート70、ストッパプレート17及び一対の保持プレート80によって区画された領域が形成される。この領域が物品載置位置Aを構成する。そして、押出しプレート70によってx方向へ押し出された物品群は、ストッパプレート17と当接し、物品載置位置A上に一対の保持プレート80が対向する方向Yに整列した状態で載置される。
【0032】
そして、各保持プレート80の背面には水平方向に延びる軸体81が設けられている。各軸体81は駆動装置(図示せず)によって、一対の保持プレート80が互いに近づく方向及び互いに遠ざかる方向に進退動作するように構成されている。一対の保持プレート80が互いに近づく方向に進出することによって、物品載置位置Aに位置する物品群がその整列方向Yから一対の保持プレート80の間に挟圧され、物品W同士を密着させることができる。
【0033】
[床開閉装置の構成]
床開閉装置10は、整列コンベア6の側方に配設され、水平方向に延びる一対の床板11を備えている。一対の床板11は、その縁部が枠体1に配設された複数のローラに支持され、互いに対向する端面同士が接触及び離隔するようにして進退自在に構成されている。そして、一対の床板11は、駆動装置(図示せず)の駆動力により開閉駆動されるように構成されている。一対の床板11が後退駆動されると、互いの端面同士が離隔された状態となり、物品載置位置Aの直下に開口が形成される(床板11が開放される)。
【0034】
[押込み装置の構成]
押込み装置9は、鉛直方向に延びる軸体90と、軸体90の下端がその上面に接合された押込み部材91とを有している。軸体90は、枠体1に昇降自在に支持されている。そして、軸体90は、押込み部材91と共に駆動装置(図示せず)の駆動力により鉛直方向に昇降するように構成されている。この押込み装置9は、押込み部材91を下降させることにより、物品載置位置Aの物品群の上面を下方に押して同物品群を一対の保持プレート80の間から下方に脱出させて、開放した一対の床板11の間の開口を介して、床板11の下方の箱詰め位置Pに位置している外装箱110に押し込むことができる。
【0035】
また、本例では、押込み部材91の下面には、物品群の上面を吸着するための吸着口が設けられており、押込み部材91は、物品群の上面を吸着する吸着具としても機能し、物品群の上面を吸着して保持した状態で所定位置まで下降することにより、物品群を外装箱110に押し込むことができる。
【0036】
[外装箱配置装置の構成]
外装箱配置装置20は、外装箱110を水平搬送する外装箱搬送コンベア(外装箱搬送装置)22と、外装箱昇降装置21とを有している。
【0037】
外装箱搬送コンベア22は、多数の駆動ローラ22aを備えた駆動ローラコンベアであり、駆動ローラ22aによって外装箱110がy方向へ搬送される。
【0038】
外装箱昇降装置21は、外装箱110が載置される昇降台24を備えている。昇降台24は、駆動ローラ22a間の隙間に埋没可能な複数の棒材24aと、各棒材24aを連結する連結材24bとを備えている。昇降台24は、公知の昇降装置(図示せず)に支持され、昇降動作できるように構成されている。すなわち、昇降台24は、棒材24aが駆動ローラ22a間の隙間に埋没した状態となる所定の下降位置と、所定の上昇位置との間で、昇降動作する。昇降台24が所定の上昇位置にあるときに、昇降台24上の外装箱110が所定の箱詰め位置Pとなるように構成されている。
【0039】
また、昇降台24には、エアシリンダ等からなる制止装置23が取り付けられている。制止装置23は、進退可能な棒体23aを備えており、昇降台24が下降位置において、棒体23aを進出させることにより、外装箱搬送コンベア22で搬送されてくる外装箱110を物品載置位置Aの下方の箱停止位置Uに停止させることができ、棒体23aを退避させることにより、外装箱110を箱停止位置Uから下流側へ搬送させることができる。また、昇降台24には、光電センサ等からなる箱検出センサ(箱検出装置)25が取り付けられている。この箱検出センサ25は、昇降台24上の外装箱110を検出する。
【0040】
[案内装置の構成]
図2(A)は、案内装置40を上から視た平面図であり、
図2(B)は、案内装置40の正面図であり、
図2(C)は、
図2(A)におけるA-A断面図である。
【0041】
案内装置40は、
図2(B)に示すように、床板11の直下に設けられている。また、
図2(A)及び
図2(B)において、二点鎖線で示された外装箱110は、箱詰め位置Pに位置している状態を示している。
【0042】
外装箱110は、例えば、4つのフラップ(蓋板)F1~F4が閉じられたときに立方体または直方体形状をなすダンボール箱である。外装箱110は、その上面(上蓋)を形成するための4つのフラップF1~F4が立った状態(上方へ延びた状態)、すなわち外装箱110の上面が開口された状態で、箱詰め装置100に搬入され、同状態で箱詰め装置100から搬出される。
【0043】
案内装置40は、押込み装置9により押し込まれる物品群が通る開口W1を構成するとともに、この開口W1を通る物品群を外装箱110に案内するためのものであり、互いに平行に配置される第1,第2枠部材41,42と、第1,第2枠部材41,42に取り付けられた第1,第2案内部材43,44と、第1枠部材41と第2枠部材42とを互いに近接または離間する方向に移動させる移動機構4Aとを備えている。
【0044】
第1枠部材41及び第2枠部材42は、開口W1の前後方向のサイズを規定するための部材であり、棒状に形成されている。そして、第1,第2枠部材41,42のそれぞれが、床板11の開閉方向(=物品群の整列方向Y)と同じ方向に延びて、互いに近接又は離間する方向に移動可能に設けられている。第1枠部材41及び第2枠部材42の互いに向き合う内側面に、第1案内部材43及び第2案内部材44が取り付けられている。
【0045】
第1,第2案内部材43,44の上部は、
図2(C)に示すように、物品を案内できるように上方へ向かうにつれて外側に向けて傾斜している。また、第1,第2案内部材43,44のそれぞれは、外装箱110の互いに対向するフラップF1,F3の内側に当接する当接部43a、44aを有している。
【0046】
移動機構4Aは、主機構4Bと、追従機構4Cとで構成される。まず、主機構4Bについて説明する。
【0047】
主機構4Bは、ガイドレール45と、ガイドレール45にその長手方向に沿って移動自在に取り付けられた2つの移動ブロック46a,46bと、直動機構47と、第1,第2主動アーム48,49とを有している。
【0048】
ガイドレール45及び2つの移動ブロック46a,46bは、いわゆるリニアガイドで構成することができる。移動ブロック46a,46bのそれぞれには、第1,第2枠部材41,42の一方の端部が固定されている。ガイドレール45は、両端は枠体1に支持されたガイドレール取付部材101に固定されている。
【0049】
そして、直動機構47が、ガイドレール取付部材101から左方へ延びる取付部材102上に固定されている。取付部材102は、一端がガイドレール取付部材101の略中央下部に固定され、他端が枠体1に支持されている。
【0050】
この直動機構47は、例えば、スライドテーブル47aと、断面略U字形状のガイドレール47bと、ボールねじ47cと、ボールねじ47cに連結されエンコーダを有するモータ47d等を有して構成されている。
【0051】
そして、第1主動アーム48によって一方の移動ブロック46aとスライドテーブル47aとが連結され、第2主動アーム49によって他方の移動ブロック46bとスライドテーブル47aとが連結されている。
【0052】
次に、追従機構4Cは、主機構4Bのガイドレール45と平行に配置されるガイドレール51と、ガイドレール51にその長手方向に沿って移動自在に取り付けられた2つの移動ブロック52a,52bと、ガイドレール53及び移動ブロック54と、第1,第2従動アーム55,56とを有している。
【0053】
ガイドレール51及び2つの移動ブロック52a,52bは、いわゆるリニアガイドで構成することができる。移動ブロック52a,52bのそれぞれの上面には、第1,第2枠部材41,42の他方の端部が固定されている。ガイドレール51は、両端が枠体1に支持されたガイドレール取付部材103に固定されている。
【0054】
そして、ガイドレール取付部材103から左方へ延びる取付部材104上に、ガイドレール53が固定されている。そしてガイドレール53にその長手方向に沿って移動自在に移動ブロック54が取り付けられている。ガイドレール53及び移動ブロック54は、いわゆるリニアガイドで構成することができる。取付部材104は、一端がガイドレール取付部材103の下面に固定され、他端が枠体1に支持されている。
【0055】
そして、第1従動アーム55によって一方の移動ブロック52aと移動ブロック54とが連結され、第2従動アーム56によって他方の移動ブロック52bと移動ブロック54とが連結されている。
【0056】
上記構成により、直動機構47のモータ47dが正逆回転することによりボールねじ47cが正逆回転し、スライドテーブル47aが左右方向に移動する。例えば、スライドテーブル47aが左方へ移動すると、移動ブロック46a,46bが互いに接近する方向へ移動し、それに伴い、第1,第2枠部材41,42が互いに近づく方向へ移動し、その他端の移動ブロックが52a,52bが互いに接近して移動ブロック54が右方へ移動する。一方、スライドテーブル47aが右方へ移動すると、移動ブロック46a,46bが互いに離れる方向へ移動し、それに伴い、第1,第2枠部材41,42が互いに離れる方向へ移動し、その他端の移動ブロックが52a,52bが互いに離れて移動ブロック54が左方へ移動する。このようにして、第1枠部材41と第2枠部材42との間隔(第1案内部材43と第2案内部材44との間隔)を調整ないし変更することができる。
【0057】
[制御系統の構成]
図3は、箱詰め装置100の制御系統の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
制御装置30は、例えば、CPU等の演算器を有する制御部31と、ROM及びRAM等のメモリを有する記憶部32とを備えている。物品取込検出装置69から出力される物品検出信号、及び箱検出センサ25から出力される箱検出信号は、制御部31に入力される。記憶部32には所定の制御プログラムが記憶されていて、制御部31がこれらの制御プログラムを読み出して実行することにより、整列コンベア6、押出し装置7、挟圧装置8、押込み装置9、床開閉装置10、外装箱昇降装置21、外装箱搬送コンベア22、制止装置23、案内装置40及び操作表示器50の各装置の動作を制御する。すなわち、制御装置30によって、箱詰め装置100全体の動作が制御される。なお、制御装置30は、集中制御する単独の制御装置で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置で構成されていてもよい。
【0059】
操作表示器50は、例えばタッチパネルディスプレイ等を用いて構成され、箱詰め装置の運転開始・停止等の操作およびその運転パラメータ等の設定を行うための操作器の機能と、箱詰め装置の設定情報等をスクリーン(ディスプレイ画面)に表示する表示器の機能とを備えている。
【0060】
また、制御装置30は、操作表示器50からの信号を入力するとともに、操作表示器50へ表示するデータ等の信号を出力する。
【0061】
[箱詰め装置の動作]
図4は、箱詰め装置100の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、制御装置30の処理によって実現される。
【0062】
作業者は、箱詰め装置100の運転開始前に、操作表示器50を操作して、生産する箱詰め品の品種を設定する。ここで設定された品種は制御装置30内の記憶部32に記憶される。また、記憶部32には、予め、複数の各品種に用いられる外装箱のサイズに応じた、案内装置40の開口W1の前後方向のサイズを規定する第1枠部材41と第2枠部材42との間隔を設定するためのモータ47dの回転角度の情報(以下、「間隔設定情報」という)が記憶されている。上述のように作業者の操作表示器50の操作によって箱詰め品の品種が設定されると、制御装置30は、設定された品種に応じた間隔設定情報に基づいて、案内装置40のモータ47dを制御し、第1枠部材41と第2枠部材42との間隔(言い換えれば、第1案内部材43と第2案内部材44との間隔)を品種に応じた間隔に設定する。この案内装置40は、箱詰め装置100の運転中には動作させない。
【0063】
作業者は、前述のように、運転開始前に生産する箱詰め品の品種を設定した後、操作表示器50の例えば運転スイッチを操作して箱詰め装置100の運転を開始させる。
【0064】
そして、運転が開始されると、ステップS1において、制御装置30は、整列コンベア6を制御して、供給コンベア200より順次供給される物品Wを、所定個数、整列位置Tにおいて整列させる。
【0065】
次に、ステップS2において、制御装置30は、押出し装置7を制御して、押出しプレート70を退避位置から進出位置に移動させることにより、整列位置Tにおいて整列した物品Wを床板11上へ押し出させる。これにより、複数の物品Wからなる物品群が物品載置位置Aに整列状態で載置され、各物品Wは、押出しプレート70及びストッパプレート17によって整列方向Yと直交する水平方向の両端部が揃った状態となる。
【0066】
次に、ステップS3において、制御装置30は、挟圧装置8を制御して、一対の保持プレート80を互いに近づく方向にそれぞれ進出させる。これによって、物品群がその整列方向Yから挟圧されて物品W同士を密着させることができる。
【0067】
次に、ステップS4において、制御装置30は、押込み装置9を制御して、吸着機能を有する押込み部材91を、挟圧された物品群の上面に接触するように降下させ、物品群の上面を吸着させる。これによって物品群が押込み部材91に保持される。
【0068】
次に、ステップS5において、制御装置30は、床開閉装置10を制御して、一対の床板11を後退駆動させて床板11を開放状態にする。これによって、物品載置位置Aに位置する物品群の直下に開口部が形成される。
【0069】
一方、運転を開始させると、制御装置30は、外装箱搬送コンベア22に搬送動作を開始させ、上記の処理と並行して、ステップS6の外装箱配置処理を行っている。この外装箱配置処理では、予め、昇降台24は所定の下降位置にあって、制止装置23の棒体23aを進出位置に位置させた状態にしており、外装箱搬送コンベア22で搬入されてきた外装箱110を箱停止位置Uに停止させる。そして、制御装置30は、箱検出センサ25から箱検出信号を入力すると(すなわち、箱検出センサ25による検出状態が外装箱110の存在が検出されていない状態から外装箱110の存在が検出された状態に遷移すると)、外装箱昇降装置21を制御して昇降台24を所定の下降位置から所定の上昇位置まで上昇させ、箱停止位置Uの外装箱110を箱詰め位置Pに位置させる。なお、次に箱停止位置Uへ外装箱搬送コンベア22で搬送されてくる外装箱は、箱停止位置Uよりも上流側の位置で制止装置(図示せず)によって止められている。
【0070】
そして、前述のステップS5で床板11を開放状態にした後、ステップS7において、制御装置30は、押込み装置9を制御して、物品群を吸着している押込み部材91を降下させることによって、物品群の上面を下方に押して物品群を一対の保持プレート80間から下方に脱出させて箱詰め位置Pの外装箱110に物品群を押し込む。この際、物品群の両端の物品Wは保持プレート80表面上を滑り抜ける。
【0071】
次に、ステップS8において、制御装置30は、押出し装置7、挟圧装置8、押込み装置9、床開閉装置10などを元の状態に復帰させる。例えば、押出しプレート70を退避位置へ戻し、保持プレート80を後退させて元の位置へ戻す。また、押込み装置9の押込み部材91の吸着機能を停止させた後、押込み部材91を物品群の形成位置の上方にまで上昇させる。この押込み部材91の上昇後、床板11を閉鎖する。
【0072】
このステップS8の復帰処理と並行して、制御装置30は、ステップS9の搬出処理を行う。
図5は、ステップS9の搬出処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
この搬出処理では、制御装置30は、外装箱昇降装置21を制御して昇降台24の下降を開始させる(ステップS11)。そして、昇降台24が所定の下降位置(外装箱110が箱停止位置U)になるまで下降させて停止させる(ステップS12、S13)。次に、箱検出センサ25が外装箱110を検出(ON)しているか否かを判定し(ステップS14)、外装箱110を検出している場合には、制止装置23の棒体23aを搬送路から退避させ、外装箱搬送コンベア22の搬送動作によって外装箱110を箱詰め装置100から搬出する(ステップS15)。
【0074】
上記の箱詰め動作によって外装箱110に複数の物品Wが収容された箱詰め品が生産される。そして、上記と同様の箱詰め動作が順次繰り返される。
【0075】
一方、
図5のステップS14で、箱検出センサ25で外装箱110が検出されていない場合には、制御装置30は、異常停止処理により箱詰め装置100の運転を停止させ(ステップS16)、操作表示器50へ外装箱の下降異常であることを示す異常検出信号を出力し、操作表示器50の画面にその旨(「外装箱の下降異常」等)を表示させる(操作表示器50が報知装置として機能)とともに、回転灯(図示せず)を点灯させたり警報音を発生する等して作業者へ報知する(ステップS17)。この場合、制御装置30では、外装箱110のフラップが案内部材43,44に引っ掛かって外装箱110が案内部材43,44から離れない状態となり、外装箱110が昇降台24とともに下降していない外装箱の下降異常であると判定するようにしている。そして、この後、作業者が、案内部材43,44に引っ掛かっている外装箱110を昇降台24上に降ろす等の作業を行った後、操作表示器50の例えば運転スイッチを操作することにより、箱詰め装置100の運転が再開される。運転が再開されると、制止装置23の棒体23aを搬送路から退避させ、外装箱搬送コンベア22の搬送動作によって外装箱110は搬出される。
【0076】
なお、
図5に示す搬出処理の例では、制御装置30は、昇降台24が下降位置で停止したときに、箱検出センサ25で外装箱110が検出されているか否かを判定するようにしたが、これに限られない。例えば、昇降台24が下降開始直後から下降位置に到達するまでの下降中にも箱検出センサ25で外装箱110が検出されているか否かを判定するようにし、検出されていない場合に、順序を問わずステップS16及びステップS17を行うようにしてもよい。または、昇降台24が下降を開始した後、所定時間(t)経過後から下降位置に到達するまでの下降中にも箱検出センサ25で外装箱110が検出されているか否かを判定するようにし、検出されていない場合に、順序を問わずステップS16及びステップS17を行うようにしてもよい。なお、上記所定時間(t)は、昇降台24が上昇位置から下降位置へ下降するのに要する時間よりも短い時間が設定されている。
【0077】
上記のように、昇降台24が下降中に外装箱110が検出されなくなった場合には、即座に運転を停止するようにしてもよいし、昇降台24を下降位置に停止させてから運転を停止するようにしてもよい。昇降台24を下降位置に停止させてから運転を停止するようにした方が、昇降台24が下降位置にあることにより作業スペースが広がり、作業者が外装箱110を昇降台24上に降ろす等の作業を行いやすい。
【0078】
また、以上では、通常の運転中の動作について説明したが、運転を終了する場合、作業者は、操作表示器50の例えば運転停止スイッチを操作することにより、箱詰め装置100の運転を終了させることができる。この運転が終了したときに、昇降台24が上昇位置(外装箱110が箱詰め位置P)で停止している場合がある。このとき、外装箱110が空の場合もあるし、外装箱110に物品が箱詰めされている場合もある。また、上記のように運転停止スイッチを操作して運転を通常終了させた場合だけでなく、外装箱の下降異常以外の異常によって異常停止処理を行った場合において、昇降台24が上昇位置で停止する場合がある。
【0079】
次に、箱詰め装置100の運転を開始(再開)する場合には、作業者は、操作表示器50の例えば運転スイッチを操作する。ここで、運転の通常終了操作または異常停止処理による運転の停止によって、昇降台24が上昇位置で停止している場合には、操作表示器50には、その画面に原点復帰スイッチが表示される。そして、作業者が表示された原点復帰スイッチを操作(原点復帰操作)し、それによる原点復帰動作が行われた後、運転スイッチを操作することにより、運転が再開される。原点復帰スイッチが操作されると、制御装置30は、昇降台24を下降位置(昇降台24の原点位置)に下降させるよう外装箱昇降装置21を制御する(原点復帰動作)。ここで、昇降台24が下降位置に下降したときに、箱検出センサ25で外装箱110が検出されていない場合には、制御装置30は、外装箱の下降異常であると判定し、その旨を報知し(ステップS17と同様の処理)、箱詰め装置100の運転を再開しないようにしている。
【0080】
本実施形態では、昇降台24の下降開始後、遅くとも下降位置になったときに箱検出センサ25によって昇降台24上の外装箱110が検出されなかったときには、異常停止するよう構成されている。よって、物品が箱詰めされた外装箱110が案内部材43,44から離れないという異常状態を検出することができ、異常停止後に、作業者が外装箱110を昇降台24上に降ろし、その後で運転を再開させることで、2度詰めというようなトラブルの発生を防止することができる。
【0081】
また、運転再開前に、原点復帰操作による原点復帰動作が行われて昇降台24が上昇位置から下降位置に下降した場合にも、下降位置になったときに箱検出センサ25によって昇降台24上の外装箱110が検出されなかったときには、運転を再開しないよう構成されている。よって、例えば物品が箱詰めされた外装箱110が案内部材43,44から離れないという異常状態を検出することができ、運転を再開したときに、2度詰めというようなトラブルの発生を防止することができる。また、外装箱110が空の場合には、外装箱110を昇降台24上に置き直すことで、同外装箱110への物品の箱詰めを正確に行うことが可能になる。
【0082】
なお、本実施形態における案内装置40では、品種を設定することで案内部材43,44の間隔を自動で調整可能な構成としたが、手動で調整可能な構成としてもよい。あるいは、案内部材を所定の支持部材に着脱可能な構成とし、品種(外装箱110のサイズ)に応じた複数の案内部材を用意しておいて、生産する品種に応じた案内部材を選んで支持部材に取り付けるようにしてもよい。また、案内部材は、図示された案内部材43,44に限らず、その形状等は変更されてもよい。
【0083】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、物品が箱詰めされた外装箱が案内部材から離れないという異常状態を検出して、2度詰めというようなトラブルの発生を防止することができる箱詰め装置等として有用である。
【符号の説明】
【0085】
6 整列コンベア
7 押出し装置
8 挟圧装置
9 押込み装置
10 床開閉装置
11 床板
21 外装箱昇降装置
22 外装箱搬送コンベア
24 昇降台
25 箱検出センサ
30 制御装置
40 案内装置
43,44 案内部材
50 操作表示器
80 保持プレート
110 外装箱
P 箱詰め位置
F1~F4 フラップ