(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】無段変速機の制御装置
(51)【国際特許分類】
F16H 61/02 20060101AFI20220808BHJP
F16H 61/662 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
F16H61/02
F16H61/662
(21)【出願番号】P 2018208403
(22)【出願日】2018-11-05
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】弁理士法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 寛
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/118895(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/074564(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/02
F16H 61/662
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマリプーリとセカンダリプーリの間にベルトを巻装して動力を伝達する無断変速機構と、
エンジンと前記無断変速機構との間に設けられ、前記エンジンと一体に回転するポンプインペラと、前記
無段変速機構の入力軸と一体に回転するタービンランナと、前記ポンプインペラと前記タービンランナとを連結するロックアップクラッチと、を有するトルクコンバータと、
走行状態に応じて前記ロックアップクラッチを所定の締結状態に制御すると共に、前記
無断変速機構を所定変速比に制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記ロックアップクラッチを解放状態から締結状態に移行させる際
、エンジン回転数と前記タービン回転数との差回転が所定差回転以下となったとき、前記タービン回転数が、前記移行中の走行状態に基づいて設定される前記無断変速機構の変速比の制御を継続した場合のタービン回転数よりも、エンジン回転数に近づくように前記無断変速機構の変速比を制御する
にあたり、
前記自動変速機構のレンジ位置がDレンジの場合には、前記タービン回転数を前記エンジン回転数に近づける制御を許可し、前記レンジ位置がDレンジ以外である場合には、前記タービン回転数を前記エンジン回転数に近づける制御を禁止する無段変速機の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無段変速機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロックアップクラッチを解放状態から締結状態へ移行させる際、エンジン回転数とタービン回転数との差回転が所定差回転以下となったときは、タービン回転数が、移行中の走行状態に基づいて設定される無段変速機の変速比の制御を継続した場合のタービン回転数よりも、エンジン回転数に近づくように無段変速機構の変速比を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無段変速機の変速比を固定する運転モード等、車速に対するタービン回転数の上昇が比較的大きな運転モードで上記の変速制御を行うと、タービン回転数の上昇がさらに大きくなり、ドライバに違和感を与えるおそれがあった。
本発明の目的の一つは、ドライバに与える違和感を抑制できる無段変速機の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、レンジ位置がDレンジの場合には、タービン回転数をエンジン回転数に近づける制御を許可し、レンジ位置がDレンジ以外である場合には、タービン回転数をエンジン回転数に近づける制御を禁止する。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、ドライバに与える違和感を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1の無段変速機の制御装置を表すシステム図である。
【
図2】実施形態1のロックアップ変速制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】実施形態1のお出迎え制御の詳細を表す説明図である。
【
図5】実施形態1のタービン回転数補正量設定マップである。
【
図6】実施形態1のお出迎え制御を行った場合における前後加速度Gおよびエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの関係を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の無段変速機の制御装置を表すシステム図である。
実施形態1の車両は、エンジン1、無段変速機およびベルト式無段変速機構CVTを備え、ディファレンシャルギヤを介して駆動輪に駆動力を伝達する。無段変速機は、トルクコンバータ2、オイルポンプ3、前後進切り替え機構4およびベルト式無段変速機構CVTを有する。トルクコンバータ2は、ポンプインペラ20、タービンランナ21およびロックアップクラッチ2aを有する。ポンプインペラ20は、エンジン1に連結されオイルポンプ3を駆動する駆動爪と一体に回転する。タービンランナ21は、前後進切り替え機構4の入力側(ベルト式無段変速機構CVTの入力軸)と接続されている。ロックアップクラッチ2aは、ポンプインペラ20とタービンランナ21とを一体的に連結可能である。前後進切り替え機構4は、遊星歯車機構と複数のクラッチ4aから構成され、クラッチ4aの締結状態によって前進と後進とを切り替える。ベルト式無段変速機構CVTは、プライマリプーリ5、セカンダリプーリ6およびベルト7を有する。プライマリプーリ5は、前後進切り替え機構4の出力側(無段変速機の入力軸)と接続されている。セカンダリプーリ6は、駆動輪と一体に回転する。ベルト7は、プライマリプーリ5およびセカンダリプーリ6間に巻回され動力伝達を行う。
【0009】
コントロールユニット10は、レンジ位置信号、アクセルペダル開度信号APO、プライマリ回転数信号Npri、セカンダリ回転数信号Nsec、エンジン回転数等Neを読み込む。レンジ位置信号は、ドライバの操作によりレンジ位置を選択するセレクトレバー11から出力される。以下、レンジ位置信号をそれぞれPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、Sレンジ、Lレンジ、Mレンジと記載する。アクセルペダル開度信号APOは、アクセルペダル開度センサ12から出力される。プライマリ回転数信号Npriは、プライマリプーリ回転数センサ13から出力される。セカンダリ回転数信号Nsecは、セカンダリプーリ回転数センサ14から出力される。エンジン回転数Neは、エンジン回転数センサ15から出力される。なお、プライマリ回転数信号Npriは、Dレンジの場合、クラッチ4aの締結によりタービン回転数と一致するため、以下、タービン回転数Ntとも記載する。
【0010】
コントロールユニット10は、レンジ位置信号に応じたクラッチ4aの締結状態を制御する。具体的には、PまたはNレンジであればクラッチ4aは解放状態とし、Rレンジであれば前後進切り替え機構4が逆回転を出力するように後進クラッチ(もしくはブレーキ)を締結し、D、S、LまたはMレンジであれば前後進切り替え機構4が一体回転して正回転を出力するように前進クラッチ4aを締結する。また、コントロールユニット10は、セカンダリ回転数Nsecに基づいて車速VSPを算出する。コントロールユニット10内には、走行状態に応じて最適な燃費状態を達成可能な変速マップが設定されている。コントロールユニット10は、変速マップを参照し、APO信号と車速VSPとに応じて目標変速比(所定変速比に相当)を設定する。コントロールユニット10は、目標変速比に基づいて各プーリの油圧をフィードフォワード制御により制御すると共に、プライマリ回転数信号Npriとセカンダリ回転数信号Nsecとに基づいて実変速比を検出し、設定された目標変速比と実変速比とが一致するように、各プーリの油圧をフィードバック制御する。
【0011】
コントロールユニット10は、燃費改善を狙いとし、車速VSPやエンジン回転数Ne等に応じて予め設定された所定のロックアップクラッチ締結条件が成立すると、ロックアップクラッチ2aを締結状態とする。以下、ロックアップクラッチ2aが解放状態から締結状態へ移行する際のベルト式無段変速機構CVTの変速制御(ロックアップ変速制御)について説明する。
図2は、実施形態1のロックアップ変速制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、ロックアップクラッチ2aの締結指令が出力されているかを判定する。YESの場合はステップS2へ進み、NOの場合はステップS5へ進む。
ステップS2では、差回転ΔN(=Ne-Nt)が所定回転数ΔN1以下かを判定する。YESの場合はステップS3へ進み、NOの場合はステップS5へ進む。
【0012】
ステップS3では、後述するお出迎え制御の許可条件が成立しているかを判定する。YESの場合はステップS4へ進み、NOの場合はステップS5へ進む。このステップでは、例えば、下記の4条件を全て満足する場合に、お出迎え制御の許可条件が成立していると判定する。
(1) レンジ位置信号がDレンジ(Sレンジ、Lレンジ、Mレンジではない)
(2) 走行モードがノーマルモード(スポーツモード、エコモードではない)
(3) 車速VSPが20~40km/hの範囲内
(4) クルーズコントロールがOFF
ステップS4では、お出迎え制御を実行する。お出迎え制御は、タービン回転数Ntが、通常の変速制御におけるタービン回転数よりもエンジン回転数Neに近づくように変速比を制御する変速制御である。お出迎え制御の詳細については後述する。
ステップS5では、通常制御を実行する。通常制御は、目標変速比を車速VSPとアクセルペダル開度APOとから変速マップを参照して決定される所定変速比とし、実変速比を所定変速比に一致させる通常の変速制御である。
【0013】
図3は、実施形態1のお出迎え制御の詳細を表す説明図である。この説明図では、ロックアップクラッチ2aの締結指令が出力されてからお出迎え制御が終了するまでの間のエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの関係を示す。
フェーズp1は、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの差回転ΔNが所定差回転ΔN1に到達したタイミングを示す。この所定差回転ΔN1は、差回転ΔNの変化速度d(ΔN)/dtに応じて決定される。
図4は実施形態1の所定差回転設定マップである。
図4に示すように、変化速度d(ΔN)/dtの絶対値が小さいほど、所定差回転ΔN1が小さな値に設定される。ロックアップクラッチ2aを解放状態から締結状態へ移行させる場合、差回転ΔNは、小さくなる方向へ変化するので、変化速度d(ΔN)/dtは、マイナス側に行くほど絶対値として大きくなり、
図4の横軸は図の右側にゼロがある形となっている。
【0014】
すなわち、ロックアップクラッチ2aを締結して差回転ΔNをゼロとする際、差回転ΔNの変化が遅いときには、ロックアップクラッチ2aの締結完了に時間が掛かるため、所定差回転ΔN1を小さく設定し、お出迎え制御を開始してから終了するまでの時間が長くなり過ぎないようにしている。また、ゆっくりと差回転ΔNが減少しているときには、比較的、エンジン回転数が低下する変化速度も小さいので、お出迎え制御の変速比により、タービン回転数Ntがエンジン回転数Neに近づくようにベルト式無段変速機構CVTの変速比を制御する量が少なくても、トルクコンバータ2のトルク増幅作用の大きな変動やエンジン負荷の増大は小さく、車両の振動の振幅が大きくなりにくいと言える。一方、差回転ΔNが素早く減少している場合に、遅い場合と同じ所定差回転ΔN1に設定すると、お出迎え制御を開始してから終了するまでの時間が短くなってしまうので、所定差回転ΔN1を遅い場合より大きく設定して、お出迎え制御を開始してから終了するまでの時間を確保できるようにしている。これにより、素早く差回転ΔNが減少しているときでも、お出迎え制御の変速比により、十分にタービン回転数Ntがエンジン回転数Neに近づくようにベルト式無段変速機構CVTの変速比を制御できるので、トルクコンバータ2のトルク増幅作用の大きな変動やエンジン負荷の増大を少なくでき、車両の振動の振幅を抑制できる。
【0015】
フェーズp2では、差回転ΔNが所定差回転ΔN1以下となった後、予め設定された所定上昇勾配でタービン回転数Ntが上昇するような変速比を設定する。ここで、所定上昇勾配は、アクセルペダル開度APOに基づいて設定する。
図5は実施形態1のタービン回転数補正量設定マップである。所定の低開度APO1までは、アクセルペダル開度APOが大きいほど大きなタービン回転数補正量Nxを設定し、大きな上昇勾配とする。これにより、加速要求が強いほど素早くロックアップクラッチ2aを完全締結することでドライバの加速要求に対応する。また、所定開度APO2より大きなアクセルペダル開度APOでは、アクセルペダル開度APOが大きいほど小さなタービン回転数補正量Nxを設定する。アクセルペダル開度APOが所定開度APO2よりも大きいときは、エンジントルクも十分に出力されており、締結ショックに伴う違和感が小さいからである。
【0016】
また、発進時にあっては、上述の変速マップから設定される所定変速比は最Low側から徐々にHigh側にアップシフトすることで燃費の向上を図っている(
図3中の点線参照)。この所定変速比に対応するタービン回転数Ntにタービン回転数補正量Nxを加算した補正後タービン回転数Ntを達成する変速比G0を設定する。
上記タービン回転数の補正によって、例えば、ベルト式無段変速機構CVTの変速比を現時点の変速比(比較的Low側の変速比)に維持し、High側へのアップシフトが禁止される場合や、Low側に向けてダウンシフトする場合もある。車速VSPが上昇している場面でベルト式無段変速機構CVTの変速比をアップシフトすると、タービン回転数Ntは減少、もしくは上昇が抑制される。これに対し、ベルト式無段変速機構CVTの変速比をLow側とすることで、車速VSPの上昇に伴ってタービン回転数Ntも所定変速比で制御する場合より素早く上昇させることができる。
【0017】
フェーズp3では、差回転ΔNが所定差回転ΔN2未満となり、ロックアップクラッチ2aが完全締結の直前であると判断された後、差回転ΔNの変化率を低下させる。これにより、完全締結時における無段変速機構CVTの回転数の急変によるイナーシャショックを抑制できる。なお、所定差回転ΔN2は固定値でもよいし、変化速度d(ΔN)/dtが大きいほど大きな値に設定することで、完全締結に伴う締結ショックを抑制する構成としてもよい。
フェーズp4では、完全締結が確認された後、現在のタービン回転数Ntが現時点の車速VSPとアクセルペダル開度APOによって決定される所定変速比に対応する基準タービン回転数Nt1に向かうように変速比を制御する。このとき、現在のタービン回転数Ntと基準タービン回転数Nt1との差ΔNtの変化率が予め設定された所定変化率となるように変速比を制御する。これにより、エンジン回転数Neやタービン回転数Ntの急変を抑制し、安定した加速状態を達成する。
【0018】
図6は、実施形態1のお出迎え制御を行った場合における前後加速度Gおよびエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの関係を表すタイムチャートである。
時刻t11において、車両停止状態からドライバがアクセルペダルを踏み込むと、エンジン回転数Neが上昇すると共に、エンジントルクがトルクコンバータ2により増幅されてタービンランナ21に伝達され、タービン回転数Ntも増大することで車両が発進する。
時刻t12において、車速VSPが上昇して所定車速VSP1に到達すると、ロックアップクラッチ2aの締結指令が出力され、ロックアップクラッチ2aの解放状態から締結状態への移行に伴ってエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの差回転ΔNが徐々に小さくなる。
時刻t13において、差回転ΔNが所定差回転ΔN1以下となると、お出迎え制御が開始され、タービン回転数Ntがエンジン回転数Neに向けて上昇する。言い換えると、時刻t12から時刻t13の間で、タービン回転数Ntがエンジン回転数Neに近づく速度よりも速い速度で、タービン回転数Ntがエンジン回転数Neに近づく。これによりトルクコンバータ2のトルク増幅作用が軽減されると共に、エンジン負荷を軽減することでエンジン回転数Neが引き下げられるのを抑制する。
時刻t14において、ロックアップクラッチ2aが完全締結すると、その後は、基準タービン回転数Nt1に向けて変速制御され、時刻t15においてタービン回転数Ntが基準タービン回転数Nt1に到達すると、お出迎え制御を終了し、通常の変速制御に移行する。
【0019】
以上のように、ロックアップクラッチ2aが解放状態から締結状態へ移行する際、タービン回転数Ntをエンジン回転数Neに向けて上昇させるお出迎え制御を実行することにより、ドライバにとって違和感(ラギング感)となる、アクセルペダル開度APOが一定であるにもかかわらずエンジン回転や前後加速度Gが変動するのを抑制できる。この結果、ドライブフィーリングの向上を図れる。
ここで、ドライバにとって違和感となるのは、エンジン回転が吹け上がった後に大きく低下するシーン、すなわち、車速VSPに対するタービン回転数Ntの上昇が比較的小さいシーンに限られる。つまり、車速VSPに対するタービン回転数Ntの上昇が比較的大きいシーンでは、エンジン回転数Neが吹け上がった後に大きく低下することはないため、ドライバの違和感とはならない。また、お出迎え制御によるタービン回転数Ntのさらなる上昇がドライバに違和感を与えるおそれもある。
【0020】
そこで、実施形態1のロックアップ変速制御処理では、差回転ΔNが所定回転数ΔN1以下になると、お出迎え制御の許可条件が成立しているかを判定する。そして、車速VSPに対するタービン回転数Ntの上昇が比較的大きいシーン(Sレンジ、Lレンジ、Mレンジ、スポーツモード)では、お出迎え制御を許可せず、通常の変速制御を継続する。これにより、ドライバの違和感となる踏み込みシーンに絞ってお出迎え制御を実行できるため、不要なお出迎え制御の実行を抑制できる。また、ドライバの違和感となるタービン回転数Ntの過度な上昇が抑えられる。
また、走行モードがエコモードの場合にもお出迎え制御を許可しない。エコモードは燃費を重視する走行モードであるから、その場合はお出迎え制御を禁止することにより、エンジン回転Neの上昇が抑えられて燃費の悪化を抑制できる。
また、車速VSPが20~40km/hの範囲から外れる場合にもお出迎え制御を許可しない。ドライバの違和感となる踏み込みシーンが発生するのは、車速VSPが20~40km/hでの再加速時であることがわかっている。よって、車速VSPが20~40km/hの範囲から外れる場合には、お出迎え制御を禁止することにより、不要なお出迎え制御の実行を抑制できる。
加えて、クルーズコントロール中もお出迎え制御を許可しない。クルーズコントロール中はドライバの操作入力がないため、アクセル操作と車両挙動との不一致は生じない。また、ドライバはクルーズコントロール中であることを認識している。このため、クルーズコントロール中にエンジン回転数Neが変動してもドライバの違和感とはならない。よって、クルーズコントロール中はお出迎え制御を禁止することにより、不要なお出迎え制御の実行を抑制できる。
【0021】
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっっても本発明に含まれる。
図2のステップS3に示したお出迎え制御の許可条件は一例であり、他の条件を加えてもよい。また、条件(1)~(4)のいずれか1つないし3つを満足する場合に、お出迎え制御の許可条件が成立していると判定してもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 エンジン
2 トルクコンバータ
2a ロックアップクラッチ
5 プライマリプーリ
6 セカンダリプーリ
7 ベルト
10 コントロールユニット(制御手段)
20 ポンプインペラ
21 タービンランナ
CVT 無段変速機構