(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】ビークルの空調用可変コンプレッサ制御
(51)【国際特許分類】
B60H 1/32 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
B60H1/32 623S
B60H1/32 623L
B60H1/32 623Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017157385
(22)【出願日】2017-08-17
【審査請求日】2020-07-28
(32)【優先日】2016-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ダブリュ.コスグローブ
(72)【発明者】
【氏名】平林 秀一
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ビー.ギッドカム
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-050862(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0034767(US,A1)
【文献】特開2001-140767(JP,A)
【文献】米国特許第08893517(US,B2)
【文献】特開平11-115472(JP,A)
【文献】特開2007-022131(JP,A)
【文献】特開2004-027991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、前記HVACシステムは、
通常の又はデフォルトのデューティマップを表す第1のデューティマップに従った可変押し退け量のために構成された可変コンプレッサを含んでおり、前記方法は、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、再循環モード空気源を選択させることと、
前記再循環モード空気源が選択されたことに応答して、燃料増量制御がオンであるかを判別することと、
前記燃料増量制御がオンであると判別したことに応答して、
アクティブ状態の前記可変コンプレッサを、前記第1のデューティマップと比較して前記可変コンプレッサの1又はそれよりも多くの速度に対し低下された第2のデューティマップに従って作動させることと、
前記燃料増量制御がオンでないと判別したことに応答して、以下のビークル状態、すなわち、
エンジンオイル温度があらかじめ定められたエンジンオイル温度値よりも高いこと、
トランスミッションオイル温度があらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値よりも高いこと、及び
排気ガス温度があらかじめ定められた排気ガス温度値よりも高いこと、
が満たされるかを判別することと、
前記ビークル状態のうちの少なくとも1つが満たされると判別したことに応答して、
前記第2のデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させることと、
前記ビークル状態のうちのいずれも満たされないと判別したことに応答して、
前記第1のデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ビークル状態のうちの少なくとも2つが満たされると判別したことに応答して、前記第2のデューティマップに対し低下された最大デューティを含む第3のデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムであって、
センサシステムであって、燃料制御センサと、エンジンオイル温度センサと、トランスミッションオイル温度センサと、排気ガス温度センサと、を含むセンサシステムと、
前記HVACシステムのための吸入のための空気源を選択する吸入モードスイッチと、
通常の又はデフォルトのデューティマップを表す第1のデューティマップに従った可変押し退け量のために構成された可変コンプレッサと、
前記センサシステムに作動可能に接続されたコントローラであって、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、前記吸入モードスイッチに再循環モード空気源を選択させることと、
前記再循環モード空気源が選択されたことに応答して、燃料増量制御がオンであるかを判別することと、
前記燃料増量制御がオンであると判別したことに応答して、
アクティブ状態の前記可変コンプレッサを、前記第1のデューティマップと比較して前記可変コンプレッサの1又はそれよりも多くの速度に対し低下された第2のデューティマップに従って作動させることと、
前記燃料増量制御がオンでないと判別したことに応答して、以下のビークル状態、すなわち、
エンジンオイル温度があらかじめ定められたエンジンオイル温度値よりも高いこと、
トランスミッションオイル温度があらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値よりも高いこと、及び
排気ガス温度があらかじめ定められた排気ガス温度値よりも高いこと、
が満たされるかを判別することと、
前記ビークル状態のうちの少なくとも1つが満たされると判別したことに応答して、
前記第2のデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させることと、
前記ビークル状態のうちのいずれも満たされないと判別したことに応答して、
前記第1のデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させることと、
を含む、実行可能な動作を開始するようにプログラムされた、コントローラと、
を備える、システム。
【請求項4】
前記ビークル状態のうちの少なくとも2つが満たされると判別したことに応答して、前記第2のデューティマップに対し低下された最大デューティを含む第3のデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させる、請求項3に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示で説明される主題は、概して、ビークルの空調システムに関し、より具体的には、可変コンプレッサの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ビークルは、内部乗員室を冷却又は冷房する空調システムを含むことができる。このような空調システムは、冷媒流体を、冷却サイクル内を循環させることができる。例えば、コンプレッサは、ビークルのパワートレインによりパワー供給されることができ、冷媒蒸気をより高い圧力まで圧縮するのに用いられることができる。圧縮された冷媒は、コンデンサを通って送られることができ、コンデンサにおいて冷媒は冷却されることができる。冷却された冷媒は、エバポレータに送られることができ、エバポレータにおいて液体冷媒は、冷媒がブロワによって送られた空気から熱を受け取ると、蒸発して蒸気状態に戻る。空調システムを使用すると、コンデンサの作動を含めて、結果的に、ビークルエンジンの負荷が増大するおそれがある。
【発明の概要】
【0003】
一観点では、本開示は、ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、HVACシステムが可変コンプレッサを含んでいる方法を対象とする。方法は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、再循環モード空気源を選択させること、を含むことができる。方法は、再循環モード空気源が選択されたことに応答して、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすかを判別することができる。方法は、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすと判別したことに応答して、低下されたデューティマップに従って可変コンプレッサを作動させることを更に含むことができる。
【0004】
別の観点では、本開示は、ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、HVACシステムが、第1のデューティマップに基づいて作動可能な可変コンプレッサを含む方法を対象とする。方法は、吸入モードスイッチに、HVACシステムのための再循環モード空気源吸入を選択させることができる。方法は、センサシステムからの入力に基づいて、以下のビークル状態、すなわち、燃料増量制御がオンであること、エンジンオイル温度があらかじめ定められたエンジンオイル温度値よりも高いこと、トランスミッションオイル温度があらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値よりも高いこと、又は、排気ガス温度があらかじめ定められた排気ガス温度値よりも高いこと、のうちの1又はそれよりも多くが満たされるかを判別することを更に含むことができる。方法は、ビークル状態のうちの1又はそれよりも多くが満たされると判別したことに応答して、コンプレッサ速度の範囲に対し第1のデューティマップに比べて低下されたデューティを有する第2のデューティマップに従って可変コンプレッサを作動させることを含むことができる。
【0005】
更に別の観点では、本開示は、ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを対象とする。システムは、少なくとも1つのビークル状態を測定するように作動可能なセンサシステムを含むことができる。また、システムは、HVACシステムのための吸入のための空気源を選択する吸入モードスイッチを含むことができる。システムは、第1のデューティマップに従った可変押し退け量のために構成された可変コンプレッサを更に含むことができる。システムは、センサシステムに作動可能に接続されたコントローラであって、実行可能な動作を開始するようにプログラムされることが可能なコントローラを含むことができる。実行可能な動作は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することを含むことができる。動作は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、吸入モードスイッチに再循環モード空気源を選択させることを含むことができる。動作は、再循環モード空気源が選択されたことに応答して、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすかを判別することを含むことができる。更に、動作は、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすと判別したことに応答して、低下されたデューティマップに従って可変コンプレッサを作動させることを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】暖房換気空調システムを有するビークルの一例を示す図である。
【
図2】暖房換気空調システムの一例を示す図である。
【
図3】可変コンプレッサを有する暖房換気空調システムを作動させる方法の第1の例を示す図である。
【
図4】可変コンプレッサを有する暖房換気空調システムを作動させる方法の第2の例を示す図である。
【
図5】可変コンプレッサのための第1及び第2のデューティマップを示すグラフの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この詳細な説明は、或る状態の間、ビークルのパワートレインに印加される負荷を低減する、ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムの作動に関する。HVACシステムは、可変コンプレッサを含むことができる。システム及び方法は、HVACシステムのパワー状態が起動されているか、及び、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすか、を判別することができる。エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、HVACシステムのための再循環モード空気源が選択されることができる。再循環モード空気源が選択されたことに応答して、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすかが判別されることができる。非限定的な例として、ビークル状態は、燃料増量制御、エンジン油温、トランスミッション油温、及び/又は、排気ガス温であることができる。少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすと判別したことに応答して、可変コンプレッサは、低減されたデューティマップに従って作動されることができる。この詳細な説明は、1又はそれよりも多くのこのような特徴を組み入れるシステム及び方法に関する。少なくともいくつかの例において、このようなシステム及び方法は、HVACシステムの可変コンプレッサの作動中、ビークルのパワートレインに印加される負荷を低減することができる。
【0008】
本開示には詳細な実施態様が記載される。しかしながら、理解されるべきは、開示された実施態様は例示のみを意図している、ということである。したがって、本開示で詳細に開示される特定の構造及び機能は、限定として解釈されるべきではなく、しかしながら、単に、特許請求の範囲のための基礎として、及び、事実上、任意の適切な詳細な構造において本開示の観点を様々に採用することを当業者に教示するための代表的基礎として、解釈されるべきである。更に、本開示で使用される用語及び句は、限定を意図するものではなく、むしろ、可能な実施の理解可能な説明を提供しようとするものである。種々の実施態様が
図1から
図5に示されるけれども、これらの実施態様は図示された構造又は応用に限定されるものではない。
【0009】
例示の簡易化及び明瞭化のために、適当であれば、異なる図面において、対応する又は類似の要素を示すために参照符号が繰り返されることが理解されるであろう。また、本開示に記載される実施態様の完全な理解を提供するために、多数の特定の細部が記載される。しかしながら、本開示に記載の実施態様がこれらの特定の細部なしで実施可能であることが、当業者には理解されるであろう。
【0010】
図1を参照すると、ビークルの一例100が示される。本開示で使用されるように、「ビークル」は任意の形態の動力化された輸送機関である。1又はそれよりも多くの実施形態では、ビークル100は自動車であることができる。本開示では自動車に関して構成が説明されるけれども、実施態様が自動車に限定されないことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、ビークル100は、船舶、飛行機、又は任意の他の形態の動力化された輸送機関であってよい。
【0011】
ビークル100の可能な要素のいくつかが
図1に示されており、これから説明される。
図1に示され又は本開示で説明された要素のすべてをビークル100が有する必要はない、ということが理解されるであろう。ビークル100は
図1に示される種々の要素の任意の組み合わせを有することができる。更に、ビークル100は、
図1に示される要素に対し追加の要素を有することができる。いくつかの構成では、ビークル100は、
図1の要素のうちの1又はそれよりも多くを含まないかもしれない。更に、
図1では種々の要素がビークル100内に位置するものとして図示されているけれども、これらの要素のうちの1又はそれよりも多くがビークル100の外部に位置することができる、ことが理解されるであろう。更に、図示される要素は、大きな距離をもって物理的に離間していてもよい。
【0012】
ビークル100は、パワーを発生するパワートレイン102を含むことができる。本開示で使用されるように、「パワートレイン」は、走行のためにビークル100により使用されるパワーを発生及び/又は移送する、ビークル100の任意のコンポーネント又はコンポーネントのグループを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、パワートレイン102は、パワーを発生するエンジンおよびエネルギ源を含むことができる。エンジンは、任意の適切なタイプのエンジン又はモータであって、現在知られているか又は後に開発されたものであることができる。例えば、エンジンは、いくつかを単に例示すると、内燃エンジン、電気モータ、蒸気エンジン、及び/又は、スターリングエンジンであることができる。いくつかの実施態様では、エンジンは、複数のエンジンタイプを含むことができる。例えば、ガス-電気ハイブリッドビークルはガソリンエンジン及び電気モータを含むことができる。
【0013】
エネルギ源は、少なくとも部分的にエンジンにパワー供給するのに使用可能な、任意の適切なエネルギ源であることができる。エンジンは、エネルギ源からのエネルギを機械エネルギに変換することができる。エネルギ源の例には、ガソリン、ディーゼル、プロパン、水素、他の圧縮された気体ベースの燃料、エタノール、ソーラパネル、バッテリ、及び/又は他の電力源が含まれる。代替的又は追加的には、エネルギ源は、燃料タンク、バッテリ、キャパシタ、及び/又は、フライホイールを含むことができる。いくつかの実施態様では、エネルギ源を、ビークル100の他のシステムのためのエネルギを提供するのに用いることができる。
【0014】
ビークル100は、ビークル100の電気エネルギを蓄えるバッテリ104を含むことができる。バッテリ104は、種々のビークルシステムにパワー供給するために電気エネルギを提供することができる。例えば、バッテリ104は、ビークル点火システム、ライト、オンボードエレクトロニクス、及び、ビークル100内に接続された任意の他の電子デバイスにパワー供給することができる。1又はそれよりも多くの構成では、バッテリ104は、6つの2.1ボルトセルを含んで、名目上12ボルトバッテリシステムを提供する、鉛酸バッテリであることができる。バッテリ104は、パワートレイン102のエンジンにより再充電されるように構成されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、バッテリ104はパワートレイン102のためのエネルギ源を提供することができる。
【0015】
ビークル100は、暖房換気空調(HVAC)システム200を含むことができる。HVACシステム200は、ビークル100の内部コンパートメントの環境又は雰囲気を変更することができる。HVACシステム200の可能な要素のいくつかが
図1に示されており、これから説明される。
図1に示され又は本開示で説明された要素のすべてをHVACシステム200が有する必要はない、ということが理解されるであろう。HVACシステム200は
図1に示される種々の要素の任意の組み合わせを有することができる。更に、HVACシステム200は、
図1に示される要素に対し追加の要素を有することができる。
【0016】
HVACシステム
200は空調(AC)システム210を含むことができる。ACシステムは、ビークル100の少なくとも一部のための冷房及び/又は湿度調節を可能にする任意の構成を有することができる。1又はそれよりも多くの構成では、ACシステム210は、冷媒(図示しない)、コンプレッサ212、コンデンサ214、エバポレータ216、及び/又は、膨張弁218を含むことができる。更に、ACシステム210は、
図1に示される要素に対し追加の要素を有することができる。いくつかの構成では、ACシステム210は、
図1に示される要素のうちの1又はそれよりも多くを含まないかもしれない。ACシステム210の種々の要素は、任意の適切な仕方で配置されることができ、かつ/又は、任意の適切な仕方で互いに作動可能に接続されることができる。
【0017】
コンプレッサ212は、ACシステム210を通る冷媒の動きを指向させること又は容易にすることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、冷媒蒸気の圧力を増加させることができる(例えば、蒸気の体積を低減することにより)。冷媒蒸気の圧力がより高くなると、冷媒の温度をより高めることができる。
【0018】
コンプレッサ212は、ACシステム210のための任意の適切な構成を有することができる。非限定的な例として、コンプレッサ212は、ロータリコンプレッサ、レシプロコンプレッサ、遠心コンプレッサ、及び/又は、軸流コンプレッサを含むことができる。コンプレッサ212は、ビークル100内の任意の適切なパワー源によりパワー供給されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、パワートレイン102によりパワー供給されることができる。例えば、エンジンからコンプレッサ212に回転エネルギを移送するのにベルトを用いることができる。代替的又は追加的には、バッテリ104によりパワー供給された電気モータにより、コンプレッサ212にパワー供給することができる。
【0019】
1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、可変コンプレッサであることができる。本開示で使用されるように、「可変コンプレッサ」又は「可変容積コンプレッサ」は、その対時間デューティを変更するように構成された任意のコンプレッサを含むことができる。本開示で使用されるように、「デューティ」は、コンプレッサの吐出能力の任意の代表を含むことができる。例えば、デューティは、可変コンプレッサの押し退け量と相関があることができる。いくつかの構成では、可変コンプレッサは、流体の押し退け容積を変化させることができる。例えば、可変コンプレッサの押し退け量は、約80立方センチメートル(cm3)から約120cm3まで変更可能であってよい。
【0020】
1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、デューティマップに従って対時間デューティを変更することができる。本開示で使用されるように、「デューティマップ」は、コンプレッサ速度に基づいてデューティの関数を含むことができる。例えば、デューティマップは、コンプレッサ速度の関数としてコンプレッサ212の押し退け量を制御することができる。以下に説明するように、
図5には、コンプレッサ212を作動させるのに用いられるデューティマップの例が提供される。
【0021】
コンデンサ214は、冷媒を冷却して液体状態に凝縮することができる。コンデンサ214は、ACシステム210のための任意の適切な構成を有することができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンデンサ214は、任意の形態の熱交換器であることができる。例えば、コンデンサ214は、コイル状のチューブを含むことができる。いくつかの構成では、冷媒と接触する材料の表面積を増加させるために、チューブにフィンを接続することができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンデンサ214は、流体(空気のような)がコンデンサ214を通って流れるのを可能にすることができる。例えば、コイル及び/又はフィンを横切って空気を流すために、コンデンサの近くでファンを作動させることができる。
【0022】
エバポレータ216は、液体状態から気体状態への冷媒の移行を可能にし、かつ/又は、引き起こすことができる。エバポレータ216は、冷媒とエバポレータ216を囲む空気との間の熱伝達を可能にすることができる。1又はそれよりも多くの構成では、エバポレータ216は、冷媒が内部に送られるコイル状のチューブを含むことができる。より熱い空気がエバポレータ216を横切って流れることができる。1又はそれよりも多くの構成では、エバポレータ216を横切って動く空気は、冷媒をより温かい温度に加熱し、最終的に冷媒を液体状態から気体状態に蒸発させる。エバポレータ216を横切って流れている空気を冷却してビークル100の乗員室内に送るようにすることができる。
【0023】
1又はそれよりも多くの構成では、エバポレータ216は、ACシステム210の作動中、外表面の凝縮液を集める。例えば、冷媒がエバポレータ216内で冷却するときに、エバポレータ216周りの空気から水分が、エバポレータ216の外表面(1又は複数)上に凝縮することができる。
【0024】
膨張弁218は、冷媒の圧力が容易に変化するようにすることができる。例えば、膨張弁218は、コンデンサ214とエバポレータ216との間に配置されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、膨張弁218は、冷媒がコンデンサ214からエバポレータ216に移動するときに液体冷媒の圧力が急激に低下し温度が低下するのを可能にすることができる。
【0025】
HVACシステム200は、HVACシステム200の1又はそれよりも多くの要素に機械的又は電気的パワーを提供する1又はそれよりも多くのパワー源220を含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、パワー源(1又は複数)220はバッテリ104を含むことができる。代替的又は追加的には、パワー源(1又は複数)220は他のパワー源を含むことができる。例えば、パワー源(1又は複数)220は、追加のバッテリ及び/又は発電機を含むことができる。
【0026】
HVACシステム200は、空気又は流体/ガスの移動を指向させかつ/又は引き起こす1又はそれよりも多くのブロワ230を含むことができる。本開示で使用されるように、「空気」は任意のガス状流体を含むことができる。例えば、空気は、ビークル100内の及び/又は周りの環境ガスを含むことができる。ブロワ(1又は複数)230は、ビークル100の乗員室内への空気の動きを指向させかつ/又は引き起こすことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ブロワ(1又は複数)230は、ACシステム210が作動されているときに、エバポレータ216を横切るように空気を動かすことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ブロワ(1又は複数)230は、一定量の空気を、エバポレータ216を通過しエアダクトを通ってビークル100の乗員室内に入るように動かす、ブロワモータ及び1又はそれよりも多くのファンを含むことができる。例えば、ブロワ(1又は複数)230は、エバポレータ216を通って流れる冷媒が空気から熱を除去するのを可能にするように、空気をエバポレータ216のチューブ及び/又はコイル上に指向させることができる。1又はそれよりも多くの構成では、ブロワ(1又は複数)230は、パワートレイン102、バッテリ104、及び/又は、パワー源(1又は複数)220によりパワー供給されることができる。
【0027】
HVACシステム200は、HVACシステム200及び/又はビークル100に導入されている空気の源を制御する、1又はそれよりも多くの吸入モードスイッチ240を含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、吸入モードスイッチ(1又は複数)240は、ブロワ(1又は複数)230に導入されている空気の源の選択を可能にすることができる。例えば、空気の源は、「フレッシュモード空気源」と称される、乗員室の外部及び/又はビークル100の外部であることができる。また、空気の源は、「再循環モード空気源」と称される、乗員室内であることができる。1又はそれよりも多くの構成では、吸入モードスイッチ(1又は複数)240は、フレッシュモード空気源、再循環モード空気源、及び/又は、両モードの組み合わせの間で空気源選択を変更するのに操作されることができる。
【0028】
HVACシステム200は、1又はそれよりも多くのコントローラ250を含むことができる。「コントローラ」は、本開示に記載されたプロセスのいずれかを実行するように構成された任意のコンポーネントもしくはコンポーネントのグループ、又は、このようなプロセスを実行するもしくはこのようなプロセスを実行させる任意の形態の命令、を意味する。コントローラ(1又は複数)250は、1もしくはそれよりも多くの汎用プロセッサ及び/又は1もしくはそれよりも多くの専用プロセッサで実施されてもよい。適切なプロセッサの例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、及び、ソフトウェアを実行可能な他の回路を含む。適切なプロセッサの更なる例は、中央処理ユニット(CPU)、アレイプロセッサ、ベクトルプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック回路、及び、プロセッサを含み、しかしながらこれらに限定されない。コントローラ(1又は複数)250は、プログラムコードの形で含まれる命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェア回路(例えば、集積回路)を含むことができる。複数のコントローラ250がある構成では、このようなコントローラは互いに他から独立して作動することができ、又は、1もしくはそれよりも多くのコントローラは他と組み合わさって作動することができる。
【0029】
コントローラ250は、HVACシステム200の1又はそれよりも多くの要素を、直接的に又は間接的に、作動又は作動停止させることができる。本開示で使用されるように、「引き起こすないしさせる」は、直接的もしくは間接的な仕方で、イベントもしくは動作が生ずるようにし又はこれらが生ずるように強制し、強要し、管理し、命令し、指示し、かつ/もしくは、可能にすること、又は、直接的もしくは間接的な仕方で、このようなイベントもしくは動作が生じうる状態に少なくともなるようにし又はこの状態に少なくともなるように強制し、強要し、管理し、命令し、指示し、かつ/もしくは、可能にすること、を意味する。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ(1又は複数)250は、HVAC電子制御ユニット(ECU)であることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ250は、可変コンプレッサ212のデューティ又は押し退け量を、直接的又は間接的に、変化させることができる。
【0030】
HVACシステム200は、1又はそれよりも多くのタイプのデータを記憶するための1又はそれよりも多くのデータ記憶部260を含むことができる。データ記憶部260は、揮発性及び/又は不揮発性メモリを含むことができる。適切なデータ記憶部260の例には、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(リードオンリメモリ)、PROM(プログラマブルリードオンリメモリ)、EPROM(消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、もしくは、任意の他の適切な記憶媒体、又は、これらの組み合わせが含まれる。データ記憶部260は、コントローラ(1又は複数)250のコンポーネントであることができ、又は、データ記憶部260は、コントローラ(1又は複数)250による使用のためにコントローラ(1又は複数)250に作動可能に接続されることができる。本記載全体を通じて使用されるように、用語「作動可能に接続される」は、直接的又は間接的な接続(直接的な物理的接触なしでの接続を含む)を含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、データ記憶部(1又は複数)260は、コントローラ250がHVACシステム200の1又はそれよりも多くの要素を作動させるのを可能にする命令を含むことができる。
【0031】
HVACシステム200は、1又はそれよりも多くのユーザインタフェース270を含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ユーザインタフェース(1又は複数)270は、入力システム及び/又は出力システムを含むことができる。「入力システム」には、情報/データが機械内に入るのを可能にする、任意のデバイス、コンポーネント、システム、要素、もしくは構成、又は、これらのグループが含まれる。入力システムは、ビークルの乗員(例えば、ドライバ又は乗客)から入力を受け取ることができる。例えば、キーパッド、ディスプレイ、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、マウス、トラックボール、マイク、及び/又はこれらの組み合わせを含む、任意の適切な入力システムを用いることができる。「出力システム」には、ビークルの乗員(例えば、人、ビークルの乗員、など)に情報/データを提示するのを可能にする、任意のデバイス、コンポーネント、システム、要素、もしくは構成、又は、これらのグループが含まれる。出力システムは、ビークルの乗員に情報/データを提示することができる。出力システムは、ディスプレイを含むことができる。代替的又は追加的には、出力システムは、マイク、イヤフォン、及び/又は、スピーカを含んでもよい。ビークル100のいくつかのコンポーネントは、入力システムのコンポーネントと出力システムのコンポーネントとの両方として機能してもよい。1又はそれよりも多くの構成では、ユーザインタフェース(1又は複数)270はビークルヘッドユニットを含むことができる。
【0032】
ビークル100は、1又はそれよりも多くのアクチュエータ280を含むことができる。アクチュエータ280は、コントローラ(1又は複数)250からの信号又は他の入力を受信したことに応答して、HVACシステム200及び/又はビークル100の1又はそれよりも多くのコンポーネントを修正し、調節し、かつ/又は、変更するように作動可能な任意の要素又は要素の組み合わせであることができる。任意の適切なアクチュエータを用いることができる。例えば、1又はそれよりも多くのアクチュエータ280は、いくつかを単に例示すると、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、及び/又は、圧電アクチュエータを含むことができる。
【0033】
HVACシステム200は、1又はそれよりも多くのセンサ290を含むことができる。「センサ」は、何らかを検出し、判別し、評価し、監視し、測定し、定量化し、かつ/又は、感知することができる、任意のデバイス、コンポーネント、及び/又は、システムを意味する。1又はそれよりも多くのセンサは、リアルタイムで検出し、判別し、評価し、監視し、測定し、定量化し、かつ/又は、感知することができる。本開示で使用されるように、用語「リアルタイム」は、なされるべき特定のプロセス又は決定に対しユーザ又はシステムが十分即座に感知する処理応答性のレベル、又は、プロセッサがいくつかの外部プロセスに遅れないようにするのを可能にする処理応答性のレベルを意味する。
【0034】
複数のセンサ290がある構成では、センサ290は、互いに独立して作動することができる。代替的には、2又はそれよりも多くのセンサが互いに組み合わさって作動することができる。このような場合、2又はそれよりも多くのはセンサネットワークを形成することができる。センサ290は、コントローラ(1又は複数)250、データ記憶部(1又は複数)260、及び/又は、HVACシステム200の他の要素(
図1に示される要素のいずれかを含む)に作動可能に接続されることができる。センサ290は、任意の適切なタイプのセンサを含むことができる。本開示には、異なるタイプのセンサの種々の例が記載される。しかしながら、実施態様は、記載された特定のセンサに限定されないことが理解されるであろう。
【0035】
センサ290は、1又はそれよりも多くの水温センサ291を含むことができる。水温センサ(1又は複数)291は、ロングライフクーラント(LLC)としても知られているエンジン冷却水の温度を検知することができる。本開示で使用されるように、「エンジン水」又は「エンジン冷却水」には、ビークル100のエンジンの1又はそれよりも多くのコンポーネントの冷却に用いられる任意の流体が含まれる。例えば、エンジン水は、水、不凍液、防食流体、グリコール、及び/又は、これらの混合物を含むことができる。水温センサ(1又は複数)291は、任意の適切なセンサであることができる。例えば、水温センサ(1又は複数)291は、機械的温度計、バイメタルセンサ、サーミスタ、熱電対、抵抗温度計、及び/又は、シリコンバンドギャップセンサを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、水温センサ(1又は複数)291は、ビークルエンジンの内部、上、又は、近くに、少なくとも部分的に配置されることができる。
【0036】
センサ290は、1又はそれよりも多くの燃料制御センサ292を含むことができる。燃料制御センサ(1又は複数)292は、燃料のようなエネルギ源がエンジンに導入されているかを感知する。更に、燃料制御センサ(1又は複数)292は、エンジンに導入されている燃料の量が増加しているかを検知することができる。いくつかの構成では、燃料制御センサ292は、燃料増量制御がオンであるか又はオフであるかを判別することができる。本開示で使用されるように、「燃料増量制御」は、ビークル100の1又はそれよりも多くのコンポーネントを冷却するのを補助するために、追加の燃料がエンジンに導入されている状態を含むことができる。
【0037】
センサ290は、1又はそれよりも多くのエンジンオイル温度センサ293を含むことができる。エンジンオイル温度センサ(1又は複数)293は、エンジンオイルの温度を感知することができる。エンジンオイル温度センサ(1又は複数)293は、エンジンオイル温度を感知可能な任意の適切なセンサであることができる。例えば、エンジンオイル温度センサ(1又は複数)293は、機械的温度計、バイメタルセンサ、サーミスタ、熱電対、抵抗温度計、及び/又は、シリコンバンドギャップセンサを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、エンジンオイル温度センサ(1又は複数)293は、ビークルエンジンの内部、上、又は、近くに、少なくとも部分的に配置されることができる。例えば、エンジンオイル温度センサ(1又は複数)293は、ビークル100のエンジンのオイルパン内に配置されることができる。
【0038】
センサ290は、1又はそれよりも多くのトランスミッションオイル温度センサ294を含むことができる。トランスミッションオイル温度センサ(1又は複数)294はトランスミッションオイルの温度を感知することができる。トランスミッションオイル温度センサ(1又は複数)294は、トランスミッションオイルの温度を感知可能な任意の適切なセンサであることができる。例えば、トランスミッションオイル温度センサ(1又は複数)294は、機械的温度計、バイメタルセンサ、サーミスタ、熱電対、抵抗温度計、及び/又は、シリコンバンドギャップセンサを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、トランスミッションオイル温度センサ(1又は複数)294は、ビークルトランスミッションの内部、上、又は、近くに、少なくとも部分的に配置されることができる。
【0039】
センサ290は、1又はそれよりも多くの排気ガス温度センサ295を含むことができる。排気ガス温度センサ(1又は複数)295は、ビークル100の排気ガスの温度を検知することができる。排気ガス温度センサ(1又は複数)295は、排気ガス温度を感知可能な任意の適切なセンサであることができる。例えば、排気ガス温度センサ(1又は複数)295は、機械的温度計、バイメタルセンサ、サーミスタ、熱電対、抵抗温度計、及び/又は、シリコンバンドギャップセンサを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、排気ガス温度センサ(1又は複数)295は、ビークル排気系の1又はそれよりも多くのコンポーネントの内部、上、又は、近くに、少なくとも部分的に配置されることができる。例えば、排気ガス温度センサ(1又は複数)295は、ビークル100のエンジンの排気マニホルド内に配置されることができる。
【0040】
さて、
図2を参照すると、HVACシステム200の一部が示されうる。1又はそれよりも多くの構成では、吸入モードスイッチ240は、再循環空気及び/又は新気がシステムに入るのを許容するように動くことができる。例えば、吸入モードスイッチ240は、新気のみがブロワ230に入るのを許容する第1の位置と、再循環空気のみがブロワ230に入るのを許容する第2の位置との間を移動可能なドアを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ブロワ230は、エバポレータ216に向けてかつエバポレータ216を通るように空気を動かすよう起動されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、HVACシステム200は、ビークル100の内部に移動する空気を加熱するヒータコア232を含むことができる。空気をヒータコア232に向かわせる又はヒータコア232から遠ざける空気混合ドア234がHVACシステム200に含まれることができる。
【0041】
これまでビークル100の種々の潜在的なシステム、デバイス、要素、及び/又は、コンポーネントを説明してきたが、HVACシステムを作動させる種々の方法を次に説明する。
図3を参照すると、HVACシステムを作動させる方法の第1の例が示される。さて、方法300の種々の可能なステップを説明する。
図3に示される方法300は
図1及び
図2に関して上述された実施態様に適用可能でありうるけれども、方法300は他の適切なシステム及び構成でもって実行可能であることが理解される。更に、方法300は、本開示に示されない他のステップを含んでもよく、実際、方法300は、
図3に示されるすべてのステップを含むものに限定されない。方法300の部分として本開示に示されたステップは、この特定の時間的順序に限定されない。実際、いくつかのステップは、示されているものと異なる順序で実施されてもよく、かつ/又は、示されたステップのうちの少なくともいくつかは同時に生じることができる。
【0042】
ブロック310では、HVACシステム200のパワー状態がアクティブ状態にあるかが決定されることができる。本開示で使用されるように、「アクティブ状態」は、HVACシステム200の1又はそれよりも多くのコンポーネントがビークル100内の状態を変化させるよう作動可能である任意の状態を含むことができる。例えば、アクティブ状態は、コンプレッサ212がアクティブである状態を含むことができる。代替的又は追加的には、コントローラ(1又は複数)250に作動可能に接続された1又はそれよりも多くのセンサ290が、HVACシステム200がアクティブ状態にあるかを判別することができる。いくつかの構成では、この判別は、コントローラ(1又は複数)250によって行われることができる。HVACシステム200がアクティブ状態にあると判別されると、方法300はブロック320に続くことができる。
【0043】
ブロック320では、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかが判別されることができる。この判別は、エンジン水温があらかじめ定められた値にほぼ等しいかつ/又はこれよりも高いかを判別することを含むことができる。いくつかの構成では、この判別は、コントローラ(1又は複数)250によって行われることができる。更に、この判別は、水温センサ(1又は複数)291により受信された情報に基づくことができる。強制HVAC再循環吸入しきい値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、強制HVAC再循環吸入しきい値は、時間に対して変化することができる。例えば、強制HVAC再循環吸入しきい値は、1又はそれよりも多くの環境又はビークル状態(いくつかを単に例示すると、周囲温度、周囲湿度、周囲圧力、ビークル速度、及び/又は、ビークル位置、のような)に基づいて変化することができる。方法300はブロック330に続くことができる。
【0044】
ブロック330では、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、HVACシステム200のために再循環モード空気源が選択されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、このような切り換えは、例えば吸入モードスイッチ(1又は複数)240を用いて、達成されることができる。例えば、吸入モードスイッチ(1又は複数)240がフレッシュモード空気源に設定されているならば、吸入モードスイッチ(1又は複数)240は再循環モード空気源に切り換えられることができる。更に、吸入モードスイッチ(1又は複数)240が再循環モード空気源に設定されているならば、何も行われない。いくつかの構成では、コントローラ250は、1又はそれよりも多くのアクチュエータ280を介して吸入モードスイッチ(1又は複数)240を制御することができる。この切り換えは、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別された後の任意の適切なときに生じることができる。HVAC吸入モードが再循環モード空気源に切り換えられた後、方法300はブロック340に続くことができる。
【0045】
ブロック340では、再循環モードが選択されたことに応答して、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすかが判別されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、測定されたビークル状態には、センサ290により検出された情報が含まれる。いくつかの構成では、あらかじめ定められた基準は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。コントローラ(1又は複数)250は、センサ290から受信した情報を、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されたあらかじめ定められた基準と比較して、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすかを判別するようにすることができる。次に、測定されたビークル状態の例を説明する。
【0046】
1又はそれよりも多くの構成では、測定されたビークル状態は、燃料増量制御がオンであるか又はオフであるかを含むことができる。燃料増量制御がオンであるときにあらかじめ定められた基準が満たされることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ250は、燃料制御センサ(1又は複数)292からの燃料増量制御信号を受信することができる。
【0047】
1又はそれよりも多くの構成では、測定されたビークル状態は、エンジンオイル温度を含むことができる。エンジンオイル温度があらかじめ定められたエンジンオイル温度値に等しいかつ/又はこれよりも高いときにあらかじめ定められた基準が満たされることができる。1又はそれよりも多くの構成では、あらかじめ定められたエンジンオイル温度値は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ250は、エンジンオイル温度センサ(1又は複数)293からエンジンオイル温度信号を受信することができる。コントローラ(1又は複数)250は、受信したエンジンオイル温度を、あらかじめ定められたエンジンオイル温度値と比較することができる。あらかじめ定められたエンジンオイル温度値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、あらかじめ定められたエンジンオイル温度値は、時間に対して変化することができる。
【0048】
1又はそれよりも多くの構成では、測定されたビークル状態は、トランスミッションオイル温度を含むことができる。トランスミッションオイル温度があらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値に等しいかつ/又はこれよりも高いときにあらかじめ定められた基準が満たされることができる。1又はそれよりも多くの構成では、あらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ250は、トランスミッションオイル温度センサ(1又は複数)294からトランスミッションオイル温度信号を受信することができる。コントローラ(1又は複数)250は、受信したトランスミッションオイル温度を、あらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値と比較することができる。あらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、あらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値は、時間に対して変化することができる。
【0049】
1又はそれよりも多くの構成では、測定されたビークル状態は、排気ガス温度を含むことができる。いくつかの構成では、排気ガス温度があらかじめ定められた排気ガス温度値に等しいかつ/又はこれよりも高いときにあらかじめ定められた基準が満たされることができる。1又はそれよりも多くの構成では、あらかじめ定められた排気ガス温度値は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ250は、排気ガス温度センサ(1又は複数)295から排気ガス温度信号を受信することができる。コントローラ(1又は複数)250は、受信した排気ガス温度を、あらかじめ定められた排気ガス温度値と比較することができる。あらかじめ定められた排気ガス温度値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、あらかじめ定められた排気ガス温度値は、時間に対して変化することができる。
【0050】
少なくとも1つの測定されたビークル状態(上述したもののうちの1つのような)があらかじめ定められた基準を満たすと判別されると、方法300はブロック350に続くことができる。ブロック350では、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすと判別したことに応答して、低下されたデューティマップに従って可変コンプレッサが作動されることができる。可変コンプレッサは、コンプレッサ212であることができ、コントローラ(1又は複数)250により少なくとも部分的に作動されることができる。以下の
図5に示されるように、コンプレッサ212は、第1のデューティマップ530に比べて低下されたデューティマップである第2のデューティマップ540に従って作動されることができる。以下に更に説明されるように、第2のデューティマップ540は、コンプレッサ212の異なる速度に対して、低下された最大デューティを有することができる。方法300は終了することができる。代替的には、方法300はブロック310に戻ることができる。
【0051】
さて、
図4を参照して、HVACシステムを作動させる方法の別の非限定的な例400を説明する。
図4に示される方法400は
図1から
図3に関して上述された実施態様に適用可能でありうるけれども、方法400は他の適切なシステム及び構成でもって実行可能であることが理解される。更に、方法400は、本開示に示されない他のステップを含んでもよく、実際、方法400は、
図4に示されるすべてのステップを含むものに限定されない。方法400の部分として本開示に示されたステップは、この特定の時間的順序に限定されない。実際、いくつかのステップは、示されているものと異なる順序で実施されてもよく、かつ/又は、示されたステップのうちの少なくともいくつかは同時に生じることができる。
【0052】
ブロック402では、HVACが起動されることができる。例えば、コンプレッサ212が作動中であるようにHVACシステム200が作動されることができる。方法はブロック404に続くことができる。
【0053】
ブロック404では、高エンジン水温に基づいて再循環モード空気源制御が起動されたかが判別される。いくつかの構成では、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別されると、再循環モード空気源制御が起動される。
【0054】
再循環モード空気源が高エンジン水温に基づいて制御されないと判別されると、方法はブロック406に続くことができる。ブロック406では、コンプレッサが第1のデューティマップに従って作動されることができる。例えば、
図5に示される第1のデューティマップ530でもってコンプレッサ212が作動されることができる。
【0055】
再循環モード空気源制御が高エンジン水温に基づいて起動されると判別されると、方法400はブロック408に続くことができる。ブロック408では、燃料増量制御がオンであるかが判別されることができる。燃料増量制御がオンであると判別されると、低下されたデューティマップに従ってコンプレッサが作動されることができる
(ブロック410)。例えば、
図5に示される第2のデューティマップ540でもってコンプレッサ212が作動されることができる。燃料増量制御がオンでないと判別されると、方法400はブロック412に続くことができる。
【0056】
ブロック412では、高エンジンオイル温度が検出されたかが判別されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、エンジンオイル温度があらかじめ定められたエンジンオイル温度値よりも高いと、高エンジンオイル温度が検出されることができる。高エンジンオイル温度が検出されたと判別されると、低下されたデューティマップに従ってコンプレッサが作動されることができる
(ブロック414)。例えば、
図5に示される第2のデューティマップ540でもってコンプレッサ212が作動されることができる。高エンジンオイル温度が検出されないと判別されると、方法400はブロック416に続くことができる。
【0057】
ブロック416では、高トランスミッションオイル温度が検出されたかが判別されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、トランスミッションオイル温度があらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値よりも高いと、高トランスミッションオイル温度が検出されることができる。高トランスミッションオイル温度が検出されたと判別されると、低下されたデューティマップに従ってコンプレッサが作動されることができる
(ブロック418)。例えば、
図5に示される第2のデューティマップ540でもってコンプレッサ212が作動されることができる。高トランスミッションオイル温度が検出されないと判別されると、方法400はブロック420に続くことができる。
【0058】
ブロック420では、高排気ガス温度が検出されたかが判別されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、排気ガス温度があらかじめ定められた排気ガス温度値よりも高いと、高排気ガス温度が検出されることができる。高排気ガス温度が検出されたと判別されると、低下されたデューティマップに従ってコンプレッサが作動されることができる
(ブロック422)。例えば、
図5に示される第2のデューティマップ540でもってコンプレッサ212が作動されることができる。高排気ガス温度が検出されないと判別されると、通常のデューティマップに従ってコンプレッサ212が作動されることができる。例えば、
図5に示される第1のデューティマップ530でもってコンプレッサ212が作動されることができる。方法400は終了することができる。代替的には、方法400はブロック402に戻ることができる。
【0059】
上述したように、
図5は、コンプレッサ速度の関数としての最大デューティのグラフ500を示している。例えば、最大デューティ割合510は、毎分回転数(rpm)で測定されたコンプレッサ速度520に基づいてプロットされることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ速度520は、ビークルエンジンの速度に直接的に依存する。例えば、コンプレッサ速度520は、一定のプーリ比でもってエンジンクランクシャフトに連結されることができる。
【0060】
1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212を制御するのに1又はそれよりも多くのデューティマップが用いられることができる。例えば、第1のデューティマップ530及び第2のデューティマップ540が用いられることができ、これらが
図5に示される。いくつかの構成では、第1のデューティマップ530は、コンプレッサ212のための通常の又はデフォルトのデューティマップを表すことができる。低速では、高い最大デューティが使用されることができる。高速では、低い最大デューティが使用されることができる。最大デューティは、低速と高速との間で直線的に低下することができる。
【0061】
1又はそれよりも多くの構成では、第2のデューティマップは、第1のデューティマップ530と比較して、コンプレッサの1又はそれよりも多くの速度に対し、低下されたデューティマップを有することができる。例えば、第2のデューティマップ540は、コンプレッサ212のすべての速度にわたり、第1のデューティマップ530からほぼ同様の量だけオフセットされることができる。
【0062】
2つのデューティマップが
図5に示されるけれども、コンプレッサ212を制御するのに、より多くのデューティマップが用いられることができることが理解されるべきである。例えば、第2のデューティマップ540に対し低下された最大デューティを含む第3のデューティマップが、コンプレッサ212を作動させるのに用いられることができる。1又はそれよりも多くの構成では、2又はそれよりも多くの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすときに、第3のデューティマップがコンプレッサ212を作動させるのに用いられることができる。代替的又は追加的には、少なくとも1つの測定されたビークル状態が追加のあらかじめ定められた基準を満たすときに、第3のデューティマップがコンプレッサ212を作動させるのに用いられることができる。
【0063】
本開示に記載された構成が多くの利点(本開示で述べられた利点のうちの1又はそれよりも多くを含む)を提供できることが理解されるであろう。本開示に記載された構成は、ビークルHVACシステムのための要求エンジントルクを低減することができる。例えば、或る状態の間、コンプレッサは、エンジンの負荷を低下させる、低下されたデューティマップに従って作動されることができる。このことは、或る状態の間、コンデンサからの排熱を低減することができる。構成は、要求されるエンジントルク、エンジン水温、及び、排気ガス温度を低下することができる。このことは、排出コンポーネントを取り囲む部品に対する熱損傷の低減、より低いエンジン温度による増大されたけん引能力、及び、燃料消費の減少をもたらすことができる。このような構成は、ターボチャージャ付きエンジンに対し特に有用であることができる。というのも、ターボチャージャ付きエンジンは、高エンジン負荷において増大された熱負荷を有するとともに追加の冷却能力を必要とするからである。本開示に記載の構成は、追加の冷却熱交換を除去又は低減することができ、このことは、パッケージ及び安全(小さなオーバラップ及び歩行者衝突状態におけるような)を改善することができる。
【0064】
図面におけるローチャート及びブロック線図は、種々の実施態様に係るシステム、方法、及び、コンピュータプログラム製品の可能な実施の、アーキテクチャ、機能性、及び、作用を示している。これに関し、フローチャート又はブロック線図における各ブロックは、特定の論理機能(1又は複数)を実施するための1又はそれよりも多くの実行可能な命令を備える、モジュール、セグメント、又はコードの部分を代表してもよい。また、記載されるべきは、いくつかの代替的実施態様では、ブロック内に記載された機能が図面に記載された順序とは異なって生じてもよい、ことである。例えば、関連する機能性に依存して、連続して示される2つのブロックが、実際、ほぼ同時に実行されてもよく、又は、これらブロックが時々逆の順で実行されることができる。
【0065】
上述のシステム、コンポーネント、及び/又は、プロセスは、ハードウェア、又は、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現可能であるとともに、1つの処理システムにおける集中化した仕方で、又は、異なる要素がいくつかの相互接続された処理システムにわたり分散されている、分散された仕方で、実現可能である。本開示に記載された方法を実行するのに適した、任意の種類の処理システム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、コンピュータ使用可能プログラムコードであって、読み込まれ実行されると、処理システムが本開示に記載の方法を実行するように処理システムを制御するプログラムコードを備えた処理システムであることができる。また、システム、コンポーネント、及び/又は、プロセスは、機械であって、本開示に記載の方法及びプロセスを実行するために機械により実行可能な命令のプログラムを実体的に具現化する機械によって読み取り可能な、コンピュータ可読記憶部(コンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶デバイスのような)に組み込まれることができる。また、これらの要素は、本開示に記載の方法が実行されるのを可能にするすべての特徴を備えるアプリケーション製品であって、処理システムに読み込まれるとこれらの方法を実行可能なアプリケーション製品に組み込まれることができる。
【0066】
更に、本開示に記載の構成は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された又は組み入れた(例えば、記憶された)1又はそれよりも多くのコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。1又はそれよりも多くのコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってよい。句「コンピュータ可読記憶媒体」は、非一時的な記憶媒体意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外、もしくは、半導体の、システム、装置、もしくは、デバイス、又は、これらの任意の適切な組み合わせであってよく、しかしながらこれらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1又はそれよりも多くのワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は、これらの任意の適切な組み合わせを含むであろう。この書面の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令を実行するシステム、装置、もしくはデバイスによって使用されるためのプログラム、又は、命令を実行するシステム、装置、もしくはデバイスと組み合わされるプログラムを含む又は記憶することが可能な任意の実体的媒体であってよい。
【0067】
本開示で使用されるように、用語「1」ないし「1つ」は、1又はそれよりも多いとして定義される。本開示で使用されるように、用語「複数」は、2又はそれよりも多いとして定義される。本開示で使用されるように、用語「別の」ないし「他の」は、少なくとも2番目又はそれ以降として定義される。本開示で使用されるように、用語「含む」及び/又は「有する」は、備えること(非限定的な語法)として定義される。本開示で使用されるように、用語「少なくとも1つの…及び…」は、関連する列記されたアイテムのうちの1又はそれよりも多くの、任意のかつすべての可能な組み合わせを参照して包含する。一例として、句「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又は、これらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BC、ABC)が含まれる。
【0068】
本開示の観点を、その精神又は本質的属性から逸脱することなく、他の形態でもって具現化することができる。したがって、本発明の範囲を示すものとして、上述の明細書よりも、以下の特許請求の範囲が参照されるべきである。
【0069】
[例1]
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、前記HVACシステムは可変コンプレッサを含んでおり、前記方法は、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、再循環モード空気源を選択させることと、
前記再循環モード空気源が選択されたことに応答して、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすかを判別することと、
前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たすと判別したことに応答して、低下されたデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させることと、
を含む方法。
[例2]
前記可変コンプレッサは、前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たさないと判別したことに応答して、通常のデューティマップで作動され、前記低下されたデューティマップは、前記可変コンプレッサの速度の範囲に対して、より低い最大デューティを含んでいる、例1に記載の方法。
[例3]
前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が燃料増量制御の状態を含む、例1に記載の方法。
[例4]
前記燃料増量制御がオンのときに前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たす、例3に記載の方法。
[例5]
前記少なくとも1つの測定されたビークル状態がエンジンオイル温度を含む、例1に記載の方法。
[例6]
前記エンジンオイル温度があらかじめ定められたエンジンオイル温度値よりも高いときに前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たす、例5に記載の方法。
[例7]
前記少なくとも1つの測定されたビークル状態がトランスミッションオイル温度を含む、例1に記載の方法。
[例8]
前記トランスミッションオイル温度があらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値よりも高いときに前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たす、例7に記載の方法。
[例9]
前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が排気ガス温度を含む、例1に記載の方法。
[例10]
前記排気ガス温度があらかじめ定められた排気ガス温度値よりも高いときに前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たす、例9に記載の方法。
[例11]
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、前記HVACシステムは、第1のデューティマップに基づいて作動可能な可変コンプレッサを含んでおり、前記方法は、
吸入モードスイッチに、前記HVACシステムのための再循環モード空気源吸入を選択させることと、
センサシステムからの入力に基づいて、以下のビークル状態、すなわち、
燃料増量制御がオンであること、
エンジンオイル温度があらかじめ定められたエンジンオイル温度値よりも高いこと、
トランスミッションオイル温度があらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値よりも高いこと、又は、
排気ガス温度があらかじめ定められた排気ガス温度値よりも高いこと、
のうちの1又はそれよりも多くが満たされるかを判別することと、
前記ビークル状態のうちの1又はそれよりも多くが満たされると判別したことに応答して、コンプレッサ速度の範囲に対し前記第1のデューティマップに比べて低下されたデューティを有する第2のデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させることと、
を含む、方法。
[例12]
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムであって、
少なくとも1つのビークル状態を測定するように作動可能なセンサシステムと、
前記HVACシステムのための吸入のための空気源を選択する吸入モードスイッチと、
第1のデューティマップに従った可変押し退け量のために構成された可変コンプレッサと、
前記センサシステムに作動可能に接続されたコントローラであって、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、前記吸入モードスイッチに再循環モード空気源を選択させることと、
前記再循環モード空気源が選択されたことに応答して、少なくとも1つの測定されたビークル状態があらかじめ定められた基準を満たすかを判別することと、
前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たすと判別したことに応答して、低下されたデューティマップに従って前記可変コンプレッサを作動させることと、
を含む、実行可能な動作を開始するようにプログラムされた、コントローラと、
を備える、システム。
[例13]
前記センサシステムが燃料制御センサを含み、前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が燃料増量制御の状態を含む、例12に記載のシステム。
[例14]
前記燃料増量制御がオンのときに前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たす、例13に記載のシステム。
[例15]
前記センサシステムがエンジンオイル温度センサを含み、前記少なくとも1つの測定されたビークル状態がエンジンオイル温度を含む、例12に記載のシステム。
[例16]
前記エンジンオイル温度があらかじめ定められたエンジンオイル温度値よりも高いときに前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たす、例15に記載のシステム。
[例17]
前記センサシステムがトランスミッションオイル温度センサを含み、前記少なくとも1つの測定されたビークル状態がトランスミッションオイル温度を含む、例12に記載のシステム。
[例18]
前記トランスミッションオイル温度があらかじめ定められたトランスミッションオイル温度値よりも高いときに前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たす、例17に記載のシステム。
[例19]
前記センサシステムが排気ガス温度センサを含み、前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が排気ガス温度を含む、例12に記載のシステム。
[例20]
前記排気ガス温度があらかじめ定められた排気ガス温度値よりも高いときに前記少なくとも1つの測定されたビークル状態が前記あらかじめ定められた基準を満たす、例19に記載のシステム。