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特許7118675コンタクトキャリア、電気コンタクトユニット、および既製のケーブルを作製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】コンタクトキャリア、電気コンタクトユニット、および既製のケーブルを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/18 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
H01R4/18 A
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018044948
(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公開番号】P2018156937
(43)【公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-02-01
(31)【優先権主張番号】10 2017 105 682.3
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ブルーメンシャイン,ルディ
(72)【発明者】
【氏名】フーバー,マルティン
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-123889(JP,A)
【文献】特開2003-173828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車産業で使用するための電気ケーブル(40)および/または電気コネクタ用の電気コンタクトデバイス(10)のためのコンタクトキャリア(11)であって、コンタクトキャリア本体(100)と、その上/中に設けられた少なくとも1つの電気コンタクト素子(190)とを有し、
前記コンタクトキャリア本体(100)は、物質的に単体として、または一体として形成されており、相手側コンタクト素子によって前記コンタクト素子(190)のコンタクト部(191)に電気的に接触する接続部(110)と、導線締付け部(130)とを有する、コンタクトキャリア(11)において、
前記導線締付け部(130)は、前記コンタクトキャリア本体(100)の長手方向(L)の少なくとも部分的な延長範囲にわたって、前記コンタクトキャリア本体(100)の円周方向(U)に実質上閉じて形成されており、
前記導線締付け部(130)は、機械的に目標を定めて変形可能な少なくとも1つのコンタクトチャンバ(130)を備え、
前記ケーブル(40)の導線(430)の長手方向端部(433)は、前記コンタクトチャンバ(130)の変形中に、前記コンタクト素子(190)のケーブルコンタクト部(193)に締め付けることができることを特徴とするコンタクトキャリア(11)。
【請求項2】
前記導線締付け部(130)は、前記導線締付け部(130)の上壁(134)によって、
前記導線(430)の前記長手方向端部(433)を前記ケーブルコンタクト部(193)に締め付けることができ、
前記導線(430)の前記長手方向端部(433)を前記ケーブルコンタクト部(193)上へ直接もしくは間接的に締め付けることができ、かつ/または
前記コンタクトキャリア(11)を設けることができる電気コンタクトデバイス(12)に対する前記導線(430)の前記長手方向端部(433)および/もしくは前記ケーブルコンタクト部(193)の電気絶縁を確立することができるように構成されていることを特徴とする、請求項に記載のコンタクトキャリア(11)。
【請求項3】
前記上壁(134)は、前記上壁(134)の変位のために所定の破壊点(135)もしくは貫通スロット(135)を有し、
前記上壁(134)は、チャンバ羽根(134)、2重チャンバ羽根(134)、切れ目付き羽根(134)もしくは2重切れ目付き羽根(134)として形成され、
前記上壁(134)は、前記コンタクトキャリア本体(100)の横断方向(Q)に前記所定の破壊点(135)もしくは前記貫通スロット(135)から離れて一体ヒンジとして形成され、
前記所定の破壊点(135)もしくは前記貫通スロット(135)は、前記上壁(134)の中心に設けられ、かつ/または
前記所定の破壊点(135)もしくは前記貫通スロット(135)は、前記上壁(134)内で前記上壁(134)に隣接している壁(132、133、134)に側方に設けられている
ことを特徴とする、請求項に記載のコンタクトキャリア(11)。
【請求項4】
特に自動車産業で使用するための電気ケーブル(40)および/または電気コネクタ用の電気コンタクトユニット(10)であって、
コンタクトキャリア(11)およびコンタクトデバイス(12)を有し、前記コンタクトキャリア(11)は、前記コンタクトデバイス(12)のコンタクトキャリアレセプタクル(200)内に確立することができまたは確立されている、コンタクトユニット(10)において、
前記コンタクトキャリア(11)の導線締付け部(130)は、前記コンタクトデバイス(12)の圧着可能な導線圧着部(230)によって作動することができることを特徴とするコンタクトユニット(10)。
【請求項5】
前記コンタクトユニット(10)は、
前記導線締付け部(130)によって前記ケーブル(40)の導線(430)の長手方向端部(433)を前記コンタクトキャリア(11)の電気コンタクト素子(190)のケーブルコンタクト部(193)に締め付けることができ、
前記導線締付け部(130)もしくはその少なくとも1つのコンタクトチャンバ(130)は、前記導線圧着部(230)によって機械的に目標を定めて変形可能であり、
前記導線圧着部(230)は、少なくとも1つの圧着端子(232)を有し、前記圧着端子(232)によって、前記導線締付け部(130)内で上壁(134)を作動することができ、かつ/または
前記導線(430)の前記長手方向端部(433)は、前記上壁(134)を作動するとき、前記上壁(134)によって前記ケーブルコンタクト部(193)上へ締め付けることができるように形成されていることを特徴とする、請求項に記載のコンタクトユニット(10)。
【請求項6】
前記圧着端子(232)は、前記上壁(134)を作動するための少なくとも1つの内向きの突起(233、234)を有し、
前記内向きの突起(233)は、好ましくは前記圧着端子(232)の相当な長手方向の延長範囲にわたって延びる波形(233)として形成され、
前記内向きの突起(234)は、窪み(234)として形成され、好ましくは複数の窪み(234、234、...)が、前記圧着端子(232)の長手方向に延び、および/または
前記圧着端子(232)は、前記導線圧着部(230)を圧着するときに前記圧着端子(232)によって前記突起(233、234)を形成することができるように寸法設定されている
ことを特徴とする、請求項に記載のコンタクトユニット(10)。
【請求項7】
前記導線圧着部(230)は、前記コンタクトユニット(10)の横断方向(Q)に互いに対向する2つの圧着端子(232)を有し、
前記2つの圧着端子(232)は、あり継手もしくはくさびによって圧着の時間的な最中に互いに固定することができるように形成され、
前記2つの圧着端子(232)は、レーザ溶接(235)によって圧着の時間的な後に互いに固定することができるように形成され、
前記ケーブルコンタクト部(193)と前記導線(430)の前記長手方向端部(433)との間の機械的に固定された接続を物質的係合なしで形成することができ、
前記導線(430)は、前記ケーブル(40)の内部導線(430)として形成され、
前記コンタクトデバイス(12)は、第2の導線圧着部(240)、特に外部導線圧着部(240)を有し、
前記コンタクトデバイス(12)は、第2もしくは第3の導線圧着部(250)、特に絶縁体圧着部(250)を有し、かつ/または
前記コンタクトキャリア(11)は、請求項からのいずれか一項に記載のコンタクトキャリア(11)として形成されている
ことを特徴とする、請求項またはに記載のコンタクトユニット(10)。
【請求項8】
特に自動車産業で使用するための既製の電気ケーブル(1)を作製する方法であって、
まず少なくとも1つの電気コンタクト素子(190)を有するコンタクトキャリア(11)が、電気コンタクトデバイス(12)のコンタクトキャリアレセプタクル(200)内に確立され、または
少なくとも1つの電気コンタクト素子(190)を有するコンタクトキャリア(11)が、電気コンタクトデバイス(12)のコンタクトキャリアレセプタクル(200)内にすでに確立されている、方法において、
前記コンタクト素子(190)のケーブルコンタクト部(193)とケーブル(40)の電気導線(430)の長手方向端部(433)との間に、機械的に固定された導電性の接続が、前記コンタクトデバイス(12)自体を通じて圧着方法で確立されることを特徴とする作製方法。
【請求項9】
前記ケーブルコンタクト部(193)と前記導線(430)の前記長手方向端部(433)との間に前記機械的に固定された導電性の接続を確立するとき、
前記コンタクトデバイス(12)の導線圧着部(230)、特に内部導線圧着部(230)が、前記コンタクトキャリア(11)の導線締付け部(130)上へ圧着され、
前記導線(430)の前記長手方向端部(433)が、前記導線締付け部(130)によって前記ケーブルコンタクト部(193)に締め付けられ、
前記導線(430)の前記長手方向端部(433)が、前記導線締付け部(130)の上壁(134)によって前記ケーブルコンタクト部(193)に締め付けられ、
前記導線(430)の前記長手方向端部(433)が、前記ケーブルコンタクト部(193)上へ直接もしくは間接的に締め付けられ、
前記コンタクトデバイス(12)に対する前記導線(430)の前記長手方向端部(433)および/もしくは前記ケーブルコンタクト部(193)の電気絶縁が確立され、かつ/または
前記導線圧着部(230)の2つの圧着端子(232)が、前記コンタクトデバイス(12)の円周方向(U)に互いに固定されることを特徴とする、請求項に記載の作製方法。
【請求項10】
前記作製方法中、または前記ケーブルコンタクト部(193)と前記導線(430)の前記長手方向端部(433)との間に前記機械的に固定された導電性の接続を確立するとき、
前記コンタクトデバイス(12)の第2の導線圧着部(240)、特に外部導線圧着部(240)が圧着され、かつ/または前記コンタクトデバイス(12)の第2もしくは第3の圧着部(250)、特に絶縁体圧着部(250)が圧着されることを特徴とする、請求項またはに記載の作製方法。
【請求項11】
特に自動車産業で使用するための既製の電気ケーブル(1)、好ましくは既製の銅ケーブル(1)および/またはアルミニウムケーブル(1)であって、電気ケーブル(40)を有する既製のケーブル(1)において、
前記既製のケーブル(1)は、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンタクトキャリア(11)を備え、前記既製のケーブル(1)は、請求項から10のいずれか一項に記載の電気コンタクトユニット(10)を備え、かつ/または前記既製のケーブル(1)は、請求項から10のいずれか一項に記載の方法によって作製されていることを特徴とする既製のケーブル(1)。
【請求項12】
特に自動車産業で使用するための既製の電気ケーブル(1)、好ましくは既製の銅ケーブル(1)および/またはアルミニウムケーブル(1)用の電気コネクタであって、ハウジングを有するコネクタにおいて、請求項11に記載の既製の電気ケーブル(1)を備えていることを特徴とするコネクタ。
【請求項13】
特に自動車産業で使用するためのユニット、モジュール、器具、装置、設備、またはシステムにおいて、
請求項11または12に記載の既製の電気ケーブル(1)および/または請求項12に記載の電気コネクタを備えていることを特徴とするユニット、モジュール、器具、装置、設備、またはシステム。
【請求項14】
記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(130)は、上壁(134)を有し、
前記上壁(134)は、前記上壁(134)の変位のために所定の破壊点(135)もしくは貫通スロット(135)を有し、
前記上壁(134)は、前記コンタクトキャリア本体(100)の横断方向(Q)に前記所定の破壊点(135)もしくは前記貫通スロット(135)から離れて一体ヒンジとして形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンタクトキャリア(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にいずれの場合も自動車産業で使用するための、電気ケーブルおよび/または電気コネクタ用の電気コンタクトユニットのためのコンタクトキャリア、電気ケーブルおよび/または電気コネクタ用のコンタクトユニット、ならびに既製のケーブルを作製する方法に関する。本発明はさらに、特にいずれの場合も自動車産業で使用するための、既製の電気ケーブル、好ましくは既製の銅ケーブルおよび/またはアルミニウムケーブル、既製の電気ケーブル、好ましくは既製の銅ケーブルおよび/またはアルミニウムケーブル用の電気コネクタ、ならびにユニット、モジュール、器具、装置、設備、またはシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気産業(電子工学、電気工学、電気機器、電力工学など)では、広い範囲の電流、電圧、周波数、および/またはデータ転送率で電流、電圧、信号、および/またはデータを伝送する働きをする多数の電気コネクタデバイスおよび/またはコネクタユニット、ソケットおよび/またはピンコネクタなど(以下、(電気)(相手側)コネクタと呼ぶ)が知られている。低、中、または高の電圧および/または電流範囲において、特に自動車産業では、そのようなコネクタは、暖かい、場合によっては暑い、汚染された、湿気が多く、かつ/または化学的に侵食性の環境で、恒久的に、繰り返して、かつ/または比較的長いサービス寿命後も遅延なく、電力、信号、および/またはデータの伝送を保証しなければならない。応用範囲が広いため、多数の特別に構成されたコネクタが知られている。
【0003】
そのようなコネクタ、またはそれらのハウジングは、電気ケーブル、導線、ケーブルハーネス(既製の電気ケーブル)など、および/またはたとえば(電力)電気的、電気光学的、もしくは電子的な構成要素、もしくはそのような機器などのハウジング、リードフレーム、プリント回路基板などの電気ユニットもしくはデバイス上に設置することができ、後者の場合、これは(相手側)コネクタユニットとして知られていることが多い。コネクタがケーブル、導線、および/またはケーブルハーネス上のみに位置している場合、これは通常、(フライング)(プラグイン)コネクタまたはプラグまたは継手として知られており、コネクタが電気的、電子的、および/または電気光学的な構成要素の上/中に位置する場合、これは通常、(内蔵)プラグまたは(内蔵)ソケットなどの(内蔵)コネクタとして知られている。さらに、そのようなユニットへのコネクタはまた、プラグレセプタクルまたはヘッダと呼ばれることが多い。
【0004】
電気コネクタは、電気信号(電圧)および/または電力の完全な伝送を保証しなければならず、互いに対応するコネクタ(コネクタおよび相手側コネクタ)は通常、相手側コネクタでのコネクタの長期的であるが通常は解放可能な締結またはロックのために、締結またはロック構成を有する。さらに、締結またはロック構成内には、たとえば実際の電気コンタクトデバイス(通常は一体形成される)および/または実際の電気コンタクトユニット(通常は複数の部品から、1つの部品から、もしくは物質的に単体として形成される)などの対応する電気コンタクト素子(端子)を確実に受け取らなければならない。コネクタのハウジングは通常、たとえばFAKRA規格または異なる規格などの特定の規格に準拠しているため、ハウジングの最も重要な寸法は、様々な製造者の間で同じである。
【0005】
電気コンタクトデバイス、電気コンタクトユニット、電気コネクタ、および/または既製の電気ケーブルを改善し、費用効果がより高くなるようにこれらを形成し、かつ/またはより高い費用効果でこれらを作製するために、絶え間ない取組みがなされている。特に、既製の電気ケーブルを作製するために、接着方法、はんだ付け方法、または溶接方法と圧着方法など、2つの異なる種類の接合方法を連続して適用しなければならない場合は不都合である。特に自動車産業では、車載型電気システム(車両(自動車、オートバイ、建設車両、特殊車両、鉄道車両、航空機、船舶など)内のすべての電気的および電子的な構成要素全体)にとって、ケーブルとコンタクトデバイスおよび/またはコンタクトユニットとの簡単、高速、かつ大量生産可能な接合が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の問題は、自動車産業で使用するための電気コネクタ、特にケーブル用の改善された電気コンタクトユニットおよび改善された既製の電気ケーブルを指定することである。この場合、コンタクトユニットは、既製のケーブルの作製中に1つの種類の接合方法だけを適用しなければならないように構成するべきであるが、従来技術では、2つの異なる接合方法を適用しなければならない。さらに、特に自動車産業で使用するための対応する既製の電気ケーブル、好ましくは既製の銅ケーブルおよび/またはアルミニウムケーブル、ならびに対応する電気コネクタを指定することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の問題は、独立請求項によれば、特にいずれの場合も自動車産業で使用するための、電気ケーブルおよび/または電気コネクタ用の電気コンタクトユニットのためのコンタクトキャリア、ケーブルおよび/またはコネクタ用の電気コンタクトユニット、既製のケーブルを作製する方法、既製のケーブル、好ましくは既製の銅ケーブルおよび/またはアルミニウムケーブル、既製のケーブル、好ましくは既製の銅ケーブルおよび/またはアルミニウムケーブル用のコネクタ、ならびにユニット、モジュール、器具、装置、設備、またはシステムによって解決される。本発明の有利なさらなる発展形態、追加の特徴、および/または利点は、従属請求項および以下の説明から明らかになるであろう。
【0008】
本発明によるコンタクトキャリアは、コンタクトキャリア本体と、その上/中に設けられた少なくとも1つの電気コンタクト素子とを備え、コンタクトキャリア本体は、相手側コンタクト素子によってコンタクト素子のコンタクト部に電気的に接触するための接続部と、導線締付け部とを有し、導線締付け部は、コンタクトキャリア本体の長手方向の少なくとも部分的な延長範囲にわたって、コンタクトキャリア本体の円周方向に実質上閉じて形成される。好ましくは、導線締付け部は、実質上その長手方向の延長範囲全体にわたって、円周方向に実質上閉じて形成される。これは、1つのコンタクト素子または1つのコンタクトチャンバにつき1つの箇所で(下記参照)(1つのコンタクト素子につき1つの貫通スロットも参照)、導線締付け部が開くように形成することができることを実質上意味するはずである。
【0009】
一実施形態では、導線締付け部は、機械的に目標を定めて変形可能な少なくとも1つのコンタクトチャンバを有し、ケーブルの導線の長手方向端部は、コンタクトチャンバの変形中に、コンタクト素子のケーブルコンタクト部に締付け可能(圧着可能、押圧可能、引張り可能、押し込み可能など)であり、すなわち圧着接続を確立することができる。少なくとも1つのコンタクトチャンバの内側横断面は、「O」(円、長円、楕円)、方形、または矩形に形成され、その中に導線の長手方向端部を挿し込むことができる。
【0010】
この場合、それぞれの長手方向端部をコンタクトチャンバによって実質上完全に受け取ることができる。導線締付け部の外部形状は、好ましくは、(丸い)直方体の外部形状に実質上対応する。この場合、コンタクトチャンバとは、「管」を意味すると理解されることを意図しており、これは長手方向および円周方向に実質上閉じている。管の一部、すなわち上壁(下記参照)の移動性のために、所定の破壊点(上壁を切れ目付き羽根もしくは2重切れ目付き羽根と見なす)、または貫通スロット(上壁をチャンバ羽根もしくは2重チャンバ羽根と見なす)を有することができる。
【0011】
一実施形態では、導線締付け部またはコンタクトチャンバは、導線締付け部またはコンタクトチャンバの上壁によって、導線の長手方向端部がケーブルコンタクト部に締付け可能になり、導線の長手方向端部がケーブルコンタクト部上へ直接もしくは間接的に締付け可能になり、かつ/またはコンタクトキャリアを設けることができる電気コンタクトデバイスに対する導線の長手方向端部および/もしくはケーブルコンタクト部の電気絶縁を確立することができるように構成される。
【0012】
一実施形態では、ケーブルコンタクト部の横断面は、実質上I字状に形成することができ、導線の長手方向端部は、ケーブルコンタクト部の比較的大きい側部表面上で実質上中心または側方に締付け可能である。さらに、一実施形態では、ケーブルコンタクト部の横断面は、実質上L字状に形成することができ、導線の長手方向端部は、ケーブルコンタクト部の好ましくは丸い内側コーナ領域内に実質上締付け可能である。さらに、一実施形態では、ケーブルコンタクト部の横断面は、実質上V字状に形成することができ、導線の長手方向端部は、ケーブルコンタクト部の好ましくは丸い内側コーナ領域内に実質上締付け可能である。
【0013】
追加として、一実施形態では、ケーブルコンタクト部の横断面は、実質上U字状に形成することができ、導線の長手方向端部は、ケーブルコンタクト部の底面領域上および/または好ましくは丸い内側コーナ領域内に実質上締付け可能である。コンタクト部の横断面がI字状、L字状、V字状、またはU字状である場合、コンタクト部の縦断面は、好ましくはI字状に形成される。コンタクト部のI字状、L字状、V字状、またはU字状の横断面に対する追加または別法として、ケーブルコンタクト部の縦断面は、V字状、U字状、またはS字状に形成することができ、導線の長手方向端部は、ケーブルコンタクト部の2つの縦断面間に締付け可能である。
【0014】
一実施形態では、上壁は、上壁の変位のために所定の破壊点または貫通スロットを有することができる。上壁は、チャンバ羽根、2重チャンバ羽根、切れ目付き羽根、または2重切れ目付き羽根として形成することができる。さらに、上壁は、コンタクトキャリア本体の横断方向に所定の破壊点または貫通スロットから離れて一体ヒンジとして形成することができる。言い換えれば、上壁は、側壁または中間側壁への遷移領域内に一体ヒンジとして形成され、上壁は、一体ヒンジによって側壁または中間側壁に旋回可能に設けられる。
【0015】
たとえば、フィルムヒンジ(好ましくは厚さ変動がないまたは一方向だけである)、フィルムジョイント、またはストラップヒンジが、一体ヒンジと見なされる。これらは、2つの機械部品を有しない。この場合、導線締付け部は、一体ヒンジが上壁の弾性的な操作性を可能にし、それにより導線の長手方向端部がコンタクト部に締付け可能になるように構成される。追加として、一体ヒンジは、一体ヒンジまたは上壁が塑性変形し始めるように構成することができる。さらなる構成では、一体ヒンジ自体を所定の破壊点として構成することができる。
【0016】
一実施形態では、所定の破壊点または貫通スロットは、上壁内で中心に設けることができる。さらに、所定の破壊点または貫通スロットは、上壁内で上壁に隣接している壁に側方に設けることができる。一実施形態では、導線締付け部の底面、側面、中間側面、および/または上面を実質上閉じて形成することができる。さらに、上壁は、2つの部品から、単体として、物質的に単体として、またはコンタクトキャリア本体と一体に形成することができる。
【0017】
2つの部品から形成される場合、上壁は、導線締付け部に別個の部分として設けられ、たとえば導線締付け部にロック、クリップ留め、締付けなどにより設けられる。単体のコンタクトキャリア本体は、2つの部品から形成される場合と同様に、たとえば手で分離可能または着脱可能ではなく、工具によってのみ分離可能または着脱可能な、単体として連結、接続、または形成されたコンタクトキャリア本体として理解されることを意図する。この場合、コンタクトキャリア本体(実際のコンタクトキャリア本体および上壁)は、複数の部品から形成することができる。
【0018】
たとえば、物質的に単体のコンタクトキャリア本体は、コンタクトキャリア本体を損傷することなしに分離できない物質的に単体として連結または形成されたコンタクトキャリア本体を意味すると理解されることを意図する。その上壁を含むコンタクトキャリア本体全体が、強力な物質的接続によって、たとえばコンタクトキャリア本体と上壁との間の接着接続によって連結される。一体型のコンタクトキャリア本体は、たとえば、それ自体一体的または流体的に形成された原料を有するコンタクトキャリア本体として理解されることを意図するものであり、これはたとえば、射出成形方法によって実現することができる。一実施形態では、コンタクトキャリア本体は、プラスチックから作製することができる。この場合、コンタクトキャリア本体は、射出成形部品として作製することができる。この場合、コンタクト素子は、コンタクトキャリア本体の上/中に射出成形または成形することができる。
【0019】
本発明による電気コンタクトユニットは、コンタクトキャリアおよびコンタクトデバイスを備え、コンタクトキャリアは、コンタクトデバイスのコンタクトキャリアレセプタクル内に確立することが可能であり、または確立されており、コンタクトキャリアの導線締付け部は、コンタクトデバイスの圧着可能な導線圧着部によって作動可能である。導線圧着部または導線締付け部は、いずれの場合も、コンタクトデバイスまたはコンタクトキャリアのうち、弾性的または塑性的に変形可能でありまたは変形した締付け接続、押圧接続、引張り接続、押し込み接続など、すなわち圧着接続を確立することができる部分として理解されることを意図する。この場合、コンタクトデバイスの導線圧着部は、塑性変形可能であり、コンタクトキャリアの導線締付け部は、少なくとも弾性変形可能である。
【0020】
コンタクトユニットは、導線締付け部によってケーブルの導線の長手方向端部をコンタクトキャリアの電気コンタクト素子のケーブルコンタクト部に締め付けることができるように形成することができる。さらに、コンタクトユニットは、導線締付け部またはその少なくとも1つのコンタクトチャンバが、導線圧着部によって機械的に目標を定めて変形可能になるように形成することができる。一実施形態では、導線圧着部は、少なくとも1つの圧着端子を有し、それによって導線締付け部内の上壁が作動可能になる。上壁を作動するとき、上壁によって導線の長手方向端部をケーブルコンタクト部上へ締め付けることができる。
【0021】
一実施形態では、圧着端子は、上壁を作動するための少なくとも1つの内向きの突起を有する。内向きの突起は、好ましくは圧着端子の相当な長手方向の延長範囲にわたって延びる波形として形成することができる。さらに、内向きの突起は、圧着端子の長手方向に延びる窪み、好ましくは複数の窪みとして形成することができる。さらに、圧着端子は、圧着端子によって導線圧着部を圧着するときに突起を形成することができるように寸法設定することができる。この目的のため、それに対応して圧着スタンプを成形することができる。
【0022】
一実施形態では、導線圧着部は、コンタクトユニットの横断方向に互いに対向する2つの圧着端子を有する。2つの圧着端子は、あり継手またはくさびによって圧着の時間的な最中に互いに固定することができるように形成することができる。2つの圧着端子は、レーザ溶接によって圧着の時間的な後に互いに固定することができるようにさらに形成することができる。当然ながら、2つの圧着端子を互いに固定しまたは個別の圧着端子を定位置に設置する他の態様を適用することもできる。
【0023】
一実施形態では、ケーブルコンタクト部と導線の長手方向端部との間の機械的に固定された接続を物質的係合なしで形成することができる。これは、機械的に固定された接続が、接着接続、はんだ付け接続、および/または溶接接続を追加として有しないことを意味する。導線は、ケーブルの内部導線として形成することができる。さらに、コンタクトデバイスは、第2の導線圧着部、特に外部導線圧着部を有することができる。さらに、コンタクトデバイスは、第2または第3の導線圧着部、特に絶縁体圧着部を有することができる。また、コンタクトキャリアは、好ましくは、上述したコンタクトキャリアとして形成される。
【0024】
本発明による方法では、少なくとも1つの電気コンタクト素子を有するコンタクトキャリアが、電気コンタクトデバイスのコンタクトキャリアレセプタクル内に最初に確立される。別法として、少なくとも1つの電気コンタクト素子を有するコンタクトキャリアは、電気コンタクトデバイスのコンタクトキャリアレセプタクル内にすでに確立されている。本発明によれば、コンタクト素子のケーブルコンタクト部とケーブルの電気導線の長手方向端部との間に、機械的に固定された導電性の接続が、コンタクトデバイス自体を通じて圧着方法で確立される。この場合、ケーブルの導線は、ケーブルの内部導線として形成することができる。
【0025】
ケーブルコンタクト部と導線の長手方向端部との間に機械的に固定された導電性の接続を確立するとき、コンタクトデバイスの導線圧着部、特に内部導線圧着部をコンタクトキャリアの導線締付け部上へ圧着することができる。さらに、導線締付け部を通じて接続を確立するとき、導線の長手方向端部をケーブルコンタクト部に締め付ける(圧着、押圧、引張り、押し込みなど)ことができ、すなわち圧着接続を確立することができる。さらに、導線締付け部の上壁を通じて接続を確立するとき、導線の長手方向端部をケーブルコンタクト部に締め付けることができる。
【0026】
機械的に固定された導電性の接続を確立するとき、導線の長手方向端部をケーブルコンタクト部上へ直接または間接的に締め付けることができる。さらに、接続を確立するとき、コンタクトデバイスに対する導線の長手方向端部および/またはケーブルコンタクト部の電気絶縁を確立することができる。さらに、接続を確立するとき、導線圧着部の2つの圧着端子をコンタクトデバイスの円周方向に互いに固定することができる。これはたとえば、円周方向に対向する2つの圧着端子のあり継手またはくさびによって行われる。
【0027】
一実施形態では、作製方法中、またはケーブルコンタクト部と導線の長手方向端部との間に機械的に固定された導電性の接続を確立するとき、コンタクトデバイスの第2の導線圧着部、特に外部導線圧着部を圧着することができる。この場合、第2の導線圧着部は、フェルールおよび/またはケーブルの電気導線、特に外部導線の長手方向端部上へ圧着することができる。さらに、追加または別法として、コンタクトデバイスの第2または第3の圧着部、特に絶縁体圧着部を圧着することができる。この場合、第2または第3の圧着部をケーブルの電気絶縁体上へ圧着することができる。
【0028】
ケーブルコンタクト部と導線の長手方向端部との間に機械的に固定された導電性の接続を確立する時間的な前に、作製方法のためにケーブルの長手方向端部を準備することができ、ケーブルの長手方向端部でケーブルの外部電気絶縁体を除去することができ、ケーブルの外部導線上へフェルールを圧着することができる。フェルールから離れて位置する外部導線の長手方向端部は、フェルールの周りに配置することができ、かつ/またはケーブルの長手方向端部でケーブルの内部電気絶縁体を除去することができる。ケーブルコンタクト部と導線の長手方向端部との間に接続を確立した時間的な後に、導線締付け部の上で2つの圧着端子をレーザ溶接することができる。
【0029】
本発明による既製の電気ケーブルは、電気ケーブルを有し、既製のケーブルは、本発明によるコンタクトキャリアを備え、既製のケーブルは、本発明による電気コンタクトユニットを備え、かつ/または既製のケーブルは、本発明による方法によって作製される。本発明による電気コネクタは、ハウジングを有し、コネクタは、本発明による既製のケーブルを備える。本発明によるユニット、本発明によるモジュール、本発明による器具、本発明による装置、本発明による設備、または本発明によるシステムは、本発明による既製のケーブルおよび/または本発明によるコネクタを備える。
【0030】
本発明について、例示的な実施形態を使用して、部分的に詳細であり部分的に概略的である添付の図面を参照しながら、以下でより詳細に説明する。添付の図面は、原寸に比例しない。同一、一義的、または類似の設計および/または機能を有する部分、要素、構造部品、ユニット、形状、および/または構成要素は、図の説明(下記参照)、参照番号の一覧、特許請求の範囲、および図面の図において、同じ参照番号によって識別する。説明(本発明の説明(上記参照)、図の説明)で説明せず、図面に示さず、かつ/もしくは本発明の例示的な実施形態に排他的でない、1つの可能な代替形態、定常状態および/もしくは運動状態の逆転、組合せなど、またはそれらの構成要素、形状、ユニット、構造部品、要素、もしくは部分は、参照番号の一覧から追加として推論することができる。
【0031】
本発明では、特徴(部分、要素、構造部品、ユニット、構成要素、機能、変数など)は、積極的、すなわち存在するものとして、または消極的、すなわち存在しないものとして構成することができ、消極的な特徴については、その特徴が存在しないことが本発明によって重要であると考えられない場合、特徴として明示的に説明しない。本明細書(説明、参照番号の一覧、特許請求の範囲、図面)の特徴は、指定された態様で適用することができるだけでなく、異なる態様(分離、集約、交換、追加、固有、省略など)でも適用することができる。特に、参照番号およびこれに帰する特徴、またはその逆を使用して、説明、参照番号の一覧、特許請求の範囲、および/または図面では、特許請求の範囲および/または説明内の特徴を交換、追加、または省略することが可能である。さらに、その結果、特許請求の範囲内の特徴をより詳細に解釈および/または指定することができる。
【0032】
本明細書の特徴は、((多くは知られていない)従来技術を考慮して)任意選択の特徴として解釈することもでき、すなわち各特徴は、任意選択の、任意の、または好ましい特徴、すなわち非拘束的な特徴として理解することができる。したがって、特徴は、任意選択でその周辺部を含めて、例示的な実施形態から外すことが可能であり、次いでこの特徴は、一般化された本発明の概念に移すことができる。例示的な実施形態における特徴の欠如(消極的な特徴)は、その特徴が本発明に関して任意選択であることを示す。さらに、これに沿って特徴に対する種類名、特徴に対する総称名を読み取ることもできる場合(任意選択で亜属、部分などへのさらなる階層的分類)、その結果、たとえば同一の影響および/または等価性を考慮に入れて、ある特徴またはその特徴を一般化することが可能になる。これらの図は、単なる例示である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】従来技術によるコンタクトキャリアを有する遮蔽された電気圧着コンタクトユニットを示し、内側電気導線をその2つのコンタクト素子に接着、はんだ付け、または溶接することが可能である分解図である。
図2図1の圧着コンタクトユニットが取り付けられた既製の電気ケーブルを示し、ケーブル上にコンタクトデバイスが圧着され、したがってコンタクトキャリアがコンタクトデバイス内に取り付けられた斜視図である。
図3】相手側コンタクトユニットによって電気的に接触することができる2つのコンタクトデバイスを有する遮蔽された電気圧着コンタクトユニット用の本発明による圧着可能なコンタクトキャリアの例示的な実施形態の斜視図である。
図4】単極コンタクトキャリアの後前側を示し、コンタクトデバイスの導線圧着部およびコンタクトキャリアのチャンバ羽根によってコンタクトキャリア内で側方に内部導線を締付け可能である概略図である。
図5】単極コンタクトキャリアの後前側を示し、コンタクトデバイスの導線圧着部およびコンタクトキャリアの2重羽根によってコンタクトキャリア内で中心に内部導線を締付け可能である概略図である。
図6】コンタクトデバイスの内部導線圧着部の例示的な実施形態を示し、コンタクトキャリアが、遮蔽された双極圧着コンタクトユニット用のチャンバ羽根を有する部分断面斜視図である。
図7】コンタクトデバイスの内部導線圧着部の例示的な実施形態を示し、コンタクトキャリアが、遮蔽された双極圧着コンタクトユニット用の2重羽根を有する部分断面斜視図である。
図8】圧着コンタクトユニットを有する既製の双極ケーブルの例示的な実施形態の前部を示し、コンタクトデバイスの内部導線圧着部がくさびで留められている破断斜視図である。
図9図8の既製のケーブルを示し、コンタクトキャリアが、チャンバ羽根と、横断面がL字状のケーブルコンタクト部とを備える、内部導線圧着部の領域で破断および切断した前面斜視図である。
図10】圧着コンタクトユニットを有する既製の双極ケーブルの例示的な実施形態の前部を示し、コンタクトデバイスの内部導線圧着部をレーザ溶接することが可能である破断斜視図である。
図11】内部導線圧着部の領域で切断された図10の既製のケーブルを示し、コンタクトキャリアが、2重羽根と、横断面がL字状のケーブルコンタクト部とを備える斜視図である。
図12】そのケーブルコンタクト部が縦断面で実質上S字状に形成されたコンタクトキャリアと、ケーブルコンタクト部に設けられたケーブルとを示す、コンタクト素子の領域で長手方向に切断された2次元図である。
図13】遮蔽された双極圧着コンタクトユニット用の図12によるコンタクトキャリアを有する、コンタクトデバイスの容易に閉じられる内部導線圧着部の例示的な実施形態の部分断面斜視図である。
図14】遮蔽された双極圧着コンタクトユニット用の図12によるコンタクトキャリアを有する、コンタクトデバイスのレーザ溶接された内部導線圧着部の例示的な実施形態の部分断面斜視図である。
図15】内部導線圧着部の例示的な実施形態を示し、コンタクトキャリアが、2重羽根と、コンタクト素子の代替ケーブルコンタクト部と、レーザ溶接された圧着端子とを有する部分断面斜視図である。
図16】内部導線圧着部の例示的な実施形態を示し、コンタクトキャリアが、2重羽根と、コンタクト素子の代替ケーブルコンタクト部と、くさびで留めた圧着端子とを有する部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明について、いずれの場合も特に自動車産業で使用するための、本発明による圧着可能なコンタクトキャリア11の変形形態の一実施形態の例示的な実施形態、本発明による電気圧着コンタクトユニット10の変形形態の一実施形態の例示的な実施形態、および既製の電気ケーブル1、好ましくは既製の同軸ケーブル1を作製する本発明による方法の変形形態の一実施形態の例示的な実施形態を使用して、以下でより詳細に説明する。この場合、既製の同軸ケーブル(1)の同軸ケーブル40は、単極または多極とすることができる。
【0035】
しかし、本発明は、この種類の変形形態、この種類の一実施形態、および/または以下で説明する例示的な実施形態に制限されるものではなく、より根本的な性質のものであり、したがって本発明は、本発明の範囲内で、すべてのコンタクトキャリア、圧着コンタクトユニット、および既製のケーブルの作製方法に適用することができる。この場合、本発明は、圧着接続が作製または確立される任意の箇所で適用することができる。さらに当然ながら、本発明は、自動車産業および同軸ケーブル(電気ケーブル、導線、ケーブルハーネスなど)の範囲を超えて適用することもできる。
【0036】
本発明の主題のうち本発明を理解するために必要な部分のみを図面に示す。本発明について、好ましい例示的な実施形態によってより綿密に記載し、より詳細に図示するが、本発明は、開示する例示的な実施形態によって制限されるものではない。例示的な実施形態および/または上記(本発明の説明)から、本発明の保護範囲を逸脱することなく、他の変形形態を導出することができる。
【0037】
図1および図2は、コンタクトキャリア81および電気遮蔽コンタクトデバイス82を有する従来技術による双極電気コンタクトユニット80を示す。コンタクトキャリア81は、コンタクトキャリア本体100を有し、コンタクトキャリア本体100に、2つの電気コンタクト素子190または端子190が埋め込まれている。好ましくは1つの部品から(図示せず)、物質的に単体として(図示せず)、または一体として形成された、まっすぐな、屈曲した(図示せず)、または湾曲した(図示せず)コンタクトキャリア本体100は、接続部110と、位置決め部120または遷移部120と、導線取付け部180とを備える。
【0038】
コンタクト素子190は、コンタクト部191を備える接続部110から、位置決め部120を通って、ケーブルコンタクト部を備える導線取付け部180内へ延びる。本明細書では、コンタクト部191は、ばねコンタクトまたは舌コンタクトとして形成される。当然ながらここでは、たとえば、ピンコンタクト、ペグコンタクト、タブコンタクト、ソケットコンタクト、または複合コンタクトなどの他のコンタクト部191を適用することも可能である。ケーブルコンタクト部は、接着性の、はんだ付け可能な、または溶接可能なケーブルコンタクト部として形成される。
【0039】
コンタクトキャリア本体100内に埋め込まれたケーブルコンタクト部を、同軸ケーブル40の2つの内部導線430の剥ぎ取った長手方向端部433に、導電的かつ機械的に固定して接続することを可能にするために、同軸ケーブル40の長手方向端部433を機械的ケーブルコンタクト部に接着、はんだ付け、または溶接する。この目的で、導線取付け部180は、外側からアクセス可能に、すなわち上に開いて形成され、同軸ケーブル40の長手方向端部433は、上から(コンタクトキャリア81の垂直方向Hに)導線取付け部180内へ前進させることが可能である。時系列的に続いて、同軸ケーブル40の長手方向端部433は、ケーブルコンタクト部に接着、はんだ付け、または溶接される。
【0040】
時系列的に続いて、同軸ケーブル40が上に締結されたコンタクトキャリア81を、遮蔽コンタクトデバイス82のコンタクトキャリアレセプタクル200内に設けることができる。コンタクトキャリアレセプタクル200は、符号化デバイス204などの相手側コンタクトユニット(図示せず)に対する少なくとも1つの電気コンタクトデバイス202、たとえばコンタクトばね202またはコンタクト片202を有することができる。時系列的に続いて、圧着方法を実施することができ、遮蔽コンタクトデバイス82は、同軸ケーブル40上へ圧着される。
【0041】
この目的で、遮蔽コンタクトデバイス82は、2つのカバー羽根282を有するカバー部280と、2つの圧着端子242(圧着羽根242、圧着フランク242など)を有する遮蔽圧着部240(外部圧着部240、フェルール圧着部240)と、2つの圧着端子252(圧着羽根252、圧着フランク252など)を有する絶縁体圧着部250とを有する。圧着方法では、カバー羽根282は、カバー部で曲がっており、上に開いている導線取付け部180を閉じ、外部導線の圧着および絶縁体の圧着がさらに確立される(図2)。
【0042】
以下の記述は本発明に関し、本発明による圧着コンタクトユニット10について、上述した従来技術とは異なる特徴を使用して示す。それ以上の記載がない場合、本発明は、上述した従来技術からの1つの特徴または複数の特徴をさらに実現することができる。この場合、それぞれの特徴は、本発明による圧着コンタクトユニット10の1つ、2つ、またはそれ以上の極、およびその周辺部に適用することができる。
【0043】
本発明によれば、コンタクトキャリア11は、圧着可能なコンタクトキャリア11として最初に形成され、導線取付け部180の代わりに、少なくとも1つのコンタクトチャンバ139またはコンタクトボックス139を有する導線締付け部130または内部導線締付け部130が適用される。本明細書では、2つの横に並んだコンタクトチャンバ139が、内部導線締付け部130を形成する。本発明によれば、内部導線締付け部130またはコンタクトチャンバ139は、コンタクトキャリア11の長手方向Lおよびコンタクトキャリア11の円周方向Uに実質上閉じて形成される。
【0044】
1つの個別コンタクトチャンバ139(特に図4および図5参照)は、底面131上に好ましくは完全に閉じている底壁131を有し、側部132または中間側部133上に好ましくは完全に閉じている側壁132または中間側壁133を有し、天井134上に上壁134を有する。上壁134は、少なくとも1つの一体ヒンジ136にわたって形成され、少なくとも1つの側壁132および/または少なくとも1つの中間側壁133を有する。上壁134は、完全に(図3および図5参照)または部分的にのみ(図4参照)閉じることができる。
【0045】
上壁134が完全に閉じている場合、上壁134は、所定の破壊点135を有することができ、破壊点135は、好ましくは、実質上完全にコンタクトチャンバ139の長手方向Lにおいて、側壁132もしくは中間側壁133上で側方(図示せず)または中心(図5の左側参照)に延びる。上壁134が部分的に閉じている場合、上壁134は、貫通スロット135を有することができ、貫通スロット135は、好ましくは、実質上完全にコンタクトチャンバ139の長手方向Lにおいて、側壁132もしくは中間側壁133上で側方(図4の左側参照)または中心(図示せず)に延びる。
【0046】
上壁134の構成に応じて、これを個別のチャンバ羽根134(側方の貫通スロット135、図4参照)として、個別の切れ目付き羽根134(側方の所定の破壊点135、図示せず)として、2重切れ目付き羽根134(中間の所定の破壊点135、図5参照)として、または2重チャンバ羽根134(中間の貫通スロット135、図示せず)として形成することができる。上壁134の構成に応じて、その側方または中間の自由縁部を有する羽根は、コンタクトチャンバ139内でそれぞれの一体ヒンジ136に対して可動に確立され、羽根は任意選択で解放される(所定の破壊点135)。
【0047】
これは、上壁134が任意選択でそれぞれの一体ヒンジ136(、136)によって可動に形成されるため、コンタクトチャンバ139が変形可能であることを意味する。この場合、内部導線430の長手方向端部433は、上壁134によってそれぞれのコンタクト素子190のそれぞれのケーブルコンタクト部193上へ機械的に締め付けることができる(図4および図5のいずれの場合も右側参照)。本発明によれば、コンタクトチャンバ139または上壁134は、コンタクトデバイス12または遮蔽コンタクトデバイス12の内部導線圧着部230によって変形可能または可動である。この目的で、コンタクトキャリア11は、遮蔽コンタクトデバイス12内に設けられ、内部導線430の長手方向端部433は、コンタクトキャリア11の内部導線締付け部130内に設けることができる。
【0048】
コンタクトキャリア11を遮蔽コンタクトデバイス12内に設けるために、接続部110および位置決め部120は、遮蔽コンタクトデバイス12のコンタクトキャリアレセプタクル200内に確立され、導線締付け部130自体が遮蔽コンタクトデバイス12の内部導線圧着部230内に確立される(図8および図10も参照)。好ましくは、内部導線圧着部230は、2つの圧着端子232(圧着羽根232、圧着フランク232など)を有する。さらに、遮蔽コンタクトデバイス12は、好ましくは、好ましくは2つの圧着端子242を有する遮蔽圧着部240と、好ましくは2つの圧着端子252を有する絶縁体圧着部250とを有する。
【0049】
内部導線430の長手方向端部433を内部導線締付け部130内に設けるために、内部導線430の長手方向端部433は、後ろからコンタクトチャンバ139内へコンタクトキャリア11および遮蔽コンタクトデバイス12の長手方向Lに実質上線形に前進させなければならない。時系列的に続いて、内部導線430の長手方向端部433は、コンタクト素子190のケーブルコンタクト部上へ機械的に締め付けることができ、これは、少なくとも1つの圧着方法の範囲内で行うことができる。
【0050】
1つまたは複数の圧着方法では、遮蔽コンタクトデバイス12の圧着部230、240、250を実質上同時にまたは任意選択で部分的に連続して圧着することができる。この場合、コンタクトデバイス12の内部導線圧着部230は、コンタクトキャリア11の導線締付け部130上へ圧着され、コンタクトデバイス12の遮蔽圧着部240は、同軸ケーブル40の外部電気導線440および/または外部導線440のフェルール400上へ圧着され、コンタクトデバイス12の絶縁体圧着部250は、同軸ケーブル40の外部電気絶縁体上へ圧着される。
【0051】
この場合、双極同軸ケーブル40がその上に圧着された双極圧着コンタクトユニット10が得られる(既製の電気ケーブル1)。圧着コンタクトユニット10は、まっすぐなプラグインスリーブとして形成される。当然ながら、圧着コンタクトユニット10を屈曲または湾曲させて形成することも可能である。さらに、圧着コンタクトユニット10は、たとえば、平坦なプラグインスリーブ、平坦なプラグ、雌雄同形のコンタクトユニット、ソケットコンタクトユニット、(ファストンコンタクトユニット)タブコンタクトユニット、ペグコンタクトユニット、ピンコンタクトユニットなどとして形成することができ、1つまたは複数の極を有する。
【0052】
コンタクトデバイス12の内部導線圧着部230をコンタクトキャリア11の導線締付け部130上へ圧着するとき、以下も行われる。少なくとも1つの圧着端子232がそれぞれの上壁134上へ動かされ、それにより上壁134が動き始め、任意選択で設けられた所定の破壊点135が割れて開く。それぞれの上壁134の羽根(図4図6、および図9参照)または2つの羽根(2重羽根)(図5図7図11、および図13~16参照)は、それぞれのコンタクトチャンバ139内へ内向きに曲がり、その1つまたは複数の自由縁部は、そこに位置するそれぞれの内部導線430の長手方向端部433に当たる。
【0053】
その結果、コンタクトデバイス12の導線圧着部230またはその少なくとも1つの圧着端子232によって、上壁134と、それぞれの内部導線430の長手方向端部433と、コンタクト素子190のそれぞれのケーブルコンタクト部193との間で、圧着接続、締付け接続、押圧接続、引張り接続、または押し込み接続などが確立される。それぞれの圧着端子232が上壁134または1つもしくは複数の羽根を作動させることを可能にするために、圧着端子232は、少なくとも1つの内向きの突起233、234を有することができる。
【0054】
圧着端子232の少なくとも1つの内向きの突起233、234は、圧着端子232自体の壁(たとえば波形233を用いる、下記参照)、圧着端子232の壁を厚くすること(図示せず)、圧着端子232の壁内の少なくとも1つの陥入部(たとえば窪み234を用いる、下記参照)などから実現することができる。本明細書では、波形233(図6図8図9、および図16参照)または少なくとも1つの窪み234(図7図10図11、および図13~15参照)は、好ましくは、圧着端子232ごとに適用される。
【0055】
さらに、それぞれのコンタクト素子190のケーブルコンタクト部193は、前記ケーブルコンタクト部によって、それぞれの内部導線430の長手方向端部433をしっかりと締め付けることができるように構成することができる。その目的で、それぞれのケーブルコンタクト部193は、図6~16の大まかな説明で後により明らかになるように、好ましくは丸いコーナ領域を有することができる。
【0056】
圧着方法では、くさびまたはあり継手によって、導線圧着部230内で互いに対向する2つの圧着端子232、232を互いに固定することが可能である。この機械的接続は、レーザ溶接235を使用して定位置に設置することもできる。さらに、くさびまたはあり継手の代わりに、2つの圧着端子232、232のレーザ溶接235を適用することもできる。
【0057】
以下、本発明による図6~16の特徴について大まかにより詳細に説明し、いずれの場合も1つの個別コンタクトチャンバ139のみを参照する。図6は、1つのコンタクトチャンバ139に対して、チャンバ羽根134と、横断面がI字状のケーブルコンタクト部193とを示し、それぞれの内部導線430の長手方向端部433は、チャンバ羽根134によって、圧着端子232を介してケーブルコンタクト部193上へ側方に圧着可能であり、それぞれ波形233を有する2つの圧着端子232、232の機械的接続は、くさびによって行われる。
【0058】
図7は、1つのコンタクトチャンバ139に対して、2重チャンバ羽根134と、横断面がI字状のケーブルコンタクト部193とを示し、それぞれの内部導線430の長手方向端部433は、2重チャンバ羽根134のチャンバ羽根によって、圧着端子232を介してケーブルコンタクト部193上へ側方に圧着可能であり、それぞれ窪み234を有する2つの圧着端子232、232の機械的接続は、レーザ溶接235によって行われる。
【0059】
図8および図9は、1つのコンタクトチャンバ139に対して、チャンバ羽根134と、横断面がL字状のケーブルコンタクト部193とを示し、それぞれの内部導線430の長手方向端部433は、チャンバ羽根134によって、圧着端子232を介してケーブルコンタクト部193の内側丸コーナ領域内へ圧着可能であり、それぞれ波形233を有する2つの圧着端子232、232の機械的接続は、くさびによって行われる。
【0060】
図10および図11は、1つのコンタクトチャンバ139に対して、2重チャンバ羽根134と、横断面がL字状のケーブルコンタクト部193とを示し、それぞれの内部導線430の長手方向端部433は、2重チャンバ羽根134のチャンバ羽根によって、圧着端子232を介してケーブルコンタクト部193の内側丸コーナ領域内へ圧着可能であり、それぞれ窪み234を有する2つの圧着端子232、232の機械的接続は、レーザ溶接235によって行うことができる。
【0061】
図12図14は、1つのコンタクトチャンバ139に対して、2重チャンバ羽根134と、横断面がI字状のケーブルコンタクト部193と、長手方向に実質上S字状のケーブルコンタクト部193(図12)とを示し、それぞれの内部導線430の長手方向端部433は、実質上平行に重ねて配置されたケーブルコンタクト部193の2つの縦断面間に設けられる。それぞれの内部導線430の長手方向端部433は、2重チャンバ羽根134の2つのチャンバ羽根によって、圧着端子232を介して、重ねて配置されたケーブルコンタクト部193の2つの縦断面間に締め付けることができる。それぞれ窪み234を有する2つの圧着端子232、232の機械的接続は、レーザ溶接235(図13図14)によって行うことができ、追加として、図14は、圧着端子232、232の2つの周縁部の相補形の掛け金を示す。図13では、レーザ溶接235を省くことが可能である。
【0062】
図15および図16は、1つのコンタクトチャンバ139に対して、2重チャンバ羽根134と、横断面がU字状のケーブルコンタクト部193とを示し、U字状ケーブルコンタクト部193の第1の突出部の長手方向端部は、2重チャンバ羽根134のチャンバ羽根によってそれぞれの内部導線430の長手方向端部433上へ圧着可能であり、したがって長手方向端部433は、垂直方向Hに第1の突出部の長手方向端部に対向する長手方向端部、およびU字状ケーブルコンタクト部193の第2の突出部のコーナ領域上へ圧着可能である。
【0063】
以下(特に図1図4図5、および図2参照)、本発明による接続ユニット10を有する双極同軸ケーブル40を作製または形成する実質上3段階(ステップI(図1)、II、およびIII(図4図5、および図2))の方法について、より詳細に説明する。ステップIで、同軸ケーブル40を準備することが実施され、ステップIIで、圧着すべきコンタクトユニット10に同軸ケーブル40を設けることが実施され、ステップIIIで、同軸ケーブル40を導電的かつ機械的に固定して(締め付けて)コンタクトキャリア11に接続し、また導電的かつ機械的に固定して遮蔽コンタクトデバイス12に接続する好ましくは単一の圧着方法が実施される。
【0064】
作製方法のステップIは、同軸ケーブル40およびフェルール400の取付けのみに関し、最大4つまたはそれ以上のサブステップ(I.1~I.4)を伴い、ステップIの終わりには、事前に製作された同軸ケーブル40が得られる。サブステップI.1で、同軸ケーブル40は、その自由長手方向端部で外部絶縁体450から解放され(剥ぎ取られる)、したがって同軸ケーブル40の外部導線440(遮蔽導線440、編組導線440など)の長手方向端部443が露出される。
【0065】
時系列的に続いて、サブステップI.2で、フェルール400が、露出させた外部導線440の長手方向端部443の後部に締結され、特に圧着される。この場合、露出させた外部導線440の長手方向端部443の後部が、キャリアストリップ(図示せず)上に位置するそれぞれのフェルール400内へ挿入され、時系列的に続いてその上に圧着されることが好ましい(サブステップI.2)。その後、フェルール400は、キャリアストリップから分離することができる。
【0066】
また、まずフェルール400をキャリアストリップから分離し、次いでフェルール400を露出させた外部導線440の長手方向端部443の後部上へ動かし、次いでその上に締結または圧着することが可能である。フェルール400を同軸ケーブル40と組み合わせるとき、複合タイプも可能であり、露出させた外部導線440の長手方向端部443の後部およびフェルール400が、互いの方へ動く。
【0067】
この場合、好ましくは塑性変形可能であり特に一体型のフェルール400が、円周方向Uに取り付けられる前に、開いてまたは間隙をあけて形成され、フェルール400は、取付けフランク、特に圧着フランクとして形成された2つの取付けユニットを備える。それぞれの取付けフランクは、周縁部を有する。この場合、互いに関連する2つの周縁部が、互いに実質上相補形になるようにまたは実質上形状嵌合するように形成され、それにより、長手方向Lにおいて、取り付けられたフェルール400の取付けフランク間に、好ましくは実質上遮光性のラックが形成される。
【0068】
サブステップI.3で、フェルール400の下でさらに突出している外部導線440の自由部を、フェルール400の周りに外向きに配置することができる。サブステップI.3が省略される場合(可能である)、フェルール400を導電性材料から形成することは必須である。さらに、外部導線440の自由端が長手方向Lにおいてフェルール400の自由端に実質上一致することを可能にすることが好ましい。
【0069】
サブステップI.4で、任意選択で周りに配置された外部導線440の自由端から突出する同軸ケーブル40の内部電気絶縁体410の自由長手方向端部が剥ぎ取られる。その後、2つの内部導線430、たとえば2つの撚り線430の2つの自由長手方向端部433が、同軸ケーブル40から突き出る。このサブステップI.4で、内部導線430は、好ましくは、1つの比較的短い後部を除いて、内部絶縁体410から解放されている。
【0070】
作製方法のステップII(上記参照)で、2つの内部導線430の自由長手方向端部433が、コンタクトキャリア11の導線締付け部130の2つのコンタクトチャンバ139内に確立され、特にその中で実質上線形に前進させられる。この場合、コンタクトキャリア11は、遮蔽コンタクトデバイス12内にすでに設けておくことができるが、まだ圧着されていない。また、最初に内部導線430を2つのコンタクトチャンバ139内に設け、その後コンタクトキャリア11を同軸ケーブル40とともに、まだ圧着されていない遮蔽コンタクトデバイス12内に設けることが可能である。この時点で、圧着コンタクトユニットは、すぐに圧着できる状態にある。
【0071】
作製方法のステップIII(上記参照)で、好ましくは1つの単一圧着方法が実施され、3つの圧着、すなわち内部導線の圧着、外部導線の圧着、および絶縁体の圧着が、好ましくは実質上同時に確立される。圧着方法を実施するとき、コンタクトデバイス12は、依然としてキャリアストリップ290上に位置することができ、またはすでにキャリアストリップ290から分離されたものとすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16