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▶ 株式会社ナリス化粧品の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】水中油型化粧料用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/894 20060101AFI20220808BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20220808BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20220808BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20220808BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20220808BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20220808BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20220808BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
A61K8/894
A61K8/60
A61K8/44
A61K8/06
A61Q17/04
A61K8/27
A61K8/29
A61Q1/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018064911
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019172634
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
(72)【発明者】
【氏名】河内 佑介
【審査官】山中 隆幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-260819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分A~C
(A)ポリシリコーン-13を0.01~3.0質量%
(B) 疎水化処理金属酸化物を5.0~35.0質量%
(C)ショ糖脂肪酸エステルまたはN-アシルアミノ酸塩から選ばれる1種または2種以上を0.01~5.0質量%
を含む水中油型化粧料用組成物。
【請求項2】
さらに(D)炭素数4~12を有するアルキル変性シリコーンまたはフェニル変性シリコーンから選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1記載の水中油型化粧料用組成物。
【請求項3】
さらに(E)水添レシチンを含有する請求項1~2いずれかに記載の水中油型化粧料用組成物。
【請求項4】
成分(B)の疎水化処理がイソステアリン酸処理もしくはシリコーン処理である請求項1~3いずれかに記載の水中油型化粧料用組成物。
【請求項5】
成分(C)N-アシルアミノ酸塩のアミノ酸がグルタミン酸もしくはアスパラギン酸、アラニンである請求項1~4いずれかに記載の水中油型化粧料用組成物。
【請求項6】
日焼け止め化粧料である請求項1~5いずれかに記載の水中油型化粧料用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型化粧料用組成物に関し、更に詳細には、高い安全性とみずみずしい使用感を有し、かつ高い耐水性と洗浄性、製剤安定性を有する水中油型化粧料用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に水中油型化粧料は外相が水相であるため、伸びがよくみずみずしい使用感が得られやすいが、油による閉塞感が少ない特徴を有する。一方、油中水型化粧料は、外相が油相であるため伸びが重くなりやすいが、油独特のエモリエント感が得られ、さらには油膜による耐水性が付与されるなどの効果が知られている。これらの剤型は求める使用感や効果によって使い分けられ、多くの化粧料で応用されている。
【0003】
一方、紫外線の害から皮膚を守ることはスキンケアにおける重要な課題のひとつである。紫外線が皮膚に与える悪影響を最小限に抑えるために様々な検討がなされている。例えば紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を配合した塗膜で皮膚を覆うことによって紫外線の害から皮膚を守る方法が報告されている(非特許文献1)。
【0004】
水中油型乳化系で高いSPF(Sun Protection Factor)値を達成するためには油溶性の紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を高配合する必要がある。これらを高配合する場合、水中油型乳化系の特徴であるみずみずしい使用感が失われるだけでなく、べたつきやきしみ感が生じ使用感触が悪くなることが課題であった。
【0005】
紫外線吸収剤は高配合すると皮膚刺激が生じるため安全性に課題があり、べたつきが生じ、使用感触も悪くなる。(特許文献1)一方、紫外線散乱剤は紫外線吸収剤に比べ安全性が高いと言われている。(特許文献2)しかし、紫外線散乱剤は使用感触が悪く、きしみ感や塗布時の白さ、ベタつきなど使用感触面で多くの課題が生じ、特許文献2でも仕上がりについては言及しているが使用感触については書かれておらず、課題が達成されたとはいえない。
【0006】
また、紫外線を防止する効果を保持する観点から、汗・水に強い等、耐水性に対するニーズが多く、ウォータープルーフ・スーパーウォータープルーフと言った表示がされた製品が多く発売されている。ウォータープルーフ・スーパーウォータープルーフ表示はFDA(米国食品医薬品局)に準じた方法やCOLIPA(欧州化粧品工業会)に準じた方法で耐水性試験を行い、基準をクリアすることで表示することが可能である。
【0007】
一般的に耐水性を高める手段としては外相が油性である油中水型乳化系が用いられる。しかし、油中水型乳化系には、使用上のベタツキ、油性感等の良好でない使用感があり、また保湿効果等のスキンケア効果が劣るという問題があった。さらに、油膜閉塞性を示すため混合肌や脂性肌には好ましくなく、テカリやにきび等の皮脂トラブルを悪化させるという問題があった。これに対し、外相が水性である水中油型乳化系は、使用感が良好で油膜閉塞性を示さないが、耐水性に劣るために紫外線防御効果の持続性に問題があった。(特許文献3)
【0008】
特許文献3、特許文献4にもあるように耐水性を高める手段としては、撥水効果が高いオイルや樹脂成分、高分子化合物を配合することが知られているが、これら特許文献では特定の高分子や樹脂に限定されていることから、汎用的ではなく完全に課題を解決したとは言えない。また、このような手法で耐水性を付与すると、化粧料を落とす際に通常の洗浄剤で落とすことが困難になる場合がある。さらに、水中油型乳化系ではこれら成分は安定性不良になりやすく、製剤の安定化に関しても課題が生じることがある。つまり、高い耐水性と製剤安定性に加え、家庭で一般的に使用されている洗浄剤で化粧料を落とすことができる洗浄性についても同時に求められている。
【0009】
以上のことから、高い安全性とみずみずしい使用感を有し、かつ高い耐水性と洗浄性、製剤安定性を兼ね備えた化粧料が求められてきた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【文献】「新化粧品学」第2版、光井武夫編、2001年、南山堂発行、第497~504頁
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2003-206214号公報
【文献】特開2015-124172号公報
【文献】特開平7-89834号公報
【文献】特開2010-90074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、良好な安定性と高い安全性とみずみずしい使用感を有し、さらに高い耐水性と効果的な洗浄性に優れた水中油型化粧料用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明者が、鋭意研究した結果、
(A)直鎖共重合型ポリエーテル・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体
(B) 疎水化処理金属酸化物
(C)ショ糖脂肪酸エステルまたはN-アシルアミノ酸塩から選ばれる1種または2種以上
を含有することで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち本発明は、
次の成分A~Cを含む水中油型化粧料用組成物である。
(A)直鎖共重合型ポリエーテル・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体
(B) 疎水化処理金属酸化物
(C)ショ糖脂肪酸エステルまたはN-アシルアミノ酸塩から選ばれる1種または2種以上
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、良好な安定性と高い安全性とみずみずしい使用感を有し、さらに高い耐水性と効果的な洗浄性に優れた水中油型化粧料用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について更に詳しく説明する。なお、特段注釈のない限り、以下で成分の配合量を「%」で表示する場合は質量%を意味する。
【0017】
本発明に用いる成分(A)直鎖共重合型ポリエーテル・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体の性状は、常温で流動性のある液状から軟質ゴム状である。共重合体を構成するモノマーの配列は、モノマーが交互に結合した直鎖状のブロック共重合体である。具体的には、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体として知られる成分が含まれ、中でも特に化粧品表示名「ポリシリコーン-13」として知られる、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体が最も好適である。市販品の例としては、FZ-2222、FZ-2233、FZ-2250が挙げられる。
【0018】
成分(A)の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し0.01~3.0質量%、好ましくは0.05%~1.0%質量%の範囲で用いられる。この範囲では良好な安定性と高い安全性とみずみずしい使用感、高い耐水性と効果的な洗浄性が非常に優れている。
【0019】
成分(A)直鎖共重合型ポリエーテル・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体は、これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いても差支えない。
【0020】
本発明において成分(A)直鎖共重合型ポリエーテル・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体は、シリコーン骨格を有することから、肌に滑り性を与えべたつきのなさに影響し高い耐水性を付与する性質がある。また、ポリエーテル基に由来する親水性から、洗浄性や安定性に影響すると考えられる。しかしながら同様にシリコーン骨格、ポリエーテル基を有する共重合体であっても、ペンダント型ポリエーテル変性ポリシロキサン共重合体では、安定性が悪く、耐水性や洗浄性の両立が困難となり、本発明の効果を発揮できない。
【0021】
本発明に用いる(B)疎水化処理金属酸化物は、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。好ましい金属酸化物としては酸化チタンや酸化亜鉛、酸化セリウムなどが挙げられる。疎水化処理の方法は特に制限無く、被覆処理、焼付処理、およびシランカップリング剤処理等の一般的に用いられている処理方法で処理される。疎水化処理剤は特に限定されず、金属石鹸、シリコーン、脂肪酸、リン脂質、フッ素化合物、シリル化剤、およびアシルアミノ酸などが好適に使用できる。特に脂肪酸のイソステアリン酸処理及びシリコーン処理が、組成物の安定性、耐水性、洗浄性の観点から好適である。シリコーン処理に用いるシリコーンとしては、メチコン、ジメチコン、ハイドロゲンジメチコンなどが挙げられるが、特にシリコーンの種類は限定されない。
【0022】
(B)疎水化処理金属酸化物の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し3.0~35質量%、好ましくは5.0~25質量%の範囲で用いられる。この範囲では良好な安定性と高い安全性とみずみずしい使用感、高い耐水性と効果的な洗浄性が非常に優れている。
【0023】
(B)疎水化処理金属酸化物は、これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いても差支えない。
【0024】
本発明に用いる成分(C)ショ糖脂肪酸エステルもしくはN-アシルアミノ酸塩は、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。
【0025】
成分(C)N-アシルアミノ酸塩を構成するアミノ酸は特に限定されず、好適な例としては、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、スレオニン、メチルアラニン、サルコシン、リジン、アルギニン等が挙げられる。
【0026】
成分(C)N-アシルアミノ酸塩を構成するアシル基は特に限定されず、好適な例としては、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、リノレイル基等の脂肪酸(分岐脂肪酸を含む)によるアシル基が挙げられる。脂肪酸は動植物由来のものであっても良く、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸によるアシル基が挙げられる。
【0027】
成分(C)N-アシルアミノ酸塩の塩の種類は特に限定されず、好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等の無機塩;アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩や、アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩などの有機塩が挙げられる。
【0028】
成分(C)N-アシルアミノ酸塩は、特にN-ステアロイルグルタミン酸ナトリウムを含有するものがよくアミソフトHS-11P、アミライトGCK-12(いずれも味の素ヘルシーサプライ社製)等が例示できる。
【0029】
成分(C)ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は特に限定されず、好適な例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸等が挙げられる。これら脂肪酸の中でも特にステアリン酸及びラウリン酸を用いたエステルが望ましい。
【0030】
成分(C)ショ糖脂肪酸エステルもしくはN-アシルアミノ酸塩の配合量としては、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、通常、化粧料用組成物全量に対し0.01~5%質量%、好ましくは0.1%~2%質量%の範囲で用いられる。この範囲では良好な安定性と高い安全性とみずみずしい使用感、高い耐水性と効果的な洗浄性が非常に優れている。
【0031】
成分(C)ショ糖脂肪酸エステルもしくはN-アシルアミノ酸塩は、これらのうち1種を単独で用いても、またはこれらを混合して用いても差支えない。成分(C)は特に親水性のものが好適に使用でき、HLBが12以上のものが特に安定性や使用感、洗浄性の観点から好適である。成分(C)は水中油型乳化系において、乳化安定性に寄与すると考えられる。
【0032】
本発明に用いる成分(D)炭素数4~12を有するアルキル変性シリコーンまたはフェニル変性シリコーンは、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。具体的な成分名及び表示名としてはメチルフェニルポリシロキサンやジフェニルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体、カプリリルメチコンなどがあげられる。これら成分は成分A、Bとの親和性が高く、配合することにより製剤の安定性向上及び使用感の向上が期待できる。
【0033】
本発明に用いる成分(E)水添レシチンは、特に制限はなく、通常化粧料に用いられるものを使用することができる。具体的な商品名としてはニッコールレシノールS-10やニッコールレシノールS-10Mなどが挙げられる。これら成分を配合することにより製剤の安定性が向上し、さらには成分Bによるきしみ感を改善し、より使用感の向上が期待できる。
【0034】
本発明の組成物には、上記の必須成分のほかに、必要に応じ一般的に化粧料などに用いられる成分を配合することも可能である。例えば、パール剤、保湿剤、増粘剤、水溶性高分子、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、抗酸化剤、清涼剤、生薬抽出物やビタミン類等の添加物を適時配合することができる。これら成分を含有させる場合の配合割合は、その種類や目的に応じて適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。
【実施例
【0035】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これら実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0036】
<官能特性評価試験>
官能特性評価試験は、評価試料を顔面に塗布した時の感触(べたつき感、きしみ感、みずみずしさ)について、10名の専門判定員が以下の評価基準に従って評価点をつけ、その平均点に従って、4.0以上を◎、3.0以上4.0未満を○、2.0以上3.0未満を△、2.0未満を×とした。また、塗布後5時間経過後、同様に感触(べたつき感、きしみ感)を評価した。
【0037】
(評価基準)
5:非常に好ましい。
4:好ましい。
3:どちらともいえない。
2:好ましくない。
1:非常に好ましくない。
【0038】
<評価方法>
表面を荒らしたPMMA(ポリメタクリル酸メチル)の板に2mg/cm2の組成物を均一に塗布しSPFアナライザー(三洋貿易株式会社製)にてSPF値を測定した。次いで、上記PMMAの板(各組成物を塗布したもの)を流水に40分さらし、十分に乾燥させた後、SPF値を再度測定した。耐水性試験後のSPF値が耐水性試験前のSPF値に対して何パーセントに該当するかを算出し、その値を残存率(%)とした。
<評価基準>
◎:75%以上の残存率
○:50%以上から75%未満の残存率
×:50%未満の残存率
【0039】
<洗浄容易性の評価>
10人の専門パネルに実際に使用してもらい、洗浄容易性(落ち易さ)について、以下の基準で判定した。
◎:8~10人が洗浄し易いと回答した。
○:5~7人が洗浄し易いと回答した。
△:2~4人が洗浄し易いと回答した。
×:0~1人が洗浄し易いと回答した。
【0040】
<安定性>
調製した製剤を40度下で2週間静置させ、2週間後の状態(外観の色変化、油分の分離、粉体の凝集による析出)を目視にて確認する。
◎:色の変化、分離および凝集、いずれの状態変化も全く起こっていない。
○:色の変化、分離および凝集、のうちいずれかの状態変化がわずかに起こっているが、使用に際し製品品質上問題ない程度である。
×:色の変化や分離、凝集などのうち少なくともひとつが目立つ状態でおこっており、製品品質上好ましくない。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
※1 イソステアリン酸処理酸化亜鉛
※2 ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛
※3 トリエトキシカプリリルシラン処理酸化亜鉛
※4 イソステアリン酸処理酸化チタン
※5 ハイドロゲンジメチコン処理酸化チタン
※6 トリエトキシカプリリルシラン処理酸化チタン
A’成分はいずれもペンダント型ポリエーテル変性ポリシロキサン共重合体
【0043】
【表3】
【0044】
表1、2からわかるように、本発明の実施例1~実施例13は成分A、B、C及びD、Eを配合することで良好な安定性と高い安全性とみずみずしい使用感、高い耐水性と効果的な洗浄性が得られることがわかった。
【0045】
実施例1~実施例2によると成分Aによって特に耐水性が変化し、配合量が多い程耐水性に優れるが、実施例3のように多すぎると効果が発揮できる範囲ではあるが、わずかに使用感や安定性、洗浄性が減少する。実施例4~実施例5に関しては成分Bについて実験した結果であるが、成分Bの配合量が多い程耐水性に優れるが、多すぎると効果が発揮できる範囲ではあるが、わずかに使用感や安定性、洗浄性が減少する。実施例8~実施例9では成分Bの表面処理が異なる場合の実験結果であり、トリエトキシカプリリルシラン処理粉体を用いた場合のみ効果が発揮できる範囲ではあるが、わずかに使用感や安定性が減少する。実施例6~実施例7では成分Cについて実験した結果であり、配合量が多い場合安定性が向上し、洗浄性が向上するがわずかに使用感触や耐水性が減少する結果となった。特に実施例1、8、10ではすべての項目で顕著な効果が現れている。
【0046】
表3を参照すると、比較例1~比較例2を参照するとペンダント型ポリエーテル変性ポリシロキサン共重合体を使用した例であるがいずれも耐水性が悪化し、安定性も悪くなる結果となった。比較例3では疎水化処理されていない酸化亜鉛、酸化チタンを用いた場合の例であるが、耐水性や安定性、使用感触が悪くなる結果となった。比較例4、5は成分Cを他の界面活性剤に置き換えた例であるが安定性や洗浄性に問題が生じる結果となった。
【0047】
常法にて、各処方の組成物を作製した。いずれの処方においても本発明の効果を奏することが確認された。
【0048】
(1)日焼け止め化粧料
配合成分 配合量(%)
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)ブチレン
・メチルポリシロキサン共重合体 0.15
疎水化処理酸化亜鉛※1 15
メチルフェニルポリシロキサン 2
ジメチコン 1
イソノナン酸トリデシル 8
ステアリン酸スクロース 0.5
N-ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.2
水添レシチン 0.3
1,3-ブチレングリコール 10
キサンタンガム 0.1
アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム 1.0
共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80
防腐剤 適量
安定化剤 適量
精製水 残余
【0049】
(2)日焼け止め化粧料
配合成分 配合量(%)
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)ブチレン
・メチルポリシロキサン共重合体 0.2
疎水化処理酸化チタン※4 10
メチルフェニルポリシロキサン 2
ジメチコン 1
イソノナン酸トリデシル 8
ステアリン酸スクロース 0.5
N-ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.2
水添レシチン 0.3
1,3-ブチレングリコール 10
キサンタンガム 0.1
アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム 1.0
共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80
防腐剤 適量
安定化剤 適量
精製水 残余
【0050】
(3)ファンデーション化粧料
配合成分 配合量(%)
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)ブチレン
・メチルポリシロキサン共重合体 0.15
疎水化処理酸化亜鉛※1 10
疎水化処理酸化チタン※4 10
酸化鉄 0.3
メチルフェニルポリシロキサン 2
ジメチコン 1
イソノナン酸トリデシル 8
ステアリン酸スクロース 0.7
N-ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.2
水添レシチン 0.3
1,3-ブチレングリコール 10
キサンタンガム 0.1
アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム 1.5
共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80
防腐剤 適量
安定化剤 適量
精製水 残余
【0051】
(4)ファンデーション化粧料
配合成分 配合量(%)
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)ブチレン
・メチルポリシロキサン共重合体 0.15
疎水化処理酸化亜鉛※1 10
疎水化処理酸化チタン※4 10
酸化鉄 0.3
メチルフェニルポリシロキサン 2
ジメチコン 1
イソノナン酸トリデシル 8
ステアリン酸スクロース 0.7
N-ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.2
水添レシチン 0.3
1,3-ブチレングリコール 10
キサンタンガム 0.1
アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム 1.5
共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80
防腐剤 適量
安定化剤 適量
精製水 残余