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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】射出成形機管理システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/17 20060101AFI20220808BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
B29C45/17
B29C45/76
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018065241
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019171785
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-11-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 昌博
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-202571(JP,A)
【文献】特開2002-132324(JP,A)
【文献】特開2007-114967(JP,A)
【文献】特開2016-124259(JP,A)
【文献】特開2004-145860(JP,A)
【文献】特開2008-305259(JP,A)
【文献】特開2016-210007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 - 45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転状態に基づいて信号灯を動作させる射出成形機と、
前記信号灯の動作に関する情報を取得する信号灯情報取得装置と、
前記射出成形機の運転状態を取得する上位管理装置と、を備え、
前記信号灯情報取得装置は、
前記信号灯の動作を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置で撮像された画像から前記信号灯の点灯パターンを取得する点灯パターン取得部と、
判定された前記点灯パターンから前記射出成形機の運転状態を判定する対象状態判定部と、を有し、
前記信号灯情報取得装置は、前記射出成形機の運転状態を前記上位管理装置に送信し、
前記上位管理装置は、前記信号灯情報取得装置から送信された前記射出成形機の運転状態を取得する、
射出成形機管理システム。
【請求項2】
前記射出成形機は、
運転状態を取得する状態取得部と、
取得された前記運転状態に基づいて前記信号灯の点灯パターンを決定する点灯パターン決定部と、
決定された前記点灯パターンで前記信号灯を動作させる信号灯制御部と、を有する
請求項1に記載の射出成形機管理システム。
【請求項3】
前記上位管理装置は、
前記射出成形機の運転状態をロギングデータとして記憶する記憶部を有する
請求項1または請求項2に記載の射出成形機管理システム。
【請求項4】
前記上位管理装置は、
前記ロギングデータに基づいて、管理指標を算出する算出部を有する
請求項3に記載の射出成形機管理システム。
【請求項5】
前記上位管理装置は、
前記射出成形機の運転状態を表示する表示部を有する
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機管理システム。
【請求項6】
前記上位管理装置は
前記射出成形機の運転状態及び前記管理指標を同時に表示する表示部を有する
請求項4に記載の射出成形機管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、射出成形機と上位コンピュータとを通信ケーブルで接続して、射出成形機から上位コンピュータに各種のデータを送信することが可能な成形機の監視・管理・制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-086531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、射出成形機と上位コンピュータを有線で通信するの場合、通信ケーブルを敷設する必要があるため設備コストが増加するという課題がある。また、射出成形機と上位コンピュータを無線により通信する場合であっても、射出成形機や射出成形機に付帯する装置等が動作する際に発生する電磁ノイズや電波干渉により、好適に通信できないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、簡易な構成で射出成形機の運転状態を取得する射出成形機管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様の射出成形機管理システムは、運転状態に基づいて信号灯を動作させる射出成形機と、前記信号灯の動作に関する情報を取得する信号灯情報取得装置と、記射出成形機の運転状態を取得する上位管理装置と、を備え、前記信号灯情報取得装置は、前記信号灯の動作を撮像する撮像装置と、前記撮像装置で撮像された画像から前記信号灯の点灯パターンを取得する点灯パターン取得部と、判定された前記点灯パターンから前記射出成形機の運転状態を判定する対象状態判定部と、を有し、前記信号灯情報取得装置は、前記射出成形機の運転状態を前記上位管理装置に送信し、前記上位管理装置は、前記信号灯情報取得装置から送信された前記射出成形機の運転状態を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成で射出成形機の運転状態を取得する射出成形機管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る射出成形機管理システムの構成模式図である。
図2】射出成形機の制御部の機能ブロック図である。
図3】射出成形機の表示部に表示される設定画面の一例を示す図である。
図4】射出成形機の表示部に表示される設定画面の一例を示す図である。
図5】上位管理装置の機能ブロック図である。
図6】射出成形機の制御部が実行する信号灯制御処理のフローチャートである。
図7】上位管理装置の制御部が実行する管理処理のフローチャートである。
図8】上位管理装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0010】
≪射出成形機管理システム≫
本実施形態に係る射出成形機管理システム400について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る射出成形機管理システム400の構成模式図である。
【0011】
図1に示すように、射出成形機管理システム400は、射出成形機100と、カメラ装置200と、上位管理装置300と、を備えている。
【0012】
<射出成形機>
図1は、射出成形機100は、主に、射出装置5及び型締装置6から構成される射出成形部と、入力・表示パネル部70と、信号灯80と、制御部90と、を備えている。
【0013】
射出装置5は、ホッパ50を通じて供給される樹脂を、ヒータ(図示せず。)によって温度制御される射出シリンダ51内で溶融・可塑化する。具体的には、射出装置5は、計量モータ(図示せず。)により射出シリンダ51内でスクリュ(図示せず。)を回転させ、溶融樹脂を射出シリンダ51の先端部に給送する。
【0014】
また、射出装置5は、射出シリンダ51の先端部に給送された溶融樹脂を金型装置52内のキャビティ空間(図示せず。)に射出する。具体的には、射出装置5は、射出カバー53内に設置される射出モータ(図示せず。)により射出シリンダ51の先端部に向かってスクリュを軸方向移動させ、溶融樹脂を射出シリンダ51の先端部からキャビティ空間内に射出する。金型装置52は、固定プラテン54に取り付けられる固定金型52aと、可動プラテン55に取り付けられる可動金型52bとで構成される。キャビティ空間は、可動金型52bを固定金型52aに接触させることによって形成される。
【0015】
型締装置6は、型開閉動作及び型締動作を実行する。具体的には、型締装置6は、ボールねじ機構等の運動変換機構56により、型締モータ57による回転運動を型開閉方向の直線運動に変換する。そして、型締装置6は、タイバー58に沿って可動プラテン55を固定プラテン54に近づけるように移動させ、可動金型52bを固定金型52aに接触させる。
【0016】
その後、型締装置6は、トグル機構等の倍力機構59により運動変換機構56による型締方向の力を増大させ、より大きな力で可動金型52bを固定金型52aに押し付ける。射出装置5は、この状態において、射出シリンダ51の先端部に給送された溶融樹脂を金型装置52内のキャビティ空間内に射出する。
【0017】
その後、所定時間が経過し、キャビティ空間内の溶融樹脂が冷えて固化した後、型締装置6は、タイバー58に沿って可動プラテン55を固定プラテン54から遠ざけるように移動させ、可動金型52bと固定金型52aとを分離する。
【0018】
その後、型締装置6は、エジェクタモータ60により可動金型52b内にエジェクタピン(図示せず。)を突出させ、固化した樹脂(成形品)を可動金型52bから押し出す。
【0019】
なお、運動変換機構56、型締モータ57、倍力機構59、エジェクタモータ60等は、固定式安全カバー61内に収容される。危険防止の観点から、操作者によるアクセスを制限するためである。一方で、金型装置52は、スライド式安全カバー62内に収容される。操作者による金型交換等の作業を行いやすくするためである。具体的には、操作者は、スライド式安全カバー62を図の左方向にスライドして固定式安全カバー61内に収容し、金型装置52の周囲を露出させる。
【0020】
また、射出装置5及び型締装置6は、フレーム63上に、操作者が作業しやすい高さに設置される。なお、フレーム63は、制御部90が収容される収容部64を含む。
【0021】
入力・表示パネル部70は、後述する図2に示すように、入力部71と、表示部72と、を備えている。入力部71は、制御部90と接続され、操作者による入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を制御部90に出力する。表示部72は、制御部90による制御下で、入力部71における入力操作に応じた操作画面を表示する。操作者は、表示部72で表示される操作画面を見ながら、入力部71を操作することにより射出成形機100の設定(設定値の入力を含む)などを行う。なお、入力・表示パネル部70は、例えばタッチパネルで構成され、入力部71と表示部72が一体化されてもよく、独立に設けられていてもよい。
【0022】
信号灯80は、制御部90による制御下で、点灯、消灯、または、点滅することにより、射出成形機100の運転状態を表示可能とする。なお、信号灯80は、例えば積層式の信号灯であって異なる色の信号灯が複数積層して設けられていてもよい。また、信号灯80は、積層されずに水平方向に複数設けられていてもよい。また、信号灯80は、同色の信号灯であってもよく、1灯であってもよい。ちなみに、信号灯80は、固定式安全カバー61の上面に設けられているものとして図示しているが、取り付ける位置はこれに限定されるものではない。
【0023】
図2は、射出成形機100の制御部90の機能ブロック図である。なお、図2(および後述する図5)に図示される各機能ブロックは概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。各機能ブロックの全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。各機能ブロックにて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUにて実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
【0024】
制御部90は、状態取得部91と、点灯パターン決定部92と、信号灯制御部93と、点灯パターン設定部94と、記憶部95と、を備えている。
【0025】
状態取得部91は、射出成形機100の運転状態を取得する。なお、射出成形機100の運転状態は、例えば「全自動運転中」、「半自動運転中」、「手動運転中」、「停止中」、「昇温中」に区分されていてもよい。また、射出成形機100の運転状態を「段取中」、「準備中」、「運転中」、「計画停止」、「計画外停止」に区分されていてもよい。
【0026】
なお、「段取中」とは、例えば、金型の交換を待っている状態および金型を交換している状態である。「準備中」とは、例えば、条件出しや慣らしのために射出成形機100を運転している状態である。「運転中」とは、例えば、射出成形機100を運転している状態である。「計画停止」とは、例えば、所定の回数動作して射出成形機100が運転停止している状態である。「計画外停止」とは、例えば、所定の回数動作する前に射出成形機100または周辺機器に異常が発生したため停止している状態である。
【0027】
点灯パターン決定部92は、状態取得部91で取得した射出成形機100の運転状態に基づいて、信号灯80の点灯パターンを決定する。ここで、記憶部95には、射出成形機100の運転状態と信号灯80の点灯パターンとを対応付けした点灯パターンテーブルが記憶されている。また、点灯パターンとは、信号灯80の点灯・消灯・点滅等の状態を示すものであり、信号灯80が異なる色の信号灯が積層して構成されている場合には、各色の信号灯ごとに点灯・消灯・点滅等の状態が設定されている。このように、点灯パターン決定部92は、射出成形機100の運転状態および記憶部95に記憶された点灯パターンテーブルに基づいて、信号灯80の点灯パターンを決定する。
【0028】
信号灯制御部93は、点灯パターン決定部92で決定した点灯パターンに基づいて、信号灯80の点灯・消灯・点滅等を制御する。
【0029】
点灯パターン設定部94は、入力・表示パネル部70の入力部71を通じた操作者による操作入力に応じて、入力・表示パネル部70の表示部72に点灯パターンの設定画面を表示する。また、操作者が入力した運転状態と点灯パターンとの対応付けを点灯パターンテーブルとして、記憶部95に記憶させる。
【0030】
記憶部95は、CPUで実行されるプログラムや各種テーブル等が記憶されている。なお、点灯パターンテーブルは、あらかじめ設定されていてもよく、操作者が任意に設定できるようになっていてもよい。
【0031】
ここで、図3および図4を用いて、射出成形機100の運転状態と信号灯80の点灯パターンとを対応付けして設定する方法について説明する。図3および図4は、点灯パターン設定部94により射出成形機100の表示部72に表示される設定画面の一例を示す図である。なお、図3および図4に示す例では、信号灯80が赤黄緑青の4灯で構成されている場合を例に図示している。
【0032】
設定画面700は、信号灯80の各色ごとにモード711(射出成形機100の運転状態)と、信号灯の点灯・点滅712と、を対応付けして設定することができるようになっている。また、ブザー713の動作も設定することができるようになっている。例えば、赤の第1行目は、射出成形機100の運転状態が「計画外停止」となった場合、赤色信号灯を「点滅タイプ01」の点灯パターンで点滅させ、ブザーを「サウンド01」で鳴らすことを示している。また、黄の第1行目は、射出成形機100の運転状態が「計画停止」となった場合、黄色信号灯を「常時」の点灯パターンで点灯させ、ブザーを「サウンド02」で鳴らすことを示している。
【0033】
また、図3に示すように、設定画面700において、モード711の入力セルを選択することにより、選択可能な運転状態の一覧を有するポップアップメニュー721が現れる。操作者は、ポップアップメニュー721の中から設定したい運転状態のボタンを選択することにより、選択した運転状態をセルに登録することができる。
【0034】
また、図4に示すように、設定画面700において、点灯・点滅712の入力セルを選択することにより、選択可能な点灯パターンの一覧を有するポップアップメニュー722が現れる。操作者は、ポップアップメニュー722の中から設定したい点灯パターンのボタンを選択することにより、選択した点灯パターンをセルに登録することができる。また、図示は省略するが、ブザー713についても同様に設定することができる。
【0035】
<カメラ装置>
図1に戻り、カメラ装置200は、射出成形機100が設置される施設内に設置されており、少なくとも射出成形機100の信号灯80が撮像可能に配置されている。なお、カメラ装置200は、光学カメラであってもよく、赤外線カメラであってもよく、限定されるものではない。カメラ装置200の映像信号は上位管理装置300へと送信される。なお、1台のカメラ装置200で複数の射出成形機100の信号灯80を撮像していてもよい。
【0036】
なお、本実施形態においては、信号灯80の動作に関する情報を取得する信号灯情報取得装置として、信号灯80の動作を撮像する撮像装置であるカメラ装置200を用いるものとして説明するが、これに限られるものではない。信号灯情報取得装置は、信号灯80の動作に関する情報を取得する装置であればカメラ装置200に限らずどのような装置であってもよい。
【0037】
<上位管理装置>
図5は、上位管理装置300の機能ブロック図である。上位管理装置300は、入力部310と、表示部320と、制御部330と、を備えている。
【0038】
入力部310は、制御部330と接続され、操作者による入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を制御部330に出力する。表示部320は、制御部330による制御下で、射出成形機100の運転状態等を表示する状態表示画面などを表示する。操作者は、入力部310を操作することにより要求する表示画面を表示部320に表示させることができる。
【0039】
制御部330は、画像取得部331と、点灯パターン取得部332と、対象状態判定部333と、算出部334と、表示画面生成部335と、判定情報設定部336と、記憶部337と、を備えている。
【0040】
画像取得部331は、カメラ装置200から画像を取得する。
【0041】
点灯パターン取得部332は、画像取得部331で取得した画像から、射出成形機100が備える信号灯80の点灯パターンを取得する。例えば、記憶部337には、画像上の位置(座標)と、射出成形機100を識別する識別情報と、が対応付けした画像位置テーブルが格納されている。点灯パターン取得部332は、画像位置テーブルに基づいて、画像上の位置における色変化を取得するとこで、識別情報で特定される射出成形機100の信号灯80の点灯パターンを取得する。なお、点灯パターンの判定方法は、これに限られるものではなく、画像認識等により信号灯80の位置を特定し、その色変化を取得することで、射出成形機100が備える信号灯80の点灯パターンを取得してもよい。
【0042】
対象状態判定部333は、点灯パターン取得部332で取得した点灯パターンに基づいて、射出成形機100の運転状態を判定する。ここで、記憶部337には、射出成形機100の運転状態と信号灯80の点灯パターンとを対応付けした点灯パターンテーブルが格納されている。対象状態判定部333は、点灯パターン取得部332で取得した点灯パターンおよび記憶部337に記憶された点灯パターンテーブルに基づいて、射出成形機100の運転状態を判定する。また、対象状態判定部333は、判定した射出成形機100の運転状態を記憶部337にロギングデータとして記憶させる。
【0043】
算出部334は、ロギングされた射出成形機100の運転状態に基づいて、表示部320に表示する各種の管理指標を算出する。算出する管理指標としては、例えば、過去24時間における運転状態の割合を算出する。また、管理指標として、稼働率や可働率などを算出するように構成してもよい。
【0044】
表示画面生成部335は、表示部320に表示する表示画面を生成する。
【0045】
判定情報設定部336は、入力部310を通じた操作者による操作入力に応じて、表示部320に点灯パターンの設定画面を表示し、操作者が入力した運転状態と点灯パターンとの対応付けを点灯パターンテーブルとして、記憶部337に記憶させる。なお、射出成形機100の記憶部95に記憶される点灯パターンテーブルと、上位管理装置300の記憶部337に記憶される点灯パターンテーブルとは、対応するように設定される。
【0046】
また、判定情報設定部336は、画像位置テーブルを設定する設定画面を表示し、操作者が入力した画像上の位置と射出成形機100を識別する識別情報との対応付けを画像位置テーブルとして、記憶部337に記憶させる。
【0047】
記憶部337は、制御部330のCPUで実行されるプログラムや各種テーブル等が記憶されている。なお、射出成形機100の記憶部95の点灯パターンテーブルと、上位管理装置300の記憶部337の点灯パターンテーブルとは、対応している。なお、射出成形機100および上位管理装置300にプリセットされている設定(点灯パターンテーブル)を用いてもよく、射出成形機100および上位管理装置300のそれぞれに操作者が入力してもよく、外部記憶装置を介して設定(点灯パターンテーブル)をコピーしてもよく、その他の方法であってもよい。
【0048】
≪射出成形機管理システムの動作≫
次に、射出成形機管理システム400の動作について、図6および図7を用いて説明する。図6は、射出成形機100の制御部90が実行する信号灯制御処理のフローチャートである。ステップS101において、状態取得部91は、射出成形機100の運転状態を取得する。ステップS102において、点灯パターン決定部92は、状態取得部91で取得した射出成形機100の運転状態に基づいて、信号灯80の点灯パターンを決定する。ステップS103において、信号灯制御部93は、点灯パターン決定部92で決定した点灯パターンに基づいて、信号灯80の点灯・消灯・点滅等を制御する。
【0049】
図7は、上位管理装置300の制御部330が実行する管理処理のフローチャートである。ステップS201において、画像取得部331は、カメラ装置200から画像を取得する。ステップS202において、点灯パターン取得部332は、画像取得部331で取得した画像から、射出成形機100が備える信号灯80の点灯パターンを取得する。ステップS203において、対象状態判定部333は、点灯パターン取得部332で取得した点灯パターンに基づいて、射出成形機100の運転状態を判定する。ステップS204において、対象状態判定部333は、判定した射出成形機100の運転状態を記憶部337にロギングデータとして記憶させる。ステップS205において、算出部334は、ロギングされた射出成形機100の運転状態に基づいて、管理指標を算出する。ステップS206において、表示画面生成部335は、表示画面を生成し、生成した表示画面を表示部320に表示する。
【0050】
図8は、上位管理装置300の表示部320に表示される表示画面の一例を示す図である。表示画面800は、管理対象である射出成形機100の現在の運転状態を表示する運転状態表示領域810と、算出部334で算出された管理指標を表示する管理指標表示領域820と、を有している。
【0051】
運転状態表示領域810には、管理対象である射出成形機100と一対一に対応する表示領域811が設けられている。また、点灯パターン取得部332により射出成形機100が備える信号灯80が点灯・点滅等していることを検知した場合、信号灯80の点灯パターン(色や点灯・点滅)を再現したアイコン812が表示される。このような構成により、管理者は、現在の射出成形機100の運転状態を表示画面800を見ることで確認することができる。
【0052】
管理指標表示領域820には、算出部334で算出された管理指標情報821が表示される。図8の例では、管理指標情報821として過去24時間における運転状態の割合を円グラフで示している。このような構成により、管理者は、射出成形機100の運転状態の傾向を把握することができるので、生産管理や保守管理に利用することができる。
【0053】
以上、本実施形態に係る射出成形機管理システム400によれば、簡易な構成で射出成形機100の運転状態を取得する管理システムを構築することができる。また、射出成形機100から上位管理装置300へと通信する通信ケーブルを設けなくても、上位管理装置300は射出成形機100の運転状態を取得して管理することができるので、通信ケーブルを敷設する設備コストを削減することができる。また、射出成形機100や射出成形機100に付帯する装置等が動作する際に電磁ノイズが発生しても、カメラ装置200の映像から運転状態を取得することができるので、ノイズ耐性の高い管理システムを構築することができる。
【0054】
また、上位管理装置300が通信回線と接続され、スマートフォン等の携帯情報端末に運転状態や管理指標を送信するように構成してもよい。これにより、管理者が遠隔地にいる場合でも、射出成形機100の運転状態を管理することができる。
【0055】
また、上位管理装置300と、射出成形機100に付帯する装置とがネットワークで接続され、射出成形機100の運転状態に応じて付帯する装置を操作するように構成してもよい。これにより、通信機能を有しない射出成形機100であっても、上位管理装置300を介して付帯する装置の動作を制御することができる。
【0056】
なお、上位管理装置300の制御部330は、対象状態判定部333で判定した射出成形機100の運転状態をロギングするもとして説明したが、点灯パターン取得部332で取得した射出成形機100が備える信号灯80の点灯パターンをロギングする構成であってもよい。
【0057】
また、カメラ装置200は、撮像した画像を上位管理装置300に送信するものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、カメラ装置200が点灯パターン取得部332の機能を備えることにより、取得した点灯パターンを上位管理装置300に送信するようにしてもよい。また、カメラ装置200が点灯パターン取得部332および対象状態判定部333の機能を備えることにより、射出成形機100の運転状態を上位管理装置300に送信するようにしてもよい。これにより、カメラ装置200から上位管理装置300に送信する情報量を削減することができる。
【0058】
以上、射出成形機の実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【符号の説明】
【0059】
400 射出成形機管理システム
100 射出成形機
70 入力・表示パネル部
80 信号灯
90 制御部
91 状態取得部
92 点灯パターン決定部
93 信号灯制御部
94 点灯パターン設定部
95 記憶部
200 カメラ装置(信号灯情報取得装置、撮像装置)
300 上位管理装置
310 入力部
320 表示部
330 制御部
331 画像取得部
332 点灯パターン取得部
333 対象状態判定部
334 算出部
335 表示画面生成部
336 判定情報設定部
337 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8