(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】ボールペン
(51)【国際特許分類】
B43K 7/10 20060101AFI20220808BHJP
B43K 7/00 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
B43K7/10 100
B43K7/00 100
(21)【出願番号】P 2018161990
(22)【出願日】2018-08-30
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】星野 貴宣
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-240281(JP,A)
【文献】特開2012-030405(JP,A)
【文献】特開2011-000813(JP,A)
【文献】特開2012-240299(JP,A)
【文献】特開2009-297913(JP,A)
【文献】特開2004-249647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 1/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップと、前記ボールペンチップのボールにインキを供給する棒状のインキ誘導部材と、前記インキ誘導部材の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキ吸蔵体と前記インキタンクとの間を接続する、内部に流通路を有する連通管とを備えたボールペンであって、前端に前記ボールペンチップが固着され且つ内部に前記インキ吸蔵体の前端部が収容される前軸を備え、前記前軸の前端に前端孔が軸方向に貫設され、前記前端孔の内面に軸方向に延びる複数本のリブが周方向に等間隔に一体に形成され、前記リブの前部に前記ボールペンチップの外面が圧接保持され、前記リブの前部と前記リブの後部との間に段部が形成され、前記段部と前記ボールペンチップの後端とが当接され、前記リブの後部と前記インキ誘導部材の外面とが近接され、前記ボールペンチップの外面と前記前端孔の内面との間の前記リブの相互間に、前記前軸の内部と外気とが連通可能な空気通路が形成され、前記空気通路が前軸の前端より前方に開口され
、前記前軸の前端部内面に後方に突出する筒状突出部が一体に形成され、前記前軸の前端から前記筒状突出部の後端までの間に前記前端孔が軸方向に貫通され、前記ボールペンチップの後端が前記筒状突出部の内面に位置されることを特徴とするボールペン。
【請求項2】
前記リブの後部の軸心方向の頂部に接する仮想内接円の直径がボールペンチップの後端開口部内径と略一致してなる請求項1に記載のボールペン。
【請求項3】
前記リブの肉厚が後方に向かうに従い厚肉に形成される請求項1
または2に記載のボールペン。
【請求項4】
前端にボールが回転可能に抱持されたボールペンチップと、前記ボールペンチップのボールにインキを供給する棒状のインキ誘導部材と、前記インキ誘導部材の後端に接続されるインキ吸蔵体とを備えたボールペンであって、前端に前記ボールペンチップが固着され且つ内部に前記インキ吸蔵体の前端部が収容される前軸を備え、前記前軸の前端に前端孔が軸方向に貫設され、前記前端孔の内面に軸方向に延びる複数本のリブが周方向に等間隔に一体に形成され、前記リブの前部に前記ボールペンチップの外面が圧接保持され、前記リブの前部と前記リブの後部との間に段部が形成され、前記段部と前記ボールペンチップの後端とが当接され、前記リブの後部と前記インキ誘導部材の外面とが近接され、前記ボールペンチップの外面と前記前端孔の内面との間の前記リブの相互間に、前記前軸の内部と外気とが連通可能な空気通路が形成され、前記空気通路が前軸の前端より前方に開口され
、前記前軸の前端部内面に後方に突出する筒状突出部が一体に形成され、前記前軸の前端から前記筒状突出部の後端までの間に前記前端孔が軸方向に貫通され、前記ボールペンチップの後端が前記筒状突出部の内面に位置されることを特徴とするボールペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールペンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、前記連通管の各々の前端が開口され、前記連通管の各々の前端が前記インキ吸蔵体の内部前方に位置し、前記ペン先の後端が前記インキ吸蔵体の内部前方に位置してなることを特徴とする直液式筆記具が開示されている。さらに、特許文献1の実施例(
図4)には、インキ誘導部材の後端が、インキ吸蔵体の前端より突き刺し挿入され且つインキ吸蔵体の内部前方に位置されたボールペンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載されたボールペンは、ボールペンチップより後方に突出されたインキ誘導部材の後部が、インキ吸蔵体に突き刺し挿入される際に折れ曲がるおそれがある。また、前記特許文献1に記載されたボールペンは、空気孔が先部材(本願の前軸に相当)の側壁に穿設されているため、先部材(前軸)外面におけるキャップとの気密嵌合部の位置を空気孔より後方に位置させる必要があり、前記先部材(前軸)の外面の気密嵌合部の位置を自由に設定することができない。さらに、前記特許文献1に記載されたボールペンは、先部材の側壁に形成された空気孔により前軸の前端部の外観性が損なわれるおそれがある。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、ボールペンチップより後方に突出されたインキ誘導部材の後部が、インキ吸蔵体に突き刺し挿入される際に折れ曲がるおそれがなく、また、前記前軸の外面の気密嵌合部の位置を自由に設定することができ、さらに、前軸の前端部の外観性が損なわれることがないボールペンを提供しようとするものである。
【0006】
尚、本発明で、「前」とは、ペン先ボール側を指し、「後」とは、その反対側を指す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1の発明は、前端にボール21が回転可能に抱持されたボールペンチップ2と、
前記ボールペンチップ2のボール21にインキを供給する棒状のインキ誘導部材3と、
前記インキ誘導部材3の後端に接続されるインキ吸蔵体4と、
前記インキ吸蔵体4の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンク5と、
前記インキ吸蔵体4と前記インキタンク5との間を接続する、内部に流通路63を有する連通管6とを備えたボールペンであって、
前端に前記ボールペンチップ2が固着され且つ内部に前記インキ吸蔵体4の前端部が収容される前軸8を備え、
前記前軸8の前端に前端孔81が軸方向に貫設され、
前記前端孔81の内面に軸方向に延びる複数本のリブ82が周方向に等間隔に一体に形成され、前記リブ82の前部にボールペンチップ2の外面が圧接保持され、前記リブ82の前部と前記リブ82の後部との間に段部82aが形成され、前記段部82aと前記ボールペンチップ2の後端とが当接され、前記リブ82の後部と前記インキ誘導部材3の外面とが近接され、
前記ボールペンチップ2の外面と前記前端孔81の内面との間の前記リブ82の相互間に、前記前軸8の内部と外気とが連通可能な空気通路9が形成され、前記空気通路9が前軸8の前端より前方に開口されることを要件とする。
【0008】
前記第1の発明のボールペン1は、前記前軸8の前端に前端孔81が軸方向に貫設され、前記前端孔81の内面に軸方向に延びる複数本のリブ82が周方向に等間隔に一体に形成され、前記リブ82の前部にボールペンチップ2の外面が圧接保持され、前記リブ82の前部と前記リブ82の後部との間に段部82aが形成され、前記段部82aと前記ボールペンチップ2の後端とが当接され、前記リブ82の後部と前記インキ誘導部材3の外面とが近接され、前記ボールペンチップ2の外面と前記前端孔81の内面との間の前記リブ82の相互間に、前記前軸8の内部と外気とが連通可能な空気通路9が形成され、前記空気通路9が前軸8の前端より前方に開口されることにより、ボールペンチップ2より後方に突出されたインキ誘導部材3の後部が、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際に折れ曲がるおそれがなく、また、前軸8の外面の気密嵌合部の位置を自由に設定することができ、さらに、前軸8の前端部の外観性が損なわれることがない。
【0009】
本願の第2の発明は、前記第1の発明のボールペンにおいて、前記リブ82の後部の軸心方向の頂部に接する仮想内接円の直径がボールペンチップ2の後端開口部内径と略一致してなることを要件とする。
【0010】
前記第2の発明のボールペン1は、前記リブ82の後部の軸心方向の頂部に接する仮想内接円の直径がボールペンチップ2の後端開口部内径と略一致してなることにより、段部82a(リブ82の後部の前端)でボールペンチップ2の後端を安定して支持できるとともに、リブ82の後部をインキ誘導部材3の外面にできる限り近接させることができ、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際のインキ誘導部材3の後部の折れ曲がりを一層防止できる。
【0011】
本願の第3の発明は、前記第1または第2の発明のボールペンにおいて、前記前軸8の前端部内面に後方に突出する筒状突出部84が一体に形成され、前記前軸8の前端から前記筒状突出部84の後端までの間に前記前端孔81が軸方向に貫通され、前記ボールペンチップ2の後端が前記筒状突出部84の内面に位置されることを要件とする。
【0012】
前記第3の発明のボールペン1は、前記前軸8の前端部内面に後方に突出する筒状突出部84が一体に形成され、前記前軸8の前端から前記筒状突出部84の後端までの間に前記前端孔81が軸方向に貫通され、前記ボールペンチップ2の後端が前記筒状突出部84の内面に位置されることにより、ボールペンチップ2の外面とリブ82の前部との前後方向の十分な長さの圧接領域を確保でき、ボールペンチップ2の外面を安定して保持することができる。
【0013】
本願の第4の発明は、前記第1、第2または第3の発明のボールペンにおいて、前記リブ82の肉厚Vが後方に向かうに従い厚肉に形成されることを要件とする。
【0014】
前記第4の発明のボールペン1は、前記リブ82の肉厚Vが後方に向かうに従い厚肉に形成されることにより、リブ82の前部が比較的薄肉となるため、リブ82の径方向の突出量を小さくしても、リブ82の前部とボールペンチップ2の外面との間で十分な空気通路9を安定して確保でき、しかも、リブ82の後部が比較的厚肉となるため、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際にリブ82の後部がインキ誘導部材3の外面を安定して支持でき、インキ誘導部材3の折れ曲がりを一層防止できる。
【0015】
本願の第5の発明は、前端にボール21が回転可能に抱持されたボールペンチップ2と、
前記ボールペンチップ2のボール21にインキを供給する棒状のインキ誘導部材3と、
前記インキ誘導部材3の後端に接続されるインキ吸蔵体4とを備えたボールペンであって、
前端に前記ボールペンチップ2が固着され且つ内部に前記インキ吸蔵体4の前端部が収容される前軸8を備え、
前記前軸8の前端に前端孔81が軸方向に貫設され、
前記前端孔81の内面に軸方向に延びる複数本のリブ82が周方向に等間隔に一体に形成され、前記リブ82の前部にボールペンチップ2の外面が圧接保持され、前記リブ82の前部と前記リブ82の後部と間に段部82aが形成され、前記段部82aと前記ボールペンチップ2の後端とが当接され、前記リブ82の後部と前記インキ誘導部材3の外面とが近接され、
前記ボールペンチップ2の外面と前記前端孔81の内面との間の前記リブ82の相互間に、前記前軸8の内部と外気とが連通可能な空気通路9が形成され、前記空気通路9が前軸8の前端より前方に開口されることを要件とする。
【0016】
前記第5の発明のボールペン1は、前記前軸8の前端に前端孔81が軸方向に貫設され、
前記前端孔81の内面に軸方向に延びる複数本のリブ82が周方向に等間隔に一体に形成され、前記リブ82の前部にボールペンチップ2の外面が圧接保持され、前記リブ82の前部と前記リブ82の後部と間に段部82aが形成され、前記段部82aと前記ボールペンチップ2の後端とが当接され、前記リブ82の後部と前記インキ誘導部材3の外面とが近接され、前記ボールペンチップ2の外面と前記前端孔81の内面との間の前記リブ82の相互間に、前記前軸8の内部と外気とが連通可能な空気通路9が形成され、前記空気通路9が前軸8の前端より前方に開口されることにより、ボールペンチップ2より後方に突出されたインキ誘導部材3の後部が、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際に折れ曲がるおそれがなく、また、前軸8の外面の気密嵌合部の位置を自由に設定することができ、さらに、前軸8の前端部の外観性が損なわれることがない。
【発明の効果】
【0017】
本発明のボールペンは、ボールペンチップより後方に突出されたインキ誘導部材の後部が、インキ吸蔵体に突き刺し挿入される際に折れ曲がるおそれがなく、また、前軸の外面の気密嵌合部の位置を自由に設定することができ、さらに、前軸の前端部の外観性が損なわれることがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態のボールペンの縦断面図である。
【
図7】
図1のボールペンチップ部分の拡大縦断面図である。
【
図12】本発明の他の実施の形態のボールペンの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態のボールペンを
図1乃至
図11に示す。
本実施の形態のボールペン1は、
図1に示すように、ボールペンチップ2と、ボールペンチップ2のボール21にインキを供給する棒状のインキ誘導部材3と、インキ誘導部材3の後端に接続されるインキ吸蔵体4と、インキ吸蔵体4の後方に配置される中間部材7と、中間部材7の後方に配置されるインキタンク5となる後軸と、後軸の前端部と連結され且つ前端部にボールペンチップ2が保持された前軸8と、ボールペンチップ2側に着脱自在に設けられるキャップ(図示せず)とからなる。前軸8の内部に、インキ吸蔵体4及び中間部材7が収容される。本実施の形態では、前軸8に内部にインキ吸蔵体4の全体が収容されているが、これ以外にも、前軸8に内部にインキ吸蔵体4の前端部のみが収容される構成またはインキ吸蔵体4の前部のみが収容される構成でもよい。
【0020】
・ボールペンチップ
ボールペンチップ2は、チップ本体22と、該チップ本体22の前端に回転可能に抱持されたボール21とからなる。チップ本体22の前端部は、先細状に形成される。チップ本体22は金属(例えばステンレス鋼)または合成樹脂(例えばポリアセタール樹脂)により得られる。チップ本体22が金属材料からなる場合、ボール21を抱持するチップ本体22の前端部のボール抱持部のボール受け座は、切削加工または塑性加工により得られ、ボール抱持部の内向きの前端縁部は塑性加工により得られる。チップ本体22が合成樹脂からなる場合、ボール21を抱持するチップ本体22の前端のボール抱持部は、射出成形により得られる。ボールペンチップ2は、前軸8の前端孔81に圧入固着される。ボールペンチップ2のボール21の直径は、0.3mm~1.0mmの範囲のものが採用される。
【0021】
・インキ誘導部材
インキ誘導部材3は合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等)の樹脂加工により得られる棒状体である。
図2に示すように、インキ誘導部材3の前端部は、先細状に形成され、ボールペンチップ2の後方から挿入される。インキ誘導部材3の前端部は、ボール21の背面に接するボール受け座の軸心のインキ導出孔内に配置される。インキ誘導部材3の後端部は、チップ本体22の後端より後方に大きく突出される。インキ誘導部材3の後端面31は、軸線に対して垂直な平面状に形成される。
【0022】
図7に示すように、チップ本体22の側壁には、径方向内方に突出する複数(具体的には周方向に等間隔に配置された4個)の内方突出部22aが形成される。内方突出部22aがインキ誘導部材3の外面に圧接される。それにより、インキ誘導部材3の外面がチップ本体22の側壁内面に確実に保持され、ボールペンチップ2内のインキ誘導部材3の前後方向のがたつきを防止し、インキ誘導部材3の前端とボール21との安定したインキ接続状態を得る。
本実施の形態では、インキ誘導部材3の後端部の外径Sは、1.5mmに設定される。本実施の形態では、インキ誘導部材3は、インキ吸蔵体4の前端より軸方向後方に23mmの長さ分が、インキ吸蔵体4に突き刺し状に挿入される。
【0023】
・インキ吸蔵体
インキ吸蔵体4は、円柱状の合成樹脂製繊維束(例えば、ポリエステル繊維束)の加工体からなる。インキ吸蔵体4の外周面には合成樹脂製の円筒状の外皮が被覆される。インキ吸蔵体4の前端面61の軸心にインキ誘導部材3の後端部が突き刺し挿入され、インキ誘導部材3の後端がインキ吸蔵体4の後端近傍内部に位置される。本実施の形態では、インキ吸蔵体4は、外径が7mm、軸方向の長さが30mmに設定される。
【0024】
・中間部材
中間部材7は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形より得られる。
図2に示すように、中間部材7は、インキ吸蔵体4とインキタンク5とを区画する隔壁71と、隔壁71の前面より前方に突出され且つインキ吸蔵体4の内部に突き刺し接続される複数本(具体的には2本)の連通管6と、隔壁71の後面より後方に突出され且つ前軸8内面に嵌着される筒状取付部72と、筒状取付部72より後方に突出され且つインキタンク5の前端開口部に嵌着される接続管73とを備える。筒状取付部72の外径は接続管73の外径より大きく設定される。前軸8及び隔壁71によって形成される空間(即ち吸蔵体収容部)に、インキ吸蔵体4が収容される。
【0025】
本実施の形態において、隔壁71は円板状であり、筒状取付部72、及び接続管73は円筒状である。
【0026】
隔壁71、各々の連通管6、接続管73、及び筒状取付部72は一体に連設される。即ち、中間部材7により、隔壁71、連通管6、接続管73、及び筒状取付部72を1部品で構成できる。
【0027】
・連通管
連通管6の各々の内部には、軸方向に流通路63が設けられ、流通路63が、連通管6の各々の両端にて開口される。連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体4の内部に開口され、連通管6の各々の後端は、接続管73を介してインキタンク5内に開口される。各々の連通管6は、インキ吸蔵体4とインキタンク5との間に並列に配置されるため、インキ吸蔵体4と、その後方のインキタンク5との間に、独立した複数本の流通路63が並列に設けられる。連通管6の各々の流通路63は、筒状取付部72及び接続管73の内部に位置する隔壁71の、軸心より離れた箇所に貫通される。なお、これ以外に、連通管6の流通路63は、各々の連通管6の前端の複数の開口部62の近傍まで単一の流通路63により形成され、その単一の流通路63に各々の開口部62が連通される構成でもよい。
【0028】
・連結部
各々の連通管6の側壁の相互間は連結部64により一体に連結される。連結部64の前端は各々の連通管6の前端と前後方向の位置が一致される。各々の連通管6の前端面61は、軸線に対して垂直な一つの連続した平面状に形成され、各々の連通管6の開口部62を有する。各々の連通管6の前端面61は、外側の形状が扁平楕円形状である。連通管6の前端面61の中央領域61a(連結部64)の中心において、開口部62の相互間を結ぶ仮想直線に対して垂直方向の幅寸法T(連結部64の幅寸法)は、2.8mmに設定され、インキ誘導部材3の後端面31の外径S(1.5mm)より大きく設定される。各々の連通管6の前端面61の開口部62は、インキ吸蔵体4の軸心から径方向外方に離れた位置に配置される。詳細には、各々の連通管6の前端面61の開口部62は、インキ吸蔵体4の軸心を中心とする同一円周上に等間隔で配置される。本実施の形態では、連通管6は2本であるので、連通管6はインキ吸蔵体4の軸心に対して180度対称位置に配置される。
【0029】
・流通路内面のリブ
図4に示すように、各々の連通管6内部の流通路63内面には、径方向内方に突出し且つ軸方向に延びるリブ63aが一体に形成される。リブ63aは、各々の連通管6の内部の流通路63の内面に複数本(具体的には2本)設けられているが、これ以外にも1本でもよい。また、リブ63aは、各々の連通管6の流通路63の内面の片側のみに形成されているが、各々の流通路63の全周に等間隔で複数本、形成されてもよい。リブ63aにより、連通管6の前端面61の各々の開口部62から高密度部41を介してインキ誘導部材3の後端面31に、より一層、迅速にインキを供給できるとともに、インキタンク5の内圧低下時、円滑な空気取り込みが可能となる。連通管6の各々の流通路63の内径(リブ63aを除く部分の内径)は1.4mmに設定される。
【0030】
・隔壁前面のリブ
図2、
図5、及び
図6に示すように、隔壁71前面及び連通管6の後部外面には、軸方向に延びる複数本(具体的には4本)のリブ71aが周方向に等間隔に形成される。リブ71aの前端にインキ吸蔵体4の後端面が当接される。リブ71aの前端から前方に突出する連通管6が、インキ吸蔵体4の後端面よりインキ吸蔵体4の内部に没入される。
【0031】
・高密度部
各々の連通管6の前端面61は、連結部64の前端面61を含み、軸線に対して垂直な一つの連続した平面状に形成される。インキ誘導部材3の後端面31は、軸線に対して垂直な平面状に形成される。各々の連通管6の前端部は、インキ吸蔵体4の後端面より前方にインキ吸蔵体4内に挿入される。各々の連通管6の前端面61は、インキ吸蔵体4の後端面より前方に位置される。各々の連通管6の前端面61からインキ吸蔵体4の後端面までの軸方向の長さは、2mm~8mmの範囲に設定される。各々の連通管6の前端面61の開口部62の相互間の中央領域61aが、インキ誘導部材3の後端面31の軸方向後方に位置される。各々の連通管6の前端面61の開口部62の相互間の中央領域61aと、インキ誘導部材3の後端面31とによって、インキ吸蔵体4の後端部近傍が軸方向に挟持圧縮される。それにより、各々の連通管6の前端面61の開口部62の相互間の中央領域61aと、インキ誘導部材3の後端面31との間のインキ吸蔵体4の後端部近傍に高密度部41が形成される。
【0032】
高密度部41において、インキ吸蔵体4の繊維密度が、他の部分のインキ吸蔵体4の繊維密度よりも高く設定される。即ち、インキ吸蔵体4内部の後端部近傍において繊維密度の高い高密度部41(毛細管力の大きい高密度部41)が形成されるとともに、インキ吸蔵体4内部の高密度部41より前方に繊維密度の低い低密度部42(毛細管力の小さい低密度部42)が形成される。それにより、インキ吸蔵体4内部におけるインキを、低密度部42よりも高密度部41に、優先して含浸させることができ、含浸インキによって各々の連通管6の前端面61の開口部62を確実に液シールでき、インキタンク5のインキがボールペンチップ2側より過剰に漏出することを防止できる。
【0033】
インキ誘導部材3の後端面31は、インキ吸蔵体4の前端からインキ吸蔵体4の長手方向の全長の65%~90%(好ましくは70%~85%)の長さ分だけ離れた位置にあることが有効である。各々の連通管6の前端面61は、インキ吸蔵体4の後端からインキ吸蔵体4の長手方向の全長の5%~25%(好ましくは10%~20%)の長さ分だけ離れた位置にあることが有効である。本実施の形態では、インキ誘導部材3の後端面31は、インキ吸蔵体4の前端から23mmの位置にある。各々の連通管6の前端面61は、インキ吸蔵体4の後端から4mmの位置にある。インキ誘導部材3の後端面31と各々の連通管6の前端面61との間のインキ吸蔵体4内部の軸方向の長さ3mmの領域に高密度部41が形成される。
【0034】
・前軸
前軸8は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる円筒状体である。前軸8は、ボールペンチップ2の後部外周面が圧入固着される前端孔81を有する先細部と、該先細部より後方に連設され、インキ吸蔵体4及び中間部材7が収容される本体部とからなる。前軸8(本体部)の後端開口部外面と、後軸(インキタンク5)の前端開口部とが圧入固着される。前端孔81は前軸8の前端に軸方向に貫設される。
【0035】
・リブ
前軸8の前端孔81の内面に径方向内方に突出し且つ軸方向に延びる複数本(具体的には4本)のリブ82が周方向に等間隔に一体に形成される。リブ82を有する前端孔81にボールペンチップ2の後部が圧入される。リブ82の前部は、ボールペンチップ2の外面が径方向に圧接保持される。リブ82の後部とインキ誘導部材3の外面とが径方向に近接され、リブ82の後部にインキ誘導部材3が遊挿される。リブ82の前部と後部の間に段部82aが形成され、段部82aにボールペンチップ2の後端が軸方向に当接される。
【0036】
前端孔81の内面とボールペンチップ2の外面との間のリブ82の相互間に空気通路9が形成される。空気通路9を通ってインキタンク5内部に外気が取り込まれる。空気通路9が前軸8の前端より前方に開口される。本実施の形態では、リブ82の前部とボールペンチップ2外面との間に形成される空気通路9の径方向の間隙寸法は、後方に向うに従い小さくなり、前端が0.15mm、後端が0.09mmに設定される。また、リブ82の後部とインキ誘導部材3外面との間の間隙寸法は軸方向にわたり略一定の0.05mmに設定される。
【0037】
リブ82の後部の軸心方向の頂部に接する仮想内接円の直径は、ボールペンチップ2の後端開口部内径と略一致してなる。また、リブ82の肉厚Vは後方に向かうに従い厚肉に形成される。本実施の形態では、リブ82の後部の軸心方向の頂部に接する仮想内接円の直径及びボールペンチップ2の後端開口部内径は、具体的には1.6mmに設定される。
【0038】
前軸8の前端部内面に、内部に前端孔81を備え且つ後方に突出する筒状突出部84が一体に形成される。前端孔81が、前軸8の前端から筒状突出部84の後端まで軸方向に貫通される。筒状突出部84の内面にリブ82及び段部82aが形成される。ボールペンチップ2の後端が段部82aに当接されるとともに、ボールペンチップ2の後端が筒状突出部84の内面に位置される。
【0039】
前軸8の前端より後方の内面には、径方向内方に突出し且つ軸方向に延びる複数本(具体的には6本)のリブ83が周方向に等間隔に一体に形成される。リブ83の前部に段部83aを備え、段部83aにインキ吸蔵体4の前端面が軸方向に当接される。段部83a後方のリブ83にインキ吸蔵体4の外面が径方向に圧接保持される。
【0040】
・インキタンク(後軸)
インキタンク5は、前端が開口し後端が閉鎖された有底筒体からなる。インキタンク5は、合成樹脂の射出成形により得られる。インキタンク5内には、直にインキが貯溜される。インキタンク5内に貯溜されるインキは、水性インキ、油性インキのいずれであってもよい。インキタンク5は着脱自在に構成し、交換可能とすることもできる。
【0041】
図1及び
図2に示すように、インキタンク5の前端部は、内筒部51と外筒部52とが同心円状に一体に形成される。内筒部51が中間部材7の接続管73と連結され、外筒部52が前軸8の後端部と連結される。本実施の形態において、接続管73の外面とインキタンク5の前端部内面とが圧入固着される構造が採用されているが、これ以外に、接続管73の内面とインキタンク5の前端部外面とが圧入固着される構造を採用してもよい。本実施の形態において、前軸8の後端部の外面とインキタンク5の外筒部52内面とが嵌着される構造が採用されているが、これ以外に、前軸8の後端部の内面とインキタンク5の外筒部52外面とが嵌着される構造を採用してもよい。
【0042】
本実施の形態のボールペン1は、連通管6の前端に、流通路63に連通され且つ軸方向前方に開口する複数の開口部62を備え、インキ吸蔵体4が、高密度部41と該高密度部41より前方に連接される低密度部42とを備え、低密度部42の内部をインキ誘導部材3が貫通し、高密度部41に、インキ誘導部材3の後端と連通管6の前端とが接続されてなることにより、高密度部41の密度が過度に高くなることを回避できるため、ボールペンチップ2前端からの十分なインキ吐出性が得られ、しかも、低密度部42を高密度部41よりも前方に位置させることにより、インキタンク5内の圧力が上昇した際にボールペンチップ側から外部にインキが漏出することを十分に防止できる。
【0043】
本実施の形態のボールペン1は、インキ誘導部材3の後端がインキ吸蔵体4の後部に位置され、連通管6の前端がインキ吸蔵体4の後部に位置され、インキ誘導部材3の後端より後方に連通管6の前端が位置され、高密度部41がインキ誘導部材3の後端と連通管6の前端との間に形成されることにより(または高密度部41がインキ吸蔵体4の後端部近傍に形成されることにより)、高密度部41の密度を過剰に高くすることがなく、且つ、高密度部41の前方に十分な長手方向の長さを有する低密度部42を確保でき、一層、ボールペンチップ2の前端からの十分なインキ吐出性が得られ、且つ、インキタンク5内の圧力が上昇した際にボールペンチップ側から外部にインキが漏出することを十分に防止できる。インキ吸蔵体4の後端から各々の連通管6の前端面61までの軸方向の長さは、インキ吸蔵体4の外径より小さく設定される。それにより、一層、ボールペンチップ2の前端からの十分なインキ吐出性が得られ、且つ、インキタンク5内の圧力が上昇した際にボールペンチップ側から外部にインキが漏出することを十分に防止できる適正な高密度部41が形成できる。
【0044】
本実施の形態のボールペン1は、連通管6が複数の開口部62を有する連続した一つの前端面61を備え、連通管6の前端面61が軸線に対して垂直な平面状に形成され、インキ誘導部材3の後端面31が軸線に対して垂直な平面状に形成され、連通管6の前端面61の複数の開口部62の相互間に位置する中央領域61aが、インキ誘導部材3の軸方向後方に位置され、連通管6の前端面61の中央領域61aとインキ誘導部材3の後端面31とによってインキ吸蔵体4の後端部近傍が軸方向に挟持圧縮され、連通管6の前端面61の中央領域61aとインキ誘導部材3の後端面31との間のインキ吸蔵体4の後端部近傍に高密度部41が形成されることにより、インキ誘導部材3の後端面31に接続する高密度部41を確実に形成することができる。
【0045】
本実施の形態のボールペン1は、連通管6の前端面61の中央領域61aの中心において、開口部62の相互間を結ぶ仮想直線に対して垂直方向の幅寸法Tが、インキ誘導部材3の後端面31の外径Sより大きいことにより、インキ誘導部材3の後端面31を確実に高密度部41に接続することができ、連通管6の開口部62からインキ誘導部材3の後端面31への迅速且つ確実なインキ供給が可能となる。
【0046】
本実施の形態のボールペン1は、連通管6の前端面61の外形状が扁平楕円形状であることにより、開口部62相互間を結ぶ仮想線に対する垂直方向において、インキ誘導部材3の後端面31をより一層確実に高密度部41に接続させることができる。
【0047】
本実施の形態のボールペン1は、前軸8の前端に前端孔81が軸方向に貫設され、前端孔81の内面に軸方向に延びる複数本のリブ82が周方向に等間隔に一体に形成され、リブ82の前部にボールペンチップ2の外面が圧接保持され、リブ82の前部とリブ82の後部との間に段部82aが形成され、段部82aとボールペンチップ2の後端とが当接され、リブ82の後部とインキ誘導部材3の外面とが近接され、ボールペンチップ2の外面と前端孔81の内面との間のリブ82の相互間に、前軸8の内部と外気とが連通可能な空気通路9が形成され、空気通路9が前軸8の前端より前方に開口されることにより、ボールペンチップ2より後方に突出されたインキ誘導部材3の後部が、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際に折れ曲がるおそれがなく、また、前軸8の外面の気密嵌合部の位置を自由に設定することができ、さらに、前軸8の前端部の外観性が損なわれることがない。
【0048】
本実施の形態のボールペン1は、リブ82の後部の軸心方向の頂部に接する仮想内接円の直径がボールペンチップ2の後端開口部内径と略一致してなることにより、段部82a(リブ82の後部の前端)でボールペンチップ2の後端を安定して支持できるとともに、リブ82の後部をインキ誘導部材3の外面にできる限り近接させることができ、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際のインキ誘導部材3の後部の折れ曲がりを一層防止できる。
【0049】
本実施の形態のボールペン1は、前軸8の前端部内面に後方に突出する筒状突出部84が一体に形成され、前軸8の前端から筒状突出部84の後端までの間に前端孔81が軸方向に貫通され、ボールペンチップ2の後端が筒状突出部84の内面に位置されることにより、ボールペンチップ2の外面とリブ82の前部との前後方向の十分な長さの圧接領域を確保でき、ボールペンチップ2の外面を安定して保持することができる。
【0050】
本実施の形態のボールペン1は、リブ82の肉厚Vが後方に向かうに従い厚肉に形成されることにより、リブ82の前部が比較的薄肉となるため、リブ82の径方向の突出量を小さくしても、リブ82の前部とボールペンチップ2の外面との間で十分な空気通路9を安定して確保でき、しかも、リブ82の後部が比較的厚肉となるため、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際にリブ82の後部がインキ誘導部材3の外面を安定して支持でき、インキ誘導部材3の折れ曲がりを一層防止できる。
【0051】
<他の実施の形態>
本発明の他の実施の形態のボールペンを
図7乃至
図12に示す。
本実施の形態のボールペン1は、
図12に示すように、ボールペンチップ2と、ボールペンチップ2のボールにインキを供給する棒状のインキ誘導部材3と、インキ誘導部材3の後端に接続されるインキ吸蔵体4と、インキ誘導部材3及びインキ吸蔵体4が内部に収容され且つ前端にボールペンチップ2が保持される前軸8(軸筒)と、前軸8の後端開口部に固着される尾栓10(後軸)と、ボールペンチップ2側に着脱自在に設けられるキャップ(図示せず)とからなる。
【0052】
本実施の形態のボールペンチップ2及びインキ誘導部材3は、
図1の実施の形態と共通の構成が採用される。
本実施の形態のインキ吸蔵体4は、
図1の実施の形態のものより長手寸法が長いものが採用され、他の構成は
図1の実施の形態の共通の構成が採用される。
本実施の形態の前軸8の前端部の構造は、
図1の実施の形態の前軸8(前端孔81、リブ82、段部82a、リブ83、段部83a、及び筒状突出部84等の
図7乃至
図11に示す構造)と共通の構成が採用される。
【0053】
本実施の形態のボールペン1は、前軸8の前端に前端孔81が軸方向に貫設され、前端孔81の内面に軸方向に延びる複数本のリブ82が周方向に等間隔に一体に形成され、リブ82の前部にボールペンチップ2の外面が圧接保持され、リブ82の前部とリブ82の後部との間に段部82aが形成され、段部82aとボールペンチップ2の後端とが当接され、リブ82の後部とインキ誘導部材3の外面とが近接され、ボールペンチップ2の外面と前端孔81の内面との間のリブ82の相互間に、前軸8の内部と外気とが連通可能な空気通路9が形成され、空気通路9が前軸8の前端より前方に開口されることにより、ボールペンチップ2より後方に突出されたインキ誘導部材3の後部が、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際に折れ曲がるおそれがなく、また、前軸8の外面の気密嵌合部の位置を自由に設定することができ、さらに、前軸8の前端部の外観性が損なわれることがない。
【0054】
本実施の形態のボールペン1は、リブ82の後部の軸心方向の頂部に接する仮想内接円の直径がボールペンチップ2の後端開口部内径と略一致してなることにより、段部82a(リブ82の後部の前端)でボールペンチップ2の後端を安定して支持できるとともに、リブ82の後部をインキ誘導部材3の外面にできる限り近接させることができ、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際のインキ誘導部材3の後部の折れ曲がりを一層防止できる。
【0055】
本実施の形態のボールペン1は、前軸8の前端部内面に後方に突出する筒状突出部84が一体に形成され、前軸8の前端から筒状突出部84の後端までの間に前端孔81が軸方向に貫通され、ボールペンチップ2の後端が筒状突出部84の内面に位置されることにより、ボールペンチップ2の外面とリブ82の前部との前後方向の十分な長さの圧接領域を確保でき、ボールペンチップ2の外面を安定して保持することができる。
【0056】
本実施の形態のボールペン1は、リブ82の肉厚Vが後方に向かうに従い厚肉に形成されることにより、リブ82の前部が比較的薄肉となるため、リブ82の径方向の突出量を小さくしても、リブ82の前部とボールペンチップ2の外面との間で十分な空気通路9を安定して確保でき、しかも、リブ82の後部が比較的厚肉となるため、インキ吸蔵体4に突き刺し挿入される際にリブ82の後部がインキ誘導部材3の外面を安定して支持でき、インキ誘導部材3の折れ曲がりを一層防止できる。
【符号の説明】
【0057】
1 ボールペン
2 ボールペンチップ
21 ボール
22 チップ本体
22a 内方突出部
3 インキ誘導部材
31 後端面
4 インキ吸蔵体
41 高密度部
42 低密度部
5 インキタンク(後軸)
51 内筒部
52 外筒部
6 連通管
61 前端面
61a 中央領域
62 開口部
63 流通路
63a リブ
64 連結部
7 中間部材
71 隔壁
71a 隔壁前面のリブ
72 筒状取付部
73 接続管
8 前軸
81 前端孔
82 リブ
82a 段部
83 リブ
83a 段部
84 筒状突出部
9 空気通路
10 尾栓
S インキ誘導部材の後端の外径
T 連通管の前端面の中央領域の幅寸法
U 間隙寸法
V リブの肉厚