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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】車両用ゲート開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/04 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
E01F13/04 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018171187
(22)【出願日】2018-09-13
(65)【公開番号】P2020041365
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000142115
【氏名又は名称】株式会社協豊製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 実
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-017642(JP,A)
【文献】特開2014-047554(JP,A)
【文献】特開2013-028911(JP,A)
【文献】特開2001-226923(JP,A)
【文献】特開2015-022474(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0199243(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/00-15/14
E01F 1/00
G07B 11/00-17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が通過するゲートを開閉するための車両用ゲート開閉装置であって、
本体部と、
上記本体部に第1軸線を中心に第1方向に回動可能に設けられた支持アーム部と、
上記支持アーム部に上記第1軸線と直交する第2軸線を中心に初期位置とリリース位置との間で第2方向に回動可能に設けられた開閉バーと、
上記支持アーム部を上記第1方向に回動させることによって上記開閉バーによる上記ゲートの開閉を行う駆動部と、
上記開閉バーを上記支持アーム部に対するロック状態とロック解除状態のいずれかに設定するロック切替部と、
上記開閉バーが上記ロック解除状態に設定されたときに上記開閉バーを上記初期位置から上記リリース位置まで回動させる第2の駆動部と、
を備え、
上記ロック切替部は、上記支持アーム部が上記駆動部によって通常開閉領域を上記第1方向に回動するときには上記開閉バーを上記ロック状態に設定し、上記支持アーム部が上記駆動部によって上記通常開閉領域から外れた切替領域まで回動したときに上記開閉バーを上記ロック状態から上記ロック解除状態切り替えるように構成されている、車両用ゲート開閉装置。
【請求項2】
上記第2の駆動部は、上記開閉バーを上記初期位置から上記リリース位置に向けて常時に弾性付勢する弾性部材であり、
上記ロック切替部は、上記支持アーム部が上記駆動部によって上記通常開閉領域から上記切替領域として上記第1方向のうち上記開閉バーが上記ゲートを閉鎖する方向に向けて下側切替領域まで回動したとき、上記初期位置にある上記開閉バーを上記弾性部材の弾性付勢力にしたがって上記ロック状態から上記ロック解除状態に切り替えるように構成されている、請求項1に記載の車両用ゲート開閉装置。
【請求項3】
上記支持アーム部が上記下側切替領域にあるときに上記リリース位置まで回動した上記開閉バーを保持する保持機構部と、
上記開閉バーが上記保持機構部によって上記リリース位置に保持され且つ上記支持アーム部が上記駆動部によって上記下側切替領域から上記通常開閉領域に向けて回動するときに、上記開閉バーの保持を解除してこの開閉バーを上記弾性部材の弾性付勢力に抗して上記リリース位置から上記初期位置に復帰させる復帰機構部と、
を備える、請求項2に記載の車両用ゲート開閉装置。
【請求項4】
上記保持機構部は、上記支持アーム部に設けられた第1部材と、上記開閉バーに上記第1部材をロック可能に設けられた第2部材と、上記第1部材のロックを外すために上記第2部材に連結された第3部材と、を有し、
上記復帰機構部は、上記本体部に設けられた保持解除用部材と、上記開閉バーに設けられたバランスウェイトと、を有し、上記支持アーム部が上記下側切替領域から上記通常開閉領域に向けて回動するときに、上記保持解除用部材が上記第3部材に係合して上記第2部材による上記第1部材のロックを外し、上記開閉バーを上記バランスウェイトの重みを利用して上記初期位置に復帰させるように構成されている、請求項3に記載の車両用ゲート開閉装置。
【請求項5】
上記切替領域には、上記下側切替領域と上記通常開閉領域を挟んで上記下側切替領域と反対側の上側切替領域とがあり、
上記ロック切替部は、上記開閉バーが上記復帰機構部によって上記初期位置に復帰した後で上記支持アーム部が上記駆動部によって上記通常開閉領域から上記上側切替領域まで回動したとき、上記初期位置にある上記開閉バーを上記ロック解除状態から上記ロック状態に切り替えるように構成されている、請求項3または4に記載の車両用ゲート開閉装置。
【請求項6】
上記ロック切替部は、上記支持アーム部及び上記開閉バーの一方に設けられたプランジャと、上記支持アーム部及び上記開閉バーの他方に上記プランジャと係合可能に設けられた係合部と、上記駆動部を構成するシャフトを軸方向に動かすカムロックと、を備え、上記カムロックによって上記シャフトが上記軸方向のうちの一方向に動いたときに上記プランジャが上記係合部と係合して上記開閉バーが上記ロック状態になり、上記シャフトが上記軸方向のうち上記一方向とは逆方向に動いたときに上記プランジャと上記係合部との係合が外れて上記開閉バーが上記ロック解除状態になるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の車両用ゲート開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が通過するゲートを開閉する車両用ゲート開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1,2には、この種の車両用ゲート開閉装置の一例が開示されている。この開閉装置は、一般的に有料道路や駐車場の入口で使用されるものであり、開閉バーによって車両用ゲートを開閉できるようになっている。
【0003】
この開閉装置において、車両がゲートに近づく前は開閉バーが水平位置にあり、車両がゲートに近づくと開閉バーが水平位置から垂直位置まで自動で動いてゲートを開放する。そして、車両がゲートを通過した後は、開閉バーが垂直位置から水平位置に自動で復帰して、別の車両がゲートに近づくまで待機する。
【0004】
この開閉装置は、水平位置にある開閉バーに車両が衝突したときなどに備えて、開閉バーが支持アーム部に対して回動可能に設けられている。開閉バーが水平位置にあるときに車両から通過方向の荷重を受けた場合には、この開閉バーは荷重によって支持アーム部に対するロックが解除され、支持アーム部に対して通過方向のリリース位置まで回動できるようになっている。
【0005】
また、特許文献2に開示の開閉装置(発進制御機)は、開閉バーがリリース位置にある状態で支持アーム部を開方向に動かすことによって、開閉バーを水平位置に設定することなく垂直位置に復帰させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-226923号公報
【文献】特開2015-22474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の開閉装置において、例えばETCカードを入れ忘れたバスやトラックなどの車両が有料道路の入口に進入すると、開閉バーが水平位置から開かないため、この開閉バーの直前で大型車両が停止する状況が発生し得る。このとき、車体前部に設けられているサイドミラーなどが邪魔になると、開閉バーを開放位置まで動かすことができない。そこで、このような場合には、オペレータがゲートまで移動して支持アーム部に対する開閉バーのロックを手動で外す作業が必要になる。また、開閉バーがリリース位置から垂直位置に復帰した後で、この開閉バーを支持アーム部に対してロックする必要がある。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、支持アーム部に対する開閉バーのロック及びロック解除を自動で切替えることができる車両用ゲート開閉装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、
車両が通過するゲートを開閉するための車両用ゲート開閉装置であって、
本体部と、
上記本体部に第1軸線を中心に第1方向に回動可能に設けられた支持アーム部と、
上記支持アーム部に上記第1軸線と直交する第2軸線を中心に初期位置とリリース位置との間で第2方向に回動可能に設けられた開閉バーと、
上記支持アーム部を上記第1方向に回動させることによって上記開閉バーによる上記ゲートの開閉を行う駆動部と、
上記開閉バーを上記支持アーム部に対するロック状態とロック解除状態のいずれかに設定するロック切替部と、
上記開閉バーが上記ロック解除状態に設定されたときに上記開閉バーを上記初期位置から上記リリース位置まで回動させる第2の駆動部と、
を備え、
上記ロック切替部は、上記支持アーム部が上記駆動部によって通常開閉領域を上記第1方向に回動するときには上記開閉バーを上記ロック状態に設定し、上記支持アーム部が上記駆動部によって上記通常開閉領域から外れた切替領域まで回動したときに上記開閉バーを上記ロック状態から上記ロック解除状態切り替えるように構成されている、車両用ゲート開閉装置、
にある。
【発明の効果】
【0010】
上記の態様において、支持アーム部が駆動部によって通常開閉領域を第1方向に回動することにより開閉バーがゲートを開閉するように動く。このとき、開閉バーは、ロック切替部によって支持アーム部に対してロック状態に設定される。
【0011】
これに対して、支持アーム部が駆動部によって通常開閉領域と切替領域との間を第1方向に回動することを利用してロック切替部が作動する。このとき、開閉バーのロック状態とロック解除状態が自動で切り替わる。
【0012】
以上のごとく、上記の態様によれば、支持アーム部に対する開閉バーのロック及びロック解除を自動で切替えることができる車両用ゲート開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の車両用ゲート開閉装置をゲートが開放された状態にて示す斜視図。
図2図1の車両用ゲート開閉装置をゲートが閉鎖された状態にて示す斜視図。
図3図1の車両用ゲート開閉装置において支持アーム部の回動範囲を前方側から視た図。
図4】支持アーム部に対する開閉バーの回動範囲を上方から視た図。
図5図4のV-V線矢視断面図。
図6図5の一部を拡大して示す斜視図。
図7図5の一部を拡大して示す断面図。
図8】開閉バーをリリース位置で保持するための保持機構部を示す図。
図9図8の保持機構部の構成要素であるロック片及び係止爪片を示す図。
図10図2において支持アーム部が通常開閉領域から下側切替領域まで回動したときの様子を示す斜視図。
図11図11のロック切替部においてリース用可動部材の傾斜面がリリース用固定部材の傾斜面に接触した様子を示す図。
図12図11のロック切替部においてリース用可動部材の傾斜面がリリース用固定部材の傾斜面を摺動する様子を示す図。
図13図10において開閉バーが支持アーム部に対してリリース位置まで回動した状態を示す斜視図。
図14図13において開閉バーが保持機構部によってリリース位置で保持されているときの様子を示す斜視図。
図15図9の保持機構部においてロック片が係止爪片にロックされた状態を示す図。
図16図13において支持アーム部が通常開閉領域を上側切替領域に向けて回動するときの様子を示す斜視図。
図17図16において復帰機構部を用いて開閉バーを初期位置に復帰させるときの様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述の態様の好ましい実施形態について説明する。
【0015】
上記の車両用ゲート開閉装置において、上記開閉バーを上記初期位置から上記リリース位置に向けて常時に弾性付勢する弾性部材を備え、
上記ロック切替部は、上記支持アーム部が上記駆動部によって上記通常開閉領域から上記切替領域として上記第1方向のうち上記開閉バーが上記ゲートを閉鎖する方向に向けて下側切替領域まで回動したとき、上記初期位置にある上記開閉バーを上記ロック状態から上記ロック解除状態に切り替えるように構成されているのが好ましい。
【0016】
この車両用ゲート開閉装置によれば、支持アーム部が駆動部によって通常開閉領域から下側切替領域まで回動したときに、開閉バーをロック切替部によってロック状態からロック解除状態に切り替える。このとき、開閉バーがロック解除状態になると、この開閉バーは初期位置とリリース位置との間で回動自在になる。従って、この開閉バーを弾性部材による弾性付勢力にしたがって初期位置からリリース位置まで自動で動かすことができる。また、開閉バーをリリース位置まで動かすのに、支持アーム部のための駆動部のような要素に比べて安価な弾性部材を使用することができる。
【0017】
上記の車両用ゲート開閉装置は、上記支持アーム部が上記下側切替領域にあるときに上記リリース位置まで回動した上記開閉バーを保持する保持機構部と、上記開閉バーが上記保持機構部によって上記リリース位置に保持され且つ上記支持アーム部が上記駆動部によって上記通常開閉領域を上記上側切替領域に向けて回動するときに、上記開閉バーの保持を解除してこの開閉バーを上記弾性部材の弾性付勢力に抗して上記リリース位置から上記初期位置に復帰させる復帰機構部と、を備えるのが好ましい。
【0018】
この車両用ゲート開閉装置によれば、支持アーム部が下側切替領域にあるときに開閉バーが初期位置からリリース位置まで回動すると、この開閉バーが保持機構部によってリリース位置で保持される。その後、支持アーム部が駆動部によって下側切替領域から通常開閉領域を上側切替領域に向けて回動するときに、開閉バーが復帰機構部によってリリース位置から初期位置に復帰する。これにより、開閉装置の設定を開閉バーがリリース位置にある状態からゲートを開放した状態に直接移行させることができる。
【0019】
上記の車両用ゲート開閉装置において、上記保持機構部は、上記支持アーム部に設けられた第1部材と、上記開閉バーに上記第1部材をロック可能に設けられた第2部材と、上記第1部材のロックを外すために上記第2部材に連結された第3部材と、を有し、
上記復帰機構部は、上記本体部に設けられた保持解除用部材と、上記開閉バーに設けられたバランスウェイトと、を有し、上記支持アーム部が上記下側切替領域から上記通常開閉領域に向けて回動するときに、上記保持解除用部材が上記第3部材に係合して上記第2部材による上記第1部材のロックを外し、上記開閉バーを上記バランスウェイトの重みを利用して上記初期位置に復帰させるように構成されているのが好ましい。
【0020】
この車両用ゲート開閉装置によれば、保持機構部において、支持アーム部に設けられた第1部材を開閉バーに設けられた第2部材がロックすることで、開閉バーをリリース位置で保持できる。一方で、復帰機構部において、支持アーム部が下側切替領域から通常開閉領域を上側切替領域に向けて回動するときに保持解除用部材が第3部材と係合して第2部材による第1部材のロックを外すことで、開閉バーのリリース位置での保持を解除できる。そして、保持が解除された開閉バーをバランスウェイトの重みを利用して初期位置に復帰させることができる。この場合、保持機構部及び復帰機構部の構造を簡素化できる。
【0021】
上記の車両用ゲート開閉装置において、上記切替領域には、上記下側切替領域と上記通常開閉領域を挟んで上記下側切替領域と反対側の上側切替領域とがあり、
上記ロック切替部は、上記開閉バーが上記復帰機構部によって上記初期位置に復帰した後で上記支持アーム部が上記駆動部によって上記通常開閉領域から上記上側切替領域まで回動したとき、上記初期位置にある上記開閉バーを上記ロック解除状態から上記ロック状態に切り替えるように構成されているのが好ましい。
【0022】
この車両用ゲート開閉装置によれば、支持アーム部が駆動部によって通常開閉領域から上側切替領域まで第1方向に回動することを利用してロック切替部が作動する。このとき、開閉バーをロック切替部によってロック解除状態からロック状態に自動で切り替えることができる。
【0023】
上記の車両用ゲート開閉装置において、上記ロック切替部は、上記支持アーム部及び上記開閉バーの一方に設けられたプランジャと、上記支持アーム部及び上記開閉バーの他方に上記プランジャと係合可能に設けられた係合部と、上記駆動部を構成するシャフトを軸方向に動かすカムロックと、を備え、上記カムロックによって上記シャフトが上記軸方向のうちの一方向に動いたときに上記プランジャが上記係合部と係合して上記開閉バーが上記ロック状態になり、上記シャフトが上記軸方向のうち上記一方向とは逆方向に動いたときに上記プランジャと上記係合部との係合が外れて上記開閉バーが上記ロック解除状態になるように構成されているのが好ましい。
【0024】
この車両用ゲート開閉装置によれば、ロック切替部において、プランジャと係合部が係合して開閉バーがロック状態になるモードと、プランジャと係合部との係合が外れて開閉バーがロック解除状態になるモードと、を、カムロックによるシャフトの軸方向の動きを利用して形成させることができる。この場合、ロック切替部の構造を簡素化できる。
【0025】
以下、車両用ゲート開閉装置の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
なお、この実施形態の説明のための図面において、ゲートにおける車両の通過方向に沿った前後方向を矢印Xで示し、前後方向Xを水平に横切る左右方向を矢印Yで示し、前後方向X及び左右方向Yの両方に直交する上下方向を矢印Zで示している。
【0027】
図1及び図2に示されるように、本実施形態の車両用ゲート開閉装置(以下、単に「開閉装置」ともいう。)1は、車両(図示省略)が通過するゲートGを開閉するためのものである。
【0028】
開閉装置1は、本体部10と、支持アーム部20と、開閉バー30と、駆動部40と、ロック切替部50と、を備えている。この開閉装置1は、1つのゲートGに対して1つ設置されてもよいし、或いは1つのゲートGを左右方向Yの両側から挟み込むように2つ設置されてもよい。
【0029】
本体部10は、ゲートGに設置される。この本体部10のケース11には、駆動部40を含む構成要素が収容されている。
【0030】
支持アーム部20は、本体部10に第1軸線L1を中心に第1方向R1に回動可能に設けられている。この支持アーム部20に開閉バー30が取付けられており、駆動部40によって第1方向R1に回動するように構成されている。
【0031】
ここで、第1軸線L1は、前後方向Xに延びる回動軸線である。このため、支持アーム部20が第1軸線L1を中心に回動することによって、ゲートGが開放された状態(図1参照)とゲートGが開閉バー30によって閉鎖された状態(図2参照)とに切り替えることができる。ゲートGが開放された状態で車両の通過が可能になり、ゲートGが閉鎖された状態で車両の通過が規制される。
【0032】
開閉バー30は、ゲートGの所望の領域を左右方向Yにわたって遮ることができる程度の長さを有する。この開閉バー30は、支持アーム部20に第1軸線L1と直交する第2軸線L2を中心に初期位置P1とリリース位置(後述のリリース位置P2)との間で第2方向R2に回動可能に設けられている。
【0033】
開閉バー30は、支持アーム部20に連結されている基端部31と、この基端部31から先端に向けて長尺状に延出した延出部33と、を備えている。また、この開閉バー30において、基端部31のうち延出部33とは反対側にバランスウェイト83が設けられている。
【0034】
ロック切替部50は、開閉バー30を支持アーム部20に対するロック状態とロック解除状態のいずれかに設定する機能を有する。
【0035】
図3に示されるように、このロック切替部50は、定常時に支持アーム部20が駆動部40によって通常開閉領域A1を第1方向R1に回動するときには開閉バー30をロック状態に設定するように構成されている。ここで、通常開閉領域A1は、支持アーム部20が概ね90°の角度B1で回動する範囲である。
【0036】
また、このロック切替部50は、非定常時に支持アーム部20が駆動部40によって通常開閉領域A1とこの通常開閉領域A1から外れた切替領域である下側切替領域A2及び上側切替領域A3のそれぞれとの間で第1方向R1に回動するときには、この支持アーム部20の回動に連動して開閉バー30をロック状態とロック解除状態との間で切り替えるように構成されている。
【0037】
ここで、下側切替領域A2は、支持アーム部20が通常開閉領域A1から第1方向R1のうち開閉バー30がゲートGを閉鎖する方向に向けて角度B2で回動する範囲である。また、上側切替領域A3は、支持アーム部20が通常開閉領域A1を挟んで下側切替領域A2とは反対方向(開閉バー30がゲートGを開放する方向)に向けて角度B3で回動する範囲である。
【0038】
開閉装置1のコンパクト化を図りたい場合や、開閉装置1の一連の動作についてのサイクルタイムを短縮したい場合には、角度B2及び角度B3のいずれも鋭角であり且つ極力小さな値に設定するのが好ましい。一例として、角度B2の値を最大で10°程度までの範囲に入るように設定し、角度B3の値を最大で5°程度までの範囲に入るように設定することができる。
【0039】
ロック切替部50は、支持アーム部20が駆動部40によって通常開閉領域A1から下側切替領域A2まで回動したとき、初期位置P1にある開閉バー30をロック状態からロック解除状態に切り替えるように構成されている。
【0040】
また、このロック切替部50は、開閉バー30が後述の復帰機構部80によって初期位置P1に復帰した後で支持アーム部20が駆動部40によって通常開閉領域A1から上側切替領域A3まで回動したとき、初期位置P1にある開閉バー30をロック解除状態からロック状態に切り替えるように構成されている。
【0041】
図4に示されるように、初期位置P1にある開閉バー30がロック解除状態になると、この開閉バー30は、支持アーム部20に対して第2軸線L2を中心に初期位置P1とリリース位置P2との間を概ね90°の角度B4で回動することが可能になる。このとき、開閉バー30は、後述の弾性部材60によってリリース位置P2に向けて常時に弾性付勢されている。このため、ロック解除状態の開閉バー30は、弾性部材60による弾性付勢力にしたがってリリース位置P2まで自動で回動するようになっている。
【0042】
図5に示されるように、駆動部40は、前後方向Xに延びる第1軸線L1に沿って延在し後述のブラケット21に連結された円筒状の回転軸41と、この回転軸41を第1軸線L1まわりに回動させるための駆動源となる電動モータ42と、回転軸41の筒内に収容されたシャフト43と、を備えている。
【0043】
シャフト43は、電動モータ42の駆動力によって回転軸41と一体回転するとともに、この回転軸41に対して一方向D1及び逆方向D2にスライド可能に構成されている。また、このシャフト43は、一端部が後述のカムロック53に連結され、他端部が開閉バー30の基端部31に設けられたリンク機構35に連結されている。
【0044】
このため、開閉バー30は、電動モータ42から伝達された駆動力によってシャフト43が第1軸線L1まわりに回動することにより第1軸線L1を中心に回動するようになっている。
【0045】
支持アーム部20は、開閉バー30の基端部31とこの基端部31から延出した連結部32とを取り囲むように設けられたブラケット21と、ブラケット21を挟んで両側に設けられた2つのカバー22と、を備えている。ブラケット21は、第2軸線L2を形成する回動軸23を介して開閉バー30の連結部32に連結されている。
【0046】
このため、開閉バー30は、シャフト43がリンク機構35とともに第1軸線L1に沿った軸方向(前後方向X)にスライドすることにより第2軸線L2を中心に回動するようになっている。このときの開閉バー30の回動方向は、シャフト43が軸方向のうちの一方向D1にスライドするときと逆方向D2にスライドするときとで逆向きの関係になる。
【0047】
ロック切替部50は、支持アーム部20のブラケット21に設けられたプランジャ51と、開閉バー30の基端部31にプランジャ51と係合可能に設けられた係合部52と、ケース54に軸方向(一方向D1及び逆方向D2)にスライド可能に収容されたカムロック53と、開閉バー30の基端部31から延出したリリース用可動部材55と、本体部10のケース11の外表面に設けられたリリース用固定部材56と、を備えている。
【0048】
カムロック53は、シャフト43の端部に一体的に固定されている。このため、カムロック53の軸方向のスライドによって、シャフト43をカムロック53と同方向に動かすことができるように構成されている。
【0049】
リリース用可動部材55は、プレート形状をなし、延出先端部に傾斜面55aを有する。これに対して、リリース用固定部材56は、ブロック形状をなし、リリース用可動部材55の傾斜面55aに上下方向Zについて対向する傾斜面56aを有する。このとき、傾斜面55aと傾斜面56aが概ね平行に配置されるようになっている。
【0050】
図6に示されるように、リリース用可動部材55は、左右方向Yについてシャフト43と離間した位置に設けられている。このため、このリリース用可動部材55は、シャフト43が第1軸線L1まわりに回動することによって第1軸線L1まわりに回動する可動部材として構成されている。
【0051】
図7に示されるように、プランジャ51は、典型的にはワークなどの位置決めに使用するものであり、本体の先端に設けられたボール51aと、ボール51aを先端方向に向けて弾性付勢するように本体に内蔵されたスプリング51bと、を備えている。ボール51aは、スプリング51bの弾性付勢力に打ち勝つような荷重を受けると本体の内部に沈み込み、この荷重が解けるとスプリング51bの弾性付勢力によって元の位置に復帰するように構成されている。
【0052】
係合部52は、プランジャ51のボール51aに対向するように配置されており、ボール51aと対向面に凹み52aを有する。この係合部52は、開閉バー30の基端部31とは別部材として構成されてもよいし、或いは開閉バー30の基端部31自体によって構成されてもよい。
【0053】
上記のロック切替部50において、カムロック53によってシャフト43が一方向D1に動いたときにプランジャ51が係合部52と係合して開閉バー30が支持アーム部20に対してロック状態になる。即ち、プランジャ51のボール51aが係合部52の凹み52aにはまり込むことによって、プランジャ51と係合部52とが係合した状態になる。これにより、支持アーム部20に対する開閉バー30の第2軸線L2を中心とした回動が規制される。
【0054】
これに対して、カムロック53によってシャフト43が逆方向D2に動いたときにプランジャ51と係合部52との係合が外れて開閉バー30が支持アーム部20に対してロック解除状態になる。即ち、カムロック53側から入力される荷重によりプランジャ51のボール51aが係合部52の凹み52aから抜け出すことによって、プランジャ51と係合部52との係合が外れた状態になる。これにより、支持アーム部20に対する開閉バー30の第2軸線L2を中心とした回動が許容される。
【0055】
なお、このロック切替部50において、ゲートGを閉鎖している開閉バー30が車両から通過方向の荷重を受けた場合でも、プランジャ51と係合部52との係合が外れてこの開閉バー30が支持アーム部20に対してロック解除状態になる。
【0056】
図8に示されるように、開閉装置1は、弾性部材60と、保持機構部70と、を備えている。
【0057】
弾性部材60は、開閉バー30を初期位置P1からリリース位置P2(図3参照)に向けて常時に弾性付勢するコイルばねによって構成されている。この弾性部材60は、その一端部がブラケット21の取付軸21aに取付けられ、その他端部が連結部32の取付軸32aに取付けられた状態で、カバー22内の空間に配置されている。
【0058】
保持機構部70は、支持アーム部20が下側切替領域A2(図3参照)にあるときにリリース位置P1まで回動した開閉バー30を保持する機能を有する。この機能を達成するために、保持機構部70は、支持アーム部20に設けられた第1部材としてのロック片71と、開閉バー30にロック片71をロック可能に設けられた第2部材としての2つの係止爪片72と、ロック片71のロックを外すために2つの係止爪片72に連結された第3部材としてのロック解除レバー73と、を有する。
【0059】
ロック片71は、先端部が両側に張り出した2つの突起71aを有する。2つの係止爪片72はいずれも、先端部に爪体72aを有し、開閉バー30に対して固定されたケース74の収容空間74aに収容されている。ロック解除レバー73は、ケース74に回動軸73aを中心に回動可能に設けられている。
【0060】
図9に示されるように、各係止爪片72は、ケース74に回動軸72bを中心に回動可能に設けられており、ロック解除レバー73が回動する動作とリンクして回動するようになっている。各係止爪片72は、バネ部材(図示省略)から受ける弾性付勢力によって実線で示されるロック位置に保持されている。各係止爪片72は、ロック解除レバー73が回動軸73aを中心にロック解除方向に回動することによって、ロック位置から二点鎖線で示すロック解除位置まで回動するように構成されている。
【0061】
ここで、ロック片71の先端部における幅寸法をd1とし、ロック位置における2つの係止爪片72の2つの爪体72aの間の間隔をd2とし、ロック解除位置における2つの係止爪片72の2つの爪体72aの間の間隔をd3としたとき、間隔d2が幅寸法d1を下回り、且つ間隔d3が幅寸法d1を上回るように構成されている。
【0062】
このため、2つの係止爪片72は、ロック位置にあるときに2つの爪体72aがロック片71の2つの突起71aに引っ掛かることで、ロック片71をロックできるようになっている。また、2つの係止爪片72は、ロック解除位置にあるときに2つの爪体72aがロック片71の2つの突起71aから外れることで、ロック片71のロックを外すことができるようになっている。
【0063】
次に、図5図10図17を参照しながら、開閉装置1において、支持アーム部20が下側切替領域A2にあるときに開閉バー30が初期位置P1からリリース位置P2まで回動し、その後に支持アーム部20が通常開閉領域A1まで回動して開閉バー30が初期位置P1に復帰するときの動きについて説明する。
【0064】
支持アーム部20が図10に示す下側切替領域A2まで、開閉バー30がゲートGを閉鎖する方向に向けて角度B2で回動すると、前述のロック切替部50(図5参照)において開閉バー30がロック解除状態になる。
【0065】
即ち、図11に示されるように、電動モータ42(図5参照)の駆動力を受けてシャフト43が第1軸線L1まわりに回動することによって、リリース用可動部材55が第1軸線L1まわりにリリース用固定部材56に向けて回動する。このとき、リリース用可動部材55が、その傾斜面55aがリリース用固定部材56の傾斜面56aに係合して面接触する。
【0066】
そして、シャフト43が同方向に更に回動すると、図12に示されるように、リリース用可動部材55は、その傾斜面55aがリリース用固定部材56の傾斜面56aを摺動することによって、軸方向のうちの逆方向D2にスライドする。これに伴って、開閉バー30の基端部31は、シャフト43が同方向に動く。この場合、リリース用可動部材55及びリリース用固定部材56は、シャフト43の回動動作をリリース用可動部材55のスライド動作に変換するカム機構としての機能を果たす。
【0067】
このとき、シャフト43がカムロック53とともに逆方向D2にスライドするため、プランジャ51のボール51aが係合部52の凹み52aから抜け出して、プランジャ51と係合部52との係合が外れる。その結果、開閉バー30が支持アーム部20に対してロック解除状態になる。
【0068】
その後、図13に示されるように、開閉バー30は、弾性部材60による弾性付勢力にしたがって第2軸線L2を中心にリリース位置P2まで回動する。
【0069】
図14に示されるように、開閉バー30がリリース位置P2まで回動すると、この開閉バー30は保持機構部70によって保持される。即ち、図15に示されるように、2つの係止爪片72を収容するケース74がロック片71に向けて動いて、2つの係止爪片72がロック片71に係合する。
【0070】
このとき、2つの係止爪片72は、2つの爪体72aを押圧するロック片71の2つの突起71aによって押し広げられて回動軸72bを中心にロック解除位置(図15中の二点鎖線で示される位置)まで一旦回動する。その後、2つの係止爪片72は、ロック片71の2つの突起71aが2つの爪体72aを通り過ぎることによって、バネ部材(図示省略)から受ける弾性付勢力にしたがって回動軸72bを中心に逆向きに回動してロック位置(図15中の実線で示される位置)に復帰する。これにより、ロック片71が2つの係止爪片72によってロックされる。
【0071】
図14に示されるように、本体部10のケース11の側面には、ゴム素材からなる衝撃吸収部材14が設けられている。これにより、開閉バー30がリリース位置P2まで回動したときに生じ得る衝撃を、この衝撃吸収部材14で吸収することができる。
【0072】
また、本体部10には、開閉バー30をリリース位置P2から初期位置P1に復帰させる機能を有する復帰機構部80が設けられている。この復帰機構部80は、開閉バー30が保持機構部70によってリリース位置P2に保持され且つ支持アーム部20が駆動部40によって下側切替領域A2から通常開閉領域A1に向けて回動するときに、開閉バー30の保持を解除してこの開閉バー30をリリース位置P2から初期位置P1に復帰させるためのものである。
【0073】
この復帰機構部80は、本体部10のケース11の上面に設けられたブラケット81と、ブラケット81に回転軸82aを中心に回転自在に支持された保持解除用部材としてのローラー82と、開閉バー30に設けられたバランスウェイト83と、を有する。
【0074】
図16に示されるように、開閉バー30をリリース位置P2から初期位置P1に復帰させるときには、下側切替領域A2にある支持アーム部20を駆動部40によって通常開閉領域A1に回動させ、更にこの通常開閉領域A1を上側切替領域A3に向けて回動させる。
【0075】
図17に示されるように、支持アーム部20が通常開閉領域A1を上側切替領域A3に向けて回動するときに、ローラー82が保持機構部70のロック解除レバー73に係合して2つの係止爪片72によるロック片71のロックを外す。そして、バランスウェイト83の重みを利用して開閉バー30を弾性部材60の弾性付勢力に抗して初期位置P1に復帰させる。
【0076】
このとき、ローラー82は、ロック解除レバー73と接触したときにこのロック解除レバー73との間の接触抵抗によって回転軸82aを中心に回転できる。このため、支持アーム部20が通常開閉領域A1を上側切替領域A3に向けて回動するときに、ロック解除レバー73が受ける抵抗を低く抑えることができる。
【0077】
その後、支持アーム部20を駆動部40によって通常開閉領域A1から上側切替領域A3まで回動させることによって、初期位置P1にある開閉バー30をロック切替部50によってロック解除状態からロック状態に切り替える。このとき、ロック切替部50のカムロック53がシャフト43を一方向D1に動かすことによって、プランジャ51と係合部52とを係合させる(図7参照)。
【0078】
上述の実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
【0079】
上記の開閉装置1によれば、支持アーム部20が駆動部40によって通常開閉領域A1を第1方向R1に回動することにより開閉バー30がゲートGを開閉するように動く。このとき、開閉バー30は、ロック切替部50によって支持アーム部20に対してロック状態に設定される。
【0080】
これに対して、支持アーム部20が駆動部40によって通常開閉領域A1と切替領域A2,A2との間を第1方向R1に回動することを利用してロック切替部50が作動する。このとき、開閉バー30のロック状態とロック解除状態が自動で切り替わる。
【0081】
従って、上述の実施形態によれば、支持アーム部20に対する開閉バー30のロック及びロック解除を自動で切替えることができる。
【0082】
上記の開閉装置1によれば、支持アーム部20が駆動部40によって通常開閉領域A1から下側切替領域A2まで回動したときに、開閉バー30をロック切替部50によってロック状態からロック解除状態に切り替える。このとき、開閉バー30がロック解除状態になると、この開閉バー30は初期位置P1とリリース位置P2との間で回動自在になる。従って、この開閉バー30を弾性部材60による弾性付勢力にしたがって初期位置P1からリリース位置P2まで自動で動かすことができる。また、開閉バー30をリリース位置P2まで動かすのに、支持アーム部20のための駆動部40のような要素に比べて安価な弾性部材60を使用することができる。
【0083】
上記の開閉装置1によれば、支持アーム部20が下側切替領域A2にあるときに開閉バー30が初期位置P1からリリース位置P2まで回動すると、この開閉バー30が保持機構部70によってリリース位置P2で保持される。その後、支持アーム部20が駆動部40によって下側切替領域A2から通常開閉領域A1を上側切替領域A3に向けて回動するときに、開閉バー30が復帰機構部80によってリリース位置P2から初期位置P1に復帰する。これにより、開閉装置1の設定を開閉バー30がリリース位置P2にある状態からゲートGを開放した状態に直接移行させることができる。
【0084】
上記の開閉装置1によれば、保持機構部70において、支持アーム部20に設けられたロック片71を開閉バー30に設けられた2つの係止爪片72がロックすることで、開閉バー30をリリース位置P2で保持できる。一方で、復帰機構部80において、支持アーム部20が下側切替領域A2から通常開閉領域A1を上側切替領域A3に向けて回動するときにローラー82がロック解除レバー73と係合して2つの係止爪片72によるロック片71のロックを外すことで、開閉バー30のリリース位置P2での保持を解除できる。そして、保持が解除された開閉バー30をバランスウェイト83の重みを利用して初期位置P1に復帰させることができる。この場合、保持機構部70及び復帰機構部80の構造を簡素化できる。
【0085】
上記の開閉装置1によれば、支持アーム部20が駆動部40によって通常開閉領域A1から上側切替領域A3まで第1方向R1に回動することを利用してロック切替部50が作動する。このとき、開閉バー30をロック切替部50によってロック解除状態からロック状態に自動で切り替えることができる。
【0086】
上記の開閉装置1によれば、ロック切替部50において、プランジャ51と係合部52が係合して開閉バー30がロック状態になるモードと、プランジャ51と係合部52との係合が外れて開閉バー30がロック解除状態になるモードと、を、カムロック53によるシャフト43が軸方向の動きを利用して形成させることができる。この場合、ロック切替部50の構造を簡素化できる。
【0087】
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変更が考えられる。例えば、上述の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0088】
上述の実施形態では、支持アーム部20を通常開閉領域A1から下側切替領域A2まで回動させることを利用して開閉バー30をロック解除状態に切り替える第1の切替機構と、支持アーム部20を通常開閉領域A1から上側切替領域A3まで回動させることを利用して開閉バー30をロック状態に切り替える第2の切替機構と、の両方を備える開閉装置1について例示したが、これに代えて、第1の切替機構と第2の切替機構のいずれか一方のみを有する構造を採用することもできる。
【0089】
上述の実施形態では、開閉バー30を初期位置P1からリリース位置P2まで回動させるのに弾性部材60を使用する場合について例示したが、これに代えて、弾性部材60の機能を駆動部40のようなアクチュエータによって実現することもできる。
【0090】
上述の実施形態では、プランジャ51と係合部52とカムロック53と、を構成要素として備えるロック切替部50について例示したが、このロック切替部50と実質的に同一の機能を達成することが可能であれば、必要に応じてこのロック切替部50の構成要素の一部または全部を変更することもできる。
【0091】
上述の実施形態では、ロック片71と係止爪片72とロック解除レバー73と、を構成要素として備える保持機構部70について例示したが、この保持機構部70と実質的に同一の機能を達成することが可能であれば、必要に応じてこの保持機構部70の構成要素の一部または全部を変更することもできる。
【0092】
上述の実施形態では、ローラー82とバランスウェイト83と、を構成要素として備える復帰機構部80について例示したが、この復帰機構部80と実質的に同一の機能を達成することが可能であれば、必要に応じてこの復帰機構部80の構成要素の一部または全部を変更することもできる。
【0093】
また、上記の実施形態や、他の変更例に鑑みた場合、以下のような態様が考えられる。
【0094】
一つの態様として、
「車両が通過するゲートを開閉するための車両用ゲート開閉方法であって、
本体部と、上記本体部に第1軸線を中心に第1方向に回動可能に設けられた支持アーム部と、上記支持アーム部に上記第1軸線と直交する第2軸線を中心に初期位置とリリース位置との間で第2方向に回動可能に設けられた開閉バーと、上記支持アーム部を上記第1方向に回動させる駆動部と、上記開閉バーを上記支持アーム部に対するロック状態とロック解除状態のいずれかに設定するロック切替部と、を備えた車両用ゲート開閉装置を準備する準備ステップと、
上記準備ステップで準備した上記車両用ゲート開閉装置において、上記支持アーム部が上記駆動部によって通常開閉領域を上記第1方向に回動する定常時に上記ロック切替部によって上記開閉バーを上記ロック状態に設定する定常ステップと、
上記車両用ゲート開閉装置において、上記支持アーム部が上記駆動部によって上記通常開閉領域とこの通常開閉領域から外れた切替領域との間で上記第1方向に回動する非定常時にこの支持アーム部の回動に連動して上記ロック切替部によって上記開閉バーを上記ロック状態と上記ロック解除状態との間で切り替える非定常ステップと、を有し、
上記定常ステップと上記非定常ステップを選択的に実行する、車両用ゲート開閉方法。」という態様を採り得る。
【0095】
この態様によれば、支持アーム部に対する開閉バーのロック及びロック解除を自動で切替えることができる。
【符号の説明】
【0096】
1 車両用ゲート開閉装置
10 本体部
20 支持アーム部
30 開閉バー
40 駆動部
43 シャフト
50 ロック切替部
51 プランジャ
52 係合部
53 カムロック
60 弾性部材
70 保持機構部
71 ロック片(第1部材)
72 係止爪片(第2部材)
73 ロック解除レバー(第3部材)
80 復帰機構部
82 ローラー(保持解除用部材)
83 バランスウェイト
A1 通常開閉領域
A2 下側切替領域(切替領域)
A3 上側切替領域(切替領域)
D1 一方向(軸方向)
D2 逆方向(軸方向)
L1 第1軸線
L2 第2軸線
P1 初期位置
P2 リリース位置
R1 第1方向
R2 第2方向
G ゲート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17