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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/08 20060101AFI20220808BHJP
   E02F 9/16 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
E02F9/08 Z
E02F9/16 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018217468
(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公開番号】P2020084489
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】亀井 隆一
【審査官】三笠 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-048470(JP,A)
【文献】特開2017-072025(JP,A)
【文献】特開2017-040137(JP,A)
【文献】特開2017-179731(JP,A)
【文献】特開2018-141360(JP,A)
【文献】特開2016-210262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00-9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体の鉛直上側に前記下部走行体に対して旋回可能に設けられる上部旋回体であって、前記鉛直上側を向く状態で外部に露出する旋回体上面を有し、前記旋回体上面が、メンテナンス作業における足場を形成する上部旋回体と、
前記上部旋回体に連結され、前記上部旋回体と一緒に旋回する作業装置と、
前記上部旋回体に設置されるキャブと、
前記上部旋回体において前記旋回体上面を形成するフレームと、
前記旋回体上面において前記作業装置を挟んで前記キャブとは反対側の外縁部で前記フレームに取付けられ、前記旋回体上面の前記外縁部から前記鉛直上側に延設されるストッパーであって、前記旋回体上面からの滑り止めを形成するストッパーと、
前記上部旋回体の幅方向について前記ストッパーに対して外側に配置される状態で、前記ストッパーの上端部に取付けられるカメラと、
前記旋回体上面から前記鉛直上側に向かって延設され、前記上部旋回体の前記幅方向について前記カメラ及び前記ストッパーに対して内側に配置される手すりであって、上端が前記ストッパーの上端及び前記カメラに対して前記鉛直上側に位置する手すりと、
を具備する、建設機械。
【請求項2】
前記ストッパーは、厚さ方向が前記上部旋回体の前記幅方向と一致する板状に形成されるとともに、前記旋回体上面の前記外縁部に沿って延設され、
前記旋回体上面の前記外縁部に沿う方向について前記ストッパーの寸法は、鉛直方向についての前記ストッパーの寸法より、大きい、
請求項1の建設機械。
【請求項3】
前記上部旋回体は、前記旋回体上面への昇降に用いられる階段を備え、
前記階段は、前記作業装置を挟んで前記キャブとは反対側に設けられる、
請求項1又は2の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建設機械の一種である油圧ショベルが開示されている。この油圧ショベルでは、下部走行体の鉛直上側に上部旋回体が設けられ、上部旋回体は、下部走行体に対して旋回可能である。上部旋回体には、建設機械の操作等が行われるキャブ(運転室)が設置されるとともに、ブーム等を含む作業装置が連結される。キャブ及び作業装置は、上部旋回体と一緒に、下部走行体に対して旋回可能である。また、上部旋回体には、鉛直上側を向く状態で外部に露出する旋回体上面が、設けられる。そして、旋回体上面では、上部旋回体の幅方向について作業装置を挟んでキャブとは反対側の外縁部に、カメラが取付けられる。カメラによって取得される画像は、油圧ショベルの周囲において、上部旋回体の幅方向についてキャブとは反対側の領域の状況を示す。そして、カメラによって取得される画像は、キャブの内部の表示画面に表示される。これにより、作業者は、油圧ショベルの周囲において、上部旋回体の幅方向についてキャブとは反対側の領域の状況を、キャブの内部で視認可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-121270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
油圧ショベル等の建設機械では、例えば、上部旋回体においてキャブ及び作業装置に対して後方側に、エンジンが配置されるエンジンルーム、及び、ポンプが配置されるポンプ室等が、設けられる。そして、エンジンルーム及びポンプ室等のメンテナンス作業等において、作業者は、カメラが取付けられる旋回体上面を足場として、作業を行うことがある。したがって、旋回体上面で作業時において、作業者のカメラへの接触が有効に防止され、作業性が確保されることが、求められる。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、旋回体上面での作業時において、作業者のカメラへの接触が有効に防止され、作業性が確保される建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のある態様の建設機械は、下部走行体と、前記下部走行体の鉛直上側に前記下部走行体に対して旋回可能に設けられる上部旋回体であって、前記鉛直上側を向く状態で外部に露出する旋回体上面を有し、前記旋回体上面が、メンテナンス作業における足場を形成する上部旋回体と、前記上部旋回体に連結され、前記上部旋回体と一緒に旋回する作業装置と、前記上部旋回体に設置されるキャブと、前記上部旋回体において前記旋回体上面を形成するフレームと、前記旋回体上面において前記作業装置を挟んで前記キャブとは反対側の外縁部で前記フレームに取付けられ、前記旋回体上面の前記外縁部から前記鉛直上側に延設されるストッパーであって、前記旋回体上面からの滑り止めを形成するストッパーと、前記上部旋回体の幅方向について前記ストッパーに対して外側に配置される状態で、前記ストッパーの上端部に取付けられるカメラと、前記旋回体上面から前記鉛直上側に向かって延設され、前記上部旋回体の前記幅方向について前記カメラ及び前記ストッパーに対して内側に配置される手すりであって、上端が前記ストッパーの上端及び前記カメラに対して前記鉛直上側に位置する手すりと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、旋回体上面での作業時において、作業者のカメラへの接触が有効に防止され、作業性が確保される建設機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る油圧ショベルを示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る油圧ショベルを示し、下部走行体及び上部旋回体を幅方向の一方側から視た状態で示す側面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る油圧ショベルを、鉛直上側から視た状態で示す上面図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る上部旋回体の旋回体上面において、作業装置を挟んでキャブとは反対側の外縁部及びその近傍の構成を示す斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る上部旋回体において、カメラユニット及びその近傍を、幅方向について外側から視た状態で示す側面図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るカメラユニットを、カメラカバーのみが他の部品から取外された状態で示す斜視図である。
図7図7は、第1の実施形態に係るカメラユニットを、部品ごとに分解して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。
【0010】
図1乃至図3は、第1の実施形態に係る建設機械である油圧ショベル1を示す。図1乃至図3に示すように、油圧ショベル1は、下部走行体2と、下部走行体2の鉛直上側(矢印Z1側)に設けられる上部旋回体3と、を備える。上部旋回体3は、鉛直方向(矢印Z1及び矢印Z2で示す方向)に平行又は略平行な旋回軸R(図2参照)を中心として、下部走行体2に対して旋回可能である。
【0011】
下部走行体2及び上部旋回体3のそれぞれでは、鉛直方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)前後方向、及び、鉛直方向及び前後方向の両方に対して交差する幅方向が規定される。図1乃至図3等では、上部旋回体3の幅方向は、矢印Y1及び矢印Y2で示す方向と一致し、上部旋回体3の前後方向は、矢印X1及び矢印X2で示す方向と一致する。図1は、斜視図である。図2では、上部旋回体3を幅方向の一方側から視た状態で示し、上部旋回体3を右方側(矢印Y2側)から視た状態で示す。また、図3では、下部走行体2及び上部旋回体3のそれぞれを、鉛直上側から視た状態で示す。また、図1乃至図3では、上部旋回体3の前方側(矢印X1側)が下部走行体2の前方側と一致又は略一致する状態を、示す。このため、図2では、下部走行体2は、幅方向の一方側、すなわち、右方側から視た状態で、示される。
【0012】
上部旋回体3には、作業装置5が連結される。作業装置5は、上部旋回体3と一緒に、下部走行体2に対して旋回する。作業装置5は、ブーム6と、アーム7と、バケット8と、を備える。ブーム6の基端部は、上部旋回体3に回動可能に取付けられる。ブーム6が上部旋回体3に対して回動することにより、ブーム6は、上部旋回体3に対して起状動作又は伏状動作する。ブーム6が上部旋回体3に対して最も起状した状態では、ブーム6は、上部旋回体3から鉛直上側に向かって延設される。また、ブーム6が上部旋回体3に対して最も伏状した状態では、ブーム6は、上部旋回体3の前方側へ上部旋回体3から延設され、上部旋回体3に対して上部旋回体3の前方側へ突出する。アーム7の基端部は、ブーム6の先端部に回動可能に取付けられる。そして、作業アタッチメントであるバケット8は、アーム7の先端部に回動可能に取付けられる。油圧ショベル1では、作業装置5を駆動することにより、バケット8によって土砂等が掘削される。なお、本実施形態では、上部旋回体3の幅方向(左右方向)についての中央面M(図3参照)は、作業装置5(ブーム6)を通過する。
【0013】
上部旋回体3は、土台(土台フレーム)11を備える。土台11は、鉛直方向について、上部旋回体3の下方端部に設けられる。また、上部旋回体3では、土台11は、前方端部から後方端部に渡って形成される。そして、上部旋回体3では、土台11は、幅方向について一端部から他端部に渡って、すなわち、左方端部から右方端部に渡って、形成される。上部旋回体3の土台11上には、キャブ(運転室)12が設置される。作業者は、キャブ12の内部において、油圧ショベル1の操作等を行う。上部旋回体3では、キャブ12は、前方端部から後方側に向かって、延設される。また、キャブ12は、上部旋回体3の幅方向について、ブーム6に対して並んで配置される。本実施形態の上部旋回体3では、キャブ12は、ブーム6(作業装置5)に対して左方側(矢印Y1側)に並んで配置される。
【0014】
上部旋回体3の土台11上には、カバー13が設置される。カバー13の内部には、エンジン(図示しない)が配置されるエンジンルーム(図示しない)、及び、ポンプ(図示しない)が配置されるポンプ室(図示しない)等が、形成される。上部旋回体3では、カバー13は、鉛直上側、及び、幅方向の両側(左方側及び右方側)から、エンジンルーム及びポンプ室等が形成される空間を覆う。したがって、エンジンルーム及びポンプ室等は、鉛直方向について、土台11とカバー13の上壁との間に形成される。また、カバー13には、開閉可能な扉15,16,17が設けられる。エンジンルーム及びポンプ室等のメンテナンス作業においては、作業者は、扉15~17のいずれか1つ以上を開いて、作業を行う。
【0015】
また、上部旋回体3の土台11上には、カウンタウエイト18を設置可能である。カウンタウエイト18は、油圧ショベル1のバランスを保つ重りである。上部旋回体3においてカウンタウエイト18が土台11上に設置された状態では、カウンタウエイト18は、カバー13に対して後方側に配置される。そして、上部旋回体3では、カウンタウエイト18は、エンジンルーム及びポンプ室等が形成される空間に対して、後方側に隣接する。
【0016】
上部旋回体3では、フレーム21,22が、後方側からキャブ12に連結される。フレーム21,22は、上部旋回体3の前後方向について、キャブ12とカバー13との間に配置される。また、本実施形態では、上部旋回体3の幅方向(左右方向)についての中央面M(図3参照)は、フレーム22を通過する。フレーム21,22は、上部旋回体3の幅方向について、互いに対して並んで配置される。本実施形態では、フレーム21は、フレーム22に対して、キャブ12が位置する側に配置される。そして、上部旋回体3では、フレーム21は、フレーム22に対して左方側(矢印Y1側)に並んで配置される。また、フレーム21,22のそれぞれの上面は、鉛直上側を向く状態で外部に露出する。
【0017】
また、上部旋回体3の土台11上には、フレーム23,24が設置される。フレーム23,24は、作業装置5(ブーム6)及びフレーム22に対して、フレーム21及びキャブ12が位置する側とは反対側に配置される。すなわち、フレーム23,24は、上部旋回体3の幅方向について、作業装置5を挟んでキャブ12とは反対側に配置される。本実施形態の上部旋回体3では、フレーム23,24は、フレーム22に対して右方側(矢印Y2側)に隣接する。また、上部旋回体3では、フレーム23は、フレーム24対して後方側(矢印X2側)に隣接する。そして、フレーム23は、上部旋回体3の前後方向について、フレーム24とカバー13との間に配置される。フレーム23,24のそれぞれの上面は、鉛直上側を向く状態で外部に露出する。
【0018】
本実施形態では、フレーム23は、作動油タンクの外装部となり、フレーム23の内部に作動油が貯められる。したがって、作動油を溜める空間が、鉛直方向について、土台11とフレーム23の上壁との間に形成される。また、フレーム24は、燃料タンクの外装部となり、フレーム24の内部に燃料が貯められる。したがって、燃料を溜める空間が、鉛直方向について、土台11とフレーム24の上壁との間に形成される。
【0019】
また、本実施形態では、フレーム21~24の上面は、互いに対して、同一又は略同一の平面上に配置される。そして、上部旋回体3では、フレーム21~24の上面によって、旋回体上面20が形成される。旋回体上面20は、上部旋回体3において鉛直上側を向く状態で外部に露出する。上部旋回体3では、旋回体上面20は、カバー13の上壁に対して前方側(矢印X1側)に隣接する。旋回体上面20は、前述したエンジンルーム及びポンプ室等のメンテナンス作業における作業者の足場を、形成する。
【0020】
旋回体上面20では、上部旋回体3の幅方向についての両外縁部(両外縁)E1,E2が、形成される。外縁部E1は、旋回体上面20において作業装置5に対してキャブ12が位置する側の外縁部であり、外縁部E2は、旋回体上面20において作業装置5を挟んでキャブ12とは反対側の外縁部である。そして、本実施形態では、外縁部E1が、左方側の外縁部であり、外縁部E2が、右方側の外縁部である。したがって、外縁部E1,E2は、上部旋回体3の幅方向について、作業装置5を挟んで互いに対して反対側に位置する。また、本実施形態では、外縁部(外縁)E1が、フレーム21によって形成され、外縁部(外縁)E2が、フレーム23,24によって形成される。
【0021】
また、上部旋回体3には、旋回体上面20への昇降に用いられる階段26が、設けられる。階段26は、上部旋回体3の幅方向について、作業装置5を挟んでキャブ12とは反対側に配置される。本実施形態の上部旋回体3では、階段26は、フレーム24に対して前方側に隣接する。
【0022】
また、本実施形態では、階段26は、フレーム27及び突起部材28によって形成される。フレーム27は、土台11上に設置され、突起部材28は、土台11の前方端面から上部旋回体3の前方側へ突出する。また、フレーム27は、上部旋回体3の前後方向について、突起部材28とフレーム24との間に、配置される。本実施形態では、フレーム27は、工具箱の外装部となり、フレーム27の内部に工具等が収納される。したがって、工具等が収納される空間が、鉛直方向について、土台11とフレーム27の上壁との間に形成される。
【0023】
図4は、旋回体上面20において、作業装置5を挟んでキャブ12とは反対側の外縁部E2及びその近傍の構成を示す。ここで、図4は、斜視図であり、上部旋回体3の幅方向について内側から視た状態を示す。図1乃至図4等に示すように、旋回体上面20では、フレーム23にストッパー31が取付けられる。ストッパー31は、エンジンルーム及びポンプ室等のメンテナンス作業における旋回体上面20からの滑り止めを形成する。本実施形態では、ストッパー31は、鉛直上側から視て、L字状又は略L字状になる。
【0024】
ストッパー31は、延設部32,33を備える。延設部32は、厚さ方向が上部旋回体3の幅方向と一致又は略一致する板状に形成される。また、延設部32は、旋回体上面20の外縁部E2に沿って延設され、上部旋回体3の前後方向に沿って延設される。そして、上部旋回体3の旋回体上面20の外縁部E2では、延設部32は、フレーム23の後端まで、すなわち、フレーム23とカバー13との境界まで、後方側へ向かって延設される。また、延設部32は、旋回体上面20の外縁部E2から鉛直上側に延設される。なお、旋回体上面20の外縁部E2に沿う方向(上部旋回体3の前後方向)についての延設部32の寸法は、鉛直方向についての延設部32の寸法より、大きい。
【0025】
延設部33は、厚さ方向が上部旋回体3の前後方向と一致又は略一致する板状に形成される。また、延設部33は、フレーム23とカバー13との境界部に沿って延設され、上部旋回体3の幅方向に沿って延設される。そして、延設部33では、上部旋回体3の幅方向についての一端が、延設部32の後端と連続する。また、延設部33は、フレーム23とカバー13との境界部から鉛直上側に延設される。なお、上部旋回体3の幅方向についての延設部33の寸法は、鉛直方向についての延設部33の寸法より、大きい。
【0026】
また、旋回体上面20では、フレーム24にストッパー35が取付けられる。ストッパー35は、エンジンルーム及びポンプ室等のメンテナンス作業における旋回体上面20からの滑り止めを形成する。本実施形態では、ストッパー35は、中継板36,37を間に介して、フレーム24の上面、すなわち、旋回体上面20に取付けられる。また、上部旋回体3の旋回体上面20では、ストッパー35は、ストッパー31に対して前方側に配置される。
【0027】
ストッパー35は、厚さ方向が上部旋回体3の幅方向と一致又は略一致する板状に形成される。また、ストッパー35は、旋回体上面20の外縁部E2に沿って延設され、上部旋回体3の前後方向に沿って延設される。そして、ストッパー35は、旋回体上面20の外縁部E2から鉛直上側に延設される。なお、旋回体上面20の外縁部E2に沿う方向(上部旋回体3の前後方向)についてのストッパー35の寸法は、鉛直方向についてのストッパー35の寸法より、大きい。
【0028】
本実施形態では、ストッパー35の上端部に、カメラ41を含むカメラユニット40が取付けられる。すなわち、ストッパー35に、カメラ41を取付け可能である。なお、カメラ41は、ストッパー35から取外し可能であってもよい。
【0029】
図5は、上部旋回体3においてカメラユニット40及びその近傍を示す。図5は、上部旋回体3の幅方向について外側からカメラユニット40及びその近傍を視た状態を示し、本実施形態では、上部旋回体3の右方側から視た状態を示す。また、図6及び図7は、カメラユニット40の構成を示す。図6は、カメラユニット40において後述するカメラカバー48のみが他の部品から取外された状態を示し、図7は、カメラユニット40を部品ごとに分解して示す。
【0030】
図5乃至図7等に示すように、カメラユニット40は、カメラ41に加えて、ホルダ部材43,45を備える。カメラ41は、ホルダ部材43,45の間で挟まれ、ホルダ部材43,45の間で保持される。また、ホルダ部材43は、ビス46A,46Bを介して、ホルダ部材45に対して固定される。
【0031】
また、カメラユニット40は、接続部材47、カメラカバー48及びプレート55を備える。接続部材47は、ボルト56A,56Bを介して、ストッパー35に取付けられる。接続部材47がストッパー35に取付けられた状態では、接続部材47は、ストッパー35の内表面に当接する。すなわち、接続部材47は、上部旋回体3の幅方向について、ストッパー35に内側から当接する。本実施形態では、ストッパー35に、孔63A,63Bが形成される。孔63A,63Bのそれぞれは、上部旋回体3の幅方向(ストッパー35の厚さ方向)について、ストッパー35を貫通する。ボルト56A,56Bのそれぞれが孔63A,63Bの対応する一方に挿入されることにより、接続部材47がストッパー35に取付けられる。
【0032】
ホルダ部材43,45は、ボルト57A,57Bを介して、接続部材47に取付けられる。また、カメラユニット40には、ボルト57Aに対応してナット61A及びワッシャー62Aが設けられ、ボルト57Bに対応してナット61B及びワッシャー62Bが設けられる。ホルダ部材43,45が接続部材47に取付けられた状態では、プレート55が、ホルダ部材43と接続部材47との間に挟まれる。また、カメラカバー48は、ボルト58A,58Bを介して、接続部材47に取付けられる。
【0033】
前述のようにして、カメラ41を含むカメラユニット40が、ストッパー35の上端部に取付けられる。カメラユニット40がストッパー35に取付けられた状態では、カメラ41は、上部旋回体3の幅方向について、ストッパー35に対して外側に配置される。また、カメラ41には、ケーブル42が接続される。図4等に示すように、ケーブル42は、上部旋回体3の旋回体上面20上に延設される。そして、カメラ41は、油圧ショベル1に搭載される画像処理装置(図示しない)に、ケーブル42を介して、電気的に接続される。
【0034】
カメラ41は、油圧ショベル1の周囲において、上部旋回体3の幅方向についてキャブ12とは反対側の領域を撮影する。そして、カメラ41によって撮影された情報を示す信号が、カメラ41からケーブル42を介して、画像処理装置に伝達される。そして、画像処理装置は、伝達された信号に基づいて、油圧ショベル1の周囲において、上部旋回体3の幅方向についてキャブ12とは反対側の領域の状況を示す画像を生成する。そして、画像処理装置は、生成した画像を、キャブ12の内部の表示画面(図示しない)等に表示する。これにより、作業者は、油圧ショベル1の周囲において、上部旋回体3の幅方向についてキャブ12とは反対側の領域の状況を、キャブ12の内部で視認可能になる。
【0035】
また、図1乃至図4等に示すように、上部旋回体3では、手すり51,52が、旋回体上面20から鉛直上側に向かって延設される。そして、上部旋回体では、手すり53が、旋回体上面20及び階段26の上面から鉛直上側に向かって延設される。本実施形態では、上部旋回体3の後方側から、手すり51,52,53の順に配置される。
【0036】
上部旋回体3の旋回体上面20では、手すり51,52は、外縁部E2の近傍に配置される。ただし、手すり51,52は、上部旋回体3の幅方向について、カメラユニット40、ストッパー31の延設部32、及び、ストッパー35に対して、内側に位置する。したがって、カメラユニット40(カメラ41)は、上部旋回体3の幅方向について、手すり52に対して外側に配置される。また、手すり51~53の上端は、ストッパー31,35の上端及びカメラユニット40に対して、鉛直上側に位置する。なお、本実施形態では、カメラユニット40は、上部旋回体3の前後方向について、手すり52が延設される範囲に配置される。
【0037】
前述のように本実施形態では、旋回体上面20において作業装置5を挟んでキャブ12とは反対側の外縁部E2で、ストッパー35が、フレーム24に取付けられる。そして、ストッパー35は、旋回体上面20の外縁部E2から鉛直上側に延設され、ストッパー35の上端部に、カメラユニット40が取付けられる。これにより、カメラ41は、旋回体上面20から鉛直上側に離れて配置される。したがって、前述したエンジンルーム及びポンプ室等のメンテナンス作業等の旋回体上面20での作業時において、作業者のカメラ41への接触が有効に防止される。これより、旋回体上面20での作業時において、作業性が確保される。
【0038】
また、カメラユニット40がストッパー35に取付けられた状態では、カメラ41は、上部旋回体3の幅方向について、ストッパー35に対して外側に配置される。このため、旋回体上面20での作業時において、作業者のカメラ41への接触が、さらに有効に防止される。
【0039】
また、カメラユニット40(カメラ41)は、上部旋回体3の幅方向について、手すり52に対して外側に配置される。そして、手すり52の上端は、ストッパー35の上端及びカメラユニット40に対して、鉛直上側に位置する。このため、手すり52によって、作業者のカメラ41への接触が、さらに有効に防止される。
【0040】
また、旋回体上面20を形成するフレーム21~24は、メンテナンス作業における作業者の足場を形成する部材として、油圧ショベル1に設けられる。また、ストッパー35は、メンテナンス作業における旋回体上面20からの滑り止めを形成する部材として、油圧ショベル1に設けられる。したがって、新たに部材を追加することなく、前述したカメラ41の取付け構造が、実現される。
【0041】
また、ストッパー35は、旋回体上面20の外縁部E2に沿って延設され、上部旋回体3の前後方向に沿って延設される。そして、旋回体上面20の外縁部E2に沿う方向(上部旋回体3の前後方向)についてのストッパー35の寸法は、鉛直方向についてのストッパー35の寸法より、大きい。旋回体上面20の外縁部E2に沿う方向についてのストッパー35の寸法が大きいため、設計段階において、ストッパー35へのカメラ41の取付け位置についての自由度が高くなる。したがって、製造する油圧ショベル1の仕様及び使用環境等に対応する適宜の位置で、ストッパー35にカメラユニット40を取付け可能となる。
【0042】
なお、前述の実施形態では、油圧ショベル1について説明したが、クレーン等のその他の建設機械においても、前述のカメラ41の取付け構造を適用可能である。すなわち、前述のカメラ41の取付け構造を適用可能な建設機械には、下部走行体2及び上部旋回体3が設けられる。そして、上部旋回体3には、作業装置5が連結されるとともに、キャブ12が設置される。そして、上部旋回体3では、鉛直上側を向く状態で露出する旋回体上面20が、フレーム(例えば24)によって形成される。そして、旋回体上面20において作業装置5を挟んでキャブ12とは反対側の外縁部E2で、ストッパー35がフレーム(例えば24)に取付けられ、ストッパー35は、旋回体上面20の外縁部E2から鉛直上側へ延設される。そして、ストッパー35の上端部に、カメラ41を取付け可能である。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0044】
1…油圧ショベル、2…下部走行体、3…上部旋回体、5…作業装置、12…キャブ、20…旋回体上面、21~24,27…フレーム、26…階段、31,35…ストッパー、40…カメラユニット、41…カメラ、E1,E2…外縁部。
図1
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図7