(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】二次電池及び二次電池の絶縁カバー
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20220808BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20220808BHJP
H01M 50/477 20210101ALI20220808BHJP
H01M 50/474 20210101ALI20220808BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20220808BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20220808BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M50/477
H01M50/474
H01M50/586
H01M50/591
(21)【出願番号】P 2019025224
(22)【出願日】2019-02-15
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】小倉 正也
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222504(JP,A)
【文献】特開2016-085912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/00-10/39
H01M50/40-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電タブを一端に有する矩形状の基材と、当該基材に設けられた極合剤とを含む複数の極板を有する二次電池であって、
複数の前記極板を、セパレータを介して、前記集電タブの位置を電極毎に揃えた状態で積層した極板群と、
前記集電タブが接合される集電部が設けられる蓋部と、
絶縁材料からなり、前記極板群の一部を覆う絶縁カバーと、
前記絶縁カバーに収容された前記極板群を電解質とともに収容するケースと、を備え、
前記絶縁カバーは、
前記極板群のうち、積層方向の端に位置する前面及び背面にそれぞれ対向する前壁部及び後壁部と、前記集電タブが位置する前記極板群の上面及びその反対側の下面の間に位置する1対の側面にそれぞれ対向する1対の側壁部とを有し、
前記側壁部は、前記絶縁カバーに収容された前記極板群の上面よりも上方に突出し、前記蓋部が連結され且つ前記絶縁カバーに収容された前記極板群を前記ケースに挿入する際に前記蓋部と当接する当接面を有
し、
前記側壁部の厚さは、前記前壁部及び前記後壁部の厚さよりも大きい
二次電池。
【請求項2】
集電タブを一端に有する矩形状の基材と、当該基材に設けられた極合剤とを含む複数の極板を有する二次電池であって、
複数の前記極板を、セパレータを介して、前記集電タブの位置を電極毎に揃えた状態で積層した極板群と、
前記集電タブが接合される集電部が設けられる蓋部と、
絶縁材料からなり、前記極板群の一部を覆う絶縁カバーと、
前記絶縁カバーに収容された前記極板群を電解質とともに収容するケースと、を備え、
前記絶縁カバーは、
前記極板群のうち、積層方向の端に位置する前面及び背面にそれぞれ対向する前壁部及び後壁部と、前記集電タブが位置する前記極板群の上面及びその反対側の下面の間に位置する1対の側面にそれぞれ対向する1対の側壁部と
、上壁部とを有し、
前記側壁部は、前記絶縁カバーに収容された前記極板群の上面よりも上方に突出し、前記蓋部が連結され且つ前記絶縁カバーに収容された前記極板群を前記ケースに挿入する際に前記蓋部と当接する当接面を有
し、
前記上壁部は、前記蓋部が連結された前記極板群が前記絶縁カバーの内側に収容された際に、前記極板群の上面に位置する前記集電タブ及び金属材からなる前記蓋部との間に介在する
二次電池。
【請求項3】
前記前壁部と前記後壁部との間の最短距離が、前記前壁部及び前記後壁部が前記極板群の前記前面及び前記背面に当接するように、前記極板群の積層方向の長さ以下とされる
請求項1
又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
1対の前記側壁部の最短距離は、前記極板群が前記絶縁カバーに収容された状態で前記側壁部と前記極板群との間に空間が設けられるように、前記極板群の一方の前記側面から他方の前記側面に向かう方向に沿った幅よりも大きい
請求項1~3のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項5】
1対の前記側壁部の少なくとも一方は、前記絶縁カバーの内側と外側とを連通する連通孔を有する
請求項1~4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記上壁部の厚さは、前記極板群の前面及び背面にそれぞれ対向する前記前壁部及び前記後壁部の厚さよりも大きい
請求項
2に記載の二次電池。
【請求項7】
前記絶縁カバーは、前記極板群の前記下面に対向する底壁部を有する
請求項1~
6のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記絶縁カバーの前面及び背面は、前記極板群が前記ケースに収容される過程及び前記ケースに収容された状態で、前記ケースの内周面であって前記前面と対向する面と前記背面と対向する面と当接する
請求項1~
7のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項9】
集電タブを一端に有する矩形状の基材及び当該基材に設けられた極合剤を含む複数の極板をセパレータを介して前記集電タブの位置を揃えた状態で積層した極板群と、前記集電タブが接合される集電部が設けられる蓋部と、前記極板群を電解質とともに収容するケースとを有する二次電池に用いられる絶縁カバーであって、
前記極板群のうち、積層方向の端に位置する前面及び背面にそれぞれ対向する前壁部及び後壁部と、前記集電タブが位置する前記極板群の上面及びその反対側の下面との間に位置する1対の側面にそれぞれ対向する1対の側壁部とを有し、
前記側壁部は、前記絶縁カバーに収容された前記極板群の上面よりも上方に突出し、前記蓋部が連結され且つ前記絶縁カバーに収容された前記極板群を前記ケースに挿入する際に前記蓋部と当接する当接面を有
し、
前記側壁部の厚さは、前記前壁部及び前記後壁部の厚さよりも大きい
二次電池の絶縁カバー。
【請求項10】
集電タブを一端に有する矩形状の基材及び当該基材に設けられた極合剤を含む複数の極板をセパレータを介して前記集電タブの位置を揃えた状態で積層した極板群と、前記集電タブが接合される集電部が設けられる蓋部と、前記極板群を電解質とともに収容するケースとを有する二次電池に用いられる絶縁カバーであって、
前記極板群のうち、積層方向の端に位置する前面及び背面にそれぞれ対向する前壁部及び後壁部と、前記集電タブが位置する前記極板群の上面及びその反対側の下面との間に位置する1対の側面にそれぞれ対向する1対の側壁部と
、上壁部とを有し、
前記側壁部は、前記絶縁カバーに収容された前記極板群の上面よりも上方に突出し、前記蓋部が連結され且つ前記絶縁カバーに収容された前記極板群を前記ケースに挿入する際に前記蓋部と当接する当接面を有
し、
前記上壁部は、前記蓋部が連結された前記極板群が前記絶縁カバーの内側に収容された際に、前記極板群の上面に位置する前記集電タブ及び金属材からなる前記蓋部との間に介在する
二次電池の絶縁カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池及び二次電池の絶縁カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池の構造の一つとして、ケース、ケースに収容された電極体、及びケースの開口を封止した蓋部を有するものがある。電極体は、基材に正極合剤を設けた正極板と、基材に負極合剤を設けた負極板と、セパレータとを含む。電極体の構造として、正極板、負極板及びそれらの間に介在するセパレータが重ねられたものが捲回された捲回型のものと、複数の正極板、複数の負極板及びそれらの間に介在するセパレータとが積層された積層型のものとが知られている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
電極体には、二次電池の正極端子及び負極端子に電気的にそれぞれ接続する集電タブが設けられる。電極体における集電タブの位置は、電極体の構造等によって異なる。例えば、捲回型の電極体は、特許文献1に記載されたように、電極体の両端に、正極側の集電タブ及び負極側の集電タブをそれぞれ設ける構造が一般的である。積層型の電極体(以下、極板群という)には、極板群の一方の端部に正負両方の集電タブを設ける構造のものがある。このように極板群の一方の端部に集電タブを設けると、捲回型の電極体に比べて集電タブの占有スペースを縮小できる分、極合剤の占有スペースを大きくすることが可能であるため、電池容量の増大を図ることができるといった利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-62645号公報
【文献】特開2018-10850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
極板群を備える二次電池を組み立てる際、まず極板群の一方の端部に設けられた正極の集電タブ及び負極の集電タブと、二次電池の蓋部に設けられる集電部とを電気的に接合する。次いで、集電タブを介して蓋部に連結された極板群に、絶縁体からなるフィルムを被せる。
【0006】
次いで、フィルムを被せた極板群をケースに収容する。このとき、蓋部の上から押圧力が加えられることによって、極板群とケースの内周面との間に摩擦力を生じさせつつ、極板群をケース内に押し込む。極板群は、集電タブを介して蓋部側に構造的に連結され、極板群はケースの内周面に保持されているため、蓋部に加えられた押圧力は、集電タブを介して、集電タブを除く本体部分に加わる。
【0007】
しかし、極板群の集電タブは、金属箔からなる基材の一部として形成されているため、押圧力が加えられることにより変形しやすい。上述したように、集電タブは、正極板及び負極板と、正極端子及び負極端子とを電気的に接続する機能を有するため、変形は好ましくない。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、正極及び負極の集電タブが一方の端部に位置する極板群を備える二次電池について、集電タブの変形を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する二次電池は、集電タブを一端に有する矩形状の基材と、当該基材に設けられた極合剤とを含む複数の極板を有する二次電池であって、複数の前記極板を、セパレータを介して、前記集電タブの位置を電極毎に揃えた状態で積層した極板群と、前記集電タブが接合される集電部が設けられる蓋部と、絶縁材料からなり、前記極板群の一部を覆う絶縁カバーと、前記絶縁カバーに収容された前記極板群を電解質とともに収容するケースと、を備え、前記絶縁カバーは、前記極板群のうち、積層方向の端に位置する前面及び背面にそれぞれ対向する前壁部及び後壁部、前記集電タブが位置する上面及びその反対側の下面との間に位置する1対の側面にそれぞれ対向する1対の側壁部を有し、前記側壁部は、前記絶縁カバーに収容された前記極板群の上面よりも上方に突出し、前記蓋部が連結され且つ前記絶縁カバーに収容された前記極板群を前記ケースに挿入する際に前記蓋部と当接する当接面を有する。
【0010】
上記課題を解決する二次電池の絶縁カバーは、集電タブを一端に有する矩形状の基材及び当該基材に設けられた極合剤を含む複数の極板をセパレータを介して前記集電タブの位置を揃えた状態で積層した極板群と、前記集電タブが接合される集電部が設けられる蓋部と、前記極板群を電解質とともに収容するケースとを有する二次電池に用いられる絶縁カバーであって、前記極板群のうち、積層方向の端に位置する前面及び背面にそれぞれ対向する前壁部及び後壁部、前記集電タブが位置する上面及びその反対側の下面との間に位置する1対の側面にそれぞれ対向する1対の側壁部を有し、前記側壁部は、前記絶縁カバーに収容された前記極板群の上面よりも上方に突出し、前記蓋部が連結され且つ前記絶縁カバーに収容された前記極板群を前記ケースに挿入する際に前記蓋部と当接する当接面を有する。
【0011】
上記構成によれば、絶縁カバーに収容され蓋部と構造的に連結された極板群が、蓋部に押圧力が加えられることによりケースに押し込まれるとき、絶縁カバーの側壁部の当接面と蓋部とが当接し、蓋部が側壁部によって支持される。このため、蓋部に加えられた押圧力が、集電タブに加わることを抑制することができる。したがって、正極及び負極の集電タブが一方の端部に位置する極板群を備える二次電池において、集電タブの変形を抑制することができる。
【0012】
上記二次電池について、前記前壁部と前記後壁部との間の最短距離が、前記極板群が前記絶縁カバーに収容された際に、前記前壁部及び前記後壁部が前記極板群の前記前面及び前記背面に当接するように、前記極板群の積層方向の長さ以下とされることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、極板群は、絶縁カバーの前壁部と後壁部との間に挟まれた状態で保持される。このため、極板群の復元力(スプリングバック)等に起因する極板群の厚さの増大を防ぐことができる。
【0014】
上記二次電池について、前記側壁部の厚さが、前記前壁部及び前記後壁部の厚さよりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、絶縁カバーの側壁部の厚さが前壁部及び後壁部の厚さよりも大きいため、絶縁カバーの強度を高めることができる。一方、絶縁カバーの前壁部及び後壁部を薄くすることで、二次電池を前壁部から後壁部に向かう方向にコンパクトにすることができる。
【0015】
上記二次電池について、1対の前記側壁部の最短距離は、前記極板群が前記絶縁カバーに収容された状態で前記側壁部と前記極板群との間に空間が設けられるように、前記極板群の一方の前記側面から他方の前記側面に向かう方向に沿った幅よりも大きいことが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、絶縁カバーに収容された極板群と、絶縁カバーの側壁部との間には空間が設けられる。このため、極板群14の積層面と、絶縁カバーの側壁部とが接触しないので、極板群を構成する極板がずれる等、積層状態が崩れたり、変形したりすることを抑制することができる。
【0017】
上記二次電池について、1対の前記側壁部の少なくとも一方は、前記絶縁カバーの内側と外側とを連通する連通孔を有することが好ましい。
上記構成によれば、ケースに注入された電解質を、連通孔を介して流動させることにより、絶縁カバーとケースとの間にも電解質を充填することができる。また、二次電池の充放電に伴う極板群の膨張及び収縮に伴い、連通孔を介して、電解質を絶縁カバー外に流出させたり絶縁カバー内に流入させたりすることができる。
【0018】
上記二次電池について、前記絶縁カバーは、前記蓋部が連結された前記極板群がその内側に収容された際に、前記極板群の上面に位置する前記集電タブ及び金属材からなる前記蓋部との間に介在する前記上壁部を有することが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、絶縁カバーの上壁部は、集電タブと金属材からなる蓋部との間に介在するので、集電タブと蓋部との接触による正負極短絡を防ぐことができる。
上記二次電池について、前記上壁部の厚さが、前記極板群の前面及び背面にそれぞれ対向する前壁部及び後壁部の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、絶縁カバーの上壁部の厚さが前壁部及び後壁部の厚さよりも大きいため、絶縁カバーの強度を高めることができる。一方、絶縁カバーの前壁部及び後壁部を薄くすることで、二次電池を前壁部から後壁部に向かう方向にコンパクトにすることができる。
【0021】
上記二次電池について、前記絶縁カバーは、前記極板群の下面に対向する底壁部を有することが好ましい。
上記構成によれば、絶縁カバーは底壁部を有するので、ケースが金属材からなる場合に、極板群とケースとの間に介在することによってケースと極板群との短絡を防ぐことができる。
【0022】
上記二次電池について、前記絶縁カバーの前面及び背面は、前記極板群が前記ケースに収容される過程及び前記ケースに収容された状態で、前記ケースの内周面であって前記前面と対向する面と前記背面と対向する面と当接することが好ましい。
【0023】
上記構成によれば、絶縁カバーの前面及び背面は、ケースに収容された状態でケースの内周面に当接するので、絶縁カバーの前面から背面に向かう方向において、二次電池をコンパクトにすることができる。また、絶縁カバーに収容された極板群は、絶縁カバーがケースの内周面を摺動しながら、ケースに収容される。このため、極板群をケースに保持させながら、ケース内に収容することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、正極及び負極の集電タブが一方の端部に位置する極板群を備える二次電池について、集電タブの変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】二次電池を具体化した一実施形態について、その斜視構造の概略を示す図。
【
図2】同実施形態における極板群の構造を説明する模式図。
【
図3】同実施形態における蓋部に連結された極板群の斜視図。
【
図5】同実施形態における二次電池の内部の構造体の分解斜視図。
【
図6】同実施形態における絶縁カバーの一部を拡大した図。
【
図7】同実施形態における電池構成体をケースに収容する工程を説明する図。
【
図8】同実施形態における二次電池の集電部近傍における断面図。
【
図9】他の実施形態における絶縁カバーの分解斜視図。
【
図10】他の実施形態における絶縁カバーの斜視図。
【
図11】他の実施形態における絶縁カバーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1~
図8を参照して、本発明の一実施形態について説明する。以下では、二次電池をリチウムイオン二次電池に具体化した例について説明する。
図1に示すように、二次電池11は、開口部を有するケース12と、ケース12の開口部を封止する蓋部13とを備える。ケース12及び蓋部13は、金属材から形成されている。蓋部13には、正極端子21を含む正極集電部20と、負極端子31を含む負極集電部30とが設けられている。ケース12には、極板群14及び電解質が収容されている。蓋部13には、電池の内圧に応じて電池内の気体を放出する放出部40と、電解質を注入する注入孔41とが設けられている。
【0027】
図2に示すように、極板群14は、複数の正極板15と複数の負極板16とが、セパレータ17を介して交互に積層された積層体である。正極板15は、正極基材18と、正極基材18の両面に設けられた正極合剤層19とを含む。正極基材18は、金属箔(又は薄い金属板)から形成され、長方形状に成形されている。正極基材18は、端部から延出される正極タブ18A(集電タブ)が設けられている。正極タブ18Aには、正極合剤は設けられていない。正極タブ18Aは、正極基材18の長辺に対応する上端及び下端のうち、上端に設けられている。また、正極タブ18Aは、上端のうち、その中心から、一側方に向かって(
図2中左側)所定距離だけずれた位置に設けられている。
【0028】
正極基材18を構成する材料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金を含む。正極合剤を構成する材料は、正極活物質であるリチウム含有複合酸化物や、結着剤や、導電剤等を含む。
【0029】
負極板16は、負極基材23と、負極基材23の両面に設けられた負極合剤層24とを含む。負極基材23は、金属箔から形成され、矩形状に成形されている。負極基材23は、端部から延出される負極タブ23A(集電タブ)が設けられている。負極タブ23Aには、負極合剤は設けられていない。負極タブ23Aは、負極基材23の幅の方向の中心から、他側方に向かって(
図2中右側)所定距離だけずれた位置に設けられている。
【0030】
負極基材23を構成する材料は、例えば、銅やニッケルを含む。負極合剤を構成する材料は、負極活物質を含む粒子や、結着剤や、導電剤等を含む。負極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、例えば、黒鉛などの炭素、金属リチウム、リチウム合金である。
【0031】
正極板15及び負極板16は、正極タブ18Aの位置及び負極タブ23Aの位置を揃えた状態で積層される。つまり、正極板15は、正極タブ18Aが、正極基材18の上側の端部であって且つ幅方向の中央位置から一側方に寄った位置に配置するように重ねられる。負極板16は、負極タブ23Aが、負極基材23の上側の端部であって且つ幅方向の中央位置から他側方に位置するように重ねられる。複数の正極板15の正極タブ18Aは、束状に集められて、正極タブ群を構成する。複数の負極板16の負極タブ23Aは、束状に集められて、負極タブ群を構成する。このように、正極タブ群及び負極タブ群を極板群14の同じ端部に位置させることにより、捲回型の電極体のように集電タブを異なる端部にそれぞれ設けるよりも、正極タブ群及び負極タブ群が占有するスペースを縮小することができる。なお、極板群14には、正極タブ群及び負極タブ群は含まれない。
【0032】
セパレータ17は、絶縁材料から形成され、正極板15及び負極板16とほぼ等しい大きさに形成されている。極板群14のうち積層方向における最前の層と最後の層には、セパレータ17が配置される。
【0033】
図3は、蓋部13と極板群14とが組み合わせられた電池構成体29である。極板群14は、正極タブ群25及び負極タブ群26が位置する上端部である上面14A、上面14Aの反対側に位置する端部である下面14B、側面14C,14D、前面14E,背面14Fを有する。正極タブ群25及び負極タブ群26は、蓋部13に構造的に連結された極板群14のうち、蓋部13側の面(端部)に配置されている。正極タブ群25は、蓋部13に設けれた正極集電部20の正極端子21と電気的に接続されている。負極タブ群26は、蓋部13に設けれた負極集電部30の負極端子31と電気的に接続されている。上面14A、下面14B、側面14C及び側面14Dは、複数の正極板15及び複数の負極板16の端面が現れた積層面である。下面14Bから上面14Aまでの最短距離を高さH1、側面14Cから側面14Dまでの最短距離を幅W1、前面14Eから背面14Fまでの最短距離を奥行D1とする。この極板群14は、ケース12に収容される前に、絶縁材料からなる絶縁カバーに収容される。
【0034】
図4に示すように、極板群14を収容する絶縁カバー50は、直方体の形状を有し、極板群14を収容する内部空間を有する。絶縁カバー50は、上壁部51、底壁部52、左側及び右側の側壁部53、前壁部55、及び後壁部56を有する。
【0035】
上壁部51は、蓋部13よりも若干小さい大きさ又は蓋部13と同じ大きさに形成されている。上壁部51の長手方向の両端には、貫通孔57が形成されている。一方の貫通孔57には、正極集電部20の一部が収容される。他方の貫通孔57には、負極集電部30の一部が収容される。1対の貫通孔57の間には、上記した弁機構を収容する孔部58が形成されている。一方の貫通孔57と孔部58との間、及び他方の貫通孔57と孔部58との間には、凹部59がそれぞれ形成されている。一方の凹部59は、極板群14が絶縁カバー50に収容された場合に、蓋部13と正極タブ群25との間に介在して、正極集電部20と正極タブ群25とを絶縁する。他方の凹部59は、極板群14が絶縁カバー50に収容された場合に、蓋部13と正極タブ群25との間に介在して、負極集電部30と負極タブ群26とを絶縁する。さらに、凹部59と孔部58との間には、電解質を注入するための注入孔54が形成されている。注入孔54は、図示のように複数であってもよく、一つであってもよい。
【0036】
絶縁カバー50に極板群14を収容した状態で、各側壁部53は、極板群14の上面14Aよりも上方に突出する。また、左側の側壁部53の上端面及び右側の側壁部53の上端面は、絶縁カバー50に収容された電池構成体29がケース12に押し込まれる際に、蓋部13と当接可能な当接面60として機能する。
【0037】
図5に示すように、絶縁カバー50は、第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bとから形成されている。第1カバー部材50Aは、前壁部55と、上壁部51の一部である前方上壁部61、底壁部52の一部である前方底壁部62、左側の側壁部53の一部である前方側壁部63、右側の側壁部53の一部である前方側壁部63とを含む。前方上壁部61には、貫通孔57を構成する切欠部67と、孔部58を構成する切欠部68と、凹部59を構成する前方凹部69と、注入孔54を構成する切欠部64が形成されている。
【0038】
第2カバー部材50Bは、後壁部56と、上壁部51の一部である後方上壁部71、底壁部52の一部である後方底壁部72、側壁部53の各々の一部である後方側壁部73とを含む。後方上壁部71には、前方上壁部61と同様に、切欠部74,77,78及び後方凹部79が形成されている。なお、前方上壁部61及び後方上壁部71の厚さは同一であり、前方底壁部62及び後方底壁部72の厚さは同一である。また前方側壁部63及び後方側壁部73の厚さは同一である。
【0039】
第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bとが組み合わされることにより、切欠部67,77によって貫通孔57が構成され、切欠部68,78によって孔部58が構成される。また、前方凹部69及び後方凹部79によって凹部59が構成され、切欠部64,74によって注入孔54が構成される。
【0040】
絶縁カバー50の内部空間100の高さ、すなわち底壁部52の内面から上壁部51の内面までの最短距離である高さH2は、極板群14の高さH1よりも大きい。より具体的には、内部空間100の高さH2は、極板群の高さH1に、集電タブ群(正極タブ群25,負極タブ群26)の高さを加算した高さ以上である。これにより、内部空間100に極板群14を収容しても、絶縁カバー50の上壁部51と極板群14の上面14Aとは当接しない。また、絶縁カバー50の上壁部51と正極タブ群25及び負極タブ群26とは接触しても接触しなくてもよい。
【0041】
また、絶縁カバー50に極板群14を収容した際、蓋部13と上壁部51及び側壁部53とが当接して極板群14の高さ位置が決まる。このとき、極板群14と底壁部52との間に空間が設けられてもよいし、極板群14の底面と底壁部52とが当接してもよい。
【0042】
また、絶縁カバー50の底面から上面までの高さH3は、ケース12の開口を蓋部13で封止することにより形成されるケース12の収容空間の高さ以下である。つまり、絶縁カバー50は、電池構成体29を収容する絶縁カバー50がケース12に収容された際に、上壁部51が蓋部13よりもケース12の内側となるように形成されている。
【0043】
また、内部空間100の幅W2は、極板群14の幅W1よりも大きい(W2>W1)。したがって、内部空間100に極板群14を左右偏り無く収容することによって、絶縁カバー50の左側の側壁部53と極板群14の側面14Cとの間、右側の側壁部53と極板群14の側面14Dとの間には、空間が設けられる。左側の側壁部53と極板群14の側面14Cの最短距離(幅方向の長さ)、及び右側の側壁部53と極板群14の側面14Dの最短距離(幅方向の長さ)は、数ミリメートルであって、上壁部51と極板群14との間に設けられる空間の高さよりも短いことが好ましい。したがって、積層面である側面14C,14Dと、絶縁カバー50の側壁部53とが接触しないので、極板群14を構成する極板がずれたり、変形したりすることを抑制することができる。
【0044】
また、絶縁カバー50の前壁部55と後壁部56との最短距離、すなわち内部空間100の奥行D2(
図4参照)は、極板群14の奥行D1以下である。これにより、極板群14を絶縁カバー50の内部空間100に収容すると、極板群14の最前層の及び最後の層に位置するセパレータ17が、前壁部55及び後壁部56に当接する。このように絶縁カバー50が、極板群14を前後から保持することにより、極板の積層状態が崩れることを抑制することができる。
【0045】
極板群14を絶縁カバー50に収容する際は、蓋部13が連結された極板群14のうち、前面14E側に第1カバー部材50Aを配置し、背面14F側に第2カバー部材50Bを配置する。そして、第1カバー部材50A及び第2カバー部材50Bによって、極板群14を挟む。このとき、第1カバー部材50A及び第2カバー部材50Bを互いに固定してもよい。例えば、接着剤等により互いに接着させてもよく、レーザ溶接等により固定してもよく、その他の方法により固定してもよい。
【0046】
極板群14を第1カバー部材50A及び第2カバー部材50Bの間に保持することにより、絶縁カバー50の上壁部51は、電池構成体29の蓋部13と極板群14との間に介在する。また、一方の貫通孔57には、正極集電部20の一部が収容され、他方の貫通孔57には、負極集電部30の一部が収容される。また、正極集電部20及び負極集電部30の一部がそれぞれ凹部59に収容される。また、絶縁カバー50の前壁部55と後壁部56とは極板群14に接触している。
【0047】
図6を参照して、絶縁カバー50の前壁部55、後壁部56、上壁部51、側壁部53の厚さについて説明する。なお、前壁部55の厚さと後壁部56の厚さとは同一である。さらに、1対の側壁部53の厚さは同一である。
【0048】
側壁部53の厚さT2は、前壁部55及び後壁部56の厚さT1よりも大きい(T2>T1)。また、上壁部51の厚さT3は、前壁部55及び後壁部56の厚さT1よりも大きい(T3>T1)。なお、上壁部51の厚さT3は、凹部59を除く部分の厚さである。側壁部53の厚さT2と、上壁部51の厚さT3とは同じでもよく、異なっていてもよい。また、底壁部52の厚さも、特に限定されない。また、上壁部51、側壁部53、前壁部55、及び後壁部56に部分的に薄い肉薄部分が形成されるなど、各壁部が均一の厚さでない場合には、上記厚さT1~T3は、厚さ毎に分けられた部分のうち、壁部での占有比率が最も大きい部分の厚さとする。
【0049】
図7に示すように、絶縁カバー50の前面80から背面81までの最短距離である奥行D3は、ケース12の収容空間90の奥行長さD4よりも若干小さく形成されている。これにより、絶縁カバー50に収容された電池構成体29をさらにケース12の収容空間90に収容した際に、絶縁カバー50の前面80及び背面81が、ケース12の内側面91に当接する。また、絶縁カバー50に収容された電池構成体29をケース12の収容空間90に挿入する際、絶縁カバー50とケース12との間に摩擦力が発生する。これにより、電池構成体29は、絶縁カバー50をケース12に保持させながら、ケース12に押し込まれる。
【0050】
絶縁カバー50に収容された電池構成体29をケース12の収容空間90に挿入する際、電池構成体29は、蓋部13に押圧力が加えられることによりケース12に押し込まれる。このとき、蓋部13は、絶縁カバー50の側壁部53の上端面である当接面60と、上壁部51の上面とに当接している。このため、蓋部13に加えられた押圧力は、極板群14に伝わることなく、絶縁カバー50の側壁部53及び上壁部51に加わり、極板群14を収容した絶縁カバー50ごとケース12に圧入される。したがって、蓋部13をケース12に押し込んでも、構造的に脆弱な正極タブ群25及び負極タブ群26の変形を抑制することができる。また、絶縁カバー50に収容された電池構成体29をケース12に押し込む際、極板群14には直接的に押圧力が加わらないので極板群14の積層状態が崩れることも抑制される。
【0051】
図8は、二次電池の内部構造を示す。電池構成体29は、絶縁カバー50及びケース12に収容されている。なお
図8は、正極集電部20の手前でケース12、蓋部13及び絶縁カバー50のみを部分的に切断した場合の断面を示しており、正極集電部20については断面を示していない。
【0052】
極板群14の正極タブ群25は、正極集電部20の集電端子20Aに電気的に接続されている。集電端子20Aは、蓋部13の貫通孔57に挿通されたカシメ端子20Bを介して、正極端子21側と接続されている。正極端子21と蓋部13との間には、絶縁材料からなる絶縁部20Cが設けられている。蓋部13の下面に設けられた突部13Aは、絶縁カバー50の凹部59に収容される。
【0053】
正極タブ群25と蓋部13との間には、絶縁カバー50の上壁部51が介在している。したがって、極板群14の蓋部13側の端部に、正極及び負極両方の集電タブを設ける場合でも、上壁部51を介在させることによって、正極タブ群25と金属からなる蓋部13との接触による正負極短絡を防ぐことができる。
【0054】
本実施形態の効果について説明する。
(1)絶縁カバー50の側壁部53は、絶縁カバー50に収容された極板群14の高さH1よりも高く、極板群14の上面14Aよりも上方に突出する。また、側壁部53は、蓋部13が連結され且つ絶縁カバー50に収容された極板群14をケース12に挿入する際に蓋部13と当接する当接面60を有する。これにより、絶縁カバー50に収容され蓋部13と構造的に連結された極板群14が、蓋部13に押圧力が加えられることによりケース12に押し込まれるとき、絶縁カバー50の側壁部53の当接面60と蓋部13とが当接することによって、蓋部13が側壁部53によって支持される。このため、蓋部13に加えられた押圧力が、正極タブ群25及び負極タブ群26に加わることを抑制することができる。したがって、正極及び負極の集電タブが一方の端部に位置する極板群を備える二次電池において、正極タブ群25及び負極タブ群26の変形を抑制することができる。
【0055】
(2)前壁部55と後壁部56との間の最短距離である奥行D2が、極板群14が絶縁カバー50に収容された際に、前壁部55及び後壁部56が極板群14の前面及び背面に当接するように、極板群の積層方向の奥行D1以下とされる。これにより、極板群14は、絶縁カバー50の前壁部55と後壁部56との間に保持されるため、正極板15及び負極板16の復元力(スプリングバック)等に起因する極板群14の厚さの増大を防ぐことができる。
【0056】
(3)絶縁カバー50の側壁部53の厚さが、前壁部55及び後壁部56の厚さよりも大きいため、絶縁カバー50の強度を高めることができる。一方、絶縁カバーの前壁部55及び後壁部56を薄くすることで、二次電池11を前壁部55から後壁部56に向かう奥行方向にコンパクトにすることができる。
【0057】
(4)1対の側壁部53の最短距離である幅W2は、極板群14が絶縁カバー50に収容された状態で側壁部53と極板群14との間に空間が設けられるように、極板群14の幅W1よりも大きい。このため、極板群14のうち積層面である側面14C,14Dと、絶縁カバー50の側壁部53とが接触しないので、極板群14を構成する極板がずれたり、変形したりすることを抑制することができる。
【0058】
(5)絶縁カバー50の上壁部51は、正極タブ群25及び負極タブ群26と金属材からなる蓋部13との間に介在するので、正極タブ群25及び負極タブ群26と蓋部13との接触による正負極短絡を防ぐことができる。
【0059】
(6)絶縁カバー50の上壁部51の厚さT3が前壁部55及び後壁部56の厚さT1よりも大きいため、絶縁カバー50の強度を高めることができる。一方、絶縁カバー50の前壁部55及び後壁部56を薄くすることで、二次電池11を前壁部55から後壁部56に向かう奥行方向にコンパクトにすることができる。
【0060】
(7)絶縁カバー50は底壁部52を有するので、極板群14と金属材からなるケース12との間に介在することによって正負極短絡を防ぐことができる。
(8)絶縁カバー50の前面80及び背面81は、ケース12に収容された状態でケース12の内周面に当接するので、絶縁カバー50の前面80から背面81に向かう奥行方向において、二次電池11をコンパクトにすることができる。また、絶縁カバー50に収容された極板群14は、絶縁カバー50がケース12の内周面を摺動しながら、ケース12に収容される。このため、極板群14をケース12に保持させながら、ケース12内に収容することができる。
【0061】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・絶縁カバー50は、上壁部51、底壁部52、側壁部53、前壁部55、及び後壁部56を有するものとしたが、少なくとも蓋部13が押し込まれた際に正極タブ群25及び負極タブ群26の変形を抑制できるものであればよく、この構成に限定されるものではない。以下に、他の構成の例を説明する。
【0062】
図9に示すように、絶縁カバー50は、底壁部52を省略し、その下端側に開口92を設けた構成にしてもよい。この態様であっても、蓋部13を鉛直方向において極板群14の上側に配置した場合に、蓋部13は絶縁カバー50の上壁部51に支持されるので、極板群14は絶縁カバー50から抜け落ちることはない。また、上記構成によれば、二次電池の充放電に伴う極板群の膨張及び収縮に伴い、絶縁カバー50の下端側の開口を介して、電解質を絶縁カバー外に流出させたり絶縁カバー内に流入させたりすることができる。
【0063】
図10に示すように、絶縁カバー50の左側の側壁部53及び右側の側壁部53の少なくとも一方に切欠部85(連通孔)を設けるようにしてもよい。切欠部85は、図示のように、側壁部53に複数形成してもよいし、単数形成してもよい。この切欠部85によって、絶縁カバー50が装着された極板群14をケース12内に収容した状態で、ケース12に電解質を注入する際、ケース12内の隅々まで電解質を充填させることができる。また、二次電池の充放電に伴う極板群の膨張及び収縮に伴い、切欠部85を介して、電解質を絶縁カバー外に流出させたり絶縁カバー内に流入させたりすることができる。
【0064】
また、絶縁カバー50の前壁部55及び後壁部56の少なくとも一方に切欠部(連通孔)を設けるようにしてもよい。切欠部は、1つの壁部について1つであってもよく、複数であってもよい。また、切欠部は、前壁部55の長手方向に沿って長方形状に切り欠いてもよいし、それ以外の形状に切り欠いてもよい。
【0065】
図11に示すように、絶縁カバー50は、上壁部51を省略し、上端に開口93を設けた構成であってもよい。この場合であっても、正極タブ群25及び負極タブ群26と上壁部51との間に、別の部材や空間を設けること等で絶縁すれば正負極短絡を抑制することができる。
【0066】
・第1カバー部材50Aと第2カバー部材50Bとは、互いを構造的に結合する構造をそれぞれ有していてもよい。例えば、樹脂の弾性力を利用して、一方を他方に嵌め込むスナップフィット構造や、凹凸構造を有していてもよい。
【0067】
・極合剤は、基材の少なくとも一つの面に位置すればよく、基材の片面のみに位置することも可能である。
・上記実施形態では、正極板15、負極板16、及びセパレータ17が長方形状である場合について例示した。しかしこれに限らず、正極板、負極板、及びセパレータは、二次電池の電極板を構成することができればよく、正方形状等のその他の矩形状であってもよい。
【0068】
・正極タブ18Aや負極タブ23Aの形状は、非水系電池の形状などに応じて適宜設定されるものであり、他の形状に変更可能である。
・上記実施形態では、二次電池を、ケース12内に1つの極板群14を有する構造としたが、ケース12内に複数の極板群14を有する構造としてもよい。例えば複数の極板群は、ケース12内で直列に接続される。
【0069】
・上記実施形態では、二次電池11がリチウムイオン二次電池である場合について例示した。しかし、これに限らず、二次電池は、その他の非水系電解質の二次電池であってもよいし、ニッケル水素二次電池等の水系電解質の二次電池であってもよい。例えばニッケル水素二次電池は、ニッケル金属等からなる基材に水酸化ニッケル等を含む正極合剤を備えた正極板と、金属材からなる基材に水素吸蔵合金を含む負極合剤を備えた負極板とをセパレータを介して積層した極板群を有する。
【0070】
・二次電池11は、電気自動車、ハイブリッド自動車、ガソリン自動車やディーゼル自動車等の車両やその他の移動体に用いられてもよい。又は、固定設置されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
11…二次電池、12…ケース、13…蓋部、14…極板群、14A…上面、14B…下面、14C,14D…側面、14E…前面、14F…背面、18…基材としての正極基材、18A…集電タブとしての正極タブ、19…極合剤としての正極合剤層、20…集電部としての正極集電部、23…基材としての負極基材、23A…集電タブとしての負極タブ、30…集電部としての負極集電部、50…絶縁カバー、55…前壁部,56…後壁部、53…側壁部、60…当接面。