(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】コンテナ
(51)【国際特許分類】
B65D 88/12 20060101AFI20220808BHJP
B65D 90/02 20190101ALI20220808BHJP
【FI】
B65D88/12 B
B65D88/12 E
B65D88/12 P
B65D90/02 P
(21)【出願番号】P 2019027797
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】株式会社日立物流
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草間 一彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆史
(72)【発明者】
【氏名】奥山 雅啓
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開平1-153480(JP,A)
【文献】特開2017-1726(JP,A)
【文献】特開2009-46198(JP,A)
【文献】特開2016-210460(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0166646(US,A1)
【文献】特開2007-261611(JP,A)
【文献】特開2013-35588(JP,A)
【文献】実公昭55-46605(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/00 - 90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口空間である貨物室と、前記貨物室を取り囲むように配置された、側面、天井面、及び前記天井面に対して第一方向に対向した床面とを含んでなる直方体形状を呈したコンテナであって、
前記天井面を、4方から取り囲むように配置された上部枠体、及び前記床面を4方から取り囲むように配置された下部枠体と、
前記上部枠体と前記下部枠体とを、前記貨物室の角部の位置において連絡する、4本の端部支柱と、
前記側面のうちの第一側面の側において、前記端部支柱のうちの第一前方支柱と第一後方支柱との間の位置に配置され、前記上部枠体と前記下部枠体とを連絡する第一中間支柱と、
前記側面のうちの、前記第一側面に対して第二方向に対向した第二側面の側において、前記端部支柱のうちの第二前方支柱と第二後方支柱との間の位置に配置され、前記上部枠体と前記下部枠体とを連絡する第二中間支柱と、
前記第一側面の側において、前記第一前方支柱、前記第一後方支柱、前記上部枠体、及び前記下部枠体に囲まれ、前記第一中間支柱によって仕切られた複数の開口を、前記第一前方支柱、前記第一中間支柱、又は前記第一後方支柱を回転軸として開閉自在に構成された、複数の第一扉と、
前記第二側面の側において、前記第二前方支柱、前記第二後方支柱、前記上部枠体、及び前記下部枠体に囲まれ、前記第二中間支柱によって仕切られた複数の開口を、前記第二前方支柱、前記第二中間支柱、又は前記第二後方支柱を回転軸として開閉自在に構成された、複数の第二扉とを備え、
前記第一扉及び前記第二扉は、閉鎖されることで、それぞれが前記第一側面及び前記第二側面を構成し、
前記第二方向に見たときに、前記第二中間支柱は、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向に関して前記第一中間支柱と異なる位置に配置されており、
ISO規格に準拠した40フィート型以上の寸法を有することを特徴とする、コンテナ。
【請求項2】
前記第二中間支柱は、前記第一中間支柱よりも本数が多いことを特徴とする、請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記第一中間支柱は、前記第一側面の側の複数の開口を、前記第三方向に対称性を有して仕切るように配置され、
前記第二中間支柱は、前記第二側面の側の複数の開口を、前記第三方向に対称性を有して仕切るように配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記第一扉及び前記第二扉は、いずれも前記貨物室側の面に、前記第一方向に延伸するコルゲート形状の凹凸を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンテナ。
【請求項5】
前記床面の前記第二方向に係る両側に、前記第三方向に延伸して形成された、固定金具取り付け用のスライドレールを備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナに関し、特にISO(International Organization for Standardization)
規格に準拠した寸法を有するコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナには、ISO規格が存在している。かかる規格は、外形寸法、積載総質量、及び所定の強度条件などを規定するものである。コンテナが上記規格を満足することで、陸上輸送、海上輸送、及び保管などの際に高い効率を実現でき、荷物の保全、及び車両や船舶の安全確保が図られている。
【0003】
ISO規格に準拠するコンテナのうち、40フィート(以下、「40ft」と略記することがある。)以上となるような長尺のものがある。従来、40ft型のコンテナとしては、長手方向の端部、すなわちコンテナの後部に扉が施されて開口するものが主流である。しかし、積み込みや積み下ろしの際に、この後部側から大型のフォークリフトを使って積荷(貨物)を引きずりながら押し込んだり、引っ張る必要がある。かかる作業により、貨物としての製品に損傷などを生じさせる可能性があり、また、作業に時間がかかるという課題がある。
【0004】
このような課題に対する対策として、側面の扉が完全に開放される、いわゆる「ウイング型」と呼ばれる構造を示すコンテナが、下記特許文献1に開示されている。また、別の例として、側面の扉が開放される構造を示すコンテナが、下記特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5590478号公報
【文献】特許第6125249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたようなウイング型のコンテナによれば、側面が完全に開放されるため、作業員は荷役作業がしやすいというメリットがある。しかし、側面の扉の構造が複雑であり、外部からの衝撃に弱く壊れやすいという課題がある。また、この側面の扉は、上部側と下部側とに分割されるため、下部扉を開放するためにコンテナの下方には空間を設けなければならず、コンテナを港や倉庫等に直置きすることができない。このため、このような構造のコンテナを地面に設置する場合には、事前に所定の長さを有した脚部(支柱)を配置しておく必要があり、作業の効率性の点で課題を有している。
【0007】
これに対し、特許文献2に開示された構造のコンテナによれば、ウイング型の構造ではないため、貨物室よりも下方側に扉が位置することはなく、コンテナを直置きすることができる。
【0008】
しかし、特許文献2に開示された構造は、20ft型のコンテナであれば強度を保つことができるが、40ft型以上の大型のコンテナで実現しようとすると、強度面で問題が生じる。特許文献2に開示された構造を採用しつつ、所定の強度条件を満足すべく、40ft以上の大型コンテナを実現しようとすると、床面の厚さを厚くする方法が考えられる。しかし、床面の厚さを厚くした場合、天井面と床面との離間距離が狭くなり、この結果、詰め込める貨物の高さに制限がかかる。また、特許文献2に開示された構造を採用して、床面の厚さを厚くしない場合には、強度が弱いため、積載できる貨物の総重量に制限がかかる。この結果、40ft型のコンテナを実現しても、実際には大型の貨物を積載できないという課題が生じる。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑み、ISO規格に準拠しつつ、大型の貨物を積載することのできるコンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るコンテナは、開口空間である貨物室と、前記貨物室を取り囲むように配置された、側面、天井面、及び前記天井面に対して第一方向に対向した床面とを含んでなり、
前記天井面を4方から取り囲むように配置された上部枠体、及び前記床面を4方から取り囲むように配置された下部枠体と、
前記上部枠体と前記下部枠体とを、前記貨物室の角部の位置において連絡する、4本の端部支柱と、
前記側面のうちの第一側面の側において、前記端部支柱のうちの第一前方支柱と第一後方支柱との間の位置に配置され、前記上部枠体と前記下部枠体とを連絡する第一中間支柱と、
前記側面のうちの、前記第一側面に対して第二方向に対向した第二側面の側において、前記端部支柱のうちの第二前方支柱と第二後方支柱との間の位置に配置され、前記上部枠体と前記下部枠体とを連絡する第二中間支柱と、
前記第一側面の側において、前記第一前方支柱、前記第一後方支柱、前記上部枠体、及び前記下部枠体に囲まれ、前記第一中間支柱によって仕切られた複数の開口を、前記第一前方支柱、前記第一中間支柱、又は前記第一後方支柱を回転軸として開閉自在に構成された、複数の第一扉と、
前記第二側面の側において、前記第二前方支柱、前記第二後方支柱、前記上部枠体、及び前記下部枠体に囲まれ、前記第二中間支柱によって仕切られた複数の開口を、前記第二前方支柱、前記第二中間支柱、又は前記第二後方支柱を回転軸として開閉自在に構成された、複数の第二扉とを備え、
前記第一扉及び前記第二扉は、閉鎖されることで、それぞれが前記第一側面及び前記第二側面を構成し、
前記第二方向に見たときに、前記第二中間支柱は、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向に関して前記第一中間支柱と異なる位置に配置されており、
ISO規格に準拠した40フィート型以上の寸法を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、第一側面の側に設けられた複数の第一扉、及び第二側面の側に設けられた複数の第二扉によって、両側面の側が開口される。この結果、本発明に係るコンテナが、40フィート型以上の大型のコンテナである場合においても、左側面又は右側面(第二方向に係る側面)から貨物の荷積み/荷降ろしができる。従って、従来のように後部扉側からフォークリフトを使って引きずりながら貨物の荷積み/荷降ろしをする必要がないため、特定の貨物のみを取り出したい場合や、特定の場所に貨物を積み込みたい場合などにも容易に作業をすることができる。
【0012】
また、第一扉及び第二扉は、いずれも上部枠体と下部枠体とを連絡する、端部支柱又は中間支柱(第一中間支柱、第二中間支柱)を回転軸として開閉自在に構成されている。このため、これらの扉を開放した時に、扉が貨物室の床面よりも下方に位置することがない。この結果、コンテナを港や倉庫等に直置きすることができる。
【0013】
更に、前記コンテナは、第一側面側、及び第二側面側の双方において、端部支柱同士の間の位置に、上部枠体と下部枠体とを連絡する中間支柱を備えている。これにより、40フィート型以上の大型サイズであっても強度が担保されるため、別途強度を確保するために床面の厚さを厚くする必要がない。この結果、床面と天井面との第一方向に係る離間距離が確保され、側面に形成された扉(第一扉、第二扉)から大型の貨物を荷積みすることができる。
【0014】
また、前記コンテナは、第二方向に見たときに、第三方向に関して第二中間支柱が第一中間支柱と異なる位置に配置されている。この結果、第一側面の側において第一中間支柱によって仕切られた開口の幅(第三方向に係る長さ)と、第二側面の側において第二中間支柱によって仕切られた開口の幅とを異ならせることができる。これにより、異なる大きさの貨物を、それぞれの貨物の大きさに応じた間口を有する開口から、荷積み/荷降ろしできるため、作業効率性が向上する。
【0015】
前記第二中間支柱は、前記第一中間支柱よりも本数が多いものとしても構わない。一例として、第一中間支柱を1本とし、第二中間支柱を2本とすることができる。
【0016】
前記第一中間支柱は、前記第一側面の側の複数の開口を、前記第三方向に対称性を有して仕切るように配置され、
前記第二中間支柱は、前記第二側面の側の複数の開口を、前記第三方向に対称性を有して仕切るように配置されているものとしても構わない。
【0017】
かかる構成によれば、第一側面の側の複数の開口、及び第二側面の側の複数の開口は、それぞれ第三方向に関して対称性を有した状態で配置される。これにより、第三方向を貨物室内の長手方向とすると、貨物室内において、異なる大きさの貨物を長手方向に関して対称性を有した状態で配置することができるため、コンテナを搬送する際における安定性が担保される。
【0018】
前記第一扉及び前記第二扉は、いずれも前記貨物室側の面に、前記第一方向に延伸するコルゲート形状の凹凸を備えるものとしても構わない。
【0019】
従来のコンテナにおいては、貨物室の側面や天井面に、重量を抑制しつつ強度を向上する目的で、コルゲート形状の凹凸を設けることがある。ここで、従来のように、後部側に貨物室への連絡用の扉を有する構造において、当該後部側の側面については、扉を操作するためのハンドルなどの部材の設置の容易性の観点から、水平方向に凹凸が延伸する形状が採用されるのが一般的である。
【0020】
これに対し、上記構成のコンテナは、側面に設けられた扉(第一扉、第二扉)の貨物室側(内側)の面において、水平方向(第三方向)ではなく鉛直方向(第一方向)に延伸するコルゲート形状の凹凸を備えている。この結果、側面側を開放可能な構成でありながらも、貨物室内に荷積みされた貨物をチョッキングにより固定することができる。
【0021】
前記コンテナは、前記床面の前記第二方向に係る両側に、前記第三方向に延伸して形成された、固定金具取り付け用のスライドレールを備えるものとしても構わない。
【0022】
上述したように、前記コンテナは、側面に形成された第一扉又は第二扉を開放することで、側面側の開口から貨物を貨物室に荷積みすることができる。このため、第一扉又は第二扉を開放した状態で、スライドレールに固定金具を取り付けることができる。この固定金具に例えばベルトや紐などの伸縮性を有した固縛部材を設置して貨物を抑え込むことで、コンテナの搬送中に、貨物が床面から第一方向(鉛直方向)に振動することが抑制される。
【0023】
スライドレールは、リップ溝型の部材を採用することができる。また、固定金具としては、スライドレール内を第三方向に移動可能な角ナットと、角ナットにネジ止め可能なアイボルトとを含む構成とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ISO規格に準拠しつつ、大型の貨物を積載することのできるコンテナが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】本発明のコンテナの一実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図1B】本発明のコンテナの一実施形態を、
図1Aとは異なる方向から見たときの構成を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図1A及び
図1Bに示す状態のコンテナを+Z方向から見たときの平面図である。
【
図3】
図1Aから天井面、床面、及び側面の図示を省略した図面である。
【
図4A】
図3に示す状態のコンテナを+X方向に見たときの、手前側に位置する構造を抽出して図示した図面である。
【
図4B】
図3に示す状態のコンテナを-X方向に見たときの、手前側に位置する構造を抽出して図示した図面である。
【
図5】
図3に示す状態のコンテナをX方向に見たときの模式的な図面である。
【
図6A】第一扉を完全に閉鎖した状態のコンテナの模式的な斜視図である。
【
図6B】第二扉を完全に閉鎖した状態のコンテナの模式的な斜視図である。
【
図7A】第一側面側に形成される開口から貨物を貨物室内に荷積みした状態を模式的に示す図面である。
【
図7B】第二側面側に形成される開口から貨物を貨物室内に荷積みした状態を模式的に示す図面である。
【
図8】第四側面を構成する扉を開放した状態のコンテナを+Y方向に見たときの模式的な図面である。
【
図9】天井面及び床面の構造を模式的に示す図面である。
【
図11A】第一扉の構造を模式的に示す図面である。
【
図12】側面の第一扉及び第二扉の凹凸を利用したチョッキングの様子を模式的に示す図面である。
【
図13】貨物を固縛部材で固縛する様子を模式的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係るコンテナの実施形態につき、以下において図面を参照して説明する。なお、以下の図面は模式的に図示されたものであり、実際の寸法比と図面上の寸法比は必ずしも一致していない。また、図面間においても、寸法比は必ずしも一致していない。
【0027】
図1A及び
図1Bは、コンテナの一実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。なお、
図1Bは、
図1Aとは異なる方向からコンテナを見たときの図面である。
図1A及び
図1Bに示すように、コンテナ1は、開口空間である貨物室2と、この貨物室2を取り囲むように配置された、天井面3、床面4、第一側面10、第二側面20、第三側面5、及び第四側面6を含む。第一側面10、第二側面20、第三側面5、及び第四側面6によって、コンテナ1の側面が構成されている。後述するように、天井面3は、枠状に配置された部材である上部枠体30によって4方から取り囲まれており、床面4は、枠状に配置された部材である下部枠体40によって4方から取り囲まれている。
【0028】
以下においては、第四側面6から第三側面5に向かう方向をY方向、第一側面10から第二側面20に向かう方向をX方向、床面4から天井面3に向かう方向をZ方向とし、適宜、このXYZ座標系を参照して説明される。本明細書において、Z方向が「第一方向」に対応し、X方向が「第二方向」に対応し、Y方向が「第三方向」に対応する。
【0029】
本明細書において、方向を表現する際に、正負の向きを区別する場合には、「+X方向」、「-X方向」のように、正負の符号を付して記載される。また、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「X方向」と記載される。すなわち、本明細書において、単に「X方向」と記載されている場合には、「+X方向」と「-X方向」の双方が含まれる。Y方向及びZ方向についても同様である。
【0030】
コンテナ1は、ISO規格に準拠した40フィート型のコンテナである。より詳細な一例として、コンテナ1は、40フィートハイキューブ型コンテナであり、長手方向(Y方向)に係る長さが40フィート(約12,192mm)、短手方向(X方向)に係る長さが8フィート(約2,438mm)、高さ(Z方向に係る長さ)が9.6フィート(約2,896mm)である。
【0031】
以下では、一例として、第三側面5がコンテナ1の前方側面に対応し、第四側面6がコンテナ1の後方側面に対応するものとして説明する。この場合、コンテナ1を後方側(第四側面6側)から前方側(第三側面5側)に向かって見たとき、すなわち、コンテナ1を+Y方向に見たとき、第一側面10は左側面に対応し、第二側面20は右側面に対応する。
【0032】
ただし、図示されたコンテナ1の構成は一例であり、例えば、
図1の構造において、Y方向に対して反転させた構成を採用しても構わない。この場合、第一側面10は右側面に対応し、第二側面20は左側面に対応する。
【0033】
本実施形態において、第一側面10は、4枚の第一扉(11,12,13,14)によって構成され、これらの扉(11,12,13,14)が開放されることで、コンテナ1の外側と貨物室2とをX方向に連絡する開口が形成される。同様に、第二側面20は、6枚の第二扉(21,22,23,24,25,26)によって構成され、これらの扉(21,22,23,24,25,26)が開放されることで、コンテナ1の外側と貨物室2とをX方向に連絡する開口が形成される。
図2は、
図1を-Z方向(下向き)に見たときの平面図に対応する。
図2に示すように、各第一扉(11,12,13,14)及び第二扉(21,22,23,24,25,26)が、一点鎖線で示された矢印の向きに移動することで、第一側面10側、及び第二側面20側の開口が閉鎖される。
【0034】
なお、
図2に示すように、天井面3は、強度を向上させるために、X方向に延伸するコルゲート形状の凹凸加工が施されている(凹凸3a)。この凹凸3aの構造については、
図9を参照して後述される。
【0035】
図3は、
図1から天井面3、床面4、及び各側面(5,6,10,20)の図示を省略して示した図面である。
図3に示すように、コンテナ1の貨物室2は、枠体(30,40)及び端部支柱50によって各辺が構成された、直方体形状の空間の内側で構成される。
【0036】
コンテナ1は、上部枠体30を備える。この上部枠体30は、天井面3を4方から取り囲むように配置された、前方上部枠31、第一上部側枠32、後方上部枠33、及び第二上部側枠34を備える。より詳細には、前方上部枠31が天井面3に対して+Y側に位置しており、後方上部枠33が天井面3に対して-Y側に位置している。また、第一上部側枠32が天井面3に対して-X側に位置しており、第二上部側枠34が天井面3に対して+X側に位置している。
【0037】
コンテナ1は、下部枠体40を備える。この下部枠体40は、床面4を4方から取り囲むように配置された、前方下部枠41、第一下部側枠42、後方下部枠43、及び第二下部側枠44を備える。より詳細には、前方下部枠41が床面4に対して+Y側に位置しており、後方下部枠43が床面4に対して-Y側に位置している。また、第一下部側枠42が床面4に対して-X側に位置しており、第二下部側枠44が床面4に対して+X側に位置している。
【0038】
すなわち、上部枠体30と下部枠体40とは、Z方向に離間して、相互に対向する位置に配置されている。
【0039】
コンテナ1は、上部枠体30と下部枠体40とを、貨物室2の角部の位置においてZ方向に連絡する4本の端部支柱50を備える。端部支柱50は、貨物室2の+Y側の2箇所の端部において、上部枠体30と下部枠体40とを連絡する、第一前方支柱51及び第二前方支柱52と、貨物室2の-Y側の2箇所の端部において、上部枠体30と下部枠体40とを連絡する、第一後方支柱53及び第二後方支柱54とを備える。第二前方支柱52は、第一前方支柱51に対して+X方向に離間した位置に配置されている。第二後方支柱54は、第一後方支柱53に対して+X方向に離間した位置に配置されている。
【0040】
コンテナ1は、Y方向に関して第一前方支柱51と第一後方支柱53との間の位置において、上部枠体30と下部枠体40とを連絡する第一中間支柱61を備える。同様に、コンテナ1は、Y方向に関して第二前方支柱52と第二後方支柱54との間の位置において、上部枠体30と下部枠体40とを連絡する、第二中間支柱(65,66)を備える。
【0041】
図4Aは、
図3に示す状態のコンテナ1を+X方向に見たときの、手前側に位置する枠体(32,42)及び支柱(51,53,61)を抽出して図示した図面である。
図4Bは、
図3に示す状態のコンテナ1を-X方向に見たときの、手前側に位置する枠体(34,44)及び支柱(52,54,65,66)を抽出して図示した図面である。
【0042】
図4Aに示すように、第一上部側枠32、第一前方支柱51、第一下部側枠42、及び第一後方支柱53によって取り囲まれた開口18が、第一中間支柱61によって2箇所の開口(18a,18b)に仕切られる。同様に、
図4Bに示すように、第二上部側枠34、第二前方支柱52、第二下部側枠44、及び第二後方支柱54によって取り囲まれた開口28が、第二中間支柱(65,66)によって3箇所の開口(28a,28b,28c)に仕切られる。
【0043】
図3~
図4Bに示すように、コンテナ1をX方向に見たときに、第一中間支柱61と、第二中間支柱(65,66)とは、それぞれY方向に関して異なる位置に配置されている。
図5は、
図3に示す状態のコンテナ1を、X方向に見たときの模式的な平面図である。
図5に示すように、第一中間支柱61と、第二中間支柱(65,66)とは、それぞれY方向に関して異なる位置に配置されている。
【0044】
この結果、第一側面10側に形成される開口(18a,18b)と、第二側面20側に形成される開口(28a,28b,28c)とは、それぞれ開口幅(Y方向に係る長さ)を異ならせることができる。一例として、開口18a及び開口18bの開口幅は5,717mmであり、開口28a及び開口28cの開口幅は2,392mmであり、開口28bの開口幅は6,464mmである。
【0045】
図1及び
図2に示す第一扉11は、第一前方支柱51を回転軸として回転可能な構成であり、開口18aの一部を閉鎖することができる。
図1及び
図2に示す第一扉12は、第一中間支柱61を回転軸として回転可能な構成であり、開口18aの一部を閉鎖することができる。すなわち、第一扉11及び第一扉12が、各回転軸(51,61)を中心に回転されて第一上部側枠32及び第一下部側枠42に連絡されることで、開口18aは完全に閉鎖される。
【0046】
図1及び
図2に示す第一扉13は、第一中間支柱61を回転軸として回転可能な構成であり、開口18bの一部を閉鎖することができる。
図1及び
図2に示す第一扉14は、第一後方支柱53を回転軸として回転可能な構成であり、開口18bの一部を閉鎖することができる。すなわち、第一扉13及び第一扉14が、各回転軸(61,53)を中心に回転されて第一上部側枠32及び第一下部側枠42に連絡されることで、開口18bは完全に閉鎖される。
【0047】
以上により、閉鎖された第一扉(11,12,13,14)によって、貨物室2の-X側の開口18が完全に閉鎖され、第一側面10が形成される。
【0048】
図1及び
図2に示す第二扉21は、第二前方支柱52を回転軸として回転可能な構成であり、開口28aの一部を閉鎖することができる。
図1及び
図2に示す第二扉22は、第二中間支柱65を回転軸として回転可能な構成であり、開口28aの一部を閉鎖することができる。すなわち、第二扉21及び第二扉22が、各回転軸(52,65)を中心に回転されて第二上部側枠34及び第二下部側枠44に連絡されることで、開口28aは完全に閉鎖される。
【0049】
図1及び
図2に示す第二扉23は、第二中間支柱65を回転軸として回転可能な構成であり、開口28bの一部を閉鎖することができる。
図1及び
図2に示す第二扉24は、第二中間支柱66を回転軸として回転可能な構成であり、開口28bの一部を閉鎖することができる。すなわち、第二扉23及び第二扉24が、各回転軸(65,66)を中心に回転されて第二上部側枠34及び第二下部側枠44に連絡されることで、開口28bは完全に閉鎖される。
【0050】
図1及び
図2に示す第二扉25は、第二中間支柱66を回転軸として回転可能な構成であり、開口28cの一部を閉鎖することができる。
図1及び
図2に示す第二扉26は、第二後方支柱54を回転軸として回転可能な構成であり、開口28cの一部を閉鎖することができる。すなわち、第二扉25及び第二扉26が、各回転軸(66,54)を中心に回転されて第二上部側枠34及び第二下部側枠44に連絡されることで、開口28cは完全に閉鎖される。
【0051】
以上により、閉鎖された第二扉(21,22,23,24,25,26)によって、貨物室2の+X側の開口28が完全に閉鎖され、第二側面20が形成される。
図6Aは、第一扉(11,12,13,14)を完全に閉鎖した状態のコンテナ1の模式的な斜視図であり、
図6Bは、第二扉(21,22,23,24,25,26)を完全に閉鎖した状態のコンテナ1の模式的な斜視図である。
図6A及び
図6Bに図示されるように、貨物室2は、天井面3、床面4(図面上は不図示)、及び各側面(10,20)によって完全に閉鎖された空間となる。
【0052】
上述したように、第一中間支柱61と、第二中間支柱(65,66)とは、それぞれY方向に関して異なる位置に配置されているため、第一側面10側に形成される開口18(18a,18b)の開口幅と、第二側面20側に形成される開口28(28a,28b,28c)の開口幅とを異ならせることができる。この結果、貨物の大きさに応じて、適した開口(18,28)を介して貨物室2に貨物を荷積みでき、また、貨物室2から貨物を荷降ろしできる。
【0053】
図7Aは、第一側面10側に形成される開口18a及び18bから、それぞれ貨物(71,72)を貨物室2内に荷積みした状態を模式的に示す図面である。また、
図7Bは、第二側面20側に形成される開口28bから、貨物73を貨物室2内に荷積みした状態を模式的に示す図面である。貨物(71,72)は、幅4.5m程度の中型設備に対応しており、貨物73は、幅6m程度の大型設備に対応している。
【0054】
なお、
図7Bでは図示を省略しているが、第二側面20側に形成される開口28a、及び開口28cからは、幅2m程度の小型設備に対応した貨物を貨物室2内に荷積みすることができる。
【0055】
上記実施形態のコンテナ1によれば、端部支柱50に加えて、上部枠体30と下部枠体40とをZ方向に連絡する第一中間支柱61、及び第二中間支柱(65,66)を有している。これにより、天井面3及び床面4の強度が向上される。この結果、床面4の厚みを大幅に厚くすることなく、コンテナ1を40ft型の形状として貨物室2内に大型の貨物を荷積みすることができる。すなわち、本実施形態のコンテナ1において、上部枠体30と下部枠体40とは、コンテナ1の強度を向上させる機能と共に、X方向に係る両側面から貨物室2内に荷積みする貨物の大きさを設定する機能を有している。
【0056】
なお、本実施形態において、コンテナ1を+X方向に見たとき、
図4Aに示すように、第一中間支柱61は、開口18をY方向に関して対称な形状に仕切るように配置されている。同様に、コンテナ1を-X方向に見たとき、
図4Bに示すように、第二中間支柱(65,66)は、開口28をY方向に関して対称な形状に仕切るように配置されている。かかる構成とすることで、貨物室2内に荷積みされた貨物が、前後方向(Y方向)に関してどちらか一方に偏りにくくなり、コンテナ1を搬送する際における安定性が担保される。
【0057】
コンテナ1は、後部の側面に対応する第四側面6は、開放可能な扉によって構成されている。
図8は、第四側面6を構成する扉(6a,6b)を開放した状態で、+Y方向にコンテナ1を見たときの模式的な図面である。コンテナ1は、後方の扉(6a,6b)を開放することで、後方からも貨物を貨物室2内に荷積みすることができる。
【0058】
コンテナ1は、上述したように、天井面3において、X方向に延伸するコルゲート形状の凹凸3aが形成されている。
図9は、コンテナ1の天井面3及び床面4の構造を模式的に示す図面である。
図9において、(a)がZ方向から見たときの平面図に対応し、(b)が(a)内におけるA1-A1線断面図に対応する。
【0059】
天井面3は、前方側の側面を構成する第三側面5、及び後方の扉(6a,6b)によって構成される第四側面6と、角パイプ81によって連絡されている。床面4は、X方向に離間して複数個が配置されたC字鋼82と、これら複数のC字鋼82に固定された床板83とを含んで構成される。複数個のC字鋼82によって、床面4が補強されている。
【0060】
図10は、
図9の(a)内におけるA2-A2線断面図である。なお、
図10では、貨物室2に対して+X側に位置する第二側面20についてのみ図示しているが、第一側面10についても同様の構成として構わない。
【0061】
図10に示すように、本実施形態において、コンテナ1の床面4は、X方向に係る端部側(第一側面10側、第二側面20側)にスライドレール90を備えている。スライドレール90は、
図13~
図15を参照して後述されるように、貨物室2内に荷積みされた貨物を固縛する際に利用される。
【0062】
また、床面4は、X方向に関してスライドレール90の外側の位置において、フレーム材84を備えている。このフレーム材84は、板材85が溶接されたI字鋼86を備え、スライドレール90及びC字鋼82に溶接されて固定されることで、床面4の強度を担保している。
【0063】
図11A及び
図11Bは、第一側面10を構成する第一扉(11,12,13,14)の構造を説明するための模式的な図面である。
図11Aにおいて、(a)は、第一扉11を天井面3側から(-Z方向に)見たときの模式的な図面であり、(b)は、第一扉11をコンテナ1の外側から+X方向に見たときの模式的な図面である。また、
図11Bは、
図11A内のA3-A3線断面図である。
【0064】
なお、
図11A及び
図11Bは、第一扉(11,12,13,14)を代表して、第一扉11の構造が図示されているが、他の第一扉(12,13,14)についても同様の構造であるものとして構わない。また、第二側面20を構成する第二扉(21,22,23,24,25,26)についても、第一扉(11,12,13,14)と同様の構造であるものとして構わない。
【0065】
第一扉11は、Z方向に延伸するコルゲート形状の凹凸101aを有する扉用基材101と、扉用基材101をY方向に挟み込むように配置された角パイプ102、扉用基材101をZ方向に挟み込むように配置されたC字鋼103とを備えている。
【0066】
扉用基材101は、
図11Bに図示されるように、Z方向に延伸するコルゲート形状の凹凸101aを有する。また、この凹凸101aは、第一側面10側に配置される第一扉(11,12,13,14)、及び第二側面20側に配置される第二扉(21,22,23,24,25,26)の双方の扉用基材101に形成されている。
【0067】
この結果、各扉の凹凸101aの溝に這わせるように木材105を設置することで、
図12に模式的に示すように、X方向に対向する第一側面10を構成する第一扉(11,12,13,14)と、第二側面20を構成する第二扉(21,22,23,24,25,26)との間を、木材105によって橋渡しできる。この木材105を利用して、貨物室2内に荷積みされた貨物71を固定することができる(チョッキング)。なお、第一扉(11,12,13,14)、及び第二扉(21,22,23,24,25,26)の双方の扉用基材101が、横方向、すなわちY方向に延伸する凹凸101aを有している場合には、木材105の安定的に配置することができないため、
図12に示すようなチョッキングを利用した貨物71の固定を行うことが困難である。
【0068】
上述したように、コンテナ1は、床面4において、床板83の外側にスライドレール90を備えている。このスライドレール90は、貨物71を固縛するための、ベルトや紐などの固縛部材92を固定するために用いられる(
図13参照)。
図13は、貨物を固縛部材で固縛している様子を模式的に示す図面である。また、
図14は、スライドレール90の模式的な斜視図であり、
図15はスライドレール90の模式的な平面図である。
【0069】
図14に示すように、スライドレール90は、リップ溝型の構造を有しており、より詳細には、Y方向に延伸する溝部95を有している。また、
図14及び
図15に示すように、スライドレール90は、+Z側(上面側)の位置に、溝部95に連絡された複数の開口部91を、相互にY方向に離間して設けている。
【0070】
スライドレール90は、溝部95内に角ナット93を収容可能に構成されている。この角ナット93は、溝部95内をY方向に移動することができる。角ナット93を所定の位置に配置させた状態で、+Z側(上方)から角ナット93にネジ止め可能なアイボルト94を、開口部91を通じて装着することができる。これにより、角ナット93は、Z方向(上下方向)に関して固定される。本実施形態においては、角ナット93及びアイボルト94が「固定金具」に対応する。コンテナ1がスライドレール90を設けることで、上述したように、角ナット93は溝部95内をY方向に移動できるため、貨物(71,72,73)を貨物室2内において固縛したい位置に角ナット93を配置することができる。すなわち、貨物(71,72,73)の固縛位置の自由度が向上する。
【0071】
アイボルト94は、
図14に示すようにリング状の部材94aを備えている。このため、アイボルト94を角ナット93にネジ止めした状態で、リング状の部材94aに固縛部材92をくくりつけられる。
図15に示すように、スライドレール90は、床板83の+X側(第二側面20側)及び-X側(第一側面10側)の双方に設けられている。このため、両側のスライドレール90にアイボルト94を取り付けた状態で、これらのアイボルト94のリング状の部材94aにくくりつけた固縛部材92によって貨物71を固定させることができる。これにより、コンテナ1の搬送中においても、貨物71が貨物室2内において上下方向(Z方向)に移動することが抑制される。
【0072】
また、
図15に示すように、アイボルト94を挿入するための開口部91は、Y方向の複数箇所に設けられている。このため、貨物室2内に配置された貨物71の位置に応じた箇所にアイボルト94を取り付けることで、固縛部材92によって貨物71を固定させることができる。特に、上述したように、本実施形態のコンテナ1によれば、第一側面10及び第二側面20の双方が扉によって構成されるため、これらの扉を開放することで、コンテナ1の外側から作業員が貨物71の固縛作業を行うことが可能である。
【0073】
なお、アイボルト94は、いずれかの開口部91のY方向に係る端部側において角ナット93に装着させるのが好ましい。この位置に配置されたアイボルト94に取り付けられた固縛部材92によって貨物71を固定することで、コンテナ1の搬送中に、貨物71をY方向(前後方向)にも移動しにくくする効果が高められる。
【0074】
なお、貨物71の大きさによっては、固縛部材92を用いて固縛する際の作業性の向上、及び固縛強度の向上の観点から、貨物71の下側に固定材96を設置するものとしても構わない(
図13参照)。この固定材96は、例えば固縛部材92の締め付け動作を行う機構を備えるものとしても構わない。
【0075】
[別実施形態]
以下において、本発明に係るコンテナ1の別実施形態につき、説明する。
【0076】
〈1〉上記実施形態において、コンテナ1は、-X側の側面(第一側面10側)に2つの開口(18a,18b)を有し、+X側の側面(第二側面20側)に3つの開口(28a,28b,28c)を有するものとした。しかし、本発明において、コンテナ1が側面側に備える開口の数は限定されない。
【0077】
〈2〉上記実施形態において、コンテナ1は、床面4のX方向に係る両端にスライドレール90を備えるものとした。しかし、コンテナ1は、床面4の-X方向に係る端部、又は+X方向に係る端部のいずれか一方のみにスライドレール90を備えるものとしても構わない。
【0078】
また、コンテナ1は、床面4において、スライドレール90を備えないものとしても構わない。
【0079】
〈3〉上記実施形態では、コンテナ1がISO規格に準拠した40ft型のコンテナであるものとして説明した。しかし、コンテナ1が、ISO規格に準拠した形状を有し、40ft型以上の大きさを示すコンテナであっても構わない。ISO規格に準拠した40フィート型以上の寸法を示すコンテナとしては、40フィート型コンテナ、40フィートハイキューブ型コンテナ、45フィート型コンテナなどが挙げられる。
【0080】
〈4〉上記実施形態では、第一側面10に形成される開口18(18a,18b)及び第二側面20に形成される開口28(28a,28b,28c)は、いずれも観音開き構造の扉によって両側から閉鎖されるものとして説明した。しかし、これらの開口(18,28)の一部又は全部は、扉によって片側のみから閉鎖される構成であるものとしても構わない。
【0081】
例えば、コンテナ1が第一扉11を備えずに、第二扉12のみで開口18aを閉鎖可能な構成としても構わない。
【0082】
〈5〉上記実施形態では、固定金具として角ナット93及びアイボルト94を例に挙げて説明したが、この態様はあくまで一例である。固定金具は、スライドレール90内を移動可能な部材(A)と、この部材(A)に対して固定可能であって固縛部材92を取り付ける部分を有する部材(B)とを含むものであれば、角ナット93及びアイボルト94には限定されない。
【0083】
〈6〉本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
1 : コンテナ
2 : 貨物室
3 : 天井面
3a : 天井面に形成された凹凸
4 : 床面
5 : 第三側面
6 : 第四側面
6a,6b : 後方扉
10 : 第一側面
11,12,13,14 : 第一扉
18(18a,18b) : 第一側面側の開口
20 : 第二側面
21,22,23,24,25,26 : 第二扉
28(28a,28b,28c) : 第二側面側の開口
30 : 上部枠体
31 : 前方上部枠
32 : 第一上部側枠
33 : 後方上部枠
34 : 第二上部側枠
40 : 下部枠体
41 : 前方下部枠
42 : 第一下部側枠
43 : 後方下部枠
44 : 第二下部側枠
50 : 端部支柱
51 : 第一前方支柱
52 : 第二前方支柱
53 : 第一後方支柱
54 : 第二後方支柱
61 : 第一中間支柱
65,66 : 第二中間支柱
71,72,73 : 貨物
81 : 角パイプ
82 : C字鋼
83 : 床板
84 : フレーム材
85 : 板材
86 : I字鋼
90 : スライドレール
91 : 開口部
92 : 固縛部材
93 : 角ナット
94 : アイボルト
95 : 溝部
96 : 固定材
101 : 扉用基材
101a : 第一扉に形成された凹凸
102 : 角パイプ
103 : C字鋼
105 : 木材