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特許7118940圧縮機、監視システム、及び圧縮機の監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】圧縮機、監視システム、及び圧縮機の監視方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/10 20060101AFI20220808BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20220808BHJP
   H02P 29/024 20160101ALI20220808BHJP
   H02P 29/68 20160101ALI20220808BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20220808BHJP
【FI】
F04B49/10 331G
G05B23/02 T
H02P29/024
H02P29/68
H02M7/48 M
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019198222
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021072708
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2021-08-20
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】大久保 智文
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宣長
(72)【発明者】
【氏名】田島 清巳
(72)【発明者】
【氏名】高貫 晃洋
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-212000(JP,A)
【文献】特開2006-166569(JP,A)
【文献】特開2016-47001(JP,A)
【文献】特開2018-87576(JP,A)
【文献】特開2018-115869(JP,A)
【文献】特開平9-126138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
G05B 23/02
F04B 49/08 -49/10
H02P 29/024
H02P 29/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの回転数を制御するモータ制御装置と、
前記モータによって駆動されて気体を圧縮する圧縮機本体と、
前記圧縮機本体の吐出側に設けられて圧縮気体の圧力を検出する圧力センサと、
前記圧力センサで検出された圧力に基づいて負荷運転と無負荷運転を切り替える運転コントローラとを備え、
前記モータ制御装置は、
半導体素子を有する回路を介して前記モータへ供給する電力を制御するモータコントローラと、
前記半導体素子の温度を検出する温度センサとを有する、圧縮機であって、
前記モータコントローラ及び前記運転コントローラのうちの少なくとも一方は、無負荷運転から負荷運転への切り替え時に、前記温度センサで検出された温度を用いて基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算し、前記半導体素子の相対温度に対応する前記半導体素子の余寿命の変化量を演算して、前記半導体素子の余寿命を監視することを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記モータコントローラ及び前記運転コントローラのうちの少なくとも一方は、前記モータの駆動から停止への切り替え時に、前記温度センサで検出された温度を用いて前記基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算し、前記半導体素子の相対温度に対応する前記半導体素子の余寿命の変化量を演算して、前記半導体素子の余寿命を監視することを特徴とする圧縮機。
【請求項3】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記基準温度として前記モータ制御装置の周囲の空気温度を検出する空気温度センサを更に備え、
前記モータコントローラ及び前記運転コントローラのうちの少なくとも一方は、前記温度センサ及び前記空気温度センサで検出された温度を用いて前記基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算することを特徴とする圧縮機。
【請求項4】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記モータコントローラ及び前記運転コントローラのうちの少なくとも一方は、前記半導体素子の余寿命又は消費寿命が所定の閾値に達した場合に、その旨を表示する指令を表示装置へ出力することを特徴とする圧縮機。
【請求項5】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記半導体素子を有する前記回路は、電源からの交流を直流に変換するダイオードモジュールと、前記ダイオードモジュールで変換された直流を交流に変換すると共に、前記モータへ出力する交流の周波数を制御するパワーモジュールであることを特徴とする圧縮機。
【請求項6】
モータと、前記モータの回転数を制御するモータ制御装置と、前記モータによって駆動されて気体を圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体の吐出側に設けられて圧縮気体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサで検出された圧力に基づいて負荷運転と無負荷運転を切り替える運転コントローラとを備え、前記モータ制御装置は、半導体素子を有する回路を介して前記モータへ供給する電力を制御するモータコントローラと、前記半導体素子の温度を検出する温度センサとを有する、圧縮機と、
通信ネットワークを介して前記圧縮機から前記圧縮機の運転状況と前記温度センサの検出結果を受信する監視サーバと、を備えた監視システムであって、
前記監視サーバは、前記圧縮機の無負荷運転から負荷運転への切り替え時に、前記温度センサで検出された温度を用いて基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算し、前記半導体素子の相対温度に対応する前記半導体素子の余寿命の変化量を演算して、前記半導体素子の余寿命を監視することを特徴とする監視システム。
【請求項7】
請求項6に記載の監視システムにおいて、
前記監視サーバは、前記モータの駆動から停止への切り替え時に、前記温度センサで検出された温度を用いて前記基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算し、前記半導体素子の相対温度に対応する前記半導体素子の余寿命の変化量を演算して、前記半導体素子の余寿命を監視することを特徴とする監視システム。
【請求項8】
請求項6に記載の監視システムにおいて、
前記圧縮機は、前記基準温度として前記モータ制御装置の周囲の空気温度を検出する空気温度センサを更に備え、
前記監視サーバは、前記温度センサ及び前記空気温度センサで検出された温度を用いて前記基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算することを特徴とする監視システム。
【請求項9】
請求項6に記載の監視システムにおいて、
前記監視サーバは、前記半導体素子の余寿命又は消費寿命が所定の閾値に達した場合に、その旨を表示する指令を前記通信ネットワークを介して前記圧縮機の表示装置及び端末機のうちの少なくとも一方へ送信することを特徴とする監視システム。
【請求項10】
請求項6に記載の監視システムにおいて、
前記半導体素子を有する前記回路は、電源からの交流を直流に変換するダイオードモジュールと、前記ダイオードモジュールで変換された直流を交流に変換すると共に、前記モータへ出力する交流の周波数を制御するパワーモジュールであることを特徴とする監視システム。
【請求項11】
モータと、前記モータによって駆動されて気体を圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体の吐出側に設けられて圧縮気体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサで検出された圧力に基づいて負荷運転と無負荷運転を切り替える機能と半導体素子を有する回路を介して前記モータへ供給する電力を制御する機能を有する少なくとも1つのコントローラと、前記半導体素子の温度を検出する温度センサとを備えた圧縮機を監視する方法であって、
前記圧縮機の無負荷運転から負荷運転への切り替え時に、前記温度センサで検出された温度を用いて基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算し、前記半導体素子の相対温度に対応する前記半導体素子の余寿命の変化量を演算して、前記半導体素子の余寿命を監視することを特徴とする圧縮機の監視方法。
【請求項12】
請求項11に記載の圧縮機の監視方法において、
前記モータの駆動から停止への切り替え時に、前記温度センサで検出された温度を用いて前記基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算し、前記半導体素子の相対温度に対応する前記半導体素子の余寿命の変化量を演算して、前記半導体素子の余寿命を監視することを特徴とする圧縮機の監視方法。
【請求項13】
請求項11に記載の圧縮機の監視方法において、
前記圧縮機は、前記基準温度として前記回路の周囲の空気温度を検出する空気温度センサを更に備えており、
前記温度センサ及び前記空気温度センサで検出された温度を用いて前記基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算することを特徴とする圧縮機の監視方法。
【請求項14】
請求項11に記載の圧縮機の監視方法において、
前記半導体素子の余寿命又は消費寿命が所定の閾値に達した場合に、その旨を前記圧縮機の表示装置及び端末機のうちの少なくとも一方で表示することを特徴とする圧縮機の監視方法。
【請求項15】
請求項11に記載の圧縮機の監視方法において、
前記半導体素子を有する前記回路は、電源からの交流を直流に変換するダイオードモジュールと、前記ダイオードモジュールで変換された直流を交流に変換すると共に、前記モータへ出力する交流の周波数を制御するパワーモジュールであることを特徴とする圧縮機の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機、監視システム、及び圧縮機の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機等の産業機械は、工場等で物を生産する際に用いられることが多い装置である。一般に産業機械では、生産ラインを緊急停止せずに済むよう日頃から装置の状態等を把握しておきたいというニーズがある。このような産業機器の監視方法に関して、例えば特許文献1のような技術がある。
【0003】
特許文献1のモータ制御装置は、パワーモジュール(スイッチング回路)の半導体素子を流れる電流から出力電流を演算し、この出力電流などに基づいて半導体素子の温度変化を推定して温度変化振幅を演算し、この温度変化振幅に対応するパワーサイクル数を演算して、半導体素子の余寿命を監視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2004/082114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、出力電流などに基づいて半導体素子の温度変化を推定し、温度変化幅、パワーサイクル数等の様々な値を演算して余寿命を監視しており、演算量が多い。また、推定した値を用いて何度も演算を行っているため、推定した寿命の誤差が大きくなる虞がある。
【0006】
さらには、モータとして駆動させる場合と、モータを動力として用いて装置全体を制御する場合とではモータ制御の方法が異なり、半導体素子の温度変化が発生するタイミングも変わってくるため、モータを利用する全ての産業機器に特許文献1の技術が適用できるものでもない。
【0007】
本発明は、上記事柄に鑑みてなされたものであり、余寿命監視の精度を向上させつつ、モータを動力とする産業機械の動作に適した監視方法を提供する技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、特許請求の範囲に記載の構成を適用する。本発明は、上記課題を解決するための手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、モータと、前記モータの回転数を制御するモータ制御装置と、前記モータによって駆動されて気体を圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体の吐出側に設けられて圧縮気体の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサで検出された圧力に基づいて負荷運転と無負荷運転を切り替える運転コントローラとを備え、前記モータ制御装置は、半導体素子を有する回路を介して前記モータへ供給する電力を制御するモータコントローラと、前記半導体素子の温度を検出する温度センサとを有する、圧縮機であって、前記モータコントローラ及び前記運転コントローラのうちの少なくとも一方は、無負荷運転から負荷運転への切り替え時に、前記温度センサで検出された温度を用いて基準温度に対する前記半導体素子の相対温度を演算し、前記半導体素子の相対温度に対応する前記半導体素子の余寿命の変化量を演算して、前記半導体素子の余寿命を監視する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、処理負荷を軽減しつつ、モータ制御装置の半導体素子の余寿命を監視することができる。
【0010】
なお、上記以外の課題、構成及び効果は、以下の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を適用した一実施形態における圧縮機の構成を表す概略図である。
図2】本発明を適用した一実施形態におけるモータ制御装置の構成を関連機器と共に表す概略図である。
図3】本発明を適用した一実施形態における圧縮機運転制御の手順を表すフローチャートである。
図4】本発明を適用した一実施形態におけるモジュール監視制御の手順を表すフローチャートである。
図5】本発明を適用した一変形例におけるモジュール監視制御の手順を表すフローチャートである。
図6】本発明を適用した他の実施形態における監視システムの構成を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を適用した一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。圧縮機として、給油式スクリュー圧縮機に適用した例を説明する。
【0013】
図1は、本実施形態における圧縮機の構成を表す概略図である。図2は、本実施形態におけるモータ制御装置の構成を関連機器と共に表す概略図である。
【0014】
本実施形態の圧縮機1は、モータ2と、モータ2によって駆動されて空気を圧縮する圧縮機本体3と、圧縮機本体3の吸入側に設けられたエアフィルタ4及び吸込み絞り弁5と、圧縮機本体3の吐出側に設けられた分離器6と、分離器6に接続された油供給系統7、圧縮空気供給系統8、及び放気系統9を備える。また、圧縮機1は、モータ2の回転数を制御するモータ制御装置10と、運転コントローラ11と、表示装置12とを備える。なお、本実施形態の圧縮機1は、筐体13内に前述した機器を収納したパッケージ形の圧縮機ユニットである。
【0015】
圧縮機本体3は、図示しないものの、例えば、互いに噛み合う雌雄一対のスクリューロータと、スクリューロータを収納するケーシングとを備えており、スクリューロータの歯溝に複数の圧縮室が形成されている。スクリューロータが回転すると、圧縮室がロータの軸方向に(図1中左側から右側に向かって)移動する。圧縮室は、空気(気体)を吸入して圧縮し、圧縮空気(圧縮気体)を吐出する。圧縮機本体3は、圧縮熱の冷却、ロータの潤滑、及び圧縮室のシールなどの目的のために、例えば圧縮開始直後の圧縮室に油(液体)を注入するようになっている。
【0016】
分離器6は、圧縮機本体3から吐出された圧縮空気とこれに含まれる油を分離し、分離した油を下部に貯留する。分離器6で貯留された油は、分離器6と圧縮機本体3の圧縮室との圧力差によって、油供給系統7を介し圧縮室へ供給される。油供給系統7は、油を冷却するオイルクーラ14と、オイルクーラ14をバイパスするバイパス経路15と、オイルクーラ14側とバイパス経路15側に分岐する分岐部に設けられた温調弁(三方弁)16と、オイルクーラ14側とバイパス経路15側から合流する合流部の下流側に設けられたオイルフィルタ17とを有する。温調弁16は、温調弁16に流入した油の温度に応じてオイルクーラ14側の流量とバイパス経路15側の流量の割合を調整し、これによって圧縮機本体3の圧縮室へ供給する油の温度を調整するようになっている。
【0017】
分離器6で分離された圧縮空気は、圧縮空気供給系統8を介しユニット外部の使用先へ供給される。圧縮空気供給系統8は、調圧弁(逆止弁)18と、調圧弁18の下流側に設けられて圧縮空気を冷却するエアクーラ19と、調圧弁18の下流側(本実施形態では、エアクーラ19の下流側であるが、エアクーラ19の上流側でもよい)に設けられて圧縮気体の圧力を検出する圧力センサ20とを有する。なお、本実施形態のオイルクーラ14及びエアクーラ19は、空冷式(詳細には、冷却ファンで生起された冷却風によって冷却する方式)であるものの、水冷式(ユニットの外部から供給された冷却水によって冷却する方式)であってもよい。
【0018】
放気系統9は、分離器6と吸込み絞り弁5の一次側(詳細には、弁座の上流側)の間で接続された放気経路21と、放気経路21に設けられた放気弁22(電磁弁)と、放気経路21における放気弁22の下流側から分岐して吸込み絞り弁5の操作室(図示せず)に接続された操作経路(図示せず)とを有する。放気弁22が閉状態である場合に、放気系統9は、分離器6から吸込み絞り弁5の一次側への放気を行わない。このとき、吸込み絞り弁5は、その操作室の圧力が降下するので、開状態となる。これにより、負荷運転となる。一方、放気弁22が開状態である場合に、放気系統9は、分離器6から吸込み絞り弁5の一次側への放気を行う。このとき、吸込み絞り弁5は、その操作室の圧力が上昇するので、閉状態となる。これにより、無負荷運転となる。
【0019】
運転コントローラ11は、運転スイッチ(図示せず)の操作などに応じて、モータ2の駆動と停止を切り替える制御を行う。詳しく説明すると、運転コントローラ11は、運転スイッチからON信号を入力した場合に、モータ制御装置10へモータ2の駆動指令を出力し、モータ2を駆動させる。運転スイッチからOFF信号を入力した場合に、モータ制御装置10へモータ2の停止指令を出力し、モータ2を停止させる。
【0020】
また、運転コントローラ11は、圧力センサ20で検出された圧力に基づき、放気弁22及び吸込み絞り弁5を制御して負荷運転と無負荷運転を切り替えると共に、モータ制御装置10を介しモータ2を制御して高速運転と低速運転を切り替える制御を行う(詳細は後述)。
【0021】
モータ制御装置10は、商用電源23からの交流を直流に変換するダイオードモジュール24(回路)と、ダイオードモジュール24で変換された直流を交流に変換すると共に、モータ2へ出力する交流の周波数を制御するパワーモジュール25(回路)と、運転コントローラ11からの指令に応じてパワーモジュール25を制御するモータコントローラ26とを有する。ダイオードモジュール24及びパワーモジュール25内のスイッチング素子は半導体素子で構成される。また、モータ制御装置10は、例えば、モータ制御装置10の代表温度として、ダイオードモジュール24及びパワーモジュール25の近傍に位置する他の部品の温度を検出する温度センサ27を有する。圧縮機1の筐体13の内部には、モータ制御装置10の周囲(言い換えれば、回路の周囲)の空気温度を検出する空気温度センサ28が設けられている。
【0022】
なお、運転コントローラ11又はモータコントローラ26は、プログラムに基づいて演算処理や制御処理を実行する演算制御部(例えばCPU)と、プログラムや演算処理の結果を記憶する記憶部(例えばROM、RAM)等を有するものである。
【0023】
次に、本実施形態の圧縮機運転制御の詳細を説明する。図3は、本実施形態における圧縮機運転制御の手順を表すフローチャートである。
【0024】
運転スイッチがOFF位置からON位置に切り替えられた場合に、ステップS101に進み、運転コントローラ11は、負荷運転及び高速運転を行わせる。詳しく説明すると、運転コントローラ11は、放気弁22を閉状態に制御し、これによって吸込み絞り弁5を開状態として、負荷運転を行わせる。また、運転コントローラ11は、モータコントローラ26へモータ2の駆動指令及び回転指令を出力する。これに応じて、モータコントローラ26は、モータ2の回転数が予め設定された第1の回転数となるように(詳細には、第1の回転数に対応する交流の周波数となるように)、パワーモジュール25を制御する。
【0025】
ステップS102に進み、運転コントローラ11は、負荷運転中、圧力センサ20で検出された圧力(以降、吐出圧力という)が所定の上限値以上であるかどうかを判定する。吐出圧力が所定の上限値未満である場合は、ステップS102の判定を繰り返す。吐出圧力が所定の上限値以上である場合は、ステップS103に進む。ステップS103にて、運転コントローラ11は、負荷運転から無負荷運転に切り替える。詳しく説明すると、運転コントローラ11は、放気弁22を開状態に制御し、これによって吸込み絞り弁5を閉状態として、無負荷運転に切り替える。また、高速運転を継続する。モータ2としては、放気弁22が開状態であるため空気が圧縮されずトルクがかからない状態(無負荷状態)で高速回転を続けている状態となる。モータとして負荷がかかる状態と無負荷の状態を切り替えることは、モータへ供給する電流量が大幅に変わることになり、モータ制御装置内の半導体素子の温度変化が大きい。
【0026】
ステップS104に進み、運転コントローラ11は、無負荷運転・高速運転中、吐出圧力が所定の下限値以下であるかどうかを判定する。吐出圧力が所定の下限値以下である場合は、ステップS101に戻る。すなわち、運転コントローラ11は、無負荷運転から負荷運転に切り替える。
【0027】
無負荷運転・高速運転中に、吐出圧力が所定の下限値を超える場合は、ステップS105に進む。ステップS105にて、運転コントローラ11は、無負荷運転・高速運転の継続時間が所定値以上であるかどうかを判定する。最初のうちは、無負荷運転・高速運転の継続時間が所定値未満であるから、ステップS104に戻る。無負荷運転・高速運転の継続時間が所定値以上となれば、ステップS106に進む。ステップS106にて、運転コントローラ11は、吐出圧力が所定の上限値以上であるかどうかを判定する。無負荷運転・高速運転の継続時間が所定値以上となっても、吐出圧力が所定の上限値以上である場合は、ステップS107に進む。ステップS107にて、運転コントローラ11は、モータコントローラ26へモータ2の停止指令を出力し、モータ2を停止させる。これにより、圧縮機本体3を停止させる。
【0028】
無負荷運転・高速運転の継続時間が所定値以上となり、吐出圧力が所定の上限値未満である場合は、ステップS108に進む。ステップS108にて、運転コントローラ11は、高速運転から低速運転に切り替える。詳しく説明すると、運転コントローラ11は、モータコントローラ26へモータ2の回転指令を出力する。これに応じて、モータコントローラ26は、モータ2の回転数が予め第1の回転数より低くなるように設定された第2の回転数となるように(詳細には、第2の回転数に対応する交流の周波数となるように)、パワーモジュール25を制御する。また、無負荷運転を継続する。
【0029】
ステップS109に進み、運転コントローラ11は、無負荷運転・低速運転中、吐出圧力が所定の下限値以下であるかどうかを判定する。吐出圧力が所定の下限値以下である場合は、ステップS101に戻る。すなわち、運転コントローラ11は、無負荷運転から負荷運転に切り替える。
【0030】
無負荷運転・低速運転中に、吐出圧力が所定の下限値を超える場合は、ステップS110に進む。ステップS110にて、運転コントローラ11は、無負荷運転・低速運転の継続時間が所定値以上であるかどうかを判定する。最初のうちは、無負荷運転・低速運転の継続時間が所定値未満であるから、ステップS109に戻る。無負荷運転・低速運転の継続時間が所定値以上となれば、ステップS107に進む。すなわち、運転コントローラ11は、モータ2及び圧縮機本体3を停止させる。
【0031】
モータコントローラ26は、上述した運転コントローラ11からの指令に応じてパワーモジュール25を制御する。また、モータコントローラ26は、運転コントローラ11から圧縮機の運転状況と空気温度センサ28の検出結果を受信しており、それらと温度センサ27の検出結果に基づいてダイオードモジュール24の余寿命及びパワーモジュール25の余寿命を監視する。このモジュール監視制御の詳細を、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態におけるモジュール監視制御の手順を表すフローチャートである。
【0032】
ステップS201にて、モータコントローラ26は、無負荷運転から負荷運転に切り替えられたかどうかを判定する。無負荷運転から負荷運転に切り替えられた場合に、モータコントローラ26は、次の処理を実行する。
【0033】
ステップS202にて、モータコントローラ26は、無負荷運転から負荷運転への切り替え時に、負荷運転時に温度センサ27及び空気温度センサ28で検出された温度や、ダイオードモジュール24の温度と他の部品の温度との関係式を用いて、空気温度センサ28で検出された基準温度に対するダイオードモジュール24の相対温度(言い換えれば、モータ制御装置10の周囲の空気温度とダイオードモジュール24の温度との差)を演算する。同様に、無負荷運転から負荷運転への切り替え時に、負荷運転時に温度センサ27及び空気温度センサ28で検出された温度や、パワーモジュール25の温度と他の部品の温度との関係式を用いて、空気温度センサ28で検出された基準温度に対するパワーモジュール25の相対温度(言い換えれば、モータ制御装置10の周囲の空気温度とパワーモジュール25の温度との差)を演算する。
【0034】
ステップS203に進み、モータコントローラ26はそれぞれのモジュールの相対温度を閾値と比較する。具体的には、ダイオードモジュール24の相対温度が所定の閾値(詳細には、例えば20℃)以上であるかどうかを判定する。また、パワーモジュール25の相対温度が所定の閾値(詳細には、例えば30℃)以上であるかどうかを判定する。
【0035】
ダイオードモジュール24の相対温度が所定の閾値以上である場合は、ステップS204に進む。ステップS204にて、モータコントローラ26は、ダイオードモジュール24の相対温度に対応するダイオードモジュール24の余寿命の変化量を演算する。なお、モータコントローラ26は、ダイオードモジュール24の相対温度が大きくなるのに従ってダイオードモジュール24の余寿命の変化量が大きくなるような演算テーブルを予め記憶しており、この演算テーブルを用いて前述した演算を行う。
【0036】
その後、ステップS205に進み、モータコントローラ26は、これまでのダイオードモジュール24の余寿命の変化量を積算することにより、ダイオードモジュール24の消費寿命を演算する。あるいは、これまでのダイオードモジュール24の余寿命の変化量を積算した積算値を、予め設定されたダイオードモジュール24の寿命から減算することにより、ダイオードモジュール24の余寿命を演算する。例えば、モジュールの寿命を100%としたとき、相対温度および演算テーブルから求められる余寿命の変化量が0.5%だった場合には、モジュールの余寿命は99.5%となる。次に余寿命を演算する際は、99.5%から余寿命の変化量を減算する。
【0037】
パワーモジュール25の相対温度が所定の閾値以上である場合は、ステップS204に進む。ステップS204にて、モータコントローラ26は、パワーモジュール25の相対温度に対応するパワーモジュール25の余寿命の変化量を演算する。なお、モータコントローラ26は、パワーモジュール25の相対温度が大きくなるのに従ってパワーモジュール25の余寿命の変化量が大きくなるような演算テーブルを予め記憶しており、この演算テーブルを用いて前述した演算を行う。
【0038】
その後、ステップS205に進み、モータコントローラ26は、これまでのパワーモジュール25の余寿命の変化量を積算することにより、パワーモジュール25の消費寿命を演算する。あるいは、これまでのパワーモジュール25の余寿命の変化量を積算した積算値を、予め設定されたパワーモジュール25の寿命から減算することにより、パワーモジュール25の余寿命を演算する。
【0039】
その後、ステップS206に進み、モータコントローラ26は、各モジュールの消費寿命又は余寿命の表示を更新する指令を、運転コントローラ11を介し表示装置12へ出力する。これに応じて、表示装置12は、各モジュールの消費寿命又は余寿命の表示を更新する。
【0040】
ステップS207にて、モータコントローラ26は、圧縮機本体3の駆動から停止に切り替えられたかどうかを判定する。圧縮機本体3の駆動から停止に切り替えられた場合に、モータコントローラ26は、次の処理を実行する。
【0041】
ステップS202にて、モータコントローラ26は、モータ2の駆動から停止への切り替え時に、モータ2の駆動時に温度センサ27及び空気温度センサ28で検出された温度や、ダイオードモジュール24の温度と他の部品の温度との関係式を用いて、空気温度センサ28で検出された基準温度に対するダイオードモジュール24の相対温度を演算する。同様に、モータ2の駆動から停止への切り替え時に、モータ2の駆動時に温度センサ27及び空気温度センサ28で検出された温度や、パワーモジュール25の温度と他の部品の温度との関係式を用いて、空気温度センサ28で検出された基準温度に対するパワーモジュール25の相対温度を演算する。
【0042】
そして、ステップS203、S204、及びS205に進み、上述した処理を経て、ダイオードモジュール24の消費寿命又は余寿命を演算する。同様に、パワーモジュール25の消費寿命又は余寿命を演算する。
【0043】
その後、ステップS206に進み、モータコントローラ26は、各モジュールの消費寿命又は余寿命の表示を更新する指令を、運転コントローラ11を介し表示装置12へ出力する。これに応じて、表示装置12は、各モジュールの消費寿命又は余寿命の表示を更新する。なお、モータコントローラ26は、モジュールを交換した情報が入力された場合に、モジュールの消費寿命又は余寿命を初期化する。
【0044】
以上のように本実施形態では、圧縮機の無負荷運転から負荷運転への切り替え時に、半導体素子からなる各モジュールの相対温度に対応する各モジュールの余寿命の変化量を演算して、各モジュールの余寿命を監視する。また、圧縮機の駆動から停止への切り替え時に、各モジュールの相対温度に対応する各モジュールの余寿命の変化量を演算して、各モジュールの余寿命を監視する。したがって、圧縮機の駆動時であれば常に、各モジュールの温度変化に対応する各モジュールの余寿命の変化量を演算して、各モジュールの余寿命を監視する場合と比べ、処理負荷を軽減することができる。
【0045】
圧縮機の無負荷運転から負荷運転への切り替え時における各モジュールの負荷変動は、圧縮機の停止から駆動への切り替え時における各モジュールの負荷変動より急激である。また、圧縮機の駆動から停止への切り替え時における各モジュールの負荷変動は、圧縮機の負荷運転から無負荷運転への切り替え時における各モジュールの負荷変動より急激である。本実施形態では、各モジュールの余寿命の変化量を演算するタイミングを選定することにより、各モジュールの余寿命の精度を高めることができる。
【0046】
なお、上記一実施形態において、表示装置12は、モジュールの余寿命又は消費寿命を表示する場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、表示装置12は、モジュールの余寿命又は消費寿命が所定の閾値に達した場合に、その旨を表示してもよい。このような変形例を、図5を用いて説明する。図5は、本変形例におけるモジュール監視制御の手順を表すフローチャートである。なお、上記一実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。
【0047】
ステップS205にてダイオードモジュール24の消費寿命又は余寿命が演算された場合は、ステップS208に進む。ステップS208にて、モータコントローラ26は、ダイオードモジュール24の消費寿命又は余寿命が所定の閾値に達したかどうかを判定する。ダイオードモジュール24の消費寿命又は余寿命が所定の閾値に達した場合に、ステップS209に進む。ステップS209にて、モータコントローラ26は、ダイオードモジュール24の消費寿命又は余寿命が所定の閾値に達した旨を表示する指令を、運転コントローラ11を介し表示装置12へ出力する。これに応じて、表示装置12は、例えば「モータ制御装置のダイオードモジュールを交換してください」等のメッセージを表示する。
【0048】
ステップS205にてパワーモジュール25の消費寿命又は余寿命が演算された場合は、ステップS208に進む。ステップS208にて、モータコントローラ26は、パワーモジュール25の消費寿命又は余寿命が所定の閾値に達したかどうかを判定する。パワーモジュール25の消費寿命又は余寿命が所定の閾値に達した場合に、ステップS209に進む。ステップS209にて、モータコントローラ26は、パワーモジュール25の消費寿命又は余寿命が所定の閾値に達した旨を表示する指令を、運転コントローラ11を介し表示装置12へ出力する。これに応じて、表示装置12は、例えば「モータ制御装置のパワーモジュールを交換してください」等のメッセージを表示する。
【0049】
また、上記一実施形態において、モータコントローラ26は、各モジュールの余寿命を監視する機能を有する(詳細には、温度センサ27及び空気温度センサ28で検出された温度を用いて基準温度に対する各モジュールの相対温度を演算し、各モジュールの相対温度に対応する各モジュールの余寿命の変化量を演算して、各モジュールの余寿命を監視する)場合を例にとって説明したが、これに限られない。運転コントローラ11は、モータコントローラ26の代わりに、各モジュールの余寿命を監視する機能を有してもよい。あるいは、モータコントローラ26及び運転コントローラ11は、各モジュールの余寿命を監視する機能を分担してもよい。具体的には、モータコントローラ26は、各モジュールの相対温度を演算し、運転コントローラ11は、各モジュールの相対温度に対応する各モジュールの余寿命の変化量を演算して、各モジュールの余寿命を監視してもよい。これらの変形例においても、上記一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
本発明の他の実施形態を、図6を用いて説明する。なお、本実施形態において、上記一実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。
【0051】
図6は、本実施形態における監視システムの構成を表す概略図である。
【0052】
本実施形態の監視システムは、通信ネットワーク30(詳細には、例えばインターネット等の広域ネットワークやLAN等の狭域ネットワーク)を介して互いに通信可能な圧縮機1、監視サーバ31、及び端末機32を備える。監視サーバ31は、プログラムに基づいて演算処理や制御処理を実行する演算制御部(例えばCPU)と、プログラムや演算処理の結果を記憶する記憶部(例えばROM、RAM、ハードディスク)等を有するものである。
【0053】
圧縮機1は、上記一実施形態と同様の構成である。但し、モータコントローラ26及び運転コントローラ11は、各モジュールの余寿命を監視する機能を有しない。
【0054】
監視サーバ31は、通信ネットワーク30を介して圧縮機の運転状況と温度センサ27及び空気温度センサ28の検出結果を受信する。また、監視サーバ31は、上記一実施形態のモータコントローラ26と同様、各モジュールの余寿命を監視する機能を有する。そして、モジュールの余寿命又は消費寿命を演算した場合に、その表示を更新する指令を、通信ネットワーク30を介し圧縮機1の表示装置12及び端末機32のうちの少なくとも一方へ送信する。これに応じて、表示装置12又は端末機32は、モジュールの余寿命又は消費寿命の表示を更新する。
【0055】
あるいは、監視サーバ31は、上記一変形例のモータコントローラ26と同様、各モジュールの余寿命を監視する機能を有する。そして、モジュールの余寿命又は消費寿命が所定の閾値に達した場合に、その旨を表示する指令を、通信ネットワーク30を介し圧縮機1の表示装置12及び端末機32のうちの少なくとも一方へ送信する。これに応じて、表示装置12又は端末機32は、メッセージを表示する。
【0056】
以上のように構成された本実施形態においても、処理負荷を軽減しつつ、モータ制御装置のモジュールの余寿命を監視することができる。
【0057】
なお、上記実施形態及び変形例において、モータコントローラ26及び運転コントローラ11のうちの少なくとも一方又は監視サーバ31は、圧縮機の無負荷運転から負荷運転への切り替え時だけでなく、圧縮機の駆動から停止への切り替え時に、温度センサ27及び空気温度センサ28で検出された温度を用いて基準温度に対するモジュールの相対温度を演算する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、圧縮機の無負荷運転から負荷運転への切り替え時のみ、温度センサ27及び空気温度センサ28で検出された温度を用いて基準温度に対するモジュールの相対温度を演算してもよい。
【0058】
また、上記実施形態及び変形例において、モータコントローラ26及び運転コントローラ11のうちの少なくとも一方又は監視サーバ31は、温度センサ27及び空気温度センサ28で検出された温度を用いて基準温度に対するモジュールの相対温度を演算する場合を例にとって説明したが、これに限られない。基準温度として、空気温度センサ28で検出された温度を用いず、予め設定された空気温度を用いてもよい。
【0059】
また、上記実施形態及び変形例において、モータ制御装置10は、その代表温度として、ダイオードモジュール24及びパワーモジュール25以外の他の部品の温度を検出する温度センサ27を有する場合を例にとって説明したが、これに限られない。モータ制御装置10は、ダイオードモジュール24の温度及びパワーモジュール25の温度をそれぞれ検出する複数の温度センサを有してもよい。
【0060】
また、上記実施形態及び変形例において、モータコントローラ26及び運転コントローラ11のうちの少なくとも一方又は監視サーバ31は、ダイオードモジュール24の余寿命及びパワーモジュール25の余寿命の両方を監視する場合を例にとって説明したが、これに限られず、ダイオードモジュール24の余寿命及びパワーモジュール25の余寿命のうちの一方のみを監視してもよい。
【0061】
また、上記実施形態及び変形例において、運転コントローラ11は、高速運転(第1の回転数)と低速運転(第2の回転数)を切り替える制御を行う場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、運転コントローラは、吐出圧力に応じて回転数を連続的に変化させる制御を行い、ある適切な回転数を選定して高速運転や低速運転としてもよい。
【0062】
また、上記実施形態及び変形例において、運転コントローラ11とモータコントローラ26は、別体として構成された場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、運転コントローラ11とモータコントローラ26は、一体として構成されてもよい。
【0063】
また、上記実施形態及び変形例において、圧縮機1は、圧縮機本体3の負荷運転と無負荷運転を切替えるために、吸込み絞り弁5と放気系統9の両方を備えた場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。すなわち、圧縮機は、吸込み絞り弁5及び放気系統9のうちの一方のみを備えてもよい。
【0064】
また、上記実施形態及び変形例において、圧縮機本体3は、圧縮室内に油を供給する給油式のスクリュー圧縮機である場合を例にとって説明したが、これに限られず、圧縮室内に水を供給する給水式であってもよい。あるいは、圧縮機本体は、圧縮室内に油や水などの液体を供給しない無給液式であってもよい。すなわち、圧縮機1は、分離器6及び油供給系統7を備えなくてもよい。圧縮機の種類も、例えば、スクロール圧縮機、ターボ圧縮機、レシプロ圧縮機など、吐出圧力に応じて無負荷運転と負荷運転を切り替える圧縮機や、吐出圧力に応じてモータの駆動・停止を切り替える圧縮機であれば本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…圧縮機、2…モータ、3…圧縮機本体、10…モータ制御装置、11…運転コントローラ、12…表示装置、20…圧力センサ、23…商用電源、24…ダイオードモジュール、25…パワーモジュール、26…モータコントローラ、27…温度センサ、28…空気温度センサ、30…通信ネットワーク、31…監視サーバ、32…端末機
図1
図2
図3
図4
図5
図6