(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】ストラドルドビークル
(51)【国際特許分類】
B62K 25/20 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
B62K25/20
(21)【出願番号】P 2019514481
(86)(22)【出願日】2018-04-23
(86)【国際出願番号】 JP2018016427
(87)【国際公開番号】W WO2018199010
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2017087956
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【氏名又は名称】鳥居 洋
(72)【発明者】
【氏名】西田 和洋
(72)【発明者】
【氏名】村井 幹子
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-162415(JP,A)
【文献】特開2015-110387(JP,A)
【文献】特開2012-254734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
前記ハンドルを回転可能に支持するステアリングシャフトと、
車輪と、
前記車輪を弾性支持するサスペンションと、
車両の前後方向にそれぞれ延びる左メインフレーム及び右メインフレーム、
前記ステアリングシャフトを支持するとともに、前記左メインフレームの前端部と前記右メインフレームの前端部とを接続する前部接続部、
前記左メインフレームの後端部と前記右メインフレームの後端部とを接続する後部接続部、
前記サスペンションが取り付けられるサスペンション取付部、
前記左メインフレームに固定され、後端部に前記サスペンション取付部を有する左サスペンション支持部、及び、
前記右メインフレームに固定され、後端部に前記サスペンション取付部を有する右サスペンション支持部を含む車体フレームと、
樹脂が繊維で強化された繊維強化樹脂を含み、
前記サスペンション取付部よりも前の位置で、前記車体フレームに着脱自在に取り付けられ、前記左メインフレーム及び前記左サスペンション支持部の少なくとも一方と、前記右メインフレーム及び前記右サスペンション支持部の少なくとも一方とを接続する板状の繊維強化樹脂製左右接続板状部材と、
を備える、ストラドルドビークル。
【請求項2】
請求項1に記載のストラドルドビークルにおいて、
前記左メインフレーム及び前記右メインフレームは、前記前部接続部及び前記後部接続部以外の部分では、前記前後方向から見て直線的に且つ一体に接続されていない、ストラドルドビークル。
【請求項3】
請求項1または2に記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記前後方向において、少なくとも一部が、
前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記前部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第1領域、または、
前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記後部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第2領域に位置する、ストラドルドビークル。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記前後方向において、前記前後方向における半分以上が、
前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記前部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第1領域、または、
前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記後部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第2領域に位置する、ストラドルドビークル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記前後方向において、
前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記前部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第1領域、または、
前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記後部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第2領域に位置する、ストラドルドビークル。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記左サスペンション支持部と前記右サスペンション支持部とを接続する、ストラドルドビークル。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記車両を構成する部品の少なくとも一部によって構成されている、ストラドルドビークル。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、箱形の部品の一部によって構成されている、ストラドルドビークル。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つに記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記繊維の方向が、前記車両の左右方向である、ストラドルドビークル。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一つに記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記繊維として、厚み方向に積層された複数の繊維シートを含む、ストラドルドビークル。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一つに記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、
前記車両の左右方向における一方の端部が、前記車両の前後方向または上下方向に離れた少なくとも2箇所で、前記左メインフレーム及び前記左サスペンション支持部の少なくとも一方に接続され、
前記車両の左右方向における他方の端部が、前記車両の前後方向または上下方向に離れた少なくとも2箇所で、前記右メインフレーム及び前記右サスペンション支持部の少なくとも一方に接続されている、ストラドルドビークル。
【請求項12】
請求項11に記載のストラドルドビークルにおいて、
前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記左メインフレーム及び前記左サスペンション支持部の少なくとも一方、及び、前記右メインフレーム及び前記右サスペンション支持部の少なくとも一方に対し、ボルトによって接続されている、ストラドルドビークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右のメインフレームにサスペンションが取り付けられたストラドルドビークルに関する。
【背景技術】
【0002】
左右のメインフレームにサスペンションが取り付けられた車両として、例えば特許文献1に開示される構成が知られている。この特許文献1には、左右のメインフレームを結合するセンタアッパクロスフレームに、リアクッション支持部を介してリアクッションの上端部が接続されたストラドルドビークルが開示されている。なお、前記リアクッションの長手方向における一端部(下端部)は、スイングアームに接続されている。
【0003】
前記特許文献1に開示されている構成では、左右のメインフレームを結合するセンタアッパクロスフレームによって、リアクッションを支持することにより、該リアクッションの支持剛性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示されている構成では、リアクッション(サスペンション)の支持剛性を確保することができる。しかしながら、サスペンションの支持剛性を確保するために、該サスペンションが接続されるセンタアッパクロスフレーム(クロスフレーム)の配置を優先する必要がある。そのため、車両において、他の部品の配置が制約を受けやすい。
【0006】
よって、サスペンションの支持剛性を確保しつつ、車両における部品の配置の設計自由度を高めることが求められている。
【0007】
本発明は、サスペンションの支持剛性を確保しつつ、車両における部品の配置の設計自由度を高めることができるストラドルドビークルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特許文献1に開示されるようなクロスフレームの構成について詳細に検討した。
【0009】
この構成では、クロスフレームの剛性を利用して、サスペンションを支持している。本発明者らは、このような構成において、前記クロスフレームが、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性確保と、サスペンションの支持剛性確保との2つの機能を有する点に着目した。
【0010】
前記クロスフレームの剛性を下げた場合、前記サスペンションに入力された力によって、左メインフレーム及び右メインフレームが車両の左右方向に開くように変形を生じる場合がある。このように、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性が低下して、左メインフレーム及び右メインフレームが変形を生じた場合には、前記サスペンションの支持剛性も低下する。また、前記クロスフレームの剛性を下げた場合、前記サスペンションに入力された力によって、前記サスペンションを支持している前記クロスフレームが変形を生じる場合がある。このように、前記サスペンションを支持している前記クロスフレームが変形を生じると、前記サスペンションの支持剛性も低下する。
【0011】
これに対し、本発明者らは、部品の配置の設計自由度を高めるために、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性確保という機能を有する部材と、サスペンションの支持剛性確保という機能を有する部材とを設けることを検討した。
【0012】
このように、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性確保という機能を有する部材と、サスペンションの支持剛性確保という機能を有する部材とを設けることにより、サスペンションの支持位置の設計自由度を向上できるとともに、他の部品の配置の設計自由度を向上できる。
【0013】
一方、メインフレームの剛性を確保するためには、左メインフレームと右メインフレームとを接続する剛性部材が必要である。しかしながら、前記剛性部材が、他の部品の配置に影響を与えないようにする必要がある。
【0014】
本発明者らは、部品の配置やフレーム等の構成を検討する中で、前記剛性部材を繊維強化樹脂製の板状にしつつ着脱自在の部材にすることで、他の部品の配置への影響を抑制しつつ、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性を確保できることを見出した。すなわち、前記剛性部材を繊維強化樹脂製の板状にしつつ着脱自在の部材にすることで、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性を確保しつつ、車両における部品の配置の設計自由度を高めることができる。また、上述のように前記板状の部材を繊維強化樹脂製にすることにより、形状の設計自由度を高めることができるとともに、前記板状の部材の強度を高めることもできる。
【0015】
ところで、左メインフレーム及び右メインフレームとサスペンション取付部とをそれぞれ接続する左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部に求められる主な機能としては、サスペンションの支持剛性の確保である。上述のように左メインフレーム及び右メインフレームの剛性確保という機能を有する部材とサスペンションの支持剛性確保という機能を有する部材とを設けることにより、サスペンションの支持剛性を確保しつつ、左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部の形状及びサスペンションの取付位置の設計自由度を向上させることが可能になる。
【0016】
したがって、上述のように、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性確保という機能を有する部材とサスペンションの支持剛性確保という機能を有する部材とを設けるとともに、左メインフレームと右メインフレームとを接続する剛性部材を繊維強化樹脂製の板状にしつつ着脱自在の部材にすることにより、サスペンションの支持剛性を確保しつつ、車両における部品の配置の設計自由度を高めることができる。
【0017】
上述のような検討結果に基づいて、本発明者らは、以下のような構成に想到した。
【0018】
本発明の一実施形態に係るストラドルドビークルは、ハンドルと、前記ハンドルを回転可能に支持するステアリングシャフトと、車輪と、前記車輪を弾性支持するサスペンションと、車両の前後方向にそれぞれ延びる左メインフレーム及び右メインフレーム、前記ステアリングシャフトを支持するとともに、前記左メインフレームの前端部と前記右メインフレームの前端部とを接続する前部接続部、前記左メインフレームの後端部と前記右メインフレームの後端部とを接続する後部接続部、前記サスペンションが取り付けられるサスペンション取付部、前記左メインフレームと前記サスペンション取付部とを接続する左サスペンション支持部、及び、前記右メインフレームと前記サスペンション取付部とを接続する右サスペンション支持部を含む車体フレームと、樹脂が繊維で強化された繊維強化樹脂を含み、前記車体フレームに着脱自在に取り付けられ、前記左メインフレーム及び前記左サスペンション支持部の少なくとも一方と、前記右メインフレーム及び前記右サスペンション支持部の少なくとも一方とを接続する板状の繊維強化樹脂製左右接続板状部材と、を備える。
【0019】
これにより、剛性部材としての繊維強化樹脂製左右接続板状部材を、車体フレームに対して、着脱自在に且つ自由に配置できる。また、前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材を板状に形成することで、前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材をコンパクトに配置できるため、他の部品の配置の設計自由度を向上できる。しかも、前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材によって、左メインフレーム及び左サスペンション支持部の少なくとも一方と、右メインフレーム及び右サスペンション支持部の少なくとも一方とを接続することにより、サスペンション取付部におけるサスペンションの支持剛性を向上できる。
【0020】
したがって、上述の構成により、サスペンションの支持剛性を向上しつつ、他の部品の配置の設計自由度を向上できる。
【0021】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記左メインフレーム及び前記右メインフレームは、前記前部接続部及び前記後部接続部以外の部分では、前記前後方向から見て直線的に且つ一体に接続されていない。
【0022】
これにより、左メインフレーム及び右メインフレームに対し、部品の配置の設計自由度を向上できる。
【0023】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記前後方向において、少なくとも一部が、前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記前部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第1領域、または、前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記後部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第2領域に位置する。
【0024】
これにより、サスペンション取付部に近い位置に、剛性部材としての繊維強化樹脂製左右接続板状部材が配置される。よって、サスペンション取付部におけるサスペンションの支持剛性をより向上できる。
【0025】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記前後方向において、前記前後方向における半分以上が、前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記前部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第1領域、または、前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記後部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第2領域に位置する。
【0026】
これにより、サスペンション取付部により近い位置に、剛性部材としての繊維強化樹脂製左右接続板状部材が配置される。よって、サスペンション取付部におけるサスペンションの支持剛性をより向上できる。
【0027】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記前後方向において、前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記前部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第1領域、または、前記左メインフレーム、前記右メインフレーム、前記左サスペンション支持部及び前記右サスペンション支持部のうち、前記後部接続部と前記サスペンション取付部との中間よりも該サスペンション取付部に近い第2領域に位置する。
【0028】
これにより、サスペンション取付部にさらに近い位置に、剛性部材としての繊維強化樹脂製左右接続板状部材が配置される。よって、サスペンション取付部におけるサスペンションの支持剛性をさらに向上できる。
【0029】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記左サスペンション支持部と前記右サスペンション支持部とを接続する。
【0030】
これにより、サスペンション取付部に近い位置に、剛性部材としての繊維強化樹脂製左右接続板状部材が配置される。よって、サスペンション取付部におけるサスペンションの支持剛性を向上できる。
【0031】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記車両を構成する部品の少なくとも一部によって構成されている。
【0032】
これにより、繊維強化樹脂製左右接続板状部材と車両を構成する部品とを兼ねることができる。よって、車両の部品点数を少なくすることができるとともに、他の部品の配置の設計自由度を向上できる。
【0033】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、箱形の部品の一部によって構成されている。
【0034】
これにより、左メインフレーム及び右メインフレームは、一部が繊維強化樹脂製左右接続板状部材を構成する箱形の部品によって接続される。よって、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性を向上できる。
【0035】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記繊維の方向が、前記車両の左右方向である。
【0036】
これにより、繊維強化樹脂製左右接続板状部材によって車両の左右方向に接続された左メインフレーム及び右メインフレームの剛性を向上できる。よって、サスペンションの支持剛性を向上できる。
【0037】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記繊維として、厚み方向に積層された複数の繊維シートを含む。これにより、繊維強化樹脂製左右接続板状部材の強度を向上できる。
【0038】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記車両の左右方向における一方の端部が、前記車両の前後方向または上下方向に離れた少なくとも2箇所で、前記左メインフレーム及び前記左サスペンション支持部の少なくとも一方に接続され、前記車両の左右方向における他方の端部が、前記車両の前後方向または上下方向に離れた少なくとも2箇所で、前記右メインフレーム及び前記右サスペンション支持部の少なくとも一方に接続されている。
【0039】
これにより、繊維強化樹脂製左右接続板状部材を、左メインフレーム及び左サスペンション支持部の少なくとも一方と、右メインフレーム及び右サスペンション支持部の少なくとも一方とに対し、より強固に固定できる。よって、繊維強化樹脂製左右接続板状部材によって、左メインフレーム及び右メインフレームの剛性をより向上できる。しかも、繊維強化樹脂製左右接続板状部材を左メインフレーム及び右メインフレームに対してそれぞれ2箇所以上で固定することにより、左メインフレーム及び右メインフレームの捻り方向の剛性も向上できる。
【0040】
他の観点によれば、本発明のストラドルドビークルは、以下の構成を含むことが好ましい。前記繊維強化樹脂製左右接続板状部材は、前記左メインフレーム及び前記左サスペンション支持部の少なくとも一方、及び、前記右メインフレーム及び前記右サスペンション支持部の少なくとも一方に対し、ボルトによって接続されている。
【0041】
これにより、左メインフレーム及び左サスペンション支持部の少なくとも一方、及び、右メインフレーム及び右サスペンション支持部の少なくとも一方に対し、繊維強化樹脂製左右接続板状部材を着脱自在に接続することができる。
【0042】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施例のみを定義する目的で使用されるのであって、前記専門用語によって発明を制限する意図はない。
【0043】
本明細書で使用される「及び/または」は、一つまたは複数の関連して列挙された構成物のすべての組み合わせを含む。
【0044】
本明細書において、「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、要素、成分、及び/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または、それらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0045】
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、及び/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的及び間接的な”取り付け、接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な接続または結合を含むことができる。
【0046】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0047】
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0048】
本発明の説明においては、いくつもの技術および工程が開示されていると理解される。これらの各々は、個別の利益を有し、他に開示された技術の1つ以上、または、場合によっては全てと共に使用することもできる。
【0049】
したがって、明確にするために、本発明の説明では、不要に個々のステップの可能な組み合わせをすべて繰り返すことを控える。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせがすべて本発明の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
【0050】
本明細書では、本発明に係るストラドルドビークルの実施形態について説明する。
【0051】
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な例を述べる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な例がなくても本発明を実施できることが明らかである。
【0052】
よって、以下の開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0053】
[着脱自在の定義]
本明細書において、着脱自在とは、部材同士が取り外し可能な状態で接続されることを意味する。よって、部材同士を取り外し可能であれば、ボルト締結以外にも、嵌合、接着、溶接及び溶着などを含む。
【0054】
[一体に接続の定義]
本明細書において、一体に接続とは、接続される部材同士が、該部材同士を接続する接続部分とともに一体で形成されている構成を意味する。
【0055】
[直線的に接続の定義]
本明細書において、直線的に接続とは、複数の部材を直線状に延びる接続部材によって接続する構成だけでなく、左右方向から見て、前記接続部材が前記複数の部材に重なっている構成も含む。
【0056】
[板状部材の定義]
本明細書において、板状部材とは、平板の部材だけでなく、板によって構成された部材も含む。また、板状部材には、枠状の部材、バー状の部材、複数の棒状の部材を軸線が平行になるように並べることによって得られる集合体なども含む。すなわち、板状部材とは、厚みよりも幅が大きく、且つ、複数の部材を接続可能な部材を意味する。
【0057】
[繊維方向の定義]
本明細書において、繊維方向とは、繊維の長手方向を意味する。繊維を用いてシート状に形成された繊維シートでは、該繊維シートに含まれる繊維の長手方向が、繊維方向に対応する。繊維が交差するように配置されているシート状の部材の場合には、交差する繊維のそれぞれの方向を、繊維方向と呼ぶ。
【0058】
[ストラドルドビークルの定義]
本明細書において、ストラドルドビークルとは、乗員がシートを跨いだ状態で該シートに着座する車両である。よって、ストラドルドビークルには、二輪車はもちろんのこと、乗員がシートを跨いだ状態で該シートに着座する車両であれば、三輪車及び四輪車など、他の車両も含む。また、ストラドルドビークルには、スクータータイプの車両も含む。
【発明の効果】
【0059】
本発明の一実施形態に係るストラドルドビークルによれば、サスペンションの支持剛性を確保しつつ、車両における部品の配置の設計自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1に係る車両の左側面図である。
【
図2】
図2は、車両の概略構成を示す左側面図、及びメインフレームに接続部材を取り付けた状態を上方から見た上面図である。
【
図3】
図3は、メインフレームの概略構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、メインフレームに接続部材を取り付けた状態を上方から見た上面図である。
【
図5】
図5は、メインフレームに接続部材を取り付けた状態を左方から見た左側面図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る車両の接続部材をメインフレームに取り付けた状態を示す
図4相当図である。
【
図7】
図7は、実施形態2に係る車両の接続部材をメインフレームに取り付けた状態を示す
図5相当図である。
【
図8】
図8は、
図6におけるVIII-VIII線断面図である。
【
図10】
図10は、その他の実施形態に係る車両のメインフレームに接続部材を取り付けた状態を後方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0062】
以下、図中の矢印Fは、車両の前方向を示す。図中の矢印Uは、車両の上方向を示す。図中の矢印Rは、車両の右方向を示す。図中の矢印Lは、車両の左方向を示す。また、前後左右の方向は、それぞれ、車両を運転する乗員から見た場合の前後左右の方向を意味する。
【0063】
(実施形態1)
<全体構成>
図1は、実施形態1に係る車両1の全体構成の概略を示す側面図である。
図2は、車両の概略構成を示す左側面図、及びメインフレームに接続部材を取り付けた状態を上方から見た上面図である。
図1及び
図2を参照して、車両1の概略構成を説明する。
【0064】
車両1は、例えば、自動二輪車であり、車体2と、前輪3と、後輪4(車輪)とを備える。車体2は、タンク5と、ハンドル6と、シート7と、パワーユニット8と、リアサスペンション9と、車体フレーム10と、リアアーム14とを含む。
【0065】
車体フレーム10は、タンク5、ハンドル6、シート7、パワーユニット8、リアサスペンション9及びリアアーム14等の各構成部品を支持する。リアアーム14は、後端部で後輪4を回転可能に支持しつつ、リアサスペンション9を介して車体フレーム10に支持されている。
【0066】
車体フレーム10は、ヘッドパイプ11と、メインフレーム12(車体フレーム)と、リアフレーム13とを有する。
【0067】
ヘッドパイプ11は、車両1の前部に位置し、ハンドル6に接続されたステアリングシャフト6aを回転可能に支持する。ヘッドパイプ11は、メインフレーム12の前端部に接続されている。
【0068】
図2及び
図3に示すように、メインフレーム12は、ヘッドパイプ11から車両後方に向かって延びるように、ヘッドパイプ11に接続されている。メインフレーム12は、左メインフレーム20と、右メインフレーム30とを有する。左メインフレーム20及び右メインフレーム30は、それぞれ、車両前後方向に延びる板状に形成されている。
【0069】
詳しくは、本実施形態では、左メインフレーム20は、ヘッドパイプ11から後方且つ下方に向かって延びる左メインフレーム前部21と、左メインフレーム前部21の後端部から下方に向かって延びる左メインフレーム後部22とを有する。また、右メインフレーム30は、ヘッドパイプ11から後方且つ下方に向かって延びる右メインフレーム前部31と、右メインフレーム前部31の後端部から下方に向かって延びる右メインフレーム後部32とを有する。
【0070】
左メインフレーム20及び右メインフレーム30の前端部は、それぞれ、ヘッドパイプ11に接続されている。すなわち、左メインフレーム20における左メインフレーム前部21の前端部と右メインフレーム30における右メインフレーム前部31の前端部とは、接続されている。メインフレーム12は、左メインフレーム前部21の前端部と右メインフレーム前部31の前端部とが接続された前部接続部12aを有する。
【0071】
また、左メインフレーム20における左メインフレーム後部22の後端部と右メインフレーム30における右メインフレーム後部32の後端部とは、左右方向に延びるクロス部材17によって接続されている。メインフレーム12は、左メインフレーム後部22の後端部と右メインフレーム後部32の後端部とが接続された後部接続部12bを有する。
【0072】
メインフレーム12は、前後方向において、前部接続部12aと後部接続部12bとの間に、中間部12cを有する。この中間部12cにおいて、左メインフレーム20と右メインフレーム30とは、前後方向から見て直線的に且つ一体に接続されていない。すなわち、左メインフレーム20と右メインフレーム30とは、前部接続部12a及び後部接続部12b以外の部分では、前後方向から見て直線的に且つ一体に接続されていない。
【0073】
よって、メインフレーム12は、左メインフレーム20と右メインフレーム30との間で且つ前後方向の中央部分に、収容空間部12dを有する。この収容空間部12dには、タンク5及び図示しないエアクリーナが配置される。なお、特に図示しないが、タンク5の内部には、タンク本体及びエアクリーナ等が配置されている。
【0074】
上述のように、左メインフレーム20と右メインフレーム30とが、前部接続部12a及び後部接続部12b以外の部分では、前後方向から見て直線的に且つ一体に接続されていないことにより、部品の配置が制約を受けにくくなる。したがって、メインフレーム12に対する部品の配置の設計自由度を向上できる。
【0075】
左メインフレーム20及び右メインフレーム30の後部には、リアアーム14が回転可能に支持されている。すなわち、左メインフレーム後部22及び右メインフレーム後部32は、それぞれ、リアアーム14の前端部の左方及び右方に位置し、リアアーム14の前端部を回転可能に支持する。
【0076】
メインフレーム12は、左メインフレーム20から後方且つ上方に向かって延びる左サスペンション支持部25と、右メインフレーム30から後方且つ上方に向かって延びる右サスペンション支持部35とを有する。
【0077】
左サスペンション支持部25は、前端部が左メインフレーム20に固定されている。左サスペンション支持部25は、左メインフレーム前部21と左メインフレーム後部22との接続部分から後方且つ上方に向かって延びている。右サスペンション支持部35は、前端部が右メインフレーム30に固定されている。右サスペンション支持部35は、右メインフレーム前部31と右メインフレーム後部32との接続部分から後方且つ上方に向かって延びている。左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35は、それらの後端部が互いに左右方向に近づくように、後方且つ上方に向かって延びている。左サスペンション支持部25の後端部と右サスペンション支持部35の後端部とは、左右方向に接続されている。
【0078】
メインフレーム12は、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とが接続された後端部に、後方に突出するサスペンション取付部16を有する。サスペンション取付部16は、リアサスペンション9の前端部を支持する。詳しくは、サスペンション取付部16は、左右方向に所定の間隔を空けて並んだ一対の円筒部16aを有する。一対の円筒部16aは、筒軸方向が左右方向に延びるように配置されている。リアサスペンション9の前端部は、一対の円筒部16aに回転可能に接続される。
【0079】
なお、リアサスペンション9の後端部は、リアアーム14によって支持されている。すなわち、リアサスペンション9は、メインフレーム12のサスペンション取付部16及びリアアーム14によって支持されている。これにより、後輪4を支持するリアアーム14に上下方向の荷重が入力された場合、該荷重は、リアサスペンション9を介してメインフレーム12のサスペンション取付部16に入力される。
【0080】
メインフレーム12には、パワーユニット8及びリアフレーム13も支持されている。パワーユニット8は、メインフレーム12の左メインフレーム20及び右メインフレーム30の下部に取り付けられている。リアフレーム13は、メインフレーム12の左メインフレーム20及び右メインフレーム30に対し、左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35よりも後方に取り付けられている。
【0081】
なお、
図3において、符号20a,30aは、それぞれ、左メインフレーム20及び右メインフレーム30に設けられた、リアフレーム13の取付部である。また、符号20b,30bは、それぞれ、左メインフレーム20及び右メインフレーム30に設けられた、リアアーム14の取付部である。さらに、符号20c,30cは、それぞれ、左メインフレーム20及び右メインフレーム30に設けられた、パワーユニット8の取付部である。
【0082】
図4及び
図5に示すように、メインフレーム12には、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とを接続する板状の接続部材40が取り付けられている。既述のように、左サスペンション支持部25は左メインフレーム20に接続され、右サスペンション支持部35は右メインフレーム30に接続されているため、接続部材40は、左メインフレーム20と右メインフレーム30とを接続する。接続部材40の詳しい構成については、後述する。
【0083】
特に図示しないが、リアフレーム13には、シート7が支持されている。
図1に示すように、シート7は、車両1の前後方向の中央部分に設けられている。これにより、乗員は、シート7に跨った状態で、車両1の前部に位置するハンドル6を把持する。
【0084】
なお、左メインフレーム20、右メインフレーム30、リアアーム14及びリアフレーム13は、金属材料によって構成されていてもよいし、樹脂が炭素繊維などの繊維で強化された繊維強化樹脂を含む材料によって構成されていてもよい。また、左メインフレーム20、右メインフレーム30、リアアーム14及びリアフレーム13は、車両1の車体フレームとして機能可能な材料であれば、どのような材料によって構成されていてもよい。
【0085】
<接続部材>
次に、接続部材40の構成について、
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は、接続部材40が取り付けられたメインフレーム12を上方から見た図である。
図5は、接続部材40が取り付けられたメインフレーム12を左方から見た図である。
【0086】
本実施形態の接続部材40は、平面視で台形状の板状部材である。接続部材40は、平面視で台形の一対の底辺のうち長辺が前方に位置するように、メインフレーム12に取り付けられている。接続部材40は、左端部が左サスペンション支持部25に取り付けられ、右端部が右サスペンション支持部35に取り付けられている。
【0087】
図4及び
図5に示すように、接続部材40は、左サスペンション支持部25の一部及び右サスペンション支持部35の一部を覆うように、左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35に取り付けられている。接続部材40は、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とを左右方向に接続する。
【0088】
接続部材40は、ボルト41によって、左サスペンション支持部25の上部及び右サスペンション支持部35の上部に取り付けられている。すなわち、接続部材40は、左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35に、着脱自在に取り付けられている。
【0089】
詳しくは、接続部材40の左端部は、前後方向の両端部で、ボルト41によって左サスペンション支持部25に接続されている。接続部材40の右端部は、前後方向の両端部で、ボルト41によって右サスペンション支持部35に接続されている。すなわち、接続部材40は、左右方向の一方の端部が、前後方向に離れた2箇所で左サスペンション支持部25にボルト41によって接続されている。また、接続部材40は、左右方向の他方の端部が、前後方向に離れた2箇所で右サスペンション支持部35にボルト41によって接続されている。よって、接続部材40は、前後左右の4箇所で、ボルト41によってメインフレーム12に取り付けられている。これにより、接続部材40は、メインフレーム12に対して強固に取り付けられる。そして、上述のように接続部材40をメインフレーム12に対して取り付けることにより、接続部材40によって、メインフレーム12の左右方向の剛性を向上できるとともに、メインフレーム12の捻り方向の剛性も向上できる。
【0090】
本実施形態では、接続部材40は、左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35に着脱自在に取り付けられている。しかしながら、接続部材40は、左メインフレーム20及び右メインフレーム30に着脱自在に取り付けられてもよい。また、接続部材40は、左サスペンション支持部25及び右メインフレーム30に着脱自在に取り付けられてもよい。また、接続部材40は、右サスペンション支持部35及び左メインフレーム20に着脱自在に取り付けられてもよい。また、接続部材40は、左メインフレーム20と、右メインフレーム30及び右サスペンション支持部35とに着脱自在に取り付けられてもよい。また、接続部材40は、右メインフレーム30と、左メインフレーム20及び左サスペンション支持部25とに着脱自在に取り付けられてもよい。さらに、接続部材40は、左メインフレーム20及び左サスペンション支持部25と、右メインフレーム30及び右サスペンション支持部35とに着脱自在に取り付けられてもよい。
【0091】
すなわち、
図5に示すように、接続部材40は、メインフレーム12の前部接続部12aとサスペンション取付部16との間、または、サスペンション取付部16とメインフレーム12の後部接続部12bとの間の取付可能範囲に、着脱自在に取り付けられる。
【0092】
本実施形態では、接続部材40は、前後方向において、前記取付可能範囲のうち、前部接続部12aとサスペンション取付部16との中間よりもサスペンション取付部16に近い第1領域内に位置する。
【0093】
しかしながら、接続部材40は、前後方向において、前後方向における半分以上が前記第1領域内に位置していてもよい。接続部材40は、前後方向において、前後方向における少なくとも一部が前記第1領域内に位置していてもよい。
【0094】
また、接続部材40は、前後方向において、前記取付可能範囲のうち、後部接続部12bとサスペンション取付部16との中間よりもサスペンション取付部16に近い第2領域内に位置してもよい。さらに、接続部材40は、前後方向において、前後方向における半分以上が前記第2領域内に位置していてもよい。接続部材40は、前後方向において、前後方向における少なくとも一部が前記第2領域内に位置していてもよい。
【0095】
以上のように、接続部材40を、サスペンション取付部16に対してより近い位置に配置することにより、接続部材40によってサスペンション支持剛性をより向上できる。
【0096】
なお、接続部材40は、前記取付可能範囲内であれば、前記第1領域及び前記第2領域以外に配置してもよい。
【0097】
接続部材40は、樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドなど)が炭素繊維を含む繊維シートによって強化された炭素繊維強化樹脂によって構成されている。よって、接続部材40は、繊維強化樹脂製左右接続板状部材である。なお、前記繊維シートは、厚み方向に複数、積層された状態で、樹脂によって結合されている。
【0098】
接続部材40は、前記炭素繊維の繊維方向が左右方向になるように、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とに取り付けられている。すなわち、接続部材40は、炭素繊維強化樹脂中の炭素繊維の繊維方向が、平面視で一対の底辺が延びる方向に一致するように形成されている。
【0099】
なお、接続部材40は、前記炭素繊維の繊維方向が左右方向になるように、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とに取り付けられていなくてもよい。すなわち、接続部材40は、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とを、前記炭素繊維が延びる方向に接続すればよい。前記炭素繊維が延びる方向に接続するとは、左メインフレーム20と右メインフレーム30とが車両1の左右方向に離間した際に接続部材40に作用する力の方向と、接続部材40に含まれる繊維強化樹脂内の繊維の延びる方向とのなす角度が、車両1の上方から見て45度以下になるように、接続部材40を左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35に接続することを意味する。
【0100】
このように、接続部材40を、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維強化樹脂によって構成することにより、接続部材40の軽量化を図りつつ剛性を向上できる。
【0101】
次に、メインフレーム12のサスペンション取付部16にリアサスペンション9から力が入力された際のメインフレーム12の変形について説明する。
【0102】
既述のように、メインフレーム12のサスペンション取付部16にはリアサスペンション9の前端部が取り付けられている。そのため、後輪4に上下方向の衝撃が入力された場合、後輪4を支持するリアアーム14及びリアサスペンション9を介して、サスペンション取付部16に荷重が入力される。すなわち、サスペンション取付部16には、リアサスペンション9から前方且つ上方に力が入力される(
図4の斜線付き矢印参照)。
【0103】
メインフレーム12は、左メインフレーム20及び右メインフレーム30が、前部接続部12a及び後部接続部12bで接続されているため、前後方向の中央部分に、収容空間部12dを有する。そのため、上述のように、サスペンション取付部16に対してリアサスペンション9から力が入力された場合、
図4に白抜き矢印で示すように、左メインフレーム20及び右メインフレーム30は左右方向に離間するように変形を生じる。
【0104】
これに対し、上述の接続部材40によって、左メインフレーム20と右メインフレーム30とを接続することにより、上述のようなメインフレーム12の変形を抑制できる。よって、メインフレーム12の剛性を向上できるため、メインフレーム12によるリアサスペンション9の支持剛性を向上できる。
【0105】
メインフレーム12の収容空間部12d内には、タンク5及びエアクリーナ等の部品が配置される。メインフレーム12に接続部材が固定された構成では、収容空間部12d内に各部品を配置しようとすると、該各部品が接続部材と干渉する可能性がある。そうすると、前記接続部材によって、リアサスペンション9及びタンク5などの各部品の配置が制約を受ける可能性がある。
【0106】
これに対し、上述のように、接続部材40をメインフレーム12に対して着脱自在に取り付けることにより、メインフレーム12に対して各部品を配置した後に、メインフレーム12に接続部材40を取り付けることができる。よって、接続部材40によって、各部品の配置が制約を受けることを防止できる。また、接続部材40を板状に形成することにより、接続部材40をコンパクトに配置することができる。したがって、各部品の配置の設計自由度を向上できる。
【0107】
以上より、リアサスペンション9の支持剛性を確保しつつ、車両1における部品の配置の設計自由度を高めることができる。特に、本実施形態のように着脱自在な接続部材40をメインフレーム12に取り付けることによって、従来構成のようにクロス部材によってリアサスペンション9の配置が制約を受けることを防止できる。これにより、リアサスペンション9の支持剛性を確保しつつ、リアサスペンション9の配置の設計自由度を高めることができる。
【0108】
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る車両の接続部材140をメインフレーム12に取り付けた状態を示す上面図である。
図7は、実施形態2に係る車両の接続部材140をメインフレーム12に取り付けた状態を示す左側面図である。この実施形態では、接続部材140が、エアクリーナボックス145のカバー(車両を構成する部品の一部)である点で、実施形態1の構成とは異なる。以下では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
【0109】
図6及び
図7に示すように、メインフレーム12の左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とを接続する接続部材140は、エアクリーナボックス145のカバーである。すなわち、接続部材140は、メインフレーム12の剛性を向上するとともに、エアクリーナボックス145のカバーとしても機能する。このように、車両を構成する部品の一部(エアクリーナボックス145のカバー)が接続部材140を兼ねることにより、部品点数を少なくすることができるとともに、他の部品の配置の設計自由度を向上できる。
【0110】
特に図示しないが、エアクリーナボックス145は、内部に空間を有する箱状であり、前記空間内に車両の外方から空気が流入する。エアクリーナボックス145は、上方に向かって開口するエアクリーナボックス本体145aと、該開口を覆う接続部材140とを有する。エアクリーナボックス本体145a内には、取り込んだ空気を清浄化するためのエアクリーナ(図示省略)が収容されている。接続部材140は、エアクリーナボックス本体145aの上方に配置され、エアクリーナボックス本体145aの開口を覆う。すなわち、接続部材140は、箱形の部品であるエアクリーナボックス145の一部によって構成されている。
【0111】
図8は、
図6におけるVIII-VIII線断面図である。
図9は、
図6におけるIX-IX線断面図である。
図6から
図9に示すように、接続部材140は、平面視で台形状に形成されているとともに、平面視で中央部分が上方に向かって突出した板状の部材である。すなわち、接続部材140は、平面視で台形状の上面140aと、上面140aの各辺に接続された4つの側面140bとを有する。また、接続部材140は、左右両端部に、平板状の平板部140cを有する。
【0112】
上述のような接続部材140の構成により、エアクリーナボックス145の内部の空間の容積を増大できるとともに、接続部材140の剛性を平板状の場合に比べて向上できる。特に、接続部材140を上述のような形状にすることで、接続部材140の外周部分では、前後方向及び左右方向の引張強度を向上できるとともに、上面140a及び側面140bによって、捻り方向の強度を向上できる。
【0113】
図6に示すように、接続部材140は、平面視で台形の一対の底辺のうち長辺が前方に位置するように、メインフレーム12に取り付けられている。接続部材140は、左端部の平板部140cがボルト41によって左サスペンション支持部25に接続され、右端部の平板部140cがボルト41によって右サスペンション支持部35に接続されている。よって、本実施形態の接続部材140も、メインフレーム12に対して着脱自在に取り付けられている。
【0114】
本実施形態では、接続部材140は、左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35に着脱自在に取り付けられている。しかしながら、接続部材140は、左メインフレーム20及び右メインフレーム30に着脱自在に取り付けられていてもよい。また、接続部材140は、左サスペンション支持部25及び右メインフレーム30に着脱自在に取り付けられてもよい。また、接続部材140は、右サスペンション支持部35及び左メインフレーム20に着脱自在に取り付けられてもよい。また、接続部材140は、左メインフレーム20と、右メインフレーム30及び右サスペンション支持部35とに着脱自在に取り付けられてもよい。また、接続部材140は、右メインフレーム30と、左メインフレーム20及び左サスペンション支持部25とに着脱自在に取り付けられてもよい。さらに、接続部材140は、左メインフレーム20及び左サスペンション支持部25と、右メインフレーム30及び右サスペンション支持部35とに着脱自在に取り付けられてもよい。
【0115】
すなわち、接続部材140は、実施形態1の接続部材40と同様、メインフレーム12の前部接続部12aとサスペンション取付部16との間、または、サスペンション取付部16とメインフレーム12の後部接続部12bとの間の取付可能範囲に、取り付けられる。接続部材140の取付位置は、実施形態1における接続部材40の場合と同様なので、詳しい説明を省略する。
【0116】
接続部材140は、樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドなど。)が炭素繊維を含む繊維シートによって強化された炭素繊維強化樹脂によって構成されている。よって、接続部材140は、繊維強化樹脂製左右接続板状部材である。なお、前記繊維シートは、厚み方向に複数、積層された状態で、樹脂によって結合されている。
【0117】
接続部材140は、実施形態1の接続部材40と同様、前記炭素繊維の繊維方向が左右方向になるように、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とに取り付けられている。すなわち、接続部材140は、炭素繊維強化樹脂中の炭素繊維の繊維方向が、平面視で一対の底辺が延びる方向に一致するように形成されている。
【0118】
なお、接続部材140は、前記炭素繊維の繊維方向が左右方向になるように、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とに取り付けられていなくてもよい。すなわち、接続部材140は、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とを、前記炭素繊維が延びる方向に接続すればよい。前記炭素繊維が延びる方向に接続するとは、左メインフレーム20と右メインフレーム30とが車両1の左右方向に離間した際に接続部材140に作用する力の方向と、接続部材140に含まれる繊維強化樹脂内の繊維の延びる方向とのなす角度が、車両1の上方から見て45度以下になるように、接続部材140を左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35に接続することを意味する。
【0119】
なお、エアクリーナボックス本体145aは、接続部材140と同様、樹脂が炭素繊維によって強化された炭素繊維強化樹脂によって構成されていてもよいし、他の樹脂または金属材料によって構成されていてもよい。
【0120】
以上の構成により、接続部材140によって、メインフレーム12の剛性を向上できる。よって、メインフレーム12のサスペンション取付部16におけるリアサスペンション9の支持剛性を向上できる。
【0121】
また、接続部材140を、上述のように上面140a及び4つの側面140bを有する構成にすることで、メインフレーム12の左右方向の引張強度だけでなく、捻り方向の強度も向上できる。
【0122】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0123】
前記各実施形態では、接続部材40は、平板状の部材であり、接続部材140は、上面140a及び4つの側面140bを有するカバーである。しかしながら、接続部材は、枠状、バー状、棒状の部材を軸線が並行になるように並べることによって得られる集合体などのように、左メインフレーム及び左サスペンション支持部の少なくとも一方と、右メインフレーム及び右サスペンション支持部の少なくとも一方とを接続可能な構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0124】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、ボルト41によって、左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35に取り付けられている。しかしながら、接続部材は、メインフレームに対して着脱自在であれば、嵌合、接着、溶接などの他の方法によって、左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部に取り付けられていてもよい。
【0125】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、左端部が前後方向に離れた2箇所で、ボルト41によって左サスペンション支持部25に接続され、右端部が前後方向に離れた2箇所でボルト41によって右サスペンション支持部35に接続されている。しかしながら、接続部材は、前後方向に離れた3箇所以上で、ボルトによって左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部に接続されていてもよい。また、接続部材は、上下方向に離れた少なくとも2箇所で、ボルトによって左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部に接続されていてもよい。
【0126】
前記実施形態1では、接続部材40は、左サスペンション支持部25の上部及び右サスペンション支持部35の上部に取り付けられている。しかしながら、接続部材は、左サスペンション支持部の上部以外の部分及び右サスペンション支持部の上部以外の部分に取り付けられてもよい。すなわち、接続部材は、左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部のいずれの部位に取り付けられてもよい。例えば、接続部材は、左サスペンション支持部の下部及び右サスペンション支持部の下部に取り付けられていてもよい。また、接続部材は、左サスペンション支持部において収容空間部12dを構成する部分及び右サスペンション支持部において収容空間部12dを構成する部分に取り付けられていてもよい。
【0127】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35に直接、接続されている。しかしながら、接続部材は、他の部材を介して、左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部に間接的に接続されていてもよい。
【0128】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、左サスペンション支持部25と右サスペンション支持部35とを接続する。しかしながら、接続部材は、左メインフレームと右メインフレームとを接続してもよい。接続部材は、左メインフレームと右サスペンション支持部とを接続してもよい。接続部材は、右メインフレームと左サスペンション支持部とを接続してもよい。接続部材は、左メインフレームと、右メインフレーム及び右サスペンション支持部とを接続してもよい。接続部材は、右メインフレームと、左メインフレーム及び左サスペンション支持部とを接続してもよい。接続部材は、左メインフレーム及び左サスペンション支持部と、右メインフレーム及び右サスペンション支持部とを接続してもよい。
【0129】
前記各実施形態では、左サスペンション支持部25及び右サスペンション支持部35は、左右方向に接続されている。しかしながら、左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部は、左右方向に分離されていてもよい。このような構成のメインフレームに対し、左サスペンション支持部及び右サスペンション支持部を接続するように接続部材を取り付けてもよい。
【0130】
例えば、
図10に示すように、左サスペンション支持部225と右サスペンション支持部235とが分離しているメインフレーム212において、左サスペンション支持部225及び右サスペンション支持部235に、板状の接続部材240が取り付けられている。メインフレーム212は、左サスペンション支持部225の先端部分に設けられた左サスペンション取付部216aと、右サスペンション支持部235の先端部分に設けられた右サスペンション取付部216bとを有する。接続部材240は、左サスペンション支持部225の下部及び右サスペンション支持部235の下部に取り付けられている。これにより、メインフレーム212のサスペンション支持剛性を向上できる。
【0131】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、樹脂が炭素繊維で強化された炭素繊維強化樹脂によって構成されている。しかしながら、接続部材は、樹脂が炭素繊維で強化された炭素繊維強化樹脂を含んでいれば、金属、樹脂、エラストマーなどの他の材料を含んでいてもよい。
【0132】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、樹脂が炭素繊維で強化された炭素繊維強化樹脂によって構成されている。しかしながら、接続部材を、炭素繊維以外の繊維(例えば、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ガラス繊維など)で樹脂が強化された繊維強化樹脂によって構成してもよい。また、前記各実施形態では、前記樹脂として、エポキシ樹脂、ビニルエステル、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドなどが用いられている。しかしながら、樹脂は、繊維で強化可能な樹脂であれば、他の種類の樹脂であってもよい。
【0133】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、樹脂が炭素繊維を含む繊維シートによって強化された炭素繊維強化樹脂によって構成されている。しかしながら、接続部材は、繊維を含む繊維シートではなく、編まれていない状態の繊維が用いられた繊維強化樹脂によって構成されていてもよい。また、前記繊維は、所定長さ(例えば1mm)以上、連続した繊維であってもよいし、不連続繊維であってもよい。なお、前記繊維として不連続繊維を用いる場合、接続部材は、車両1の上方から見て、接続部材に作用する力の方向と45度以下の角度をなす方向に延びる繊維状または棒状の強化材を含むことが好ましい。前記強化材は、前記接続部材とは別の部材であってもよい。また、前記強化材は、連続した繊維であってもよいし、前記不連続繊維とは別の材料であってもよい。
【0134】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、炭素繊維強化樹脂に含まれる炭素繊維の方向が左右方向である。しかしながら、接続部材における繊維方向は、該接続部材によってメインフレームの剛性を向上可能な繊維方向であれば、左右方向以外の方向であってもよい。
【0135】
前記各実施形態では、接続部材40,140は、樹脂が炭素繊維を含む繊維シートによって強化された炭素繊維強化樹脂によって構成されている。前記繊維シートは、厚み方向に複数、積層された状態で、樹脂によって結合されている。しかしながら、炭素繊維強化樹脂は、炭素繊維によって強化された炭素繊維強化樹脂層と、発泡合成樹脂を含む発泡樹脂層とが厚み方向に積層された複合材料によって構成されていてもよい。この複合材料は、一対の前記炭素繊維強化樹脂層を有し、それらの炭素繊維強化樹脂層の間に、前記発泡樹脂層が配置された材料である。前記複合材料を用いることにより、炭素繊維強化樹脂層のみを用いる場合に比べて、炭素繊維強化樹脂を含む各部材の軽量化を図れるとともに、前記各部材の厚みを容易に変えることができる。なお、前記発泡樹脂層の前記発泡合成樹脂として、振動を吸収可能な樹脂を用いてもよい。
【0136】
前記各実施形態では、メインフレーム12において、後輪4を弾性支持するリアサスペンション9が取り付けられるサスペンション取付部16,216a,216bの近くに、接続部材40,140が取り付けられている。しかしながら、接続部材は、車体フレームにおいて、前輪を弾性支持するフロントサスペンションが取り付けられるサスペンション取付部の近くに取り付けられてもよい。
【0137】
前記実施形態2では、接続部材140は、エアクリーナボックス145のカバーを兼ねている。しかしながら、接続部材は、メインフレームの剛性を向上可能な構成を有していれば、車両の他の部品を兼ねていてもよい。すなわち、接続部材は、車両を構成する部品の少なくとも一部によって構成されていてもよい。
【0138】
前記各実施形態では、車両1の例として自動二輪車を説明したが、車両は、前端部及び後端部が接続された左右のフレームを有するストラドルドビークルであれば、二輪車に限らず、三輪車または四輪車など、どのような車両であってもよい。
【符号の説明】
【0139】
1 車両
2 車体
3 前輪
4 後輪(車輪)
5 タンク
6 ハンドル
6a ステアリングシャフト
7 シート
8 パワーユニット
9 リアサスペンション(サスペンション)
10 車体フレーム
11 ヘッドパイプ
12 メインフレーム(車体フレーム)
12a 前部接続部
12b 後部接続部
12c 中間部
12d 収容空間部
13 リアフレーム
14 リアアーム
16 サスペンション取付部
20 左メインフレーム
21 左メインフレーム前部
22 左メインフレーム後部
25 左サスペンション支持部
30 右メインフレーム
31 右メインフレーム前部
32 右メインフレーム後部
35 右サスペンション支持部
40、140、240 接続部材(繊維強化樹脂製左右接続板状部材)
41 ボルト
145 エアクリーナボックス
145a エアクリーナボックス本体
216a 左サスペンション取付部
216b 右サスペンション取付部
225 左サスペンション支持部
235 右サスペンション支持部