IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許7118968複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム
<>
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図1
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図2
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図3
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図4
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図5
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図6
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図7
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図8
  • 特許-複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】複数のエアロゾル形成基体および貫通要素を備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20220808BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220808BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F47/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019531639
(86)(22)【出願日】2017-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2017082276
(87)【国際公開番号】W WO2018114441
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】16205118.9
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】リーヴェル トニー
【審査官】比嘉 貴大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/079152(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/165747(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/135224(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/197165(WO,A1)
【文献】特表2016-516401(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0227839(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
カートリッジであって、
カートリッジハウジング、
前記カートリッジハウジング内に各々位置付けられた固体エアロゾル形成基体および液体貯蔵ハウジング、
前記液体貯蔵ハウジング内に位置付けられた液体エアロゾル形成基体、ならびに
前記液体貯蔵ハウジング上に提供される壊れやすいシールを備えるカートリッジと、
エアロゾル発生装置であって、
前記カートリッジを受容するためのくぼみを画定する装置ハウジング、
電気ヒーター、および、
電源および前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を制御するためのコントローラを備えるエアロゾル発生装置と、
前記くぼみが前記カートリッジを受容する時に前記壊れやすいシールを貫通するように構成された貫通要素であって、前記電気ヒーターが前記貫通要素から外部に位置付けられる、貫通要素と、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記貫通要素が、シャフト部分および前記シャフト部分の端にある貫通部分を備える、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記貫通部分が、前記シャフト部分に接続された第一の端と、前記第一の端と反対側の第二の端とを有し、前記貫通部分の断面積が、前記第一の端から前記第二の端への方向でサイズが減少する、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記貫通要素が、前記エアロゾル発生装置の一部を形成する、請求項1、2、または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記貫通要素が前記くぼみの端部壁から延び、前記貫通要素が前記くぼみの中へと延びる、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記電気ヒーターが前記貫通要素の外部表面上に提供される、請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記電気ヒーターが、前記貫通要素の一部分の周りに巻かれた抵抗加熱コイルを備える、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記貫通要素が、前記カートリッジが前記くぼみ内に受容された時に前記液体エアロゾル形成基体と接触するように構成された液体移動要素である、請求項5、6、または7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置が、前記くぼみ内に位置付けられた基板を備え、前記電気ヒーターが前記基板上に位置付けられ、かつ前記貫通要素が前記基板から延びる、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記基板上に位置付けられ、かつ前記電気ヒーターと接触する液体移動要素をさらに備え、前記液体移動要素が、前記カートリッジが前記くぼみ内に受容された時に前記液体エアロゾル形成基体と接触するように構成される、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記貫通要素がカートリッジの一部を形成する、請求項1、2、または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記くぼみが前記カートリッジを受容する時、前記貫通要素が前記壊れやすいシールに対して前記カートリッジの中で摺動するように構成される、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記カートリッジが、基板および前記基板から延びる前記貫通要素を備え、前記エアロゾル発生システムが、前記くぼみが前記カートリッジを受容する時に、前記エアロゾル発生装置の一部が前記基板に作用するように構成される、請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記カートリッジが、前記液体貯蔵ハウジングから外部に、かつ前記壊れやすいシールに隣接して位置付けられた多孔性担体材料を備える、請求項1~13のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システムに関し、このエアロゾル発生システムは、固体エアロゾル形成基体および液体エアロゾル形成基体の両方を有するカートリッジと、貫通要素を有するエアロゾル発生装置とを備える。本発明は、電気的に作動する喫煙システムとして特定の用途がある。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。周知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは典型的に、電池と、制御電子回路と、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生装置の一部内に収容されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、ニコチン溶液などの液体エアロゾル形成基体が貯蔵される液体貯蔵部分を備えてもよい。しばしば「eシガレット」と呼ばれるこうした装置は典型的に、複数の従来の紙巻たばこを消費するのに相当する数の吸煙を提供するために十分な液体エアロゾル形成基体を収容する。
【0003】
従来の紙巻たばこを消費する体験をより忠実にシミュレートする体験をeシガレットユーザーに提供する試みにおいて、一部の装置はeシガレット構成をたばこ由来の基体と組み合わせて、ユーザーによって吸入されるエアロゾルにたばこの味覚を付与することを試みている。ところが、こうした装置は非実用的に大きく、ユーザーがたばこ構成要素および液体構成要素を異なる時点で変更する必要がある場合がある。
【0004】
周知の装置でのこれらの問題の少なくとも一部を軽減または除去するエアロゾル発生システムを提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の態様によると、カートリッジと、エアロゾル発生装置と、貫通要素と、を備えるエアロゾル発生システムが提供される。カートリッジは、カートリッジハウジングと、各々がカートリッジハウジング内に位置付けられた固体エアロゾル形成基体および液体エアロゾル形成基体と、壊れやすいシールと、を備える。エアロゾル発生装置は、カートリッジと、電気ヒーターと、電源と、電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御するためのコントローラと、を受容するためのくぼみを画定する装置ハウジングを備える。貫通要素は、くぼみがカートリッジを受容する時に、壊れやすいシールを貫通するように構成される。電気ヒーターは、貫通要素から外部に位置付けられる。
【0006】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生システムのエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよく、また蒸気(例えば、室温にて通常、液体または固体である物質の、気体状態の微粒子)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液滴を含んでもよい。
【0007】
本発明によるエアロゾル発生システムは、両方の基体を単一のカートリッジ内に提供することによって、固体エアロゾル形成基体および液体エアロゾル形成基体の同時交換を容易にする。有利なことに、これは、たばこ由来の基体およびニコチン溶液が別個に交換または補充されなければならない周知の装置と比較した時に、ユーザーのためのエアロゾル発生システムの使用を簡略化する場合がある。
【0008】
固体エアロゾル形成基体および液体エアロゾル形成基体を単一のカートリッジ内に提供することにより、ユーザーが装置自体の一部を形成する貯蔵部を再充填することが必要である場合がある周知の装置と比較した時に、液体エアロゾル形成基体の補充が簡略化される場合がある。液体エアロゾル形成基体の補充を簡略化することにより、有利なことに、周知の装置に提供される液体エアロゾル形成基体の量と比較した時に、カートリッジ内に提供される液体エアロゾル形成基体の量の低減が促進される場合がある。有利なことに、これにより、本発明によるエアロゾル発生システムを、周知の装置よりも小さくすることが可能となりうる。
【0009】
本発明によるエアロゾル発生システムは、カートリッジから分離された電気ヒーターを提供する。有利なことに、これは、ヒーターおよび液体エアロゾル形成基体がエアロゾル発生装置の単一の部品に組み合わされる周知の装置と比較した時に、コストを低減し、カートリッジの製造を簡略化しうる。有利なことに、カートリッジから分離される電気ヒーターを提供することは、電気ヒーターのクリーニングを容易にする場合があり、これにより電気ヒーターを複数のカートリッジとともに使用するのを簡単にしうる。電気ヒーターは、エアロゾル発生装置の不可欠の部品を形成しうる。電気ヒーターは、例えば、電気ヒーターのクリーニングまたは交換を容易にするために、エアロゾル発生装置から分離可能であってもよい。
【0010】
有利なことに、壊れやすいシールを有するカートリッジを提供することは、固体エアロゾル形成基体および液体エアロゾル形成基体のうちの一方もしくは両方からの揮発性化合物の損失を低減または防止しうる。有利なことに、貫通要素は、カートリッジが使用のためにエアロゾル発生装置のくぼみの中へと挿入された時に、壊れやすいシールを自動的に貫通しうる。
【0011】
電気ヒーターは、貫通要素から外部に位置付けられる。すなわち、電気ヒーターは貫通要素の内側に位置付けられない。有利なことに、電気ヒーターを貫通要素の外側に位置付けることで、電気ヒーターのクリーニングを容易にしうる。
【0012】
エアロゾル発生システムは、少なくとも一つの気流入口および少なくとも一つの気流出口を備えることが好ましい。使用中、空気は、気流入口から気流出口への流路に沿ってエアロゾル発生システムを通して流れる。空気は、気流入口における流路の上流端から気流出口における流路の下流端まで流路に沿って流れる。エアロゾル発生システムは、使用時に、固体エアロゾル発生基体が液体エアロゾル発生基体の下流に位置付けられるように構成されることが好ましい。
【0013】
貫通要素は細長い形状を有してもよい。貫通要素は、貫通要素を通る気流通路を画定する中空部分を備えてもよい。貫通要素は固体であってもよい。
【0014】
貫通要素は、シャフト部分、およびシャフト部分の端にある貫通部分を備えてもよい。貫通要素が中空部分を備える実施形態では、貫通部分およびシャフト部分のうちの一方または両方は中空であってもよい。
【0015】
貫通部分は、シャフト部分に接続された第一の端と、第一の端と反対側の第二の端とを有し、貫通部分の断面積は、第一の端から第二の端への方向でサイズが減少することが好ましい。貫通部分の第二の端は点を形成することが好ましい。有利なことに、貫通部分の第二の端に小さい断面積を提供することで、壊れやすいシールを貫通するために必要な力を低減しうる。
【0016】
貫通要素は、エアロゾル発生装置の一部を形成してもよい。貫通要素は、くぼみの端の壁から延びてもよく、貫通要素はくぼみの中へと延びる。有利なことに、くぼみの内側に貫通要素を提供することで、ユーザーが貫通要素に接触するリスクを低減しうる。
【0017】
電気ヒーターは、貫通要素の外部表面上に提供されてもよい。有利なことに、貫通要素は電気ヒーターを支持しうる。電気ヒーターは、貫通要素の一部分の周りに巻かれた抵抗加熱コイルを備えてもよい。貫通要素がシャフト部分および貫通部分を備える実施形態では、抵抗加熱コイルは、シャフト部分の一部の周りに巻かれてもよい。
【0018】
エアロゾル発生装置は、液体移動要素を備えてもよい。液体移動要素は、カートリッジがくぼみ内に受容された時に、液体エアロゾル形成基体と接触するように構成される。液体移動要素は、使用中の液体エアロゾル形成基体と電気ヒーターとの間の接触を容易にする場合がある。液体移動要素は、電気ヒーターと直接接触するように位置付けられることが好ましい。
【0019】
液体移動要素は貫通要素を形成してもよい。
【0020】
貫通要素がエアロゾル発生装置の一部を形成する実施形態では、液体移動要素が貫通要素に隣接して提供されてもよい。貫通要素は液体移動要素を通して延びてもよい。
【0021】
エアロゾル発生装置は、くぼみ内に位置付けられた基板を備えてもよく、電気ヒーターは基板上に位置付けられ、かつ貫通要素は基板から延びる。基板は、貫通要素と一体的に形成されてもよい。貫通要素は、基板の第一の側から延びてもよい。電気ヒーターは、基板の第二の側の上に位置付けられてもよい。基板は、カートリッジがくぼみ内に受容された時に、基板を通した液体エアロゾル形成基体の移動のための少なくとも一つの開口部を備えることが好ましい。エアロゾル発生装置が液体移動要素を備える実施形態では、液体移動要素は基板上に位置付けられてもよい。液体移動要素は、基板の第一の側の上に位置付けられてもよい。貫通要素は液体移動要素を通して延びてもよい。
【0022】
貫通要素はカートリッジの一部を形成してもよい。貫通要素は、くぼみがカートリッジを受容する時に、壊れやすいシールに対してカートリッジの中で摺動するように構成されてもよい。カートリッジは、基板および基板から延びる貫通要素を備えてもよい。基板は、貫通要素と一体的に形成されてもよい。基板は、カートリッジがくぼみ内に受容された時に、基板を通した液体エアロゾル形成基体の移動のための少なくとも一つの開口を備えることが好ましい。エアロゾル発生システムは、くぼみがカートリッジを受容する時に、エアロゾル発生装置の一部が基板に作用するように構成されることが好ましい。エアロゾル発生システムは、くぼみがカートリッジを受容する時に、電気ヒーターが基板に作用するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置が液体移動要素を備える実施形態では、エアロゾル発生システムは、くぼみがカートリッジを受容する時に、液体移動要素が基板に作用するように構成されてもよい。
【0023】
カートリッジは、カートリッジハウジング内に位置付けられた液体貯蔵ハウジングを備え、液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵ハウジング内に位置付けられ、また壊れやすいシールは、液体貯蔵ハウジング上に提供されることが好ましい。壊れやすいシールは、液体貯蔵ハウジングの上流端上に提供されることが好ましい。
【0024】
液体貯蔵ハウジングは、締まり嵌めによってカートリッジハウジング内に保持されることが好ましい。
【0025】
液体貯蔵ハウジングの外表面は、液体貯蔵ハウジングがカートリッジハウジング内に受容される時に、カートリッジハウジングと液体貯蔵ハウジングとの間に気流チャネルを画定するように形作られることが好ましい。液体貯蔵ハウジングの外表面は、液体貯蔵ハウジングがカートリッジハウジング内に受容される時に、気流チャネルを画定する溝を備えてもよい。
【0026】
液体貯蔵ハウジングは管状であってもよい。管状の液体貯蔵ハウジングは、開いた上流端および閉じた下流端を有してもよい。壊れやすいシールは、開いた上流端を横切って延びることが好ましい。
【0027】
カートリッジは、液体貯蔵ハウジングから外部に、かつ壊れやすいシールに隣接して位置付けられた多孔性担体材料を備えてもよい。有利なことに、液体エアロゾル形成基体は、貫通要素が壊れやすいシールを貫通する時に、多孔性担体材料の中へと収着されてもよい。有利なことに、多孔性担体材料は、貫通要素が壊れやすいシールを貫通する時に、液体エアロゾル形成基体がエアロゾル発生システムから漏れるのを実質的に防止しうる。
【0028】
多孔性担体材料は、締まり嵌めによってカートリッジハウジング内に保持されてもよい。多孔性担体材料は、多孔性担体材料ハウジング内に提供されてもよく、多孔性担体材料ハウジングは、締まり嵌めによってカートリッジハウジング内に保持される。
【0029】
多孔性担体材料は、液体貯蔵ハウジングの上流端に取り付けられてもよい。
【0030】
貫通要素がカートリッジの一部を形成する実施形態では、貫通要素は多孔性担体材料を通って延びることが好ましい。カートリッジが基板を含む実施形態では、多孔性担体材料は、基板と液体貯蔵ハウジングとの間に位置付けられることが好ましい。
【0031】
エアロゾル発生装置が液体移動要素を備える実施形態では、エアロゾル発生システムは、カートリッジがくぼみ内に受容された時に液体移動要素が多孔性担体材料と接触するように構成されることが好ましい。
【0032】
多孔性担体材料は、多孔性担体材料を通る通路を画定する環状の形状を有してもよい。エアロゾル発生システムは、カートリッジがくぼみ内に受容される時に、貫通要素が通路を通して延びるように構成されることが好ましい。これは、エアロゾル発生装置が貫通要素を形成する液体移動要素を備える実施形態では特に有利である場合がある。多孔性担体材料を通して延びる通路を提供することで、多孔性担体材料を通して貫通要素を押すのに必要な力を低減しうる。
【0033】
エアロゾル発生システムは、くぼみがカートリッジを受容する時に多孔性担体材料が圧縮されるように構成されてもよい。エアロゾル発生システムが基板を備える実施形態では、カートリッジがくぼみ内に受容された時に、基板が多孔性担体材料に力を加えてもよい。
【0034】
カートリッジは、多孔性担体材料とカートリッジハウジングとの間に位置付けられた気流チャネルを備えてもよい。多孔性担体材料が多孔性担体材料ハウジング内に提供される実施形態では、気流チャネルは、多孔性担体材料ハウジングとカートリッジハウジングとの間に位置付けられてもよい。
【0035】
多孔性担体材料は、液体エアロゾル形成基体に対して透過性であり、かつ液体エアロゾル形成基体が多孔性担体材料を通して移動することを可能にする任意の好適な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。材料または材料の組み合わせは、液体エアロゾル形成基体に対して不活性であることが好ましい。多孔性担体材料は毛細管材料であってもよく、または毛細管材料でなくてもよい。多孔性担体材料は、液体エアロゾル形成基体の分散および拡散を改善する親水性の材料を含んでもよい。これは、一貫したエアロゾル形成を支援する場合がある。特定の好ましい材料(複数可)は、液体エアロゾル形成基体の物理的特性に依存することになる。好適な材料の例は毛細管材料であり、例えば海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチックの材料、例えば、紡糸または押出成形された繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。多孔性担体材料は、異なる液体物理的特性で使用されるように、任意の好適な空隙率を有してもよい。
【0036】
エアロゾル発生装置が液体移動要素を備える実施形態では、液体移動要素は、その長さに沿って液体エアロゾル形成基体を搬送できる任意の好適な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。液体移動要素は多孔性材料から形成されてもよいが、必ずしもそうである必要はない。液体移動要素は繊維状または海綿体状の構造を有する材料から形成されてもよい。液体移動要素は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、液体移動要素は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。液体移動要素は、海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。好ましくは、液体移動要素の構造は複数の小さい穴または管を形成し、これを通して液体エアロゾル形成基体を毛細管作用によって搬送することができる。特定の好ましい材料(複数可)は、液体エアロゾル形成基体の物理的特性に依存することになる。好適な毛細管材料の例としては、海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチックの材料、繊維質材料(例えば、紡糸または押出成形で作製された繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、セラミック、ガラス繊維、シリカガラス繊維、炭素繊維、オーステナイト系316ステンレス鋼ならびにマルテンサイト系440および420ステンレス鋼などの医療グレードのステンレス鋼合金の金属繊維など))が挙げられる。液体移動要素は異なる液体物理特性で使用されるように、任意の好適な毛細管を有してもよい。液体エアロゾル形成基体は、粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧が挙げられるが、これらに限定されない物理特性を有し、これは液体エアロゾル形成基体が液体移動要素を通して移動できるようにする。液体移動要素は、耐熱性材料で形成されてもよい。液体移動要素は、複数の繊維撚糸を含んでもよい。複数の繊維撚糸は概して、液体移動要素の長さに沿って整列されうる。
【0037】
エアロゾル発生システムが多孔性担体材料および液体移動要素を備える実施形態では、多孔性担体材料および液体移動要素は、同一の材料を含んでもよい。多孔性担体材料および液体移動要素は、異なる材料を含むことが好ましい。
【0038】
貫通要素は任意の好適な材料から形成されてもよい。液体移動要素が貫通要素を形成する実施形態では、貫通要素は、液体移動要素に関して本明細書で説明される任意の好適な材料から形成されてもよい。
【0039】
貫通要素は金属から形成されてもよい。貫通要素はプラスチックから形成されてもよい。好適な材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、および修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を含むLCPなど)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
壊れやすいシールは、カートリッジハウジング、または存在する場合には液体貯蔵ハウジングによって画定される開口部を横切って延びてもよい。壊れやすいシールは、カートリッジハウジングの端部、または液体貯蔵ハウジングの端部を横切って延びてもよい。壊れやすいシールは、カートリッジハウジングまたは液体貯蔵ハウジングへと、壊れやすいシールの周辺の周りで固定されてもよい。壊れやすいシールは、接着剤および超音波溶接などの溶接のうちの少なくとも一つによって、カートリッジハウジングまたは液体貯蔵ハウジングへと固定されてもよい。壊れやすいシールは、シート材料から形成されることが好ましい。シート材料は、高分子フィルムおよび金属箔のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0041】
電気ヒーターは抵抗加熱コイルを備えてもよい。コイルのピッチは、約0.5ミリメートル~約1.5ミリメートルであることが好ましく、約1.5ミリメートルであることが最も好ましい。コイルのピッチは、コイルの隣接した巻きの間隔を意味する。コイルは6回未満の巻き数を備えてもよく、5回未満の巻き数を有することが好ましい。コイルは、約0.10ミリメートル~約0.15ミリメートルの直径を有する電気抵抗性のあるワイヤーで形成されてもよく、好ましくは約0.125ミリメートルの直径を有する電気抵抗性のあるワイヤーで形成される。電気抵抗性のあるワイヤーは、904または301ステンレス鋼で形成されることが好ましい。他の好適な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。他の好適な合金の例としては、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。抵抗加熱コイルはまた、リボンの形態で提供される金属箔(アルミ箔など)も含んでもよい。
【0042】
電気ヒーターは抵抗加熱メッシュを備えてもよい。抵抗加熱メッシュは、電気ヒーターが基板上に提供される実施形態において有利である場合がある。
【0043】
抵抗加熱メッシュは複数の導電性フィラメントを備えてもよい。導電性フィラメントは実質的に平坦であってもよい。本明細書で使用される場合、「実質的に平坦」とは、単一の平面内に形成され、かつ湾曲した形状もしくはその他の非平面形状に巻かれない、または別の方法で湾曲した形状もしくはその他の非平面形状に合うように適合されないことを意味する。平坦な加熱メッシュは、製造中に簡単に取り扱うことができ、かつ頑丈な構造を提供する。
【0044】
導電性フィラメントはフィラメントの間に隙間を画定してもよく、また隙間は約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの幅を有してもよい。フィラメントは、使用時に液体エアロゾル形成基体が隙間の中へと引き出されるように隙間内に毛細管作用を生じさせて、ヒーター組立品と液体の間の接触面積が増えることが好ましい。
【0045】
導電性フィラメントは160~600メッシュUS(±10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が約160~約600個(±10%))のサイズのメッシュを形成してもよい。隙間の幅は約75マイクロメートル~約25マイクロメートルであることが好ましい。メッシュの総面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口面積の割合は約25パーセント~約56パーセントであることが好ましい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。導電性フィラメントは、互いに平行に配列されたフィラメントのアレイであってもよい。
【0046】
導電性フィラメントは約8マイクロメートル~約100マイクロメートルの直径を有してもよく、約8マイクロメートル~50マイクロメートルの直径を有することが好ましく、約8マイクロメートル~約39マイクロメートルの直径を有することがより好ましい。
【0047】
抵抗加熱メッシュは、約25平方ミリメートル以下の面積を覆ってもよい。抵抗加熱メッシュは長方形であってもよい。抵抗加熱メッシュは正方形であってもよい。抵抗加熱メッシュは、約5ミリメートル×約2ミリメートルの寸法を有してもよい。
【0048】
導電性フィラメントは任意の好適な導電性材料を含んでもよい。好適な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料・金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。好適なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。好適な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。好適な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。フィラメントは一つ以上の絶縁体で被覆されていてもよい。導電性フィラメント用の好ましい材料は、304、316、304L、および316Lステンレス鋼、ならびに黒鉛である。
【0049】
抵抗加熱メッシュの電気抵抗は、約0.3~約4オームであることが好ましい。メッシュの電気抵抗は約0.5~約3オームであることがより好ましく、約1オームであることがより好ましい。
【0050】
カートリッジハウジングは、管状であり、かつ上流端および下流端を備えることが好ましい。固体エアロゾル形成基体は、下流端内に位置付けられることが好ましい。液体エアロゾル形成基体は、上流端内に位置付けられることが好ましい。存在する場合には、液体貯蔵ハウジングおよび多孔性担体材料は、カートリッジハウジングの上流端内に位置付けられることが好ましい。
【0051】
固体エアロゾル形成基体は、締まり嵌めによってカートリッジハウジング内に保持されてもよい。
【0052】
カートリッジは、固体エアロゾル形成基体の下流に位置付けられたフィルターを備えてもよい。フィルターは、カートリッジハウジングの下流端内に位置付けられたフィルター材料のプラグを備えてもよい。フィルター材料のプラグは、締まり嵌めによってカートリッジハウジング内に保持されてもよい。フィルターは、カートリッジハウジングの下流開口部を横切って延びるシート材料を備えてもよい。シート材料はメッシュを備えてもよい。シート材料は、接着剤および溶接(超音波溶接など)のうちの少なくとも一つによってカートリッジハウジングへと固定されてもよい。フィルターは、固体エアロゾル形成基体をカートリッジハウジング内に保持してもよい。
【0053】
エアロゾル発生システムはマウスピースを備えてもよい。エアロゾル発生システムが少なくとも一つの気流出口を備える実施形態では、マウスピースは少なくとも一つの気流出口を備えることが好ましい。マウスピースは、カートリッジの一部を形成してもよい。マウスピースは、エアロゾル発生装置の一部を形成してもよい。マウスピースは、カートリッジおよびエアロゾル発生装置とは別個に形成されてもよく、カートリッジおよびエアロゾル発生装置のうちの少なくとも一つは、マウスピースを受容するように構成される。
【0054】
固体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。
【0055】
固体エアロゾル形成基体は、脱プロトン化ニコチンを含有するたばこを含んでもよい。たばこの中のニコチンを脱プロトン化することは有利なことに、ニコチンの揮発性を増加させる場合がある。ニコチンは、たばこをアルカリ化処理に供することによって脱プロトン化されてもよい。
【0056】
固体エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。
【0057】
固体エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする任意の好適な周知の化合物または化合物の混合物を説明するために使用される。好適なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセタート、ジアセタート、もしくはトリアセタートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリン)またはその混合物である。
【0059】
固体エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、固体エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0060】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で5パーセントを超えてもよい。
【0061】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準でおよそ5パーセント~およそ30パーセントであってもよい。
【0062】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準でおよそ20パーセントであってもよい。
【0063】
液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い液体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物エキス、および天然の風味または人工の風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。好適なエアロゾル形成体としては、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物が挙げられる。
【0064】
液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。
【0065】
液体エアロゾル形成基体はニコチンを含まなくてもよい。こうした実施形態では、気化された液体エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体から一つ以上の揮発性化合物を揮散させるために、使用中に固体エアロゾル形成基体を通して引き出されてもよい。気化された液体エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体からニコチンを揮散させてもよい。脱プロトン化ニコチンを含有するたばこを含む固体エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体がニコチンを含まない実施形態に特に適合している場合がある。
【0066】
固体エアロゾル形成基体と液体エアロゾル形成基体とのうちの少なくとも一つは風味剤を含んでもよい。風味剤はメントールを含んでもよい。
【0067】
電源は電池を備えてもよい。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リリチウム鉄リン酸塩電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、またエアロゾル発生装置を二つ以上のカートリッジとともに使用するのに十分なエネルギーを蓄積できる容量を有してもよい。
【0068】
添付図面を参照しながら、例証としてのみ、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの斜視図を示し、カートリッジはエアロゾル発生装置から分離されている。
図2図2は、図1のエアロゾル発生システムの斜視図を示し、カートリッジはエアロゾル発生装置の中へと挿入されている。
図3図3は、図1のエアロゾル発生システムの断面図を示し、カートリッジはエアロゾル発生装置から分離されている。
図4図4は、図1のエアロゾル発生システムの断面図を示し、カートリッジはエアロゾル発生装置の中へと挿入されている。
図5図5は、図1のエアロゾル発生システムのカートリッジの分解図を示す。
図6図6は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面図を示し、カートリッジはエアロゾル発生装置から分離されている。
図7図7は、図6のエアロゾル発生システムの断面図を示し、カートリッジはエアロゾル発生装置の中へと挿入されている。
図8図8は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生システムの断面図を示し、カートリッジはエアロゾル発生装置から分離されている。
図9図9は、図8のエアロゾル発生システムの断面図を示し、カートリッジはエアロゾル発生装置の中へと挿入されている。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1および図2は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システム10を示す。エアロゾル発生システム10は、エアロゾル発生装置12とカートリッジ14とを備える。エアロゾル発生装置10は、カートリッジ14の上流端を受容するためのくぼみ18を画定する装置ハウジング16を備える。図1はエアロゾル発生装置12から分離されたカートリッジ14を示し、図2はエアロゾル発生装置12のくぼみ18内に受容されたカートリッジ14を示す。
【0071】
図3はエアロゾル発生システム10の断面図を示す。エアロゾル発生装置12は、装置ハウジング16の上流端に位置付けられた気流入口20を備える。電源22およびコントローラ24は、装置ハウジング16の上流端内に位置付けられる。
【0072】
エアロゾル発生システム10は、抵抗加熱コイルの形態の貫通要素26および電気ヒーター28をさらに備える。使用中、コントローラ24は電源22から電気ヒーター28への電力の供給を制御する。貫通要素26は、くぼみ18の上流端の壁27から延び、シャフト部分32および貫通部分34を備える。抵抗加熱コイルは、シャフト部分32の周りに巻かれる。貫通要素26は、液体移動要素30も形成し、また毛細管作用によって液体移動要素30に沿った液体の移動を容易にする材料から形成される。
【0073】
カートリッジ14は、カートリッジハウジング36と、固体エアロゾル形成基体38と、液体エアロゾル形成基体40と、多孔性担体材料41と、を備え、すべてカートリッジハウジング36内に位置付けられる。図5は、カートリッジ14の分解図を示す。
【0074】
固体エアロゾル形成基体38は、カートリッジハウジング36の下流端内に位置付けられたたばこプラグを備える。メッシュフィルター42は、カートリッジハウジング36の下流端へと取り付けられ、たばこプラグをカートリッジハウジング36内に保持する。
【0075】
液体エアロゾル形成基体40は、締まり嵌めによってカートリッジハウジング36の上流端内に保持された液体貯蔵ハウジング44内に収容される。液体貯蔵ハウジング44の上流端は開いており、また液体貯蔵ハウジング44の下流端は閉じている。壊れやすいシール48は、液体貯蔵ハウジング44の開いている上流端を横切って延び、かつこれに固定される。
【0076】
多孔性担体材料41は、締まり嵌めによってカートリッジハウジング36内に保持された多孔性担体材料ハウジング50内に位置付けられる。多孔性担体材料41は、液体貯蔵ハウジング44の上流に位置付けられる。多孔性担体材料ハウジング50は、多孔性担体材料41の下流端が壊れやすいシール48に接触するように、両端で開いている。多孔性担体材料41は環状の形状を有し、また多孔性担体材料41を通る通路54を画定する。
【0077】
液体貯蔵ハウジング44および多孔性担体材料ハウジング50の平面状の側壁52は、カートリッジハウジング36と液体貯蔵ハウジング44および多孔性担体材料ハウジング50の各々との間に気流通路53を画定するように、カートリッジハウジング36の内表面から間隙を介している。
【0078】
カートリッジハウジング36の下流端は、マウスピース56を形成し、マウスピース56はエアロゾル発生システム10の気流出口58を画定する。
【0079】
図4は、カートリッジ14がエアロゾル発生装置12のくぼみ18の中へと挿入された後のエアロゾル発生システム10の断面図を示す。カートリッジ14がくぼみ18の中へと挿入された時、貫通要素26は、液体エアロゾル形成基体40を液体貯蔵ハウジング44から放出する壊れやすいシール48を貫通する。次いで、液体エアロゾル形成基体は、多孔性担体材料41の中へと収着される。貫通要素26はまた、多孔性担体材料41を通して延びる通路54内に受容される液体移動要素30としても機能する。液体移動要素30は、液体エアロゾル形成基体40を多孔性担体材料41から電気ヒーター28へと移動し、ここでユーザーによる吸入のために気化される。ユーザーがマウスピース56を吸う時、空気は気流入口20を通してエアロゾル発生システム10の中へと引き出され、エアロゾル発生装置12を通して、そしてくぼみ18内に引き出され、ここで気化された液体エアロゾル形成基体は気流内に混入される。その後、気流は気流通路53を通って流れ、そして固体エアロゾル形成基体38を通って流れ、ここでさらなる揮発性化合物が気流内に混入され、気流出口58を通って出る。
【0080】
図6および図7は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生システム100の断面図を示す。エアロゾル発生システム100は、図1図5に示されるエアロゾル発生システム10と類似しており、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用される。
【0081】
エアロゾル発生システム100は、多孔性担体材料141を除いて、図5を参照して説明されるカートリッジ14と実質的に同一であるカートリッジ114を備える。特に、多孔性担体材料は、多孔性担体材料141を通って延びる通路を備えない。
【0082】
エアロゾル発生システム100は、図1図4に示すエアロゾル発生装置12と類似であるエアロゾル発生装置112を備える。エアロゾル発生装置112は、くぼみ18内に取り付けられる基板127と、基板127の第一の側から延びる貫通要素126と、を備える。液体移動要素130も、基板127の第一の側の上に提供され、貫通要素126は液体移動要素130を通して延びる。抵抗性メッシュヒーターの形態の電気ヒーター128は、基板127の第二の側の上に位置付けられる。基板127は、基板127を通して延びる複数の開口部を備え、液体移動要素130と電気ヒーター128との間に流体連通を提供する。
【0083】
図7は、カートリッジ114がエアロゾル発生装置112のくぼみ18の中へと挿入されたエアロゾル発生システム100を示す。カートリッジ114がくぼみ18の中へと挿入される時、貫通要素126は、液体エアロゾル形成基体40を液体貯蔵ハウジング44から放出する壊れやすいシール48を貫通する。次いで、液体エアロゾル形成基体は、多孔性担体材料141の中へと収着される。液体移動要素130は、多孔性担体材料141の上流端と接触し、そして液体エアロゾル形成基体40を多孔性担体材料141から電気ヒーター28へと移動し、ここでユーザーによる吸入のために気化される。エアロゾル発生システム100を通る気流は、図4に示すエアロゾル発生システム10に対して本明細書で説明したものと実質的に同一である。
【0084】
図8および図9は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生システム200の断面図を示す。エアロゾル発生システム200は、図6および7に示されるエアロゾル発生システム100と類似していて、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用されている。
【0085】
エアロゾル発生システム200は、貫通要素226の位置が異なり、これはエアロゾル発生装置212ではなくカートリッジ214内に提供される。図8に示すように、貫通要素226は多孔性担体材料141の中へと予め挿入される。そ例外は、エアロゾル発生システム200の構造は、図6および7に示すエアロゾル発生システム100の構造と同一である。
【0086】
図9は、カートリッジ214がエアロゾル発生装置212のくぼみ18の中へと挿入されたエアロゾル発生システム200を示す。カートリッジ214がくぼみ18の中へと挿入される時、液体移動要素130は貫通要素226の上に力を加える。貫通要素226上に加えられた力は、貫通要素226が壊れやすいシール48を貫通するまで、貫通要素226を壊れやすいシール48に向かって多孔性担体材料ハウジング50の中で摺動する。エアロゾル発生システム200の動作は、その後、図6および図7のエアロゾル発生システム100の動作と同一である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9