(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】ハム低減回路及び方法
(51)【国際特許分類】
H03K 17/16 20060101AFI20220808BHJP
H04R 5/04 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
H03K17/16 D
H04R5/04 A
(21)【出願番号】P 2019538388
(86)(22)【出願日】2018-01-03
(86)【国際出願番号】 US2018012260
(87)【国際公開番号】W WO2018129096
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-22
(32)【優先日】2017-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502161508
【氏名又は名称】シナプティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【氏名又は名称】中尾 圭策
(74)【代理人】
【識別番号】100182187
【氏名又は名称】高岡 正之
(72)【発明者】
【氏名】アヤ, チャンドラシェカー レディ
(72)【発明者】
【氏名】クレスピ, ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】フレンド, ブライアン ウォルター
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0249876(US,A1)
【文献】特開2015-095791(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0369520(US,A1)
【文献】特開2002-008798(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0236444(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0300948(US,A1)
【文献】特開2008-172940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/00-17/70
H04R 5/04
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1の電気接地接続を含むプラグを受け入れるように適応されたジャックと、
前記ジャックに
結合され
たドレインと第2の電気接地接続に
結合され
たソースとを有するディプレションnチャネル電界効果トランジスタと、
バイアス制御信号を
前記ディプレションnチャネル電界効果トランジスタのゲートに供給してスイッチバイアスを制御する
ように構成されたチャージポンプであって、第1のスイッチバイアスが、
前記第1の電気接地接続を
前記第2の電気接地接続に電気的に結合し、第2のスイッチバイアスが、前記第1の電気接地接続を前記第2の電気接地接続から電気的に切り離す
チャージポンプと、
前記システムの内部電源電圧が低電圧振幅しきい値を下回ったとき、前記ディプレションnチャネル電界効果トランジスタのゲートにおける電圧をプルアップするように構成された高速プルアップ回路と、
を備える
システム。
【請求項2】
前記
バイアス制御信号が、負電圧バイアス制御信号と正電圧バイアス制御信号とを含
み、
前記チャージポンプが、前記負電圧バイアス制御信号を前記
ディプレションnチャネル電界効果トランジスタに提供して、前記第1の電気接地接続を前記第2の電気接地接続から電気的に切り離す働きをし、
前記チャージポンプが、前記正電圧バイアス制御信号を前記
ディプレションnチャネル電界効果トランジスタに提供して、前記第1の電気接地
接続を前記第2の電気接地
接続に電気的に結合する働きをする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記チャージポンプに結合され、前記ジャックで、第1のプラグと第2のプラグの少なくとも1つを検出する働きをするステートマシンを更に備え、前記ステートマシンは、前記第1のプラグが検出されたときに前記チャージポンプにイネーブル信号を提供し、前記ステートマシンは、前記第2のプラグが検出されたときにディスエーブル信号を前記チャージポンプに提供する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ディスエーブル信号が、第1のディスエーブル信号であり、前記システムは、更に、パワーオンリセット回路の対応する1つ以上の入力ポートで1つ以上の電源電圧信号を含む前記チャージポンプに結合されたパワーオンリセット回路を備え、電源電圧信号に応じて前記チャージポンプに第2のディスエーブル信号を提供する働きをする、請求項3に記載のシステム
【請求項5】
前記ジャックが、オープンモバイルターミナルプラットフォーム(OMTP)プラグとセルラテレフォンインダストリアソシエーション(CTIA)プラグの少なくとも1つを受け入れる音声コーデックの音声装置ジャックとして構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記音声コーデックが、前記第2の電気接地接続に結合された、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記OMTPプラグと前記CTIAプラグの少なくとも1つが、前記第1の電気接地
接続に結合された、請求項
5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の電気接地接続に結合された直流(DC)通電スピーカを更に備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ジャックで、前記ジャックに結合されたプラグによって、第1の電気接地接続を受け入れるステップと、
チャージポンプにより、前記ジャックに結合されたドレインと第2の電気接地接続に結合されたソースとを有するディプレションnチャネル電界効果トランジスタのゲートにバイアス制御信号を提供してスイッチバイアスを制御するステップと、
第1のスイッチバイアスによって、前記第1の電気接地接続を前記第2の電気接地接続に電気的に結合するステップと、
第2のスイッチバイアスによって、前記第1の電気接地接続を前記第2の電気接地接続から電気的に切り離すステップと、
システムの内部電源電圧が低電圧振幅しきい値を下回ったとき、前記ディプレションnチャネル電界効果トランジスタのゲートに結合された高速プルアップ回路により、前記ディプレションnチャネル電界効果トランジスタのゲートにおける電圧をプルアップするステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記
チャージポンプによって、イネーブル信号に応じて前記第1の電気接地接続を前記第2の電気接地接続から切り離す負電圧バイアス制御信号を提供するステップと、
前記チャージポンプによって、ディスエーブル信号に応じて前記第1の電気接地接続を前記第2の電気接地接続に結合する正電圧バイアス制御信号を提供するステップとを更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記チャージポンプに結合されたステートマシンによって、前記ジャックに結合された第1のプラグと第2のプラグの少なくとも1つを検出するステップを更に含み、前記ステートマシンは、前記第1のプラグが検出されたときに前記イネーブル信号を前記チャージポンプに提供し、前記ステートマシンは、前記第2のプラグが検出されたときに前記ディスエーブル信号を前記チャージポンプに提供する、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記ディスエーブル信号が、第1のディスエーブル信号であり、前記方法が、
前記チャージポンプに結合されたパワーオンリセット回路によって、前記パワーオンリセット回路の1つ以上の入力ポートにおける電源電圧信号に応じて第2のディスエーブル信号を提供するステップを更に含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記ジャックが、オープンモバイルターミナルプラットフォーム(OMTP)プラグとセルラテレフォンインダストリアソシエーション(CTIA)プラグの少なくとも1つを受け入れる音声コーデックの音声装置ジャックとして構成された、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記音声コーデックが、前記第2の電気接地接続に結合された、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記OMTPプラグと前記CTIAプラグの少なくとも1つが、前記第1の電気接地接続に結合された、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の電気接地接続に結合された直流(DC)通電スピーカを更に備えた、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月3日に出願され、参照により全体が本明細書に組み込まれる「HUM REDUCTION CIRCUIT AND METHOD」と題する米国仮特許出願第62/441,892号に対する利益と優先権を請求する。
【0002】
本発明は、一般に音声信号処理に関し、より詳細には音声処理システムにおけるハム雑音の低減に関する。
【背景技術】
【0003】
ラップトップコンピュータ、タブレット、携帯電話などの多くの最新の装置は、動作中に選択的に接続されうるヘッドセットや他の音響機器を受けるための音声ジャック接続を備える。通電ヘッドセット又はスピーカのアナログプラグが非通電オーディオ構成要素に挿入されているとき、装置の音声処理構成要素の電力が断たれたときに、ヘッドセット上に低周波数暗雑音即ち「ハム」が生じうる。更に、オーディオ構成要素の電力が断たれたとき、接続されたヘッドセット装置にポップ音が聞こえ、不快な聴取経験が生じることがある。したがって、当該技術分野において、接続された音声装置における望ましくない雑音を防ぐ改善された解決策が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、望ましくないハム及びポップ雑音を低減する音声信号処理回路及び方法の技術分野における要求に取り組むシステム及び方法について述べる。本開示の音声システムは、ラップトップやモバイル装置などの装置又はシステムの音声生成構成要素に接続されたヘッドセット又はスピーカのプラグ構成を検出する音声検出回路を含む。一実施形態において、非通電音声生成構成要素と装置又はシステムに差し込まれた通電ヘッドセット又はスピーカとの間に接地経路を提供するハム低減回路が実現される。
【0005】
1つ以上の実施形態において、システムは、第1の電気接地接続を含むプラグを受けるように適応されたジャックと、第1の端でジャックに結合され、第2の端で第2の電気接地接続に結合されたスイッチであって、第1の端で第1の電気接地接続に結合する働きをするスイッチと、バイアス制御ソースとを備える。バイアス制御ソースは、バイアス制御信号を生成する働きをし、スイッチに結合され、スイッチバイアスを制御する働きをする。第1のスイッチバイアスは、第1の電気接地接続を第2の電気接地接続に電気的に結合し、第2のスイッチバイアスは、第2の電気接地接続から第1の電気接地接続を電気的に切り離す。
【0006】
システムは、更に、スイッチに結合され、負電圧バイアス制御信号と正電圧バイアス制御信号とを含むバイアス制御信号を生成する働きをするチャージポンプを備えうる。チャージポンプは、負電圧バイアス制御信号をスイッチに提供して第2の電気接地接続から第1の電気接地接続を電気的に切り離し、正電圧バイアス制御信号をスイッチに提供して第1の電気接地を第2の電気接地に電気的に結合する働きをしうる。
【0007】
システムは、更に、チャージポンプに結合され、ジャックで、第1のプラグと第2のプラグの少なくとも1つを検出する働きをするステートマシンを備えうる。ステートマシンは、第1のプラグが検出されたときにチャージポンプにイネーブル信号を提供し、第2のプラグが検出されたときにチャージポンプにディスエーブル信号を提供する。様々な実施形態において、ディスエーブル信号は、第1のディスエーブル信号であり、システムは、更に、パワーオンリセット回路の対応する1つ以上の入力ポートで1つ以上の電源電圧信号を含むチャージポンプに結合され、電源電圧信号に応じてチャージポンプに第2のディスエーブル信号を提供する働きをするパワーオンリセット回路を含む。
【0008】
一実施形態において、スイッチは、ドレイン、ソース及びゲートを含むディプレションnチャネル電界効果トランジスタを含む。ドレインは、ジャックで第1の電気接地接続に結合され、ソースは、第2の電気接地接続に結合され、ゲートは、バイアス制御信号に結合される。ディプレションnチャネル電界効果トランジスタは、バイアス制御信号が存在しないときに、第1の電気接地接続を第2の電気接地接続に電気的に結合する働きをする。
【0009】
システムは、更に、ディプレションnチャネル電界効果トランジスタのゲートに結合された高速プルアップ回路を含みうる。高速プルアップ回路は、バイアス制御信号に応じてゲートで高速立ち上がり時間電圧信号を提供する働きをする。
【0010】
ジャックは、オープンモバイルターミナルプラットフォーム(OMTP)プラグ及びセルラテレフォンインダストリアソシエーション(CTIA)プラグの少なくとも1つを受け入れる音声コーデックの音声装置ジャックとして構成されうる。一実施形態において、音声コーデックは、第2の電気接地接続に結合され、OMTPプラグとCTIAプラグの少なくとも一方が、第1の電気接地に結合される。システムは、また、第1の電気接地接続に結合された直流(DC)通電スピーカを含みうる。
【0011】
本開示の実施形態による方法は、ジャックに結合されたプラグによって、第1の電気接地接続をジャックで受け入れることと、ジャックに結合されたスイッチの第1の端で第1の電気接地接続を受けることを含む。方法は、更に、スイッチの第2の端で第2の電気接地接続を結合することと、スイッチに結合されたバイアス制御信号を提供してスイッチバイアスを制御することと、第1のスイッチバイアスによって、第1の電気接地接続を第2の電気接地接続に電気的に結合することと、第2のスイッチバイアスによって、第2の電気接地接続から第1の電気接地接続を電気的に切り離すこととを含む。
【0012】
方法は、更に、イネーブル信号に応じて、スイッチに結合されたチャージポンプによって負電圧バイアス制御信号を提供して、第2の電気接地接続から第1の電気接地接続を切り離すことと、ディスエーブル信号に応じて、スイッチに結合されたチャージポンプによって正電圧バイアス制御信号を提供して、第1の電気接地接続を第2の電気接地接続に結合することを含みうる。
【0013】
方法は、また、チャージポンプに結合されたステートマシンによって、ジャックに結合された第1のプラグと第2のプラグの少なくとも1つを検出することを含みうる。ステートマシンは、第1のプラグが検出されたときにイネーブル信号をチャージポンプに提供し、第2のプラグが検出されたときにディスエーブル信号をチャージポンプに提供する。一実施形態において、ディスエーブル信号は、第1のディスエーブル信号であり、方法は、更に、チャージポンプに結合されたパワーオンリセット回路によって、電源電圧信号に応じて、パワーオンリセット回路の1つ以上の入力ポートに第2のディスエーブル信号を提供することを含む。
【0014】
方法の一実施形態において、スイッチは、ドレイン、ソース及びゲートを含むディプレションnチャネル電界効果トランジスタとして構成され、ドレインが、ジャックで第1の電気接地接続に結合され、ソースが、第2の電気接地接続に結合され、ゲートが、バイアス制御信号に結合される。方法は、更に、バイアス制御信号が存在しないときに第1の電気接地接続を第2の電気接地接続に電気的に結合することを含みうる。方法は、更に、高速プルアップ回路によって、バイアス制御信号に応じて、高速立ち上がり時間電圧信号をゲートに提供して第1の電気接地接続を第2の電気接地接続に電気的に結合することを含みうる。
【0015】
一実施形態において、ジャックは、オープンモバイルターミナルプラットフォーム(OMTP)プラグとセルラテレフォンインダストリアソシエーション(CTIA)プラグの少なくとも1つを受け入れる音声コーデックの音声装置ジャックとして構成される。音声コーデックは、第2の電気接地接続に結合され、OMTPプラグ及びCTIAプラグの少なくとも1つが、第1の電気接地接続に結合される。方法は、また、第1の電気接地接続に結合された直流(DC)通電スピーカを含みうる。
【0016】
本発明の範囲は、参照により本節に組み込まれる特許請求の範囲によって定義される。本発明の実施形態のより完全な理解は、1つ以上の実施形態の以下の詳細な説明の考察によって、その付加的な利点の実現と共に、当業者に与えられる。最初に概説される添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】開示の一実施形態によるハム低減回路を含む音声システムの概略図である。
【
図2】開示の一実施形態によるDFETスイッチに結合されたディプレッションモード電界効果トランジスタ(DFET)チャージポンプ回路を示す図である。
【
図3】開示の一実施形態による高速プルアップ回路を示す図である。
【
図4】開示の一実施形態によるハム低減回路の動作の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
含まれる図面は、説明のためのものであり、ハム低減回路を提供するための開示された方法及びシステムに可能なシステム及び方法の例を提供するに過ぎない。これらの図面は、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく当業者によって開示されたものに対して行われうる形態及び詳細の如何なる変更も限定しない。
【0019】
本開示は、音声信号処理回路の技術分野における要求に取り組むシステム及び方法、並びに望ましくないハム及びポップ雑音を低減する方法を記載する。本開示の音声システムは、ラップトップやモバイル装置などの装置又はシステムの音声生成構成要素に接続されたヘッドセット又はスピーカのプラグ構成を検出する音声検出回路を含む。一実施形態において、非通電音声生成構成要素と装置又はシステムに差し込まれた通電ヘッドセット又はスピーカとの間に接地経路を提供するハム低減回路が実現される。
【0020】
幾つかの実施形態において、ハム低減回路は、ジャック検出回路と共に使用され、ジャック検出回路は、装置のジャックに差し込まれたヘッドセットの構成を検出する。一実施形態において、ジャック検出回路は、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,319,768号に記載された技術により実現される。この米国特許明細書に記載されたジャック検出回路は、VLSIヘッドセットステートマシン及び対応ヘッドセットスイッチング回路を含む。ジャック検出回路は、装置に差し込まれたヘッドセットタイプを検出し、ステートマシンのヘッドセット検出ロジックによって決定されたようにヘッドセットまでの低抵抗接地経路を提供するために使用されうる。低抵抗接地経路は、オーディオ構成要素が通電されたときにオーディオ接地スイッチとして働くnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)によって提供される。
【0021】
本開示のハム低減回路は、様々なヘッドセットタイプに対応できる。マルチスタンダードヘッドセットに対応するとき、様々なヘッドセットタイプの接地及びマイクロホン信号が、装置のヘッドホンジャック上の様々な接点に割り当てられうる。一実施形態において、ヘッドセット検出ロジックは、2つの選択(ヘッドセット選択Aやヘッドセット選択Bなど)を繰り返し、ヘッドホンジャックに提供されたヘッドセットマイクロホンバイアス増幅器の出力電流を監視することによって音声装置ヘッドホンジャックに差し込まれたヘッドセットタイプを決定できる。例えば、OMTPプラグを有するOMTPヘッドセット構成の場合、ヘッドホンジャックのリング2が、ヘッドセットのモノマイクロホンに割り当てられ、ヘッドホンジャックのスリーブが接地に割り当てられうる。CTIAプラグを有するCTIAヘッドセット構成の場合、ヘッドホンジャックのリング2が接地に割り当てられ、スリーブがモノマイクロホンに割り当てられうる。追加又は代替として他の適切なヘッドセット構成を使用できる。
【0022】
様々な実施形態において、ハム低減回路は、オーディオ構成要素の電力が断たれたときにヘッドセットのローカル接地を提供するオーディオ接地スイッチとして働くディプレッションモードnチャネル電界効果トランジスタ(DFET)を含む。DFETスイッチは、ヘッドホンジャックの接点に割り当てられた接地を、オーディオ構成要素のローカル接地に接続するために使用される。この点に関して、接地までの低抵抗経路が提供されて、ヘッドセットの通電スピーカが非通電オーディオ構成要素に差し込まれたときに生成されうる低周波数暗雑音が除去又は低減される。
【0023】
様々な実施形態において、各DFETにDFETを制御するチャージポンプが結合される。各チャージポンプは、無雑音電圧バイアス制御信号をDFETのゲートに提供するために直列に実装された2つのチャージポンプ回路を含む。チャージポンプは、オーディオ構成要素内の正電源によって電力供給される。各チャージポンプは、従来の回路を使用して実現されて、負電圧バイアス制御信号と正電圧バイアス制御信号をゲートに提供する。イネーブルされたとき、チャージポンプは、nチャネルDFETを遮断する負電圧バイアス制御信号を生成する。ディスエーブルされたとき、チャージポンプは、正電圧バイアス制御信号を生成してnチャネルDFETをターンオンする。
【0024】
幾つかの実施形態において、チャージポンプ動作は、VLSIヘッドセットステートマシンによって制御される。VLSIヘッドセットステートマシンは、チャージポンプに結合されてロジックイネーブル及びロジックディスエーブル信号を提供する。本明細書に記載されたように、VLSIヘッドセットステートマシンは、装置ヘッドホンジャックに差し込まれたヘッドセットタイプを検出するジャック検出を提供する。ジャック検出回路のNFETは、オーディオ構成要素が通電されたときにオーディオ接地スイッチとして働く。VLSIヘッドセットステートマシンは、ヘッドセットプラグ構成の接地接点に割り当てられたDFETに接続されたチャージポンプへの制御入力にディスエーブル信号を生成できる。これに関して、ヘッドセットプラグ構成(例えば、ヘッドホンジャックのリング2又はスリーブに接続されたDFETに基づく)の接地接点に接続されたDFETは、ヘッドセット接地をオーディオ構成要素のローカル接地に結合する。更に、VLSIヘッドセットステートマシンは、ヘッドセットプラグ構成のマイクロホンに割り当てられたDFETに接続されたチャージポンプへの制御入力にロジックイネーブル信号を生成して、DFETを遮断してマイクロホン入力の接地を防ぐ。幾つかの実施形態において、ハム低減回路のDFETスイッチは、ゲート入力にバイアス制御信号がないとき導電オン状態にバイアスされる。
【0025】
幾つかの実施形態において、ハム低減回路は、音声装置内システム電源を監視し、内部電源電圧信号の変動に応じて各チャージポンプ回路にロジック(例えば、ロジックイネーブル又はロジックディスエーブル)信号を提供するように提供されたパワーオンリセット回路を含む。パワーオンリセット回路は、従来のアナログ及びデジタル論理回路から実現されうる。これに関して、各内部電源の電源低電圧振幅しきい値が設定されうる。内部電源は、パワーオンリセット回路への論理ANDゲート入力に提供されうる。その休止状態で(例えば、内部電源がそれぞれの低電圧振幅しきい値を超える場合)、パワーオンリセット回路は、チャージポンプにロジックイネーブル出力信号を生成してDFET回路を遮断できる。あるいは、1つ以上の内部電源が、それぞれの低電圧振幅しきい値を下回るとき、パワーオンリセット回路は、チャージポンプへのロジックディスエーブル出力信号を生成して各DFET回路を作動させ、オーディオ構成要素のローカル接地をヘッドセット接地に結合する。
【0026】
幾つかの実施形態において、ハム低減回路は、高速立ち上がり時間電圧信号をDFETスイッチのゲートに提供する高速プルアップ回路を含む。例えば、音声装置がオフにされたとき、主ヘッドセット接地スイッチとして機能するNFETSが直ちに遮断する。しかしながら、DFETは、トランジスタパラメータキャパシタンスを充電するために時間が必要なので、チャージポンプ制御電圧信号に応じてゆっくりターンオンする。その結果として、ヘッドセット接地の瞬間的浮動によってヘッドセット内のスピーカに流れる瞬間的電流が、スピーカにポップ音を発生させる。オーディオ構成要素が最初にオフにされたときにスピーカにポップ音が生じるのを防ぐために、漏れ装置と共に高速バイアス制御信号プルアップとして働く論理回路は、DFETスイッチのゲートにおける電圧バイアス制御信号を迅速にプルアップするために使用される。オーディオ構成要素がオフにされたとき、高速プルアップ回路は、DFETのゲートにおける電圧を適切な電圧に引き上げてDFETスイッチをオンにする。更に、DFETスイッチのゲートに提供された漏れ回路は、オーディオ構成要素がオフされている間にDFETがバイアスされたままにするのに役立つ。
【0027】
本明細書で使用されるとき、用語「結合(couple)」と、「結合(couples)」や「結合された(coupled)」などのその同源語は、直接接続、介在装置又は要素による接続、ハードワイヤ接続、集積回路接続、バス又は他の適切な接続を含みうる。
【0028】
図1は、開示の一実施形態によるハム低減回路100を含む音声システム10の概略図を示す。音声システム10は、ヘッドセット50に対応する埋込み型音声コーデックを含む携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレット、又はオーディオ/ビデオシステムなどの装置である。ヘッドセット50は、ステレオヘッドホン51とモノマイクロホン52を含みうる。ハム低減回路100は、ジャック検出回路101と共に使用されて、音声システム10のオーディオ構成要素のローカル接地107Aをヘッドセット接地53に電気的に結合して、低周波数暗雑音又は可聴「ハム」を低減又は除去する。通電ヘッドセット50のヘッドホンジャック54が、非通電音声ジャック接点HPGNDA122又は音声システム10の非通電音声ジャック接点HPGNDB124に挿入されたとき、暗雑音又は可聴ハムが生じうる。
【0029】
幾つかの実施形態において、ハム低減回路100は、ディプレションnチャネル電界効果トランジスタ(DFET)102及び104を含む。DFET102/104は、ヘッドホンジャック54が、接点HGNDA122及びHGNDB124と接しているとき、ローカル接地107Aをヘッドセット接地53に結合しうる。例えば、Md1 DFET102のソース電極が、ローカル接地107Aに結合される。DFET102のドレイン電極が、トレース(例えば、リード線)109によって音声装置ジャック接点HPGNDA122に結合される。Md1 DFET102のゲート電極が、DFETチャージポンプ出力ポート106Aに結合される。ヘッドホンジャック54が、接点HPGNDA122に結合され、DFET102が、その導電オン状態にバイアスされたとき、DFET102は、DFET102の低抵抗性ソース-ドレイン経路によって、ローカル接地107Aをヘッドセット接地53に結合できる。DFETチャージポンプ106は、制御信号103(即ち、電圧)をDFET102のゲート電極に提供して、DFET102を低抵抗導電オン状態にバイアスするか、又は反対にDFET102を高インピーダンスオフ状態にバイアスする。これに関して、DFET102は、音声装置ジャック接点HPGNDA122を介してオーディオ構成要素ローカル接地107Aをヘッドセット接地53に結合する選択的に制御可能なスイッチを提供する。
【0030】
同様に、Md2 DFET104のソース電極が、ローカル接地107Aに結合される。DFET104のドレイン電極が、トレース(例えば、リード線)111によって音声装置ジャック接点HPGNDB124に結合される。Md2 DFET104のゲート電極が、DFETチャージポンプ出力ポート106Bに結合される。ヘッドホンジャック54が、接点HPGNDB124に結合され、DFET104が、その導電オン状態にバイアスされたとき、DFET104は、DFET104低抵抗性ソース-ドレイン経路によって、ローカル接地107Aをヘッドセット接地53に結合しうる。DFETチャージポンプ106は、制御電圧信号105をDFET104のゲート電極に提供して、DFET104を低抵抗導電オン状態にバイアスするか、反対にDFET104を高インピーダンスオフ状態にバイアスする。これに関して、DFET104は、音声ジャック接点HPGNDA124を介して、ローカル接地107Aをヘッドセット接地53に結合する選択的に制御可能なスイッチを提供する。
【0031】
幾つかの実施形態において、DFETチャージポンプ106は、バイアス制御信号103/105をDFET102/104にそれぞれ提供する。バイアス制御信号103/105は、本明細書で検討されるような導電オン状態でDFET102/104をバイアスする正電圧バイアス制御信号を含みうる。制御信号103/105は、高インピーダンスオフ状態でDFET102/104をバイアスする負電圧バイアス制御信号を含みうる。チャージポンプ106は、チャージポンプ入力ポート106C及び/又は106Dに受け取ったロジック信号入力に応じてバイアス制御信号103/105を提供する。ロジック信号入力は、パワーオンリセット回路108及びVLSIヘッドセットステートマシン114によって提供される。これに関して、パワーオンリセット回路108とヘッドセットステートマシン114は両方とも、ロジックイネーブル信号とロジックディスエーブル信号をチャージポンプ106に提供する。幾つかの実施形態において、ロジックイネーブル信号は、約3.3ボルト~5.0ボルトの範囲の正電圧信号である。入力ポート106C/106Dのいずれかにおけるロジックイネーブル信号は、チャージポンプ106内の回路を活動化して、チャージポンプ106出力ポート106A/106Bの1つに負電圧バイアス制御信号103/105をそれぞれ提供する。負電圧バイアス制御信号103/105は、DFET102/104を高インピーダンスオフ状態にバイアスするのに十分な電圧振幅である。
【0032】
幾つかの実施形態において、ロジックディスエーブル信号は、約0ボルト~マイナス5.0ボルトの範囲の負電圧信号である。入力ポート106C/106Dのいずれかにおけるロジックディスエーブル信号は、チャージポンプ106内の回路を非活動化して、チャージポンプ106出力ポート106A/106Bの一方に正電圧バイアス制御信号103/105を提供する。正電圧バイアス制御信号は、DFET102/104を低抵抗導電オン状態にバイアスするのに十分な大きさである。
【0033】
幾つかの実施形態において、パワーオンリセット回路108は、音声システム10内部電源電圧VDD1 126、VDD2 128及びVDD3 130の変動に応じて、チャージポンプ106入力ポート106Cにロジックイネーブル及びロジックディスエーブル信号を提供する。幾つかの実施形態において、電源VDD1 126は、直流電力をVLSIヘッドセットステートマシン114に提供し、電源電圧VDD2 128及びVDD3 130は、直流電力をヘッドセットスイッチング回路116に提供する。他の実施形態において、パワーオンリセット回路108は、より多いか少ない内部電源電圧VDD1 126~VDDn132に応じて、ロジックイネーブル及びロジックディスエーブル信号を提供する。内部電源電圧信号VDD1、VDD2及びVDDnはそれぞれ、入力ポート117、119及び121で接続された論理ANDでよい。これに関して、内部電源電圧信号VDD1~VDD3が、それぞれの低電圧振幅しきい値を超えたとき、パワーオンリセット回路108は、チャージポンプ106入力ポート106Cにロジックイネーブル出力信号を生成でき、それにより、DFET102及び/又は104をターンオフしてヘッドセット接地53からローカル接地107Aを選択的に切り離す。これと反対に、1つ以上の内部電源電圧信号VDD1~VDD3が、それぞれの低電圧振幅しきい値を下回ったとき、パワーオンリセット回路108は、チャージポンプ106入力ポート106Cにロジックディスエーブル出力信号を生成して、DFET102及び/又は104をターンオンして、ローカル接地107Aをヘッドセット接地53に選択的に結合する。
【0034】
様々な実施形態において、ハム低減回路100は、高速プルアップ回路110を含む。高速プルアップ回路110は、音声システム10が電力除去された場合に、DFETスイッチ102/104のゲートに高速立ち上がり時間電圧信号を提供する。オーディオ構成要素ローカル接地107Bは、通常動作中、音声システム10が電源投入されたときに、nチャネル電界効果トランジスタ(NFET)118/120によってヘッドセット接地53に結合される。しかしながら、内部電源電圧VDD1 126、VDD2 128、及び/又はVDD3 130が低下するか断たれたとき、NFET118/120はターンオフし、ローカル接地107Bをヘッドセット接地53から切り離す。ローカル接地とヘッドセット接地53の間の接地信号導電性のこの瞬間的喪失が、ヘッドセットスピーカにポップ音を発生させる。
【0035】
接地信号電導性の瞬間的喪失を回避するために、高速プルアップ回路110は、高速バイアス電圧プルアップ信号113/115をそれぞれDFET102/104のゲートに提供して、DFET102/104をターンオンし、ローカル接地107Aをヘッドセット接地53に結合する。高速バイアス電圧プルアップ信号113/115は、DFET102/104を低抵抗導電オン状態にバイアスするのに十分な正電圧振幅である。漏れ回路112は、DFET102/104のゲートに結合されて、内部電源電圧VDD1 126、VDD2 128及び/又はVDD3 103が、低電圧振幅しきい値より低いかターンオフされている間、DFET102/104がターンオンされたままになるようにDET102/104のゲート上の正電圧バイアスを維持する。
【0036】
幾つかの実施形態において、音声システム10は、ジャック検出回路101を含む。ジャック検出回路101は、ヘッドセットタイプを検出し、ステートマシン114内で動作するヘッドセット検出ロジックによって決定された通りに、ヘッドセット接地53を音声システム10ジャック接点HPGNDA122及び/又はHPGNDB124によってオーディオ構成要素ローカル接地107Bに結合するために使用されうる。ヘッドセット接地53からローカル接地107Bまでの低抵抗接地経路は、音声システム10が電源投入されたときに、オーディオ接地スイッチとして機能するnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)118/120によって提供される。
【0037】
一実施形態において、ジャック検出回路101は、VLSIヘッドセットステートマシン114、ヘッドセットスイッチング回路116、及びNFET118/120を含む。ジャック検出回路101は、ハム低減回路100と接続して接地制御信号を提供して、通電動作中のヘッドセット50の検出と識別に応じて、接点HPGNDA122及び/又はHPGNDB124をローカル接地107A及び/又は107Bに結合する.
【0038】
ステートマシン114には、例えば、マイクロプロセッサ、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マイクロコントローラ、論理デバイス(例えば、処理演算を実行するように構成されたプログラム可能な論理回路)、デジタル信号処理(DSP)装置、実行命令(例えば、ソフトウエア、ファームウェア又は他の命令)を記憶するための1つ以上のメモリ、及び/又は本明細書に記載された様々な操作のいずれかを行う命令を実行する処理装置及び/又はメモリの他の適切な組み合わせが含まれうる。ステートマシン114は、構成要素106、116、118、120、122及び124と接続し通信して、本明細書に記載されたような方法及び処理ステップを実行するように適応される。様々な実施形態において、ステートマシン114は、本明細書に記載されたような様々なタイプのジャック検出及び接地制御技法を実行するように適応される。
【0039】
ヘッドセットスイッチング回路116は、ステートマシン114から入力を受け入れ、検出信号を接点HPGNDA122及びHPGNDB124に提供するように実現されたアナログ及びデジタル回路を含みうる。例えば、ステートマシン114は、headset_detection検出信号129をスイッチング回路116に提供して、例えば、オープンモバイルターミナルプラットフォーム(OMTP)及び/又はセルラテレフォンインダストリアソシエーション(CTIA)ヘッドセットなど、ヘッドセット50のタイプを決定しうる。幾つかの実施形態において、headset_detection検出信号129は、接点HPGNDA122に結合されて、headset_detection検出信号129がヘッドホンジャック54のリング2に提供される。OMTPヘッドセットのリング2は、マイクロホンに割り当てられ、OMTPヘッドセットの検出時に、スイッチング回路116は、OMTPヘッドセットが検出されたというmicbias_dtct信号135をステートマシン114を提供しうる。同様に、headset_detection検出信号129が、接点HPGNDA124に結合されて、headset_detection検出信号129がヘッドホンジャック54のスリーブに提供される。CTIAヘッドセットのスリーブが、マイクロホンに割り当てられ、CTIAヘッドセットの検出時に、スイッチング回路116が、CTIAヘッドセットが検出されたというmicbias_dtct信号135をステートマシン114に提供しうる。
【0040】
幾つかの実施形態において、ステートマシン114は、スイッチング回路116からのmicbias_dtct信号135の受け取りに応じて、スイッチング回路116にヘッドセットセレクト信号を提供しうる。例えば、OMTPヘッドセットが検出された場合、ステートマシン114は、headset_sel_b信号133をスイッチング回路116に提供しうる。スイッチング回路116は、headset_sel_b信号133に応じて、NFET118のゲート電極に正電圧バイアス制御信号137を提供して、NFET118を導電オン状態にバイアスして、接点HPGNDB124及びヘッドホンジャック54のスリーブを介して、ローカル接地107BをOMTPヘッドセットのヘッドセット接地53に結合する。幾つかの実施形態において、ステートマシン114は、ハム低減回路100のDFETチャージポンプ106にロジックイネーブル信号127を提供して、接点HPGNDA122に結合されたDFET102をターンオフして、OMTPヘッドセットのヘッドホンジャック54マイクロホン接続からローカル接地107Aを切り離しうる。
【0041】
同様に、CTIAヘッドセットが検出された場合、ステートマシン114は、headset_sel_a信号131をスイッチング回路116に提供しうる。スイッチング回路116は、headset_sel_a信号131に応じて、NFET120のゲート電極に正電圧バイアス制御信号139を提供して、NFET120を導電オン状態にバイアスして、接点HPGNDA122及びヘッドホンジャック54のリング2を介して、ローカル接地107BをCTIAヘッドセットのヘッドセット接地53に結合する。幾つかの実施形態において、ステートマシン114は、ハム低減回路100のDFETチャージポンプ106にロジックイネーブル信号127を提供して、接点HPGNDB124に結合されたDFET104をオフにして、ローカル接地107AをCTIAヘッドセットのヘッドホンジャック54マイクロホン接続から切り離しうる。
【0042】
様々な実施形態において、音声システム10、ハム低減回路100、及びジャック検出回路101は、シリコンや他の適切な材料で実現され、集積回路として構成された個別デバイスから構成されてもよく、他の適切な方式で構成されてもよい。
【0043】
図2は、本開示の一実施形態による、ディプレッションモード電界効果トランジスタ(DFET)チャージポンプ回路を示し、DFETスイッチ102/104に結合されている。DFETチャージポンプ106は、DFETチャージポンプ106と関連した機能を実行するように従来のアナログ及びデジタル回路によって実現されうる。DFETチャージポンプ106は、DFETスイッチ102/104に結合されて、バイアス制御信号をDFETスイッチ102/104にそれぞれ提供する。正電源電圧230は、音声システム10の一部として、電力DFETチャージポンプ106に電力供給する。幾つかの実施形態において、正電源電圧230は、約正7ボルトの電圧振幅を有しうる。しかしながら、他の実施形態において、正電源電圧は、7ボルトより大きいか小さい電圧振幅を有してもよい。
【0044】
幾つかの実施形態において、DEFTチャージポンプ106は、2つの別個のDFETチャージポンプCP1 206A及びCP2 206Bを含む。第1のチャージポンプ206Aは、電源入力ポート251Aに正電源電圧230を受け入れる。第2のチャージポンプ206Bは、電源入力ポート251Bに正電源電圧230を受け入れる。チャージポンプ206Aは、本明細書に記載されたような入力ポート106C及び/又は106Dを介したロジックイネーブル信号の受け取りに応じて、負電圧信号250を生成する回路によって実現される。負電圧信号250は、電圧ポート250Bで第2のチャージポンプCP2 206Bに提供される。チャージポンプ206Bは、本明細書に記載されたような入力ポート106C及び/又は106Dを介して受け取ったロジックイネーブル信号に応じて、負電圧バイアス制御信号103/105をDFET102/104のゲートにそれぞれ能動的にポンピングするアナログ及びデジタル回路によって実現される。これに関して、負電圧バイアス制御信号103は、バイアス電圧をDFET102のゲートに提供してDFET102をオフにし、ローカル接地107Aから音声ジャック接点HPGNDA122を切り離す。負電圧バイアス制御信号105は、バイアス電圧をDFET104のゲートに提供してDFET104をターンオフし、ローカル接地107Aから音声ジャック接点HPGNDB124を切り離す。
【0045】
第2のチャージポンプ206Bが、DFET102/104のゲートへの結合により第1のチャージポンプ206Aによって生成された雑音を低減することを理解されよう。これに関して、チャージポンプ206A動作からのスイッチング雑音は、DFETチャージポンプ出力ポート106A/106Bに結合し、最終的にHPGNDA122及びHPGNDB124に結合しうる。第2のチャージポンプ206Bは、スイッチング回路なしに動作でき、チャージポンプ206Aによって生成されたスイッチング雑音をローカル接地107A及びヘッドセット接地53から切り離しうる。
【0046】
図3は、本開示の一実施形態による高速プルアップ回路110を示す。高速プルアップ回路110は、高速プルアップ回路316と、pチャネルエンハンスメントモード金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)318とを含む。高速プルアップ回路110は、DFET102/104のゲートに結合されて、バイアス制御信号103/105に、DFET102/104を素早くターンオンする高速電圧立ち上がり時間を提供して、接点HPGNDA122/HPGNDB124によってローカル接地107Aをヘッドセット接地53に結合する。バイアス制御信号103/105における高速電圧立ち上がり時間は、DFET102/104がターンオンしている間にヘッドセット接地53が瞬間的に浮動するときにヘッドセット50で聞こえるポップ音を低減又は除去する。
【0047】
幾つかの実施形態において、高速プルアップ回路110は、高速プルアップ回路110と関連した動作を実行する従来のアナログ及びデジタル回路によって実現されうる。幾つかの実施形態において、高速プルアップ回路316は、高速プルアップ出力によって実現されたインバータを含む論理回路によって実現される。高速プルアップ回路316は、高速プルアップ回路316の入力ポート315a、315b~315nにおけるPOR_VDD1 125a、POR_VDD1 125b~POR VDDn125n電圧信号の少なくとも1つのハイからローへの遷移に素早く応答する。幾つかの実施形態において、1つ以上の入力ポート315a、315b~315nにおけるハイからローへの遷移電圧に応じて、高速プルアップ回路316は、DC接地信号317をMOSFET318のゲートに提供して、MOSFET318を低抵抗導電オン状態にバイアスする。他の実施形態において、高速プルアップ回路316は、負電圧信号をMOSFET318のゲートに提供して、MOSFET318を低抵抗導電オン状態にバイアスする。MOSFET318のソースは、音声システム10によって提供された正電圧VDDn330に結合され、DFETチャージポンプ106出力106A/106Bの正制御信号103/105を素早くプルアップする高速バイアス電圧プルアップ信号113/115を提供する。ローカル接地107Aに結合された漏れ回路112及びCvnegキャパシタ306は、1つ以上の内部電源VDD1~VDDnがそれぞれの低電圧振幅しきい値より低いかターンオフされている間にDFET102/104を導電オン状態に維持する。
【0048】
図4は、本開示の一実施形態によるハム低減回路100の動作の流れ図を示す。ハム低減回路100の流れ図の記述において、
図1~
図3のうちの1つ以上が参照される。更に、
図4のステップは、本明細書に記載されたステップと異なる順序で実行されうる。
【0049】
ブロック401で、流れ図は、最初に、
図1の内部電源電圧VDD1 126、VDD2 128及びVDD3 130が断たれた状態で、音声システム10、ハム低減回路100、及びジャック検出回路101が遮断される。DFETスイッチ102及び104が、低抵抗導電オン状態であり、接点HPGNDA122と接点HPGNDB124それぞれからローカル接地107Aまで導電経路を提供する。
【0050】
ブロック402で、ヘッドホンジャック54が、HPGNDA122及びHPGNDB124と電気的に接触する。更に、内部電源電圧VDD1 126、VDD2 128及びVDD3 130が、オンにされ、音声システム10のオーディオ構成要素に電圧信号を提供する。
【0051】
ブロック403で、音声システム10は、内部電源電圧VDD1 126、VDD2 128及びVDD3 130が公称動作電圧レベルかどうかを決定する。内部電源電圧が公称動作電圧レベルでない場合、流れは、ブロック404に進む。
【0052】
ブロック404で、内部電源電圧VDD1 126、VDD2 128及びVDD3 130が公称動作電圧レベルになるまで、DFETスイッチ102及び104が低抵抗導電オン状態に維持される。次に、流れは、ブロック405に進む。
【0053】
ブロック405で、ジャック検出回路101は、接点HPGNDA122及びHPGNDB124と電気接触しているヘッドホンジャック54のタイプを検出する。これに関して、ステートマシン114は、headset_detection検出信号129をスイッチング回路116に提供して、OMTPヘッドセット、CTIAヘッドセット、又はヘッドホン40などのヘッドセット50のタイプを決定できる。
【0054】
ブロック406で、スイッチング回路116は、headset_detection検出信号129に応じて、micbias_dtct信号135をステートマシン114に提供できる。これに関して、micbias_dtct信号135は、ヘッドセット50が検出されたという電気信号情報を提供してもよく、ヘッドホン40が検出されたという電気信号情報を提供してもよい。ヘッドホン40が検出された場合、流れはブロック407に進む。
【0055】
ブロック407で、ヘッドホン40が検出されたとき、ステートマシンは、ディスエーブルバイアス制御信号(例えば、イネーブル信号127)をDFETチャージポンプ106に提供する。これに応じて、DFETチャージポンプ106は、DFET102及び104に正電圧バイアス制御信号103及び105を提供しうる。DFET102及び104は、低抵抗導電オン状態に保持されて、接点HPGNDA122及び接点HPGNDB124それぞれからローカル接地107Aまでの導電経路を提供する。
【0056】
ブロック408で、ヘッドセット50が検出されたとき、ステートマシン114は、OMTPヘッドセットやCTIAヘッドセットなどのヘッドセット50のタイプを決定する。これに関して、headset_detection検出信号129が、接点HPGNDA124に結合されて、headset_detection検出信号129がヘッドホンジャック54のスリーブに提供される。CTIAヘッドセットのスリーブが、マイクロホンに割り当てられ、CTIAヘッドセットの検出時に、スイッチング回路116は、CTIAヘッドセットが検出されたというmicbias_dtct信号135をステートマシン114に提供しうる。
【0057】
同様に、headset_detection検出信号129が、接点HPGNDA122に結合されて、検出信号129がヘッドホンジャック54のリング2に提供される。OMTPヘッドセットのリング2が、マイクロホンに割り当てられ、OMTPヘッドセットの検出時に、スイッチング回路116は、OMTPヘッドセットが検出されたというmicbias_dtct信号135をステートマシンに提供しうる。
【0058】
ブロック409で、ブロック408で検出されたヘッドセットタイプ(例えば、CTIAヘッドセット又はOMTPヘッドセットなど)に基づいて、ステートマシン114は、ロジックイネーブル信号127をDFETチャージポンプ106に提供して、DFETチャージポンプ106が負電圧バイアス制御信号103又は105を提供して、検出されたヘッドセット50のマイクロホン接点に結合されたDFET102又はDFET104をターンオフする。これに関して、検出されたヘッドセットのマイクロホン接点(例えば、接点HPGNDA122又は接点HPGNDA124)は、接地されなくてもよい。
【0059】
ブロック410で、パワーオンリセット回路108は、パワーオンリセット回路108の1つ以上の入力ポート117,119及び121における1つ以上の内部電源電圧VDD1 126、VDD2 128及びVDD3 130の低電圧振幅しきい値を検出しうる。低電圧振幅しきい値が検出されない場合、流れ図は、ブロック411に進む。
【0060】
ブロック411で、DFET102及び104が、ブロック409による状態に維持される。低電圧振幅しきい値が検出された場合、流れ図は、ブロック412に進む。
【0061】
ブロック412で、高速プルアップ回路110が、DFET102/104のゲートに結合されて、バイアス制御信号103/105に高速電圧立ち上がり時間が提供されてDFET102/104が迅速にターンオンされ、ローカル接地107Aが接点HPGNDA122/HPGNDB124を介してヘッドセット接地53に結合される。これに関して、DFET102/104がターンオンされている間に時間ヘッドセット接地53浮動を最小にすることによって、ヘッドセット50内のポップ音が回避されうる。
【0062】
適用可能な場合、本開示によって提供された様々な実施形態は、ハードウェア、ソフトウエア、又はハードウェアとソフトウエアの組み合わせを使用して実現されうる。また、適用可能な場合、本明細書に記載された様々なハードウェア構成要素及び/又はソフトウエア構成要素は、本開示の主旨から逸脱することなしに、ソフトウエア、ハードウェア、及び/又は両方を含む複合構成要素に組み合わせられうる。適用可能な場合、本明細書に記載された様々なハードウェア構成要素及び/又はソフトウエア構成要素は、本開示の範囲から逸脱することなしに、ソフトウエア、ハードウェア又はこの両方を含む副構成要素に分離されうる。更に、適用可能な場合、ソフトウエア構成要素がハードウェア構成要素として実現されてもよく、その逆でもよい。
【0063】
プログラムコード及び/又はデータなどの本開示によるソフトウエアは、1つ以上のコンピュータ可読媒体に記憶されうる。また、本明細書に示されたソフトウエアは、ネットワーク接続されかつ/又は他の方法で接続された1つ以上の汎用又は特定用途コンピュータ及び/又はコンピュータシステムを使用して実現されうる。適用可能な場合、本明細書に記載された様々なステップの順序は、本明細書に記載された特徴を提供するために、変更され、複合ステップに組み合わされ、及び/又はサブステップに分離されうる。
【0064】
前述された実施形態は、本発明を例示するが制限しない。また、本発明の原理により多数の修正及び変形が可能であることを理解されたい。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【符号の説明】
【0065】
10 音声システム
50 ヘッドセット
51 ステレオヘッドホン
52 モノマイクロホン
53 ヘッドセット接地
54 ヘッドホンジャック
100 ハム低減回路
101 ジャック検出回路
102,104 ディプレションnチャネル電界効果トランジスタ(DFET)
103,105 バイアス制御信号
104 DFET
105 制御電圧信号
106 DFETチャージポンプ
107A ローカル接地
108 パワーオンリセット回路
109,111 トレース(例えば、リード線)
114 VLSIヘッドセットステートマシン
122 音声装置ジャック接点HPGNDA
124 音声ジャック接点HPGNDB