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特許7118989プログラマブル・サプライ・ジェネレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】プログラマブル・サプライ・ジェネレータ
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
G05F1/56 310V
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2019547381
(86)(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2018020982
(87)【国際公開番号】W WO2018186970
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】15/479,217
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100112759
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ナ,タエシック
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナムルティ,ハリシュ ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シャオセン
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-241004(JP,A)
【文献】特表2009-503705(JP,A)
【文献】特開2009-009431(JP,A)
【文献】特表2016-541077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンパレータを含む第1フィードバック・ループによりディジタルに制御される第1デバイス群;及び
増幅器を含む第2フィードバック・ループの一部であるアナログ回路により制御される第2デバイス群であって、前記第1デバイス群は前記第2デバイス群と並列に結合されている、第2デバイス群;
を含み、前記第1デバイス群及び前記第2デバイス群は、ターゲットの電源電圧変動除去比(PSRR)が得られるように制御される、装置。
【請求項2】
前記第1及び第2デバイス群は第1電力供給ノード及び第2電力供給ノードに結合され、前記第2電力供給ノードは負荷に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2デバイス群内の少なくとも1つのデバイスは常時オンである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1フィードバック・ループは第2コンパレータを含み、前記第1及び第2コンパレータは第1及び第2リファレンスを受信し、前記第1リファレンスは前記第2リファレンスと相違する、請求項1-3のうち何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1フィードバック・ループは、前記第1コンパレータの出力を受信する第1入力と、前記増幅器の出力を受信する第2入力とを有するシフト・レジスタを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記シフト・レジスタの出力は、前記第1デバイス群を制御するために使用される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記シフト・レジスタの前記出力は、少なくとも2ビットを有するバスである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記シフト・レジスタの出力は、前記第1コンパレータ及び/又は前記増幅器の前記出力によりマスクされる、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記シフト・レジスタの前記出力と所定の第1信号とを受信する第1マルチプレクサ群を有し、前記第1マルチプレクサ群の前記出力は、前記第1デバイス群をディジタルに制御する、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記シフト・レジスタの前記出力と所定の第2信号とを受信する第2マルチプレクサ群を有し、前記第2マルチプレクサ群の前記出力は、前記第2デバイス群の少なくとも1つのデバイスをターン・オン又はオフにする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1及び第2マルチプレクサ群は、プログラム可能な制御により制御される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記増幅器は、電力供給レベルとグランド・レベルとの間にある出力を生成し、前記出力は前記第2デバイス群を制御する、請求項1-3のうち何れか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記第1及び第2デバイス群は、p型トランジスタ、n型トランジスタ、又はそれらの組み合わせを有する、請求項1-3のうち何れか1項に記載の装置。
【請求項14】
入力電力供給ノードと出力電力供給ノードとに結合されるディジタル低ドロップアウト(LDO);及び
前記ディジタルLDOに並列に結合される一群のアナログLDOであって、前記一群のうち少なくとも1つのLDOは常時オンである、一群のアナログLDO;
を有し、前記ディジタルLDO及び前記一群のアナログLDOは、ターゲットの電源電圧変動除去比(PSRR)が得られるように制御される、装置。
【請求項15】
前記ディジタルLDOと前記一群のアナログLDOとを制御するディジタル・コントローラを有する請求項14に記載の装置。
【請求項16】
所望の電源電圧変動除去比(PSRR)に従って前記ディジタル・コントローラの出力をマスクするロジックを有する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記一群のアナログLDOは非レール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含み、前記ディジタルLDOはレール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含む、請求項14-16のうち何れか1項に記載の装置。
【請求項18】
メモリと、前記メモリに結合されるプロセッサとを有するシステムであって、前記プロセッサは、サプライ・ジェネレータにより給電されるプロセッサ・コアを含み、前記サプライ・ジェネレータは:
第1コンパレータを含む第1フィードバック・ループによりディジタルに制御される第1デバイス群;及び
増幅器を含む第2フィードバック・ループの一部であるアナログ回路により制御される第2デバイス群であって、前記第1デバイス群は前記第2デバイス群と並列に結合されている、第2デバイス群;及び
前記プロセッサが他のデバイスと通信することを可能にするワイヤレス・インターフェース;
を有し、前記第1デバイス群及び前記第2デバイス群は、ターゲットの電源電圧変動除去比(PSRR)が得られるように制御される、システム。
【請求項19】
前記第1及び第2デバイス群は第1電力供給ノード及び第2電力供給ノードに結合され、前記第2電力供給ノードは前記プロセッサ・コアに結合される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2デバイス群内の少なくとも1つのデバイスは常時オンである、請求項18-19のうち何れか1項に記載のシステム。
【請求項21】
入力電力供給ノードと出力電力供給ノードとに結合されるディジタル低ドロップアウト(LDO);及び
前記ディジタルLDOに並列に結合される一群のアナログLDOであって、前記ディジタルLDO及び前記一群のアナログLDOは、ターゲットの電源電圧変動除去比(PSRR)を得るように制御可能である、一群のアナログLDO;
を有する装置。
【請求項22】
前記一群のアナログLDOは非レール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含み、前記ディジタルLDOはレール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記出力電力供給ノードにおける出力が閾値の限界の外にある場合に、前記ディジタルLDOのフィードバック・ループを無効化する回路を有する請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記出力電力供給ノードにおける出力が閾値より上又は下にある場合に、前記ディジタルLDOのフィードバック・ループを無効化する回路を有する請求項21に記載の装置。
【請求項25】
入力電力供給ノードと出力電力供給ノードとに結合されるディジタル低ドロップアウト(LDO)を制御するステップ;及び
前記ディジタルLDOに並列に結合される一群のアナログLDOを、ターゲットの電源電圧変動除去比(PSRR)を得るように制御するステップ;
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
優先権
本出願は、2017年4月04日付けで出願された「プログラマブル・サプライ・ジェネレータ」と題する米国特許出願第15/479,217号に関する優先権を主張し、これは全体的にリファレンスに組み込まれる。
【0002】
背景
現在、集積回路(IC)設計は、多数の電力ドメインを組み込んでおり、多くの低ドロップアウト回路(LDO)を必要とし、必要とされる仕様は様々である。例えば、モノのインターネット(IoT)スペースにおける幾つかのアプリケーションは、それらのLDOに関して静止電流が殆ど無いことを必要する一方、電源電圧変動除去比(PSRR)等の性能パラメータはあまり重要ではない。他方、無線周波数(RF)及び高速入出力(IOs)トランシーバ等のアプリケーションは、高いPSRR LDO設計を必要とするかもしれない。したがって、これらの目標を満たすために幾つものLDO設計が必要とされ、多大な設計労力を招く。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の実施形態は、以下に与えられる詳細な説明から、及び本開示の様々な実施形態の添付の図面からより完全に理解されるであろうが、これらは、本開示を特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、単に説明及び理解のためのみのものであるに過ぎない。
【0004】
図1図1は、本開示の幾つかの実施形態による、モジュラー低ドロップアウト(LDO)回路のハイ・レベル・アーキテクチャを示す。
【0005】
図2図2は、本開示の幾つかの実施形態による図1のモジュラーLDOの概略図を示す。
【0006】
図3図3は、本開示の幾つかの実施形態による図1のモジュラーLDOの概略図を示す。
【0007】
図4図4は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラーLDOの動作を示すプロットを示す。
【0008】
図5図5は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラーLDOのステップ・ロード及びアンロード挙動を示すプロットを示す。
【0009】
図6図6は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラーLDOの電源電圧変動除去比(PSRR)を示すプロットを示す。
【0010】
図7図7は、本開示の幾つかの実施形態によるクランプ及び非クランプ機能を有する非同期LDO回路の概略図を示す。
【0011】
図8A図8Aは、本開示の幾つかの実施形態による非同期LDO回路のクランプ動作及び非クランプ動作をそれぞれ示すプロットを示す。
図8B】図8Bは、本開示の幾つかの実施形態による非同期LDO回路のクランプ動作及び非クランプ動作をそれぞれ示すプロットを示す。
【0012】
図9図9は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラー・クランプ及び非クランプ機能を有する非同期LDO回路の概略図を示す。
【0013】
図10図10は、本開示の幾つかの実施形態による図9の非同期LDOの動作を示すプロットを示す。
【0014】
図11図11は、幾つかの実施形態によるモジュラー及び/又は非同期LDO回路を有するスマート・デバイス又はコンピュータ・システム又はSoC (システム・オン・チップ)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な実施形態は、低い静止電流又は高い電源電圧変動除去比(PSRR)の要求される仕様を提供するためのモジュール式で設定可能なLDO回路(以下、「LDO」と呼ぶ)を説明する。ディジタルLDO(D-LDO)回路又はモジュール(以下、「D-LDO」と呼ぶ)は、多数のp型パワー・スイッチを使用し、所与の負荷に対して幾つのp型パワー・スイッチがターン・オンされるかを決定するので、本質的にモジュール性を有する。様々な実施形態は、プログラム可能なPSRRを提供するために、D-LDOにおけるこの固有のモジュール性を使用する。幾つかの実施形態では、D-LDOの単位p型スイッチの分解能に等しいか又はそれより僅かに大きい単位負荷電流を提供することが可能な1つ又は複数のアナログLDO回路又はモジュール(以下、「アナログLDO」と呼ぶ)が使用される。
【0016】
ここで、「アナログLDO」(ALDO)という用語は、一般に、非レール・ツー・レール信号(例えば、供給レベルとグランド・レベルとの間にある電圧レベルを有する信号)によって制御可能である少なくとも1つのトランジスタを有するLDOアーキテクチャを有する回路を指す。ここで、非レール・ツー・レール信号は、アナログ信号とも呼ばれる。ここで、「アナログ信号」という用語は、一般に、その信号の時間変化特性が他の時間変動量の表現である連続信号を指す。例えば、アナログ信号は、供給レベルとグランド・レベルとの間の連続的な電圧レベルを有するバイアス信号である。
【0017】
ここで、「ディジタルLDO」という用語は、一般に、レール・ツー・レール信号(例えば、供給レベル又はグランド・レベルのうちの1つである電圧レベルを有する信号)によって制御可能である少なくとも1つのトランジスタを有するLDOアーキテクチャを有する回路を指す。レール・ツー・レール信号はまた、ディジタル信号とも呼ばれる。ここで、「ディジタル信号」という用語は、一般に、2つの可能な値、即ち、供給レール・レベルに等しい論理ハイ値と、グランド・レール・レベルに等しい論理ロー値とを有し得るシーケンス離散信号を指す。ディジタル信号は、一般に、レール・ツー・レールを(例えば、供給レベルからグランド・レベルへ)トグルする。
【0018】
幾つかの実施形態では、ローディング・アプリケーション(a loading application)が、より高い又はより低いPSRRを要求する場合、ディジタルp型パワー・スイッチは、必要に応じて単位アナログLDOに置き換えられ、そして、所与のPSRR要件に対して最低電流を提供する。幾つかの実施形態では、PSRRの必要性に基づいて、単一の又は「N」個のアナログLDO(「N」は2以上の整数である)がイネーブルにされることが可能である。例えば、より高いPSRRのために、より多くのアナログLDOが、D-LDOと共に動作するようにイネーブルにされることが可能である。幾つかの実施形態のアーキテクチャは、単一の単位アナログLDO設計を用いてモジュール性を提供し、また、変化する負荷電流による最適な電流消費のために、負荷による静止電流消費をスケーリングすることができる。幾つかの実施形態のアーキテクチャは、ディジタル・コントローラを使用して、単位アナログLDOの個数(又は一群のアナログLDO)をプログラムし、所与のPSRR要件に対して最適な電流消費をもたらす。従って、様々な実施形態のLDOアーキテクチャは、同じ設計で低い静止電流のLDO又は高いPSRRのLDOに関する設計に関して容易に適合させるために、モジュラー・アーキテクチャでPSRRにプログラム可能性を提供する。ここで、事物の「セット」又は「群」という用語は、一般に、共通の特性を有する1つ又は複数の事物を指す。例えば、一群のアナログLDOは、1つ以上のアナログLDOを含む。
【0019】
従来のD-LDOは、通常、動作を実現するためにクロック信号が使用される同期制御方式を採用している。このようなD-LDOでは、電圧追従速度は、クロック信号の動作周波数を増加させることにより、増加させることが可能である。しかしながら、クロック周波数の増加は、消費電力の増加という結果を招く。電圧追従速度と電流効率との間のトレード・オフは、同期D-LDOレギュレータ設計に存在する。
【0020】
様々な実施形態はまた、大きな負荷ステップ変化によって引き起こされる大きな電圧ドループ(a large voltage droop)を回避する非同期D-LDOを描写する。幾つかの実施形態の非同期D-LDOは、負荷がステップ・アップする又はアンロードする場合に、電圧ドループ制限を許容にする。幾つかの実施形態では、非同期D-LDOは、クランプ(例えば、すべてのパワー・スイッチをオンにする)及び非クランプ(例えば、すべてのパワー・スイッチをオフにする)動作を決定するために、2つの(例えば、高及び低の)基準電圧閾値を使用する。幾つかの実施形態では、出力電圧(例えば、負荷に供給される電圧)が低い基準電圧よりも低くなると、クランプ動作が行われる。幾つかの実施形態では、出力電圧が高い基準電圧よりも高くなると、非クランプ機能が実行される。幾つかの実施形態では、出力電圧が低い基準電圧と高い基準電圧との間にある場合に、シフトされたレジスタ値が、パワー・デバイス(例えば、p型デバイス、n型デバイス、又はそれらの組み合わせ)の強さを決定する。幾つかの実施形態では、シフトされたレジスタ値は、クランプ信号及び非クランプ信号によって決定される。例えば、シフト・レジスタ値は、クランプ信号のアサーションとともに増加し、非クランプ信号のアサーションとともに値を減らす。
【0021】
従来の同期又は非同期D-LDO設計では、シフト・レジスタは、調整中に唯1つのパワー・スイッチが、ターン・オン又はオフにされることを許容する。この場合、ループの速度が、最大電圧ドループを決定する。幾つかの実施形態では、クランプ動作は、全てのパワー・スイッチをターン・オンにする一方、非クランプ動作は、全てのパワー・スイッチをターン・オフにすることを、負荷ステップが変化した場合に行う。この例では、大きなステップのロード/アンロード変化において、パワー・デバイスが速やかにターン・オン/オフにされ、それにより最大電圧ドループ又は電圧オーバーシュートが低減又は最小化されることが可能になる。幾つかの実施形態では、D-LDOは、クロック・レス設計であり、従って、従来の同期D-LDOよりも電力消費を更に低減することを可能にする。他の技術的効果は、様々な図面及び実施形態から明らかになるであろう。
【0022】
以下の説明では、本開示の実施形態のより十分な説明を提供するために、多数の詳細が論じられる。しかしながら、本開示の実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施されてもよいことは、当業者にとって明らかであろう。他の例では、本開示の実施形態を曖昧にしてしまうことを回避するために、周知の構造及びデバイスは、詳細にではなくブロック図の形態で示される。
【0023】
実施形態の対応する図面において、信号は線(ライン)で表されることに留意されたい。幾つかのラインは、より多くの構成要素の信号経路を示すためにより太くされているかもしれず、及び/又は主要な情報の流れる方向を示すために1つ以上の端部に矢印を有するかもしれない。このような図示は、限定であるようには意図されていない。むしろ、ラインは、回路又は論理ユニットの理解を容易にするために、1つ又は複数の例示的な実施形態に関連して使用される。設計の必要性又は好みによって規定される任意の表現される信号は、実際には、何れかの方向に進行し得る1つ又は複数の信号を含んでもよく、任意の適切なタイプの信号方式で実装されてよい。
【0024】
明細書を通じて、及び特許請求の範囲において、「接続された」という用語は、如何なる中間デバイスも無しに接続された物体間の電気的、機械的、又は磁気的な接続のような直接的な接続を意味する。「結合された」という用語は、接続される物体間の直接的な電気的、機械的、又は磁気的な接続、或いは1つ又は複数の受動的又は能動的な中間デバイスを介する間接的接続などの直接的又は間接的な接続を意味する。「回路」又は「モジュール」という用語は、互いに協働して所望の機能を提供するように構成される1つ又は複数の受動的及び/又は能動的なコンポーネントを示し得る。「信号」という用語は、少なくとも1つの電流信号、電圧信号、磁気的な信号、又はデータ/クロック信号を示し得る。「ある」(“a”,“an”)、及び「その」(“the”)の意味は、複数の参照を含む。「~における」(in)の意味は、「~の中で」及び「~の上で」を含む。
【0025】
「実質的に」、「近い」、「近似的に」、「付近」、及び「約」という用語は、一般に、(具体的に指定されない限り)目標値の+/10%以内であることを指す。別段の指定がない限り、共通のオブジェクトを記述するための順序形容詞「第1」、「第2」、及び「第3」等の使用は、同様の対象の異なるインスタンスが参照されていることを単に示しているに過ぎず、そのように記述される対象が、時間的に、空間的に、ランキングで、又は任意の他の方法で、所与の順序になければならないことを暗示するようには意図されていない。
【0026】
本開示の目的のために、「A及び/又はB」及び「A又はB」という言い回しは、(A)、(B)又は(A及びB)を意味する。本開示の目的のために、「A、B、及び/又はC」という言い回しは、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B及びC)を意味する。
【0027】
実施形態の目的に関し、ここで説明される様々な回路及び論理ブロック内のトランジスタは、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ又はそれらの派生物であり、MOSトランジスタは、ドレイン、ソース、ゲート、及びバルク端子を含む。トランジスタ及び/又はMOSトランジスタの派生物はまた、Tri-Gate及びFinFETトランジスタ、TFET(Gate All Around Cylindrical Transistors、Tunneling FET)、スクエア・ワイヤー(Square Wire)、又は長方形リボン・トランジスタ(Rectangular Ribbon Transistors)、強誘電体FET(FeFET)、又はカーボン・ナノチューブ又はスピントロニック・デバイス等のトランジスタ機能を実装する他のデバイスを含む。MOSFETの対称的なソース及びドレイン端子、即ち同等の端子は、ここでは可換に使用される。一方、TFETデバイスは、非対称なソース端子及びドレイン端子を有する。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、例えば、BJT PNP/NPN、BiCMOS、CMOS、eFET等のバイポーラ接合トランジスタなどの他のトランジスタが使用されてもよいことを理解するであろう。「MN」という用語は、n型トランジスタ(例えば、NMOS、NPN BJT等)を示し、「MP」という用語は、p型トランジスタ(例えば、PMOS、PNP BJT等)を示す。
【0028】
図1は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラーLDO100のハイ・レベル・アーキテクチャを示す。幾つかの実施形態では、モジュラーLDO100は、D-LDO101、アナログLDO102、制御論理又は回路103、PSSRプログラム可能論理又は回路104、第1電力供給ノード105(例えば、非ゲート電力供給ノード)、第2電力供給ノード106(例えば、ゲート電力供給ノード)、D-LDO制御信号線107、制御論理又は回路の制御信号線108、基準電圧109、アナログLDOの制御信号線110、基準電圧111、負荷キャパシタ112(モジュラーLDOの範囲内又は範囲外に存在し得る)、及び負荷113(例えば、処理コア、ロジック、又は任意の電力ドメイン)を有する。
【0029】
幾つかの実施形態では、D-LDO101は、第1電力供給ノード105と第2電力供給ノード106との間に結合されたp型パワー・トランジスタを有する。幾つかの実施形態では、これらのp型パワー・トランジスタは、ディジタル・コントローラによってディジタルに制御され、ディジタル・コントローラは、第2供給ノード106における電圧(又はその電圧の派生)を1つ又は複数の基準電圧109と比較し、相応にパワー・トランジスタ(例えば、p型トランジスタ、n型トランジスタ、又はそれらの組合せ)をターン・オン又はオフにする。ここで、「ディジタル(に)制御される」という用語は、一般に、デバイスを完全にターン・オフ又はオンにするために、論理ハイ(例えば、信号を搬送するラインが供給レベルまでチャージされる)又は論理ロー(例えば、信号を搬送するライン又はノードがグランド・レベルまでディスチャージされる)の何れかである信号によって、デバイスを制御することを指す。幾つかの実施形態では、D-LDO101は、第2供給ノード106における電圧(又はその電圧の派生)を1つ又は複数の基準電圧109と比較する1つ又は複数の比較器を有する。幾つかの実施形態では、比較器の出力は、比較結果に従ってその出力をインクリメント又はデクリメントするシフト・レジスタにより受信される。
【0030】
幾つかの実施形態では、アナログLDO102は、第1供給ノード105と第2供給ノード106との間に結合され、且つアナログ信号によって制御可能な1つ以上のp型デバイスを含む。1つ以上のp型デバイスはまた、n型デバイス、又はp型デバイスとn型デバイスとの組み合わせによって置換されることも可能である。ここで、「アナログ信号」という用語は、一般に、非レール・ツー・レール信号を指す。例えば、アナログ信号は、ノード105における電力供給の電圧レベルとグランドとの間の電圧であってもよい。幾つかの実施形態では、アナログLDO102は、ノード106における電圧(又はその電圧の派生)を電圧基準111と比較する比較器又は増幅器を含む。このようにして、アナログLDO102のp型デバイスを流れる電流が調整され、ノード106における電圧を調整する。幾つかの実施形態では、アナログLDO102は常時オンである。ここで、「常時オン」デバイスという用語は、一般に、パワーアップされた電力供給レベルを使用して、アクティブであるか、又は通常状態で動作するデバイスを指す。
【0031】
幾つかの実施形態では、アナログLDO102は、複数のアナログLDOを含み、LDOのうちの少なくとも1つは常時オンであるが、他のLDOは、ライン110における制御信号によってターン・オン/オフ(例えば、イネーブル)にされ得る。ここで、ノード及び信号のためのラベルは、交換可能に使用され得る。例えば、110は、文脈に応じて、ノード110、又はノード若しくはライン110における信号を示すことができる。幾つかの実施形態では、ブロック102内の全てのアナログLDOは、制御信号110によってイネーブル又はディスエーブルされることが可能である。
【0032】
幾つかの実施形態では、負荷113がより高い又はより低いPSRRを要求する場合、D-LDO101のディジタル・パワー・スイッチは、必要に応じて、アナログLDO(例えば、ブロック102のLDO)で置き換えられ及び/又は補完され、所与のPSRR要件に対して最低電流を提供する。幾つかの実施形態では、ブロック102内の単一又は「N」個のアナログLDO(「N」は2以上の整数である)は、PSRRの必要性に基づいてイネーブルにされることが可能である。
【0033】
例えば、より高いPSRRに対して、ブロック102のより多くのアナログLDOが、D-LDO101と連動して動作するようにイネーブルにされることが可能である。幾つかの実施形態のアーキテクチャは、単一の単位アナログLDO設計によるモジュール性を提供するだけでなく、負荷電流を変化させる最適な電流消費のために、負荷による静止電流消費をスケーリングする。幾つかの実施形態のアーキテクチャは、ディジタル・コントローラ(例えば、D-LDO101及び/又は制御回路103の一部)を使用して、ブロック102の単位アナログLDOの数をプログラムし、所与のPSRR要件に対して最適な電流消費を与える。従って、様々な実施形態のLDOアーキテクチャは、同じ設計で低い静止電流LDO又は高いPSRR LDOの設計に容易に適合させるために、モジュラー・アーキテクチャでPSRRにプログラム可能性を提供する。幾つかの実施形態では、PSRRのプログラム可能性は、イネーブルにされるべきブロック102のアナログLDOの数を決定することが可能なロジック104によって提供される。
【0034】
図2は、本開示の幾つかの実施形態による図1のモジュラーLDOの概略図200を示す。任意の他の図の要素と同じ参照番号(又は名称)を有する図2の要素は、説明されたものと同様の任意の方法で動作又は機能することが可能であるが、そのように限定されないことを指摘しておく。
【0035】
幾つかの実施形態では、D-LDO101は、比較器201a及び201bと、シフト・レジスタ201eと、パワー・デバイス201g1-Nとを有し、ここで「N」は整数である。比較器201a及び201bを実施するために、任意の適切な比較器の設計が使用され得る。幾つかの実施形態では、電圧基準109は、比較器201a及び201bの非反転端子にそれぞれ供給される2つの基準電圧109a及び109bを表す。例えば、基準電圧109aはVref+offsetである一方、基準電圧109bはVref-offsetであり、ここで「offset」はプログラム可能である又は所定の電圧レベル(例えば、35mV)であるとすることができる。幾つかの実施形態では、シフト・レジスタ201eは、それぞれ出力201c及び201dに従って、ノード201f/108におけるその出力値をデクリメント又はインクリメントすることができる。例えば、ノード201cにおける出力がハイである一方、ノード201における出力がローである場合、シフト・レジスタ201eはノード201f/108における出力値を1だけデクリメントする。幾つかの実施形態では、この値は、Nビット値であり、パワー・デバイス201g1-Nをターン・オン/オフするために使用される。幾つかの実施形態では、出力コード201f/108の1つ又は複数のビットが、1つ又は複数のアナログLDO102をイネーブルにするために使用されることが可能である。
【0036】
実施形態は、パワー・デバイス当たり1つのp型トランジスタMPdを示すが、任意の数のトランジスタが、パワー・デバイス毎に詰め込まれることが可能である。例えば、トランジスタは、各パワー・デバイスにおいて並列に一緒に結合され得る。幾つかの実施形態では、各パワー・デバイス内のトランジスタは、スタック又はカスコード接続される。例えば、ノード105における電力供給が、プロセス・ノードの許容供給範囲よりも高い場合、パワー・デバイス内のトランジスタを保護するために、ノード105と106との間にトランジスタがスタックされることが可能である。様々な実施形態は、パワー・デバイス用のp型トランジスタに限定されない。例えば、幾つかの実施形態では、パワー・デバイスは、n型デバイス、p型デバイス、又はそれらの組み合わせを含む。
【0037】
幾つかの実施形態では、出力コード201f/108は、PSSR論理104からの制御信号205a/bに従って、ロジック103によってマスクされる。例えば、より高いPSSRが望まれる場合、PSSRロジック104は、選択ライン205bが1つ以上のアナログLDOをイネーブルにすることを引き起こすことができる。幾つかの実施形態では、アナログLDOブロック102は、1つ又は複数のアナログLDO2021-Nを含み、ここで「N」は整数である(D-LDO101のp型電力デバイスの数「N」と同じであってもよいし相違していてもよい)。幾つかの実施形態では、アナログLDO202は、ノード105及び106に結合されたトランジスタと、比較器又はオペアンプ2021aとを含む。幾つかの実施形態では、比較器又はオペアンプ2021aは、ノード106における電圧(又はその派生)が基準電圧111と同じになるように、トランジスタMPaの駆動強度を調整する。
【0038】
幾つかの実施形態では、制御ロジック103は、入力201f/108(例えば、シフト・レジスタ201eの出力)と、所定の又はプログラム可能な入力203d及び203cとをそれぞれ受け取るマルチプレクサ203a及び203bを含む。幾つかの実施形態では、マルチプレクサ203a及び203bはそれぞれ選択信号205b及び205aによって制御可能である。幾つかの実施形態によれば、選択信号205b及び205aの論理値は、所望のPSSRに従ってロジック104によって決定される。幾つかの実施形態では、PSSRを増大させるために、幾つかの(又は全ての)パワー・デバイス201g1-Nがターン・オフにされ、より多くのアナログLDOがマルチプレクサ203b及び202aによってそれぞれターン・オンにされることができる。幾つかの実施形態では、マルチプレクサ203bの出力203e(107と同じ)は、パワー・デバイス201g1-Nを制御するために使用される。幾つかの実施形態では、マルチプレクサ203aの出力203f(110と同じ)は、アナログLDO2021-Nを制御する(例えば、イネーブル又はディスエーブルにする)ために使用される。
【0039】
図3は、本開示の幾つかの実施形態による図1のモジュラーLDOの概略図300を示す。任意の他の図の要素と同じ参照番号(又は名称)を有する図3の要素は、説明されたものと同様の任意の方法で動作又は機能することが可能であるが、そのように限定されないことを指摘しておく。
【0040】
幾つかの実施形態では、D-LDO101は、制御ロジック103によって提供されるクランプ及び/又は非クランプ機能を組み込む。ここで、「クランプ」又は「非クランプ」という用語は、一般に、フィードバック・ループがオーバーライド又は無効化される機能を指す。例えば、出力供給ノードにおける出力電圧が閾値レベルの外(例えば、上又は下)にある場合、クランプ又は非クランプの状況が生じ、その状況でLDOのパワー・トランジスタは、LDOのフィードバック・ループの動きによらず、ターン・オン又はオフに強制されることが可能である。幾つかの実施形態では、制御ロジック103は、NORゲート303a及び303bと、インバータ303cとを含む。幾つかの実施形態では、シフト・レジスタ201eの出力201f/108は、インバータ303cによって反転される。幾つかの実施形態では、インバータ303cの出力は、NORゲート303aへの入力として提供され、NORゲート303aはまた比較器201aの出力201cも入力として受け取る。ここで、出力201cの論理レベルは、非クランプ動作(例えば、非クランプ動作がイネーブルにされるか又はディスエーブルにされるか)を示す。幾つかの実施形態では、NORゲート303aの出力は、NORゲート303bへの入力として提供され、NORゲート303bはまた比較器201bの出力201dも入力として受け取る。ここで、出力201dの論理レベルは、クランプ動作(例えば、クランプ動作がイネーブルにされるか又はディスエーブルにされるか)を示す。幾つかの実施形態では、NORゲート303bの出力は、パワー・ゲート・デバイス201g1-Nを制御するために使用される。幾つかの実施形態では、シフト・レジスタ201eの出力201f/108はまた、アナログLDO2021-Nをイネーブル又はディスエーブルにするためにも使用される。幾つかの実施形態では、アナログLDO2021-Nのうちの少なくとも1つのアナログLDOは、常時オンである。一実施形態では、ブロック102に関連する「N」が5である場合に、アナログLDO202が常時オンである一方、4つのアナログLDO2022-5 がイネーブル又はディスエーブルにされるように動作可能である。
【0041】
幾つかの実施形態では、負荷113への電流の大部分は、D-LDO101によって供給され、その残りは、アナログLDOブロック102によって供給される。幾つかの実施形態では、負荷ステップ変動中に、D-LDO101は、特定の許容範囲内になるように、ノード106における出力電圧をクランプするために、全てのパワー・デバイス201g1-N をターンON/FFにすることが可能なクランプ/非クランプ動作を組み込み、その間シフト・レジスタ値201f/108はインクリメント/デクリメントされてパワー・デバイス201g1-Nの数を正しい量にする。幾つかの実施形態によれば、(例えば、パワー・デバイス201g1-N がクランプ又はディスエーブルされるので)パワー・デバイス201g1-N によって提供されない任意の残りの負荷電流は、アナログLDO102によって提供される。従って、アナログLDO102は最終的にはターゲット基準電圧111に対して出力電圧を調整し、D-LDO101の固有のトグル動作を排除する。従って、前述の他の全ての利点に加えて、様々な実施形態はまた、アナログLDO102を並列に追加することによって、パワー・スイッチのゲートを充電及び放電することによって生じるD-LDO101内のスイッチング電流も低減する。
【0042】
幾つかの実施形態では、シフト・レジスタ201eは、ノード106における出力電圧(Vout)がそれぞれ高い基準電圧109aと低い基準電圧109bとの間にある場合に、パワー・スイッチ201g1-N を制御する。Voutが低い基準電圧を下回ると、クランプ信号201dは全てのパワー・スイッチ201g1-N をターン・オンにし、シフト・レジスタ201eのカウントを1だけ増加させる。そして、Voutが高い基準電圧を上回ると、非クランプ信号201cが、全てのパワー・スイッチ201g1-N をターン・オフにし、シフト・レジスタ201eのカウントを1だけ減少させる。
【0043】
図4は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラーLDO300の動作を示すプロット400を示す。任意の他の図の要素と同じ参照番号(又は名称)を有する図4の要素は、説明されたものと同様の任意の方法で動作又は機能することが可能であるが、そのように限定されないことを指摘しておく。
【0044】
ここで、x軸は時間であり、y軸は波形109a、109b、201c、201dの電圧である。201f/108のところの数字は、シフト・レジスタ出力値を時間経過とともに示す。MPdのところの数字は、D-LDO101においてターンオンされるp型パワー・デバイスの数を示す。プロット400は、単一の常時オン・アナログLDOを有するモジュラーLDO300のタイミング図を示す。この例では、それぞれの単位ディジタル・パワー・スイッチ201g1-N は1mAを供給することができ、アナログLDO単位モジュール102(例えば、202)もまた1mAを供給することができる。タイミング図は、要求される負荷電流が4.5mAであり、従って、アナログLDOとディジタルLDOとの組み合わせを必要とする状況を示す。
【0045】
この構成において、アイデアは、D-LDO101によって電流の大部分を提供し、その残りをアナログLDO201によって提供することである。負荷ステップ変更中、D-LDO101はまた、出力電圧をある許容範囲内にクランプするために、全てのp型パワー・デバイスをターン・オン/オフにすることが可能なクランプ/非クランプ動作を組み込む。ここで、許容範囲は109a及び109b(例えば、+/35mV)の間である。時間Δtは、D-LDO101の比較器の伝播遅延を示す。Vout(例えば、ノード106における電圧)がVref109bを下回ると、ノード201cにおいて信号がアサートされ、p型デバイス201g1-N がターン・オン(例えば、クランプ)される必要があることを示す。従って、ノード106における電圧は上昇し始める。ノード106における電圧がVref109aを超えて上昇すると、ノード201dにおいて信号がアサートされ、p型デバイス201g1-N がターン・オフ(例えば、非クランプ)される必要があることを示す。
【0046】
幾つかの実施形態では、ディジタル・マシン(例えば、有限状態マシン又は何らかの好適な制御装置)は、ノード206における出力が安定し、電圧許容範囲内に留まるように、アナログLDO201をターン・オンする。この例では、クランプ/非クランプ動作中に、シフト・レジスタ201eの値201f/108は、p型パワー・デバイスの数を正しい量(この場合は4)にするために、インクリメント/デクリメントされる。この実施形態では、必要とされる負荷電流は4.5mAであるので、残りの0.5mAは、アナログLDO 201によって提供され、最終的に、出力電圧をターゲット基準電圧に調整し、ディジタルLDO固有のトグル動作を排除する。
【0047】
図5は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラーLDOのステップ・ロード及びアンロード挙動を示すプロット500を示す。任意の他の図の要素と同じ参照番号(又は名称)を有する図5の要素は、説明されたものと同様の任意の方法で動作又は機能することが可能であるが、そのように限定されないことを指摘しておく。ここで、x軸は時間であり、y軸は負荷電流(すなわち、Iload)を表すサブ・プロット501の電流であり、y軸は様々なLDO構成に対するノード106における電圧を表すサブ・プロット502の電圧であり(すなわち、Vout)、サブ・プロット503のy軸は、ターン・オンにされたD-LDO101のp型デバイスの数(すなわち、#MPOS_ON)であり、サブ・プロット504のy軸は、イネーブルにされたアナログLDO102の数(すなわち、ALDO_ON)である。
【0048】
プロット500は、1、2、3、4個のアナログLDO使用ケースに対するステップ・ロード及びアンロード・シミュレーションを示す。この例では、1つのアナログLDOがデフォルトで常時オンである。負荷電流が1mAから10mAへ変化した後のVoutにおけるトグル又はリップルは、D-LDO動作に起因する。互いに重なり合う種々の波形は、異なる個数のアナログLDOがターン・オンされるためである。これらの重畳波形をもたらす様々な構成は:
a)2個のアナログLDO-アナログLDOが6個のALDO_ON信号毎にターン・オンにされる、
b)3個のアナログLDO-アナログLDOが4個のALDO_ON信号毎にターン・オンにされる、及び
c)4個のアナログLDO-アナログLDOが3個のALDO_ON信号毎にターン・オンにされる、である。
【0049】
図6は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラーLDO200の電源電圧変動除去比(PSRR)を示すプロット600を示す。ここで、x軸は周波数であり、y軸はPSRR(dB)である。より多くのアナログLDOがイネーブルにされるにつれて、PSRRは減少する。
【0050】
表1は、図1のモジュラーLDOアーキテクチャと従来のアナログLDOとの比較を示す。アナログLDOとのISO比較のために、以下の仮定がなされる:10mAである最大負荷電流、200pFである出力キャパシタンス、及び150mVである最大電圧ドループ。
【表1】
【0051】
表1は、同じ条件の下でアナログLDOと比較して電流を4倍減らすことができる、単一の常時オン・アナログLDOを有する種々の実施形態のモジュラーLDOアーキテクチャを示し、なぜなら、1)種々の実施形態は非同期の低いパワー・ディジタルLDOを使用し、そして2)p型デバイス・スイッチング電流はアナログLDO102を加えることによって除去されるからである。
【0052】
図7は、本開示の幾つかの実施形態によるクランプ機能及び非クランプ機能を有する非同期LDO回路700の概略図を示す。任意の他の図の要素と同じ参照番号(又は名称)を有する図7の要素は、説明されたものと同様の任意の方法で動作又は機能することが可能であるが、そのように限定されないことを指摘しておく。図7は、アナログLDOブロック102の除去を除いて、図3と同様である。様々な実施形態において、p型パワー・デバイス201g1-Nの制御は非同期である(例えば、クロック遷移とは無関係である)。
【0053】
幾つかの実施形態では、非同期D-LDO700は、大きな負荷ステップ変動によって引き起こされる大きな電圧ドループを回避する。幾つかの実施形態の非同期D-LDO700は、負荷がステップ・アップ又はアンロードする場合に電圧ドループ制限を許容する。幾つかの実施形態では、非同期D-LDO700は、クランプ(例えば、全てのパワー・スイッチをターン・オンする)及び非クランプ(例えば、全てのパワー・スイッチをターン・オフする)動作を決定するために、2つの(例えば、高及び低の)基準電圧閾値109a及び109bをそれぞれ使用する。幾つかの実施形態では、ノード106における出力電圧(例えば、負荷に供給される電圧)が、低い基準電圧109bより低くなると、クランプ動作が行われる。幾つかの実施形態では、出力電圧が高い基準電圧109aよりも高くなると、非クランプ機能が実行される。幾つかの実施形態では、出力電圧が低い基準電圧と高い基準電圧との間にある場合に、シフト・レジスタ値201fは、p型パワー・デバイス201g1-Nの強さを決定する。幾つかの実施形態では、シフト・レジスタ値は、クランプ信号201c及び非クランプ信号201dによってそれぞれ決定される。例えば、シフト・レジスタ値201fは、クランプ信号201cのアサーションにより増加し、非クランプ信号201dのアサーションにより値を減少させる。
【0054】
従来の同期又は非同期D-LDO設計では、シフト・レジスタは、調整中に唯1つのパワー・スイッチがターン・オン又はオフにされることを許容している。この場合、ループの速度が最大電圧ドループを決定する。幾つかの実施形態では、クランプ動作は、全てのパワー・スイッチ201g1-Nをターン・オンにする一方、非クランプ動作は、全ての電力スイッチ201g1-Nをターン・オフにすることを、ロード・ステップ変化の際に行う。一実施形態では、大きなステップ・ロード/アンロード変化において、p型パワー・デバイス201g1-Nは直ちにターン・オン/オフにされ、その結果、最大電圧ドループ又は電圧オーバーシュートが低減又は最小化されることが可能である。幾つかの実施形態では、D-LDO700は、クロック・レス設計であり、従って、従来の同期D-LDOよりも電力消費を更に低減することを可能にする。
【0055】
図8A-Bは、本開示の幾つかの実施形態による非同期LDO回路のクランプ動作及び非クランプ動作をそれぞれ示すプロット800及び820を示す。プロット800は、5つのサブ・プロット801、802、803、804、及び805を示す。サブ・プロット801は、例えば0.5mAから4.5mAへステップ・アップする負荷電流を示す。サブ・プロット802はノード106における電圧を示す。サブ・プロット803はクランプ信号201dを示す。サブ・プロット804は非クランプ信号201cを示す。サブ・プロット805は、ターン・オンされるp型パワー・デバイス201g1-Nの数を示す。グラフ800は、D-LDO700が、ステップ・ロード変化の場合にp型パワー・スイッチ201g1-Nをクランプすることによって、ノード106における最大電圧ドループを最小化又は低減し、最終的に落ち着くことを示す。
【0056】
プロット820は、5つのサブ・プロット-821、822、823、824、及び825を示す。サブ・プロット821は、例えば4.5mAから0.5mAへステップ・ダウンする負荷電流を示す。サブ・プロット822はノード106における電圧を示す。サブ・プロット823はクランプ信号201dを示す。サブ・プロット824は非クランプ信号201cを示す。サブ・プロット825は、ターン・オンされるp型パワー・デバイス201g1-Nの数を示す。この実施形態では、D-LDO700は、ステップ・アンロード変化の場合に全てのp型パワー・スイッチ201g1-Nを非クランプすることによって、ノード106における電圧オーバーシュートを最小化し、最終的に落ち着いている。
【0057】
図9は、本開示の幾つかの実施形態によるモジュラー・クランプ及び非クランプ機能を有する非同期LDO900の概略図を示す。任意の他の図の要素と同じ参照番号(又は名称)を有する図9の要素は、説明されたものと同様の任意の方法で動作又は機能することが可能であるが、そのように限定されないことを指摘しておく。非同期LDO回路900は、幾つかの実施形態により、供給電圧変化を処理することが可能である。供給電圧変動の間に、最大負荷電流の必要性を満たすために、p型パワー・スイッチ201g1-Nの強さを調節することが必要とされ得る。
【0058】
図7と比較してここでの制御論理103は、幾つかの実施形態に従って、p型パワー・スイッチ201g1-Nに関する「N」個の論理回路9031-Nに分割される。例えば、論理回路903はp型パワー・スイッチ201g1を駆動し、論理回路903はp型パワー・スイッチ201g2を駆動する等々。幾つかの実施形態では、それぞれの論理回路(例えば、903)は、図示のように互いに結合されたANDゲート903a、NORゲート303a、ORゲート903b、及びNANDゲート903cを含む。幾つかの実施形態では、NORゲート303aもまた、非クランプ信号201cによって制御される。幾つかの実施形態では、ORゲート903bもまたクランプ信号201dによって制御される。幾つかの実施形態では、シフト・レジスタ201eは、全部で「N」個の論理ユニット9031-N を制御し、各ユニットは、「M」個のp型スイッチ(例えば、各パワー・スイッチ201g1のうちのM個のp型スイッチ)を制御する。各論理ユニットは、p型スイッチの強さを制御する制御ビット(例えば、On-en<M-1:0>903d及びClamp_en<M-1:0>903e)を受信する。
【0059】
図10は、本開示の幾つかの実施形態による非同期LDO900の動作を示すプロット1000を示す。プロット1000は4つのサブ・プロット1001、1002、1003、1004を示す。サブ・プロット1001は、ノード105における入力供給電圧の電圧傾斜である。サブ・プロット1002は、負荷113を流れる負荷電流である。サブ・プロット1003は、p型パワー・デバイス(例えば、201)の強さの調整を示す。サブ・プロット1004は、ノード106における電圧を示す。この例では、サブ・プロット1001によって示されるように、供給電圧が上昇するにつれて、単位p型スイッチ(例えば、スイッチ201)の強さが、より強くなり、一連の非クランプ動作及びクランプ動作をトリガする。単位p型スイッチ(例えば、スイッチ201)の強さを0.9μsで調整した後、ピーク電圧は減少している。
【0060】
表2は、LDO900の性能を従来のアナログLDOと比較している。アナログLDOとのISO比較のために、以下の仮定がなされる:最大負荷電流は10mAであり、出力キャパシタンスは200pFであり、最大電圧ドループは150mVである。
【表2】
【0061】
表2は、LDO900が、同じ条件の下でアナログLDOと比較して、電流を2倍減少させることができることを示している。
【0062】
図11は、幾つかの実施形態によるモジュール式及び/又は非同期式のLDO回路を有するスマート・デバイス又はコンピュータ・システム又はSoC(システム・オン・チップ)を示す。任意の他の図の要素と同じ参照番号(又は名称)を有する図11の要素は、説明されたものと同様の任意の方法で動作又は機能することが可能であるが、そのように限定されないことを指摘しておく。
【0063】
図11は、平坦な表面インターフェース・コネクタが使用されることが可能なモバイル・デバイスの実施形態のブロック図を示す。幾つかの実施形態では、コンピューティング・デバイス1600は、コンピューティング・タブレット、携帯電話又はスマートフォン、ワイヤレス対応eリーダ、又は他のワイヤレス・モバイル・デバイス等のモバイル・コンピューティング・デバイスを表す。特定のコンポーネントが一般的に示されており、そのようなデバイスの全てのコンポーネントがコンピューティング・デバイス1600に示されているわけではないことが理解されよう。
【0064】
幾つかの実施形態では、コンピューティング・デバイス1600は、説明される幾つかの実施形態によれば、モジュラー式及び/又は非同期式のLDO回路を有する第1のプロセッサ1610を含む。幾つかの実施形態によれば、コンピューティング・デバイス1600の他のブロックが、モジュラー式及び/又は非同期式のLDO回路を含むこともできる。本開示の様々な実施形態はまた、システムの実施形態が無線デバイス、例えば、セルラー電話又はパーソナル・ディジタル・アシスタント等に組み込まれ得るように、無線インターフェース等のネットワークインターフェースを1670の中に含んでもよい。
【0065】
幾つかの実施形態では、プロセッサ1610は、マイクロプロセッサ、アプリケーション・プロセッサ、マイクロ・コントローラ、プログラマブル論理デバイス、又は他の処理手段などの1つ又は複数の物理デバイスを含むことができる。プロセッサ1610によって実行される処理動作は、アプリケーション及び/又はデバイス機能が実行されるオペレーティング・プラットフォーム又はオペレーティング・システムの実行を含む。処理動作は、人間のユーザー又は他のデバイスとのI/O(入力/出力)に関連する動作、電力管理に関連する動作、及び/又はコンピューティング・デバイス1600を別のデバイスに接続することに関連する動作を含む。処理動作はまた、オーディオI/O及び/又はディスプレイI/Oに関連する動作を含んでもよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、コンピューティング・デバイス1600は、オーディオ機能をコンピューティング・デバイスに提供することに関連するハードウェア(例えば、オーディオ・ハードウェア及びオーディオ回路)及びソフトウェア(例えば、ドライバ、コーデック)コンポーネントを表すオーディオ・サブシステム1620を含む。オーディオ機能は、スピーカ及び/又はヘッドホン出力、並びにマイクロフォン入力を含むことができる。そのような機能のためのデバイスは、コンピューティング・デバイス1600に統合され得る、又はコンピューティング・デバイス1600に接続され得る。一実施形態では、ユーザーは、プロセッサ1610によって受信及び処理されるオーディオ・コマンドを提供することによって、コンピューティング・デバイス1600と相互作用する。
【0067】
幾つかの実施形態では、コンピューティング・デバイス1600は、ディスプレイ・サブシステム1630を含む。ディスプレイ・サブシステム1630は、コンピューティング・デバイス1600と相互作用するために視覚的及び/又は触覚的なディスプレイをユーザーに提供するハードウェア(例えば、ディスプレイ・デバイス)及びソフトウェア(例えば、ドライバ)コンポーネントを表す。ディスプレイ・サブシステム1630は、ユーザーに表示を提供するために使用される特定のスクリーン又はハードウェア・デバイスを含むディスプレイ・インターフェース1632を含む。一実施形態では、ディスプレイ・インターフェース1632は、表示に関連する少なくとも幾つかの処理を実行するために、プロセッサ1610とは別個のロジックを含む。一実施形態では、ディスプレイ・サブシステム1630は、ユーザーに出力及び入力の両方を提供するタッチ・スクリーン(又はタッチ・パッド)デバイスを含む。
【0068】
幾つかの実施形態では、コンピューティング・デバイス1600は、I/Oコントローラ1640を含む。I/Oコントローラ1640は、ユーザーとの相互作用に関連するハードウェア・デバイス及びソフトウェア・コンポーネントを表す。I/Oコントローラ1640は、オーディオ・サブシステム1620及び/又はディスプレイ・サブシステム1630の一部であるハードウェアを管理するように動作可能である。更に、I/Oコントローラ1640はコンピューティング・デバイス1600に接続する追加のデバイスのための接続ポイントを示し、そのデバイスを介してユーザーはシステムと相互作用することができる。例えば、コンピューティング・デバイス1600に取り付けられることが可能なデバイスは、マイクロフォン・デバイス、スピーカ又はステレオ・システム、ビデオ・システム又は他のディスプレイ・デバイス、キーボード又はキーパッド・デバイス、あるいは他のI/Oデバイス(カード・リーダ又は他のデバイス等の特定のアプリケーションと共に使用するためのもの)を含むことができる。
【0069】
上述したように、I/Oコントローラ1640は、オーディオ・サブシステム1620及び/又はディスプレイ・サブシステム1630と相互作用することが可能である。例えば、マイクロフォン又は他のオーディオ・デバイスを介した入力は、コンピューティング・デバイス1600の1つ又は複数のアプリケーション又は機能のための入力又はコマンドを提供することができる。更に、表示出力の代わりに、又は追加的に、オーディオ出力が提供されることが可能である。別の例では、ディスプレイ・サブシステム1630がタッチ・スクリーンを含む場合に、ディスプレイ・デバイスは、I/Oコントローラ1640によって少なくとも部分的に管理されることが可能な入力デバイスとしても動作する。I/Oコントローラ1640によって管理されるI/O機能を提供するために、コンピューティング・デバイス1600に追加のボタン又はスイッチもまた存在し得る。
【0070】
幾つかの実施形態では、I/Oコントローラ1640は、加速度計、カメラ、光センサ、又は他の環境センサ、あるいはコンピューティング・デバイス1600に包含され得る他のハードウェア等のデバイスを管理する。入力は、直接的なユーザー相互作用の一部とし、(例えば、ノイズのフィルタリング、輝度検出のためのディスプレイの調整、カメラのフラッシュの適用、又は他の特徴などの)システムの動作に影響を及ぼすようにシステムに環境入力を提供することができる。
【0071】
幾つかの実施形態では、コンピューティング・デバイス1600は、バッテリ電力使用量、バッテリの充電、及び節電動作に関連する特徴を管理する電力管理部1650を含む。メモリ・サブシステム1660は、コンピューティング・デバイス1600に情報を保存するためのメモリ・デバイスを含む。メモリは、不揮発性(メモリ・デバイスへの電力が中断された場合に状態が変化しない)及び/又は揮発性(メモリ・デバイスへの電力が中断された場合に状態は不確定である)メモリ・デバイスを含むことができる。メモリ・サブシステム1660は、アプリケーション・データ、ユーザー・データ、音楽、写真、文書、又は他のデータ、並びにコンピューティング・デバイス1600のアプリケーション及び機能の実行に関連するシステム・データ(長期的又は一時的なもの)を格納することができる。
【0072】
実施形態の要素はまた、コンピュータ実行可能命令(例えば、ここで説明される任意の他のプロセスを実現するための命令)を保存するためのマシン読み取り可能な媒体(例えば、メモリ1660)として提供される。マシン読み取り可能な媒体(例えば、メモリ1660)は、フラッシュ・メモリ、光ディスク、CD-ROM、DVD ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード、相変化メモリ(PCM)、又は電子的な又はコンピュータ実行可能な命令を記憶するのに適した他のタイプのマシン読み取り可能な媒体を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、本開示の実施形態は、通信リンク(例えば、モデム又はネットワーク接続)を介してデータ信号によってリモート・コンピュータ(例えば、サーバー)から要求元コンピュータ(例えば、クライアント)へ転送され得るコンピュータ・プログラム(例えば、BIOS)としてダウンロードされてもよい。
【0073】
幾つかの実施形態では、コンピューティング・デバイス1600は、接続部1670を有する。接続部1670は、コンピューティング・デバイス1600が、外部デバイスと通信することを可能にするために、ハードウェア・デバイス(例えば、無線及び/又は有線コネクタ及び通信ハードウェア)及びソフトウェア・コンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコル・スタック)を含む。コンピューティング・デバイス1600は、他のコンピューティング・デバイス、ワイヤレス・アクセスポイント又は基地局などの別個のデバイス、並びにヘッドセット、プリンタ、又は他のデバイス等の周辺機器とすることができる。
【0074】
接続部1670は、複数の異なるタイプの接続を含むことができる。一般化するために、コンピューティング・デバイス1600は、セルラー接続1672及びワイヤレス接続1674とともに示されている。セルラー接続1672は、一般に、GSM(登録商標)(global system for mobile communications)又は変形もしくは派生、CDMA(code division multiple access)又は変形もしくは派生、TDM(time division multiplexing)又は変形もしくは派生、又は他のセルラー・サービス規格を介して提供されるような、無線キャリアにより提供されるセルラー・ネットワーク接続を指す。ワイヤレス接続(又はワイヤレス・インターフェース)1674は、セルラーではないワイヤレス接続を指し、パーソナル・エリア・ネットワーク(Bluetooth(登録商標)、Near Fieldなど)、ローカル・エリア・ネットワーク(Wi-Fiなど)、及び/又はワイド・エリア・ネットワーク(WiMaxなど)、又は他の無線通信を含むことができる。
【0075】
幾つかの実施形態では、コンピューティング・デバイス1600は、ペリフェラル接続部1680を含む。ペリフェラル接続部1680は、ハードウェア・インターフェース及びコネクタ、並びにペリフェラル接続を行うためのソフトウェア・コンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコル・スタック)を含む。コンピューティング・デバイス1600は、他のコンピューティング・デバイスに対するペリフェラル・デバイスであるとすること(「to」1682)、及びペリフェラル・デバイスをそこに接続すること(「from」1684)の双方であり得ることを理解されたい。コンピューティング・デバイス1600は、一般に、コンピューティング・デバイス1600におけるコンテンツを管理する(例えば、ダウンロード及び/又はアップロードする、変更する、同期させる)等の目的のために、他のコンピューティング・デバイスに接続するための「ドッキング」コネクタを有する。更に、ドッキング・コネクタは、コンピューティング・デバイス1600が、例えばオーディオビジュアルその他のシステムへのコンテンツ出力を制御することを可能にする特定のペリフェラルに接続することを、コンピューティング・デバイス1600に許容することができる。
【0076】
コンピューティング・デバイス1600は、専用のドッキング・コネクタ又は他の専用の接続ハードウェアに加えて、共通の又は標準のコネクタを介して周辺接続1680を為すことができる。共通のタイプは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)コネクタ(これは、多数の異なるハードウェア・インターフェースのうち任意のものを含むことができる)、MDP(MiniDisplayPort)を含むDisplayPort、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)、Firewire、又は他のタイプを含むことができる。
【0077】
「実施形態」、「一実施形態」、「幾つかの実施形態」、又は「他の実施形態」に関する明細書中での言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、必ずしも全ての実施形態にではなく、少なくとも幾つかの実施形態に含まれることを意味する。「実施形態」、「一実施形態」、又は「幾つかの実施形態」の様々な出現は、必ずしも全て同じ実施形態を参照しているわけではない。明細書が、コンポーネント、特徴、構造、又は特性が「~を含み得る」、「~を含むかもしれない」、又は「~を含むことができる」と述べている場合、その特定のコンポーネント、特徴、構造、又は特性は、包含されることを要しない。明細書又は請求項が「ある(“a”or“an”)」というエレメントに言及する場合、それは、1つのエレメントのみが存在することを意味しない。明細書又は特許請求の範囲が「追加の」エレメントを指す場合、それは、1つより多い追加のエレメントが存在することを排除しない。
【0078】
更に、特定の特徴、構造、機能、又は特性が、1つ又は複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。例えば、第1実施形態は、2つの実施形態に関連する特定の特徴、構造、機能、又は特性が相互に排他的でない場合はどこでも第2実施形態と組み合わせられてよい。
【0079】
本開示は、その特定の実施形態に関連して説明されてきたが、そのような実施形態の多くの代替、修正、及び変形が、前述の説明に照らして当業者に明らかであろう。本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲の広義の範囲内に属するように、そのような全ての代替、修正、及び変形を包含するように意図されている。
【0080】
更に、集積回路(IC)チップ及び他のコンポーネントへの周知の給電/接地接続は、例示及び議論の簡潔さのために、また開示を不明瞭にしないために、提示された図面内で示されたり示されなかったりするかもしれない。更に、配置はブロック図で示されるかもしれないが、それは開示を曖昧にすることを避けるためであり、また、そのようなブロック図構成の実施に関する詳細は、本開示が実施されるプラットフォームに大きく依存するという事実を考慮したためである(すなわち、そのような詳細は、十分に当業者の理解の範囲内にあるはずである)。本開示の例示的な実施形態を説明するために特定の詳細(例えば、回路)が説明される場合、本開示は、これらの特定の詳細を伴わずに、又はそれらの変形を伴って実施され得ることが、当業者には明らかであるはずである。従って本説明は限定するものでなく例証として解釈されるべきである。
【0081】
以下の具体例は、更なる実施形態に関する。具体例における事項は、1つ又は複数の実施形態のどこで使用されてよい。ここで説明される装置の全ての選択的な特徴は、方法又はプロセスに関して実施されてもよい。ここでの様々な実施形態は、任意の他の実施形態と組み合わせられることが可能であり、それによって様々な組み合わせを可能にする。
【0082】
具体例1は:第1コンパレータを含む第1フィードバック・ループによりディジタルに制御される第1デバイス群;及び増幅器を含む第2フィードバック・ループの一部であるアナログ回路により制御される第2デバイス群であって、第1デバイス群は第2デバイス群と並列に結合されている、第2デバイス群を含む装置である。
【0083】
具体例2は具体例1の全ての特徴を含み、第1及び第2デバイス群は第1電力供給ノード及び第2電力供給ノードに結合され、第2電力供給ノードは負荷に結合されている。
【0084】
具体例3は具体例1の全ての特徴を含み、第2デバイス群内の少なくとも1つのデバイスは常時オンである、又は入力電力供給はオンである。
【0085】
具体例4は具体例1の全ての特徴を含み、第1フィードバック・ループは第2コンパレータを含み、第1及び第2コンパレータは第1及び第2リファレンスを受信し、第1リファレンスは第2リファレンスと相違する。
【0086】
具体例5は具体例4の全ての特徴を含み、第1フィードバック・ループは、第1コンパレータの出力を受信する第1入力と、増幅器の出力を受信する第2入力とを有するシフト・レジスタを含む。
【0087】
具体例6は具体例5の全ての特徴を含み、シフト・レジスタの出力は、第1デバイス群を制御するために使用される。
【0088】
具体例7は具体例6の全ての特徴を含み、シフト・レジスタの出力は、少なくとも2ビットを有するバスである。
【0089】
具体例8は具体例6の全ての特徴を含み、シフト・レジスタの出力は、第1コンパレータ及び/又は増幅器の出力によりマスクされる。
【0090】
具体例9は具体例6の全ての特徴を含み、具体例6の装置が、シフト・レジスタの前記出力と所定の第1信号とを受信する第1マルチプレクサ群を有し、第1マルチプレクサ群の出力は、第1デバイス群をディジタルに制御する。
【0091】
具体例10は具体例9の全ての特徴を含み、具体例10の装置は、シフト・レジスタの出力と所定の第2信号とを受信する第2マルチプレクサ群を有し、第2マルチプレクサ群の出力は、第2デバイス群の少なくとも1つのデバイスをターン・オン又はオフにする。
【0092】
具体例11は具体例10の全ての特徴を含み、第1及び第2マルチプレクサ群は、プログラム可能な制御により制御される。
【0093】
具体例12は具体例1の全ての特徴を含み、増幅器は電力供給レベルとグランド・レベルとの間にある出力を生成し、出力は第2デバイス群を制御する。
【0094】
具体例13は具体例1の全ての特徴を含み、第1及び第2デバイス群は、p型トランジスタ、n型トランジスタ、又はそれらの組み合わせを有する。
【0095】
具体例14は:入力電力供給ノードと出力電力供給ノードとに結合されるディジタル低ドロップアウト(LDO);及びディジタルLDOに並列に結合される一群のアナログLDOであって、一群のうち少なくとも1つのLDOは常時オンである、一群のアナログLDOを有する装置である。
【0096】
具体例15は具体例14の全ての特徴を含み、具体例15の装置は、ディジタルLDOと一群のアナログLDOとを制御するディジタル・コントローラを有する。
【0097】
具体例16は具体例14の全ての特徴を含み、具体例14の装置は、所望の電源電圧変動除去比(PSRR)に従ってディジタル・コントローラの出力をマスクするロジックを有する。
【0098】
具体例17は具体例14の全ての特徴を含み、一群のアナログLDOは非レール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含み、ディジタルLDOはレール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含む。
【0099】
具体例18は、メモリと、メモリに結合されるプロセッサとを有するシステムであって、プロセッサは、サプライ・ジェネレータにより給電されるプロセッサ・コアを含み、サプライ・ジェネレータは:第1コンパレータを含む第1フィードバック・ループによりディジタルに制御される第1デバイス群;及び増幅器を含む第2フィードバック・ループの一部であるアナログ回路により制御される第2デバイス群であって、第1デバイス群は第2デバイス群と並列に結合されている、第2デバイス群;及びプロセッサが他のデバイスと通信することを可能にするワイヤレス・インターフェースを有する。
【0100】
具体例19は具体例18の全ての特徴を含み、第1及び第2デバイス群は第1電力供給ノード及び第2電力供給ノードに結合され、第2電力供給ノードはプロセッサ・コアに結合される。
【0101】
具体例20は具体例18の全ての特徴を含み、第2デバイス群内の少なくとも1つのデバイスは常時オンである。
【0102】
具体例21は:入力電力供給ノードと出力電力供給ノードとに結合されるディジタル低ドロップアウト(LDO);及びディジタルLDOに並列に結合される一群のアナログLDOであって、ディジタルLDO及び一群のアナログLDOは、ターゲットの電源電圧変動除去比(PSRR)を得るように制御可能である、一群のアナログLDOを有する装置である。
【0103】
具体例22は具体例21の全ての特徴を含み、一群のアナログLDOは非レール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含み、ディジタルLDOはレール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含む。
【0104】
具体例23は具体例21の全ての特徴を含み、具体例23の装置は、出力電力供給ノードにおける出力が閾値の限界の外にある場合に、ディジタルLDOのフィードバック・ループを無効化する回路を有する。
【0105】
具体例24は具体例21の全ての特徴を含み、具体例23の装置は、出力電力供給ノードにおける出力が閾値より上又は下にある場合に、ディジタルLDOのフィードバック・ループを無効化する回路を有する。
【0106】
具体例25は:入力電力供給ノードと出力電力供給ノードとに結合されるディジタル低ドロップアウト(LDO)を制御するステップ;及びディジタルLDOに並列に結合される一群のアナログLDOを、ターゲットの電源電圧変動除去比(PSRR)を得るように制御するステップを有する方法である。
【0107】
具体例26は具体例25の全ての特徴を含み、一群のアナログLDOは非レール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含み、ディジタルLDOはレール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含む。
【0108】
具体例27は具体例25の全ての特徴を含み、具体例27の方法は、出力電力供給ノードにおける出力が閾値の限界の外にある場合に、ディジタルLDOのフィードバック・ループを無効化するステップを含む。
【0109】
具体例28は具体例25の全ての特徴を含み、具体例28の方法は、出力電力供給ノードにおける出力が閾値より上又は下にある場合に、ディジタルLDOのフィードバック・ループを無効化するステップを含む。
【0110】
具体例29は:入力電力供給ノードと出力電力供給ノードとに結合されるディジタル低ドロップアウト(LDO)を制御する手段;及びターゲットの電源電圧変動除去比(PSRR)を得るように、ディジタルLDOに並列に結合される一群のアナログLDOを制御する手段を含む装置である。
【0111】
具体例30は具体例29の全ての特徴を含み、一群のアナログLDOは非レール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含み、ディジタルLDOはレール・ツー・レール出力により制御されるp型デバイスを含む。
【0112】
具体例31は具体例29の全ての特徴を含み、具体例31の装置は、出力電力供給ノードにおける出力が閾値の限界の外にある場合に、ディジタルLDOのフィードバック・ループを無効化する手段を含む。
【0113】
具体例32は具体例29の全ての特徴を含み、具体例32の装置は、出力電力供給ノードにおける出力が閾値より上又は下にある場合に、ディジタルLDOのフィードバック・ループを無効化する手段を含む。
【0114】
具体例33は、メモリと、メモリに結合されるプロセッサとを含むシステムであり、プロセッサは、サプライ・ジェネレータにより給電されるプロセッサ・コアを含み、サプライ・ジェネレータは:具体例1-13、具体例14-17、具体例21-24又は具体例29-32のうち何れか1項に記載の装置;及びプロセッサが他のデバイスと通信することを可能にする無線インターフェースを含む。
【0115】
要約は技術的開示の性質及び要旨を読者が把握ることを可能にするように提供される。要約は、特許請求の範囲又は意味を限定するためには使用されないという理解の下に提出されている。以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項はそれ自体が別個の実施形態として成立する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11