(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】真空スイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 33/664 20060101AFI20220808BHJP
H01H 1/06 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
H01H33/664 C
H01H1/06 J
(21)【出願番号】P 2019550595
(86)(22)【出願日】2018-03-13
(86)【国際出願番号】 IB2018051650
(87)【国際公開番号】W WO2018167656
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-01-27
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507412955
【氏名又は名称】セシュロン ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ラマーラ ターレク
(72)【発明者】
【氏名】トリカーリコ クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー ビョルン
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106252151(CN,A)
【文献】特開2013-222528(JP,A)
【文献】特開昭53-055781(JP,A)
【文献】特開2005-353310(JP,A)
【文献】特開2004-281059(JP,A)
【文献】特開平09-104263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 1/06 - 1/66
H01H 33/60 - 33/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
適切な絶縁材料から作られた絶縁ケース(3、4)と、
前記絶縁ケース(3、4)の孔に各々が堅固に固定されてシールされた真空チャンバ(2)を形成する2つの導電キャップ(51、52)と、
前記シールされた真空チャンバ(2)の内側にある第1接点(101)及び第2接点(102)であって、前記第1及び第2接点(101、102)が接触していない開放位置と前記第1及び第2接点(101、102)が接触している閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である第1接点(101)及び第2接点(102)と、
を備えた真空スイッチ(1)であって、
前記第1及び第2接点(101、102)は、前記閉鎖位置にある時に前記第1及び第2接点(101、102)を通過する
短絡電流の場合に、前記閉鎖位置にとどまるように設計され
、
前記第1接点(101)は、孔(107)を有する平坦な接点表面(105)を備え且つ自由端にトランペット形の空洞部(103)を示し、前記孔(107)が前記空洞部(103)に連通しており、前記第2接点(102)は、ネック(104)と、フランジ(106)と、前記閉鎖位置にある前記第1接点(101)の接点表面(105)と接触するよう設計された平坦な接点表面(108)とを有する対応するトランペット形の自由端を示す、ことを特徴とする真空スイッチ(1)。
【請求項2】
適切な絶縁材料から作られた絶縁ケース(3、4)と、
前記絶縁ケース(3、4)の孔に各々が堅固に固定されてシールされた真空チャンバ(2)を形成する2つの導電キャップ(51、52)と、
前記シールされた真空チャンバ(2)の内側にある第1接点(101)及び第2接点(102)であって、前記第1及び第2接点(101、102)が接触していない開放位置と前記第1及び第2接点(101、102)が接触している閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である第1接点(101)及び第2接点(102)と、
を備えた真空スイッチ(1)であって、
前記第1及び第2接点(101、102)は、前記閉鎖位置にある時に前記第1及び第2接点(101、102)を通過する短絡電流の場合に、前記閉鎖位置にとどまるように設計され、
前記第1接点(101)は、その自由端における陥凹部(113)と、空洞部(103)を前記陥凹部(113)にリンクする孔(107)を備えた前記陥凹部(113)の下の前記空洞部(103)とを示し、
前記陥凹部(113)の内側壁部は、前記第1接点(101)の接点表面(105)であり、前記第2接点(102)は、前記第1接点(101)の前記自由端の前記陥凹部(113)に挿入されるよう設計された反転円錐(114)によって終端されるネック(104)を備えた矢印形自由端を有し、
前記反転円錐(114)の外側壁部は、前記閉鎖位置にある前記第1接点(101)の前記接点表面(105)と接触するように設計された、前記第2接点(102)の接点表面(108)である、ことを特徴とする真空スイッチ(1)。
【請求項3】
前記第1及び第2接点(101、102)は、前記閉鎖位置にある間に前記接点(101、102)を通過する
短絡電流の際に前記接点(101、102)間に発生して、前記接点(101、102)を互いから離れるように動かす傾向にある電磁反発力(F
b)が最小になるか又は相殺されるように設計される、ことを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項4】
前記第1及び第2接点(101、102)は、前記閉鎖位置にある間に前記接点(101、102)を通過する
短絡電流の際に前記接点(101、102)間に電磁誘引力(F
a)が生成されるように設計され、前記電磁誘引力(F
a)は、前記接点(101、102)を前記閉鎖位置に維持する傾向がある、ことを特徴とする
請求項1から3の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項5】
前記該空洞部が前記接点(101、102)の閉鎖時に圧壊するのを防止するために前記空洞部(103)の内側に弾性要素(109、111)が存在する、ことを特徴とする
請求項1から4の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項6】
前記第2接点(102)のネック(104)の周りに支持要素(110)が存在する、ことを特徴とする
請求項1から5の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項7】
閉鎖位置にある前記接点(101、102)間の接点表面は、前記第1及び第2接点(101、102)の各自由端に存在するリム(105´、108´)に制限される、ことを特徴とする
請求項1から6の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項8】
前記絶縁ケース(3、4)は、セラミック、ガラス-セラミック又はガラスから作られる、ことを特徴とする
請求項1から7の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項9】
前記絶縁ケース(3、4)が透明である、ことを特徴とする
請求項1から8の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項10】
前記第1及び第2接点(101、102)の両方又は一方は、銅、鉄又は他の任意の強磁性材料から作られる、ことを特徴とする
請求項1から9の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項11】
前記第1及び第2接点(101、102)の周りの前記シールされた真空チャンバ(2)の内側に位置付けられた主シールド(20)を更に備え、前記主シールド(20)は、前記第1及び第2接点(101、102)の位置が見えるような準透明メッシュとして設計される、ことを特徴とする
請求項1から10の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)の、鉄道用途の空気又は液体絶縁接地スイッチとして又は断路器としての使用。
【請求項13】
請求項1から11の何れか一項に記載の真空スイッチ(1)を備えた電気回路であって、前記第2接点(102)は、ループ状に配置された少なくとも2つのコンダクタ(61、62)を介して地面に接続され、前記コンダクタ(61、62)の長さ及び前記コンダクタ(61、62)間の距離は、前記真空スイッチ(1)の接点(101、102)の閉鎖位置において、二次誘引力(F
ca)が、前記真空スイッチ(1)及び前記コンダクタ(61、62)を通って流れる電流によって生成されて、前記コンダクタ(61、62)を互いから押し離す傾向があり、従って前記電気回路における短絡電流中、閉鎖位置にて前記第1及び第2接点(101、102)を維持する傾向がある、ように調整される、ことを特徴
とする、電気回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接地(アース)スイッチとして又は断路器として用いるよう設計された真空スイッチ、特に鉄道用途のための真空スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
電気接地(又はアース)は、コンデンサバンク、サーキットブレーカ、回路スイッチャーなどの一部の電気設備の検査、保守、修復、又は交換の場合に安全上の理由から必要とされる。接地スイッチ又はデバイスは、独立型デバイスとして利用可能であるか、又は断路器、サーキットブレーカ(遮断器)、及び他のスイッチングデバイスなどの他の電気デバイスと組み合わせることができる。接地デバイスは通常、手動ギアオペレータ又はフックスティックを介して、或いは電気機械アクチュエータ(コイル、電気モータなど)を介してオペレータによる手動によって動作される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
鉄道用途では、電気接地の標準的で最も簡単な解決策は、2つの移動アームを含む空気絶縁接地スイッチである。移動アームは、開放位置と、アームが地面に接続された対応する接地フィンガーに差し込まれる閉鎖位置との間を移動するよう設計される。通常は、このような空気絶縁接地スイッチは、電気接地の以下の要件を満足するよう設計される。
i.開放状態においてアームとフィンガーの間に十分なクリア距離を提供する;
ii.高速開放/閉鎖動作の必要なしでオフロード状態で閉鎖/開放を可能にする;
iii.閉鎖位置で何れかの高短絡(SC)電流に耐える;
iv.短絡電流発生時にスイッチを閉鎖位置に維持する。
【0004】
鉄道用途に対するこの種類の空気絶縁接地スイッチには2つの主な欠点があり、アームと接地フィンガーの間に必要な幾分大きなクリア距離(25kVAC鉄道車両に対して少なくとも200mm)に起因して、接地スイッチは多くのスペースをとる。これは特に、中電圧用途において問題となる。次に、野外における鉄道車両のルーフ(屋根)上にスイッチを位置付けることは、上記スイッチが過酷な環境条件(雪、氷、埃、すす、鳥)に晒されることを意味する。これは、閉鎖中にアームがそれぞれの接地フィンガーの内部に確実にとどまるのが妨げられる可能性があり、接地スイッチの安全な動作及び性能を著しく損なう恐れがある。
【0005】
別の選択肢は、密閉されシールされたハウジングにおける接地スイッチの絶縁のためにSF6などのガスを使用することである。しかし、このようなガス絶縁接地スイッチは、コストが高く複雑で壊れやすいデバイスである。ガス-圧力を常にモニタしなくてはならないので、これらのスイッチは、高い機械的応力及び過酷な環境条件に晒されることになる鉄道車両のルーフへの使用には必ずしも好適ではない。更に、SF6は、地球温暖化に関わる温室効果ガスであり、従って、この使用は避けるべきである。
【0006】
固体絶縁接地スイッチを備えた固体絶縁スイッチギア(開閉装置)は、環境にやさしい選択肢である。このようなスイッチギアは、一般に、SF6の代わりに絶縁材料としてエポキシ樹脂を用いている。これらはメンテナンスをあまり必要とせず、空気絶縁スイッチギアに比べてガス漏れの何れのリスクが排除されるので、全体的に安全である。しかしながら、このような固体絶縁スイッチギアは、依然として幾らか嵩高で、極めて重量があって扱いにくい。
【0007】
鉄道用途で高頻度に用いられる別の種類のスイッチは、断路器(絶縁スイッチ)である。断路器は、指定要件に従って接点の開放位置にて絶縁距離を提供する機械スイッチングデバイスである。断路器は、サーキットブレーカ及び接地スイッチのような他のスイッチングデバイスと連動することができるオフロードデバイスである。断路器は通常、遮断される電流がないか又は無視できるほどであるか、或いは断路器の各極の両端子間に電圧差が生じないか又は僅かであるときに回路を開閉することができる。また、断路器は、正常な回路状態の下では電流を伝導し、短絡のような異常状態の下では指示時間の間電流を伝導することができる。従って、断路器の通常の要件は、接地スイッチに対して上記に列挙した要件iからivと同じであり、並びに:
v.接点の閉鎖位置の永久負荷電流に耐えること、
vi.回路の保守中に開放位置に接点を維持すること、
である。
【0008】
接地スイッチと断路器の間の極めて類似した要件に関しては、上述の不都合さが断路器にも当てはまる。
【0009】
従って、本発明の目的は、上述の欠点の全てを回避した、接地スイッチとして又は断路器として用いることができるスイッチを提供することである。本発明は、野外又は密閉空間で使用するため、及び独立型デバイスとして又はスイッチギアもしくは回路の何れかの電気保護システムの一部として使用するため鉄道用途に好適な信頼できる小型で安価な電気接地又は断路の解決策を提供することを意図する。
【0010】
本発明の目的は、請求項1による真空スイッチ、請求項14による鉄道用途での使用、及び請求項15による該真空スイッチを含む電気回路である。
【0011】
本発明の他の利点及び特徴は、非限定的な実施例としてのみ与えられ且つ添付図面に表された本発明の特定の実施形態の以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】接点が開放位置にある本発明の第1の実施形態による真空スイッチを示す断面図である。
【
図3a】開放位置にある第1の実施形態の第1の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図3b】閉鎖位置の第1の実施形態の第1の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図3c】
図3bの閉鎖位置にある接点間の電流の流れ及び誘起される引力を示す図である。
【
図4a】開放位置にある第1の実施形態の第2の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図4b】閉鎖位置にある第1の実施形態の第2の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図4c】
図4bの閉鎖位置にある接点間の電流の流れ及び誘起される引力を示す図である。
【
図5】閉鎖位置における本発明の第1の実施形態の第3の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図6】接点が開放位置にある本発明の第2の実施形態による真空スイッチを示す断面図である。
【
図7a】閉鎖位置にある第2の実施形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図7b】閉鎖位置にある接点間の電流の流れ及び誘起される引力を示す図である。
【
図8】接点が開放位置にある本発明の第3の実施形態による真空スイッチを示す断面図である。
【
図9a】開放位置にある第3の実施形態の第1の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図9b】閉鎖位置にある第3の実施形態の第1の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図9c】
図9bの閉鎖位置にある接点間の電流の流れ及び誘起される引力を示す図である。
【
図10a】開放位置にある第3の実施形態の第2の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図10b】閉鎖位置にある第3の実施形態の第2の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図10c】
図10bの閉鎖位置における接点間の電流の流れ及び誘起される引力を示す図である。
【
図11】開放位置における本発明の第3の実施形態の変形形態による真空スイッチの接点を示す図である。
【
図12】電気回路の接地スイッチとして本発明による真空スイッチの使用を示す図である。
【
図13】本発明による真空スイッチの変形形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的は、電気回路において電気接地又は断路を実行するよう設計された真空スイッチ1である。本発明による真空スイッチ1は、好ましくは、高電圧又は中電圧で動作するよう構成される。好ましくは、本発明による真空スイッチ1は、鉄道用途に設計される。
【0014】
本発明による真空スイッチ1の構造は、一般的には、電気回路の電流サーキットブレーカとして作用するよう設計された公知の真空スイッチの構造に類似している。
【0015】
真空スイッチ1は、一般的には、空気又は別の誘電性流体の制御された低圧が優勢であるのが好ましい、すなわち真空のシールチャンバ2を含む。チャンバ2は、例えば、セラミック、ガラス-セラミック又はガラスなどの好適な絶縁材料から作られた絶縁ケースによって定められる。本発明の例示の実施形態では、絶縁ケースはチューブ状であり、好ましくは2つの絶縁シリンダ3、4によって形成される。
【0016】
導電キャップ51、52は、シールチャンバ2の各開放端を閉鎖する。キャップ51、52は金属から作られるのが好ましい。何れかの公知の技術を用いて、キャップ51、52を絶縁ケースに対して効率的にシールすることができる。例えば、セラミック絶縁ケースでは、メタライゼーションに続くろう付けによって、キャップ51、52をそれぞれのシリンダ3、4に固定することができる。
【0017】
絶縁ケース3、4及び導電キャップ51、52によって境界を付けられたシールチャンバ2は、シールチャンバ2の内側で互いに対して移動可能である一対の動作接点101、102を封入する。接点101、102は、互いに接触しておらず電流が互いに流れることができない第1開放位置と、互いに接触して且つ電流が互いに流れることができる第2閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である。
【0018】
好ましくは、図示のように、固定接点と呼ばれる第1接点101は、固定されており、キャップ51の1つに堅固に取り付けられる。可動接点と呼ばれる第2接点102は、接点の閉鎖位置と開放位置との間を他のキャップ52を介して移動できるようにチャンバ2の内側に装着される。可動接点102がシールチャンバ2の内側で移動し制御された真空を維持できるようにするために、シール金属ベローズ16が可動接点102と対応するキャップ52との間に取り付けられ、これによってチャンバ2の適正なシールを確保する。金属ベローズシールドが、可動接点102に結合されたベローズ106の端部のレベルでシールベローズ16の周りに取り付けることができる。しかしながら、以下で明らかになるように、このベローズシールドは、接地スイッチ又は断路器として用いられる時に本発明による真空スイッチにとって不可欠ではない。
【0019】
可動接点102は、該可動接点102が固定接点101に接触していない開放位置(
図2、3a、4a、6、8、9a、10a、11及び13)と、移動及び固定接点102、101が接触している閉鎖位置(
図3b、3c、4b、4c、5、7a、7b、9b、9c、10b及び10c)との間で移動する。
【0020】
堅固にシールされたチャンバ2は更に、接点の周りの可動接点101及び固定接点102の接点エリアにて位置付けられた主シールド20を含むのが好ましい。サーキットブレーカとして使用される従来の真空スイッチでは、この主シールド20は主として、金属蒸着に対して、或いは接点が負荷又は短絡電流ブレークに対して開いた時のアーク放電中に起こる可能性のある何れかの放出に対して、絶縁ケース3、4を保護するよう設計される。本発明による真空スイッチ1の主シールド20は、接地又は断路動作中にアーク放電活動が予期されないので、蒸着又は放出に対して絶縁ケース3、4を保護する必要がなく、従って、取り除くことができる(同じことがベローズシールドにも当てはまる)。しかしながら、シールド20は、真空スイッチ1が開放位置にある時に電界及び電気電位線分布を形成するのに使用及び設計することができる。この場合、電流ブレークに用いられる公知の真空スイッチの従来のシールドよりも、本発明による真空スイッチ1の主シールド20の設計に対する要件は少ない。例えば、スチールのような低コスト材料を主シールド20に用いることができる。
【0021】
本発明による真空スイッチ1が電気回路に用いられる時には、可動接点102は、開放位置と閉鎖位置との間で可動接点102を変位させるよう設計された作動機構M(
図12に図示)に接続される。
【0022】
鉄道用途において、作動機構Mは、コイル又は電気モータ又は他の何れかの適切な機構などの手動ギアオペレータ又はフックスティックもしくは電気機械アクチュエータを介してオペレータによって手動で動作されるのが好ましい。
【0023】
接地スイッチとして用いられる時には、本発明による真空スイッチ1は、1つの接点で電気回路に接続され、他の接点は地面に接続される。好ましくは、
図12に示すように、真空スイッチ1の固定接点101は電気回路に接続され、可動接点102は地面に接続される。従って、この場合、真空スイッチ1の固定接点101及び可動接点102が閉鎖位置にある時に電気接地が起こり、固定及び可動接点101、102が開放位置にある時に電気接地は存在しない。
【0024】
断路器として用いられる時には、接点101、102の両方が電気回路の端部に接続される。
【0025】
本発明による真空スイッチは、空気絶縁又は液体絶縁とすることができる。特に、絶縁ケース3、4に起因して、真空スイッチ1を鉄道用途の鉄道車両のルーフに直接配置することができ、この場合、絶縁ケースが外部環境(埃、鳥、すす、雪)からスイッチを保護する。本発明による真空スイッチは、接地又は断路のための小型の構成要素として金属クラッド密閉のスイッチギアの内側に配置することができる。これは、このように密閉されたスイッチギアに配置されるのに適さない空中で動作する従来の接地スイッチにとって大きな問題となる。
【0026】
電気接地又は断路を実行するために、特に鉄道用途に対して、本発明による真空スイッチ1は、以下の必要要件を満足させなくてはならない。
・誘電耐電圧に対するBIL及び電力周波数試験にパスすること(これらの試験によって要求される条件の例は、25kVVCBの場合にBIL>170kV、PF>75kVである)。
・指定時間の接点の閉鎖(すなわち、接地)位置において短絡電流に耐えること(例えば、1秒間25kAに耐える)。
・高短絡電流にて閉鎖位置の接点を維持すること。
・断路のために、閉鎖位置で公称電流を導電すること。
【0027】
2つの電気接点の間の電流の流れが小さな接点スポットを通過することは、電気接点理論から公知である。微小電流の流路が、接点101、102のインタフェースにおける極めて小さなエリアに制限される。この電流ライン分布は、接点を破断して接点が閉鎖位置にとどまるのを阻止する傾向がある、接点間の反発する力又はブローオフ電磁力を生成する。これらの電磁ブローオフ力Fbは、流れる電流の二乗に比例する。
【0028】
他方で、接触抵抗R
cが瞬間的閉鎖力F
cの平方根に反比例することは既知である。瞬間的閉鎖力F
cは、作動機構Mによって作用される外力F
extと外圧(大気圧)との差であり、同時に接点は閉鎖位置にあり、ブローオフ力F
bは次式である。
【0029】
このブローオフ力Fbの効果は、短絡電流の場合に増幅され、接点抵抗を著しく増大させ、又は過酷な条件では、接点が引き離される。本発明による真空スイッチが接地又は断路を安全に実行するために、これらのブローオフ力Fbを制限しなくてはならない。
【0030】
本発明による真空スイッチ1の接点の巨視的設計は、ブローオフ力F
bの効果を相殺又は低減するよう適応される。接点の幾何形状は、ブローオフ力F
bの効果のバランスを保つ又は低減するための電磁引力F
aを生成するために該接点を通る電流経路を変えるような形状にされる。これらの引力F
aによって、瞬間閉鎖力F
cは次式のように表現することができる。
ここで、短絡事象(接地又は断路)中にも閉鎖位置に接点が維持されることが要求されるので、F
c>0という条件が追加される。
【0031】
図2から
図11は、上記の式(2)を満足させるための引力F
aを生成できる可動及び固定接点102、101の異なる可能な幾何形状を有する本発明による真空スイッチ1の様々な実施形態を示す。
【0032】
第1の実施形態及び
図2から
図5に示したこの変形形態では、可動及び固定接点102、101が、いわゆる「前部閉鎖」形状を示す。この第1の実施形態では、固定接点101は、その開放端にトランペット形の空洞部103を提供する。固定接点101の接点表面105は平坦であるが、該空洞部103に連通する孔107を有する。同様に、可動接点102は、ネック104、フランジ106、及び固定接点101の接点表面105に接触するよう設計された及び平坦な接点表面108を有するトランペット形自由端を有する。好ましくは、可動接点102のネック104の周りに機械支持要素110が存在する。この支持要素110は、ステンレス鋼で作られるのが好ましい。
【0033】
図3aから3cに示したこの第1の実施形態の第1の変形形態では、第1接点101の空洞部103の内側で孔107の真下に配置されるスプリング109が存在する。スプリング109は、ステンレス鋼で作られ、接点101、102の閉鎖中に空洞部103が圧壊されるのを防止することができる。固定接点101の空洞部103を強化する別の方法は、
図5の変形形態に示すように、空洞部103の内側にスプリングワッシャー111を設けることである。
【0034】
図4a及び4bに示した第1の実施形態の第2の変形形態では、可動接点の接点表面108は更に、固定接点101の接点表面105との接触状態102になるように設計されたリム108´を周囲に含み、固定接点101の接点表面105は、可動接点102の接点表面108と接触するよう設計された空洞部103の孔107の周りにリム105´を含む。従って、この変形形態では、閉鎖位置(
図4b、4c及び5)にある間、固定接点101と可動接点102との間の接触は、リム108´及び105´に制限される。これは、閉鎖位置にある接点通じて電流の流れIを変えて伝導するのを助ける。
【0035】
図3c及び4cに示すように、第1実施形態による幾何形状によって、閉鎖位置の接点における電流の流れIが変えられ、ブローオフ力F
bの効果のバランスを保つ又は低減することができる誘引電磁力F
aが生成される。
【0036】
この第1の実施形態では、接点101、102の間のギャップGは、要求されるクリアランス距離よりも長いのが好ましい。例えば、16mmのギャップは、鉄道用途で使用される25kV接地スイッチ又は断路器の要件を満たすのに十分である(例えば、このような要件は、BIL>170kV及びPF>75kVとすることができる)。この実施形態ではまた、閉鎖位置にするための可動接点102のストロークは、ギャップGに等しい。従って、この第1の実施形態では、クリアリング距離及び従ってストローク距離が極めて大きい(一般に約200mm)公知の空気絶縁接地スイッチよりも遙かに小型の極小型の空気又は液体絶縁接地スイッチ又は断路器を得ることができる。
【0037】
本発明による真空スイッチ1の第2の実施形態では、接点は、
図6及び7a、7bに示すような「チューリップ閉鎖」と呼ばれる幾何形状を示す。この第2の実施形態では、可動接点102の自由端は、好ましくは丸みのある接点表面112を備えた基本的に円筒型の形状を有し、固定接点101の自由端の対応する陥凹部113に挿入されるよう設計される。従って、陥凹部113は、凹面状の丸みのある底部117を備える類似の円筒型形状を有する。可動接点102が固定接点101の壁部に触れるとすぐに、陥凹部113及び電気接点への可動接点102の挿入を容易にするために、固定接点101の陥凹部1113の壁部が弾性があるのが好ましい。
図6、7a及び7bに示すように、陥凹部113の壁部は、複数の可撓性ラグ115から作られるのが好ましい。
【0038】
図7bに示すように、この第2の実施形態では、閉鎖位置にある接点101、102の電流の流れIが変えられ、誘引力F
aが、複数の可撓性ラグ115を介して固定接点101の陥凹部113の内側の可動接点102を「クランプ」する固定接点101から生成される。これらの誘引力F
a、又はこの実施形態におけるピンチ力は、ブローオフ力F
bの効果のバランスを保ち打ち勝つことができる。
【0039】
固定及び可動接点101、102が重なり合うので、第2の実施形態による真空スイッチは、極めて安全な閉鎖を供給する。
【0040】
この第2の実施形態では、接点101、102の間のギャップGがまた、要求されるクリアランス距離より大きいのが好ましい。第1の実施形態と同様に、16mmのギャップは、鉄道用途に用いられる25kV接地スイッチ又は断路器の要件を満足するのに十分である。しかしながら、この第2の幾何形状により、固定接点101の陥凹部113の内側の閉鎖位置に可動接点102が入るようにするためのマッチングストロークは、ギャップGより長くなる。例えば、
図6に示すように、16mmのギャップGに対してストロークは25mmである。接地スイッチ又は断路器として使用される本発明の第2の実施形態による真空スイッチは、200mmのストロークを有する公知の空気絶縁接地スイッチの多くより小型のままである。
【0041】
図8から
図11に示した第3の実施形態では、固定及び可動接点101、102は、いわゆる「円錐閉鎖」形状を示す。この第3の実施形態では、可動接点102は、反転円錐114によって終端されるネック104を備えた「矢印」形自由端を有する。この反転円錐114は、固定接点101の自由端の対応する陥凹部113に挿入されるよう設計される。第1の実施形態のように、固定接点101は、空洞部103を陥凹部113にリンクする孔107を備えた陥凹部113の下の空洞部103を提供する。
【0042】
陥凹部113の内側壁部は、反転円錐114の外側壁部である可動接点102の接点表面108と接触するよう設計された固定接点101の接点表面105である。
【0043】
可動接点102のネック104の周りに機械支持要素110が存在するのが好ましい。この支持要素110は、ステンレス鋼から作られるのが好ましい。
【0044】
図9aから9cに示した第3の実施形態の第1の変形形態では、第1接点101の空洞部103の内側にあり且つ孔107の直下に配置されるスプリング109が存在する。スプリング109はステンレス鋼から作ることができ、接点101、102の閉鎖中に空洞部103が圧壊するのを防止する。固定接点101の空洞部103を強化するための別の方法は、
図11の変形形態に示すように空洞部103の内側にスプリングワッシャー111を設けることである。
【0045】
図10aから10cに示す第3の実施形態の第2の変形形態では、可動接点102の接点表面108が、固定接点101の接点表面105に接触するよう設計されたリム108´を周囲に含み、固定接点101の接点表面105が、可動接点102の接点表面108に接触するよう設計された空洞部103の孔107の周りにリム105´を含む。従って、この変形形態では、閉鎖位置(
図10b、10c)にある間、固定接点101と可動接点102との間の接触は、リム108´及び105´に制限される。これは電流の流れIを変えて、閉鎖位置にある接点を通じて電流の流れIを変えて伝導するのを助ける。
【0046】
図9c及び10cに示すように、第3の実施形態による幾何形状により、閉鎖位置の接点における電流の流れIが変えられ、ブローオフ力F
bの効果のバランスを保つ又は低減することができる誘引電磁力F
aが生成される。
【0047】
他の実施形態と同様に、この第3の実施形態では、接点101、102の間のギャップGは、要求されるクリアランス距離より長いのが好ましい。例えば、16mmのギャップは、鉄道用途で用いられる25kV接地スイッチ又は断路器の要件を満足させるに十分である(例えばこのような要件は、BIL>170kV及びPF>75kVとすることができる)。しかしながら、この第3の形状により、固定接点101の陥凹部113の内側の閉鎖位置にするための可動接点102のマッチングストロークは、ギャップGより長くなる。接地スイッチ又は断路器として用いられる本発明の第3の実施形態による真空スイッチは、200mmのストロークを備えた公知の空気絶縁接地スイッチのほとんどよりもほり小型のままである。
【0048】
上記で分かるように、電気接地又は断路器として使用される本発明による真空スイッチは、アーク接点が必要ないので、電流遮断に用いられる従来の真空スイッチよりも更に小型にすることができる。例えば、鉄道用途におおて接地又は断路に用いられる本発明による真空スイッチは、60mm以下の極めて小さな合計直径を有することができる。
【0049】
接地スイッチ又は断路器として本発明による真空スイッチを使用することから生じる多くの利点がある。本発明による真空スイッチは、従来の真空スイッチと同じ基本的原理を使用するが、接地スイッチ又は断路器として使用される時に電流を遮断するか又は負荷条件で閉鎖する必要はない。従って、本発明による真空スイッチの全体的な設計は、従来の真空スイッチよりも単純且つ費用対効果の高いものとすることができる。
【0050】
上記で分かるように、接点の幾何形状をかなり単純にすることができる。上述の接地スイッチ要件を満足させなくてはならないが、特に短絡条件下で接点の開放中に生成される真空アークを制御するために、横断又は軸方向磁界(TMF又はAMF)を生成するための特別な幾何形状は必要ではない。
【0051】
高価なCuCr接点も必要ではなく、代わりに費用対効果の高い材料を接点に使用することができる。例えば、接点は、銅又は鉄で作ることができ、1つが銅で1つが鉄で作ることができる。鉄又は他の何れかの強磁性材料を接点の1つ又は接点の両方に使用して、上述の幾何形状の全てを有する接点間の誘引力又はピンチ力Faを拡張することができる。例えば、上述の第2の実施形態のチューリップ閉鎖幾何形状によって、有利な構成は、チューリップ形状を備えた銅可動接点及び鉄又は強磁性固定接点に対応することが分かっている。
【0052】
前述のように、接地動作又は断路器として本発明による真空スイッチを使用する別の利点は、固定接点101と可動接点102との間のアーク放電活動が接点の開放中に予期されないことから生じる。従って、固定接点101と可動接点102との間の接点エリアを囲む主シールド20を取り除くことができ、又は誘電目的だけを満たすように設計することができる。この後者のケースでは、従って、ステンレス鋼などの費用対効果の高い材料から作ることができる。
【0053】
更に、本発明による真空スイッチの絶縁ケースは、電流遮断に使用される従来の真空スイッチのようにセラミック又はガラスセラミックから作ることができるが、単純にガラスからも作ることができる。絶縁ケースは、透明(ガラス、セラミック又はガラス-セラミック)とすることができ、透明又は半透明の主シールド20によって又は主シールドが全くなくても、オペレータは、真空スイッチのステータス(開放又は閉鎖)を視覚的に確認することができる。
図13は、透明の絶縁ケースを備えたかかる接地スイッチを示しており、主シールド20は、要求される誘電目的を満足させるファラデーケージを形成するための適切な材料の類似の準透明メッシュとして作られる(接点が開放位置にある時に電界及び電気電位線分布を形成する)。
【0054】
本発明による真空スイッチはまた、スイッチの状態及び接点の位置、すなわち開放又は閉鎖をオペレータに示すことができる何れかの適切な検出機構を含むことができる。これは、例えばスイッチがメタルクラッド閉鎖スイッチギアの内側に配置される時、一部の用途において有用とすることができる。
【0055】
図12は、鉄道用途に対する電気回路の電気接地のための本発明による真空スイッチ1の使用を示す。真空スイッチ1は、電気回路の主サーキットブレーカのフレーム7内に保持される。真空スイッチ1の可動接点102に取り付けられ且つ地面に接続された作動機構M及び外部コンダクタ61、62は、この図で詳細に見ることができる。本発明による真空スイッチ1の閉鎖位置では、外部コンダクタ61、62を通る電流の流れを用いて、短絡中の固定接点101と可動接点102の間の追加の誘引力F
caを提供することができる。
【0056】
接点の閉鎖位置では、作動機構Mのプッシュロッド63によって所定位置に保持される外部コンダクタ61、62を通る電流の流れは、より大きなブローオン力(誘引力)Fcaを提供し、これらは、コンダクタ61、62を互いから押しのける、コンダクタ61、62間の反発力である。この結果、これらのブローオン力Fcaは、閉鎖位置にある第1及び第2接点101、102を維持する傾向がある。これらの力Fcaは、ブローオフ力(破断力)Fbと同様に、流れる電流の二乗に比例する。
【0057】
これらの追加の誘引力F
caにより、瞬間閉鎖力F
cは次式で表すことができる。
短絡事象(接地又は断路)中の閉鎖位置事象に接点がとどまることが必要になるので、追加の条件はF
c>0である。
【0058】
図12は、コンダクタ61、62によって形成されるループが機構ボックスによって制限される実施例である。短絡電流が発生した時に、ループの電流は、接点に追加の誘引力F
caを与える。この種類の構成では、完全短絡電流中の満足のいく接地動作のために作動機構Mからは極めて小さな閉鎖接点スプリング力だけが必要とされる。
【0059】
1つの変形形態では、本発明による真空スイッチは単独で使用することができ、又はこのような真空スイッチの2又は3以上を直列で使用することができる。このような直列の真空スイッチの合計ギャップ(極部の接点の閉/開位置までの距離)が直列の各真空スイッチの各ギャップの総和であるので、直列の2又は3以上のスイッチを使用することで、動作中のより高い安全性を可能にする。従って、大きく高価な真空スイッチを構築する必要なく、回路の各端に接続された接点間のギャップを増大することができる。
【0060】
一般的に言えば、本発明は、適切な絶縁材料から作られ且つシールされた真空チャンバを形成するために2つの導電キャップによって端で閉鎖される絶縁ケースを含む真空スイッチを提供する。シールされた真空チャンバの内側では、真空スイッチは、接点が接触していない第1開放位置と接点が接触している第2閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である第1及び第2接点を含む。真空スイッチ及び特に第1及び第2接点は、電気回路における高短絡電流の場合に閉鎖位置にとどまり且つ真空スイッチを通過するように設計される。特に、真空スイッチ及び接点は、電気回路における高短絡電流中に第1及び第2接点の間に発生し且つ閉鎖位置にある間は真空スイッチを通過して接点を互いから移動して離す傾向がある電磁反発力が、最小又は低減されるように設計される。
【0061】
好ましくは、これらの電磁反発力は、反発力に対向する電磁誘引力を生成するために第1及び第2接点の幾何形状を適応させ、閉鎖位置に接点を一緒に押そうとすることによって低減される。
【0062】
結果として生じた真空スイッチは、接地スイッチとして又は断路器として用いることができ、電気回路の電流を遮断するために必要な真空スイッチと同様に、負荷下で開放又は閉鎖に耐える必要がある高価な材料を必要としないので、信頼性が高く、小型で、耐久力があり費用対効果が高い。更に、本発明による真空スイッチは、主電気回路における空気又は液体絶縁接地又は断路スイッチとして特に鉄道用途に使用することができ、本発明による真空スイッチの絶縁ケースは、鉄道車両の上部に見いだされる過酷な環境条件に対する最良の保護を提供し、接地スイッチの耐久性を提供する。