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特許7119007第1チャンバおよび第2チャンバを有するアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】第1チャンバおよび第2チャンバを有するアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/53 20060101AFI20220808BHJP
   F16K 3/18 20060101ALI20220808BHJP
   F16K 51/02 20060101ALN20220808BHJP
【FI】
F16K31/53
F16K3/18 Z
F16K51/02 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019563814
(86)(22)【出願日】2018-05-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2018062130
(87)【国際公開番号】W WO2018228754
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】A254/2017
(32)【優先日】2017-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】593030945
【氏名又は名称】バット ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン エールネ
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】西独国特許出願公開第02354901(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 51/02
F16K 3/00- 3/36
F16K 31/44-31/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チャンバ(1)および少なくとも1つの第2チャンバ(2)と、揺動部材(4)を揺動させるための少なくとも1つの揺動アクチュエータ(3)と、を備え、前記揺動部材(4)が前記第1チャンバ(1)に配置され、前記第1チャンバ(1)および前記第2チャンバ(2)の中間に少なくとも1つの中間壁部材(5)が配置されているアセンブリであって、
少なくとも部分的に環状に形成された伝動部材(6)が、前記揺動アクチュエータ(3)によって回転軸線(7)のまわりに回転可能であり、少なくとも1つのまたは2つの貫通開口部(8)が前記中間壁部材(5)を貫通し
前記伝動部材(6)が、前記回転軸線(7)のまわりに回転することに加えて、少なくとも1つの補足アクチュエータ(12)によって、少なくとも1つの補足変位方向(13)、または、前記回転軸線(7)に対して平行な補足変位方向(13)に変位可能であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載のアセンブリにおいて、
前記第1チャンバ(1)および前記第2チャンバ(2)の両方における前記伝動部材(6)が配置されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアセンブリにおいて、
前記揺動アクチュエータ(3)が少なくとも部分的に前記第2チャンバ(2)に配置されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項に記載のアセンブリにおいて、
前記伝動部材(6)が、前記第2チャンバ(2)において回転軸線(7)のまわりの回転のために前記揺動アクチュエータ(3)に対して係合していることを特徴とするアセンブリ。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載のアセンブリにおいて、
前記伝動部材(6)が、前記第2チャンバ(2)にのみ取り付けられていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1項に記載のアセンブリにおいて、
前記揺動部材(4)が前記第1チャンバ(1)において前記伝動部材(6)に対して固定されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
請求項1~のうち1項に記載のアセンブリにおいて、
前記揺動部材(4)が、前記アセンブリまたは前記第1チャンバ(1)のバルブ開口部(9)を閉塞する閉塞部材またはバルブプレートであることを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
請求項1~のうち1項に記載のアセンブリにおいて、
前記揺動部材(4)が、前記第1チャンバ(1)において対象物体を処理する、操作する、あるいは、動かすための操作装置であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項9】
請求項1~のうち1項に記載のアセンブリにおいて、
前記伝動部材(6)が、少なくとも前記貫通開口部(8)の領域において前記中間壁部材(5)に対して封止されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項10】
請求項記載のアセンブリにおいて、
前記伝動部材(6)が、少なくとも1つのシールリング(10)によって中間壁部材(5)に対して封止されることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項11】
請求項記載のアセンブリにおいて、
前記伝動部材(6)が少なくとも部分的に、前記第1チャンバ(1)において、少なくとも1つのベローズ(11)により取り囲まれ、かつ、前記ベローズ(11)によって前記中間壁部材(5)に対して封止されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
請求項11記載のアセンブリにおいて、
前記ベローズ(11)が、回転方向に応じて前記回転軸線(7)のまわりに前記伝動部材(6)が回転することによって、回転方向に応じて伸縮可能または圧縮可能であることを特徴とするアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1チャンバおよび少なくとも1つの第2チャンバと、揺動部材を揺動させるための少なくとも1つの揺動アクチュエータと、を備え、前記揺動部材が前記第1チャンバに配置され、前記第1チャンバおよび前記第2チャンバの中間に少なくとも1つの中間壁部材が配置されているアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なアセンブリは、揺動部材が第1チャンバにおいて揺動される際、揺動部材を揺動させるための揺動アクチュエータは第2チャンバに配置される場合に使用される。この区分は、例えば第1チャンバが特定の圧力および/または温度条件下でプロセスを実行する必要があるプロセスチャンバである場合、および/または、第1チャンバで特殊なガスまたは流体組成を調整する必要がある場合、第1チャンバにおける連続プロセスを可能にする。一般的なアセンブリの例は、いわゆる真空バルブであり、この場合、アクチュエータにおけるパーティクルの発生が第1チャンバの支障の原因とならないように、アクチュエータは第1チャンバまたはプロセスチャンバには配置されていない。
【0003】
一般的なアセンブリでは、例えば、シャフトは、密封された形状に従って中間壁部材を通過し、偏心部材を介してそこを揺動運動できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5243867号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、一般的なアセンブリのために、揺動部材における揺動アクチュエータの運動の新しい伝動方式を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明のアセンブリは、少なくとも部分的に環状に形成された伝動部材、前記揺動アクチュエータによって回転軸線のまわりに回転可能であり、少なくとも1つのまたは2つの貫通開口部が前記中間壁部材を貫通していることを特徴とする。
【0007】
言い換えると、揺動アクチュエータによって回転軸線のまわりに回転され、かつ、第1チャンバおよび第2チャンバを隔離する中間壁部材における少なくとも1つの、好ましくは2つの貫通開口部を通過する、少なくとも部分的に環状の伝動部材を提案する。中間壁部材は、隔離機能を強調するために隔壁と呼ばれる場合がある。
【0008】
少なくとも部分的に環状の伝動部材は伝動リングと呼ばれることもあり、この伝動リングはリングの一部であってもよく、すなわち、必ずしも完全に閉じたリングである必要はない。
【0009】
本質的な特徴は、リングの一般的な定義から既に導出されるように、環状の伝動部材が内側開口部または内側空間を取り囲んでいることにある。当該内側開口部には、中間壁部材の一部が配置されることが好ましい。伝動部材は、その環状部分において貫通開口部または2つの貫通開口部を通過することが好ましい。2つの貫通開口部がある場合、それらは中間壁部材に相互に離間して配置されていることが好ましい。それぞれの貫通開口部は、回転軸線が位置する平面を定義することが好ましい。2つの貫通開口部がある場合、これは両方の貫通開口部に該当するが、必ずしも同じ平面にある必要はない。
【0010】
第1チャンバは、所望の圧力および/または温度条件および/またはプロセスチャンバに存在するガスまたは流体の所望の組成を調節しうるプロセスチャンバであってもよい。
【0011】
揺動アクチュエータは、第2チャンバに配置されていることが好ましい。この場合、第2チャンバはアクチュエータチャンバとも呼ばれる。これは、揺動アクチュエータが、アクチュエータチャンバに配置されうる、それ自体のハウジングを有することを排除するものではない。揺動アクチュエータおよびそのハウジングは、全体的にまたは部分的にのみ第2チャンバに配置されてもよい。
【0012】
少なくとも部分的に環状の伝動部材により、回転軸線に平行な方向に測定されるリングの高さは、当該リングの外径よりかなり小さいことが好ましい。回転軸線に平行な方向に測定されるリングの高さは、当該リングの外径の最大で半分であり、好ましくは最大で3分の1または最大で4分の1である。
【0013】
好ましい実施形態では、伝動部材は、第1チャンバのみならず第2チャンバにも配置されている。これはいずれの場合にも当てはまる。ただし、これは特定の動作状態にのみ適用されることもある。伝動部材は第2チャンバにのみ配置されることが好ましい。これは、伝動部材の支持部材およびアクチュエータが、好ましくは第2チャンバにおいて実現されるまたは存在することを意味する。さらに、第2チャンバにおいて回転軸線のまわりに回転するため、伝動部材は揺動アクチュエータと係合していることが好ましい。揺動部材は、第1チャンバにおいて伝動部材に対して取り付けられていることが好ましい。原則として、揺動部材は、部分的に環状の伝動部材が通過する中間壁部材の貫通開口部を通過することはできない。
【0014】
揺動部材は、例えば、アセンブリのバルブ開口部を閉じるための閉塞部材として機能する。バルブ開口部は、第1チャンバに配置されていることが好ましい。閉塞部材は、例えば、バルブプレート、バルブニードルまたはその他のバルブに作用する。そのような場合、本発明に係るアセンブリは、バルブとも呼ばれる場合がある。特に、それは真空技術に適用される真空バルブであることが好ましい。通常、真空技術は、0.001mbarまたは0.1Pa以下の動作圧力に達する場合に使用される。真空バルブは、これらの圧力範囲および/または環境に対する相当の差圧のために設計されたバルブである。真空バルブが、大気圧よりも低い圧力、すなわち1bar未満の圧力用に設計されている場合も一般的である。本発明に係るアセンブリは、一般的に、差圧に適したバルブ、言い換えれば、差圧バルブとして設計されていてもよい。特に、これは、少なくとも1barの差圧に対してバルブ開口部を封止するのに適した閉塞部材を有するバルブである。差圧は、閉位置にある閉塞部材の両側における圧力の偏差である。差圧は、特に、閉塞部材に対して流体によって及ぼされる圧力から生じる。
【0015】
揺動部材は、閉塞部材である必要はない。基本的に、揺動部材は、すべての可能な実施形態で実現され、さまざまな用途に適用される。例えば、揺動部材は、第1チャンバにおける対象物体を処理および/または取り扱いおよび/または動かすためのハンドリング装置であってもよい。ハンドリング装置は、既知のすべてのハンドリング装置を包含します。それは、特にロボットアームであってもよい。これは、例えば伸縮可能、揺動可能、回転可能であってもよい。そこには、グリッパ、真空グリッパまたはその他のアクチュエータが搭載されてもよい。
【0016】
本発明の好ましい変形実施形態において、少なくとも貫通開口部の領域において、部分的に環状の伝動部材が中間壁部材に対して封止されている。したがって、例えば伝動部材が少なくとも1つのシールリングによって中間壁部材に対して封止されうる。他の実施形態では、伝動部材が少なくとも部分的に好ましくは第1チャンバに配置され、少なくとも1つのベローズに囲まれ、当該ベローズにより中間壁部材に対して封止されている。この場合、ベローズも環状部分として形成されることが好ましい。ベローズは、回転軸線のまわりの伝動部材の回転運動によって、当該回転方向に応じて伸縮可能または圧縮可能である。ベローズは、例えばダイヤフラムである。ベローズは、金属製またはステンレス鋼またはニッケルベース合金等の合金製であってもよい。しかし、それは、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)またはPTFE)からなるエラストマーベローズであってもよい。
【0017】
少なくとも部分的に環状の伝動部材は、少なくともシール部材またはベローズがそれを支える領域において、丸みを帯びた形状、円形または楕円形の横断面を有することが好ましい。
【0018】
好ましい実施形態では、伝動部材が、回転軸線のまわりの回転に加えて、少なくとも1つの補足変位方向について変位可能である。この目的のため、補足アクチュエータが設けられている。補足変位方向は、例えば回転軸線に平行な方向であってもよい。
【0019】
揺動アクチュエータおよび補足アクチュエータのそれぞれは、基本的に手動操作のアクチュエータであってもよい。揺動アクチュエータおよび/または補足アクチュエータは、好ましくはモータアクチュエータであり、従来技術から知られているすべての形態が、ここで考えられるそれぞれの意図された用途に適している。したがって、回動モータだけでなく、直動モータにも使用されうる。例えば電動式、空気圧式、油圧式、またはその他の駆動方式のモータが使用されうる。したがって、前述のアクチュエータの設計にはさまざまな可能性がある。
【0020】
完全を期すため、伝動部材のみに言及されている場合、少なくとも部分的に環状の伝動部材を常に意味していることを指摘しておく。
【0021】
本発明の構成例は、様々な実施形態を参照して、以下の図面を用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図2】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図3】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図4】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図5】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図6】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図7】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図8】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図9】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図10】本発明の第1実施形態に関する説明図。
図11】本発明の第2実施形態に関する説明図。
図12】本発明の第2実施形態に関する説明図。
図13】本発明の第3実施形態に関する説明図。
図14】本発明の第4実施形態に関する説明図。
図15】本発明の第4実施形態に関する説明図。
図16】本発明の第5実施形態に関する説明図。
図17】本発明の第5実施形態に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の第1実施形としてのアセンブリはバルブ、特に真空バルブとして実現されている。図1および図2には、本発明に係るアセンブリのハウジング14の外観図が示されている。ここでは、閉塞部材として形成された揺動部材4によって開放または閉塞されるバルブ開口部9が示されている。ハウジング14は、後述するように、第1チャンバ1および第2チャンバ2を中間壁部材5とともに取り囲むハウジング壁部材19を備えている。
【0024】
図1には、バルブ開口部9が、プレート状の閉塞部材として形成された揺動部材4により開放された状態が示されている。図2において、バルブプレートとして形成された揺動部材4がバルブ開口部9を閉塞している。
【0025】
図3および図4には、本発明の第1実施形態としてのアセンブリの解放されたハウジング14の外観図が示されている。中間壁部材5によって相互に分離されている第1チャンバ1および第2チャンバ2がここでは明確に確認できる。第1チャンバ1には、バルブプレートとして形成されている揺動部材4が設けられ、当該揺動部材4によってハウジング14のバルブ開口部9が図3に示されているように開放され、かつ、図4に示されているように閉塞される。揺動部材4は、第1チャンバ1において、部分的に環状に形成された本発明に係る伝動部材6に対して取り付けられまたは固定されている。回転軸線7のまわりで伝動部材6を回動させるための揺動アクチュエータ3が、本実施形態では第2チャンバ2に設けられている。図5の断面図からよくわかるように、部分的に環状に形成された伝動部材6は、本実施形態では、中間壁部材5の相互に離間した2つの貫通開口部8を貫通している。本実施形態の伝動部材6は、それぞれの貫通開口部8の領域において、中間壁部材5に対して封止されている。第1実施形態において、これはベローズ11によって実現されている。ベローズ11は、第1チャンバ1に配置され、かつ、それぞれの伝動部材6の部分を囲んでいる。ベローズ11は、伝動部材6が回転軸線7のまわりに回転することによって、回転方向に応じて伸縮するまたは圧縮される。当該構成のアセンブリにより、第2チャンバ2において揺動アクチュエータ3により実現される回転軸線7のまわりの回転運動が、第1チャンバ1における少なくとも部分的に環状の伝動部材6により伝達され、伝動部材6に対して固定された揺動部材4が、図3に示されている閉位置および図4に示されている位置の間で揺動方向18について往復するように揺動されうる。
【0026】
図5に示されている断面図において特によく確認できるように、第1揺動アクチュエータ3は、シリンダチャンバ20において空気圧および/または油圧によって動かされるように配置されているラック17を備えている。各シリンダチャンバ20の適当な加圧により、詳細は説明しないが、ラック17はその長手方向に往復運動される。伝動部材6の歯車部16に対して螺合または噛合することにより、ラック17の長手方向への運動が伝動部材6に対して伝達され、伝動部材6がラック17の変位方向に応じて回転軸線7のまわりで回動される。伝動部材6の当該回転運動は、揺動部材4の一方の揺動方向18への対応する揺動運動をもたらす。
【0027】
揺動部材4を揺動方向18だけでなく、ここでは回転軸線7に対して平行な補足変位方向にも移動させるために、第1実施形態では補足アクチュエータ12が設けられている。第1実施形態では、補足アクチュエータ12は、それぞれがハウジングに固定されたシリンダ24において変位可能に設けられたピストン23からなるピストンシリンダ装置である。シリンダ24におけるピストン23の変位は、既知の方式にしたがって油圧または空気圧により実現され、ここでは詳細な図示または説明は省略される。少なくとも部分的に環状の伝動部材6は、ヨーク15を介してピストン23に連結されている。回転軸線7に沿ってピストン23が変位することで、回転軸線7に平行な伝動部材6が動かされ、ここではバルブプレートとして形成された揺動部材4が回転軸線7に平行な方向に対応して動かされる。
【0028】
図6図7および図8には、図5の切断線A-Aに沿った断面図が示されている。図6には、バルブプレートとして形成された揺動部材4がバルブ開口部9を覆う一方で、ハウジング14のバルブシート22に対して押し付けられていない状態が示されている。シリンダ24の適当な加圧により、揺動部材4は、封止のためにかつ最終的な閉位置に到達するために、図7に示されているように、揺動部材4がそのシール部材21において、例えば下側のバルブシート22に対して回転軸線7と平行な方向に押し付けられうる。図8には、揺動部材4が、そのシール部材21を介して上側のバルブシート22に封止状態で押圧されている状態が示されている。回転軸線7に平行な対応する運動は、補足アクチュエータ12によって実現される。
【0029】
図9および図10のそれぞれには、図5の切断線B-Bに沿った断面図が示されている。図9および図10を比較すると、少なくとも部分的に環状の伝動部材6が貫通開口部8において回転軸線7に沿って上下に変位することが明確に分かる。図9は、図7に示されている揺動部材4の位置に対応し、図10は、図8に示されている揺動部材4の位置に対応している。ベローズ11を使用することにより、第1チャンバ1と第2チャンバ2との間のそれぞれのベローズ11による封止が影響を受けることなく、回転軸線7に平行な伝動部材6のこのような変位が可能である。
【0030】
図11および図12には、本発明の第2実施形態のアセンブリが示されている。これは、図1図10に示されている第1実施形態の変形実施形態であるため、本質的な相違点のみを説明する。そうでなければ、第1実施形態に関する前記説明事項が参照され、それは適宜適用される。
【0031】
第1実施形態と比較して本質的な相違点として、第2実施形態では、伝動部材6を中間壁部材5に対して封止するため、ベローズ11ではなく少なくとも1つのシールリング10が用いられていることが図11および12に示されている。当該シールリング10は、中間壁部材5と伝動部材6との間のそれぞれの貫通開口部8の領域に配置され、これにより伝動部材6が中間壁部材5に対して封止されている。各シールリング10の相応の弾性および相応の厚さにより、シールリング10の封止効果が損なわれることなく、回転軸線7に平行な補足変位方向13について伝動部材6が変位することが可能である。
【0032】
図13には、第1実施形態の変形実施形態である本発明のさらなる実施形態が例示されている。ここでも、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。第1実施形態と比較した第3実施形態の本質的な相違点は、揺動部材4が、ここでは閉塞部材ではなく、第1チャンバ1において動かされる対象物体を動かすための例示的かつ概略的に示されたハンドリングデバイスである点である。これは、図13において、揺動部材4の把持部25によって概略的に示されている。これは、ここでは極めて簡略的に示されており、伝動部材6に取り付けられている揺動部材4は、ロボットアームまたは他のハンドリングデバイスであってもよい。それは、伸縮自在、揺動可能または屈曲可能に形成されてもよい。これはすべて従来技術でそれ自体既知であり、詳細な説明および詳細な図示は不要である。
【0033】
図14および15には、第1実施形態と比較して、揺動アクチュエータ3および補足アクチュエータ12として異なるアクチュエータが用いられた変形実施形態が示されている。この第4実施形態では、揺動アクチュエータ3は、ここでバルブディスクとして形成された揺動部材4が揺動方向18に揺動できるように、伝動部材6の歯車16と相互作用する電気モータ、油圧モータまたはその他のモータによって駆動される歯車26を有している。伝動部材6を回転軸線7に平行な補足変位方向13に変位させるための補足アクチュエータ12は、モータによって駆動されるギア27と係合するラック28を有している。ラック28は、ヨーク15に対して、ひいては伝動部材6に対して連結されているので、補足変位方向13についてのラック28の運動は、伝動部材6、ひいては揺動部材4の回転軸線7に平行な方向についての対応する運動をもたらす。図15には、図14の切断線C-Cに沿った断面図が示されている。
【0034】
図16および図17には、本発明の第5実施形態が示されている。図17には、図16の切断線D-Dに沿った断面図が示されている。第1実施形態の変形実施形態である第5実施形態においては、揺動アクチュエータ3は、揺動部材4を揺動方向18に揺動させるためのウォームギアを備えている。このウォームギアは、一方ではモータ29により駆動されるウォーム31により、他方では伝動部材6の対応する歯車16により構成されている。このようなウォームギアはそれ自体既知であるため、さらなる説明は必要ではない。回転軸線7に平行な補足変位方向13への変位を実現するために、補足アクチュエータ12は、スピンドル32を回転させるモータ30を有している。スピンドル32は、ここでは詳細には示されていない雄ねじにおいて、ハウジング14に固定された雌ねじ33に係合する。その結果、スピンドル32が回転することにより、当該スピンドル32がそれに取り付けられたヨーク15、伝動部材6および揺動部材4とともに、回転軸線7に平行な補足変位方向13に変位する。
【0035】
ここで示されている変形実施形態では、揺動アクチュエータ3だけではなく、補足アクチュエータ12についても、既知のアクチュエータにより多様な形態で構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1‥第1チャンバ、2‥第2チャンバ、3‥揺動アクチュエータ、4‥揺動部材、5‥中間壁部材、6‥伝動部材、7‥回転軸線、8‥貫通開口部、9‥バルブ開口部、10‥シールリング、11‥ベローズ、12‥補足アクチュエータ、13‥補足変位方向、14‥ハウジング、15‥ヨーク、16‥歯車、17‥ラック、18‥揺動方向、19‥ハウジング壁部材、20‥シリンダチャンバ、21‥シール部材、22‥バルブシート、23‥ピストン、24‥シリンダ、25‥把持部、26‥ギア、27‥ギア、28‥ねじロッド、29‥モータ、30‥モータ、31‥ウォーム、32‥スピンドル、33‥雌ねじ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17