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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】エンドウ豆抽出物の調製方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 11/00 20210101AFI20220808BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20220808BHJP
   A23L 33/21 20160101ALI20220808BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20220808BHJP
【FI】
A23L11/00 F
A23L33/105
A23L33/21
A23K10/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020215864
(22)【出願日】2020-12-24
(62)【分割の表示】P 2018511517の分割
【原出願日】2016-05-11
(65)【公開番号】P2021058203
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】2015/5300
(32)【優先日】2015-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】517393695
【氏名又は名称】コスクラ グルーペ ヴァルコアン エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーゼック ヴェロニク
(72)【発明者】
【氏名】ブルジョワ オドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ルベーグ ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】マンスィ フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】ボスリ エリク
(72)【発明者】
【氏名】グラミン アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】デカン マリー
【審査官】吉海 周
(56)【参考文献】
【文献】特許第6884763(JP,B2)
【文献】特表2013-527771(JP,A)
【文献】特開2010-173984(JP,A)
【文献】特開2004-105067(JP,A)
【文献】特開昭63-056268(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104256402(CN,A)
【文献】米国特許第04677065(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0091600(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0226810(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0226811(US,A1)
【文献】DESHPANDE,CHAPTER 4: FERMENTATION OF GRAIN LEGUMES, SEEDS AND NUTS IN LATIN AMERICA AND THE CARIBBEAN,FERMENTED GRAIN LEGUMES, SEEDS AND NUTS: A GLOBAL PERSPECTIVE,2000年,Vol. 142,p. 99 - 105, 107,https://books.google.co.jp/books?id=xq5Nxnd7v5MC&pg=PR10&lpg=PR10&dq=CHAPTER+4:+Fermentation+of+Grain+Legumes,+Seeds+and+Nuts+in+Latin+America+and+the+Caribbean&source=bl&ots=Y2dV0adO9k&sig=5fIzFoVoHUG1wWGVmBUHxQfJ50Y&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwjMwt-SubPa
【文献】KHATTAB R Y,NUTRITIONAL QUALITY OF LEGUME SEEDS AS AFFECTED BY SOME PHYSICAL TREATMENTS, PART 1: 以下備考,LWT- FOOD SCIENCE AND TECHNOLOGY,英国,2009年02月09日,VOL:42, NR:6,PAGE(S):1107 - 1112,https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0023643809000395,PROTEIN QUALITY EVALUATION
【文献】F.MEUSER,Yield of Starch and By-Products in the Processing of Different Varieties of Wrinkled Peas on a Pilot,Cereal chemistry,米国,1997年,VOL.74 NO.4,p364-370
【文献】SCHINDLER SABRINA,IMPROVEMENT OF THE AROMA OF PEA (PISUM SATIVUM) PROTEIN EXTRACTS BY LACTIC ACID FERMENTATION,FOOD BIOTECHNOLOGY,米国,2012年,VOL:26, NR:1,PAGE(S):58 - 74,http://dx.doi.org/10.1080/08905436.2011.645939
【文献】CAMACHO L,MEJORAMIETO NUTRICIONAL DE LEGUMBRES DE CONSUMO HABITUAL FERMENTADO POR CULTIVOS DEL 以下備考,ALIMENTOS,1991年,VOL:16,PAGE(S):5 - 11,GRANO LACTOBACILUS
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維含有エンドウ豆抽出物であって、
-少なくとも30/70及び多くとも85/15の繊維/デンプン重量比、
-AOAC-985.29法によるアッセイで固形物を基準として少なくとも35重量%及び多くとも80重量%の繊維量、
-抽出物の総重量を基準として少なくとも80%及び多くとも95%の固形分、及び
-固形分を基準として5%未満のタンパク質含量
を含み、
-固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g及び多くとも19gの保水量
を有することを特徴とする、繊維含有エンドウ豆抽出物。
【請求項2】
-乾式粒径分析で測定された粒径D50<400μm;
-乾式粒径分析で測定された粒径D90<700μm;及び
-少なくとも30/70及び多くとも85/15の繊維/デンプン重量比;
を含み、
-固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも2.5g及び多くとも5.0gの保油量;及び
-少なくとも400g及び多くとも900gの熱処理後ゲル強度
を有することを特徴とする、請求項1に記載の繊維含有エンドウ豆抽出物。
【請求項3】
繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物であって、
-乾式粒径分析で測定された粒径D50<200μm;
-乾式粒径分析で測定された粒径D90<400μm;
-少なくとも30/70及び多くとも85/15の繊維/デンプン重量比;
-固形分を基準として5%未満のタンパク質含量;
-AOAC-985.29法によるアッセイで固形物を基準として少なくとも35重量%及び多くとも80重量%の繊維量;及び
-抽出物の総重量を基準として少なくとも80%及び多くとも95%の固形分;
を含み、
-固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも7g及び多くとも17gの保水量
を有することを特徴とする、繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物。
【請求項4】
-固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも1.5g及び多くとも5.0gの保油量;及び
-少なくとも250g及び多くとも900gの熱処理後ゲル強度
を有することを特徴とする、請求項3に記載の繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の繊維含有エンドウ豆抽出物、又は、請求項3又は4に記載の繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物を含む食用組成物を意図される製品。
【請求項6】
ヒト摂取用食品又は動物用飼料への、請求項1又は2に記載の繊維含有エンドウ豆抽出物、又は、請求項3又は4に記載の繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドウ豆のさまざまな化合物を分離及び精製する方法に関する。特に、本発明は、繊維含有エンドウ豆抽出物の調製に関する。本発明はまた、上記の方法によって得ることができる繊維含有エンドウ豆抽出物、及び繊維含有エンドウ豆抽出物を含むヒト摂取用食品又は動物用飼料を意図した製品にも関する。本発明の主題は、繊維含有エンドウ豆抽出物のヒト用食品又は動物用飼料の産業における使用でもある。
【背景技術】
【0002】
エンドウ豆は急速に成長するマメ科植物ファミリーの一年生植物種である。エンドウ豆のプランテーションは北欧で非常に普及している。エンドウ豆(ピスム・サティブム(Pisum sativum))は健康によい野菜として何世紀にもわたって知られており、脂質の量が少なく、タンパク質、デンプン及び繊維含量が高いため、バランスのとれた食事の一部である。
【0003】
エンドウ豆繊維は、食肉、魚及びベジタリアン製品の産業において、テクスチャー加工製品として、又はその食物繊維特性のために、混合物として使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植物繊維を他のエンドウ豆製品から分離するためには、抽出、分画及び精製工程などの多くの処理工程が必要である。保水量、保油量、色、味、密度及びゲル強度などのエンドウ豆繊維の純度及び特に物理化学的特性は、使用される処理によって変化する。多かれ少なかれ純粋な形態で入手可能な、繊維含有エンドウ豆抽出物を得る前の全ての操作は、その品質に強い影響を及ぼす。例えば、エンドウ豆は一定量のデンプンを含有する。このデンプンは、使用されるプロセスに応じて多かれ少なかれ植物繊維に結合したままである。繊維含有エンドウ豆抽出物の物理化学的特性は、とりわけ、抽出物中に存在するこのデンプンの量に依存する。さらに、固形分もこれらの特性に影響する。
【0005】
エンドウ豆植物繊維の分離を記述する工業的方法はほとんどない。エンドウ豆繊維はこれまで副産物と考えられていたため、この方法はほとんど研究されていない。これらの繊維の抽出に革新的かつ適切なエンドウ豆繊維を抽出するための方法を見出すことが真に必要である。
【0006】
したがって、本発明の目的の1つは、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服又は改善すること、又は有用な代替物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、繊維含有エンドウ豆抽出物の調製方法に関する。繊維含有エンドウ豆抽出物を調製する方法は、以下の工程を含む:
(a)エンドウ豆含有水性組成物を形成するために、皮剥きエンドウ豆を水溶液と接触させる工程;
(b)前記エンドウ豆を前記水性組成物中で少なくとも30分間及び多くとも15時間水和させておく工程;
(c)結果として粉砕エンドウ豆を得るために、前記エンドウ豆を粉砕する工程;
(d)少なくとも1種の繊維含有エンドウ豆抽出物を得るために、前記粉砕エンドウ豆を分画する工程。
【0008】
本発明によれば、繊維含有エンドウ豆抽出物の調製は、それらを粉砕する前にエンドウ豆の水和を伴う。好ましくは、エンドウ豆は濡れた状態で粉砕される。一実施形態によれば、工程(b)の後及び工程(c)の前に、エンドウ豆を漉して、次いで水溶液と接触させる。一実施形態によれば、粉砕中又は粉砕後に、エンドウ豆繊維が分離及び精製される。
【0009】
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による方法によって得ることができる、又は得られる繊維含有エンドウ豆抽出物に関する。
【0010】
第3の態様によれば、本発明は、好ましくは、本発明の第2の態様による繊維含有エンドウ豆抽出物を含むか、又は本発明の第1の態様による方法を用いて得られた繊維含有エンドウ豆抽出物を含む、ヒト摂取用食品又は動物用飼料を意図された食用組成物に関する。
【0011】
第4の態様によれば、本発明は、本発明の第2の態様による繊維含有エンドウ豆抽出物、又は本発明の第1の態様による方法を用いて得られた繊維含有エンドウ豆抽出物の、ヒト摂取用食品又は動物用飼料を意図された製品への、好ましくは食肉ベース、家禽ベース、魚ベース及び/又は野菜の製品である再構成製品への、例えば、ハム、バーガーパテ、ミートボール、ナゲット及びコルドンブルー製品、豚肉及び/又は鶏肉及び/又は魚の新鮮なソーセージ及びスライスして食べる冷たいソーセージ、肉ベースの及び/又は魚ベースの及び/又は野菜のパテへの使用に関する。
【発明の効果】
【0012】
多くの植物繊維(ニンジン、小麦、大豆、竹など)が存在するが、本発明のエンドウ豆繊維は、独特の組み合わせの物理化学的特性を有する。実際、本発明者らは、粉砕前のエンドウ豆(ピスム・サティブム(Pisum sativum))を水和することが、いくつかの物理化学的パラメータに有益な効果を有することを、驚くべきことに気付いた。
【0013】
皮剥きエンドウ豆を、本発明の方法により粉砕される前に水和させる場合、繊維含有エンドウ豆抽出物は、乾燥したまま粉砕され、その後水和させた皮剥きエンドウ豆から得られた繊維含有エンドウ豆抽出物で測定した保水量と比較して優れた保水量を有する。
【0014】
さらに、水和時間が重要である。単にエンドウ豆を水溶液と接触させるだけでは、実際の水和を得ること、及び上記の特徴を有することには不十分である。
【0015】
さらに、本発明の方法により皮を剥き、その後水和させたエンドウ豆から得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、水和前に皮を剥いていないエンドウ豆から得られるこの同じエンドウ豆抽出物よりも優れた保水量を有する。
【0016】
本発明の方法により得られた繊維含有エンドウ豆抽出物は、ヒト摂取用食品又は動物用飼料を意図された製品、好ましくは食肉ベース、家禽ベース、魚ベース及び/又は野菜の製品である再構成製品に適用するための優れた保油量及び優れたゲル強度も有する。実際、この繊維含有エンドウ豆抽出物は、高度に機能的かつ有益である。これは、調理時の損失を減らし、さまざまな食肉ベースの調製物の収量の改善に役立つ。これは、ハンバーガー又はナゲットなどの再構成製品の成形テクスチャーを改善すると同時に、最終製品の肉汁の多さを向上させる。これは無色で無味であり、主なアレルゲンはなく、タンパク質に対する機能的な代替物となり得る。
【0017】
独立請求項及び従属請求項は、本発明の特定の好ましい特徴を定義する。従属請求項の特徴は、独立請求項の特徴又は他の従属請求項と適宜組み合わせることができる。添付の特許請求の範囲はまた、本明細書に参照により明白に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施形態による抽出プロセスを図式的に示す。
図2図2は、実施例2の実施形態による抽出プロセスを図式的に示す。
図3図3は、実施例3の実施形態による抽出プロセスを図式的に示す。
図4図4は、実施例4の実施形態による抽出プロセスを図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の方法を説明する前に、本発明は記載された特定の方法、成分、製品又は組合せに限定されず、これらの方法、成分、製品又は組み合わせの変更が、当然のことながら可能であることを理解すべきである。また、本発明の適用分野は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される専門用語を限定的であると見なすことができないことも理解されたい。
【0020】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに反対のことを示さない限り、単数及び複数の指示対象を含む。
【0021】
本明細書で使用される用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「で構成される(composed of)」は、「含む(including)」、「含む(includes)」又は「含有する(containing)」、「含有する(contains)」と同義語であり、記載されていないさらなる方法構成要素、要素又は工程を含むか、又は利用可能であり、これらを排除するものではない。本明細書で使用する用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」及び「で構成される(composed of)」は、「からなる(consisting of)」、「からなる(consists in)」及び「からなる(consists of)」という用語を包含し、さらに「から本質的になる(consisting essentially of)」、「から本質的になる(consists essentially in)」及び「から本質的になる(consists essentially of)」という用語も包含する。
【0022】
端点による数値範囲の言及には、それぞれの範囲に組み込まれたすべての数及び分数、さらに述べられた端点も含まれる。
【0023】
測定可能な値、例えばパラメータ、量、時間などに適用される場合、本明細書で使用される「約」又は「およそ」という用語は、本発明の実施に適切である限り、指定された値に対して±20%以下、好ましくは±10%以下、より優先的には±5%以下、さらにより優先的には±1%以下程度の変動が存在することを意味する。修飾語句「約」又は「およそ」が示す値は、それ自体も具体的かつ好ましくは記載されていることが理解されよう。
【0024】
「1又は複数の」又は「少なくとも1つの」という用語、例えば一群のメンバーの1又は複数のメンバー、あるいは少なくとも1つのメンバーは、例による明示によってそれ自体が明らかであるが、この用語は、とりわけ前記メンバーのいずれか1つ、又は前記メンバーの少なくともいずれか2つ、例えば前記メンバーの3以上、4以上、5以上、6以上又は7以上など、及び最大前記メンバー全てを含む。
【0025】
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。特に、本明細書において明示的に言及されたすべての参考文献の教示は、参照により組み込まれる。
【0026】
他に定義されない限り、技術用語及び科学用語を含む本発明の明細書に使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。さらなる情報として、これらの用語の定義は、本発明の教示をより明確に理解するために含まれる。
【0027】
本発明のさまざまな態様は、以下の項においてより詳細に定義される。このように定義された各態様は、明確に他のことが指示されない限り、任意の他の態様と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であることが示される任意の特性は、好ましい又は有利であることが示される別の又は他の特性と組み合わせることができる。
【0028】
本明細書において「実施形態」に対する任意の言及は、実施形態に関して説明した特定の機能、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書のさまざまな箇所における「一実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らないが、そうであることもあり得る。さらに、特定の機能、構造又は特性は、1又は複数の実施形態において、本明細書を読む当業者には明らかであるように、任意の適切な様式で組み合わせることができる。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特性を含むが、他の特性は含まず、さまざまな実施形態の特性の組み合わせは、本発明の適用分野の一部であり、当業者により理解されるさまざまな実施形態を形成する。例えば、添付の特許請求の範囲において、特許請求される実施形態のいずれか1つを任意の組み合わせで使用することができる。
【0029】
本発明の以下の詳細な説明において添付の図面を参照するが、これらの図面は本発明の不可欠な部分であり、これらの図面には本発明を実施することができる特定の実施形態が単なる例示として示されている。本発明の適用分野から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、構造的又は論理的変更を導入することができることが理解される。したがって、以下の詳細な説明は、限定的であると見なされるべきではなく、本発明の適用分野は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0030】
本発明は、特に、以下の態様及び実施形態並びに1から84の番号が付された適用のうちのいずれか1つ又は1もしくは複数の任意の組み合わせによって表される。
【0031】
1.繊維含有エンドウ豆抽出物を調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
(a)エンドウ豆含有水性組成物を形成するために、皮剥きエンドウ豆を水溶液と接触させる工程、
(b)前記エンドウ豆を前記水性組成物中で少なくとも30分間及び多くとも15時間水和させておく工程、
(c)結果として粉砕エンドウ豆を得るために前記エンドウ豆を粉砕する工程、及び
(d)少なくとも1種の繊維含有エンドウ豆抽出物を得るために、前記粉砕エンドウ豆を分画する工程。
【0032】
2.工程(a)の次に工程(b)、その次に工程(c)、その次に工程(d)が行われる、適用1に記載の方法。
【0033】
3.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)が実施される、適用1又は2に記載の方法。
【0034】
4.工程(d)における前記粉砕エンドウ豆の分画が、前記粉砕エンドウ豆を遠心分離及び/又は濾過による少なくとも1つの分離工程に供することを含む、適用1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0035】
5.分画工程(d)が少なくとも2つの分画工程(d1)及び(d2)に分けることができる、適用1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0036】
6.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)における前記粉砕エンドウ豆の分画が、前記粉砕エンドウ豆を、繊維富化画分を得るために沈降、濾過及び/又は遠心分離による分離の少なくとも1つの工程に供することを含む、適用1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0037】
7.分画工程(d)が少なくとも2つの分画工程(d1)及び(d2)に分けることができ、分画工程(d2)が、工程(d1)で得られた繊維富化画分の少なくとも1つの濾過工程、より詳細には、繊維含有エンドウ豆抽出物を得るための篩い分け工程を含む、適用1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0038】
8.工程(b)の間に、前記水性組成物中のエンドウ豆を、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも1.5時間、好ましくは少なくとも3時間、さらにより優先的には少なくとも6時間水和させる、適用1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0039】
9.工程(b)の間に、前記水性組成物中のエンドウ豆が少なくとも0℃の温度において水和される、適用1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0040】
10.工程(b)の間に、前記エンドウ豆含有水性組成物が少なくとも1回の発酵に供される、適用1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0041】
11.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)における前記粉砕エンドウ豆の分画が、粉砕エンドウ豆のpHを少なくともpH6に調整することを含む、適用1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0042】
12.適用1から11のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる、繊維含有エンドウ豆抽出物。
【0043】
13.適用3から11のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる、繊維含有エンドウ豆抽出物。
【0044】
14.繊維含有エンドウ豆抽出物であって、
- 少なくとも30/70及び多くとも85/15の繊維/デンプン重量比、優先的には少なくとも40/60及び多くとも70/30のエンドウ豆繊維/デンプン重量比;
- AOAC-985.29法によるアッセイで固形物を基準として少なくとも35重量%及び多くとも80重量%の繊維量、優先的にはAOAC-985.29法によるアッセイで固形物を基準として少なくとも40重量%及び多くとも55重量%の繊維量;
- 抽出物の総重量を基準として少なくとも80%及び多くとも95%の固形分、優先的には抽出物の総重量を基準として少なくとも86%及び多くとも94%の固形分、より優先的には抽出物の総重量を基準として少なくとも88%及び多くとも92%の固形分、及び
- 固形物を基準として5%未満のタンパク質含量を含み、
- 固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g及び多くとも19gの保水量、優先的には少なくとも固形物の単位量(g)当たりの水の量が9g及び多くとも17gの保水量を有し、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g及び多くとも15gの保水量、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g及び多くとも13gの保水量、
を有することを特徴とする。
【0045】
15.適用14に記載の繊維含有エンドウ豆抽出物であって、
- 乾式粒径分析で測定された、D50<400μmの粒径;
- 乾式粒径分析で測定された、D90<700μmの粒径を含み、
- 固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも2.5g及び多くとも5.0gの保油量、優先的には固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも2.8g及び多くとも3.2gの保油量、及び
- 少なくとも400g及び多くとも900gの熱処理後ゲル強度、優先的には少なくとも400g及び多くとも600gの熱処理後ゲル強度、
を有することを特徴とする。
【0046】
16.繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物であって、
- 乾式粒径分析で測定された、D50<200μmの粒径;
- 乾式粒径分析で測定された、D90<400μmの粒径;
- 少なくとも30/70及び多くとも85/15の繊維/デンプン重量比、優先的には少なくとも40/60及び多くとも70/30の繊維/デンプン重量比;
- AOAC-985.29法によるアッセイで固形物を基準として少なくとも35重量%及び多くとも80重量%の繊維量、優先的にはAOAC-985.29法によるアッセイで固形物を基準として少なくとも40重量%及び多くとも65重量%の繊維量;
- 抽出物の総重量を基準として少なくとも80%及び多くとも95%の固形分、優先的には抽出物の総重量を基準として少なくとも86%及び多くとも94%の固形分、より優先的には抽出物の総重量を基準として少なくとも88%及び多くとも92%の固形分
を含み、
- 固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも7g及び多くとも17gの保水量、優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも7g及び多くとも15gの保水量を有し、より優先的には少なくとも固形物の単位量(g)当たりの水の量が7g及び多くとも13gの保水量、さらにより優先的には少なくとも固形物の単位量(g)当たりの水の量が7g及び多くとも11gの保水量、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g及び多くとも11gの保水量、
を有することを特徴とする。
【0047】
17.適用16に記載の繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物であって、
- 固形物を基準として5%未満のタンパク質含量を含み、
- その上固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも1.5g及び多くとも5.0gの保油量、優先的には固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも2.0g及び多くとも3.0gの保油量、並びに
- 少なくとも250g及び多くとも900gの熱処理後ゲル強度、優先的には少なくとも300g及び多くとも400gの熱処理後ゲル強度、
を有することを特徴とする。
【0048】
18.適用12から17のいずれか1つに記載の繊維含有エンドウ豆抽出物を含む食用組成物、好ましくはヒト摂取用食品又は動物用飼料を意図される製品。
【0049】
19.ヒト摂取用食品又は動物用飼料、好ましくは食肉ベース、家禽ベース、魚ベース又は野菜の製品である再構成製品、好ましくは食肉ベース、家禽ベース、魚ベース及び/又は野菜の製品である再構成製品、豚肉及び/又は鶏肉及び/又は魚の新鮮なソーセージ及びスライスして食べる冷たいソーセージ、肉/魚ベース又はベジタリアンのパテへの、適用12から17のいずれか1つに記載の繊維含有エンドウ豆抽出物の使用。
【0050】
20.工程(a)の前記水溶液が水である、適用1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0051】
21.工程(a)のエンドウ豆が乾燥エンドウ豆、好ましくは乾燥エンドウ豆の総重量を基準として少なくとも80%及び多くとも95%の固形分を有するエンドウ豆である、適用1から11及び20のいずれか1つに記載の方法。
【0052】
22.エンドウ豆含有水性組成物を再構成するために、工程(a)において水溶液に添加されるエンドウ豆の量がエンドウ豆含有水性組成物1mあたり少なくとも150kg及び多くとも500kgである、適用1から11及び20から21のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
23.工程(b)が乳酸菌の存在下での、好ましくは1又は複数種の乳酸桿菌の存在下での前記エンドウ豆の発酵を含む、適用1から11及び20から22のいずれか1つに記載の方法。
【0054】
24.工程(b)が、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、アエロコッカス属(Aerococcus)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、オエノコッカス属(Oenococcus)、スポロラウトバチルス属(Sporolactobacillus)、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)、バゴコッカス属(Vagococcus)及びワイセラ属(Weisella)及びこれらの組み合わせを含む群から選択される乳酸菌の存在下での前記エンドウ豆の発酵を含む、適用1から11及び20から23のいずれか1つに記載の方法。
【0055】
25.工程(b)が、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ブチネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)及びラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)並びにこれらの混合物を含む群から選択される乳酸菌の存在下での前記エンドウ豆の発酵を含む、適用1から11及び20から24のいずれか1つに記載の方法。
【0056】
26.工程(b)が、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、及びこれらの混合物を含む群から選択される乳酸菌の存在下での前記エンドウ豆の発酵を含む、適用1から11及び20から25のいずれか1つに記載の方法。
【0057】
27.工程(b)が、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、又は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)である乳酸菌の存在下での前記エンドウ豆の発酵を含む、適用1から11及び20から26のいずれか1つに記載の方法。
【0058】
28.工程(b)が、嫌気性発酵である前記エンドウ豆の発酵を含む、適用1から11及び20から27のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
29.工程(b)の前記エンドウ豆を、粉砕され、次いで9gの水に懸濁された1gの前記エンドウ豆に対して雰囲気温度において測定して、前記エンドウ豆のpHが高くても5.5、好ましくは高くても5.0になるまで発酵に供する、優先的には、前記エンドウ豆のpHが低くてもpH3.5及び高くてもpH5になるまで発酵に供する、1から11及び20から28のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
30.工程(b)の前記エンドウ豆を、粉砕され、次いで9gの水に懸濁された1gの前記エンドウ豆に対して雰囲気温度において測定して、前記エンドウ豆のpHが少なくとも1pH単位、好ましくは少なくとも1.5pH単位低下するまで発酵に供する、1から11及び20から29のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
31.工程(b)の前記エンドウ豆を、前記エンドウ豆含有水性組成物1ml当たり少なくとも10cfuから多くとも1010cfuの乳酸菌の存在下で発酵に供する、適用1から11及び20から30のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
32.工程(b)の終わりに、前記エンドウ豆が単位質量当たり少なくとも25及び多くとも250mEq OHの酸性度を有する、適用1から11及び20から31のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
33.工程(c)の粉砕を湿式で行う、適用1から11及び20から32のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
34.工程(b)の後及び工程(c)の前に、エンドウ豆を漉して、その後に水溶液と接触させる、適用1から11及び20から33のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
35.前記水溶液が水である、適用34に記載の方法。
【0066】
36.工程(b)の後及び工程(c)の前の前記エンドウ豆が、エンドウ豆の総重量を基準として少なくとも35%及び多くとも70%の固形分、好ましくは少なくとも40%及び多くとも50%の固形分を有する、適用1から11及び20から35のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
37.粉砕工程(c)の前、間及び/又は後に、水溶液、好ましくは水を添加して、組成物の総重量を基準として少なくとも15%及び多くとも35%の固形物、好ましくは組成物の総重量を基準として15%~35%の固形物、組成物の総重量を基準として18%~33%、例えば20%~30%の固形物、組成物の総重量を基準として例えば少なくとも21%、例えば少なくとも22%、例えば少なくとも23%、例えば少なくとも24%、例えば少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%の固形物、例えば組成物の総重量を基準として多くとも30%の固形物、組成物の総重量を基準として多くとも31%、多くとも32%、多くとも33%、多くとも34%の固形物を含む、粉砕エンドウ豆含有水性組成物を得るようにする、適用1から11及び20から36のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
38.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)における前記粉砕エンドウ豆の分画が、粉砕エンドウ豆のpHを少なくとも6、好ましくは少なくとも7、好ましくは少なくとも8及び高くても9のpHに調整することを含む、適用1から11及び20から37のいずれか1つに記載の方法。このpHの調整は、粉砕工程(c)中に行うことができる。このpHの調整は、任意の適切な塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化カルシウムを用いて行うことができる。好ましくは、このpHの調整は、多くとも45%、好ましくは多くとも40%、好ましくは多くとも35%、好ましくは多くとも30%、好ましくは多くとも25%の固形分を有する、粉砕エンドウ豆含有水性組成物に対して実施される。一実施形態において、粉砕エンドウ豆の固形分は、適切に水を加えることによって上記固形分に調整される。
【0069】
39.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)における前記粉砕エンドウ豆の分画が、前記粉砕エンドウ豆を少なくとも1つの沈降工程、好ましくは遠心分離による沈降に供する工程を含み、沈降されたペレットが繊維富化画分を含む、適用1から11及び20から38のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
40.分画工程(d)が、前記粉砕エンドウ豆を少なくとも1つの濾過工程に供する少なくとも1つの工程を含み、ケーキが、繊維含有エンドウ豆抽出物を含む、適用1から11及び20から38のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
41.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)における前記粉砕エンドウ豆の分画が、前記粉砕エンドウ豆を、ハイドロサイクロンによる少なくとも1つの分離工程に供する工程を含み、アンダーフローが、繊維富化画分を含む、適用1から11及び20から38のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
42.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)における前記粉砕エンドウ豆の分画が、前記粉砕エンドウ豆を少なくとも1つの沈降工程、好ましくはペレットを得るための遠心分離による少なくとも1つの沈降工程に供する工程を含み、得られたこれらのペレットを少なくとも1つの濾過工程(d2)に供する、適用1から11及び20から39のいずれか1つに記載の方法。
【0073】
43.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)における前記粉砕エンドウ豆の分画が、前記粉砕エンドウ豆を、アンダーフローを得るためにハイドロサイクロンによる少なくとも1つの分離工程に供する工程及びこれらのアンダーフローを遠心分離による少なくとも1つの沈降工程(d2)に供する工程を含む、適用1から11及び20から42のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
44.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)で得られた繊維富化画分がエンドウ豆デンプンをも含む、適用1から11及び20から43のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
45.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)で得られた繊維富化画分が、画分の総重量を基準として少なくとも35%及び多くとも55%の固形分、優先的には画分の総重量を基準として少なくとも40%及び多くとも50%の固形分を含む、適用1から11及び20から44のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
46.分画工程(d)が少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)で得られた繊維富化画分が、固形物を基準として、少なくとも50重量%のデンプン及び多くとも90重量%のデンプン、優先的には固形物を基準として少なくとも60重量%及び多くとも80重量%のデンプンを含む、適用1から11及び20から45のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
47.分画工程(d)が少なくとも2つの分画工程(d1)及び(d2)に分けることができ、工程(d2)が前記繊維富化画分を少なくとも1つの分離工程に供し、その後少なくとも1つの濃縮工程、優先的にはプレス又はデカンタを通過させることによる濃縮工程、より優先的にはプレスを通過させることによる濃縮工程に供することを含む、適用1から11及び20から46のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
48.繊維含有エンドウ豆抽出物に含まれる繊維がペクチンを含む、適用1から11及び20から47のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
49.繊維含有エンドウ豆抽出物に含まれる繊維がヘミセルロースを含む、適用1から11及び20から48のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
50.繊維含有エンドウ豆抽出物に含まれる繊維がセルロースを含む、適用1から11及び20から49のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
51. 繊維含有エンドウ豆抽出物に含まれる繊維がリグニンを含む、適用1から11及び20から50のいずれか1つに記載の方法。
【0082】
52.繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の90%が、湿式粒径分析による測定でサイズ<700μmを有する、適用1から11及び20から51のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
53.繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の50%が、湿式粒径分析による測定でサイズ<450μmを有する、適用1から11及び20から52のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
54.繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物を基準として少なくとも10重量%のデンプン及び多くとも60重量%のデンプン、優先的には固形物を基準として少なくとも20重量%及び多くとも50重量%のデンプンを含む、適用1から11及び20から53のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
55.繊維含有エンドウ豆抽出物が、少なくとも30/70及び多くとも85/15の繊維/デンプン重量比、優先的には少なくとも40/60及び多くとも70/30の繊維/デンプン重量比を有する、適用1から11及び20から54のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
56.繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも5g及び多くとも21g、優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも7g及び多くとも17g、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g及び多くとも15gの保水量を有する、適用1から11及び20から55のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
57.繊維含有エンドウ豆抽出物が固形物を基準として5%未満のタンパク質含量を有する、適用1から11及び20から56のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
58.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)が、エントレインメントによって、好ましくはフラッシュ乾燥機、旋回フラッシュ乾燥機及び/又は流動空気床乾燥機において実施される、適用3から11及び20から57のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
59.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、組成物の総重量を基準として多くとも95%の固形分及び少なくとも80%の固形分を有する、適用3から11及び20から58のいずれか1項に記載の方法。
【0090】
60.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、AOAC-985.29方法によるアッセイで固形物を基準として、多くとも90重量%の繊維、優先的には多くとも80重量%の繊維、及びAOAC-985.29法によるアッセイで少なくとも35重量%の繊維、より優先的には少なくとも40重量%の繊維を含む、適用3から11及び20から59のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
61.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物を基準として、少なくとも10重量%のデンプン及び多くとも60重量%のデンプン、優先的には少なくとも20重量%のデンプン及び多くとも50重量%のデンプンを含む、適用1から11及び20から60のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
62.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、少なくとも40/60及び多くとも85/15の繊維/デンプン重量比を有し、優先的には少なくとも50/50及び多くとも70/30の繊維/デンプン重量比を有する、適用3から11及び20から61のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
63.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の50%が、乾式粒径分析で測定されたサイズ<400μm、好ましくは乾式粒径分析で測定されたサイズ<300μmを有する、適用3から11及び20から62のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
64.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の90%が、乾式粒径分析で測定されたサイズ<700μm、好ましくは乾式粒径分析で測定されたサイズ<600μm、さらにより優先的には乾式粒径分析で測定されたサイズ<500μmを有する、適用3から11及び20から63のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
65.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも5g及び多くとも20g、優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも6g及び多くとも16g、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも8g及び多くとも14gの保水量を有する、適用3から11及び20から64のいずれか1つに記載の方法。
【0096】
66.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも2.5g及び多くとも5.0g、優先的には固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも2.7g及び多くとも3.4gの保油量を有する、適用3から11及び20から65のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
67.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、少なくとも400g及び多くとも900g、優先的には少なくとも450g及び多くとも500gの熱処理後ゲル強度を有する、適用3から11及び20から66のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
68.前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)を実施し、乾燥工程(e)の後に得られる前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物を基準として5%未満のタンパク質含量を有する、適用3から11及び20から67のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
69.工程(d)の後、より優先的には工程(e)の後に第2の粉砕を行うことができる、適用1から11及び20から68のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
70.繊維含有エンドウ豆抽出物が、AOAC-985.29法によるアッセイで固形物を基準として、少なくとも35重量%及び多くとも90重量%の繊維、優先的には少なくとも40重量%及び多くとも80重量%の繊維を含む適用68に記載の方法。
【0101】
71.繊維含有エンドウ豆抽出物が、少なくとも40/60及び多くとも85/15の繊維/デンプン重量比、優先的には少なくとも50/50及び多くとも70/30の繊維/デンプン重量比を有する、適用69及び70のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
72.繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物を基準として、少なくとも10重量%のデンプン及び多くとも60重量%のデンプン、優先的には固形物を基準として少なくとも20重量%及び多くとも50重量%のデンプンを含む、適用69から71のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
73.繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の50%が、乾式粒径分析で測定されたサイズ<200μm、好ましくは乾式粒径分析で測定されたサイズ<100μmを有する、適用69から72のいずれか1つに記載の方法。
【0104】
74.繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の90%が、乾式粒径分析で測定されたサイズ<400μmのサイズ、好ましくは乾式粒径分析で測定されたサイズ<300μmを有する、適用69から73のいずれか1つに記載の方法。
【0105】
75.前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物の単位量(g)当たりの水の量が5g及び多くとも20g、優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも5g及び多くとも17gの水、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも6g及び多くとも15gの保水量を有する、適用69から74のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
76.前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも1.5g及び多くとも5.0g、優先的には固形物の単位量(g)当たりの油の量が少なくとも2.0g及び多くとも2.5gの保油量を有する、適用69から75のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
77.前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、少なくとも250g及び多くとも900g、優先的には少なくとも300g及び多くとも500gの熱処理後ゲル強度を有する、適用69から76のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
78.前記繊維含有エンドウ豆抽出物が、固形物を基準として5%未満のタンパク質含量を有する、適用69から77のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
79.適用1から11及び20から78のいずれか1つに記載の方法であって、
(a)エンドウ豆含有水性組成物を形成するために、皮剥きエンドウ豆を水溶液と接触させる工程、
(b)前記エンドウ豆を前記水性組成物中で少なくとも30分間及び多くとも15時間水和させておく工程、
(c)結果として粉砕エンドウ豆を得るために、前記エンドウ豆を粉砕する工程、
(d1)少なくとも1つの繊維富化画分を得るために、前記粉砕エンドウ豆を分画する工程、並びに
(d2)繊維含有エンドウ豆抽出物を得るために、前記繊維富化画分を分画する工程
を含む。
【0110】
80.適用1から11及び20から79のいずれか1つに記載の方法であって、
(a)エンドウ豆含有水性組成物を形成するために、皮剥きエンドウ豆を水溶液と接触させる工程、
(b)前記エンドウ豆を前記水性組成物中で少なくとも30分間及び多くとも15時間水和させたままにする工程、
(c)結果として粉砕エンドウ豆を得るために、前記エンドウ豆を粉砕する工程、
(d)少なくとも1つの繊維含有エンドウ豆抽出物を得るために、前記粉砕エンドウ豆を分画する工程、並びに
(e)前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥する工程
を含み、場合により工程(e)の前又は後に前記エンドウ豆抽出物を粉砕する。
【0111】
81.適用1から11及び20から80のいずれか1つに記載の方法であって、
(a)エンドウ豆含有水性組成物を形成するために、皮剥きエンドウ豆を水溶液と接触させる工程、
(b)前記エンドウ豆を前記水性組成物中で少なくとも30分間及び多くとも15時間水和させたままにする工程、
(c)結果として粉砕エンドウ豆を得るために、前記エンドウ豆を粉砕する工程、
(d1)少なくとも1つの繊維富化画分を得るために、前記粉砕エンドウ豆を分画する工程、
(d2)繊維含有エンドウ豆抽出物を得るために、前記繊維富化画分を分画する工程、並びに
(e)前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥する工程
を含み、場合により工程(e)の前又は後に前記エンドウ豆抽出物を粉砕する。
【0112】
82.適用1から11及び20から79のいずれか1つに記載の方法であって、
(a)エンドウ豆含有水性組成物を形成するために、皮剥きエンドウ豆を水溶液と接触させる工程、
(b)前記エンドウ豆を前記水性組成物中で少なくとも3時間及び多くとも8時間水和させたままにする工程、
(c)結果として粉砕エンドウ豆を得るために、前記エンドウ豆を粉砕する工程、
(d1)少なくとも1つの繊維富化画分を得るために、前記粉砕エンドウ豆を分画する工程、
(d2)繊維含有エンドウ豆抽出物を得るために、前記繊維富化画分を分画する工程、並びに
(e)前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥する工程
を含み、場合により工程(e)の前又は後に前記エンドウ豆抽出物を粉砕する。
【0113】
83.前記水が水道水、井戸水又は脱塩水であってよい、適用20から82のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
84.適用1から11及び20から83のいずれか1つに記載の方法によって得ることができる、繊維含有エンドウ豆抽出物。
【0115】
本明細書で使用される場合、「エンドウ豆」という用語は、ピスム・サティブム(Pisum sativum)(しわエンドウ豆(wrinkled pea)又は丸エンドウ豆(smooth pea)及びその亜種、変種又は栽培品種の莢に包含される丸い種子を指す。好ましくは、エンドウ豆は、黄色エンドウ豆、好ましくは乾燥した黄色エンドウ豆、すなわち乾燥状態で収穫された黄色エンドウ豆である。本明細書で使用される場合、用語「繊維」、より具体的には「エンドウ豆内部繊維」又は「子葉」又は「細胞壁繊維」は、したがって主に皮剥きエンドウ豆種子に含まれる繊維を意味する。
【0116】
好ましい一実施形態によれば、エンドウ豆繊維としては主にペクチン、リグニン、セルロース及びヘミセルロースが挙げられる。
【0117】
本発明によれば、エンドウ豆は、皮剥きエンドウ豆であり、すなわち、莢の中に存在するが、外皮又は皮が除去されているエンドウ豆である。外皮の除去は、当該技術分野で公知の技術によって、例えば皮剥き機を用いて機械的に行うことができる。本明細書において皮剥きエンドウ豆について言及する場合、いくつかの実施形態において、すべてではないが大部分の個々のエンドウ豆が皮を剥かれており、好ましくは50%超のエンドウ豆、より優先的には60%超、より優先的には70%超、さらにより優先的には80%超、さらにより優先的には90%超のエンドウ豆が皮を剥かれている。
【0118】
本明細書で使用されるエンドウ豆は、水和に供される前に選別することができる。例えば、石又は大きなサイズの植物物質、並びに傷ついたエンドウ豆も、本発明による使用を意図されているエンドウ豆から除去することができる。
【0119】
本明細書で使用される表現「繊維含有エンドウ豆抽出物の調製」とは、特定の他のエンドウ豆成分から繊維を精製及び分離することを指す。
【0120】
当業者であれば、繊維含有エンドウ豆抽出物は主に繊維を含むが、エンドウ豆デンプンも含んでよく、さらに脂質、タンパク質、ミネラルなどの一定量の追加成分(不純物)も存在してよいことを理解するであろう。
【0121】
本発明によれば、上記の方法の工程(a)から(d)は、好ましくは以下の順序で実施される:工程(a)の次に工程(b)、その次に工程(c)、その次に工程(d)。しかし、本発明によれば、工程(c)及び(d)を同時に実施すること、すなわち粉砕工程及び分画工程を同時に実施することも可能である。
【0122】
本明細書に記載の方法の工程(a)によれば、皮剥きエンドウ豆を水溶液と接触させて、エンドウ豆含有水性組成物を形成する。本発明によれば、工程(a)で使用されるエンドウ豆は、非粉砕エンドウ豆(すなわち、完全なエンドウ豆)である。しかし、一実施形態において、エンドウ豆は割れたエンドウ豆であってもよい。一実施形態において、エンドウ豆は収穫時及び乾燥後に丸い状態である。外皮を除去した後、天然の種子子葉部を手作業又は機械的に分離して、「割れたエンドウ豆」を得ることができる。
【0123】
本明細書で使用される場合、工程(a)で使用される表現「エンドウ豆含有水性組成物」は、エンドウ豆に加えて水などの水溶液を主に含むか、又は排他的にこれらからなる組成物を指す。いくつかの実施形態において、水性組成物は、例えば、水溶液中のエンドウ豆の懸濁液が挙げられる。好ましい一実施形態において、水溶液は水である。一実施形態において、水は、水道水、井戸水又は脱塩水であってよい。使用される水は、好ましくは飲料水、すなわちヒトの摂取に適した水である。
【0124】
ある実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物を再構成するために水溶液に添加されるエンドウ豆の量は、エンドウ豆含有水性組成物1m当たり、好ましくは150~500kgのエンドウ豆、すなわちエンドウ豆150~500kgに対して、最終容量が1mになるまで水溶液が添加される。
【0125】
一実施形態において、本明細書に記載の方法の工程(a)におけるエンドウ豆含有水性組成物は、エンドウ豆含有水性組成物について測定して、少なくとも6、好ましくは少なくとも6.2、例えば少なくとも6.4のpHを有する。
【0126】
好ましい一実施形態において、水性組成物と接触している皮剥きエンドウ豆は自然乾燥して収穫されるか、又は一実施形態において、エンドウ豆は成熟時に収穫した後に乾燥されたエンドウ豆であってもよい。好ましくは、エンドウ豆は、皮剥き乾燥エンドウ豆であり、少なくとも80重量%の固形分(すなわち、総重量100gのエンドウ豆に対して少なくとも80gの固形物)、より優先的には少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%の固形分、例えば80%~95%の間、例えば85%~95%の間、例えば90%~95%の間の固形分を有する。
【0127】
本明細書に記載の方法の工程(b)によれば、水性組成物のエンドウ豆は、少なくとも30分間及び多くとも15時間水和に供される。一実施形態において、水性組成物のエンドウ豆は、記載の方法の工程(b)において、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、好ましくは少なくとも3時間、例えば少なくとも4時間、例えば少なくとも5時間、より優先的には少なくとも6時間、約7時間、約8時間、約9時間、例えば多くとも10時間、例えば多くとも11時間、例えば多くとも12時間、例えば多くとも13時間、例えば多くとも14時間、例えば多くとも15時間の間水和に供される。別の実施形態において、水性組成物のエンドウ豆は、記載の方法の工程(b)において、30分~14時間の間、好ましくは1時間~14時間の間、より優先的には1時間~12時間の間、さらにより優先的には3時間~9時間の間水和に供される。
【0128】
好ましい一実施形態において、工程(b)の前記エンドウ豆は、少なくとも0℃、少なくとも5℃、少なくとも10℃、少なくとも15℃、少なくとも17℃、少なくとも20℃、少なくとも雰囲気温度、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも45℃において水和工程に供される。一実施形態において、前記エンドウ豆は、高々5℃、高々10℃、高々15℃、高々17℃、高々20℃、高々雰囲気温度、高々25℃、高々30℃、高々35℃、高々40℃、高々45℃、高々50℃において水和工程に供される。一実施形態において、前記エンドウ豆は、0℃~50℃の間、0℃~30℃の間、より優先的には5℃~25℃の間、さらにより優先的には20℃~25℃の間において水和工程に供される。
【0129】
一実施形態において、水和工程の開始時又は間に、発酵を行うことができる。本明細書中で使用される場合、用語「発酵」は、当技術分野で一般的に認められている意味を有する。さらなる情報として、発酵は、酵母及び/又は細菌を使用して、酸及び/又はガスへの糖の変換を含む微生物学的代謝プロセスと規定することができる。一実施形態によれば、エンドウ豆含有水性組成物を発酵に供するとは、本明細書中で使用される場合、結果として、エンドウ豆含有水性組成物を、細菌及び/又は酵母と一緒に、該細菌及び/酵母の代謝的活動に適切な条件下でインキュベートすることを指す。
【0130】
一実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、上記の方法の工程(b)において乳酸菌による発酵に供される。本明細書中で使用される場合、表現「乳酸菌」は、グラム陽性であり、グアニン+シトシン含有量が低く、酸耐性であり、一般に非胞子形成性であり、嫌気性であり、それらの共通の代謝特性及び生理学的特性により関連しており、炭水化物発酵の主要最終代謝産物として乳酸を生成する、球菌又は桿菌の集団を指す。これらの細菌は、一般に分解植物及び乳製品に存在し得る。本明細書中で使用される場合、乳酸菌は、それらが摂取された場合に損傷を引き起こさないか、又は有害な作用をもたらさないという意味で非病原性であり得る。好ましくは、乳酸菌は、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、アエロコッカス属(Aerococcus)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、オエノコッカス属(Oenococcus)、スポロラウトバチルス属(Sporolactobacillus)、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)、バゴコッカス属(Vagococcus)及びワイセラ属(Weisella)並びにこれらの組み合わせを含む群から選択される、1又は複数の細菌属である。最も好ましくは、乳酸菌は、ラクトバチルス種であり、最も好ましくは、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ブチネリ(Lactobacillus buchneri)、ラクトバチルス・デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)及びラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)並びにこれらの混合物からなる群から選択され、例えば、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)からなる群から選択され、例えば、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・パニス(Lactobacillus panis)、ラクトバチルス・ムコサエ(Lactobacillus mucosae)、ラクトバチルス・ポンティス(Lactobacillus pontis)、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、例えば、前記細菌はラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、又は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)である。いくつかの実施形態において、発酵は、自発的発酵(すなわち、発酵微生物を意図的に添加しないが、発酵がエンドウ豆及び/又は環境に自然に存在する微生物によって発酵が行なわれる)であっても、又は接種発酵(すなわち、発酵微生物を意図的に添加する)であってもよい。発酵はまた、発酵工程由来の水性画分の一部又は全部を、その後に開始される次の発酵に移すことによって、例えば第1発酵の少なくとも10回のうち1回は、容量を少なくとも1つの第2の発酵工程に移すことによって実施してもよい。好ましい一実施形態において、発酵は嫌気性発酵である。
【0131】
一実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、好ましくは実験の項に記載のように粉砕され、次いで9gの水に懸濁された1gの前記エンドウ豆に対して雰囲気温度において測定して、エンドウ豆のpHが高くても5.5、好ましくは高くても5.0、より優先的には3.5~5の間になるまで、上記の方法の工程(b)において発酵に供される。一実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、例えば好ましくは実験の項に記載のように粉砕され、次いで9gの水に懸濁された1gの前記エンドウ豆に対して雰囲気温度において測定して、エンドウ豆のpHが低くても3.5、例えば低くても3.75、例えば低くても4.0、例えば低くても4.25、例えば低くても4.50、例えば低くても4.75、例えば高くても5.0、例えば高くても5.25、例えば高くても5.5、3.5~4.5の間、例えば4.0~5.0の間、好ましくは4.5~5.5の間になるまで、上記の方法の工程(b)において発酵に供される。
【0132】
一実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、好ましくは、粉砕され、次いで9gの水に懸濁された1gの前記エンドウ豆に対して雰囲気温度において測定された、エンドウ豆のpHが少なくとも1pH単位、好ましくは少なくとも1.5pH単位、例えば、少なくとも1、例えば少なくとも1.1、例えば少なくとも1.2、例えば少なくとも1.3、例えば少なくとも1.4、例えば少なくとも1.5、例えば少なくとも1.6、例えば少なくとも1.7、例えば少なくとも1.8、例えば少なくとも1.9、例えば少なくとも2、例えば少なくとも2.1、例えば少なくとも2.2、例えば少なくとも2.3、例えば少なくとも2.4、例えば少なくとも2.5、例えば少なくとも2.6、例えば少なくとも2.7、例えば少なくとも2.8、例えば少なくとも2.9、例えば少なくとも3pH単位低下するまで上記の方法の工程(b)において発酵に供される。別の実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、好ましくは、粉砕され、次いで9gの水に懸濁された1gの前記エンドウ豆に対して雰囲気温度において測定された、エンドウ豆のpHが1pH単位から3pH単位、好ましくは1.5pH単位から3pH単位、例えば1.5pH単位~2.5pH単位、例えば2.0pH単位~3.0pH単位低下するまで、上記の方法の工程(b)において発酵に供される。限定するものではないが、一例として、好ましくは実験の項に記載のように粉砕され、次いで9gの水に懸濁された1gの前記エンドウ豆に対して雰囲気温度において測定された、エンドウ豆のpHは発酵の開始時において6.5であり、発酵の終了時においてこのエンドウ豆のpHは5.0であり得る。
【0133】
一実施形態において、エンドウ豆を含む水性組成物は、発酵微生物に最適な温度において、好ましくは、発酵微生物に最適な温度より多くとも5℃高いか又は低い温度において、上記の方法の工程(b)において発酵に供される。本明細書で定義される細菌及び/又は酵母の最適温度は、当技術分野において公知である。さらなる情報として、限定するものではないが、本明細書で定義される最適温度は、成長が最大となる温度を指すと規定することができる。さらなる一実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、低くても30℃、例えば30℃~50℃の間、好ましくは35℃~45℃の間の温度において、上記の方法の工程(b)において発酵に供される。別の実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、30℃~40℃の間、35℃~45℃の間、又は40℃~50℃の間、好ましくは40℃又は約40℃の温度において、上記の方法の工程(b)において発酵に供される。
【0134】
一実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、発酵微生物、例えば、好ましくは1又は複数の乳酸菌及び/又は酵母を含む細菌及び/又は酵母、より優先的には、乳酸桿菌及び/又は酵母の1又は複数種から成る群から選択される発酵微生物の存在下で、上記の方法の工程(b)において発酵に供される。一実施形態において、発酵は、前記エンドウ豆含有水性組成物の10cfu/ml~1010cfu/mlの間の濃度において、前記エンドウ豆含有水性組成物、例えば、少なくとも10cfu/ml、例えば少なくとも10cfu/ml、例えば少なくとも10cfu/ml、例えば少なくとも10cfu/ml、例えば少なくとも10cfu/ml、例えば少なくとも10cfu/mlの濃度の1又は複数の上記の微生物の存在下で実施される。単位「cfu」(コロニー形成単位)は、当技術分野で周知であり、例えば、プレートカウントによって決定することができる。「cfu/ml」は、エンドウ豆含有水性組成物のエンドウ豆を含めた総量の1ml当りのコロニー形成単位の量を指すと理解されたい。
【0135】
別の実施形態において、エンドウ豆含有水性組成物は、エンドウ豆含有水性組成物1ml当たり少なくとも10cfu/mlの濃度で添加された、好ましくは1又は複数の乳酸菌及び/又は酵母を含む発酵微生物、より優先的には、1種又は複数種の乳酸桿菌を含む発酵微生物の存在下で、上記の方法の工程(b)において発酵に供される。
【0136】
一実施形態において、上記の方法の工程(b)の後及び工程(c)の前、すなわち水和の終了時及び粉砕工程の前のエンドウ豆は、水和終了時のエンドウ豆の総重量、すなわちエンドウ豆が水性組成物から単離された後のエンドウ豆の総重量を基準として、35重量%~70重量%の間、好ましくは35重量%~55重量%の間、例えば40重量%~50重量%の間の固形分、例えば少なくとも40重量%、例えば少なくとも41重量%、少なくとも42重量%、例えば少なくとも43重量%、例えば少なくとも44重量%、例えば少なくとも45重量%、例えば少なくとも46重量%、例えば少なくとも47重量%、約48重量%、約49重量%、例えば多くとも50重量%、例えば多くとも55重量%、例えば多くとも60重量%の固形分を有する。
【0137】
上記の本発明による方法の工程(c)において、工程(b)において水和に供されたエンドウ豆が粉砕される。この趣旨で、一実施形態において、エンドウ豆は、工程(b)の後に水性組成物から除去され、次いで粉砕に供される。好ましくは、エンドウ豆は、工程(b)の後及び工程(c)の前に洗浄又はすすがれる。洗浄及びすすぎは、水溶液、好ましくは水道水又は処理された井戸水、好ましくは飲料水、脱塩水などの水、すなわちヒトの摂取に適した水で行うことができる。
【0138】
本明細書中で使用される場合、「粉砕エンドウ豆」という用語は、当技術分野で一般的に認められている意味を有する。さらなる情報として、本明細書で使用される粉砕は、内部結合力を克服することによって構造を破壊する機械力に曝すことによって、固体物質、すなわちエンドウ豆を粉砕する方法を指すと規定することができる。したがって、粉砕は、エンドウ豆の元の構造を崩壊させることができる。好ましい一実施形態において、少なくとも25%の固形物を含む粉砕エンドウ豆の粒径は、多くとも300μm、好ましくは多くとも250μm、例えば多くとも200μmのD50を有するようなものであり、D50は粒子の50体積%がD50未満のサイズを有する粒径であると定義され、D50はMalvern型分析装置でレーザー回折分析によって測定される。
【0139】
例えば、D50は、篩い分け又はレーザー回折分析によって測定することができる。例えば、Malvern Instrumentsのレーザー回折システムを有利に使用することができる。粒径は、Malvern型分析装置においてレーザー回折分析によって測定することができる。エンドウ豆を粉砕し、固形分25%の水性懸濁液に組み込んだ後、Malvern型分析装置においてレーザー回折分析により粒径を測定することができる。適切なMalvernシステムとしては、Malvern2000、Malvern MasterSizer2000(MasterSizer Sなど)、Malvern2600及びMalvern3600機器が挙げられる。これらの機器及びその操作マニュアルは、規格ISO13320で定義されている要件を満たしているか、又はそれを超えている。Malvern MasterSizer装置(MasterSizer Sなど)は、適切な光学手段を使用して、Mie理論を適用することによって、例えば平均粒径8μm未満の範囲の下限に対してD50をより正確に測定することができるので、この装置もまた使用することができる。
【0140】
一実施形態において、上記の本発明による方法の工程(c)においてエンドウ豆の粉砕前、粉砕中又は粉砕後に、水溶液、好ましくは水道水又は処理された井戸水又は脱塩水などの水、好ましくは飲料水、すなわちヒトの摂取に適した水がエンドウ豆に添加される。さらなる一実施形態において、好ましくは組成物の総重量を基準として15%~35%の間の固形物、組成物の総重量を基準として15%~35%の間、好ましくは20%~30%の間、例えば少なくとも19%、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも21%、例えば少なくとも22%、例えば少なくとも23%、例えば少なくとも24%、例えば少なくとも25%、例えば少なくとも26%、例えば少なくとも27%、例えば少なくとも28%、例えば少なくとも29%、例えば多くとも30%、例えば多くとも35%の固形物を含む、粉砕エンドウ豆含有水性組成物を得るように、一定量の水溶液がエンドウ豆に添加される。好ましい一実施形態において、粉砕方法は湿式粉砕方法であり、この方法では粉砕前又は粉砕中に水溶液がエンドウ豆に添加される。
【0141】
本明細書中で使用される場合、用語「分画」は、エンドウ豆に含まれる繊維の少なくとも一部がエンドウ豆の残りから分離される方法を指す。分画工程を参照する場合、一部の実施形態において、すべてではないが大部分の繊維が分離され、粉砕エンドウ豆の繊維の総含量を基準として、好ましくは少なくとも50重量%の繊維、好ましくは少なくとも60重量%の繊維が分離される。工程(d)における前記粉砕エンドウ豆の分画は、前記粉砕エンドウ豆を遠心分離及び/又は濾過による少なくとも1つの分離工程に供することを含む。
【0142】
一実施形態において、分画工程(d)は、少なくとも1つの工程(d1)を含み、工程(d1)における前記粉砕エンドウ豆を分画する工程は、繊維富化画分を得るために前記粉砕エンドウ豆を沈降、濾過及び/又は分離のうちの少なくとも1つの工程に供することを含む。
【0143】
好ましい一実施形態によれば、分画工程(d)は、少なくとも2つの分画工程(d1)及び(d2)に分けることができる。
【0144】
粉砕エンドウ豆を繊維富化画分に分画する工程(d1)は、当技術分野で公知の任意の手段、例えば塩基又は適切な塩の添加によって行うことができる。
【0145】
好ましくは、粉砕エンドウ豆は、粉砕エンドウ豆のpHを上昇させることによって分画される。好ましくは、分画工程(d1)は、粉砕エンドウ豆のpHを少なくとも6、好ましくは少なくとも7、最も好ましくは少なくとも8及び高くとも9のpHに調整することを含む。好ましくは、分画工程(d1)は、粉砕エンドウ豆含有水性組成物のpHを上昇させることを含む。好ましい一実施形態において、組成物のpHは、少なくとも6、より優先的には少なくとも7のpHに調整される。別の好ましい実施形態において、組成物のpHは、pH6~pH9の間、より優先的にはpH7~pH9の間の値、例えば少なくとも7.0のpH、例えば少なくとも7.1、例えば少なくとも7.2、例えば少なくとも7.3、例えば少なくとも7.4、例えば少なくとも7.5、例えば少なくとも7.6、例えば少なくとも7.7、例えば少なくとも7.8、例えば少なくとも7.9、例えば少なくとも8.0、例えば少なくとも8.1、例えば少なくとも8.2、例えば少なくとも8.3、例えば少なくとも8.4、例えば高くとも8.5、例えば高くとも8.6、例えば高くとも8.7、例えば高くとも8.8、例えば高くとも8.9、例えば高くとも9.0、最も好ましくはpH7.5~8.5の間、最も好ましくはpH8又は約pH8の値に調整される。好ましくは、このpHの調整は、多くとも45%、好ましくは多くとも40%、好ましくは多くとも35%、好ましくは多くとも30%、好ましくは多くとも25%の固形分を有する、粉砕エンドウ豆含有水性組成物に対して実施される。一実施形態において、粉砕エンドウ豆の固形分は、適切に水を加えることによって上記固形分に調整される。このpHの調整は、任意の適切な塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウムを用いて行うことができる。好ましい一実施形態において、粉砕エンドウ豆含有組成物のpHは、水酸化ナトリウムを添加することによって調整される。
【0146】
特定の一実施形態において、pHを任意に調節した後の前記粉砕エンドウ豆は、少なくとも1つの沈降工程、好ましくは遠心分離による少なくとも1つの沈降工程に供され、沈降したペレットは繊維富化画分を含む。
【0147】
別の実施形態において、pHを任意に調節した後の前記粉砕エンドウ豆は、少なくとも1つの濾過工程に供され、この工程においてケーキは繊維含有エンドウ豆抽出物を含む。
【0148】
別の実施形態において、pHを任意に調整した後の前記粉砕エンドウ豆は、ハイドロサイクロンによる少なくとも1つの分離工程に供され、この工程においてアンダーフローは繊維富化画分を含む。
【0149】
別の好ましい実施形態において、pHを任意に調整した後の前記粉砕エンドウ豆は、少なくとも1つの沈降工程、好ましくはペレットを得るための遠心分離による少なくとも1つの沈降工程に供され、得られたこれらのペレットは少なくとも1つの濾過工程に供される。
【0150】
別の実施形態において、pHを任意に調整した後の前記粉砕エンドウ豆は、ハイドロサイクロンによる少なくとも1つの分離工程に供され、この工程においてアンダーフローは繊維富化画分を含み、これらのアンダーフローは遠心分離による少なくとも1つの沈降工程に供される
【0151】
本明細書の他の箇所に示されているように、本発明による方法の工程(d)及び工程(c)は同時に実施することができ、又は代替的に工程(d)を工程(c)の後に行うことができる。
【0152】
繊維富化画分は、他の成分、特に、分画工程中に不溶性にされた、又は依然として不溶性のままである成分も含み得ることは理解されよう。
【0153】
一実施形態において、繊維富化画分は、組成物の総重量を基準として少なくとも35%の固形分、好ましくは少なくとも36%の固形分、より優先的には少なくとも37%の固形分、例えば少なくとも38%の固形分、例えば少なくとも39%の固形分、例えば少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%の固形分を有する。一実施形態において、繊維富化画分は、組成物の総重量を基準として多くとも50%の固形分、好ましくは多くとも51%の固形分、より優先的には多くとも52%の固形分、例えば多くとも53%の固形分、例えば多くとも54%の固形分、例えば多くとも55%の固形分を有する。別の実施形態において、繊維富化画分は、組成物の総重量を基準として35%~55%の間の固形分、好ましくは40%~50%の間の固形分を有する。
【0154】
一実施形態において、繊維富化画分は、固形物を基準として、少なくとも50重量%のデンプン、より優先的には少なくとも51重量%のデンプン、少なくとも52重量%のデンプン、例えば少なくとも53重量%のデンプン、例えば少なくとも54重量%のデンプン、少なくとも55重量%、少なくとも56重量%、少なくとも57重量%、少なくとも58重量%、少なくとも59重量%、少なくとも60重量%、少なくとも61重量%、少なくとも62重量%、少なくとも63重量%、少なくとも64重量%、少なくとも65重量%、少なくとも66重量%、少なくとも67重量%、少なくとも68重量%、少なくとも69重量%、少なくとも70重量%のデンプン、少なくとも71重量%のデンプン、少なくとも72重量%のデンプン、少なくとも73重量%のデンプン、少なくとも74重量%のデンプン、少なくとも75重量%のデンプン、少なくとも76重量%のデンプン、少なくとも77重量%のデンプン、少なくとも78重量%のデンプン、少なくとも79重量%のデンプン、少なくとも80重量%のデンプン、並びに多くとも90重量%のデンプン、多くとも89重量%のデンプン、多くとも88重量%のデンプン、多くとも87重量%のデンプン、多くとも86重量%のデンプン、多くとも85重量%のデンプン、多くとも84重量%のデンプン、多くとも83重量%のデンプン、多くとも82重量%のデンプン、多くとも81重量%のデンプン、多くとも80重量%のデンプン、多くとも79重量%のデンプン、多くとも78重量%のデンプン、多くとも77重量%のデンプン、多くとも76重量%のデンプン、多くとも75重量%のデンプン、多くとも74重量%のデンプン、多くとも73重量%のデンプン、多くとも72重量%のデンプン、多くとも71重量%のデンプン、多くとも70重量%のデンプン、多くとも69重量%のデンプン、多くとも68重量%のデンプン、多くとも67重量%のデンプン、多くとも66重量%のデンプン、多くとも65重量%のデンプン、多くとも64重量%のデンプン、多くとも63重量%のデンプン、多くとも62重量%のデンプン、多くとも61重量%のデンプン、多くとも60重量%のデンプンを含む。一実施形態において、繊維富化画分は、固形物を基準として、60~80重量%のデンプン、例えば65~75重量%のデンプンを含む。
【0155】
繊維富化画分の繊維含有エンドウ豆抽出物への分画は、篩い分けのような当技術分野で公知の任意の手段によって行うことができる。篩上に保持されない最も細かい粒子は、デンプン粒子及びさらに水相に含まれる可溶性分子に相当する。繊維及び繊維に結合した一部のデンプンも篩い上に保持される。
【0156】
一実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の90%が、湿式粒径分析で測定されたサイズ<700μm、より優先的には湿式粒径分析で測定されたサイズ<500μmを有する。
【0157】
一実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の50%が、湿式粒径分析で測定されたサイズ<450μm、より優先的には湿式粒径分析で測定されたサイズ<400μmのサイズを有する。
【0158】
一実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物を基準として、少なくとも10重量%のデンプン、より優先的には少なくとも11重量%のデンプン、少なくとも12重量%のデンプン、例えば少なくとも13重量%のデンプン、少なくとも14重量%のデンプン、少なくとも15重量%のデンプン、少なくとも16重量%のデンプン、少なくとも17重量%のデンプン、少なくとも18重量%のデンプン、少なくとも19重量%のデンプン、少なくとも20重量%のデンプン、少なくとも21重量%のデンプン、少なくとも22重量%のデンプン、少なくとも23重量%のデンプン、少なくとも24重量%のデンプン、少なくとも25重量%のデンプン、少なくとも26重量%のデンプン、少なくとも27重量%のデンプン、少なくとも28重量%のデンプン、少なくとも29重量%のデンプン、少なくとも30重量%のデンプン、少なくとも31重量%のデンプン、少なくとも32重量%のデンプン、少なくとも33重量%のデンプン、少なくとも34重量%のデンプン、少なくとも35重量%のデンプン、少なくとも36重量%のデンプン、少なくとも37重量%のデンプン、少なくとも38重量%のデンプン、少なくとも39重量%のデンプン、少なくとも40重量%のデンプン、少なくとも41重量%のデンプン、より優先的には少なくとも42重量%のデンプン、例えば少なくとも43重量%のデンプン、例えば少なくとも44重量%のデンプン、少なくとも45重量%のデンプン、少なくとも46重量%のデンプン、少なくとも47重量%のデンプン、少なくとも48重量%のデンプン、少なくとも49重量%のデンプン、少なくとも50重量%のデンプン、少なくとも51重量%のデンプン、少なくとも52重量%のデンプン、少なくとも53重量%のデンプン、少なくとも54重量%のデンプン、少なくとも55重量%のデンプン、並びに多くとも60重量%のデンプン、多くとも59重量%のデンプン、多くとも58重量%のデンプン、多くとも57重量%のデンプン、多くとも56重量%のデンプン、多くとも55重量%のデンプン、多くとも54重量%のデンプン、多くとも53重量%のデンプン、多くとも52重量%のデンプン、多くとも51重量%のデンプン、多くとも50重量%のデンプン、多くとも49重量%のデンプン、多くとも48重量%のデンプン、多くとも47重量%のデンプン、多くとも46重量%のデンプン、多くとも45重量%のデンプン、多くとも44重量%のデンプン、多くとも43重量%のデンプン、多くとも42重量%のデンプン、多くとも41重量%のデンプン、多くとも40重量%のデンプン、多くとも39重量%のデンプン、多くとも約38重量%のデンプン、多くとも約37重量%のデンプン、多くとも約36重量%のデンプン、多くとも約35重量%のデンプンを含む。
【0159】
本発明のいくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、少なくとも40/60、少なくとも41/59、少なくとも42/58、少なくとも43/57、少なくとも44/56、少なくとも45/55、好ましくは少なくとも46/54、少なくとも47/53、少なくとも48/52、少なくとも49/51、少なくとも50/50、好ましくは少なくとも51/49、少なくとも52/48、少なくとも53/47、少なくとも54/46、少なくとも55/45、好ましくは少なくとも56/44、少なくとも57/43、少なくとも58/42、少なくとも59/41、少なくとも60/40の繊維/デンプン重量比を有する。いくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、多くとも85/15、多くとも84/16、多くとも83/17、多くとも82/18、多くとも81/19、多くとも80/20、多くとも79/21、多くとも78/22、多くとも77/23、多くとも76/24、好ましくは多くとも75/25、多くとも74/26、多くとも73/27、多くとも72/28、多くとも71/29、好ましくは多くとも70/30、多くとも69/31、多くとも68/32、多くとも67/33、多くとも66/34、好ましくは多くとも65/35の繊維/デンプンの重量比を有する。いくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、40/60~85/15の間、例えば50/50~70/30の間、例えば55/45~65/35の間の繊維/デンプン重量比を有する。
【0160】
本発明のいくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも5g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも6g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも7g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも8g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも10gの保水量を有する:保水量は、下記の方法により決定される。
- 繊維含有エンドウ豆抽出物の固形物2.00gを、風袋計量済みの管(P1)に正確に計量する
- 最終容量38mlの水を得るために十分な量の水を加える
- 5秒間手動で管を振る
- 管を18時間放置する
- 1820Gで媒体を10分間遠心分離する。
- 再度管を10分間放置する
- 上清を廃棄する
- ペレットを含む管を秤量する(P2)
- 式RE=((P2-P1)-(m×固形物%/100))/(m×固形物/100)を適用する。
P1:管の風袋(g);P2:風袋+ペレットの質量(g);m:繊維含有エンドウ豆抽出物の質量(g)。
【0161】
本発明のいくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも21g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも20g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも19g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも18g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも17g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも16g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも15g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも14gの保水量を有する。
【0162】
本発明のいくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも5g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも6g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも7g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも8g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも10g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも11g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも12g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも13gの保水量を有する。
【0163】
本発明のいくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が5g~21g、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が8g~18g、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が10g~16g、並びにさらに優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が12g~14gの保水量を有する。
【0164】
別のさらなる工程において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、予め固形物が増加されているか否かにかかわらず、乾燥に供することができる。
【0165】
好ましい一実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物の固形物を増加させるために、例えばプレス又はデカンタを通過させることによって、より詳細にはプレスを通過させることによって濃縮工程を実施することができる。
【0166】
一実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、濃縮工程の後に、組成物の総重量を基準として少なくとも8%の固形分、好ましくは少なくとも15%の固形分、より優先的には少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%の固形分を有する。
【0167】
別の実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、プレスを通過した後、組成物の総重量を基準として8%~40%の間、好ましくは20%~30%、より優先的には25%~35%の間の固形分を含む。
【0168】
一実施形態において、前記繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させる少なくとも1つの工程(e)が実施される。
【0169】
乾燥は当該技術分野において公知の任意の手段、例えば、熱風の適用、蒸発、凍結乾燥、接触乾燥、蒸気乾燥、誘電乾燥、ロール乾燥、フラッシュ乾燥、旋回フラッシュ乾燥、流動化空気床における乾燥の適用によって行うことができる。好ましい一実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、フラッシュ乾燥機で乾燥される。
【0170】
特定の一実施形態において、乾燥工程(e)の前に、固形物を増加させる工程が、より優先的には乾燥生成物を再循環させることによって行われる。
【0171】
一実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、組成物の総重量を基準として少なくとも80%の固形分を有する。
【0172】
一実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、組成物の総重量を基準として、多くとも95%、多くとも94%、多くとも93%、多くとも92%、多くとも91%、より優先的には多くとも90%、多くとも89%、多くとも88%、多くとも87%、多くとも86%、多くとも85%の固形分を有する。
【0173】
一実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物を基準として、少なくとも35重量%の繊維及び多くとも90重量%の繊維、35重量%~90重量%の繊維、より優先的には40重量%~85重量%の繊維、より優先的には45重量%~80重量%の繊維、少なくとも36重量%の繊維、少なくとも37重量%の繊維、少なくとも38重量%の繊維、少なくとも39重量%の繊維、少なくとも40重量%の繊維、少なくとも41重量%の繊維、少なくとも42重量%の繊維、少なくとも43重量%の繊維、少なくとも44重量%の繊維、少なくとも45重量%の繊維、少なくとも46重量%の繊維、少なくとも47重量%の繊維、少なくとも48重量%の繊維、少なくとも49重量%の繊維、少なくとも50重量%の繊維、少なくとも51重量%の繊維、少なくとも52重量%の繊維、少なくとも53重量%の繊維、少なくとも54重量%の繊維、少なくとも55重量%の繊維、少なくとも56重量%の繊維、少なくとも57重量%の繊維、少なくとも58重量%の繊維、少なくとも59重量%の繊維、少なくとも60重量%の繊維、少なくとも61重量%の繊維、少なくとも62重量%の繊維、少なくとも63重量%の繊維、少なくとも64重量%の繊維、少なくとも65重量%の繊維、少なくとも66重量%の繊維、少なくとも67重量%の繊維、少なくとも68重量%の繊維、少なくとも69重量%の繊維、少なくとも70重量%の繊維を含む。
【0174】
一実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物を基準として、多くとも60重量%の繊維、多くとも61重量%の繊維、多くとも62重量%の繊維、多くとも63重量%の繊維、多くとも64重量%の繊維、多くとも65重量%の繊維、多くとも66重量%の繊維、多くとも67重量%の繊維、多くとも68重量%の繊維、多くとも69重量%の繊維、多くとも70重量%の繊維、多くとも71重量%の繊維、多くとも72重量%の繊維、多くとも73重量%の繊維、多くとも74重量%の繊維、多くとも75重量%の繊維、多くとも76重量%の繊維、多くとも77重量%の繊維、多くとも78重量%の繊維、多くとも79%の繊維、多くとも80%の繊維、多くとも81重量%の繊維、多くとも82重量%の繊維、多くとも83重量%の繊維、多くとも84重量%の繊維、多くとも85重量%の繊維、多くとも86重量%の繊維、多くとも87重量%の繊維、多くとも88重量%の繊維、多くとも89重量%の繊維、多くとも90重量%の繊維を含む。
【0175】
一実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物を基準として、少なくとも10重量%のデンプン、より優先的には少なくとも11重量%のデンプン、少なくとも12重量%のデンプン、例えば少なくとも13重量%のデンプン、少なくとも14重量%のデンプン、少なくとも15重量%のデンプン、少なくとも16重量%のデンプン、少なくとも17重量%のデンプン、少なくとも18重量%のデンプン、少なくとも19重量%のデンプン、少なくとも20重量%のデンプン、少なくとも21重量%のデンプン、少なくとも22重量%のデンプン、少なくとも23重量%のデンプン、少なくとも24重量%のデンプン、少なくとも25重量%のデンプン、少なくとも26重量%のデンプン、少なくとも27重量%のデンプン、少なくとも28重量%のデンプン、少なくとも29重量%のデンプン、少なくとも30重量%のデンプン、少なくとも31重量%のデンプン、少なくとも32重量%のデンプン、少なくとも33重量%のデンプン、少なくとも34重量%のデンプン、少なくとも35重量%のデンプン、少なくとも36重量%のデンプン、少なくとも37重量%のデンプン、少なくとも38重量%のデンプン、少なくとも39重量%のデンプン、少なくとも40重量%のデンプン、少なくとも41重量%のデンプン、より優先的には少なくとも42重量%のデンプン、例えば少なくとも43重量%のデンプン、例えば少なくとも44重量%のデンプン、少なくとも45重量%のデンプン、少なくとも46重量%のデンプン、少なくとも47重量%のデンプン、少なくとも48重量%のデンプン、少なくとも49重量%のデンプン、少なくとも50重量%のデンプン、少なくとも51重量%のデンプン、少なくとも52重量%のデンプン、少なくとも53重量%のデンプン、少なくとも54重量%のデンプン、少なくとも55重量%のデンプン、並びに多くとも60重量%のデンプン、多くとも59重量%のデンプン、多くとも58重量%のデンプン、多くとも57重量%のデンプン、多くとも56重量%のデンプン、多くとも55重量%のデンプン、多くとも54重量%のデンプン、多くとも53重量%のデンプン、多くとも52重量%のデンプン、多くとも51重量%のデンプン、多くとも50重量%のデンプン、多くとも49重量%のデンプン、多くとも48重量%のデンプン、多くとも47重量%のデンプン、多くとも46重量%のデンプン、多くとも45重量%のデンプン、多くとも44重量%のデンプン、多くとも43重量%のデンプン、多くとも42重量%のデンプン、多くとも41重量%のデンプン、多くとも40重量%のデンプン、多くとも39重量%のデンプン、多くとも約38重量%のデンプン、多くとも約37重量%のデンプン、多くとも約36重量%のデンプン、多くとも約35重量%のデンプンを含む。
【0176】
本発明のいくつかの実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、少なくとも40/60、少なくとも41/59、少なくとも42/58、少なくとも43/57、少なくとも44/56、少なくとも45/55、好ましくは少なくとも46/54、少なくとも47/53、少なくとも48/52、少なくとも49/51、少なくとも50/50、好ましくは少なくとも51/49、少なくとも52/48、少なくとも53/47、少なくとも54/46、少なくとも55/45、好ましくは少なくとも56/44、少なくとも57/43、少なくとも58/42、少なくとも59/41、少なくとも60/40の繊維/デンプン重量比を有する。いくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、多くとも85/15、多くとも84/16、多くとも83/17、多くとも82/18、多くとも81/19、多くとも80/20、多くとも79/21、多くとも78/22、多くとも77/23、多くとも76/24、好ましくは多くとも75/25、多くとも74/26、多くとも73/27、多くとも72/28、多くとも71/29、好ましくは多くとも70/30、多くとも69/31、多くとも68/32、多くとも67/33、多くとも66/34、好ましくは多くとも65/35の繊維/デンプンの重量比を有する。いくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、40/60~85/15の間、例えば50/50~70/30の間、例えば55/45~65/35の間の繊維/デンプン重量比を有する。
【0177】
本発明のいくつかの実施形態において、乾燥工程(e)後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも5g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも6g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも7g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも8g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも10g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも11g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも12gの保水量を有する。
【0178】
本発明のいくつかの実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも20g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも19g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも18g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも17g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも16g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも15g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも14g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも13g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも12gの保水量を有する。
【0179】
本発明のいくつかの実施形態において、乾燥工程(e)後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が5g~21g、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が8g~18g、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が10g~16g、並びにさらに優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が12g~14gの保水量を有する。
【0180】
本発明のいくつかの実施形態において、乾燥工程(e)後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの油の量が2.5g~5.0g、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が2.7g~3.5g、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が2.9g~3.4g、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が3.0g~3.4gの保油量を有する。
【0181】
一実施形態において、乾燥工程(e)後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、400g~900gの間、より優先的には450g~700gの間、より優先的には450g~650gの間、より優先的には450g~600gの間、さらにより優先的には500g~600gの間の熱処理後ゲル強度を有する。
【0182】
一実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の90%は、乾式粒径分析で測定されたサイズ<700μm、より優先的には乾式粒径分析で測定されたでサイズ<600μm、さらにより優先的には乾式粒径分析で測定されたサイズ<500μmを有する。
【0183】
一実施形態において、乾燥工程(e)の後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の50%は、乾式粒径分析で測定されたサイズ<400μm、より優先的には乾式粒径分析で測定されたサイズ<300μmを有する。
【0184】
一実施形態において、第2の粉砕は、工程(d)の後又はその間に、任意の時点で、好ましくは工程(e)の後に行うことができる。
【0185】
一実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物を基準として、少なくとも35重量%の繊維及び多くとも90重量%の繊維、35重量%~90重量%の繊維、より優先的には40重量%~85重量%の繊維、より優先的には45重量%~80重量%の繊維、少なくとも36重量%の繊維、少なくとも37重量%の繊維、少なくとも38重量%の繊維、少なくとも39重量%の繊維、少なくとも40重量%の繊維、少なくとも41重量%の繊維、少なくとも42重量%の繊維、少なくとも43重量%の繊維、少なくとも44重量%の繊維、少なくとも45重量%の繊維、少なくとも46重量%の繊維、少なくとも47重量%の繊維、少なくとも48重量%の繊維、少なくとも49重量%の繊維、少なくとも50重量%の繊維、少なくとも51重量%の繊維、少なくとも52重量%の繊維、少なくとも53重量%の繊維、少なくとも54重量%の繊維、少なくとも55重量%の繊維、少なくとも56重量%の繊維、少なくとも57重量%の繊維、少なくとも58重量%の繊維、少なくとも59重量%の繊維、少なくとも60重量%の繊維、少なくとも61重量%の繊維、少なくとも62重量%の繊維、少なくとも63重量%の繊維、少なくとも64重量%の繊維、少なくとも65重量%の繊維、少なくとも66重量%の繊維、少なくとも67重量%の繊維、少なくとも68重量%の繊維、少なくとも69重量%の繊維、少なくとも70重量%の繊維、並びに多くとも60重量%の繊維、多くとも61重量%の繊維、多くとも62重量%の繊維、多くとも63重量%の繊維、多くとも64重量%の繊維、多くとも65重量%の繊維、多くとも66重量%の繊維、多くとも67重量%の繊維、多くとも68重量%の繊維、多くとも69重量%の繊維、多くとも70重量%の繊維、多くとも71重量%の繊維、多くとも72重量%の繊維、多くとも73重量%の繊維、多くとも74重量%の繊維、多くとも75重量%の繊維、多くとも76重量%の繊維、多くとも77重量%の繊維、多くとも78重量%の繊維、多くとも79重量%の繊維、多くとも80重量%の繊維、多くとも81重量%の繊維、多くとも82重量%の繊維、多くとも83重量%の繊維、多くとも84重量%の繊維、多くとも85重量%の繊維、多くとも86重量%の繊維、多くとも87重量%の繊維、多くとも88重量%の繊維、多くとも89重量%の繊維、多くとも90重量%の繊維を含む。
【0186】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、少なくとも40/60、少なくとも41/59、少なくとも42/58、少なくとも43/57、少なくとも44/56、少なくとも45/55、好ましくは少なくとも46/54、少なくとも47/53、少なくとも48/52、少なくとも49/51、少なくとも50/50、好ましくは少なくとも51/49、少なくとも52/48、少なくとも53/47、少なくとも54/46、少なくとも55/45、好ましくは少なくとも56/44、少なくとも57/43、少なくとも58/42、少なくとも59/41、少なくとも60/40の繊維/デンプン重量比を有する。いくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、多くとも85/15、多くとも84/16、多くとも83/17、多くとも82/18、多くとも81/19、多くとも80/20、多くとも79/21、多くとも78/22、多くとも77/23、多くとも76/24、好ましくは多くとも75/25、多くとも74/26、多くとも73/27、多くとも72/28、多くとも71/29、好ましくは多くとも70/30、多くとも69/31、多くとも68/32、多くとも67/33、多くとも66/34、好ましくは多くとも65/35の繊維/デンプンの重量比を有する。いくつかの実施形態において、繊維含有エンドウ豆抽出物は、40/60~85/15の間、例えば50/50~70/30の間、例えば55/45~65/35の間の繊維/デンプン重量比を有する。
【0187】
一実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物を基準として、少なくとも10重量%のデンプン、より優先的には少なくとも11重量%のデンプン、少なくとも12重量%のデンプン、例えば少なくとも13重量%のデンプン、少なくとも14重量%のデンプン、少なくとも15重量%のデンプン、少なくとも16重量%のデンプン、少なくとも17重量%のデンプン、少なくとも18重量%のデンプン、少なくとも19重量%のデンプン、少なくとも20重量%のデンプン、少なくとも21重量%のデンプン、少なくとも22重量%のデンプン、少なくとも23重量%のデンプン、少なくとも24重量%のデンプン、少なくとも25重量%のデンプン、少なくとも26重量%のデンプン、少なくとも27重量%のデンプン、少なくとも28重量%のデンプン、少なくとも29重量%のデンプン、少なくとも30重量%のデンプン、少なくとも31重量%のデンプン、少なくとも32重量%のデンプン、少なくとも33重量%のデンプン、少なくとも34重量%のデンプン、少なくとも35重量%のデンプン、少なくとも36重量%のデンプン、少なくとも37重量%のデンプン、少なくとも38重量%のデンプン、少なくとも39重量%のデンプン、少なくとも40重量%のデンプン、少なくとも41重量%のデンプン、より優先的には少なくとも42重量%のデンプン、例えば少なくとも43重量%のデンプン、例えば少なくとも44重量%のデンプン、少なくとも45重量%のデンプン、少なくとも46重量%のデンプン、少なくとも47重量%のデンプン、少なくとも48重量%のデンプン、少なくとも49重量%のデンプン、少なくとも50重量%のデンプン、少なくとも51重量%のデンプン、少なくとも52重量%のデンプン、少なくとも53重量%のデンプン、少なくとも54重量%のデンプン、少なくとも55重量%のデンプン、並びに多くとも60重量%のデンプン、多くとも59重量%のデンプン、多くとも58重量%のデンプン、多くとも57重量%のデンプン、多くとも56重量%のデンプン、多くとも55重量%のデンプン、多くとも54重量%のデンプン、多くとも53重量%のデンプン、多くとも52重量%のデンプン、多くとも51重量%のデンプン、多くとも50重量%のデンプン、多くとも49重量%のデンプン、多くとも48重量%のデンプン、多くとも47重量%のデンプン、多くとも46重量%のデンプン、多くとも45重量%のデンプン、多くとも44重量%のデンプン、多くとも43重量%のデンプン、多くとも42重量%のデンプン、多くとも41重量%のデンプン、多くとも40重量%のデンプン、多くとも39重量%のデンプン、多くとも約38重量%のデンプン、多くとも約37重量%のデンプン、多くとも約36重量%のデンプン、多くとも約35重量%のデンプンを含む。
【0188】
一実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の50%は、乾式粒径分析で測定されたサイズ<200μm、より優先的には乾式粒径分析で測定されたサイズ<100μmを有する。
【0189】
一実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物の粒子の90%は、乾式粒径分析で測定されたサイズ<400μm、より優先的には乾式粒径分析で測定されたサイズ<300μmを有する。
【0190】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも5g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも6g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも7g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも8g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも9g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも10g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも11g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が少なくとも12gの保水量を有する。
【0191】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも20g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも19g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも18g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも17g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも16g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも15g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも14g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも13g、固形物の単位量(g)当たりの水の量が多くとも12gの保水量を有する。
【0192】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの水の量が5g~21g、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が8g~18g、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が10g~16g、並びにさらに優先的には固形物の単位量(g)当たりの水の量が12g~14gの保水量を有する。
【0193】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、固形物の単位量(g)当たりの油の量が1.5g~5.0g、より優先的には固形物の単位量(g)当たりの油の量が2.0g~4.5g、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの油の量が2.0g~3.5g、さらにより優先的には固形物の単位量(g)当たりの油の量が2.0g~2.5gの保油量を有する。
【0194】
一実施形態において、第2の粉砕後に得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、250g~900gの間、より優先的には250g~700gの間、より優先的には300g~650gの間、より優先的には300g~500gの間、さらにより優先的には300g~400gの間の熱処理後ゲル強度を有する。
【0195】
また、本発明は、繊維含有エンドウ豆抽出物であって、
- 30/70~85/15の繊維/デンプン重量比;
- AOAC-985.29法による分析で固形物を基準として35%~80%の間の繊維量;
- 抽出物の総重量を基準として80%~95%の間の固形分;
- 乾式粒径分析で測定された、D50<400μmの粒径;
- 乾式粒径分析で測定された、D90<700μmの粒径;
- 固形物を基準として5%未満のタンパク質含量を含み、並びに
- その上、固形物の単位量(g)当たりの水の量が9g~15gの保水量;
- 固形物の単位量(g)当たりの油の量が2.5g~5.0gの保油量、及び
- 400g~900gの間のゲル強度
を有することを特徴とする繊維含有エンドウ豆抽出物に関する。
【0196】
本発明はまた、繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物であって、
- 乾式粒径分析で測定された、D50<200μmの粒径;
- 乾式粒径分析で測定された、D90<400μmの粒径;
- AOAC-985.29法による分析で固形物を基準として35%~80%の間の繊維量;
- 30/70~85/15の繊維/デンプン重量比;
- 抽出物の総重量を基準として80%~95%の間の固形分、及び
- 固形物を基準として5%未満のタンパク質含量
を含み、並びにその場合
- 固形物の単位量(g)当たりの水の量が7g~13gの保水量;
- 固形物の単位量(g)当たりの油の量が1.5g~5.0gの保油量、及び
- 熱処理後のゲル強度が少なくとも250g及び多くとも900g、より優先的には300~400gの間の熱処理後ゲル強度
を有することを特徴とする繊維含有粉砕エンドウ豆抽出物に関する。
【0197】
本明細書に記載された本発明の方法によって得られる繊維含有エンドウ豆抽出物は、異なる生化学的及び/又は感覚刺激特性などの異なる特性を有し、さらに、先行技術において公知の繊維含有エンドウ豆抽出物と比較して、品質に関連するパラメータの値に関して差を有する。
【0198】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の本発明の方法によって得られるか、又は得ることができる繊維含有エンドウ豆抽出物を含む組成物に関する。好ましい一実施形態において、このような組成物は食用組成物である。好ましくは、前記組成物は、ヒトの摂取用食品又は動物用飼料を意図された食品、より優先的には食肉ベース、家禽ベース、魚ベース又は野菜の製品である再構成製品、例えば、ハム、バーガーパテ、ミートボール、ナゲット及びコルドンブルー製品、豚肉及び/又は鶏肉及び/又は魚の新鮮なソーセージ及びスライスして食べる冷たいソーセージ、肉/魚ベース又はベジタリアンのパテである。
【0199】
本発明の態様及び実施形態は、以下の非限定的な実施例によっても裏付けられる。
【実施例
【0200】
プロトコル
他に指示がない限り、以下の実施例において、全てのパラメータは本節で定義されるように測定される。本節において定義されるパラメータの測定は、好ましい実施形態において、上記の説明の個別の態様及び実施形態に示される本発明による前記パラメータを測定するための方法を表す。
【0201】
繊維含有エンドウ豆抽出物に含まれる繊維の量のアッセイ
この方法は、AOAC 985.29法である。この方法は、(脂肪が10%超であればそれを抽出した)乾燥した食品試料をテルマミル(熱安定性、α-アミラーゼ)により糊化した後、タンパク質及びデンプンを、プロテアーゼ及びアミログルコシダーゼを用いた酵素消化によって除去することを含む。分析が食品混合物に関する場合、脂肪は総食物繊維の決定前に抽出される。可溶性食物繊維を沈殿させるために4倍量のエチルアルコールを加えた。全残留物を濾過し、78%エチルアルコール、次いで95%エチルアルコール、及びアセトンで洗浄した。乾燥後、残留物を秤量した。試料の複製を用いてタンパク質を分析し、別の複製を、525℃で焼却して灰の量を決定するために使用した。
【0202】
総食物繊維%=残留物-重量(タンパク質+灰)
【0203】
固形分の決定
重量分析によって測定された総固形分を、乾燥後に残っている残留物の含量として決定した。オーブン中で乾燥させることにより試料から水分を蒸発させた。
【0204】
試料5gを、風袋計量済みの乾燥アルミニウム皿に秤量した(Ohaus精密天秤、容量410g、感度0.001g)。残留重量が一定になるまで(少なくとも24時間)、試料を103℃のオーブンに入れた。試料をデシケータ中で1時間冷却し、直ちに秤量した。結果は%(試料100gあたりの固形物のg)として表す。
固形分SC(%)=(m3-m1)/(m2-m1)×100
m1=乾燥アルミニウム皿の重量(g)
m2=乾燥前の試料とアルミニウム皿との重量(g)
m3=乾燥後の試料とアルミニウム皿との重量(g)
【0205】
タンパク質含量の決定
AFNOR ISO/TS 16634-2:2009法
【0206】
この方法の原理は、Dumasの原理に従って燃焼による総窒素含有量を決定し、粗タンパク質含量を計算することである。試料は、燃焼管内で加熱することによってガスに変換される。得られた混合ガスから干渉成分を除去する。ガス混合物の窒素化合物又はその代表的な部分は分子窒素に変換され、この分子窒素が熱伝導率検出器によって定量的に決定される。次いで、試料の窒素含有量をコンピュータシステムによって計算する。窒素含有量からタンパク質含量を得るための変換係数は6.25である。
結果は%で表す。
【0207】
デンプンのアッセイ
この目的は、存在するデンプンを酵素的に加水分解することによって、試料中に存在するデンプンの量を決定することである。全てのデンプン及びグルコース鎖を、α-アミログルコシダーゼによりグルコースに加水分解させる。グルコースはHPLCによりアッセイする。アッセイされたグルコースを全てデンプンに変換する。試料中に存在する全てのグルコースはデンプンに由来すると見なされる。
【0208】
溶液の調製
200mlの酢酸緩衝液を以下の方法で調製した。ビーカー内で、約160mlのMilli-Q水を31.95gの酢酸ナトリウムに添加した。すべてを完全に溶解するために、マグネティックバーを用いて媒体を攪拌した。次いで、24mlの96%酢酸を添加し、pHを4.8(4.75~4.85の間)に調整した。次いで、媒体を200mlの丸底フラスコに移し、液体の量をラインに合わせた。
【0209】
アミログルコシダーゼ(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger))(Megazyme)(AMG溶液)の溶液を以下の方法で調製した。0.38gの酵素をMilli-Q水に加えて40gの試料を得た。マグネティックバーを用いて混合物全体を混合した。
【0210】
HPLC標準液の調製
まず、グルコースの固形分(上記プロトコル参照)を測定した。以下の表1に従って、グルコースを秤量し、次いで約50mlのMilli-Q水で溶解した。混合物全体を100mlのフラスコに移し、ラインに合わせた。この溶液を希釈して、0.5g/lの標準液用にした。
【0211】
【表1】
【0212】
標準液の理論濃度は、グルコースの固形分(SC)の値で補正することによって計算した。値はHPLCを用いて同じ日に5回確認した。値が正しければ、溶液を0.2μmのアクロディスク上で濾過した後に1.5mlのエッペンドルフ管にアリコートを取り(遅くとも翌日)、このチューブを冷凍庫に入れた。
【0213】
各標準液の濃度の計算
濃度=m×(グルコースSC/100)/fm
m:グルコースの質量(g);グルコースSC:%;fm:最終質量(g)
【0214】
試料の加水分解
固形分20%を有する繊維含有エンドウ豆抽出物を5g、Schottボトルに秤量し、25mlのMilli-Q水を加えた(繊維含有エンドウ豆抽出物を乾燥させた場合、1gの試料を使用する)。すべての物質を混合した。このボトルを130℃において1時間30分の間オートクレーブに入れた。オートクレーブ処理後、ボトルを60℃に冷却した。2.5mlの酢酸緩衝液、45gのMilli-Q水及び2mlのAMG溶液を添加した。ボトルを再度密閉し、180rpmで、60℃において振とうしながら水浴中で2時間インキュベートした。インキュベーションの終わりに、フラスコを拭き取り、秤量した。試料をスナップキャップで熱濾過した。試料を1/4に希釈した(10mlスクリューキャップ管中で、7.5mlのMilli-Q水中2.5mlの溶液)。同じ日にHPLC分析を行うことができない場合、試料は凍結しなければならない。試料を凍結する場合、解凍後、試料を0.2μmアクロディスクでHPLCに適したバイアルに濾過しなければない。
【0215】
HPLC分析
グルコースをHPLCによりアッセイした(0.5、2、3.5及び5g/kgのグルコース溶液で較正)(2カラム;カラムタイプ:Phenomenex Rezex K+8%イオン交換;溶出液:pH9.4~9.6の0.1g/lのKNO;溶出液流量:0.5ml/分;分析時間:45分;検出器:WatersブランドのR-I屈折計)。
【0216】
計算
デンプン/SCの%=測定結果(g/kg)×加水分解希釈計数×HPLC希釈計数×(162/180)/(10×SC)
【0217】
灰分の決定
重量分析によって測定された灰分を、高温のマッフル炉中での加熱後に残った残留物の量として決定した。オーブン中で乾燥させることにより試料から水分を蒸発させた。
【0218】
2gの試料を、風袋計量済みの乾燥磁製るつぼ中に秤量した(Ohaus精密天秤、容量410g、感度0.001g)。るつぼを550℃のマッフル炉内に24時間入れた。るつぼを103℃のオーブンに1時間入れ、その後デシケータ内に1時間入れた。冷却後、るつぼを秤量した。結果は%(試料100g当たりの灰分のg)として表す。
灰(%)=(m3-m1)/(m2-m1)×100
m1=るつぼの重量(g)
m2=るつぼと試料との重量(g)
m3=るつぼと灰との重量(g)
【0219】
繊維含有エンドウ豆抽出物の保水量(RE)の測定
REは、繊維含有エンドウ豆抽出物1gによって保持され得る水の質量に相当する。
【0220】
REは、乾燥繊維含有エンドウ豆抽出物及び湿潤繊維含有エンドウ豆抽出物について測定することができる。
【0221】
まず、試料の固形分を決定した。RE測定は二重に行った。
【0222】
試験に使用する空の管P1を秤量した。次に、試料の性質に応じて2つの事例を調製した。
乾燥繊維含有エンドウ豆抽出物の場合:
厳密に2gの試料を管に秤量した。次に38mlの脱塩水を添加した。
湿潤繊維含有エンドウ豆抽出物の場合:
厳密に2gの固形物の試料を秤量した(秤量する試料の質量を計算する-質量は試料の固形分に依存する)。次いで、最終質量38mlの水を得るために十分な量の水を添加した(試料中に既に存在する水の質量を計算し、残りを加えて38mlにする)。
【0223】
プロトコルの残りの部分は、どちらの試料についても同じである。
【0224】
試料を5秒間撹拌し、18時間膨潤させた。次いで、媒体を1820Gで10分間遠心分離し、再度10分間膨潤させた。次いで、上清を廃棄し、ペレット(P2)を含む管を秤量した。
RE(水のg/試料のg)=(保持された水の質量)/(試料の固形物の質量)
RE=(ペレットの質量(g)-試料の質量(g)×固形分の%/100)/(試料の質量(g)×固形分%/100)
RE=((P2-P1)-(m×固形分/100))/(m×固形分/100)
P1:管の風袋(g);P2:風袋+ペレットの質量(g);m:繊維含有エンドウ豆抽出物の質量(g)。
【0225】
乾式法による粒径の決定
この目的は、粉末試料を構成する粒径を決定することであった。
【0226】
使用した篩は以下の通りであった:1000μm、500μm、400μm、315μm、200μm、100μm(孔径)。
【0227】
まず、清潔で乾燥した篩を秤量し、細孔径の大きい順に積み重ねた。分析すべき粉末50gを秤量し、次いで上段の篩上に入れた。繊維含有エンドウ豆抽出物を強度1.5で20分間篩い分けした。分析後、それぞれの篩を秤量し、底部の容器もそれに含まれる粉末とともに秤量した。必要に応じて篩の数と大きさを調整できた。
【0228】
(所与の粒径に関する)粉末の%=((総重量-風袋)/試料重量)×100
【0229】
湿式法による粒径の決定
目的は、湿潤試料を構成する粒径を決定することであった。
【0230】
試料は洗浄によってさまざまな篩を通過し、粒径プロファイルを確立するために、各画分の物質及び固形物の量を決定する。
【0231】
使用した篩は以下の通りである:50μm、100μm、200μm、315μm、400μm、500μm(孔径)。
【0232】
出発試料の固形分を測定する。それぞれの篩の風袋を計量した。次いで、篩を底部の最も細いものから頂部の最も粗いものへと組み立てる。次いで、5リットルのビーカーの風袋を計量し、組立てた篩の下に置いた。正確に1kgの試料を秤量した。試料を最も粗い篩に注ぎ、それを手で「マッサージする」ことによって通過させた(手袋着用)。最初の篩(500μm)に水が満たされるまで水を加えた。次いで、500μm未満の粒子を通過させるために、第1の篩を手動でマッサージした。その後、500μmの篩を取り外した。次に、400μm未満の粒子を通過させるために、次の篩(400μm)をマッサージした。その後、400μmの篩を取り外した。315μm、200μm、100μm及び50μmの篩で同じ操作を行った。ビーカーに5リットルの液体が回収されるまで、これらの工程をすべて繰り返した。
【0233】
洗浄が終了したら、各篩に回収された試料の量を秤量した。各篩に回収された各画分の固形分を測定した。
結果は次のように表す。
篩Xの試料のm=(篩X+篩Xの試料)のm-篩Xのm
篩Xの試料の固形物のm=篩Xの試料のm×篩Xの試料の固形物/100
篩Xの試料の%=(篩Xの試料の固形物のm)/Σ(すべての篩の試料の固形物のm)
【0234】
乾燥エンドウ豆、又はエンドウ豆含有水性組成物、又は粉砕エンドウ豆含有水性組成物についてのpHの測定
pHを、雰囲気温度において、WTWシリーズInolab Terminal 740 pHメーターを用いて測定した。この装置を、pH4.01(WTW技術緩衝液pH4.01、モデルSTP4、注文番号108706)及びpH7(WTW技術緩衝液pH7.00、モデルSTP7、注文番号108708)の緩衝液を用いて較正した。
【0235】
全エンドウ豆のpH
エンドウ豆についてpHを測定する場合、エンドウ豆を水和タンクから採取した。エンドウ豆を漉し器で漉した後、余分な汁を取り除くために吸収紙上に2分間置いた。エンドウ豆をミキサー(Magic Bullet、Homeland Housewares)を用いて1分間粉砕した。1gの粉砕エンドウ豆を9gの脱イオン水(水伝導度<15μS)に懸濁した。ミキサーを用いて懸濁液を再度粉砕した。最後に、値が安定した時点で、懸濁液のpHを雰囲気温度において測定した。
【0236】
エンドウ豆含有水性組成物のpH
エンドウ豆非含有水性組成物についてpHを測定する場合、水溶液の試料は水和タンクから直接採取した。値が安定した時点で、試料のpHを測定した。
【0237】
粉砕エンドウ豆含有水性組成物のpH
エンドウ豆含有水性組成物についてpHを測定する場合、値が安定した時点で、タンク内で直接pHを測定した。
【0238】
乳酸菌の計数
試料の希釈は、Led Techno 9ml EPT Dilucupsを用いて行った。
【0239】
用いた培地は、Merck、カタログ番号1.10661.0500によって販売されているMRS寒天(De Man、Rogosa及びSharpeによる)であった。
【0240】
エンドウ豆又はエンドウ豆懸濁液は、Homeland Housewares Magic Bulletグラインダーを用いて粉砕した。
【0241】
エンドウ豆非含有水性組成物の試料の分析の際、試料は発酵タンクから直接採取した。1mlの試料をプレーティングした。希釈が必要であることが判明したら、1mlの試料を希釈カップに添加し、この工程を正確な希釈が得られるまで繰り返し、その後1mlの希釈試料をプレーティングした。ペトリ皿を45℃において48時間インキュベートした。
【0242】
エンドウ豆試料の分析の際、皮剥きエンドウ豆を発酵タンクから採取した。エンドウ豆を漉し器で漉した後、余分な汁を取り除くために吸収紙上に2分間置いた。エンドウ豆を1分間粉砕した。粉砕エンドウ豆を脱イオン水(導電率<15μS)中に懸濁した(9gの脱イオン水中に1gのエンドウ豆)。次いで、ミキサーを用いて懸濁液を粉砕した。1mlの懸濁液をプレーティングした。希釈が必要であることが判明したら、1mlの懸濁液を希釈カップに添加し、この工程を正確な希釈が得られるまで繰り返し、次いで1mlの希釈試料をプレーティングした。ペトリ皿を45℃において48時間インキュベートした。
【0243】
酸性度の測定
酸性度は、WTW Series Inolab Terminal 740 pHメーターを用いて測定した。この装置を、pH4.01(WTW技術緩衝液pH4.01、モデルSTP4、注文番号108706)及びpH7(WTW技術緩衝液pH7.00、モデルSTP7、注文番号108708)の緩衝液を用いて較正した。
【0244】
エンドウ豆又はエンドウ豆の懸濁液を、Homeland Housewares Magic Bulletミキサーを用いて粉砕した。
【0245】
「エンドウ豆汁」の酸性度を測定する際、試料(A)を発酵タンクから直接採取した。試料(A)を秤量した。試料のpHがpH7で少なくとも2分間安定するまで、1mol/lの水酸化ナトリウム溶液(C)(番号1.09137.1000 TitriPURR;密度=d=1.04kg/l)をゆっくり添加した。次いで、水酸化ナトリウムの質量(B)を計算した。
酸性度(mEq/kg)=(B×(C/d)/A)×1000
【0246】
エンドウ豆の酸性度を測定する際、皮剥きエンドウ豆を発酵タンクから採取した。エンドウ豆を漉し器で漉した後、余分な汁を取り除くために吸収紙上に2分間置いた。エンドウ豆を1分間粉砕した。粉砕エンドウ豆を脱イオン水(導電率<15μS)中に懸濁した(9gの脱イオン水中に1gのエンドウ豆)。次いで、ミキサーを用いて懸濁液を粉砕した。エンドウ豆懸濁液を得た。
【0247】
エンドウ豆懸濁液(A’)の正確な量を秤量した。懸濁液のpHがpH7で少なくとも2分間安定するまで、1mol/lの水酸化ナトリウム溶液(C’)(番号1.09137.1000 Titri PURR;密度=d=1.04kg/l)をゆっくりと添加した。次いで、水酸化ナトリウムの質量(B’)を計算した。
酸性度(mEq/kg)=(B’×(C’/d)/(A’/10))×1000
【0248】
保油量(RH)の測定
乾燥後の繊維含有エンドウ豆抽出物10gを秤量し、80gのヒマワリ油に分散させた。混合物全体(P0)を磁気撹拌(10位)しながら15分間吸収させた。2つの遠心分離管(風袋計量済み)に端から2.5cmまで充填した(2本の管の間に1分間攪拌する)。アセンブリ(管+分散液)を秤量した(必要に応じて管を調節する)。管を3000rpmで10分間遠心分離した(テーブル遠心分離機-MKII/ALC4217)。アセンブリを8分間放置した。上清を移して秤量した(P1)。
RH=(油のg/繊維のg)=(保持された油の質量)/(試料の質量)
RH=(ペレット質量(g)-試料質量(g))/(試料質量(g))
RH=((P0-P1-(P0/9))/(P0/9)
P0:試料+油の質量、P1:上清の質量
【0249】
繊維分析
ペクチン
ペクチンは、Food Chemistry 96(2006年)、477~484頁「Kinetic of the hydrolysis of pectin galacturonic acid chains and quantification by ionic chromatography」、Garna H.ら、に記載された方法を用いて定量した。
【0250】
この方法は、2Mのトリフルオロ酢酸(TFA)を使用する。
【0251】
セルロース及びヘミセルロース
セルロース及びヘミセルロースは、Englystの方法;FIE Chromatography、3;Ingredients analysis 「Measurement of dietary fibre」84~93頁によってアッセイした。Englystの手順では、デンプンは酵素的に完全に除去され、非デンプン性多糖類は酸加水分解によって放出されるその構成糖の総量に等しいとして測定される。糖は、個々の単糖の値をもたらす液体クロマトグラフィーによって測定するか、熱量測定によってより迅速に測定することができる。
【0252】
リグニン
可溶性及び不溶性リグニンをアッセイした。不溶性リグニンは、TAPPI T 222 om-11法に従ってアッセイした。糖を加水分解し、硫酸で溶解した。酸不溶性リグニンを濾別し、乾燥させ、秤量した。
【0253】
可溶性リグニンは別の方法でアッセイした。バイオマス試料の酸加水分解後に残った残留物を、灰分を補正して、酸に不溶性のリグニンとして表示した。しかし、この値は、試料のリグニンの全含量を表すものではない。リグニンのごく一部は加水分解手順の間に溶解され、紫外分光法によって定量することができる。
【0254】
試料をTAPPI T 222 om-11法により加水分解した後、加水分解物を濾過し、濾液を石英キュベット中で205nmの波長において分光光度法により分析した。試料を、0.2~0.7の間の吸光度を得るように希釈した。
【0255】
計算
式は次の通りである。
酸可溶性リグニン(g/l)=(A/(b×a))×df
式中、A:205nmにおける吸光度
df:希釈係数
b:セルの長さ
a:吸収、110l/g-cmに等しい
【0256】
ゲル強度の測定
ゲル強度は、テクスチャーアナライザーによって方向付けられたプローブによって印加される圧縮に対する、ゲルの最大抵抗を測定することによって決定した。繊維ゲルは、熱処理された後、冷却された繊維の懸濁液から形成される。
【0257】
ゲルの剛性は、g又はNのいずれかで表す。この方法は、85重量%~90重量%の固形分を有する繊維含有エンドウ豆抽出物の粉末に使用された。測定は雰囲気温度で行った。
【0258】
1456.9gのMilli-Q水を20℃の温度でミキサー(Kenwood major)のボウルに秤量した。243.1gの繊維含有エンドウ豆抽出物をビーカーに秤量し(Ohaus ARC120天秤、感度0.01g、容量3100g)、水面に注いだ。混合物を速度1で90秒間混合した。ボウルの端をこそげた。混合物を再び速度1で90秒間混合した。小型ボトル(風袋計量済み、直径73mm、高さ:44mm、容量150ml、重量30.1g)に、定期的にタップしてスプーンで充填した。タッピングされた小型ボトルには145gの混合物が含まれている必要がある。小型ボトルをSertinox装置でクリンプし、75℃の水浴中に50分間配置した。小型ボトルを水浴から取り出し、乾燥させ、冷蔵庫に4℃で一晩置いた。
【0259】
このゲル強度は、5kgの圧縮荷重セル及び円錐形プローブ(P45C Perspex 45°コーン)を備えたTA XT2i 15テクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems、Ltd.)で測定した。ゲル強度は、貫入の最後に記録された最大力であり、gで表される。
TA-XT2iのパラメータ:
- 圧縮力の測定-30秒間の力の維持
- 試験前の速度:2.0mm/秒
- 試験中の速度:1.0mm/秒
- 試験後の速度:5.0mm/秒
- 貫入距離:20.0mm
- 時間:30.00秒
- 接触圧力/表面:自動-1.0g
【0260】
ナゲット硬度の測定
調理前のナゲットの硬度は、35mmの距離にわたってナゲットを圧縮するのに必要な力として定義される。
【0261】
測定は、TA-XT2iテクスチャーアナライザーを用いて行った。
装置:
- TA-XT2iテクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems,Ltd)
- 圧縮セル荷重、25kg
- プローブP45C 45°のパースペックスのコーン
手順:
- TA-XT2iのパラメータ:
o 圧縮力の測定
o 試験前の速度:2mm/秒
o 試験中の速度:1mm/秒
o 試験後の速度:1mm/秒
o 貫入距離:35mm
o 温度:0℃
o 接触圧力/表面:自動-1.0g
【0262】
結果は分析装置によって記録され、グラフ上に転写される。
【0263】
ナゲットの硬度は、試験中に記録された最大力である(「最大力」として表される)。試験の結果は20試料から得られ、平均値を計算した。
【0264】
色の測定
座標LをCR5色彩色差計(コニカミノルタTAセンシング、ヨーロッパ)を用いて20℃において測定した。Lは黒から白までの0~100のスケールでの明度を示し、aは(+)が赤方向又は(-)が緑方向を表し;及びbは(+)が黄色方向又は(-)が青方向を表す。
【0265】
試料調製
均一な表面上で分析を行うために、ペトリ皿に試料を充填した。ペトリ皿を装置の所定の場所に置き、分析を開始した。
【0266】
結果
値は色彩色差計(3回の測定の平均)によって示される。
【実施例1】
【0267】
本発明の一実施形態による繊維含有エンドウ豆抽出物の調製方法
この実施例は、図1に図式的に表されたプロトコルに従って実施した。
【0268】
本明細書において「乾燥エンドウ豆」((乾燥エンドウ豆の総重量を基準として)約87%の固形分を有する)と表される乾燥収穫エンドウ豆を篩にかけ、石はストーンリムーバーを通過させることにより除去した。その後、皮剥き機でエンドウ豆の皮を剥いた。
【0269】
次いで、エンドウ豆を水溶液(飲料水の溶液)と接触させ、水和させた。エンドウ豆含有水性組成物の総容積1m当たり400kgのエンドウ豆をタンクに入れた。水和は、約40℃の温度で脱気することなく密閉タンク内で行った。同時に、エンドウ豆を乳酸菌による発酵に供した。エンドウ豆含有水性組成物1ml当たり約10cfuの乳酸菌の存在下で、エンドウ豆を発酵に供した。エンドウ豆のpHが4.4になるまで発酵を行った。発酵の間、発酵タンク内の水相を約20m/時で再循環させた。エンドウ豆を480分間発酵させた。発酵の終わりに、エンドウ豆は、発酵前のそれらの初期質量にほぼ等しい量の水を吸収し、約43重量%の固形分を有していた。
【0270】
発酵後、エンドウ豆を水溶液から取り出した。次いで、エンドウ豆を有孔回転ドラムに入れ、残りの可溶性不純物を除去するために洗浄した。洗浄後、エンドウ豆を湿式粉砕に供した。粉砕の間に、追加の飲料水を加えて、最終組成物が約25重量%の固形分を有するようにした。粉砕工程中、水酸化ナトリウムを添加することによってpHを約8に調整した。
【0271】
粉砕及びpH調整後、粉砕エンドウのペーストを遠心分離により沈降させた。繊維及びデンプンを含有するペレットは、約45重量%の固形分を有していた。繊維富化画分を固形分20重量%に希釈した。
【0272】
次いで、一部のデンプンを除去するために、繊維富化画分を篩い分けした。繊維含有エンドウ豆抽出物は約10重量%の固形分を有していた。
【0273】
次に、媒体から水の一部を除去するために、繊維含有エンドウ豆抽出物をプレスに通した。繊維含有エンドウ豆抽出物は、その後で約30重量%の固形分を有していた。
【0274】
最後に、圧縮された繊維含有エンドウ豆抽出物をフラッシュ乾燥機で乾燥させ、乾燥生成物を再循環させた。フラッシュ乾燥機の投入温度は約200℃であり、排出温度は約75℃であった。
【実施例2】
【0275】
水和エンドウ豆の粉砕と乾燥エンドウ豆の粉砕との比較
プロトコルを図2に記載する。さまざまなパラメータをさらに測定し、下記の表2に示す(SC:固形分)
【0276】
【表2】
【実施例3】
【0277】
40℃における皮剥きエンドウ豆の水和時間の影響
後続のプロトコルを図3に記載する。結果を以下の表3に示す。
【0278】
【表3】
【実施例4】
【0279】
20℃において6時間水和前後の皮を剥くことの効果
後続のプロトコルを図4に記載する。結果を以下の表4に示す。
【0280】
【表4】
【実施例5】
【0281】
本発明による繊維含有エンドウ豆抽出物を含む食品
さまざまな食品中に繊維含有エンドウ豆抽出物を含めることを評価した。
【0282】
1.バーガーパテのレシピ
この実施例では、実施例1で得られた繊維含有エンドウ豆抽出物を使用した。レシピの材料を以下の表5に記載する。対照レシピ、すなわち、繊維含有エンドウ豆抽出物を用いないレシピを実施した。
【0283】
【表5】
【0284】
使用前に新鮮な肉を0℃の冷蔵庫に12時間保存した。次いで、肉を直径5mmの孔を有するプレートで予備粉砕した。次に、水をブレードミキサー内の肉に注いだ。繊維含有エンドウ豆抽出物をブレードミキサー中のひき肉に添加し、3分間混合した。次いで、他の材料を加え、混合物全体を6分間混合し、次いで2℃に冷却した。次いで、調製物を5分間粉砕した。所望のエンドウ豆バーガーパテを形成し、-18℃において凍結した。その後、バーガーパテを125℃で各面を4分間グリルした。
【0285】
繊維含有エンドウ豆抽出物を使用すると、調製中、ペーストは非粘着性であり、取り扱い及び成形が容易であった。バーガーパテは調理時に扱いやすく、調理時の損失が減少した。調理中の収縮は抑制された。調理されたバーガーパテは食感がよく、肉汁感を有した。肉の色と味は保たれた。
【0286】
表6は、繊維含有エンドウ豆抽出物を含む及び含まないバーガーパテのさまざまな特性を示す。
【0287】
【表6】
【0288】
バーガーパテを、調理前(1)及び調理後(2)の幅(W1及びW2)及び長さ(L1及びL2)に従って測定した。
【0289】
長さの収縮率%は、((L2-L1)/L1)×100に等しい。
【0290】
幅の縮小率%は、((W2-W1)/W1)×100に等しい。
【0291】
バーガーパテを、調理前(m1)及び調理後(m2)に秤量した。調理時の損失総量は、((m2-m1)/m1)×100に等しい。
【0292】
調理後の食感、肉汁の多さ及び味を、規格V09-001に従って官能分析により分析した。
【0293】
食感は、咀嚼中の固さの感覚として定義した。肉汁の多さは咀嚼中の肉汁の放出として定義した。味は、異常で不適切な味がないこととして定義した。
【0294】
2.ナゲットのレシピ
この実施例では、実施例1で得られた繊維含有エンドウ豆抽出物を使用した。レシピの材料を以下の表7に記載する。対照レシピ、すなわち、繊維含有エンドウ豆抽出物を用いないレシピを実施した。
【0295】
【表7】
【0296】
まず、氷冷水にリン酸塩及び塩を溶解して塩水を調製した。すべてが完全に溶解するまで混合した。次いでデキストロース及び調味料を加えた。鶏の胸肉(約4/5)を25mmプレートで粉砕し、残りを4mmプレートで粉砕した。七面鳥のもも肉を4mmプレートで粉砕した。肉を撹拌器に入れ、繊維含有エンドウ豆抽出物及び塩水を同時に添加した。調製物を真空(-0.9バール)下で20分間(20回転/分で8分間(連続)及び2分間の休止)撹拌した。混合物全体を-2℃で冷蔵した。ナゲットを形成し、パン粉でコーティングした後、180℃で45秒間揚げた(予備揚げ工程)。その後、ナゲットを凍結し、包装した。次にナゲットをフライヤー(植物油を含む)で180℃において6分間揚げた(完全な揚げ工程)。
【0297】
調製中、ナゲットは調理時に扱いやすく、調理時の損失が減少した。ペーストは、調理前に優れた質感を有し、非粘着性であり、取り扱い及び成形が容易である。製品は凍結/解凍後に非常に安定である。ナゲットは肉汁の多い食感を有する。製品の色に影響はなく、家禽の味は保たれていた。
【0298】
表8は、繊維含有エンドウ豆抽出物を含む、及び含まないナゲットのさまざまな特性を示す。
【0299】
【表8】
【0300】
ナゲットを、調理前(m1)及び調理後(m2)に秤量した。調理時の損失総量は、((m2-m1)/m1)×100に等しい。
【0301】
調理後の食感、肉汁の多さ及び味を、規格V09-001に従って官能分析により分析した。
【0302】
食感は、咀嚼中の固さの感覚として定義した。肉汁の多さは咀嚼中の肉汁の放出として定義した。味は、異常で不適切な味がないこととして定義した。
【実施例6】
【0303】
乾燥後に第2の粉砕を受けた本発明による繊維含有エンドウ豆抽出物を含む食品
この実施例では、実施例1で得られた繊維含有エンドウ豆抽出物を使用した。繊維含有エンドウ豆抽出物を、ピングラインダー(d50=65μm、d90=180μm、粒径は乾式法による篩い分けによって測定した)で2回目の乾式粉砕を行い、その後塩水を形成するように、組成物と混合した。塩水の成分を以下の表9に記載する。
【0304】
【表9】
【0305】
塩水は、冷水にリン酸ナトリウムを分散させることによって調製した。亜硝酸化塩、次いでデキストロースを溶解する。繊維含有エンドウ豆抽出物を混合物に添加した。次いで、k-カラギーナンを分散させ、アスコルビン酸ナトリウムを溶解させた。
【0306】
塩水を、脱脂した新鮮な肉(約5kgの一切れのハム)に、所望の収率40%が達成されるまで注入した。使用する注射器は、Gunther-54の針、4mmである。
【0307】
塩水を入れた肉を次に15分間(連続的に6rpm)マッサージした。肉をビニール袋に入れ、82℃の温水で調理した(内部温度72℃)。その後、この肉を4℃で冷蔵した。
【0308】
表10はエンドウ豆抽出物を含む肉のさまざまな特性を示す。
【0309】
【表10】
【実施例7】
【0310】
乾燥後の繊維含有エンドウ豆抽出物と先行技術のエンドウ豆抽出物との比較
さまざまなエンドウ豆抽出物を試験し、本発明によるエンドウ豆抽出物と比較した。結果を表11に示す。
【0311】
【表11】
図1
図2
図3
図4