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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】洗濯乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/36 20060101AFI20220808BHJP
   D06F 33/50 20200101ALI20220808BHJP
   D06F 37/22 20060101ALI20220808BHJP
   D06F 58/08 20060101ALI20220808BHJP
   D06F 103/24 20200101ALN20220808BHJP
【FI】
D06F37/36
D06F33/50
D06F37/22
D06F58/08
D06F103:24
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020503732
(86)(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 EP2017084657
(87)【国際公開番号】W WO2019020206
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】17182862.7
(32)【優先日】2017-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513121384
【氏名又は名称】ベステル エレクトロニク サナイー ベ ティカレト エー.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウルアグ オヌール
(72)【発明者】
【氏名】カバサカル キヴァンス
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/059066(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0174353(US,A1)
【文献】特開2015-008773(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106521863(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 37/36
D06F 37/22
D06F 58/08
D06F 33/50
D06F 103/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類洗濯乾燥機であって、
本体部と、
前記本体部内に配置され自身の回転軸を中心として回転するよう構成されたドラムであって、内部に置かれた衣類を収容する開口端と、前記開口端の反対側に配置されて前記衣類を前記ドラムの内部に保持する閉止端と、前記開口端を前記閉止端に接続する側面部と、前記本体部内の対応する少なくとも一つの電磁石と磁力的相互作用する、前記側面部上に配置された少なくとも一つの磁石を備えるものと、
前記少なくとも一つの電磁石に供給される電流を制御して、前記ドラム上の前記少なくとも一つの磁石が受ける磁界を制御し、使用時に、前記ドラムの運動を制御可能とするコントローラとを備え
前記ドラムの前記側面部上に配置された前記少なくとも一つの磁石は、複数の永久磁石を備え、
前記複数の永久磁石は、それぞれ前記開口端と前記閉止端との間で前記ドラムの前記側面部に沿って長手方向に延出し、
前記ドラムの制御動作は、前記ドラムの回転軸に沿った並進運動の制御を含むことを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項2】
請求項1に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記ドラムの制御動作は、前記ドラムの回転軸を中心とする回転運動の制御を含むことを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記本体部内のフレームを備えることを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項4】
請求項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記フレームに取り付けられたステータアセンブリを含み、前記少なくとも一つの電磁石は前記ステータアセンブリ内に含まれることを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項5】
請求項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記ステータアセンブリは前記ドラムを実質的に囲むように配置され、前記ドラムの円筒形状に対応する略円形の内周を備えることを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項6】
請求項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記少なくとも一つの電磁石は前記フレームに含まれることを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記ドラムの前記衣類洗濯乾燥機内の位置を検出する位置センサを備えることを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項8】
請求項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記位置センサは、検出された磁界の強さが位置を示す磁界センサを備えることを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項9】
請求項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記磁界センサは、前記少なくとも一つの電磁石及び/又は前記ドラム上に配置される前記少なくとも一つの磁石を備えることを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項10】
請求項からのいずれか一項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記コントローラは、前記位置センサから受け取った位置情報を用いて前記ドラムの運動を制御することを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記少なくとも一つの電磁石は、三相構成で動作可能な複数の巻線を備えることを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の衣類洗濯乾燥機であって、前記ドラムのシャフトを支持する軸受アセンブリを備え、前記軸受アセンブリは、回転軸受、スラスト軸受の一つ以上を含むことを特徴とする衣類洗濯乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願開示は、洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、衣服などの衣類を洗濯するのに用いられる。乾燥機は、湿った衣類を乾かすのに用いられる。複合型の洗濯乾燥機も提供される。通常、ユーザは機械の前面のインターフェースを介して適切な洗濯及び/又は乾燥サイクルを選択可能である。ユーザは、洗濯又は乾かされる衣類を、当該機械のドラムに入れる。このドラムは、洗濯又は乾燥サイクル中に回転させられる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示される第一の側面によれば、本体部と、前記本体部内に配置され自身の回転軸を中心として回転するよう構成されたドラムであって、内部に置かれた衣類を収容する開口端と、前記開口端の反対側に配置されて前記衣類を前記ドラムの内部に保持する閉止端と、前記開口端を前記閉止端に接続する側面部と、前記本体部内の対応する少なくとも一つの電磁石と磁力的相互作用する、前記側面部上に配置された少なくとも一つの磁石を備えるものと、前記少なくとも一つの電磁石に供給される電流を制御して、前記ドラム上の前記少なくとも一つの磁石が受ける磁界を制御し、使用時に、前記ドラムの運動を制御可能とするコントローラとを備える衣類洗濯乾燥機が提供される。
【0004】
一つの例によれば、前記ドラムの制御動作は、前記ドラムの回転軸を中心とする回転運動の制御を含む。
【0005】
一つの例によれば、前記ドラムの制御動作は、前記ドラムの回転軸に沿った並進運動の制御を含む。
【0006】
一つの例によれば、前記衣類洗濯乾燥機は、前記本体部内のフレームを備える。
【0007】
一つの例によれば、前記衣類洗濯乾燥機は、前記フレームに取り付けられたステータアセンブリを含み、前記少なくとも一つの電磁石は前記ステータアセンブリ内に含まれる。
【0008】
一つの例によれば、前記ステータアセンブリは前記ドラムを実質的に囲むように配置され、前記ドラムの円筒形状に対応する略円形の内周を備える。
【0009】
一つの例によれば、前記少なくとも一つの電磁石は前記フレームに含まれる。
【0010】
一つの例によれば、前記衣類洗濯乾燥機は、前記ドラムの前記衣類洗濯乾燥機内の位置を検出する位置センサを備える。
【0011】
一つの例によれば、前記位置センサは、検出された磁界の強さが位置を示す磁界センサを備える。
【0012】
一つの例によれば、前記磁界センサは、前記少なくとも一つの電磁石及び/又は前記ドラム上に配置される前記少なくとも一つの磁石を備える。
【0013】
一つの例によれば、前記コントローラは、前記位置センサから受け取った位置情報を用いて前記ドラムの運動を制御する。
【0014】
一つの例によれば、前記少なくとも一つの電磁石は、三相構成で動作可能な複数の巻線を備える。
【0015】
一つの例によれば、前記ドラムの前記側面部上に配置された前記少なくとも一つの磁石は、複数の永久磁石を備える。
【0016】
一つの例によれば、前記複数の永久磁石を備える複数の磁石は、それぞれ前記開口端と前記閉止端との間で前記ドラムの前記側面部に沿って長手方向に延出する。
【0017】
一つの例によれば、前記衣類洗濯乾燥機は前記ドラムのシャフトを支持する軸受アセンブリを備え、前記軸受アセンブリは、回転軸受、スラスト軸受の一つ以上を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本願開示の理解を促進し、どのように実施形態が効果を奏するのかを示すため、例示として添付の図面が参照される。
【0019】
図1】実施例にかかる洗濯機を模式的に示す図である。
図2】先行技術のドラム駆動アセンブリを模式的に示す図である。
図3】別の先行技術のドラム駆動アセンブリを模式的に示す図である。
図4】実施例にかかる洗濯乾燥機のドラム駆動アセンブリを模式的に示す図である。
図5】使用時の、実施例にかかる洗濯乾燥機のドラムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願開示は、衣類洗濯機、衣類乾燥機、または複合型の洗濯/乾燥機に適用可能である。上述の説明中では、「洗濯機」または単に「機械」という用語が用いられるが、特に記載のない限り、このような記載は、いずれも乾燥機(例:回転式乾燥機)または複合型の洗濯乾燥機にもあてはまる。「衣類(garments)」および「衣服(clothes)」という用語も、相互に交換可能である。
【0021】
図1は、例示的洗濯乾燥機102を示す。この機械102は本体部104を備える。本体部104の内部にドラム106が配置される。通常、ドラムは円筒状であり、洗濯及び/又は乾燥サイクル中に回転するよう制御される。このため、モータ(図示略)が設けられてドラムを回転させる動力を提供する。ドラム106は、本体部104内のフレームによって支持される。フレームは、点線108により模式的に示される。窓またはドア110も設けられて、機械102の使用中にドラムを閉鎖する。
【0022】
電源コネクタが120として示される。この電源コネクタ120は、機械102を主電源に接続して機械102に電力を供給可能とする。
【0023】
ユーザは、洗濯又は乾燥される衣類112を、洗濯または乾燥サイクルに先立って当該機械のドラム106に入れることができる。このことは、矢印114によって模式的に表される。図1では、衣類がTシャツであるものとして示されるが、衣類は、シャツ、ジャンパー、ズボン、下着、スカート、靴等の任意の種類の衣類であってよい。衣類という用語は、シーツ、枕カバー等の他の任意の種類の洗濯可能な物品をも包含してよい。すなわち、「衣類」という用語は、「アイテム」または「物品」という用語と相互に置き換え可能である。
【0024】
ユーザは、所望のサイクルを選択するなど、洗濯機の機能をユーザインタフェース116を介して制御可能である。このユーザインタフェースは、一つ以上のボタンを備えてもよい。表示部118が設けられてもよい。この表示部126により、利用可能なサイクル、サイクルの残り時間等の情報をユーザに提供してもよい。
【0025】
上述のように、使用時に洗濯機のドラムは、回転するよう制御される。回転速度も制御可能である。モータを設けてドラムに回転力を付与する。
【0026】
図2は、洗濯/乾燥機のドラム206を回転させるモータアセンブリの先行技術の例を示す図である。このモータアセンブリは、全体として200として示される。このモータアセンブリは、ベルト226を介してプーリホイール224に接続されるモータ222を備える。このプーリホイール224はドラム206に固定され、プーリホイール224が回転することでドラム206が対応して回転することになる。本願発明者は、このような構成により、不均一に分散されたドラムの質量により(例えば、その一端のプーリホイール224の追加重量により)使用時にドラム206の好ましくない振動が生じることを認識している。この不均一な重量配分により、ドラムの回転軸に沿ったドラムの並進運動が生じ、これにより好ましくない振動がさらに生じる可能性がある。ベルトの「引っ張り」効果によっても、ドラムの振動が生じる可能性がある。
【0027】
図3は、別の先行技術の例にかかる「ダイレクトドライブ」洗濯機ドラム306を示す。この例では、モータ322がドラム306の後面に直接接続され、使用時に回転を生じさせる。このシステムによれば、図2のモータアセンブリのベルトにより生じる振動をなくすことができるが、本願発明者により認識されたように、ドラムの後面にモータ322を収容する空間が必要となることから、ドラム306の利用可能な深さが減ることになる。これにより、ドラム306の利用可能な容量が減少するという効果が生じる。さらに、好ましくない振動は、図3のシステムにおいてもやはり課題として残り、振動を減衰させるためにダンパー等の追加のサスペンション部品が必要となる可能性がある。
【0028】
例示的実施形態では、モータアセンブリのモータがドラムの外部に配置され、ドラムの少なくとも一部がモータによって囲まれる洗濯乾燥機が提供される。説明としては、アセンブリ全体がロータとステータアセンブリとを備え、ドラム自体がロータを備えるものと考えることもできる。
【0029】
これを、例示的ドラム駆動アセンブリ400を示す図4を参照してより詳細に説明する。ドラム406は、開口端430と閉止端432とを備える。閉止端432は開口端430の反対側にある。開口端430は、内部に配置された際に洗濯機のドアに近接して位置するように配置される。開口端430を通して、衣服またはその他の衣類をドラム406の内部に入れることができる。閉止端は、これが衣類が閉止端432を通過、ないし閉止端432から脱落することを防止するという意味において「閉止」される。しかし、いくつかの実施形態において、閉止端は、例えば一つ以上の穿孔(perforations)または孔(holes)を備えて、水または空気が、閉止端432を通過できるようにされてもよい。閉止端432から突出するシャフト434が設けられる。適切な洗濯機に配置される際、このシャフト434は、当該洗濯機の適切な軸受アセンブリに配置され、ドラムがその回転軸X-Xを中心として、及び/又はこれに沿って回転及び/又は並進運動するのを支持する。この軸受アセンブリは、シャフト434の回転を可能としかつ支持するローラー軸受、及び/又はシャフト434の並進運動を可能としかつ支持するスラスト軸受を備えてもよい。
【0030】
ドラム406の側面436は、閉止端432と開口端430との間を接続して延出する。側面436の外面は、回転軸X-Xと平行または略平行である。側面436には、少なくとも一つの磁石438を備える。この例では、この少なくとも一つの磁石438は、複数の磁石が設けられる。各磁石は、側面436に沿って回転軸X-Xの方向に延出する。この例では、各磁石は、永久磁石を備える。この例では、少なくとも一つの磁石438は、側面438の外面に配置される。しかし、別の例では、この少なくとも一つの磁石438は、側面436の内面に配置されるか、または側面436内に埋設されてもよい。
【0031】
ステータアセンブリが、440として模式的に示される。この例では、ステータ440は洗濯機のフレーム408に取り付けられる。ステータは、少なくとも一つの電磁石442を備える。この例では、この少なくとも一つの電磁石442は、複数の電磁石を備える。この少なくとも一つの電磁石442はコイルであってもよい。この少なくとも一つの電磁石は、三相構成で動作可能な複数の巻線を備えてもよい。この例では、ステータ440は、ドラム406の円筒形状に対応する円形の内周444を備える。図4では、ドラム(またはロータ)406とステータ440とは、理解促進のため個別に分解された形で示されるが、使用時にはドラム406がステータ440の内部、または少なくとも部分的に内部に配置される。すなわち、ドラム406はモータないしステータ440によって囲まれる、または包囲されるものと考えることができる。ドラム駆動アセンブリは、420として模式的に示される適切な電源にも動作可能に接続される。この電源420は、少なくとも一つの電磁石442に電流を供給するよう動作可能である。
【0032】
図4に示されるステータの構造は、単に例示目的のみであり、別の実施形態では異なる構造または構成を用いてもよい。例えば、一例では、ステータは洗濯機のフレーム408上に配置された一つ以上の電磁石からなってもよい。
【0033】
模式的に450として示されるコントローラは、(矢印452により示されるように)ドラム駆動アセンブリ400と接続され、ドラム駆動アセンブリ400を制御するよう動作可能である。このコントローラは、メモリ454とプロセッサ456とを備える。このコントローラ450は、少なくとも一つの電磁石442に供給される電流を制御可能である。電流を電磁石442に供給することで、ステータ442の周囲に磁界が発生する。ドラム406上の少なくとも一つの磁石438はこの磁界を受け、磁石438と磁界との間の磁力相互作用によりドラム406を移動させる。したがって、コントローラ450はドラム406の移動を制御可能となる。ドラムの運動は、回転運動(すなわち、時計回りまたは反時計回り方向の回転軸X-Xを中心とする回転運動)であってもよい。ドラム406の並進運動(すなわち、軸X-Xに平行な方向の運動)もコントローラ450によって制御されてもよい。この並進運動は、内向き運動(すなわち、図4で見たとき、ドラム406がステータ440に向かう運動)でも、外向き運動(すなわち、図4で見たとき、ドラム406がステータ440から離れる方向に向かう運動)であってよい。ドラム406の並進運動を制御するため、二次元位置を基準点(0、0)(一例では軸X-X)に対して制御してもよい。コントローラ450は、回転方向(例えば、時計回り/反時計回り)及び/又は並進方向(例えば、内向きまたは外向き)を選択的に制御可能である。コントローラはこれを、例えば、(複数の電磁石がある場合に)電磁石442に選択的に電流を流すこと、及び/又は一つ以上の電磁石442の一つ以上の領域に選択的に電流を流すこと、及び/又は電磁石に供給される電流の大きさを調整することにより実現してもよい。
【0034】
コントローラは、458として模式的に示される位置センサにも接続される。この位置センサにより、コントローラ458はドラム406の位置を判定可能である。位置情報は、ドラム406の回転及び/又は並進位置に関連してもよい。いくつかの実施形態では、位置センサ458は少なくとも一つの電磁石442及び/又はドラム406上の少なくとも一つの磁石438を含む。あるいは位置センサ458は少なくとも一つの電磁石442及び/又はドラム406上の少なくとも一つの磁石438の近傍の磁界センサを含む。ドラム406の位置情報は、検出された磁界の強度または大きさに基づき決定可能である。当然ながら、他の実施例では、異なる種類の位置センサを用いてドラム406の位置情報を取得してもよい。例えば、この点に関して、一つ以上の光学センサを用いてもよい。
【0035】
したがって、コントローラ450にドラム406の位置情報を確定し、これに応じてドラム406の動きを制御可能とするフィードバックループが設けられる。したがって、ドラム406の動きは、洗濯機内のドラム406の振動を制御又は低減するように制御可能である。
【0036】
いくつかの実施例では、ステータ440は一体型であり、洗濯機内に一体として装着可能である。あるいは、ステータ440は洗濯機内に個別に装着可能な独立した部品を含んでもよい。例えば、ステータは洗濯機のフレーム408に取り付けられた独立した電磁コイルを含んでもよい。このような構成では、フレームがステータを備えるものと考えることができる。
【0037】
合わせて、ドラム(又はロータ)406とステータ440とを、ブラシレス直流(BLDC)モータ構造を形成するものと考えることができる。一つの例では、ドラム406は回転ジョイントを介してドラム406を囲むステータ440に接続される。
【0038】
図5は、洗濯乾燥機のドラム506を模式的に示す図である。このドラム506は使用中であり中心軸505を中心として回転している。衣類560と水とが、矢印562により模式的に示される遠心力によって、ドラムの外周側に押される。生じた遠心力は、ドラム506の重心(または慣性軸)に影響される。少なくとも一つの磁石538が、図4に関して説明されたようにドラム506の側面上に設けられる。少なくとも一つの磁石538によって相対的に増加したドラム506の質量により、洗濯物(例えば衣類)と水の重さの重心への影響は低減する。すなわち、慣性軸はよりドラムの中心側に集中し、遠心力562が相対的に低減する。
【0039】
記載された例は、図2の先行技術例で示されたベルト駆動アセンブリを必要としない。したがって、記載された例はベルト駆動アセンブリに関連する振動問題とは無縁である。さらに、図3の先行技術の例と比較すると、本明細書に記載された実施形態は、モータアセンブリをドラムの背後に設けることを要しない。したがって、より多くの空間が利用可能となり、相対的に深いドラムを使用して洗濯及び/又は乾燥容量を増大させることができる。
【0040】
例えば図4に示されるように、磁石をドラムの外部に配置することにより、トルクをドラムの径部分に加えることから、相対的により大きなトルクを加えることができる。これにより、ドラムのより速い回転速度、及び/又はより速い加速及び/又は減速が可能となる。この構成は、使用時に、ドラムにより円滑に力を伝達することも可能とする。
【0041】
プロセッサ、プロセシングシステムまたは回路と本明細書に記載されるものは、実務上、単一のチップまたは集積回路により実装されても、複数のチップまたは集積回路により実装されてもよく、あるいはチップセット、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、グラフィクス・プロセッシング・ユニット(GPUs)等によって実装されてもよい。このチップまたは複数のチップは、実施形態にしたがって動作するよう構成可能なデータプロセッサおよびデジタル・シグナル・プロセッサの少なくとも一方を実装するための回路(ならびに場合によってファームウェア)を備えてもよい。この点に関し、例示的実施形態は、少なくとも部分的に(不揮発性)メモリーに記憶されプロセッサにより実行可能なコンピュータソフトウェア、ハードウェア、または実体的に記憶されたソフトウェアとハードウェア(および実体的に記憶されたファームウェア)との組み合わせにより実装されてもよい。
【0042】
本明細書に記載される例は、本発明の実施形態を説明するための例として理解されるべきである。別の実施形態および例が想定される。一つの例または実施形態に関して記載される任意の特徴は、単独で、またはほかの特徴と組み合わせて使用可能である。加えて、一つの例または実施形態に関連して記載された任意の特徴は、他の例または実施形態、または他の例または実施形態の任意の組み合わせのいずれかの特徴と組み合わせても使用可能である。さらに、本明細書に記載されない均等物および変形例も、請求項に定義される本発明の範囲内で利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5