(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20220808BHJP
H04B 1/38 20150101ALI20220808BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20220808BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
G06F1/16 312K
G06F1/16 312E
H04B1/38
H01Q1/38
H01Q1/22 Z
(21)【出願番号】P 2021039805
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】山本 修
(72)【発明者】
【氏名】渡村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】恩田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】米田 雅春
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0041589(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0161764(US,A1)
【文献】特開2018-121149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0317561(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054761(US,A1)
【文献】特開2003-037431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16-1/18
H01Q 1/00-1/52
H04B 1/38-1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面に載置される電子機器であって、
ディスプレイが搭載された第1筐体と、
前記第1筐体に回動可能に連結された第2筐体と、
前記第1筐体または前記第2筐体に回動可能に連結された第3筐体と、
前記第3筐体の内部に設けられたアンテナユニットと、
を備え、
前記第3筐体は、前記第2筐体に対する前記第1筐体の開き角に応じて、前記載置面に接して前記第2筐体を支持する起立姿勢と、前記第2筐体を支持しない横臥姿勢と、を切り替え可能であり、
前記アンテナユニットは、
基材と、
前記基材に設けられたアンテナエレメントと、
前記基材に設けられ、少なくとも一対の対向配置された主配線を有するアンテナグランドと、を備え、
一対の前記主配線は、前記第3筐体が起立姿勢をとるときに、前記載置面からの高さ位置が互いに異なり、
前記アンテナエレメントは、一対の前記主配線の間に配置され
、
前記第3筐体は、前記第2筐体に対して前記第1筐体が閉じたときに、前記第1筐体および前記第2筐体の厚さ方向から見て、前記第1筐体および前記第2筐体の外に設けられている、電子機器。
【請求項2】
前記アンテナエレメントの少なくとも一部は、前記第3筐体が前記横臥姿勢から前記起立姿勢に移行するのに伴って前記載置面に近づく位置にある、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第3筐体に、厚さ方向に向かい合う第1主面および第2主面と、前記第1主面から前記第2主面にかけて形成された端面とによって収容空間が形成され、
前記第3筐体が前記横臥姿勢をとるとき、前記第1主面は前記第2主面に比べて高い位置にあり、
前記アンテナエレメントの少なくとも一部は、前記第1主面から前記端面にかけて設けられている、請求項1または2記載の電子機器。
【請求項4】
前記アンテナグランドは、一対の前記主配線の端部どうしを連結する一対の側配線をさらに備え、
前記アンテナエレメントは、一対の前記主配線と一対の前記側配線とによって形成された枠状配線に囲まれている、請求項1~3のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パーソナル・コンピュータなどの電子機器には、無線通信用のアンテナが搭載されることがある。特許文献1には、無線通信用のアンテナを搭載した電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器は、金属で形成された筐体が、アンテナに電磁気的な影響を及ぼすことがある。アンテナは、電子機器が載置される載置面が金属製である場合、載置面から電磁気的な影響を受けることもある。
【0005】
本発明の一態様は、電子機器が載置される載置面および筐体からの電磁的影響を抑制できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、載置面に載置される電子機器であって、ディスプレイが搭載された第1筐体と、前記第1筐体に回動可能に連結された第2筐体と、前記第1筐体または前記第2筐体に回動可能に連結された第3筐体と、前記第3筐体の内部に設けられたアンテナユニットと、を備え、前記第3筐体は、前記第2筐体に対する前記第1筐体の開き角に応じて、前記載置面に接して前記第2筐体を支持する起立姿勢と、前記第2筐体を支持しない横臥姿勢と、を切り替え可能であり、前記アンテナユニットは、基材と、前記基材に設けられたアンテナエレメントと、前記基材に設けられ、少なくとも一対の対向配置された主配線を有するアンテナグランドと、を備え、一対の前記主配線は、前記第3筐体が起立姿勢をとるときに、前記載置面からの高さ位置が互いに異なり、前記アンテナエレメントは、一対の前記主配線の間に配置されている、電子機器を提供する。
【0007】
前記アンテナエレメントの少なくとも一部は、前記第3筐体が前記横臥姿勢から前記起立姿勢に移行するのに伴って前記載置面に近づく位置にあることが好ましい。
【0008】
前記電子機器は、前記第3筐体に、厚さ方向に向かい合う第1主面および第2主面と、前記第1主面から前記第2主面にかけて形成された端面とによって収容空間が形成され、前記第3筐体が前記横臥姿勢をとるとき、前記第1主面は前記第2主面に比べて高い位置にあり、前記アンテナエレメントの少なくとも一部は、前記第1主面から前記端面にかけて設けられていることが好ましい。
【0009】
前記アンテナグランドは、一対の前記主配線の端部どうしを連結する一対の側配線をさらに備え、前記アンテナエレメントは、一対の前記主配線と一対の前記側配線とによって形成された枠状配線に囲まれていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様は、電子機器が載置される載置面および筐体からの電磁的影響を抑制できる電子機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】実施形態に係る電子機器の一部の斜視図である。
【
図4】実施形態に係る電子機器の一部の側面図である。
【
図6】第3筐体の内部構造を示す分解斜視図である。
【
図10】第1アンテナユニットの模式的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施形態に係る電子機器100の斜視図である。
図1は、第1筐体101と第2筐体102とを開いた状態の電子機器100の斜視図である。
図2は、電子機器100の一部の斜視図である。
図3は、第1筐体101と第2筐体102とを閉じた状態の電子機器100の斜視図である。
図4は、電子機器100の一部の側面図である。
図5は、第3筐体103の断面図である。
図5は、X方向およびZ方向に沿う断面を示す図である。
【0013】
[電子機器]
図1に示すように、電子機器100は、第1筐体101と、第2筐体102と、第3筐体103と、第1アンテナユニット(アンテナユニット)11(
図6参照)と、第2アンテナユニット12(
図6参照)と、電子部品13(
図6参照)とを備える。電子機器100は、例えば、ノートPC(PC:パーソナルコンピュータ)である。
【0014】
電子機器100は、載置面200に載置されている。第2筐体102の第2面102dは、載置面200に対面する。載置面200は、例えば、水平面である。載置面200の構成材料は特に限定されないが、載置面200は、導体(例えば、金属)で形成されていてもよい。
【0015】
第1筐体101および第2筐体102は、矩形板状とされている。第1筐体101と第2筐体102とは、端部どうしがヒンジ機構110を介して連結されている。第1筐体101の第1基端部101bは、ヒンジ機構110が設けられた端部である。第1開放端部101aは、第1基端部101bとは反対側の端部である。第2筐体102の第2基端部102bは、ヒンジ機構110が設けられた端部である。第2開放端部102aは、第2基端部102bとは反対側の端部である。第2筐体102は、第1筐体101に対して、ヒンジ機構110がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。開き角θ1は、第2筐体102の第1面102cと第1筐体101の第1面101cとがなす角度である。開き角θ1は、例えば、0°以上、180°以下の範囲で選択できる。
【0016】
第1筐体101は、ディスプレイ104を搭載する。ディスプレイ104は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(EL:Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。第1筐体101は、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第1筐体101の第1面101cは、ディスプレイ104が設けられる面である。第1筐体101の、第1面101cとは反対面を第2面101dという。
【0017】
第2筐体102は、キーボード107およびタッチパッド108を搭載する。キーボード107およびタッチパッド108は、入力デバイスの例である。第2筐体102には、バッテリー、ストレージ装置なども搭載される。第2筐体102は、システム筐体とも呼ばれる。
【0018】
第2筐体102の第1面102cは、キーボード107およびタッチパッド108が設けられる面である。第1面102cは、第2筐体102に対する第1筐体101の開き角θ1が0°のとき、ディスプレイ104に対向する。第2筐体102の、第1面102cとは反対面を第2面102dという。
【0019】
図2に示すように、第3筐体103は、矩形板状とされている。第3筐体103は、支持腕部105を介して第1筐体101または第2筐体102に連結されている。第3筐体103の第3基端部103bは、支持腕部105が設けられた端部である。第3開放端部103aは、第3基端部103bとは反対側の端部である。第3筐体103は、第2筐体102に対して、ヒンジ機構110がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第3基端部103bから第3開放端部103aまでの寸法は、第2筐体102における第2基端部102bから第2開放端部102aまでの長さより小さい。
【0020】
図1および
図3に示すように、第3筐体103は、第2筐体102に対する第1筐体101の開き角θ1に応じて姿勢が変化する。
図3に示すように、開き角θ1が0°であるときには、第3筐体103は、第2筐体102に沿う姿勢となる。
図3に示す第3筐体103の姿勢を「横臥姿勢P1」という。横臥姿勢P1にある第3筐体103は、第2筐体102とほぼ平行となる。そのため、第3筐体103は、載置面200と平行となる。横臥姿勢P1にある第3筐体103は、第2筐体102を支持しない。
【0021】
図1に示すように、第3筐体103は、開き角θ1が大きくなるのに伴って、第2筐体102に対する傾斜が大きくなる。
図1、
図2および
図4に示す第3筐体103の姿勢を「起立姿勢P2」という。
【0022】
図4に示すように、起立姿勢P2において、第2筐体102に対する第3筐体103の傾斜角を「θ2」という。傾斜角θ2は、例えば、第2筐体102の第2面102dと、第3筐体103の第2主板部4の外面4cとの角度である。第3筐体103が横臥姿勢P1(
図3参照)にあるとき、傾斜角θ2は0°となる。
【0023】
起立姿勢P2にある第3筐体103は、第3基端部103bから第3開放端部103aに向けて下降するように傾斜する。起立姿勢P2における傾斜角θ2は、例えば、0°を越え、120°以下であってよい。傾斜角θ2は、例えば、0°を越え、90°以下であってもよい。
図4における傾斜角θ2は、90°より小さい。
【0024】
起立姿勢P2において、載置面200に対する第3筐体103の傾斜角θ3は、例えば、0°を越え、90°以下である。傾斜角θ3は、例えば、載置面200に対する、第2主板部4の外面4cの角度である。第3筐体103が横臥姿勢P1(
図3参照)にあるとき、傾斜角θ3は0°となる。
【0025】
起立姿勢P2にある第3筐体103は、第2端板部6(例えば、第3開放端部103aまたは第3開放端部103aの近傍)において載置面200に接する。第3基端部103bは載置面200から上方に離れた位置にある。起立姿勢P2にある第3筐体103は、第2筐体102を支持する。
【0026】
図1に示すように、第2筐体102の第2基端部102bは、起立姿勢P2にある第3筐体103に支持されることによって、載置面200から上方に離れて位置する。第2筐体102は、第2開放端部102aまたは第2開放端部102aの近傍において載置面200に接する。
【0027】
図1および
図3に示すように、第2筐体102に対する第1筐体101の開き角θ1を調整することによって、第3筐体103は、横臥姿勢P1(
図3参照)と、起立姿勢P2(
図1参照)とを切り替え可能である。
【0028】
図2に示すように、第3筐体103は、筒部1と、一対の側板部2とを備える。一対の側板部2は、筒部1の一方および他方の端部開口を閉止する。
【0029】
図3~
図5に示すように、第3筐体103については、XYZ直交座標系を用いて各構成の位置関係を説明することがある。X方向は、第3開放端部103aと第3基端部103bとを通る方向である。X方向は、第3筐体103の幅方向である。+X方向は、第3基端部103bから第3開放端部103aに向かう方向である。Y方向は、第2主板部4の第2主面4aに沿う面においてX方向と直交する。Y方向は、筒部1の中心軸と平行である。Y方向は、第3筐体103の長さ方向である。Z方向は、X方向およびY方向に直交する。Z方向は、第3筐体103および収容空間106の厚さ方向である。
【0030】
図4に示すように、第3筐体103は、Y方向から見て長円形状である。「長円形状」は、互いに平行かつ向かい合う2つの直線と、2つの直線の端部どうしをそれぞれ結ぶ湾曲凸状(例えば半円形状、楕円弧形状など)の曲線とで構成される形状である。
【0031】
図5に示すように、筒部1は、第1主板部3と、第2主板部4と、第1端板部5と、第2端板部6とを備える。第1主板部3および第2主板部4は、長さ方向がY方向に沿う長方形状とされている(
図2参照)。第1主板部3と第2主板部4とは、互いに平行であり、向かい合って配置されている。第1主板部3と第2主板部4とは同形である。第3筐体103が横臥姿勢P1をとるとき、第1主板部3は、第2主板部4に対して上に位置する。第1主板部3の内面を第1主面3aという。第2主板部4の内面を第2主面4aという。第1主面3aと第2主面4aとは、Z方向に向かい合う。第3筐体103が横臥姿勢P1をとるとき、第1主面3aは第2主面4aに比べて載置面200から離れた位置にある。
【0032】
図4に示すように、第1端板部5は、Y方向から見て、第1主板部3の-X方向の端部から第2主板部4の-X方向の端部にかけて、湾曲凸状(例えば、半円形状、楕円弧形状など)に形成されている。第1端板部5は、第3基端部103bを含む。第2端板部6は、Y方向から見て、第1主板部3の+X方向の端部から第2主板部4の+X方向の端部にかけて、湾曲凸状(例えば、半円形状、楕円弧形状など)に形成されている。第2端板部6は、第3開放端部103aを含む。
図4では、第1端板部5と第2端板部6とは、互いに離れる方向に凸となる半円形状である。
【0033】
図5に示すように、第1端板部5の内面を第1端面5aという。第1端面5aは、第1主面3aの-X方向の端部から第2主面4aの-X方向の端部にかけて形成されている。第2端板部6の内面を第2端面6aという。第2端面6aは、第1主面3aの+X方向の端部から第2主面4aの+X方向の端部にかけて形成されている。第2端面6aは「端面」の一例である。
Y方向から見て第2端面6aの中点を6bとする。中点6bは、Y方向から見て筒部1の内面がなす長円の頂点に相当する。第1主面3aの+X方向の端部3bから中点6bまでの領域を第1領域6Aという。中点6bから第2主面4aの+X方向の端部4bまでの領域を第2領域6Bという。
【0034】
図2および
図5に示すように、筒部1は、筒部主部7と、電波透過板8とを備える。筒部主部7は、例えば、金属で形成されている。筒部主部7には、複数の窓部(開口)9が形成されている。窓部9は、第1主板部3から第2端板部6にかけて形成されている。
【0035】
図2に示すように、複数の窓部9は、第1窓部9Aと、第2窓部9Bと、第3窓部9Cとを有する。第1窓部9AのY方向の形成範囲は、第1アンテナユニット11のY方向の範囲を包含する(
図6参照)。第2窓部9BのY方向の形成範囲は、第2アンテナユニット12のY方向の範囲を包含する(
図6参照)。
【0036】
電波透過板8は、複数の窓部9にそれぞれ形成されている。電波透過板8は、樹脂などの非導体で形成されている。電波透過板8は、電波が透過可能である。電波透過板8は、窓部9を閉止する。電波透過板8は、窓部9から第3筐体103内に異物が入るのを阻止する。
【0037】
図5に示すように、収容空間106は、第3筐体103の内部空間である。収容空間106は、第1主面3aと、第2主面4aと、第1端面5aと、第2端面6aとによって形成されている。
【0038】
図6は、第3筐体103の内部構造を示す分解斜視図である。
図6に示すように、収容空間106内の内部には、第1アンテナユニット11と、第2アンテナユニット12と、電子部品13とが設けられている。
【0039】
図7~
図9は、第1アンテナユニット11の斜視図である。
図7に示すように、第1アンテナユニット11は、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible printed circuits)である。第1アンテナユニット11は、シート状に形成され、可撓性を有する。第1アンテナユニット11は、主部14と、延出部15とを備える。主部14は、概略、矩形状とされている。延出部15は、主部14の-X方向の端から延出する帯状部分である。
【0040】
図5に示すように、第1アンテナユニット11は、筒部1の内面に沿って形成されている。第1アンテナユニット11は、第1主面3aから第2端面6aにかけて形成されている。第1アンテナユニット11は、第1主面3aおよび第2端面6aに接していてもよいし、第1主面3aおよび第2端面6aから離れていてもよい。
【0041】
図8および
図9に示すように、第1アンテナユニット11は、基材フィルム(基材)16と、アンテナエレメント17と、アンテナグランド18とを備える。基材フィルム16は、例えば、ポリイミドなどの樹脂で構成されている。基材フィルム16は、可撓性を有する。第1アンテナユニット11は、アンテナエレメント17およびアンテナグランド18を覆うカバーレイ(図示略)を有していてもよい。
【0042】
アンテナエレメント17およびアンテナグランド18は、基材フィルム16の一方の面に形成されている。アンテナエレメント17およびアンテナグランド18は、例えば、銅箔などにより形成された金属層(導体層)である。アンテナエレメント17は、電波の送受信を行うためのパターンを有する。
【0043】
図5に示すように、アンテナエレメント17は、例えば、第1主面3aから第2端面6a(第1領域6A)にかけて形成されている。アンテナエレメント17は、延出部15においてアンテナケーブル19(
図10参照)と電気的に接続されている。アンテナエレメント17は、アンテナケーブル19を介して、第2筐体102内の通信回路(図示略)と接続されている。アンテナケーブル19は、例えば、同軸ケーブルである。
【0044】
図10は、第1アンテナユニット11の模式的な構成図である。アンテナグランド18は、矩形状の枠状配線21を有する。枠状配線21は、一対の主配線22と、一対の側配線23とを備える。主配線22は、概略、Y方向に沿う配線である(
図9参照)。一対の主配線22は、X方向に間隔をおいて対向配置されている。
【0045】
一対の主配線22のうち、第3基端部103b(
図4参照)に近い方の主配線22を「第1主配線22A」という。一対の主配線22のうち、第3開放端部103a(
図4参照)に近い方の主配線22を「第2主配線22B」という。
一対の側配線23は、Y方向に間隔をおいて対向配置されている。
【0046】
枠状配線21は、アンテナエレメント17を囲む。すなわち、アンテナエレメント17は、枠状配線21の内側に形成されている。そのため、アンテナエレメント17は、一対の主配線22の間に配置されている。アンテナエレメント17は、一対の側配線23の間に配置されている。アンテナエレメント17は、枠状配線21に対して間隔をおいて形成されている。
【0047】
図4に示すように、第3筐体103が起立姿勢P2をとるとき、第3基端部103bは第3開放端部103aに対して高い位置にある。そのため、
図9および
図10に示す一対の主配線22は、載置面200からの高さ位置が互いに異なる。第1主配線22Aは、第2主配線22Bに比べて高く位置する。すなわち、第1主配線22Aは、第2主配線22Bに比べて載置面200からの距離が大きい。
【0048】
図6に示すように、電子部品13は、例えば、スピーカである。
【0049】
[電子機器の使用方法]
図3に示すように、開き角θ1がゼロであるときには、第3筐体103は、第2筐体102に沿う姿勢(横臥姿勢P1)をとる。第2筐体102および第3筐体103は、載置面200に沿う姿勢となる。第3筐体103は、第2筐体102を支持しない。
【0050】
図1および
図4に示すように、開き角θ1が大きくなるのに伴って、第3筐体103は、第2筐体102に対する傾斜が大きくなり、起立姿勢P2をとる。起立姿勢P2にある第3筐体103は、第2筐体102を支持する。
図4に示すように、第3筐体103は、第2端板部6において載置面200に接する。
【0051】
[実施形態の電子機器が奏する効果]
電子機器100では、アンテナエレメント17は、アンテナグランド18の一対の主配線22の間に形成されている(
図9および
図10参照)。第3筐体103が起立姿勢P2をとるときに、一対の主配線22のうち第1主配線22Aは、第2主配線22Bに比べて高く位置する。そのため、第1主配線22Aはアンテナエレメント17より高い位置にあり、かつ第2主配線22Bはアンテナエレメント17より低い位置にある。
【0052】
電子機器100では、アンテナエレメント17より低い位置に第2主配線22Bがあるため、載置面200が導体(例えば、金属)で形成されている場合においても、アンテナエレメント17に対する、載置面200からの電磁気的な影響を小さくできる。さらに、アンテナエレメント17より高い位置に第1主配線22Aがあるため、アンテナエレメント17に対する、第1筐体101からの電磁気的な影響を小さくできる。よって、アンテナエレメント17の送受信特性を改善することができる。
【0053】
前述のように、アンテナエレメント17は、第1主面3aから第2端面6a(第1領域6A)にかけて形成されている(
図5参照)。第1領域6Aの少なくとも一部は、第3筐体103が横臥姿勢P1にあるとき(
図3参照)に比べ、第3筐体103が起立姿勢P2にあるとき(
図4参照)に載置面200に近づく。そのため、アンテナエレメント17の少なくとも一部は、第3筐体103が横臥姿勢P1から起立姿勢P2に移行するのに伴って載置面200に近づく。
【0054】
電子機器100は、アンテナエレメント17が、一対の主配線22の間に形成されている(
図9および
図10参照)。そのため、第3筐体103が横臥姿勢P1から起立姿勢P2に移行することによって、アンテナエレメント17が載置面200に近づく場合においても、載置面200からの電磁気的な影響を小さくできる。よって、アンテナエレメント17の送受信特性は良好となる。
【0055】
電子機器100では、アンテナエレメント17は、第1主面3aから第2端面6a(第1領域6A)にかけて形成されているため、アンテナエレメント17が第2主面4aから第2端面6aにかけて形成されている場合に比べ、アンテナエレメント17の送受信特性を良好にできる。
アンテナエレメント17の送受信特性が良くなるのは、次の理由による。アンテナエレメント17の一部が第2主面4aにあると、アンテナエレメント17が送受信する電波が電子部品13の近くを通るため、この電波が電子部品13の影響を受ける可能性がある。これに対し、アンテナエレメント17の一部が第1主面3aにあると、アンテナエレメント17が送受信する電波は、他の電子部品の影響を受けにくくなる。よって、アンテナエレメント17の送受信特性は良好となる。
【0056】
図9および
図10に示すように、電子機器100では、アンテナエレメント17は、一対の主配線22と一対の側配線23とによって形成された枠状配線21に囲まれているため、上下方向だけでなく、側方からの電磁気的影響を小さくできる。よって、アンテナエレメント17の送受信特性をさらに良好とすることができる。
【0057】
この発明の具体的な構成は上述の実施形態に限られず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
図10に示すアンテナグランド18は、アンテナエレメント17を囲む枠状配線21を有するが、アンテナグランドの形状は特に限定されない。アンテナグランドは、少なくとも一対の主配線を有し、これらの主配線が、第3筐体が起立姿勢をとるときに、アンテナエレメントより高い位置および低い位置に配置されればよい。そのため、アンテナグランドは、一対の側配線のうち一方または両方を欠いていてもよい。
【符号の説明】
【0058】
3a…第1主面、4a…第2主面、6a…第2端面(端面)、11…第1アンテナユニット(アンテナユニット)、16…基材フィルム(基材)、17…アンテナエレメント、18…アンテナグランド、21…枠状配線、22…主配線、22A…第1主配線(主配線)、22B…第2主配線(主配線)、23…側配線、100…電子機器、101…第1筐体、102…第2筐体、103…第3筐体、104…ディスプレイ、106…収容空間、200…載置面、P1…横臥姿勢、P2…起立姿勢、θ1…開き角。
【要約】
【課題】電子機器が載置される載置面および筐体からの電磁的影響を抑制できる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、第1筐体と、第1筐体に回動可能に連結された第2筐体と、第1筐体または第2筐体に回動可能に連結された第3筐体と、第3筐体の内部に設けられた第1アンテナユニット11と、を備える。第3筐体は、載置面に接して第2筐体を支持する起立姿勢と、第2筐体を支持しない横臥姿勢と、を切り替え可能である。第1アンテナユニット11は、基材フィルムと、アンテナエレメント17と、アンテナグランド18とを備える。アンテナグランド18は、少なくとも一対の対向配置された主配線22を有する。一対の主配線22は、第3筐体が起立姿勢をとるときに、載置面からの高さ位置が互いに異なる。アンテナエレメント17は、一対の主配線22の間に配置されている。
【選択図】
図9