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特許7119177マルチデッキエレベータの群管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】マルチデッキエレベータの群管理システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20220808BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20220808BHJP
   B66B 11/02 20060101ALI20220808BHJP
   B66B 13/14 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
B66B1/18 B
B66B1/18 D
B66B3/00 L
B66B3/00 M
B66B11/02 F
B66B13/14 B
B66B13/14 F
B66B13/14 L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021100235
(22)【出願日】2021-06-16
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門馬 直秀
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-189374(JP,A)
【文献】特開昭49-82044(JP,A)
【文献】特開2001-72347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00- 1/25
B66B 3/00- 3/02
B66B 11/00-11/08
B66B 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2台以上の乗りかごを有するマルチデッキエレベータの群管理システムにおいて、
方向性を有して任意の階で停止中にあり、かつ、上記各乗りかごのすべてを除き、少なくとも1台の乗りかごが呼びに応答しているマルチデッキエレベータを換気対象として検出する換気対象検出手段と、
上記換気対象として検出されたマルチデッキエレベータに対し、上記呼びに応答していない他の乗りかごを換気のために戸開する換気制御手段と、
上記他の乗りかごが換気のために戸開されたときに、当該乗りかごの停止階の乗場で換気中であることを案内する案内制御手段と
を具備したことを特徴とするマルチデッキエレベータの群管理システム。
【請求項2】
上記換気制御手段は、
上記呼びに応答している乗りかごが戸閉するタイミングで、上記他の乗りかごを戸閉することを特徴とする請求項1記載のマルチデッキエレベータの群管理システム。
【請求項3】
上記各乗りかご内の乗客の有無を検出するかご内乗客検出手段を備え、
上記換気制御手段は、
上記他の乗りかご内の乗客が検出された場合に、当該乗りかごの戸開を禁止することを特徴とする請求項1記載のマルチデッキエレベータの群管理システム。
【請求項4】
各階の乗場にいる乗客の有無を検出する乗場乗客検出手段を備え、
上記換気制御手段は、
上記他の乗りかごの停止階の乗場で乗客が検出された場合に、当該乗りかごの戸開を禁止することを特徴とする請求項1記載のマルチデッキエレベータの群管理システム。
【請求項5】
上記他の乗りかごを換気のために戸開した回数をカウントするカウント手段を備え、
上記換気制御手段は、
上記回数が一定値に達したときに、上記他の乗りかごに新たな乗客が乗るまでの間、換気のために戸開を禁止することを特徴とする請求項1記載のマルチデッキエレベータの群管理システム。
【請求項6】
上記換気制御手段は、
上記他の乗りかごの停止階が不停止階に設定されていた場合には、戸開を禁止することを特徴とする請求項1記載のマルチデッキエレベータの群管理システム。
【請求項7】
上記換気制御手段は、
上記他の乗りかごを換気のために戸開したときに、当該乗りかごに設けられた換気装置を連動させることを特徴とする請求項1記載のマルチデッキエレベータの群管理システム。
【請求項8】
上記換気対象検出手段は、
方向性を持たずに任意の階で待機しているマルチデッキエレベータが存在した場合に当該マルチデッキエレベータを換気対象とし検出し、
上記換気制御手段は、
上記換気対象として検出されたマルチデッキエレベータに対し、上記各乗りかごのすべてを換気のために戸開することを特徴とする請求項1記載のマルチデッキエレベータの群管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、少なくとも2台以上の乗りかごが上下に連結されたマルチデッキエレベータの群管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染力の高いウイルスの流行に伴い、換気による感染対策が求められている。特に、エレベータの乗りかご内は密閉空間になるため、定期的な換気が必要となる。そこで、乗りかごを任意の階で戸開した状態で待機させることで、換気を促すことが考えられている。しかしながら、エレベータの運転中に乗りかごを換気のために停止させることは無駄停止となり、サービス低下につながる。したがって、呼び(かご呼びと乗場呼び)を持たずに無方向状態で停止した乗りかごに対して、戸開待機による換気を実施することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-18281号公報
【文献】特開平11-189374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1台の乗りかごのみを有するシングルデッキエレベータの場合には、その乗りかごが呼びを持たずに無方向状態で停止したときに、戸開待機による換気を実施できる。しかしながら、例えば2台の乗りかごを有するダブルデッキエレベータなど、複数台の乗りかごを有するマルチデッキエレベータの場合には、各乗りかご毎に呼びの応答状態が違うため、すべての乗りかごが呼びを持たずに無方向状態で停止するまでに、戸開待機による換気を実施できない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数台の乗りかごを有するマルチデッキエレベータにおいて、各乗りかご毎に呼びの応答状態に応じて効率的に換気することのできるマルチデッキエレベータの群管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムは、換気対象検出手段と、換気制御手段と、案内制御手段とを備える。上記換気対象検出手段は、方向性を有して任意の階で停止中にあり、かつ、各乗りかごのすべてを除き、少なくとも1台の乗りかごが呼びに応答しているマルチデッキエレベータを換気対象として検出する。上記換気制御手段は、上記換気対象として検出されたマルチデッキエレベータに対し、上記呼びに応答していない他の乗りかごを換気のために戸開する。上記案内制御手段は、上記他の乗りかごが換気のために戸開されたときに、当該乗りかごの停止階の乗場で換気中であることを案内する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は第1の実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は同実施形態における群管理システムの処理動作を示すフローチャートである。
図3図3は同実施形態における戸開換気の具体例を示す図である。
図4図4は第2の実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。
図5図5は同実施形態における群管理システムの処理動作を示すフローチャートである。
図6図6は同実施形態における戸開換気の具体例を示す図である。
図7図7は第3の実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。
図8図8は同実施形態における群管理システムの処理動作を示すフローチャートである。
図9図9は同実施形態における戸開換気の具体例を示す図である。
図10図10は同実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。
図11図11は同実施形態における群管理システムの処理動作を示すフローチャートである。
図12図12は同実施形態における戸開換気の具体例を示す図である。
図13図13は変形例1としての戸開換気の具体例を示す図である。
図14図14は変形例2としての戸開換気の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。以下では、マルチデッキエレベータとして、2台の乗りかごが上下に連結されたダブルデッキエレベータを例にして説明する。図1の例では、2台のダブルデッキエレベータ(以下、単にエレベータと称す)が群管理された構成が示されている。なお、図1の例では、A,B号機の2台だけを示しているが、少なくとも2台以上のエレベータが群管理された構成であれば良い。
【0010】
A号機のエレベータ10は、上下方向(エレベータの昇降方向)に連結された2台の乗りかご11a,11bを有する。B号機のエレベータ20についても同様の構成であり、上下方向に連結された2台の乗りかご21a,21bを有する。なお、以下では、乗りかご11a,11bの中で上に位置している乗りかご11a「上かご」、下に位置している乗りかご11bを「下かご」と称す。同様に、乗りかご21a,21bの中で上に位置している乗りかご21a「上かご」、下に位置している乗りかご21bを「下かご」と称す。
【0011】
A号機の上かご11a,下かご11bには、それぞれにかごドア12a,12b、行先階ボタン13a,13b、表示器14a,14bなどが設けられている。B号機の上かご21a,下かご21bも同様の構成であり、それぞれにかごドア22a,22b、行先階ボタン23a,23b、表示器24a,24bなどが設けられている。
【0012】
一方、各階の乗場30a,30b…には、乗場呼びボタン31a,31bと、各号機に対応した乗場ドア32a,32b,42a,42b、表示器33a,33b,43a,43bが設けられている。なお、図1の例では、2つの階の乗場の構成しか示されていないが、実際には各階の乗場毎に同様に構成を有する。
【0013】
エレベータ10,20は、それぞれに乗場呼びまたはかご呼びに応答して、各階を移動する。その際、エレベータ10であれば、上かご11aと下かご11bが共に移動し、エレベータ20であれば、上かご21aと下かご21bが共に移動する。なお、「乗場呼び」とは、各階の乗場に設置された乗場呼びボタンの操作により登録される呼びの信号のことであり、登録階と行先方向の情報を含む。「かご呼び」とは、かご室内に設けられた行先階ボタンの操作により登録される呼びの信号のことであり、行先階の情報を含む。
【0014】
ここで、本システムでは、各号機の運転を制御するための制御装置として、単体制御装置50,60と、群管理制御装置70とを備える。これらの制御装置50,60,70は、それぞれにCPU,ROM,RAMなどを備えたコンピュータによって構成される。
【0015】
単体制御装置50は、A号機のエレベータ10の運転制御を行う。単体制御装置50には、エレベータ10の運転制御に必要な機能部として、乗場呼び記憶部51、かご呼び記憶部52、運転制御部53、情報出力部54、戸開閉制御部55、案内部56などが備えられている。
【0016】
乗場呼び記憶部51は、各階で登録される乗場呼びの情報(登録階と行先方向)を記憶する。かご呼び記憶部52は、かご内で登録されるかご呼びの情報(行先階)を上かご/下かごに分けて記憶する。運転制御部53は、乗場呼びまたはかご呼びで指定された階に上かご11aまたは下かご11bを移動させるように、エレベータ10の運転を制御する。情報出力部54は、エレベータ10に関する運転情報(呼びの登録状態、かご位置、運転方向、戸開閉状態など)を群管理制御装置70に出力する。戸開閉制御部55は、エレベータ10の上かご11aと下かご11bの戸開閉動作を制御する。案内部56は、エレベータ10の上かご11aと下かご11bの運転状態(戸開換気中を含む)に関する各種アナウンスを行う。
【0017】
単体制御装置60は、B号機のエレベータ20の運転制御を行う。単体制御装置60には、エレベータ20の運転制御に必要な機能部として、乗場呼び記憶部61、かご呼び記憶部62、運転制御部63、情報出力部64、戸開閉制御部65、案内部66が備えられている。なお、これらの機能部についてはA号機と同様であるため、その詳しい説明を省略する。
【0018】
群管理制御装置70は、単体制御装置50,60の上位の制御装置であり、各号機の運転を統括的に制御する。群管理制御装置70は、任意の階で登録された乗場呼びをA号機の上かご11a,下かご11b、B号機の上かご21a,下かご21bのいずれかに割り当てるための割当制御などを行う。また、本実施形態において、この群管理制御装置70には、感染対策に必要な機能部として、換気対象検出部71、換気制御部72、戸開案内制御部73が備えられている。
【0019】
換気対象検出部71は、エレベータ10,20の運転情報に基づいて、方向性を有して任意の階で停止中にあり、かつ、各乗りかごのすべてを除き、少なくとも1台の乗りかごが呼びに応答しているエレベータを換気対象として検出する。
【0020】
詳しくは、換気対象検出部71は、使用有無判断部74、停止状態判断部75、応答状態判断部76からなる。使用有無判断部74は、エレベータ10,20の運転情報に基づいて、使用中のエレベータが存在するか否かを判断する。「使用中のエレベータ」とは、上方向または下方向の方向性を有してサービス運転中にあるエレベータのことである。これに対し、「使用中でないエレベータ」とは、呼びを持たず、無方向で待機状態にあるエレベータのことである。
【0021】
使用中のエレベータが存在した場合に、停止状態判断部75は、当該エレベータが方向性を有して任意の階で停止中であるか否かを判断する。エレベータが方向性を有して任意の階で停止中であった場合、応答状態判断部76は、各乗りかごのすべてを除き、少なくとも1台の乗りかごが呼びに応答しているエレベータであるか否かを判断する。該当するエレベータであれば、応答状態判断部76は、当該エレベータを換気対象として判断する。
【0022】
また、使用中でないエレベータが存在した場合、つまり、呼びの応答を終えて無方向で待機中のエレベータが存在した場合には、応答状態判断部76は、当該エレベータを換気対象として判断する。
【0023】
換気制御部72は、換気対象検出部71によって換気対象として検出されたエレベータの換気制御を行う。使用中のエレベータが換気対象として検出された場合には、換気制御部72は、当該エレベータに対し、各乗りかごの中で呼びに応答していない他の乗りかごを換気のために戸開する。また、使用中でないエレベータが換気対象として検出された場合には、換気制御部72は、当該エレベータのすべての乗りかごを換気のために戸開する。
【0024】
戸開案内制御部73は、換気対象として検出されたエレベータの乗りかごを戸開すると共に換気中にあることを案内する。案内方法としては、当該乗りかごの停止階の乗場に設けられた表示器に換気中を表示する方法や、音声アナウンスで換気中を通知する方法などがある。
【0025】
次に、本システムの動作を説明する。
図2は第1の実施形態における群管理システムの処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、主として群管理制御装置70によって実行される。いま、A号機とB号機の2台のエレベータ10,20があり、それぞれに呼び(乗場呼びまたはかご呼び)に応答して各階を移動中、あるいは、すべての呼の応答を終えて待機中にあったとする。
【0026】
群管理制御装置70に備えられた換気対象検出部71は、単体制御装置50,60を通じてエレベータ10,20の運転情報(呼びの登録状態、かご位置、運転方向、戸開閉状態など)を取得する(ステップS101)。換気対象検出部71は、これらの運転情報に基づいてエレベータ10,20が使用中であるか否かを判断する(ステップS102)。上述したように、「使用中のエレベータ」とは、上方向または下方向の方向性を有してサービス運転中のエレベータのことである。「使用中でないエレベータ」とは、呼びを持たず、無方向で待機状態にあるエレベータのことである。
【0027】
ここで、例えばB号機のエレベータ20が使用中でなかった場合(ステップS102のNo)、換気対象検出部71は、エレベータ20を換気対象として判断する。この場合、エレベータ20は方向性を持たずに待機状態にあるため、すべての乗りかごが換気対象となる。したがって、換気制御部72は、戸開案内制御部73を介してエレベータ20の上かご21aと下かご21bの両方を換気のために戸開する(ステップS103)。また、換気制御部72は、戸開案内制御部73を介して上かご21aと下かご21bがそれぞれに停止している階の乗場に設置された表示器43a,43bに換気中の表示を行う(ステップS104)。なお、音声アナウンスで換気中にあることを通知することでも良い。
【0028】
一方、例えばA号機のエレベータ10が使用中であった場合(ステップS102のYes)、換気対象検出部71は、エレベータ10が方向性を有して任意の階に停止中であるか否かを判断する(ステップS105)。エレベータ10が方向性を有して任意の階に停止中であった場合に(ステップS105のYes)、換気対象検出部71は、エレベータ10を換気対象として判断する。
【0029】
ここで、エレベータが方向性を有して停止している場合に、エレベータのすべての乗りかごが呼びに応答している第1の状態と、少なくとも1台の乗りかごだけが呼びに応答している第2の状態がある。この場合、エレベータが第2の状態のときに、呼びに応答していない他方の乗りかごが換気対象となる。
【0030】
エレベータ10はマルチデッキエレベータなので、上かご11aと下かご11bの両方を除き、一方の乗りかごが呼びに応答中であれば(ステップS106のYes)、呼びに応答していない他方の乗りかごが換気対象となる。いま、呼びに応答していない他方の乗りかごが上かご11aだとすると、換気制御部72は、戸開案内制御部73を介して上かご11aを換気のために戸開する(ステップS107)。また、換気制御部72は、戸開案内制御部73を介して上かご11aが停止している階の乗場に設置された表示器(例えば表示器33a)に換気中の表示を行う(ステップS108)。なお、音声アナウンスで換気中にあることを通知することでも良い。
【0031】
このとき、一方の下かご11bは呼び(乗場呼びまたはかご呼び)に応答して戸開中にある。下かご11bが呼びの応答を終え、戸閉が開始されたときのタイミングで(ステップS109のYes)、換気制御部72は、戸開案内制御部73を介して上かご11aを戸閉すると共に(ステップS110)、換気中の案内を停止する(ステップS111)。なお、上かご11aは呼びに応答していないため、下かご11bよりも少し早めに戸閉することでも良い。また、上かご11aを戸閉するときに、安全のために、ドアセフティや戸開ボタンなどは有効にしておくことが好ましい。
【0032】
図3に戸開換気の具体例を示す。
いま、10階床の建物において、A号機のエレベータ10が方向性を有して停止中にあり、エレベータ10の上かご11aが6階、下かご11bが5階に停止しているとする。例えば、下かご11bが5階で登録された上方向の乗場呼びに応答しているとき、上かご11aに乗場呼びもかご呼びも登録されていなかった場合には、上かご11aが換気対象として検出され、換気のために戸開される。その際、上かご11aの停止階である6階の乗場30aに設置されたA号機の表示器33aに「換気中」が表示される。この「換気中」の表示により、6階の乗場30aにいる乗客に上かご11aを換気していることをアピールすることができ、また、乗りかご12aへの乗り込みを抑制することができる。
【0033】
下かご11bに乗客が乗り込み、戸閉が開始されると、上かご11aも戸閉され、「換気中」の表示が消える。上かご11aと下かご11bの戸閉後、エレベータ10は上方向に向けて出発する。
【0034】
このように第1の実施形態によれば、ダブルデッキエレベータにおいて、一方の乗りかごだけが呼びに応答しているときに、他方の乗りかごを換気のために戸開することで、通常の運行の中で無駄停止せずに各乗りかごを効率的に換気することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0036】
第2の実施形態では、上記第1の実施形態の構成に加え、ダブルデッキエレベータにおいて、一方の乗りかごだけが呼びに応答しているときに、呼びに応答していない他方の乗りかごに乗客が乗っている場合には換気のための戸開を禁止する構成としたものである。乗りかご内の乗客の有無は、例えば乗りかご内の積載荷重によって検出される。
【0037】
図4は第2の実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。なお、上記第1の実施形態で説明した図1の構成と同様の部分は省略し、ここでは第2の実施形態として追加された部分のみを略式的に示す。
【0038】
A号機のエレベータ10の上かご11aと下かご11bにそれぞれに荷重センサ15a,15bが設置されている。荷重センサ15aは、上かご11aが任意の階に停止したときに積載荷重を検知する。荷重センサ15bは、下かご11bが任意の階に停止したときに積載荷重を検知する。A号機の単体制御装置50には、かご内乗客検出部57が設けられている。かご内乗客検出部57は、荷重センサ15aで検知された積載荷重に基づいて上かご11a内の乗客の有無を検出し、荷重センサ15bで検知された積載荷重に基づいて下かご11b内の乗客の有無を検出する。この場合、例えば乗客1人の平均荷重(荷物を含む)が65kgとしたとき、荷重センサ15aで検知された積載荷重が65kg前後であった場合に、上かご11aに少なくとも1人の乗客が乗車していると判断できる。下かご11bについても同様である。
【0039】
また、B号機のエレベータ20についても、上かご21aと下かご21bのそれぞれに荷重センサ25a,25bが設置されている。B号機の単体制御装置60には、かご内乗客検出部67が設けられている。かご内乗客検出部67は、荷重センサ25aで検知された積載荷重に基づいて上かご21a内の乗客の有無を検出し、荷重センサ25bで検知された積載荷重に基づいて下かご21b内の乗客の有無を検出する。
【0040】
群管理制御装置70に備えられた換気制御部72(図2参照)は、かご内乗客検出部57の検出結果に基づいて、A号機のエレベータ10の上かご11aまたは下かご11bの戸開換気を制御する。また、換気制御部72は、かご内乗客検出部67の検出結果に基づいて、B号機のエレベータ20の上かご21aまたは下かご21bの戸開換気を制御する。
【0041】
図5は第2の実施形態における群管理システムの処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、主として群管理制御装置70によって実行される。なお、図5において、図2のフローチャートと同じ部分には同一ステップを付し、ここでは異なる処理部分について説明する。
【0042】
いま、例えばA号機のエレベータ10が使用中であり、方向性を有して任意の階に停止中であるとする。エレベータ10の上かご11aと下かご11bの両方を除き、一方の乗りかごが呼びに応答中であれば(ステップS106のYes)、呼びに応答していない他方の乗りかごが換気対象となる。
【0043】
ここで、第2の実施形態では、群管理制御装置70の換気制御部72は、A号機の単体制御装置50のかご内乗客検出部57を通じて、呼びに応答していない他方の乗りかご内に乗客が乗車しているか否かを判断する(ステップS201)。他方の乗りかご内に乗客が乗車している場合には(ステップS201のNo)、換気制御部72は、当該乗りかごを換気のために戸開することを禁止する(ステップS202)。他方の乗りかご内に乗客が乗車していなければ(ステップS201のYes)、換気制御部72は、当該乗りかごを換気のために戸開する(ステップS107)。以後は、上記第1の実施形態と同様である。
【0044】
図6に戸開換気の具体例を示す。
いま、10階床の建物において、A号機のエレベータ10が方向性を有して停止中にあり、エレベータ10の上かご11aが6階、下かご11bが5階に停止しているとする。例えば、下かご11bが5階で登録された上方向の乗場呼びに応答しているとき、上かご11aに乗場呼びもかご呼びも登録されていなかった場合には、上かご11aが換気対象として検出される。ただし、上かご11a内に乗客が乗車していた場合には、換気のための戸開が禁止される。これは、上かご11a内の乗客は他の階を行先階としてかご呼びを登録しているため、6階で戸開すると、誤って降車する可能性があるからである。
【0045】
このように第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、呼びに応答していない他方の乗りかごに乗客が乗っている場合には換気のための戸開を禁止することで、当該乗りかご内の乗客が誤って降車してしまうことを防ぐことができる。
【0046】
なお、図4の例では、乗りかごの積載荷重から乗客の有無を検出する構成としたが、例えば乗りかご内にカメラを設置し、そのカメラの画像を解析処理して乗客の有無を検出する構成としても良い。
【0047】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
【0048】
第3の実施形態では、上記第1の実施形態の構成に加え、ダブルデッキエレベータにおいて、一方の乗りかごだけが呼びに応答しているときに、呼びに応答していない他方の乗りかごの停止階の乗場に乗客がいた場合には換気のための戸開を禁止する構成としたものである。各階の乗場の乗客の有無は、例えば各階の乗場に設置されたカメラの画像から検出される。
【0049】
図7は第3の実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。なお、図7において、上記第1の実施形態で説明した図1の構成と同様の部分は省略し、ここでは第3の実施形態として追加された部分のみを略式的に示す。
【0050】
各階の乗場30a,30b…において、A号機のエレベータ10の上かご11aと下かご11bの到着口付近にカメラ34a,34b…が設置されている。カメラ34aは、上かご11aまたは下かご11bが乗場30aに到着したときに、A号機の到着口付近にいる乗客を撮影する。カメラ34bは、上かご11aまたは下かご11bが乗場30bに到着したときに、A号機の到着口付近にいる乗客を撮影する。A号機の単体制御装置50には、乗場乗客検出部58が設けられている。乗場乗客検出部58は、カメラ34a,34bの画像を解析処理して、乗場30a,30b…にいる乗客の有無を検出する。
【0051】
B号機のエレベータ20についても同様の構成であり、各階の乗場30a,30b…において、B号機のエレベータ20の上かご21aと下かご21bの到着口付近にカメラ44a,44b…が設置されている。カメラ44aは、上かご21aまたは下かご21bが乗場30aに到着したときに、B号機の到着口付近にいる乗客を撮影する。カメラ44bは、上かご21aまたは下かご21bが乗場30bに到着したときに、B号機の到着口付近にいる乗客を撮影する。B号機の単体制御装置60には、乗場乗客検出部68が設けられている。乗場乗客検出部68は、カメラ44a,44bの画像を解析処理して、乗場30a,30b…にいる乗客の有無を検出する。
【0052】
群管理制御装置70に備えられた換気制御部72(図2参照)は、乗場乗客検出部58の検出結果に基づいて、A号機のエレベータ10の上かご11aまたは下かご11bの戸開換気を制御する。また、換気制御部72は、乗場乗客検出部68の検出結果に基づいて、B号機のエレベータ20の上かご21aまたは下かご21bの戸開換気を制御する。
【0053】
図8は第3の実施形態における群管理システムの処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、主として群管理制御装置70によって実行される。なお、図8において、図2のフローチャートと同じ部分には同一ステップを付し、ここでは異なる処理部分について説明する。
【0054】
いま、例えばA号機のエレベータ10が使用中であり、方向性を有して任意の階に停止中であるとする。エレベータ10の上かご11aと下かご11bの両方を除き、一方の乗りかごが呼びに応答中であれば(ステップS106のYes)、呼びに応答していない他方の乗りかごが換気対象となる。
【0055】
ここで、第3の実施形態では、群管理制御装置70の換気制御部72は、A号機の単体制御装置50の乗場乗客検出部58を通じて、呼びに応答していない他方の乗りかごの停止階の乗場に乗客がいるか否かを判断する(ステップS301)。乗場に乗客がいる場合には(ステップS301のNo)、換気制御部72は、当該乗りかごを換気のために戸開することを禁止する(ステップS302)。乗場に乗客がいなければ(ステップS301のYes)、換気制御部72は、当該乗りかごを換気のために戸開する(ステップS107)。以後は、上記第1の実施形態と同様である。
【0056】
図9に戸開換気の具体例を示す。
いま、10階床の建物において、A号機のエレベータ10が方向性を有して停止中にあり、エレベータ10の上かご11aが6階、下かご11bが5階に停止しているとする。例えば、下かご11bが5階で登録された上方向の乗場呼びに応答しているとき、上かご11aに乗場呼びもかご呼びも登録されていなかった場合には、上かご11aが換気対象として検出される。ただし、上かご11aの停止階である6階の乗場30aに乗客がいた場合には、換気のための戸開が禁止される。これは6階の乗場30aにいる乗客はエレベータ10とは別の方向(この例では下方向)の乗場呼びを登録しているため、6階で戸開すると、誤って乗車する可能性があるからである。また、乗客が乗場呼びを登録せずに乗場30aにいた場合でも、上かご11aが戸開状態にあると、誤って乗り込んでしまうことがあるため、戸開を禁止しておくことが好ましい。
【0057】
このように第3の実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、呼びに応答していない他方の乗りかごの停止階の乗場に乗客がいた場合には換気のための戸開を禁止することで、当該乗りかご内の乗客が誤って降車してしまうことを防ぐことができる。
【0058】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
【0059】
第4の実施形態では、上記第1の実施形態の構成に加え、ダブルデッキエレベータにおいて、呼びに応答していない他方の乗りかごを戸開換気する回数に制限を設けるようにしたものである。
【0060】
図10は第4の実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。なお、図10において、上記第1の実施形態で説明した図1の構成と同様の部分は省略し、ここでは第4の実施形態として追加された部分のみを略式的に示す。
【0061】
A号機の単体制御装置50は、カウント部59を備える。カウント部59は、エレベータ10の上かご11aと下かご11bが換気のために戸開した回数をかご毎にカウントする。B号機の単体制御装置60は、カウント部69を備える。カウント部69は、エレベータ20の上かご21aと下かご21bが換気のために戸開した回数をかご毎にカウントする。
【0062】
群管理制御装置70に備えられた換気制御部72(図2参照)は、カウント部59によってカウントされた戸開換気回数に基づいて、A号機のエレベータ10の上かご11aまたは下かご11bの戸開換気を制御する、また、換気制御部72は、カウント部69によってカウントされた戸開換気回数に基づいて、B号機のエレベータ20の上かご21aまたは下かご21bの戸開換気を制御する。
【0063】
図11は第4の実施形態における群管理システムの処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートで示される処理は、主として群管理制御装置70によって実行される。なお、図11において、図2のフローチャートと同じ部分には同一ステップを付し、ここでは異なる処理部分について説明する。
【0064】
いま、例えばA号機のエレベータ10が使用中であり、方向性を有して任意の階に停止中であるとする。エレベータ10の上かご11aと下かご11bの両方を除き、一方の乗りかごが呼びに応答中であれば(ステップS106のYes)、呼びに応答していない他方の乗りかごが換気対象となる。
【0065】
ここで、第4の実施形態では、群管理制御装置70の換気制御部72は、A号機の単体制御装置50のカウント部59を通じて、呼びに応答していない他方の乗りかごの戸開換気回数が一定値に達しているか否かを判断する(ステップS401)。戸開換気回数が一定値に達していれば(ステップS401のNo)、換気制御部72は、当該乗りかごを換気のために戸開することを禁止する(ステップS402)。
【0066】
戸開換気回数が一定値未満であれば(ステップS401のYes)、換気制御部72は、当該乗りかごを換気のために戸開する(ステップS107)。その際、換気制御部72は、A号機の単体制御装置50のカウント部59にカウントアップ指示を出して、上かご11aの戸開換気回数をカウントアップする(ステップS403)。この戸開換気回数は、上かご11a内に新たな乗客が乗車した場合にクリアされる。なお、乗客の乗車は、上記第2の実施形態で説明したように積載荷重などによって検出できる。以後は、上記第1の実施形態と同様である。
【0067】
図12に戸開換気の具体例を示す。
いま、10階床の建物において、A号機のエレベータ10が方向性を有して停止中にあり、エレベータ10の上かご11aが6階、下かご11bが5階に停止しているとする。例えば、下かご11bが5階で登録された上方向の乗場呼びに応答しているとき、上かご11aに乗場呼びもかご呼びも登録されていなかった場合には、上かご11aが換気対象として検出される。ただし、上かご11aの戸開換気回数nが一定値kに達していた場合には、換気のための戸開が禁止される。これは、過度の戸開換気によって運転サービスが低下することを防ぐためである。上かご11aに新たな乗客が乗車すると、戸開換気回数nはクリアされるので、換気が再開される。
【0068】
このように第4の実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、呼びに応答していない他方の乗りかごを戸開換気する回数に制限することで、必要以上の戸開換気を抑え、運転サービスの低下を防ぐことができる。
【0069】
(変形例)
(1)不停止階
建物の物理的な構造あるいは各階の状況などに応じて、各階の中に不停止階として設定されている階が含まれていることがある。不停止階は、エレベータが運転サービスを行わない階であり、そこでの乗客の乗り降りは禁止されている。したがって、呼びに応答していない乗りかごの停止階が不停止階であった場合に、換気のための戸開を禁止することが好ましい。
【0070】
群管理制御装置70に備えられた換気制御部72(図2参照)は、不停止階の設定情報を有する。換気制御部72は、この設定情報に基づいて各乗りかごの停止階が不停止階であるか否かを判断し、呼びに応答していない乗りかごの停止階が不停止階であった場合に換気のための戸開を禁止する。
【0071】
図13に戸開換気の具体例を示す。
いま、10階床の建物において、A号機のエレベータ10が方向性を有して停止中にあり、エレベータ10の上かご11aが6階、下かご11bが5階に停止しているとする。例えば、下かご11bが5階で登録された上方向の乗場呼びに応答しているとき、上かご11aに乗場呼びもかご呼びも登録されていなかった場合には、上かご11aが換気対象として検出される。ただし、例えば6階が不停止階に設定されている場合には、換気のための戸開が禁止される。これにより、上かご11a内に乗客が乗車していた場合に不停止階で誤って降りてしまうことを防ぐことができる。また、不停止階である乗場30aにいる乗客が上かご11aに誤って乗り込むことを防ぐことができる。
【0072】
(2)換気装置
エレベータの乗りかご内に換気装置が備えられている場合には、この換気装置を乗りかごの戸開換気と連動させるようにしても良い。群管理制御装置70に備えられた換気制御部72(図2参照)は、呼びに応答していない乗りかごを換気のための戸開するときに、当該乗りかごに設けられた換気装置を連動させる。
【0073】
図14に戸開換気の具体例を示す。
いま、10階床の建物において、A号機のエレベータ10が方向性を有して停止中にあり、エレベータ10の上かご11aが6階、下かご11bが5階に停止しているとする。上かご11a、下かご11bにはそれぞれに換気装置16a,16bが設けられている。例えば、下かご11bが5階で登録された上方向の乗場呼びに応答しているとき、上かご11aに乗場呼びもかご呼びも登録されていなかった場合には、上かご11aが換気対象として検出される。
【0074】
ここで、上かご11aが換気のために戸開されたときに、換気装置16aの図示せぬファンが駆動される。これにより、上かご11a内に乗場30aの空気を取り込んで効率的に換気できる。また、上かご11aを戸閉するタイミングで、換気装置16aの駆動も停止させることで、換気装置16aを効率的に使うことができる。
【0075】
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、複数台の乗りかごを有するマルチデッキエレベータにおいて、各乗りかご毎に呼びの応答状態に応じて効率的に換気することのできるマルチデッキエレベータの群管理システムを提供することができる。
【0076】
なお、上記各実施形態では、2台の乗りかごを有するエレベータ(ダブルデッキエレベータ)を例にして説明したが、本発明は3台以上の乗りかごを有するエレベータでも同様に適用可能である。
【0077】
要するに、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10,20…エレベータ、11a,21a…乗りかご(上かご)、11b,21b…乗りかご(下かご)、12a,12b,22a,22b…かごドア、13a,13b,23a,23b…行先階ボタン、14a,14b,24a,24b…表示器、15a,15b,25a,25b…荷重センサ、16a,16b…換気装置、30a,30b…乗場、31a,31b…乗場呼びボタン、33a,33b,43a,43b…表示器、50,60…単体制御装置、51,61…乗場呼び記憶部、52,62…かご呼び記憶部、53,63…運転制御部、54,64…情報出力部、55,65…戸開閉制御部、56,66…案内部、57,67…かご内乗客検出部、58,68…乗場乗客検出部、59,69…カウント部、70…群管理制御装置、71…換気対象検出部、72…換気制御部、73…戸開案内制御部、74…使用有無判断部、75…停止状態判断部、76…応答状態判断部。
【要約】
【課題】複数台の乗りかごを有するマルチデッキエレベータにおいて、各乗りかご毎に呼びの応答状態に応じて効率的に換気する。
【解決手段】一実施形態に係るマルチデッキエレベータの群管理システムは、換気対象検出手段と、換気制御手段と、案内制御手段とを備える。上記換気対象検出手段は、方向性を有して任意の階で停止中にあり、かつ、各乗りかごのすべてを除き、少なくとも1台の乗りかごが呼びに応答しているマルチデッキエレベータを換気対象として検出する。上記換気制御手段は、上記換気対象として検出されたマルチデッキエレベータに対し、上記呼びに応答していない他の乗りかごを換気のために戸開する。上記案内制御手段は、上記他の乗りかごが換気のために戸開されたときに、当該乗りかごの停止階の乗場で換気中であることを案内する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14