(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】熱伝導性クッション
(51)【国際特許分類】
A47G 9/00 20060101AFI20220808BHJP
A47G 9/10 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
A47G9/00
A47G9/10 R
(21)【出願番号】P 2021500564
(86)(22)【出願日】2019-07-08
(86)【国際出願番号】 US2019040754
(87)【国際公開番号】W WO2020014095
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-02-24
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317013603
【氏名又は名称】インヴィスタ テキスタイルズ(ユー.ケー.)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥルバキ,マンスール
(72)【発明者】
【氏名】カーン,アルナブ
(72)【発明者】
【氏名】ソールズベリー,ドン
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ,ヴィノー
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-237020(JP,A)
【文献】特開昭61-008048(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0012090(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0352073(US,A1)
【文献】特表2014-521417(JP,A)
【文献】特開2004-350990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/00
A47G 9/10
A47G 9/02
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記断熱クッション材は、ポリエチレンテレフタレート繊維充填断熱材などヒートシンクではなく、
前記水分管理布は、異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又は他の水分管理材で形成される、熱伝導性クッション装置。
【請求項2】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記断熱クッション材は、ポリエチレンテレフタレート繊維充填断熱材などヒートシンクではなく、
前記熱伝導性ウェブは、20℃~50℃で測定したときに約0.1~約100W/m・Kの熱伝導率を有する、熱伝導性クッション装置。
【請求項3】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記断熱クッション材は、ポリエチレンテレフタレート繊維充填断熱材などヒートシンクではなく、
前記第1の層は、約16~約300g/m2の坪量を有する織布又は編地である、熱伝導性クッション装置。
【請求項4】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記断熱クッション材は、ポリエチレンテレフタレート繊維充填断熱材などヒートシンクではなく、
枕又は枕ケースである、熱伝導性クッション装置。
【請求項5】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第1の層は前記第2の層に直接隣接しており、
前記水分管理布は、異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又は他の水分管理材で形成される、熱伝導性クッション装置。
【請求項6】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第1の層は前記第2の層に直接隣接しており、
前記熱伝導性ウェブは、20℃~50℃で測定したときに約0.1~約100W/m・Kの熱伝導率を有する、熱伝導性クッション装置。
【請求項7】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第1の層は前記第2の層に直接隣接しており、
前記第1の層は、約16~約300g/m2の坪量を有する織布又は編地である、熱伝導性クッション装置。
【請求項8】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第1の層は前記第2の層に直接隣接しており、
枕又は枕ケースである、熱伝導性クッション装置。
【請求項9】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第2の層は、前記第1の層を反らせるのに必要な力が、前記第2の層を反らせるのに必要な力の10パーセント(10%)以内であるなど、前記第1の層を反らせるのに必要な力と実質的に同じである、反らせるのに必要な力を有する細繊度ウェブであり、
前記水分管理布は、異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又は他の水分管理材で形成される、熱伝導性クッション装置。
【請求項10】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第2の層は、前記第1の層を反らせるのに必要な力が、前記第2の層を反らせるのに必要な力の10パーセント(10%)以内であるなど、前記第1の層を反らせるのに必要な力と実質的に同じである、反らせるのに必要な力を有する細繊度ウェブであり、
前記熱伝導性ウェブは、20℃~50℃で測定したときに約0.1~約100W/m・Kの熱伝導率を有する、熱伝導性クッション装置。
【請求項11】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第2の層は、前記第1の層を反らせるのに必要な力が、前記第2の層を反らせるのに必要な力の10パーセント(10%)以内であるなど、前記第1の層を反らせるのに必要な力と実質的に同じである、反らせるのに必要な力を有する細繊度ウェブであり、
前記第1の層は、約16~約300g/m2の坪量を有する織布又は編地である、熱伝導性クッション装置。
【請求項12】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第2の層は、前記第1の層を反らせるのに必要な力が、前記第2の層を反らせるのに必要な力の10パーセント(10%)以内であるなど、前記第1の層を反らせるのに必要な力と実質的に同じである、反らせるのに必要な力を有する細繊度ウェブであり、
枕又は枕ケースである、熱伝導性クッション装置。
【請求項13】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第3の層は、発泡体若しくは繊維、又はこれらのブレンドのクッション層であり、
前記水分管理布は、異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又は他の水分管理材で形成される、熱伝導性クッション装置。
【請求項14】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第3の層は、発泡体若しくは繊維、又はこれらのブレンドのクッション層であり、
前記熱伝導性ウェブは、20℃~50℃で測定したときに約0.1~約100W/m・Kの熱伝導率を有する、熱伝導性クッション装置。
【請求項15】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第3の層は、発泡体若しくは繊維、又はこれらのブレンドのクッション層であり、
前記第1の層は、約16~約300g/m2の坪量を有する織布又は編地である、熱伝導性クッション装置。
【請求項16】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第3の層は、発泡体若しくは繊維、又はこれらのブレンドのクッション層であり、
枕又は枕ケースである、熱伝導性クッション装置。
【請求項17】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記水分管理布は、異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又は他の水分管理材で形成され、
マットレスカバー又はシートクッションである、熱伝導性クッション装置。
【請求項18】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記熱伝導性ウェブは、20℃~50℃で測定したときに約0.1~約100W/m・Kの熱伝導率を有し、
マットレスカバー又はシートクッションである、熱伝導性クッション装置。
【請求項19】
熱伝導性クッション装置であって、
水分管理布の第1の層と、
熱伝導性ウェブの第2の層と、
クッション材の第3の層であって、前記熱伝導性ウェブの熱伝導率が、前記クッション材の熱伝導率以上である、クッション材の第3の層と、を含
み、
前記第1の層は、約16~約300g/m2の坪量を有する織布又は編地であり、
マットレスカバー又はシートクッションである、熱伝導性クッション装置。
【請求項20】
前記水分管理布は、異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又は他の水分管理材で形成される、請求項2~4、6~8、10~12、14~16、18及び19のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項21】
前記水分管理布は、水分のウィッキングを改善するように処理される、円形若しくは楕円形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又はチャネルを通して水分を運び得る他の断面で形成される、請求項1~20のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項22】
前記水分管理布は天然繊維を更に含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項23】
前記水分管理布は、水分のウィッキングを改善するように水分ウィッキング化合物で化学処理される又はプラズマ処理されるのいずれかである、天然繊維と円形又は楕円形断面ポリエステル又はポリアミド繊維とのブレンドで形成される、請求項1~22のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項24】
前記熱伝導性ウェブは、
(a)元素の周期表の3~13族から選択される金属、
(b)(a)のうちの少なくとも1つの金属を含む合金、及び
(c)炭素の熱伝導性形態のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項25】
前記熱伝導性ウェブは、銅メッシュ又は熱伝導性炭素繊維を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項26】
前記断熱クッション材は、ポリエチレンテレフタレート繊維充填断熱材などヒートシンクではない、請求項5~25のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項27】
前記熱伝導性ウェブは、20℃~50℃で測定したときに約0.1~約100W/m・Kの熱伝導率を有する、請求項1、3~5、7~9、11~13、15~17、19~26のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項28】
前記第1の層は前記第2の層に直接隣接している、請求項1~4及び9~27のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項29】
前記第1の層は、約16~約300g/m2の坪量を有する織布又は編地である、請求項1~28のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項30】
前記第2の層は、前記第1の層を反らせるのに必要な力が、前記第2の層を反らせるのに必要な力の10パーセント(10%)以内であるなど、前記第1の層を反らせるのに必要な力と実質的に同じである、反らせるのに必要な力を有する細繊度ウェブである、請求項1~8及び13~29のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項31】
前記第3の層は、発泡体若しくは繊維、又はこれらのブレンドのクッション層である、請求項1~12及び17~30のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項32】
枕又は枕ケースである、請求項1~3、5~7、9~11及び13~15のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項33】
マットレスカバー
又はシートクッションである、請求項1~3、5~7、9~11及び13~15のいずれか一項に記載の熱伝導性クッション装置。
【請求項34】
生体皮膚と接触するためのクッション装置に冷却効果を提供するためのプロセスであって、
水分管理布の第1の層と、熱伝導性ウェブの第2の層と、断熱クッション材の第3の層とを含む熱伝導性クッション装置を提供することと、
前記クッション装置を皮膚と接触させて、前記クッション装置の前記第1の層上で温度T
1及び第1の水分レベルを確立することと、
前記クッション装置の前記第1の層から前記クッション装置の前記第2の層へと熱を抽出し、前記第1の層の温度をT
2の温度に低下させることと、
前記第1の層の前記水分管理布を介して前記皮膚から水分を逃がすことと、
前記第1の層及び前記第2の層の縁部に向けて、かつ前記皮膚から離れるように前記熱及び前記水分を分配することと、を含
み、
前記断熱クッション材は、ポリエチレンテレフタレート繊維充填断熱材などヒートシンクではない、プロセス。
【請求項35】
生体皮膚と接触するためのクッション装置に冷却効果を提供するためのプロセスであって、
水分管理布の第1の層と、熱伝導性ウェブの第2の層と、断熱クッション材の第3の層とを含む熱伝導性クッション装置を提供することと、
前記クッション装置を皮膚と接触させて、前記クッション装置の前記第1の層上で温度T
1及び第1の水分レベルを確立することと、
前記クッション装置の前記第1の層から前記クッション装置の前記第2の層へと熱を抽出し、前記第1の層の温度をT
2の温度に低下させることと、
前記第1の層の前記水分管理布を介して前記皮膚から水分を逃がすことと、
前記第1の層及び前記第2の層の縁部に向けて、かつ前記皮膚から離れるように前記熱及び前記水分を分配することと、を含
み、
前記第1の層は前記第2の層に直接隣接している、プロセス。
【請求項36】
生体皮膚と接触するためのクッション装置に冷却効果を提供するためのプロセスであって、
水分管理布の第1の層と、熱伝導性ウェブの第2の層と、断熱クッション材の第3の層とを含む熱伝導性クッション装置を提供することと、
前記クッション装置を皮膚と接触させて、前記クッション装置の前記第1の層上で温度T
1及び第1の水分レベルを確立することと、
前記クッション装置の前記第1の層から前記クッション装置の前記第2の層へと熱を抽出し、前記第1の層の温度をT
2の温度に低下させることと、
前記第1の層の前記水分管理布を介して前記皮膚から水分を逃がすことと、
前記第1の層及び前記第2の層の縁部に向けて、かつ前記皮膚から離れるように前記熱及び前記水分を分配することと、を含
み、
前記第2の層は、前記第1の層を反らせるのに必要な力が、前記第2の層を反らせるのに必要な力の10パーセント(10%)以内であるなど、前記第1の層を反らせるのに必要な力と実質的に同じである、反らせるのに必要な力を有する細繊度ウェブである、プロセス。
【請求項37】
生体皮膚と接触するためのクッション装置に冷却効果を提供するためのプロセスであって、
水分管理布の第1の層と、熱伝導性ウェブの第2の層と、断熱クッション材の第3の層とを含む熱伝導性クッション装置を提供することと、
前記クッション装置を皮膚と接触させて、前記クッション装置の前記第1の層上で温度T
1及び第1の水分レベルを確立することと、
前記クッション装置の前記第1の層から前記クッション装置の前記第2の層へと熱を抽出し、前記第1の層の温度をT
2の温度に低下させることと、
前記第1の層の前記水分管理布を介して前記皮膚から水分を逃がすことと、
前記第1の層及び前記第2の層の縁部に向けて、かつ前記皮膚から離れるように前記熱及び前記水分を分配することと、を含
み、
前記第3の層は、発泡体若しくは繊維、又はこれらのブレンドのクッション層である、プロセス。
【請求項38】
生体皮膚と接触するためのクッション装置に冷却効果を提供するためのプロセスであって、
水分管理布の第1の層と、熱伝導性ウェブの第2の層と、断熱クッション材の第3の層とを含む熱伝導性クッション装置を提供することと、
前記クッション装置を皮膚と接触させて、前記クッション装置の前記第1の層上で温度T
1及び第1の水分レベルを確立することと、
前記クッション装置の前記第1の層から前記クッション装置の前記第2の層へと熱を抽出し、前記第1の層の温度をT
2の温度に低下させることと、
前記第1の層の前記水分管理布を介して前記皮膚から水分を逃がすことと、
前記第1の層及び前記第2の層の縁部に向けて、かつ前記皮膚から離れるように前記熱及び前記水分を分配することと、を含
み、
マットレスカバー又はシートクッションである、プロセス。
【請求項39】
前記第3の層の前記断熱材は、前記第2の層から前記第3の層への熱の進入を遅延させ、それによって、前記第2の層の前記縁部に向かう前記熱の分配を強化する、請求項34~38のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項40】
T
2は、約8時間にわたってT
1よりも約0.5~10℃低い、請求項34~39のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、2018年7月9日に出願された、米国特許仮出願第62/695,362号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
人体との接触点から熱を奪う熱伝導性クッション装置を開示する。
【背景技術】
【0003】
人体は、その温度調節に役立つ多数の方法で熱を放出する。熱を放出して体温を制御する重要な方法は、水分の放出によるものである。人体は、個人及び個人の活動レベルに応じて、1日当たり0.5リットル~8リットルの範囲の水分を放出することができる。水分は、呼吸、体外排出機能、及び発汗など様々な機構を通じて放出されてよい。
【0004】
発汗は、身体が対流熱移動の助けを利用するのに十分な熱から逃れようとし(すなわち、自身を冷却し)、汗をかき始めるときに生じ得る。身体が発汗する程度は、周囲環境内の温度及び空気移動、人間の代謝状態、並びに身体付近にある熱捕捉及び水分保持性材の量など多数の要因によって異なる。しかしながら、発汗中に身体によって生成される水分は、衣類、寝具、及び身体に近接して保持される他の材料において収集され得、これにより不快感が引き起こされ得、かつ/又は冷却プロセスが妨げられ得る。
【0005】
発汗によって引き起こされる不快感を低減し、身体の冷却を支援するために、製造業者は、冷却効果を生み出す素材を製造してきた。例えば、能動的冷却を使用して表面温度を低下させるマットレスが開発されており、この能動的冷却は、送風機などによってもたらされる。しかしながら、このようなシステムは、初期コスト、動作コスト、及び機械的又は電気的故障など様々な欠点に悩まされる。したがって、受動的冷却機構の方が有利である。
【0006】
熱移動は、主として、固体材料を通じた熱伝導、気流による対流熱移動、例えば、被加熱源からより低温の物体への放射エネルギー、及び水分の蒸発などによる物質移行の結果として生じ得る。これらの現象の一部は、被加熱物体の周囲の空気を移動させる電動空調機又はファンなど熱の能動的交換、又は外部エネルギーを全く投入せずに熱が交換される受動的熱交換によって生じ得る。
【0007】
寝具内でエネルギーを移動させるいくつかの受動的方法は、相変化材料(PCM)及び水分移動によるものである。受動的冷却効果は、2つの共通機構のうちの1つを使用して生じる。第1の機構は、熱を急速に吸収して皮膚温度において相変化し、結果として冷却の感覚を生じさせる相変化材料(PCM)の使用を含む。しかしながら、PCMは、PCMが冷却を継続するために熱の移動が必要になる前にのみ大量の熱を捕捉することができる熱リザーバとして機能する。加えて、布地上のカプセル化されたPCMは、多くの場合、数分間持ちこたえ、その後、リザーバ内にそれ以上の熱を捕捉することができない。したがって、冷却効果をもたらすために寝具材において適用可能なPCMは、限定的である。
【0008】
受動的冷却による不快感を低減するための他の機構は、水分を逃がす布地の使用を含んでよい。親水性仕上げは、水分を逃がす布地効果に使用されてきた。例えば、ある程度の滑らかさを有する非シリコーン仕上げ剤が繊維充填材で使用されており、これは、親水性であり得る。しかし、親水性仕上げを施された布地は水分を逃がすことができるが、冷却効果はある程度限定される。
【0009】
水分のウィッキングによって熱を移動させるだけではなく、人体との接触点からのより効果的な伝導及び対流による受動的冷却も提供する布地含有装置を提供することは有利であろう。
【発明の概要】
【0010】
本明細書では、水分管理布の第1の層と、熱伝導性ウェブの第2の層と、断熱クッション材の第3の層とを含む熱伝導性クッション装置を提示し、この熱伝導性ウェブの熱伝導率は、クッション材の熱伝導率以上である。
【0011】
有利には、水分管理布は、異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又は他の水分管理材で形成される。
【0012】
あるいは、水分管理布は、水分のウィッキングを改善するように処理される、円形若しくは楕円形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維、又はチャネルを通して水分を運び得る他の断面で形成される。
【0013】
あるいは、水分管理布は、プラズマエッチングにより化学的に処理される、円形又は楕円形断面ポリエステル又はポリアミド繊維で形成される。
【0014】
あるいは、水分管理布は、天然繊維、及び異形断面合成繊維から選択される少なくとも1つで形成される。
【0015】
ある形態では、水分管理布は、天然繊維と異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維とのブレンドで形成される、又は水分ウィッキング化合物で化学処理される若しくはプラズマ処理される、天然繊維と円形若しくは楕円形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維とのブレンドで形成され得る。
【0016】
別の形態では、熱伝導性ウェブは、元素周期表の3~13族から選択される金属、及び銅メッシュなどそれらの合金、又は炭素繊維など熱伝導性形態の炭素を含む。
【0017】
有利には、熱伝導性ウェブは、20℃~50℃で測定したときに約0.1~約100W/m・Kの熱伝導率を有し、熱伝導性布の構造に依存する。単層布の場合、本明細書に記載のある構成は、約10~20W/m・Kである。
【0018】
重要なことに、断熱材は、ヒートシンクではなく、ポリエチレンテレフタレート繊維充填断熱材、又は発泡体、繊維、羽毛、ダウン、ポリマービーズ、ソバの殻、他の一般的なクッション用詰物材、又はこれらの組み合わせの任意の他のクッション層であり得る。ある実施形態では、断熱材は、許容できる程度に滑らかな手触りを保持しつつ、その体積全体に水分を拡散させる繊維充填材であり得る。
【0019】
熱伝導性クッション装置のある形態では、第1の層は、第2の層に直接隣接している。
【0020】
別の形態では、第1の層は、約16~約300g/m2の坪量を有する織布、不織布、又は編地である。
【0021】
更に別の形態では、第2の層は、第1の層を反らせるのに必要な力と実質的に同じである、反らせるのに必要な力を有する細繊度ウェブである。例えば、第1の層を反らせるのに必要な力は、第2の層を反らせるのに必要な力の10パーセント(10%)以内である。
【0022】
別の形態では、第3の層は、発泡体若しくは繊維、又はこれらのブレンドのクッション層である。
【0023】
いくつかの形態では、熱伝導性クッション装置は、枕、枕ケース、マットレスカバー、又はシートクッションである。
【0024】
また、生体皮膚と接触するためのクッション装置に冷却効果を提供するためのプロセスも提示しており、このプロセスは、(i)水分管理布の第1の層と、熱伝導性ウェブの第2の層と、断熱クッション材の第3の層とを含む熱伝導性クッション装置を提供することと、(ii)クッション装置を皮膚と接触させて、クッション装置の第1の層上で温度T1及び第1の水分レベルを確立することと、(iii)クッション装置の第1の層からクッション装置の第2の層へと熱を抽出し、第1の層の温度をT2の温度に低下させることと、(iv)第1の層の水分管理布を介して皮膚から水分を逃すことと、(v)第1の層及び第2の層の縁部に向けて、かつ皮膚から離れるように熱及び水分を分配することと、を含む。
【0025】
ある形態では、第3の層の断熱材は、第2の層から第3の層への熱移動を遅延させ、それによって、第2の層の縁部に向かう熱の分配を強化する。
【0026】
ある形態では、「クッション材」つまり繊維充填材、又は他の材料は、熱流に抵抗する。この実施形態では、「クッション材」は断熱材である。
【0027】
別の形態では、クッション材は、水分のウィッキング及び熱伝導特性を改善するように改良される。
【0028】
有利には、温度T2は、約8時間にわたって温度T1よりも約1~10℃低い。
【0029】
ある実施形態では、熱放散は1~10ワット、例えば5Wであり、T1とT2との差異は、8時間超、例えば12時間又は24時間維持される。
【0030】
本開示は、様々な変更形態及び代替形態を受けやすいものであり、その特定の例示的な実装が図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、特定の例示的な実装の本明細書の説明は、本開示を本明細書に開示される特定の形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】本明細書に記載の開示による3層クッション布の概略断面図を示す。
【
図1B】
図1Aの断面B-Bに沿った、本明細書に記載の開示による3層クッション布の断面図を示す。
【
図2A】本開示の布地に有用な、異形断面繊維又はフィラメントの概略図を示す。
【
図2B】本開示の布地に有用な、円形断面繊維又はフィラメントの概略図を示す。
【
図3A】温度測定用の測定装置及び物品の構成を示す図である。
【
図3B】熱伝導性クッション上の物品及び重りの写真表示である。
【
図4A】シミュレーションされた頭部熱源からの様々な距離における温度測定値を有する、20分間のクッション物品の温度プロファイルを示す。
図4Bでは、上の温度プロファイルは、導電材を全く含まない物品のものである。下層は、導電材を有する。
【
図4B】シミュレーションされた頭部熱源からの様々な距離における温度測定値を有する、20分間のクッション物品の温度プロファイルを示す。
図4Bでは、上の温度プロファイルは、導電材を全く含まない物品のものである。下層は、導電材を有する。
【
図5A】重りを有さないクッション表面の測定された赤外線温度を示す。クッション枕P6212-Bは、SSF08型のDACRON MEMORELLE(商標)ポリエステル繊維充填材である。曲線は、熱伝導層を有する温度、及び熱伝導層を有さない温度を示す。
【
図5B】第1の層の布地と熱源との間で測定したサーミスタ温度を示す。クッション枕P6212-Bは、SSF08型のDACRON MEMORELLE(商標)ポリエステル繊維充填材である。曲線は、熱伝導層を有する温度、及び熱伝導層を有さない温度を示す。
【
図5C】重りを有さないクッション表面の赤外線温度を示し、熱伝導層を有する温度と熱伝導層を有さない温度との温度差を示す。クッション枕P6212-Bは、SSF08型のDACRON MEMORELLE(商標)ポリエステル繊維充填材である。
【
図5D】第1の層の布地と熱源との間のサーミスタ温度を示し、熱伝導層を有する温度と熱伝導層を有さない温度との温度差を示す。クッション枕P6212-Bは、SSF08型のDACRON MEMORELLE(商標)ポリエステル繊維充填材である。
【
図5E】7時間後の
図5A~
図5Dの試験の2つの赤外線温度画像を示す。上の画像は、熱伝導層を有さないものであり、下の画像は熱伝導層を含む。
【
図6A】重りを有さないクッション表面の赤外線温度を示す。クッション枕P4550は、Therapedic Memory Foamである。曲線は、熱伝導層を有する温度、及び熱伝導層を有さない温度を示す。
【
図6B】第1の層の布地と熱源との間のサーミスタ温度を示す。クッション枕P4550は、Therapedic Memory Foamである。曲線は、熱伝導層を有する温度、及び熱伝導層を有さない温度を示す。
【
図6C】重りを有さないクッション表面の赤外線温度を示し、熱伝導層を有する温度と熱伝導層を有さない温度との温度差を示す。枕P4550は、Therapedic Memory Foamクッション枕である。
【
図6D】第1の層の布地と熱源との間のサーミスタ温度を示し、熱伝導層を有する温度と熱伝導層を有さない温度との温度差を示す。枕P4550は、Therapedic Memory Foamクッション枕である。
【
図6E】7時間後の
図6A~
図6Dの試験の2つの赤外線温度画像を示す。上の画像は、熱伝導層を有さないものであり、下の画像は熱伝導層を含む。
【発明を実施するための形態】
【0032】
睡眠サイクルを通じて冷却効果を有する寝具材の開発に関心が高まっている。本開示は、寝具材で使用することができる熱伝導性クッション材に関する。
定義
【0033】
本明細書で使用する単語及び語句は、当業者によるこれらの単語及び語句の理解と一致する意味を有すると理解し、解釈するべきである。本明細書における用語又は語句の一貫した使用によって、用語又は語句の特別な定義、すなわち、当業者によって理解される通常の意味及び慣例的な意味とは異なる定義が暗示されることを意図しない。用語又は語句が、特別な意味、すなわち、当業者によって理解される最も広い意味以外の意味を有することを意図する限りでは、このような特別な定義又は明確な定義は、用語又は語句の特別な定義又は明確な定義を提供する明確な方法で本明細書に明示的に記載する。
【0034】
例えば、以下の説明は、本開示で使用するいくつかの特定の用語の定義の非網羅的なリストを包含する(他の用語は、本明細書の他の箇所で定義し得る、又は定義の方法で明確にし得る)。これらの定義は、本明細書で使用する用語の意味を明確にすることを意図する。これらの用語は、それらの通常の意味と一致する方法で使用するが、明確にするためにここで定義を定める。
【0035】
A/an:本明細書で使用するとき、冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び特許請求の範囲に記載の本発明の実施形態及び実施例において任意の特徴に適用するとき、1つ以上を意味する。「a」及び「an」の使用は、単一の特徴という制限が具体的に記載されていない限り、単一の特徴に制限するものではない。用語「a」又は「an」の付いたエンティティは、当該エンティティのうちの1つ以上を指す。したがって、用語「1つ(a又はan)」、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書において互換的に使用され得る。
【0036】
約:本明細書で使用するとき、「約」は、識別された特定の特性に典型的な実験誤差に基づく偏差の程度を指す。用語「約」が提供される許容範囲は、特定の文脈及び特定の特性によって異なり、当業者は容易に識別することができる。用語「約」は、そうでなければ特定の値を与えられ得る等価物の程度を拡大又は制限することを意図していない。更に、特に明記しない限り、用語「約」は、範囲及び数値データに関して以下の考察と一致する「正確に」を明示的に含むものとする。
【0037】
及び/又は:第1のエンティティと第2のエンティティとの間に配置される用語「及び/又は」は、(1)第1のエンティティ、(2)第2のエンティティ、及び(3)第1のエンティティ及び第2のエンティティのうちの1つを意味する。「及び/又は」で列挙される複数の要素は、同一の様式、すなわち、要素の「1つ以上」がそのように結合されるように解釈すべきである。具体的に特定された要素に関連するか、又は関連していないかに関わらず、「及び/又は」節によって具体的に識別される要素以外の他の要素が、任意選択的に存在してよい。したがって、非限定的な例として、「含む」などのオープンエンド言語と共に使用するとき、「A及び/又はB」への言及は、ある実施形態では、Aのみ(任意選択的にB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意選択的にA以外の要素を含む)、更に別の実施形態では、A及びBの両方(任意選択的に他の要素を含む)を指し得る。本明細書及び特許請求の範囲において使用するとき、「又は」は、上記で定義した「及び/又は」と同じ意味を有すると理解するべきである。例えば、リスト内の項目を分離するとき、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であると解釈するべきであり、すなわち、多数の要素又は一連の要素のうちの少なくとも1つ(ただし、2つ以上も含む)、及び任意選択的に、追加の列挙されていない項目を含むものと解釈するべきである。「~のうちの1つのみ」又は「~のうちのちょうど1つのみ」、又は「~からなる」などその反対を明確に示す用語のみが、多数の要素又は一連の要素のうちのちょうど1つの要素を包含することを指す。一般に、本明細書で使用するとき、用語「又は」は、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちのちょうど1つ」など排他的用語が先行する場合にのみ排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない)を示すものとして解釈する。
【0038】
含む(comprising):特許請求の範囲において、並びに本明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(involving)」、「保持する(holding)」、「~からなる(composed of)」など全ての移行句は、オープンエンドである、すなわち、それらを含むが、それらに限定されないことを意味すると理解するべきである。United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03に記載されているように、「~からなる」及び「~から本質的になる」という移行句のみが、それぞれクローズ移行句又はセミクローズ移行句であるものとする。本明細書に記載の全ての装置又は方法又はシステムは、記載の要素のうちの任意の1つ以上からなり得、又はこれらから本質的になり得る。
【0039】
範囲:濃度、寸法、量及びその他の数値データは、本明細書において範囲形式で提示されてよい。そのような範囲形式は、単に便宜上及び簡潔さのために使用され、範囲の限度として明示的に列挙される数値を含むだけではなく、あたかも各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も含むものとして、柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、約1~約200の範囲は、1及び約200の明示的に列挙された限定を含むだけではなく、2、3、4などの個々の大きさ及び、10~50、20~100などの部分範囲を含むものとして解釈されるべきである。同様に、数値範囲が提供される場合、そのような範囲は、範囲の下限値のみを列挙する請求項の限定及び範囲の上限値のみを列挙する請求項の限定を字義どおりに裏付けるものとして解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、10~100の開示された数値範囲は、「10を超える」(上限なし)を引用する請求項と、「100未満」(下限なし)を引用する請求項とを字義どおりに裏付ける。図面において、同様の数字は同様の又は類似の構造及び/又は特徴を表す。また、図示された構造及び/又は特徴のそれぞれは、図面を参照して本明細書で詳細に説明されない場合がある。同様に、各構造及び/又は特徴は、図面において明示的に参照符号が付されていない場合がある。また、図面を参照して本明細書で説明されている任意の構造及び/又は特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の他の構造及び/又は特徴と共に利用されてもよい。
【0040】
用語「繊維」及び「フィラメント」は、特に定義しない限り、本開示を通じて互換的に使用する。用語「撚糸」は、撚り合わされるか、ないしは別の方法でより大きな構造に組み込まれる繊維又はフィラメントの集合を表すものと理解するべきである。
【0041】
本開示の装置の1つの目的は、枕、マットレスカバー、又はシートクッションなど特定のクッション材と接触する生体皮膚に冷却効果を提供することである。睡眠サイクル中に、人間の頭部は、主として、発泡体、繊維充填材、羽毛、又は他の類似のクッション充填材など枕コア材の断熱特性のために、多量の熱を放射し、時には発汗する。
【0042】
図1A及び
図1Bに示すある形態では、本開示の装置は、水分管理布又は非水分管理布22の第1の層20と、熱伝導性ウェブ32の第2の層30と、断熱クッション材42の第3の層40とを含む、熱伝導性クッション装置10である。
【0043】
第1の層20の水分管理布22は、
図2Aに示す3葉形繊維22aなど異形断面ポリエステル又はポリアミド繊維で形成され得る。しかしながら、4葉形繊維など他のそのような異形断面繊維が使用され得る。理論に束縛されるものではないが、水分管理、すなわちウィッキングは、繊維のローブ間の陥凹によって生じる、織物又は編地内の隣接する繊維間の空隙に起因する布地内の空隙容積の増加によって増進されると考えられる。水分は、空隙を通して皮膚接触部位からより容易に逃げ得る。ウィッキングはまた、物理的寸法がウィッキングを促す表面張力をもたらすように、フィラメントの外形が形成されると、個々のフィラメントのレベルで達成され得る。
【0044】
あるいは、水分管理布は、水分ウィッキング化合物23で処理される、円形又は楕円形断面ポリエステル又はポリアミド繊維22b(
図2B)で形成される。水分ウィッキング化合物23は、繊維22bの表面上に堆積され得る、又は紡糸中に繊維に組み込まれ得る。水分ウィッキング化合物は、繊維重量に対して約0.01~約0.40重量%、又は更には約0.01~約0.70重量%の濃度で繊維に適用され得る。あるいは、水分管理布は、プラズマエッチングにより化学的に処理される、円形又は楕円形断面ポリエステル又はポリアミド繊維で形成され得る。
【0045】
このような繊維の非限定的な例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、及びこれらのブレンド又はコポリマーなどポリエステルで作製される繊維が挙げられる。ある形態では、繊維はポリエチレンテレフタレートで作製されてよい。他の形態では、繊維は、ナイロン5,6、ナイロン6/6、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロンDT、ナイロン6T、ナイロン6I、並びにこれらのブレンド又はコポリマー又はターポリマーなどポリアミドで作製されてよい。
【0046】
別の形態では、水分管理布22は、天然繊維と異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維とのブレンドで形成され得る、又は水分ウィッキング化合物で処理される、天然繊維と円形若しくは楕円形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維とのブレンドで形成され得る。一実施形態では、水分ウィッキング布層は、本質的に水分をウィッキングする天然繊維(天然出発原料で作製されるビスコースなど)又は親水性に処理され、より多くの水分をウィッキングする天然繊維(例えば、コーティングされた綿)で全体が作製され得る。例えば、水分管理布は、天然繊維と異形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維とのブレンドで形成され得る、又は水分ウィッキング化合物で化学処理される若しくはプラズマ処理される、天然繊維と円形若しくは楕円形断面ポリエステル若しくはポリアミド繊維とのブレンドで形成され得る。
【0047】
本開示による繊維は、0.04dpf~40dpfの範囲のdpf値を有し得る。非限定的な例としては、0.5dpf~30dpf、0.5dpf~20dpf、0.5dpf~10dpf、0.5dpf~5dpf、0.5dpf~2dpf、0.5dpf~1.5dpf、1dpf~10dpf、1dpf~5dpf、5dpf~30dpf、5dpf~20dpf、5dpf~10dpf、及び5dpf~7dpfの範囲のdpf値が挙げられる。特定の実施形態では、繊維は、10dpf未満、例えば7dpf未満、5dpf未満、3dpf未満、及び1.5dpf未満のdpf値であり得る。ある実施形態では、繊維は、0.5~3のdpf値を有する。
【0048】
第1の層20は、約16~約300g/m2の坪量を有する織布又は編地であり得る。
【0049】
水分ウィッキング特性をもたらすのに好適な処理としては、当業者に既知の親水性化合物を使用して、合成繊維に親水性特性を付与することが挙げられ得る。好適な親水性繊維は、本明細書に詳細に記載されているかのように参照によって組み込まれる、米国特許第6,656,586号、第8欄、12~20行目に開示されている。ある実施形態では、布地は、特定の精錬前イベント及び精錬後イベントに供される。精錬前は、弱~強度の腐食剤と共に布地を超高温溶(50~70℃)に入れて、全ての油及びワックスを除去することを含み得る。精錬後処理は、60℃浴において、CrodaからのPermalose(商標)など非イオン性湿潤剤を布地に20分間添加し得る。これらの主要工程は、ポリエステル系布地にウィッキング挙動を付与する。
【0050】
熱伝導性ウェブ32は、金属で作製され得る。好適な金属としては、元素周期表の3~13族からの金属、及びそれらの合金が挙げられ得る。有利な形態では、ウェブは、Edward J.Darby&Sons(Philadelphia,Pennsylvania,U.S.A.)から入手可能である、織銅メッシュ、編銅メッシュ、織アルミニウムメッシュ、又は編アルミニウムメッシュであり得る。窒化ホウ素(BN)として単に2つの例を挙げると、高導電性形態の炭素も好適であり得る。メッシュサイズは、約50~約325メッシュの範囲であり得、個々のワイヤ直径は約0.001インチ~約0.003インチであり、メッシュ及びo0pening幅は0.005インチ~0.015インチであり得る。
【0051】
別の形態では、熱伝導性ウェブ32は、本明細書に記載のように可撓性の必要性を満たす熱伝導性炭素繊維を含む。
【0052】
有利には、熱伝導性ウェブ32は、約0.1~約100W/m・K、例えば約1~約50W/m・K、又は更には10~約20W/m・Kの熱伝導率を有し、熱伝導性布の構造に依存する。単層布の場合、本明細書に記載のある構成は、約10~20W/m・Kである。別の多層熱伝導性布の場合、伝導率は約60~100W/m・Kである。参考のために、C.Li,G.P.Peterson/International Journal of Heat and Mass Transfer 49(2006)4095-4105を参照されたい。
【0053】
第1の層20を反らせるのに必要な力は、第2の層30を反らせるのに必要な力の10パーセント(10%)以内であり得る。ある形態では、第2の層30は、第1の層20を反らせるのに必要な力と実質的に同じである、反らせるのに必要な力を有する細繊度ウェブであり得る。反らせるのに必要な力の好適な試験としては、ASTMD1388及びBSEN 9073、BS 5058、AFNOR G07-109が挙げられる。銅又は黄銅を使用する一例では、布フィラメントの直径は0.04mm未満、かつ経糸及び緯糸方向において1cm当たり<50本の糸でなくてはいけない。
【0054】
熱伝導性クッション装置10のある形態では、第1の層20は、第2の層30に直接接触しているなど直接隣接している。このようにして、第1の層20からの熱は、直ちに第2の層30へと伝導され、層の縁部に向けて、かつクッション装置10と生体皮膚との間の接触点から離れるように分配される。
【0055】
熱絶縁材又はクッションは、通常(typical)、熱伝導性ウェブよりもはるかに絶縁性である。本明細書のある構成では、ポリエチレンテレフタレートクッション材の伝導率は、約0.03~0.06W/m・Kである。このクッション材は、ポリエチレンテレフタレート繊維充填材、又は発泡体、繊維、羽毛、ダウン、ポリマービーズ、細断藁、ソバの殻、他の一般的なクッション用詰物材、若しくはこれらの組み合わせの任意の他のクッション層であり得る。本開示の装置によると、熱及び水分は、クッション材へと広がるのではなく、ユーザーから奪われる。クッション材42の絶縁性は、装置を覆う第1の層及び第2の層へと熱及び水分を向け直す。このように、熱伝導性クッション装置は、典型的な8時間の睡眠サイクル期間にわたって、接触表面における温度を約0.1℃~約10℃、又は約2℃~約8℃、又は約4℃~約6℃、又は更には約4.5℃~約5.5℃低下させることができる(頭部冷却ΔT)。頭部冷却ΔTは、熱電温度計、温度計及び/又はサーミスタを使用して従来の手段によって測定することができる。絶縁クッション材42の厚さは、少なくとも約1/4インチ、有利には少なくとも約1/2インチ、又はそれ以上であるべきである。絶縁クッション材42は、ポリエチレンテレフタレート繊維充填断熱材又は発泡体若しくは繊維の任意の他のクッション層であり得る。
【0056】
ある実施形態では、充填材は親水性であってよく、これにより、水分蒸気が皮膚から引き離されて枕に入り、次いで布地/クッションの他の部分を通って再び引き出され得る。体積への熱伝導が存在するが、この装置では著しく少量であり、主として熱源の熱(頭部)から面方向、つまり半径方向に熱を伝導する。更に、繊維充填材は、国際公開第2016/154012号に開示されているような追加の水分管理特徴を有しても、有さなくてもよい。身体からの水分は、熱源からの総熱量のある程度の割合を含有する。好適なクッション材は、熱流に対して比較的耐性を示し得るが、ある実施形態では、(クッションへと向かう)接線方向の熱流動よりも半径方向の熱に対する耐性が低いことが望ましい。
【0057】
クッション材が繊維充填材である場合、繊維充填材は、枕、マットレスパッド、掛け布団、羽根布団、キルトなど完成した寝具物品、シートクッション及び椅子の背もたれなど家具構成部材、寝袋、動物用毛布、並びに不織布又は高ロフトの不織布用途を有する他の衣料品での使用に好適な任意の捲縮形状を有してよい。好適な捲縮形状としては、(1)機械的捲縮(すなわち、鋸歯状捲縮)、(2)螺旋状接合体、及び(3)オメガ接合体(すなわち、非対称又はジェットクエンチ)が挙げられる。ある非限定的な形態では、繊維充填材は機械的に捲縮される。別の非限定的な形態では、繊維充填材は、接合捲縮を有する。
【0058】
また、生体皮膚と接触するためのクッション装置に冷却効果を提供するためのプロセスも提示しており、この装置は、水分管理布の第1の層と、熱伝導性ウェブの第2の層と、断熱クッション材の第3の層とを有する。このプロセスは、クッション装置を皮膚と接触させて、クッション装置の第1の層上で温度T1及び第1の水分レベルを確立することと、クッション装置の第1の層からクッション装置の第2の層へと熱を抽出し、第1の層の温度をT2の温度に低下させることと、を含む。加えて、このプロセスは、第1の層の水分管理布を介して皮膚から水分を逃がすことと、第1の層及び第2の層の縁部に向けて、かつ皮膚から離れるように熱及び水分を分配することと、を含む。ある実施形態では、第2の層の熱伝導率がクッションの熱伝導率よりも大きく、熱は第2の層の縁部に向かって優先的に流れ、その結果、T2は約8時間にわたってT1よりも1~10℃低い。
【0059】
絶縁クッション材の非限定的な例としては、枕、枕ケース、羽根布団、キルト、及び掛け布団など完成した寝具製品、シートクッション及び椅子の背もたれなど家具構成部材、寝袋、動物用毛布、並びに不織布又は高ロフトの不織布用途を有する他の衣料品が挙げられる。
【実施例】
【0060】
実施例1:熱伝導
【0061】
以下では、試験手順及び設定について説明する。
【0062】
試験領域は、制御した環境室内である。温度は70°F±1.5°F、相対湿度(RH%)は60%±7%に制御する。試料及び装置は、環境室内で少なくとも12時間にわたって予調整する。
【0063】
試験構成を
図3A及び
図3Bに示す。この構成は、
図1A及び
図1Bの布地(40)を含む第3の層として様々な可能な充填材(ポリエステル、発泡体、ダウンなど)を有する枕からなる。銅布又は黄銅又は他の高導電性材の特定の層を使用する(30)。第1の層(20)として1層又は2層の布地。布地は、綿、ポリエステル、又は水分ウィッキング布であってもなくてもよいが、水分ウィッキング布であることが好ましい他の種類の材料であり得る。
【0064】
熱源及び重り;
図3A及び
図3Bに示すように、人間の頭部にほぼ等しい重量及び熱出力を枕の上に置いて領域をシミュレートする。
【0065】
熱源はおよそ225cm2であり、所与の面積にわたっておよそ4Wの電力出力を有する。電力を測定し、制御する。
【0066】
周囲条件を含めて少なくとも4つの温度測定値が存在する。物品の表面を撮像するために重りを一時的に除去した枕の表面の赤外線[IR]温度。表面温度は、FLIR T450sc分光計で使用する。他の温度測定値は、熱電温度計よりも厳しい測定値を有するサーミスタで使用する。頭部と枕表面との間の温度をシミュレートする、第1の布層の表面と熱源との間の温度測定値。絶縁表面に接する枕の底部における温度測定値。
【0067】
測定は、熱源を適用する直前の試験開始時に、及び7~8時間の試験を通じて定期的に行う。典型的には、温度は約1時間ごとに測定する。
【0068】
図4に結果を示す実施例は、以下のように調製した。上の赤外線画像及び関連赤外線温度は、断熱クッション発泡体(熱伝導性布は使用しない)(40)、並びにそれぞれおよそ120g/m
2であった、綿(80%)及びポリエステル(20%)のブレンドの2枚の水分ウィッキング布の上層(20)で構成された。下の赤外線画像及びこの画像の隣の関連温度は、(40)絶縁クッション発泡体(40)、200インチ-1及び直径0.002インチのワイヤの銅編メッシュの4層(30)、並びにそれぞれおよそ120g/m
2であった、綿(80%)及びポリエステル(20%)のブレンドの2枚の水分ウィッキング布の上層(20)で構成された。制御したヒータを適用し、20分間にわたって赤外線カメラを使用して連続温度測定を行った。ヒータの縁部から5インチまで表面温度のプロットを取得した。2つのプロットを調べると、「頭部」が位置する表面においておよそ6℃の温度差が生じたことを示す。また、加熱領域は、熱伝導性布を有する下の画像に対して、「頭部」、つまり、熱伝導性布を有さずに熱源が位置する場所の周囲にはるかに集中することを観測する。
実施例2:
【0069】
図5に結果を示す実施例は、以下のように調製した。熱伝導層を有さない1つの例は、布地シェルに入れられた26オンスの約1dpfのシリコーン処理繊維(40)、並びにそれぞれおよそ120g/m2であった、綿(80%)及びポリエステル(20%)のブレンドの2枚の水分ウィッキング布の上層(20)からなった、SSF08型のポリエステル枕であった。第2の物品は、布地シェルに入れられた26オンスの約1dpfのシリコーン処理繊維(40)、100メッシュ(直径0.0012インチのワイヤからなる銅編地)の8層で構成された第2の層(30)、並びにそれぞれおよそ120g/m2であった、綿(80%)及びポリエステル(20%)のブレンドの2枚の水分ウィッキング布の上層(20)からなった、SSF08型のポリエステル枕であった。
【0070】
図5Aは、7時間超の期間にわたる両試料の赤外線温度の結果を示す。
図5Bは、頭部の熱出力をシミュレートしたヒータと上層(20)との間のサーミスタの結果を示す。
図5C及び
図5Dでは、それぞれ
図5A及び
図5Bの温度差の結果である。赤外線温度及びサーミスタのそれぞれについて、温度差は3.5~4°Fであることを観察した。本発明者らは、この値がかなり有意であると考える。
実施例3:
【0071】
図6に結果を示す実施例は、以下のように調製した。熱伝導層を有さない1つの例は、Therapedic Memory Foamブランドの枕(40)、及びそれぞれおよそ120g/m2であった、綿(80%)及びポリエステル(20%)のブレンドの2枚の水分ウィッキング布の上層(20)であった。第2の物品は、Therapedic Memory Foamブランドの枕(40)、100メッシュ(直径0.0012インチのワイヤからなる銅編地)の8層で構成された第2の層(30)、並びにそれぞれおよそ120g/m2であった、綿(80%)及びポリエステル(20%)のブレンドの2枚の水分ウィッキング布の上層(20)で構成された。
【0072】
図6Aは、7時間超の期間にわたる両試料の赤外線温度の結果を示す。
図6Bは、頭部の熱出力をシミュレートするヒータと上層(20)との間のサーミスタの結果を示す。
図6C及び
図6Dでは、それぞれ
図6A及び
図6Bの温度差の結果である。赤外線温度及びサーミスタのそれぞれについて、温度差は4~6°Fであることを観察した。したがって、Memory Foamはより高い絶縁性を有し、したがって、より低い絶縁性を有するポリエステル繊維充填材と比較して、表面での外への熱の移動を示すことができる。
【0073】
産業上の適用可能性
【0074】
本明細書に開示するシステム及び方法は、寝具産業に利用可能である。
【0075】
上記開示は、独立した有用性を有する複数の別個の発明を包含すると考えられる。これらの発明のそれぞれは、その好ましい形態で開示されているが、本明細書に開示及び例示されるその特定の実施形態は、多くの変形が可能であるため、限定的な意味で考慮されるべきではない。本発明の主題は、本明細書に開示する様々な要素、特徴、機能、及び/又は特性の全ての新規かつ非自明の組み合わせ及び部分的組み合わせを含む。同様に、特許請求の範囲が「1つの」又は「第1の」要素あるいはその等価物を記載する場合、そのような特許請求の範囲は、2つ以上のそのような要素を必要とすることも除外することもなく、1つ以上のそのような要素を組み込むことを含むものとして理解されるべきである。
【0076】
以下の請求項は、開示される発明の1つを対象とする、特定の組み合わせ及びサブコンビネーションを特に指し示し、新規かつ非自明であると考えられる。特徴、機能、構成要素、及び/又は特性の他の組み合わせ及びサブコンビネーションで具現化された発明は、本願請求項の補正、又は本願若しくは関連出願における、新たな請求項の提示によって、特許請求され得る。そのような補正された請求項、又は新たな請求項もまた、それらが異なる発明を対象とするか、同一の発明を対象とするかに関わらず、当初の請求項に対してそれらの範囲が異なるか、より広いか、より狭いか、等しいかに関わらず、本開示の発明の主題に含まれるものとみなされる。