(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】負荷時タップ切換器の切換開閉器および負荷時タップ切換器
(51)【国際特許分類】
H01F 29/04 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
H01F29/04 502F
(21)【出願番号】P 2021521696
(86)(22)【出願日】2019-05-30
(86)【国際出願番号】 JP2019021568
(87)【国際公開番号】W WO2020240781
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江口 直紀
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真一郎
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-528942(JP,A)
【文献】特開2016-139701(JP,A)
【文献】特開2013-243194(JP,A)
【文献】特開平7-220956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
負荷時タップ切換器のタップ選択器に接続される第1タップ端子および第2タップ端子と、
前記第1タップ端子に第1バルブスイッチを介して接続され、前記第2タップ端子に第2バルブスイッチを介して接続されるバルブと、
前記第1タップ端子に第1抵抗スイッチを介して接続され、前記第1タップ端子に対して前記バルブと並列に接続される第1限流抵抗器と、
前記第2タップ端子に第2抵抗スイッチを介して接続され、前記第2タップ端子に対して前記バルブと並列に接続される第2限流抵抗器と、
前記第1タップ端子に対して前記バルブと並列に接続される第1通電スイッチと、
前記第2タップ端子に対して前記バルブと並列に接続される第2通電スイッチと、
前記第1通電スイッチ、前記第1バルブスイッチおよび前記第1抵抗スイッチを含む第1スイッチ組立と、
前記第2通電スイッチ、前記第2バルブスイッチおよび前記第2抵抗スイッチを含む第2スイッチ組立と、
前記バルブを開閉するバルブ開閉機構と、
3相交流のうち同相の切換開閉回路を構成する前記バルブ、前記バルブ開閉機構、前記第1スイッチ組立および前記第2スイッチ組立を支持するユニットベースと、を有し、
前記ユニットベースは、絶縁材料により形成され、
前記ユニットベースは、前記バルブおよび前記バルブ開閉機構を挟んで、第1側に前記第1スイッチ組立を支持し、第2側に前記第2スイッチ組立を支持する、
負荷時タップ切換器の切換開閉器。
【請求項4】
前記第1通電スイッチは、前記第1タップ端子に接続される共通端子と、中性点に接続される通電スイッチ端子と、前記共通端子および前記通電スイッチ端子に対して当接および離間が可能な通電スイッチ導体と、を有し、
前記第1バルブスイッチは、前記共通端子と、前記バルブに接続されるバルブスイッチ端子と、前記共通端子および前記バルブスイッチ端子に対して当接および離間が可能なバルブスイッチ導体と、を有し、
前記第1抵抗スイッチは、前記共通端子と、前記第1限流抵抗器に接続される抵抗スイッチ端子と、前記共通端子および前記抵抗スイッチ端子に対して当接および離間が可能な抵抗スイッチ導体と、を有し、
前記第1スイッチ組立は、前記ユニットベースに固定される固定部を有し、
前記固定部は、前記共通端子と、前記共通端子に沿って並んで配置される前記通電スイッチ端子、前記バルブスイッチ端子および前記抵抗スイッチ端子と、を有する、
請求項3に記載の負荷時タップ切換器の切換開閉器。
【請求項5】
前記第1スイッチ組立は、平行リンクを介して前記ユニットベースに支持され前記固定部に対して移動可能な可動部を有し、
前記可動部は、通電スイッチバネを介して前記通電スイッチ導体を支持し、バルブスイッチバネを介して前記バルブスイッチ導体を支持し、抵抗スイッチバネを介して前記抵抗スイッチ導体を支持する、
請求項4に記載の負荷時タップ切換器の切換開閉器。
【請求項6】
前記可動部は、前記通電スイッチ導体および前記バルブスイッチ導体を支持する第1可動部を有し、
前記第1可動部は、前記第1通電スイッチが開極した状態での前記共通端子および前記通電スイッチ端子から前記通電スイッチ導体までの第1距離と、前記第1バルブスイッチが開極した状態での前記共通端子および前記バルブスイッチ端子から前記バルブスイッチ導体までの第2距離とが異なるように、前記通電スイッチ導体および前記バルブスイッチ導体を支持する、
請求項5に記載の負荷時タップ切換器の切換開閉器。
【請求項7】
前記可動部は、前記抵抗スイッチ導体を支持する第2可動部を有し、
前記第1可動部を前記固定部に対して移動させる第1カムと、前記第2可動部を前記固定部に対して移動させる第2カムと、前記第2カムの回転を制御する第2カム回転制御機構と、を有し、
前記第2カム回転制御機構は、
前記切換開閉器の切換動作の開始時に所定角度だけ前記第2カムを回転させて、前記第2可動部を移動させた後、
前記切換動作の終了まで前記第2カムを回転停止した状態に保持する、
請求項6に記載の負荷時タップ切換器の切換開閉器。
【請求項8】
前記バルブ開閉機構を動作させるバルブカムと、
蓄勢力の開放により、前記第1カムおよび前記バルブカムを回転させ、前記第2カム回転制御機構を動作させる蓄勢機構と、を有する、
請求項7に記載の負荷時タップ切換器の切換開閉器。
【請求項9】
前記第1カムおよび前記第2カムは、絶縁材料により形成される、
請求項7に記載の負荷時タップ切換器の切換開閉器。
【請求項10】
前記第1通電スイッチおよび前記第1バルブスイッチが開極された状態で、前記第1可動部を中性点に接続する第1接続レバーと、
前記第1抵抗スイッチが開極された状態で、前記第2可動部を中性点に接続する第2接続レバーと、を有する、
請求項8に記載の負荷時タップ切換器の切換開閉器。
【請求項11】
請求項3から10のいずれか1項に記載の負荷時タップ切換器の切換開閉器と、
前記タップ選択器と、を有する、
負荷時タップ切換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、負荷時タップ切換器の切換開閉器および負荷時タップ切換器に関する。
【背景技術】
【0002】
負荷時タップ切換器は、変圧器運転中(負荷時)にタップを切り換える装置である。一般に、負荷時タップ切換器は、タップ選択器と、切換開閉器と、を有する。タップ選択器は、変圧器タップ巻線において運転するタップを選択する。切換開閉器は、選択されたタップに回路を切り換える。切換開閉器は、回路の切り換えに先行して一時的に通電される限流抵抗器を有する。限流抵抗器は、通電に伴って発熱する。限流抵抗器の発熱を抑制することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5707071号公報
【文献】特許第6067220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、限流抵抗器の発熱を抑制することができる負荷時タップ切換器の切換開閉器および負荷時タップ切換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の負荷時タップ切換器の切換開閉器は、第1タップ端子および第2タップ端子と、バルブと、第1限流抵抗器と、第2限流抵抗器と、を持つ。第1タップ端子および第2タップ端子は、負荷時タップ切換器のタップ選択器に接続される。バルブは、第1タップ端子に第1バルブスイッチを介して接続され、第2タップ端子に第2バルブスイッチを介して接続される。第1限流抵抗器は、第1タップ端子に第1抵抗スイッチを介して接続され、第1タップ端子に対してバルブと並列に接続される。第2限流抵抗器は、第2タップ端子に第2抵抗スイッチを介して接続され、第2タップ端子に対してバルブと並列に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】実施形態の切換開閉器の1相あたりの回路図。
【
図7】スイッチ組立の固定部を-R方向から見た斜視図。
【
図8】スイッチ組立の固定部を+R方向から見た斜視図。
【
図20】切換開閉器の切換動作のタイミングチャート。
【
図21】第1タップ端子から第2タップ端子への切換動作における通電状態の変化の説明図。
【
図22】第2タップ端子から第1タップ端子への反転切換動作における通電状態の変化の説明図。
【
図24】A時点におけるバルブ開閉機構の動作説明図。
【
図26】A時点における第2カム回転制御機構の第1動作説明図。
【
図27】A時点における第2カム回転制御機構の第2動作説明図。
【
図29】C時点におけるバルブ開閉機構の動作説明図。
【
図31】C時点における第2カム回転制御機構の第1動作説明図。
【
図32】C時点における第2カム回転制御機構の第2動作説明図。
【
図34】D時点におけるバルブ開閉機構の動作説明図。
【
図36】D時点における第2カム回転制御機構の第1動作説明図。
【
図37】D時点における第2カム回転制御機構の第2動作説明図。
【
図39】F時点におけるバルブ開閉機構の動作説明図。
【
図40】F時点における第2カム回転制御機構の第1動作説明図。
【
図42】H時点におけるバルブ開閉機構の動作説明図。
【
図43】H時点における第2カム回転制御機構の第1動作説明図。
【
図45】Q時点におけるバルブ開閉機構の動作説明図。
【
図47】Q時点における第2カム回転制御機構の第1動作説明図。
【
図48】Q時点における第2カム回転制御機構の第2動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の負荷時タップ切換器の切換開閉器および負荷時タップ切換器を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の負荷時タップ切換器1の斜視図である。負荷時タップ切換器1は、運転状態において変圧器の巻数比(変圧比)を変えることで電圧を調整する装置である。負荷時タップ切換器1は、タップ選択器2と、駆動機構5と、切換開閉器10と、を有する。
タップ選択器2は、変圧器タップ巻線において運転するタップを選択する選択動作を実施する。駆動機構5は、電動操作装置(不図示)から駆動軸6を介して伝達される駆動力により、タップ選択器2を駆動する。
【0008】
切換開閉器10は、選択されたタップに回路を切り換える切換動作を実施する。切換開閉器10は、円筒容器10aの内部に配置されて絶縁油に浸漬されている。
【0009】
実施形態の切換開閉器10について詳しく説明する。
図2は、実施形態の切換開閉器10の回路図であり、3相交流のうち1相あたりを示す。以下には、特に言及されない限り、切換開閉器10の1相あたりの構成が説明される。切換開閉器10は、1個のバルブVを有する小容量の切換開閉器である。切換開閉器10は、第1タップ端子T1と第2タップ端子T2との間で回路を切り換える。第1タップ端子T1および第2タップ端子T2は、
図1に示されるタップ選択器2に対して配線3により接続される。
【0010】
図2に示されるように、切換開閉器10は、バルブVと、第1バルブスイッチSV1と、第2バルブスイッチSV2と、を有する。切換開閉器10は、第1限流抵抗器R1と、第1抵抗スイッチSR1と、第2限流抵抗器R2と、第2抵抗スイッチSR2と、をさらに有する。切換開閉器10は、第1通電スイッチSM1と、第2通電スイッチSM2と、をさらに有する。
【0011】
バルブVは、真空を絶縁・消弧媒体として用いた真空遮断器である。バルブVの第1端部は、第1バルブスイッチSV1を介して第1タップ端子T1に接続される。バルブVの第1端部は、第2バルブスイッチSV2を介して第2タップ端子T2に接続される。バルブVの第2端部は、中性点端子18に接続される。
【0012】
第1バルブスイッチSV1は、バルブスイッチ端子35Vと、バルブスイッチ共通端子32Vと、バルブスイッチ導体45Vと、を有する。バルブスイッチ端子35Vは、バルブVの第1端部に接続される。バルブスイッチ共通端子32Vは、第1タップ端子T1に接続される共通端子32の一部である。バルブスイッチ導体45Vは、バルブスイッチ端子35Vおよびバルブスイッチ共通端子32Vに対して、当接および離間が可能である。バルブスイッチ導体45Vがバルブスイッチ端子35Vおよびバルブスイッチ共通端子32Vに当接すると、第1バルブスイッチSV1が閉極する。バルブスイッチ導体45Vがバルブスイッチ端子35Vおよびバルブスイッチ共通端子32Vから離間すると、第1バルブスイッチSV1が開極する。第2バルブスイッチSV2は、第1バルブスイッチSV1と同様に形成される。
【0013】
第1限流抵抗器R1の第1端部は、第1抵抗スイッチSR1を介して第1タップ端子T1に接続される。第1限流抵抗器R1の第2端部は、中性点端子18に接続される。第1限流抵抗器R1は、第1タップ端子T1に対してバルブVと並列に接続される。第2限流抵抗器R2の第1端部は、第2抵抗スイッチSR2を介して第2タップ端子T2に接続される。第2限流抵抗器R2の第2端部は、中性点端子18に接続される。第2限流抵抗器R2は、第2タップ端子T2に対してバルブVと並列に接続される。
【0014】
第1抵抗スイッチSR1は、抵抗スイッチ端子35Rと、抵抗スイッチ共通端子32Rと、抵抗スイッチ導体55Rと、を有する。抵抗スイッチ端子35Rは、第1限流抵抗器R1の第1端部に接続される。抵抗スイッチ共通端子32Rは、第1タップ端子T1に接続される共通端子32の一部である。抵抗スイッチ導体55Rは、抵抗スイッチ端子35Rおよび抵抗スイッチ共通端子32Rに対して、当接および離間が可能である。抵抗スイッチ導体55Rが抵抗スイッチ端子35Rおよび抵抗スイッチ共通端子32Rに当接すると、第1抵抗スイッチSR1が閉極する。抵抗スイッチ導体55Rが抵抗スイッチ端子35Rおよび抵抗スイッチ共通端子32Rから離間すると、第1抵抗スイッチSR1が開極する。第2抵抗スイッチSR2は、第1抵抗スイッチSR1と同様に形成される。
【0015】
第1通電スイッチSM1は、第1タップ端子T1に対してバルブVと並列に接続される。第2通電スイッチSM2は、第2タップ端子T2に対してバルブVと並列に接続される。
第1通電スイッチSM1は、通電スイッチ端子35Mと、通電スイッチ共通端子32Mと、通電スイッチ導体45Mと、を有する。通電スイッチ端子35Mは、中性点端子18に接続される。通電スイッチ共通端子32Mは、第1タップ端子T1に接続される共通端子32の一部である。通電スイッチ導体45Mは、通電スイッチ端子35Mおよび通電スイッチ共通端子32Mに対して、当接および離間が可能である。通電スイッチ導体45Mが通電スイッチ端子35Mおよび通電スイッチ共通端子32Mに当接すると、第1抵抗スイッチSR1が閉極する。通電スイッチ導体45Mが通電スイッチ端子35Mおよび通電スイッチ共通端子32Mから離間すると、第1抵抗スイッチSR1が開極する。第2通電スイッチSM2は、第1通電スイッチSM1と同様に形成される。
【0016】
図3は、実施形態の切換開閉器10の斜視図である。
図3に示される切換開閉器10は、
図1に示される円筒容器10aの内部に配置されている。
本願において、極座標系のZ方向、R方向およびθ方向が、以下のように定義される。Z方向は、切換開閉器10の中心軸の方向である。例えば、Z方向は鉛直方向であり、+Z方向は上方向である。R方向は、切換開閉器10の径方向である。+R方向は、径方向の外側の方向(中心軸から離れる方向)である。θ方向は、切換開閉器10の中心軸の周方向である。+θ方向は、+Z方向に進む右ネジの回転方向である。例えば、R方向およびθ方向は水平方向である。
【0017】
切換開閉器10は、第1取付板12と、第2取付板13と、支柱14と、を有する。
第1取付板12、第2取付板13および支柱14は、導電性を有する金属材料で形成され、中性点端子18に接続される。中性点端子18は、
図1に示されるタップ選択器2に対して配線3により接続される。第1取付板12および第2取付板13は、円盤状に形成され、Z方向に並んで平行に配置される。支柱14は、第1取付板12と第2取付板13との間および第2取付板13の-Z方向に配置される。
【0018】
切換開閉器10は、蓄勢機構15を有する。
蓄勢機構15は、第2取付板13の-Z方向に配置される。蓄勢機構15は、蓄勢バネ15sを含む。
図1に示される駆動機構5は、タップ選択器2の選択動作と並行して、
図3に示される蓄勢バネ15sの伸長または圧縮(蓄勢動作)を実施する。蓄勢機構15は、タップ選択器2の選択動作の完了後に、蓄勢された蓄勢バネ15sを開放する。蓄勢機構15は、蓄勢バネ15sの復元力(蓄勢力の開放)により、後述されるカムユニット60のシャフト61を所定角度だけ回転させる。これにより、蓄勢機構15は、切換開閉器10の切換動作を瞬時に行う。
【0019】
切換開閉器10は、切換ユニット20を有する。
切換ユニット20は、第1取付板12と第2取付板13との間に配置され、両者によって支持される。切換ユニット20は、3相交流の各相について形成される。3相の切換ユニット20が、θ方向に並んで配置される。切換ユニット20は、前述されたバルブVと、第1スイッチ組立S1と、第2スイッチ組立S2と、を有する。バルブVは、切換ユニット20のθ方向の中央であって、+R方向に配置される。
【0020】
第1スイッチ組立S1は、
図2に示されるように、第1通電スイッチSM1、第1バルブスイッチSV1および第1抵抗スイッチSR1を含む。第2スイッチ組立S2は、第2通電スイッチSM2、第2バルブスイッチSV2および第2抵抗スイッチSR2を含む。
図3に示されるように、第1スイッチ組立S1および第2スイッチ組立S2は、θ方向にバルブVを挟んで配置される。第1スイッチ組立S1はバルブVの-θ方向に配置され、第2スイッチ組立S2はバルブVの+θ方向に配置される。
【0021】
前述された第1限流抵抗器R1および第2限流抵抗器R2は、第1取付板12を挟んで、切換ユニット20の反対側に配置される。第1限流抵抗器R1および第2限流抵抗器R2は、第1取付板12の+Z面に固定される。
【0022】
図4は、切換開閉器10の中心軸側から見た切換ユニット20の斜視図である。切換ユニット20は、ユニットベース21と、バルブ開閉機構22と、を有する。
ユニットベース21は、樹脂などの絶縁材料により形成される。ユニットベース21は、底板部21aと、支柱部21bと、を有する。底板部21aは、円弧状に形成され、第2取付板13の+Z面に固定される。支柱部21bは、底板部21aのθ方向の中央から、+Z方向に伸びる。ユニットベース21は、前述されたバルブV、第1スイッチ組立S1および第2スイッチ組立S2を支持する。バルブVは、支柱部21bの+R方向に配置される。
【0023】
図5は、バルブ開閉機構22の動作の第1説明図である。
図6は、バルブ開閉機構22の動作の第2説明図である。
図5および
図6は、バルブVの中心軸を含むRZ断面である。
バルブ開閉機構22は、
図5に示されるように、バルブVの固定極Vaと可動極Vbとの開閉を制御する。バルブ開閉機構22は、レバー24と、バルブカム65と、を有する。
【0024】
レバー24は、θ方向から見てL字状に形成される。レバー24は、回動軸24xの周りを回動可能に支持される。回動軸24xは、レバー24のL字の屈曲部において、θ方向と平行に配置される。レバー24は、回動軸24xから+R方向に伸びる第1アーム24aと、回動軸24xから+Z方向に伸びる第2アーム24bと、を有する。第1アーム24aの+R方向の先端は、バルブVの可動極Vbに接続される。第2アーム24bの+Z方向の先端には、ローラ(カムフォロワ)25が装着される。ローラ25は、Z方向の周りを回動可能である。
【0025】
バルブカム65は、略円盤状に形成される。バルブカム65は、Z方向においてローラ25と同等の位置に配置される。バルブカム65は、シャフト61の外周に固定され、シャフト61と共にθ方向に回転可能である。シャフト61およびバルブカム65は、
図11に示されるカムユニット60の一部である。バルブカム65の外周には、R方向の位置が異なる第1外周部66および第2外周部67(
図6参照)が形成される。第1外周部66は-R方向に配置され、第2外周部67は+R方向に配置される。
【0026】
図6に示されるように、バルブカム65がθ方向に回転すると、第2外周部67の+R方向にローラ25が配置される。第2外周部67は、ローラ25を+R方向に押す。レバー24は、矢印27の方向に回動し、バルブVの可動極Vbを-Z方向に移動させる。これにより、可動極Vbが固定極Vaから離間して、バルブVが開極する。
【0027】
図5に示されるように、バルブカム65がθ方向に回転すると、第1外周部66の+R方向にローラ25が配置される。このとき、バルブカム65はローラ25から離れる。バルブVの固定極Vaおよび可動極Vbは、閉極する方向に付勢されている。レバー24が矢印26の方向に回動して、バルブVの可動極Vbが+Z方向に移動する。これにより、可動極Vbが固定極Vaに当接して、バルブVが閉極する。
【0028】
図4に示されるように、第1スイッチ組立S1は、固定部30と、可動部40,50と、を有する。第2スイッチ組立S2は、第1スイッチ組立S1と同様に形成される。
固定部30は、切換ユニット20の+R方向に配置され、ユニットベース21の底板部21aに固定される。可動部40,50は、固定部30の-R方向に配置される。可動部40,50は、平行リンク42,52を介して、ユニットベース21の支柱部21bに支持される。可動部40,50は、固定部30に対して略R方向に移動可能である。
【0029】
図7は、スイッチ組立の固定部を-R方向から見た斜視図である。
図8は、スイッチ組立の固定部を+R方向から見た斜視図である。固定部30は、スイッチベース31を有する。第1スイッチ組立S1は、前述された共通端子32および第1タップ端子T1をさらに有する。第1スイッチ組立S1は、前述された通電スイッチ端子35M、バルブスイッチ端子35Vおよび抵抗スイッチ端子35Rと、接続部38と、をさらに有する。
【0030】
スイッチベース31は、樹脂などの絶縁材料により形成される。スイッチベース31は、Z方向を長手方向とする直方体状に形成される。
共通端子32は、Z方向に伸びる。共通端子32は、スイッチベース31の-R面の-θ方向に配置される。共通端子32の+Z方向の端部に、通電スイッチ共通端子32Mおよびバルブスイッチ共通端子32Vが形成される。共通端子32の-Z方向の端部に、抵抗スイッチ共通端子32Rが形成される。通電スイッチ共通端子32M、バルブスイッチ共通端子32Vおよび抵抗スイッチ共通端子32Rは、共通端子32の一部であり、共通端子と一体に形成される。通電スイッチ共通端子32M、バルブスイッチ共通端子32Vおよび抵抗スイッチ共通端子32RのRZ断面における形状は、-R方向に開口する略V字形状に形成される。
【0031】
第1タップ端子T1は、
図8に示されるように、スイッチベース31の+R面に配置される。第1タップ端子T1は、共通端子32に接続される。第1スイッチ組立S1の固定部30には第1タップ端子T1が配置され、第2スイッチ組立S2の固定部30には第2タップ端子T2が配置される。前述されたように、第1タップ端子T1および第2タップ端子T2は、
図1に示されるタップ選択器2に対して配線3により接続される。
【0032】
通電スイッチ端子35M、バルブスイッチ端子35Vおよび抵抗スイッチ端子35Rは、
図7に示されるように、スイッチベース31の-R面の+θ方向に配置される。通電スイッチ端子35M、バルブスイッチ端子35Vおよび抵抗スイッチ端子35Rは、共通端子32に沿ってZ方向に並んで配置される。通電スイッチ端子35Mは、通電スイッチ共通端子32Mとθ方向に並んで配置される。バルブスイッチ端子35Vは、バルブスイッチ共通端子32Vとθ方向に並んで配置される。抵抗スイッチ端子35Rは、抵抗スイッチ共通端子32Rとθ方向に並んで配置される。通電スイッチ端子35M、バルブスイッチ端子35Vおよび抵抗スイッチ端子35RのRZ断面における形状は、-R方向に開口する略V字形状に形成される。
【0033】
接続部38は、
図8に示されるように、スイッチベース31の+R面の+Z方向に配置される。接続部38の第1端部は、通電スイッチ端子35Mに接続される。接続部38の第2端部は、
図3に示されるように、第1取付板12に接続される。バルブスイッチ端子35Vは、配線16Vにより、バルブVの可動極の端子(通電端子)に接続される。抵抗スイッチ端子35Rは、配線16Rにより、第1限流抵抗器R1の第1端部に接続される。
第1限流抵抗器R1の第2端部は、配線17Rにより、第1取付板12に接続される。バルブVの固定極の端子は、第1取付板12に接続される。前述されたように、第1取付板12は、中性点端子18に接続される。中性点端子18は、
図1に示されるタップ選択器2に対して配線3により接続される。
【0034】
図4に示されるように、第1スイッチ組立S1の可動部40,50は、+Z方向に配置される第1可動部40と、-Z方向に配置される第2可動部50と、を有する。
図9は、第1可動部40の斜視図である。第1可動部40は、フレーム41と、平行リンク42と、第1ローラ(カムフォロワ)43と、第2ローラ(カムフォロワ)44と、通電スイッチ導体45Mと、バルブスイッチ導体45Vと、を有する。
【0035】
フレーム41は、プレス加工された鋼板材料等により形成される。フレーム41は、R方向に沿って伸びる。フレーム41は、+R方向に配置される導体支持部41aと、R方向の中央に配置される中央部41bと、-R方向に配置されるローラ支持部41cと、を有する。導体支持部41aは、Z方向から見て、+R方向に開口する略U字状に形成される。中央部41bおよびローラ支持部41cは、導体支持部41aの±Z方向の端部から-R方向に伸びる一対のプレートにより形成される。
【0036】
平行リンク42は、一対のリンク部材を有する。平行リンク42の第1端部は、第1可動部40のフレーム41の中央部41bに接続される。平行リンク42の第2端部は、
図4に示されるように、ユニットベース21の支柱部21bに接続される。これにより、第1可動部40は、R方向と平行な姿勢を維持しながら、略R方向に移動可能である。通電スイッチ導体45Mは、通電スイッチ共通端子32Mおよび通電スイッチ端子35Mに対して、同時に当接および離反する。バルブスイッチ導体45Vは、バルブスイッチ共通端子32Vおよびバルブスイッチ端子35Vに対して、同時に当接および離反する。
【0037】
第1ローラ43および第2ローラ44は、フレーム41のローラ支持部41cに支持される。第1ローラ43は一対のプレートの間に配置され、第2ローラ44は一対のプレートの-Z方向に配置される。第1ローラ43および第2ローラ44は、Z方向の周りを回転可能である。
【0038】
通電スイッチ導体45Mおよびバルブスイッチ導体45Vは、円柱状に形成される。通電スイッチ導体45Mおよびバルブスイッチ導体45Vは、フレーム41の導体支持部41aに支持される。導体支持部41aのθ方向の側壁に、開口47M、47Vが形成される。開口47Mには通電スイッチ導体45Mの中心軸が挿通され、開口47Vにはバルブスイッチ導体45Vの中心軸が挿通される。導体支持部41aの-R方向の側壁と通電スイッチ導体45Mとの間には、通電スイッチバネ46Mが配置される。通電スイッチバネ46Mは、通電スイッチ導体45Mを+R方向に付勢する。導体支持部41aの-R方向の側壁とバルブスイッチ導体45Vとの間には、バルブスイッチバネ46Vが配置される。バルブスイッチバネ46Vは、バルブスイッチ導体45Vを+R方向に付勢する。
【0039】
開口47VのR方向の長さは、開口47Mより長い。バルブスイッチバネ46VのR方向の長さは、通電スイッチバネ46Mより長い。これにより、バルブスイッチ導体45Vは、通電スイッチ導体45Mより+R方向に配置される。第1通電スイッチSM1が開極した状態での通電スイッチ共通端子32Mおよび通電スイッチ端子35Mから通電スイッチ導体までの距離を第1距離とする。第1バルブスイッチSV1が開極した状態でのバルブスイッチ共通端子32Vおよびバルブスイッチ端子35Vからバルブスイッチ導体45Vまでの距離を第2距離とする。第1可動部40のフレーム41の導体支持部41aは、第2距離が第1距離より長くなるように、通電スイッチ導体45Mおよびバルブスイッチ導体45Vを支持する。第1可動部40のR方向の位置を変化させることにより、第1通電スイッチSM1および第1バルブスイッチSV1の開極および閉極の様々な組み合わせが実現される。
【0040】
図11は、カムユニット60の斜視図である。
図11には、カムユニット60に加えて、1相の切換ユニット20のみが図示されている。カムユニット60は、切換開閉器10の中心軸に沿って配置される。切換ユニット20は、カムユニット60の+R方向に配置される。1個のカムユニット60が、3相の切換ユニット20の切換動作を実施する。カムユニット60は、シャフト61と、+Z方向に配置される第1カム70と、Z方向の中央に配置されるバルブカム65と、-Z方向に配置される第2カムユニット80uと、を有する。第1カム70は、第1可動部40を移動させる。バルブカム65は、前述されたように、バルブ開閉機構22を動作させる。第2カムユニット80uは、第2可動部50を移動させる。
【0041】
図12は、可動部40,50の動作の第1説明図である。
図13は第2説明図であり、
図14は第3説明図であり、
図15は第4説明図であり、
図16は第5説明図である。
図12から16は、スイッチ組立を通るRZ断面図である。
シャフト61は、切換開閉器10の中心軸に沿って配置される。シャフト61は、
図12に示されるように、軸受62を介して第1取付板12に支持され、軸受63を介して第2取付板13に支持される。シャフト61は、第1取付板12および第2取付板13により回転可能に支持される。シャフト61は、
図3に示される蓄勢機構15により回転駆動される。
【0042】
第1カム70は、
図12に示されるように、シャフト61の外周に固定される。第1カム70は、シャフト61と共にθ方向に回転可能である。第1カム70の外周73の-Z方向の端部には、第1溝部70aが形成される。第1溝部70aは、第1カム70の外周73に沿って、第1カム70の全周にわたって形成される。第1溝部70aは、+Z方向に開口する。第1溝部70aには、第1可動部40の第2ローラ44が収容される。第2ローラ44は、第1溝部70aの側壁74の-R面に当接する。第1可動部40の第1ローラ43は、第1カム70の外周(+R面)73に当接する。これにより、第1可動部40のR方向の位置が規制される。
【0043】
図11に示されるように、第1カム70の外周73には、R方向の位置が異なる第1外周部76、第2外周部77および第3外周部78が形成される。これらのうち、第1外周部76は最も-R方向に配置され、第3外周部78は最も+R方向に配置される。第2外周部77は、R方向において第1外周部76と第3外周部78との中間に配置される。
【0044】
図12に示されるように、第1カム70がθ方向に回転すると、第1外周部76の+R方向に隣接して第1可動部40が配置される。このとき、第1可動部40は、R方向の移動可能範囲のうち、-R方向の端部に配置される。これにより、通電スイッチ導体45Mが共通端子32および通電スイッチ端子35Mから離間して、第1通電スイッチSM1が開極する。バルブスイッチ導体45Vが共通端子32およびバルブスイッチ端子35Vから離間して、第1バルブスイッチSV1が開極する。
【0045】
図14に示されるように、第1カム70がθ方向に回転すると、第3外周部78の+R方向に隣接して第1可動部40が配置される。このとき、第1可動部40は、R方向の移動可能範囲のうち、+R方向の端部に配置される。これにより、通電スイッチ導体45Mが共通端子32および通電スイッチ端子35Mに当接して、第1通電スイッチSM1が閉極する。バルブスイッチ導体45Vが共通端子32およびバルブスイッチ端子35Vに当接して、第1バルブスイッチSV1が閉極する。
【0046】
図13に示されるように、第1カム70がθ方向に回転すると、第2外周部77の+R方向に隣接して第1可動部40が配置される。このとき、第1可動部40は、R方向の移動可能範囲の中間に配置される。前述されたように、バルブスイッチ導体45Vは、通電スイッチ導体45Mより+R方向に配置される。そのため、バルブスイッチ導体45Vは共通端子32およびバルブスイッチ端子35Vに当接して、第1バルブスイッチSV1が閉極する。一方、通電スイッチ導体45Mは共通端子32および通電スイッチ端子35Mから離間して、第1通電スイッチSM1が開極する。
【0047】
図17は、第1接続レバー140の説明図である。第1接続レバー140は、導電材料により形成される。第1接続レバー140は、θ方向から見て略L字状に形成される。第1接続レバー140は、第1可動部40の導体支持部41aの-R方向に配置される。第1接続レバー140は、第1取付板12に対して回動可能に支持される。第1接続レバー140と第1取付板12との間には第1接続バネ144が配置される。
【0048】
前述されたように、第1可動部40が-R方向に移動すると、第1通電スイッチSM1および第1バルブスイッチSV1が開極する。このとき、第1可動部40の導体支持部41aは、第1接続レバー140に当接する。第1可動部40は、第1接続レバー140を介して、第1取付板12に導通接続される。これにより、第1可動部40は、中性点端子18と同電位になり、電位的に安定する。
【0049】
図10は、第2可動部50の斜視図である。第2可動部50は、第1可動部40と同様に形成される。第2可動部50は、フレーム51と、平行リンク52と、第1ローラ(カムフォロワ)53と、第2ローラ(カムフォロワ)54と、抵抗スイッチ導体55Rと、を有する。
【0050】
フレーム51は、導体支持部51aと、中央部51bと、ローラ支持部51cと、を有する。
平行リンク52の第1端部は、フレーム51の中央部51bに接続される。平行リンク52の第2端部は、
図4に示されるように、ユニットベース21の支柱部21bに接続される。これにより、抵抗スイッチ導体55Rは、抵抗スイッチ共通端子32Rおよび抵抗スイッチ端子35Rに対して、同時に当接および離反する。
【0051】
抵抗スイッチ導体55Rは、円柱状に形成される。抵抗スイッチ導体55Rは、フレーム51の導体支持部51aに支持される。導体支持部51aのθ方向の側壁に開口57Rが形成される。開口57Rには抵抗スイッチ導体55Rの中心軸が挿通される。導体支持部51aの-R方向の側壁と抵抗スイッチ導体55Rとの間には、抵抗スイッチバネ56Rが配置される。抵抗スイッチバネ56Rは、抵抗スイッチ導体55Rを+R方向に付勢する。
【0052】
図11に示されるように、カムユニット60は、第2カムユニット80uを有する。第2カムユニット80uは、第2可動部50を移動させる。第2カムユニット80uは、第2カム80と、第2カム回転制御機構90と、を有する。
【0053】
第2カム80は、
図15に示されるように、軸受82を介してシャフト61に支持される。第2カム80は、シャフト61から独立してθ方向に回転可能である。第2カム80の外周83の-Z方向の端部には、第2溝部80aが形成される。第2溝部80aは、第2カム80の外周83に沿って、第2カム80の全周にわたって形成される。第2溝部80aは、+Z方向に開口する。第2溝部80aには、第2可動部50の第2ローラ54が収容される。第2ローラ54は、第2溝部80aの側壁84の-R面に当接する。第2可動部50の第1ローラ53は、第2カム80の外周(+R面)83に当接する。これにより、第2可動部50のR方向の位置が規制される。
【0054】
図11に示されるように、第2カム80の外周83には、R方向の位置が異なる第1外周部86および第2外周部87が形成される。第1外周部86は-R方向に配置され、第2外周部87は+R方向に配置される。
【0055】
図15に示されるように、第2カム80がθ方向に回転すると、第1外周部86の+R方向に隣接して第2可動部50が配置される。このとき、第2可動部50は、R方向の移動可能範囲のうち、-R方向の端部に配置される。これにより、抵抗スイッチ導体55Rが共通端子32および抵抗スイッチ端子35Rから離間して、第1抵抗スイッチSR1が開極する。
【0056】
図14に示されるように、第2カム80がθ方向に回転すると、第2外周部87の+R方向に隣接して第2可動部50が配置される。このとき、第2可動部50は、R方向の移動可能範囲のうち、+R方向の端部に配置される。これにより、抵抗スイッチ導体55Rが共通端子32および抵抗スイッチ端子35Rに当接して、第1抵抗スイッチSR1が閉極する。
【0057】
図18は、第2接続レバー150の説明図である。第2接続レバー150は、導電材料により形成される。第2接続レバー150は、θ方向から見て略L字状に形成される。第2接続レバー150は、第2可動部50の導体支持部51aの-R方向に配置される。第2接続レバー150は、第2取付板13に対して回動可能に支持される。第2接続レバー150と第2取付板13との間には第2接続バネ154が配置される。
【0058】
前述されたように、第2可動部50が-R方向に移動すると、第1抵抗スイッチSR1が開極する。このとき、第2可動部50の導体支持部51aは、第2接続レバー150に当接する。第2可動部50は、第2接続レバー150を介して、第1取付板12に導通接続される。これにより、第2可動部50は、中性点端子18と同電位になり、電位的に安定する。
【0059】
図11に示されるように、第2カムユニット80uは、第2カム回転制御機構90を有する。第2カム回転制御機構90は、第2カム80の-Z方向に配置される。第2カム回転制御機構90は、第2カム80の回転を制御する。
図19は、第2カム回転制御機構90の斜視図である。第2カム回転制御機構90は、基部91と、プッシャ95と、ストッパ130と、を有する。
【0060】
基部91は、円環部92と、腕部93と、を有する。円環部92は、シャフト61の外周に配置され、シャフト61に固定される。
腕部93は、円環部92の外周から+R方向に伸びる。一対の腕部93a,93bが、シャフト61を挟んで配置される。一対の腕部93a,93bは、第1腕部93aおよび第2腕部93bである。ここで、シャフト61の中心軸を含むとともに、一対の腕部93a,93bの両方と交差する第1仮想平面(不図示)を定義する。シャフト61の中心軸を含むとともに第1仮想平面に直交する第2仮想平面(不図示)を定義する。一対の腕部93は、第2仮想平面を対称面として面対称に形成される。第1仮想平面に対して、プッシャ95が配置される側をプッシャ側と呼び、ストッパ130が配置される側をストッパ側と呼ぶ。一対の腕部93a,93bは、円環部92から+R方向に伸び、さらにプッシャ側に屈曲して伸び、相互に連結される。連結された一対の腕部93a,93bと円環部92との間には、基部開口91hが形成される。腕部93のストッパ側には、ストッパ130と当接するベース傾斜部99が形成される。
【0061】
プッシャ95は、腕部93がプッシャ側に屈曲した位置の近くに配置される。一対のプッシャ95a,95bが、一対の腕部93a,93bに対応して配置される。一対のプッシャ95a,95bは、第1プッシャ95aおよび第2プッシャ95bである。一対のプッシャ95a,95bは、第2仮想平面を対称面として面対称に形成される。プッシャ95は、腕部93に対して回動可能に支持される。プッシャ95の回動軸95xは、プッシャ95の長手方向の中央付近に配置される。プッシャ95は、腕部93を横断するように配置される。基部開口91hの内側に配置されるプッシャ95の第1端部には、第1ローラ96が装着される。基部開口91hの外側に配置されるプッシャ95の第2端部には、第2ローラ97が配置される。第1ローラ96および第2ローラ97は、Z方向の周りを回転可能である。プッシャ95と腕部93との間には、圧縮されたプッシャバネ94が配置される。プッシャバネ94は、プッシャ95の回動軸95xと第2ローラ97との間において、プッシャ95に当接する。プッシャバネ94により、第1ローラ96は、円環部92に向かって付勢される。
【0062】
前述された第2取付板13の+Z面には、プッシャガイド13gが配置される。プッシャガイド13gは、円弧状に形成される。プッシャガイド13gは、基部91のプッシャ側であって、プッシャ95の+R方向に配置される。プッシャ95の第2ローラ97は、プッシャガイド13gの-R方向の側面に当接可能である。3相交流のうちいずれか1相のバルブVの中心軸と、シャフト61の中心軸とを含む第3仮想平面(不図示)を定義する。プッシャガイド13gは、第3仮想平面を対称面として面対称に形成される。
【0063】
前述された第2カム80は、第1突起181を有する。第1突起181は、第2カム80から-Z方向に突出する。
図19には、第1突起181の-Z方向の先端部が示される。第1突起181は、基部91の円環部92の外周に沿って、円弧状に形成される。第1突起181は、基部開口91hの内側に配置される。第1突起181のθ方向の幅は、基部開口91hのθ方向の幅より小さい。第1突起181の-θ方向に第1プッシャ95aが配置され、第1突起181の+θ方向に第2プッシャ95bが配置される。プッシャ95の第1ローラ96は、第1突起181のθ方向の側面に当接可能である。
【0064】
前述された第2カム80は、第2突起182を有する。第2突起182は、第2カム80から-Z方向に突出する。
図19には、第2突起182の-Z方向の先端部が示される。第2突起182は、基部91の円環部92のストッパ側に配置される。第2突起182は、シャフト61の中心軸を中心とする円弧状に形成される。
【0065】
前述された第2カム80は、第3突起183を有する。第3突起183は、第2突起182から-Z方向に突出する。第3突起183は、シャフト61の中心軸を中心とする円弧状に形成される。第3突起183のθ方向の幅は、第2突起182より小さい。
前述された第2取付板13は、取付板開口13hを有する。取付板開口13hは、第2カム80の第3突起183を収容する。取付板開口13hのθ方向の幅は、第3突起183より大きい。第3突起183のθ方向の側面は、取付板開口13hのθ方向の内面に当接可能である。
【0066】
ストッパ130は、基部91のストッパ側に配置される。一対のストッパ130a,130bが、θ方向に第2突起182を挟んで配置される。一対のストッパ130a,130bは、第1ストッパ130aおよび第2ストッパ130bである。第1ストッパ130aは第2突起182の+θ方向に配置され、第2ストッパ130bは第2突起182の-θ方向に配置される。一対のストッパ130a,130bは、前述された第3仮想平面を対称面として面対称に形成される。ストッパ130は、第2取付板13に支持される。ストッパ130は、回動軸130xを中心に、Z方向の周りを回動可能である。回動軸130xは、第2突起182とは反対側のストッパ130の端部に配置される。ストッパ130の第2突起182側の側面には、第1係止部131および第2係止部132が形成される。第1係止部131は-R方向に配置され、第2係止部132は+R方向に配置される。第1係止部131および第2係止部132は、第2突起182のθ方向の側面に当接可能である。第2係止部132は、θ方向において第1係止部131よりも第2突起182の近くに配置される。ストッパ130の+R方向の端部には、ストッパバネ133が配置される。ストッパバネ133は、一対のストッパ130a,130bがθ方向に接近するように付勢する。ストッパ130の-R方向の側面には、基部91と当接するストッパ傾斜部139が形成される。
【0067】
切換開閉器10の切換動作(シーケンス)について説明する。前述されたように、切換開閉器10の切換動作は、蓄勢バネ15s(
図3参照)の蓄勢力の開放によりシャフト61が回転して、瞬時に行われる。
図20は、切換開閉器10の切換動作のタイミングチャートである。
図20の各チャートは、上側が閉極(ON)状態であり、下側が開極(OFF)状態である。
図21は、第1タップ端子T1から第2タップ端子T2への切換動作における通電状態の変化の説明図である。
図22は、第2タップ端子から第1タップ端子への反転切換動作における通電状態の変化の説明図である。
【0068】
第1タップ端子T1から第2タップ端子T2への切換動作について説明する。この切換動作では、シャフト61が+θ方向に所定角度だけ回転する。
図23は、A時点における第1可動部40の動作説明図である。
図23は、第1カム70の直上部におけるZ方向に垂直な断面図である。
図20および
図21に示すA時点において、第1カム70は
図23の状態に配置される。第1カム70の第3外周部78の+R方向に隣接して、第1スイッチ組立S1の第1可動部40が配置される。第1スイッチ組立S1の第1可動部40は、R方向の移動可能範囲のうち、+R方向の端部に配置される。第1スイッチ組立S1では、
図14に示されるように、第1通電スイッチSM1が閉極し、第1バルブスイッチが閉極する。一方、第1カム70の第1外周部76の+R方向に隣接して、第2スイッチ組立S2の第1可動部40が配置される。第2スイッチ組立S2の第1可動部40は、R方向の移動可能範囲のうち、-R方向の端部に配置される。第2スイッチ組立S2では、
図15に示されるように、第2通電スイッチSM2が開極し、第2バルブスイッチSV2が開極する。
【0069】
図24は、A時点におけるバルブ開閉機構22の動作説明図である。
図24は、バルブカム65の直上部におけるZ方向に垂直な断面図である。A時点において、バルブカム65は
図24の状態に配置される。バルブカム65の第1外周部66は、バルブ開閉機構22のローラ25から-R方向に離れる。これにより、
図5に示されるように、バルブVが閉極する。
【0070】
図26は、A時点における第2カム回転制御機構90の第1動作説明図である。
図26は、第2カム回転制御機構90の直上部におけるZ方向に垂直な断面図である。A時点において、基部91は
図26の状態に配置される。第2カム80の第1突起181は、基部91の第2腕部93bの-θ方向の側面に当接している。第1プッシャ95aの第1ローラ96が、第1突起181の-θ方向の側面に当接している。一方、基部91の第1腕部93aのベース傾斜部99が、第1ストッパ130aのストッパ傾斜部139と当接する。これにより、第1ストッパ130aが+θ方向に回動する。第1ストッパ130aの第2係止部132が、第2カム80の第2突起182の+θ方向の側面から、+R方向に離脱する。これにより、第2カム80が+θ方向に回転可能な状態になる。
【0071】
図27は、A時点における第2カム回転制御機構90の第2動作説明図である。
図27は、第2カムの第3突起183の直上部におけるZ方向に垂直な断面図である。第2カム80の第3突起183は、第2取付板13の取付板開口13hの+θ方向の端部に配置されている。
【0072】
図25は、A時点における第2可動部50の動作説明図である。
図25は、第2カム80の直上部におけるZ方向に垂直な断面図である。A時点において、第2カム80は
図25の状態に配置される。第2カム80の第2外周部87の+R方向に隣接して、第1スイッチ組立S1の第2可動部50が配置される。第1スイッチ組立S1の第2可動部50は、R方向の移動可能範囲のうち、+R方向の端部に配置される。第1スイッチ組立S1では、
図14に示されるように、第1抵抗スイッチSR1が閉極する。一方、第2カム80の第1外周部86の+R方向に隣接して、第2スイッチ組立S2の第2可動部50が配置される。第2スイッチ組立S2の第2可動部50は、R方向の移動可能範囲のうち、-R方向の端部に配置される。第2スイッチ組立S2では、
図15に示されるように、第2抵抗スイッチSR2が開極する。
【0073】
以上により、
図20および
図21に示されるA時点において、バルブVは閉極している。第1通電スイッチSM1は閉極し、第1バルブスイッチSV1は閉極し、第1抵抗スイッチSR1は閉極している。第2通電スイッチSM2は開極し、第2バルブスイッチSV2は開極し、第2抵抗スイッチSR2は開極している。これにより、
図21に示されるA時点では、第1通電スイッチSM1を介して第1タップ端子T1に通電される。すなわち、第1通電スイッチSM1が第1タップ端子T1への定常通電に使用される。
【0074】
図20および
図21に示されるb時点では、第1通電スイッチSM1が開極に変化する。一方、バルブVは閉極している。これにより、
図21に示されるb時点では、バルブVを介して第1タップ端子T1に通電される。
【0075】
図28は、C時点における第1可動部40の動作説明図である。A時点からb時点、C時点にかけて、第1カム70はシャフト61と共に+θ方向に回転する。第1カム70の第2外周部77の+R方向に隣接して、第1スイッチ組立S1の第1可動部40が配置される。第1スイッチ組立S1の第1可動部40は、R方向の移動可能範囲の中間に配置される。第1スイッチ組立S1では、
図16に示されるように、第1通電スイッチSM1が開極を維持し、第1バルブスイッチが閉極を維持する。第2スイッチ組立S2の状態は、
図23に示されるA時点と同様である。第2スイッチ組立S2では、
図12に示されるように、第2通電スイッチSM2が開極を維持し、第2バルブスイッチSV2が開極を維持する。
【0076】
図29は、C時点におけるバルブ開閉機構22の動作説明図である。C時点におけるバルブ開閉機構22の状態は、
図24に示されるA時点と同様である。すなわち、
図6に示されるように、バルブVが閉極を維持する。
【0077】
図31は、C時点における第2カム回転制御機構90の第1動作説明図である。基部91は、シャフト61と共に+θ方向に回転する。基部91に支持された第1プッシャ95aの第1ローラ96は、第2カム80の第1突起181の-θ方向の側面を、+θ方向に押す。前述されたように、第1ストッパ130aの第2係止部132は、第2カム80の第2突起182の+θ方向の側面から、+R方向に離脱している。第2突起182の+θ方向への回転は、第2係止部132によって制限されない。これにより、第2カム80が+θ方向に回転する。
図32は、C時点における第2カム回転制御機構90の第2動作説明図である。第2カム80の第3突起183は、第2取付板13の取付板開口13hのθ方向の中間部に移動する。
【0078】
図30は、C時点における第2可動部50の動作説明図である。前述されたように、第2カム80は+θ方向に回転する。第2カム80の第1外周部86の+R方向に隣接して、第1スイッチ組立S1の第2可動部50が配置される。第1スイッチ組立S1の第2可動部50は、R方向の移動可能範囲のうち、-R方向の端部に配置される。第1スイッチ組立S1では、
図16に示されるように、第1抵抗スイッチSR1が開極に変化する。一方、第2カム80の第2外周部87の+R方向に隣接して、第2スイッチ組立S2の第2可動部50が配置される。第2スイッチ組立S2の第2可動部50は、R方向の移動可能範囲のうち、+R方向の端部に配置される。第2スイッチ組立S2では、
図12に示されるように、第2抵抗スイッチSR2が閉極に変化する。
【0079】
以上により、
図20および
図21に示されるC時点において、バルブVは閉極している。第1通電スイッチSM1は開極し、第1バルブスイッチSV1は閉極し、第1抵抗スイッチSR1は開極している。第2通電スイッチSM2は開極し、第2バルブスイッチSV2は開極し、第2抵抗スイッチSR2は閉極している。これにより、
図21に示されるC時点では、バルブVおよび第1バルブスイッチSV1を介して第1タップ端子T1に通電されるとともに、第2限流抵抗器R2に循環電流が流れる。すなわち、切換動作におけるバルブVの開極(D時点)に先行して、タップ切換先の第2限流抵抗器R2に通電される。
【0080】
図33は、D時点における第1可動部40の動作説明図である。シャフト61は、引き続き+θ方向に回転する。第1スイッチ組立S1の状態は、
図28に示されるC時点と同様である。第1スイッチ組立S1では、
図16に示されるように、第1通電スイッチSM1が開極を維持し、第1バルブスイッチが閉極を維持する。一方、第2スイッチ組立S2の状態も、
図28に示されるC時点と同様である。第2スイッチ組立S2では、
図12に示されるように、第2通電スイッチSM2が開極を維持し、第2バルブスイッチSV2が開極を維持する。
【0081】
図34は、D時点におけるバルブ開閉機構22の動作説明図である。バルブカム65の第2外周部67は、バルブ開閉機構22のローラ25を+R方向に押す。これにより、
図6に示されるように、バルブVが開極に変化する。
【0082】
図36は、D時点における第2カム回転制御機構90の第1動作説明図である。基部91は、シャフト61と共に+θ方向に回転する。基部91に支持された第1プッシャ95aの第2ローラ97は、プッシャガイド13gの-R方向の側面に当接する。第1プッシャ95aは-θ方向に回動する。第1プッシャ95aの第1ローラ96は、第2カム80の第1突起181の-θ方向の側面から、+R方向に離脱する。これにより、第1突起181が第1プッシャ95aに押されなくなり、第2カム80の回転が停止する。このように、第2カム80は、切換開閉器10の切換動作の開始時に所定角度だけ回転する。第2カム80の回転角度は、切換動作の全体におけるシャフト61の回転角度よりも小さい。第2カム80は、切換動作の終了まで回転停止した状態に保持される。
【0083】
第2カム80の第2突起182は、第1ストッパ130aの第1係止部131に接近する。第2突起182が第1係止部131に当接することにより、第2カム80の+θ方向への過剰回転が防止される。ストッパバネ133の作用により、第2ストッパ130bが+θ方向に回動する。第2ストッパ130bの第2係止部132が、第2突起182の-θ方向の側面に当接する。これにより、第2カム80の停止の反動による-θ方向への回転が規制される。
【0084】
図37は、D時点における第2カム回転制御機構90の第2動作説明図である。第2カム80の第3突起183は、第2取付板13の取付板開口13hの+θ方向の側面に接近する。第3突起183が取付板開口13hの側面に当接することにより、第2カム80の+θ方向への過剰回転が防止される。
【0085】
図35は、D時点における第2可動部50の動作説明図である。第1スイッチ組立S1および第2スイッチ組立S2の状態は、
図30に示されるC時点と同様である。第1スイッチ組立S1では、
図16に示されるように、第1抵抗スイッチSR1が開極を維持する。第2スイッチ組立S2では、
図12に示されるように、第2抵抗スイッチSR2が閉極を維持する。この状態で、前述されたように、第2カム80の回転が停止する。
【0086】
以上により、
図20および
図21に示されるD時点において、バルブVは開極している。第1通電スイッチSM1は開極し、第1バルブスイッチSV1は閉極し、第1抵抗スイッチSR1は開極している。第2通電スイッチSM2は開極し、第2バルブスイッチSV2は開極し、第2抵抗スイッチSR2は閉極している。これにより、
図21に示されるD時点では、第2限流抵抗器R2を介して第2タップ端子T2に通電される。
【0087】
図20および
図21に示されるe時点では、第1バルブスイッチSV1が開極に変化する。
図21に示されるe時点では、D時点と同様に、第2限流抵抗器R2を介して第2タップ端子T2に通電される。
【0088】
図38は、F時点における第1可動部40の動作説明図である。シャフト61は、引き続き+θ方向に回転する。第1カム70の第1外周部76の+R方向に隣接して、第1スイッチ組立S1の第1可動部40が配置される。第1スイッチ組立S1の第1可動部40は、R方向の移動可能範囲のうち、-R方向の端部に配置される。第1スイッチ組立S1では、
図15に示されるように、第1通電スイッチSM1が開極を維持し、第1バルブスイッチが開極を維持する。一方、第1カム70の第2外周部77の+R方向に隣接して、第2スイッチ組立S2の第1可動部40が配置される。第2スイッチ組立S2の第1可動部40は、R方向の移動可能範囲の中間に配置される。第2スイッチ組立S2では、
図13に示されるように、第2通電スイッチSM2が開極を維持し、第2バルブスイッチSV2が閉極に変化する。
【0089】
図39は、F時点におけるバルブ開閉機構22の動作説明図である。F時点におけるバルブ開閉機構22の状態は、
図34に示されるD時点と同様である。すなわち、
図6に示されるように、バルブVが開極を維持する。
【0090】
図40は、F時点における第2カム回転制御機構90の第1動作説明図である。前述されたように、第2カム80の回転は停止している。基部91は、シャフト61と共に+θ方向に回転する。基部91に支持された第1プッシャ95aの第1ローラ96は、第2カム80の第1突起181の+R方向の側面に沿って+θ方向に移動する。第2プッシャ95bの第1ローラ96も同様に、第1突起181の+R方向の側面に沿って+θ方向に移動する。基部91の第2腕部93bの-θ方向の側面は、第1突起181の+θ方向の側面から離れる。
【0091】
前述されたように、第2カム80の回転は停止している。F時点における第2カム80の第3突起183の状態は、
図37に示されるD時点と同様である。
【0092】
前述されたように、第2カム80の回転は停止している。F時点における第1スイッチ組立S1および第2スイッチ組立S2の第2可動部50の状態は、
図35に示されるD時点と同様である。第1スイッチ組立S1では、
図15に示されるように、第1抵抗スイッチSR1が開極を維持する。第2スイッチ組立S2では、
図13に示されるように、第2抵抗スイッチSR2が閉極を維持する。
【0093】
以上により、
図20および
図21に示されるF時点において、バルブVは開極している。第1通電スイッチSM1は開極し、第1バルブスイッチSV1は開極し、第1抵抗スイッチSR1は開極している。第2通電スイッチSM2は開極し、第2バルブスイッチSV2は閉極し、第2抵抗スイッチSR2は閉極している。
図21に示されるF時点では、e時点と同様に、第2限流抵抗器R2を介して第2タップ端子T2に通電される。
【0094】
図20および
図21に示されるg時点では、バルブVが開極に変化する。これにより、
図21に示されるg時点では、バルブVおよび第2バルブスイッチSV2を介して第2タップ端子T2に通電される。
【0095】
図41は、H時点における第1可動部40の動作説明図である。シャフト61の+θ方向への回転は、
図41の状態で停止する。H時点における第1スイッチ組立S1の第1可動部40の状態は、
図38に示されるF時点と同様である。第1スイッチ組立S1では、
図15に示されるように、第1通電スイッチSM1が開極を維持し、第1バルブスイッチが開極を維持する。一方、第1カム70の第3外周部78の+R方向に隣接して、第2スイッチ組立S2の第1可動部40が配置される。第2スイッチ組立S2の第1可動部40は、R方向の移動可能範囲のうち、+R方向の端部に配置される。第2スイッチ組立S2では、
図14に示されるように、第2通電スイッチSM2が閉極に変化し、第2バルブスイッチSV2が閉極を維持する。
【0096】
図42は、H時点におけるバルブ開閉機構22の動作説明図である。バルブカム65の第1外周部66は、バルブ開閉機構22のローラ25から-R方向に離れる。これにより、
図5に示されるように、バルブVが閉極する。
【0097】
図43は、H時点における第2カム回転制御機構90の第1動作説明図である。前述されたように、第2カム80の回転は停止している。基部91の+θ方向への回転は、
図43の状態で停止する。基部91の第1腕部93aの+θ方向の側面は、第2カム80の第1突起181の-θ方向の側面と当接する。第2プッシャ95bの第2ローラ97は、プッシャガイド13gの-R方向の側面から離脱する。第2プッシャ95bは、プッシャバネ94の作用により-θ方向に回動する。第2プッシャ95bの第1ローラ96は、-R方向に移動して、第2カム80の第1突起181の+θ方向の側面に当接する。
【0098】
基部91の第2腕部93bのベース傾斜部99は、第2ストッパ130bのストッパ傾斜部139に当接する。第2ストッパ130bが-θ方向に回動する。第2ストッパ130bの第2係止部132は、第2カム80の第2突起182の-θ方向の側面から、+R方向に離脱する。これにより、第2カムが-θ方向に回転可能な状態になる。
【0099】
前述されたように、第2カム80の回転は停止している。H時点における第2カム80の第3突起183の状態は、F時点と同様であり、
図37に示されるD時点と同様である。
【0100】
前述されたように、第2カム80の回転は停止している。H時点における第1スイッチ組立S1および第2スイッチ組立S2の第2可動部50の状態は、F時点と同様であり、
図35に示されるD時点と同様である。第1スイッチ組立S1では、
図15に示されるように、第1抵抗スイッチSR1が開極を維持する。第2スイッチ組立S2では、
図14に示されるように、第2抵抗スイッチSR2が閉極を維持する。
【0101】
以上により、
図20および
図21に示されるH時点において、バルブVは閉極している。第1通電スイッチSM1は開極し、第1バルブスイッチSV1は開極し、第1抵抗スイッチSR1は開極している。第2通電スイッチSM2は閉極し、第2バルブスイッチSV2は閉極し、第2抵抗スイッチSR2は閉極している。これにより、
図21に示されるH時点では、第2通電スイッチSM2を介して第2タップ端子T2に通電される。すなわち、第2通電スイッチSM2が第2タップ端子T2への定常通電に使用される。
以上により、第1タップ端子T1から第2タップ端子T2への切換動作が完了する。
【0102】
第2タップ端子T2から第1タップ端子T1への反転切換動作について説明する。この反転切換動作では、シャフト61が-θ方向に所定角度だけ回転する。
図20および
図22に示されるp時点では、第2通電スイッチSM2が開極に変化する。これにより、
図22に示されるp時点では、バルブVおよび第2バルブスイッチSV2を介して第2タップ端子T2に通電される。
【0103】
図44は、Q時点における第1可動部40の動作説明図である。第1カム70は、シャフト61と共に-θ方向に回転する。Q時点における第1スイッチ組立S1の第1可動部40の状態は、
図41に示されるH時点と同様である。第1スイッチ組立S1では、
図12に示されるように、第1通電スイッチSM1が開極を維持し、第1バルブスイッチが開極を維持する。一方、第1カム70の第2外周部77の+R方向に隣接して、第2スイッチ組立S2の第1可動部40が配置される。第2スイッチ組立S2の第1可動部40は、R方向の移動可能範囲の中間に配置される。第2スイッチ組立S2では、
図16に示されるように、第2通電スイッチSM2が開極に変化し、第2バルブスイッチSV2が閉極を維持する。
【0104】
図45は、Q時点におけるバルブ開閉機構22の動作説明図である。バルブカム65は、シャフト61と共に-θ方向に回転する。バルブ開閉機構22の状態は、
図42に示されるH時点と同様である。すなわち、
図5に示されるように、バルブVは閉極を維持する。
【0105】
図47は、Q時点における第2カム回転制御機構90の動作説明図である。基部91は、シャフト61と共に-θ方向に回転する。基部91に支持された第2プッシャ95bの第1ローラ96は、第2カム80の第1突起181の+θ方向の側面を-θ方向に押す。前述されたように、第2ストッパ130bの第2係止部132は、第2カム80の第2突起182の-θ方向の側面から、+R方向に離脱している。第2突起182の-θ方向への回転は、第2係止部132によって制限されない。これにより、第2カム80が-θ方向に回転する。
図48は、Q時点における第2カム回転制御機構90の第1動作説明図である。第2カム80の第3突起183は、第2取付板13の取付板開口13hのθ方向の中間部に移動する。
【0106】
図46は、Q時点における第2可動部50の第2動作説明図である。前述されたように、第2カム80は-θ方向に回転する。第2カム80の第2外周部87の+R方向に隣接して、第1スイッチ組立S1の第2可動部50が配置される。第1スイッチ組立S1の第2可動部50は、R方向の移動可能範囲のうち、+R方向の端部に配置される。第1スイッチ組立S1では、
図12に示されるように、第1抵抗スイッチSR1が閉極に変化する。一方、第2カム80の第1外周部86の+R方向に隣接して、第2スイッチ組立S2の第2可動部50が配置される。第2スイッチ組立S2の第2可動部50は、R方向の移動可能範囲のうち、-R方向の端部に配置される。第2スイッチ組立S2では、
図16に示されるように、第2抵抗スイッチSR2が開極に変化する。
【0107】
以上により、
図20および
図22に示されるQ時点において、バルブVは閉極している。第1通電スイッチSM1は開極し、第1バルブスイッチSV1は開極し、第1抵抗スイッチSR1は閉極している。第2通電スイッチSM2は開極し、第2バルブスイッチSV2は閉極し、第2抵抗スイッチSR2は開極している。
図22に示されるQ時点では、バルブVおよび第2バルブスイッチSV2を介して第2タップ端子T2に通電されるとともに、第1限流抵抗器R1に循環電流が流れる。すなわち、反転切換動作におけるバルブVの開極(r時点)に先行して、タップ切換先の第1限流抵抗器R1に通電される。
【0108】
図20および
図22に示されるr時点では、バルブVが開極に変化する。これにより、
図22に示されるr時点では、第1限流抵抗器R1および第1抵抗スイッチSR1を介して第1タップ端子T1に通電される。
r時点において、第2カム80の回転が停止する。このように、第2カム80は、反転切換動作の開始時に所定角度だけ回転する。第2カム80の回転角度は、反転切換動作の全体におけるシャフト61の回転角度よりも小さい。第2カム80は、反転切換動作の終了まで回転停止した状態に保持される。
【0109】
図20および
図22に示されるs時点における切換開閉器10の状態は、
図38から
図40に示されるF時点と同様である。s時点では、第2バルブスイッチSV2が開極に変化する。
図22に示されるs時点では、r時点と同様に、第1限流抵抗器R1および第1抵抗スイッチSR1を介して第1タップ端子T1に通電される。
【0110】
図20および
図22に示されるt時点では、第1バルブスイッチSV1が閉極に変化する。
図22に示されるt時点では、s時点と同様に、第1限流抵抗器R1および第1抵抗スイッチSR1を介して第1タップ端子T1に通電される。
【0111】
図20および
図22に示されるu時点における切換開閉器10の状態は、
図33から
図37に示されるD時点と同様である。u時点では、バルブVが閉極に変化する。
図22に示されるu時点では、バルブVおよび第1バルブスイッチSV1を介して第1タップ端子T1に通電される。
【0112】
図20および
図22に示されるu時点における切換開閉器10の状態は、
図33から
図43に示されるD時点と同様である。u時点では、バルブVが閉極に変化する。
図22に示されるu時点では、バルブVおよび第1バルブスイッチSV1を介して第1タップ端子T1に通電される。
【0113】
図20に示されるv時点における切換開閉器10の状態は、
図23から
図27に示されるA時点と同様である。v時点では、第1通電スイッチSM1が閉極に変化する。v時点では、
図21に示されるA時点と同様に、第1通電スイッチSM1を介して第1タップ端子T1に通電される。すなわち、第1通電スイッチSM1が第1タップ端子T1への定常通電に使用される。
以上により、第1タップ端子T1から第2タップ端子T2への反転切換動作が完了する。
【0114】
以上に詳述されたように、実施形態の負荷時タップ切換器1の切換開閉器10は、第1タップ端子T1および第2タップ端子T2と、バルブVと、第1限流抵抗器R1と、第2限流抵抗器R2と、を持つ。第1タップ端子T1および第2タップ端子T2は、負荷時タップ切換器1のタップ選択器2に接続される。バルブVは、第1タップ端子T1に第1バルブスイッチSV1を介して接続され、第2タップ端子T2に第2バルブスイッチSV2を介して接続される。第1限流抵抗器R1は、第1タップ端子T1に第1抵抗スイッチSR1を介して接続され、第1タップ端子T1に対してバルブVと並列に接続される。第2限流抵抗器R2は、第2タップ端子T2に第2抵抗スイッチSR2を介して接続され、第2タップ端子T2に対してバルブVと並列に接続される。
【0115】
第1限流抵抗器R1および第2限流抵抗器R2は、タップ切換のたびに交互に通電される。約5秒間隔で遮断が繰り返される連続切換の場合でも、限流抵抗器R1,R2の通電のインターバルが確保される。したがって、限流抵抗器R1,R2の発熱が抑制される。限流抵抗器R1,R2の耐久性が向上し、メンテナンス周期が延長される。これに伴って、ステップ容量を落とすことなく、小型で安価な限流抵抗器R1,R2が採用できる。
すなわち、本実施形態に記載した負荷時タップ切換器の切換開閉器によれば、数秒間隔(例えば5秒間隔)で遮断が繰り返される連続切換による限流抵抗の温度上昇を一定規格値以下に抑えるための限流抵抗器の大型化、コストアップ、或いは、ステップ容量(定格電流×ステップ電圧)の制限等を緩和することができる。
各限流抵抗器に対してそれぞれ抵抗スイッチが設定されるので、スイッチストロークが短くなる。これにより、開閉タイミングの設定自由度が大きくなり、開閉タイミングのばらつきに対する許容度が増加する。また、切換開閉器10が小型になるので、蓄勢機構の蓄勢動作を利用することなく、蓄勢力の開放により切換動作が実現される。
【0116】
切換開閉器10は、第1通電スイッチSM1と、第2通電スイッチSM2と、を有する。第1通電スイッチSM1は、第1タップ端子T1に対してバルブVと並列に接続される。第2通電スイッチSM2は、第2タップ端子T2に対してバルブVと並列に接続される。
【0117】
第1通電スイッチSM1および第2通電スイッチSM2が定常通電に使用される。これにより、通電容量の小さいバルブ端子が採用できる。バルブ端子の質量の減少により、バルブ開閉時の衝撃力が抑制される。また、バルブVへの配線接続構造が簡素化される。
【0118】
切換開閉器10は、第1スイッチ組立S1と、第2スイッチ組立S2と、バルブ開閉機構22と、ユニットベース21と、を有する。第1スイッチ組立S1は、第1通電スイッチSM1、第1バルブスイッチSV1および第1抵抗スイッチSR1を含む。第2スイッチ組立S2は、第2通電スイッチSM2、第2バルブスイッチSV2および第2抵抗スイッチSR2を含む。バルブ開閉機構22は、バルブVを開閉する。ユニットベース21は、3相交流のうち同相の切換開閉回路を構成するバルブV、バルブ開閉機構22、第1スイッチ組立S1および第2スイッチ組立S2を支持する。ユニットベース21は、絶縁材料により形成される。ユニットベース21は、バルブVおよびバルブ開閉機構22を挟んで、第1側に第1スイッチ組立S1を支持し、第2側に第2スイッチ組立S2を支持する。
【0119】
これにより、切換開閉器10の組み立てが容易になる。また、切換開閉器10が小型化される。
【0120】
第1通電スイッチSM1は、共通端子32と、通電スイッチ端子35Mと、通電スイッチ導体45Mと、を有する。共通端子32は、第1タップ端子T1に接続される。通電スイッチ端子35Mは、中性点端子18に接続される。通電スイッチ導体45Mは、共通端子32および通電スイッチ端子35Mに対して当接および離間が可能である。第1バルブスイッチSV1は、共通端子32と、バルブスイッチ端子35Vと、バルブスイッチ導体45Vと、を有する。バルブスイッチ端子35Vは、バルブVに接続される。バルブスイッチ導体45Vは、共通端子32およびバルブスイッチ端子35Vに対して当接および離間が可能である。第1抵抗スイッチSR1は、共通端子32と、抵抗スイッチ端子35Rと、抵抗スイッチ導体55Rと、を有する。抵抗スイッチ端子35Rは、第1限流抵抗器R1に接続される。抵抗スイッチ導体55Rは、共通端子32および抵抗スイッチ端子35Rに対して当接および離間が可能である。第1スイッチ組立S1は、ユニットベース21に固定される固定部30を有する。固定部30は、共通端子32と、共通端子32に沿って並んで配置される通電スイッチ端子35M、バルブスイッチ端子35Vおよび抵抗スイッチ端子35Rと、を有する。
【0121】
固定部30に並んで配置された各スイッチ端子に、各スイッチ導体が当接および離間することで各スイッチが形成される。これにより、第1スイッチ組立S1が小型化される。
【0122】
第1スイッチ組立S1は、可動部40,50を有する。可動部40,50は、平行リンク42,52を介してユニットベース21に支持され固定部30に対して移動可能である。可動部40,50は、通電スイッチバネ46Mを介して通電スイッチ導体45Mを支持する。可動部40,50は、バルブスイッチバネ46Vを介してバルブスイッチ導体45Vを支持する。可動部40,50は、抵抗スイッチバネ56Rを介して抵抗スイッチ導体55Rを支持する。
【0123】
平行リンク42,52により、可動部40,50が平行に移動する。したがって、各スイッチ端子に対する各スイッチ導体の当接および離間の動作が安定する。
【0124】
可動部40,50は、第1可動部40を有する。第1可動部40は、通電スイッチ導体45Mおよびバルブスイッチ導体45Vを支持する。第1可動部40は、第1距離と第2距離とが異なるように、通電スイッチ導体45Mおよびバルブスイッチ導体45Vを支持する。第1距離は、第1通電スイッチSM1が開極した状態での共通端子32および通電スイッチ端子35Mから通電スイッチ導体45Mまでの距離である。第2距離は、第1バルブスイッチSV1が開極した状態での共通端子32およびバルブスイッチ端子35Vからバルブスイッチ導体45Vまでの距離である。
【0125】
1個の第1可動部40の位置を変化させることにより、通電スイッチおよびバルブスイッチの閉極および開極の様々な組み合わせが実現される。したがって、通電スイッチを設ける場合でも、切換開閉器10のコストが抑制される。
【0126】
可動部40,50は、第2可動部50を有する。第2可動部50は、抵抗スイッチ導体55Rを支持する。切換開閉器10は、第1カム70と、第2カム80と、第2カム回転制御機構90と、を有する。第1カム70は、第1可動部40を固定部30に対して移動させる。第2カム80は、第2可動部50を固定部30に対して移動させる。第2カム回転制御機構90は、第2カム80の回転を制御する。第2カム回転制御機構90は、切換開閉器10の切換動作の開始時に所定角度だけ第2カム80を回転させて、第2可動部50を移動させる。その後、第2カム回転制御機構90は、切換動作の終了まで第2カム80を回転停止した状態に保持する。
【0127】
切換動作の開始時に第2可動部50が移動して、抵抗スイッチが閉極または開極する。これにより、切換動作におけるバルブVの開極に先行して、タップ切換先の限流抵抗器に通電される。その後、切換動作の終了まで第2カム80が回転停止した状態に保持される。そのため、反転切換動作の開始時に、第2可動部50が逆方向に移動して、抵抗スイッチが開極または閉極する。これにより、反転切換動作におけるバルブVの開極に先行して、反転切換先の限流抵抗器に通電される。
【0128】
切換開閉器10は、バルブカム65と、蓄勢機構15と、を有する。バルブカム65は、バルブ開閉機構22を動作させる。蓄勢機構15は、蓄勢力の開放により、第1カム70およびバルブカム65を回転させ、第2カム回転制御機構90を動作させる。
蓄勢力の開放により切換動作が実施され、それ以前の蓄勢動作の途中には切換動作が実施されない。蓄勢動作が途中で停止された場合でも、切換開閉器10は従前の通電状態を保持するので、切換動作の段階に応じた復帰作業が不要になる。
すなわち、本実施形態に記載した負荷時タップ切換器の切換開閉器によれば、遮断動作と遮断後の次切換初動作(蓄勢動作)の連携による先行動作の位相切換や、電動操作機構の異常等により蓄勢駆動を途中で停止した際の手動により元のタップに戻す等の非定常な動作に対する復帰機構が必要ない。
【0129】
第1カム70および第2カム80は、絶縁材料により形成される。
各スイッチの開極中において、各スイッチの導体は、中性点に対して絶縁される。また、各限流抵抗器に対してそれぞれ抵抗スイッチが設定される。これにより、抵抗スイッチ導体を介した両タップ端子間での無負荷短絡が防止される。抵抗スイッチギャップへの異物混入などの一過性不具合により、抵抗スイッチの開極時に抵抗スイッチ導体と抵抗スイッチ端子との間にアーク(続弧)が発生した場合でも、両タップ端子間での無負荷短絡が防止される。したがって、切換開閉器10の信頼性が向上する。
【0130】
切換開閉器10は、第1接続レバー140と、第2接続レバー150と、を有する。第1接続レバー140は、第1通電スイッチSM1および第1バルブスイッチSV1が開極された状態で、第1可動部40を中性点端子18に接続する。第2接続レバー150は、第1抵抗スイッチSR1が開極された状態で、第2可動部50を中性点端子18に接続する。
各スイッチは、開極された状態で中性点電位になるので、電位的な不安定が抑制される。
【0131】
負荷時タップ切換器1は、前述された切換開閉器10と、タップ選択器2と、を有する。
前述された切換開閉器10は、限流抵抗器の発熱を抑制することができる。したがって、負荷時タップ切換器1の信頼性が向上し、コストが抑制される。
【0132】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、バルブVに対して並列に接続される第1限流抵抗器R1と、バルブVに対して並列に接続される第2限流抵抗器R2と、を持つ。これにより、限流抵抗器の発熱を抑制することができる。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0134】
R1…第1限流抵抗器、R2…第2限流抵抗器、S1…第1スイッチ組立、S2…第2スイッチ組立、SM1…第1通電スイッチ、SM2…第2通電スイッチ、SR1…第1抵抗スイッチ、SR2…第2抵抗スイッチ、SV1…第1バルブスイッチ、SV2…第2バルブスイッチ、T1…第1タップ端子、T2…第2タップ端子、V…バルブ、1…負荷時タップ切換器、2…タップ選択器、10…切換開閉器、15…蓄勢機構、18…中性点端子(中性点)、21…ユニットベース、22…バルブ開閉機構、30…固定部、32…共通端子、35M…通電スイッチ端子、35R…抵抗スイッチ端子、35V…バルブスイッチ端子、40…第1可動部(可動部)、42…平行リンク、45M…通電スイッチ導体、45V…バルブスイッチ導体、46M…通電スイッチバネ、46V…バルブスイッチバネ、50…第2可動部(可動部)、52…平行リンク、55R…抵抗スイッチ導体、56R…抵抗スイッチバネ、65…バルブカム、70…第1カム、80…第2カム、90…第2カム回転制御機構、140…第1接続レバー、150…第2接続レバー。