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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】篩別装置
(51)【国際特許分類】
   B07B 1/30 20060101AFI20220808BHJP
   B07B 1/46 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
B07B1/30
B07B1/46 E
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021551923
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2020058979
(87)【国際公開番号】W WO2020201220
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】19166047.1
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594019116
【氏名又は名称】ビンダー・プルス・コンパニー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Binder + Co AG
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】アイクセルベルガー、ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ティミシュル、ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】アニバス、フランツ
(72)【発明者】
【氏名】ウルル、クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】デリバシッチ、エルミン
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04430211(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0126398(US,A1)
【文献】特開昭59-069180(JP,A)
【文献】米国特許第03647068(US,A)
【文献】米国特許第05037535(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の横梁(2)を含む第1の振動体(S1)と、
第2の横梁(3)を含む第2の振動体(S2)とを備えた篩別装置であって、
第1の横梁(2)及び第2の横梁(3)が交互に入れ替わるように、篩面(4)に対して横手方向に配置されており、それぞれ張り装置を有し、
前記張り装置を介して前記篩面(4)を形成する篩布(4a)が、第1の横梁(2)と第2の横梁(3)との間ごとに張られ得るか又は張られており、前記篩布(4a)を交互に圧縮し、伸張させるために、第1の振動体(S1)及び第2の振動体(S2)が相対的な振動状態に移行可能であり、
前記第1の振動体(S1)が、前記第1の横梁(2)が配置されている第1の駆動棒の組(7a、7b)を含み、
前記第2の振動体(S2)が、前記第2の横梁(3)が配置されている第2の駆動棒の組(8a、8b)を含み、
前記2つの振動体(S1、S2)を収容する静止した支持体(1)が設けられており、 第1及び第2の振動体(S1、S2)が、前記静止した支持体(1)に対する振動状態に移され得るものであり、
前記第1の駆動棒の組(7a、7b)及び前記第2の駆動棒の組(8a、8b)が、それぞれ剪断弾性要素(10a)を介して前記支持体(1)に連結されており、剪断弾性要素(10b)を介して互いに対して連結されており、前記剪断弾性要素(10a、10b)がそれぞれ、連結軸(11)における振動を可能にし、各々の剪断弾性要素(10a、10b)の前記連結軸(11)が、前記駆動棒(7a、7b、8a、8b)に対してほぼ平行に通っていることを特徴とする篩別装置。
【請求項2】
前記第1の振動体(S1)及び前記第2の振動体(S2)が同じ質量で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の篩別装置。
【請求項3】
前記第1の駆動棒の組(7a、7b)と前記第2の駆動棒の組(8a、8b)の両方を駆動する偏心駆動機(6c)が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の篩別装置。
【請求項4】
前記偏心駆動機(6c)が、前記第1の駆動棒の組(7a、7b)又は前記第2の駆動棒の組(8a、8b)に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の篩別装置。
【請求項5】
前記偏心駆動機(6c)を装備していないその振動体が、前記偏心駆動機(6)を装備する前記振動体の過剰な重量を補償するための相殺質量を有することを特徴とする、請求項4に記載の篩別装置。
【請求項6】
前記偏心駆動機(6c)を装備していない前記振動体が、剪断弾性要素10cと結合された連接棒(6d)を介して前記偏心駆動機(6c)と結合されていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の篩別装置。
【請求項7】
材料を供給及び/若しくは排出する装置構成部品(14a、b、c)又はこれらの装置構成部品を固定する手段(15a、b、c)又は封塵性の装置構成部品が、前記静止した支持体(1)に固定又は配置されていることを特徴とする、請求項1~6のうちの1項に記載の篩別装置。
【請求項8】
第1及び第2の振動(S1、S2)が、上下に並んで配置される横梁(2、2a、3、3a)の組(G1、G2)を有し、上下に重なるように配置される複数の篩面(4)を形成するために、篩布(4a)が、前記第1の振動(S1)の組(G1)からの前記横梁(2、2a)と、前記第2の振動(S2)の前記組に隣接する組(G2)からの前記横梁に割り当てられる横梁(3、3a)とに、及びそれらの横梁の間に張られていることを特徴とする、請求項1~7のうちの1項に記載の篩別装置。
【請求項9】
各々の組(G1、G2)の前記横梁(2、2a、3、3a)が、支持体側板(1a)に対してほぼ平行に走向するように配置されている組付板(16a、16b、17a、17b)に固定されていることを特徴する、請求項8に記載の篩別装置。
【請求項10】
第3の横梁(18)を含む第3の振動体(S3)と
第4の横梁(19)を含む第4の振動体(S4)とが設けられており、
第3の横梁(18)と第4の横梁(19)との間ごとに、それぞれ少なくとも1つの別の篩布(4b)が張られ得るものであり、前記別の篩布(4b)を交互に圧縮し、伸張させるために、第3の振動体(S3)及び第4の振動体(S4)が相対的な振動状態に移行可能であり、
前記第3の振動体(S3)が、前記第3の横梁(18)が配置されている第3の駆動棒の組(20a、b)を含み、
前記第4の振動体(S4)が、前記第4の横梁(19)が配置されている第4の駆動棒の組(21a、b)を含み、
前記第1の駆動棒の組(7a、7b)及び前記第3の駆動棒の組(20a、20b)並びに前記第2の駆動棒の組(8a、8b)及び前記第4の駆動棒の組(21a、21b)が、互いに対して弾性的に及び/又は弾力的に結合されていることを特徴とする、請求項1~9のうちの1項に記載の篩別装置。
【請求項11】
前記第1の駆動棒の組の駆動棒(7a、7b)及び前記第の駆動棒の組の駆動棒(20a、20b)がそれぞれ、互いに対して一直線に並んで配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の篩別装置。
【請求項12】
前記第2の駆動棒の組の駆動棒(8a、8b)及び前記第4の駆動棒の組の駆動棒(21a、21b)がそれぞれ、互いに対して一直線に並んで配置されていることを特徴とする、請求項10又は11に記載の篩別装置。
【請求項13】
前記第3の駆動棒の組(20a、20b)が、剪断弾性要素(10b)を介して前記第4の駆動棒の組(21a、21b)と互いに対して連結されていることを特徴とする、請求項10~12のうちの1項に記載の篩別装置。
【請求項14】
前記第3の駆動棒の組(20a、20b)及び/又は前記第4の駆動棒の組(21a、21b)が、剪断弾性要素(10a)を介して前記支持体(1)に連結されていることを特徴とする、請求項10~13のうちの1項に記載の篩別装置。
【請求項15】
前記第1の駆動棒の組(7a、7b)と前記第3の駆動棒の組(20a、20b)との間の及び/又は前記第2の駆動棒の組(8a、8b)と前記第4の駆動棒の組(21a、21b)との間の前記弾性的及び/又は弾力的結合がそれぞれ、引張圧縮ばね(23a、b)を用いて行われることを特徴とする、請求項10~14のうちの1項に記載の篩別装置。
【請求項16】
前記第1の駆動棒の組(7a、7b)と前記第3の駆動棒の組(20a、20b)との間の及び/又は前記第2の駆動棒の組(8a、8b)と前記第4の駆動棒の組(21a、21b)との間の前記弾性的及び/又は弾力的結合がそれぞれ、剪断弾性結合要素(22a、22b)を用いて行われることを特徴とする、請求項11~14のうちの1項に記載の篩別装置。
【請求項17】
複数の支持体(1)が、互いに対して重ねて配置されていることを特徴とする、請求項1~16のうちの1項に記載の篩別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の横梁を含む第1の振動体と第2の横梁を含む第2の振動体とを有する篩別装置に関する。第1の横梁及び第2の横梁は交互に入れ替わるように、好ましくは篩面に対して横手方向に配置されており、それぞれ張り装置を有する。それらの張り装置を介して篩面を形成する篩布が、第1の横梁と第2の横梁との間ごとに張られ得るか又は張られており、篩布を交互に圧縮し、伸張させるために、第1の篩別体及び第2の篩別体が相対的な振動状態に移され得る。第1の振動体は、第1の横梁が配置されている第1の駆動棒の組を含み、第2の振動体は、第2の横梁が配置されている第2の駆動棒の組を含む。
【背景技術】
【0002】
そのような篩別装置は、交互に圧縮され、伸張される柔軟な篩布を使用することを特徴とし、強固な篩布を備えた通常の篩別装置が塞がり、詰まる全ての場所で使用される。
【0003】
篩布を伸縮させるために、複数の篩布により形成される篩面の各々の篩布は、一般に篩面に対して横手に走向する2つの横梁の間に張られている。その際、これらの2つの横梁のうちの一方は第1の振動体の構成部品であり、他方の横梁は第2の振動体の構成部品である。2つの振動体は相対的に、互いに対して異なる位相で振動する。それにより篩布の伸縮が生じる。
【0004】
2つの振動体の横梁を振動状態に移すために、これらの横梁は、結合部品を介して、それぞれ互いに対してそれらの末端で結合されている。すなわち第1の振動体の第1の横梁の一方の末端及び第1の横梁の他方の末端は、それぞれ互いに対して結合されている。さらに第2の振動体の第2の横梁の一方の末端及び第2の横梁の他方の末端は、それぞれ互いに対して結合されている。結合部品は一般に篩箱の篩側板である。その際、一方の篩箱は、機械基礎の上に弾力的に、従って振動するように据え置かれているのに対し、他方の篩箱は、機械基礎に据え置かれた篩箱の上に弾力的に又は弾性的に支えられている。
【0005】
駆動機、一般に不均衡駆動機は、篩箱のうちの一方を、それと共に振動体を振動状態に移し、それにより他方の篩箱が振動する。一方の篩箱の他方の篩箱への弾力的又は弾性的な据え置きは、2つの篩箱(振動体)が異なる位相で、互いに対して反対方向に振動するように調整されている。
【0006】
そのような篩別装置は、例えば独国特許第1206372号明細書から知られている。この篩別装置は、篩箱の形の2つの振動体から構成されている。各々の振動体はそれぞれ、篩箱と篩箱の2つの篩側板を強固に結合する横梁とを含む。第2の振動体の第2の横梁に対する第1の振動体の第1の横梁の相対運動を可能にするために、一方の振動体は、他方の振動体に弾力的に据え置かれており、駆動機を用いて振動状態に移される。2つの振動体は共に土台の上に弾力的に設置されている。
【0007】
独国特許第2425953号明細書から周知の篩別装置は類似の構造を有する。またそこでは、横梁を有する相対的に移動可能な篩箱が共に、ばね要素を介して機械基礎の上に直接据え置かれている。
【0008】
オーストリア国特許第379088号明細書からさらに、振動体のうちの一方の横梁を、いわゆる駆動棒を介して互いに対して結合させることが知られている。これらの駆動棒は、他方の振動体の篩箱の篩側板に弾性的に据え置かれており、これらの篩側板に対して逆方向に、篩面の方向に異なる位相で振動し得る。篩箱は駆動器を介して振動を加えられ、システム全体は、ばねを介して振動するように機械基礎の上に据え置かれている。
【0009】
これらの周知の篩別装置の場合、振動する大きな質量が問題になる。それらの質量は、1つ又は2つの振動体が原理的に完全な篩箱から構成されており、その篩側板が強固な横梁を用いて互いに対して結合されていることにより生じる。篩別マットを伸縮させるのに必要な横梁の振動を生じさせるために、従って篩箱のうちの少なくとも1つが振動状態に移され得る。篩箱の質量が大きい(30tまで)ために、従って対応して駆動のために高いエネルギー支出が必要である。さらに篩箱を振動させることにより機械基礎に導入される力は極めて高いので、この機械基礎の寸法は、対応して大きく定められるべきである。機械基礎に導入される振動が他の機械又は建物部分に伝達されるという危険もそれと関連している。
【0010】
静止した支持体が設けられており、その支持体に2つの振動体が支持体に対して移動可能に、振動状態に移行可能に配置されている、この欠点を回避する篩別装置が知られている。そのような篩別装置は例えば米国特許第4430211号明細書に開示されている。
【0011】
しかしながら、一方では静止した支持体への連結、他方では振動システム相互連結は極めて費用がかかり、多数の部品を必要とし、従ってそのうえ整備の手間がかかることが、この篩別装置の欠点である。
【0012】
さらに、静止した支持体への2つの振動システムの周知の連結は、主に支承手段の負担を軽くするように設計されているが、同時に篩別物を搬送する際に篩別を補助するようには設計されてない。これはとりわけ結果として、篩面の大きな傾きが必要であり、さらに40°の振動角度のもとでは2つの振動システムの振動により、篩面を横側で有効に密閉することができなくなり、それによりさらに篩別損失が高くなる。
【0013】
根本にある別の問題は、篩面の装入領域では一般に、放出領域内の層厚よりも大きな層厚が与えられていることである。この理由から、多くの場合、特に装入領域で対応する材料の搬送を確保することが極めて必要とされ、それは一般に、大きな振動を伴うさらに大きな篩の動きにより得られる。特に伸縮シャフト型篩別機、つまり支持体が静止しておらず、場合により振動が加えられ、従って機械基礎の上に弾力的に据え置かれている篩別機の場合、これらのさらに大きな振動幅を比較的容易な方法で起こすことができる。静止した支持体を有する篩別機では、機械の傾き又は篩面の傾きを増すことにより対応する搬送能力を得なければならないが、それにより、材料の流れが微物の篩別により既に著しく低減した篩別機の末端において、材料の輸送があまりにも速くなり、個別の粒子の飛び跳ねが高くなる。それにより微粉製品への微物の産出が減少する。駆動棒の振動幅を削減することで、それを食い止めることができるだろうが、それにより再び、装入領域内の材料搬送の低下を招き、従って篩別機が過剰に満たされることになる。従来技術から、駆動棒を、放出領域に対してその傾きがより小さくなるように湾曲して作製することが知られている。もっとも、そのような実施形態は、静止した支持体を有する篩別機の場合、組立費用がかかり、費用高である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】独国特許第1206372号明細書
【文献】独国特許第2425953号明細書
【文献】オーストリア国特許第379088号明細書
【文献】米国特許第4430211号明細書
【発明の概要】
【0015】
従って本発明の課題は、これらの欠点を回避し、一方では機械基礎への負荷は可能な限り小さくなり、しかし他方では篩別中の篩別物の搬送は、全体的に簡易な構造で最適化されるような篩別装置を提供することである。
【0016】
同時に、良好な側面の密閉が、側面で高く引き上げられた篩別マットにより実現可能になっている。
【0017】
本発明の別の課題は、装入領域では対応して十分な材料搬送を可能にし、放出領域では対応して低減した材料搬送を可能にし、組み立ての容易である、上述の種類の静止した支持体を有する篩別装置を提供することである。
【0018】
本発明によれば、冒頭に述べた篩別装置でのこの課題は、第1の駆動棒の組及び第2の駆動棒の組が、それぞれ剪断弾性要素を介して支持体に連結されており、剪断弾性要素を介して互いに対して連結されており、それらの剪断弾性要素がそれぞれ、連結軸における振動を可能にすることにより解決される。
【0019】
剪断弾性要素、例えば剪断ゴムを介して一方の駆動棒の組の各々の駆動棒を他方の駆動棒の組の駆動棒と連結し、同時に、剪断弾性要素、例えば剪断ゴムを介して一方の駆動棒の組の各々の駆動棒を支持体に連結することにより、同時に篩別物を良好に搬送しつつ、篩別装置の特に簡易な構造を得ることができる。さらに剪断弾性要素を使用することにより生じる連結軸により、発生する振動方向に応じて支持フレーム、例えば設置脚の寸法を相応に定めることができる。
【0020】
2つの振動体が装入物の搬送方向で専ら直線状の反対方向に振動運動することにより、さらに高く引き上げられた篩別マットにより最適な側面の密閉を実現することができる。
【0021】
好ましくは、各々の剪断弾性要素の連結軸は駆動棒に対してほぼ平行に通っており、篩別物の搬送を、同様に駆動棒に対してほぼ平行に通っている篩面の走向に最適に整合させる。しかし、組み込み状態において駆動棒に対して平行に通っていない連結軸が生じるように剪断弾性要素を作製することも考えられ得る。このようにして篩別物の搬送速度は、それに応じて落とされる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態に従って2つの振動体が同じ質量で形成されている場合、特に安定した振動比を得る。特に2つの振動体を駆動する駆動モータのみが設けられている場合、2つの振動体の質量同等性は位相のずれた正確な振動を可能にし、その振動は、支持体に動的負荷が導入されないことに貢献する。本事例における質量同等性は、2つの振動体の質量間の最大差が7%、特に好ましくは最大差が5%と解釈されなければならないことに留意するべきである。
【0023】
本発明の別の好ましい実施形態では、2つの振動体を各々の駆動棒の組を介して駆動させる偏心駆動機が設けられている。このために、2つの駆動棒の組は、偏心ブッシュと連接棒とを備えた駆動軸を介して互いに対して結合されている。それにより、静止した支持体への、従って機械基礎又は機械室の支持台への動的負荷の導入を回避するための前提条件が作り出される。
【0024】
本発明の好ましい別の実施形態によれば、偏心駆動機が第1又は第2の駆動棒の組に配置されているように設定されており、それにより特に小型構造の篩別装置が得られる。
【0025】
この場合、機械基礎又は機械室の支持台に導入される動的負荷を回避するために、本発明の好ましい別の実施形態によれば、偏心駆動機を装備していないその振動体が、偏心駆動機を装備する振動体の過剰な重量を補償するための相殺質量を有するように設定されている。
【0026】
本発明の好ましい別の実施形態によれば、材料を供給及び/若しくは排出する装置構成部品、又はこれらの装置構成部品を固定する手段、又は封塵性の装置構成部品が、静止した支持体に固定されているように設定されている。その際、支持体が静止して移動せず、従ってこれらの装置構成部品が、支持体に直接、隙間なく直に、従って封塵式に固定され得ることを、特に利用することができる。そのような装置構成部品を固定する手段を支持体に取り付けることにより、その際、これらの手段は支持体と一体的に作製されており、後段でのそのような装置構成部品の設置場所への取り付けが、容易になり得る若しくは加速され得る。
【0027】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、第1の振動システム及び第2の振動システムがそれぞれ、上下に並んで配置される横梁の組を有しており、上下に並んで走向する複数の篩面を形成するために、篩布が、第1の振動システムの組の横梁と第2の振動システムのこの組に隣接する組のこれらの横梁に割り当てられる横梁とに、及びそれらの横梁の間に張られているように設定されてもよい。その際、その張りは、篩布が、一方の振動システムの組の最上位の横梁にも他方の振動システムのそれに隣接する組の最上位の横梁にも張られており、追加の篩布が、2つの組のこれらの最上位の横梁の下に配置される追加の横梁に、及びそれらの横梁の間に張られている等々のように行われる。このようにして、複数の篩面を上下に並ぶように形成することができる。その際、表示「下方に」は、その表示が、篩別装置の作業位置に関連する、鉛直方向でその下にある配置を意味するように解釈されるべきではなく、最上位の横梁に対してより低い高さに配置される位置と解釈されるべきである。
【0028】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、その際、各々の組の横梁が、支持体側板に対してほぼ平行に走向するように配置されている組付板に固定されているように設定されてもよい。その際、各々の組の横梁の組付板はそれぞれ、篩面の両側にある、好ましくは篩面の同じ側に配置された支持体側板の直ぐ近くにある。その際、本事例で用語「支持体側板」は広く解釈されるべきである。つまり、支持体側板が平らに形成されていることが必須とみなされるべきではなく、この支持体側板は、フレーム又はフレーム形材の形態に形成されてもよく、従って通常の意味での平らな形を有していなくてもよい。この組の横梁の固定は、組付板の内側で、つまりその篩面に向き合う側で行われる。組付板の外側には固定ロッドがあり、その固定ロッドは、同じ振動システムの駆動棒と結合されている。その結合は、支持体側板が平らな形の場合、この支持体側板内の開口を通じて行われる。
【0029】
本発明の好ましい別の実施形態によれば、第3の横梁を含む第3の振動体及び第4の横梁を含む第4の振動体が設けられている。その際、それぞれ少なくとも1つの別の篩布が、第3の横梁と第4の横梁との間に張られ得るか又は張られており、別の篩布を交互に圧縮し、伸張させるために、第3の振動体及び第4の振動体は相対的な振動状態に移され得る。その際、第3の振動体は、第3の横梁が配置されている第3の駆動棒の組を含み、第4の振動体は、第4の横梁が配置されている第4の駆動棒の組を含み、第1の駆動棒の組及び第3の駆動棒の組、並びに第2の駆動棒の組及び第4の駆動棒の組は、互いに対して弾性的に及び/又は弾力的に結合されている。
【0030】
2つの追加の振動システムを設け、これら2つの追加の振動システムを2つの他の振動システムに弾性的に又は弾力的に連結することにより、異なる材料搬送能力の部分を有する篩面を静止した支持体内に得ることができ、従って、異なる篩の動き(振動幅)が装入領域内で及び篩別機末端で必要であることが考慮され得る。第1の振動システムを第3の振動システムと、第2の振動システムを第4の振動システムと弾性的に又は弾力的に結合させるように対応して設計することにより、又は第3及び第4の振動システムの質量を対応して選択することにより、第3及び第4の振動システムの駆動棒の振動幅を、第1の振動システム及び第2の振動システムの振動幅とは異なるように調節することができる。好ましくは、放出側の駆動棒の振動幅は、装入側の駆動棒の振動幅よりも小さく調節されている。ここで、原理上、追加の振動システムが静止した支持体内に設けられてもよく、第3及び第4の振動システムが第1及び第2の振動システムに接続されているように、それらの追加の振動システムが第3及び第4の振動システムに接続されていることを述べなければならない。
【0031】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、第1の駆動棒の組の駆動棒及び第2の駆動棒の組の駆動棒がそれぞれ、互いに対して一直線に並んで配置されている及び/又は第2の駆動棒の組の駆動棒及び第4の駆動棒の組の駆動棒がそれぞれ、互いに対して一直線に並んで配置されているように設定されてもよい。それにより、特に小型構造の篩別装置が可能になり、対応して一様に走向する、個別の篩布により形成される篩面が形成される。
【0032】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、第3の駆動棒の組が、剪断弾性要素を介して第4の駆動棒の組と互いに対して連結されている、並びに/又は第3及び/若しくは第4の駆動棒の組がそれぞれ剪断弾性要素を介して支持体に連結されている。剪断弾性要素を使用することの利点については、既に上で指摘された。
【0033】
第1の駆動棒の組と第3の駆動棒の組との間の及び/又は第2の駆動棒の組と第4の駆動棒の組との間の弾性的及び/又は弾力的結合は、第3及び第4の振動システムの挙動への要求に応じて、例えばそれぞれ引張圧縮ばねを用いて又は剪断弾性要素を用いて行われ得る。
【0034】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、静止した複数の支持体は、前に記載されているように、互いに対して重ねて配置されている。
【0035】
本発明は、図面に示されているような限定されることない実施例に基づいて、より詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明による篩別装置の概略側面図である。
図2】本発明による篩別装置の概略断面図である。
図3】本発明による篩別装置の概略上面図である。
図4】振動駆動機の詳細図である。
図5a】振動挙動を具体的に示すための概略図である。
図5b】振動挙動を具体的に示すための概略図である。
図5c】振動挙動を具体的に示すための概略図である。
図6】上下に重ねて据え置かれた篩別装置の概略図である。
図7】本発明による篩別装置の第1の代わりの実施形態の概略側面図である。
図8】第1の代わりの実施形態の概略断面図である。
図9】本発明による篩別装置の第2の代わりの実施形態の概略側面図である。
図10】本発明による篩別装置の第3の代わりの実施形態の概略側面図である。
図11】本発明による篩別装置の第4の代わりの実施形態の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1図3は、第1の振動体S1と第2の振動体S2とを備えた本発明による篩別装置の概略図を示す。第1の振動体S1の構成部品は第1の横梁2である。第2の振動体の構成部品は第2の横梁3である。篩面4は水平面に対して傾くように走向しており、その際、篩別物用の装入領域は、図1において左側にあるが、特に特徴を表すものではない。
【0038】
篩面4は、一定数の篩布4aにより形成される。各々の篩布4aは、第1の横梁2と第2の横梁3との間に張られている。これについて、篩面4の第1及び最後の篩布4aは、異なるように固定されてもよく、すなわち、必ずしも第1の横梁2と第2の横梁3との間に張られている必要はない。篩別物の装入は、例えば第1の篩布4a、図1では最も左側の篩布の上で行われ得る。
【0039】
第1及び第2の横梁2、3の末端領域はそれぞれ、駆動棒7a、7b又は8a、8bを介して互いに対して結合されている。図1では駆動棒7a、8aのみが見える。駆動棒7b、8bは、この図の後ろの機械側にある。概略的な前面図の図2では、全ての4つの駆動棒7a、7b、8a、8bが見え得る。従って当業者にとって、第1の振動体S1が、第1の横梁2と共に駆動棒の組7a、7bも含み、第2の振動体S2が、第2の横梁3と共に駆動棒の組8a、8bも含むことは明らかなことである。
【0040】
駆動棒7a、7b、8a、8bは例えば、好ましくは鋼鉄製のI、H又はU断面梁であり得る。
【0041】
支持体1は、2つの振動体S1及びS2を収容するのに用いられる。これらの振動体は支持体1に移動可能に据え置かれているので、この支持体に対して振動し得る。支持体1は、搬送フレームとして作製されてもよく、従って任意の設置場所に個別に整合され得る。つまり、支持体1を、例えば機械基礎5又は機械室の床面の形態での水平な設置面の上に設置する従来の形態が可能であるばかりではなく、水平面に対して傾いて走向する地面の上でも可能である。さらに、支持体1を振動体S1、S2の横側で、例えば組積構造体に固定することもできるので、振動体S1、S2は、床面又は受止め容器の上方で外見上浮いて支えられている。
【0042】
図1図3には従来の設置形態、つまり機械基礎5又は機械室の床面の上での設置形態が示されている。支持体1自体は篩箱として作製されており、篩面4の傾きを調節する手段である支持体側壁1a、補強材24、設置脚1bを備えている。代わりに、支持体側板1aを傾いた土台の上にも固定することができ、設置脚を必要としない。
【0043】
支持体側板1aの代わりにフレーム又はフレーム形材が設けられてもよいことに留意するべきである。支持体側板1aの平らな形は必ずしも必要ではない。
【0044】
支持体1は、図1による実施形態では、それ自体振動することなく、機械基礎5に静止して留まっている。静止した支持体1は、この支持体を振動状態に移すためにエネルギーを費やす必要がないという利点を提供する。本発明による篩別装置を動作させるために必要な駆動エネルギーは、地面上に弾力的に据え置かれる通常の伸縮シャフト型篩別装置に対して約3/4だけ削減され得る。機械重量はより軽く、機械基礎への動的な力の導入は削減されている、又はその導入は、以下により詳細に記述されるように対応した質量の相殺で完全に省かれる。
【0045】
駆動棒の組7a、7b、8a、8bを支持体1に据え置く又は連結させることは、実際には多くの場合、簡潔に剪断ゴムと呼ばれる剪断弾性要素10aを介して行われる。これらの剪断弾性要素により、連結軸11の方向の振動が可能になる。これに対して、それとは異なる方向では振動が生じないが、少なくとも、振動体S1、S2の振動挙動全体を考慮すれば無視できるような僅かな振動のみである。連結軸11は、好ましくは駆動棒7a、7b、8a、8bの長手軸に対してほぼ平行に通っている。しかし基本的に、剪断弾性要素10aを対応して作製することにより、駆動棒7a、7b、8a、8bに対して平行に走向しない連結軸を可能にすることも考えられ得る。
【0046】
駆動棒7a、7b、8a、8bは、その際、一方では支持体1の架台9上に支えられるが、他方では剪断弾性要素10bを介して上下に並べて支えられる。
【0047】
そのように望む場合、図1でよく認識され得るように、駆動棒の組7a、7b、8a、8bは、架台9の間に振動するように挟まれる。その際、架台9と駆動棒7a、7b、8a、8bとの間には剪断弾性要素10aが設けられており、上の駆動棒の組7a、7bと下の駆動棒の組8a、8bとの間には同様に剪断弾性要素10bが設けられている。
【0048】
振動の励起は、偏心駆動機として形成されている駆動機6cを備えた駆動ユニット6を介して行われる。図1による実施例では、駆動機6cは振動体S2に、具体的には駆動棒の組8a、8bに配置されている。別の振動体S1は、剪断弾性要素10cを使用することで駆動機6cに弾力的に連結されている。駆動ユニット6のモータ6aは、静止した支持体1に配置されており、Vベルト又はドライブシャフトを介して偏心駆動機6cと連結されている。
【0049】
材料を供給する若しくは排出する装置構成部品14a、b、c又はそのような装置構成部品を固定するための手段15a、b、cが破線で示されている。これらの手段15a、b、cは、例えば支持体1に取り付けられたフランジであり得る。それらのフランジを介して装置構成部品14a、b、cは、支持体1と所定の位置で固定結合され得るので、支持体1及び装置構成部品は、共通の篩別システムを形成する。
【0050】
装置構成部品14a、b、cは、例えば材料又は篩別物を供給又は排出するのに用いられ得る。図1の装置構成部品14aは、例えば装入シュートであり、その装入シュートを介して篩別されるべき材料を篩面4上に誘導することができる。装置構成部品14bは排出シュートであり、その排出シュートを介して篩別されない材料は篩別装置の方へ再び搬送される。装置構成部品14cは、支持体側板1aを有する支持体1を対応して傾けて設置し、同時に篩別された材料を排出するのに用いられる。
【0051】
図4は、好ましくは周波数変換器を介して回転数を制御可能な、ベルト6bを介して偏心軸6cを駆動するモータ6aを含む図1からの駆動ユニット6の詳細図を示す。振動体S1の接続は、その駆動棒の組7a、7b及び連接棒6dを介して行われる。本実施例では、層状に接着された木製板ばねが連接棒6dとして機能し、その板ばねは十分に撓み、その板ばねを介して駆動棒7a、7bは矢印13の方向に往復移動する。しかし基本的に、必要な撓み性を有する他の材料から成る連接棒の使用も考えられ得る。ここでは純粋に例示として、薄壁の鋼ばねとして連接棒6dを形成する可能性を指摘する。またガラス繊維強化プラスチック(GFK)材料も、木製板ばねと同じ特性を有するGFK板ばねを作製するのに適しており、従って具体的な使用例では、連接棒6dとして使用され得る。
【0052】
振動体S1の駆動棒の組7a、7bへの連接棒6dの接続は、駆動棒の組7a、7bの断面に固定された剪断ゴム要素10cを連接棒6dとねじ留めすることにより、直接又は中間板(図示されず)を介して行われる。
【0053】
駆動棒の組8a、8bの接続は、偏心駆動機6cに直接、例えば個別の構成部品をねじ留めすることにより行われる。
【0054】
剪断弾性要素10a、10b、10cを使用することにより、振動体S1、S2の専ら直線状の振動が確保されている。これにより、特に図2でわかるような側面で高く引き上げられた篩別マット4aを使用することができる。
【0055】
図5a~5cは、図1図4に示されるような駆動機6を使用する際の駆動棒の組7a、7b、8a、8bの運動、従って振動体S1、S2の振動挙動を概略的に示す。篩別装置はその際、調節可能な動作周波数の共鳴領域内で動作する。
【0056】
図5aは、静止位置の2つの振動体S1、S2を示す。その際、第1の横梁2と第2の横梁3の間に張られた篩布4aは軽く弛んでいる。振動体S2に配置される偏心駆動機6cにより、一方では連接棒6dを介して駆動軸の組7a、7b、従って振動体S1が振動状態に移される。同時に、弾性的に据え置かれた振動体S2の振動も生じる。
【0057】
図5bは、偏心軸6cの偏心度「e」のために図5aの静止位置に対して振動振幅「a」だけ最大限偏った状態の駆動棒8a、8bを示す。2つの振動体S1、S2の質量が相互に調整された理想的な事例では、駆動棒7a、7bが反対方向に同じ振幅「a」だけ偏っている。図5bの左の篩布4aで始めて、それらの篩布は、駆動棒の組7a、7b、8a、8bの運動のために、それらの運動とともに第1及び第2の横梁2、3の対応する運動も生じるために交互に圧縮され、伸張されて、それにより、それらの篩布は、篩別の難しい篩別物の場合に篩の開口を塞ぐ嵌り込み粒子を良く吐き出すことができる。
【0058】
2つの振動体S1、S2の質量の相互の調整は、篩別装置の動作に対して大きな影響を及ぼす。2つの振動体S1、S2間の質量が同じである場合のみ、2つの振動体S1、S2が反対方向に異なる位相で振動する際に力が無効にされ、結果として動的負荷が支持体1に導入されない。それにより、対応してこの支持体の寸法をより小さな質量で定めることができる。完全な質量同等性のために、振動体S2の偏心駆動機6により振動体S1に生じる余剰重量は、相殺重量(図示されず)により補償される。これに関しては明らかに、用語「質量同等性」を理解するための前の詳述を参照するように指示する。
【0059】
篩布4aを伸縮させて篩面4を傾けることにより、篩別物は、図示される異なる実施形態において篩別中に左から右へ搬送される。動作状態では、篩面4が水平面に対して角度αだけ傾いている。角度αは、おおよそ5°~25°、好ましくは10°~25°、特に好ましくは15°~20°にある。この場合、第1及び第2の横梁2、3での篩布4aの張り位置の間の直線状の結合が篩面4とみなされる。なぜなら篩布4aにより形成される実際の篩面4は、真っ直ぐな面を連続的に形成しないからである。
【0060】
図6は、本発明による2つの篩別装置が上下に重ねて配置されている実施形態を示す。一方の篩別装置の静止した支持体が、別の篩別装置の静止した支持体の上に据え置かれている。2つの支持体を互いに対して結合させ、固定する手段は示されていない。振動体の寸法を対応して定める場合、動的負荷が機械基礎へ導入されないために、振動体を併せ持つ3つ以上のそのような支持体を上下に重ねて配置することもでき、ここでは静止した支持体上への臨界的な力が高さ制限を事前に定めることはない。
【0061】
図7は、2つの篩面4が上下に並んで走向するように設けられており、さらに2つの駆動棒の組7a、7b、8a、8bのみを使用するので篩別装置の組立費用が著しくは高くならない、本発明による篩別装置の実施形態を示す。
【0062】
ここでは、示される実施例において2つの篩面4のみが形成されているが、基本的に3つ以上の篩面を上下に並べて形成することもできることを強調しなければならない。
【0063】
簡易な構造は、第1及び第2の振動システムS1、S2が、上下に並べて配置される横梁2、2a、3、3aの組G1、G2を有することを特徴とする。具体的には振動システムS1では、組付板16a、16bが篩面4又は篩布4aの両側に配置されている。組付板16a、16bには横梁の組G1が、具体的には第1の横梁2及び別の第1の横梁2aが上下に並べて組み付けられている。
【0064】
振動システムS2についても同じである。この振動システムでは同様に、篩面4又は篩布4aの両側に組付板17a、17bが配置されている。組付板17a、17bでは、横梁の組G2、具体的には第2の横梁3及び別の第2の横梁3aが上下に並べて組み付けられている。
【0065】
図8は、左側に組付板16aの概略的断面図を示し、右側に組付板17bの概略的断面図を示す。
【0066】
組G1及びG2は、交互に入れ替わるように篩面4に沿って振り分けて配置されているので、篩布4aは、振動システムS1の組G1の第1の横梁2にも、振動システムS2のそれに隣接する組G2の第2の横梁3にも張られている。
【0067】
本発明による篩別装置の図1図3に示される実施形態とは異なり、図7及び図8に示される実施形態では、追加の篩布4cが篩布4aの下方に張られている。その際、篩布4cは、組G1の別の第1の横梁2a及び組G2の別の第2の横梁3aに張られている。
【0068】
このようにして、複数の篩面4を上下に並べて形成することができる。
【0069】
組付板16a、16b又は17a、17bは、図示される実施例において支持体側板1aに対して平行に通っている。グループG1又はG2の横梁の固定は、組付板16a、16b又は17a、17bの内側で、つまりその篩面4に向き合う側で行われる。組付板16a、16b又は17a、17bの外側には固定ロッド25があり、その固定ロッドは、各々の組付板が割り当てられ得る同じ振動システムS1、S2の駆動棒と結合されている。組付板16a、16b又は17a、17bを、固定ロッド25を介して関連する駆動棒と結合させるために、支持体側板1aには開口が設けられている。
【0070】
図9は、2つの追加の振動システムS3及びS4が設けられている、本発明による篩別装置の実施形態を示す。それらの振動システムは、2つの振動システムS1及びS2と同一の方法で作製されており、また同じ方法で上下に並べて結合されているのと同じ方法で支持体1に連結されている。さらに、振動システムS3は振動システムS1にも連結されており、振動システムS4は、詳しく言えば弾力的及び/又は弾性的な要素を介して、好ましくは又はつまり引張圧縮ばね(23a、23b)を介して、振動システムS2に連結されている。
【0071】
図10は、図9に従うが、引張圧縮ばね(23a、23b)の代わりに剪断弾性結合要素22a、22b(10cに類似)を備えた篩別装置の実施形態を示す。図1に示される実施形態に対応して、振動システムS1及びS2は純粋に直線状に振動する。
【0072】
追加の振動システムS3、S4を配置することにより、総じて、異なる材料搬送能力を有する篩面4、26を形成することができる。それにより、装入領域において、篩別されるべき材料のその場で顕著な層厚のために、放出領域よりも高い材料搬送能力が必要であることに対応している。
【0073】
図4に示されるように、篩面4は、第1及び第2の振動システムS1、S2の篩布4aにより形成され、別の篩面26は、第3及び第4の振動システムS3、S4の他の篩布4bにより形成される。
【0074】
2つの篩面4及び26の結合は、篩布4dを介して行われる。
【0075】
第1の振動システムS1を第3の振動システムS3と、第2の振動システムS2を第4の振動システムS4と弾性的又は弾力的に結合させる22a、22b、23a、23bように対応して設計することにより、又は第3の振動システムS3及び第4の振動システムS4の質量を対応して選択することにより、第3の振動システムS3又は第4の振動システムS4の駆動棒の組20a、20b又は21a、21bの振動幅は、第1の振動システムS1及び第2の振動システムS2の振動幅と異なるように調節され得る。好ましくは、放出側の駆動棒の組20a、20b、21a、21bの振動幅は、装入側の駆動棒の組7a、7b、8a、8bの振動幅よりも小さく調節されている。ここで、原理上、第3及び第4の振動システムS3、S4が第1及び第2の振動システムS1、S2に接続されているように、第3及び第4の振動システムS3、S4に接続されている追加の振動システムが静止した支持体内に設けられてもよいことを述べなければならない。
【0076】
図11は、個別の篩板を形成する篩別装置が基本的に図1図3に示される篩別装置に対応しているが、描き込まれた角度α1及びα2で認識され得るように、α1>α2であるので、篩長が増加するにつれて篩面4の傾きが減少する点で異なる、異なる実施形態を示す。対応して、駆動棒の組7a、7b、8a、8bも湾曲した形を有する。当然、本発明による個別の篩別装置も、図1図3に示されるように、篩長が増加するにつれてその傾きが減少する、篩面4を有し得る。
【0077】
図6図11に示されるような、上下に重ねて配置される複数の静止した支持体を伴う実施形態が、図7図9に示される篩別装置の実施形態に対しても実施され得ることが自ずとわかる。
【0078】
さらに当業者にとって、剪断弾性要素10a、10b、10cの使用により、図6図7図8及び図10に示される実施形態も、振動体S1、S2又はS3、S4の専ら直線状の振動を享受しており、それにより側面で高く引き上げられた篩別マット4a又は4bを使用できることは明らかである。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 第1の横梁(2)を含む第1の振動体(S1)と、
第2の横梁(3)を含む第2の振動体(S2)とを備えた篩別装置であって、
第1の横梁(2)及び第2の横梁(3)が交互に入れ替わるように、好ましくは篩面(4)に対して横手方向に配置されており、それぞれ張り装置を有し、
前記張り装置を介して前記篩面(4)を形成する篩布(4a)が、第1の横梁(2)と第2の横梁(3)との間ごとに張られ得るか又は張られており、前記篩布(4a)を交互に圧縮し、伸張させるために、第1の振動体(S1)及び第2の振動体(S2)が相対的な振動状態に移行可能であり、
前記第1の振動体(S1)が、前記第1の横梁(2)が配置されている第1の駆動棒の組(7a、7b)を含み、
前記第2の振動体(S2)が、前記第2の横梁(3)が配置されている第2の駆動棒の組(8a、8b)を含み、
前記2つの振動体(S1、S2)を収容する静止した支持体(1)が設けられており、
第1及び第2の振動体(S1、S2)が、前記静止した支持体(1)に対する振動状態に移され得るものであり、
前記第1の駆動棒の組(7a、7b)及び前記第2の駆動棒の組(8a、8b)が、それぞれ剪断弾性要素(10a)を介して前記支持体(1)に連結されており、剪断弾性要素(10b)を介して互いに対して連結されており、前記剪断弾性要素(10a、10b)がそれぞれ、連結軸(11)における振動を可能にすることを特徴とする篩別装置。
[2] 各々の剪断弾性要素(10a、10b)の前記連結軸(11)が、前記駆動棒(7a、7b、8a、8b)に対してほぼ平行に通っていることを特徴とする、[1]に記載の篩別装置。
[3] 前記第1の振動体(S1)及び前記第2の振動体(S2)が同じ質量で形成されていることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の篩別装置。
[4] 前記第1の駆動棒の組(7a、7b)と前記第2の駆動棒の組(8a、8b)の両方を駆動する偏心駆動機(6c)が設けられていることを特徴とする、[1]~[3]のうちの1項に記載の篩別装置。
[5] 前記偏心駆動機(6c)が、前記第1の駆動棒の組(7a、7b)又は前記第2の駆動棒の組(8a、8b)に配置されていることを特徴とする、[4]に記載の篩別装置。
[6] 前記偏心駆動機(6c)を装備していないその振動体が、前記偏心駆動機(6)を装備する前記振動体の過剰な重量を補償するための相殺質量を有することを特徴とする、[5]に記載の篩別装置。
[7] 前記偏心駆動機(6c)を装備していない前記振動体が、剪断弾性要素10cと結合された連接棒(6d)を介して前記偏心駆動機(6c)と結合されていることを特徴とする、[5]又は[6]に記載の篩別装置。
[8] 材料を供給及び/若しくは排出する装置構成部品(14a、b、c)又はこれらの装置構成部品を固定する手段(15a、b、c)又は封塵性の装置構成部品が、前記静止した支持体(1)に固定又は配置されていることを特徴とする、[1]~[7]のうちの1項に記載の篩別装置。
[9] 第1及び第2の振動システム(S1、S2)が、上下に並んで配置される横梁(2、2a、3、3a)の組(G1、G2)を有し、上下に重なるように配置される複数の篩面(4)を形成するために、篩布(4a)が、前記第1の振動システム(S1)の組(G1)からの前記横梁(2、2a)と、前記第2の振動システム(S2)の前記組に隣接する組(G2)からの前記横梁に割り当てられる横梁(3、3a)とに、及びそれらの横梁の間に張られていることを特徴とする、[1]~[8]のうちの1項に記載の篩別装置。
[10] 各々の組(G1、G2)の前記横梁(2、2a、3、3a)が、支持体側板(1a)に対してほぼ平行に走向するように配置されている組付板(16a、16b、17a、17b)に固定されていることを特徴する、[9]に記載の篩別装置。
[11] 第3の横梁(18)を含む第3の振動体(S3)と
第4の横梁(19)を含む第4の振動体(S4)とが設けられており、
第3の横梁(18)と第4の横梁(19)との間ごとに、それぞれ少なくとも1つの別の篩布(4b)が張られ得るものであり、前記別の篩布(4b)を交互に圧縮し、伸張させるために、第3の振動体(S3)及び第4の振動体(S4)が相対的な振動状態に移行可能であり、
前記第3の振動体(S3)が、前記第3の横梁(18)が配置されている第3の駆動棒の組(20a、b)を含み、
前記第4の振動体(S4)が、前記第4の横梁(19)が配置されている第4の駆動棒の組(21a、b)を含み、
前記第1の駆動棒の組(7a、7b)及び前記第3の駆動棒の組(20a、20b)並びに前記第2の駆動棒の組(8a、8b)及び前記第4の駆動棒の組(21a、21b)が、互いに対して弾性的に及び/又は弾力的に結合されていることを特徴とする、[1]~[10]のうちの1項に記載の篩別装置。
[12] 前記第1の駆動棒の組の駆動棒(7a、7b)及び前記第2の駆動棒の組(8a、8b)の駆動棒がそれぞれ、互いに対して一直線に並んで配置されていることを特徴とする、[11]に記載の篩別装置。
[13] 前記第2の駆動棒の組の駆動棒(8a、8b)及び前記第4の駆動棒の組の駆動棒(21a、21b)がそれぞれ、互いに対して一直線に並んで配置されていることを特徴とする、[11]又は[12]に記載の篩別装置。
[14] 前記第3の駆動棒の組(20a、20b)が、剪断弾性要素(10b)を介して前記第4の駆動棒の組(21a、21b)と互いに対して連結されていることを特徴とする、[11]~[13]のうちの1項に記載の篩別装置。
[15] 前記第3の駆動棒の組(20a、20b)及び/又は前記第4の駆動棒の組(21a、21b)が、剪断弾性要素(10a)を介して前記支持体(1)に連結されていることを特徴とする、[11]~[14]のうちの1項に記載の篩別装置。
[16] 前記第1の駆動棒の組(7a、7b)と前記第3の駆動棒の組(20a、20b)との間の及び/又は前記第2の駆動棒の組(8a、8b)と前記第4の駆動棒の組(21a、21b)との間の前記弾性的及び/又は弾力的結合がそれぞれ、引張圧縮ばね(23a、b)を用いて行われることを特徴とする、[11]~[15]のうちの1項に記載の篩別装置。
[17] 前記第1の駆動棒の組(7a、7b)と前記第3の駆動棒の組(20a、20b)との間の及び/又は前記第2の駆動棒の組(8a、8b)と前記第4の駆動棒の組(21a、21b)との間の前記弾性的及び/又は弾力的結合がそれぞれ、剪断弾性結合要素(22a、22b)を用いて行われることを特徴とする、[12]~[15]のうちの1項に記載の篩別装置。
[18] 複数の支持体(1)が、互いに対して重ねて配置されていることを特徴とする、[1]~[17]のうちの1項に記載の篩別装置。
【符号の説明】
【0079】
1 支持体
1a 支持体側板
1b 設置脚
2 第1の横梁
2a 別の第1の横梁
3 第2の横梁
3a 別の第2の横梁
4 篩面
4a 篩布
4b 別の篩布
4c 追加の篩布
4d 結合する篩布
5 機械基礎又は機械室の支持台
6 駆動ユニット
7a、b 第1の駆動棒の組
8a、b 第2の駆動棒の組
9 架台
10a 剪断弾性要素
10b 剪断弾性要素
10c 剪断弾性要素
11 連結軸
12 装入方向
13 駆動棒の運動方向
14a 材料を供給する装置構成部品
14b 材料を排出する装置構成部品
14c 材料を排出する装置構成部品
15a 装置構成部品を固定する手段
15b 装置構成部品を固定する手段
15c 装置構成部品を固定する手段
16a、b 第1の横梁用の組付板
17a、b 第2の横梁用の組付板
18 第3の横梁
19 第4の横梁
20a、b 第3の駆動棒の組
21a、b 第4の駆動棒の組
22a、b 剪断弾性結合要素
23a、b 引張圧縮ばね
24 補強材
25 固定ロッド
26 別の篩面
S1 第1の振動体
S2 第2の振動体
S3 第3の振動体
S4 第4の振動体
G1 第1の振動システムで上下に並べて配置された横梁の組
G2 第2の振動システムで上下に並べて配置された横梁の組
図1
図2
図3
図4
図5a-5c】
図6
図7
図8
図9
図10
図11