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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】ポペットバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/38 20060101AFI20220809BHJP
   F16K 1/32 20060101ALI20220809BHJP
   F16L 37/32 20060101ALN20220809BHJP
【FI】
F16K1/38 C
F16K1/32 C
F16K1/32 B
F16K1/32 E
F16L37/32
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018001716
(22)【出願日】2018-01-10
(65)【公開番号】P2019120362
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2021-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】水野 昭
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/099228(WO,A1)
【文献】特開2011-158052(JP,A)
【文献】特開2002-333070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00-1/54
F16L 37/00-39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁軸と、前記弁軸に設けられたシール部材と、前記シール部材に隣接して前記弁軸に設けられた整流部と、前記弁軸と同軸上で前記整流部から突出する突出軸部と、前記弁軸に設けられ前記整流部と協働して前記シール部材を挟持するフランジ部とを有するポペットバルブであって、
前記シール部材は、フッ素樹脂、あるいは、ばね鋼材などのような高温高圧に耐えられる弾性を有する材料で均一厚さの環板状に形成され、
前記弁軸と前記整流部とは別部材で構成され、
前記フランジ部と前記弁軸とは単一の部材に設けられて前記フランジ部前記弁軸とは一体形成され、
前記整流部の中心に前記シール部材側に開口する弁軸圧入用孔が設けられ、
前記シール部材に前記弁軸が挿通された状態で、前記シール部材から突出する前記弁軸の端部は、前記シール部材に挿通された前記弁軸の箇所の外径と同一寸法の均一の外径で形成され、または、前記シール部材に挿通された前記弁軸の箇所の外径よりも小さい均一の外径で形成され、
前記シール部材に前記弁軸が挿通された状態で、前記弁軸圧入用孔に、前記シール部材から突出する前記弁軸の端部が圧入されることで前記整流部が前記弁軸の端部に取り付けられると共に、前記シール部材は前記フランジ部と前記整流部とで挟持された状態で前記弁軸に取り付けられており、
前記シール部材が挟持された状態で、前記シール部材の外周部の全域は、前記フランジ部および前記整流部の半径方向外側に突出している、
ことを特徴とするポペットバルブ。
【請求項2】
前記弁軸圧入用孔は、前記整流部の中心に貫通して設けられ、
前記弁軸は、コイルスプリング巻装用軸部と、前記コイルスプリング巻装用軸部の半径方向外側に環状に突出する前記フランジ部と、前記フランジ部の内周部から突出し前記シール部材の内周部に挿入されるシール部材装着用軸部と、前記シール部材装着用軸部から突出し前記弁軸圧入用孔に圧入される圧入用軸部と、前記圧入用軸部から突出し前記突出軸部を構成する突出軸部用軸部とがそれらの順に並べられて構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のポペットバルブ。
【請求項3】
前記弁軸圧入用孔は、前記整流部の中心に貫通して設けられ、
前記弁軸は、コイルスプリング巻装用軸部と、前記コイルスプリング巻装用軸部の半径方向外側に環状に突出する前記フランジ部と、前記フランジ部の内周部から突出し前記シール部材の内周部に挿入されるシール部材装着用軸部と、前記シール部材装着用軸部から突出し前記弁軸圧入用孔に圧入される圧入用軸部とがそれらの順に並べられて構成され、
前記圧入用軸部に対して前記シール部材装着用軸部側と反対に位置する前記圧入用軸部の端部に突出軸部圧入用孔が形成され、
前記突出軸部は、前記突出軸部圧入用孔に圧入されて配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載のポペットバルブ。
【請求項4】
前記弁軸は、コイルスプリング巻装用軸部と、前記コイルスプリング巻装用軸部の半径方向外側に環状に突出する前記フランジ部と、前記フランジ部の内周部から突出し前記シール部材の内周部に挿入されるシール部材装着用軸部と、前記シール部材装着用軸部から突出し前記弁軸圧入用孔に圧入される圧入用軸部とがそれらの順に並べられて構成され、
前記整流部と前記突出軸部とは一体に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のポペットバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手を構成する互いに係脱可能な一対のカップリングに設けられるポペットバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
互いに係脱可能な雌型カップリングと雄型カップリングとを備える管継手が提供されている(特許文献1参照)。
このような管継手では、雌型カップリングと雄型カップリングとを切り離した際に液漏れを防止するため、雌型カップリングと雄型カップリングには、それぞれポペットバルブが設けられている。
ところで、高温高圧の流体が流通される管継手のポペットバルブとして、弁軸と、弁軸に設けられたシール部材と、シール部材に隣接して弁軸に設けられた整流部と、弁軸と同軸上で整流部から突出する突出軸部と、弁軸に設けられ整流部と協働してシール部材を挟持するフランジ部とを有するものが提供されている。
このようなポペットバルブにおいては、シール部材は、ゴム製のOリングに比較して高温高圧に耐えられるフッ素樹脂、あるいは、ばね鋼材などの弾性を有する材料で形成されている。
そして、整流部と突出軸部は弁軸と一体に形成され、フランジ部は弁軸と別部材で構成されている。
フランジ部は弁軸に圧入され、シール部材から離れる方向のフランジ部の動きが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-251408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなポペットバルブを備える雌型カップリングと雄型カップリングでは、それらカップリングが切り離された状態で、ポペットバルブのシール部材が弁座に当接してそれらカップリングの内部流路を閉塞した状態において、高圧の流体からの圧力が内部流路に作用し、フランジ部を介してシール部材の外周部を弁座に当接する方向に作用する。
そしてシール部材の外周部が弁座に当接することから、シール部材の外周部は整流部から離れる方向に撓み、このシール部材の外周部の撓みによりフランジ部は整流部から引き離す方向への力を受ける。
このようにフランジ部が受ける整流部から引き離す方向への力は、雌型カップリングと雄型カップリングとを係脱する毎に作用し、使用によってフランジ部が離れる方向にずれ、シール部材と弁座との間に隙間が生じ、流体の液漏れが生じるおそれがあった。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、使用による流体の液漏れを防止する上で有利なポペットバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明は、弁軸と、前記弁軸に設けられたシール部材と、前記シール部材に隣接して前記弁軸に設けられた整流部と、前記弁軸と同軸上で前記整流部から突出する突出軸部と、前記弁軸に設けられ前記整流部と協働して前記シール部材を挟持するフランジ部とを有するポペットバルブであって、前記シール部材は、フッ素樹脂、あるいは、ばね鋼材などのような高温高圧に耐えられる弾性を有する材料で均一厚さの環板状に形成され、前記弁軸と前記整流部とは別部材で構成され、前記フランジ部と前記弁軸とは単一の部材に設けられて前記フランジ部前記弁軸とは一体形成され、前記整流部の中心に前記シール部材側に開口する弁軸圧入用孔が設けられ、前記シール部材に前記弁軸が挿通された状態で、前記シール部材から突出する前記弁軸の端部は、前記シール部材に挿通された前記弁軸の箇所の外径と同一寸法の均一の外径で形成され、または、前記シール部材に挿通された前記弁軸の箇所の外径よりも小さい均一の外径で形成され、前記シール部材に前記弁軸が挿通された状態で、前記弁軸圧入用孔に、前記シール部材から突出する前記弁軸の端部が圧入されることで前記整流部が前記弁軸の端部に取り付けられると共に、前記シール部材は前記フランジ部と前記整流部とで挟持された状態で前記弁軸に取り付けられており、前記シール部材が挟持された状態で、前記シール部材の外周部の全域は、前記フランジ部および前記整流部の半径方向外側に突出していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、フランジ部は弁軸と一体に形成されていることから、フランジ部が整流部から引き離す方向への力を受けても、シール部材が整流部から離れる方向へのずれを防止できる。
したがって、使用によってシール部材と弁座との間に隙間が生じることを防止し、流体の液漏れを防止する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態に係るポペットバルブを備える管継手の雌型カップリングと雄型カップリングが結合された状態を示す正面断面図である。
図2】第1の実施の形態に係るポペットバルブを備える管継手の雌型カップリングと雄型カップリングとの結合が解除された状態を示す正面断面図である。
図3】第1の実施の形態に係るポペットバルブの断面図である。
図4】第2の実施の形態に係るポペットバルブの断面図である。
図5】第3の実施の形態に係るポペットバルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1図2に示すように、管継手10は、互いに係脱可能な雌型カップリング12と雄型カップリング14とを備え、雌型カップリング12には、通路用結合部材16がシール材1602を介してねじ結合されている。
雌型カップリング12と雄型カップリング14は、それぞれガイド体18、弁座20、ポペットバルブ22、コイルスプリング24が収容されたカップリングボディ26A、26Bを備える。
雌型カップリング12に収容されたガイド体18、弁座20、ポペットバルブ22、コイルスプリング24と、雄型カップリング14に収容されたガイド体18、弁座20、ポペットバルブ22、コイルスプリング24とは同一形状である。
雌型カップリング12と雄型カップリング14のカップリングボディ26A、26Bは、筒状を呈しその中心に軸心方向にそって貫通孔28A、28Bが貫通形成されている。
【0009】
雌型カップリング12のカップリングボディ26Aの貫通孔28Aは、カップリング挿脱用孔30、ポペットバルブ収容孔32がそれらの順に並べられて構成されている。
カップリング挿脱用孔30には溝を介してOリング34が装着されている。
カップリング挿脱用孔30側のポペットバルブ収容孔32の端部には、径方向内側に膨出し、ポペットバルブ22のシール部材46が当接することで貫通孔28Aを閉塞する弁座20が形成されている。
ガイド体18は、カップリング挿脱用孔30と反対に位置するポペットバルブ収容孔32の箇所に配置され、突起36とストップリング38を介してポペットバルブ収容孔32の軸方向に移動不能に配置されている。
ガイド体18は、中心軸部1802と、中心軸部1802の周方向に間隔をおいた箇所から半径方向外方に突出する複数の凸条1804とを有し、中心軸部1802にはポペットバルブ22を軸方向に移動可能に支持する案内孔1806が貫通形成されている。
雌型カップリング12と反対に位置する通路用結合部材16の端部は、管体などの流体通路に結合される通路用結合部40Aとされている。
【0010】
雄型カップリング14のカップリングボディ26Bの端部は、カップリング挿脱用孔30に挿脱可能に挿入される外径の挿脱用軸部42として形成されている。
雄型カップリング14のカップリングボディ26Bの貫通孔28Bは、ポペットバルブ収容孔32を構成している。
ポペットバルブ収容孔32の端部には、径方向内側に膨出し、ポペットバルブ22のシール部材46が当接することで貫通孔28Bを閉塞する弁座20が形成されている。
ガイド体18は、挿脱用軸部42と反対に位置するポペットバルブ収容孔32の箇所に配置され、突起36とストップリング38を介してポペットバルブ収容孔32の軸方向に移動不能に配置されている。
ガイド体18は、中心軸部1802、複数の凸条1804、案内孔1806を有している。
挿脱用軸部42と反対に位置する雄型カップリング14の端部は、管体などの流体通路に結合される通路用結合部40Bとされている。
【0011】
図3に示すように、ポペットバルブ22は、弁軸44と、弁軸44に設けられたシール部材46と、シール部材46に隣接して弁軸44に設けられた整流部48と、弁軸44と同軸上で整流部48から突出する突出軸部50と、弁軸44に設けられ整流部48と協働してシール部材46を挟持するフランジ部52とを有している。
図2に示すように、ポペットバルブ22は、弁軸44がガイド体18の案内孔1806に挿入されてポペットバルブ収容孔32に配置されている。
コイルスプリング24は、ガイド体18の複数の凸条1804とフランジ部52との間でガイド体18の中心軸部1802と弁軸44に巻装して配置され、シール部材46を弁座20に当接する方向にポペットバルブ22を付勢している。
シール部材46が弁座20に当接した状態でポペットバルブ収容孔32は閉塞され、この状態で突出軸部50が弁座20から突出する。
【0012】
図2に示すように、雌型と雄型のカップリングボディ26A、26Bが離れた状態では、シール部材46が弁座20に係合し、ポペットバルブ収容孔32を閉塞し、雌型カップリング12、雄型カップリング14からの流体漏れを阻止する。
図1に示すように、雌型と雄型のカップリングボディ26A、26Bを結合する場合には、それらを同軸上に位置させ、カップリング挿脱用孔30に挿脱用軸部42が挿入され、Oリング34が挿脱用軸部42の外周面4202に弾接することで、カップリング挿脱用孔30と挿脱用軸部42とが液密に結合される。
この状態で、雌型と雄型のカップリングボディ26A、26Bは、不図示の締結具により結合された状態が保持される。
また、ポペットバルブ22はそれらの突出軸部50が当接することでコイルスプリング24の弾性力に抗して後退し、シール部材46を後退させる。
【0013】
これにより雌型カップリング12では、整流部48と弁座20との間と、突出軸部50と弁座20との間に、ポペットバルブ収容孔32とカップリング挿脱用孔30とを連通する環状の空間が形成される。
また、雄型カップリング14では、整流部48と弁座20との間と、突出軸部50と弁座20との間に、ポペットバルブ収容孔32とカップリング挿脱用孔30とを連通する環状の空間が形成される。
そして、ポペットバルブ収容孔32、ガイド体18の凸条1804の間の流路を介して雌型と雄型のカップリングボディ26A、26Bの貫通孔28A、28Bが連通し、言い換えると雌型と雄型のカップリングボディ26A、26Bの内部流路が連通し、雌型カップリング12と雄型カップリング14との間での油の流通が許容される。
【0014】
ここで第1の実施の形態のポペットバルブ22について説明すると、図3に示すように、弁軸44と整流部48とは別部材で構成され、フランジ部52は弁軸44に一体形成されている。
詳細に説明すると、整流部48はその外周部が円錐面4802で形成され、その中心にシール部材46側に開口する弁軸圧入用孔4804が設けられ、本実施の形態では、弁軸圧入用孔4804は整流部48を貫通して設けられている。
弁軸44は、コイルスプリング巻装用軸部4402と、フランジ部52と、シール部材装着用軸部4404と、圧入用軸部4406と、突出軸部用軸部4408とがそれらの順に並べられて構成されている。
コイルスプリング巻装用軸部4402は、ガイド体18の案内孔1806に軸方向に移動可能に挿入される寸法で形成されている。
フランジ部52は、コイルスプリング巻装用軸部4402の端部に設けられ、コイルスプリング巻装用軸部4402の半径方向外側に環状に突出している。
シール部材装着用軸部4404は、フランジ部52の内周部から突出しており、シール部材装着用軸部4404は、シール部材46の内周部に挿入される箇所である。
シール部材46は、均一の厚さの環板状を呈し、フッ素樹脂、あるいは、ばね鋼材などのような高温高圧に耐えられる弾性を有する材料で形成されている。
【0015】
圧入用軸部4406は、シール部材装着用軸部4404から突出し、整流部48の弁軸圧入用孔4804に圧入される箇所である。
突出軸部用軸部4408は、圧入用軸部4406から突出し、すなわち、整流部48から突出し突出軸部50を構成する箇所である。
シール部材装着用軸部4404にシール部材46が挿入された状態で、圧入用軸部4406が整流部48の弁軸圧入用孔4804に圧入され、フランジ部52と整流部48とでシール部材46が挟持され、ポペットバルブ22が構成されている。
詳細にはフランジ部52の厚さ方向の一方の端面5202と整流部48の基端の端面4810とでシール部材46が挟持される。
本実施の形態では、フランジ部52に隣接するコイルスプリング巻装用軸部4402の箇所に、ガイド体18の中心軸部1802と同一外径の小径部4410が形成されている。したがって、図1図2に示すように、コイルスプリング24の一方の端部の内側にガイド体18の中心軸部1802が挿入され、コイルスプリング24の他方の端部の内側に小径部4410が挿入され、コイルスプリング24が安定した状態で弁軸44に巻装されている。
また、この小径部4410は、フランジ部52よりも外径が小さいもののコイルスプリング巻装用軸部4402よりも外径が大きいため、フランジ部52を補強する補強部材としても機能する。
【0016】
第1の実施の形態によれば、雌型カップリング12と雄型カップリング14とが離れ、ポペットバルブ22のシール部材46が弁座20に当接してポペットバルブ収容孔32を閉塞した状態において、高圧の流体からの圧力がポペットバルブ収容孔32内に作用し、フランジ部52を介してシール部材46の外周部を弁座20に当接する方向に作用する。
そしてシール部材46の外周部が弁座20に当接することから、シール部材46の外周部は整流部48から離れる方向に撓み、このシール部材46の外周部の撓みによりフランジ部52は整流部48から引き離す方向への力を受ける。
このようにフランジ部52が受ける整流部48から引き離す方向への力は、雌型カップリング12と雄型カップリング14とを係脱する毎に作用する。
第1の実施の形態では、フランジ部52は弁軸44と一体に形成されていることから、雌型カップリング12と雄型カップリング14とを係脱する毎にフランジ部52が整流部48から引き離す方向への力を受けても、シール部材46が整流部48から離れる方向へのずれを防止できる。
したがって、使用によってシール部材46と弁座20との間に隙間が生じることを防止し、流体の液漏れを防止する上で有利となる。
【0017】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態のポペットバルブ22について図4を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略し、異なった箇所について重点的に説明する。
第2の実施の形態は、突出軸部用軸部4408が弁軸44と別部材である点が第1の実施の形態と異なっている。
詳細に説明すると、弁軸44は、コイルスプリング巻装用軸部4402と、コイルスプリング巻装用軸部4402の半径方向外側に環状に突出するフランジ部52と、フランジ部52の内周部から突出しシール部材46の内周部に挿入されるシール部材装着用軸部4404と、シール部材装着用軸部4404から突出し弁軸圧入用孔4804に圧入される圧入用軸部4406とがそれらの順に並べられて構成され、突出軸部用軸部4408を備えていない。
シール部材装着用軸部4404と反対に位置する圧入用軸部4406の端部に突出軸部圧入用孔4412が形成されている。
突出軸部50は、突出軸部本体5002と、突出軸部本体5002から突設され突出軸部本体5002よりも外形が小さい小径軸部5004とを備えている。
突出軸部50は、小径軸部5004が突出軸部圧入用孔4412に圧入されて配置されている。
このような第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0018】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態のポペットバルブ22について説明する。
第3の実施の形態では、整流部48と突出軸部50とが一体に形成されている点が第1、第2の実施の形態と異なっている。
詳細に説明すると、整流部48に設けられた弁軸圧入用孔4804は整流部48を貫通しておらず、シール部材46側のみに開口している。
弁軸44は、コイルスプリング巻装用軸部4402と、コイルスプリング巻装用軸部4402の半径方向外側に環状に突出するフランジ部52と、フランジ部52の内周部から突出しシール部材46の内周部に挿入されるシール部材装着用軸部4404と、シール部材装着用軸部4404から突出し弁軸圧入用孔4804に圧入される圧入用軸部4406とがそれらの順に並べられて構成されている。
シール部材装着用軸部4404にシール部材46が装着され、圧入用軸部4406が弁軸圧入用孔4804に圧入されることでポペットバルブ22が構成されている。
このような第3の実施の形態によっても第1、第2の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0019】
なお、本実施の形態では、ポペットバルブ22が、締結具を介して係脱される雌型カップリング12と雄型カップリング14に適用された場合について説明したが、雌型カップリング12と雄型カップリング14はカップリングナットで係脱されるものであってもよく、本発明のポペットバルブは、従来公知の様々の係脱方式のカップリングに採用可能である。
【符号の説明】
【0020】
22 ポペットバルブ
44 弁軸
4402 コイルスプリング巻装用軸部
4404 シール部材装着用軸部
4406 圧入用軸部
4408 突出軸部用軸部
4412 突出軸部圧入用孔
46 シール部材
48 整流部
4804 弁軸圧入用孔
50 突出軸部
52 フランジ部
図1
図2
図3
図4
図5