(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、電子機器及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20220809BHJP
G06F 8/71 20180101ALI20220809BHJP
【FI】
G06F8/65
G06F8/71
(21)【出願番号】P 2018045841
(22)【出願日】2018-03-13
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東條 寛之
(72)【発明者】
【氏名】原 正利
(72)【発明者】
【氏名】浜野 義丈
(72)【発明者】
【氏名】品田 晃
(72)【発明者】
【氏名】竹村 友貴
(72)【発明者】
【氏名】友金 秀幸
【審査官】金木 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-080550(JP,A)
【文献】特開2011-065586(JP,A)
【文献】特開2016-031653(JP,A)
【文献】特開2015-225508(JP,A)
【文献】特開2013-125405(JP,A)
【文献】特開2012-160066(JP,A)
【文献】特開2003-076565(JP,A)
【文献】特開2014-085759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/65
G06F 8/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が有する複数の部品のいずれかに適用予定のファームウェアのバージョンを特定する特定部と、
前記ファームウェアの適用対象の部品が有するパーツ構成に対応する部品情報を取得する取得部と、
取得された前記部品情報に対応するパーツ構成で、特定された前記バージョンのファームウェアを利用可能であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が利用可能でないと判定した場合、特定された前記バージョンのファームウェアの適用を禁止
及び当該ファームウェアを破棄する禁止処理を実行する実行部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記適用予定のファームウェアは、適用対象の部品に適用済みのファームウェアよりもバージョンが古い
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ファームウェアは個別に適用可能な複数のプログラムモジュールを有し、
前記判定部は、前記パーツ構成で利用可能であるか否かをプログラムモジュール毎に判定し、
前記実行部は、前記禁止処理をプログラムモジュール毎に実行する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記禁止処理が行われたファームウェアをユーザに通知する第1通知部を備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部により利用可能であると判定されたファームウェアを適用することについてユーザに承諾を要求する第1要求部と、
ファームウェアを前記部品に適用する第1適用部であって、前記第1要求部による要求に応答してユーザの承諾が得られた場合に当該要求の対象であるファームウェアを適用する第1適用部とを備える
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記部品情報に対応するパーツ構成で利用可能と判定したファームウェアについてユーザの承諾が必要か否かを合わせて判定し、
前記第1適用部は、前記パーツ構成で利用可能だがユーザの承諾は必要でないと判定されたファームウェアについては当該判定がされたときに適用し、
前記第1要求部は、適用予定のファームウェアの全てについて前記判定部による判定が終了した後に前記判定部によりユーザの承諾が必要と判定されたファームウェアについて当該承諾を要求する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部により利用可能でないと判定されたパーツ構成で利用可能なファームウェアのバージョンをユーザに通知する第2通知部を備える
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記部品に適用可能な複数のバージョンのファームウェアを記憶する記憶部と、
ファームウェアを前記部品に適用する第2適用部であって、前記判定部により利用可能でないと判定されたパーツ構成で利用可能なバージョンのファームウェアを前記記憶部から読み出して適用する第2適用部とを備える
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記利用可能なバージョンのファームウェアを適用することについてユーザに承諾を要求する第2要求部を備え、
前記第2適用部は、前記第2要求部による要求に応答してユーザの承諾が得られた場合に当該要求の対象であるファームウェアを適用する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記複数の部品を含み媒体に画像を形成する画像形成部と
を備える電子機器。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記適用予定のファームウェアと、当該ファームウェアのバージョンで利用可能なパーツ構成に対応する部品情報とを対応付けた情報を記憶し、当該情報を前記情報処理装置に提供する記憶装置と
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、電子機器及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アップデート用パッケージ内のソフトウェア毎に、不揮発性記憶手段上の許可キーがアップデート用パッケージ内の照合キーと所定関係を有するソフトウェアのみについて、不揮発性記憶手段上のソフトウェア、許可キーを、それぞれアップデート用情報内のソフトウェア、新許可キーに書き換える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置等の電子機器の部品に適用されるファームウェアには様々なバージョンが存在する場合がある。一方、各部品においても、使用されるパーツが新しいものに改変される場合がある。その場合、使用されるパーツとファームウェアのバージョンの組合せによっては、動作に不具合が生じることがある。
そこで、本発明は、ファームウェアの適用により電子機器の部品の動作に不具合が生じることを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、電子機器が有する複数の部品のいずれかに適用予定のファームウェアのバージョンを特定する特定部と、前記ファームウェアの適用対象の部品が有するパーツ構成に対応する部品情報を取得する取得部と、取得された前記部品情報に対応するパーツ構成で、特定された前記バージョンのファームウェアを利用可能であるか否かを判定する判定部と、前記判定部が利用可能でないと判定した場合、特定された前記バージョンのファームウェアの適用を禁止するための禁止処理を実行する実行部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記適用予定のファームウェアは、適用対象の部品に適用済みのファームウェアよりもバージョンが古いことを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記ファームウェアは個別に適用可能な複数のプログラムモジュールを有し、前記判定部は、前記パーツ構成で利用可能であるか否かをプログラムモジュール毎に判定し、前記実行部は、前記禁止処理をプログラムモジュール毎に実行することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る情報処理装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の構成において、前記禁止処理が行われたファームウェアをユーザに通知する第1通知部を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る情報処理装置は、請求項4に記載の構成において、前記判定部により利用可能であると判定されたファームウェアを適用することについてユーザに承諾を要求する第1要求部と、ファームウェアを前記部品に適用する第1適用部であって、前記第1要求部による要求に応答してユーザの承諾が得られた場合に当該要求の対象であるファームウェアを適用する第1適用部とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係る情報処理装置は、請求項5に記載の構成において、前記判定部は、前記部品情報に対応するパーツ構成で利用可能と判定したファームウェアについてユーザの承諾が必要か否かを合わせて判定し、前記第1適用部は、前記パーツ構成で利用可能だがユーザの承諾は必要でないと判定されたファームウェアについては当該判定がされたときに適用し、前記第1要求部は、適用予定のファームウェアの全てについて前記判定部による判定が終了した後に前記判定部によりユーザの承諾が必要と判定されたファームウェアについて当該承諾を要求することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7に係る情報処理装置は、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成において、前記判定部により利用可能でないと判定されたパーツ構成で利用可能なファームウェアのバージョンをユーザに通知する第2通知部を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項8に係る情報処理装置は、請求項1から7のいずれか1項に記載の構成において、前記部品に適用可能な複数のバージョンのファームウェアを記憶する記憶部と、ファームウェアを前記部品に適用する第2適用部であって、前記判定部により利用可能でないと判定されたパーツ構成で利用可能なバージョンのファームウェアを前記記憶部から読み出して適用する第2適用部とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項9に係る情報処理装置は、請求項8に記載の構成において、前記利用可能なバージョンのファームウェアを適用することについてユーザに承諾を要求する第2要求部を備え、前記第2適用部は、前記第2要求部による要求に応答してユーザの承諾が得られた場合に当該要求の対象であるファームウェアを適用することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項10に係る電子機器は、請求項1から9に記載の情報処理装置と、前記複数の部品を含み媒体に画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項11に係る情報処理システムは、請求項1から9に記載の情報処理装置と、前記適用予定のファームウェアと、当該ファームウェアのバージョンで利用可能なパーツ構成に対応する部品情報とを対応付けた情報を記憶し、当該情報を前記情報処理装置に提供する記憶装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、10、11に係る発明によれば、ファームウェアの適用により電子機器の部品の動作に不具合が生じることを防ぐことができる。
請求項2に係る発明によれば、ファームウェアのバージョンダウンを行う際にも電子機器の部品の動作に不具合が生じることを防ぐことができる。
請求項3に係る発明によれば、ファームウェア毎に利用可否を判定する場合に比べて、プログラムモジュールの環境を作業の目的とする環境に近づけることができる。
請求項4に係る発明によれば、ファームウェアが適用されなかったことをユーザに気付かせることができる。
請求項5に係る発明によれば、適用の際にユーザの承諾を得るべきと考えられるファームウェアがある場合に、そのファームウェアをユーザの承諾を得たうえで適用することができる。
請求項6に係る発明によれば、ユーザの承諾が不要なファームウェアを承諾の要求処理が行われる前に適用することができる。
請求項7に係る発明によれば、本発明の通知がされない場合に比べて、適用予定のファームウェアのバージョンが利用可能でない部品へのファームウェアの適用の検討を容易にすることができる。
請求項8に係る発明によれば、本発明の適用がされない場合に比べて、ファームウェアの適用の際のユーザの手間を少なくすることができる。
請求項9に係る発明によれば、利用可能でないバージョンの代わりに利用可能なバージョンのファームウェアを適用する際であっても、ユーザの承諾を得たうえで適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例に係るファームウェア適用支援システムの全体構成を表す図
【
図4】ファームウェア適用支援システムで実現される機能構成を表す図
【
図5】画像処理ボードのモデル名及びパーツ構成の一例を表す図
【
図6】ファームウェアのバージョンとパーツのサポート関係の一例を表す図
【
図8】適用制御処理における動作手順の一例を表す図
【
図11】変形例で用いられるサポートテーブルの一例を表す図
【
図13】変形例の適用制御処理における動作手順の一例を表す図
【
図14】変形例で表示される通知内容の一例を表す図
【
図15】変形例で表示された要求内容の一例を表す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1]実施例
図1は実施例に係るファームウェア適用支援システム1の全体構成を表す。ファームウェア適用支援システム1は、複数の部品を有する電子機器の各部品へのファームウェアの適用を支援するシステムである。ファームウェアとは、電子機器が有する各部品(いずれもハードウェア)を動作させるためのプログラムであり、電子機器に導入(インストール)されて用いられる。「ファームウェアの適用」とは、ファームウェアを電子機器に導入することを意味する。
【0019】
ファームウェア適用支援システム1は、本実施例では、電子機器である画像処理装置10と、作業員端末20とを備え、画像処理装置10が備える各部品へのファームウェアの適用を支援する。画像処理装置10は、例えば電子写真方式で、用紙等の媒体に画像を形成する。作業員端末20は、本実施例では、画像処理装置10にP2P(Peer to Peer)で接続され、作業員によるファームウェアの適用に関する操作を受け付ける。
【0020】
図2は画像処理装置10のハードウェア構成を表す。画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信部14と、画像処理ボード15と、画像読取部16と、画像形成部17とを少なくとも備えるコンピュータである。メモリ12は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を備える。CPU11は、メモリ12のRAMをワークエリアとして用いてROMやストレージ13に記憶されているプログラムを実行することで各部の動作を制御する。
【0021】
ストレージ13は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの記憶手段であり、CPU11が制御に用いるデータやプログラムを記憶している。通信部14は、通信回路等を有し、通信回線を介して外部装置と通信(無線通信及び有線通信の少なくとも一方の通信)を行う。画像処理ボード15は、画像に関する処理を特に行う回路等を備える基板である。
【0022】
画像読取部16は、光源及びイメージセンサ等を備え、原稿ガラスの上に置かれたシート状の媒体の表面に表された画像を光学的に読み取る。画像形成部17は、感光体、露光装置、現像装置、転写装置、搬送装置及び定着装置等を備え、搬送装置により搬送される媒体に画像を電子写真方式で形成する。画像形成部17は本発明の「画像形成部」の一例である。CPU11、メモリ12、ストレージ13、通信部14及び画像処理ボード15は、画像読取部16及び画像形成部17を含む装置全体を制御するコントローラ18として機能する。
【0023】
コントローラ18は、例えば、画像読取部16により読み取られた画像を示す画像データ又は外部装置から送信されてきた画像データを画像形成部17が処理可能な形式に加工する処理等を行う。画像読取部16、画像形成部17及びコントローラ18は、それぞれ
図2に示すもの及び図示せぬものを含む複数の部品を備えており、各部品に適用されたファームウェアが実行されることにより動作する。
【0024】
図3は作業員端末20のハードウェア構成を表す。作業員端末20は、CPU21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信部24と、入力装置25と、出力装置26という各装置を少なくとも備えるコンピュータである。CPU21から通信部24までは、
図2に表すものと同種のハードウェアである。入力装置25は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(キーボード及びマウス等)である。出力装置26は、外部への出力を実施する出力デバイス(ディスプレイ及びスピーカ等)である。
【0025】
各装置のCPUがプログラムを実行して各部を制御することで、以下に述べる機能が実現される。
図4はファームウェア適用支援システム1で実現される機能構成を表す。画像処理装置10は、ファームウェアデータ取得部101と、バージョン特定部102と、部品情報取得部103と、利用可否判定部104と、ファームウェア適用処理部105と、ファームウェア格納部106と、適用結果通知部107と、装置情報記憶部108とを備える。作業員端末20は、ファームウェアデータ記憶部201と、通知表示部202とを備える。
【0026】
作業員端末20のファームウェアデータ記憶部201は、画像処理装置10の各部品に適用予定のファームウェアに関するデータであるファームウェアデータを記憶する。本実施例では、
図2に表す画像処理ボード15にファームウェアが適用される場合を例に挙げて説明する。画像処理装置10の各部品に適用されるファームウェアは、画像処理装置10の生産が開始されたときから期間が経過するに連れてプログラムの修正及び追加等が行われた新たなバージョンのファームウェアがリリースされる。
【0027】
それらの各バージョンのファームウェアは、例えば画像処理装置10を提供するメーカーのホームページ等からダウンロードすることができる。また、本実施例では、メーカーのホームページ等で、ファームウェアだけでなく、ファームウェアを適用する際に必要とされるその他の情報を含むファームウェアデータが提供されているものとする。その他の情報とは、例えばファームウェアの対象である部品の名称情報及びファームウェアのバージョンを示す情報(バージョン情報)である。
【0028】
ここで、ファームウェアの適用対象である部品は、それ自身が1以上のパーツ(例えば基板及びそれに搭載するIC(Integrated Circuit)チップ等)を有するハードウェアである。画像処理装置10は、生産開始時から画像処理ボード15を備えているが、画像処理ボード15が有するパーツは、そのパーツを提供する供給業者の生産ラインの終了等の事情により、期間の経過と共に改変されることがある。画像処理ボード15には、自身が有するパーツ構成が改変される度に異なるモデル名が付与される。
【0029】
図5は画像処理ボード15のモデル名及びパーツ構成の一例を表す。
図5の例では、「P1」から「P4」までの4種類のパーツの改変に伴い、画像処理ボード15のモデル名が「TypeA1」、「TypeA2」、「TypeB1」、「TypeC1」、「TypeC2」と変化している。例えば「P4」が「P4-01」という型式のパーツから「P4-02」という型式のパーツに改変されたことで、「TypeA1」から「TypeA2」に変化している。
【0030】
また、「P2」が「P2-01」から「P2-02」に改変し「P4」が「P4-02」から「P4-03」に改変されたことで「TypeA2」から「TypeB1」に変化している。また、「P1」が「P1-01」から「P1-02」に改変し「P2」が「P2-02」から「P2-03」に改変されたことで「TypeB1」から「TypeC1」に変化し、「P3」が「P3-01」から「P3-02」に改変されたことで「TypeC1」から「TypeC2」に変化している。
【0031】
一方、ファームウェアは、部品が有する各パーツを動作させるように作られているが、例えばTypeA1しか生産されていない時期に作成されたファームウェアは、TypeA1が備えるパーツP1-01、P2-01、P3-01、P4-01については動作確認された上でリリースされているが、新しいパーツについては動作しない場合もある。一方、TypeC2の生産時期に作成されたファームウェアは、TypeC2が備えるパーツはもちろん、過去に用いられたパーツについても動作確認をしてリリースする(サポートする)ことができる。
【0032】
しかし、過去のパーツを全てサポートするとテスト作業の増大によるコスト増及びプログラムの複雑化等の問題が生じるため、古いパーツについてはサポートが打ち切られる場合がある。
図6はファームウェアのバージョンとパーツのサポート関係の一例を表す。
図6では、例えば「V1.0」のファームウェアは、「TypeA1」から「TypeB1」までは全パーツをサポートしている(この場合を「○」で表す)が、「TypeC1」、「TypeC2」はサポートしていないパーツがある(この場合を「×」で表す)ことが表されている。
【0033】
これは、「V1.0」のファームウェアが、「TypeB1」から「TypeC1」にかけて改変されたパーツ「P1-02」又は「P2-03」のいずれか又は両方をサポートしていないことを意味している。同様に、「V1.1」、「V1.2」、「V2.0」、「V2.1」、「V3.0」という各バージョンのファームウェアについて、それぞれ全パーツをサポートするモデルが「○」、1つでもサポートしないパーツが含まれるモデルが「×」と表されている。
【0034】
ファームウェアをそのバージョンでサポートされていないモデルの画像処理ボード15に適用すると、不具合が生じる可能性がある。不具合とは、例えば特定の機能が動作しない、データが破損する、又は、外部とのデータのやり取りに異常が生じる等である。そこで、本実施例で提供されるファームウェアデータには、前述した名称情報及びバージョン情報と共に、そのバージョンでサポートされているモデル名を示す情報(サポート情報)が含まれている。
【0035】
作業員端末20は、作業員によって操作され、画像処理装置10に適用する予定のファームウェアを含むファームウェアデータをダウンロードする。ファームウェアデータ記憶部201は、こうしてダウンロードされたファームウェアデータを記憶する。ファームウェアの適用は、例えば最新のバージョンに上げる(バージョンアップを行う)ために行われる。
【0036】
ただし、それだけではなく、例えば企業内の画像処理装置10の環境を一律にして管理するため、古いバージョンのファームウェアを適用する(バージョンダウンを行う)場合もある。以下ではこのバージョンダウンを行う場合、つまり、適用予定のファームウェアが、適用対象の部品に適用済みのファームウェアよりも古いバージョンである場合を説明する。ファームウェアデータ記憶部201は、作業員の操作により、記憶したファームウェアデータを画像処理装置10に送信する。
【0037】
画像処理装置10のファームウェアデータ取得部101は、作業員端末20から送信されてきたファームウェアデータ、すなわち、ファームウェア、バージョン情報及びサポート情報を含むデータを取得する。ファームウェアデータ取得部101は、取得したファームウェアデータをバージョン特定部102及び部品情報取得部103に供給する。バージョン特定部102は、電子機器が有する複数の部品のいずれかに適用予定のファームウェアのバージョンを特定する。バージョン特定部102は本発明の「特定部」の一例である。
【0038】
バージョン特定部102は、本実施例では、自装置である画像処理装置10が有する画像処理ボード15に適用予定のファームウェアのバージョンを特定する。バージョン特定部102は、ファームウェアデータ取得部101から供給されたファームウェアデータに含まれるバージョン情報が示すバージョンを、画像処理ボード15に適用予定のファームウェアのバージョンとして特定する。バージョン特定部102は、特定したバージョンを利用可否判定部104に通知する。
【0039】
部品情報取得部103は、ファームウェアの適用対象の部品が有するパーツ構成に対応する情報である部品情報を取得する。部品情報取得部103は本発明の「取得部」の一例である。画像処理ボード15においては、
図5に表すように、パーツ構成とモデル名とが1対1で対応している。つまり、パーツ構成が分かればモデル名が特定されるし、モデル名が分かればパーツ構成が特定される関係になっている。
【0040】
部品情報取得部103は、ファームウェアデータ取得部101から供給されたファームウェアデータに含まれる名称情報が示す部品(本実施例では画像処理ボード15)のモデル名を部品情報として取得する。部品情報取得部103は、装置情報記憶部108から部品情報を取得する。装置情報記憶部108は、自装置(画像処理装置10)に関する情報(装置情報)を記憶する。
【0041】
本実施例の装置情報には、装置の動作に用いられるパラメータの設定値の情報の他、装置が有している部品に関する情報としてその部品のモデル名が含まれている。部品情報取得部103は、前述した名称情報が示す部品のモデル名を装置情報記憶部108に要求し、その応答で通知されるモデル名を部品情報として取得する。部品情報取得部103は、取得した部品情報を利用可否判定部104に供給する。
【0042】
利用可否判定部104は、部品情報取得部103により取得された部品情報に対応するパーツ構成で、バージョン特定部102により特定されたバージョンのファームウェアを利用可能であるか否かを判定する。利用可否判定部104は本発明の「判定部」の一例である。ここでいう「利用可能」とは、本実施例では、ファームウェア適用後の動作確認がとれていることを意味している。動作確認とは、ファームウェアを適用した結果、決められた範囲の動作が正しく行われていることを確認することであり、主に対象の電子機器の製造業者(メーカー)によって行われる。
【0043】
動作確認がとれていないファームウェアでも適用すること自体は可能であるが、その場合は、装置が予期せぬ動作をしたりデータが消えたりといった不具合が生じるおそれがある。そのため、利用可否判定部104は、動作確認がとれていないファームウェアについては利用可能ではないと判定する。なお、動作確認がとれていなくても、結果的に不具合が生じないで正常に動作する場合もあるが、そのファームウェアはいわゆるメーカーによるサポート対象外になるので、本実施例では、そのようなファームウェアについても利用可能ではないと判定される。
【0044】
利用可否判定部104は、例えば
図6に表すサポート関係を示すサポートテーブルを記憶しておき、そのサポートテーブルを用いて判定を行う。利用可否判定部104は、例えば、取得された部品情報が「TypeB1」を示し、バージョン「V1.1」が特定された場合、サポートテーブルにおいてこれらのモデル名及びバージョンに「○」が対応付けられているので、ファームウェアが利用可能であると判定する。
【0045】
また、利用可否判定部104は、取得された部品情報が「TypeC2」を示し、バージョン「V1.2」が特定された場合、サポートテーブルにおいてこれらのモデル名及びバージョンに「×」が対応付けられているので、ファームウェアが利用可能でないと判定する。利用可否判定部104は、上記のとおり判定した結果を、その判定で用いた部品情報と共にファームウェア適用処理部105に通知する。
【0046】
ファームウェア適用処理部105には、ファームウェアデータ取得部101からも取得されたファームウェアデータが供給される。ファームウェア適用処理部105は、ファームウェアデータ取得部101により取得されたファームウェアを適用対象の部品(本実施例では画像処理ボード15)に適用する適用処理を実行する。
【0047】
ファームウェア適用処理部105は、利用可否判定部104によりファームウェアが適用対象の部品で利用可能であると判定された場合に適用処理を実行する。具体的には、ファームウェア適用処理部105は、ファームウェアデータ取得部101から供給されたファームウェアをファームウェア格納部106に格納する処理を適用処理として実行する。ファームウェア格納部106は、適用されたファームウェアを格納する記憶領域を備えており、自装置(画像処理装置10)の各部品に対して適用されたファームウェアをその記憶領域に格納する。
【0048】
ファームウェア格納部106には、適用済みのバージョンのファームウェアが格納されているので、ファームウェア適用処理部105は、そのファームウェアに上書きする形で適用対象のファームウェアを格納する。ファームウェア適用処理部105は、適用処理を実行すると、適用結果通知部107に対して、適用処理を実行した旨を通知すると共に、適用対象のファームウェアを含むファームウェアデータと、ファームウェアが適用された部品の部品情報とを供給する。
【0049】
また、ファームウェア適用処理部105は、利用可否判定部104によりファームウェアが適用対象の部品で利用可能でないと判定された場合には、そのファームウェアの適用を禁止するための処理である禁止処理を実行する。ファームウェア適用処理部105は本発明の「実行部」の一例である。ファームウェア適用処理部105は、本実施例では、利用可能でないと判定されたファームウェアが供給されても、そのファームウェアについてはファームウェア格納部106に格納せずに破棄する処理を禁止処理として実行する。
【0050】
また、ファームウェア適用処理部105は、禁止処理を実行すると、適用結果通知部107に対して、禁止処理を実行した旨を通知すると共に、適用対象だったファームウェアを含むファームウェアデータと、適用予定だった部品の部品情報とを供給する。適用結果通知部107は、ファームウェア適用処理部105によるファームウェアの適用結果をユーザ(本実施例では作業員端末20を操作する作業員)に通知する。適用結果通知部107は本発明の「第1通知部」の一例である。
【0051】
適用結果通知部107は、ファームウェア適用処理部105からファームウェアデータが供給されると、そのファームウェアデータが示すファームウェアを、適用処理又は禁止処理が実行されたファームウェアとしてユーザ(本実施例では作業員端末20を操作する作業員)に通知する。
【0052】
適用結果通知部107は、具体的には、供給されたファームウェアデータが示す名称情報及びバージョン情報と、共に供給された部品情報とを示す通知データを生成して作業員端末20に送信することでこの通知を行う。作業員端末20は、送信されてきた通知データを通知表示部202に供給する。通知表示部202は、画像処理装置10(適用結果通知部107)から通知された内容(受け取った通知データが示す内容)を表示する。
【0053】
図7は表示された通知内容の一例を表す。
図7(a)の例では、「ファームウェア作業画面」に、「下記ファームウェアが適用されました。」という文字列と、適用対象が「画像処理ボード」でモデル名が「TypeA2」でファームウェアバージョンが「V1.1」であることを通知表示部202が表示している。これらはそれぞれ名称情報、部品情報及びバージョン情報によって示される情報である。
【0054】
図7(b)の例では、文字列が「下記ファームウェアはサポート外のため適用されていません。」でモデル名が「TypeC2」に変わっている点以外は
図7(a)の例と同じ内容が表示されている。以上のとおり、ファームウェアデータ取得部101、バージョン特定部102、部品情報取得部103、利用可否判定部104、ファームウェア適用処理部105、ファームウェア格納部106及び適用結果通知部107は、ファームウェアを自装置の部品に適用する動作を制御するファームウェア適用制御部109(ダウンローダーとも呼ばれる)として機能する。
【0055】
画像処理装置10は、上記の構成に基づいて、ファームウェアの適用を制御する適用制御処理を行う。
図8は適用制御処理における動作手順の一例を表す。この動作手順は、作業員が作業員端末20を操作してファームウェアデータのダウンロード及び画像処理装置10への提供をすることを契機に開始される。まず、画像処理装置10(ファームウェアデータ取得部101)は、作業員端末20から送信されてきたファームウェアデータ(ファームウェア、バージョン情報及びサポート情報を含むデータ)を取得する(ステップS11)。
【0056】
次に、画像処理装置10(バージョン特定部102)は、適用予定のファームウェアのバージョンを特定する(ステップS12)。続いて、画像処理装置10(部品情報取得部103)は、ファームウェアの適用対象の部品についての部品情報を取得する(ステップS13)。なお、ステップS12及びS13の順番は反対でもよいし、並行して行われてもよい。
【0057】
次に、画像処理装置10(利用可否判定部104)は、ステップS13で取得された部品情報に対応するパーツ構成で、ステップS12で特定されたバージョンのファームウェアを利用可能であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21で利用可能(YES)と判定された場合、画像処理装置10(ファームウェア適用処理部105)は、ファームウェアを適用対象の部品に適用する適用処理を実行する(ステップS22)。
【0058】
適用処理が行われると、画像処理装置10(ファームウェア格納部106)は、適用されたファームウェアを格納する(ステップS23)。また、ステップS21で利用可能ではない(NO)と判定された場合、画像処理装置10(ファームウェア適用処理部105)は、ファームウェアの適用を禁止する禁止処理を実行する(ステップS24)。ステップS23、S24の動作の後は、いずれの場合も、画像処理装置10(適用結果通知部107)は、ファームウェアの適用結果をユーザに通知する(ステップS25)。
【0059】
本実施例では、上述したとおり、適用対象のファームウェアのバージョンではサポートされていないパーツ構成の部品(画像処理ボード15)にはそのファームウェアが適用されない。これにより、ファームウェアの適用により電子機器(画像処理装置10)の部品の動作に不具合が生じることが防がれる。また、一般的にはファームウェアは最新版を適用する場合が多いが、本実施例では、バージョンダウンの場合を想定して、古いバージョンのファームウェアについても利用可否を判定している。
【0060】
これにより、ファームウェアのバージョンダウンを行う際にもファームウェアの適用により電子機器の部品の動作に不具合が生じることが防がれる。また、本実施例では、禁止処理が行われた場合にその結果がユーザ(作業員)に通知される。これにより、ファームウェアが適用されなかったことにユーザが気付くので、この通知がされない場合に比べて、ファームウェアが適用されなかった部品に対する代替作業(例えば他のバージョンのファームウェアの適用の検討)が促進される。
【0061】
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、実施例及び各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
【0062】
[2-1]プログラムモジュール
ファームウェアは、個別に適用可能な複数のプログラムモジュールを有している場合がある。プログラムモジュールとは、ファームウェアに含まれる複数のプログラムのうち、共通する機能又はデータ等に関するものをモジュール化したものである。以下ではプログラムモジュールのことを簡単に「モジュール」ともいう。
【0063】
モジュールには、例えば、ハードウェアの初期化及び診断を行う機能を実現するモジュール、画像処理の各種サービスを制御する機能を実現するモジュール、画像データを印刷可能な形式に変換する機能を実現するモジュール、フォントデータを保有するモジュール、自動原稿送り装置を制御する機能を実現するモジュール及びUI(User Interface)を制御する機能を実現するモジュール等が含まれる。
【0064】
利用可否判定部104は、実施例ではファームウェア毎に判定を行ったが、本変形例では、プログラムモジュール毎に判定を行う。利用可否判定部104は、この判定を行うため、各モデルのサポート関係をモジュール毎に示すサポートテーブルを用いる。
図9は本変形例のサポートテーブルの一例を表す。
図9の例では、バージョンが「V1.0」のファームウェアのモジュール「M1」、「M2」、「M3」、「M4」、「M5」と画像処理ボード15の各モデルとのサポート関係が表されている。
【0065】
例えばモジュール「M1」、「M4」、「M5」は全てのモデルでサポートされている。また、モジュール「M2」は「TypeC1」、「TypeC2」を除きサポートされており、モジュール「M3」は「TypeC2」を除きサポートされている。利用可否判定部104は、バージョン特定部102により「V1.0」が特定され、「TypeC1」を示す部品情報が取得された場合、モジュール「M2」は利用可能でないと判定し、他のモジュールは利用可能であると判定する。
【0066】
本変形例のファームウェア適用処理部105は、利用可否判定部104と同様に、プログラムモジュール毎に適用処理及び禁止処理を実行する。ファームウェア適用処理部105は、前述の例であれば、利用可能でないと判定されたモジュール「M2」については禁止処理を実行し、利用可能であると判定された他のモジュールについては適用処理を実行する。
【0067】
ファームウェア毎に利用可否が判定される場合、
図9の例のようにモジュール「M2」以外は利用可能だからといって適用してしまうと、モジュール「M2」に起因する不具合が生じる可能性がある。この不具合には、モジュール「M2」が関係する機能又はデータだけでなく、例えば装置が起動しなくなったり通信ができなくなったりというように装置全体に影響する不具合も生じ得る。
【0068】
本変形例では、上記のとおりモジュール毎に利用可否が判断されてサポートされているモジュールだけが適用されるので、ファームウェアに適用対象の部品で利用可能でないモジュールが含まれていても、そのモジュールを適用することによる不具合の発生は防がれる。一方で、利用可能なモジュールは適用されるので、ファームウェア毎に利用可否を判定する場合に比べて、モジュールの環境が作業の目的とする環境に近づくようになっている。
【0069】
[2-2]ユーザの承諾
ファームウェアの中には、適用後に正常に動作する確認はとれているが、適用する際に一定の変化を伴うものがある。例えば、適用すると登録されていたデータ(アドレス帳等)が初期化されるというファームウェアである。そのようなファームウェアについて、利用可否判定部104は、利用可能ではないと判定してもよいし、利用可能であると判定してもよい。
【0070】
利用可否判定部104が上記ファームウェアを利用可能であると判定する場合に、適用のためにユーザの承諾を必要としてもよい。
図10は本変形例で実現される機能構成を表す。
図10では、
図4に表す各部に加えて承諾要求部110を備える画像処理装置10aと、
図4に表す各部に加えて承諾受付部203を備える作業員端末20aとを備えるファームウェア適用支援システム1aが表されている。
【0071】
本変形例では、利用可否判定部104が、部品情報に対応するパーツ構成で利用可能と判定したファームウェアについて、ユーザの承諾が必要であるか否かを合わせて判定する。利用可否判定部104は、利用の可否に加えて、ユーザ承諾の要否を表すサポートテーブルを用いてこの判定を行う。
図11は本変形例で用いられるサポートテーブルの一例を表す。
図11では、
図6に表すサポートテーブルのうち、「V1.0」及び「TypeB1」、「V1.1」及び「TypeB1」、「V1.2」及び「TypeA1」、「V2.0」及び「TypeA2」、「V2.0」及び「TypeC2」に対応付けて「△」が表されている。
【0072】
この「△」は、ユーザ承諾があれば利用可能なファームウェアであることを表している。利用可否判定部104は、例えば、取得された部品情報が「TypeA2」を示し、バージョン「V2.0」が特定された場合、サポートテーブルにおいてこれらのモデル名及びバージョンに「△」が対応付けられているので、ユーザ承諾があればファームウェアが利用可能であると判定する。利用可否判定部104は、この判定を行うと、承諾要求部110に対して、その旨を通知すると共に、ファームウェアデータを供給する。
【0073】
承諾要求部110は、利用可否判定部104によりユーザ承諾があれば利用可能であると判定されたファームウェアを適用することについてユーザに承諾を要求する。承諾要求部110は本発明の「第1要求部」の一例である。承諾要求部110は、本変形例では、ファームウェアデータの送信元である作業員端末20に対して、上記承諾の要求を示す承諾要求データを送信する。
【0074】
作業員端末20は、送信されてきた承諾要求データを承諾受付部203に供給する。承諾受付部203は、供給された承諾要求データを受け取ると、その承諾要求データが示す要求内容を表示する。
図12は表示された要求内容の一例を表す。
図12の例では、承諾受付部203は、ファームウェア作業画面に、「下記ファームウェアを適用してもよろしいですか?」という文字列と、適用対象が「画像処理ボード」でモデル名が「TypeA2」でファームウェアバージョンが「V2.0」であることを表示している。
【0075】
また、承諾受付部203は、適用の影響として「アドレス帳が初期化されます。」という文字列と、はいボタンB1及びいいえボタンB2とを表示している。承諾受付部203は、はいボタンB1を押す操作をファームウェアの適用を承諾する操作として受け付け、いいえボタンB2を押す操作をファームウェアの適用を拒否する操作として受け付ける。承諾受付部203は、ユーザの承諾の有無を示す承諾有無データを画像処理装置10aに送信する。
【0076】
承諾要求部110は、送信されてきた承諾有無データを受け取ると、その承諾有無データがユーザの承諾(承諾有り)を示す場合には、利用可否判定部104から供給されたファームウェアデータをファームウェア適用処理部105に供給し、承諾有無データがユーザの拒否(承諾無し)を示す場合には、そのファームウェアデータを供給しない。ファームウェア適用処理部105は、供給されたファームウェアデータを用いて、実施例と同様に適用処理を実行する。
【0077】
このようにして、ファームウェア適用処理部105は、承諾要求部110による要求に応答してユーザの承諾が得られた場合にその要求の対象であるファームウェアを適用する。本変形例のファームウェア適用処理部105は本発明の「第1適用部」の一例である。本変形例では、上記のとおり適用の際にユーザの承諾を得るべきと考えられるファームウェアがある場合に、そのファームウェアがユーザの承諾を得たうえで適用されることになる。
【0078】
[2-3]部品
実施例では、画像処理ボード15がファームウェアの適用対象の部品として用いられたが、これに限らない。他にも、通信制御用の基板、電源制御用の基板、駆動手段(モータ等)の制御用の基板など、ファームウェアを適用する対象となる部品であれば、どのような部品が用いられてもよい。どのような部品であっても、より詳細には、1以上のパーツを有しており、そのパーツ構成に改変があれば、利用可能なファームウェアのバージョンが変化する場合があるので、実施例で述べた適用制御処理が行われることで、ファームウェアの適用により電子機器の部品の動作に不具合が生じることが防がれる。
【0079】
[2-4]複数のファームウェア
ファームウェア適用制御部109は、適用予定のファームウェアが複数ある場合には、例えば順次利用可否を判定し、判定結果に応じて適用処理又は禁止処理を実行する。ここで、上記変形例で述べたようにユーザの承諾を必要とするファームウェアが含まれている場合に、ユーザの承諾を後からまとめて要求してもよい。
【0080】
図13は本変形例の適用制御処理における動作手順の一例を表す。この動作手順は、作業員が作業員端末20を操作して複数のファームウェアデータのダウンロード及び画像処理装置10への提供をすることを契機に開始される。まず、画像処理装置10(ファームウェアデータ取得部101)は、作業員端末20から送信されてきた複数のファームウェアデータを取得する(ステップS31)。
【0081】
次に、画像処理装置10(バージョン特定部102)は、適用予定のファームウェアのバージョンを特定する(ステップS32)。続いて、画像処理装置10(部品情報取得部103)は、ファームウェアの適用対象の部品についての部品情報を取得する(ステップS33)。なお、ステップS32及びS33の順番は反対でもよいし、並行して行われてもよい。
【0082】
次に、画像処理装置10(利用可否判定部104)は、ステップS13で取得された部品情報に対応するパーツ構成で、ステップS12で特定されたバージョンのファームウェアを利用可能であるか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34で利用可能(YES)と判定された場合、画像処理装置10(利用可否判定部104)は、ユーザの承諾が必要か否かを判定する(ステップS35)。
【0083】
ステップS35でユーザの承諾が不要(NO)と判定された場合、画像処理装置10(ファームウェア適用処理部105)は、ファームウェアを適用対象の部品に適用する適用処理を実行する(ステップS36)。適用処理が行われると、画像処理装置10(ファームウェア格納部106)は、適用されたファームウェアを格納する(ステップS37)。また、ステップS34で利用可能ではない(NO)と判定された場合、画像処理装置10(ファームウェア適用処理部105)は、ファームウェアの適用を禁止する禁止処理を実行する(ステップS38)。
【0084】
ステップS35でユーザの承諾が必要(YES)と判定された場合、又は、ステップS38の動作を行った場合、画像処理装置10は、未判定のファームウェアが残っているか否かを判断し(ステップS39)、残っている(YES)と判断した場合はステップS32(ファームウェアのバージョンの特定)に戻って動作を続ける。ステップS39で未判定のファームウェアが残っていない(NO)と判断された場合、画像処理装置10(承諾要求部110)は、ステップS35でユーザの承諾が必要と判定されたファームウェア(複数あればそれら複数のファームウェア)を適用することについてユーザに承諾を要求する承諾要求データを作業員端末20に送信する(ステップS41)。
【0085】
次に、画像処理装置10(承諾要求部110)は、送信した承諾要求データを受け取った作業員端末20から送信されてくる承諾有無データを受信する(ステップS42)。続いて、画像処理装置10(ファームウェア適用処理部105)は、受信された承諾有無データによりユーザにより承諾されたことが示されているファームウェアについて(複数あればそれら複数のファームウェアについて)適用処理を実行する(ステップS43)。
【0086】
画像処理装置10(ファームウェア格納部106)は、ステップS43で適用された全てのファームウェアを格納する(ステップS44)。そして、画像処理装置10(適用結果通知部107)は、ファームウェアの適用結果をユーザに通知する(ステップS45)。以上のとおり、本変形例では、ファームウェア適用処理部105が、部品情報取得部103により取得された部品情報に対応するパーツ構成で利用可能だがユーザの承諾は必要でないと利用可否判定部104により判定されたファームウェアについては、その判定がされたときに適用処理を実行する。
【0087】
また、ファームウェア適用処理部105は、部品情報取得部103により取得された部品情報に対応するパーツ構成で利用可能ではないと利用可否判定部104により判定されたファームウェアについては、その判定がされたときに禁止処理を実行する。一方、承諾要求部110は、適用予定のファームウェアの全てについて利用可否判定部104による判定が終了した後に、利用可否判定部104によりユーザの承諾が必要と判定されたファームウェアについてその承諾を要求する。
【0088】
なお、
図13の説明では、承諾要求部110は、ユーザの承諾が必要と判定されたファームウェアが複数ある場合には、まとめて承諾を要求したが、それらを順番に要求してもよい。いずれの場合も、ユーザの承諾が不要なファームウェア(利用可否判定部104により利用可能だがユーザの承諾は必要ではないと判定されたファームウェア)が、承諾要求部110による承諾の要求処理が行われる前に適用される。
【0089】
ユーザの承諾操作はどのくらい時間を要するかが分からない。例えば作業員が他の作業をしていて作業員端末20が見えない場所にいる場合は、作業員が作業員端末20の前に戻ってくるまで承諾操作が行われない。本変形例では、そのような場合において、ユーザの承諾と適用処理とを順番に行う方法に比べて、ファームウェアの適用が早く終わる(特にユーザの承諾が不要なファームウェアについて)ことになる。
【0090】
[2-5]利用可能なバージョンの通知
取得された部品情報に対応するパーツ構成で利用可能ではないと利用可否判定部104により判定されたファームウェアについて、利用可能なバージョンがユーザに通知されてもよい。
【0091】
本変形例では、適用結果通知部107が、禁止処理を実行した旨が通知されたファームウェア、すなわち、利用可否判定部104により利用可能でないと判定されたパーツ構成で利用可能なファームウェアのバージョンをユーザに通知する。適用結果通知部107は本発明の「第2通知部」の一例である。
【0092】
適用結果通知部107は、例えば、
図6に表すサポート関係を示すサポートテーブルを記憶しておき、ファームウェア適用処理部105から供給された部品情報(利用可否の判定に用いられたもの)が示すモデル名でサポートされているバージョンを示す通知データを生成する。適用結果通知部107は、例えば、モデル名が「TypeC2」である場合、「V2.0」、「V2.1」、「V3.0」を利用可能なバージョンとして示す通知データを生成し、作業員端末20に送信する。
【0093】
図14は本変形例で表示される通知内容の一例を表す。
図14の例では、
図7(b)に表す情報(適用されなかった「V1.1」のファームウェアに関する情報)に加え、「下記バージョンなら適用可能です。」という文字列と、適用可能なファームウェアのバージョンとして「V2.0」、「V2.1」、「V3.0」が表示されている。このように利用可能なバージョンが通知されることで、本変形例では、
図14に表す通知がされない場合に比べて、適用予定のファームウェアのバージョンが利用可能でない部品へのファームウェアの適用の検討が容易になる。
【0094】
[2-6]利用可能なバージョンの適用
利用可否判定部104により利用可能ではないと判定されたファームウェアについて、利用可能なバージョンでの適用が自動的に行われてもよい。本変形例では、作業員が、各バージョンのファームウェアを含むファームウェアデータをダウンロードして、それらを画像処理装置10に送信する操作を行う。
【0095】
ファームウェアデータ取得部101は、送信されてきた複数のファームウェアデータを取得するとそのまま記憶しておくことで、例えば画像処理ボード15に適用可能な複数のバージョンのファームウェアを記憶する。本変形例のファームウェアデータ取得部101は本発明の「記憶部」の一例である。ファームウェアデータ取得部101は、記憶したファームウェアデータのうち適用予定のバージョンのファームウェアデータを実施例と同様にバージョン特定部102及び部品情報取得部103に供給する。
【0096】
これにより実施例と同様に利用可否判定部104による判定が行われる。利用可否判定部104によりファームウェアが適用対象の部品で利用可能でないと判定された場合、ファームウェア適用処理部105は、その判定で用いられた部品情報に対応するパーツ構成で利用可能なバージョンのファームウェアをファームウェアデータ取得部101から読み出して適用する。本変形例のファームウェア適用処理部105は本発明の「第2適用部」の一例である。
【0097】
ファームウェア適用処理部105は、例えば
図6に表すサポート関係を示すサポートテーブルを記憶しておき、利用可能でないと判定された際に用いられた部品情報が示すモデル名でサポートされているバージョンを特定する。ファームウェア適用処理部105は、複数のバージョンが特定された場合、例えば、適用予定のファームウェアのバージョンに最も近いバージョン(一般的にはバージョンを表す数値の差が最小となるバージョン)を特定する。
【0098】
例えば適用予定が「V1.1」でサポートされているバージョンが「V2.1」、「V3.0」であれば、ファームウェア適用処理部105は「V2.1」を特定する。ファームウェア適用処理部105は、特定したバージョンのファームウェアを含むファームウェアデータをファームウェアデータ取得部101から読み出し、読み出したファームウェアデータを用いて適用処理を実行する。
【0099】
なお、適用されるファームウェアのバージョンは、適用予定のファームウェアのバージョンに最も近いものに限らない。例えば作業員が第2希望、第3希望のバージョンを定めておくことで、ファームウェア適用処理部105は、第1希望のバージョン(適用予定のバージョン)が利用可能でないと判定された場合に、第2希望のバージョンが利用可能ならそれを特定し、第2希望のバージョンが利用可能でなく第3希望のバージョンが利用可能ならそれを特定してもよい。
【0100】
本変形例では、上記のとおり、ユーザ(作業員)の判断を待つことなくいずれかのバージョンのファームウェアが適用される。これにより、適用予定のファームウェアのバージョンが利用可能でない部品に適用するファームウェアのバージョンの決め方が上記の例のように定められている場合に、本変形例の適用がされない場合に比べて、ファームウェアの適用の際のユーザの手間が少なくなる。
【0101】
[2-7]ユーザの承諾
上記の変形例では、利用可能なバージョンでの適用が自動的に行われたが、ユーザの承諾を得たうえで適用が行われてもよい。本変形例では、
図10に表すファームウェア適用支援システム1aが用いられる。本変形例では、ファームウェアデータ取得部101が、前述の変形例と同様に画像処理ボード15に適用可能な複数のバージョンのファームウェアを記憶する。
【0102】
また、利用可否判定部104が、利用可能でないと判定した場合、承諾要求部110に対して、その旨を通知し、適用対象だったファームウェアを含むファームウェアデータ及び適用予定だった部品の部品情報を供給する。承諾要求部110は、供給された情報に基づいて、ファームウェアを適用予定の部品において利用可能なバージョンのファームウェアを適用することについてユーザに承諾を要求する。本変形例の承諾要求部110は本発明の「第2要求部」の一例である。
【0103】
承諾要求部110は、上記のファームウェア適用処理部105と同様に、判定で用いられた部品情報に対応するパーツ構成で利用可能なバージョンを特定し、特定したバージョンのファームウェアの適用の承諾を要求する承諾要求データを生成して作業員端末20に送信する。
【0104】
図15は本変形例で表示された要求内容の一例を表す。
図15の例では、承諾受付部203は、ファームウェア作業画面に、「適用予定のバージョンのファームウェアはサポート外です。代わりに推奨バージョンで適用してもよろしいですか?」という文字列と、適用対象が「画像処理ボード」でモデル名が「TypeC2」であることを表示している。また、承諾受付部203は、適用予定のバージョンが「V1.1」で推奨バージョンが「V2.0」であることと、はいボタンB1及びいいえボタンB2を表示している。
【0105】
ファームウェア適用処理部105は、はいボタンB1を押す操作が行われた場合、すなわち、承諾要求部110による要求に応答してユーザの承諾が得られた場合に、その要求の対象であるファームウェア(
図15の例ではV2.0のファームウェア)を適用する。本変形例のファームウェア適用処理部105は本発明の「第2適用部」の一例である。本変形例では、利用可能でないバージョンの代わりに利用可能なバージョンのファームウェアを適用する際であっても、ユーザの承諾を得たうえで適用されることになる。
【0106】
[2-8]利用可否の判定方法
利用可否判定部104は、実施例では、
図6に表すサポート関係を示すサポートテーブルを用いて利用可否を判定したが、利用可否の判定方法はこれに限らない。例えば、ファームウェアデータが、
図6に表すサポート関係を示す情報を含んでいてもよい。例えばV1.1のファームウェアを含むファームウェアデータであれば、そのヘッダに「TypeA1」、「TypeA2」、「TypeB1」を示す情報が含まれているという具合である。
【0107】
その場合、作業員端末20のファームウェアデータ記憶部201は、部品に適用予定のファームウェアと、そのファームウェアのバージョンで利用可能な部品のパーツ構成に対応する部品情報(例えばモデル名)とを対応付けた情報として、ファームウェアデータを記憶することになる。このファームウェアデータを画像処理装置10に提供する作業員端末20は、本発明の「記憶装置」の一例である。
【0108】
利用可否判定部104は、上記のとおり提供されたファームウェアデータに含まれるモデル名に、部品情報取得部103により取得された部品情報が示すモデル名が含まれている場合に、バージョン特定部102により特定されたバージョンのファームウェアを利用可能であると判定する。本変形例では、画像処理装置10がサポートテーブルを記憶していなくても利用可否の判定が行われる。
【0109】
[2-9]各機能の実現方法
図4及び
図10に表す各機能は、2以上の機能が統合されてもよいし、1つの機能が2以上の機能に分割されてもよい。また、或る機能が行う動作を他の機能が行ってもよい。また、実施例のように2つの装置(画像処理装置及び作業員端末)ではなく1つの装置によって実現されてもよい。
【0110】
また、上記の各例では各機能が電子機器自身によって実現されていたが、電子機器とは異なる装置によって各機能が実現されてもよい(例えばファームウェア適用制御部109が画像処理装置とは別の装置で実現されるという具合)。要するに、装置又はシステムの全体で
図4及び
図10に表す各機能と同等の機能が実現されていれば、各機能はどのような装置構成によって実現されてもよい。
【0111】
例えば、実施例では、利用可否判定部104及びファームウェア適用処理部105が1つの装置で実現されたが、これらが別々の装置(例えば第1装置及び第2装置)によって実現されてもよい。例えば、第1装置が、バージョン特定部102、部品情報取得部103及び利用可否判定部104を備えてファームウェアの利用可否を判定し、第2装置が、ファームウェアデータ取得部101、ファームウェア適用処理部105及びファームウェア格納部106を備えてファームウェアを電子機器に適用するものとする。
【0112】
この場合、利用可否判定部104は、取得された部品情報に対応するパーツ構成で、特定されたバージョンのファームウェアを利用可能でないと判定すると、そのファームウェアの適用の禁止を指示する指示データを第2装置に対して送信する処理を実行する。この場合の指示データを送信する処理は本発明の「禁止処理」の一例であり、利用可否判定部104は本発明の「実行部」の一例である。このように、ファームウェアを適用する装置との関係によって、禁止処理の内容が変化する。
【0113】
[2-10]部品情報
実施例では、部品のモデル名を示す情報が部品情報として用いられたが、部品情報はこれに限らない。例えば、部品の型式、部品がリリースされた年月日が部品情報として用いられてもよい。また、部品が有するパーツの型式一覧が部品情報として用いられてもよい。また、部品情報は、必ずしも部品が有するパーツ構成に1対1で対応する情報でなくてもよい。
【0114】
その理由は、例えば或るモデル名の部品が実際には2通りのパーツ構成を有していたとしても、それら2通りのパーツ構成に対して利用可能なファームウェアのバージョンが共通していれば、利用可否の判定が正しく行われるからである。このように、部品が有するパーツ構成に対応する情報であり、且つ、そのパーツ構成に対して利用可能なファームウェアのバージョンが特定される情報であれば、どのような情報が部品情報として用いられてもよい。
【0115】
[2-11]電子機器
実施例では、画像処理装置が電子機器の一例であったが、電子機器はこれに限らない。例えば画像読取装置でもよいし、画像形成装置でもよい。また、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、サーバ装置、ルータ装置及びファイアーウォール装置等であってもよい。要するに、複数の部品を有し、各部品についてそれを動作させるためのプログラム(ファームウェア)が適用されるものであれば、どのような電子機器が用いられてもよい。
【0116】
[2-12]発明のカテゴリ
本発明は、画像処理装置全体について情報処理を行う情報処理装置として捉えてもよいし、そのうちの一部の機能(例えばファームウェア適用制御部109)を実現する仮想的な情報処理装置として捉えてもよい。また、画像処理装置及び作業員端末を備えるファームウェア適用支援システムという情報処理システムとしても捉えられる。
【0117】
また、本発明は、各装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるし、各装置を制御するコンピュータを機能させるためのプログラムとしても捉えられる。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1…ファームウェア適用支援システム、10…画像処理装置、20…作業員端末、101…ファームウェアデータ取得部、102…バージョン特定部、103…部品情報取得部、104…利用可否判定部、105…ファームウェア適用処理部、106…ファームウェア格納部、107…適用結果通知部、108…装置情報記憶部、109…ファームウェア適用制御部、110…承諾要求部、201…ファームウェアデータ記憶部、202…通知表示部、203…承諾受付部。