(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】画像形成装置、発光タイミング補正方法および発光タイミング補正プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/447 20060101AFI20220809BHJP
B41J 2/45 20060101ALI20220809BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20220809BHJP
H04N 1/036 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B41J2/447 101B
B41J2/45
B41J2/447 101P
G03G15/04
H04N1/036
(21)【出願番号】P 2018156343
(22)【出願日】2018-08-23
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】横田 壮太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 義和
(72)【発明者】
【氏名】飯島 成幸
(72)【発明者】
【氏名】植村 昂紀
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-049302(JP,A)
【文献】特開2009-039887(JP,A)
【文献】特開2009-104107(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0285118(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/447
B41J 2/45
G03G 15/04
H04N 1/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットと、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記副走査方向に沿って前記露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出手段と、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出手段により検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の照射距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正手段と、を備え、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
前記補正手段は、複数の前記光源グループの前記代表光源に対応する複数の前記照射位置間の前記副走査方向の照射距離に基づいて、複数の前記光源の発光タイミングを補正するための補正量を複数の前記光源グループごとに決定する、
画像形成装置。
【請求項2】
複数の前記光源グループは、基準グループと前記基準グループ以外の参照グループとを含み、
前記補正手段は、前記参照グループに属する前記代表光源に対して前記検出手段により前記照射位置として検出される参照グループ位置と前記基準グループに属する前記代表光源に対して前記検出手段により前記照射位置として検出される基準グループ位置との間の前記副走査方向の照射距離に基づいて、前記参照グループに属する複数の前記光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定する、請求項
1に記載の
画像形成装置。
【請求項3】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットと、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記副走査方向に沿って前記露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出手段と、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出手段により検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の照射距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正手段と、を備え、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
複数の前記光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、
少なくとも2つの前記代表グループは、基準グループと、前記基準グループ以外の参照グループとを含み、
前記補正手段は、複数の前記光源グループごとに、前記光源グループと前記基準グループとの間の配置距離と、前記参照グループと前記基準グループとの間の配置距離と、前記参照グループに属する前記代表光源に対して前記検出手段により検出された前記照射位置と前記基準グループに属する前記代表光源に対して前記検出手段により検出された前記照射位置との間の前記副走査方向の代表距離と、に基づいて、前記光源グループに形成された複数の前記光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定する、
画像形成装置。
【請求項4】
前記基準グループは、複数の前記光源グループのうち、それに属する前記代表光源と前記像担持体の回転中心とを結んだ線が前記像担持体の表面と交わる角度が垂直または最も垂直に近い前記光源グループである、請求項
2または3に記載の
画像形成装置。
【請求項5】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットと、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記副走査方向に沿って前記露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出手段と、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出手段により検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の照射距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正手段と、を備え、
前記露光ユニットは、複数の前記光源グループの少なくとも1つにそれぞれ属する複数の前記光源が形成された複数の基板を含み、
複数の前記基板それぞれに含まれる少なくとも1つの前記光源グループは、基板代表グループを含み、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
前記補正手段は、複数の前記基板代表グループにそれぞれ属する複数の前記代表光源に対し前記検出手段によりそれぞれ検出された複数の前記照射位置間の前記副走査方向の基板距離に基づいて、複数の前記基板ごとに、前記基板に形成された複数の前記光源の発光タイミングを補正するための第1補正量を決定する、
画像形成装置。
【請求項6】
複数の前記基板それぞれに含まれる複数の前記光源グループは、基準グループと、前記基準グループ以外の参照グループとを含み、
前記補正手段は、複数の前記基板ごとに、前記基板に含まれる前記参照グループに属する前記代表光源に対して前記検出手段により前記照射位置として検出された参照グループ位置と前記基板に含まれる前記基準グループに属する前記代表光源に対して前記検出手段により前記照射位置として検出される基準グループ位置との間の前記副走査方向の照射距離に基づいて、前記参照グループに属する複数の前記光源の発光タイミングを補正するための第2補正量を決定する、請求項
5に記載の
画像形成装置。
【請求項7】
前記露光ユニットを制御して、複数の前記光源から光を射出させる露光制御手段を、さらに備え、
前記検出手段は、複数の前記光源が射出する光が前記像担持体に前記副走査方向が同じ位置で照射される発光タイミングで、前記露光制御手段が複数の前記光源に光を射出させた状態で、前記照射位置を検出する、請求項1~
5のいずれかに記載の
画像形成装置。
【請求項8】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた
画像形成装置で実行される発光タイミング補正方法であって、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記露光ユニットに相対して前記副走査方向に所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を含
み、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
前記補正ステップは、複数の前記光源グループの前記代表光源に対応する複数の前記照射位置間の前記副走査方向の照射距離に基づいて、複数の前記光源の発光タイミングを補正するための補正量を複数の前記光源グループごとに決定するステップを含む、発光タイミング補正方法。
【請求項9】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置で実行される発光タイミング補正方法であって、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記露光ユニットに相対して前記副走査方向に所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を含み、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
複数の前記光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、
少なくとも2つの前記代表グループは、基準グループと、前記基準グループ以外の参照グループとを含み、
前記補正ステップは、複数の前記光源グループごとに、前記光源グループと前記基準グループとの間の配置距離と、前記参照グループと前記基準グループとの間の配置距離と、前記参照グループに属する前記代表光源に対して前記検出ステップにおいて検出された前記照射位置と前記基準グループに属する前記代表光源に対して前記検出ステップにおいて検出された前記照射位置との間の前記副走査方向の代表距離と、に基づいて、前記光源グループに形成された複数の前記光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定するステップを含む、発光タイミング補正方法。
【請求項10】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置で実行される発光タイミング補正方法であって、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記露光ユニットに相対して前記副走査方向に所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を含み、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
複数の前記光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、
前記露光ユニットは、複数の前記光源グループの少なくとも1つにそれぞれ属する複数の前記光源が形成された複数の基板を含み、
複数の前記基板それぞれに含まれる少なくとも1つの前記光源グループは、基板代表グループを含み、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
前記補正ステップは、複数の前記基板代表グループにそれぞれ属する複数の前記代表光源に対し前記検出ステップにおいてそれぞれ検出された複数の前記照射位置間の前記副走査方向の基板距離に基づいて、複数の前記基板ごとに、前記基板に形成された複数の前記光源の発光タイミングを補正するための第1補正量を決定するステップを含む、発光タイミング補正方法。
【請求項11】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた
画像形成装置を制御するコンピューターで実行される発光タイミング補正プログラムであって、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記副走査方向に沿って前記露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を前記コンピューターに実行させ
、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
前記補正ステップは、複数の前記光源グループの前記代表光源に対応する複数の前記照射位置間の前記副走査方向の照射距離に基づいて、複数の前記光源の発光タイミングを補正するための補正量を複数の前記光源グループごとに決定するステップを含む、発光タイミング補正プログラム。
【請求項12】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置を制御するコンピューターで実行される発光タイミング補正プログラムであって、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記副走査方向に沿って前記露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を前記コンピューターに実行させ、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
複数の前記光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、
少なくとも2つの前記代表グループは、基準グループと、前記基準グループ以外の参照グループとを含み、
前記補正ステップは、複数の前記光源グループごとに、前記光源グループと前記基準グループとの間の配置距離と、前記参照グループと前記基準グループとの間の配置距離と、前記参照グループに属する前記代表光源に対して前記検出ステップにおいて検出された前記照射位置と前記基準グループに属する前記代表光源に対して前記検出ステップにおいて検出された前記照射位置との間の前記副走査方向の代表距離と、に基づいて、前記光源グループに形成された複数の前記光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定するステップを含む、発光タイミング補正プログラム。
【請求項13】
複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置を制御するコンピューターで実行される発光タイミング補正プログラムであって、
複数の前記光源グループは、複数の前記光源の前記主走査方向の位置が互いに異なるように、前記主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、
前記副走査方向に沿って前記露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の前記光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、
複数の前記光源のうち複数の前記光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの前記光源に対して前記検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの前記照射位置間の前記副走査方向の距離に基づいて、複数の前記光源グループそれぞれに含まれる複数の前記光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を前記コンピューターに実行させ、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
複数の前記光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、
前記露光ユニットは、複数の前記光源グループの少なくとも1つにそれぞれ属する複数の前記光源が形成された複数の基板を含み、
複数の前記基板それぞれに含まれる少なくとも1つの前記光源グループは、基板代表グループを含み、
複数の前記光源グループそれぞれは、前記光源グループに属する複数の前記光源のうちから選択された代表光源を有し、
前記補正ステップは、複数の前記基板代表グループにそれぞれ属する複数の前記代表光源に対し前記検出ステップにおいてそれぞれ検出された複数の前記照射位置間の前記副走査方向の基板距離に基づいて、複数の前記基板ごとに、前記基板に形成された複数の前記光源の発光タイミングを補正するための第1補正量を決定するステップを含む、発光タイミング補正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、発光タイミング補正方法および発光タイミング補正プログラムに関し、特に、主走査方向に沿って複数の光源が配列された露光ユニットを備えた画像形成装置、その露光ユニットの発光タイミングを補正する発光タイミング補正方法およびその発光タイミング補正方法をコンピューターに実行させる発光タイミング補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、OLED(Organic Light-Emitting Diode)を光源として使用したプリントヘッドが知られている。このラインヘッドは、複数の光源から照射された光を像担持体としての感光体ドラムに照射することにより、感光体ドラムに静電潜像を形成する。また、解像度を向上させるために、副走査方向の異なる位置に複数の光源を配置したラインヘッドが知られている。
【0003】
例えば、特開2008-36850号公報には、各色に対応した複数のラインヘッドを用いて像担持体上で複数色の画像形成を同時に行う画像形成装置であって、主走査方向に複数の発光素子を配列した発光素子列を副走査方向に複数列設けて発光体ブロックを形成し、前記発光体ブロックを主走査方向と副走査方向に複数配列し、前記各発光体ブロックに光学倍率がマイナスの単一のレンズを対応させた発光体アレイ(ラインヘッド)と、前記発光体アレイを本体に取り付けたときの正規取り付け位置に対する傾きを検出する手段と、前記検出された発光体アレイの傾きに応じてスキュー補正画像データを作成する手段と、前記各発光素子に供給する画像データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段から前記画像データを読み出して前記各発光素子に送信する制御手段とを有し、前記スキュー補正画像データを前記各発光素子により像担持体上に形成される結像スポットの位置が前記各発光体ブロックで主走査方向に反転するとともに、前記制御手段は、前記記憶手段に前記スキュー補正画像データを格納して、前記記憶手段に記憶された前記スキュー補正画像データを前記各発光体ブロック内で副走査方向に反転されるように読み出しを制御し、かつ、副走査方向に複数配列された前記各発光体ブロックによる結像スポットが前記像担持体の主走査方向に1列に並ぶように読み出しを制御することを特徴とする、画像形成装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、ラインヘッドと像担持体としての感光体ドラムとを組み付ける際の取り付け誤差、または、ラインヘッドまたは感光体ドラムの個体差等が原因で、ラインヘッドと感光体ドラムとの相対位置が一定にならない場合がある。この場合には、結像スポットが主走査方向に1列に並ばない場合があるといった問題がある。
【文献】特開2008-36850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、複数の光源の照射位置の副走査方向のずれを低減した画像形成装置を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、複数の光源の照射位置の副走査方向のずれを低減した発光タイミング補正方法を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、複数の光源の照射位置の副走査方向のずれを低減した発光タイミング補正プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、画像形成装置は、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットと、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、副走査方向に沿って露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出手段と、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出手段により検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正手段と、を備え、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、補正手段は、複数の光源グループの代表光源に対応する複数の照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源の発光タイミングを補正するための補正量を複数の光源グループごとに決定する。
【0010】
この局面に従えば、複数の光源グループに属する複数の光源が主走査方向に配列されているので、複数の光源グループの少なくとも2つの副走査方向の照射位置のずれから、複数の光源グループそれぞれの副走査方向の照射位置のずれを補正することができる。その結果、複数の光源の照射位置の副走査方向のずれを低減した画像形成装置を提供することができる。
【0012】
また、複数の光源グループの代表光源に対応する複数の照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源グループごとに補正量を決定するので、複数の光源のすべての照射位置を検出する必要がなく、処理が簡略になり、容易に補正量を決定することができる。
【0013】
好ましくは、複数の光源グループは、基準グループと基準グループ以外の参照グループとを含み、補正手段は、参照グループに属する代表光源に対して検出手段により照射位置として検出される参照グループ位置と基準グループに属する代表光源に対して検出手段により照射位置として検出される基準グループ位置との間の副走査方向の照射距離に基づいて、参照グループに属する複数の光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定する。
【0014】
この局面に従えば、参照グループに対する参照グループ位置と基準グループに対する基準グループ位置との間の副走査方向の照射距離に基づいて、参照グループに属する複数の光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定するので、参照グループに属する複数の光源の照射位置を、基準グループに属する複数の光源の照射位置に合わせることができる。
【0015】
この発明の他の局面に従えば、画像形成装置は、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットと、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、副走査方向に沿って露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出手段と、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出手段により検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正手段と、を備え、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、複数の光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、少なくとも2つの代表グループは、基準グループと、基準グループ以外の参照グループとを含み、補正手段は、複数の光源グループごとに、光源グループと基準グループとの間の配置距離と、参照グループと基準グループとの間の配置距離と、参照グループに属する代表光源に対して検出手段により検出された照射位置と基準グループに属する代表光源に対して検出手段により検出された照射位置との間の副走査方向の代表距離と、に基づいて、光源グループに形成された複数の光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定する。
【0016】
この局面に従えば、複数の光源グループごとに、光源グループと基準グループとの間の配置距離と、参照グループと基準グループとの間の配置距離と、参照グループに対する照射位置と基準グループに対する照射位置との間の副走査方向の代表距離と、に基づいて、光源グループに形成された複数の光源の補正量を決定する。このため、少なくとも2つの代表グループそれぞれの、照射位置を検出すればよいので、複数の光源グループすべてにそれぞれ対応する照射位置を検出する必要がなく、処理が簡略になり、容易に補正量を決定することができる。
【0017】
好ましくは、基準グループは、複数の光源グループのうち、それに属する代表光源と像担持体の回転中心とを結んだ線が像担持体の表面と交わる角度が垂直または最も垂直に近い光源グループである。
【0018】
この局面に従えば、基準グループに属する複数の光源と像担持体の回転中心とを結んだ線が像担持体の表面と交わる角度が垂直または最も垂直に近いので、像担持体の変形に対する基準グループの照射位置のずれを小さくすることができる。
【0019】
この発明の他の局面に従えば、画像形成装置は、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットと、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、副走査方向に沿って露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出手段と、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出手段により検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正手段と、を備え、露光ユニットは、複数の光源グループの少なくとも1つにそれぞれ属する複数の光源が形成された複数の基板を含み、複数の基板それぞれに含まれる少なくとも1つの光源グループは、基板代表グループを含み、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、補正手段は、複数の基板代表グループにそれぞれ属する複数の代表光源に対し検出手段によりそれぞれ検出された複数の照射位置間の副走査方向の基板距離に基づいて、複数の基板ごとに、基板に形成された複数の光源の発光タイミングを補正するための第1補正量を決定する。
【0020】
この局面に従えば、複数の基板代表グループにそれぞれ対する複数の照射位置間の副走査方向の基板距離に基づいて、複数の基板ごとに第1補正量を決定する。このため、複数の基板代表グループそれぞれに対する照射位置を検出すればよいので、複数の光源グループすべてにそれぞれ対応する照射位置を検出する必要がなく、処理が簡略になり、容易に補正量を決定することができる。
【0021】
好ましくは、複数の基板それぞれに含まれる複数の光源グループは、基準グループと、基準グループ以外の参照グループとを含み、補正手段は、複数の基板ごとに、基板に含まれる参照グループに属する代表光源に対して検出手段により照射位置として検出された参照グループ位置と基板に含まれる基準グループに属する代表光源に対して検出手段により照射位置として検出される基準グループ位置との間の副走査方向の照射距離に基づいて、参照グループに属する複数の光源の発光タイミングを補正するための第2補正量を決定する。
【0022】
この局面に従えば、複数の基板ごとに、基板に含まれる参照グループに対する参照グループ位置と基準グループに対する基準グループ位置との間の副走査方向の照射距離に基づいて、参照グループに属する複数の光源の発光タイミングを補正するための第2補正量を決定する。このため、複数の基板ごとに、複数の光源グループそれぞれの第2補正量が決定されるので、補正量を正確に決定することができる。
【0031】
好ましくは、露光ユニットを制御して、複数の光源から光を射出させる露光制御手段を、さらに備え、検出手段は、複数の光源が射出する光が像担持体に副走査方向が同じ位置で照射される発光タイミングで、露光制御手段が複数の光源に光を射出させた状態で、照射位置を検出する。
【0032】
この局面に従えば、複数の光源が射出する光が像担持体に副走査方向が同じ位置で照射されるように、複数の光源に光を射出させるので、複数の光源の照射位置が主走査方向に配列されるか否かを検出すればよく、容易に補正することができる。
【0035】
この発明のさらに他の局面によれば、発光タイミング補正方法は、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置で実行される発光タイミング補正方法であって、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、露光ユニットに相対して副走査方向に所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を含み、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、補正ステップは、複数の光源グループの代表光源に対応する複数の照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源の発光タイミングを補正するための補正量を複数の光源グループごとに決定するステップを含む。
【0036】
この局面に従えば、複数の光源の照射位置の副走査方向のずれを低減した発光タイミング補正方法を提供することができる。
【0037】
この発明のさらに他の局面によれば、発光タイミング補正方法は、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置で実行される発光タイミング補正方法であって、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、露光ユニットに相対して副走査方向に所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を含み、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、複数の光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、少なくとも2つの代表グループは、基準グループと、基準グループ以外の参照グループとを含み、補正ステップは、複数の光源グループごとに、光源グループと基準グループとの間の配置距離と、参照グループと基準グループとの間の配置距離と、参照グループに属する代表光源に対して検出ステップにおいて検出された照射位置と基準グループに属する代表光源に対して検出ステップにおいて検出された照射位置との間の副走査方向の代表距離と、に基づいて、光源グループに形成された複数の光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定するステップを含む。
【0038】
この発明のさらに他の局面によれば、発光タイミング補正方法は、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置で実行される発光タイミング補正方法であって、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、露光ユニットに相対して副走査方向に所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、を含み、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、複数の光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、露光ユニットは、複数の光源グループの少なくとも1つにそれぞれ属する複数の光源が形成された複数の基板を含み、複数の基板それぞれに含まれる少なくとも1つの光源グループは、基板代表グループを含み、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、補正ステップは、複数の基板代表グループにそれぞれ属する複数の代表光源に対し検出ステップにおいてそれぞれ検出された複数の照射位置間の副走査方向の基板距離に基づいて、複数の基板ごとに、基板に形成された複数の光源の発光タイミングを補正するための第1補正量を決定するステップを含む。
【0039】
この発明のさらに他の局面によれば、発光タイミング補正プログラムは、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置を制御するコンピューターで実行される発光タイミング補正プログラムであって、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、副走査方向に沿って露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、をコンピューターに実行させ、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の、光源のうちから選択された代表光源を有し、補正ステップは、複数の、光源グループの、代表光源に対応する複数の、照射位置間の、副走査方向の照射距離に基づいて、複数の、光源の発光タイミングを補正するための補正量を複数の、光源グループごとに決定するステップを含む。
【0040】
この局面に従えば、複数の光源の照射位置の副走査方向のずれを低減した発光タイミング補正プログラムを提供することができる。
【0041】
この発明のさらに他の局面によれば、発光タイミング補正プログラムは、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置を制御するコンピューターで実行される発光タイミング補正プログラムであって、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、副走査方向に沿って露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、をコンピューターに実行させ、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、複数の光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、少なくとも2つの代表グループは、基準グループと、基準グループ以外の参照グループとを含み、補正ステップは、複数の光源グループごとに、光源グループと基準グループとの間の配置距離と、参照グループと基準グループとの間の配置距離と、参照グループに属する代表光源に対して検出ステップにおいて検出された照射位置と基準グループに属する代表光源に対して検出ステップにおいて検出された照射位置との間の副走査方向の代表距離と、に基づいて、光源グループに形成された複数の光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定するステップを含む。
【0042】
この発明のさらに他の局面によれば、発光タイミング補正プログラムは、複数の光源が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループを含む露光ユニットを備えた画像形成装置を制御するコンピューターで実行される発光タイミング補正プログラムであって、複数の光源グループは、複数の光源の主走査方向の位置が互いに異なるように、主走査方向と交わる副走査方向に沿って配列されており、副走査方向に沿って露光ユニットに相対する所定の速度で移動する像担持体に、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出する検出ステップと、複数の光源のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出ステップにおいて検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する補正ステップと、をコンピューターに実行させ、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、複数の光源グループは、少なくとも2つの代表グループを含み、露光ユニットは、複数の光源グループの少なくとも1つにそれぞれ属する複数の光源が形成された複数の基板を含み、複数の基板それぞれに含まれる少なくとも1つの光源グループは、基板代表グループを含み、複数の光源グループそれぞれは、光源グループに属する複数の光源のうちから選択された代表光源を有し、補正ステップは、複数の基板代表グループにそれぞれ属する複数の代表光源に対し検出ステップにおいてそれぞれ検出された複数の照射位置間の副走査方向の基板距離に基づいて、複数の基板ごとに、基板に形成された複数の光源の発光タイミングを補正するための第1補正量を決定するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】第1の実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【
図3】MFPの内部構成を示す模式的断面図である。
【
図4】露光装置の内部構成の一例を示す斜視図である。
【
図5】3つの第1光源基板、第2光源基板および第3光源基板を組み合わせた状態の平面図である。
【
図7】マイクロレンズアレイの内部構成を示す側面図である。
【
図8】複数の光源の位置と感光体ドラムへの照射位置との関係を模式的に示す第1の図である。
【
図9】複数の光源の位置と感光体ドラムへの照射位置との関係を模式的に示す第2の図である。
【
図11】第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【
図12】第1の実施の形態における補正部の詳細な機能の一例を示す図である。
【
図15】発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図16】第1の変形例における補正部の詳細な機能の一例を示す図である。
【
図17】第1の変形例における照射位置データの一例を示す図である。
【
図20】第1の変形例における発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図21】第2の変形例におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【
図22】第2の変形例における補正部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。
【
図23】基板距離算出部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。
【
図24】第3の変形例における発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図25】第1補正量決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図26】第4の変形例における補正部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。
【
図27】第4の変形例における発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図28】第2補正量決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図29】第2の実施の形態における中間転写ベルトの底面図である。
【
図30】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【
図31】第2の実施の形態における補正部の詳細な機能の一例を示す図である。
【
図32】第1照射位置データの一例を示す図である。
【
図33】第2照射位置データの一例を示す図である。
【
図34】基準基板と参照基板との配置状態の一例を示す模式図である。
【
図35】第2の実施の形態における発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図36】第2の実施の形態における第1補正量決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図37】光源別第1補正量決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図38】第5の変形例における補正部の詳細な機能の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0045】
図1は、第1の実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
図2は、第1の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図1および
図2を参照して、MFP(Multi Function Peripheral)100は、画像形成装置の一例であり、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、画像データに基づいて用紙に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0046】
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。
【0047】
原稿読取部130は、原稿を読み取るための矩形状の読取面を有する。読取面は、例えばプラテンガラスにより形成される。自動原稿搬送装置120は、読取面の1つの辺に平行な軸を中心に回転可能にMFP100の本体に接続され、開閉可能である。自動原稿搬送装置120の下方に、原稿読取部130が配置されており、自動原稿搬送装置120が回転して開いた開状態で、原稿読取部130の読取面が露出する。このため、ユーザーは、原稿読取部130の読取面に原稿を載置可能である。自動原稿搬送装置120は、原稿読取部130の読取面が露出する開状態と、読取面を覆う閉状態とに状態を変化可能である。
【0048】
画像形成部140は、CPU111により制御され、給紙部150により搬送される用紙に、周知の電子写真方式により画像を形成する。本実施の形態では、画像形成部140は、CPU111から入力される画像データと、用紙の媒体種別に対応する画像形成条件で、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。画像が形成された用紙は排紙トレイ159に排出される。CPU111が画像形成部140に出力する画像データは、原稿読取部130から入力される画像データの他、外部から受信されるプリントデータ等の画像データを含む。
【0049】
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0050】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0051】
操作パネル160は、MFP100の上部に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0052】
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
【0053】
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。
【0054】
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。タッチパネル165は、表示部161の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の操作面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーが指で操作部163を容易に指示することができるようにするためである。
【0055】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0056】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0057】
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)118A、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD-ROM118AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0058】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0059】
図3は、MFPの内部構成を示す模式的断面図である。
図3を参照して、自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125に載置された1以上の原稿をさばいて、1枚ずつ原稿読取部130に搬送する。原稿読取部130は、自動原稿搬送装置120により原稿ガラス11上にセットされた原稿の画像を、その下方を移動するスライダー12に取付けられた露光ランプ13で露光する。原稿からの反射光は、ミラー14と2枚の反射ミラー15,15Aによりレンズ16に導かれ、CCD(Charge Coupled Devices)センサー18に結像する。露光ランプ13とミラー14とは、スライダー12に取付けられており、スライダー12は、スキャナモーター17により、
図3中に示す矢印方向(副走査方向)へ複写倍率に応じた速度Vで移動する。これにより、原稿ガラス11上にセットされた原稿を全面にわたって走査することができる。また、露光ランプ13とミラー14の移動に伴い、2枚の反射ミラー15,15Aは、速度V/2で
図2中矢印方向へ移動する。これにより、露光ランプ13で原稿に照射された光が、原稿で反射してからCCDセンサー18に結像するまでの光路長が常に一定となる。原稿読取部130は、動作モードが省電力モードから通常モードに切り換わる起動時に、初期化処理としてシェーディング補正を実行し、スライダー12を予め定められた位置に移動させる。
【0060】
CCDセンサー18に結像した反射光は、CCDセンサー18内で電気信号としての画像データに変換され、メイン回路110に送られる。メイン回路110では、受取ったアナログの画像データにA/D変換処理、デジタル画像処理等を行なった後、画像形成部140に出力する。メイン回路110は、画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字用データに変換し、画像形成部140へ出力する。
【0061】
画像形成部140は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像を形成する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
【0062】
画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データが入力される露光装置21Yと、露光装置21Yの像担持体である感光体ドラム23Yと、帯電チャージャ22Yと、現像器24Yと、転写チャージャ25Yと、トナーボトル41Yと、を備える。トナーボトル41Yは、イエローのトナーを収納する。
【0063】
露光装置21Yは、メイン回路110から受取った印字用データ(電気信号)に応じて発光し、被写体である感光体ドラム23Yを露光する。感光体ドラム23Yは、帯電チャージャ22Yによって帯電された後、露光装置21Yが発光するレーザー光が照射される。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yが、トナーボトル41Yから供給されたトナーを静電潜像上に載せることによりトナー像が形成される。感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト30上に、転写チャージャ25Yにより転写される。
【0064】
一方、中間転写ベルト30は、駆動ローラー33Cとローラー33Aとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー33Cが
図3中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト30の回転に伴って、ローラー33Aが、反時計回りに回転する。
【0065】
これにより、画像形成ユニット20Y、20M,20C,20Kが、順に中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y、20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト30に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト30上に重畳される。
【0066】
中間転写ベルト30に形成されたトナー像は、転写ローラー26によって用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、定着ローラー対32に搬送され、定着ローラー対32により加熱される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は排紙トレイ159に排出される。
【0067】
画像形成ユニット20Kと転写ローラー26との間に、中間転写ベルト30に転写されたトナー像の一部を読み取るためのレジストセンサー39が設けられている。レジストセンサー39は、中間転写ベルト30に向かって光を射出する投光部と、中間転写ベルト30で反射した光を受光する受光部とを含み、受光部が受光した光の量を示す信号を出力する。レジストセンサー39は、画像形成ユニット20Kと転写ローラー26との間に設けられるため、画像形成ユニット20Y、20M,20C,20Kそれぞれによって中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取ることが可能である。レジストセンサー39は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれの色のトナー像を検出可能である。
【0068】
中間転写ベルト30の画像形成ユニット20Yの上流に、除去装置28が設けられている。除去装置28は、中間転写ベルト30に残存するトナーを除去する。
【0069】
給紙カセット35,35A,35Bには、それぞれサイズの異なる用紙がセットされている。給紙カセット35,35A,35Bそれぞれに収納された用紙は、給紙カセット35,35A,35Bにそれぞれ取付けられている取出ローラー36,36A,36Bにより、搬送経路へ供給され、給紙ローラー37によりタイミングローラー31へ送られる。
【0070】
MFP100は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。なお、ここでは、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y、20M,20C,20Kを備えたタンデム方式のMFP100について説明するが、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式のMFPであってもよい。
【0071】
次に、露光装置21Y,21M,21C,21Kについて説明する。露光装置21Y,21M,21C,21Kはすべて同じなので、ここでは、露光装置21Yを例に説明する。
【0072】
図4は、露光装置の内部構成の一例を示す斜視図である。
図4を参照して、露光装置21Yは、3つの第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203を含む露光ユニットと、マイクロレンズアレイ240と、を含む。マイクロレンズアレイ240は、複数のレンズセット245を含む。第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれは、複数の光源200が形成されている。第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203は、副走査方向にずれて重なるように配置される。第1光源基板201の下側に、第2光源基板202が配置され、第1光源基板201の上側に第3光源基板203が配置される。第1光源基板201の一部と第2光源基板202の一部とが重畳し、第1光源基板201の一部と第3光源基板203の一部とが重畳する。第2光源基板202の光源200が形成される形成領域は、第1光源基板201と重ならない。第1光源基板201の光源200が形成される形成領域は、第3光源基板203と重ならない。したがって、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203にそれぞれ形成された複数の光源200から射出される光は、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれに対向してマイクロレンズアレイ240に設けられたレンズセット245に向かって照射される。
【0073】
図5は、3つの第1光源基板、第2光源基板および第3光源基板を組み合わせた状態の平面図である。
図5を参照して、第1光源基板201に形成される複数の光源200は、3つの光源グループ211,212,213のいずれかに属する。光源グループ211に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、主走査方向と直行する副走査方向の位置が同じである。光源グループ212に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、副走査方向の位置が同じである。光源グループ213に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、副走査方向の位置が同じである。第1光源基板201における光源グループ211,212,213は、副走査方向に沿って配列され、光源グループ211が副走査方向の最も上流に配置され、光源グループ213が副走査方向の最も下流に配置される。
【0074】
第2光源基板202に形成される複数の光源200は、3つの光源グループ221,222,223のいずれかに属する。光源グループ221に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、副走査方向の位置が同じである。光源グループ222に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、副走査方向の位置が同じである。光源グループ223に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、副走査方向の位置が同じである。第2光源基板202における光源グループ221,222,223は、副走査方向に沿って配列され、光源グループ221が副走査方向の最も上流に配置され、光源グループ223が副走査方向の最も下流に配置される。
【0075】
第3光源基板203に形成される複数の光源200は、3つの光源グループ231,232,233のいずれかに属する。光源グループ231に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、副走査方向の位置が同じである。光源グループ232に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、副走査方向の位置が同じである。光源グループ233に属する複数の光源200は、主走査方向に沿って配列され、副走査方向の位置が同じである。光源グループ211,212,213は、副走査方向に沿って配列され、光源グループ231が副走査方向の最も上流に配置され、光源グループ233が副走査方向の最も下流に配置される。
【0076】
第2光源基板202に含まれる光源グループ221が副走査方向の最も上流に配置され、第3光源基板203に含まれる光源グループ233が副走査方向の最も下流に配置されるように、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203が位置決めされている。ここで、第1光源基板201に含まれる光源グループ211,212,213、第2光源基板202に含まれる光源グループ221,222,223および第3光源基板203に含まれる光源グループ231,232,233それぞれの位置を、副走査方向の上流側からの順番を用いて第N列(Nは正の整数)で示す。具体的には、第2光源基板202に含まれる光源グループ221が、副走査方向に最も上流側なので第1列であり、第3光源基板203に含まれる光源グループ233が最も下流側なので第9列である。また、副走査方向に配列される順番が中間の第5列は、第1光源基板201の光源グループ212である。
【0077】
なお、第1光源基板201が3つの光源グループ211,212,213を含み、第2光源基板202が3つの光源グループ221,222,223を含み、第3光源基板203が光源グループ231,232,233を含むようにしたが、1つの光源基板に含まれる光源グループの数はこれに限られず、後述するレンズセットのサイズに応じて定めるようにすればよく、1以上であればよい。
【0078】
第1光源基板201に形成される複数の光源200は、複数のレンズグループのいずれかに分類される。光源グループ211に属する複数の光源200のうち1つのレンズグループに分類される所定数の光源は、主走査方向に連続して等間隔で配列される。光源グループ212に属する複数の光源200のうち1つのレンズグループに分類される所定数の光源は、主走査方向に連続して等間隔で配列される。光源グループ213に属する複数の光源200のうち1つのレンズグループに分類される所定数の光源は、主走査方向に連続して等間隔で配列される。
【0079】
本実施の形態においては、所定数を3としており、第1光源基板201において、光源グループ211に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、光源グループ212に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、光源グループ213に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、が第1レンズグループ241Aに属する。また、第1レンズグループ241Aに含まれる9つの光源200であって、光源グループ211,212,213のうち副走査方向で中心に配列される光源グループ212に属し、主走査方向で中心の光源200が、第1レンズグループ241Aの中心となる。光源グループ211,212,213それぞれは、所定数である3より多くの光源200を含むので、第1光源基板201において、複数の第1レンズグループ241Aが主走査方向に沿って配列される。
【0080】
なお、光源グループ211,212,213それぞれに含まれる複数の光源200のうち1つの第1レンズグループ241Aに含まれる光源200の数を3としたが、これに限定されることなく、所定数は、レンズセットのサイズによって定めるようにすればよく、1以上であればよい。
【0081】
同様に、第2光源基板202において、光源グループ221に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、光源グループ222に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、光源グループ223に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、が第2レンズグループ242Aに属する。また、第2レンズグループ242Aに含まれる9つの光源200であって、光源グループ221,222,223のうち副走査方向で中心に配列される光源グループ222に属し、主走査方向で中心の光源200が、第2レンズグループ242Aの中心となる。第2光源基板202において、複数の第2レンズグループ242Aが主走査方向に沿って配列される。
【0082】
同様に、第3光源基板203において、光源グループ231に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、光源グループ232に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、光源グループ233に属する複数の光源200のうち3つの光源200と、が第2レンズグループ242Aに属する。また、第3レンズグループ243Aに含まれる9つの光源200であって、光源グループ231,232,233のうち副走査方向で中心に配列される光源グループ232に属し、主走査方向で中心の光源200が、第3レンズグループ243Aの中心となる。第3光源基板203において、複数の第3レンズグループ243Aが主走査方向に沿って配列される。
【0083】
図6は、マイクロレンズアレイの平面図である。
図6を参照して、マイクロレンズアレイ240は、複数のレンズセット245を含む。複数のレンズセット245は、光軸が、主走査方向および副走査方向で異なる位置となるように配置される。複数のレンズセット245は、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203にそれぞれ含まる複数のレンズグループにそれぞれ対応する。
【0084】
具体的には、複数のレンズセット245は、第1列グループ241と、第2列グループ242と、第3列グループ243と、のいずれかに属する。第1列グループ241は、第1光源基板201に含まれる複数の第1レンズグループ241Aにそれぞれ対応する複数のレンズセット245が分類される。第2列グループ242は、第2光源基板202に含まれる複数の第2レンズグループ242Aにそれぞれ対応する複数のレンズセット245が分類される。第3列グループ243は、第3光源基板203に含まれる複数の第3レンズグループ243Aにそれぞれ対応する複数のレンズセット245が分類される。
【0085】
第1列グループ241に属する複数のレンズセット245は、複数の第1レンズグループ241Aにそれぞれ対応する。第1列グループ241に属する複数のレンズセット245は、そのレンズセット245の光軸が、そのレンズセット245に対応する第1レンズグループ241Aの中心の光源200を通るように配置される。複数の第2レンズグループ242Aにそれぞれ対応する複数のレンズセット245は、そのレンズセット245の光軸が、そのレンズセット245に対応する第2レンズグループ242Aの中心の光源200を通るように配置される。複数の第3レンズグループ243Aにそれぞれ対応する複数のレンズセット245は、そのレンズセット245の光軸が、そのレンズセット245に対応する第3レンズグループ243Aの中心の光源200を通るように配置される。
【0086】
したがって、第1列グループ241に属する複数のレンズセット245は、主走査方向に沿って配列される。第2列グループ242に属する複数のレンズセット245は、主走査方向に沿って配列される。第3列グループ243に属する複数のレンズセット245は、主走査方向に沿って配列される。
【0087】
図7は、マイクロレンズアレイの内部構成を示す側面図である。
図7を参照して、マイクロレンズアレイ240は、第1レンズ板248と、第2レンズ板249と、第1レンズ板248と第2レンズ板249との間に配置された絞り板247と、を含む。第1レンズ板248は、複数のレンズセット245それぞれの第1レンズ245Aが形成されている。第2レンズ板249は、複数のレンズセット245それぞれの第2レンズ245Bが形成されている。絞り板247は、複数のレンズセット245それぞれに対応する絞り247Aが形成されている。レンズセット245は、第1レンズ245Aと、第2レンズ245Bと、絞り247Aで構成される。光源200から射出される光は、第1レンズ245Aに入射し、絞り247Aに照射される。絞り247Aを通過する光が、第2レンズ245Bに入射する。
【0088】
図8は、複数の光源の位置と感光体ドラムへの照射位置との関係を模式的に示す第1の図である。
図8は、露光装置を副走査方向に垂直な方向から見た図である。第1光源基板201に含まれる光源グループ211,212,213と、第2光源基板202に含まれる光源グループ221,222,223と、第3光源基板203に含まれる光源グループ231,232,233と、が副走査方向で異なる位置に配置される。このため、同一のタイミングで、複数の光源200から射出される光が感光体ドラム23Yに照射される照射位置は、同一の光源グループに属する複数の光源200については、対応する照射位置が副走査方向で同じになるが、異なる光源グループに属する複数の光源200については、対応する照射位置が副走査方向で異なる。
【0089】
図9は、複数の光源の位置と感光体ドラムへの照射位置との関係を模式的に示す第2の図である。ここでは、感光体ドラム23Yに光が照射される位置が副走査方向で同じ位置となるように複数の光源200を発光さる発光タイミングを調整した場合における理想的な照射位置を示している。第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれにおいて示される数字は、複数の光源200の位置とその光源に付された番号を示す。感光体ドラム23Yにおいて示される数字は、照射位置と、その照射位置に対応する光源200に付された番号を示す。
【0090】
感光体ドラム23Yは、露光装置21Yに対して副走査方向に相対して所定の速度で移動する。このため、複数の光源200の発光タイミングを、光源グループごとにずらすことにより、複数の光源200それぞれの照射位置を副走査方向が同じ位置にすることができ、複数の光源200の照射位置が主走査方向に沿って配列されるようにすることができる。
【0091】
第2光源基板202において、第1列の光源グループ221に属する第1番、第4番および第7番の番号が付された3つの光源200と、第2列の光源グループ222に属する第2番、第5番および第8番の番号が付された3つの光源200と、第3列の光源グループ223に属する第3番、第6番および第9番の番号が付された3つの光源200と、が第2レンズグループ242Aに属する。第1列の光源グループ221に属する複数の光源200を同時に発光させ、所定時間経過後に、第2列の光源グループ222に属する複数の光源200を同時に発光させ、さらに所定時間経過後に、第3列の光源グループ223に属する複数の光源200を発光させる。これにより、感光体ドラム23Yに第1番~第9番の光源200に対応する感光体ドラム23Yにおける照射位置が副走査方向で同じになり、主走査方向に沿って配列される。
【0092】
第1光源基板201において、第4列の光源グループ211に属する第10番、第13番および第16番の番号が付された3つの光源200と、第5列の光源グループ212に属する第11番、第14番および第17番の番号が付された3つの光源200と、第6列の光源グループ213に属する第12番、第15番および第18番の番号が付された3つの光源200と、が第1レンズグループ241Aに属する。第4列の光源グループ211に属する複数の光源200を同時に発光させ、所定時間経過後に、第5列の光源グループ212に属する複数の光源200を同時に発光させ、さらに所定時間経過後に、第6列の光源グループ213に属する複数の光源200を発光させる。これにより、感光体ドラム23Yに第10番~第18番の光源200に対応する感光体ドラム23Yにおける照射位置が副走査方向で同じになる。
【0093】
第3光源基板203において、第7列の光源グループ231に属する第19番、第22番および第25番の番号が付された3つの光源200と、第8列の光源グループ232に属する第20番、第23番および第26番の番号が付された3つの光源200と、第9列の光源グループ233に属する第21番、第24番および第27番の番号が付された3つの光源200と、が第3レンズグループ243Aに属する。第7列の光源グループ231に属する複数の光源200を同時に発光させ、所定時間経過後に、第8列の光源グループ232に属する複数の光源200を同時に発光させ、さらに所定時間経過後に、第9列の光源グループ233に属する複数の光源200を発光させる。これにより、感光体ドラム23Yに第19番~第27番の光源200にそれぞれ対応する感光体ドラム23Yにおける照射位置が副走査方向で同じになる。
【0094】
図10は、中間転写ベルトの底面図である。レジストセンサー39は、中間転写ベルト30の主走査方向の端部に配置される。このため、レジストセンサー39は、中間転写ベルト30に形成されたトナー像のうち主走査方向の一部の領域でトナー像を読み取ることができる。ここでは、レジストセンサー39は、第1番~第27番の光源200に対応する照射位置で形成されるトナー像を読み取り可能な位置に配置される。
【0095】
図11は、第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図11に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が発光タイミング補正プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図11を参照して、MFP100が備えるCPU111は、センサー制御部51と、検出部53と、補正部55と、露光制御部57と、を含む。
【0096】
露光制御部57は、露光装置21Y、21M,21C,21Kを制御する。露光制御部57は、それに入力される印字用データに従って、露光装置21Y、21M,21C,21Kにそれぞれ含まれる複数の光源200を発光させる。印字用データは、主走査方向および副走査方向に複数の画素が配列されたデータである。
【0097】
検出部53は、露光装置21Y、21M,21C,21Kそれぞれに含まれる複数の光源200が射出する光が感光体ドラム23Y,23M,23C,23Kにそれぞれ照射される照射位置を検出する。具体的には、検出部53は、露光制御部57にテストデータを出力し、露光装置21Y、21M,21C,21Kそれぞれに、テストデータに従って光を照射させる。テストデータは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色それぞれに対応する印字用データである。テストデータは、主走査方向に平行な直線の画像を含むのが好ましい。
【0098】
検出部53が、露光装置21Y、21M,21C,21Kそれぞれに対応する照射位置を検出する動作は同じなので、露光装置21Yを例に説明する。露光装置21Yには、イエローのテストデータが入力される。
【0099】
露光装置21Yに含まれる複数の光源200が射出する光が感光体ドラム23Yに照射される照射位置には、現像器24Yによってトナーが付着する。画像形成部140は、中間転写ベルト30が副走査方向に予め定められた画像形成速度で移動するように駆動ローラー33Cを回転させ、感光体ドラム23Yの中間転写ベルト30と接する部分が予め定められた画像形成速度で副走査方向に移動するように感光体ドラム23Yを回転させる。このため、感光体ドラム23Yのトナーが付着した部分が中間転写ベルト30に対して予め定められた位置に移動する段階で、感光体ドラム23Yに付着したトナーが中間転写ベルト30に転写され、中間転写ベルト30にトナー像が形成される。
【0100】
検出部53は、センサー制御部51に読み取り指示を出力し、中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取らせる。センサー制御部51は、レジストセンサー39を制御し、中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取らせ、レジストセンサー39が出力する読取データを取得する。センサー制御部51は、取得された読取データを検出部53に出力する。
【0101】
検出部53は、センサー制御部51から入力される読取データに基づいて、露光装置21Yに含まれる複数の光源200それぞれが射出する光が感光体ドラム23Yに照射される照射位置を検出する。照射位置は、主走査方向および副走査方向を座標軸とする座標空間で表される。
【0102】
イエローのテストデータに含まれる主走査方向に平行な直線の画像は、露光装置21Yに含まれる複数の光源のうち少なくとも第1番~第27番の光源200に対応する画像を含む。このため、検出部53は、レジストセンサー39が出力する読取データを用いて、露光装置21Yの第1番~第27番の光源200それぞれが射出する光の照射位置を検出する。検出部53は、露光装置21Yに含まれる第1番~第27番の光源200にそれぞれ対応して検出した第1番~第27番の照射位置を示す照射位置データを補正部55に出力する。読取データにおいては、トナー像が形成された画素の明度が、トナー像が形成されていない画素の明度よりも低くなる。一方、第1番~第27番の光源200それぞれに対応する照射位置において、主走査方向の位置が予め定められている。このため、第1番~第27番の光源200それぞれに対応する照射位置を、予め定められた主走査方向の位置に存在する明度が低くなる画素値の位置として特定する。
【0103】
露光装置21Yの第1番~第27番の光源200それぞれが射出する光の照射位置は、理想的には、感光体ドラム23Yにおいて主走査方向に平行な直線となる。このため、照射位置データで示される第1番~第27番の照射位置は、副走査方向が同じ位置となるはずである。しかしながら、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203の相対位置のずれ、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203と感光体ドラム23Yとの相対位置のずれ等が原因で、第1番~第27番の照射位置が、副走査方向で同じ位置とならない場合がある。
【0104】
補正部55は、検出部53から入力される照射位置データで示される複数の照射位置の少なくとも2つの間の副走査方向の照射距離に基づいて、露光装置21Yに含まれる複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を決定する。
【0105】
本実施の形態におけるMFP100は、1つの光源グループに属する複数の光源200にそれぞれ対応する複数の照射位置は副走査方向で同一となることを前提にし、複数の光源グループごとに発光タイミングを補正する。補正部55は、複数の光源200のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源200にそれぞれ対応する少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源の発光タイミングを補正するための補正量を決定する。具体的には、補正部55は、複数の光源グループごとに補正量を決定し、複数の光源グループごとの補正量を露光制御部57に出力する。
【0106】
露光制御部57は、補正部55から入力される複数の光源グループごとの補正量に基づいて、露光装置21Y、21M,21C,21Kにそれぞれ含まれる複数の光源200を発光させるタイミングを補正する。例えば、露光制御部57は、光源グループ211に属する複数の光源200の発光タイミングを、光源グループ211の補正量で補正する。補正量がプラスの場合は、発光タイミングを補正量だけ遅らせ、補正量がマイナスの場合は、発光タイミングを補正量だけ早くする。
【0107】
図12は、第1の実施の形態における補正部の詳細な機能の一例を示す図である。補正部55は、グループ位置取得部61と、照射距離算出部63と、補正量決定部65と、を含む。グループ位置取得部61は、複数の光源グループそれぞれに対応する照射位置を取得する。グループ位置取得部61は、複数の光源グループそれぞれにおいて、その光源グループに含まれる複数の光源200のうちの1つを代表光源に決定する。同一の光源グループに属する複数の光源200にそれぞれ対応する照射位置は、副走査方向が同じになるので、光源グループに属する複数の光源200のうちから任意の光源200を代表光源に決定すればよい。ここでは、照射位置データが、第1番~第27番の光源200に対応する照射位置を含むので、第1番~第27番の光源200のうち、対象とする光源グループに含まれる3つの光源200のいずれかを代表光源に決定する。ここでは、グループ位置取得部61は、光源グループに含まれる複数の光源200のうち同一のレンズグループに含まれる3つの光源200であって、主走査方向に中心に配置される光源200を、その光源グループの代表光源に決定する。
【0108】
例えば、第1光源基板201は、第4列~第6列の光源グループ211,212,213を含む。グループ位置取得部61は、第4列の光源グループ211に対して、第1レンズグループ241Aに含まれる第10番、第13番および第16番の3つの光源200のうち第13番の光源200を代表光源に決定する。同様に、グループ位置取得部61は、第14番の光源200を第5列の光源グループ212の代表光源に決定し、第15番の光源200を第6列の光源グループ213の代表光源に決定する。
【0109】
同様に、グループ位置取得部61は、第4番の光源200を第1列の光源グループ221の代表光源に決定し、第5番の光源200を第2列の光源グループ222の代表光源に決定し、第6番の光源200を第3列の光源グループ223の代表光源に決定する。グループ位置取得部61は、第22番の光源200を第7列の光源グループ231の代表光源に決定し、第23番の光源200を第8列の光源グループ232の代表光源に決定し、第24番の光源200を第9列の光源グループ233の代表光源に決定する。
【0110】
グループ位置取得部61は、検出部53から入力される照射位置データのうち、複数の光源グループそれぞれの代表光源の照射位置を決定し、複数の光源グループごとの照射位置を照射距離算出部63に出力する。以下、光源グループの代表光源に対応する照射位置を、光源グループの照射位置という。
【0111】
照射距離算出部63は、グループ位置取得部61から入力される複数の光源グループそれぞれの照射位置に基づいて、複数の光源グループにそれぞれ対応する複数の照射位置間の副走査方向の距離を、照射距離として算出する。照射距離算出部63は、基準グループ位置決定部67と、参照グループ位置決定部69と、を含む。
【0112】
基準グループ位置決定部67は、複数の光源グループのうちの1つを基準グループに設定する。基準グループ位置決定部67は、複数の光源グループのうち、それに形成される複数の光源200と感光体ドラム23Yの回転中心とを結んだ線が感光体ドラム23Yの表面と交わる角度が最も垂直に近くなる光源グループを基準グループに設定する。ここでは、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233のうち副走査方向で中心に配置される第5列の光源グループ212を基準グループに決定する。基準グループである光源グループ212の代表光源は、第14番の光源200である。
【0113】
基準グループ位置決定部67は、グループ位置取得部61から入力される複数の光源グループそれぞれの照射位置のうち、基準グループの照射位置を基準グループ位置に決定する。ここでは、第5列の光源グループ212の照射位置を基準グループ位置に決定する。
【0114】
参照グループ位置決定部69は、複数の光源グループのうち、基準グループ以外の光源グループを参照グループに設定する。参照グループ位置決定部69は、グループ位置取得部61から入力される複数の光源グループそれぞれの照射位置のうち、参照グループである光源グループごとに、その照射位置を参照グループ位置に決定する。ここでは、第1列~第4列、第6列~第9列の光源グループ211,213,221,222,223,231,232,233の照射位置を参照グループ位置に決定する。
【0115】
照射距離算出部63は、複数の参照グループごとに、その参照グループ位置と基準グループ位置との間の副走査方向の距離を照射距離として算出し、参照グループと照射距離との組を補正量決定部65に出力する。
【0116】
基準グループが第5列の光源グループ212であり、基準グループの代表光源が第14番の光源200である。このため、照射距離算出部63は、例えば、第1列の光源グループ221を参照グループとする場合、第1列の光源グループ221の代表光源である第4番の光源200の照射位置が参照グループ位置であり、基準グループの代表光源である第14番の光源200の照射位置が基準グループ位置である。参照グループ位置が基準グループ位置よりも副走査方向で上流側に位置する場合、照射距離をプラスの値とし、参照位置が基準位置よりも副走査方向で下流側に位置する場合、照射距離をマイナスの値とする。
【0117】
補正量決定部65は、照射距離算出部63から入力される複数の参照グループそれぞれの照射距離に基づいて、複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を、複数の参照グループごとに決定する。ここでは、複数の参照グループは、第1列~第4列、第6列~第9列の光源グループ211,213,221,222,223,231,232,233である。補正量決定部65は、参照グループの照射距離を画像形成速度で除算した値を、その参照グループの補正量として決定する。また、補正量決定部65は、基準グループである光源グループ212の補正量をゼロに決定する。補正量決定部65は、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233ごとに決定された補正量を露光制御部57に出力する。
【0118】
図13は、照射位置データの一例を示す図である。
図13を参照して、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれに対応する照射位置211A,212A,213A,221A,222A,223A,231A,232A,233Aを、黒色で示す。基準グループである第5列の光源グループ212に属する第11番、14番および第17番の光源200に対応する3つの照射位置212Aが、副走査方向の位置が同じで、主走査方向の位置が異なる3つの黒色の画素で示される。また、第1列の光源グループ221に属する第1番、4番および第7番の光源200に対応する3つの照射位置221Aが、副走査方向の位置が同じで、主走査方向の位置が異なる3つの黒色の画素で示される。また、第9列の光源グループ233に属する第21番、第24番および第27番の光源200に対応する3つの照射位置233Aが、副走査方向の位置が同じで、主走査方向の位置が異なる3つの黒色の画素で示される。
【0119】
第4列の光源グループ211の照射位置211Aは、基準グループである第5列の光源グループ212の照射位置212Aに対して、副走査方向で上流側に1画素だけずれている。第6列の光源グループ213の照射位置213Aは、基準グループである第5列の光源グループ212の照射位置212Aに対して、副走査方向で下流側に1画素だけずれている。
【0120】
同様に、第1列の光源グループ221の照射位置221Aは、基準グループである第5列の光源グループ212の照射位置212Aに対して、副走査方向で上流側に10画素だけずれている。第9列の光源グループ233の照射位置233Aは、基準グループである第5列の光源グループ212の照射位置212Aに対して、副走査方向で下流側に10画素だけずれている。
【0121】
図14は、照射距離の一例を示す図である。ここでは、
図13に示した照射位置データに基づき算出される照射距離を示している。
図14においては、光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233を、それらが副走査方向に配列される順に列数で示している。
【0122】
図14を参照して、第1列の光源グループ221の照射距離は+10であり、第2列の光源グループ222の照射距離は+6であり、第3列の光源グループ223の照射距離は+3であり、第4列の光源グループ211の照射距離は+1である。第5列の光源グループ212は基準グループなので照射距離は0である。第6列の光源グループ213の照射距離は-1であり、第7列の光源グループ231の照射距離は-3であり、第8列の光源グループ232の照射距離は-6であり、第9列の光源グループ233の照射距離は-10である。
【0123】
図15は、発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。発光タイミング補正処理は、MFP100が備えるCPU111が発光タイミング補正プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
図15を参照して、CPU111は、画像形成部140にテストデータの画像を形成させる(ステップS01)。テストデータは、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色それぞれに対して、主走査方向に平行な直線を表す画像データである。これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれについて、テストデータの画像に対応するトナー像が中間転写ベルト30に形成される。
【0124】
次のステップS02においては、照射位置データを取得する。レジストセンサー39を制御し、中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取らせ、レジストセンサー39が出力する読取データを取得する。ここでは、イエローのトナー像を読み取って得られた読取データを例に説明する。レジストセンサー39が出力するイエローの読取データを用いて、露光装置21Yの第1番~第27番の光源200それぞれの照射位置を検出する。第1番~第27番の光源200それぞれについて、読取データにおいて、その光源200に対して予め定められた主走査方向の位置で明度が低くなる画素の副走査方向の位置を特定することにより、その光源200に対する照射位置を特定する。第1番~第27番の光源200それぞれについて照射位置を特定することにより、照射位置データを取得する。
【0125】
ステップS03においては、基準グループ位置を決定する。基準グループ位置は、基準グループの代表光源の照射位置である。基準グループは、複数の光源グループのうちから任意に定めればよい。ここでは、第5列の光源グループ212を基準グループとしており、光源グループ212の代表光源である第14番の光源200の照射位置を、基準グループ位置に決定する。
【0126】
ステップS04においては、複数の光源グループのうちから1つを処理対象に選択し、処理をステップS05に進める。ステップS05においては、処理対象に選択された光源グループが基準グループか否かを判断する。基準グループならば処理をステップS10に進めるが、そうでなければ処理対象の光源グループを参照グループとし、処理をステップS06に進める。ステップS06においては、参照グループ位置を決定し、処理をステップS07に進める。参照グループ位置は、処理対象に選択された光源グループの代表光源の照射位置である。例えば、第1列の光源グループ221が処理対象に選択されている場合、光源グループ221の代表光源である第4番の光源200の照射位置を、光源グループ221の参照グループ位置に決定する。
【0127】
ステップS07においては、処理対象に選択されている光源グループの照射距離を算出する。参照グループ位置と基準グループ位置との間の副走査方向の距離をその光源グループの照射距離として算出する。ステップS06において決定された参照グループ位置と、ステップS03において決定された基準グループ位置とから照射距離を算出する。照射距離は、参照グループ位置が基準グループ位置よりも副走査方向の上流側に位置する場合はプラスの値となり、参照グループ位置が基準グループ位置よりも副走査方向の下流側に位置する場合はマイナスの値となる。
【0128】
次のステップS08においては、処理対象に選択されている光源グループの補正量を決定し、処理をステップS09に進める。ステップS07で算出された照射距離を画像形成速度で除算した値を補正量に決定する。
【0129】
ステップS09においては、処理対象に選択された光源グループに含まれる複数の光源200の発光タイミングを、補正量を用いて補正し、処理をステップS10に進める。補正量がプラスならば発光タイミングを補正量だけ遅らせ、補正量がマイナスならば発光タイミングを補正量だけ早くする。
【0130】
ステップS10においては、処理対象に選択されていない光源グループ存在するか否かを判断する。未選択の光源グループが存在するならば処理をステップS04に戻すが、存在しなければ処理を終了する。これにより、複数の光源グループすべてについて、ステップS05~ステップS09が実行されることにより、複数の光源グループそれぞれの補正量が決定され、複数の光源200の発光タイミングが補正される。なお、基準グループである第5列の光源グループ212の補正量は決定されないので、第5列の光源グループ212に属する複数の光源200の発光タイミングは補正されない。
【0131】
以上説明したように、第1の実施の形態におけるMFP100は、露光装置21Y,21M,21C,21Kを備えており、例えば、露光装置21Yは、複数の光源200が主走査方向に沿って配列された複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233を含む。複数の光源グループは、複数の光源200の主走査方向の位置が互いに異なるように、副走査方向に沿って配列されている。さらに、CPU111は、副走査方向に沿って露光ユニットに相対する所定の速度で移動する感光体ドラム23Yに、複数の光源200の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出し、複数の光源200のうち複数の光源グループの少なくとも2つにそれぞれ属する少なくとも2つの光源に対して検出される少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源グループそれぞれに含まれる複数の光源の発光タイミングを補正する。複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれに属する複数の光源200が主走査方向に配列されているので、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233の少なくとも2つの副走査方向の照射位置のずれから、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれの副走査方向の照射位置のずれを補正することができる。その結果、露光装置21Yにおける複数の光源の照射位置の副走査方向のずれを低減することができる。
【0132】
また、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれは、それに属する複数の光源200のうちから選択された代表光源を有し、CPU111は、複数の光源グループの代表光源に対応する複数の照射位置間の副走査方向の照射距離に基づいて、複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233ごとに決定する。このため、代表光源に対応する照射位置を検出すればよいので、複数の光源200のすべての照射位置を検出する必要がなく、処理が簡略になり、容易に補正量を決定することができる。
【0133】
また、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233は、基準グループとしての光源グループ212と、基準グループ以外の参照グループとしての光源グループ211,213,221,222,223,231,232,233とを含み、CPU111は、例えば、参照グループ211に属する代表光源に対応する照射位置として検出される参照グループ位置と基準グループに属する代表光源に対応する照射位置として検出される基準グループ位置との間の副走査方向の照射距離に基づいて、参照グループ211に属する複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を決定する。このため、参照グループ211に対する参照グループ位置と基準グループ212に対する基準グループ位置との間の副走査方向の照射距離に基づいて、参照グループ211に属する複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を決定するので、参照グループ211に属する複数の光源200の照射位置を、基準グループ212に属する複数の光源200の照射位置に合わせることができる。
【0134】
また、基準グループ212は、それに属する代表光源と感光体ドラム23Yの回転中心とを結んだ線が感光体ドラム23Yの表面と交わる角度が垂直または最も垂直に近い光源グループ212である。このため、感光体ドラム23Yの変形に対する基準グループ212の照射位置のずれを小さくすることができる。
【0135】
また、CPU111は、複数の光源200が射出する光が感光体ドラム23Yに副走査方向が同じ位置で照射される発光タイミングで、複数の光源200に光を射出させた状態で、照射位置を検出する。このため、複数の光源200の照射位置が主走査方向に配列されるか否かを検出すればよく、発光タイミングを容易に補正することができる。
【0136】
<第1の変形例>
第1の実施の形態におけるMFP100においては、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれの照射位置を決定し、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれの補正量を決定するようにした。
【0137】
第1の変形例におけるMFP100は、複数の光源グループの少なくとも2つの照射距離を決定し、複数の光源グループそれぞれの補正量を決定するようにしたものである。第1の変形例におけるMFP100が備えるCPU111が有する機能は、
図11に示した機能と同じである。
【0138】
図16は、第1の変形例における補正部の詳細な機能の一例を示す図である。
図16を参照して、第1の変形例における補正部55Aが、
図12に示した機能と異なる点は、照射距離算出部63および補正量決定部65が、代表距離算出部63Aおよび補正量決定部65Aにそれぞれ変更された点、配置距離取得部73が追加された点である。その他の機能は
図12に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0139】
図16を参照して、代表距離算出部63Aは、グループ位置取得部61から入力される複数の光源グループそれぞれの照射位置のうち少なくとも2つの代表グループの照射位置に基づいて、代表距離を算出する。代表距離は、少なくとも2つの代表グループにそれぞれ対応する少なくとも2つの照射位置間の副走査方向の距離である。代表距離算出部63Aは、基準グループ位置決定部67Aと、参照グループ位置決定部69Aと、を含む。
【0140】
基準グループ位置決定部67Aは、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233のうちの1つを基準グループに設定する。基準グループ位置決定部67Aは、複数の光源グループのうち、それに形成される複数の光源200と感光体ドラム23Yの回転中心とを結んだ線が前記像担持体の表面と交わる角度が垂直または最も垂直に近くなる光源グループを基準グループに設定する。ここでは、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233のうち副走査方向で中心に配置される第5列の光源グループ212を基準グループに決定する。基準グループの代表光源は、第14番の光源200である。
【0141】
基準グループ位置決定部67Aは、グループ位置取得部61から入力される照射位置データに基づいて、基準グループである第5列の光源グループ212の照射位置を基準グループ位置に決定する。
【0142】
参照グループ位置決定部69Aは、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233のうち、基準グループ以外の光源グループのうちから少なくとも1つを参照グループに設定する。参照グループは、基準グループ以外の任意の光源グループであればよい。ここでは、基準グループからの副走査方向の距離が最大となる第1列の光源グループ221と第9列の光源グループ233とを参照グループとする場合を例に説明する。参照グループ位置決定部69Aは、グループ位置取得部61から入力される照射位置データに基づいて、参照グループである第1列の光源グループ221および第9列の光源グループ233それぞれの照射位置を決定する。
【0143】
代表距離算出部63Aは、参照グループごとに、その照射位置と基準グループの照射位置との間の副走査方向の距離を代表距離として算出する。参照グループの照射位置が基準グループの照射位置よりも副走査方向で上流側に位置する場合、代表距離をプラスの値とし、参照グループの照射位置が基準グループの照射位置よりも副走査方向で下流側に位置する場合、代表距離をマイナスの値とする。代表距離算出部63Aは、参照グループと代表距離との組を補正量決定部65Aに出力する。ここでは、第1列の光源グループ221とその代表距離との組と、第9列の光源グループ233とその代表距離との組を、補正量決定部65Aに出力する。
【0144】
基準グループが第5列の光源グループ212であり、基準グループの代表光源が第14番の光源200である。このため、代表距離算出部63Aは、第1列の光源グループ221の代表光源である第4番の光源200の照射位置と、第5列の光源グループ212の代表光源である第14番の光源200の照射位置との間の副走査方向の距離を、第1列の光源グループ221の代表距離として求める。また、代表距離算出部63Aは、第9列の光源グループ233の代表光源である第24番の光源200の照射位置と、基準グループの代表光源である第14番の光源200の照射位置との間の副走査方向の距離を第9列の光源グループ233の代表距離として求める。
【0145】
配置距離取得部73は、複数の光源グループ間の副走査方向の相対距離を配置距離として取得する。複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232、233の相対位置は固定されている。ここでは、第5列の光源グループ212を基準グループとしている。配置距離取得部73は、複数の光源グループ211,213,221,222,223,231,232、233それぞれと、基準グループである第5列の光源グループ212との間の副走査方向の距離を配置距離として取得する。光源グループの配置距離は、その光源グループが基準グループよりも副走査方向の上流側に配置される場合にはマイナスの値であり、基準グループよりも副走査方向の下流側に配置される場合にはプラスの値である。配置距離取得部73は、複数の光源グループごとの配置距離を補正量決定部65Aに出力する。
【0146】
補正量決定部65Aは、代表距離算出部63Aから入力される参照グループの代表距離と、複数の光源グループそれぞれの配置距離と、に基づいて、複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を、複数の光源グループごとに決定する。処理対象となる光源グループの配置距離と参照グループの配置距離との比で、参照グループの代表距離を案分した値を処理対象となる光源グループの照射距離として予測し、照射距離を画像形成速度で除算した値を、処理対象となる光源グループに対応する補正量に決定する。
【0147】
例えば、補正量決定部65Aは、第4列の光源グループ211の補正量を決定する場合、参照グループである光源グループ221,223のいずれか一方を選択する。例えば、第4列の光源グループ211との間の距離が短い第1列の光源グループ221を選択する。補正量決定部65Aは、第1列の光源グループ221の代表距離と、第1列の光源グループ221の配置距離と、第4列の光源グループ211の配置距離とに基づいて、第4列の光源グループ211の照射距離を予測する。
【0148】
第1列の光源グループ221の配置距離と第4列の光源グループ211の配置距離との割合で、第1列の光源グループ221の代表距離を比例配分することにより、第4列の光源グループ211の照射距離を予測する。第1列の光源グループ221の配置距離をLa、第4列の光源グループ211の配置距離をLbとし、第1列の光源グループ221の代表距離をLcとする場合、第4列の光源グループ211の照射距離LDは、次式(1)で表される。
LD=Lc×Lb/La×C … (1)
ただし、Cは、補正係数である。補正係数は、Lbに対して予め定められた値である。Cは、実験により求めるようにすればよい。
【0149】
補正量決定部65Aは、複数の光源グループ211,213,221,222,223,231,232、233それぞれについて、それの照射距離を画像形成速度で除算した値を補正量として決定する。
【0150】
図17は、第1の変形例における照射位置データの一例を示す図である。
図17を参照して、参照グループである第1列の光源グループ221および第9列の光源グループ233それぞれに対応する照射位置221A,233Aと、基準グループである第5列の光源グループ212に対応する照射位置212Aを、黒色で示す。第5列の光源グループ212に属する第11番、14番および第17番の光源200に対応する3つの照射位置212Aが、副走査方向の位置が同じで、主走査方向の位置が異なる3つの黒色の画素で示される。また、第1列の光源グループ221に属する第1番、4番および第7番の光源200に対応する3つの照射位置221Aが、副走査方向の位置が同じで、主走査方向の位置が異なる3つの黒色の画素で示される。また、第9列の光源グループ233に属する第21番、第24番および第27番の光源200に対応する3つの照射位置233Aが、副走査方向の位置が同じで、主走査方向の位置が異なる3つの黒色の画素で示される。
【0151】
第1列の光源グループ221の照射位置221Aは、第5列の光源グループ212の照射位置212Aに対して、副走査方向で上流側に10画素だけずれている。第9列の光源グループ233の照射位置233Aは、第5列の光源グループ212の照射位置212Aに対して、副走査方向に下流側に10画素だけずれている。
【0152】
図18は、代表距離の一例を示す図である。ここでは、
図17に示した照射位置に基づき算出される代表距離を示している。
図18を参照して、第1列の光源グループ221の照射距離は+10であり、第5列の光源グループ212は基準グループなので照射距離は0であり、第9列の光源グループ233の照射距離は-10である。第2列の光源グループ222~第4列の光源グループ211、および第6列の光源グループ213~第8列の光源グループ232の照射距離は決定されていない。
【0153】
図19は、予測後の照射距離の一例を示す図である。
図19を参照して、第2列の光源グループ222の照射距離の予測値は+6であり、第3列の光源グループ223の照射距離の予測値は+3であり、第4列の光源グループ211の照射距離の予測値は+1である。また、第6列の光源グループ213の照射距離の予測値は-1であり、第7列の光源グループ231の照射距離の予測値は-3であり、第8列の光源グループ232の照射距離の予測値は-6である。
【0154】
図20は、第1の変形例における発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図20を、参照して、ステップS01~ステップS03は、
図15に示したステップS01~ステップS03と同じである。
【0155】
ステップS21においては、複数の光源グループのうちから参照グループとして予め定められた光源グループを処理対象に選択し、処理をステップS22に進める。参照グループは、ここでは、第1列の光源グループ211と第9列の光源グループ233としている。参照グループである第1列の光源グループ211と第9列の光源グループ233のうちから1つを処理対象に選択する。ここでは、参照グループとして第1列の光源グループが選択される場合を例に説明する。
【0156】
ステップS22においては、参照グループの照射位置を決定し、処理をステップS23に進める。参照グループとして選択された第1列の光源グループの照射位置を決定する。光源グループの照射位置は、光源グループの代表光源に対応する照射位置である。例えば、参照グループとして、第1列の光源グループ221が選択されている場合、第1列の光源グループ221の代表光源である第4番の光源200の照射位置を、参照グループの照射位置に決定する。
【0157】
ステップS23においては、参照グループの代表距離を算出する。参照グループの照射位置と基準グループの照射位置との間の副走査方向の距離をその参照グループの代表距離として算出する。ステップS22において決定された参照グループの照射位置と、ステップS03において決定された基準グループの照射位置とから代表距離を算出する。代表距離は、参照グループの照射位置が基準グループの照射位置よりも副走査方向の上流側に位置する場合はプラスの値となり、参照グループの照射位置が基準グループの照射位置よりも副走査方向の下流側に位置する場合はマイナスの値となる。
【0158】
ステップS24においては、処理対象に選択されていない参照グループが存在するか否かを判断する。未選択の参照グループが存在するならば処理をステップS21に戻すが、存在しなければ処理をステップS25に進める。
【0159】
ステップS25においては、複数の光源グループのうちから1つを処理対象に選択し、処理をステップS26に進める。ステップS26においては、処理対象に選択された光源グループが基準グループか否かを判断する。基準グループならば処理をステップS30に進めるが、そうでなければ処理をステップS26に進める。ステップS26においては、配置距離を取得し、処理をステップS27に進める。ここでは、処理対象に選択された光源グループの配置距離と、参照グループの配置距離とを取得する。処理対象に選択された光源グループの配置距離は、その光源グループと基準グループとの間の副走査方向の距離であり、予め定められた距離である。例えば、第2列の光源グループ222が処理対象に選択されている場合、第2列の光源グループ222と基準グループである第5列の光源グループ212との間の副走査方向の距離を、配置距離として決定する。また、参照グループの配置距離は、その参照グループと基準グループとの間の副走査方向の距離であり、予め定められた距離である。ここでは、参照グループとして第1列の光源グループ221としているので、第1列の光源グループ221と基準グループである第5列の光源グループ212との間の副走査方向の距離を、参照グループの配置距離として決定する。なお、参照グループとして、第1列の光源グループ221と第9列の光源グループ233との2つあるが、いずれか一方の配置距離を用いるようにすればよい。
【0160】
ステップS28においては、処理対象に選択されている光源グループの補正量を算出する。上記式(1)を用いて処理対象である光源グループの照射距離を予測し、予測された照射距離を画像形成速度で除算した値を、その光源グループの補正量に決定する。なお、参照グループである第1列の光源グループ211および第9列の光源グループ233それぞれの照射距離は、ステップS23において代表距離として決定されているので、代表距離を画像形成速度で除算した値を補正量に決定する。
【0161】
ステップS29においては、処理対象に選択された光源グループに属する複数の光源200の発光タイミングを、補正量を用いて補正し、処理をステップS30に進める。補正量がプラスならば発光タイミングを補正量だけ遅らせ、補正量がマイナスならば発光タイミングを補正量だけ早くする。
【0162】
ステップS30においては、処理対象に選択されていない光源グループが存在するか否かを判断する。未選択の光源グループが存在するならば処理をステップS25に戻すが、存在しなければ処理を終了する。これにより、複数の光源グループすべてについて、ステップS25~ステップS29が実行されることにより、複数の光源グループ211,213,221,222,223,231,232,233それぞれに対する補正量が決定され、複数の光源200の発光タイミングが補正される。ただし、基準グループである光源グループ212の補正量は決定されないので、光源グループ212に属する複数の光源200の発光タイミングは補正されない。
【0163】
第1の変形例における露光装置21Yにおいて、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233は、例えば、2つの代表グループ212,221を含み、2つの代表グループ212,221は、基準グループ212と、参照グループ221とを含み、CPU111は、複数の光源グループ211,213,221,222,223,231,232,233ごとに、例えば、光源グループ211について、光源グループ221と基準グループ212との間の配置距離と、参照グループ221と基準グループ212との間の配置距離と、参照グループ221に属する代表光源に対応する照射位置と基準グループ212に属する代表光源に対応する照射位置との間の副走査方向の代表距離と、に基づいて、光源グループ221に形成された複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を決定する。このため、少なくとも2つの代表グループ212,221それぞれの照射位置を検出すればよいので、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233すべてにそれぞれ対応する照射位置を検出する必要がなく、処理が簡略になり、容易に補正量を決定することができる。
【0164】
<第2の変形例>
第1の実施の形態におけるMFP100においては、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれの照射位置を決定し、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれの補正量を決定するようにした。
【0165】
第2の変形例におけるMFP100においては、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第1補正量を決定する。そして、MFP100は、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに、それぞれに形成された複数の光源200の発光タイミングを第1補正量で補正する。例えば、第1光源基板201に形成された複数の光源200の発光タイミングを、第1光源基板20に対して決定された第1補正量で補正する。
【0166】
図21は、第2の変形例におけるMFP100が備えるCPU111の機能の一例を示すブロック図である。
図21を参照して、
図11に示した機能と異なる点は、補正部55および露光制御部57が補正部55Bおよび露光制御部57Aに変更された点である。補正部55Aは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第1補正量を決定し、露光制御部57Aに出力する。
【0167】
露光制御部57Aは、補正部55Bから入力される第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第1補正量に基づいて、露光装置21Y、21M,21C,21Kにそれぞれ含まれる複数の光源200を発光させるタイミングを補正する。具体的には、露光制御部57Aは、第2光源基板202に形成される複数の光源200の発光タイミングを、第2光源基板202に対して決定された第1補正量で補正し、第3光源基板203に形成される複数の光源200の発光タイミングを、第3光源基板203に対して決定された第1補正量で補正する。補正量がプラスの場合は、発光タイミングを補正量だけ遅らせ、補正量がマイナスの場合は、発光タイミングを補正量だけ早くする。なお、第1光源基板201に対して決定される第1補正量はゼロなので、第1光源基板201に形成される複数の光源200の発光タイミングは、補正しない。
【0168】
図22は、第2の変形例における補正部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。
図22を参照して、第2の変形例における補正部55Bが、
図12に示した補正部55の機能と異なる点は、照射距離算出部63および補正量決定部65が、基板距離算出部81および第1補正量決定部83にそれぞれ変更された点である。その他の機能は、
図12に示した機能と同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0169】
基板距離算出部81は、第1光源基板201に対応する基板距離、第2光源基板202に対応する基板距離および第3光源基板203に対応する基板距離を算出する。基板距離は、基準基板の基準基板位置と参照基板の参照基板位置との間の副走査方向の距離である。基準基板位置は、基準基板の代表光源の照射位置である。基準基板の代表光源は、基準基板に含まれる複数の光源グループのうちの代表グループの代表光源である。参照基板位置は、参照基板の代表光源の照射位置である。参照基板の代表光源は、参照基板に含まれる複数の光源グループのうちの代表グループの代表光源である。ここでは、第1光源基板201が基準基板に設定されており、第2光源基板202と第3光源基板203とが参照基板に設定されている場合を例に説明する。
【0170】
第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれは、その基板に形成される複数の光源200のうち1つがその基板の代表光源として定められている。第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれに含まれる複数の光源グループは、代表グループと代表グループ以外の参照グループとを含む。ここでは、第1光源基板201は、光源グループ212を代表グループとし、光源グループ212に属する第14番の光源200を代表光源としている。したがって、第14番の光源200は、第1光源基板201の代表光源である。第2光源基板202は、光源グループ222を代表グループとし、光源グループ222に属する第5番の光源200を代表光源としている。したがって、第5番の光源200は、第2光源基板202の代表光源である。さらに、第3光源基板203は、光源グループ232を代表グループとし、光源グループ232に属する第23番の光源200を代表光源としている。したがって、第23番の光源200は、第3光源基板203の代表光源である。
【0171】
このため、基準基板が第1光源基板201なので、基準基板位置は、第1光源基板201の代表光源の照射位置である。基板距離算出部81は、第1光源基板201の基板距離をゼロに決定する。基板距離算出部81は、参照基板の代表光源の照射位置である参照基板位置と基準基板の代表光源の照射位置である基準基板位置との副走査方向の距離を参照基板の基板距離に決定する。参照基板位置が基準基板位置よりも副走査方向で上流側に位置する場合、参照基板の基板距離をプラスの値とし、参照基板位置が基準基板位置よりも副走査方向で下流側に位置する場合、参照基板の基板距離をマイナスの値とする。具体的には、基板距離算出部81は、第2光源基板202の参照基板位置と基準基板位置との間の距離を第2光源基板202の基板距離に決定し、第3光源基板203の参照基板位置と基準基板位置との間の距離を第2光源基板202の基板距離に決定する。
【0172】
基板距離算出部81は、第1光源基板201の基板距離、第2光源基板202の基板距離および第3光源基板203の基板距離を、第1補正量決定部83に出力する。
【0173】
第1補正量決定部83は、第2光源基板202の基板距離に基づいて、第2光源基板202に対応する第1補正量を決定する。具体的には、第1補正量決定部83は、第2光源基板202の基板距離を画像形成速度で除算した値を第1補正量に決定する。第1補正量決定部83は、第3光源基板203の基板距離に基づいて、第3光源基板203に対応する第1補正量を決定する。具体的には、第1補正量決定部83は、第3光源基板203に対応する基板距離を画像形成速度で除算した値を第1補正量に決定する。
【0174】
図23は、基板距離算出部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。
図23を参照して、基板距離算出部81は、基板代表グループ決定部82と、基板基準グループ位置決定部67Bと、基板参照グループ位置決定部69Bと、を含む。基板代表グループ決定部82は、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれの基板代表グループを決定する。基板代表グループは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれを代表する光源グループである。ここでは、光源基板に含まれる複数の光源グループのうち副走査方向で中心に配置される光源グループをその光源基板を代表する基板光源グループに決定する。具体的には、基板代表グループ決定部82は、第1光源基板201に含まれる第5列の光源グループ212を基板代表グループに決定し、第2光源基板202に含まれる第2列の光源グループ222を基板代表グループに決定し、第3光源基板203に含まれる第8列の光源グループ232を基板代表グループに決定する。
【0175】
基板基準グループ位置決定部67Bは、複数の光源グループのうちの1つを基板基準グループに設定する。基板基準グループ位置決定部67Bは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれの基板代表グループのうち、それに属する複数の光源200と感光体ドラム23Yの回転中心を結んだ線が感光体ドラム23Yの表面と交わる角度が垂直または最も垂直に近くなる基板代表グループを基板基準グループに決定する。ここでは、基板基準グループ位置決定部67Bは、第1光源基板201の基板代表グループである第5列の光源グループ212を基板基準グループに決定する。基板基準グループである光源グループ212の代表光源は、第14番の光源200である。
【0176】
基板基準グループ位置決定部67Bは、グループ位置取得部61から入力される複数の光源グループそれぞれの照射位置のうち、基板基準グループである第5列の光源グループ212の照射位置を第1光源基板201の照射位置に決定する。第1光源基板201の照射位置は、基準基板位置である。
【0177】
基板参照グループ位置決定部69Bは、複数の基板代表グループのうち基板基準グループ以外の基板代表グループを基板参照グループに決定する。ここでは、第2光源基板202の基板代表グループである第2列の光源グループ222と、第3光源基板203の基板代表グループである第8列の光源グループ232と、を基板参照グループに決定する。基板参照グループ位置決定部69Bは、グループ位置取得部61から入力される複数の光源グループそれぞれの照射位置のうち、基板参照グループである第2列の光源グループ222の照射位置を第2光源基板202の照射位置に決定する。第2光源基板202の照射位置は、参照基板位置である。同様に、基板参照グループ位置決定部69Bは、基板参照グループである第8列の光源グループ232の照射位置を第3光源基板203の照射位置に決定する。第3光源基板203の照射位置は、参照基板位置である。
【0178】
図24は、第3の変形例における発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図24を参照して、CPU111は、画像形成部140にテストデータの画像を形成させる(ステップS31)。次のステップS32においては、照射位置データを取得する。ステップS31およびステップS32は、
図15のステップS01およびステップS02と同じである。したがって、ここでは、詳細な説明を繰り返さない。
【0179】
ステップS33においては、第1補正量決定処理を実行し、処理をステップS34に進める。第1補正量決定処理の詳細は後述するが、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第1補正量を決定する処理である。
【0180】
次のステップS34においては、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203のうちから処理対象となる基板を選択し、処理をステップS35に進める。ステップS35においては、処理対象に選択された基板に含まれる複数の光源グループのうちから1つを処理対象に選択し、処理をステップS36に進める。ステップS36においては、処理対象に選択された光源グループに属する複数の光源200の発光タイミングを、ステップS34において選択された基板に対する第1補正量を用いて補正し、処理をステップS37に進める。ステップS37においては、処理対象に選択されていない光源グループが存在するか否かを判断する。未選択の光源グループが存在するならば処理をステップS35に戻すが、存在しなければ処理をステップS38に進める。
【0181】
ステップS38においては、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203のうちに、ステップS34において処理対象に選択されていない基板が存在するか否かを判断する。未選択の基板が存在するならば処理をステップS34に戻すが、そうでなければ処理を終了する。これにより、第2光源基板202および第3光源基板203にそれぞれ含まれる複数の光源グループすべてについて、ステップS36が実行される。基準基板である第1光源基板201の第1補正量がゼロなので、光源グループ211,212,213に属する複数の光源200の発光タイミングは補正されない。
【0182】
図25は、第1補正量決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1補正量決定処理は、
図24のステップS33で実行される処理である。
図25を参照して、CPU111は、基準基板の基板代表グループを決定する(ステップS41)。ここでは、複数の光源グループのうちで、それに属する複数の光源200と感光体ドラム23Yの回転中心を結んだ線が感光体ドラム23Yの表面と交わる角度が垂直または最も垂直に近くなる光源グループ212を基準基板の基板代表グループに決定する。
【0183】
次のステップS42においては、基準基板位置を決定する。基準基板位置は、基準基板の照射位置である。基準基板は、基板基準グループである光源グループ212を含む第1光源基板201である。照射位置データで定められる複数の光源グループそれぞれの照射位置のうち、基準基板の基板代表グループである第5列の光源グループ212の照射位置を基準基板位置に決定する。
【0184】
次のステップS43においては、参照基板を選択する。第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203のうち、基準基板以外の第2光源基板202および第3光源基板203が参照基板である。第2光源基板202および第3光源基板203のうちから処理対象となる1つを選択する。ここでは、第2光源基板202を処理対象に選択する場合を例に説明する。
【0185】
ステップS44においては、処理対象に選択された参照基板の基板代表グループを決定する。ここでは、処理対象に選択された第2光源基板202に含まれる第2列の光源グループ222を基板代表グループに決定する。第2光源基板202に含まれる光源グループ221,222,223のうち副走査方向で中心に配置された光源グループ222を基板代表グループに決定する。
【0186】
次のステップS45においては、参照基板位置を検出する。参照基板位置は、参照基板の照射位置である。照射位置データで定められる複数の光源グループそれぞれの照射位置のうち、ステップS44において参照基板の基板代表グループに決定された第2列の光源グループ222の照射位置を、参照基板位置に決定する。
【0187】
次のステップS46においては、基板距離を算出し、処理をステップS47に進める。基板距離は、基準基板の照射位置と参照基板の照射位置との間の副走査方向の距離である。ここでは、基準基板である第1光源基板201の照射位置と、参照基板である第2光源基板202の照射位置との間の距離を、参照基板である第2光源基板202の基板距離として算出する。
【0188】
次のステップS47においては、参照基板の第1補正量を決定し、処理をステップS48に進める。ステップS46において算出された参照基板の基板距離を画像形成速度で除算した値を第1補正量に決定する。ステップS48においては、ステップS43において処理対象に選択されていない参照基板が存在するか否かを判断する。未選択の参照基板が存在すれば処理をステップS43に戻すが、そうでなければ処理を発光タイミング補正処理に戻す。参照基板である第2光源基板202および第3光源基板203それぞれに対して、ステップS43~ステップS47が実行され、それぞれに対する第1補正量が決定される。
【0189】
第3の変形例における露光装置21Yは、光源グループ211,212,213それぞれ属する複数の光源200が形成された第1光源基板201、光源グループ221,222,223それぞれ属する複数の光源200が形成された第2光源基板202、光源グループ231,232,233それぞれ属する複数の光源200が形成された第3光源基板203を含み、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203は、基板代表グループ212,222,223をそれぞれ含み、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれは、それに属する複数の光源200のうちから選択された代表光源を有し、CPU111は、基板代表グループ212,222,223にそれぞれ属する複数の代表光源に対する3つの照射位置間の副走査方向の基板距離に基づいて、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203ごとに、その基板に形成された複数の光源200の発光タイミングを補正するための第1補正量を決定する。このため、基板代表グループ212,222,223それぞれに対する照射位置を検出すればよいので、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233すべてにそれぞれ対応する照射位置を検出する必要がなく、処理が簡略になり、容易に補正量を決定することができる。
【0190】
<第4の変形例>
第3の変形例におけるMFP100は、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第1補正量を決定する。第4の変形例におけるMFP100は、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第1補正量を決定するのに加えて、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第2補正量を決定するようにしたものである。
【0191】
図26は、第4の変形例における補正部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。
図26を参照して、補正部55Cは、
図22に示した機能に加えて、照射距離算出部63Bおよび第2補正量決定部85が追加された点である。その他の機能は同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0192】
照射距離算出部63Bは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに、基準グループを決定し、光源グループの照射位置と基準グループの照射位置とから光源グループの照射位置を決定する。ここでは、第2光源基板202を例に説明する。照射距離算出部63Bは、第2光源基板202の代表グループである光源グループ222を基準グループに設定する。そして、代表グループ以外の光源グループ221,223を参照グループに設定する。照射距離算出部63Bは、参照グループである光源グループ221の照射位置と基準グループである光源グループ222の照射位置との間の副走査方向の距離を光源グループ222の照射距離に決定する。同様に、照射距離算出部63Bは、参照グループである光源グループ223の照射位置と基準グループである光源グループ222の照射位置との間の副走査方向の距離を光源グループ223の照射距離に決定する。照射距離算出部63Bは、光源グループ222,223の照射距離を第2補正量決定部85に出力する。なお、基準グループである光源グループ222の照射距離はゼロである。
【0193】
第2補正量決定部85は、光源グループ221,223の照射距離に基づいて第2補正量を決定する。具体的には、光源グループ221の照射距離を画像形成速度で除算した値を光源グループ221の第2補正量に決定する。また、光源グループ223の照射距離を画像形成速度で除算した値を光源グループ223の第2補正量に決定する。なお、基準グループである光源グループ222の照射距離はゼロなので、光源グループ222の第2補正量をゼロに決定する。
【0194】
補正部55Cは、複数の光源グループごとに、第1補正量および第2補正量から補正量を決定する。第1補正量と第2補正量とを加算した値を補正量とすればよい。
【0195】
図27は、第4の変形例における発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図27を参照して、ステップS31~ステップS33は、
図24に示したステップS31~ステップS33と同じである。ステップS33において、第1補正量決定処理を実行し、処理をステップS51に進める。
【0196】
ステップS51においては、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203のうちから処理対象となる基板を選択し、処理をステップS52に進める。ステップS52においては、第2補正量決定処理を実行し、処理をステップS53に進める。第2補正量決定処理の詳細は後述するが、処理対象に選択された基板ごとに、その基板に含まれる複数の光源グループごとの第2補正量を決定する処理である。
【0197】
ステップS53においては、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203のうちに、ステップS51において処理対象に選択されていない基板が存在するか否かを判断する。未選択の基板が存在するならば処理をステップS51に戻すが、そうでなければ処理をステップS54に進める。
【0198】
ステップS54においては、処理対象に選択された基板に含まれる複数の光源グループのうちから1つを処理対象に選択し、処理をステップS55に進める。ステップS55においては、処理対象に選択された光源グループに属する複数の光源200の発光タイミングを、第1補正量および第2補正量を用いて補正し、処理をステップS56に進める。ステップS56においては、処理対象に選択されていない光源グループが存在するか否かを判断する。未選択の光源グループが存在するならば処理をステップS54に戻すが、存在しなければ処理を終了する。これにより、複数の光源グループすべてについて、ステップS38が実行されることにより、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれに対する補正量が決定され、複数の光源200の発光タイミングが補正される。ただし、基準基板である第1光源基板201の代表グループである第5列の光源グループ212の補正量は決定されないので、光源グループ212に属する複数の光源200の発光タイミングは補正されない。
【0199】
図28は、第2補正量決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2補正量決定処理は、
図27のステップS52で実行される処理である。第2補正量決定処理が実行される前のステップS51において、処理対象として基板が選択されている。ここでは、第2光源基板202が選択されている場合を例に説明する。
【0200】
図28を参照して、CPU111は、処理対象に選択されている第2光源基板202の代表グループを基準グループに設定する(ステップS61)。第2光源基板202の代表グループは、光源グループ222である。次のステップS62においては、基準グループの照射位置を決定し、処理をステップS63に進める。照射位置データで定められる複数の光源グループそれぞれの照射位置のうち、ステップS61において基準グループに決定された第2列の光源グループ222の照射位置を、基準グループ位置に決定する。
【0201】
ステップS63においては、処理対象に選択されている第2光源基板202に含まれる光源グループ221,222,223のうちから1つを処理対象に選択し、処理をステップS64に進める。ステップS64においては、処理対象に選択された光源グループが基準グループか否かを判断する。基準グループならば処理をステップS68に進めるが、そうでなければ処理をステップS65に進める。ステップS65においては、処理対象に選択された光源グループの照射位置を決定し、処理をステップS67に進める。光源グループの照射位置は、光源グループの代表光源に対応する照射位置である。例えば、光源グループ221が処理対象に選択されている場合、光源グループ221の代表光源である第4番の光源200の照射位置を、光源グループの照射位置に決定する。
【0202】
ステップS66においては、処理対象に選択されている光源グループの照射距離を算出する。光源グループの照射位置と基準グループの照射位置との間の副走査方向の距離をその光源グループの照射距離として算出する。ステップS65において決定された光源グループの照射位置と、ステップS62において決定された基準グループの照射位置とから照射距離を算出する。照射距離は、光源グループの照射位置が基準グループの照射位置よりも副走査方向の上流側に位置する場合はプラスの値となり、光源グループの照射位置が基準グループの照射位置よりも副走査方向の下流側に位置する場合はマイナスの値となる。
【0203】
次のステップS67においては、処理対象に選択されている光源グループの第2補正量を決定し、処理をステップS68に進める。ステップS66で算出された照射距離を画像形成速度で除算した値を第2補正量に決定する。
【0204】
ステップS68においては、ステップS62において処理対象に選択されていない光源グループが存在するか否かを判断する。未選択の光源グループが存在するならば処理をステップS63に戻すが、存在しなければ処理を発光タイミング補正処理に戻す。
【0205】
第4の変形例における露光装置21Yにおいて、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203それぞれにおいて、例えば、第1光源基板201に含まれる光源グループ211,212,213は、基準グループ212と、参照グループ211,213とを含み、CPU111は、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203ごとに、例えば、第1光源基板201に含まれる参照グループ211,213に属する代表光源に対応する照射位置として検出された参照グループ位置と第1光源基板201に含まれる基準グループ212に属する代表光源に対応する照射位置として検出される基準グループ位置との間の副走査方向の照射距離に基づいて、参照グループ211,213に属する複数の光源200の発光タイミングを補正するための第2補正量を決定する。このため、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203ごとに、例えば、第1光源基板201の光源グループ211,212,213それぞれの第2補正量が決定されるので、補正量を正確に決定することができる。
【0206】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態におけるMFP100は、画像形成ユニット20Kと転写ローラー26との間で、主走査方向で異なる位置に2つの第1レジストセンサー39Aおよび第2レジストセンサー39Bを設けるようにしたものである。
【0207】
図29は、第2の実施の形態における中間転写ベルトの底面図である。第1レジストセンサー39Aおよび第2レジストセンサー39Bは、中間転写ベルト30の主走査方向の両端部にそれぞれ配置される。このため、第1レジストセンサー39Aは、中間転写ベルト30に形成されたトナー像のうち主走査方向の第1範囲内の領域でトナー像を読み取ることができ、第2レジストセンサー39Bは、中間転写ベルト30に形成されたトナー像のうち主走査方向の第2範囲内の領域でトナー像を読み取ることができる。ここでは、第1レジストセンサー39Aは、第1範囲に含まれる第1番~第27番の光源200に対応する照射位置で形成されるトナー像を読み取り可能な位置に配置される。第2レジストセンサー39Bは、第2範囲に含まれる第(N-26)番~第N番の光源200に対応する照射位置で形成されるトナー像を読み取り可能な位置に配置される。ただし、Nは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれに形成された複数の光源の数であり、54以上の正の整数である。
【0208】
図30は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図30に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が発光タイミング補正プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。
図11に示す機能と異なる点は、センサー制御部51、検出部53および補正部55が第1センサー制御部51A、第1検出部53Aおよび補正部55Dにそれぞれ変更された点、第2センサー制御部51B、第2検出部53Bが追加された点である。その他の機能は
図11に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0209】
第1検出部53Aおよび第2検出部53Bそれぞれは、露光装置21Y、21M,21C,21Kそれぞれに含まれる複数の光源200が射出する光が感光体ドラム23Y,23M,23C,23Kにそれぞれ照射される照射位置を検出する。具体的には、第1検出部53Aは、露光制御部57にテストデータを出力し、露光装置21Y、21M,21C,21Kそれぞれに、テストデータに従って光を照射させる。テストデータは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色それぞれに対応する画像データである。テストデータは、主走査方向に平行な直線の画像を含むのが好ましい。
【0210】
第1検出部53Aおよび第2検出部53Bが、露光装置21Y、21M,21C,21Kそれぞれに対応する照射位置を検出する動作は同じなので、露光装置21Yを例に説明する。露光装置21Yには、イエローのテストデータが入力される。
【0211】
第1検出部53Aは、第1センサー制御部51Aに読み取り指示を出力し、中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取らせる。第1センサー制御部51Aは、レジストセンサー39Aを制御し、中間転写ベルト30に形成された第1範囲のトナー像を読み取らせ、レジストセンサー39Aが出力する第1読取データを取得する。第1センサー制御部51Aは、取得された第1読取データを検出部53に出力する。
【0212】
第1検出部53Aは、第1センサー制御部51Aから入力される第1読取データに基づいて、露光装置21Yに含まれる複数の光源200それぞれが射出する光が感光体ドラム23Yに照射される照射位置を検出する。照射位置は、主走査方向および副走査方向を座標軸とする座標空間で表される。
【0213】
イエローのテストデータに含まれる主走査方向に平行な直線の画像は、露光装置21Yに含まれる複数の光源のうち少なくとも第1範囲内の第1番~第27番および第2範囲内の第(N-26)番~第N番の光源200に対応する画像を含む。このため、第1検出部53Aは、第1レジストセンサー39Aが出力する第1読取データを用いて、露光装置21Yの第1番~第27番の光源200それぞれが射出する光が感光体ドラム23Yに照射される照射位置を検出する。第1検出部53Aは、露光装置21Yに含まれる第1番~第27番の光源200にそれぞれ対応して検出した第1番~第27番の照射位置を示す第1照射位置データを補正部55Dに出力する。第1読取データにおいては、トナー像が形成された画素の明度が、トナー像が形成されていない画素の明度よりも低くなる。一方、第1範囲内の第1番~第27番の光源200それぞれに対応する照射位置において、主走査方向の位置が予め定められている。このため、第1検出部53Aは、第1番~第27番の光源200それぞれに対応する照射位置を、予め定められた主走査方向の位置に存在する明度が低くなる画素値の位置として特定する。
【0214】
第2検出部53Bは、第2センサー制御部51Bに読み取り指示を出力し、中間転写ベルト30に形成された第2範囲内のトナー像を読み取らせる。第2センサー制御部51Bは、第2レジストセンサー39Bを制御し、中間転写ベルト30に形成された第2範囲内のトナー像を読み取らせ、第2レジストセンサー39Bが出力する第2読取データを取得する。第2センサー制御部51Bは、取得された第2読取データを検出部53に出力する。
【0215】
第2検出部53は、第2センサー制御部51Bから入力される第2読取データに基づいて、露光装置21Yに含まれる複数の光源200それぞれが射出する光が感光体ドラム23Yに照射される照射位置を検出する。
【0216】
第2検出部53Bは、第2レジストセンサー39Bが出力する第2読取データを用いて、露光装置21Yの第2範囲に含まれる第(N-26)番~第N番の光源200それぞれが射出する光が感光体ドラム23Yに照射される照射位置を検出する。第2検出部53Bは、露光装置21Yに含まれる第(N-26)番~第N番の光源200にそれぞれ対応して検出した第(N-26)番~第N番の照射位置を示す第2照射位置データを補正部55Dに出力する。第2検出部53Bは、第(N-26)番~第N番の光源200それぞれに対応する照射位置を、予め定められた主走査方向の位置に存在する明度が低くなる画素値の位置として特定する。
【0217】
露光装置21Yの第1番~第27番および第(N-26)番~第N番の光源200それぞれが射出する光が感光体ドラム23Yに照射される照射位置は、理想的には、感光体ドラム23Yにおいて主走査方向に平行な直線となる。このため、照射位置データで示される第1番~第27番および第(N-26)番~第N番の照射位置は、副走査方向が同じ位置となるはずである。しかしながら、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203の相対位置のずれ、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203と感光体ドラム23Yとの相対位置のずれ等が原因で、第1番~第27番および第(N-26)番~第N番の照射位置が、副走査方向で同じ位置とならない場合がある。
【0218】
補正部55Dは、第1検出部53Aから入力される第1照射位置データで示される複数の照射位置の少なくとも2つの間の副走査方向の第1照射距離と、第2検出部53Bから入力される第2照射位置データで示される複数の照射位置の少なくとも2つの間の副走査方向の第2照射距離と、に基づいて、露光装置21Yに含まれる複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を決定する。
【0219】
具体的には、補正部55Dは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第1補正量を決定し、補正部55Dは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第2補正量を決定し、第1補正量と第2補正量とから露光装置21Yに含まれる複数の光源200の発光タイミングを補正するための補正量を決定する。補正部55Dは、複数の光源200それぞれの補正量を、露光制御部57に出力する。
【0220】
露光制御部57は、補正部55Dから入力される複数の光源200ごとの補正量に基づいて、露光装置21Y、21M,21C,21Kにそれぞれ含まれる複数の光源200を発光させるタイミングを補正する。例えば、露光制御部57は、光源グループ211に属する複数の光源200の発光タイミングを、補正量で補正する。補正量がプラスの場合は、発光タイミングを補正量だけ遅らせ、補正量がマイナスの場合は、発光タイミングを補正量だけ早くする。
【0221】
図31は、第2の実施の形態における補正部の詳細な機能の一例を示す図である。補正部55Dは、第1グループ位置取得部61Aと、第2グループ位置取得部61Bと、第1基板距離算出部81Aと、第2基板距離算出部81Bと、第1補正量決定部83Aと、照射距離算出部63Cと、第2補正量決定部85Aと、を含む。
【0222】
第1グループ位置取得部61Aは、複数の光源グループそれぞれに対応する第1範囲の照射位置を取得する。第1グループ位置取得部61Aは、複数の光源グループそれぞれにおいて、その光源グループに含まれる複数の光源200のうちの第1範囲の1つを第1代表光源に決定する。ここでは、第1照射位置データが、第1範囲の第1番~第27番の光源200に対応する照射位置を含むので、対象とする光源グループに含まれる3つの光源200のいずれかを第1代表光源に決定する。例えば、グループ位置取得部61は、光源グループ211に含まれる複数の光源のうち第1レンズグループ241Aに含まれる第10番、第13番および第16番の3つの光源200のうち、副主走査方向に中心に配置される第13番の光源200を光源グループ211の第1代表光源に決定する。同様に、第1グループ位置取得部61Aは、光源グループ212に含まれる第14番の光源200を光源グループ212の第1代表光源に決定する。同様に、第1グループ位置取得部61Aは、光源グループ213に含まれる第15番の光源200を光源グループ213の第1代表光源に決定する。
【0223】
同様に、第1グループ位置取得部61Aは、第2光源基板202について、光源グループ221に含まれる第4番の光源200を光源グループ221の第1代表光源に決定し、光源グループ222に含まれる第5番の光源200を光源グループ222の第1代表光源に決定し、光源グループ223に含まれる第6番の光源200を光源グループ223の第1代表光源に決定する。同様に、第1グループ位置取得部61Aは、第3光源基板203について、光源グループ231に含まれる第22番の光源200を光源グループ231の第1代表光源に決定し、光源グループ232に含まれる第23番の光源200を光源グループ232の第1代表光源に決定し、光源グループ233に含まれる第24番の光源200を光源グループ233の第1代表光源に決定する。
【0224】
第1グループ位置取得部61Aは、複数の光源グループそれぞれについて、光源グループの第1代表光源に対応する照射位置を第1基板距離算出部81Aおよび照射距離算出部63Cに出力する。以下、光源グループの第1代表光源に対応する照射位置を、光源グループの第1照射位置という。
【0225】
第2グループ位置取得部61Bは、複数の光源グループそれぞれに対応する第2範囲の照射位置を取得する。第2グループ位置取得部61Bは、複数の光源グループそれぞれにおいて、その光源グループに含まれる複数の光源200のうちの第2範囲の1つを第2代表光源に決定する。ここでは、第2照射位置データが、第2範囲の第(N-26)番~第N番の光源200に対応する照射位置を含むので、対象とする光源グループに含まれる3つの光源200のいずれかを第2代表光源に決定する。例えば、第2グループ位置取得部61Bは、光源グループ211に含まれる複数の光源のうち第1レンズグループ241Aに含まれる第(N-17)番、第(N-14)番および第(N-11)番の3つの光源200のうち、副主走査方向に中心に配置される第(N-14)番の光源200を光源グループ211の第2代表光源に決定する。同様に、第2グループ位置取得部61Bは、光源グループ212に含まれる第(N-13)番の光源200を光源グループ212の第2代表光源に決定する。同様に、第2グループ位置取得部61Bは、光源グループ213に含まれる第(N-12)番の光源200を光源グループ213の第2代表光源に決定する。
【0226】
同様に、第2グループ位置取得部61Bは、第2光源基板202について、光源グループ221に含まれる第(N-23)番の光源200を光源グループ221の第2代表光源に決定し、光源グループ222に含まれる第(N-22)番の光源200を光源グループ221の第2代表光源に決定し、光源グループ223に含まれる第(N-21)番の光源200を光源グループ223の第2代表光源に決定する。同様に、第2グループ位置取得部61Bは、第3光源基板203について、光源グループ231に含まれる第(N-5)番の光源200を光源グループ231の第2代表光源に決定し、光源グループ232に含まれる第(N-4)番の光源200を光源グループ232の第2代表光源に決定し、光源グループ233に含まれる第(N-3)番の光源200を光源グループ233の第2代表光源に決定する。
【0227】
第2グループ位置取得部61Bは、複数の光源グループそれぞれについて、光源グループの第2代表光源に対応する照射位置を第2基板距離算出部81Bに出力する。以下、光源グループの第2代表光源に対応する照射位置を、光源グループの第2照射位置という。
【0228】
第1基板距離算出部81Aは、
図23に示した基板距離算出部81と同様の機能を有する。具体的には、第1基板距離算出部81Aは、第1光源基板201に対応する第1基板距離、第2光源基板202に対応する第1基板距離および第3光源基板203に対応する第1基板距離を算出する。第1基板距離は、基準基板の第1基準基板位置と参照基板の第1参照基板位置との間の副走査方向の距離である。第1基準基板位置は、基準基板の第1基板代表光源の照射位置である。基準基板の第1基板代表光源は、基準基板に含まれる複数の光源グループのうちの代表グループの第1代表光源である。第1参照基板位置は、参照基板の第1基板代表光源の照射位置である。参照基板の第1基板代表光源は、参照基板に含まれる複数の光源グループのうちの代表グループの第1代表光源である。ここでは、第1光源基板201が基準基板に設定されており、第2光源基板202と第3光源基板203とが参照基板に設定されている場合を例に説明する。
【0229】
第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれは、その基板に形成される複数の光源200のうち1つがその基板の第1基板代表光源として定められている。ここでは、第1光源基板201の第1基板代表光源は第14番の光源200であり、第2光源基板202の第1基板代表光源は、第5番の光源200であり、第3光源基板203の第1基板代表光源は第23番の光源200である。
【0230】
このため、基準基板が第1光源基板201なので、第1基準基板位置は、第1光源基板201の第1基板代表光源の照射位置である。第1基板距離算出部81Aは、第1光源基板201の第1基板距離をゼロに決定する。第1基板距離算出部81Aは、参照基板の第1基板代表光源の照射位置である第1参照基板位置と基準基板の第1基板代表光源の照射位置である第1基準基板位置との副走査方向の距離を参照基板の第1基板距離に決定する。第1参照基板位置が第1基準基板位置よりも副走査方向で上流側に位置する場合、参照基板の第1基板距離をプラスの値とし、第1参照基板位置が第1基準基板位置よりも副走査方向で下流側に位置する場合、参照基板の第1基板距離をマイナスの値とする。具体的には、第1基板距離算出部81Aは、第2光源基板202の第1参照基板位置と第1基準基板位置との間の距離を第2光源基板202の第1基板距離に決定し、第3光源基板203の第1参照基板位置と第1基準基板位置との間の距離を第2光源基板202の第1基板距離に決定する。
【0231】
第1基板距離算出部81Aは、第1光源基板201の第1基板距離、第2光源基板202の第1基板距離および第3光源基板203の第1基板距離を、第1補正量決定部83Aに出力する。
【0232】
第2基板距離算出部81Bは、
図23に示した基板距離算出部81と同様の機能を有する。具体的には、第2基板距離算出部81Bは、第1光源基板201に対応する第2基板距離、第2光源基板202に対応する第2基板距離および第3光源基板203に対応する第2基板距離を算出する。第2基板距離は、基準基板の第2基準基板位置と参照基板の第2参照基板位置との間の副走査方向の距離である。第2基準基板位置は、基準基板の第2基板代表光源の照射位置である。基準基板の第2基板代表光源は、基準基板に含まれる複数の光源グループのうちの代表グループの第2代表光源である。第2参照基板位置は、参照基板の第2基板代表光源の照射位置である。参照基板の第2基板代表光源は、参照基板に含まれる複数の光源グループのうちの代表グループの第2代表光源である。ここでは、第1光源基板201が基準基板に設定されており、第2光源基板202と第3光源基板203とが参照基板に設定されている場合を例に説明する。
【0233】
第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれは、その基板に形成される複数の光源200のうち1つがその基板の第2基板代表光源として定められている。ここでは、第1光源基板201の第2基板代表光源は第(N-13)番の光源200であり、第2光源基板202の第2基板代表光源は、第(N-22)番の光源200であり、第3光源基板203の第2基板代表光源は第(N-4)番の光源200である。
【0234】
このため、基準基板が第1光源基板201なので、第2基準基板位置は、第1光源基板201の第2基板代表光源の照射位置である。第2基板距離算出部81Bは、第1光源基板201の第2基板距離をゼロに決定する。第2基板距離算出部81Bは、参照基板の第2基板代表光源の照射位置である第2参照基板位置と基準基板の第2基板代表光源の照射位置である第2基準基板位置との副走査方向の距離を参照基板の第2基板距離に決定する。第2参照基板位置が第2基準基板位置よりも副走査方向で上流側に位置する場合、参照基板の第2基板距離をプラスの値とし、第2参照基板位置が第2基準基板位置よりも副走査方向で下流側に位置する場合、参照基板の第2基板距離をマイナスの値とする。具体的には、第2基板距離算出部81Bは、第2光源基板202の第2参照基板位置と第2基準基板位置との間の距離を第2光源基板202の第2基板距離に決定し、第3光源基板203の第2参照基板位置と第2基準基板位置との間の距離を第2光源基板202の第2基板距離に決定する。
【0235】
第2基板距離算出部81Bは、第1光源基板201の第2基板距離、第2光源基板202の第2基板距離および第3光源基板203の第2基板距離を、第1補正量決定部83Aに出力する。
【0236】
第1補正量決定部83Aは、参照基板に対応する第1基板距離および第2基板距離に基づいて、参照基板に対応する第1補正量を決定する。第1補正量は、第1基板距離および第2基板距離が同じ場合は、参照基板に対応する第1基板距離を画像形成速度で除算した値である。第1基板距離および第2基板距離が異なる場合は、参照基板と基準基板とが主走査方向で平行でなく、傾いている。したがって、第1補正量決定部83Aは、参照基板の代表グループに属する複数の光源200それぞれに対して、第1基板距離および第2基板距離離それぞれを、その光源200と第1基板代表光源との間の第1配置距離と、その光源200と第2基板代表光源との間の第2配置距離とに基づいて、その光源に対する基板距離を決定する。具体的には、第1補正量決定部83Aは、参照基板の代表グループに属する複数の光源200ごとに、第1基板距離および第2基板距離離それぞれを、第1配置距離と第2配置距離との比で配分した値を基板距離に決定し、基板距離を画像形成速度で除算した値を第1補正量に決定する。
【0237】
具体的には、第1補正量決定部83Aは、参照基板である第2光源基板202の代表グループに属する複数の光源200ごとに、第1基板距離および第2基板距離離それぞれを、第1配置距離と第2配置距離との比で配分した値を基板距離に決定し、基板距離を画像形成速度で除算した値を第2光源基板202の第1補正量に決定する。また、第1補正量決定部83Aは、参照基板である第3光源基板203の代表グループに属する複数の光源200ごとに、第1基板距離および第2基板距離離それぞれを、第1配置距離と第2配置距離との比で配分した値を基板距離に決定し、基板距離を画像形成速度で除算した値を第3光源基板203の第1補正量に決定する。第1光源基板201は、基準基板なので、第1補正量はゼロである。
【0238】
照射距離算出部63Cは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに、基準グループを決定し、光源グループの照射位置と基準グループの照射位置とから光源グループの照射位置を決定する。本実施の形態においては、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203それぞれの代表グループを基準グループとしている。ここでは、第2光源基板202を例に説明する。
【0239】
照射距離算出部63Cは、第2光源基板202の代表グループである光源グループ222を基準グループに設定する。そして、代表グループ以外の光源グループ221,223を参照グループに設定する。照射距離算出部63Cは、参照グループである光源グループ221の第1照射位置と基準グループである光源グループ222の第1照射位置との間の副走査方向の距離を光源グループ222の照射距離に決定する。同様に、照射距離算出部63Bは、参照グループである光源グループ223の第1照射位置と基準グループである光源グループ222の第1照射位置との間の副走査方向の距離を光源グループ223の照射距離に決定する。照射距離算出部63Cは、光源グループ222,223の照射距離を第2補正量決定部85に出力する。なお、基準グループである光源グループ222の照射距離はゼロである。
【0240】
第2補正量決定部85は、光源グループ221,223の照射距離に基づいて第2補正量を決定する。具体的には、光源グループ221の照射距離を画像形成速度で除算した値を光源グループ221の第2補正量に決定する。また、光源グループ223の照射距離を画像形成速度で除算した値を光源グループ223の第2補正量に決定する。なお、基準グループである光源グループ222の照射距離はゼロなので、光源グループ222の第2補正量をゼロに決定する。
【0241】
補正部55Dは、複数の光源200ごとに、第1補正量および第2補正量から補正量を決定する。第1補正量と第2補正量とを加算した値を補正量とすればよい。第1補正量は、光源基板202の代表グループである光源グループ222に属する複数の光源200それぞれに対して決定される値である。光源基板202に含まれる光源グループ221,223それぞれにおいて、それに属する複数の光源200それぞれの第1補正量を、光源グループ222に属する複数の光源200のうち、その光源200と主走査方向の位置が最も近い光源200の第1補正量を、その光源の第1補正量とする。第2補正量は、光源グループ221,222ごとに決定される値である。補正部55Dは、複数の光源200ごとに決定された補正量を露光制御部57に出力する。
【0242】
図32は、第1照射位置データの一例を示す図である。
図32を参照して、複数の光源グループ211,212,213,221,222,223,231,232,233それぞれに対応する第1照射位置211A,212A,213A,221A,222A,223A,231A,232A,233Aを、黒色で示す。
【0243】
図33は、第2照射位置データの一例を示す図である。
図33を参照して、
図32に示した第1照射位置データと比較して、第1光源基板201に含まれる光源グループ211,212,213それぞれに対応する第2照射位置211B,212B,213Bは、副走査方向が、光源グループ211,212,213それぞれに対応する第1照射位置211A,212A,213Aと同じである。また、第2光源基板202に含まれる光源グループ221,222,223それぞれに対応する第2照射位置221B,222B,223Bは、副走査方向が、光源グループ221,222,223それぞれに対応する第1照射位置221A,222A,223Aと同じである。
【0244】
第3光源基板203に含まれる光源グループ231,232,233それぞれに対応する第2照射位置231B,232B,233Bは、副走査方向が、光源グループ231,232,233それぞれに対応する第1照射位置231A,232A,233Aよりも下流側に10マスずれている。
【0245】
図34は、基準基板と参照基板との配置状態の一例を示す模式図である。
図34を参照して、基準基板である第1光源基板201と、第3光源基板203とが複数の光源200が配列される方向が平行でない。
【0246】
ここで、第3光源基板203の第1基板距離をa、第2基板距離をbとし、光源200の照射位置と第1照射位置までの距離をL1、光源200の照射位置と第2照射位置までの距離をL2とする。この場合、第3光源基板203の光源200の基板距離LAは、次式(2)で示される。
LA=(aL2+bL1)/(L1+L2) … (2)
図35は、第2の実施の形態における発光タイミング補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図35を参照して、CPU111は、画像形成部140にテストデータの画像を形成させる(ステップS31)。次のステップS32Aにおいては、第1照射位置データを取得する。第1レジストセンサー39Aを制御し、中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取らせ、第1レジストセンサー39Aが出力する読取データを取得する。ここでは、イエローのトナー像を読み取って得られた読取データを例に説明する。第1レジストセンサー39Aが出力するイエローの読取データを用いて、露光装置21Yの第1番~第27番の光源200それぞれが射出する光の照射位置を第1照射位置として検出する。第1番~第27番の光源200それぞれについて、読取データにおいて、その光源200に対して予め定められた主走査方向の位置で明度が低くなる画素の副走査方向の位置を特定することにより、その光源200に対する照射位置を特定する。第1番~第27番の光源200それぞれについて第1照射位置を特定することにより、第1照射位置データを取得する。
【0247】
次のステップS33Aにおいては、第2照射位置データを取得する。第2レジストセンサー39Bを制御し、中間転写ベルト30に形成されたトナー像を読み取らせ、第2レジストセンサー39Bが出力する読取データを取得する。ここでは、イエローのトナー像を読み取って得られた読取データを例に説明する。第2レジストセンサー39Bが出力するイエローの読取データを用いて、露光装置21Yの第(N-26)番~第N番の光源200それぞれが射出する光の照射位置を第2照射位置として検出する。第(N-26)番~第N番の光源200それぞれについて、読取データにおいて、その光源200に対して予め定められた主走査方向の位置で明度が低くなる画素の副走査方向の位置を特定することにより、その光源200に対する照射位置を特定する。第(N-26)番~第N番の光源200それぞれについて第2照射位置を特定することにより、第2照射位置データを取得する。
【0248】
次のステップS33Aにおいては、第2の実施の形態における第1補正量決定処理を実行し、処理をステップS51に進める。第2の実施の形態における第1補正量決定処理の詳細は後述するが、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203ごとに第1補正量を決定する処理である。
【0249】
ステップS51においては、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203のうちから処理対象となる基板を選択し、処理をステップS52Aに進める。ステップS52Aにおいては、
図28に示した第2補正量決定処理を実行し、処理をステップS53に進める。第2補正量決定処理が実行されることにより、処理対象に選択された基板ごとに、その基板に含まれる複数の光源グループごとの第2補正量が決定される。
【0250】
ステップS53においては、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203のうちに、ステップS51において処理対象に選択されていない基板が存在するか否かを判断する。未選択の基板が存在するならば処理をステップS51に戻すが、そうでなければ処理をステップS54に進める。
【0251】
ステップS54においては、複数の光源グループのうちから1つを処理対象に選択し、処理をステップS55Aに進める。ステップS55Aにおいては、処理対象に選択された光源グループに属する複数の光源200のうちから1つを処理対象に選択し、処理をステップS55Bに進める。ステップS55Bにおいては、処理対象の光源200の発光タイミングを、第1補正量および第2補正量を用いて補正し、処理をステップS55Cに進める。ステップS55Cにおいては、処理対象に選択されていない光源200が存在するか否かを判断する。未選択の光源200が存在するならば処理をステップS55Aに戻すが、存在しなければ処理をステップS56に進める。
【0252】
ステップS56においては、処理対象に選択されていない光源グループが存在するか否かを判断する。未選択の光源グループが存在するならば処理をステップS54に戻すが、存在しなければ処理を終了する。これにより、複数の光源グループすべてについて、ステップS55A~ステップS55Bが実行されることにより、複数の光源200それぞれに対する補正量が決定され、複数の光源200の発光タイミングが補正される。ただし、基準基板である第1光源基板201の代表グループである光源グループ212の補正量は決定されないので、光源グループ212に属する複数の光源200の発光タイミングは補正されない。
【0253】
図36は、第2の実施の形態における第1補正量決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における第1補正量決定処理は、
図35のステップS33Aで実行される処理である。
図36を参照して、CPU111は、基準基板の代表グループを決定する(ステップS41)。ここでは、複数の光源グループのうちで、それに属する複数の光源200と感光体ドラム23Yの回転中心を結んだ線が感光体ドラム23Yの表面と交わる角度が垂直または最も垂直に近くなる光源グループ212を基準基板の代表グループに決定する。光源グループ212を含む第1光源基板201が基準基板である。
【0254】
次のステップS42Aにおいては、第1基準基板位置を決定し、処理をステップS42Bに進める。第1基準基板位置は、基準基板の第1照射位置である。第1照射位置データで定められる複数の光源グループそれぞれの第1照射位置のうち、基準基板である第1光源基板201の代表グループである光源グループ212の第1照射位置を、第1基準基板位置に決定する。
【0255】
次のステップS42Bにおいては、第2基準基板位置を決定し、処理をステップS43に進める。第2基準基板位置は、基準基板の第2照射位置である。第2照射位置データで定められる複数の光源グループそれぞれの第2照射位置のうち、基準基板である第1光源基板201の代表グループである光源グループ212の第2照射位置を、第2基準基板位置に決定する。
【0256】
次のステップS43においては、参照基板を選択し、処理をステップS44に進める。第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203のうち、基準基板以外の第2光源基板202および第3光源基板203が参照基板である。第2光源基板202および第3光源基板203のうちから処理対象となる1つを選択する。ここでは、第2光源基板202を処理対象に選択する場合を例に説明する。
【0257】
ステップS44においては、処理対象に選択された参照基板の代表グループを決定し、処理をステップS45Aに進める。ここでは、処理対象に選択された第2光源基板202に含まれる光源グループ222を代表グループに決定する。第2光源基板202に含まれる光源グループ221,222,223のうち副走査方向で中心に配置された光源グループ222を代表グループに決定する。
【0258】
ステップS45Aにおいては、第1参照基板位置を決定し、処理をステップS45Bに進める。第1参照基板位置は、参照基板の第1照射位置である。第1照射位置データで定められる複数の光源グループそれぞれの第1照射位置のうち、ステップS44において代表グループに決定された光源グループ222の第1照射位置を、第1参照基板位置に決定する。
【0259】
ステップS45Bにおいては、第2参照基板位置を決定し、処理をステップS46Aに進める。第2参照基板位置は、参照基板の第2照射位置である。第2照射位置データで定められる複数の光源グループそれぞれの第2照射位置のうち、ステップS44において代表グループに決定された光源グループ222の第2照射位置を、第2参照基板位置に決定する。
【0260】
ステップS46Aにおいては、第1基板距離を算出し、処理をステップS46Bに進める。第1基板距離は、第1基準基板位置と第1参照基板位置との間の副走査方向の距離である。ここでは、基準基板である第1光源基板201の光源グループ212の第1照射位置と、参照基板である第2光源基板202の光源グループ222の第1照射位置との間の距離を、参照基板である第2光源基板202の第1基板距離として算出する。
【0261】
ステップS46Bにおいては、第2基板距離を算出し、処理をステップS47Aに進める。第2基板距離は、第2基準基板位置と第2参照基板位置との間の副走査方向の距離である。ここでは、基準基板である第1光源基板201の光源グループ212の第2照射位置と、参照基板である第2光源基板202の光源グループ222の第2照射位置との間の距離を、参照基板である第2光源基板202の第2基板距離として算出する。
【0262】
ステップS47Aにおいては、光源別第1補正量決定処理を実行し、処理をステップS48に進める。光源別第1補正量決定処理は、複数の光源200ごとに第1補正量を決定する処理である。ステップS48においては、ステップS43において処理対象に選択されていない参照基板が存在するか否かを判断する。未選択の参照基板が存在すれば処理をステップS43に戻すが、そうでなければ処理を発光タイミング補正処理に戻す。
【0263】
図37は、光源別第1補正量決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。光源別第1補正量決定処理は、
図36のステップS47Aにおいて実行される処理である。
図37を参照して、CPU111は、複数の光源200のうちから1つを処理対象に選択し(ステップS61)、処理をステップS62に進める。ステップS62においては、処理対象の光源200の照射位置から第1照射位置までの距離L1を算出する。処理対象の光源200の照射位置と第1代表光源の照射位置である第1照射位置との間の距離をL1として算出する。
【0264】
ステップS63においては、処理対象の光源200の照射位置から第2照射位置までの距離L2を算出する。処理対象の光源200の照射位置と第2代表光源の照射位置である第2照射位置との間の距離をL2として算出する。
【0265】
次のステップS64においては、第1基板距離aと第2基板距離bとを決定し、処理をステップS65に進める。ステップS65においては、第1基板距離aと第2基板距離bとを、距離L1と距離L2との比で配分することにより、処理対象の光源200の第1補正量を決定する。具体的には、上記式(2)を用いて第1補正量を決定する。基板距離LAを画像形成速度で除算した値を第1補正量に決定する。
【0266】
次のステップS66においては、処理対象に選択されていない光源200が存在するか否かを判断する。未選択の光源200が存在すれば処理をステップS61に戻すが、存在しなければ処理を第1補正量決定処理に戻す。
【0267】
第2の実施の形態におけるMFP100において、露光装置21Y,21M,21C,21Kそれぞれは、例えば、露光装置21Yは、所定方向に沿って配列するように複数の光源200が形成された第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203を含み、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203それぞれに形成された複数の光源それぞれの位置が所定方向および所定方向と交わる副走査方向で互いに異なるように、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203が位置決めされており、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203それぞれは、基板に形成された複数の光源のうち所定方向に配列される位置が第1の範囲内の第1基板代表光源と所定方向に配列される位置が第2の範囲内の第2基板代表光源とを有する。
【0268】
CPU111は、感光体ドラム23Yに、複数の光源の少なくとも2つが射出する光が照射される照射位置を検出し、第1光源基板201を基準基板とし、第2光源基板202に形成された第1基板代表光源に対する照射位置として検出される第1参照基板位置と第1光源基板201に形成された第1基板代表光源に対する照射位置として検出される第1基準基板位置との間の副走査方向の第1基板距離と、第2光源基板202に形成された第2基板代表光源に対する照射位置として検出される第2参照基板位置と第1光源基板201に形成された第2基板代表光源に対する照射位置として検出される第2基準基板位置との間の副走査方向の第2基板距離と、に基づいて、第2光源基板202に形成された複数の光源200それぞれの発光タイミングを補正するための第1補正量を決定し、第3光源基板203に形成された第1基板代表光源に対する第1参照基板位置と第1光源基板201に形成された第1基板代表光源に対する第1基準基板位置との間の副走査方向の第1基板距離と、第3光源基板203に形成された第2基板代表光源に対する第2参照基板位置と第1光源基板201に形成された第2基板代表光源に対する第2基準基板位置との間の副走査方向の第2基板距離と、に基づいて、第3光源基板203に形成された複数の光源200それぞれの発光タイミングを補正するための第1補正量を決定する。
【0269】
このため、第1光源基板201と第2光源基板202または第3光源基板203との相対位置のずれを補正することができ、複数の光源200の照射位置の副走査方向のずれを低減することができる。
【0270】
また、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203それぞれに形成される複数の光源200は、副走査方向の位置が異なる複数の光源グループのいずれかに含まれ、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203それぞれに含まれる複数の光源グループは、基準グループと、基準グループ以外の参照グループとを含み、複数の光源グループそれぞれは、その光源グループに属する複数の光源200のうちから選択された代表光源を有し、CPU111は、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203それぞれに対して、その基板、例えば、第1光源基板201に含まれる参照グループに属する代表光源に対する照射位置として検出された参照グループ位置と基準グループに属する代表光源に対する照射位置として検出される基準グループ位置との間の副走査方向の照射距離に基づいて、参照グループに属する複数の光源200の発光タイミングを補正するための第2補正量を決定する。このため、第1光源基板201、第2光源基板202、および第3光源基板203ごとに、複数の光源グループそれぞれの第2補正量が決定されるので、補正量を正確に決定することができる。
【0271】
また、基準基板である第1光源基板201は、第1基板代表光源または第2基板代表光源と感光体ドラム23Yの回転中心とを結んだ線が感光体ドラム23Yの表面と交わる角度が垂直または、第2光源基板202および第3光源基板203のそれらよりも垂直に近い。このため、感光体ドラム23Yの変形に対する第1光源基板201に対する照射位置のずれを小さくすることができる。
【0272】
また、CPU111は、複数の光源200が射出する光が感光体ドラム23Yに副走査方向が同じ位置で照射される発光タイミングで、複数の光源200に光を射出させた状態で、照射位置を検出する。このため、複数の光源200の照射位置が主走査方向に配列されるか否かを検出すればよく、発光タイミングを容易に補正することができる。
【0273】
<第5の変形例>
第2の実施の形態におけるMFP100においては、基準基板の第1補正量をゼロにするようにした。第5の変形例におけるMFP100は、基準基板の第3補正量を、第1基準基板位置と第2基準基板位置とに基づいて求めるようにしたものである。
【0274】
図38は、第5の変形例における補正部の詳細な機能の一例を示す図である。
図38を参照して、第5の変形例における補正部55Eは、
図31に示した第2の実施の形態における補正部55Dに第3補正量決定部87が追加された点が異なる。
【0275】
第3補正量決定部87は、第1基準基板位置と第2基準基板位置とに基づいて、基準基板の第3補正量を算出する。基準基板の第3補正量は、第1基準基板位置および第2基準基板位置が同じ場合は、ゼロである。基準基板の第3補正量は、第1基準基板位置および第2基準基板位置が異なる場合は、基準基板が主走査方向に平行でなく、傾いている。したがって、第3補正量決定部87は、基準基板の代表グループに属する複数の光源200それぞれに対して、第1基準基板位置と第2基準基板位置との間の副走査方向の距離を、その光源200と第1基板代表光源との間の第1配置距離と、その光源200と第2基板代表光源との間の第2配置距離とに基づいて、その光源に対する基板距離を決定する。具体的には、第3補正量決定部87は、基準基板の代表グループに属する複数の光源200ごとに、第1基準基板位置と第2基準基板位置との間の副走査方向の距離を、第1配置距離と第2配置距離との比で配分した値を基板距離に決定し、基板距離を画像形成速度で除算した値を基準基板の第3補正量に決定する。
【0276】
ここで、第1基準基板位置と第2基準基板位置との間の副走査方向の距離をcとし、光源200の照射位置と第1基板代表光源の照射位置までの距離をL1、光源200の照射位置と第2基板代表光源の照射位置までの距離をL2とする。この場合、基準基板である第1光源基板201の代表グループ212の光源200の基板距離LAは、次式(3)で示される。
LA=cL1/(L1+L2) … (3)
上記式(3)は、上記式(2)のbをcに、aをゼロにそれぞれ置き換えた式である。なお、c=(b-a)である。
【0277】
補正部55Eは、複数の光源200ごとに、第1補正量、第2補正量および第3補正量から補正量を決定する。複数の光源200ごとに、第1補正量と第2補正量と第3補正量を加算した値を補正量とすればよい。第3補正量は、基準基板である第1光源基板201の代表グループである光源グループ212に属する複数の光源200それぞれに対して決定される値である。
【0278】
補正部55Eは、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203に含まれる光源グループ221,223それぞれにおいて、基準基板である第1光源基板201の代表グループである光源グループ212に属する複数の光源200のうち、その光源200と主走査方向の位置が最も近い光源200の第3補正量を、その光源の第3補正量とする。
【0279】
これにより、第1光源基板201、第2光源基板202および第3光源基板203にそれぞれ形成される複数の光源200それぞれの照射位置を、主走査方向と平行にすることができる。
【0280】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0281】
<付記>
(1) 前記第2基板に形成された複数の前記光源ごとに前記光源に対して前記検出手段により検出される前記照射位置と前記第1基板代表光源に対して前記検出手段により検出される前記照射位置との間の第1配置距離、および前記光源に対して前記検出手段により検出される前記照射位置と前記第2基板代表光源に対して前記検出手段により検出される前記照射位置との間の第2配置距離と、にさらに基づいて前記第1補正量を決定する、請求項8に記載の露光装置。
(2) 前記補正手段は、前記第1基板に形成された複数の前記光源ごとに、前記光源に対して前記検出手段により検出される前記照射位置と前記第1基板代表光源に対して前記検出手段により検出される前記照射位置との間の第1配置距離と、前記光源に対して前記検出手段により検出される前記照射位置と前記第2基板代表光源に対して前記検出手段により検出される前記照射位置との間の第2配置距離と、にさらに基づいて前記第3補正量を決定する、請求項10に記載の露光装置。
【符号の説明】
【0282】
100 MFP、20Y,20M,20C,20K 画像形成ユニット、21Y,21M,21C,21K 露光装置、22Y、22M,22C,22K 帯電チャージャ、23Y,23M,23C,23K 感光体ドラム、24Y,24M,24C,24K 現像器、25Y、25M,25,C,25K 転写チャージャ、26 転写ローラー、30 中間転写ベルト、32 定着ローラー対、39 レジストセンサー、39A 第1レジストセンサー、39B 第2レジストセンサー、41Y,41M,41C,41K トナーボトル、110 メイン回路、111 CPU、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、201 第1光源基板、202 第2光源基板、203 第3光源基板、51 センサー制御部、53 検出部、55,55A,55B,55C,55D,55E 補正部、57,57A 露光制御部、61 グループ位置取得部、63,63B, 照射距離算出部、63A 代表距離算出部、65,65A 補正量決定部、67,67A 基準グループ位置決定部、67B 基板基準グループ位置決定部、69,69A 参照グループ位置決定部、69B 基板参照グループ位置決定部、73 配置距離取得部、81 基板距離算出部、82 基板代表グループ決定部、200 光源、202 第2光源基板、211,212,213,221,222,223,231,232,233 光源グループ、211A,212A,213A,221A,222A,223A,231A,232A,233A 照射位置、240 マイクロレンズアレイ、245 レンズセット、247 絞り板、247A 絞り、248 第1レンズ板、249 第2レンズ板。