IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社島津製作所の特許一覧

<>
  • 特許-核医学診断装置用被検者支持装置 図1
  • 特許-核医学診断装置用被検者支持装置 図2
  • 特許-核医学診断装置用被検者支持装置 図3
  • 特許-核医学診断装置用被検者支持装置 図4
  • 特許-核医学診断装置用被検者支持装置 図5
  • 特許-核医学診断装置用被検者支持装置 図6
  • 特許-核医学診断装置用被検者支持装置 図7
  • 特許-核医学診断装置用被検者支持装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】核医学診断装置用被検者支持装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/161 20060101AFI20220809BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20220809BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G01T1/161 A
A61B6/04 331Z
A61B6/03 323B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018228628
(22)【出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2020091202
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101753
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 隆司
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 晴英
【審査官】宮川 数正
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-185349(JP,A)
【文献】特開昭64-058245(JP,A)
【文献】実開平04-103104(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102012019754(DE,A1)
【文献】特開平9-313479(JP,A)
【文献】特開2017-164312(JP,A)
【文献】特表2012-514734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/161-1/166
A61B 5/055,6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に検査空間が形成されたリング状の放射線検出部と、前記放射線検出部における検査空間と連通する開口部が形成された被検者の載置部を上面に有する寝台と、を備え、前記開口部に腕部を挿入し前記載置部上で横を向いた側臥状態である被検者の腋窩部を検査可能な核医学診断装置に使用される核医学診断装置用被検者支持装置であって、
前記載置部上に載置されるシート部材と、
前記シート部材の被検者が載らない位置に固定され、該シート部材上で側臥状態である被検者の体軸方向に延びる形状を有し該被検者を支持する支持部材と、
を備える核医学診断装置用被検者支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の核医学診断装置用被検者支持装置において、
前記シート部材と前記支持部材とを着脱自在に接続する接続部材を備える核医学診断装置用被検者支持装置。
【請求項3】
請求項2に記載の核医学診断装置用被検者支持装置において、
前記接続部材は、前記シート部材の上面と前記支持部材の下面とに配設された面ファスナーである核医学診断装置用被検者支持装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の核医学診断装置用被検者支持装置において、
前記支持部材を複数備え、当該複数の支持部材は重畳して配置される核医学診断装置用被検者支持装置。
【請求項5】
請求項4に記載の核医学診断装置用被検者支持装置において、
前記複数の支持部材を着脱自在に連結する連結手段を備える核医学診断装置用被検者支持装置。
【請求項6】
請求項5に記載の核医学診断装置用被検者支持装置において、
前記複数の支持部材のうちの一つには凹部が形成されるとともに、他の一つには前記凹部と係合する凸部が形成され、前記凹部と前記凸部とを係合することにより前記複数の支持部材を互いに連結する核医学診断装置用被検者支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、核医学診断装置に使用される核医学診断装置用被検者支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、被検者の乳房の検査を行う乳房検査用核医学診断装置においては、あらかじめ放射性薬剤を投与した被検者の乳房を、トンネル状の検査空間が形成されたリング状の放射線検出部に挿入し、被検者の乳房から放射される対消滅光子を放射線検出部により検出する。そして、その光子を検出した時刻を測定し、放射線検出部における2個の検出器での検出時刻差が一定時間以内の場合にそれを一対の対消滅光子として計数し、さらに、対消滅発生地点を検出した検出器対の直線上の位置であると特定する。このようにして得たエミッションデータを蓄積し、蓄積したエミッションデータを用いて画像再構成を行なうことによりPET画像を取得する。そして取得したPET画像をモニターに表示するとともに、病院内のサーバに転送する。
【0003】
このような乳房検査用核医学診断装置においては、被検者の乳房に対して放射線検出部を位置決めする方法として、被検者を寝台または椅子等において一定の位置に固定した後、放射線検出部を被検者に対して近接させて位置決めする方法と、放射線検出部を固定しておき、その放射線検出部に対して被検者の乳房を挿入して位置決めする方法の二種類の方法がある。
【0004】
特許文献1においては、被検者の乳房を挿入する挿入口が形成されたテーブルトップ上に被検者を載置し、被検者の乳房を、挿入口を介して垂れ下がった状態とすることにより、X線撮像機器に近接させて位置決めする医療処置を行うためのテーブルが開示されている。この特許文献1に記載されたテーブルにおいては、被検者の乳房の大きさに基づき、より大きな、または、より小さな直径の挿入口を有する代替的なインサートを選択して使用する構成となっている。
【0005】
また、特許文献2においては、被検者の乳房と腋窩部を検査することができる乳房専用核医学診断装置が開示されている。この特許文献2に記載された核医学診断装置においては、座位状態の被検者Mの乳房を撮像する環状(リング状)の検出器ユニットと、この検出器ユニットに挿入された腕を支える腕置台とを備えている。この核医学診断装置における検出器ユニットは、乳房に近い方の腕が挿入可能な腕側にある肩部から乳房の付け根までおよぶ内径の孔を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-185349号公報
【文献】特開2015-94697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載されたように、被検者を座位状態で検査した場合には、検査には最大10分程度の時間を要することから、被検者が同じ姿勢を維持するために苦痛を感じるという問題がある。このため、特許文献1に記載されたように、臥位状態となった被検者に対してその乳房と腋窩部を検査し得る構成とすることが好ましい。しかしながら、このような構成の核医学診断装置は実現されていない。
【0008】
これに対して、特許文献1に記載されたように載置部上に臥位状態で載置した被検者に対して乳房と腋窩部の検査を実行することを可能とするために、被検者の乳房と腋窩部とを配置可能な大きさの検査空間を有する放射線検出部を採用するとともに、この放射線検出部の下方に、被検者の腕部を収納することが可能な空間を形成した構成を採用することが考えられる。このような構成を採用した場合においては、被検者は臥位状態で検査を受けることができ、被検者の負担が小さなものとなる。
【0009】
このような核医学診断装置を使用して乳房と腋窩部との検査を行うためには、被検者は放射線検出部における腕部の挿入口を介して内部空間に腕部を挿入するために、横を向いた側臥状態を維持する必要がある。上述したように、検査には最大10分程度の時間を要することから、被検者が身体を動かすことなく側臥状態を維持することは、極めて困難であり、また、被検者にとって苦痛である。
【0010】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、被検者が側臥状態を容易に維持することを可能とした核医学診断装置用被検者支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、内部に検査空間が形成されたリング状の放射線検出部と、前記放射線検出部における検査空間と連通する開口部が形成された被検者の載置部を上面に有する寝台と、を備え、前記開口部に腕部を挿入し前記載置部上で横を向いた側臥状態である被検者の腋窩部を検査可能な核医学診断装置に使用される核医学診断装置用被検者支持装置であって、前記載置部上に載置されるシート部材と、前記シート部材の被検者が載らない位置に固定され、該シート部材上で側臥状態である被検者の体軸方向に延びる形状を有し該被検者を支持する支持部材と、を備える。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記シート部材と前記支持部材とを着脱自在に接続する接続部材を備える。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記接続部材は、前記シート部材の上面と前記支持部材の下面とに配設された面ファスナーである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記支持部材を複数備え、当該複数の支持部材は重畳して配置される。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記複数の支持部材を着脱自在に連結する連結手段を備える。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記複数の支持部材のうちの一つには凹部が形成されるとともに、他の一つには前記凹部と係合する凸部が形成され、前記凹部と前記凸部とを係合することにより前記複数の支持部材を互いに連結する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、被検者の身体により載置部上のシート部材が固定され、このシート部材の端部に配設された支持部材により被検者を支持することが可能となる。このため、支持部材により支持された被検者は、苦痛を感じることなく、容易に側臥状態を維持することを可能となる。
【0018】
請求項2および請求項3に記載の発明によれば、支持部材を選択的に使用し、あるいは、シート部材に対する支持部材の装着位置を変更することが可能となる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、被検者の体格等に応じて使用する支持部材の数を選択することが可能となる。
【0020】
請求項5および請求項6に記載の発明によれば、凹部と凸部の係合等の連結手段を利用して、複数の支持部材を容易に連結することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置を適用する核医学診断装置の斜視図である。
図2】核医学診断装置により被検者Mの検査を実行する様子を示す側面概要図である。
図3】核医学診断装置における載置部11上にこの発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置におけるシート部材31を載置した状態を示す斜視図である。
図4】核医学診断装置における載置部11上にこの発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置におけるシート部材31と複数の支持部材32、33とを載置した状態を示す斜視図である。
図5】複数の支持部材32、33の斜視図である。
図6】支持部材33の下面図である。
図7】シート部材31と支持部材32、33との係合状態を示す部分断面図である。
図8】シート部材31と支持部材32、33との係合状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置を適用する核医学診断装置の斜視図である。また、図2は、この核医学診断装置により被検者Mの検査を実行する様子を示す側面概要図である。
【0023】
この発明を適用する核医学診断装置は、特に、被検者の乳房とともに、被検者の腋窩部を検査可能なものである。この核医学診断装置は、例えば、マンモ用PET(Positron Emission Tomography)装置とも呼称されるものであり、その上部に被検者Mを載置するための載置部11を配置した寝台14を備える。載置部11には、被検者Mの頭部が配置される凹部13と、被検者Mの乳房および腋窩部を挿入するための挿入口12とが形成されている。また、寝台14における載置部11の下方で本体カバー16の内部には、被検者Mの腕部を収納可能な大きさを有する空間20が形成されている。被検者Mが載置部11上において腹臥位となった状態において、載置部11の挿入口12から空間20に向けて挿入された被検者Mの乳房および腋窩部の周囲には、環状に配置された放射線検出部15が配設される。
【0024】
この核医学診断装置は、被検者Mの乳房および腋窩部を検査するためのものである。この核医学診断装置においては、あらかじめ放射性薬剤を投与した被検者Mの乳房および腋窩部を、挿入口12からトンネル状の検査空間が形成されたリング状の放射線検出部15に挿入し、被検者Mから放射される511keVの対消滅光子を放射線検出部15により検出する。そして、その光子を検出した時刻を測定し、放射線検出部15における2個の検出器での検出時刻差が一定時間以内の場合にそれを一対の対消滅光子として計数し、さらに、対消滅発生地点を検出した検出器対の直線上の位置であると特定する。このようにして得たエミッションデータをコンソール6に蓄積し、コンソール6において蓄積したエミッションデータを用いて画像再構成を行なうことによりPET画像を取得する。そして取得したPET画像を表示部7に表示するとともに、病院内ネットワーク8を介して病院内のサーバに転送する。
【0025】
このとき、被検者Mの乳房および腋窩部は、放射線検出部15における放射線の検出範囲19内に配置される必要がある。これを可能とするため、放射線検出部15により形成される放射線の検出範囲19が、被検者Mの乳房と腋窩部とを配置可能な大きさを有するように、放射線検出部15のサイズが決定されている。
【0026】
被検者Mの乳房および腋窩部を検査するときには、図2に示すように、寝台14における載置部11の下方で本体カバー16の内部に形成された空間20に、被検者Mの腕部が収納される。このとき、核医学診断装置による検査は、10分程度の時間を要する場合がある。このため、空間20内には、被検者Mの腕部を支持するための腕部支持部材22が配設される。
【0027】
この腕部支持部材22は、スポンジ等の柔軟な材料を合成皮革等により包囲した構成を有する。この腕部支持部材22の大きさや形状は、被検者Mの体格や、検査時の被検者Mの姿勢等に応じて変更される。なお、必要に応じ、複数の腕部支持部材22を使用して被検者Mの腕部を支持するようにしてもよい。
【0028】
この核医学診断装置においては、寝台14における本体カバー16の側面に、被検者Mの腕部を収納可能な空間20に連通する開口部21が形成されている。この開口部21は、寝台14の載置部11上の被検者Mの側方となる本体カバー16の側面の両側に形成されている。
【0029】
被検者Mの乳房および腋窩部を検査するときには、被検者Mは、図2に示すように、載置部11に形成された挿入口12から本体カバー16の内部に形成された空間20に腕を挿入する必要がある。この時、空間20が閉鎖されたものであれば、被検者Mが挿入口12を介して空間20に腕部を挿入するときに、空間20の形状等を認識できないことから、不安を感じる。しかしながら、この核医学診断装置においては、被検者Mの腕部を収納する空間20に連通する開口部21が形成されていることから、被検者Mは空間20がどのようなものであるか認識することができ、被検者Mがこのような不安を感じることはない。
【0030】
また、検査中において、挿入口12から空間20内に、検査に使用する物品が落下し、あるいは、被検者Mの嘔吐物が落下することがある。このような場合においても、空間20に連通する開口部21を利用することにより、落下物を容易に除去することが可能となる。
【0031】
さらに、核医学診断装置による検査中には、被検者Mの疲労を軽減し、被検者Mの検査部位が移動することを防止するため、空間20内に被検者Mの腕部を支持するための腕部支持部材22が配設される。この腕部支持部材22の大きさや形状は、被検者Mの体格等に応じて変更する必要がある。このような場合においても、空間20に連通する開口部21を利用することにより、被検者Mに対応した腕部支持部材22を空間20内に設置し、あるいは、被検者Mの体格等に対応して、腕部支持部材22の形状、大きさ、数量等を変更することが可能となる。
【0032】
以上のような構成を有する核医学診断装置を使用して被検者Mの検査を行うときには、被検者Mは挿入口12を介して空間20に腕部を挿入するために、横を向いた側臥状態を維持する必要があり、検査終了まで身体を動かすことなく側臥状態を維持することが困難かつ苦痛となる。このため、この発明に係る核医学診断装置用被検者支持装置が使用される。
【0033】
以下、この発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置の構成について説明する。図3は、核医学診断装置における載置部11上にこの発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置におけるシート部材31を載置した状態を示す斜視図である。図4は、核医学診断装置における載置部11上にこの発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置におけるシート部材31と複数の支持部材32、33とを載置した状態を示す斜視図である。図5は、複数の支持部材32、33の斜視図である。図6は、支持部材33の下面図である。図7および図8は、シート部材31と支持部材32、33との係合状態を示す部分断面図である。
【0034】
図4図7および図8に示すように、この発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置は、核医学診断装置における載置部11上に載置されるシート部材31と、このシート部材31の端部に配設される複数の支持部材32、33とを備える。図3に示すように、シート部材31の表面には、接続部材としての面ファスナー41が配設されている。また、図6に示すように、支持部材33の下面には、接続部材としての面ファスナー42が配設されている。また、支持部材33には孔部34が形成されており、支持部材32には、支持部材33に形成された孔部34と係合可能な凸部35が形成されている。
【0035】
この核医学診断装置用被検者支持装置により検査中の被検者Mを支持するときには、最初に、図3に示すように、核医学診断装置における載置部11上にシート部材31を載置する。そして、図4に示すように、面ファスナー41、42を利用して、シート部材31上に支持部材33を固定する。この固定時には、面ファスナー41、42の作用により、支持部材33の固定位置を微調整することが可能となる。しかる後、必要に応じて、支持部材33に対して支持部材32を係合させる。
【0036】
これにより、図4に示すように、核医学診断装置における載置部11上に被検者支持装置が構成される。検査時においては、シート部材31上に側臥した被検者Mによりシート部材31が固定される。そして、側臥状態の被検者Mを、複数の支持部材32、33により支持することができる。これにより、被検者Mは、苦痛を感じることなく、容易に側臥状態を維持することを可能となる。このとき、被検者Mの体格や姿勢に対応して、支持部材33だけではなく支持部材32を選択的に使用し、あるいは、シート部材31に対する支持部材33の装着位置を変更することにより、被検者Mはより容易に側臥状態を維持することが可能となる。
【0037】
このとき、支持部材32の下面に形成された凸部35は、支持部材32の長手方向と直交する方向において、非対称形状となっている。このため、図7または図8に示すように、支持部材33に対する支持部材32の係合方向を変更することにより、互いに係合された支持部材32、33の外観形状を変更することが可能となる。このため、被検者Mの体格や姿勢に応じて、支持部材32、33の外形を変更することにより、被検者M毎に最適の状態で被検者Mを支持することが可能となる。
【0038】
なお、上述した実施形態においては、シート部材31と支持部材33とを、面ファスナー41、42により着脱自在に接続しているが、ボタン等の、その他の接続機構を利用することにより、シート部材31と支持部材33とを着脱自在に接続してもよい。
【0039】
また、上述した実施形態においては、支持部材33には孔部34が形成されるとともに支持部材32には孔部34と係合する凸35部が形成され、孔部34と凸部35とを係合することにより複数の支持部材32、33を互いに連結する構成を採用している。しかしながら、支持部材32と支持部材33とを面ファスナー等の連結手段により着脱自在に連結してもよい。また、支持部材32と支持部材33との接触面に、ゴムシート等の摩擦係数の大きい軟質部剤を配設することにより、支持部材32と支持部材33とが滑ることを防止しながら、一方を他方に対して任意の位置に配置して、被検者Mを指示することが可能となる。
【0040】
さらに、上述した実施形態においては、被検者Mの乳房および腋窩部を検査するための核医学診断装置にこの発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置を適用しているが、被検者Mの乳房および腋窩部の他に、例えば、被検者Mの頭部等、被検者Mのその他の部位をも検査可能な核医学診断装置にこの発明の実施形態に係る核医学診断装置用被検者支持装置を適用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
11 載置部
12 挿入口
13 凹部
14 寝台
15 放射線検出部
16 本体カバー
19 放射線の検出範囲
20 空間
21 開口部
22 腕部支持部材
31 シート部材
32 支持部材
33 支持部材
34 孔部
35 凸部
41 面ファスナー
42 面ファスナー
M 被検者

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8