(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20220809BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220809BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
H04N5/232 030
H04N5/225 000
H04N7/18 D
(21)【出願番号】P 2019056623
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】木戸 武
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-200069(JP,A)
【文献】特開2002-369068(JP,A)
【文献】特開2007-053541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
H04N 5/225
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御対象から所定の制御対象を選択して切り替える制御対象選択スイッチと、
各前記制御対象の調整量を示す調整値を変更する調整値変更操作部と、
選択された前記所定の制御対象に対して、前記調整値が示す前記調整量に調整させる調整値変更コマンドを送信することにより、前記所定の制御対象に前記調整量を調整させる制御部と、
前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象から前記所定の制御対象以外の制御対象に切り替える場合に、前記所定の制御対象の切り替え前の前記調整量を示す切り替え前調整値を記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象以外の制御対象から前記所定の制御対象に切り替えた場合に、前記調整値変更操作部が前記切り替え前調整値を示した後で、前記所定の制御対象に対して前記調整値変更コマンドの送信を開始して、前記所定の制御対象に前記調整値が示す前記調整量に調整させる、
制御装置。
【請求項2】
前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象以外の制御対象から前記所定の制御対象に切り替えた場合に、前記調整値変更操作部は、ユーザによって、前記切り替え前調整値を示す位置に変更される、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記切り替え前調整値を示す前記調整値変更操作部の位置を表示したインジケータをさらに備えた、
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記調整値変更操作部は、支点を中心に回転する棒状である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
複数の制御対象から所定の制御対象を選択して切り替える制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象を選択して切り替えるステップと、
各前記制御対象の調整量を示す調整値を変更する調整値変更操作部によって、前記所定の制御対象の前記調整量を示す前記調整値を変更するステップと、
選択された前記所定の制御対象に対して、前記調整値が示す前記調整量に調整させる調整値変更コマンドを送信することにより、前記所定の制御対象に前記調整量を調整させるステップと、
前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象から前記所定の制御対象以外の制御対象に切り替える場合に、前記所定の制御対象の切り替え前の前記調整量を示す切り替え前調整値を記憶させるステップと、
前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象以外の制御対象から前記所定の制御対象に切り替えた場合に、前記調整値変更操作部が前記切り替え前調整値を示した後で、前記所定の制御対象に対して前記調整値変更コマンドの送信を開始して、前記所定の制御対象に前記調整値が示す前記調整量に調整させるステップと、
を備えた制御方法。
【請求項6】
複数の制御対象から所定の制御対象を選択して切り替える制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象が選択されて切り替えられ、各前記制御対象の調整量を示す調整値を変更する調整値変更操作部によって、前記所定の制御対象の前記調整量を示す前記調整値が変更された場合に、
選択された前記所定の制御対象に対して、前記調整値が示す前記調整量に調整させる調整値変更コマンドを送信することにより、前記所定の制御対象に前記調整量を調整させ、
前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象から前記所定の制御対象以外の制御対象に切り替える場合に、前記所定の制御対象の切り替え前の前記調整量を示す切り替え前調整値を記憶させ、
前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象以外の制御対象から前記所定の制御対象に切り替えた場合に、前記調整値変更操作部が前記切り替え前調整値を示した後で、前記所定の制御対象に対して前記調整値変更コマンドの送信を開始させ、前記所定の制御対象に前記調整値が示す前記調整量に調整させる、
ことをコンピュータに実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラの撮像条件を制御装置で遠隔制御することが開示されている。制御対象の調整量の制御は専用の制御装置で行なわれる。特にカメラで撮像する画像の明るさを調整する手段としては、クリチカルな調整が求められるため、物理的な位置によって調整を行なう調整値変更レバーによる調整が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、システムのトータルコストを抑えるために、複数の制御対象を一つの制御装置によって制御することが望まれている。複数の制御対象を一つの制御装置で制御する場合、制御装置に制御対象切り替えスイッチを設け、制御対象を選択して調整を行なう。しかし、操作レバーによる調整は物理的な位置に基づいて調整値が決まるので、制御対象を切り替えた時に調整値変更レバーによる調整が有効であると、切り替え後の制御対象の調整値が意図しないものになる可能性がある。
【0005】
この様な事象を避けるために、調整値変更レバーに、モーター等の可動装置を組み込み、選択された制御対象の調整値の位置に調整値変更レバーを移動させる機能を持った製品も実用化されている。この方法では、位置の制御が複雑であることと、可動部の組み込みによるコストアップという大きな課題がある。
【0006】
また、切り替え時の調整値の変化を避けるため、複数の制御対象で使用する場合は、調整値変更レバーによる調整を無効にし、別途用意した絶対位置を持たないロータリーエンコーダーによる調整を有効にする方法も考えられる。これにより、このような現象を回避している商品も存在する。しかしながら、これは運用による解決策であり、ユーザの趣向に合った「レバー」による調整値変更が実現できないこととなる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、制御対象を切り替えた場合の調整量の変動を抑制することができる制御装置、制御方法及び制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の制御対象から所定の制御対象を選択して切り替える制御対象選択スイッチと、各前記制御対象の調整量を示す調整値を変更する調整値変更操作部と、選択された前記所定の制御対象に対して、前記調整値が示す前記調整量に調整させる調整値変更コマンドを送信することにより、前記所定の制御対象に前記調整量を調整させる制御部と、前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象から前記所定の制御対象以外の制御対象に切り替える場合に、前記所定の制御対象の切り替え前の前記調整量を示す切り替え前調整値を記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象以外の制御対象から前記所定の制御対象に切り替えた場合に、前記調整値変更操作部が前記切り替え前調整値を示した後で、前記所定の制御対象に対して前記調整値変更コマンドの送信を開始して、前記所定の制御対象に前記調整値が示す前記調整量に調整させる、制御装置を提供する。
【0009】
本発明は、複数の制御対象から所定の制御対象を選択して切り替える制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象を選択して切り替えるステップと、各前記制御対象の調整量を示す調整値を変更する調整値変更操作部によって、前記所定の制御対象の前記調整量を示す前記調整値を変更するステップと、選択された前記所定の制御対象に対して、前記調整値が示す前記調整量に調整させる調整値変更コマンドを送信することにより、前記所定の制御対象に前記調整量を調整させるステップと、前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象から前記所定の制御対象以外の制御対象に切り替える場合に、前記所定の制御対象の切り替え前の前記調整量を示す切り替え前調整値を記憶させるステップと、前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象以外の制御対象から前記所定の制御対象に切り替えた場合に、前記調整値変更操作部が前記切り替え前調整値を示した後で、前記所定の制御対象に対して前記調整値変更コマンドの送信を開始して、前記所定の制御対象に前記調整値が示す前記調整量に調整させるステップと、を備えた制御方法を提供する。
【0010】
本発明は、複数の制御対象から所定の制御対象を選択して切り替える制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象が選択されて切り替えられ、各前記制御対象の調整量を示す調整値を変更する調整値変更操作部によって、前記所定の制御対象の前記調整量を示す前記調整値が変更された場合に、選択された前記所定の制御対象に対して、前記調整値が示す前記調整量に調整させる調整値変更コマンドを送信することにより、前記所定の制御対象に前記調整量を調整させ、前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象から前記所定の制御対象以外の制御対象に切り替える場合に、前記所定の制御対象の切り替え前の前記調整量を示す切り替え前調整値を記憶させ、前記制御対象選択スイッチによって、前記所定の制御対象以外の制御対象から前記所定の制御対象に切り替えた場合に、前記調整値変更操作部が前記切り替え前調整値を示した後で、前記所定の制御対象に対して前記調整値変更コマンドの送信を開始させ、前記所定の制御対象に前記調整値が示す前記調整量に調整させる、ことをコンピュータに実行させる制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、制御対象を切り替えた場合の調整量の変動を抑制することができる制御装置、制御方法及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係る制御システムを例示した図である。
【
図2】(a)及び(b)は、実施形態1に係る制御装置の調整値変更レバーを例示した図であり、(a)は、側面視を示し、(b)は、上面視を示す。
【
図3】実施形態1に係る制御装置を例示した構成図である。
【
図4】実施形態1に係る制御装置において、送信バッファの送信制御を例示したタイミングチャート図である。
【
図5】実施形態1に係る制御方法を例示したフローチャート図である
【
図6】実施形態2に係る制御装置を例示した構成図である。
【
図7】(a)及び(b)は、実施形態2に係る制御装置の調整値変更レバー及びインジケータを例示した図であり、(a)は、側面視を示し、(b)は、上面視を示し、(c)は、別のインジケータの上面視を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
図1は本実施形態にかかる制御システムの構成例を示す。制御システムは一つの制御装置1と複数の制御対象50A、50B、50Cを含んで構成される。制御装置1は、制御対象選択スイッチ10、調整値変更レバー20、制御部30、記憶部40を備えている。制御装置1は、複数の制御対象50A、50B、50Cの調整量を調整することができる装置である。制御対象50A、50B、50Cは、例えば、カメラであり、調整量は、例えば、カメラが撮像する画像の明るさまたは色味である。なお、制御対象50A、50B、50Cは、制御される調整量があれば、カメラに限らず、他の機器に適用可能である。また、制御対象の数は、3つに限らず、少なくとも2つの制御対象を含み、4つ以上でもよい。
【0014】
制御対象選択スイッチ10は、複数の制御対象50A、50B、50Cから制御の対象となる制御対象を選択して切り替える。例えば、制御対象選択スイッチ10によって制御対象50Aが選択されることにより、制御装置1で制御される対象として、制御対象50Aが決定される。
【0015】
調整値変更レバー20は、各制御対象の調整量を示す調整値を変更する操作部であり、本発明の調整値変更操作部として機能する。例えば、調整値変更レバー20は、制御対象50Aの調整量を示す調整値を変更するとともに、制御対象50Bの調整量を示す調整値を変更する。調整値は、調整値変更レバー20が示す制御装置1上の値であり、例えば、制御装置1上における調整値変更レバー20の角度、または、位置で決まる値である。
【0016】
図2(a)及び(b)は、実施形態1に係る制御装置の調整値変更レバーを例示した図であり、(a)は、側面視を示し、(b)は、上面視を示す。
図2に示すように、調整値変更レバー20は、例えば、支点20aを中心に回転する棒状であり、例えば、アイリスレバーと呼ばれるレバーである。調整値変更レバー20の支点20aと反対側の端部には、支点から延びる支柱部分より径が大きい把持部20bを有している。ユーザは、把持部20bを把持して、調整値変更レバー20を、支点20aを中心に回転させる。
【0017】
調整値変更レバー20の支点20aを含む部分は、制御装置1の筐体60の内部に配置され、調整値変更レバー20の把持部20bを含む部分は、筐体60の上面61より突き出ている。把持部20bを含む部分は、制御装置1の上面61に形成された溝62から突出している。把持部20bを含む部分は、上面視で溝62に沿って可動である。
【0018】
調整値変更レバー20は、制御装置1上における調整値変更レバー20の角度または位置によって、調整値を示している。調整値変更レバー20の制御装置1における角度または位置は、調整値として、制御対象の調整量に対応させている。よって、ユーザは、調整値変更レバー20が示す調整値を変更することにより、制御対象の調整量を、調整値に対応した調整量に調整させる。
【0019】
制御部30は、制御対象に調整量を調整させる。例えば、制御部30は、制御対象選択スイッチ10によって選択された制御対象50Aに対して、調整値変更レバー20が変更した調整値が示す調整量に調整させる。具体的には、制御部30は、調整値変更コマンドを送信することにより、選択された制御対象50Aに調整量を調整させる。調整値変更コマンドは、調整値変更レバー20の調整値が示す調整量に調整させる信号であり、制御部30は、制御対象選択スイッチ10によって選択された制御対象50Aに対して調整値変更コマンドを送信する。調整値変更コマンドを受信した制御対象50Aは、調整値変更レバー20の調整値が示す調整量に調整する。
【0020】
記憶部40は、調整値変更レバー20が調整した調整値を記憶する。具体的には、記憶部40は、制御対象選択スイッチ10によって、制御対象50Aから制御対象50A以外の、例えば、制御対象50Bに切り替える場合に、制御対象50Aの切り替え前の調整量M1を示す切り替え前調整値E1を記憶する。記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)等のメモリで構成される。
【0021】
制御部30は、制御対象選択スイッチ10によって、制御対象50A以外の、例えば、制御対象50Bから制御対象50Aに切り替えた場合に、調整値変更レバー20が切り替え前調整値E1を示した後で、制御対象50Aに対して調整値変更コマンドの送信を開始する。これにより、制御対象50Aの調整量を、調整値が示す調整量に調整させる。よって、制御部30は、調整値変更レバー20が切り替え前調整値E1を示した後は、調整値変更レバー20の変更に追随するように、制御対象50Aに調整値が示す調整量に調整させる。
【0022】
例えば、制御対象選択スイッチ10によって、制御対象50Bから制御対象50Aに切り替えた場合に、調整値変更レバー20は、ユーザによって、切り替え前調整値E1を示す位置に変更される。これにより、制御部30は、制御対象50Aに対して調整値変更コマンドの送信を開始する。よって、制御部30は、調整値変更レバー20が切り替え前調整値E1を示した後は、ユーザによる調整値変更レバー20の変更に追随するように、制御対象50Aに調整量を調整させる。制御部30は、ハードウェアで構成されてもよいし、ソフトウェアで構成されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの使い分けは任意である。
【0023】
次に、実施形態1に係る制御装置の構成の例を説明する。
図3に、実施形態1に係る制御装置の構成例を示す。
【0024】
図3に示すように、例えば、制御装置1は、制御対象選択スイッチ10、調整値変更レバー20、制御部30、記憶部40を備えている。制御対象選択スイッチ10は、制御対象50A、50B及び50Cを選択する端子11A、11B及び11C、制御対象選択スイッチ10のスイッチ位置の位置信号を制御対象アドレスに変換するアドレス変換部13、及び、制御対象が切り替わったことを検出するスイッチ操作検出部12を有している。スイッチ操作検出部12の出力はフリップフロップ34のR端子に接続されており、制御対象選択スイッチ10が切り替わったことを検出した場合にハイとなり、それ以外はローとなる。
【0025】
調整値変更レバー20は、筐体60の上面61の溝62に沿って移動させることにより調整値を変更する。
【0026】
制御部30は、比較部31、A/D変換器32、コマンド変換部33、フリップフロップ34、送信バッファ35を有している。A/D変換器32は、調整値変更レバー20が変更した調整値をA/D変換する。比較部31は、A/D変換器32から出力された調整値と、記憶部40から出力された切り替え前調整値とを比較する。比較部31の出力はフリップフロップ34のS端子に接続されており、A/D変換器32から出力された調整値と、記憶部40から出力された切り替え前調整値とが一致した場合にハイとなり、それ以外はローとなる。
【0027】
コマンド変換部33は、A/D変換部32から受け取った調整値を制御対象機器に対応した調整値変更コマンドに変換して送信バッファ35に送る。送信バッファ35は、コマンド変換部33から受け取った調整値変更コマンドを、制御対象選択スイッチ10で選択された制御対象に送信する。具体的には送信バッファ35は、OE端子がハイの時に調整値変更コマンドを送信し、ローの時に調整値変更コマンドを送信しない。コマンド変換部33のOE端子はフリップフロップ34によってハイ/ローが切り換えられる。また、コマンドの送信先は制御対象選択スイッチ10から受け取った信号に基づいて決定する。
【0028】
図4を用いて、送信バッファ35の送信制御を説明する。時間t0で、送信バッファ35のOE端子はハイであり、送信バッファ35は調整値変更コマンドを送信し続ける。このとき、制御対象の調整量は、制御装置1の調整値変更レバー20の位置に応じて調整される。時間t1で制御対象が切り替えられると、スイッチ操作検出部12の出力がハイとなり、フリップフロップ34のR端子がハイとなるので、送信バッファ35のOE端子がローとなり、送信バッファ35は調整値変更コマンドの送信を停止する。このとき制御対象の調整量は、制御装置1の調整値変更レバー20の位置に係らず一定となる。その後、調整値変更レバー20の位置が移動され、時間t2で比較部31が、A/D変換器32から出力された調整値と、記憶部40から出力された切り替え前調整値とが等しくなったと判定すると比較部31の出力はハイとなり、フリップフロップ34のS端子がハイとなるので、送信バッファ35のOE端子がハイとなり、送信バッファ35は調整値変更コマンドの送信を再開する。
【0029】
記憶部40は、メモリ40A、40B及び40Cを有している。メモリ40Aは、制御対象50Aから制御対象50A以外の制御対象に切り替える場合に、書込信号WEを受信して、制御対象50Aの切り替え前の調整量M1を示す切り替え前調整値E1を記憶する。メモリ40B及び40Cの動作もメモリ40Aの動作と同様に、制御対象50B及び50Cから制御対象50B及び50C以外の制御対象に切り替える場合に、書込信号WEを受信して、制御対象50B及び50Cの切り替え前の調整量M2及びM3を示す切り替え前調整値E2及びE3を記憶する。
【0030】
また、メモリ40Aは、制御対象50A以外の制御対象から制御対象50Aが選択された場合に、出力信号OEを受信して、記憶した切り替え前調整値E1を制御部30の比較部31に出力する。メモリ40B及び40Cの動作もメモリ40Aの動作と同様に、制御対象50B及び50C以外の制御対象から制御対象50B及び50Cが選択された場合に、出力信号OEを受信して、記憶した切り替え前調整値E2及びE3を制御部30の比較部31に出力する。
【0031】
このような構成により、制御部30は、制御対象選択スイッチ10によって制御対象50A以外の制御対象から制御対象50Aに切り替えた場合に、調整値変更レバー20の調整値と、メモリ40Aに記憶された切り替え前調整値E1とを比較部31で比較する。そして、比較した結果、両者が一致した後、すなわち、調整値変更レバー20が切り替え前調整値E1を示した後で、制御対象50Aに対して調整値変更コマンドを送信して、制御対象50Aの調整量を、調整値が示す調整量に調整させる。制御部30のこの動作は、制御対象50B及び50Cの場合も同様である。
【0032】
次に、制御装置1の動作を説明する。
図5は、実施形態1に係る制御方法を例示したフローチャート図である。ステップS1で送信バッファ35は制御対象に対し、調整値変更レバー20の調整値に基づくコマンド信号を送信する。ステップS2でスイッチ操作検出部12は制御対象が切り替えられたか否かを判定する。制御対象が切り替えられない場合(S2/no)、ステップS1に戻り、調整値変更レバー20の調整値に基づくコマンド信号の送信を繰り返す。制御対象が切り替えられた場合(S2/yes)ステップS3で記憶部40は、制御対象切り替え時点での調整値変更レバー20の調整値を切り替え前の制御対象における切り替え前調整値として記憶する。
【0033】
ステップS4で送信バッファ35はコマンドの送信を停止する。ステップS5で比較部31は、調整値変更レバー20の調整値が切り替え後の制御対象における切り替え前調整値と一致するか否か判定する。一致しない場合(S5/no)、一致するまでステップS5を繰り返す。一致した場合(S5/yes)ステップS1に進み、コマンド送信を行なう。以降、ステップS1以降を繰り返す。
【0034】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の制御装置1は、制御対象選択スイッチ10によって制御対象50A以外の制御対象から制御対象50Aに切り替えた場合に、調整値変更レバー20が切り替え前調整値E1を示した後で、制御対象50Aに対して調整値変更コマンドの送信を開始する。これにより、制御対象50Aに調整値が示す調整量に調整させる。よって、制御対象の切り替えが起こった際にも調整値の差異による変化が発生しない。したがって、制御対象を切り替えた場合の調整量の変動を抑制することができる。
【0035】
さらに、調整値変更レバー20は、支点を中心に回転する棒状のアイリスレバーである。よって、ユーザの趣向に合った「レバー」による調整値変更を実現することができる。
【0036】
(実施形態2)
次に、実施形態2を説明する。
図6に実施形態2の制御装置2の構成例を示す。制御装置2は、実施形態1の制御装置1に対し、切り替え前調整値E1を示す調整値変更レバー20の位置を表示するインジケータ21をさらに備えている。以下、実施形態1と異なる構成を中心に説明する。実施形態1と同様の構成については同一記号を付し、説明を省略することがある。
図7(a)及び(b)は、実施形態2に係る制御装置の調整値変更レバー及びインジケータを例示した図であり、(a)は、側面視を示し、(b)は、上面視を示す。
【0037】
図7(a)及び(b)に示すように、本実施形態の制御装置2は、インジケータ21を備えている。インジケータ21は、制御装置2の筐体60の上面61に配置されている。インジケータ21は、制御装置2の上面視において、調整値変更レバー20の溝62に沿った移動方向に並んで配置されている。例えば、上面視のインジケータ21は、複数のランプが調整値変更レバー20の横に、調整値変更レバー20移動方向に並んで配置されている。そして、インジケータ21は、調整すべきレバー位置を示している。具体的には、制御対象が切り替えられた場合、切り替えられた制御対象の切り替え前調整値に相当する調整値変更レバー20の調整位置を示す場所のランプが点灯する。
【0038】
図7(b)では、右から5番目のランプが点灯している。すなわち、制御対象選択スイッチ10によって制御対象50A以外の制御対象から制御対象50Aに切り替えた場合に、調整値変更レバー20が示すべき調整値、すなわち制御対象50Aの切り替え前調整値E1を5番目のランプが示している。したがって、調整値変更レバー20を5番目のランプが示す切り替え前調整値E1に合わせた後で、制御部30は、制御対象50Aに対して、調整値変更コマンドの送信を開始する。これにより、制御部30は、制御対象50Aに、調整値が示す調整量に調整させる。
【0039】
インジケータは上記例に限定されず、調整値変更レバー20の調整位置を示す物であれば良い。
図7(c)に他のインジケータ22の例を示す。インジケータ22は、矢印の形をしたランプがレバーを移動させる方向を示す。図では右側矢印のランプが点灯しており、調整値変更レバー20を右方向に動かせば、切り替え前調整値E1に合わせることができることを示す。このように、インジケータ21または22を備えることで、ユーザが調整値変更レバー20を動かすべき方向を容易に認識することができる。
【0040】
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態の制御装置2は、切り替え前調整値E1を示す調整値変更レバー20の位置を表示したインジケータをさらに備えている。これにより、ユーザが調整値変更レバー20を切り替え前調整値E1に速やかに移動させることができる。よって、制御部30による調整値変更コマンドの送信の開始を早めることができ、制御対象50Aの調整量を迅速に調整させることができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1の記載に含まれている。
【0041】
実施形態1及び2で説明した制御方法をコンピュータに実行させる制御プログラムも、本実施形態の技術的思想の範囲である。
【0042】
実施形態1及び2では、調整値変更操作部として調整値変更レバー20を用いる実施例を説明したが、調整値変更操作部はレバーに限定せず、例えばスライドスイッチ等を用いても良い。
【符号の説明】
【0043】
1、2 制御装置
10 制御対象選択スイッチ
11A、11B、11C 端子
12 スイッチ操作検出部
13 アドレス変換部
20 調整値変更レバー
20a 支点
20b 把持部
21、22 インジケータ
30 制御部
31 比較部
32 A/D変換器
33 コマンド変換部
34 フリップフロップ
35 送信バッファ
40 記憶部
40A、40B、40C メモリ
50A、50B、50C 制御対象
60 筐体
61 上面
62 溝
E1、E2、E3 切り替え前調整値
M1、M2、M3 調整量