(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】多層配線基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
H05K1/02 P
H05K1/02 Q
H05K1/02 F
(21)【出願番号】P 2020569405
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(86)【国際出願番号】 JP2019046694
(87)【国際公開番号】W WO2020158151
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2019015481
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】岸本 敦司
(72)【発明者】
【氏名】角江 政俊
(72)【発明者】
【氏名】川田 秋一
(72)【発明者】
【氏名】西川 博
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4812792(US,A)
【文献】特開2018-8496(JP,A)
【文献】特表2015-523037(JP,A)
【文献】国際公開第2016/163436(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/130731(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P3/00―3/08
H05K1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体シートが複数積層されてなる誘電体素体と、
前記誘電体素体に設けられた信号線と、
前記誘電体シートの積層方向において前記信号線に対向するように前記誘電体素体の内部に設けられ、かつ、前記積層方向から平面視したときに前記信号線と重なっているグランド導体と、
前記積層方向において前記グランド導体と同じ側で前記信号線に対向するように前記誘電体素体の内部に設けられたグラファイトシートと、を備え、
前記グラファイトシートは、前記積層方向に貫通孔を有し、
前記積層方向において、前記信号線側を上側、前記グランド導体側を下側としたとき
、
前記グランド導体の上面よりも下側に前記グラファイトシートの上面が位置
し、
前記グラファイトシートの上面の少なくとも一部が前記グランド導体に接し、
前記貫通孔を充填するように前記グランド導体が設けられ、前記グランド導体の下面の少なくとも一部が前記誘電体素体に接している、多層配線基板。
【請求項2】
前記グランド導体の下面は、前記グラファイトシートの下面よりも下側に位置し、前記誘電体素体に接している、請求項1に記載の多層配線基板。
【請求項3】
誘電体シートが複数積層されてなる誘電体素体と、
前記誘電体素体に設けられた信号線と、
前記誘電体シートの積層方向において前記信号線に対向するように前記誘電体素体の内部に設けられ、かつ、前記積層方向から平面視したときに前記信号線と重なっているグランド導体と、
前記積層方向において前記グランド導体と同じ側で前記信号線に対向するように前記誘電体素体の内部に設けられたグラファイトシートと、を備え、
前記グラファイトシートは、前記積層方向に貫通孔を有し、
前記積層方向において、前記信号線側を上側、前記グランド導体側を下側としたとき、
前記グランド導体の上面よりも下側に前記グラファイトシートの上面が位置し、
前記貫通孔内には前記誘電体素体の一部が設けられ、
前記グランド導体の下面は、前記グラファイトシートの上面と同一平面上に位置し、前記グラファイトシートの上面の一部と前記誘電体素体に接している、多層配線基板。
【請求項4】
前記誘電体素体に搭載された電子部品をさらに備え、
前記電子部品は、導体ビアを介して前記グランド導体と接続されている、請求項
1~
3のいずれか1項に記載の多層配線基板。
【請求項5】
前記グラファイトシートは、その上面及び下面が前記誘電体素体に埋設されている、請求項1~
4のいずれか1項に記載の多層配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波信号を処理するために使用される多層配線基板には、信号の更なる高速化及び複雑化、並びに基板の薄型化に伴い、高い放熱性が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、導体層と、上記導体層上に重なる絶縁層と、を備え、上記絶縁層は、電気絶縁性を有する母材と、上記母材に埋まっているグラファイトシート及びガイド部材と、を含む、金属張積層板が開示されている。特許文献1に記載の金属張積層板では、上記ガイド部材と上記グラファイトシートとは、特定の位置関係にあり、上記ガイド部材は、金属を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の金属張積層板においては、絶縁層が放熱材料としてグラファイトシートを母材内に備えることで、グラファイトシートの破損を抑制することができるとともに、ガイド部材によって、絶縁層におけるグラファイトシートの位置を容易に確認することができるとされている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の金属張積層板を高周波回路で使用する場合、導体層とグラファイトシートとの間で本来意図していない回路が形成されてしまい、予め設定した特性が得られないという不具合が生じるおそれがあることが判明した。その理由としては、導体層とグラファイトシートとの間で浮遊容量が発生すること、グラファイトシート自体が抵抗体となること等が考えられる。また、特許文献1に記載の金属張積層板を高周波回路で使用する場合、グラファイトシートが共振し、ノイズが発生するおそれがあることも判明した。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、放熱材料としてのグラファイトシートを備えながらも、予め設定した特性が得られないという不具合を抑制することができる多層配線基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の多層配線基板は、誘電体シートが複数積層されてなる誘電体素体と、上記誘電体素体に設けられた信号線と、上記誘電体シートの積層方向において上記信号線に対向するように上記誘電体素体の内部に設けられ、かつ、上記積層方向から平面視したときに上記信号線と重なっているグランド導体と、上記積層方向において上記グランド導体と同じ側で上記信号線に対向するように上記誘電体素体の内部に設けられたグラファイトシートと、を備え、上記積層方向において、上記信号線側を上側、上記グランド導体側を下側としたとき、上記グランド導体の上面と同一平面上、又は、上記グランド導体の上面よりも下側に上記グラファイトシートの上面が位置する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の多層配線基板によれば、放熱材料としてのグラファイトシートを備えながらも、予め設定した特性が得られないという不具合を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る多層配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る多層配線基板の具体例を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2実施形態に係る多層配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態に係る多層配線基板の別の一例を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す多層配線基板の変形例を模式的に示す断面図である。
【
図8】
図8は、
図6に示す多層配線基板の別の変形例を模式的に示す断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2実施形態に係る多層配線基板のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。
【
図10】
図10は、電子部品がグランド導体と接続されている多層配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第3実施形態に係る多層配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
【
図13】
図13は、電子部品がグランド導体と接続されている多層配線基板の別の一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の多層配線基板について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
【0012】
本発明の多層配線基板は、誘電体シートが複数積層されてなる誘電体素体と、上記誘電体素体に設けられた信号線と、上記誘電体シートの積層方向において上記信号線に対向するように上記誘電体素体の内部に設けられ、かつ、上記積層方向から平面視したときに上記信号線と重なっているグランド導体と、上記積層方向において上記グランド導体と同じ側で上記信号線に対向するように上記誘電体素体の内部に設けられたグラファイトシートと、を備える。
【0013】
本発明の多層配線基板では、上記積層方向において、上記信号線側を上側、上記グランド導体側を下側としたとき、上記グランド導体の上面と同一平面上、又は、上記グランド導体の上面よりも下側に上記グラファイトシートの上面が位置することを特徴としている。
【0014】
本発明の多層配線基板では、誘電体素体の内部にグラファイトシートを設けることにより、放熱性を向上させることができる。この際、信号線とグランド導体との間で回路設計を行った上で、抵抗値が大きいグラファイトシートをグランド導体よりも信号線から遠ざけて配置する。これにより、信号線からグラファイトシートに電界が回りこまないことから、実質容量成分は形成されない。そのため、信号線とグラファイトシートとの間で本来意図していない回路が形成されてしまい、予め設定した特性が得られないといった不具合を抑制することができる。また、グラファイトシートをグランド導体よりも信号線から遠ざけて配置することにより、グラファイトシートの共振が抑えられるため、ノイズの発生を抑制することができる。
【0015】
以下に示す各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。第2実施形態以降では、第1実施形態と共通の事項についての記述は省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎には逐次言及しない。
【0016】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、グランド導体の下面よりも下側にグラファイトシートの上面が位置する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に係る多層配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
図2(a)、
図2(b)及び
図2(c)は、
図1に示す多層配線基板の分解平面図である。
【0018】
図1、
図2(a)、
図2(b)及び
図2(c)において、多層配線基板1の長手方向をx軸方向、幅方向をy軸方向、積層方向をz軸方向と定義する。ここで、長手方向と幅方向と積層方向とは互いに直交する。また、
図1に示す各部分の厚みは、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の厚みの関係を表してはいない。他の図面においても同様である。
【0019】
図1に示す多層配線基板1は、誘電体素体11と、信号線12と、グランド導体13と、グラファイトシート14とを備えている。信号線12は、誘電体素体11の表面に設けられており、グランド導体13及びグラファイトシート14は、いずれも誘電体素体11の内部に設けられている。
【0020】
誘電体素体11は、
図2(a)に示す誘電体シート11a、
図2(b)に示す誘電体シート11b、及び、
図2(c)に示す誘電体シート11cがz軸方向の正方向から負方向へとこの順に積層され、圧着されることによって構成されている。以下の説明においては、誘電体シート11a、11b及び11cのz軸方向の正方向側の主面をおもて面、負方向側の主面を裏面と称す。
【0021】
信号線12は、
図2(a)に示すように、誘電体シート11aのおもて面に設けられることにより、誘電体素体11の表面に設けられている。信号線12は、線状の導体であり、誘電体シート11aのおもて面をx軸方向に延在している。
【0022】
グランド導体13は、
図1に示すように、信号線12よりもz軸方向の負方向側に設けられており、積層方向であるz軸方向において信号線12に対向している。
【0023】
グランド導体13は、
図2(b)に示すように、誘電体シート11bのおもて面に設けられることにより、誘電体素体11の内部に設けられている。グランド導体13は、誘電体シート11bのおもて面をx軸方向に延在している。さらに、グランド導体13の面積は、信号線12の面積よりも大きい。したがって、グランド導体13は、積層方向であるz軸方向から平面視したときに信号線12と重なっている。
【0024】
グラファイトシート14は、
図1に示すように、信号線12よりもz軸方向の負方向側に設けられており、積層方向であるz軸方向においてグランド導体13と同じ側で信号線12に対向している。
【0025】
グラファイトシート14は、
図2(c)に示すように、誘電体シート11cのおもて面に設けられることにより、誘電体素体11の内部に設けられている。グラファイトシート14は、誘電体シート11cのおもて面の略全面に設けられている。
【0026】
以下、積層方向において、信号線12側を上側、グランド導体13側を下側とする。すなわち、z軸方向の正方向側を上側、z軸方向の負方向側を下側とする。また、信号線12、グランド導体13及びグラファイトシート14の上側の主面を上面、下側の主面を下面と称す。
このように、「上」及び「下」とは、多層配線基板における相対的な向きを意味するものであり、「鉛直上方」及び「鉛直下方」を意味するものではない。
【0027】
図1に示す多層配線基板1では、グランド導体13の上面よりも下側にグラファイトシート14の上面が位置している。さらに言えば、グランド導体13の下面よりも下側にグラファイトシート14の上面が位置している。
【0028】
本発明の第1実施形態に係る多層配線基板では、グランド導体の下面よりも下側にグラファイトシートの上面が位置している限り、グラファイトシートの上面とグランド導体の下面との間隔は特に限定されない。しかし、グラファイトシートの上面とグランド導体の下面との間隔が大きくなるほど、基板全体の厚みが大きくなる。また、グラファイトシートの上面とグランド導体の下面との間隔が大きくなるほど、基板全体で容量が変わりやすくなるため、目的の特性が得られにくくなる。そのため、グラファイトシートの上面とグランド導体の下面との間隔は、グランド導体の上面と信号線の下面との間隔の300%以下であることが好ましく、20%以上であることが好ましい。また、グラファイトシートの上面とグランド導体の下面との間隔は、限りなく0に近くてもよい。
【0029】
(誘電体シート)
誘電体素体を構成する誘電体シートの材料としては、例えば、樹脂材料、セラミック材料等が挙げられる。また、誘電体シートは、可撓性を有することが好ましい。
【0030】
セラミック材料としては、例えば、低温焼結セラミック(LTCC)材料等が挙げられる。低温焼結セラミック材料とは、セラミック材料のうち、1000℃以下の焼成温度で焼結可能であり、銅や銀等との同時焼成が可能である材料を意味する。
【0031】
低温焼結セラミック材料としては、例えば、クオーツやアルミナ、フォルステライト等のセラミック材料にホウ珪酸ガラスを混合してなるガラス複合系低温焼結セラミック材料、ZnO-MgO-Al2O3-SiO2系の結晶化ガラスを用いた結晶化ガラス系低温焼結セラミック材料、BaO-Al2O3-SiO2系セラミック材料やAl2O3-CaO-SiO2-MgO-B2O3系セラミック材料等を用いた非ガラス系低温焼結セラミック材料等が挙げられる。
【0032】
樹脂材料としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ガラスエポキシ樹脂等が挙げられる。樹脂材料は、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、LCP等の熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂のシートを用いると、接着層を介さずに誘電体シート同士を接合させることができる。
【0033】
(信号線及びグランド導体)
信号線及びグランド導体としては、公知の配線基板に用いられる信号線及びグランド導体を使用することができる。
信号線及びグランド導体の材料としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、金(Au)、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中では、銅が特に好ましい。また、信号線及びグランド導体は、導体箔からなることが好ましく、銅箔からなることが特に好ましい。
【0034】
(グラファイトシート)
グラファイトシートは、グラファイトをシート状に加工したものである。グラファイトシートは、
図1に示すように、その上面及び下面が誘電体素体に露出していないことが好ましい。すなわち、グラファイトシートは、その上面及び下面が誘電体素体に埋設されていることが好ましい。グラファイトシートが誘電体素体に埋まっていることで、グラファイトシートの破損を抑えることができる。また、グラファイトシートが誘電体素体に埋まっていることで、グラファイトシートを挟んだ両側に、信号線及びグランド導体を配置することができる。
【0035】
グラファイトシートは、複数の炭素原子が六角網目状に結合した面構造を有するグラフェンがファンデルワールス力により層状に積層されたグラフェンシートであることが好ましい。グラフェンシートは、グラフェンの面方向(XY面)が厚み方向(Z方向)と直交するように積層された構造を有することがより好ましい。この場合、グラファイトシートの面方向の熱伝導率を厚み方向の熱伝導率よりも高くすることができる。
【0036】
グラファイトシートの厚みは、特に限定されないが、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。一方、グラファイトシートの厚みは、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、80μm以下であることがさらに好ましい。
【0037】
なお、グラファイトシートの厚みは、任意の10点における厚みを測定し、当該測定値の平均値として算出する。
【0038】
グラファイトシートの面方向の熱伝導率は、特に限定されないが、700W/mk以上であることが好ましく、1000W/mk以上であることがより好ましく、1500W/mk以上であることがさらに好ましく、1800W/mk以上であることが特に好ましい。
【0039】
なお、グラファイトシートの面方向の熱伝導率は、次式(1)によって算出する。
A=α×d×Cp・・・・(1)
ここで、Aはグラファイトシートの熱伝導率、αはグラファイトシートの熱拡散率、dはグラファイトシートの密度、Cpはグラファイトシートの比熱容量をそれぞれ表している。
【0040】
グラファイトシートの熱拡散率は、スポット周期加熱放射測温法に基づく熱拡散率測定装置(例えば、ベテル社製サーモウェーブアナライザTA)を用い、50mm×50mmの形状に切り取られたグラファイトシートのサンプルについて、25℃の雰囲気下で測定する。
【0041】
グラファイトシートの密度は、50mm×50mmの形状に切り取られたグラファイトシートのサンプルについて、重量及び厚さを測定し、測定された重量の値を、算出された体積の値(50mm×50mm×厚さ)にて割ることにより算出する。
【0042】
グラファイトシートの比熱容量は、示差走査熱量計(例えば、TAインスツルメント社製のDSC Q2000)を用い、20℃から260℃まで10℃/minの昇温条件下で測定する。
【0043】
グラファイトシートの電気伝導率は、特に限定されないが、7000S/cm以上であることが好ましく、10000S/cm以上であることがより好ましく、13000S/cm以上であることがさらに好ましく、18000S/cm以上であることが特に好ましい。一方、グラファイトシートの電気伝導率は、25000S/cm以下であることが好ましく、20000S/cm以下であることがより好ましい。
【0044】
なお、グラファイトシートの電気伝導率は、例えば、三菱化学アナリテック社製ロレスタGPを用い、4探針法で定電流を印加することによって測定することができる。
【0045】
グラファイトシートの密度は、特に限定されないが、0.8g/cm3以上であることが好ましく、1.8g/cm3以上であることがより好ましい。一方、グラファイトシートの密度は、2.2g/cm3以下であることが好ましい。
【0046】
市販されているグラファイトシートとして、例えば、カネカ社製のグラフィニティ、パナソニック社製のPGS(登録商標)等を使用することができる。
【0047】
本発明の第1実施形態に係る多層配線基板は、好ましくは、以下のように製造される。
以下では、
図1に示す多層配線基板1を1つ作製する場合を例にとって説明するが、大判の誘電体シートが積層及び切断されることにより、複数の多層配線基板1を同時に作製してもよい。
【0048】
まず、銅箔等の導体箔が表面に貼り付けられた誘電体シート11aを準備する。誘電体シートの材料としては、上述した液晶ポリマー等が用いられる。次に、
図2(a)に示す信号線12を誘電体シート11aの表面に形成する。具体的には、フォトリソグラフィ工程により、誘電体シート11aの導体箔上に、
図2(a)に示す信号線12と同じ形状のレジストを形成する。そして、導体箔に対してエッチング処理を施すことにより、レジストにより覆われていない部分の導体箔を除去する。その後、レジストを除去する。これにより、信号線12が誘電体シート11aの表面に形成される。
【0049】
別途、銅箔等の導体箔が表面に貼り付けられた誘電体シート11bを準備し、フォトリソグラフィ工程により、
図2(b)に示すグランド導体13を誘電体シート11bの表面に形成する。グランド導体13を形成するためのフォトリソグラフィ工程は、信号線12を形成するためのフォトリソグラフィ工程と同様である。
【0050】
さらに、グラファイトシート14が表面に貼り付けられた誘電体シート11cを準備する。
【0051】
次に、信号線12が形成された誘電体シート11aと、グランド導体13が形成された誘電体シート11bと、グラファイトシート14が表面に設けられた誘電体シート11cとをこの順に積層して、加熱圧着する。これにより、
図1に示す多層配線基板1が得られる。
【0052】
本発明の第1実施形態に係る多層配線基板は、誘電体素体に搭載された電子部品をさらに備えてもよい。この場合、電子部品は、サーマルビアを介してグラファイトシートと接続されていることが好ましい。特に、多層配線基板は、上記電子部品として能動部品を備え、上記能動部品がサーマルビアを介してグラファイトシートと接続されていることが好ましい。
【0053】
電子部品としては、能動部品又は受動部品が挙げられる。また、電子部品として、能動部品及び受動部品の複合体が搭載されていてもよい。
【0054】
能動部品としては、例えば、トランジスタ、ダイオード、IC又はLSI等の半導体素子が挙げられる。受動部品としては、例えば、抵抗、コンデンサ又はインダクタ等のチップ状部品や、振動子、フィルタ等が挙げられる。
【0055】
図3は、本発明の第1実施形態に係る多層配線基板の具体例を模式的に示す断面図である。
図3に示す多層配線基板100は、フレキシブル基板であり、誘電体素体11と、信号線12a及び12bと、グランド導体13a及び13bと、グラファイトシート14とを備えている。信号線12a及びグランド導体13aは、グラファイトシート14よりも誘電体素体11の一方主面側に設けられており、信号線12b及びグランド導体13bは、グラファイトシート14よりも誘電体素体11の他方主面側に設けられている。
【0056】
積層方向において、信号線12a側を上側、グランド導体13a側を下側としたとき、グランド導体13aの上面よりも下側にグラファイトシート14の上面が位置している。さらに言えば、グランド導体13aの下面よりも下側にグラファイトシート14の上面が位置している。
【0057】
一方、積層方向において、信号線12b側を上側、グランド導体13b側を下側としたとき、グランド導体13bの上面よりも下側にグラファイトシート14の上面が位置している。さらに言えば、グランド導体13bの下面よりも下側にグラファイトシート14の上面が位置している。
【0058】
図3に示す多層配線基板100では、誘電体素体11の一方主面上には、電子部品としての能動部品21及び受動部品22が搭載されている。能動部品21は、サーマルビア15を介してグラファイトシート14と接続されている。
【0059】
さらに、誘電体素体11の一方主面上及び他方主面上には、コネクタ23が搭載されている。また、誘電体素体11の一方主面上には、放熱部材24が搭載されていてもよい。放熱部材24は、サーマルビア15を介してグラファイトシート14と接続されている。放熱部材24としては、例えば、ヒートシンク、筐体等が挙げられる。
【0060】
図3に示す多層配線基板100は、さらに、信号線12a及び12bを保護するための保護層25を備えている。保護層25は、例えば、カバーレイフィルム、ソルダーレジスト膜等である。保護層25は、誘電体素体11の両側の主面に設けられていてもよいし、いずれか一方の主面に設けられていてもよい。また、保護層25は、必須の構成ではないため、誘電体素体11の主面に設けられていなくてもよい。
【0061】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態では、グラファイトシートの上面の少なくとも一部がグランド導体に接している。
【0062】
図4は、本発明の第2実施形態に係る多層配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
図5(a)及び
図5(b)は、
図4に示す多層配線基板の分解平面図である。
【0063】
図4に示す多層配線基板2は、誘電体素体11と、信号線12と、グランド導体13と、グラファイトシート14とを備えている。信号線12は、誘電体素体11の表面に設けられており、グランド導体13及びグラファイトシート14は、いずれも誘電体素体11の内部に設けられている。
【0064】
誘電体素体11は、
図5(a)に示す誘電体シート11a、及び、
図5(b)に示す誘電体シート11dがz軸方向の正方向から負方向へとこの順に積層され、圧着されることによって構成されている。
【0065】
信号線12は、
図5(a)に示すように、誘電体シート11aのおもて面に設けられることにより、誘電体素体11の表面に設けられている。
【0066】
グラファイトシート14は、
図5(b)に示すように、誘電体シート11dのおもて面に設けられることにより、誘電体素体11の内部に設けられている。グラファイトシート14は、誘電体シート11dのおもて面の略全面に設けられている。
【0067】
グランド導体13は、
図5(b)に示すように、グラファイトシート14の表面に設けられることにより、誘電体素体11の内部に設けられている。
【0068】
図4に示す多層配線基板2では、グランド導体13の上面よりも下側にグラファイトシート14の上面が位置している。さらに、グランド導体13の下面と同一平面上にグラファイトシート14の上面が位置し、グラファイトシート14の上面の一部がグランド導体13の下面に接している。
【0069】
本発明の第2実施形態に係る多層配線基板では、第1実施形態と異なり、グランド導体とグラファイトシートとが接しているため、基板全体の厚みを小さくすることができる。また、第1実施形態と異なり、グランド導体とグラファイトシートとの間に誘電体素体が存在しないため、目的の特性が得られやすくなる。さらに、後述する第3実施形態と比べて、グランド導体の面積に関係なくグラファイトシートの面積を確保することができるため、高い放熱効果を得ることができる。
【0070】
図6は、本発明の第2実施形態に係る多層配線基板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図6に示す多層配線基板2Aでは、グラファイトシート14aは、積層方向であるz軸方向に貫通孔Hを有し、貫通孔Hを充填するようにグランド導体13cが設けられている。グランド導体13cの上面は、グラファイトシート14aの上面よりも上側に位置し、誘電体素体11に接している。グランド導体13cの下面の一部は、グラファイトシート14aの下面と同一平面上に位置し、誘電体素体11に接している。グランド導体13cの下面の残りは、グラファイトシート14aの上面と同一平面上に位置し、グラファイトシート14aの上面の一部に接している。
【0071】
図7は、
図6に示す多層配線基板の変形例を模式的に示す断面図である。
図7に示す多層配線基板2Bでは、貫通孔Hを有するグラファイトシート14aの上面にグランド導体13が設けられている。
図6に示す多層配線基板2Aと異なり、貫通孔Hにはグランド導体13は設けられておらず、誘電体素体11が設けられている。グランド導体13の下面は、グラファイトシート14aの上面と同一平面上に位置し、グラファイトシート14aの上面の一部と誘電体素体11に接している。
【0072】
図8は、
図6に示す多層配線基板の別の変形例を模式的に示す断面図である。
図8に示す多層配線基板2Cでは、グラファイトシート14aの貫通孔Hを充填するように銅などの金属Mが設けられており、上記グラファイトシート14aの上面にグランド導体13が設けられている。グランド導体13と金属Mとは接合されている。グランド導体13の下面は、グラファイトシート14aの上面と同一平面上に位置し、グラファイトシート14aの上面の一部と金属Mに接している。
【0073】
図9は、本発明の第2実施形態に係る多層配線基板のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。
図9に示す多層配線基板2Dでは、グラファイトシート14aの貫通孔Hを充填するようにグランド導体13dが設けられている。グランド導体13dの上面は、グラファイトシート14aの上面よりも上側に位置し、誘電体素体11に接している。グランド導体13dの下面は、グラファイトシート14aの下面よりも下側に位置し、誘電体素体11に接している。
図9に示す多層配線基板2Dでは、グランド導体13dの内部にグラファイトシート14aが設けられているため、グラファイトシート14aの上面の一部及び下面の一部がグランド導体13dに接している。
【0074】
本発明の第2実施形態に係る多層配線基板では、
図6又は
図9に示すように、グラファイトシートは、積層方向に貫通孔を有し、上記貫通孔を充填するようにグランド導体が設けられ、上記グランド導体の下面の少なくとも一部が誘電体素体に接していることが好ましい。
この場合、誘電体素体によりグランド導体とグラファイトシートとを固定することができるため、機械的強度を高くすることができる。
【0075】
本発明の第2実施形態に係る多層配線基板において、グラファイトシートが貫通孔を有する場合、貫通孔の大きさや数、配置等は特に限定されない。
【0076】
また、本発明の第2実施形態に係る多層配線基板では、グランド導体とグラファイトシートとの密着性を向上させるため、ロウ材等を介してグランド導体とグラファイトシートとを接着させてもよい。
【0077】
本発明の第2実施形態に係る多層配線基板は、本発明の第1実施形態に係る多層配線基板と同様の方法により製造することができる。
【0078】
例えば、
図4に示す多層配線基板2は、信号線12が形成された誘電体シート11aと、グラファイトシート14が表面に設けられ、該グラファイトシート14の表面にグランド導体13が形成された誘電体シート11dとをこの順に積層して、加熱圧着することにより作製される。
【0079】
本発明の第2実施形態に係る多層配線基板は、誘電体素体に搭載された電子部品をさらに備えてもよい。この場合、電子部品は、導体ビアを介してグランド導体と接続されていることが好ましい。特に、多層配線基板は、上記電子部品として能動部品を備え、上記能動部品が導体ビアを介してグランド導体と接続されていることが好ましい。
【0080】
本発明の第2実施形態に係る多層配線基板では、グランド導体とグラファイトシートとが接しているため、電子部品をグランド導体と接続させることにより、電子部品から生じる熱を熱伝導性の高いグラファイトシートに伝えることが可能となる。さらに、導体ビアが信号の経路を兼ねる場合、信号をグランド導体に伝えることが可能である。
【0081】
図10は、電子部品がグランド導体と接続されている多層配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
図10に示す多層配線基板200では、誘電体素体11の一方主面上には、電子部品としての能動部品21が搭載されている。能動部品21は、導体ビア16を介してグランド導体13と接続されている。
【0082】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態では、グランド導体の上面と同一平面上にグラファイトシートの上面が位置するか、グランド導体の下面と同一平面上にグラファイトシートの下面が位置するか、あるいは、その両方であり、グランド導体の側面がグラファイトシートに接している。
【0083】
図11は、本発明の第3実施形態に係る多層配線基板の一例を模式的に示す断面図である。
図12(a)及び
図12(b)は、
図11に示す多層配線基板の分解平面図である。
【0084】
図11に示す多層配線基板3は、誘電体素体11と、信号線12と、グランド導体13と、グラファイトシート14bとを備えている。信号線12は、誘電体素体11の表面に設けられており、グランド導体13及びグラファイトシート14bは、いずれも誘電体素体11の内部に設けられている。
【0085】
誘電体素体11は、
図12(a)に示す誘電体シート11a、及び、
図12(b)に示す誘電体シート11eがz軸方向の正方向から負方向へとこの順に積層され、圧着されることによって構成されている。
【0086】
信号線12は、
図12(a)に示すように、誘電体シート11aのおもて面に設けられることにより、誘電体素体11の表面に設けられている。
【0087】
グランド導体13は、
図12(b)に示すように、誘電体シート11eのおもて面に設けられることにより、誘電体素体11の内部に設けられている。
【0088】
グラファイトシート14bは、
図12(b)に示すように、誘電体シート11eのおもて面に設けられることにより、誘電体素体11の内部に設けられている。グラファイトシート14bは、誘電体シート11eのおもて面のうち、グランド導体13が設けられていない領域に設けられている。
【0089】
図11に示す多層配線基板3では、グランド導体13の上面と同一平面上にグラファイトシート14bの上面が位置するとともに、グランド導体13の下面と同一平面上にグラファイトシート14bの下面が位置し、グランド導体13の側面がグラファイトシート14bに接している。
【0090】
本発明の第3実施形態に係る多層配線基板では、第2実施形態に比べて、基板全体の厚みをさらに小さくすることができる。また、第2実施形態と同様、グランド導体とグラファイトシートとの間に誘電体素体が存在しないため、目的の特性が得られやすくなる。
【0091】
本発明の第3実施形態に係る多層配線基板では、グランド導体の上面と同一平面上にグラファイトシートの上面が位置する場合、グランド導体の下面と同一平面上にグラファイトシートの下面が位置していなくてもよい。また、グランド導体の下面と同一平面上にグラファイトシートの下面が位置する場合、グランド導体の上面と同一平面上にグラファイトシートの上面が位置していなくてもよい。
【0092】
本発明の第3実施形態に係る多層配線基板は、本発明の第1実施形態に係る多層配線基板と同様の方法により製造することができる。
【0093】
例えば、
図11に示す多層配線基板3は、信号線12が形成された誘電体シート11aと、グランド導体13が形成されるとともに、グランド導体13が形成されていない領域にグラファイトシート14bが設けられた誘電体シート11eとをこの順に積層して、加熱圧着することにより作製される。
【0094】
本発明の第3実施形態に係る多層配線基板は、誘電体素体に搭載された電子部品をさらに備えてもよい。この場合、電子部品は、導体ビアを介してグランド導体と接続されていることが好ましい。特に、多層配線基板は、上記電子部品として能動部品を備え、上記能動部品が導体ビアを介してグランド導体と接続されていることが好ましい。
【0095】
本発明の第3実施形態に係る多層配線基板においても、第2実施形態と同様、グランド導体とグラファイトシートとが接しているため、電子部品をグランド導体と接続させることにより、電子部品から生じる熱を熱伝導性の高いグラファイトシートに伝えることが可能となる。さらに、導体ビアが信号の経路を兼ねる場合、信号をグランド導体に伝えることが可能である。
【0096】
図13は、電子部品がグランド導体と接続されている多層配線基板の別の一例を模式的に示す断面図である。
図13に示す多層配線基板300では、誘電体素体11の一方主面上には、電子部品としての能動部品21が搭載されている。能動部品21は、導体ビア16を介してグランド導体13と接続されている。
【0097】
[その他の実施形態]
本発明の多層配線基板は、グランド導体の上面と同一平面上、又は、グランド導体の上面よりも下側にグラファイトシートの上面が位置する限り、上記実施形態に限定されるものではない。したがって、多層配線基板の構成、製造条件等に関し、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0098】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態においては、グラファイトシートよりも誘電体素体の一方主面側に信号線及びグランド導体が設けられているだけでなく、グラファイトシートよりも誘電体素体の他方主面側にも信号線及びグランド導体が設けられていてもよい。この場合、他方主面側に設けられる信号線及びグランド導体のサイズや配置等は、一方主面側と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0099】
同様に、第3実施形態においては、グランド導体及びグラファイトシートよりも誘電体素体の一方主面側に信号線が設けられているだけでなく、グランド導体及びグラファイトシートよりも誘電体素体の他方主面側にも信号線が設けられていてもよい。この場合、他方主面側に設けられる信号線のサイズや配置等は、一方主面側と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0100】
本発明の多層配線基板において、グラファイトシートは、その上面及び下面が誘電体素体に埋設されていることが好ましいが、グラファイトシートの上面又は下面が誘電体素体に露出していてもよい。また、第3実施形態では、グランド導体の上面又は下面が誘電体素体に露出していてもよい。
【0101】
本発明の多層配線基板において、信号線は、その上面が誘電体素体に露出していなくてもよく、誘電体素体に埋設されていてもよい。
【0102】
本発明の多層配線基板において、グランド導体の下面と同一平面上にグラファイトシートの上面が位置する場合、グランド導体の下面がグラファイトシートに接していなくてもよい。また、グランド導体の上面と同一平面上にグラファイトシートの上面が位置するか、グランド導体の下面と同一平面上にグラファイトシートの下面が位置するか、あるいは、その両方である場合、グランド導体の側面がグラファイトシートに接していなくてもよい。
【0103】
本発明の多層配線基板は、フレキシブル基板であってもよいし、リジッド基板であってもよい。
【符号の説明】
【0104】
1,2,2A,2B,2C,2D,3,100,200,300 多層配線基板
11 誘電体素体
11a,11b,11c,11d,11e 誘電体シート
12,12a,12b 信号線
13,13a,13b,13c,13d グランド導体
14,14a,14b グラファイトシート
15 サーマルビア
16 導体ビア
21 能動部品
22 受動部品
23 コネクタ
24 放熱部材
25 保護層
H 貫通孔
M 金属