(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】X線撮影装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20220809BHJP
G01N 23/046 20180101ALI20220809BHJP
【FI】
A61B6/03 350G
G01N23/046
(21)【出願番号】P 2021505477
(86)(22)【出願日】2019-03-14
(86)【国際出願番号】 JP2019010708
(87)【国際公開番号】W WO2020183733
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】原田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】新坂 拓真
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-099169(JP,A)
【文献】特開2007-000205(JP,A)
【文献】特開2005-095328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源と、
前記X線源から照射されたX線を、互いに1画素分よりも小さい移動量だけ平行移動させた複数の検出位置において検出する検出器と、
複数の前記検出位置のそれぞれにおいて検出されたX線に基づいて、複数の取得画像を生成するとともに、前記複数の取得画像に基づいて、解像度を増加させる超解像処理を行うことにより、前記複数の取得画像よりも解像度が高い高解像画像を生成する画像処理部と、
を備え、
前記画像処理部は、前記取得画像において被写体が存在する第1領域に対して、前記超解像処理を適用するとともに、前記取得画像において前記第1領域以外の第2領域に対して、前記超解像処理よりも簡易な処理
である画像処理による画素の補間処理を行うことにより、前記超解像処理が適用されることにより増加した前記第1領域における解像度の増加に応じて画素数を増加させるように構成されている、X線撮影装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、前記取得画像において前記超解像処理が適用されない前記第2領域に対して、前記超解像処理が適用されることによる前記第1領域における解像度の増加による画素数の増加割合と等しい増加割合だけ画素数を増加させるように構成されている、請求項1に記載のX線撮影装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記第2領域に対して、
前記画像処理による画素の補間処理を行うことにより前記増加割合だけ画素数を増加させるように構成されている、請求項2に記載のX線撮影装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記第1領域に対して、逐次近似演算を用いた前記超解像処理を適用するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、前記取得画像の画像データに基づいて、前記第1領域を画像処理により取得するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項6】
前記画像処理部は、前記取得画像における輝度値の大きさまたは空間周波数の大きさに基づいて、前記第1領域を取得するように構成されている、請求項5に記載のX線撮影装置。
【請求項7】
前記検出器は、前記X線源から照射されたX線を、回転軸を中心として回転しながら複数の方向から検出するように構成されており、
前記画像処理部は、複数の方向のそれぞれから検出されたX線に基づいて、複数の2次元の前記取得画像を生成するとともに、前記複数の2次元の取得画像を再構成した3次元の再構成画像を生成するように構成されており、
前記3次元の再構成画像のデータに基づいて、ユーザにより、前記第1領域が設定されるように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項8】
前記画像処理部は、前記3次元の再構成画像から任意の断面を切り出した互いに異なる方向から見た少なくとも2つの2次元の断面画像においてユーザにより設定された領域に対応する前記3次元の再構成画像における領域を前記第1領域として設定するとともに、前記第1領域が設定された前記3次元の再構成画像を前記複数の2次元の取得画像に変換することにより、前記複数の2次元の取得画像における前記第1領域を設定するように構成されている、請求項7に記載のX線撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線撮影装置に関し、特に、解像度を増加させる超解像処理を行うことにより、取得画像よりも解像度が高い高解像画像を生成するX線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、解像度を増加させる超解像処理を行うことにより取得画像よりも解像度が高い高解像画像を生成するX線撮影装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、取得した被検体に関する複数の投影データ(取得画像)を記憶するデータ記憶部と、複数の投影データを再構成した再構成画像を生成する再構成処理部と、を備えたX線撮影装置が開示されている。上記特許文献1のX線撮影装置は、再構成画像上において超解像処理を適用する範囲をユーザが手動で指定するための入力器と、指定された超解像処理の範囲に限定して超解像処理を行う超解像処理部と、を備えている。そして、手動により超解像処理が行われた画像が1つの画像(高解像度画像)として扱われて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来のX線撮影装置では、超解像処理を適用する範囲を限定することにより、高解像画像を生成する時間を短くできるものの、1つの画像(高解像度画像)として扱われる範囲が超解像処理が行われた範囲に限定されるため、1つの画像(高解像度画像)として扱われる範囲が元の取得画像よりも小さくなるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、高解像画像を生成する際の計算時間が長くなるのを抑制するとともに1つの画像として扱われる画像の範囲が小さくなるのを抑制しながら高解像画像を生成することが可能なX線撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるX線撮影装置は、X線源と、X線源から照射されたX線を、互いに1画素分よりも小さい移動量だけ平行移動させた複数の検出位置において検出する検出器と、複数の検出位置のそれぞれにおいて検出されたX線に基づいて、複数の取得画像を生成するとともに、複数の取得画像に基づいて、解像度を増加させる超解像処理を行うことにより、複数の取得画像よりも解像度が高い高解像画像を生成する画像処理部と、を備え、画像処理部は、取得画像において被写体が存在する第1領域に対して、超解像処理を適用するとともに、取得画像において第1領域以外の第2領域に対して、超解像処理よりも簡易な処理である画像処理による画素の補間処理を行うことにより、超解像処理が適用されることにより増加した第1領域における解像度の増加に応じて画素数を増加させるように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面によるX線撮影装置では、上記のように、画像処理部は、取得画像において被写体が存在する第1領域に対して、超解像処理を適用するとともに、取得画像において第1領域以外の第2領域に対して、超解像処理よりも簡易な処理により、超解像処理が適用されることにより増加した第1領域における解像度の増加に応じて画素数を増加させる。これにより、超解像処理が適用されない第2領域の解像度を、超解像処理が適用される第1領域の解像度の増加に応じて増加させることができるので、第1領域のみに超解像処理が適用された場合でも、第1領域と第2領域とを1つの画像として扱うことができる。また、画像処理部は、第1領域に対して超解像処理を適用するとともに、第2領域に対して超解像処理よりも簡易な処理により画素数を増加させるので、取得画像の全体に対して超解像処理が行われる場合と比較して、計算時間を確実に短くすることができる。これらの結果、高解像画像を生成する際の計算時間が長くなるのを抑制するとともに1つの画像として扱われる画像の範囲が小さくなるのを抑制しながら高解像画像を生成することができる。
【0009】
上記一の局面によるX線撮影装置において、好ましくは、画像処理部は、取得画像において超解像処理が適用されない第2領域に対して、超解像処理が適用されることによる第1領域における解像度の増加による画素数の増加割合と等しい増加割合だけ画素数を増加させるように構成されている。このように構成すれば、第1領域と第2領域との画素の大きさが同じになるので、超解像処理が行われた後の第1領域と第2領域とを含む画像を、容易に、1つの画像(高解像画像)として扱うことができる。
【0010】
この場合、好ましくは、画像処理部は、第2領域に対して、画像処理による画素の補間処理を行うことにより上記増加割合だけ画素数を増加させるように構成されている。このように構成すれば、超解像処理と比べて簡易な処理である画素の補間処理により容易に画素間に画素を補間することができるので、容易に上記増加割合だけ画素数を増加させることができる。
【0011】
上記一の局面によるX線撮影装置において、好ましくは、画像処理部は、第1領域に対して、逐次近似演算を用いた超解像処理を適用するように構成されている。ここで、逐次近似演算を用いた超解像処理は、超解像処理の手法において特に演算時間が長い。すなわち、比較的長い演算時間を要する逐次近似演算を用いた超解像処理を行う場合でも、上記一の局面によるX線撮影装置のように構成することによって、高解像画像を生成する際の計算時間が長くなるのを抑制するとともに1つの画像として扱われる画像の範囲が小さくなるのを抑制しながら高解像画像を生成することができる。
【0012】
上記一の局面によるX線撮影装置において、好ましくは、画像処理部は、取得画像の画像データに基づいて、第1領域を画像処理により取得するように構成されている。このように構成すれば、画像処理部が画像処理により自動で第1領域を取得することができるので、画像処理部は、ユーザが手動で第1領域を設定することなく、第1領域に対して超解像処理を適用することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、画像処理部は、取得画像における輝度値の大きさまたは空間周波数の大きさに基づいて、第1領域を取得するように構成されている。ここで、画像において被写体が存在する領域は、被写体が存在しない領域と比較して、輝度値が大きくなる(または、小さくなる)。また、画像において被写体が存在する領域と被写体が存在しない領域との境界部では、輝度値および空間周波数が大きく変化する。したがって、上記のように構成すれば、画像処理部は、取得画像の画像データに基づいて、容易に第1領域を取得することができる。なお、「空間周波数」とは、単位長に含まれる構造の繰り返しの多さを表す。たとえば、画像において空間周波数が高い場合、エッジなどの突然の変化が生じていることを意味する。
【0014】
上記一の局面によるX線撮影装置において、好ましくは、検出器は、X線源から照射されたX線を、回転軸を中心として回転しながら複数の方向から検出するように構成されており、画像処理部は、複数の方向のそれぞれから検出されたX線に基づいて、複数の2次元の取得画像を生成するとともに、複数の2次元の取得画像を再構成した3次元の再構成画像を生成するように構成されており、3次元の再構成画像のデータに基づいて、ユーザにより、第1領域が設定されるように構成されている。ここで、複数の2次元の取得画像を再構成した3次元の再構成画像は、3次元のボクセルデータとして構成されているので、3次元の再構成画像から任意の断面を切り出すことができる。したがって、上記のように構成すれば、3次元の再構成画像から任意の断面を切り出した互いに異なる方向から見た少なくとも2つの画像に対して領域を設定することにより、3次元のボクセルデータに対する第1領域を設定することができる。そして、3次元のボクセルデータを、複数の2次元のピクセルデータに変換することにより、複数の2次元のピクセルデータに対する第1領域を設定することができる。すなわち、少なくとも2つの画像に対して第1領域を設定するだけで、3次元の再構成画像の生成に用いられた複数の2次元の取得画像の内の多くの取得画像に対して第1領域を設定することができる。その結果、再構成画像を生成するための2次元の取得画像の内の多くの取得画像に対して、1つずつ第1領域を設定する場合と比較して、ユーザが第1領域を設定する作業負担を抑制することができる。なお、3次元の再構成画像の生成には、一般的に、多く(たとえば、数百~数千枚)の2次元の取得画像が用いられる。
【0015】
この場合、好ましくは、画像処理部は、3次元の再構成画像から任意の断面を切り出した互いに異なる方向から見た少なくとも2つの2次元の断面画像においてユーザにより設定された領域に対応する3次元の再構成画像における領域を第1領域として設定するとともに、第1領域が設定された3次元の再構成画像を複数の2次元の取得画像に変換することにより、複数の2次元の取得画像における第1領域を設定するように構成されている。このように構成すれば、少なくとも2つの画像に対して第1領域を設定するだけで、2次元の取得画像の内の多くの取得画像に対して確実に第1領域を設定することができるので、2次元の取得画像の内の多くの取得画像に対して、1つずつ第1領域を設定する場合と比較して、ユーザが第1領域を設定する作業負担を確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記のように、高解像画像を生成する際の計算時間が長くなるのを抑制するとともに1つの画像として扱われる画像の範囲が小さくなるのを抑制しながら高解像画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置の全体構成を示したY方向から見た図である。
【
図2】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置の全体構成を示したX方向から見た図である。
【
図3】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置におけるX線の検出位置を説明するための図である。
【
図4】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置により撮影されたX線透視画像を説明するための図である。
【
図5】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置における高解像画像の生成を説明するための図である。
【
図6】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置における再構成画像の生成を説明するための図である。
【
図7】本発明の第1実施形態によるX線撮影装置における第1領域の設定を説明するための図である。
【
図8】本発明の第2実施形態によるX線撮影装置における第1領域の設定を説明するための図である。
【
図9】本発明の第3実施形態によるX線撮影装置における再構成画像から切り出した断面画像を説明するための図である。
【
図10】本発明の第3実施形態によるX線撮影装置における第1領域の設定を説明するための図である。
【
図11】本発明の第3実施形態によるX線撮影装置における第1領域が設定されたX線透視画像を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
まず、
図1~
図7を参照して、本発明の第1実施形態によるX線撮影装置100の構成について説明する。
【0020】
図1に示すように、X線撮影装置100は、X線源1と、検出器2と、回転ステージ3と、検出器移動機構4と、処理ユニット5と、表示部6と、を備えている。
【0021】
X線撮影装置100では、X線源1と、回転ステージ3と、検出器2とが、X線源1と検出器2とを結ぶ方向(Z方向)に、この順に並んで配置されている。本明細書では、X線源1から検出器2に向かう方向をZ2方向、その逆方向をZ1方向とする。また、Z方向と直交する面内方向のうちの回転ステージ3が並進移動する方向をY方向とする。また、Z方向およびY方向と直交する方向をX方向とする。
【0022】
X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させることが可能なX線発生装置である。X線源1は、発生させたX線をZ2方向に照射するように構成されている。
【0023】
検出器2は、X線源1から照射されたX線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換する。検出器2は、マトリクス状にX方向およびY方向に所定の周期L1で並んで配列された複数の検出素子2aを含む検出面2bを有する。検出器2は、複数の検出素子2aのそれぞれに対応するように配置されるとともに、検出されたX線を電気信号に変換する複数の変換素子(図示せず)を含む。検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器2で変換された検出信号(電気信号)は、処理ユニット5が備える画像処理部5b(後述する)に送られる。
【0024】
回転ステージ3は、被写体Sを載置する載置面3a(
図2参照)を有する。回転ステージ3は、XZ平面内において、Y方向に沿った回転軸90周りに360度回転移動することが可能に構成されている。また、
図2に示すように、回転ステージ3は、Y方向に並進移動することが可能に構成されている。これにより、第1実施形態では、検出器2は、X線源1から照射されたX線を、Y方向を回転軸として回転しながら(XZ平面内の)複数の方向から検出する検出動作と、Y方向への平行移動とを、交互に繰り返し行うことにより、断層撮影を行うことが可能に構成されている。すなわち、X線撮影装置100は、いわゆるノンヘリカルスキャン型の断層撮影を行うことが可能な撮影装置である。
【0025】
図1および
図2に示すように、検出器移動機構4は、検出器2を、検出素子2aよりも小さい移動量だけX方向およびY方向にそれぞれ移動させることが可能に構成されている。これにより、
図3に示すように、検出器移動機構4は、検出器2を、第1位置P1と、第2位置P2と、第3位置P3と、第4位置P4との間で移動させることが可能である。第2位置P2は、第1位置P1から距離L2だけX方向へ平行移動させた位置である。第3位置P3は、第1位置P1から距離L3だけY方向へ平行移動させた位置である。第4位置P4は、第1位置P1から距離L3だけY方向における第3位置P3と同じ側へ平行移動させた位置である。距離L2および距離L3は、それぞれ、X方向およびY方向において、検出素子2aの1つ分の大きさ(検出素子2aが並ぶ周期)L1よりも小さい距離である。すなわち、X線撮影装置100では、検出器2は、X線源1から照射されたX線を、互いに1画素Ea(E)(
図5参照)分よりも小さい移動量だけ平行移動させた複数の検出位置Pにおいて検出することが可能に構成されている。
【0026】
処理ユニット5は、制御部5aと、画像処理部5bと、を備えている。
【0027】
制御部5aは、回転ステージ3および検出器移動機構4の動作を制御するように構成されている。制御部5aは、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
【0028】
画像処理部5bは、検出器2から送られた検出信号に基づいて、X線透視画像Ia(
図4参照)を生成するように構成されている。画像処理部5bは、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)や画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。なお、X線透視画像Ia(
図4参照)における各画素Ea(E)(
図5参照)のデータは、それぞれ、検出器2の各検出素子2aで検出されたX線量に対応する。なお、X線透視画像Iaは、特許請求の範囲の「取得画像」の一例である。
【0029】
また、画像処理部5bは、複数の検出位置Pのそれぞれにおいて検出されたX線に基づいて、複数のX線透視画像Iaを生成するとともに、複数のX線透視画像Iaに基づいて、複数のX線透視画像Iaよりも解像度が高い高解像画像50(
図5参照)を生成するように構成されている。なお、画像処理部5bは、複数のX線透視画像Iaに基づいて、解像度を増加させる超解像処理を行うことにより、高解像画像50を生成するように構成されている。
【0030】
具体的には、
図4に示すように、画像処理部5bは、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3および第4位置P4において検出されたX線に基づいて、それぞれ、X線透視画像Iaとして、X線透視画像10、20、30および40を生成する。X線透視画像10は、回転ステージ3によりXZ平面内の撮影方向およびY方向の撮影位置の少なくとも一方が互いに異なるX線透視画像11、12、13、14、…を含む。X線透視画像20は、回転ステージ3の動作によりXZ平面内の撮影方向およびY方向の撮影位置の少なくとも一方が互いに異なるX線透視画像21、22、23、24、…を含む。X線透視画像30は、回転ステージ3の動作によりXZ平面内の撮影方向およびY方向の撮影位置の少なくとも一方が互いに異なるX線透視画像31、32、33、34、…を含む。X線透視画像40は、回転ステージ3の動作によりXZ平面内の撮影方向およびY方向の撮影位置の少なくとも一方が互いに異なるX線透視画像41、42、43、44、…を含む。
【0031】
そして、
図5に示すように、画像処理部5bは、X線透視画像10、20、30および40に対して、超解像処理を行うことにより、X線透視画像10、20、30および40よりも解像度が高くなった高解像画像50を生成する。超解像処理が行われた高解像画像50は、X線透視画像10、20、30および40の画素Ea(E)の大きさよりも小さい画素Eb(E)を有する。なお、X線撮影装置200では、画像処理部5bは、逐次近似演算を用いた最適化手法により、超解像処理を行うように構成されている。逐次近似演算は、たとえば、IBP(Iterative Backward Projection)法である。
【0032】
また、
図6に示すように、画像処理部5bは、複数の2次元の高解像画像50(51、52、53、54、…)を再構成した3次元の再構成画像60を生成するように構成されている。高解像画像51、52、53、54、…は、それぞれ、(2次元の)ピクセルデータを有する。高解像画像51は、X線透視画像11、21、31および41に対して、超解像処理を行うことにより生成されている。高解像画像52は、X線透視画像12、22、32および42に対して、超解像処理を行うことにより生成されている。高解像画像53は、X線透視画像13、23、33および43に対して、超解像処理を行うことにより生成されている。高解像画像54は、X線透視画像14、24、34および44に対して、超解像処理を行うことにより生成されている。再構成画像60は、(3次元の)ボクセルデータを有する。なお、X線撮影装置100では、多く(たとえば、数百~数千枚)の2次元の高解像画像50を再構成して3次元の再構成画像60が生成される。
【0033】
表示部6は、画像処理部5bにより生成された画像(X線透視画像Ia、高解像画像50、再構成画像60、等)を表示することが可能に構成されている。表示部6は、たとえば、液晶ディスプレイなどのモニタである。
【0034】
ここで、
図7に示すように、第1実施形態では、画像処理部5bは、X線透視画像Iaにおいて被写体Sが存在する第1領域A1(たとえば、四角形状の領域)に対して、超解像処理を適用するように構成されている。また、画像処理部5bは、X線透視画像Iaにおいて第1領域A1以外の第2領域A2(たとえば、枠形状の領域)に対して、超解像処理よりも簡易な処理により、超解像処理が適用されることにより増加した第1領域A1における解像度の増加に応じて画素数を増加させるように構成されている。
【0035】
詳細には、画像処理部5bは、第2領域A2に対して、超解像処理が適用されることによる第1領域A1における解像度の増加による画素数の増加割合と等しい増加割合だけ画素数を増加させるように構成されている。また、画像処理部5bは、第2領域A2に対して、画像処理による画素Eの補間処理を行うことにより上記増加割合だけ画素数を増加させるように構成されている。
【0036】
具体的には、X線撮影装置100では、ユーザにより、操作部(図示しない)を介して、表示部6(
図1参照)に表示されたX線透視画像Iaにおいて超解像処理を適用する第1領域A1が選択される。画像処理部6bは、ユーザにより選択されたX線透視画像Iaにおける第1領域A1に対して超解像処理を行う。また、画像処理部6bは、X線透視画像Iaにおける第1領域A1以外の第2領域A2に対して、超解像処理により第1領域A1において増加した分だけ画素数を増加させるように、第1領域A1における画素Eの補間処理を行う。たとえば、第1領域A1において、画素数が4倍になった場合、第2領域A2の画素数が4倍になるように画素Eの補間処理を行う。なお、画素Eの補間処理は、最近傍補間、双一次補間、などの比較的計算負荷の低い処理が好ましい。
【0037】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0038】
第1実施形態では、上記のように、画像処理部5bを、X線透視画像Iaにおいて被写体Sが存在する第1領域A1に対して、超解像処理を適用するように構成する。また、画像処理部5bを、X線透視画像Iaにおいて第1領域A1以外の第2領域A2に対して、超解像処理よりも簡易な処理により、超解像処理が適用されることにより増加した第1領域A1における解像度の増加に応じて画素数を増加させるように構成する。これにより、超解像処理が適用されない第2領域A2の解像度を、超解像処理が適用される第1領域A1の解像度の増加に応じて増加させることができるので、第1領域A1のみに超解像処理が適用された場合でも、第1領域A1と第2領域A2とを1つの画像として扱うことができる。また、画像処理部5bは、第1領域A1に対して超解像処理を適用するとともに、第2領域A2に対して超解像処理よりも簡易な処理により画素数を増加させるので、X線透視画像Iaの全体に対して超解像処理が行われる場合と比較して、計算時間を確実に短くすることができる。これらの結果、高解像画像50を生成する際の計算時間が長くなるのを抑制するとともに1つの画像として扱われる画像の範囲が小さくなるのを抑制しながら高解像画像50を生成することができる。
【0039】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部5bを、X線透視画像Iaにおいて超解像処理が適用されない第2領域A2に対して、超解像処理が適用されることによる第1領域A1における解像度の増加による画素数の増加割合と等しい増加割合だけ画素数を増加させるように構成する。これにより、第1領域A1と第2領域A2との画素Eの大きさが同じになるので、超解像処理が行われた後の第1領域A1と第2領域A2とを含む画像を、容易に、1つの画像(高解像画像50)として扱うことができる。
【0040】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部5bを、第2領域A2に対して、画像処理による画素Eの補間処理を行うことにより上記増加割合だけ画素数を増加させるように構成する。これにより、超解像処理と比べて簡易な処理である画素Eの補間処理により容易に画素E間に画素Eを補間することができるので、容易に上記増加割合だけ画素数を増加させることができる。
【0041】
また、第1実施形態では、上記のように、画像処理部5bを、第1領域A1に対して、逐次近似演算を用いた超解像処理を適用するように構成する。これにより、比較的長い演算時間を要する逐次近似演算を用いた超解像処理を行う場合でも、高解像画像50を生成する際の計算時間が長くなるのを抑制するとともに1つの画像として扱われる画像の範囲が小さくなるのを抑制しながら高解像画像50を生成することができる。
【0042】
[第2実施形態]
図1および
図8を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、ユーザにより超解像処理を適用する第1領域A1が選択されるように構成された第1実施形態と異なり、画像処理部6bが第1領域A1を自動で設定するように構成した例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0043】
図1に示すように、本発明の第2実施形態によるX線撮影装置200は、処理ユニット205を備えている。処理ユニット205は、画像処理部205bを備えている。
【0044】
図2に示すように、第2実施形態では、画像処理部205bは、X線透視画像Iaの画像データに基づいて、第1領域A21を画像処理により取得するように構成されている。詳細には、画像処理部205bは、X線透視画像Iaにおける輝度値の大きさに基づいて、第1領域A21を取得するように構成されている。
【0045】
具体的には、画像処理部205bは、X線透視画像Iaにおける輝度値の大きさ自体または輝度値の大きさの変化のいずれかにより、被写体Sが存在するか否かを判断して、第1領域A21を取得する。すなわち、被写体Sが存在する領域は、被写体Sが存在しない領域よりも輝度値が大きくなるので、画像処理部205bは、X線透視画像Iaにおいて、画像処理により比較的輝度値が大きい画素Eが連続している領域を探すことにより、被写体Sが存在するか否かを判断する。また、被写体Sが比較的鮮明に映り込んでいる場合には、X線透視画像Iaにおいて被写体Sが存在する領域と被写体Sが存在しない領域との境界が、輝度値の大きさに比較的明瞭に表れる(輝度値の大きさの変化が大きい)ので、画像処理部205bは、画像処理によるエッジ検出により、被写体Sが存在するか否かを判断する。なお、第1領域A21は、被写体Sのエッジよりも数画素E分、被写体Sのエッジから離間した画素Eにより被写体Sを取り囲む領域(つまり、被写体Sよりも少し大きな領域)である。
【0046】
なお、第2実施形態によるX線撮影装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0047】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0048】
第2実施形態では、上記のように、画像処理部205bを、X線透視画像Iaの画像データに基づいて、第1領域A21を画像処理により取得するように構成する。これにより、画像処理部205bが画像処理により自動で第1領域A21を取得することができるので、画像処理部205bは、ユーザが手動で第1領域A21を設定することなく、第1領域A21に対して超解像処理を適用することができる。
【0049】
また、第2実施形態では、上記のように、画像処理部205bを、X線透視画像Iaにおける輝度値の大きさに基づいて、第1領域A21を取得するように構成する。これにより、画像処理部205bは、X線透視画像Iaの画像データに基づいて、容易に第1領域A21を取得することができる。
【0050】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0051】
[第3実施形態]
図1、
図9~
図11を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、ユーザにより表示部6(
図1参照)に表示されたX線透視画像Iaにおいて第1領域A1が選択されるように構成された第1実施形態と異なり、ユーザにより表示部6に表示された再構成画像360(
図9参照)のデータに基づいて第1領域A31が選択されるように構成した例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0052】
図1に示すように、本発明の第3実施形態によるX線撮影装置300は、処理ユニット305を備えている。処理ユニット305は、画像処理部305bを備えている。
【0053】
図9に示すように、第3実施形態では、画像処理部305bは、3次元の再構成画像360のデータに基づいてユーザにより設定された領域A31a(
図10参照)、A31b(
図10参照)に基づいて、第1領域A31(
図10参照)を設定するように構成されている。詳細には、画像処理部305bは、3次元の再構成画像360から任意の断面を切り出した互いに異なる方向から見た2つの2次元の断面画像70において、ユーザにより設定された領域A31a、A31bに対応する3次元の再構成画像360における領域を第1領域A31として設定するように構成されている。そして、画像処理部305bは、第1領域A31が設定された3次元の再構成画像360を複数の2次元のX線透視画像Iaに変換することにより、複数の2次元のX線透視画像Iaにおける第1領域A31を設定するように構成されている。なお、
図9では、被写体Sが板形状を有する例を示している。
【0054】
具体的には、画像処理部305bは、超解像処理を行う前に、複数の2次元のX線透視画像Iaを再構成した3次元の再構成画像360を生成する。複数の2次元のX線透視画像Iaは、たとえば、複数のX線透視画像10(11、12、13、14、…)である。
【0055】
X線撮影装置300では、ユーザにより、操作部(図示しない)を介して、表示部6(
図1参照)に表示された再構成画像360において任意の断面が選択される。画像処理部305bは、ユーザにより選択された断面を切り出した断面画像70を生成して、生成した断面画像70を、表示部6(
図1参照)に表示させる。なお、
図9では、再構成画像360において、断面画像70として、A方向から見た断面を切り出した断面画像70aと、B方向から見た断面を切り出した断面画像70bと、を示している。
【0056】
図10に示すように、ユーザにより、操作部(図示しない)を介して、表示部6(
図1参照)に表示された断面画像70aおよび70bにおいて、それぞれ、領域A31aおよびA31bが選択される。画像処理部305bは、断面画像70aおよび70bにおいて選択された領域A31aおよびA31bに基づいて、再構成画像360における第1領域A31を設定する。
【0057】
図11に示すように、画像処理部305bは、3次元の再構成画像360における第1領域A31を、再構成画像360の再構成に用いた2次元の複数の2次元のX線透視画像Iaに反映させる(3次元のボクセルデータを複数の2次元のピクセルデータに変換する)。また、画像処理部305bは、X線透視画像Iaにおいて、第1領域A31以外の領域を第2領域A32に設定する。これにより、複数の2次元のX線透視画像Iaに対して、第1領域A31および第2領域A32が設定される。
【0058】
なお、
図9に示すように、A方向から見た断面を切り出した断面画像70aは、画像中に占める被写体Sの面積が比較的大きく、B方向から見た断面を切り出した断面画像70bは、画像中に占める被写体Sの面積が比較的小さい。このように、様々な方向から見た際の画像において超解像処理を行う範囲を異ならせることにより、第1領域A31を適切に設定することができるので、効果的に、高解像画像50を生成する際の計算時間を短くすることが可能になる。
【0059】
なお、第3実施形態によるX線撮影装置300のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0061】
第3実施形態では、上記のように、検出器2を、X線源1から照射されたX線を、回転軸90を中心として回転しながら複数の方向から検出するように構成する。そして、画像処理部305bを、複数の方向のそれぞれから検出されたX線に基づいて、複数の2次元のX線透視画像Iaを生成するとともに、複数の2次元のX線透視画像Iaを再構成した3次元の再構成画像360を生成するように構成する。そして、画像処理部305bを、3次元の再構成画像360のデータに基づいて、ユーザにより、第1領域A31が設定されるように構成する。これにより、3次元の再構成画像360から任意の断面を切り出した互いに異なる方向から見た少なくとも2つの画像に対してそれぞれ領域A31aおよびA31bを設定することにより、3次元のボクセルデータに対する第1領域A31を設定することができる。そして、3次元のボクセルデータを、複数の2次元のピクセルデータに変換することにより、複数の2次元のピクセルデータに対する第1領域A31を設定することができる。すなわち、少なくとも2つの画像に対して領域A31a、A31bを設定するだけで、3次元の再構成画像360の生成に用いられた複数の2次元のX線透視画像Iaの内の多くのX線透視画像Iaに対して第1領域A31を設定することができる。その結果、再構成画像360を生成するための2次元のX線透視画像Iaの内の多くのX線透視画像Iaに対して、1つずつ第1領域A31を設定する場合と比較して、ユーザが第1領域A31を設定する作業負担を抑制することができる。
【0062】
また、第3実施形態では、上記のように、画像処理部305bを、3次元の再構成画像360から任意の断面を切り出した互いに異なる方向から見た2つの2次元の断面画像70においてユーザにより設定された領域A31a、A31bに対応する3次元の再構成画像360における領域を第1領域A31として設定するとともに、第1領域A31が設定された3次元の再構成画像360を複数の2次元のX線透視画像Iaに変換することにより、複数の2次元のX線透視画像Iaにおける領域A31を設定するように構成する。これにより、2つの画像に対して領域A31a、A31bを設定するだけで、2次元のX線透視画像Iaの内の多くのX線透視画像Iaに対して確実に第1領域A31を設定することができるので、2次元のX線透視画像Iaの内の多くのX線透視画像Iaに対して、1つずつ第1領域A31を設定する場合と比較して、ユーザが第1領域A31を設定する作業負担を確実に抑制することができる。
【0063】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0064】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0065】
たとえば、上記第2実施形態では、画像処理部205bを、X線透視画像Iaにおける輝度値の大きさに基づいて、第1領域A21を取得するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像処理部を、X線透視画像における空間周波数の大きさに基づいて、第1領域を取得するように構成してもよい。すなわち、画像において(単位長に含まれる構造の繰り返しの多さを表す)空間周波数が高い場合、エッジなどの突然の変化が生じていることを意味するので、画像処理部は、画像解析により、空間周波数が高い部分を、第1領域と判断すればよい。
【0066】
また、上記第3実施形態では、X線撮影装置300を、3次元の再構成画像360から任意の断面を切り出した互いに異なる方向から見た2つの2次元の断面画像70において、ユーザにより領域31a、31bが設定されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、X線撮影装置を、3次元の再構成画像から任意の断面を切り出した互いに異なる方向から見た3つ以上の2次元の断面画像において、ユーザにより領域が設定されるように構成してもよい。なお、X線透視画像における領域を第1領域として設定するために適切な互いに異なる方向から見た2次元の断面画像の枚数は、被写体の形状によって異なる。
【0067】
また、上記第3実施形態では、画像処理部305bを、3次元の再構成画像360のデータに基づいて、ユーザにより、第1領域A31が設定されるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像処理部を、3次元の再構成画像のデータに基づいて、自動で第1領域を設定するように構成してもよい。その場合、上記第2実施形態のように、第1領域を画像処理により取得するように構成すればよい。
【0068】
また、上記第1~第3実施形態では、画像処理部5b(205b、305b)を、逐次近似演算を用いた最適化手法により超解像処理を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像処理部を、逐次近似演算以外の手法を用いた超解像処理を行うように構成してもよい。
【0069】
また、上記第1~第3実施形態では、画像処理部5b(205b、305b)を、X線透視画像Iaにおいて超解像処理が適用されない第2領域A2(A22、A32)に対して、超解像処理が適用されることによる第1領域A1(A21、A31)における解像度の増加による画素数の増加割合と等しい増加割合だけ画素数を増加させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2領域に対して、超解像処理が適用されることによる第1領域における解像度の増加による画素数の増加割合と異なる増加割合分、画素数を増加させるように構成してもよい。
【0070】
また、上記第1~第3実施形態では、画像処理部5b(205b、305b)を、4つのX線透視画像Ia(X線透視画像10、20、30および40)に基づいて高解像画像50を生成するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、2つまたは3つのX線透視画像に基づいて超解像画像を生成するように構成してもよいし、5つ以上のX線透視画像に基づいて高解像画像を生成するように構成してもよい。
【0071】
また、上記第1~第3実施形態では、ノンヘリカルスキャン型の断層撮影を行うX線撮影装置100(200、300)において、高解像画像50を生成するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘリカルスキャン型の断層撮影を行うX線撮影装置において、高解像画像を生成するように構成してもよい。
【0072】
また、上記第1および第2実施形態では、断層撮影を行うX線撮影装置100(200、300)において、高解像画像50を生成するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、断層撮影を行わないX線撮影装置において、高解像画像を生成するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 X線源
2 検出器
5b、205b、305b 画像処理部
50(51、52、53、54) 高解像画像
60、360 再構成画像
70(70a、70b)、 断面画像
90 回転軸
100、200、300 X線撮影装置
A1、A21、A31 第1領域
A2、A22、A32 第2領域
E(Ea、Eb) 画素
Ic(10(11、12、13、14)、20(21、22、23、24)、30(31、32、33、34)、40(41、42、43、44)) X線透視画像(取得画像)
P 検出位置
S 被写体