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特許7120488コンデンサ用エージング装置およびコンデンサのエージング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】コンデンサ用エージング装置およびコンデンサのエージング方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 13/00 20130101AFI20220809BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20220809BHJP
   H01G 9/00 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
H01G13/00 371D
G01R31/26 H
H01G9/00 290B
H01G13/00 371A
H01G13/00 371C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022505923
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(86)【国際出願番号】 JP2021007632
(87)【国際公開番号】W WO2021182148
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2020042886
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100130638
【弁理士】
【氏名又は名称】野末 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100092071
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 均
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 朝彦
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-167546(JP,U)
【文献】特開平11-135386(JP,A)
【文献】特開平8-255732(JP,A)
【文献】特開昭57-99722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 13/00
H01G 9/00
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンデンサに電圧を印加してエージングを行うためのコンデンサ用エージング装置であって、
複数の前記コンデンサの正極とそれぞれ電気的に接続して、複数の前記コンデンサとの間の導通をそれぞれ確認するための複数の導通確認用パッドと、
複数の前記コンデンサのそれぞれに対応して設けられ、複数の前記導通確認用パッドのそれぞれと電気的に接続されている複数の第1の端子と、
複数の前記第1の端子とそれぞれ電気的に接続されている複数の第2の端子と、
複数の前記第1の端子および複数の前記第2の端子との間で電気的に接続および切断が可能に構成されており、複数の前記コンデンサの正極を電気的に接続するための複数の接続部であって、前記接続部のそれぞれは、複数の前記コンデンサのうちの2つの前記コンデンサのうち、一方の前記コンデンサと対応する前記第2の端子と、他方の前記コンデンサと対応する前記第1の端子とを電気的に接続するための複数の接続部と、
を備え、
複数の前記コンデンサのエージングを行うときには、複数の前記接続部を直列に接続するため、複数の前記接続部のそれぞれが前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子および前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子と電気的に接続され、かつ、複数の前記コンデンサの正極と複数の前記導通確認用パッドとの間が電気的に接続された状態で、直列に接続される複数の前記接続部の一端側に位置する前記導通確認用パッドに電圧が印加されることにより、複数の前記接続部を介して、全ての前記コンデンサに電圧が印加されるように構成されていることを特徴とするコンデンサ用エージング装置。
【請求項2】
複数の前記導通確認用パッド、複数の前記第1の端子、および、複数の前記第2の端子を有する第1の部材と、
複数の前記接続部を有し、前記第1の部材に対して取り付けおよび取り外し可能な第2の部材と、
をさらに備え、
前記第2の部材が前記第1の部材に取り付けられることにより、複数の前記接続部のそれぞれが前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子および前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子と電気的に接続され、前記第2の部材が前記第1の部材から取り外されることにより、複数の前記接続部のそれぞれが前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子および前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子と電気的に切断されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ用エージング装置。
【請求項3】
前記接続部と、前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子、および、前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子とを電気的に接続および切断するための機械式スイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ用エージング装置。
【請求項4】
前記接続部と、前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子、および、前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子とを電気的に接続および切断するための半導体スイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ用エージング装置。
【請求項5】
直列に接続される複数の前記接続部の一端側に位置する前記第1の端子と前記第2の端子を統合して1つの端子として構成し、直列に接続される複数の前記接続部の他端側に位置する前記第1の端子と前記第2の端子を統合して1つの端子として構成したことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のコンデンサ用エージング装置。
【請求項6】
直列に接続される複数の前記接続部の他端側に位置する前記導通確認用パッドと電気的に接続されている位置に接続され、直列に接続される複数の前記接続部の一端側に位置する前記導通確認用パッドに電圧が印加されたときに点灯する点灯部をさらに備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のコンデンサ用エージング装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載のコンデンサ用エージング装置を用いて、複数の前記コンデンサのエージングを行うコンデンサのエージング方法であって、
複数の前記コンデンサの正極と、複数の前記導通確認用パッドとの間を電気的に接続し、かつ、複数の前記接続部のそれぞれを、前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子、および、前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子と電気的に切断した状態で、複数の前記導通確認用パッドと複数の前記コンデンサの正極との間の導通の有無を確認する工程と、
複数の前記導通確認用パッドと複数の前記コンデンサの正極との間の導通を確認した後、複数の前記接続部のそれぞれを、前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子、および、前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子と接続し、その状態で、直列に接続される複数の前記接続部の一端側に位置する前記導通確認用パッドに電圧を印加して、直列に接続される複数の前記接続部の他端側に位置する前記導通確認用パッドと電気的に接続されている位置の電圧を測定する工程と、
測定した前記電圧に基づいて、複数の前記コンデンサのそれぞれに電圧が印加されているか否かを確認する工程と、
を備えることを特徴とするコンデンサのエージング方法。
【請求項8】
請求項6に記載のコンデンサ用エージング装置を用いて、複数の前記コンデンサのエージングを行うコンデンサのエージング方法であって、
複数の前記コンデンサの正極と、複数の前記導通確認用パッドとの間を電気的に接続し、かつ、複数の前記接続部のそれぞれを、前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子、および、前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子と電気的に切断した状態で、複数の前記導通確認用パッドと複数の前記コンデンサの正極との間の導通の有無を確認する工程と、
複数の前記導通確認用パッドと複数の前記コンデンサの正極との間の導通を確認した後、複数の前記接続部のそれぞれを、前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子、および、前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子と接続し、その状態で、直列に接続される複数の前記接続部の一端側に位置する前記導通確認用パッドに電圧を印加して、前記点灯部の点灯の有無を確認する工程と、
前記点灯部の点灯の有無に基づいて、複数の前記コンデンサのそれぞれに電圧が印加されているか否かを確認する工程と、
を備えることを特徴とするコンデンサのエージング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサに電圧を印加してエージングを行うための装置、および、コンデンサのエージング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電解コンデンサなどのコンデンサの製造時に、高温環境下で電圧を印加してエージングを行うことが知られている。
【0003】
特許文献1には、並列に接続された複数のコンデンサに電圧を印加して、複数のコンデンサを一度にエージングする方法が記載されている。
【0004】
ここで、複数のコンデンサを一度にエージングする方法を簡易化するため、例えば、複数のコンデンサを並列接続してエージング装置と電気的に接続して、エージングを行う方法が考えられる。図8は、電極パットで形成された正極および負極をそれぞれ備える複数のコンデンサC61~C66を1つにまとめたアレイコンデンサ600の構成を模式的に示す図である。その場合、アレイコンデンサ600を構成する各コンデンサC61~C66と、エージング装置との間で電気的な接続が正常に行われ、各コンデンサC61~C66に電圧が印加されていないと、各コンデンサC61~C66のエージング処理ができない。そのため、コンデンサの正極および負極とエージング装置との電気的接続が確実に行われていることを、エージング処理開始前に確認する必要がある。
【0005】
図9は、アレイコンデンサ600と接続してエージングを行うエージング装置700の一例を模式的に示す図である。ここでは、アレイコンデンサ600が4つのコンデンサC61~C64によって構成されているものとして説明する。
【0006】
図9に示すエージング装置700は、複数のコンデンサC61~C64の正極とそれぞれ電気的に接続して、複数のコンデンサC61~C64との間の導通をそれぞれ確認するための複数の導通確認用パッドP61~P64と、複数のコンデンサC61~C64のそれぞれに対応して、複数の導通確認用パッドP61~P64のそれぞれと電気的に接続されている複数の接続端子T61~T64と、複数のコンデンサC61~C64の正極を電気的に接続するための接続部L61とを備える。導通確認用パッドP61~P64と、接続部L61とは、電気的に接続および切断が可能に構成されている。
【0007】
複数のコンデンサC61~C64のエージングは、以下の方法により行う。
【0008】
まず初めに、図10に示すように、アレイコンデンサ600とエージング装置700とを接続する。すなわち、複数のコンデンサC61~C64の正極と、複数の導通確認用パッドP61~P64との間をそれぞれ電気的に接続する。このとき、複数の接続端子T61~T64と、接続部L61との間は電気的に切断された状態とする。また、複数のコンデンサC61~C64の負極はグランドと接続する。
【0009】
続いて、複数の導通確認用パッドP61~P64において、複数のコンデンサC61~C64との間の導通を確認する。例えば、複数の導通確認用パッドP61~P64のそれぞれを介して、複数のコンデンサC61~C64の容量をそれぞれ測定することによって、複数のコンデンサC61~C64との間の導通を確認する。すなわち、複数のコンデンサC61~C64の容量をそれぞれ測定することができれば、複数の導通確認用パッドP61~P64と複数のコンデンサC61~C64との間がそれぞれ導通していると判断する。一方、容量を測定することができないコンデンサがあれば、そのコンデンサと導通確認用パッドとの間が電気的に切断されていると判断する。
【0010】
複数の導通確認用パッドP61~P64と、複数のコンデンサC61~C64との間の導通がそれぞれ確認できれば、図11に示すように、複数の接続端子T61~T64と接続部L61との間を電気的に接続する。また、接続部L61の一端側に位置する導通確認用パッドP61は、電源VCCと接続されて電圧が印加される。
【0011】
この状態では、図11に示すように、複数のコンデンサC61~C64が並列に接続された状態となり、複数のコンデンサC61~C64の全てに電源VCCの電圧が印加される。このような構成により、複数のコンデンサC61~C64を対象として、一度にエージングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開平8-255732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図9図11を用いて説明したエージング装置700では、アレイコンデンサ600とエージング装置700との間の導通を確認することはできるが、エージング装置700内における複数の接続端子T61~T64と接続部L61との間の電気的な接続が確実に行われていることを確認する手段がない。このため、複数の接続端子T61~T64のうち、接続部L61との間で電気的に接続されていない接続端子が存在すると、その接続端子と対応して設けられているコンデンサに電圧が印加されなくなり、エージングを行うことができなくなる。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するものであり、複数のコンデンサのエージングを確実に行うことができるコンデンサ用エージング装置およびコンデンサのエージング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のコンデンサ用エージング装置は、複数のコンデンサを並列接続して電圧を印加し、エージングを行うためのコンデンサ用エージング装置であって、
複数の前記コンデンサの正極とそれぞれ電気的に接続して、複数の前記コンデンサとの間の導通をそれぞれ確認するための複数の導通確認用パッドと、
複数の前記コンデンサのそれぞれに対応して設けられ、複数の前記導通確認用パッドのそれぞれと電気的に接続されている複数の第1の端子と、
複数の前記第1の端子とそれぞれ電気的に接続されている複数の第2の端子と、
複数の前記第1の端子および複数の前記第2の端子との間で電気的に接続および切断が可能に構成されており、複数の前記コンデンサの正極を電気的に接続するための複数の接続部であって、前記接続部のそれぞれは、複数の前記コンデンサのうちの2つの前記コンデンサのうち、一方の前記コンデンサと対応する前記第2の端子と、他方の前記コンデンサと対応する前記第1の端子とを電気的に接続するための複数の接続部と、
を備え、
複数の前記コンデンサのエージングを行うときには、複数の前記接続部を直列に接続するため、複数の前記接続部のそれぞれが前記一方のコンデンサと対応する前記第2の端子および前記他方のコンデンサと対応する前記第1の端子と電気的に接続され、かつ、複数の前記コンデンサの正極と複数の前記導通確認用パッドとの間が電気的に接続された状態で、直列に接続される複数の前記接続部の一端側に位置する前記導通確認用パッドに電圧が印加されることにより、複数の前記接続部を介して、全ての前記コンデンサに電圧が印加されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のコンデンサ用エージング装置によれば、複数の接続部を直列に接続するため、複数の接続部のそれぞれが2つのコンデンサのうちの一方のコンデンサと対応する第2の端子および他方のコンデンサと対応する第1の端子と電気的に接続され、かつ、複数のコンデンサの正極と複数の導通確認用パッドとの間が電気的に接続された状態で、直列に接続される複数の接続部の一端側に位置する導通確認用パッドに電圧が印加されることにより、複数の接続部を介して、全てのコンデンサに電圧が印加されるように構成されている。このとき、直列に接続される複数の接続部の他端側における第2の端子、または、第2の端子と同電位の位置の電圧を測定することにより、複数の導通確認用パッドと複数の接続部との間の導通を確認することができる。また、複数の導通確認用パッドを介して、複数のコンデンサとコンデンサ用エージング装置との間の導通を確認することができる。そのような構成により、複数のコンデンサの全てに電圧が印加されているか否かを確認することができるので、複数のコンデンサのエージングを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置の構成を模式的に示す図である。
図2】アレイコンデンサとコンデンサ用エージング装置との間の導通を確認するときの接続状態を模式的に示す図である。
図3】コンデンサ用エージング装置の第1の部材と第2の部材との間の導通を確認して、複数のコンデンサのエージングを行うときの接続状態を模式的に示す図である。
図4】第2の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置の構成を模式的に示す図であって、複数のコンデンサのエージングを行うときの接続状態を示す図である。
図5】第3の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置の構成を模式的に示す図であって、複数のコンデンサのエージングを行うときの接続状態を示す図である。
図6】接続部のそれぞれと、2つのコンデンサのうちの一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子との間を電気的に接続および切断するための機械式スイッチを備えたコンデンサ用エージング装置の構成を模式的に示す図である。
図7】接続部のそれぞれと、2つのコンデンサのうちの一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子との間を電気的に接続および切断するための半導体スイッチを備えたコンデンサ用エージング装置の構成を模式的に示す図である。
図8】複数のコンデンサを1つにまとめたアレイコンデンサの構成を模式的に示す図である。
図9】アレイコンデンサと接続してエージングを行う従来のエージング装置の構成を模式的に示す図である。
図10図9に示すエージング装置を用いてエージングを行う際に、アレイコンデンサとエージング装置との間の導通を確認するときの接続状態を模式的に示す図である。
図11図9に示すエージング装置を用いてエージングを行うときの接続状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴を具体的に説明する。
【0019】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100の構成を模式的に示す図である。第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100は、複数の導通確認用パッド1a~1dと、複数の第1の端子2a~2dと、複数の第2の端子3a~3dと、複数の接続部4a~4cとを備える。
【0020】
本実施形態では、第1のコンデンサC1、第2のコンデンサC2、第3のコンデンサC3、および、第4のコンデンサC4によってアレイコンデンサ10を形成し、形成したアレイコンデンサ10をコンデンサ用エージング装置100に接続して、複数のコンデンサC1~C4のエージングを一度に行う例について説明する。第1のコンデンサC1~第4のコンデンサC4は、例えば、電解コンデンサである。
【0021】
なお、アレイコンデンサ10を構成するコンデンサの数は3つ以上であればよく、4つに限定されることはない。また、アレイコンデンサ10を形成せずに、複数のコンデンサC1~C4をコンデンサ用エージング装置100とそれぞれ電気的に接続するようにしてもよい。
【0022】
複数の導通確認用パッド1a~1dは、複数のコンデンサC1~C4の正極とそれぞれ電気的に接続して、複数のコンデンサC1~C4との間の導通をそれぞれ確認するためのパッドである。複数の導通確認用パッド1a~1dの数は、複数のコンデンサC1~C4の数と同じである。本実施形態では、第1のコンデンサC1に対応する第1の導通確認用パッド1a、第2のコンデンサC2に対応する第2の導通確認用パッド1b、第3のコンデンサC3に対応する第3の導通確認用パッド1c、および、第4のコンデンサC4に対応する第4の導通確認用パッド1dの4つの導通確認用パッドが設けられている。
【0023】
複数の第1の端子2a~2dは、複数のコンデンサC1~C4のそれぞれに対応して設けられており、複数の導通確認用パッド1a~1dのそれぞれと電気的に接続されている。具体的には、第1の端子2aは第1の導通確認用パッド1aと、第1の端子2bは第2の導通確認用パッド1bと、第1の端子2cは第3の導通確認用パッド1cと、第1の端子2dは第4の導通確認用パッド1dとそれぞれ電気的に接続されている。複数の第1の端子2a~2dの数は、複数のコンデンサC1~C4の数と同じであり、本実施形態では4つである。
【0024】
複数の第2の端子3a~3dは、複数の第1の端子2a~2dとそれぞれ電気的に接続されている。具体的には、第2の端子3aは第1の端子2aと、第2の端子3bは第1の端子2bと、第2の端子3cは第1の端子2cと、第2の端子3dは第1の端子2dとそれぞれ電気的に接続されている。複数の第2の端子3a~3dも複数のコンデンサC1~C4のそれぞれに対応して設けられている。したがって、複数の第2の端子3a~3dの数は、複数のコンデンサC1~C4の数と同じであり、本実施形態では4つである。
【0025】
本実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100は、複数の導通確認用パッド1a~1d、複数の第1の端子2a~2d、および、複数の第2の端子3a~3dを有する第1の部材20と、複数の接続部4a~4cを有し、第1の部材20に対して取り付けおよび取り外し可能な第2の部材30とを備えている。すなわち、本実施形態では、複数の導通確認用パッド1a~1d、複数の第1の端子2a~2d、および、複数の第2の端子3a~3dは、第1の部材20に設けられている。第1の部材20は、例えば、基板である。
【0026】
複数の接続部4a~4cは、複数の第1の端子2a~2dおよび複数の第2の端子3a~3dとの間で電気的に接続および切断が可能に構成されている。本実施形態において、複数の接続部4a~4cは、第2の部材30に設けられている。第2の部材30は、例えば、ソケットである。一例として、複数の接続部4a~4cは接続配線であり、第2の部材30であるソケット内の基板31に設けられている。
【0027】
複数の接続部4a~4cは、複数のコンデンサC1~C4のエージングを行うときに、複数のコンデンサC1~C4の正極を電気的に接続するためのものである。複数の接続部4a~4cのそれぞれは、複数のコンデンサC1~C4のうちの2つのコンデンサのうち、一方のコンデンサに対応する第2の端子と、他方のコンデンサに対応する第1の端子とを電気的に接続する。具体的には、エージングを行う際、接続部4aの一端は、第1のコンデンサC1に対応する第2の端子3aと電気的に接続され、他端は、第2のコンデンサC2に対応する第1の端子2bと電気的に接続される。接続部4bの一端は、第2のコンデンサC2に対応する第2の端子3bと電気的に接続され、他端は、第3のコンデンサC3に対応する第1の端子2cと電気的に接続される。接続部4cの一端は、第3のコンデンサC3に対応する第2の端子3cと電気的に接続され、他端は、第4のコンデンサC4に対応する第1の端子2dと電気的に接続される。
【0028】
複数の接続部4a~4cの数は、複数のコンデンサC1~C4の数よりも1つ少なく、本実施形態では3つである。
【0029】
第2の部材30が第1の部材20に取り付けられることにより、複数の接続部4a~4cのそれぞれが上述した一方のコンデンサと対応する第2の端子および他方のコンデンサと対応する第1の端子と電気的に接続される。また、第2の部材30が第1の部材20から取り外されることにより、複数の接続部4a~4cのそれぞれが一方のコンデンサと対応する第2の端子および他方のコンデンサと対応する第1の端子と電気的に切断される。
【0030】
本実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100は、複数のコンデンサC1~C4のエージングを行うときに、複数の接続部4a~4cを直列に接続するため、複数の接続部4a~4cのそれぞれが一方のコンデンサと対応する第2の端子および他方のコンデンサと対応する第1の端子と電気的に接続され、かつ、複数のコンデンサC1~C4の正極と複数の導通確認用パッド1a~1dとの間が電気的に接続された状態で、直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端側に位置する導通確認用パッドに電圧が印加されることにより、複数の接続部4a~4cを介して、全てのコンデンサC1~C4に電圧が印加されるように構成されている。複数のコンデンサC1~C4のエージングを行う方法を、以下で説明する。
【0031】
まず初めに、図2に示すように、コンデンサ用エージング装置100にアレイコンデンサ10を接続する。具体的には、アレイコンデンサ10の複数のコンデンサC1~C4の正極と、コンデンサ用エージング装置100の複数の導通確認用パッド1a~1dとの間をそれぞれ電気的に接続する。また、複数のコンデンサC1~C4の負極をグランドと接続する。ただし、この段階では、複数のコンデンサC1~C4の正極と、複数の導通確認用パッド1a~1dとの間が実際に導通状態にあるか否かは、未確認である。このとき、第2の部材30は、第1の部材20から取り外された状態、すなわち、複数の導通確認用パッド1a~1dと複数の接続部4a~4cとの間は、電気的に切断された状態とする。
【0032】
続いて、複数の導通確認用パッド1a~1dにおいて、複数のコンデンサC1~C4との間の導通を確認する。例えば、複数の導通確認用パッド1a~1dのそれぞれを介して、複数のコンデンサC1~C4の容量をそれぞれ測定することによって、複数のコンデンサC1~C4との間の導通を確認する。
【0033】
例えば、第1の導通確認用パッド1aを介して、第1のコンデンサC1の容量を測定することができれば、第1のコンデンサC1と第1の導通確認用パッド1aとの間が導通していると判断する。一方、第1のコンデンサC1の容量を測定することができなければ、第1のコンデンサC1と第1の導通確認用パッド1aとの間が電気的に切断されていると判断する。第2のコンデンサC2と第2の導通確認用パッド1bとの間、第3のコンデンサC3と第3の導通確認用パッド1cとの間、第4のコンデンサC4と第4の導通確認用パッド1dとの間の導通の確認についても同様である。コンデンサC1~C4の容量の確認は、既知の方法により行うことができる。
【0034】
なお、このとき、複数のコンデンサC1~C4の負極はそれぞれ、グランドに接続されている。
【0035】
複数の導通確認用パッド1a~1dと、複数のコンデンサC1~C4との間の導通がそれぞれ確認できれば、複数の接続部4a~4cを直列に接続することによって、複数のコンデンサC1~C4の正極を電気的に接続する。すなわち、図3に示すように、第2の部材30を第1の部材20に取り付けて、複数の接続部4a~4cのそれぞれを、2つのコンデンサのうちの一方のコンデンサに対応する第2の端子および他方のコンデンサに対応する第1の端子と電気的に接続する。
【0036】
具体的には、接続部4aの一端は、第1のコンデンサC1に対応する第2の端子3aと電気的に接続し、他端は、第2のコンデンサC2に対応する第1の端子2bと電気的に接続する。接続部4bの一端は、第2のコンデンサC2に対応する第2の端子3bと電気的に接続し、他端は、第3のコンデンサC3に対応する第1の端子2cと電気的に接続する。接続部4cの一端は、第3のコンデンサC3に対応する第2の端子3cと電気的に接続し、他端は、第4のコンデンサC4に対応する第1の端子2dと電気的に接続する。一例として、第2の部材30がソケットである場合に、接続部4aと、第1のコンデンサC1に対応する第2の端子3aおよび第2のコンデンサC2に対応する第1の端子2bとの間は、ソケットピンを介して電気的に接続される。接続部4bおよび4cの電気的な接続についても同様である。接続した全ての箇所において、電気的な接続が正常に行われていれば、図3に示すように、複数の接続部4a~4cが直列に接続された状態となる。
【0037】
また、直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端側に位置する導通確認用パッドに電圧を印加する。「直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端」とは、直列に接続された状態の複数の接続部4a~4cを1つの接続体とみなしたときの接続体の一端という意味である。したがって、直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端側に位置する導通確認用パッドとは、第1のコンデンサC1に対応する第1の導通確認用パッド1a、または、第4のコンデンサC4に対応する第4の導通確認用パッド1dである。
【0038】
本実施形態では、第1のコンデンサC1に対応する第1の導通確認用パッド1aが電源VCCと接続されており、第1の導通確認用パッド1aに電源VCCの電圧が印加される。ただし、電源VCCが第1の導通確認用パッド1aに直接接続されている必要はなく、第1の部材20(図1参照)において、第1の導通確認用パッド1aと電気的に接続されている部位に接続されていればよい。
【0039】
続いて、第1の部材20と第2の部材30との間の導通、すなわち、複数の導通確認用パッド1a~1dと、複数の接続部4a~4cとの間の導通を確認する。本実施形態では、直列に接続される複数の接続部4a~4cの他端側に位置し、第4のコンデンサC4に対応する第2の端子3dの電圧を測定する。
【0040】
ここで、第1の部材20と第2の部材30との間、すなわち、複数の接続部4a~4cと、対応する第1の端子および第2の端子との間がそれぞれ電気的に正常に接続されていれば、全ての第1の端子2a~2dおよび全ての第2の端子3a~3dが全ての接続部4a~4cを介して、電気的に接続された状態となる(図3参照)。したがって、電圧センサを第2の端子3dと接続して第2の端子3dの電圧を測定したときに、電源VCCの電圧と同じ電圧が測定される。
【0041】
すなわち、第2の端子3dの電圧を測定したときに、電源VCCの電圧と同じ電圧が測定されれば、第1の部材20と第2の部材30との間、すなわち、複数の導通確認用パッド1a~1dと複数の接続部4a~4cとの間が正常に、電気的に接続されていると判断することができる。この状態では、複数のコンデンサC1~C4が並列に接続された状態となり、複数のコンデンサC1~C4の全てに、電源VCCの電圧と同じ電圧が印加される。
【0042】
一方、第1の部材20と第2の部材30との間において、少なくとも1ヶ所、例えば、第2のコンデンサC2に対応する第2の端子3bと接続部4bとの間で、電気的な接続が正常に行われておらず、電気的に切断されていれば、第1の導通確認用パッド1aから第2の端子3dへと至る電流経路が遮断される。この場合、第2の端子3dの電圧を測定すると、電源VCCの電圧と同じ電圧は測定されない。
【0043】
なお、第1の部材20と第2の部材30との間において、少なくとも1ヶ所で電気的な接続が正常に行われていない場合、第2の端子3dの測定電圧は、コンデンサC4に充電されている電荷に応じた電圧と等しくなるが、この電圧は、電源VCCの電圧と比べてかなり低い。したがって、第2の端子3dの電圧を測定して、測定電圧を所定の閾値電圧と比較し、測定電圧が所定の閾値電圧より高い場合には、第1の部材20と第2の部材30との間の電気的な接続が正常であり、所定の閾値電圧以下の場合には、少なくとも1ヶ所で電気的に切断されていると判断するようにしてもよい。
【0044】
また、電圧の測定箇所が第2の端子3dに限定されることはなく、直列に接続される複数の接続部4a~4cの他端側に位置する第4の導通確認用パッド1dと電気的に接続されている位置の電圧を測定すればよい。
【0045】
上述したコンデンサ用エージング装置100を用いてエージングを行う方法についてまとめておく。第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100を用いたコンデンサのエージング方法は、
(a)複数のコンデンサC1~C4の正極と、複数の導通確認用パッド1a~1dとの間を電気的に接続し、かつ、複数の接続部4a~4cのそれぞれを、一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子と電気的に切断した状態で、複数の導通確認用パッド1a~1dと複数のコンデンサC1~C4の正極との間の導通の有無を確認する工程と、
(b)複数の導通確認用パッド1a~1dと複数のコンデンサC1~C4の正極との間の導通を確認した後、複数の接続部4a~4cのそれぞれを、一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子と接続し、その状態で、直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端側に位置する導通確認用パッドに電圧を印加して、直列に接続される複数の接続部4a~4cの他端側に位置する導通確認用パッドと電気的に接続されている位置の電圧を測定する工程と、
(c)測定した電圧に基づいて、複数のコンデンサC1~C4のそれぞれに電圧が印加されているか否かを確認する工程と、
を備える。
【0046】
上述した方法によって、アレイコンデンサ10とコンデンサ用エージング装置100との間、および、コンデンサ用エージング装置100の第1の部材20と第2の部材30との間で電気的な接続が正常に行われていることを確認することができる。全ての接続箇所における電気的な接続が正常であることを確認することができれば、全てのコンデンサC1~C4に電圧が印加されていると判断することができ、全てのコンデンサC1~C4のエージングを一度に確実に行うことができる。
【0047】
なお、複数の第1の端子2a~2dにそれぞれ接続されている複数の第2の端子3a~3dは、第1の端子2a~2dの一つに対して複数個あっても同じ効果を得ることができる。例えば、第1の端子2aには、1つの第2の端子3aが接続されているが、2つ以上の第2の端子が接続されていてもよい。他の第1の端子2b~2dについても同様である。
【0048】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100Aの構成を模式的に示す図であって、複数のコンデンサC1~C4のエージングを行うときの接続状態を示す図である。第2の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100Aは、第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100の構成に対して、点灯部40をさらに備える。
【0049】
点灯部40は、直列に接続される複数の接続部4a~4cの他端側に位置する導通確認用パッドと電気的に接続されている位置に接続され、直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端側に位置する導通確認用パッドに電圧が印加されたときに点灯する。本実施形態において、直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端側に位置する導通確認用パッドとは、第1のコンデンサC1に対応する第1の導通確認用パッド1aであり、他端側に位置する導通確認用パッドとは、第4のコンデンサC4に対応する第4の導通確認用パッド1dである。
【0050】
本実施形態において、点灯部40は、第4の導通確認用パッド1dと電気的に接続されている位置である第2の端子3dと接続されている。ただし、点灯部40は、第4の導通確認用パッド1dと電気的に接続されている位置に接続されていればよく、第2の端子3dとは別の位置に接続されていてもよい。点灯部40は、例えば、LEDである。
【0051】
図4に示す接続状態、すなわち、複数の接続部4a~4cが直列に接続された状態で、第1の導通確認用パッド1aに電源VCCの電圧が印加されると、第2の端子3dにも電源VCCの電圧と同じ電圧が印加される。これにより、第2の端子3dと接続されている点灯部40が点灯する。
【0052】
すなわち、第2の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100Aによれば、複数の接続部4a~4cが直列に接続された状態で、一端側に位置する第1の導通確認用パッド1aに電圧が印加されたときに、点灯部40が点灯すれば、第1の部材20と第2の部材30との間の電気的な接続が正常に行われており、全てのコンデンサC1~C4に電圧が印加されていると判断することができる。すなわち、点灯部40の点灯の有無によって、第1の部材20と第2の部材30との間の導通、すなわち、複数の導通確認用パッド1a~1dと、複数の接続部4a~4cとの間の導通の有無を容易に確認することができる。
【0053】
第2の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100Aを用いて、複数のコンデンサのエージングを行う方法をまとめておく。第2の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100Aを用いたコンデンサのエージング方法は、
(I)複数のコンデンサC1~C4の正極と、複数の導通確認用パッド1a~1dとの間を電気的に接続し、かつ、複数の接続部4a~4cのそれぞれを、一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子と電気的に切断した状態で、複数の導通確認用パッド1a~1dと複数のコンデンサC1~C4の正極との間の導通の有無を確認する工程と、
(II)複数の導通確認用パッド1a~1dと複数のコンデンサC1~C4の正極との間の導通を確認した後、複数の接続部4a~4cのそれぞれを、一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子と接続し、その状態で、直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端側に位置する導通確認用パッドに電圧を印加して、点灯部40の点灯の有無を確認する工程と、
(III)点灯部40の点灯の有無に基づいて、複数のコンデンサC1~C4のそれぞれに電圧が印加されているか否かを確認する工程と、
を備える。
【0054】
<第3の実施形態>
図5は、第3の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100Bの構成を模式的に示す図であって、複数のコンデンサC1~C4のエージングを行うときの接続状態を示す図である。第3の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100Bが第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100と異なるのは、第1の統合端子51と第2の統合端子52である。
【0055】
第1の統合端子51は、第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100において、直列に接続される複数の接続部4a~4cの一端側に位置する第1の端子2aと第2の端子3aとを統合した1つの端子である。
【0056】
第2の統合端子52は、第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100において、直列に接続される複数の接続部4a~4cの他端側に位置する第1の端子2dと第2の端子3dとを統合した1つの端子である。
【0057】
第3の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100Bによれば、第1の実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100と比べて、端子の数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
【0058】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0059】
例えば、上述した各実施形態におけるコンデンサ用エージング装置100、100A、100Bでは、複数の接続部4a~4cのそれぞれと、2つのコンデンサのうちの一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子との間の電気的な接続および切断は、第1の部材20に対して、第2の部材30を取り付けおよび取り外しすることによって行うように構成されている。
【0060】
しかし、図6に示すように、接続部4a~4cのそれぞれと、2つのコンデンサのうちの一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子との間を電気的に接続および切断するための機械式スイッチ60を設け、機械式スイッチ60のオン/オフによって、電気的な接続および切断を行うようにしてもよい。機械式スイッチ60とは、機械的接点を有するスイッチのことである。
【0061】
また、図7に示すように、接続部4a~4cのそれぞれと、2つのコンデンサのうちの一方のコンデンサと対応する第2の端子、および、他方のコンデンサと対応する第1の端子との間を電気的に接続および切断するための半導体スイッチ70を設け、半導体スイッチ70のオン/オフによって、電気的な接続および切断を行うようにしてもよい。半導体スイッチ70は、図7に示すようなIGBTや、MOSFETなど、信号に応じてオン/オフを行う無接点スイッチのことである。
【0062】
第1の実施形態において、電源VCCは、第1のコンデンサC1に対応する導通確認用パッド1aに接続され、第4のコンデンサC4と対応する第2の端子3dの電圧を測定することによって、第1の部材20と第2の部材30との間の導通、すなわち、複数の導通確認用パッド1a~1dと、複数の接続部4a~4cとの間の導通を確認するように構成されている。これに対して、電源VCCが第4のコンデンサC4に対応する第4の導通確認用パッド1dに接続され、第1のコンデンサC1に対応する第1の導通確認用パッド1aと電気的に接続されている位置、例えば、第1の端子2aの電圧を測定することによって、第1の部材20と第2の部材30との間の導通、すなわち、複数の導通確認用パッド1a~1dと、複数の接続部4a~4cとの間の導通を確認するようにしてもよい。
【0063】
上述した各実施形態および変形例の特徴的な構成は、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0064】
1a~1d 導通確認用パッド
2a~2d 第1の端子
3a~3d 第2の端子
4a~4c 接続部
10 アレイコンデンサ
20 第1の部材
30 第2の部材
31 基板
40 点灯部
51 第1の統合端子
52 第2の統合端子
60 機械式スイッチ
70 半導体スイッチ
100、100A、100B コンデンサ用エージング装置
600 アレイコンデンサ
C1~C4、C61~C66 コンデンサ
L61 接続部
P61~P64 導通確認用パッド
T61~T64 接続端子
700 従来のコンデンサ用エージング装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11