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特許7120522圧電素子によりトリガーされた蓄積エネルギーの開放
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】圧電素子によりトリガーされた蓄積エネルギーの開放
(51)【国際特許分類】
   A44B 11/25 20060101AFI20220809BHJP
   A62B 99/00 20090101ALI20220809BHJP
   B60R 22/32 20060101ALI20220809BHJP
   B64D 17/32 20060101ALI20220809BHJP
   B64D 17/38 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A44B11/25
A62B99/00 C
B60R22/32 101
B60R22/32 102
B64D17/32
B64D17/38
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019553560
(86)(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2018024473
(87)【国際公開番号】W WO2018183262
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】62/477,184
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505340881
【氏名又は名称】コブハム・ミッション・システムズ・ダベンポート・エルエスエス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100096725
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 明▲ひこ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100171697
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 尚子
(72)【発明者】
【氏名】ブラックマン、ダン
(72)【発明者】
【氏名】フォード、ブライアン
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-520708(JP,A)
【文献】米国特許第04447084(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0144744(KR,A)
【文献】特開平10-113889(JP,A)
【文献】特表2004-512213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 11/00 - 11/28
B60R 22/32
B64D 17/30 - 17/38
A62B 35/00
A62B 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄積エネルギー解放器であって、
a)ハウジング内に摺動可能に収容された作動可能部材であって、該作動可能部材の一部が前記ハウジングから外向きに伸長する伸長方向と、前記作動可能部材が前記ハウジング内にある収縮方向とを有する作動可能部材と、
b)前記作動可能部材の一部とハウジングとの間に配置され、前記作動可能部材を収縮方向に付勢する付勢部材と、
c)前記ハウジング内にあるシャフトと、ここで前記作動可能部材が前記シャフトに沿って摺動し
d)前記作動可能部材と前記シャフトとの間に位置する保持部材であって、前記付勢部材にポテンシャルエネルギーを蓄積させるために、前記作動可能部材を前記伸長方向に維持する保持部材と、
e)前記付勢部材内に蓄積されたポテンシャルエネルギーを解放して、前記作動可能部材を前記収縮方向に付勢するために、前記保持部材に選択的に係合して前記シャフトから前記保持部材を外すための圧電素子と、
を含む蓄積エネルギー解放器。
【請求項2】
前記作動可能部材がロックピンに連結されたピンプーラーを含み、前記ロックピンは、前記作動可能部材が伸長方向にあるときに、前記ハウジングから外向きに伸長する、請求項1に記載の蓄積エネルギー解放器。
【請求項3】
前記保持部材に結合される第1の端部と前記ロックピンに結合される第2の端部とを有する第2の付勢部材をさらに含む、請求項2に記載の蓄積エネルギー解放器。
【請求項4】
前記シャフトは肩部を含み、
前記保持部材は、前記圧電素子が第1の状態にあるときに前記肩部と係合し、
前記保持部材は、前記圧電素子が第2の状態にあるときに、前記肩部から外れ、
これにより、前記作動可能部材が前記収縮方向に付勢され、請求項1に記載の蓄積エネルギー解放器。
【請求項5】
前記圧電素子の前記第1の状態が圧縮状態である、請求項4に記載の蓄積エネルギー解放器。
【請求項6】
前記シャフトはテーパー状端部を含み、
前記保持部材は、前記圧電素子が第1の状態にあるときに前記テーパー状端部に係合するリングを含み、
前記リングは、前記圧電素子が第2の状態にあるときに前記テーパー状端部から外れ、これにより、前記作動可能部材は、前記収縮方向に付勢される、請求項1に記載の蓄積エネルギー解放器。
【請求項7】
塩水に浸かったときに、着用者のハーネスをストラップから自動的に脱離するように構成された水活性化解放システム(WARS)であって、該水活性化解放システムが、前記ストラップ及び前記着用者のハーネスの一方に結合される第1の部分と、前記ストラップ及び前記着用者のハーネスの他方に結合される第2の部分を有する本体を含み、
ここで、前記第1の部分は、電源と、活性化状態および非活性化状態を備える内部回路を有する電子パッケージ組立体(EPA)と通信する少なくとも1つのセンサーを含み、前記少なくとも1つのセンサーは、WARSが塩水に浸かったとき、EPAを活性化状態にトリガーし、
ここで、前記第2の部分は、
a)ハウジング内に摺動可能に収容される作動可能部材であって、前記作動可能部材の一部が、前記ハウジングから外側に伸長して前記WARSを、前記着用者のハーネスを前記ストラップに連結するリンクに結合する伸長方向と、前記WARSを前記リンクから脱離するために、前記作動可能部材が前記ハウジング内にある収縮方向とを有する作動可能部材と、
b)前記作動可能部材の一部と前記ハウジングとの間に配置され、前記作動可能部材を前記収縮方向に付勢する付勢部材と、
c)前記ハウジング内のシャフトと、ここで前記作動可能部材が前記シャフトに沿って摺動し、
d)前記作動可能部材を前記伸長方向に維持して、前記付勢部材内にポテンシャルエネルギーを蓄積するために、前記作動可能部材と前記シャフトとの間に位置する保持部材と、
e)前記EPAが活性化状態にトリガーされたときに電源から電力を受け取る圧電組立体と、
を含み、
前記圧電組立体は、前記着用者のハーネスを前記リンクから脱離するように、前記付勢部材内に蓄積されたポテンシャルエネルギーを解放して、前記作動可能部材を前記収縮方向に付勢するために、前記保持部材に選択的に係合して前記シャフトから前記保持部材を外すための圧電素子を含む、水活性化解放システム。
【請求項8】
前記ストラップは、パラシュートライザーまたはオーバーヘッドリールにさらに結合される、請求項7に記載の水活性化解放システム。
【請求項9】
前記電源が1つ以上の電池である、請求項7に記載の水活性化解放システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサーが、塩水の塩分による抵抗の変化を検出するように構成されている、請求項7に記載の水活性化解放システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、圧電素子によってトリガーされる蓄積エネルギーの開放に関し、より詳細には、水活性化解放システム(WARS)内に組み込まれた蓄積エネルギーの開放に関する。
【背景技術】
【0002】
水活性化解放システム(WARS)は当技術分野で知られており、典型的には、システムが海水に沈められた後、ハーネスなどの拘束具からWARSの解放をトリガーするように構成される。そのために、WARSには、海水に浸されたときに海水の塩分による抵抗の変化を検出するセンサーが含まれる場合がある。塩分濃度の閾値/抵抗の低下を検知すると、コンデンサーは電池パックにより充電され、電流が圧電素子に放電され、それにより圧電素子は化学剤を点火させる。火工品用化学剤の点火により高圧ガスが発生し、ロックピンの拘束が解放され、ロックピンが作動して、WARS内に引き込む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
淡水、霧、雨、湿度などの他の湿潤条件では、火工品の発火が引き起こされない場合がある。火工式WARSが現在使用される一方、この火工品システムは、高い製造コスト、複雑な組立要件、および火工品用化学剤の分解または汚損に基づく潜在的な故障に悩まされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、火工品用化学剤を必要としないWARSを提供することにより、上記の必要性に応えるものである。 一実施形態では、蓄積エネルギーの解放は、ハウジング内に摺動可能に受容される作動可能部材を含む。作動可能部材は、作動可能部材の一部がハウジングから外向きに延びる伸長方向と、作動可能部材がハウジング内にある収縮方向とを有する。付勢部材は、作動可能部材とハウジングとの間に配置され、作動可能部材を収縮方向に付勢する。 シャフトがハウジング内にあり、作動可能な部材はシャフトに沿って摺動するように構成される。保持部材が、作動可能部材とシャフトとの間に配置され、作動可能部材を伸長方向に維持し、それにより、ポテンシャルエネルギーが付勢部材内に蓄積される。圧電素子が、保持部材を機能しないようにするために、保持部材に選択的に係合し、付勢部材内に蓄積されたポテンシャルエネルギーを解放して、作動可能な部材を収縮方向に配置する。
【0005】
本発明のさらなる態様において、作動可能部材は、ロックピンに連結されたピンプーラーを含み、それにより、作動可能部材が伸長方向にあるとき、ロックピンはハウジングから外側に伸長するように構成される。シャフトはまた、圧電素子が第1の状態にあるときに肩部に係合するように構成された保持部材を備えた肩部を含み、圧電素子が、作動可能部材が収縮方向に付勢される第2の状態にあるとき、保持部材は肩部から外れる。これに代え、シャフトはテーパー端を含むことができ、保持部材は、圧電素子が第1の状態にあるときに、テーパー端に係合するように構成されたリングを含んでよく、作動可能部材が収縮方向に付勢される第2の状態に、圧電素子があるときに、リングはテーパー端から外れる。
【0006】
本発明の別の態様において、着用者のハーネスを、塩水に浸漬されたときにストラップから自動的に切り離すように構成された水作動式解放システムが、ストラップ及び着用者のハーネスの一方に結合される第1の部分と、ストラップ及び着用者のハーネスの他方に結合され第2の部分を有する本体を備える。第1の部分は、電源と、活性化状態および非活性化状態をもつ内部回路を有する電子機器パッケージ組立体(EPA)と通信する少なくとも1つのセンサーとを含む。少なくとも1つのセンサーは、WARSが塩水に浸されたことを検知し、EPAを活性化状態にトリガーするように構成されている。 第2の部分は、ハウジング内に摺動可能に収納された作動可能部材を含む蓄積エネルギー解放組立体を含む。作動可能部材は、作動可能部材の一部がハウジングから外向きに伸長してWARSを、着用者のハーネスをストラップに連結するリンクに連結する伸長方向と、作動可能部材がハウジング内にあり、WARSをリンクから連結解除するために、作動可能部材がハウジング内にある収縮方向とを有する。付勢部材は、作動可能部材の一部とハウジングとの間に配置される。 付勢部材は、作動可能な部材を収縮方向に付勢するように構成される。シャフトがハウジング内にあり、ハウジングは、シャフトに沿って摺動する作動可能な部材を有する。 保持部材が、作動可能部材とシャフトの間に配置される。保持部材は、作動可能な部材を伸長方向に維持するように構成され、それにより、ポテンシャルエネルギーが付勢部材内に蓄積される。圧電組立体が、EPAが活性化状態にトリガーされたときに電源から電力を受け取るように構成されている。圧電組立体は、着用者のハーネスをリンクから脱離するように、付勢部材内に蓄積されたポテンシャルエネルギーを解放して、作動可能部材を収縮方向に付勢するために、保持部材に選択的に係合してシャフトから保持部材を外すための圧電素子を含む。
【0007】
さらに、本発明の別の態様では、ストラップはさらにパラシュートライザーまたはオーバーヘッドリールに結合され、電源は1つ以上のバッテリーである。 また、少なくとも1つのセンサーは、塩水の塩分による抵抗の変化を検出するように構成される。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の図面、説明、および特許請求の範囲を参照することでよりよく理解されるであろう。
添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することで、本発明およびその多くの利点のより完全な理解および認識がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明による水活性化解放システムを含むハーネスシステムの環境図である。
図2図2図1に示す水活性化解放システムの分離図である。
図3図3は、火工品が未発火状態にあり、ロックピンが伸長した、従来技術の火工水活性化解放システムの断面図である。
図4図4は、図3に示される従来技術の火工式水活性化解放システムで、火工品の発火及びロッキングピンの引き込みとなったシステムの断面図である。
図5図5は本発明の一態様による圧電性水活性化解放システムの断面図である。
図6図6は、図5に示される圧電水活性化解放システム内の分離された圧電組立体の断面図である。
図6A図6Aは、図5に示される圧電組立体内のピンホルダーおよびダボの拡大図である。
図7図7は、図6に示される圧電組立体内のピンホルダーおよび圧電素子の分離された正面断面図である。
図8図8は、ロックピンを手動で収縮方向に配置した状態の、図7に示される圧電水活性化解放システムの断面図である。
図9図9は、圧電素子の作動とロックピンの収縮状態の、図8に示される圧電水活性化解放システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
対応する参照符号は、図面を通して対応する部分を示す。 本明細書に記載される例示は、本発明の現在好ましい実施形態を示すのであって、このような例示は、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0011】
図1は、水活性化解放システム(WARS)を適切に含むことができるハーネス構成10の例示的な環境図を示す。ハーネス構成10は、手動解放機構16の第1の端部14に固定された第1のストラップ12を含むことができる。第1のストラップ12は、例えば、これに限定されないが、パラシュート用のハーネスなどの乗員用のハーネスに固定されてもよい。手動解放機構16の反対側の第2の端部18は、リンク22を収容するように構成されたクラスプ20を含むことができる。クラスプ20を旋回させると、手動解放機構16からリンク22を解放することができる。リンク22は、第2のストラップ24に連結され得る。第2のストラップ24は、オーバーヘッドリール(図示せず)などのさらなる構造に固定されてもよく、またはパラシュートのパラシュートライザーであってもよい。一例では、リンク22はピン26を介して第2のストラップ24に直接連結され、それにより第2のストラップ24は、手動解放機構16のクラスプ20の作動時にのみ第1のストラップ12から解放される。
【0012】
図2に示されるように、特に海水上で又はその近くで、又はその上方で発生すると予想される用途において安全性を高めるために、ストラップ24とリンク22の間にWARS28を挿入することができる。この場合、ピン26は、WARS28の本体29の第1の端部32から外側に延びるローブ31内に画定された開口部30内にしっかりと固定される。WARS28の第2の端部34は、リンク22に着脱可能に連結されるように構成された対向するロックピン36を含むことができる。このようにして、海水に沈むと、WARS28が作動してロックピン36を引き込ませ、それによりロックピン36がリンク22から外れる。そして、第1のストラップ12を第2のストラップ24から切り離すことができ、それにより、乗員はオーバーヘッドリールまたはパラシュートライザーおよびキャノピーから解放される。
【0013】
図3および図4に示されているように、従来技術の火工品WARSは一般に参照符号28aで示されている。これから分かるように、火工品WARS28aは、第2の端部34a内に画定されたチャネル38a内に摺動可能に収容される対向するロックピン36aを有する本体29aを含む。ロックピン36aは、リンク22と係合するように、ばね40aなどを介して第2の端部34aの外側へと付勢されている。WARS28aの第1の端部32aは、センサー間の抵抗の変化などによって、WARS28aが海水に浸されたときを感知するように構成されたセンサー42aを含むことができる。センサー42aは、電子パッケージア組立体(EPA)44aと通信することができ、それにより、センサー42aが海水に浸ったことを示すと、EPA44aは回路を閉じてコンデンサー45aを充電することができる。1つ以上のボタンセル46aにより、センサー42a、EPA44a、およびコンデンサー45aに電力を供給することができる。コンデンサー45aが充電されると、放電電流が火工要素48aに向けられ、その中に含まれる火工化学剤を燃焼させ、それによりガスを発生させる。次いで、ガスは、ガス経路50aを通って移動し、各ロッキングピン36aのヘッド37aに対して力を及ぼし得る。ガスによって及ぼされる力は、ばね40aの付勢力に打ち勝つのに十分であり、それにより、ロックピン36aはチャネル38a内で内向きに駆動される。チャネル38aはさらに傾斜面52aを含むことができ、それにより、発生ガスによって駆動されると、ヘッド37aが傾斜面52aに対して押し付けられ、ガス圧の低下に続いてロックピン36aがばね40aによって外側に付勢されないようにすることができる。このようにして、図2に示されているように、WARS28aをリンク22から自由に離脱することができる。
【0014】
図5から図9に示されているように、圧電WARS28bの実施形態は、一般に、それぞれ第1および第2の端部32b、34bを有する本体29bを含む。第1の端部32bは、わかりやすくするために、図6図8図9では省略されていることに留意されたい。図5に示されているように、WARS28bの第1の端部32bは、WARS28bが海水に浸されたときを感知するように構成されたセンサー42bを含み得る。センサー42bは、センサー42bが海水に浸されたことを示しているとき、EPA44bと通信できる。 次に、EPA44bは回路を閉じて、圧電組立体35bに電力を供給することができ、これについては以下でより詳細に説明する。 電力は、1つ以上のボタンセル46bによって提供され得る。
【0015】
第2の端部34bは、第2の端部34bのハウジング内に画定されたチャネル38b内に圧電組立体35bを含むことができる。圧電組立体35bは、ホルダー54bなどのそれぞれの保持部材に対して作用するそれぞれの円錐バネ40bによって、それぞれが第2の端部34bから外向きに付勢される対向ロックピン36bを備えてもよい。各ホルダー54bは、中央シャフトまたはダボ58b(図6および図6A)によって画定されるそれぞれの肩部56bに当接する。圧電組立体35bは、第1の端部64bでそれぞれのロックピン36bのフランジ付き端部62bに結合されたそれぞれのピンプーラー60bをさらに含むことができる。一緒に、各ロックピン36bおよび関連するピンプーラー60bは、作動可能な部材と参照される。ピンプーラー60bに対向する第2の端部66bはフランジ68bを含む。 フランジ68bの内面70bは、ホルダー54bと係合し、外面72bは、波ばね74bなどの付勢部材と係合するように構成される。各波ばね74bの反対側の端部は、波ばね74bがピンプーラー60bに対して内(側)向きの付勢力を与え、したがってピン36bをロックするように、第2の端部34bの壁76bに着座する。ポテンシャルエネルギーは各波ばね74b内に蓄積され、ロックピン36bの内向きの移動が、ホルダー54bと肩部56bの係合により防止される。
【0016】
図7は、ホルダー54bの端面図である。 ホルダー54bは、狭いギャップ78bおよび中央開口部80bを画定するほぼC字形の部材77bを含むことができる。 圧電素子82bは、ギャップ78bを横切って延びることができる。圧電素子82bは、最初は、中央開口部80bが、その直径Dが中央ダボ58bの縮小部分84bの外径と実質的に等しいが、中央ダボ58bの非縮小部分86bの外径よりも小さくなるように(図6A参照)、圧縮状態にあるように構成される。このようにして、圧電素子82bは、ホルダー54bを中央ダボ58bの縮小部分84bにクランプすることができ、それにより、上述のように波形ばね74bの付勢力下にあるときホルダー54bの内向きの移動を防止する。しかしながら、感知された海水浸水に続いて、コンデンサー45bの放電は、圧電素子82bの膨張を引き起こし得る。その結果、中央開口部80bの直径Dが中央ダボ58bの非縮小部分84bの外径に少なくとも等しくなるように拡大されるように、C字形部材77bは半径方向外向きに変形することができる。C形部材77bは、C形部材77bの半径方向外側への拡張の制御をアシストするように構成された凹部88bなどのヒンジ点をさらに含むことができる。このようにして、 図9に示すように、ホルダー54bは、波ばね74b内に蓄積されたポテンシャルエネルギーが解放されると、チャネル38b内で直線的に内向きに移動し得る。ピンプーラー60bが波ばね74bに連結され、ロックピン36bがピンプーラー60bに連結されると、ロックピン36bはチャネル38b内で内向きに移動し、ロックピン36bが第2の端部34bの終端で画定される平面Pbの内側に位置する。 その結果、前述のように、WARS 28bはリンク22から切り離される。
【0017】
図8に示されているように、WARS28bは、ツールを使用せずにリンク22に手動で結合されてもよい。 図8に示されているように、ロッキングピン36bは、円錐ばね40bの圧縮時に手動で第2の端部34bに向けることができる。ホルダー54bの内方への移動は、上記のようにC字形部材77bと肩部56bとの係合により阻止される。 このようにして、WARS28bはリンク22内でスライドできる。WARS 28bが適切に配置されると、円錐スプリング40bの圧縮が解除され、円錐スプリング40b内に蓄積されたポテンシャルエネルギーがロックピン36bを外側に駆動し、ロックピン36bがリンク22に係合してWARS28bを第1のストラップ12に解放可能に連結する。
【0018】
本明細書に提示される方法のステップは、必ずしも提示された順序である必要はないことを理解されたい。 また、ある要素が別の要素の「上(オン)に」、「に接続され/と接続され」、または「に結合され/と結合され」と参照される場合、その要素は他の要素又は介在要素に直接上、に接続され/と接続され、または、に結合され/と結合されると理解されてもよい。
【0019】
好ましい実施形態を参照して本発明が説明されてきたが、当業者は、その範囲から逸脱することなく特定の状況に適応するために、様々な変更を行うことができ、その要素または構成要素を等価物で置換できることを理解するであろう。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるすべての実施形態を含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9