(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】露光装置及び三次元的な物体を付加的に製造するための装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/34 20140101AFI20220809BHJP
B22F 3/105 20060101ALI20220809BHJP
B22F 3/16 20060101ALI20220809BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20220809BHJP
B23K 26/082 20140101ALI20220809BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20220809BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220809BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220809BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B23K26/34
B22F3/105
B22F3/16
B23K26/21 Z
B23K26/082
B23K26/00 M
B33Y30/00
B33Y10/00
G01B11/00 A
(21)【出願番号】P 2020004155
(22)【出願日】2020-01-15
(62)【分割の表示】P 2017201651の分割
【原出願日】2017-10-18
【審査請求日】2020-01-15
(31)【優先権主張番号】10 2016 124 695.6
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506154834
【氏名又は名称】ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・シュタムベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ティム・デーラー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ディラー
(72)【発明者】
【氏名】マリー-クリスティン・エーベルト
【審査官】後藤 泰輔
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第102015012565(DE,B3)
【文献】特開2016-060131(JP,A)
【文献】特表平09-504055(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016106648(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/34
B22F 3/105
B22F 3/16
B23K 26/21
B23K 26/082
B23K 26/00
B33Y 30/00
B33Y 10/00
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元的な物体を付加的に製造するための装置用の露光装置であって、
エネルギービームを発生させるように構成された、エネルギービーム発生装置と、
前記エネルギービーム発生装置によって発生される前記エネルギービームを、所定の入射箇所へ偏向させるように構成された、ビーム偏向装置と、
ビーム経路において構成且つ配置された、少なくとも1つの導光要素と、
前記ビーム偏向装置の位置を光学的に検出するための光学的な測定ビームを発生させるように構成され、且つ、前記エネルギービーム発生装置が配置された位置とは異なる位置に配置された、測定ビーム発生装置と、
前記光学的な測定ビームのみに基づいて、基準位置に対する前記ビーム偏向装置の位置を光学的に検出するように構成された、位置検出装置と、
を備える露光装置であって、
前記測定ビーム発生装置によって発生される前記光学的な測定ビームが、前記ビーム経路に直接
入射することを特徴とする、露光装置。
【請求項2】
前記エネルギービーム発生装置及び前記ビーム偏向装置が、前記ビーム経路において互いに光学的に整向され
るように位置決めされていることを特徴とする、請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記位置検出装置
は前記測定ビーム発生装置
の絶対位置を検出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記位置検出装置が、基準位置に対する前記ビーム偏向装置の検出された位置を示す位置検出情報を生成するように構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項5】
前記ビーム偏向装置が、前記光学的な測定ビームの少なくとも一部を反射させるように構成された少なくとも1つの光学的な測定点へ、前記光学的な測定ビームを方向付けるように構成されており、
前記位置検出装置が、前記少なくとも1つの光学的な測定点によって反射された前記光学的な測定ビームのみに基づいて、前記ビーム偏向装置の位置を検出するように構成されていることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光学的な測定点が、凹面鏡から成ることを特徴とする、請求項5に記載の露光装置。
【請求項7】
複数の光学的な測定点を含む光学的な測定点配列を備えており、前記複数の光学的な測定点が、互いに対して所定の空間的な配置において構成且つ配置されていることを特徴とする、
請求項5に記載の露光装置。
【請求項8】
前記複数の光学的な測定点が、共通の平面内に構成且つ配置されているか、又は、
前記複数の光学的な測定点が、互いに異なる平面内に構成且つ配置された少なくとも2つの光学的な測定点を含むことを特徴とする、
請求項7に記載の露光装置。
【請求項9】
前記共通の平面が、三次元的な物体を付加的に製造するための装置の構造平面に対応することを特徴とする、請求項8に記載の露光装置。
【請求項10】
前記エネルギービーム発生装置から前記エネルギービームの少なくとも一部によって照射された構造材料層の溶融範囲から反射される、前記エネルギービームの反射部分を検出するように構成された検出装置を備えることを特徴とする、
請求項1~9のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項11】
前記エネルギービームの前記反射部分が、少なくとも部分的に前記ビーム経路によって前記検出装置へ進み、前記検出装置が、前記エネルギービームの前記反射部分に少なくとも部分的に基づいて、三次元的な物体を付加的に製造するための装置によって付加的に製造される三次元的な物体の部材品質を示す部材品質情報を生成するように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の露光装置。
【請求項12】
前記測定ビーム発生装置が、前記光学的な測定ビームを、前記エネルギービーム発生装置と前記検出装置の間の箇所における前記ビーム経路内へ方向付けるように構成されているか、又は、前記測定ビーム発生装置が、前記光学的な測定ビームを、前記検出装置よりも上流の箇所における前記ビーム経路内へ方向付けるように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の露光装置。
【請求項13】
前記位置検出装置が、干渉式に前記ビーム偏向装置の位置を検出するように構成されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項14】
露光装置を備える、三次元的な物体を付加的に製造するための装置であって、
前記露光装置が、
エネルギービームを発生させるように構成された、エネルギービーム発生装置と、
前記エネルギービーム発生装置によって発生される前記エネルギービームを、所定の入射箇所へ偏向させるように構成された、ビーム偏向装置と、
ビーム経路において構成且つ配置された、少なくとも1つの導光要素と、
前記ビーム偏向装置の位置を光学的に検出するための光学的な測定ビームを発生させるように構成され、且つ、前記エネルギービーム発生装置が配置された位置とは異なる位置に配置された、測定ビーム発生装置と、
前記光学的な測定ビームのみに基づいて、基準位置に対する前記ビーム偏向装置の位置を光学的に検出するように構成された、位置検出装置と、
を備えており、
前記測定ビーム発生装置によって発生される前記光学的な測定ビームが、前記ビーム経路に直接
入射することを特徴とする装置。
【請求項15】
複数の構造材料層のうちの少なくとも1つの露光を示す露光情報に少なくとも部分的に基づいて、前記露光装置を制御するように構成された制御装置であって、前記位置検出装置によって生成される位置検出情報に少なくとも部分的に基づいて、前記露光情報に変更を加えるように構成された制御装置を備えることを特徴とする、
請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギービームを用いて連続的で層ごとの選択的な露光と、これに伴う、凝固化可能な構造材料から成る構造材料層の凝固化とによる、三次元的な物体を付加的に製造するための装置用の露光装置であって、該露光装置が、エネルギービームを発生させるために設置されたエネルギービーム発生装置と、該エネルギービーム発生装置によって発生されるエネルギービームを所定の入射箇所へ偏向させるために設置されているビーム偏向装置と、少なくとも1つの導光要素によって形成されているか、又は少なくとも1つのこのような導光要素を含むビーム経路とを含んでおり、前記エネルギービーム発生装置及び前記ビーム偏向装置が前記ビーム経路を介して互いに光学的に結合されている、前記露光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
適当な露光装置の使用は、三次元的な物体を付加的に製造する分野において基本的に知られている。
【0003】
露光装置に属する、通常、スキャン装置とも呼ばれるビーム偏向装置の、構造平面に対して相対的な正確な位置決めが各付加的な構造工程にとって重要である。挑戦は、構造平面に対して相対的なビーム偏向装置の正確な位置決めを付加的な構造工程の実行中にも保証することにある。特に、付加的な構造工程中に生じる熱は、様々な機能構成要素のある程度の延びを生じさせることがあり、このことは、構造平面に対して相対的なビーム偏向装置の位置決めの変更において生じ得る。
【0004】
場合によっては必要となるビーム偏向装置あるいは場合によっては露光装置全体の位置決めの補正を行うために、ビーム偏向装置の実際の位置決めの正確な把握が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎をなす課題は、これに対して、特にビーム偏向装置の位置決めの正確な検出に関して、改善された露光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、請求項1による露光装置によって解決される。その従属請求項は、露光装置の可能な実施形態に関するものである。
【0007】
ここに記載される露光装置は、三次元的な物体、すなわち特に技術的な部材あるいは技術的な部材群を付加的に製造するための装置の機能構成要素である。適当な装置は、本質的に付加的な装置とも呼ばれる。後述するように、このような装置は、選択的レーザ焼結プロセスを実行するための装置、すなわちSLS装置、あるいは選択的レーザ溶融プロセス、すなわちSLM装置であり得る。
【0008】
露光装置は、エネルギービーム発生装置を含んでいるか、あるいはこのようなエネルギービーム発生装置が露光装置に割り当てられている。エネルギー発生装置あるいはこれに属する構成要素は、個別の、場合によってはモジュール状の、露光装置の別のアセンブリと結合可能なアセンブリとして存在することができる。エネルギービーム発生装置は、エネルギービーム、特にレーザビームを発生させるために設置されており、このために、エネルギービーム発生装置が適当なエネルギービーム発生要素あるいはレーザビーム発生要素を例えばレーザ発生器の形態で含んでいる。エネルギービームは、連続的で層ごとの選択的な露光と、これに伴う、エネルギービームを用いて適当に凝固化可能な、典型的には粉体状の構造材料から成る個々の構造材料層の凝固化のための付加的な構造工程の実行の範囲において用いられる。
【0009】
上述のように、露光装置が典型的にはスキャン装置とも呼ばれるビーム偏向装置を含んでいるか、あるいはこのようなビーム偏向装置が露光装置に割り当てられている。ビーム偏向装置あるいはこれに属する構成要素も、個別の、場合によってはモジュール状の、露光装置の別のアセンブリに結合可能なアセンブリとして存在することが可能である。ビーム偏向装置は、エネルギービーム発生装置によって発生されるエネルギービームを付加的な装置の構造平面における所定の入射箇所へ偏向させるために設置されており、このために、ビーム偏向装置は、適当な、特に少なくとも1つの運動自由度において運動可能に支持されたビーム偏向要素を例えばビーム偏向ミラーの形態で含んでいる。ビーム偏向要素は、典型的には、典型的にはスキャンヘッドとも呼ばれるビーム偏向装置の部材に、又はこの部材内に配置又は形成されている。
【0010】
したがって、ビーム偏向装置は、露光装置からの(光学的な)ビームを出射させるための出射点を形成している。しかしながら、後述するように、例えば構造平面によって、特に適当なエネルギービームによって構造平面内に生じる溶融範囲によって反射されるビームもビーム偏向装置を介して露光装置へ入射し得る。したがって、ビーム偏向装置は、露光装置内への(光学的な)ビームの入射のための入射点も形成している。
【0011】
さらに、露光装置は、ビーム経路を含んでいる。エネルギービーム発生装置及びビーム偏向装置は、ビーム経路内へ接続されているとともに、ビーム経路を介して互いに光学的に結合されている。その結果、例えば、エネルギービーム発生装置によって発生されたエネルギービームは、ビーム偏向装置内へ入射可能であるとともに、このビーム偏向装置を介して付加的な装置の構造平面内における所定の入射箇所へ公知の態様で出射可能である。
【0012】
露光装置は、位置検出装置と、この位置検出装置に割り当て可能あるいは割り当てられた測定ビーム発生装置によって特徴付けられている。位置検出装置及び測定ビーム発生装置は、構造上、すなわち例えば共通のハウジング構造内にまとめられることができるとともに、このようにして露光装置の別のアセンブリと結合可能な、ビーム偏向装置の位置を検出するための、個別の、場合によってはモジュール状のアセンブリを形成することが可能である。
【0013】
位置検出装置は、光学的な測定ビーム(「測定ビーム」)を用いて、特に基準位置に対して相対的なビーム偏向装置の位置を光学的に、すなわち特に干渉式に検出するために設置されている。位置検出装置を用いて、特に例えば付加的な装置の構造平面のような基準位置に対して相対的な、ビーム偏向装置の位置を正確に検出することができる。当然、特に基準方向に対するビーム偏向装置の整向とも理解され得る、ビーム偏向装置の位置の検出は、光学的に、すなわち干渉、特にレーザ干渉、好ましくは絶対位置の検出を可能とするアブソリュートレーザ干渉の原理に基づいて行われる。この点で、位置検出装置及び測定ビーム発生装置は、ビーム偏向装置の絶対位置を検出するために設置されているアブソリュートレーザ干渉計を形成することが可能である。
【0014】
ビーム偏向装置は、特に、測定ビームを、特に(それぞれ)測定ビームを反射させる光学的な要素、好ましくは凹面鏡の形態の少なくとも1つの光学的な測定点(「測定点」)、特に3つの光学的な測定点へ偏向させるために設置されている。位置検出装置は、特に、測定ビームにおける、少なくとも1つの測定点によって反射された割合分に基づいてビーム偏向装置の位置を検出するために設置されている。このとき、ビーム偏向装置の位置の検出は、例えば測定ビームの継続時間又は位相変化の検出、すなわち特に測定ビームにおける、測定点から戻る反射割合分の検出によってなされることが可能である。ここでは、測定ビームが上述のレーザ干渉の原理では通常な典型的には少なくとも2つの異なる波長を含むことが言及されるべきである。さらに、原則的にはエネルギービーム発生装置も測定ビーム発生装置として用いられるか、あるいは形成されることが可能であるため、原則的には、エネルギービーム発生装置によって発生されるエネルギービームも測定ビームとして用いられるか、あるいは形成されることが可能である。
【0015】
当然、例えば(例えば互いに対して相対的に、及び/又は付加的な装置の構造平面に対して相対的に)1つ又は複数のビーム偏向要素の方向、特に角度位置のような露光装置の様々な動作パラメータをビーム偏向装置の位置の検出へ導入することが可能である。
【0016】
測定ビーム発生装置は、光学的な、すなわち特に干渉式のビーム偏向装置の位置の検出に用いられる測定ビームを発生させるために設置されている。ここで、測定ビーム発生装置によって発生される測定ビームが露光装置のビーム経路内へ直接入射可能であるか、又は入射していることが本質的である。したがって、位置検出装置あるいは測定ビーム発生装置は、測定ビームを直接露光装置のビーム経路内へ入射させるように設置されている。したがって、露光装置のビーム経路は、測定ビームのためにも用いられる。測定ビームは、測定ビーム発生装置あるいは位置検出装置の測定ビーム出射点からビーム経路を通過し、ビーム偏向装置によって、露光装置の出射点を介して露光装置から出射される。上述のように、ビーム偏向装置は、特に測定ビームを、特に測定ビームを反射させる光学的な要素、好ましくは凹面鏡の形態の少なくとも1つの測定点、特に3つの測定点へ偏向させるように設定されている。測定ビームにおける例えば測定点によって反射された割合分は、露光装置の入射点を介して露光装置内へ入射するとともに、測定ビーム発生装置あるいは位置検出装置の測定ビーム入射点までビーム経路を通過する。
【0017】
測定ビーム発生装置によって発生可能あるいは発生される測定ビームが場合によってはエネルギービーム発生装置によって発生されるレーザビームであり得るとしても、測定ビームは、エネルギービーム発生装置によって発生可能であるか、あるいは発生されるエネルギービームとは、典型的には少なくとも1つのビームパラメータ、特にエネルギー強度において異なっている。加えて、エネルギービームの出射は、典型的には、測定ビームの出射に対して時間的にずらして行われる。したがって、エネルギービーム及び測定ビームは、典型的には、露光装置から同時には出射されない。
【0018】
露光装置は、(別の)検出装置を含むことができるか、あるいは(別の)検出装置を露光装置へ割り当てることが可能である。(別の)検出装置は、特に選択的に凝固化されるべき、又は選択的に凝固化された構造材料層の溶融範囲において生じる、エネルビービームにおける反射割合分を検出するために設置されている。エネルギービームにおける反射割合分は、ビーム経路を介して光学的に検出装置内へ入射可能であるか、又は入射している。(別の)検出装置は、ハードウェアによって、及び/又はソフトウェアによって、付加的に製造されるべき、あるいは製造された物体の品質、特に構造上の特性に関して、検出された、エネルギービームにおける反射割合を評価するために設置されることができる。このために、(別の)検出装置は、適切な評価アルゴリズムを含んでいる。この背景は、エネルギービームにおける反射割合が適当なエネルギー入力によって生じる溶融範囲の様々な、特に幾何学的なパラメータに依存することであり、溶融範囲は、付加的に製造されるべき、あるいは製造された物体の品質、すなわち特に構造上の特性に決定的に影響を与える。
【0019】
露光装置が適当な検出装置を含むか、あるいは検出装置が露光装置に割り当てられている限り、特に、測定ビーム発生装置は、測定ビームを、ビーム経路における、エネルギービーム発生装置と(別の)検出装置の間に位置する部分内へ入射させるように設置されている。この場合、測定ビーム発生装置は、エネルギービーム発生装置と(別の)検出装置の間に配置又は形成されている。しかしながら、ビーム経路における検出装置の前方に接続された部分内へ測定ビームを入射させるように測定ビーム発生装置が設置されていることが考えられる。この場合、測定ビーム発生装置は、少なくとも露光装置からのエネルギービームあるいは測定ビームの出射方向に見て検出装置の手前に接続されて配置又は形成されている。
【0020】
上述の原理により、ビーム偏向装置の位置の直接検出が露光装置において実現されている。上述の原理により、ビーム偏向装置の位置の正確な検出あるいは位置の変更の正確な検出が可能となる。したがって、特にビーム偏向装置の位置決めの正確な検出に関して改善された露光装置が提供されている。
【0021】
位置検出装置は、特に、特に基準位置に対して相対的に、ビーム偏向装置の検出された位置を示す位置検出情報を生成するように設置されている。適当な位置検出情報は、付加的な装置の別の機能構成要素によって、データ的に、特にビーム偏向装置の(検出された)位置変更の補償あるいは補正と関連して用いられることができる。例えば、露光装置を用いて実行されるべき、又は実行された構造材料層の選択的な露光の制御のために各構造材料層の選択的な露光を示す露光情報に基づいて設置されている付加的な装置の制御装置は、位置検出装置を用いて発生される位置検出情報に依存して適当な露光情報を変更するように、すなわち特に、特に基準位置に対して相対的に、検出されたビーム偏向装置の位置の変化へ適合させるように設置されていることが可能である。
【0022】
重ねて述べるように、典型的には、ビーム偏向装置は、特に測定ビームを反射させる光学的な要素、好ましくは凹面鏡の形態での少なくとも1つの測定点、特に3つの測定点へ測定ビームを偏向させるように設置されているとともに、位置検出装置は、測定点によって反射された測定ビームに基づいてビーム偏向装置の位置を検出するように設置されている。特に、露光装置は、複数の測定点を含む光学的な測定点設備(「測定点設備(Messpunktanordnung)」)を露光装置へ割り当て可能であるか、又は割り当てられていることが可能である。測定点設備は、位置検出装置の(機能的な)構成部材であり得る。測定点設備に属する測定点は、所定の空間的な配置において互いに対して(相対的に)配置又は形成されている。測定点は、基本的には適宜の空間的な位置を占めることができる。測定点は、所定の空間的な配置において互いに対して(相対的に)配置又は形成されている限り、共通の平面内で、又は場合によっては異なる空間的な平面においても配置又は形成されることができる。各測定点は、ビーム偏向装置の所定の位置情報を検出するために用いられることができる。したがって、各測定点によって反射される測定ビームは、それぞれビーム偏向装置の所定の位置情報の検出のために用いられることができる。個々の位置情報に基づき、適当な位置検出情報によって示されたビーム偏向装置の絶対位置を、位置検出装置を用いて生成することが可能である。
【0023】
異なる平面における各測定点の配置又は形成に代えて、測定点設備の測定点が共通の平面内に配置又は形成されていることも当然可能である。平面は、例えば付加的な装置の構造平面であり得る。したがって、測定点は、例えば特に構造平面内、一般的には府化装置のプロセスチャンバ内の平面内に配置又は形成されることが可能である。測定点は、等距離に分配して平面内に配置又は形成されることが可能である。
【0024】
さらに、本発明は、連続的で層ごとの選択的な露光と、これに伴う、エネルギービームを用いて凝固化可能な構造材料から成る構造材料層の凝固化とによる、三次元的な物体、すなわち例えば記述的な部材あるいは技術的な部材群を付加的に製造するための装置に関するものである。装置を用いて実行される追加的な構造工程は、装置に属する、典型的には不活性化可能なプロセスチャンバ内で行われる。プロセスチャンバは、装置のハウジング構造の一部を形成している。付加的な装置は、SLM装置、すなわち選択的レーザ溶融法(SLM法)を実行するための装置であり得るか、又はSLS装置、すなわち選択的レーザ焼結法(SLS法)を実行するための装置であり得る。選択的に凝固化されるべき各構造材料層の選択的な凝固化は、物体に関連した構造データに基づいて行われる。適当な構造データは、付加的に製造されるべき各物体の幾何学的-構造上の形状を示すものであり、例えば付加的に製造されるべき各物体の「スライスされた」CADデータを含むことができる。
【0025】
付加的な装置は、付加的な構造工程の実行のために典型的に必要な機能構成要素、すなわち特に連続的で層ごとの選択的な露光のための、及びこれに伴う、凝固化可能な材料、すなわち特に粒子状あるいは粉体状の金属材料、合成樹脂材料及び/又はセラミック材料から成る構造材料層の凝固化のための露光装置と、構造平面において凝固化されるべき構造材料層を形成するための積層装置とを含んでいる。構造平面は、支持装置における、典型的には(垂直方向において)移動可能に支持された支持要素の表面であるか、又は構造材料層であり得る。一般的に、構造平面内には、少なくとも1つの選択的に凝固化されるべきか、あるいは選択的に凝固化された構造材料層が配置又は形成されている。装置は、当該装置が少なくとも1つの上述のような露光装置を含んでいることを特徴としている。したがって、ここに記載されている露光装置に関連した全体的な構成は、付加的な装置について同様に当てはまる。
【0026】
付加的な装置は、各構造材料層の選択的な露光を示す露光情報に基づき、露光装置を用いて実行されるべき、又は実行される各構造材料層の露光を制御するための制御装置を含むことができる。制御装置は、位置検出装置を用いて生成される位置検出情報に依存して露光情報を変更するために、すなわち特に、特に基準位置に対して相対的に、ビーム偏向装置の位置の検出された変化に適合させるために設置されている。したがって、上述のように、適当な位置検出情報は、付加的な装置の別の機能構成要素、すなわち特にビーム偏向装置の(検出された)位置変化の補償あるいは補正のための適当な制御装置によって、データ的に用いられることが可能である。具体的には、このことは、例えば、所定の値、すなわち例えば0.2mmだけ所定の空間方向においてビーム偏向装置の位置変化が検出される場合に、露光の適当な適合がなされるように変換され、その結果、対応する空間方向において、対応する値だけずらされてエネルギービームが構造材料層へ偏向される。
【0027】
最後に、光学的な測定ビームを選択的に凝固化されるべき構造材料層へ偏向させるようにもビーム偏向装置を設置することが可能であるとともに、光学的な測定ビームにおける、構造材料層によって反射される割合分に基づいて構造材料層の層厚を検出するように位置検出装置を特に層厚検出装置の機能において設置することが可能であることに留意すべきである。このようにして、層厚検出装置を追加的に容易に実行することが可能である。
【0028】
さらに、本発明は、特に基準位置に対して相対的に、付加的な装置の、ビーム経路を含む露光装置、特に上述の露光装置の位置を光学的な測定ビームを用いて光学的に、特に干渉式に検出するための方法に関するものである。この方法は、以下のステップ:光学的な測定ビームを発生させるステップと、光学的な測定ビームを用いて、特に基準位置に対して相対的に、光学的な測定ビームにおける、特に少なくとも1つの測定点によって反射される割合分を用いて、ビーム偏向装置の位置を光学的に、特に干渉式に検出するステップとによって特徴付けられている。方法によれば、光学的な測定ビームは、露光装置のビーム経路内へ直接入射する。したがって、ここに記載されている露光装置に関連した全体的な構成は、方法について同様に当てはまる。逆に、方法に関連した全体的な構成は、露光装置及び付加的な装置についても同様に当てはまる。
【0029】
したがって、方法によれば、測定ビームは、露光装置、特に露光装置に属する測定ビームは勢装置あるいは位置検出装置のビーム経路を通過し、ビーム偏向装置によって、露光装置の出射点を介して露光装置から出射される。ビーム偏向装置は、特に測定ビームを反射させる光学的な要素、好ましくは凹面鏡の形態の少なくとも1つの測定点へ測定ビームを偏向させる。測定ビームにおける、測定点によって反射された割合分は、露光装置の入射点によって、(再び)露光装置内へ入射し、位置検出装置までビーム経路を通過する。位置検出装置は、測定ビームにおける反射された割合分に基づき、すなわち例えば測定ビームの継続時間又は位相変化によってビーム偏向装置の位置を検出する。測定ビームの出射は、典型的には、エネルギービームの出射に対して時間的にずらしてなされる。したがって、エネルギービーム及び測定ビームは、典型的には、同時には出射されない。したがって、露光工程及び位置検出工程は、典型的には交互に行われる。特に、位置検出工程を、(第1の)構造材料層の露光工程後に、あるいはつづいて露光されるべき更なる構造材料層の露光工程前に行うことが可能である。
【0030】
図面における実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1には、一実施例による露光装置1の原理図が示されている。露光装置1は、
図1において斜視図で示されている。
【0033】
露光装置1は、三次元的な物体3、すなわち技術的な部材あるいは技術的な部材群を付加的に製造するための装置2の機能構成要素である。適当な装置2は、選択的レーザ焼結プロセスを実行するための装置、すなわちSLS装置であるか、あるいは選択的レーザ溶融プロセスを実行するための装置、すなわちSLM装置であり得る。SLM装置の形態の適当な装置2の実施例が
図2に示されている。
【0034】
露光装置1は、エネルギービーム発生装置4を含んでいる。エネルギービーム発生装置4あるいはこれに属する構成要素は、露光装置1の別のアセンブリと結合可能な、個別の、場合によってはモジュール式のアセンブリ(不図示)として存在している。エネルギービーム発生装置4は、エネルギービーム5、特にレーザビームを発生させるために設置されている。このために、エネルギー発生装置4は、適当なエネルギービーム発生要素あるいはレーザビーム発生要素(不図示)を例えばレーザ発生器の形態で含んでいる。エネルギービーム5は、付加的な構造工程の実行の範囲において、選択的な露光と、これに伴う、適当に凝固化可能な、典型的には粉体状の構造材料6から成る個々の構造材料層の選択的な凝固化とのために用いられる(
図2参照)。
【0035】
露光装置1は、スキャン装置とも呼ばれるビーム偏向装置7を更に含んでいる。ビーム偏向装置7あるいはこれに属する構成要素は、露光装置1の別のアセンブリと結合可能な、個別の、場合によってはモジュール式のアセンブリとして存在している。ビーム偏向装置7は、エネルギービーム発生装置4によって発生されるエネルギービーム5を付加的な装置の構造平面における所定の入射箇所へ偏向させるために設置されている。このために、ビーム偏向装置7は、特に少なくとも1つの運動自由度で運動可能に支持された適切なビーム偏向要素(不図示)を例えばビーム偏向ミラーの形態で含んでいる。典型的には、ビーム偏向要素は、典型的にはスキャンヘッドとも呼ばれる、ビーム偏向装置の構造要素8において、又はこの構造要素8内に配置又は形成されている。
【0036】
ビーム偏向装置7は、露光装置1からの(光学的な)ビームを出射(Auskopplung)するための出射点を形成している。しかしながら、ビーム偏向装置7により、構造平面、特に適当なエネルギー入力によって構造平面内で発生する溶融範囲から反射されるビームも露光装置1内へ入射され(eingekoppelt)得る。したがって、ビーム偏向装置7は、露光装置1内への(光学的な)ビームの入射のための入射点も形成している。
【0037】
露光装置1は、(光学的な)ビーム経路9を更に含んでいる。エネルギービーム発生装置4及びビーム偏向装置7が、ビーム経路9へ接続されているとともにビーム経路9を介して光学的に互いに結合されていることが明らかであり、その結果、例えばエネルギービーム偏向装置7によって発生されるエネルギービーム5は、ビーム偏向装置7内へ入射可能であるとともに、ビーム偏向装置を介して、付加的な装置の構造平面内における所定の入射箇所へ出射可能である。
【0038】
図1に示された実施例では、露光装置1のビーム経路9は露光装置1の別の機能構成要素へ接続されている。この別の機能構成要素には、焦点調整装置11及び検出装置12が含まれる。焦点調整装置11は、エネルギービーム5の焦点を調整するために設置されているとともに、このために複数の、特に互いに対して相対的に移動可能に支持された焦点調整要素(不図示)、特にレンズ要素を含んでいる。検出要素12は、特に選択的に固化されるべき、又は選択的に固化された構造材料層の溶融範囲に生じるエネルギービーム5の反射割合分を検出するために設置されている。エネルギービーム5の反射割合分は、ビーム経路9を介して検出装置内へ光学的に入射可能である。検出装置12は、検出されたエネルギービーム5の反射割合分を品質、すなわち特に製造されるべき、あるいは製造された物体3の構造上の特性に関してハードウェアによって、及び/又はソフトウェアによって評価するために設置されているとともに、このために適切な評価アルゴリズムを含んでいる。
【0039】
露光装置1は、位置検出装置13及びこれに属する測定ビーム発生装置14を更に含んでいる。図示の実施例では、位置検出装置13及び測定ビーム発生装置14は、構造上共通のハウジング構造(不図示)内にまとめられているとともに、このようにして、露光装置1の別のアセンブリと結合可能な、個別の、場合によってはモジュール式のアセンブリを形成している。
【0040】
位置検出装置13は、光学的な測定ビーム15による、特に基準位置に対する相対的なビーム偏向装置7の位置の光学的な、すなわち特に干渉式の検出のために設置されている。位置検出装置13を用いて、特に例えば付加的な装置2の構造平面のような基準位置に対して相対的なビーム偏向装置7の位置が正確に検出され得る。特に基準方向に対するビーム偏向装置7の整向とも理解され得る、ビーム偏向装置7の位置の検出は、すなわち干渉、特にレーザ干渉あるいはアブソリュートレーザ干渉の原理に基づき光学的になされる。このために、ビーム偏向装置7は、測定ビーム15を反射する光学的な要素、特に凹面鏡の形態の光学的な測定点16a~16cへ測定ビーム15を偏向させるように設置されている。位置検出装置13は、測定点16a~16cによる測定ビーム15の反射割合分に基づきビーム偏向装置7の位置を検出するように設置されている。このとき、ビーム偏向装置7の位置の検出は、測定ビーム15の継続時間又は位相変化の検出、すなわち特に測定ビーム15における、測定点16a~16cから戻る反射割合分の検出によってなされる。測定ビーム15は、典型的には少なくとも2つの異なる波長を含んでいる。
【0041】
ビーム偏向装置7の位置の検出には、当然、(例えば互いに対して相対的な、及び/又は構造平面に対して相対的な)1つ又は複数のビーム偏向要素の整向、特に角度調整のような、露光装置1、特にビーム偏向装置7の様々な動作パラメータを導入することが可能である。
【0042】
測定ビーム発生装置14は、測定ビーム15を発生させるために設置されている。位置検出装置13及び測定ビーム発生装置14は、アブソリュートレーザ干渉計を形成することが可能である。測定ビーム15を露光装置1のビーム経路9へ直接入射させるように測定ビーム発生装置14が設置されていることが本質的であり、すなわち、測定ビーム15が露光装置1のビーム経路9内へ入射可能であるか、入射している。したがって、測定ビーム発生装置14は、露光装置1のビーム経路9内へ測定ビーム15を直接入射させるように設置されている。測定ビーム15は、測定ビーム発生装置14の測定ビーム出射点17bからビーム経路9を通過するとともに、場合によってはミラー要素のような光学的な偏向要素(不図示)を介して偏向され、ビーム偏向装置7によって、露光装置1の出射点を介して露光装置1から出射される。測定点16a~16cによって反射される測定ビーム15の割合分は、露光装置1の入射点を介して露光装置1内へ入射されるとともに、位置検出装置13の測定ビーム入射点17aまでビーム経路9を通過する。明らかに、測定ビーム入射点17a及び測定ビーム出射点17bが一致し得る。
【0043】
図示の実施例では、測定ビーム発生装置14は、ビーム経路9における、エネルギービーム発生装置4と検出装置12の間に位置する部分へ測定ビーム15を入射させるように設置されているとともに、エネルギービーム発生装置4と検出装置12の間に適当に配置又は形成されている。しかしながら、ビーム経路9における、検出装置12の前方に接続された部分へ測定ビーム15を入射させることも考えられる。この場合、測定ビーム発生装置14は、少なくとも露光装置1からエネルギービームあるいは測定ビーム15の出射方向に見て、検出装置12の前方に接続して配置されている。
【0044】
測定ビーム15は、エネルギービーム5の場合と同様にレーザビームであり得る。しかしながら、測定ビーム15は、典型的には少なくとも1つのビームパラメータ、特にエネルギー強度においてエネルギービーム5とは異なっている。加えて、エネルギービーム5の出射は、典型的には、測定ビーム15の出射に対して時間的にずらして行われ、したがって、エネルギービーム5及び測定ビーム15は、露光装置1から同時には出射されない。
【0045】
位置検出装置13は、特に基準位置に対して相対的に検出されたビーム偏向装置7を示す位置検出情報を生成するために設置されている。
図2による実施例の説明と関連して以下に説明するように、適当な位置検出情報は、特に(検出された)ビーム偏向装置7の位置変化の補償あるいは補正に関連して付加的な装置2の別の機能構成要素によってデータ的に用いられることが可能である。
【0046】
複数の測定点16a~16cを含む光学的な測定点設備16が露光装置1に割り当てられていることが
図1に基づき明らかである。測定点設備16は、位置検出装置13の(機能的な)構成要素である。測定点設備16に属する測定点16a~16cは、所定の空間的な配置において互いに対して(相対的に)配置されている。
図1に示されている実施例では、測定点16a~16cは、付加的な装置の構造平面であり得る共通の平面内に配置されている。各測定点16a~16cは、ビーム偏向装置7の所定の位置情報の検出のために用いられる。したがって、各測定点16a~16cによって反射される測定ビーム15あるいは測定ビーム部分は、それぞれビーム偏向装置7の所定の位置情報の検出のために用いられることが可能である。個々の位置情報に基づき、位置検出装置13は、適当な位置検出情報によって示されるビーム偏向装置7の絶対位置を発生させることが可能である。
【0047】
図2には、一実施例による装置2の原理図が示されている。装置2は、
図2において概略的な観点のみにおいて図示されている。
【0048】
装置2は、連続的で層ごとの選択的な露光と、これに伴う、エネルギービーム発生装置4によって発生されるエネルギービーム5を用いて凝固化可能な構造材料6から成る構造材料層の凝固化とによる、三次元的な物体3、すなわち例えば技術的な部材あるいは技術的な部材群の付加的な製造に用いられる。装置2は、SLM装置、すなわち選択的レーザ溶融法(SLM法)の実行のための装置である。したがって、エネルギービーム5は、レーザビームであり、構造材料6は例えばアルミニウム、ステンレス鋼、チタンのような特に粒子状あるいは粉体状の金属である。凝固化されるべき各構造材料層の選択的な凝固化は、物体に関連した構造データに基づいて行われる。適当な構造データは、付加的に製造されるべき各物体3の幾何学的-構造上の形状を示すものである。適当な構造データは、例えば付加的に製造されるべき物体3の「スライスされた」CADデータを含むことができる。
【0049】
装置2は、不活性化可能なプロセスチャンバ18を含んでいる。プロセスチャンバ18は、装置2のハウジング構造(不図示)の一部を形成することができる。プロセスチャンバ18内では、付加的な構造工程の実行に必要な機能構成要素、すなわち特に露光装置1と、水平方向に向いた双方向矢印P1で示唆されているように移動可能に支持された、凝固化されるべき構造材料層の形成のための積層装置19とが構造平面内に配置あるいは形成されている。
【0050】
装置2は、
図1に示された実施例に関連して記載されるような露光装置1を備えている。焦点調整装置や検出装置が露光装置の選択的な機能構成要素であることを明確にするために、露光装置1は、焦点調整装置11なしに、及び検出装置12なしに図示されている。エネルギービーム発生装置4を用いて発生されるエネルギービーム5は実線で図示されており、測定ビーム発生装置14によって発生される測定ビーム15は破線で図示されている。上述のように、エネルギービーム5の出射は、典型的には、測定ビーム15の出射に対して時間的にずらして行われ、したがって、エネルギービーム5及び測定ビーム15は、典型的には露光装置1から同時には出射されない。
【0051】
装置2は、ハードウェアによって、及び/又はソフトウェアによって実行される制御装置20を含んでいる。制御装置20は、各構造材料層の選択的な露光を示す露光情報に基づき、露光装置1を用いて実行されるべき、あるいは実行された各構造材料層の露光を制御するために設置されている。制御装置20は、位置検出装置13を用いて発生される位置検出情報に依存して露光情報を変化させるために、すなわち特に基準位置に対して相対的に特にビーム偏向装置7の位置の検出された変更に適合させるために設置されている。したがって、適当な位置検出情報は、付加的な装置2の別の機能構成要素によって、すなわち特に(検出された)ビーム偏向装置7の位置変化の補償あるいは補正のための制御装置20によってデータ的に用いられることが可能である。このことは、具体的には、例えば、所定の空間方向において所定の値だけ、すなわち例えば0.2mmだけビーム偏向装置7の位置変更が検出される場合、露光の適当な適合が行われることと言い換えることが可能であり、その結果、エネルギービーム5は、適当な空間方向において適当な値だけずらされて選択的に凝固化されるべき構造材料層へ偏向される。
【0052】
ビーム偏向装置7は、光学的な測定ビーム15を選択的に凝固化されるべき構造材料層へ偏向させるように設置されることが可能である。位置検出装置13は、光学的な測定ビーム15における構造材料層によって反射される割合分に基づいて構造材料層の層厚を(直接)検出するように、層厚検出装置の機能において設置されている。
【0053】
露光装置1あるいは装置2によって、特に基準位置に対して相対的な、適当な露光装置1のビーム偏向装置7の位置を光学的に、特に干渉式に検出するための方法が測定ビーム15を用いて実行され得る。この方法は、以下のステップ:光学的な測定ビーム15を発生させるステップと、光学的な測定ビーム15を用いた、特に光学的な測定ビーム15における測定点16a~16cによって反射される割合分を用いた、特に基準位置に対して相対的な、光学的な、特に(アブソリュート)干渉式のビーム偏向装置7の位置を検出するステップとによって特徴付けられている。方法によれば、光学的な測定ビーム15が露光装置1のビーム経路9へ直接入射される。
以上の開示から以下の付記が提案される。
(付記1)
エネルギービーム(5)を用いて連続的で層ごとの選択的な露光と、これに伴う、凝固化可能な構造材料(6)から成る構造材料層の凝固化とによる、三次元的な物体(3)を付加的に製造するための装置(2)用の露光装置(1)であって、該露光装置(1)が、エネルギービーム(5)を発生させるために設置されているエネルギービーム発生装置(4)と、該エネルギービーム発生装置(4)によって発生されるエネルギービーム(5)を所定の入射箇所へ偏向させるために設置されているビーム偏向装置(7)と、少なくとも1つの導光要素によって形成されているか、又は少なくとも1つのこのような導光要素を含むビーム経路(9)とを含んでいる、前記露光装置において、
光学的な測定ビーム(15)を用いて、特に基準位置に対して相対的に、光学的に、特に干渉式に前記ビーム偏向装置(7)の位置を検出するために設置されている位置検出装置(13)が設けられていること、及び該位置検出装置(13)に割り当てられ、前記ビーム偏向装置(7)の位置を光学的に検出するために用いられる前記光学的な測定ビーム(15)を発生させるために設置されている測定ビーム発生装置(14)が設けられており、該測定ビーム発生装置(14)によって発生される前記光学的な測定ビーム(15)が、前記露光装置(1)の前記ビーム経路(9)内へ直接入射可能であるか、又は入射していることを特徴とする露光装置。
(付記2)
前記エネルギービーム発生装置(4)及び前記ビーム偏向装置(7)が、前記ビーム経路(9)を介して互いに光学的に結合されていることを特徴とする付記1に記載の露光装置。
(付記3)
前記位置検出装置(13)及び前記測定ビーム発生装置(14)が、アブソリュート干渉計を形成していることを特徴とする付記1又は2に記載の露光装置。
(付記4)
前記位置検出装置(13)が、特に基準位置に対して相対的な前記ビーム偏向装置(7)の検出された位置を示す位置検出情報を生成するために設置されていることを特徴とする付記1~3のいずれか1項に記載の露光装置。
(付記5)
前記ビーム偏向装置(7)が、特に前記光学的な測定ビーム(15)を反射させる光学的な要素、好ましくは凹面鏡の形態の、少なくとも1つの光学的な測定点(16a~16c)、特に3つの測定点(16a~16c)へ、前記光学的な測定ビーム(15)を偏向させるように設置されており、前記位置検出装置(13)が、前記光学的な測定ビーム(15)における、前記少なくとも1つの光学的な測定点(16a~16c)によって反射された割合分に基づいて前記ビーム偏向装置(7)の位置を検出するために設置されていることを特徴とする付記1~4のいずれか1項に記載の露光装置。
(付記6)
複数の光学的な測定点(16a~16c)を含む光学的な測定点設備(16)が設けられており、前記広角的な測定点設備(16)に属する前記光学的な測定点(16a~16c)は、互いに対して所定の空間的な配置において配置又は形成されていることを特徴とする付記5に記載の露光装置。
(付記7)
前記光学的な測定点設備(16)に属する前記光学的な測定点(16a~16c)が、共通の平面内に、特に三次元的な物体(3)を付加的に製造するための装置(2)の構造平面内に配置若しくは形成されているか、又は前記光学的な測定点設備(16)に属する前記光学的な測定点(16a~16c)のうち少なくとも2つが異なる平面内に配置若しくは形成されていることを特徴とする付記6に記載の露光装置。
(付記8)
特に選択的に凝固化されるべき、又は選択的に凝固化された構造材料層の溶融範囲で生じる、前記エネルギービーム(5)における反射された割合分を検出するために設置された検出装置(12)が設けられており、前記エネルギービーム(5)における前記反射された割合分が前記露光装置(1)の前記ビーム経路(9)を介して前記検出装置(12)内へ入射可能であるか、又は入射しており、前記検出装置(12)が、前記露光装置(1)の前記ビーム経路(9)を介して光学的に前記検出装置(12)内へ入射された、前記エネルギービーム(5)における前記反射された割合分に基づき、付加的に製造されるべき、又は付加的に製造された三次元的な物体(3)の部材品質を示す部材品質情報を生成するために設置されていることを特徴とする付記1~7のいずれか1項に記載の露光装置。
(付記9)
前記測定ビーム発生装置(14)が、前記光学的な測定ビーム(15)を前記露光装置(1)の前記ビーム経路(9)における、前記エネルギービーム発生装置(4)と前記検出装置(12)の間に位置する部分内へ入射させるために設置されているか、又は前記測定ビーム発生装置(14)が、前記測定ビーム(15)を前記露光装置(1)の前記ビーム経路(9)における、前記検出装置(12)の前方に接続された部分内へ入射させるために設置されていることを特徴とする付記8に記載の露光装置。
(付記10)
エネルギービーム(5)を用いて連続的で層ごとの選択的な露光と、これに伴う、凝固化可能な構造材料(6)から成る構造材料層の凝固化とによる、三次元的な物体(3)を付加的に製造するための装置(2)において、
当該装置(2)が、付記1~9のいずれか1項に記載の露光装置(1)を含んでいることを特徴とする装置。
(付記11)
各構造材料層の選択的な露光を示す露光情報に基づき、前記露光装置(1)を用いて実行されるべき、又は実行された各構造材料層の露光を制御するための制御装置が設けられており、該制御装置が、前記位置検出装置(13)を用いて生成される位置検出情報に依存して前記露光情報を変更するように、特に、特に基準位置に対して相対的な前記ビーム偏向装置(7)の位置の検出された変更に適合させるように設置されていることを特徴とする付記10に記載の装置。
(付記12)
前記エネルギービーム発生装置(4)が追加的に測定ビーム発生装置(14)として形成されており、前記エネルギービーム発生装置(4)によって発生されるエネルギービーム(5)が測定ビーム(15)として形成されていることを特徴とする付記10又は11に記載の装置。
(付記13)
前記ビーム偏向装置(7)が、凝固化されるべき構造材料層へ前記光学的な測定ビーム(15)を偏向させるように設置されており、前記位置検出装置(13)が、前記光学的な測定ビーム(15)における、前記構造材料層によって反射される割合分に基づいて前記構造材料層の層厚を検出するように設置されていることを特徴とする付記10~12のいずれか1項に記載の装置。
(付記14)
エネルギービーム(5)を用いて連続的で層ごとの選択的な露光と、これに伴う、凝固化可能な構造材料(6)から成る構造材料層の凝固化とによる、三次元的な物体(3)を付加的に製造するための装置(2)の、ビーム経路(9)を含む露光装置(1)、特に付記1~9のいずれか1項に記載の露光装置(1)のビーム偏向装置(7)の位置を、特に基準位置に対して相対的に、光学的な測定ビーム(15)を用いて光学的に、特に干渉式に検出するための方法において、
以下のステップ:
光学的な測定ビーム(15)を発生させるステップと、
前記光学的な測定ビーム(15)を用いて、特に基準位置に対して相対的に、前記光学的な測定ビーム(15)における、特に少なくとも1つの測定点(16a~16c)によって反射される割合分を用いて、前記ビーム偏向装置(7)の位置を光学的に、特に干渉式に検出するステップと
を行い、前記光学的な測定ビーム(15)が、前記露光装置(1)の前記ビーム経路(9)内へ直接入射可能であるか、又は入射していることを特徴とする方法。