IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミントフラッグ株式会社の特許一覧

特許7120637学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム
<>
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図1
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図2
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図3
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図4
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図5
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図6
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図7
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図8
  • 特許-学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/04 20060101AFI20220809BHJP
   G09B 5/12 20060101ALI20220809BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220809BHJP
【FI】
G09B7/04
G09B5/12
G06Q50/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019089307
(22)【出願日】2019-05-09
(65)【公開番号】P2020187151
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-03-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516350813
【氏名又は名称】ミントフラッグ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117514
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敦朗
(72)【発明者】
【氏名】片山 崇
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-152843(JP,A)
【文献】特開2004-151292(JP,A)
【文献】特開2015-069160(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0314702(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0000107(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/00-7/12
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の問題について出題形式を変化させることによって難易度が調節可能な問題及びその解答が蓄積された問題データベースと、
指定された難易度の出題形式に応じた問題を前記問題データベースから読み出して学習者に出題する出題部と、
出題された問題に対して前記学習者によって入力された解答を取得する解答取得部と、
取得された解答と前記問題データベースに記憶されている解答とを比較して当該取得された解答の正誤判定を行う判定部と、
前記問題ごとに、且つ、前記学習者ごとに、その問題が出題された際の出題形式及び正誤判定の判定結果を示す判定結果情報と、前記問題について解答した日時を示す出題時間情報と、を対応付けて学習履歴情報として学習履歴データベースに記録する学習履歴記録部と、
各問題についての判定結果情報及び出題時間情報に基づいて、前記問題を最後に出題してから次に再出題する日時までの出題間隔及び難易度を設定する再出題設定部と、
前記再出題設定部によって設定された出題間隔及び難易度に基づいて当該問題を前記学習者について再出題する日時及び出題形式である再出題条件を決定する決定部と、
を備え、
前記再出題設定部は、各問題について再出題までの出題間隔のデフォルト値を出題回数ごと及び出題形式ごとに保持するとともに、前記学習者の当該問題に対する正誤判定に基づいて前記デフォルト値の出題間隔を伸縮させ、
前記出題部は、前記決定部によって決定された再出題条件に基づいて前記学習者に対して前記問題の再出題を実行する機能を有する
ことを特徴とする学習支援システム。
【請求項2】
前記問題は語学学習に関する単語又は文であり、各問題の出題形式は各問題の原文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを含み、
前記出題部は、英文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを選択することにより出題形式を変化させて前記難易度を調節する
ことを特徴とする請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項3】
前記問題データベースは、各問題をジャンルごとに分類して蓄積し、
前記出題部は、前記学習者の操作によって選択されたジャンルに従って、該当するジャンルの問題を前記問題データベースから読み出して出題する
ことを特徴とする請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項4】
前記学習履歴情報を取得し、所定の回数正答した問題を抽出してグルーピングして蓄積するマスター問題蓄積部をさらに備え、
前記再出題設定部は、所定の周期で前記マスター問題蓄積部に蓄積された問題についても再出題するように前記設定を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項5】
前記学習履歴を所定のフォーマットに変換し、所定の送信先において閲覧可能に配信するレポート配信部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項6】
同一の問題について出題形式を変化させることによって難易度が調節可能な問題及びその解答を問題データベースが蓄積する問題蓄積ステップと、
指定された難易度の出題形式に応じた問題を前記問題データベースから読み出して学習者に出題部が出題する出題ステップと、
出題された問題に対して前記学習者によって入力された解答を解答取得部が取得する解答取得ステップと、
取得された解答と前記問題データベースに記憶されている解答とを比較して当該取得された解答の正誤判定を判定部が行う判定ステップと、
前記問題ごとに、且つ、前記学習者ごとに、その問題が出題された際の出題形式及び正誤判定の判定結果を示す判定結果情報と、前記問題について解答した日時を示す出題時間情報と、を対応付けて学習履歴情報として学習履歴記録部が学習履歴データベースに記録する学習履歴記録ステップと、
各問題についての判定結果情報及び出題時間情報に基づいて、前記問題を最後に出題してから次に再出題する日時までの出題間隔及び難易度を再出題設定部が設定する再出題設定ステップと、
前記再出題設定部によって設定された出題間隔及び難易度に基づいて当該問題を前記学習者について再出題する日時及び出題形式である再出題条件を決定部が決定する決定ステップと、
を含み、
前記再出題設定ステップにおいて再出題設定部は、各問題について再出題までの出題間隔のデフォルト値を出題回数ごと及び出題形式ごとに保持するとともに、前記学習者の当該問題に対する正誤判定に基づいて前記デフォルト値の出題間隔を伸縮させ、
前記出題ステップにおいて出題部は、前記決定ステップによって決定された再出題条件に該当する問題がある場合には、その再出題条件に基づいて前記学習者に対して前記問題の再出題を実行する
ことを特徴とする学習支援方法。
【請求項7】
前記問題は語学学習に関する単語又は文であり、各問題の出題形式は各問題の原文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを含み、
前記出題ステップにおいて前記出題部は、英文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを選択することにより出題形式を変化させて前記難易度を調節する
ことを特徴とする請求項6に記載の学習支援方法。
【請求項8】
前記問題データベースは、各問題をジャンルごとに分類して蓄積し、
前記出題ステップにおいて前記出題部は、前記学習者の操作によって選択されたジャンルに従って、該当するジャンルの問題を前記問題データベースから読み出して出題する
ことを特徴とする請求項6に記載の学習支援方法。
【請求項9】
前記学習履歴情報を取得し、所定の回数正答した問題を抽出してグルーピングしてマスター問題蓄積部が蓄積するマスター問題蓄積ステップをさらに含み、
前記再出題設定ステップにおいて前記再出題設定部は、所定の周期で前記マスター問題蓄積部に蓄積された問題についても再出題するように前記設定を行う
ことを特徴とする請求項6に記載の学習支援方法。
【請求項10】
レポート配信部が、前記学習履歴を所定のフォーマットに変換し、所定の送信先において閲覧可能に配信するレポート配信ステップをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の学習支援方法。
【請求項11】
情報処理端末装置を、
同一の問題について出題形式を変化させることによって難易度が調節可能な問題及びその解答が蓄積された問題データベースと、
指定された難易度の出題形式に応じた問題を前記問題データベースから読み出して学習者に出題する出題部と、
出題された問題に対して前記学習者によって入力された解答を取得する解答取得部と、
取得された解答と前記問題データベースに記憶されている解答とを比較して当該取得された解答の正誤判定を行う判定部と、
前記問題ごとに、且つ、前記学習者ごとに、その問題が出題された際の出題形式及び正誤判定の判定結果を示す判定結果情報と、前記問題について解答した日時を示す出題時間情報と、を対応付けて学習履歴情報として学習履歴データベースに記録する学習履歴記録部と、
各問題についての判定結果情報及び出題時間情報に基づいて、前記問題を最後に出題してから次に再出題する日時までの出題間隔及び難易度を設定する再出題設定部と、
前記再出題設定部によって設定された出題間隔及び難易度に基づいて当該問題を前記学習者について再出題する日時及び出題形式である再出題条件を決定する決定部
として機能させ、
前記再出題設定部は、各問題について再出題までの出題間隔のデフォルト値を出題回数ごと及び出題形式ごとに保持するとともに、前記学習者の当該問題に対する正誤判定に基づいて前記デフォルト値の出題間隔を伸縮させ、
前記出題部は、前記決定部によって決定された再出題条件に基づいて前記学習者に対して前記問題の再出題を実行する機能を有する
ことを特徴とする学習支援プログラム。
【請求項12】
前記問題は語学学習に関する単語又は文であり、各問題の出題形式は各問題の原文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを含み、
前記出題部は、英文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを選択することにより出題形式を変化させて前記難易度を調節する
ことを特徴とする請求項11に記載の学習支援プログラム。
【請求項13】
前記問題データベースは、各問題をジャンルごとに分類して蓄積し、
前記出題部は、前記学習者の操作によって選択されたジャンルに従って、該当するジャンルの問題を前記問題データベースから読み出して出題する
ことを特徴とする請求項11に記載の学習支援プログラム。
【請求項14】
前記学習履歴情報を取得し、所定の回数正答した問題を抽出してグルーピングして蓄積するマスター問題蓄積部をさらに備え、
前記再出題設定部は、所定の周期で前記マスター問題蓄積部に蓄積された問題についても再出題するように前記設定を行う
ことを特徴とする請求項11に記載の学習支援プログラム。
【請求項15】
前記学習履歴を所定のフォーマットに変換し、所定の送信先において閲覧可能に配信するレポート配信部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の学習支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された音声を認識する学習支援システム、学習支援システムの制御方法及び学習支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピューターなどの情報端末装置の進歩及び低価格化、さらにはインターネット等の通信ネットワークの発展に伴い、インターネット等を通じてパーソナルコンピュータや、タブレットPC、スマートフォン等を利用した学習方法(Eラーニング)が一般的に用いられるようになっている。このようなEラーニングでは、インターネットなどを通じて学習者が好きな場所で、資格や受験の学習をすることができる。
【0003】
従来の学習支援システムや学習支援装置の中には、例えば特定の資格試験やある分野の習得に必要な知識を定着させるため、間違った問題を繰り返し解かせる形式があり、このような反復学習においても、コンピューターを用いることによって学習効率を向上させるシステム又はそれに用いるアプリケーションプログラムも提供されている。また、この種の学習支援システム及びそれに用いるアプリケーションにおいては、反復学習における復習までのインターバルが定着率に影響があるとするエビングハウスの忘却曲線を応用した分散学習法を取り入れたものが知られている。例えば、エビングハウスの忘却曲線を用いた学習支援システムとしては、間違えた問題だけでなく、正解した問題も適切なタイミングで学習者に提示し、学習者が効率的に復習することができるようになっている。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-137699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した反復学習では同一の問題を同一の出題形式で繰り返すものであることから、忘却曲線を応用したシステムで記憶が定着したとされた問題であっても、出題形式を変えると正答率が下がったりするなどの傾向がある。また、反復学習に際して同一の出題形式により単一の難易度で再出題する場合には、反復学習が単調となり学習者の学習意欲が減退する惧れもある。
【0006】
そこで、本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、反復学習に際し再出題するインターバルや出題形式を適宜変化させて学習者の学習意欲を維持するとともに、定着率及び正答率を向上させることのできるシステム、システムの制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、同一の問題について出題形式を変化させることによって難易度が調節可能な問題及びその解答が蓄積された問題データベースと、指定された難易度の出題形式に応じた問題を問題データベースから読み出して学習者に出題する出題部と、出題された問題に対して学習者によって入力された解答を取得する解答取得部と、取得された解答と問題データベースに記憶されている解答とを比較して当該取得された解答の正誤判定を行う判定部と、問題ごとに、且つ、学習者ごとに、その問題が出題された際の出題形式及び正誤判定の判定結果を示す判定結果情報と、問題について解答した日時を示す出題時間情報と、を対応付けて学習履歴情報として学習履歴データベースに記録する学習履歴記録部と、各問題についての判定結果情報及び出題時間情報に基づいて、問題を最後に出題してから次に再出題する日時までの出題間隔及び難易度を設定する再出題設定部と、再出題設定部によって設定された出題間隔及び難易度に基づいて当該問題を学習者について再出題する日時及び出題形式を再出題条件として決定する決定部と、を備え、再出題設定部は、各問題について再出題までの出題間隔のデフォルト値を出題回数ごと及び出題形式ごとに保持するとともに、学習者の当該問題に対する正誤判定に基づいてデフォルト値の出題間隔を伸縮させ、出題部は、決定部によって決定された再出題条件に基づいて学習者に対して問題の再出題を実行する機能を有する。
【0008】
また、本発明に係る学習支援方法は、
・同一の問題について出題形式を変化させることによって難易度が調節可能な問題及びその解答を問題データベースが蓄積する問題蓄積ステップと、
・指定された難易度の出題形式に応じた問題を前記問題データベースから読み出して学習者に出題部が出題する出題ステップと、
・出題された問題に対して前記学習者によって入力された解答を解答取得部が取得する解答取得ステップと、
・取得された解答と前記問題データベースに記憶されている解答とを比較して当該取得された解答の正誤判定を判定部が行う判定ステップと、
・前記問題ごとに、且つ、前記学習者ごとに、その問題が出題された際の出題形式及び正誤判定の判定結果を示す判定結果情報と、前記問題について解答した日時を示す出題時間情報と、を対応付けて学習履歴情報として学習履歴記録部が学習履歴データベースに記録する学習履歴記録ステップと、
・各問題についての判定結果情報及び出題時間情報に基づいて、前記問題を最後に出題してから次に再出題する日時までの出題間隔及び難易度を再出題設定部が設定する再出題設定ステップと、
・前記再出題設定部によって設定された出題間隔及び難易度に基づいて当該問題を前記学習者について再出題する日時及び出題形式である再出題条件を決定部が決定する決定ステップと、
を含む。
【0009】
そして、前記再出題設定ステップにおいて再出題設定部は、各問題について再出題までの出題間隔のデフォルト値を出題回数ごと及び出題形式ごとに保持するとともに、前記学習者の当該問題に対する正誤判定に基づいて前記デフォルト値の出題間隔を伸縮させ、
前記出題ステップにおいて出題部は、前記決定ステップによって決定された再出題条件に該当する問題がある場合には、その再出題条件に基づいて前記学習者に対して前記問題の再出題を実行する
ことを特徴とする。
【0010】
上記発明において、問題は語学学習に関する単語又は文であり、各問題の出題形式は各問題の原文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを含み、出題部は、英文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを選択することにより出題形式を変化させて難易度を調節することが好ましい。
上記発明において、問題データベースは、各問題をジャンルごとに分類して蓄積し、出題部は、学習者の操作によって選択されたジャンルに従って、該当するジャンルの問題を問題データベースから読み出して出題することが好ましい。
【0011】
上記発明において、学習履歴情報を取得し、所定の回数正答した問題を抽出してグルーピングして蓄積するマスター問題蓄積部をさらに備え、再出題設定部は、所定の周期でマスター問題蓄積部に蓄積された問題についても再出題するように設定を行うことが好ましい。
上記発明において、学習履歴を所定のフォーマットに変換し、所定の送信先において閲覧可能に配信するレポート配信部をさらに備えることが好ましい。
【0012】
なお、上述した本発明に係るシステムや方法は、所定の言語で記述された本発明のプログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築して、本発明に係る方法を実施することができる。
【0013】
また、本発明のプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、これらの発明によれば、情報処理端末を用いての反復学習に際し、同一の問題について出題形式を変化させることによって難易度が調節可能な問題を構成し、各問題について再出題までの出題間隔を、学習者の当該問題に対する学習履歴情報に基づいて出題回数ごと及び出題形式ごとに伸縮させる。これにより、再出題するインターバルや出題形式を適宜変化させることができ、学習者の学習意欲を維持させるとともに、定着率及び正答率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る学習支援システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
図2】実施の形態に係る学習支援サーバーの内部構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る学習支援システムの動作を示すフロー図である。
図5】実施形態に係る学習支援システムのトップ画面構成を示す説明図である。
図6】実施形態に係る学習支援システムの学習ゲーム画面構成を示す説明図である。
図7】実施形態に係る学習支援システムの学習終了画面構成を示す説明図である。
図8】実施形態に係る学習支援システムのアプリケーション内学習レポートの画面の構成を示す説明図である。
図9】実施形態に係る学習支援システムのアプリケーション内学習レポートの画面の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る学習支援システム及び学習支援プログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、上記した各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0017】
(学習支援の概要)
本実施形態では、本発明を英単語学習に適用する場合を例に説明する。本システムでは、クイズ形式で次々と単語に関する問題を解いていくうちに、自然と英単語を覚えていくことを目的としている。本システムによる学習者は小学生1年生以上を想定しており、各学習者が楽しんで学べる英単語学習を実現するものであり、英語を本格的に学んだことのない学習者であってもゲーム性のあるコンテンツで遊ぶうちに、自然と単語の持つ意味(日本語や絵)・音・つづり(スペル)を覚えていく仕組みにより、効率よく学べる英単語学習を実現する。
【0018】
学習時間としては、1日約10~15分程度でプレイ回数10回の学習を飽きずにこなせる英単語学習課程が組み立てられており、英単語の音・イメージと結びついた意味の認識、スペルの読解と記述が身につくように、学習者にとって接触頻度の高い英単語により多く触れさせていくことで、本格的な英語学習時に馴染みのない単語に多く接したときに萎えることを回避する手助けとなるように設計されている。
【0019】
学習内容の概要としては、予め決められた順番に単語を覚えるのではなく、好きな言葉はどんどん覚えられることから、学習者は自らの好みによって単語のジャンルを選択し、より興味のある単語を制作者が定めた単語の難易度の平易な順に学んでいくように、学習過程全体が組み立てられている。
【0020】
学習できる単語は、全5000単語程度であり、小学校から高校卒業、または英検準一級レベルまでがカバーされ、小学生であっても英検二級や準一級も合格できるレベルの単語を覚えることは十分可能という前提で設計されており、漢字には全てフリガナがふられている。
【0021】
学習者は、単語を複数回出題されるクイズを解くことで習熟していくようになっており、出題される単語クイズは、各単語の学習状況に併せて出題形式が変えられていく。正答すると習熟度が上がり、一定の習熟度に達すると、より難しい出題形式に変わる。逆に不正答となると習熟度が下がり、一定の習熟度より下がると、より簡単な出題形式に変わる。習熟度の上下動幅は、学習者の回答に要した時間から、定着度を考慮して算出される。これらの方法によって学習者個々人に最適化されたアダプティブな学習を実現する。
【0022】
回答形式には四択クイズやスペル入力があり、画面に登場したキャラクターが司会者となり、複数種の解答方式をゲーム性のあるルールに則って選択していく演出やデザインとなっている。学習者は正解していくことで報酬(ポイント)の獲得量が上昇、一定数回答した後にはポイント2倍のチャレンジシーンなどを設けることで、娯楽性の高い展開を演出するようになっている。
【0023】
本実施形態では、「読みコース」と「書きコース」の2種類の学習コースで構成されている。「読みコース」は、英語が話せるようになるための語彙をマスターするための練習コースであり、英単語の音及び絵をみて、単語の持つイメージや意味が理解でき、英語のテキストとリンクできるようになることを目標とする。
【0024】
一方、「書きコース」は、上記「読みコース」でマスターした単語を、さらにスペルも覚え、書くことができるようにするための練習コースであり、音や絵を見てスペルを書くことができるようになることを目標とする。またこれら両コースでは、学習者の記憶の定着も目標としおり、一定期間の経過ごとに自動的に復習問題が出題される。復習問題は正解するごとに間隔を伸ばしながら出題され、記憶が定着したと言える間隔の出題に正解するまで続けられる。
【0025】
なお、本実施形態では、学習者が「フリー会員」と「プレミアム会員」の2つの会員ステータスに分けられており、利用できるサービス内容に違いがある。「フリー会員」は読みコースの学習が可能であり、ポイント2倍チャレンジは利用できない。一方、「プレミアム会員」は、読みコース、書きコースの学習が可能であり、ポイント2倍チャレンジは原則3回だが、期間限定イベント等で上限が増えるなどの特典も利用可能となっている。
【0026】
(学習支援システムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る学習支援システムの全体構成を示す概念図である。本実施形態に係る学習支援システムは、図1に示すように、学習者である複数の学習者U(Ua,Ub)が使用するスマートフォン1(1a,1b)と、インターネット2上に設置された学習支援サーバー3とから概略構成される。なお、本実施形態では、スマートフォン1を情報処理端末装置の一例として説明するが、本実施形態において情報処理端末装置としては、スマートフォンの他、パーソナルコンピューターやタブレットPCなどを用いることができる。
【0027】
学習支援サーバー3は、本実施形態では、学習支援進行処理を行うサーバーであり、単一のサーバー装置、又は複数のサーバー装置群により実現することができ、複数の機能モジュールをCPU上に仮想的に構築し、それぞれの機能モジュールが協動して処理を実行する。また、この学習支援サーバー3は、通信機能によりインターネット2を通じて、データ送受信を行うことができるとともに、Webサーバー機能によりブラウザソフトを通じてWebページの提示などを行うことができる。
【0028】
スマートフォン1は、無線通信を利用した携帯可能な情報処理端末装置であり、無線基地局22等の中継点と携帯電話機が無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、3G(3rd. Generation)方式、LTE(Long Term Evolution)方式、4G方式、5G方式、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W-CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、このスマートフォン1は、通信機能の他、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、GPS(Global Positioning System)などによる位置情報取得機能等、種々の機能が搭載される。
【0029】
なお、位置情報取得機能としては、自機の位置を示す位置情報を取得し、記録する機能であり、この位置情報取得機能としては、例えば、GPSのように、衛星からの信号によって自機の位置を検出する方法や、図1に示すように、携帯電話の無線基地局22や、Wifi通信のアクセスポイントからの電波強度などによって位置を検出する方法が含まれる。本実施形態においてこの位置情報取得機能は、例えば学習者の現在位置から学習者の住所を予測して、住所入力や所属する小学校の入力の際に入力文字の候補を提案したりなどに利用される。
【0030】
そして、このスマートフォン1は、情報を表示する表示部としての液晶ディスプレイを備えるとともに、学習者が入力操作を行うための操作ボタン等の操作デバイスを備え、この操作デバイスとしては、液晶ディスプレイに重畳されて配置され、液晶ディスプレイ上の座標位置を指定するタッチ操作などによる操作信号を取得する入力部としてのタッチパネルが含まれる。具体的にこのタッチパネルは、ユーザーの指先やペンなどを用いたタッチ操作による圧力や静電検知その他によって操作信号を入力する入力デバイスであり、グラフィックを表示する液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイに表示されたグラフィックの座標位置に対応した操作信号を受け付けるタッチセンサとが重畳されて構成されている。
【0031】
(各装置の内部構造)
次いで、上述した学習支援システムを構成する各装置の内部構造について詳述する。図2は、本実施形態に係る学習支援サーバー3の内部構成を示すブロック図であり、図3は、本実施形態に係るスマートフォン1の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0032】
(1)学習支援サーバー
先ず、学習支援サーバー3の内部構成について説明する。学習支援サーバー3は、インターネット2上に配置されたサーバー装置であり、インターネット2を通じて、各スマートフォン1とデータの送受信が行えるようになっている。
【0033】
学習支援サーバー3は、インターネット2を通じてデータ通信を行う通信インターフェース31と、利用者や利用者端末の権限を認証する認証部33と、各学習者の情報処理端末装置からのアクセスを管理するアクセス管理部32と、学習支援進行処理、及び各学習者の学習支援進行処理を実行する学習支援進行処理部36と、各学習者の発声学習の管理を行う発声学習管理部37と、各学習者に対して学習データを配信する学習データ配信部34と、種々のデータベース群35(35a~35c)を備えている。
【0034】
データベース群35としては、学習中に実行される学習ゲームや、その他のオプション機能で実行される音声認識で用いられる音声辞書ファイルを記憶する音声辞書データベース35aと、学習者に関する情報を蓄積するユーザーデータベース35bと、学習進行処理及び各学習者の学習進行処理に関する情報として学習履歴情報、その他のデータを蓄積する学習支援用データベース35cとが含まれる。これらの各データベースとしては、単一のデータベースとしてもよく、複数のデータベースに分割し、相互にリレーションを設定することで各データ同士を紐付けたリレーショナルデータベースとすることができる。
【0035】
音声辞書データベース35aは、学習支援中に実行される学習ゲームやムービーで実行される音声認識で用いられる音声辞書ファイルを記憶する記憶装置であり、学習対象である外国語(ここでは英語)の他、母国語(ここでは日本語)の辞書が記憶される。なお、本実施形態では、英語と日本語の双方向での英訳・和訳も音声認識対象問題として出題するため、音声辞書ファイルを外国語・母国語の2種類としたが、出題の形式などに応じていずれかの音声辞書ファイルを省略してもよく、さらには、多言語に対応させて3種以上の音声辞書ファイルを実装するようにしてもよい。
【0036】
ユーザーデータベース35bに蓄積される情報としては、学習者自身又は学習者が使用している情報処理端末装置を特定する識別子(ユーザーID若しくは端末ID)と、パスワード等とを紐付けた認証情報を含み、ユーザーIDに紐付けられた利用者の個人情報や、情報処理端末装置の機種なども含まれる。また、ユーザーデータベース35bは、問題ごとに、且つ、学習者ごとに、その問題が出題された際の出題形式及び正誤判定の判定結果を示す判定結果情報と、問題について解答した日時を示す出題時間情報と、を対応付けて学習履歴情報として学習履歴データベースとしての役割も果たす。例えば、ユーザーデータベース35bは、学習者ごと或いは利用者端末ごとの認証履歴(アクセス履歴)の他、学習支援用データベース35cとのリレーションによりユーザーごとの学習支援進行に関する学習履歴(学習レベル、ゲーム中におけるステータス、得点、利用履歴等)、学習支援に関する決済情報等も蓄積される。
【0037】
学習支援用データベース35cに蓄積される情報としては、学習支援進行のためのシナリオ、キャラクターやオブジェクトの特性、イベント処理に関する情報、グラフィック情報などが学習支援用データとして含まれる。特に、学習支援用データベース35cは、同一の問題について出題形式を変化させることによって難易度が調節可能な問題及びその解答が蓄積された問題データベースとしての機能を果たす。本実施形態において、学習支援用データベース35cに含まれる問題データベースは、各問題をジャンルごとに分類して蓄積している。また、学習支援用データベース35cは、所定の回数正答した問題を抽出してグルーピングして蓄積する機能も有している。
【0038】
認証部33は、通信インターフェース31を通じて、各スマートフォン1と通信セッションを確立させ、その確立された通信セッションごとに認証処理を行うモジュールである。この認証処理としては、アクセス者である学習者のスマートフォン1から認証情報を取得し、ユーザーデータベース35bを参照して、学習者等を特定し、それらの権限を認証する。この認証部33による認証結果(ユーザーID、認証時刻、セッションID等)は、学習支援進行処理部36に送出されるとともに、アクセス管理部32を通じてユーザーデータベース35bに認証履歴として蓄積される。
【0039】
学習支援進行処理部36は、シナリオデータに従って学習ゲームモード及びオプションモードを展開させるべく種々のイベント処理を発生させて学習支援を進行させるモジュールであり、一定のルール、ロジック或いはアルゴリズムを含む学習支援プログラムを実行し、学習支援の進行に応じて、学習ゲーム(クイズゲーム)やミニゲーム、ムービーの再生等のイベント処理を発生させる。
【0040】
ここで、シナリオデータとは、学習支援進行の進度(学習者の学習レベル、その学習レベルに応じて指定された難易度、正誤判定結果の履歴)に合わせて、出題(再出題を含む。)すべき問題や、その出題形式、出題間隔、難易度等の他、ストーリーを展開させるためのムービーの再生処理などをイベント発生処理として記述したデータであり、タイムスケジュール上に発生させるべきイベント処理の実行コマンド及び引数(出題する問題や出題形式を指定する値、再生するファイル名等)を列記して構成される。
【0041】
また、学習支援進行処理部36は、学習履歴情報を学習支援用データベース35cに記録する学習履歴記録部としての役割も果たす。すなわち、本実施形態において学習支援サーバー3側の学習支援進行処理部36は、スマートフォン1側の学習支援進行処理部141と協働するようになっており、学習支援進行処理の一部を学習支援サーバー3側で行い、グラフィック処理やイベント処理の一部をスマートフォン1側の学習支援進行処理部141で実行するようにしている。例えば、学習支援サーバー3側で、シナリオの生成及び進行管理、学習者の学習レベルなどに基づいて、発生し得るイベント処理を予測し、その発生条件を学習支援サーバー3側で発生させ、その条件をスマートフォン1側に送信し、実際のイベント処理の発生やそのためのグラフィック処理は、学習支援サーバー3から受信した発生条件に基づいてスマートフォン1側で実行するようにしている。
【0042】
さらに、学習支援進行処理部36は、学習履歴情報を取得し、所定の回数正答した問題を抽出してグルーピングして蓄積するマスター問題蓄積部としての役割も果たす。
【0043】
発声学習管理部37は、学習支援進行処理部36による学習支援進行に従って、学習者に発声用問題を出題し、その発声の正確性に応じて学習者に対する評価を更新するモジュールである。この発声用問題は、学習支援サーバー3側で生成する場合と、スマートフォン1側で生成する場合と、学習支援サーバー3とスマートフォン1の両者が協働して生成する場合とがあり、発声学習管理部37は、学習支援サーバー3側で生成、或いは蓄積されたシナリオ、音声学習用の辞書ファイル、スマートフォン1側で生成(或いは決定)、蓄積されたシナリオ、辞書ファイルとを管理し、両者のシナリオ、辞書ファイルを比較し、必要に応じてシナリオや辞書ファイルの全部又は一部をスマートフォン1側に配信して、両者の同期を図る。
【0044】
学習データ配信部34は、学習者の学習レベルに基づき、発声学習管理部37による制御に従って、発声学習管理部37が生成した発生用問題及び音声認識用の辞書ファイルを同期させるべく、これらのファイルを、通信インターフェース31を通じて,各学習者の情報処理端末装置に配信するモジュールである。また、学習データ配信部34はレポート配信部38を備えており、このレポート配信部38は、学習履歴を所定のフォーマットに変換し、所定の送信先において閲覧可能に配信するモジュールである。本実施形態では、アプリケーション内レポート配信と、Eメール形式のレポート配信とが設けられている。
【0045】
(2)スマートフォン1
次いで、スマートフォン1の内部構成について説明する。図3に示すように、スマートフォン1は、通信インターフェース11と、入力インターフェース12と、出力インターフェース13と、アプリケーション実行部14と、メモリ15とを備えている。
【0046】
通信インターフェース11は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル、アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。入力インターフェース12は、マウス、キーボード、操作ボタンやタッチパネル12aなどユーザー操作を入力するデバイスである。また、出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース13には、液晶ディスプレイなどのディスプレイ13aが含まれ、この表示部は、入力インターフェースであるタッチパネル12aに重畳されている。
【0047】
メモリ15は、OS(Operating System)やファームウェア、各種のアプリケーション用のプログラム、その他のデータ等などを記憶する記憶装置であり、このメモリ15内には、学習者を識別するユーザーIDの他、学習支援サーバー3からダウンロードした学習支援アプリケーションデータを蓄積するとともに、アプリケーション実行部14で処理された学習支援データ等が蓄積される。特に、本実施形態では、メモリ15には、学習支援サーバー3から取得した、シナリオデータや、オプションモードで用いられるムービーデータ、音声学習用問題、認識用の辞書ファイル等が格納されている。
【0048】
アプリケーション実行部14は、一般のOSや学習支援アプリケーション、ブラウザソフトなどのアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等により実現される。このアプリケーション実行部14では、本発明に係る学習支援プログラムが実行されることで、学習支援進行処理部141、シナリオ制御部142、イベント制御部143、音声認識処理部144、表示制御部145、表示データ生成部146が仮想的に構築される。
【0049】
音声認識処理部144は、入力インターフェース12を通じて入力された音声信号と予め定められた音声認識用辞書データとを比較することにより学習者Uの音声を認識し、音声の認識結果に基づき学習ゲームに関する制御信号を生成するモジュールであり、本実施形態では評価部144aを備えており、この評価部144aは、シナリオ制御部142による制御に従って、音声認識処理部144により生成された制御信号に基づき、学習者Uによる発音の正確性を評価するモジュールである。この評価部144aによる評価結果は、学習支援進行処理部141に送出される。
【0050】
表示データ生成部146は、表示制御部145による制御に従ってディスプレイ13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、グラフィックデータの他、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成されるデータである。本実施形態における表示制御部145は、表示モード切替部145aを備えており、この表示モード切替部145aは、表示モードに応じたグラフィックを表示させる。
【0051】
学習支援進行処理部141は、シナリオ制御部142による制御に従って、学習支援処理を進行させるモジュールである。例えば、学習支援進行処理部141は、音声認識処理部144により生成された制御信号に基づいて学習者Uによる発音の正確性を評価するクイズ等のゲームモードをイベント処理の一つとして実行するゲームモード実行部である。また、本実施形態において学習支援進行処理部141は、オプションモードとゲームモードを順次展開させて種々のイベント処理を発生させ、学習支援を進行させる機能を有しており、シナリオ制御部142を通じて、学習支援サーバー3側の学習支援進行処理部36と同期しつつ、学習者の学習レベルに応じたシナリオ進行に基づいて、クイズゲームやムービーの再生等のイベント処理を発生させる。
【0052】
学習支援進行処理部141は、本実施形態では、学習支援サーバー3側の学習支援進行処理部141と協働するようになっており、学習支援進行処理の一部を学習支援サーバー3側で行い、グラフィック処理やイベント処理の一部をスマートフォン1a側の学習支援進行処理部141で実行するようにしている。例えば、イベント発生の条件などの決定しシナリオデータの生成を学習支援サーバー3側で実行し、その条件等をシナリオデータとしてスマートフォン1側に送信し、実際のイベント処理の発生やそのためのグラフィック処理は、シナリオデータを通じてスマートフォン1側で実行する。
具体的に、学習支援進行処理部141は、シナリオ制御部142と、イベント制御部143とを備えている。
【0053】
シナリオ制御部142は、操作入力による入力信号及び音声認識処理部144により生成された制御信号に基づいて、シナリオを進行させるモジュールであり、本実施形態では、ゲームモード及びオプションモードの展開を記述したシナリオデータに従って、スマートフォン1側での学習支援進行処理と、学習支援サーバー3側での学習支援進行処理とを同期させる機能を有している。具体的には、学習支援サーバー3側で、シナリオデータにおける学習進行程度(学習レベル、難易度等)などに基づいて、発生し得るイベント処理を予測し、その発生条件を学習支援サーバー3側で発生させ、その条件をスマートフォン1a側に送信する。学習支援進行処理部141は、このサーバー側から送信された発生条件をシナリオ制御部142で受信し、実際のイベント処理の発生やそのためのグラフィック処理を、学習支援サーバー3から受信したシナリオに基づいてスマートフォン1側の学習支援進行処理部141で実行する。
【0054】
イベント制御部143は、オプションモード実行機能と、学習ゲームモード実行機能とを備えている。オプションモード実行部機能は、シナリオ制御部142による制御に従って、学習課程をストーリー仕立てにしたムービー再生や学習履歴の閲覧操作をイベント処理の一つとして実行する。
【0055】
学習ゲームモード実行機能として、本実施形態ではクイズ形式で学習問題を出題するゲームが設けられている。具体的には、この学習ゲームモード実行機能に係るモジュールとして、出題部143aと、解答取得部143bと、判定部143cと、再出題設定部143dと、出題条件決定部143eとを備えている。これら各モジュール143a~eは、学習ゲームモードが開始されると、シナリオデータに従って、問題の選択、出題(再出題を含む。)、解答取得、正誤判定、学習履歴の記録を順次繰り返して学習ゲームを進行させる。
【0056】
出題部143aは、学習支援進行処理部141によって指定された難易度の出題形式に応じた問題を問題データベースである学習支援用データベース35cから読み出して学習者に出題するモジュールである。この出題部143aは、英文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを選択することにより出題形式を変化させて難易度を調節する。なお、本実施形態において出題される問題は語学学習に関する単語又は文であり、各問題の出題形式は各問題の原文、音声、絵、訳文、スペル入力又は選択入力の組み合わせを含む。
【0057】
また、学習支援用データベース35cに含まれる問題データベースは、各問題をジャンルごとに分類して蓄積しており、出題部143aは、学習者の操作によって選択されたジャンルに従って、該当するジャンルの問題を問題データベースから読み出して出題する。
【0058】
解答取得部143bは、出題された問題に対して学習者によって入力された解答を取得するモジュールである。判定部143cは、解答取得部143bによって取得された解答と学習支援用データベース35cの問題データベースに記憶されている解答とを比較して当該取得された解答の正誤判定を行うモジュールである。
【0059】
再出題設定部143dは、各問題についての判定結果情報及び出題時間情報に基づいて、各問題を最後に出題してから次に再出題する日時までの出題間隔及び難易度を設定するモジュールであり、各問題について再出題までの出題間隔のデフォルト値を出題回数ごと及び出題形式ごとに保持するとともに、学習者の当該問題に対する正誤判定に基づいてデフォルト値の出題間隔を伸縮させる機能も有している。前記出題部143aは、出題条件決定部143eによって決定された再出題条件に基づいて前記学習者に対して前記問題の再出題を実行する機能を有する。さらに、再出題設定部143dは、所定の周期で学習支援用データベース35cのマスター問題蓄積部に蓄積された問題についても再出題するように設定を行う機能も有している。
【0060】
出題条件決定部143eは、再出題設定部143dによって設定された出題間隔及び難易度に基づいて当該問題を学習者について再出題する日時及び出題形式である再出題条件を決定するモジュールである。
【0061】
このようなイベント制御部143で実行されたイベント処理の結果(学習支援の進行やクイズの正誤判定、ミニゲームの勝敗や得点等)は、学習支援サーバー3側の学習支援進行処理部141に通知され、各種データベース35a~cに蓄積されてその後の学習支援進行処理に反映される。
【0062】
(学習支援システムの動作)
以上説明した学習支援システムを動作させることによって、本発明の学習支援方法を実施することができる。図4は、学習支援システムの動作を示すフロー図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
【0063】
図4に示すように、先ず、スマートフォン1上で学習支援アプリケーションを起動して学習を開始する(S201)。このとき、アプリケーション上では現時点の学習履歴若しくはシナリオデータが参照され、学習者の現在の学習レベル及びクイズゲームの進行度合いが読み出され、前回の終了時点からの続きとして開始する。学習が開始されると学習支援の進行に伴ってシナリオデータが参照され、学習履歴に含まれる各問題についての判定結果情報及び出題時間情報に基づいて設定された前記問題を最後に出題してから次に再出題する日時までの出題間隔及び難易度が取得される。次いで、この取得された出題間隔及び難易度に基づく再出題条件が決定される(S202)。また、このとき開始条件が確認され、開始条件が満たされないときには(S203における「N」)ステップS211を経て、アプリケーションが終了される(S211における「Y])。
【0064】
開始条件が満たされているときには(S203における「Y」)、シナリオデータを参照して発生させるべきイベント処理が設定されるとともに、図5に示すようなトップ画面が表示される。このトップ画面には、司会者キャラクターCa1とともに現在の学習レベル等の情報info1や選択ボタン群Btn1が表示され、学習者が選択ボタン群Btn1のいずれかをタップすることによってゲームモードやその他のオプションモードかが選択される(S204)。これらのモードは、学習者の選択操作による他、シナリオデータに基づいて自動的に決定される場合もある。例えば学習支援の進捗に応じてムービーや司会キャラクターCa1による説明や報告が自動的にオプションモードとして開始されたり、シナリオデータ上における所定のストーリー分岐点に到達したときなどにゲームモードが適宜開始される。
【0065】
ゲームモードが選択された場合(S203における「ゲームモード」)には、図6に示すような、クイズシーン画面に遷移しゲームモードが実行される(S207)。このクイズシーン画面で出題される問題は語学学習に関する単語又は文がクイズ形式で出題され、各問題の出題形式は各問題の英語(原文)Q2、音声、画像(絵)Q1、日本語訳(訳文)Q3であり、解答方法は選択入力ボタンBt2の選択や発声、スペル入力等であり、これら問題と解答方法の組み合わせによって構成される。なお、このとき、出題される問題について、学習者が好みのジャンルを選択できるようになっている。
【0066】
発声問題では、シナリオ制御部142による制御に従って、音声認識処理部144により生成された制御信号に基づいて学習者による発音の正確性が評価され、その評価に応じて解答の正誤判定が実行される。詳述すると、出題された問題に対して学習者によって入力された解答選択或いは発声された解答を解答取得部143bが取得し、判定部143cが解答取得部143bによって取得された解答と学習支援用データベース35cの問題データベースに記憶されている解答とを比較して当該取得された解答の正誤判定を行う(S208)。この正誤判定は判定結果情報として、学習履歴記録部としての学習支援進行処理部36によって、問題ごとに且つ学習者ごとに、その問題が出題された際の出題形式とともに、問題について解答した日時を示す出題時間情報と対応付けられ、学習履歴情報として学習支援用データベース35cに記録される(S209)。また、今回の学習により獲得した報酬は、例えば図7に示すような学習終了画面に、その回の獲得総量が獲得ポイント情報info4として表示され、情報info3として学習した問題(単語)ごとにその内訳や学習レベルが、司会者キャラクターCa1とともに表示される。
【0067】
一方、ステップS203において、オプションモードが選択された場合(S204における「オプションモード」)には、オプションモードが実行され(S205)、シナリオデータに応じて発生されるイベント処理に応じて、キャラクターを動作させ、各種オプション機能を実行する(S206)。
【0068】
そして、ゲームモード実行中の正誤判定(S208)及びオプションモード実行中におけるイベント処理(S206)に応じて、学習履歴情報が更新されるとともにレポートが作成され(S209)、シナリオが進行される(S210)。上述した各処理S202~210はアプリケーションが終了(S211における「Y」)するまで繰り返される(S211における「N」)。
【0069】
(各処理についての詳細)
以上説明したフローで実行される各処理の詳細について以下に説明する。
(1)出題問題の構成
上述した学習支援用データベース35cに含まれる問題データベースは、問題となる単語の基本情報、出題形式や出題日を決定するための単語の学習情報、学習中の単語を格納する出題ボックスから構成されている。
【0070】
また、学習対象の単語は次のような特徴がある。
・全5000語。小中学校で習う単語から、英検準1級レベルまでを選定。
・「a」や「the」などの冠詞や、疑問詞など、フレーズの一部として学習したほうがよいものは出題から除外し、別コーナーでフレーズと一緒に学習させる。
・単語単体で意味が理解しづらい単語は、フレーズの一部として出題する。その際、ヒントとなる絵もフレーズとリンクして、単語理解の助けとなる画像とするようにしてもよい。
【0071】
上記単語の基本情報としては、全ての単語について下記の情報が含まれる。
・英単語のスペル
・意味が伝わる絵
・お手本の音声
・日本語、及び漢字のふりがな
・四択における不正解選択肢(英文、日文、絵についてそれぞれ用意)
・ジャンル
・難易度
【0072】
これらの基本情報のうち、単語のジャンルについては、学びたい単語のジャンルをユーザーに選択させるように各問題(単語)がジャンルごとに分類されて問題データベースに蓄積されている。すなわち、問題データベースでは学習者が楽しんで学べる英単語学習を実現するように分類され、自然と単語の持つ意味(日本語や絵)・音・つづり(スペル)を覚えていく仕組みとなっている。具体的なジャンルとしては、食事 / 方角 / 飾り言葉 / 動作 / 身体 / 好きなこと / 学校 / 家 / 話し手,聞き手 / 乗り物 / 数え方 / 国や場所 / 生活 / 建物 / 時間 / 人物 / 芸術 / 会話 / 状態 / 見た目 / 職業 / 生き物 / 単位 / 町の中 / 自然 / 気持ちを伝えよう / クッキング / スポーツ / ファッション / ショッピング / ビジネスなどが挙げられる。
【0073】
各単語に関する学習履歴情報は、学習者の単語ごとの学習の習熟度や出題レベル等に関する情報であり下記のような情報が含まれる。
(a)習熟度
学習者が問題を正解・不正解するごとに上下する実数値であり、下記のように値を変化させる。
・習熟度の初期値及び最小値は「0」となっており、この値より低下しない。
・問題に正解すると習熟度は上がり、間違えると習熟度は下がる。
・クイズ1問ごとの制限時間の消化率(後半30%範囲)を掛ける形で、早く正解すると習熟度が大きく上がり、早く間違えた場合は習熟度が小さく下がる。逆に遅く正解した時には習熟度が小さく上がり、遅く間違えた場合は大きく下がる。なお、このクイズ1問ごとの制限時間は、例えば図6に示すクイズシーン画面の制限時間ゲージG1として表示され、ゲージの長さにより制限時間を報知するようにしている。
・正解した際の習熟度の「最大加算値」と不正解した際の「最大減少値」の設定がそれぞれあり、習熟度の「最大加算値」は、学習者ごとに最適化されることが理想的で、5・10・15…と連続正解を続けていくと、このレベル帯の単語は既に理解している可能性が高いとみなし習熟度の最大加算値が一定割合ずつ増加していく。
・学習者は、学習コース別の最大難度の出題形式で正解しなければならず、そのため正解の加算によって習熟度が、学習コースの最大難度の出題形式に必要な最小習熟度を越えた場合、最大難度の出題形式に必要な最小習熟度に設定される。
・出題レベルのうち、学習のプロセスとしてスキップさせることは適しておらず、必ず学習者が1回は体験しなくてはならない必修問題を設定する。
・一度、習熟度が各コースの最大難度の出題形式の最大習熟度を越えると、その値より下には低下しない。
【0074】
(b)出題レベル
習熟度から算出される値で習熟度の整数値であり、この値から出題形式を決定する。
【0075】
(c)最終出題日
出題された最終日付である。
【0076】
(d)復習レベル
復習の進捗を表す値。レベル別に出題間隔が定まり、次の出題日が決定される。例えば、レベル0~2では、出題間隔(最終出題日からの経過日数)は3日以上とし、レベル3で12日以上、レベル4で69日以上とする。なお、学習者が問題に正解するとレベルを1つ上げ、不正解するとレベルを1つ下げる。ただし、レベルは1より下には低下しない。本実施形態では、再出題設定部143dが、各問題について再出題までの出題間隔のデフォルト値を出題回数ごと及び出題形式ごとに保持しており、学習者の当該問題に対する正誤判定に基づいてデフォルト値の出題間隔を伸縮させる。なお、この出題間隔の伸縮の幅は、当該学習者自身の正答率、及び他の学習者の正答率の統計を取り、ディープラーニング等の処理によって適宜調整するようにしてもよい。
【0077】
(e)出題回数
単語の出題回数である。
【0078】
(f)正解回数
単語の正解回数である。
【0079】
(g)ステータス
単語は下記の通り5つのステータスを順に遷移する。
【表1】
【0080】
(2)出題ボックス
出題ボックスとは学習中の単語を格納する集合体であり、本実施形態では、下記の種類があり習熟度に応じて格納数が設定されている。
・「読み出題Box」
習熟度0-8未満で格納数が7~20となっている。
・「書き出題Box」
習熟度8-13未満で格納数が10~20となっている。
・復習出題ボックス
習熟度13以上で且つ復習レベル0~4で、格納数は無制限となっている。
【0081】
(3)出題の手順
出題はコース別に下記の手順で実施される。
(a)読みコースの出題手順
1. 学習者が読みコースの学習を開始
2. 出題ボックスの格納数が不足している場合
a. 選択可能なジャンル一覧を表示
b. 学習者が学習したいジャンルを選択
c. 選択されたジャンルに属する未学習の単語から、難易度の低い順に不足数分、出題ボックスに追加
3. 出題ボックスに問題がない場合、学習者に開始不可を通知し、手順9に移行
4. 1~7問目までの出題
a. 出題ボックスから、本手順開始からまだ出題されていない単語をランダムに選択
b. 選択単語の出題レベルから出題形式を決定
c. 学習者が回答または制限時間を超過
d. 習熟度の加減算式に基づき、習熟度を修正
e. 単語の出題数、最終出題日を更新
f. 正解した場合、単語の正解数、獲得報酬値を加算
g. 7問目未満の場合、手順4 aに移行
5. 1~7問目まで全問正解できなかった場合は、手順7に移行
6. 8~10問目までの出題 ※プレミアム会員のみ
a. 報酬ポイント2倍チャレンジに挑戦するか学習者に選択肢を表示
b. 学習者が挑戦を選択した場合
i. 手順4 a~f と同内容をこの手順で実施
ii. 不正解であった場合、獲得報酬値を「50%に減算」にして、手順7に移行
iii. 正解且つN問目未満の場合、手順6 aに移行
c. 学習者が挑戦を選択しない場合、手順7に移行
7. 習熟度が出題ボックスの条件から外れた問題を出題ボックスから削除
8. 学習者に報酬を付与
9. 終了
【0082】
(b)書きコースの出題手順
1. 学習者が書きコースの学習を開始
2. マスター出題ボックスの格納数が不足している場合、マスター出題ボックスに追加されていないステータスがマスターの単語を最終出題日の古い順に不足数分、マスター出題ボックスに追加
3. 復習出題ボックスから最終出題日が復習レベル別の出題間隔より経過している単語を抽出する。抽出された単語の集合を、本日の復習出題ボックスとする。
4. マスター出題ボックスと本日の復習出題ボックスに問題がない場合、学習者に開始不可を通知し、手順11に移行
5. 1~7問目までの出題
a. 本日の復習出題ボックスに本手順開始からまだ出題されていない単語がある場合、最終出題日が最も古い単語を選択
b. 手順5 aで単語を選択できない場合、マスター出題ボックスに本手順開始からまだ出題されていない単語をランダムに選択
c. 選択単語の出題レベルから出題形式を決定
d. 学習者が回答または制限時間を超過
e. 単語のステータスがマスターの場合、習熟度の加減算式に基づき、習熟度を修正
f. 単語のステータスが完全マスターの場合、復習レベルの加減算式に基づき、復習レベルを修正
g. 単語の出題数、最終出題日を更新
h. 正解した場合、単語の正解数、獲得報酬値を加算
i. 7問目未満の場合、手順5 aに移行
6. 1~7問目まで全問正解できなかった場合は、手順8に移行
7. 8~N問目までの出題
a. 報酬ポイント2倍チャレンジに挑戦するか学習者に選択肢を表示(プレミアム会員限定)
b. 学習者が挑戦を選択した場合
i. 手順5 a-h と同内容をこの手順で実施
ii. 不正解であった場合、獲得報酬値を「50%に減算」にして、手順に移行
iii. 正解且つN問目未満の場合、手順7 aに移行
c. 学習者が挑戦を選択しない場合、手順8に移行
8. 習熟度がマスター出題ボックスの条件から外れた問題をマスター出題ボックスから削除
9. 復習レベルが復習出題ボックスの条件から外れた問題を復習出題ボックスから削除
10. 正解数に基づき、学習者に報酬を付与
11. 終了
【0083】
(4)出題形式
出題形式は、学習履歴情報に含まれる単語の学習状況を反映した出題レベルから決定する。なお、解答に同音異義語や紛らわしい不正解選択肢が出題されないよう単語ごとにブラックリストを設け、問題を生成する際にこのブラックリストを参照し該当する問題は排除するように出題部143aによって制御する。例えば、図6に示すボタンBtn2の中に同音異義語や紛らわしい不正解選択肢が含まれないように、出題の際に出題部143aによりブラックリストの参照及び不正解選択肢の生成制御を実行する。
【0084】
また、必須問題は単語マスター迄に必ず経由し習熟度が下がった後でも毎度経由する。
出題形式の内容は下表の通り。
【表2】
【表3】
【0085】
なお、上記表2及び表3中の注釈は以下の通りである。
※0 英語のスペルの前半部の文字を非表示にする。割り切れない場合には整数以下切り捨ててマスクする(例:5文字の場合はマスク2文字+テキスト3文字)。回答欄の場合はその非表示部分のスペル入力を求める。
※0-2 英語のスペルの後半部の文字を非表示にする。割り切れない場合には整数以下切り上げてマスクする(例:5文字の場合はテキスト2文字+マスク3文字)。回答欄の場合はその非表示部分のスペル入力を求める。
※1 英語スペルの一部(1文字以上50%以下)の文字を非表示にする。その際、必ず先頭の一文字は非表示となる。回答欄の場合はその非表示部分のスペル入力を求める。
※2 画像選択肢は下記の構成からなる。
・正解の画像1枚
・出題単語とともに出る画像0~1枚
この画像は出題単語と、対や類似の関係を持つ
・フェイク画像2~3枚(ただし出題単語に紐づくNGリストに該当しない単語に限る)
フェイク画像は「出題ボックス内の画像」を選択する。
出題ボックスの画像が空の場合はマスター済みの単語から選択する。
上記で選ばれた単語が全てNGだった場合はランダムな単語を選ぶ。
※3 出題テキストのうち現在入力すべき1文字を緑色で強調する。
※4 将来的には別のスペル学習モード(特に音声入力)をサポートする。
【0086】
(5)出題画面
学習者が見る出題画面(図6)には次の要素を適宜表示する。
・司会のキャラクターCa1
・n問目/10の表示(nの値は何問目を回答中かで変動する)Info2
・出題レベルに応じた単語の英語Q2
・出題レベルに応じた単語に紐づく日本語訳Q3
・出題レベルに応じた音声再生ボタンBtn3
・制限時間ゲージG1
・出題レベルに応じた単語に紐づく画像Q1
・単語に紐づく品詞
・出題レベル
・習熟度ゲージ
・出題レベルに応じた回答選択肢ボタンBtn2
【0087】
(6)回答の制限時間
回答は制限時間内で答える必要があり、制限時間を超えると不正解となる。時間は回答方式ごとに異なり、「四択回答」での制限時間は20秒とし、「スペル入力回答」の制限時間は、入力必要文字数×5秒とする。
【0088】
(7)報酬
学習者には、コース別に正答数に応じ報酬としてポイントが付与され、学習者は当日獲得したポイントの累計を確認できる。
「読みコース」の報酬としては、1~7問目までは正答数×10ポイントが付与され、8問目以降、前の正解数までの合計の2倍のポイントが付与される。ポイント2倍チャレンジに挑戦しなかった場合は今までのポイントをそのまま得ることができ、ポイント2倍チャレンジに挑戦し失敗した場合は今までのポイントの半分を得ることができる。
一方、「書きコース」の報酬としては、1~7問目までは正答数×20ポイントが付与され、8問目以降、前の正解数までの合計の2倍のポイントが付与される。
【0089】
なお、報酬付与の演出として、「確率変動」が用意してもよい。この「確率変動」演出では、読みコース・書きコースをプレイ中、突発イベント的に、「次の問題はポイントが2倍!」とか「次のマグたんに全問正解すると、ハートが30分間消費しない!」とか、娯楽性を高めることで学習意欲を継続させたり、正解へのプレッシャーが強くなるような変化をもたらすようにしてもよい。
【0090】
さらに、報酬付与の特別な演出として「殿堂入り単語の報酬」が設けられている。この「殿堂入り単語」とは、マスター問題蓄積部によって、学習履歴情報から所定の回数正答した問題を抽出してグルーピングして蓄積された単語である。この「殿堂入り単語の報酬」は、読みコース/書きコースそれぞれに、単語が「殿堂入り」となった際にもらえる報酬であり、一定レベル以上の習熟度に到達した単語に対して付与される。
【0091】
(8)プレイ回数の上限
ポイントが無限に獲得できてしまうため、一日のプレイ回数に上限を設けるようにしてもよい。ポイントはプレイすればするほど手に入る仕様とし、上限は設けない。なお、フリー会員とプレミアム会員で、プレイ回数の上限値に差異を設けてもよい。このプレイ回数の上限は、図4に示したステップS203において、開始条件として判断するようにしてもよい。
【0092】
なお、プレイ回数に上限を設ける演出として、司会者キャラクターの出演時間に制限を設けるようにしてもよく、例えば「おやすみゲージ」といったように、司会者キャラクターの満足度を示すゲージを設け、学習ゲームを1回プレイする度にゲージが1つ貯まり、一定値に達すると司会者キャラクターが居眠りを始めるなどの演出を行う。このとき、学習チャレンジ中のポイント2倍チャレンジ最終問題に、ゲージチャンス問題といった時間延長のためのイベント処理が不定期(確率1/2)に出現するようにしてもよい。このゲージチャンス問題に正解すると「おやすみゲージ」は増えないので連続的にチャレンジできるようになりプレイ可能時間が延長されることとなる。ゲージが一定値に到達すると、それ以上にプレイしようとしても「つめこみ過ぎは良くありません!」等のメッセージが出力されプレイを碇止させるようにしてもよい。
【0093】
(9)イベント
その他の演出としては、インターネット2を通じて学習者同士で、限定配信期間内のマスター単語数を競うイベントを企画してもよい。例えば、学習者ごとにマスター単語数を集計し期間内のランク付けを行うなどが挙げられる。また、専用のブログを設けて毎週ランキング状況を発表するようにしてもよい。
【0094】
また、アプリケーション内で毎日ユーザーへ現状を伝えるようにしてもよい。学習者へ伝える情報としては、例えば、現状の自分のランキング順位や、現状の自分のマスター単語数、今回集計時の自分より1つ上位のユーザーのマスター単語数、報酬などが挙げられる。また、学習を継続させるモチベーション維持のために、所定の期間内に1度以上プレイした学習者は下記の報酬を付与するようにしてもよい。
・ランク上位者への報酬
・抽選による報酬
・参加報酬
【0095】
(10)学習レポート
本実施形態では、学習者の学習モチベーション、保護者の課金モチベーションを保たせるためにレポート機能として、レポート配信部38が設けられている。このレポート機能による学習レポートによれば、学習者に学習状況を把握させ、学習成果や今後の成長に対する期待値、苦手箇所の把握、英検合格や学年別の学習ラインとの差異や到達度などを提示することで、学習に対するモチベーションの創出と維持向上を目指す。学習者に苦手箇所をわかりやすく把握させることで自主的な復習を促すことができる。また、学習者の成果を保護者に確認させて保護者が学習者を褒める機会及びマインドの創出となる情報を提示することで、親子間のコミュニケーションを活性化させることができる。
【0096】
学習レポートは、学習者自身がマスターした単語数等の情報を提供し、学習成果や苦手箇所を把握させるもので、Eメールで保護者や大人の学習者自身へ向けた、アプリケーション内よりも詳細な学習レポートが受信できるようにする。このレポートメールはプレミアム会員(定額課金)ユーザー限定としてもよい。
【0097】
また、学習者は、図8及び図9に示すような、アプリケーション内のレポート機能によって自身の進度状況を確認できる。学習者は、アプリケーション内のトップ画面から「学習レポート」ボタンを押下することで、オプションモードの一つとして学習レポート内容を表示させ閲覧することができる。
【0098】
レポート内容には、これまでの学習成果や日ごとの学習日誌や単語帳info5(図8)等として、リスニング・リーディング・ライティングなど出題形式別のマスターした単語或いは苦手な単語の数や一覧表、現在の学習到達度レベル(英検の級数、学年など)を含めることができる。学習者は、このレポートの一覧表中にある各単語を選択指示することにより、図9に示すような、その単語の詳細情報info6として、その単語の英文、日本語訳、イラスト、音声を視聴することができる。
【0099】
上記Eメール形式のレポートでは、保護者または学習者に対して、学習の進度状況などの情報を提供する。このレポート内容としては、司会者キャラクターがマネージャーとなって報告やアドバイスをするような形で、マスターした単語数に応じて文面を変えたりして、親子のコミュニケーションが発生するようなものにすることが好ましい。例えば、マスターした単語数の報告では、上記アプリケーション内のレポート機能に加えて、前回レポート送信時にマスターした単語数との比較や、現在までで1日にマスターした単語の最高数を記載したり、保護者から学習者にメッセージを送れるようにして、学習者がアプリケーション内で保護者からのメッセージを確認できるようにする。
【0100】
さらに、これらアプリケーション内外のレポート機能では、「未来のレベル」として、現在までの学習の進捗速度に基づいて、その進捗速度で学習した場合に予測される将来的な到達レベルを提供するようにしてもよい。例えば、予測される将来的な到達レベルに応じて、「いい調子です」、「ものすごい早いです」、「着実にすすんでいます」といったペースに対する案内とともに、「このペースで学習すると、1年後には○○○単語マスターして、△△△学年レベル・英検○級が目指せます!」といったメッセージを含めることができる。
【0101】
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、反復学習に際し再出題するインターバルや出題形式を適宜変化させて学習者の学習意欲を維持するとともに、定着率及び正答率を向上させることができる。すなわち、本実施形態によれば、クイズ形式で次々と単語に関する問題を解いていくうちに、自然と英単語を覚えていくことができ、各学習者が楽しんで学べる英単語学習を実現し、英語を本格的に学んだことのない学習者であってもゲーム性のあるコンテンツで遊ぶうちに、自然と単語の持つ意味(日本語や絵)・音・つづり(スペル)を覚えていく仕組みにより、効率よく学べる英単語学習を実現できる。
【符号の説明】
【0102】
G1…制限時間ゲージ
Q1…絵
Q2…原文
Q2…英語
Q3…日本語訳
U(Ua,Ub)…学習者
1a,1b…スマートフォン
2…インターネット
3…学習支援サーバー
11…通信インターフェース
12…入力インターフェース
12a…タッチパネル
13…出力インターフェース
13a…ディスプレイ
14…アプリケーション実行部
15…メモリ
22…無線基地局
31…通信インターフェース
32…アクセス管理部
33…認証部
34…学習データ配信部
35…データベース群
35a…音声辞書データベース
35b…ユーザーデータベース
35c…学習支援用データベース
36…学習支援進行処理部
37…発声学習管理部
38…レポート配信部
141…学習支援進行処理部
142…シナリオ制御部
143…イベント制御部
143a…出題部
143b…解答取得部
143c…判定部
143d…再出題設定部
143e…出題条件決定部
144…音声認識処理部
144a…評価部
145…表示制御部
145a…表示モード切替部
146…表示データ生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9