(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】クリーニングヘッド
(51)【国際特許分類】
B08B 5/00 20060101AFI20220809BHJP
B08B 1/02 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B08B5/00 A
B08B1/02
(21)【出願番号】P 2021181802
(22)【出願日】2021-11-08
【審査請求日】2021-12-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511254284
【氏名又は名称】ヒューグル開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】片岡 義彦
(72)【発明者】
【氏名】白根 智博
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特許第5008706(JP,B2)
【文献】特開2015-213860(JP,A)
【文献】特開2007-014846(JP,A)
【文献】国際公開第2019/082456(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/00
B08B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、
対象物の縁部分の面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する吐出口と、
前記対象物の前記縁部分の縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する吸引口と、を有
し、
前記対象物の前記縁線に沿った方向において前記吐出口と前記吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記吸引口の幅は、当該方向における前記吐出口の幅よりも大きい、クリーニングヘッド。
【請求項2】
給気機構に結合される気体噴射室と、
吸気機構に結合される気体吸引室と、
前記気体噴射室と前記吐出口とをつなぐ給気経路と、
前記気体吸引室と前記吸引口とをつなぐ吸気経路と、を有し、
前記給気経路は、前記気体噴射室からの気体が前記吐出口から前記対象物の前記縁部分の面に対して斜めに噴出するように誘導する傾斜誘導部を含む、請求項1記載のクリーニングヘッド。
【請求項3】
前記吐出口はスリット状に形成され、
前記給気経路は、前記スリット状の前記吐出口に続く2つの面で挟まれた隙間として形成された部分を含む、請求項2記載のクリーニングヘッド。
【請求項4】
前記2つの面の少なくとも一方の面には、前記気体の流動方向を横切る方向に延びる凹凸条部が形成された、請求項3記載のクリーニングヘッド。
【請求項5】
前記傾斜誘導部は、前記2つの面の間に形成された壁であって、前記給気経路を流動する気体を前記吐出口から前記対象物の前記縁部分の面に対して斜めに吐出するように誘導する傾斜誘導壁を含む、請求項3または4記載のクリーニングヘッド。
【請求項6】
表面及び裏面を有する対象物の縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、
対象物の表面に対して設けられる第1ヘッド部と、
前記対象物の裏面に対して設けられる第2ヘッド部と、を有し、
前記第1ヘッド部は、
前記対象物の前記縁部分の前記表面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する第1吐出口と、
前記対象物の前記縁部分の縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する第1吸引口と、を有し、
前記対象物の前記縁線に沿った方向において前記第1吐出口と前記第1吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記第1吸引口の幅は、当該方向における前記第1吐出口の幅よりも大きく、
前記第2ヘッド部は、
前記対象物の前記縁部分の前記裏面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する第2吐出口と、
前記対象物の前記縁部分の前記縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する第2吸引口と、を有
し、
前記対象物の前記縁線に沿った方向において前記第2吐出口と前記第2吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記第2吸引口の幅は、当該方向における前記第2吐出口の幅よりも大きい、クリーニングヘッド。
【請求項7】
前記第1ヘッド部は、
給気機構に結合される第1気体噴射室と、
吸気機構に結合される第1気体吸引室と、
前記第1気体噴射室と前記第1吐出口とをつなぐ第1給気経路と、
前記第1気体吸引室と前記第1吸引口とをつなぐ第1吸気経路と、を有し、
前記第1給気経路は、前記第1気体噴射室からの気体が前記第1吐出口から前記対象物の前記縁部分の前記表面に対して斜めに吐出するように誘導する第1傾斜誘導部を含み、
前記第2ヘッド部は、
給気機構に結合される第2気体噴射室と、
吸気機構に結合される第2気体吸引室と、
前記第2気体噴射室と前記第2吐出口とをつなぐ第2給気経路と、
前記第2気体吸引室と前記第2吸引口とをつなぐ第2吸気経路と、を有し、
前記第2給気経路は、前記第2気体噴射室からの気体が前記第2吐出口から前記対象物の前記縁部分の前記裏面に対して斜めに吐出するように誘導する第2傾斜誘導部を含む、請求項6記載のクリーニングヘッド。
【請求項8】
表面及び裏面を有する対象物の縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、
対象物の縁部分の表面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する第1吐出口と、
前記対象物の前記縁部分の裏面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する第2吐出口と、
前記対象物の前記縁部分の縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する吸引口と、を有
し、
前記対象物の前記縁線に沿った方向において前記第1吐出口と第2吐出口と前記吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記吸引口の幅は、当該方向における前記第1吐出口及び第2吐出口のそれぞれの幅よりも大きい、クリーニングヘッド。
【請求項9】
それぞれ給気機構に結合される第1気体噴射室及び第2気体噴射室と、
吸気機構に結合される気体吸引室と、
前記第1気体噴射室と前記第1吐出口とをつなぐ第1給気経路と、
前記第2気体噴射室と前記第2吐出口とをつなぐ第2給気経路と、
前記気体吸引室と前記吸引口とをつなぐ吸気経路と、を有し、
前記第1給気経路は、前記第1気体噴射室からの気体が前記第1吐出口から前記対象物の前記縁部分の前記表面に対して斜めに吐出するように誘導する第1傾斜誘導部を含み、
前記第2給気経路は、前記第2気体噴射室からの気体が前記第2吐出口から前記対象物の前記縁部分の前記裏面に対して斜めに吐出するように誘導する第2傾斜誘導部を含む、請求項8記載のクリーニングヘッド。
【請求項10】
シートの縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、
シートの縁部分の表面に対向するように配置される第1面と、
前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けて配置される第2面と、を有し、
前記第1面に、前記第2面に向う側に斜めに気体を噴出するように吐出口が形成され、
前記第2面に気体を吸引する吸引口が形成さ
れ、
前記シートの前記縁線に沿った方向において前記吐出口と前記吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記吸引口の幅は、当該方向における前記吐出口の幅よりも大きい、クリーニングヘッド。
【請求項11】
シートの縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、
シートの表面に対して設けられる第1ヘッド部と、
前記シートの裏面に対して設けられる第2ヘッド部と、を有し、
前記第1ヘッド部は、
前記シートの縁部分の表面に対向するように配置される第1ヘッド側第1面と、
前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けて配置される第1ヘッド側第2面と、を有し、
前記第1ヘッド側第1面に、前記第1ヘッド側第2面に向う側に斜めに気体を噴出する第1吐出口が形成され、
前記第1ヘッド側第2面に、気体を吸引する第1吸引口が形成され、
前記シートの前記縁線に沿った方向において前記第1吐出口と前記第1吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記第1吸引口の幅は、当該方向における前記第1吐出口の幅よりも大きく、
前記第2ヘッド部は、
前記シートの前記縁部分の裏面に対向するように配置される第2ヘッド側第1面と、
前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けて配置される第2ヘッド側第2面と、を有し、
前記第2ヘッド側第1面に、前記第2ヘッド側第2面に向う側に斜めに気体を噴出する第2吐出口が形成され、
前記第2ヘッド側第2面に、気体を吸引する第2吸引口が形成され
、
前記シートの前記縁線に沿った方向において前記第2吐出口と前記第2吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記第2吸引口の幅は、当該方向における前記第2吐出口の幅よりも大きい、クリーニングヘッド。
【請求項12】
シートの縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、
溝部を構成する、相互に対向する第1面及び第2面と底面としての第3面とを有し、
前記第1面に、前記第3面に向う側に斜めに気体を噴出する第1吐出口が形成され、
前記第2面に、前記第3面に向う側に斜めに気体を噴出する第2吐出口が形成され、
前記第3面に、気体を吸引する吸引口が形成され、
前記第1面が前記シートの前記縁部分の前記表面に対向し、前記第2面が前記シートの縁部分の前記裏面に対向し、前記第3面が前記シートの前記縁部分の縁線の外側に配置さ
れ、
前記シートの前記縁線に沿った方向において前記第1吐出口と第2吐出口と前記吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記吸引口の幅は、当該方向における前記第1吐出口及び第2吐出口のそれぞれの幅よりも大きい、クリーニングヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニングヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載された除塵ヘッド(クリーニングヘッド)が知られている。この除塵ヘッドは、シート状のワークW(対象物)の縁部分に付着した塵埃を除去するものであって、気体を噴出する3つの吐出孔と気体を吸引する6つの吸引孔とを有している。具体的には、2つの吸引孔とその間に位置する1つの吐出口とが移動するワークWの縁部分の表面に対向するように配置され、2つの吸引孔とその間に位置する1つの吐出口がワークWの縁部分の裏面に対向するように配置され、更に、2つの吸引孔とその間に位置する1つの吐出口がワークWの縁部分の縁線に対向するように配置されている。
【0003】
このような構造の除塵装置では、シート状のワークWが移動する状況において、3つの吐出孔から気体が噴出するとともに6つの吸引孔から気体が吸引される。これにより、移動するワークWの表面、裏面、縁線に付着した塵埃が3つの吐出孔の3方向から噴出される気体によって吹き飛ばされ、それら吹き飛ばされた塵埃が気体とともに6つの吸引孔から3方向に吸引される。その結果、シート状のワークWの縁部分の表面、裏面、及び縁線に付着した塵埃が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような除塵ヘッドでは、ワークWの縁部分の表面(裏面)に対して垂直に吐出孔から気体が噴出する(例えば、特許文献1の
図9参照)ので、ワークWの縁部分の縁線の内方に吹き飛ばされる塵埃が発生し得る。このような塵埃を、ワークWの縁線に沿って並ぶ2つの吸引孔によって気体とともに有効に吸引することができない。このため、ワークWの縁部分より内側の表面に塵埃が残ってしまう可能性がある。このようなことは、ワークWの裏面側においても同様に生じ得る。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、対象物の縁部分に付着した塵埃を確実に除去することのできるクリーニングヘッドを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るクリーニングヘッドは、対象物の縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、対象物の縁部分の面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する吐出口と、前記対象物の前記縁部分の縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する吸引口と、を有し、前記対象物の前記縁線に沿った方向において前記吐出口と前記吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記吸引口の幅は、当該方向における前記吐出口の幅よりも大きい、構成となる。
【0008】
このような構成により、対象物の縁部分の面に付着した塵埃は、吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。その吹き飛ばされる塵埃は、前記対象物の縁部分の縁線より外側に配置された吸引口により気体とともに吸引され得る。
【0009】
本発明に係るクリーニングヘッドにおいて、給気機構に結合される気体噴射室と、吸気機構に結合される気体吸引室と、前記気体噴射室と前記吐出口とをつなぐ給気経路と、前記気体吸引室と前記吸引口とをつなぐ吸気経路と、を有し、前記給気経路は、前記気体噴射室からの気体が前記吐出口から前記対象物の前記縁部分の面に対して斜めに噴出するように誘導する傾斜誘導部を含む、構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、給気機構からの気体が気体噴射室から給気経路を通り吐出口に至る。給気経路を通る気体は、傾斜誘導部によって誘導されて吐出口から対象物の縁部分の面に対して斜めに、当該対象物の前記縁部分から外方に向かう側に、噴出される。そして、吐出口から噴出される気体により前記対象物の前記縁部分から外方に吹き飛ばされる塵埃は、吸気機構の吸気作用によって、吸引口により気体とともに吸引され、吸気経路を通って気体吸引室に至る。
【0011】
本発明に係るクリーニングヘッドにおいて、前記吐出口はスリット状に形成され、前記給気経路は、前記スリット状の前記吐出口に続く2つの面で挟まれた隙間として形成された部分を含む、構成とすることができる。
【0012】
このような構成により、給気機構からの気体が気体噴射室から、給気経路における2つの面で挟まれた隙間として形成された部分を通ってスリット状の吐出口から噴出される。
【0013】
本発明に係るクリーニングヘッドにおいて、前記2つの面の少なくとも一方の面には、前記気体の流動方向を横切る方向に延びる凹凸条部が形成された、構成とすることができる。
【0014】
このような構成により、給気経路における2つの面で挟まれた隙間として形成された部分を気体が通過する際に、凹凸条部によってその通過する気体が振動するようになり、スリット状の吐出口から振動する状態の気体が噴出される。このような振動する状態の気体によって対象物の縁部分に付着した塵埃が除去され易くなり得る。
【0015】
本発明に係るクリーニングヘッドにおいて、前記傾斜誘導部は、前記2つの面の間に形成された壁であって、前記給気経路を流動する気体を前記吐出口から前記対象物の前記縁部分の面に対して斜めに吐出するように誘導する傾斜誘導壁を含む、構成とすることができる。
【0016】
このような構成により、給気経路を通る気体は、2つの面の間に形成された傾斜誘導壁によって誘導されて吐出口から対象物の縁部分の面に対して斜めに、当該対象物の前記縁部分から外方に向かう側に、噴出される。
【0017】
本発明に係るクリーニングヘッドは、表面及び裏面を有する対象物の縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、対象物の表面に対して設けられる第1ヘッド部と、前記対象物の裏面に対して設けられる第2ヘッド部と、を有し、前記第1ヘッド部は、前記対象物の前記縁部分の前記表面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する第1吐出口と、前記対象物の前記縁部分の縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する第1吸引口と、を有し、前記対象物の前記縁線に沿った方向において前記第1吐出口と前記第1吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記第1吸引口の幅は、当該方向における前記第1吐出口の幅よりも大きく、前記第2ヘッド部は、前記対象物の前記縁部分の前記裏面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する第2吐出口と、前記対象物の前記縁部分の前記縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する第2吸引口と、を有し、前記対象物の前記縁線に沿った方向において前記第2吐出口と前記第2吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記第2吸引口の幅は、当該方向における前記第2吐出口の幅よりも大きい、構成となる。
【0018】
このような構成により、対象物の縁部分の表面に付着した塵埃は、第1ヘッド部の第1吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。その吹き飛ばされる塵埃は、第1ヘッド部の前記対象物の縁部分の縁線より外側に配置された第1吸引口により気体とともに吸引され得る。また、対象物の縁部分の裏面に付着した塵埃は、第2ヘッド部の第2吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。その吹き飛ばされる塵埃は、第2ヘッド部の前記対象物の縁部分の縁線より外側に配置された第2吸引口により気体とともに吸引される。
【0019】
本発明に係るクリーニングヘッドにおいて、前記第1ヘッド部は、給気機構に結合される第1気体噴射室と、吸気機構に結合される第1気体吸引室と、前記第1気体噴射室と前記第1吐出口とをつなぐ第1給気経路と、前記第1気体吸引室と前記第1吸引口とをつなぐ第1吸気経路と、を有し、前記第1給気経路は、前記第1気体噴射室からの気体が前記第1吐出口から前記対象物の前記縁部分の前記表面に対して斜めに吐出するように誘導する第1傾斜誘導部を含み、前記第2ヘッド部は、給気機構に結合される第2気体噴射室と、吸気機構に結合される第2気体吸引室と、前記第2気体噴射室と前記第2吐出口とをつなぐ第2給気経路と、前記第2気体吸引室と前記第2吸引口とをつなぐ第2吸気経路と、を有し、前記第2給気経路は、前記第2気体噴射室からの気体が前記第2吐出口から前記対象物の前記縁部分の前記裏面に対して斜めに吐出するように誘導する第2傾斜誘導部を含む、構成とすることができる。
【0020】
このような構成により、第1ヘッド部において、給気機構からの気体が第1気体噴射室から第1給気経路を通り第1吐出口に至る。第1給気経路を通る気体は、第1傾斜誘導部によって誘導されて第1吐出口から対象物の縁部分の表面に対して斜めに、当該対象物の前記縁部分から外方に向かう側に、噴出される。そして、第1吐出口から噴出される気体により前記対象物の前記縁部分の表面から外方に吹き飛ばされる塵埃は、吸気機構の吸気作用によって、第1吸引口により気体とともに吸引され、第1吸気経路を通って第1気体吸引室に至る。また、第2ヘッド部において、給気機構からの気体が第2気体噴射室から第2給気経路を通り第2吐出口に至る。第2給気経路を通る気体は、第2傾斜誘導部によって誘導されて第2吐出口から対象物の縁部分の裏面に対して斜めに、当該対象物の前記縁部分から外方に向かう側に、噴出される。そして、第2吐出口から噴出される気体により前記対象物の前記縁部分の裏面から外方に吹き飛ばされる塵埃は、吸気機構の吸気作用によって、第2吸引口により気体とともに吸引され、第2吸気経路を通って第2気体吸引室に至る。
【0021】
本発明に係るクリーニングヘッドは、表面及び裏面を有する対象物の縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、対象物の縁部分の表面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する第1吐出口と、前記対象物の前記縁部分の裏面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する第2吐出口と、前記対象物の前記縁部分の縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する吸引口と、を有し、前記対象物の前記縁線に沿った方向において前記第1吐出口と第2吐出口と前記吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記吸引口の幅は、当該方向における前記第1吐出口及び第2吐出口のそれぞれの幅よりも大きい、構成となる。
【0022】
このような構成により、対象物の縁部分の表面に付着した塵埃は、第1吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。また、前記対象物の前記縁部分の裏面に付着した塵埃は、第2吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。前記対象物の縁部分の表面及び裏面のそれぞれから外方に吹き飛ばされる塵埃は、前記対象物の縁部分の縁線より外側に配置された吸引口により気体とともに吸引され得る。
【0023】
本発明に係るクリーニングヘッドは、それぞれ給気機構に結合される第1気体噴射室及び第2気体噴射室と、吸気機構に結合される気体吸引室と、前記第1気体噴射室と前記第1吐出口とをつなぐ第1給気経路と、前記第2気体噴射室と前記第2吐出口とをつなぐ第2給気経路と、前記気体吸引室と前記吸引口とをつなぐ吸気経路と、を有し、前記第1給気経路は、前記第1気体噴射室からの気体が前記第1吐出口から前記対象物の前記縁部分の前記表面に対して斜めに吐出するように誘導する第1傾斜誘導部を含み、前記第2給気経路は、前記第2気体噴射室からの気体が前記第2吐出口から前記対象物の前記縁部分の前記裏面に対して斜めに吐出するように誘導する第2傾斜誘導部を含む、構成とすることができる。
【0024】
このような構成により、給気機構からの気体が第1気体噴射室から第1給気経路を通り第1吐出口に至る。第1給気経路を通る気体は、第1傾斜誘導部によって誘導されて第1吐出口から対象物の縁部分の表面に対して斜めに、当該対象物の前記縁部分から外方に向かう側に、噴出される。また、給気機構からの気体が第2気体噴射室から第2給気経路を通り第2吐出口に至る。第2給気経路を通る気体は、第2傾斜誘導部によって誘導されて第2吐出口から対象物の縁部分の裏面に対して斜めに、当該対象物の前記縁部分から外方に向かう側に、噴出される。そして、第1吐出口から噴出される気体により前記対象物の前記縁部分の表面から外方に吹き飛ばされる塵埃、及び第2吐出口から噴出される気体により前記対象物の前記縁部分の裏面から外方に吹き飛ばされる塵埃は、吸気機構の吸気作用によって、吸引口により気体とともに吸引され、吸気経路を通って気体吸引室に至る。
【0025】
本発明に係るクリーニングヘッドは、シートの縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、シートの縁部分の表面に対向するように配置される第1面と、前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けて配置される第2面と、を有し、前記第1面に、前記第2面に向う側に斜めに気体を噴出するように吐出口が形成され、前記第2面に気体を吸引する吸引口が形成され、前記シートの前記縁線に沿った方向において前記吐出口と前記吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記吸引口の幅は、当該方向における前記吐出口の幅よりも大きい、構成となる。
【0026】
このような構成により、クリーニングヘッドは、シートに対して、第1面がシートの縁部分の表面に対向するとともに、第2面が前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けた状態で配置される。この状態で、第1面の吐出口から第2面に向かう側に斜めに気体が噴出することにより、前記シートの縁部分の表面に付着した塵埃は、前記吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされ得る。その吹き飛ばされる塵埃は、前記シートの縁部分の縁線の外側に配置される第2面に形成された吸引口に気体とともに吸引され得る。
【0027】
本発明に係るクリーニングヘッドは、シートの縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、シートの表面に対して設けられる第1ヘッド部と、前記シートの裏面に対して設けられる第2ヘッド部と、を有し、前記第1ヘッド部は、前記シートの縁部分の表面に対向するように配置される第1ヘッド側第1面と、前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けて配置される第1ヘッド側第2面と、を有し、前記第1ヘッド側第1面に、前記第1ヘッド側第2面に向う側に斜めに気体を噴出する第1吐出口が形成され、前記第1ヘッド側第2面に、気体を吸引する第1吸引口が形成され、前記シートの前記縁線に沿った方向において前記第1吐出口と前記第1吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記第1吸引口の幅は、当該方向における前記第1吐出口の幅よりも大きく、前記第2ヘッド部は、前記シートの前記縁部分の裏面に対向するように配置される第2ヘッド側第1面と、前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けて配置される第2ヘッド側第2面と、を有し、前記第2ヘッド側第1面に、前記第2ヘッド側第2面に向う側に斜めに気体を噴出する第2吐出口が形成され、前記第2ヘッド側第2面に、気体を吸引する第2吸引口が形成され、前記シートの前記縁線に沿った方向において前記第2吐出口と前記第2吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記第2吸引口の幅は、当該方向における前記第2吐出口の幅よりも大きい、構成となる。
【0028】
このような構成により、第1ヘッド部は、シートに対して、第1ヘッド部側第1面がシートの縁部分の表面に対向するとともに、第1ヘッド側第2面が前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けた状態で配置されるとともに、第2ヘッドは、シートに対して、第2ヘッド部側第1面がシートの縁部分の裏面に対向するとともに、第2ヘッド側第2面が前記シートの前記縁部分の縁線の外側に、前記縁部分側に向けた状態で配置される。第1ヘッド部及び第2ヘッド部がこのようにシートに対して配置された状態のクリーニングヘッドにおいて、第1ヘッド側第1面の第1吐出口から第1ヘッド側第2面に向かう側に斜めに気体が噴出することにより、前記シートの縁部分の表面に付着した塵埃は、前記第1吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされ得る。その吹き飛ばされる塵埃は、前記シートの縁部分の縁線の外側に配置される第1ヘッド側第2面に形成された第1吸引口に気体とともに吸引され得る。また、第2ヘッド側第1面の第2吐出口から第2ヘッド側第2面に向かう側に斜めに気体が噴出することにより、前記シートの縁部分の裏面に付着した塵埃は、前記第2吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされ得る。その吹き飛ばされる塵埃は、前記シートの縁部分の縁線の外側に配置される第2ヘッド側第2面に形成された第2吸引口に気体とともに吸引され得る。
【0029】
本発明に係るクリーニングヘッドは、シートの縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、溝部を構成する、相互に対向する第1面及び第2面と底面としての第3面とを有し、前記第1面に、前記第3面に向う側に斜めに気体を噴出する第1吐出口が形成され、前記第2面に、前記第3面に向う側に斜めに気体を噴出する第2吐出口が形成され、前記第3面に、気体を吸引する吸引口が形成され、前記第1面が前記シートの前記縁部分の前記表面に対向し、前記第2面が前記シートの縁部分の前記裏面に対向し、前記第3面が前記シートの前記縁部分の縁線の外側に配置され、前記シートの前記縁線に沿った方向において前記第1吐出口と第2吐出口と前記吸引口とは重なるように配置されるともに、当該方向における前記吸引口の幅は、当該方向における前記第1吐出口及び第2吐出口のそれぞれの幅よりも大きい、構成となる。
【0030】
このような構成により、シートの縁部分の表面が第1面に対向し、当該シートの縁部分の裏面が第2面に対向し、シートの前記縁部分の縁線の外側に第3面が配置されるように、前記シートが前記第1面、前記第2面及び前記第3面(底面)で構成された溝部に対して配置される。この状態で、第1面の第1吐出口から第3面に向かう側に斜めに気体が噴出することにより、前記シートの縁部分の表面に付着した塵埃は、前記第1吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされ得る。その吹き飛ばされる塵埃は、前記シートの縁部分の縁線の外側に配置される第3面に形成された吸引口に気体とともに吸引され得る。また、第2面の第2吐出口から第3面に向かう側に斜めに気体が噴出することにより、前記シートの縁部分の裏面に付着した塵埃は、前記第2吐出口から噴出する気体によりその縁部分から外方に吹き飛ばされ得る。その吹き飛ばされる塵埃は、前記シートの縁部分の縁線の外側に配置される第3面に形成された吸引口に気体とともに吸引され得る。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係るクリーニングヘッドによれば、吐出口から噴出する気体により対象物の縁部分から外方に吹き飛ばされた塵埃が、その対象物の縁部分の縁線より外側に配置された吸引口により気体とともに吸引され得るので、対象物の縁部分に付着した塵埃を確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、スリッタによって切断されるシートの縁部分に配置された本発明の実施の一形態に係るクリーニングヘッドを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るクリーニングヘッドの外観を示す側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係るクリーニングヘッドを示す正面図である。
【
図4】
図4は、クリーニングヘッドの
図3におけるA1-A1断面を示す断面図である。
【
図5】
図5は、クリーニングヘッドの
図4におけるB1-B1断面を示す断面図である。
【
図6】
図6は、クリーニングヘッドの
図3におけるC1-C1断面を示す断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係るクリーニングヘッドの変形例を示す図(側面図)である。
【
図8】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るクリーニングヘッドの外観を示す側面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2の実施の形態に係るクリーニングヘッドを示す正面図である。
【
図10】
図10は、クリーニングヘッドの
図9におけるA2-A2断面を示す断面図である。
【
図12】
図12は、クリーニングヘッドの
図9におけるC1-C1断面を示す断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の第2の実施の形態に係るクリーニングヘッドの変形例を示す図(側面図)である。
【
図14】
図14は、本発明の第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドを示す側面図である。
【
図15】
図15は、本発明の第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドを示す平面図である。
【
図16A】
図16Aは、本発明の第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドの対象物に対する他の配置例を示す図(側面図)である。
【
図16B】
図16Bは、本発明の第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドの対象物に対する更に他の配置例を示す図(側面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0034】
本発明の第1の実施の形態に係るクリーニングヘッドは、例えば、
図1に示すように使用することができる。
【0035】
図1において、クリーニングヘッド10は、長尺のシート(例えば、光学フィルムやプリント基板材料、二次電池材料)をある幅でその長手方向に切断するスリッタ―において使用される。スリッターにおいて、ローラ200に対向するように円盤状のスリッター刃100が設けられている。ロール(不図示)から繰り出されるシートがローラ200と回転するスリッタ―刃100との間を通過する過程で、スリッター刃100によって長手方向に切断されて所定幅の2つのシート材S1、S2に分かれて送られていく。2つのシート材S1、S2の切断線S1c、S2cのそれぞれをカバーするようにクリーニングヘッド10が設けられている。クリーニングヘッド10は、切断により発生してシート材S1、S2(対象物)それぞれの切断線S1c、S2c(縁線)からある幅の縁部分の表面及び裏面に付着した塵埃を除去する。
【0036】
本発明の第1の実施の形態に係るクリーニングヘッド10は、
図2乃至
図6に示すように構成される。なお、
図2はクリーニングヘッド10の外観を示す側面図、
図3はクリーニングヘッド10を示す正面図、
図4はクリーニングヘッド10の
図3におけるA1-A1断面を示す断面図、
図5はクリーニングヘッド10の
図4におけるB1-B1断面を示す断面図、また、
図6はクリーニングヘッド10の
図3におけるC1-C1断面を示す断面図である。
【0037】
図2乃至
図6において、このクリーニングヘッド10は、それぞれ金属(例えば、アルミニウム)製のブロック体で構成される第1ヘッド部10aと第2ヘッド部10bとを有する。第1ヘッド部10aと第2ヘッド部10bとは、同じ構造であって、相互に対向し、対称的に配置される。なお、第1ヘッド部10aと第2ヘッド部10bとは、連結プレート等(図示略)により結合されることにより一体化されている。
【0038】
第1ヘッド部10aの背面には給気ポート11aと排気ポート12aが設けられ、第2ヘッド部10bの背面にも給気ポート11bと排気ポート12bが設けられている(
図2参照)。給気ポート11a、11bのそれぞれは、コンプレッサー等の高圧エア(気体)を送り出す給気機構(図示略)に接続される。排気ポート12a、12bのそれぞれは、エアを吸引するバキューム装置等の吸気機構(図示略)に接続される。第1ヘッド部10aの第2ヘッド部10bに対向する側に、第1ヘッド側第1面13aと、第1ヘッド側第1面13aの端縁から第2ヘッド部10b側に直角に立ち上がる第1ヘッド側第2面14aとが形成されている。また、第2ヘッド部10bの第1ヘッド部10aに対向する側に、第2ヘッド側第1面13bと、第2ヘッド側第1面13bの縁端から第1ヘッド部10a側に直角に立ち上がる第2ヘッド側第2面14bとが形成されている。
【0039】
第1ヘッド部10aと第2ヘッド部10bとは、第1ヘッド側第1面13aと第2ヘッド側第1面13bとが所定の間隔をもって対向するとともに、第1ヘッド側第2面14aと第2ヘッド側第2面14bとが同じ方向(前方)を向いて僅かな隙間をもって並ぶように、配置されている。そして、相互に対向する第1ヘッド側第1面13a及び第2ヘッド側第1面13bと、同じ方向を向いて僅かな隙間をもって並んで配置される第1ヘッド側第2面14a及び第2ヘッド側第2面14bとによって形成される溝部15に、除塵の対象物であるシートSの縁部分が通るように、シートSに対してクリーニングヘッド10がセットされる(
図1、
図2参照)。
【0040】
第1ヘッド側第1面13aには、第1ヘッド側第2面14aに向かう方向(例えば、第1ヘッド側第2面14aに対して垂直な方向、
図5における紙面に垂直な方向、
図6における左右方向)に延びるスリット状の第1吐出口21aが形成されている(
図5、
図6参照)。第1吐出口21aは、溝部15を通るシートS(対象物)の縁部分の一方の面(表面)に対向するようになる(
図4参照)。第2ヘッド側第1面13bにも、第2ヘッド側第2面14bに向かう方向(例えば、第2ヘッド側第2面14bに対して垂直な方向)に延びるスリット状の第
2吐出口21bが形成されている。第2吐出口21bは、溝部15を通るシートS(対象物)の縁部分の他方の面(裏面)に対向するようになる(
図4参照)。
【0041】
また、シートSの縁部分の縁線より外側に配置される第1ヘッド側第2面14aにはシートSの移動方向(
図3、
図5において横方向)側に長い長方形状の第1吸引口22aが形成されている(
図3、
図5参照)。また、シートSの縁部分の縁線より外側に配置される第2ヘッド側第2面14bにも、シートSの移動方向側に長い長方形状の第2吸引口22bが形成されている(
図3、
図5参照)。
【0042】
特に、
図4を参照するに、第1ヘッド部10aには、給気ポート11aからつながる第1気体噴射室23aが形成され、更に、第1気体噴射室23aと第1ヘッド側第1面13aに形成された第1吐出口21aとをつなぐ第1給気経路25aが形成されている。給気機構から給気ポート11aを介して第1ヘッド部10aに導入される高圧エアは、第1気体噴射室23a及び第1給気経路25aを通って第1吐出口21aからシートSの縁部分の表面に向けて噴出するようになる。
【0043】
また、第1ヘッド部10aには、排気ポート12aにつながる第1気体吸引室24aが形成され、更に、第1気体吸引室24aと第1ヘッド側第2面14aに形成された第1吸引口22aとをつなぐ第1吸気経路27aが形成されている。吸気機構の吸気作用により、第1吸引口22aを通して吸引されるエアは、第1吸気経路27a及び第1気体吸引室24aを通り、排気ポート12aから吸気機構に向けて排出されるようになる。
【0044】
第2ヘッド部10bには、第1ヘッド部10bと同じように、給気ポート11bからつながる第2気体噴射室23bが形成され、更に、第2気体噴射室23bと第2ヘッド側第1面13bに形成された第2吐出口21bとつなぐ第2給気経路25bが形成されている。給気機構から給気ポート11bを介して第2ヘッド部10bに導入される高圧エアは、第2気体噴射室23b及び第2給気経路25bを通って第2吐出口21bからシートSの縁部分の裏面に向けて噴出するようになる。
【0045】
また、第2ヘッド部10bには、第1ヘッド部10aと同じように、排気ポート12bにつながる第2気体吸引室24bが形成され、更に、第2気体吸引室24bと第2ヘッド側第2面14bに形成された第2吸引口22bとをつなぐ第2吸気経路27bが形成されている。吸気機構の吸気作用により、第2吸引口22bを通して吸引されるエアは、第2吸気経路27b及び第2気体吸引室24bを通り、排気ポート12bから吸気機構に向けて排出されるようになる。
【0046】
第1ヘッド部10aにおいて、第1給気経路25aは、第1ヘッド側第1面13aにスリット状に形成された第1吐出口21aに続く2つの面に挟まれた隙間として形成され(
図5、
図6参照)、第1吐出口21aにおいて開放される。第1給気経路25aの第1吐出口21aに至る直前の部分には、当該第1給気経路25a(隙間)を形成する前記2つの面の間に形成され、第1吐出口21aから噴出するエアを第1ヘッド側第2面14a側に誘導する第1傾斜誘導壁26a(第1傾斜誘導部)が形成されている。この第1傾斜誘導壁26aにより、第1給気経路25aを通るエアは、第1吐出口21aからシートSの縁部分の表面に対して斜めに、当該シートSの縁部分から外方に向う方向側に、噴出されるようになる(
図4参照)。
【0047】
第2ヘッド部10bにおいて、第2給気経路25bは、第2ヘッド側第1面13bにスリット状に形成された第2吐出口21bに続く2つの面に挟まれた隙間として形成され、第2吐出口21bにおいて開放される。第2給気経路25bの第2吐出口21bに至る直前の部分には、当該第2吸気経路25bを形成する前記2つの面の間に形成され、第2吐出口21bから噴出するエアを第2ヘッド側第2面14b側に誘導する第2傾斜誘導壁26b(第2傾斜誘導部)が形成されている。この第2傾斜誘導壁26bにより、第2吸気経路25bを通るエアは、第2吐出口21bからシートSの縁部分の裏面に対して斜めに、当該シートSの縁部分から外方に向う方向側に、噴出されるようになる(
図4参照)。
【0048】
第1ヘッド部10aにおいて、第1給気経路25a(隙間)を形成する2つの面の一方には、
図4とともに
図5に示すように、エアの流動方向を横切る方向に延びる凹凸条部STが形成されている。第2ヘッド部10bにおいても、第2給気経路25b(隙間)を形成する2つの面の一方には、エアの流動方向を横切る方向に延びる凹凸条部STが形成されている。なお、第1給気経路25a(隙間)及び第2吸気経路25b(隙間)のそれぞれを形成する2つの面の双方に凹凸条部STを形成するようにしてもよい。また、凹凸条溝STに代えて、複数の突起を設けるようにしてもよい。
【0049】
上述したようなクリーニングヘッド10は、前述したように第1ヘッド部10aと第2ヘッド部10bとの間に形成される溝部15に長手方向に移動するシートSの縁部分が通るように(
図1、
図2参照)、当該シートSに対してセットされた状態で、次のように動作する。
【0050】
第1ヘッド部10aにおいて、給気ポート11aを介して給気機構に結合する第1気体噴射室23aは、当該給気機構から高圧エアが供給されている状態に維持される。このような状態で、第1気体噴射室23aからの高圧エアが第1給気経路25aを通って第1吐出口21aに至る。第1給気経路25aを通る高圧エアは、第1傾斜誘導壁26aによって誘導され、第1吐出口21aからシートSの縁部分の表面に対して斜めに、当該シートSの縁部分から外方に向う側に、噴出される(
図4参照)。そして、第1吐出口21aから噴出される高圧エアにより、シートSの縁部分の表面に付着している塵埃は、その縁部分から外方に吹き飛ばされる。
【0051】
排気ポート12aを介して吸気機構に結合する第1気体吸引室24aは、当該吸気機構の吸気作用によりエアが引かれている状態にある。このようにエアが引かれている状態の第1気体吸引室24aを介した前記吸気作用が、更に、第1吸気経路27aを通して第1吸引口22aに至り、その吸気作用によって、第1吐出口21aから噴出される高圧エアにより吹き飛ばされる前記塵埃がエアとともに第1吸引口22aから吸引される。そして、第1吸引口22aから吸引されるエア及び塵埃が第1吸気経路27a及び第1気体吸引室24aを通して排気ポート12aから排出される。排気ポート12aからエアとともに排出される塵埃は、吸気機構に至る前にフィルタ等(図示略)により除去される。
【0052】
このようにして、移動するシートSの縁部分の表面に付着した塵埃が第1ヘッド部10aにより除去されていく。
【0053】
第2ヘッド部10bにおいても、第1ヘッド部10aと同様に、給気ポート11bを介して給気機構に結合する第2気体噴射室23bからの高圧エアが第2給気経路25bを通って第2吐出口21bに至る。第2給気経路25bを通る高圧エアが、第2傾斜誘導壁26bによって誘導され、第1吐出口21aからシートSの縁部分の裏面に対して斜めに、当該シートSの縁部分から外方に向う側に、噴出される(
図4参照)。そして、第2吐出口21bから噴出される高圧エアにより、シートSの縁部分の表面に付着している塵埃は、その縁部分から外方に吹き飛ばされる。このように第2吐出口21bから噴出される高圧エアによりシートSの縁部分の裏面から外方に吹き飛ばされる塵埃は、第1ヘッド部10aの場合と同様に、吸気機構の吸気作用によって、第2吸引口22bからエアとともに吸引され、第2吸気経路27bを通って第2気体吸引室24bに至り、排気ポート11bから排出される。
【0054】
このようなクリーニングヘッド10によれば、第1ヘッド部10aにおける第1吐出口21aから噴出する高圧エアによりシートSの縁部分の表面に付着した塵埃がその縁部分から外方に吹き飛ばされ、その吹き飛ばされる塵埃がシートSの縁部分の縁線より外側に配置された第1吸引口22aによりエアとともに吸引されるので、シートSの縁部分の表面に付着した塵埃を確実に除去することができる。また、第2ヘッド部10bにおける第2吐出口21bから噴出する高圧エアによりシートSの縁部分の裏面に付着した塵埃がその縁部分から外方に吹き飛ばされ、その吹き飛ばされた塵埃がシートSの縁部分の縁線より外側に配置された第2吸引口22bよりエアとともに吸引されるので、シートSの縁部分の裏面に付着した塵埃を確実に除去することができる。このように、シートSの縁部分の表面及び裏面の両面に付着した塵埃を確実に除去することができる。
【0055】
また、第1ヘッド部10aにおいて、2つの面で挟まれた隙間として構成される第1給気経路25aの一方の面に凹凸条部STが形成されているので、第1給気経路25aを通過してスリット状の第1吐出口21aから高圧エアが振動(例えば、超音波振動)する状態で噴出し得る。このため、そのような振動する状態の高圧エアによってシートSの縁部分の表面に付着した塵埃をより確実に除去することができる。このようなことは、2つの面で挟まれた隙間として形成された第2給気経路25bの一方の面に凹凸条部STが形成されている第2ヘッド部10bにおいても同様に得ることができる。
【0056】
なお、第1傾斜誘導壁26a及び第2傾斜誘導壁26bそれぞれの傾斜の度合いは、特に限定されない。また、第1誘導傾斜壁26a及び第2傾斜誘導壁26bそれぞれの形状も特に限定されず、平面形状であっても曲面形状であってもよい。
【0057】
また、スリット状の第1吐出口21a及び第2吐出口21bそれぞれの長さ(シートSの幅方向の長さ、
図6における横方向の長さ)は、特に限定されない。また、そのスリット状の第1吐出口21a及び第2吐出口21bそれぞれの延びる方向も特に限定されない。
【0058】
図7は、前述した本発明の第1の実施の形態に係るクリーニングヘッドの変形例を示す。
【0059】
このクリーニングヘッド10は、例えば、所定の厚さを有する板状の対象物W(物体)の縁部分の表面及び裏面のそれぞれに付着した塵埃Dを除去する。
【0060】
図7において、このクリーニングヘッド10は、対象物Wの表面に対して設けられる第1ヘッド部10aと、対象物Wの裏面に対して設けられる第2ヘッド部10bとを有する。第1ヘッド部10aは、対象物Wの縁部分の表面に対向して配置され、対象物Wの縁部分から外方に向う側に斜めに、給気ポート11aを介して給気機構から供給される高圧エア(気体)を噴出する第1吐出口21aを有している。また、第1ヘッド部10aは、対象物Wの縁部分の縁線(端面)より外側に配置され、その縁部分側に開口し、排気ポート12aを介した吸気機構の吸気作用により、エアを吸引する第1吸引口22aを有している。
【0061】
第2ヘッド部10bは、対象物Wの縁部分の裏面に対向して配置され、対象物Wの縁部分から外方に向う側に斜めに、第2給気ポート11bを介して給気機構から供給される高圧エア(気体)を噴出する第1吐出口21bを有している。また、第2ヘッド部10bは、対象物Wの縁部分の縁線(端面)より外側に配置され、その縁部分側に開口し、第2排気ポート12bを介した吸気機構の吸気作用により、エアを吸引する第2吸引口22bを有している。
【0062】
上記構成のクリーニングヘッド10では、対象物Wの縁部分の表面に付着した塵埃Dは、第1ヘッド部10aの第1吐出口21aから噴出する高圧エアによりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。その吹き飛ばされる塵埃Dは、第1ヘッド部10aの対象物Wの縁部分の縁線より外側に配置された第1吸引口22aによりエアとともに吸引される。また、対象物Wの縁部分の裏面に付着した塵埃Dは、第2ヘッド部10bの第2吐出口21bから噴出する高圧エアによりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。その吹き飛ばされる塵埃Dは、第2ヘッド部10bの対象物Wの縁部分の縁線(端面)より外側に配置された第2吸引口22bによりエアとともに吸引される。
【0063】
このようなクリーニングヘッド10によれば、第1吐出口21a及び第2吐出口21bから噴出する高圧エアにより対象物Wの縁部分の表面及び裏面のそれぞれから外方に吹き飛ばされた塵埃Dが、その対象物Wの縁部分の縁線より外側に配置された第1吸引口22a及び第2吸引口22bによりエアとともに吸引されるので、対象物Wの縁部分の表面及び裏面に付着した塵埃Dを確実に除去することができる。
【0064】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るクリーニングヘッドについて説明する。第2の実施の形態に係るクリーニングヘッドは、前述した第1ヘッド部10aの機能及び第2ヘッド部10bの機能を単一のブロック体に収めたことを特徴としている。
【0065】
本発明の第2の実施の形態に係るクリーニングヘッド10は、
図8乃至
図12に示される。なお、
図8はクリーニングヘッド10の外観を示す側面図であり、
図9はクリーニングヘッド10を示す正面図である。また、
図10はクリーニングヘッド10の
図9におけるA2-A2断面を示す断面図であり、
図11はクリーニングヘッド10の
図10におけるB2-B2断面を示す断面図であり、更に、
図12は、クリーニングヘッド10の
図9におけるC1-C1断面を示す断面図である。
【0066】
例えば金属製の単一ブロック体で構成されるクリーニングヘッドの背面には、2つの給気ポート11a、11bと、それら2つの給気ポート11a、11bの間に配置された排気ポート12とが設けられている(
図8参照)。2つの給気ポート11a、11bは給気機構(図示略)に接続され、排気ポート12は吸気機構に接続されている。
【0067】
クリーニングヘッド10の前面には前方に向けて開口し、当該クリーニングヘッド10の幅方向(
図8における紙面に垂直な方向、
図9における横方向)、に延びる溝部15が形成されている。溝部15は、所定の間隔をもって対向する第1面15aと第2面15bと、底面としての第3面15cとによって構成される。そして、このクリーニングヘッド10は、溝部15に除塵の対象物であるシートSの縁部分が通るように、シートSに対してセットされる(
図8参照)。クリーニングヘッド10がシートSに対してセットされた状態で、第1面15aがシートSの縁部分の表面に対向し、第2面15bがシートSの縁部分の裏面に対向し、第3面15cがシート15の長手方向の縁線に対向する。
【0068】
溝部15の第1面15aには、第3面15cに向う方向(例えば、第3面15cに対して垂直な方向:
図11における紙面に垂直な方向、
図12における横方向)に延びるスリット状の第1吐出口21aが形成されている(
図11、
図12)。第1吐出口21aは、溝部15を通るシートSの縁部分の一方の面(表面)に対向するようになる(
図10参照)。溝部15の第2面15bにも、第3面15cに向う方向(例えば、第3面15cに対して垂直な方向)に延びるスリット状の第2吐出口21bが形成されている。第2吐出口21bは、溝部15を通るシートSの縁部分の他方の面(裏面)に対向するようになる(
図10参照)。また、第3面15cには、第3面15cの幅(溝幅)を一辺とする正方形状の吸引口22が形成されている(
図9、
図11参照)。吸引口22は、溝部15を通るシートSの縁部分の縁線に対向するようになる。
【0069】
特に、
図10を参照するに、溝部15における第1面15aから上側部分には、給気ポート11aからつながる第1気体噴射室23aが形成され、更に、第1気体噴射室23aと溝部15の第1面15aに形成された第1吐出口21aとをつなぐ第1給気経路25aが形成されている。給気機構から給気ポート11aを介してクリーニングヘッド10に導入される高圧エアは、第1気体噴射室23a及び第1給気経路25aを通って第1吐出口21aからシートSの縁部分の表面に向けて噴出するようになる。
【0070】
溝部15における第2面15bから下側部分には、給気ポート11bからつながる第2気体噴射室23bが形成され、更に、第2気体噴射室23bと溝部15の第2面15bに形成された第2吐出口21bとをつなぐ第2給気経路25bが形成されている。給気機構から給気ポート11bを介してクリーニングヘッド10に導入される高圧エアは、第2気体噴射室23b及び第2給気経路25bを通って第2吐出口21bからシートSの縁部分の裏面に向けて噴射するようになる。
【0071】
また、クリーニングヘッド10の溝部15の第3面15c(底面)より背面側の部分に、第1気体噴射室23aと第2気体噴射室23bとに挟まれるように、排気ポート12につながる気体吸引室24が形成されている。更に、クリーニングヘッド10には、気体吸引室24と溝部15の第3面15c(底面)に形成された吸引口22とをつなぐ吸気経路27が形成されている。吸気機構の吸気作用により、吸引口22を通して吸引されるエアは、吸気経路27及び気体吸引室24を通り、排気ポート12aから吸気機構に向けて排出されるようになる。
【0072】
第1給気経路25aは、溝部15の第1面15aにスリット状に形成された第1吐出口21aに続く2つの面に挟まれた隙間として形成され(
図11、
図12参照)、第1吐出口21aにおいて開放される。第1給気経路25aの第1吐出口21aに至る直前の部分には、当該第1給気経路25a(隙間)を形成する前記2つの面の間に形成され、第1吐出口21aから噴出するエアを溝部15の第3面15c(底面)側に誘導する第1傾斜誘導壁26a(第1傾斜誘導部)が形成されている。この第1傾斜誘導壁26aにより、第1給気経路25aを通るエアは、第1吐出口21aからシートSの縁部分の表面に対して斜めに、当該シートSの縁部分から外方に向う方向側に、噴出されるようになる(
図10参照)。
【0073】
また、第2給気経路25bは、溝部15の第2面15bにスリット状に形成された第2吐出口21bに続く2つの面に挟まれた隙間として形成され、第2吐出口21bにおいて開放される。第2給気経路25bの第2吐出口21bに至る直前の部分には、当該第2吸気経路25bを形成する前記2つの面の間に形成され、第2吐出口21bから噴出するエアを溝部15の第3面15c(底面)側に誘導する第2傾斜誘導壁26b(第2傾斜誘導部)が形成されている。この第2傾斜誘導壁26bにより、第2吸気経路25bを通るエアは、第2吐出口21bからシートSの縁部分の裏面に対して斜めに、当該シートSの縁部分から外方に向う方向側に、噴出されるようになる(
図10参照)。
【0074】
第1の実施の形態の場合(
図4、
図5参照)と同様に、第1給気経路25a(隙間)を形成する2つの面の一方には、
図10とともに
図11に示すように、エアの流動方向を横切る方向に延びる凹凸条部STが形成されている。また、第2給気経路25b(隙間)を形成する2つの面の一方にも、エアの流動方向を横切る方向に延びる凹凸条部STが形成されている。
【0075】
このようなクリーニングヘッド10では、給気機構から給気ポート11aを介して供給される高圧エアは、第1気体噴射室23a及び第1給気経路25aを通って第1吐出口21aに至る。第1給気経路25aを通る高圧エアは、第1傾斜誘導壁26aによって誘導され、第1吐出口21aからシートSの縁部分の表面に対して斜めに、当該シートSの縁部分から外方に向う側に、噴出される(
図10参照)。そして、第1吐出口21aから噴出される高圧エアにより、シートSの縁部分の表面に付着している塵埃は、その縁部分から外方に吹き飛ばされる。
【0076】
また、給気機構から給気ポート11bを介して供給される高圧エアは、第2気体噴射室23b及び第2給気経路25bを通って第2吐出口21bに至る。第2給気経路25bを通る高圧エアは、第2傾斜誘導壁26bによって誘導され、第2吐出口21bからシートSの縁部分の裏面に対して斜めに、当該シートSの縁部分から外方に向う側に、噴出される(
図10参照)。そして、第2吐出口21bから噴出される高圧エアにより、シートSの縁部分の表面に付着している塵埃は、その縁部分から外方に吹き飛ばされる。
【0077】
排気ポート12を介して吸気機構に結合する気体吸引室24は、当該吸気機構の吸気作用によりエアが引かれている状態にある。このようにエアが引かれている状態の気体吸引室24を介した前記吸気作用が、更に、吸気経路27を通して吸引口22に至り、その吸気作用によって、第1吐出口21aから噴出される高圧エアにより吹き飛ばされるシートSの縁部分の表面に付着した前記塵埃が、また、第2吐出口21bから噴出される高圧エアにより吹き飛ばされるシートSの縁部分の裏面に付着した前記塵埃が、エアとともに吸引口22から吸引される。そして、吸引口22から吸引されるエア及び塵埃が吸気経路27及び気体吸引室24を通して排気ポート12から排出される。排気ポート12からエアとともに排出される塵埃は、吸気機構に至る前にフィルタ等(図示略)により除去される。
【0078】
このようなクリーニングヘッド10によれば、第1吐出口21aから噴出する高圧エアによりシートSの縁部分の表面に付着した塵埃がその縁部分から外方に吹き飛ばされ、また、第2吐出口21bから噴出する高圧エアによりシートSの縁部分の裏面に付着した塵埃がその縁部分から外方に吹き飛ばされる。そして、シートSの縁部分の表面及び裏面のそれぞれから吹き飛ばされる塵埃がシートSの縁部分の縁線より外側に配置された吸引口22によりエアとともに吸引されるので、シートSの縁部分の表面及び裏面に付着した塵埃を確実に除去することができる。
【0079】
なお、第1の実施の形態に係るクリーニングヘッド10の場合と同様に、第1給気経路25a(第2給気経路25b)の一方の面に凹凸条部STが形成されているので、スリット状の第1吐出口21a(第2吐出口21b)から高圧エアが振動(例えば、超音波振動)する状態で噴出し得る。このため、そのような振動する状態の高圧エアによってシートSの縁部分の表面(裏面)に付着した塵埃をより確実に除去することができる。
【0080】
また、第1の実施の形態の場合と同様に、第1傾斜誘導壁26a及び第2傾斜誘導壁26bそれぞれの傾斜の度合いは、特に限定されず、第1誘導傾斜壁26a及び第2傾斜誘導壁26bそれぞれの形状も特に限定されない。更に、スリット状の第1吐出口21a及び第2吐出口21bそれぞれの長さ(シートSの幅方向の長さ、
図12における横方向の長さ)は、特に限定されず、そのスリット状の第1吐出口21a及び第2吐出口21bそれぞれの延びる方向も特に限定されない。
【0081】
図13は、前述した本発明の第2の実施の形態に係るクリーニングヘッドの変形例を示す。
【0082】
このクリーニングヘッド10は、例えば、所定の厚さを有する板状の対象物W(物体)の縁部分の表面及び裏面のそれぞれに付着した塵埃Dを除去する。
【0083】
図13において、このクリーニングヘッド10は、相互に対向する第1面15a及び第1面15bと、底面としての第3面15cとで構成される溝部15を有し、対象物Wの縁部分が溝部15ないを通過するようにセットされる。クリーニングヘッド10は、溝部15の第1面15aに形成されて、対象物Wの縁部分の表面に対向して配置される第1吐出口21aと、溝部15の第2面15bに形成されて、対象物Wの縁部分の裏面に対向して配置される第2吐出口21bと、溝部15の第3面15c(底面)に形成されて、対象物Wの縁部分の縁線(端面)より外側に配置されされる吸引口22とを有している。第1吐出口21aは、給気ポート11aを介して給気機構から供給される高圧エアを、対象物Wの縁部分から外方に向う側に斜めに噴出する。第2吐出口21bは、給気ポート11bを介して給気機構から供給される高圧エアを、対象物Wの縁部分から外方に向う側に斜めに噴出する。吸引口22は、対象物Wの縁部分側に開口して、排気ポート12を介した吸気機構の吸気作用により、エアを吸引する。
【0084】
上記構成のクリーニングヘッド10では、対象物Wの縁部分の表面に付着した塵埃Dは、第1吐出口21aから噴出する高圧エアによりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。また、対象物Wの前記縁部分の裏面に付着した塵埃Dは、第2吐出口21bから噴出する高圧エアによりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。対象物Wの縁部分の表面及び裏面のそれぞれから外方に吹き飛ばされる塵埃Dは、対象物Wの縁部分の縁線(端面)より外側に配置された吸引口22により気体とともに吸引される。
【0085】
このようなクリーニングヘッド10によれば、第1吐出口21a及び第2吐出口21bから噴出する高圧エアにより対象物Wの縁部分の表面及び裏面から外方に吹き飛ばされた塵埃Dが、その対象物Wの縁部分の縁線より外側に配置された吸引口22によりエアとともに吸引されるので、W対象物の縁部分に付着した塵埃Dを確実に除去することができる。
【0086】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドについて説明する。第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドは、板状の対象物Wの一方の面(表面)だけを対象として、塵埃を除去することを特徴としている。
【0087】
本発明の第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドは、
図14及び
図15に示すように構成される。なお、
図14は、本発明の第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドを示す側面図であり、
図15は、本発明の第3の実施の形態に係るクリーニングヘッドを示す平面図である。
【0088】
図14及び
図15において、このクリーニングヘッド10は、対象物Wの縁部分の一方の面(表面)に対向して配置され、対象物Wの縁部分から外方に向う側に斜めに、給気ポート11を介して給気機構から供給される高圧エア(気体)を噴出する吐出口21を有している。また、クリーニングヘッド10は、対象物Wの縁部分の縁線(端面)より外側に配置され、その縁線部側に開口し、排気ポート12を介した吸気機構の吸気作用により、エアを吸引する吸引口22を有している。
【0089】
上記構成のクリーニングヘッド10では、対象物Wの縁部分の表面に付着した塵埃Dは、吐出口21から噴出する高圧エアによりその縁部分から外方に吹き飛ばされる。そして、対象物Wの縁部分の表面から外方に吹き飛ばされる塵埃Dは、対象物Wの縁部分の縁線(端面)より外側に配置された吸引口22により気体とともに吸引される。このように、吐出口21から噴出する高圧エアにより対象物Wの縁部分の表面から外方に吹き飛ばされた塵埃Dが、その対象物Wの縁部分の縁線より外側に配置された吸引口22によりエアとともに吸引されるので、W対象物の縁部分に付着した塵埃Dを確実に除去することができる。
【0090】
なお、第3の実施の形態に係るクリーニングヘッド10は、所定の厚さを有する板状の対象物W(物体)に対して、例えば、
図16A及び
図16Bに示すようにセットすることができる。これらの場合、クリーニングヘッド10は対象物Wの端面に対向するように配置される。対象物Wの端面縁部分に付着した塵埃Dは、吐出口21から噴出する高圧エアによりその端面縁部分から外方に吹き飛ばされる。そして、対象物Wの端面縁部分から外方に吹き飛ばされる塵埃Dは、対象物Wの端面縁部分より外側に配置された吸引口22により気体とともに吸引される。このように、吐出口21から噴出する高圧エアにより対象物Wの端面縁部分ら外方に吹き飛ばされた塵埃Dが、その対象物Wの端面縁部分より外側に配置された吸引口22によりエアとともに吸引されるので、W対象物の端面縁部分に付着した塵埃Dを確実に除去することができる。
【0091】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係るクリーニングヘッドは、対象物の縁部分に付着した塵埃を確実に除去することができるという効果を有し、対象物の縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドとして有用である。
【符号の説明】
【0093】
10 クリーニングヘッド
10a 第1ヘッド部
10b 第2ヘッド部
11、11a、11b 給気ポート
12、12a、12b 排気ポート
13a 第1ヘッド側第1面
13b 第1ヘッド側第2面
14a 第2ヘッド側第1面
14b 第2ヘッド側第2面
15 溝部
21 吐出口
21a 第1吐出口
21b 第2吐出口
22 吸引口
22a 第1吸引口
22b 第2吸引口
23a 第1気体噴射室
23b 第2気体噴射室
24a 第1気体吸引室
24b 第2気体吸引室
25a 第1給気経路
25b 第2給気経路
26a 第1傾斜誘導壁
26b 第2傾斜誘導壁
27a 第1吸気経路
27b 第2給気経路
ST 凹凸条部
【要約】
【課題】対象物の縁部分に付着した塵埃を確実に除去することのできるクリーニングヘッドを提供することである。
【解決手段】対象物Wの縁部分に付着した塵埃を除去するクリーニングヘッドであって、対象物Wの縁部分の面に対向して配置され、前記対象物の前記縁部分から外方に向う側に斜めに気体を噴出する吐出口21と、対象物Wの前記縁部分の縁線より外側に配置され、前記縁部分側に開口して気体を吸引する吸引口22と、を有する構成となる。
【選択図】
図14