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  • 特許-繊維カーペット製品のリサイクル方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】繊維カーペット製品のリサイクル方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/06 20060101AFI20220809BHJP
   B29B 17/04 20060101ALI20220809BHJP
   D06M 15/507 20060101ALI20220809BHJP
   D06M 101/32 20060101ALN20220809BHJP
【FI】
C08J11/06
B29B17/04 ZAB
D06M15/507
D06M101:32
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018566920
(86)(22)【出願日】2017-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2017065733
(87)【国際公開番号】W WO2018001976
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】16176519.3
(32)【優先日】2016-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521400615
【氏名又は名称】コベストロ (ネザーランズ) ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】ウディング, ヤン ヘンデリクス
(72)【発明者】
【氏名】ロイテリングスペルガー, クリス
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-526610(JP,A)
【文献】国際公開第2014/198731(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 11/00
D06M 15/00
B09B 1/00-5/00
B29B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーペット製品のリサイクリング方法であって、前記カーペット製品が、ポリマー糸を含む繊維シートを含み、前記シートの少なくとも1つの表面にポリマー接着剤の層が提供されている方法において、前記カーペット製品が実質的に純粋なポリエステルカーペット製品であり、前記ポリマー糸が、50,000g/モルよりも上の分子量および180~300℃の融点を有するポリエステルを含み、前記接着剤が、50~150℃の範囲の融点、5%~35%の結晶化度および150℃で5~55Pa.sの粘度を有するポリエステル接着剤であり、
前記方法が、前記カーペット製品に含まれる固体ポリマー材料が溶融している間に前記カーペット製品を押出によって均質化する工程を含み、
前記押出によって均質化する工程が、固定バレル中で回転する1つ以上の加熱スクリューを使用して行われ、
前記押出によって均質化する工程の前に、前記カーペット製品が、幅および長さが20cmよりも下の寸法を有するカーペット製品片へと機械的にカットされることを特徴とする方法。
【請求項2】
ポリエステル接着剤の量が、前記カーペット製品中のポリエステルの総量に対して0.5~25%w/wであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリエステル接着剤の前記量が、前記カーペット製品中のポリエステルの総量に対して少なくとも1%w/wであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ポリエステル接着剤の前記量が、前記カーペット製品中のポリエステルの総量に対して、2~20%w/w、任意選択的に5~15%w/wであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
記カーペット製品片が、押出機に供給されて均質化される前に圧縮されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記カーペット製品片が、少なくとも0.3g/cm、好ましくは少なくとも0.5g/cmの嵩密度に達するために圧縮されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記カーペット製品片が、室温と前記ポリエステル接着剤の溶融温度との間の高温で圧縮されることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記カーペット製品片が80~100℃の温度で圧縮されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記繊維シートが、一次基布であって、この一次基布の前面上にパイルと、一次キャリアの反対側の裏面でループとを形成するためにポリエステル糸がその中に縫い付けられた一次基布を含み、前記ポリエステル接着剤が、前記一次キャリアの前記裏面に適用されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記カーペット製品が、前記一次キャリアの前記裏面をホット物体の表面と接触させて前記糸の前記ループを少なくとも部分的に溶融させて、この裏面に前記ポリエステル接着剤が適用される前に融解材料のマスを生み出すことによって製造されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カーペット製品が、前記一次キャリアの裏面に対して相対速度で前記ホット物体の前記表面を提供することによって、特に静止物体としての前記ホット物体の前記表面を提供することによって製造され、前記一次キャリアが前記ホット物体に沿って運ばれることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法によって得られる再生ポリエステル。
【請求項13】
請求項12に記載のポリエステル材料を含む繊維。
【請求項14】
請求項13に記載の繊維を含む繊維製品。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の一般分野]
本発明は概して、カーペット製品のリサイクル方法であって、カーペット製品がポリマー糸を含む繊維シートを含み、シートの少なくとも1つの表面にポリマー接着剤の層が提供されている方法に関する。本発明はまた、この方法によって得られる再生ポリマーに、この再生ポリマー材料を含む繊維に、これらの繊維を含む繊維製品におよびポリエステル接着剤に関する。
【0002】
[背景技術]
カーペット(広幅カーペット、カーペットタイル、マット、ラグマット、細長いカーペットなどの)は典型的には、心地良い感触および快適な外見を提供するために、床、壁、自動車、飛行機、ボートなどのインテリアを覆うために使用されている。カーペットは典型的には、基本構成要素としてポリマー糸を使った繊維シートを含む。例えば、ほとんどのカーペットは、バッキング材の最上部表面から突き出ているポリマー糸のパイルを提供するために一次基布上へポリマー糸を縫い付けることによって製造される。バッキング材は典型的には、例えば、糸を一次基布に結び付けるためにおよび/または一次基布を二次基布もしくはカーペットによって覆われる表面などの、別の表面に結び付けるために、ラテックス、架橋性ポリマーまたはホットメルト接着剤などのポリマー接着剤が提供される。二次基布に関しては、そのようなバッキング材は典型的には、カーペットの寸法安定性などの機械的特性を向上させるために使用される。二次基布は、例えば、瀝青層、プラスチックシート、またはポリマー糸を含む繊維シート(密なフェルト化層など)であり得る。
【0003】
カーペットは至るところ:家、オフィス、自動車、飛行機、学校などにおいて使用されている。したがって使用済みカーペットは、世界中で最大の廃棄物流の1つの発生源である。したがってカーペット製品(カーペットおよびカーペットの部分)の適切なリサイクリングは、新しいカーペットを持続的に提供するために最大限重要である。当技術分野において、カーペットのリサイクリングの可能性を目的とした多数のカーペットの製造方法が記載されている。
【0004】
ラテックスベースの織物製品は、似ていない材料を一次層および二次層内の構成要素用に使用しており、したがってこれらの構成要素のそれぞれは、それらが回収され、再使用される場合には分離される必要があろう。しかしながら、糸および一次基布は、化学的に架橋した(例えば、加硫された)ラテックス接着剤に強く組み込まれている。したがって、ラテックスベースの織物製品では、一次層の構成要素は容易には分離されない。いくつかのリサイクル技術がこれらの問題のいくつかに対処するために開発されているが、そのような方法は、費用がかかり、かつ、使用された材料すべての完全なリサイクリングを可能にしない。結果として、ラテックスベースの織物床敷物をリサイクルすることは実現困難であり、これらは、単に廃棄され、燃やされるかまたは細断されている。これらの問題のいくつかに対処するために、様々な合成ポリマーが、織物製品中のラテックスポリマーに取って代わるために開発されている。
【0005】
欧州特許第747525号明細書(BASF)は、熱可塑性基材のキャリアがホットメルト接着剤(HMA)で一次基布の裏側に結合した、突き出ているタフト(好ましくはバッキング材と同じ材料の)を含むバッキング材から製造されたリサイクル可能なカーペットを記載している。バッキング材およびタフトは、ナイロン、ポリオレフィンおよび/またはポリエステルなどの材料ならびにポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル(EVA)および/またはポリ塩化ビニル(PVC)などの材料からの熱可塑性キャリアから製造されている。HMAが、タフトを適所に固定するために、およびバッキング材とキャリアとの間の緩衝材として働くために一次基布の裏面に適用され、そのためバッキング材のおよびキャリアのポリマーと相溶性であるように選択される。好ましいHMAは、相溶性ポリオレフィンおよび/またはコポリエステル接着剤がまた使用されてもよいが、カプロラクタムベースのコポリアミドである。カーペットは、HMAを(再)軟化させるのに十分な、しかしタフテッドバッキング材およびキャリア基材のポリマーの融点よりも下の温度まで加熱することによってリサイクルされ得、そのためカーペットはその2つの構成要素層へと分離する。タフテッド一次基布材料の実際のリサイクリングについて述べられたプロセスは、カッティング、ペレット化および解重合である。
【0006】
米国特許第5,240,530号明細書(Tennessee Valley Performance Products)は、合成繊維の突き出ているタフトを含む一次基布であって、例えばアイソタクチックポリオレフィンから製造された押出シートの二次基布に一次基布を融合させるために加熱される一次基布を有するリサイクル可能なカーペットを記載している。一次および二次基布ならびに繊維はすべて熱可塑性樹脂を含んでもよい。この参考文献は読者に、従来のラテックス接着剤またはホットメルト接着剤のどちらも、両方とも「カーペットがリサイクルされるのを妨げる」ため直接使用しないよう教示している(列4、行16~17)。
【0007】
米国特許第5,538,776号明細書(Hoechst Celanese)は、タフトおよび二次基布がポリエステルホットメルト接着剤の層で一次基布に貼り付けられた一次基布でできたリサイクル可能な熱可塑性タフテッドカーペットを記載している。HMAがラテックス接着剤に取って代わり(列2、行50~51を参照されたい)、タフト、一次基布、HMAおよび二次基布は、1タイプの熱可塑性ポリマー(好ましくはポリエステル)から製造される。そのためカーペットは、グリコール分解もしくはメタノール分解、および/または押出によってポリエステルをリサイクルするためのプロセスなどの、公知の方法によってリサイクルすることができ、それによって特有のリサイクリングプロセスは、ポリエステルのタイプにより決定される。
【0008】
欧州特許第1598476号明細書(Klieverik Heli)は、繊維(糸)を適所に固定するためにバッキング材がラテックスを使用しない、カーペットを製造するための中間体としてのバッキング材の製造方法を記載している。バッキング材は、熱可塑性繊維のパイルがシートの厚さを通して縫い付けられ、そしてその上面から突き出ているシートを含む。バッキング材は、加熱ローラー表面に沿って(繊維を上向きに)供給され、その下側がローラーに押しつけられ、そのため繊維は溶融するであろう。Klieverikは、冷却後に繊維が、ラテックスポリマーを必要とせずに、互いにおよびバッキング材に堅く固定されると述べている。一実施形態は、熱可塑性接着剤(ホットメルト接着剤などの)が、バッキング材の下側に粉末としてさらに適用されてもよく、そのため加熱された表面が繊維および接着剤を一緒に溶融させてパイル、接着剤およびバッキング材の間に良好な接着性を生み出すことを教示している。別の実施形態において、圧力が、可塑化繊維を一緒にこすりつけてそれらの相互接着性を高めるために、バッキング材表面に垂直の方向に(すなわち、下から)バッキング材およびパイルに(例えば圧力ローラーによって)加熱後に加えられもよく、このようにして加熱ローラーが、その温度で繊維が熱単独で融合するだろうものよりも下の、より低い温度に保持されることを可能にする。この方法は、中間体バッキング材を繊維として容易にリサイクルでき、そしてバッキング材シートを同じポリマーから製造できるという利点を提供する。ファイバーパイル中へ浸透した非相溶性ラテックスは全く存在しない(段落[003]を参照されたい)。先行技術方法と比べてエネルギーおよび原材料コストの節減もある。しかしながら、この方法は依然としていくつかの不利点を有する。繊維は依然として、多くの用途で、例えば繊維が高い機械的負荷を受ける場合に(例えば、自動車、列車、飛行機、オフィス、店などのインテリアで)使用するためのバッキング材に十分に強く固定されない。したがって、実際にKlieverikによって記載されている中間体バッキング材からカーペットを製造するためには、追加の(非相溶性の)接着剤またはラテックスをバッキング材の下側に適用する、および/またはHMA単独での十分な接着性を提供するためにカーペットパイルおよびバッキング材内にHMAを広く含浸させることが依然として必要であろう。そのような非相溶性材料および/または組み込まれたHMAの存在は、そのようなカーペットがリサイクルするのが困難であることを意味するであろう。
【0009】
国際公開第2012/076348号パンフレット(Niaga)は、糸の固定強度を向上させるカーペットの製造方法を記載している。この方法において、第1糸所持シートが加熱表面に押しつけられるときに、シートと表面との相対速度は、縦方向にそれらの間に追加の機械力を与えるように調節され、その機械力は、糸の材料を広げ、しかし一方それは依然として融解しており、第1シートと糸との間により強い結合をもたらす。理論的には多くの場合に追加の二次支持層はもはや必要ではないけれども、この公文書は、織物製品とキャリア材料との界面に存在する反応性分子間の熱的に可逆的な反応に依存する反応性接着剤を支持層が含む場合にとりわけ、そのような支持層が依然として有用であり得ることを教示している。そのような反応性接着剤は、ホットメルト接着剤などの他のタイプの接着剤によって典型的に達成されるものよりもはるかに強い結合を提供する。しかしながら、反応性接着剤の使用が強い結合を提供し、かつ、(ラテックスとは違って)リサイクルすることができるが、その使用は依然として、最適な機械的特性を持たない織物製品をもたらす。化学的に反応性の接着剤を使用することのさらなる不利点は、接合されるべき構成要素および接着剤の両方が共反応性基を持たなくてはならないことである。したがって一次基布および/またはタフトを製造するために使用されるポリマーは、標準的な商業ポリマーが反応性接着剤を使った使用に好適であるために必要とされる官能基を含有しない可能性があるため、追加の工程での化学修飾を必要としそうである。
【0010】
国際公開第2014/198731号パンフレット(DSM IP Assets BV)は、典型的には一次基布を二次基布に接合してラミネートを形成するために、ホットメルト接着剤が一次基布の裏面で使用されることを条件として、国際公開第2012/076348号パンフレット(Niaga)から公知であるような技術に基づくカーペットの製造方法を記載している。この特許公開は、これが、糸ならびに接着剤のために同じ(化学的)タイプのポリマーを使用するルートを開くと認めている(ページ22、最初の2つの段落)。これらの材料の融点が匹敵する場合、材料は一緒にリサイクルすることができ、分離は全く必要ではないと述べられている。しかしながら、カーペット製品において、繊維シートの糸は典型的には、接着剤に使用されるようなポリマー(良好な接着特性、および比較的低温で適用するのが容易な)よりも他の要求(高い耐久性、弾力性、汚染抵抗など)を完全に満たさなければならない。これは、繊維に使用されるようなポリマーが典型的には高分子量(50,000g/モル超、したがって5×10g/モル超、または75,000g/モル超のMw)および180~300℃の(典型的には220~280℃の)範囲の融点を有する理由を説明している。接着剤として使用されるポリマーは、完全に異なるタイプのポリエステルである。そのような接着剤は、低分子量材料(35,000g/モルよりも下の、典型的には15,000~30,000g/モルのMw)であり、50~150℃の範囲の融点を有する。粘度は典型的には、糸材料の溶融温度よりも十分に下で接着剤を適用することを可能にするために約50~160℃の温度で非常に低い。国際公開第2014/198731号パンフレットの教示に沿って、これらの材料は、一緒にリサイクルできず、リサイクリングプロセスを比較的複雑にする分離が必要である。
【0011】
要するに、当技術分野は、リサイクルすることができるカーペットの多数の製造方法を記載しているが、カーペットまたはカーペット製品のそのようなリサイクリングは単純明快ではないように思われる。
【0012】
[発明の目的]
カーペット製品のリサイクル方法であって、その方法が行うのが容易であり、そして再使用するのが容易である再生製品をもたらす方法を提供することが本発明の目的である。
【0013】
[発明の概要]
本発明の目的を満たすために、発明の一般分野のセクションにおいて本明細書で上に記載されたような方法が考案され、本方法は、カーペット製品が実質的に純粋なポリエステルカーペット製品であり、ポリマー糸が50,000g/モルよりも上の(実際には100,000g/モルよりも下の)分子量(すなわち、Mw、重量平均分子量)および180~300℃の融点を有するポリエステルを含み、接着剤が5%~35%の結晶化度および150℃で5~55Pa.sの粘度を有するポリエステル接着剤であり、本方法がカーペット製品を押出によって均質化する工程を含むことを特徴とする。
【0014】
押出がリサイクルされるプラスチック廃棄物または他の原材料を再処理するために用いられることは当技術分野において言及されている(例えば国際公開第2014/198731号パンフレットを参照れたい)が、これは典型的には、材料の融解混合物の洗浄、選別および/またはプレ-ブレンディング後に行われる。特に、選別および任意選択のプレ-ブレンディングは、異なるポリマー材料、特に物理的特性が異なる材料が一緒に押し出される場合に、押出機を通っての流れが完全に阻害され得るため重要である。特に、低粘度材料が高粘度材料と混合される場合に、押出機を通っての流れは多くの場合、完全に塞がれる。すべての材料が押出機中で溶融するとき、低粘度材料は典型的には、スクリューと固定バレルとの間に潤滑剤を形成し、その結果ポンプ送液およびそれと共に混合作用が完全に休止させられる。実際には、このプロセスは、下流端でのアウトプットの低下からスタートし、連続流れの代わりにアウトプット端での押出材料のスパッタリング(このスパッタリングはすぐに、材料流れの全損失に変わる)として現れる。これは、一軸スクリュー押出機または完全噛合二軸スクリュー押出機(共回転スクリューを使用する)などの、最も一般的なタイプの押出機が、押出機における移動部分間で高い剪断力を必然的に当てにするため、これらのタイプの押出機に特に当てはまる。したがって、押出によってリサイクルされる材料の混合物は多くの場合、(例えば、粘度、ポリマー重量およびタイプをマッチさせることによって)物理的特性のマッチを得るために選別され、良好なマッチを得ることができない場合、材料は、押出中に偏析の変化を最小限にするために押し出される前に溶融ブレンドされる。これは特に、低粘度材料の量が、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0%(w/w)またはそれよりも上などの、0.5%(w/w)を超える場合に当てはまる。押出工程を伴ってリサイクルされる任意のカーペット製品について、本質的に、異なるポリマー材料の混合物である、カーペットは、別個のバージン材料へ変換されるか、または押出工程が行われる前に新たな材料(もはやカーペット製品ではない)を形成するためにプレ-ブレンドされなければならない。
【0015】
意外にも、本発明者らは、ポリエステルカーペット製品をリサイクルする場合に、カーペット製品を押出機、例えば一軸スクリュー押出機または完全噛合二軸スクリュー押出機に直接供給することによってカーペット製品それ自体を均質化することが可能であることを見いだした。これは、繊維シート用の典型的な高分子量ポリエステルの隣に低分子量ポリエステル接着剤が存在するにもかかわらず、かつ、この低分子量接着剤の量が0.5%(w/w)を超える場合でさえもである。特に、これらの材料の粘度はもともと非常に異なるため、共押出が可能であるとは考えられなかった:180~300℃(典型的には220~280℃、より典型的には240~260℃)の範囲のその融点の、繊維材料の高分子量ポリエステル(50,000g/モル超、好ましくは60,000g/モル超、典型的には70,000~100,000g/モルのMw)は、(Pa.s単位で)非常に高い溶融粘度を有するため、それは、いわゆる固有粘度として溶液中で測定(したがってポリマー分子が溶液にあるときに測定)できるにすぎない。繊維カーペット製品での使用のためのそのような高分子量ポリエステルの固有粘度は、0.4~1.0(dL/g)、典型的には0.6~0.9(dL/g)である。それに対して、低分子量(Mw)を有する、半結晶性~結晶性である、接着剤として使用されるポリエステルは、50~150℃の範囲の融点および典型的には150℃で500Pa.sよりも下、一般に250Pa.sよりも下、150Pa.sよりも下の溶融粘度を有する。粘度のこの著しい相違にもかかわらず、全体としてのカーペット製品のリサイクリングのための適切な押出プロセスを得るために、別個のバージン材料への事前変換、または異なる材料のプレ-ブレンディングなしに、カーペット製品を直接押し出すことが可能であるように思われる。カーペット製品の直接押出のこの新規プロセスは、ポリマー接着剤が、一定の非常に厳しい機械的要求、すなわち、5%~35%の結晶化度および150℃で5~55Pa.sの粘度を満たす場合に達することができる。結晶化度に関しては、これは、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、および34%などの5~35%の任意の値を有することができる。典型的な範囲は、5~30および10~30%である。溶融粘度に関しては、ポリエステル接着剤のこの粘度は、繊維シート材料のポリマーに対して極めて低く、そして実質的に純粋なポリエステル製品のこの特定の場合に、適切な結晶化度範囲を採用するときに、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53および54Pa.sなどの5~55Pa.sの任意の値を有することができるけれども、組み合わせ製品の押出プロセスは、確実に行うことができる。これについての理由は明らかではない。それは、押出中の偏析を防ぐ、2つのタイプのポリマー間の十分な物理化学的相互作用に関係していると考えられる。2つのタイプのポリエステル間の化学のマッチは、ポリエステル接着剤の明記された結晶化度および粘度と組み合わせて、十分な相互作用にとって不可欠であるように思われる。したがって本発明の主旨はまた、結果的に新規押出均質材料で終わるために、織物製品用の、特にカーペット製品用の糸材料を提供するために広く使用されている既存のポリエステルとの共押出のために接着剤を好適にする、これらの特有の化学的および物理的特性を有する新規接着剤に具体化される。
【0016】
本発明は概して、カーペット製品を構成するためのポリエステルポリマーの使用に限定される。本発明組成物での使用のためのポリエステルを製造するためのエステル化重合プロセスは、当技術分野において周知であり、詳細に本明細書に記載される必要がない。
【0017】
「酸成分」を提供するモノマー(そのエステル形成誘導体を含めて)が、「ヒドロキシル成分」を提供するモノマーと反応させられる縮重合プロセスによって製造され得るカルボニルオキシ(すなわち、-C(=O)-O-)連結基をポリエステルが含有することは一般に知られている。酸成分を提供するモノマーは、ジもしくはトリカルボン酸などの1つ以上の多塩基性カルボン酸、または酸ハロゲン化物、酸無水物もしくはエステルなどのそれらのエステル形成誘導体から選択されてもよい。ヒドロキシル成分を提供するモノマーは、ジオール、トリオールなどの1つ以上の多価アルコールまたはフェノール類(ポリオール)であってもよい。本明細書に記載されるポリエステル樹脂が、主鎖にまたは側鎖に自動酸化性単位を任意選択的に含んでもよく、そのようなポリエステルが、自動酸化性ポリエステルとして公知であることは理解されるべきである。必要ならば、ポリエステルはまた、ヒドロキシル成分の一部として適切なアミノ官能性反応剤を含めることによって一部のカルボニルアミノ連結基-C(=O)-NH-(すなわち、アミド連結基)もしくは-C(=O)-N-R-(第三級アミド連結基)を含んでもよいし、またはあるいはヒドロキシル成分のすべてがアミノ官能性反応剤を含み、こうしてポリエステルアミド樹脂をもたらしてもよい。そのようなアミド連結は実際に、それらがより耐加水分解性であるため有用である。
【0018】
ポリエステル合成における酸成分を提供するモノマーとして使用することができる、カルボン酸(または酸無水物、酸ハロゲン化物もしくは低級(すなわち、C1~6アルキルエステル)などのそれらのエステル形成誘導体)の多数の例がある。例としては、(アルキル化)安息香酸およびヘキサン酸などの一官能性酸;ならびにC4~20脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸(またはより高官能性酸)またはそれらのエステル形成誘導体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0019】
ポリエステルを得るために使用され得る好適な酸およびそれらの誘導体の例は、下記のいずれかを含んでもよい:アジピン酸、フマル酸、マレイン酸。クエン酸、コハク酸、イタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ピメリン酸、ノナン二酸、デカン二酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、スルホイソフタル酸および/もしくはそれらの金属塩(例えば5-ソジオスルホイソフタル酸)、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)、それらの任意の好適な混合物、それらの組み合わせならびに/またはそれらの任意の好適な誘導体(エステル、例えばジ(C1~4アルキル)エステル、金属塩および/もしくは酸無水物などの)。好適な酸無水物には、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、トリメリット酸無水物およびヘキサヒドロフタル酸無水物が含まれる。
【0020】
同様に、(任意選択的に自動酸化性)ポリエステル樹脂合成におけるヒドロキシル成分を提供するモノマーとして使用され得るポリオールの多数の例がある。ポリオールは、1分子当たり好ましくは1~6個(より好ましくは2~4個)のヒドロキシル基を有する。好適な一官能性アルコールには、例えばエイコサノール、ラウリルアルコールが含まれる。1分子当たり2個のヒドロキシ基を持った好適なポリオールには、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,2-、1,3-および1,4-シクロヘキサンジオールならびに相当するシクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ならびにアルコキシル化ビスフェノールA製品、例えばエトキシル化もしくはプロポキシル化ビスフェノールAなどのジールが含まれる。1分子当たり3個のヒドロキシ基を持った好適なポリオールには、トリメチロールプロパン(TMP)および1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)エタン(TME)などのトリオールが含まれる。1分子当たり4個以上のヒドロキシ基を持った好適なポリオールには、ビス-TMP、ペンタエリスリトール(2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール)、ビス-ペンタエリスリトールおよびソルビトール(1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロキシヘキサン)が含まれる。ヒドロキシル官能性およびアミン官能性の両方を持ったヒドロキシル官能性アミンの例は、例えば、国際公開第00/32708号パンフレットに記載されており、ジイソプロパノールアミンの使用が好ましい。これらは、ポリエステルアミド樹脂を製造するために使用することができる。
【0021】
エラストマーポリオールはまた、(糸および/または接着剤の)ポリエステルポリマーを製造するためのビルディングブロックとして使用されてもよく、好適なポリオールは、ジヒドロキシ末端ポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)、ジヒドロキシ末端ポリプロピレングリコール、ジヒドロキシ末端ポリブチレンスクシネート、ジヒドロキシ末端ポリブチレンアジペート;ゼロよりも下のTgおよび2個のOH末端基を持った他の脂肪族ポリエステル;ならびに/またはそれらの任意の混合物および/もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。そのようなポリオールから得られてもよいおよび/または得られ得る好適なコポリエステルエラストマーの例は、商標Arnitel(登録商標)でDSMから入手可能なものである。
【0022】
本発明は概してまた、カーペット製品におけるポリマー接着剤の存在を必要とする。本明細書で用いるところでは、用語「接着剤」は、商業的に許容される、かつ、本明細書での意図される使用にとって実用的であるだろう長さの時間、周囲条件下で乾燥後に実質的に粘着性のままである(すなわち、不粘着性ではない)任意の組成物を意味する。典型的な接着剤組成物は、それらが表面に適用された後に少なくとも16時間粘着性のままであり得る。特定クラスのポリマー接着剤は、いわゆるホットメルト接着剤(本明細書ではHMAと略記される)である。HMAは、当業者に周知であり、典型的には少量の溶媒を有するか、または溶媒を実質的に含まない。それらは、流体として(例えば浸漬もしくは噴霧によって)基材に適用することができ、そのため接着剤は好適には低い粘度を有し、熱時に粘着性であり、次に適用後急速に(典型的には数秒~1分で)固化し、乾燥はほとんどまたは全く必要とされない。有用にも、固体接着剤フィルムは、それが適用された基材の(再)位置決めを可能にするために適用後ある時間は依然として粘着性のままであり得、感圧接着剤(PSA)と違うけれども、典型的なHMAは、永久に粘着性であるわけではない。HMAはほとんどまたは全く溶媒を含まないため、溶媒型接着剤と違って、HMAフィルム層は、それが固化するにつれて収縮しないし、または厚さを失わない。
【0023】
HMAなどの接着剤ポリマーは、単独でかまたは例えば同じ接着剤組成物において他の接着剤タイプ(反応性接着剤などの)と組み合わせてもしくは混合して使用することができる。基本接着剤と他の接着剤タイプとの混合は、いくつかの利点を有することができる。しかしながら、混合物が使用される場合、非ポリエステル型接着剤は、接着剤混合物の総重量の50重量%以下、より好ましくは40重量%未満、さらにより好ましくは30重量%未満、最も好ましくは20重量%未満、例えば10重量%未満を形成することが好ましい。
【0024】
本発明はまた、本明細書で上に説明されたような本発明による方法によって得られる再生ポリエステルに、このポリエステル材料を含む繊維に、これらの繊維を含む繊維製品におよびポリエステル接着剤にも関する。
【0025】
[定義]
実質的に純粋なポリエステル製品は、その構成部分が少なくとも95%(w/w)、好ましくは少なくとも96%、97%、98%、99%、100%(w/w)までについてポリエステルからなる製品、すなわち、その主鎖中にエステル官能基を含有するポリマーである。そのようなポリマーは、酸および/またはアルコール官能基を含む二官能性モノマーを反応させることによって製造することができる。カーペット製品用に使用される最も一般的なタイプのポリエステルは、PET(ポリエチレンテレフタレート)およびPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)である。
【0026】
カーペット製品は、最終カーペット(広幅カーペット、カーペットタイル、マット、ラグマット、人工芝、細長いカーペットなどの)またはそれらの部分を構成する製品である。
【0027】
繊維(の)は、基本的に繊維からなることを意味する。用語「基本的に」はこの点で、基本的メカニカル構成が繊維から配列されていることを意味する:しかしながら、繊維には、最終材料が繊維以外の他の構成要素をも含むように、非繊維材料を含浸させてもよく、またはそうでなければ非繊維材料で処理されても、それと組み合わせられてもよい。典型的な繊維シートは、織および不織織物製品、またはそれらの組み合わせである。
【0028】
シートは、実質的に二次元のマスまたは材料である。すなわち、広くて薄い、典型的には、しかし必ずしもそうではないが、形が長方形であり、2つの反対面を本来有する。
【0029】
縫い付けは、縫い目によってか、またはタフティング、製編、裁縫、製織などによるなど、あたかも縫い目を使って物体の糸部分を機械的に製造する方法である。
【0030】
層は、表面上に置かれたまたは表面一面に広げられた、ある厚さの材料である。層は、厚さに関して不均質であってもよく、その中に穴を有してもよいという意味で不連続であってもよい。
【0031】
押出は、固体ポリマー材料が溶融している間に細長い中空部材を通って搬送されるプロセスであり、その融解マスは、中空部材を出る(それは、特定の形状をとるように融解ポリマーを推し進める、ダイを通ってであってもよい)ときにサブマイクロメートルスケールで、特に分子スケールで混合されている。典型的には、押出は、固定バレル中で適切に回転して押出機の固体搬送、溶融、ポンプ送液、混合および剪断精製機能を行う1つ以上の加熱スクリューを使用して行われる(Chung Chan I.,Extrusion of Polymers,Theory & Practice,2000,2nd edition,Hanser Publicationsを参照されたい)。
【0032】
均質化は、異なる物質が、一様な組成および特性を有するこれらの物質の組み合わせを形成するために混合されつつあるプロセスである。
【0033】
糸のループは、糸の基本部分から離れて曲がっていてもよい、ある長さのこの糸である(ループがそれ自体の主部分よりも長いことを排除しない)。
【0034】
[実施形態]
本発明による方法の第1実施形態において、ポリエステル接着剤の量(w/w)は、カーペット製品中のポリエステルの総量に対して0.5~25%である。25%の量よりも上で、2つの異なるタイプのポリエステルの偏析なしの押出は、最適押出設定(スクリューのタイプ、スクリューの数、回転速度、温度、バレルの長さ、ダイのタイプなど)を見いだした場合でさえも、達成するのがそれほど容易ではない。
【0035】
別の実施形態において、ポリエステル接着剤の量(w/w)は、カーペット製品中のポリエステルの総量に対して少なくとも1%である。最小量のポリエステル接着剤が、再生ポリエステル材料に有利な特性を提供し、実際の押出前のカーペット製品の任意選択の機械的前処理に使用される。ある実施形態において、ポリエステル接着剤の量(w/w)は、カーペット製品中のポリエステルの総量に対して、2%~20%、任意選択的に5~15%である。
【0036】
カーペット製品が(押出に先行して一般に行われるように)幅および長さが20cmよりも下の寸法を有する片へ機械的にカットされるその上別の実施形態において、カーペット製品片は、均質化されるために押出機に供給される前に圧縮される。繊維カーペット製品を圧縮することによって、押出機の方への供給(kg/m単位での)は高められ、押出プロセスをより信頼できるようにする。意外にも、低分子量ポリエステル接着剤の存在は、遠心力に基づくプロセスなどの公知の圧縮プロセスを用いて、よりコンパクトな(密な)材料を得ることができるため、圧縮プロセスの結果を向上させるように思われる。さらなる実施形態において、カーペット製品片は、少なくとも0.3g/cm、好ましくは少なくとも0.5g/cmの嵩密度に達するために圧縮される。その上さらなる実施形態において、カーペット製品片は、室温とポリエステル接着剤の溶融温度との間の高温で、例えば80~100℃の温度で圧縮される。
【0037】
ある実施形態において、繊維シートは、この一次基布の前面上にパイルと、一次キャリアの反対側の裏面でループとを形成するためにポリエステル糸がその中に縫い付けられた一次基布を含み、ポリエステル接着剤は、一次キャリアの裏面に適用される。他のタイプの繊維シート材料(例えば、ポリエステル接着剤がそれを通して混合された圧縮ポリエステル繊維からなるフェルト化材料)が、本リサイクリングプロセスで可能であり、使用されると想定されるが、このタイプの繊維シート材料は、非常に大量に使用されており、現行プロセスでの使用に非常に好適であるように思われる。さらなる実施形態において、カーペット製品は、一次キャリアの裏面をホット物体の表面と接触させて糸のループを少なくとも部分的に溶融させて、この裏面にポリエステル接着剤が適用される前に融解材料のマスを生み出すことによって製造される。この材料は、本方法での使用にさらにより好適である。それは、製品を全体としてポリエステル接着剤の存在下の押出プロセスでの使用により好適なものにする小規模の変更をループの溶融が生み出すことであり得る。その上さらなる実施形態において、カーペット製品は、一次キャリアの裏面に対して相対速度でホット物体の表面を提供することによって、特に静止物体としてのホット物体の表面を提供することによって製造され、一次キャリアはホット物体に沿って運ばれる。これは、本発明による方法を用いるリサイクリングに非常に好適であるカーペット製品をもたらすように思われる。
【0038】
本発明はこれから、以下の具体的な図および実施例を用いてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明によるリサイクリング方法に使用するためのカーペット製品のそれぞれの層の略図である。
図2】本発明による方法に用いるためのリサイクル・セットアップを図式的に描く。
【0040】
実施例1は、低分子量ポリエステル接着剤の結晶化度の測定方法を記載する。
【0041】
実施例2は、低分子量ポリエステル接着剤の150℃でのPa.s単位の粘度の測定方法を記載する。
【0042】
実施例3は、高分子量ポリエステルの融点の測定方法を記載する。
【0043】
実施例4は、再生ポリエステル材料の有用性を評価するための試験を記載する。
【0044】
実施例5は、高分子量ポリエステル樹脂と組み合わせての様々なタイプの低分子量ポリエステル接着剤の押出を記載する。
【0045】
実施例6は、高分子量ポリエステル樹脂と組み合わせての様々な量の低分子量ポリエステル接着剤の押出を記載する。
【0046】
図1
図1は、本発明によるリサイクリング方法に使用するための、カーペット製品、この場合カーペットタイルのそれぞれの層の略図である。タイルは、第1シート2、いわゆる一次基布を含む。このシートは、その基本層が織りポリエステルテープでできたシートである、二重層ポリエステルシートである(別個の構成層は、図1に示されていない)。この織りシートのたて糸は、42Texの1.0mm幅ポリエステルテープからなり、それらは、10cm当たり112糸で織られている。86Texの2.0mm幅ポリエステルテープでできた、よこ糸は、10cm当たり59糸で織られている。これは、約100g/mの非常に低い重量を有し、そして製造するのに安価である、機械的に比較的強いシートをもたらす。この織りポリエステルシートの裏面(図1において数字4で示される下面に相当する)は、薄いフェルト化繊維層で覆われている。この層は、約50mmの長さを有する5dTex低融点ポリエステル繊維(Tm約230℃)でシートの裏面を覆うことによって製造される。繊維は、約45g/mの量で提供される。この層は、織りポリエステルシートにニードルフェルトされ、それによって二重層一次基布2を形成する。あるいは、ある一定百分率のポリアミドまたは他のポリマー繊維を、ポリエステル繊維の隣のフェルト化層に使用することができる。
【0047】
一次基布は、260℃の融点を有する、Shaw Industries,Dalton USAから入手されたポリエステル(PET)糸で房を付けられる。糸5は、シートの第1表面3から伸び、国際公開第2014/198731号パンフレットから、その中の図3、4および5と併せてその中に記載されているように公知であるようなシーリングプロセスを用いてシートの第2表面4にシールされる。これは、糸がその中に適用された後の一次キャリアの裏面がホット物体の表面と接触させられて糸のループを少なくとも部分的に溶融させて、この裏面にポリエステル接着剤が適用される前に融解材料のマスを生み出すシーリング方法である。特にカーペット製品は、一次キャリアの裏面に対して相対速度でホット物体の表面を提供することによって、特に静止物体としてのホット物体の表面を提供することによって製造され、一次キャリアはホット物体に沿って運ばれる。タフテッド糸を持った一次基布の重量は約700g/mである。使用されるポリエステル接着剤は、弾力的な層10を一次基布に固定するために薄層11(約200g/m)として適用される、(21%の結晶化度および約45Pa.sの150℃での溶融粘度を有する)DSM Coating Resins,Zwolle,the Netherlandsから入手されたホットメルト接着剤である。この層は、約1.5mmの厚さを有する、(TWE,Emsdetten,Germany製のCaliweb(登録商標)として入手可能な)編みポリエステル層である。この編みポリエステル層の重量は約300g/mである。十分な機械的安定性を提供するために、カーペット1は、第2シート6、この場合、TWE,Emsdetten,GermanyからQualitex Nadelvliesとして入手されるポリエステル・ニードルフェルト・バッキングフリースのバッキング材を含む。この第2シートの重量は、薄層12として約800g/mである。このシートは、約300g/mで適用されるポリエステルホットメルト接着剤を使用して層10に接着させられる。カーペットタイルの総重量はしたがって、約2.3kg/mである。
【0048】
この実施形態において、異なる層は、約100~300g/mの重量(約0.1~0.3mm厚さ)を有する層の形態で適用される同じポリエステル接着剤を使用して相互に連結される。しかしながら、異なる接着剤を2つの層11および12のために使用することができよう。リサイクリングの前に接着剤層の1つ以上の分離が、押出により全体としてこの製品をリサイクルすることを考慮して実質的に純粋なポリエステルカーペット製品に達するために必要であるとまた想定される。これは、例えばシート6が非ポリエステルポリマーでできており、したがって残りのポリエステルカーペット製品の前に分離される必要がある場合に当てはまり得る。しかしながら、これはまた、糸が異なるタイプのポリマー(例えばナイロン)でできており、したがって一次基布が繊維ポリエステルシート10およびポリエステルバッキング材6から分離される必要がある場合にも当てはまり得る(その場合、シート10および6は一緒に、それらの間の接着剤層と共に、本発明の意味で実質的に純粋なポリエステルカーペット製品を構成する)。概して、接着剤は、1mm未満、有用には0.5mm未満、より有用には0.2~0.4mmの厚さを有する層として提供されてもよい。市場で販売されている先行技術カーペットにおいて、接着剤層は典型的には1mmよりも十分に上の厚さを有するが、出願人は、このポリエステル接着剤層の厚さを1mm以下に減らした場合に、十分な接着性が依然として得られ得ることを見いだした。
【0049】
図2
本発明に従って実質的に純粋なポリエステルカーペット製品のリサイクリングのために用いることができる押出リサイクリングラインが図2に図式的に描かれる。カーペット製品(図2には示されていない)は先ず第一に、(いかなる金属部品も、さらなるプロセスに入る前にそれらを除去できるように検出されることを確実にするための、示されていない、金属検出器を含む)コンベヤーベルト20によって搬送され、800mmの幅の単一軸カッターと温度制御されたシュレッダー軸(90℃の温度で動作する)とを含む複合カッティング装置21に導かれる。このようにカットされた材料は、90℃の同じ高温でまた動作するシュレッダーサイクロン22へ供給される。このサイクロンは、生成物をさらにカットし、同時に比較的フワフワしたカーペット製品を圧縮して0.4~0.6g/cmの密度を有するマスにする。得られた圧縮生成物は、180rpmで回転する一軸スクリュー設計押出機(Starlinger,Germany)を使った高分子量ポリエステルの溶融温度よりも約20~30℃上の温度での高速押出機23へ真空制御投与スクリュー(そのようなものとして示されていない)によって供給される。押出機は、脱ガス装置24を備えている。下流端で、押出材料は、バックフラッシュ付きフィルター25(タイプSPB-180-H,Starlinger)を通過する。その後、押出材料は、水リングペレタイザー26(タイプWRP 120R CC,Starlinger)に導かれる。結果として生じた材料は、さらなる使用までサイロ27に貯蔵される。また、異なるタイプのペレタイザー、すなわち、自動ストランドペレタイザー(タイプA-SPU PUSG 100,Starlinger)も使用され、十分な結果が同様にうまく得られた。
【0050】
このプロセスは、完全カーペット(一次基布プラス二次基布)、国際公開第2014/198731号パンフレットの教示に従ってシールされた、そしてその裏面にポリエステル接着剤を提供された一次基布、およびそれらの表面の少なくとも1つにポリエステル接着剤の層を提供された様々なタイプのポリエステル二次基布(各場合にポリエステル糸の繊維シート)などの様々なポリエステルカーペット製品をリサイクルするために用いられてきた。各場合にカーペット製品(完全カーペットかまたは非ポリエステル層の分離後に得られるその部分かのいずれかである)は、5~35%の結晶化度を有し、そして150℃での粘度が非常に低い(5~55Pa.sの)ポリエステル接着剤と組み合わせて約260℃の融点を有する(粘度が極めて高い)高分子量PETの繊維シートを含んだ。各場合に、押出機は、カーペット製品のタイプとは無関係な、良好な性能および安定した運転を示した。典型的な処理量は、約3%のフィルター損失で160kg/hであった。結果として生じたペレットの固有粘度は、サイロから取り出されたままの最終材料について測定され、約0.5~0.6dL/gであるように思われた。一般的な固体後縮合技術(SSP-プロセス;6~10時間約200~220℃での高温で材料をアニールすること)を適用することによって、固有粘度は、出発原料のタイプおよびSSPプロセスに用いられるプロセス条件に応じて約0.7~1.0dL/gに増加させることができた。
【0051】
[実施例1]
実施例1は、ポリマー接着剤の結晶化度の測定方法を記載する。本測定は、Mettler STARe示差走査熱量計を用いてASTM標準D3418(「Standard Test Method for Transition Temperatures and Enthalpies of Fusion and Crystallizaiton of Polymers by Differential Scanning Calorimetry(示差走査熱量測定法によるポリマーの融解および結晶化の遷移温度およびエンタルピーの標準試験方法)」)に基づく。実測のためには、10mgの接着剤試料を試料カップに入れる。この試料を150℃で15分間オーブン中に保つ。この後、試料を50℃まで冷却し、次に5℃/分の速度で250℃まで加熱する。試料を1分間250℃に保ち、その後直ちに5℃/分の速度で25℃まで冷却する。得られたDSCデータから試料ポリマーにおける結晶化度の百分率を、Mettler STARe SW 9.2ソフトウェアを用いて計算する。
【0052】
どちらの接着剤も、本発明の意味で成功裡のリサイクリングを得るために優れた特性を有する、DSM Coating Resins,Zwolle,The Netherlandsによって得られた2つのポリエステル接着剤について、結晶化度をこのように測定した。ジエチレングリコール、ブタンジオール、アジピン酸およびテレフタル酸をベースとする低分子量PET(Mw=18,704g/モル)である、第1ポリエステル接着剤(「A」と表される)について、結晶化度は11%であった。同様に低分子量接着剤(Mw=25,541g/モル)、しかしアジピン酸およびテレフタル酸は別にしてヘキサンジールおよびブタンジオールをベースとする、他の接着剤(「B」と表される)について、結晶化度は15%であった。接着剤Aの代わりの実施形態において、セバシン酸がアジピン酸の代わりに使用された。この接着剤は14%の結晶化度を有した。アルコール成分としてエタンジオールとヘキサンジオールとの混合物がテレフタル酸と反応させられた別の実施形態において、達せられた結晶化度は26%であった。出発成分およびまたは使用される相対量を変えることによって、すべてが150℃で約5~55Pa.sの低い溶融粘度を有する、5~35%の結晶化度を有する(実施例2の下で記載されるような方法を用いて確立される)、適切な接着剤を得ることができた。
【0053】
[実施例2]
ポリマー接着剤の粘度は、24mm直径スピンドルおよび1.8度のコーン角(Brookfield Cap 2000+スピンドル #4)を持った円錐平板粘度計(Brookfield Ametek,Middleboro,MA,USAから入手可能な、Brookfield CAP 2000+)を用いることによって測定する。試料を150℃に加熱する。150℃でスピンドルを試料上に下げる。試料を30秒間21rpmで測定する。粘度は、粘度計のデフォルトアルゴリズムによって自動的に測定される。実施例1の下で、本明細書で上に示された2つの接着剤(AおよびB)について、粘度は、それぞれ150℃で6.3Pa.sおよび27.1Pa.sである。実施例1において述べられた代わりの接着剤、すなわち、26%および14%の結晶化度を有する接着剤については、このように確立された粘度は、それぞれ28.2Pa.sおよび24Pa.sであった。
【0054】
[実施例3]
実施例3は、高分子量ポリエステルの融点の測定方法を記載する。本測定は、Mettler Toledo DSC 821°示差走査熱量計を用いるASTM標準D3418(「Standard Test Method for Transition Temperatures and Enthalpies of Fusion and Crystallizaiton of Polymers by Differential Scanning Calorimetry」)に基づく。実測のためには、10mgのポリエステル試料を試料カップに入れる。この後、試料を-50℃まで冷却し、次に5℃/分の速度で300℃まで加熱する。試料を1分間300℃に保ち、その後直ちに5℃/分の速度で25℃まで冷却する。得られたDSCプロットから融点を読み取ることができる。
【0055】
[実施例4]
この実施例は、再生ポリエステル材料の有用性を評価するための試験を記載する。この試験は、本発明による方法で得られる再生ポリエステル材料が、本新規材料が低分子量ポリエステル材料の混ぜ込みのためにバージン糸様ポリエステルと特性の点で本質的に異なるという事実にもかかわらず、ポリマー糸として実用的用途を有することを示す。本新規材料は、両ポリエステル材料を均質化し、そして新規材料を形成する、押出プロセスを用いて製造される。
【0056】
そのような新規ポリエステル材料の3つを、標準高分子量バージンポリエチレンテレフタレート樹脂(2%イソフタル酸をベースとするコポリマーである、0.8dL/gの固有粘度IVを有する、Cumapol,Netherlandsから入手した、D04-300)を、低分子量ポリエステル接着剤(21%の結晶化度、150℃で40~45Pa.sの粘度、および29,900g/モルのMwを有する、DSM,Netherlandsから入手したUralac CP9250 SH XP)と、3つの異なる割合、すなわち、5%接着剤(試料BS)、10%(試料CS)、および15%(試料DS)接着剤(他の量は、100%に届くまでポリエステル糸材料である)で混合することによって室温で調製した。対照Aおよび3つのポリエステルブレンドBS~DSを次に80℃で40時間乾燥させた。次に、調製されたポリエステル混合物を、60rpmの速度で動作するスクリューを備えたホッパーを通して、融解材料の全滞留時間が約2分の全9ゾーンにおいて290℃で動作する一軸スクリュー押出機(Leistritz、スクリューサイズ34mm、スクリュー速度120rpm)に添加した。結果として生じたポリマー溶融体ストリングを水浴(室温)中で冷却し、その後、冷えたストリングをペレット化した。
【0057】
対照Aおよび3つのポリエステルブレンドBS-DSを、48フィラメントからなる部分配向糸を製造するための紡糸、および伸加工糸を得るための延伸にかけた。紡糸および延伸実験前に、対照Aおよび3つのポリエステルブレンドBS-DSを、10時間60℃でのオーブン中で乾燥させた。対照Aおよび3つのポリエステルブレンドBS-DSを、インホーム紡糸機を用いて部分配向糸を製造するための紡糸にかけた。押出機に、紡糸口金への連続供給を確実にするために260℃で動作するスピンポンプ(16rpm)を備え付けた。紡糸口金でポリマー溶融体を48フィラメントへ分け、その後フィラメントを約3m高さにわたって冷却し、束ねてポリエステル糸を形成した。得られたポリエステル糸を、異なる速度で動作する3つのロールを用いて巻き取った。合計で、対照AおよびポリエステルブレンドBS-DSのそれぞれについて、2巻きの糸を調製した。得られた糸巻きを次に、インホーム延伸機を用いることによって伸加工糸を製造するために延伸にかけた。延伸は、異なる速度で動作する3セットのローラー(延伸ローラー)間で、2段階でポリエステル糸を引き伸ばすことによって実施する。加工糸は、対照材料AおよびポリエステルブレンドBS-DS材料のそれぞれを含めて、材料のそれぞれについてこのように製造することができた。
【0058】
[実施例5]
実施例5は、高分子量ポリエステル樹脂と組み合わせての様々なタイプの低分子量ポリエステル接着剤の押出を記載する。
【0059】
高分子量バージンポリエチレンテレフタレート樹脂(0.85dL/gの固有粘度を有する、約260℃の溶融温度のInvista T49H)と、3つのタイプの低分子量ポリエステル接着剤との乾燥ブレンドを調製した。
【0060】
タイプIの低分子量ポリエステル接着剤は、約60℃の溶融温度、1.2Pa.sの粘度および72%の結晶化度のタイプIaと、約58℃の溶融温度、2.2Pa.sの粘度および60%の結晶化度のタイプIbとの混合物である。
【0061】
タイプIIの低分子量ポリエステル接着剤は、約55℃の溶融温度、51.4Pa.sの粘度および37%の結晶化度のタイプIIaと、約55℃の溶融温度、57Pa.sの粘度および36%の結晶化度のタイプ1bとの混合物である。
【0062】
タイプIIIの低分子量ポリエステル接着剤は、約120℃の溶融温度、約30Pa.sの粘度および約21%の結晶化度を有する。
【0063】
接着剤樹脂材料は、押出プロセスにおける適用前に冷凍ミルにかけた(そして乾燥させた)。全3つのタイプの接着剤は、10%(w/w)の重量比で混ぜ込んだ。
【0064】
押出は、270℃の温度で動作する45mm一軸スクリュー押出機(Collin E45P、31Dスクリュー長さおよび8~10kg/時処理量)で行った。
【0065】
タイプIII接着剤入り組成物の押出は、安定な、そしてめったに壊れない規則性ポリマーストランドの極めて連続的な製造を行うのに対して、タイプI接着剤入りの組成物の押出は、連続的ではなく、ダイ圧力の大幅な低下を示し、頻繁なストランド破損をもたらす。タイプII接着剤入り組成物の押出も、ダイ圧力の小さい低下を示してそれほど連続的ではなく、タイプIII接着剤入り組成物と比べてより多くのストランド破損をもたらした。
【0066】
[実施例6]
実施例6は、高分子量ポリエステル樹脂と組み合わせての様々な量の低分子量ポリエステル接着剤の押出を記載する。
【0067】
高分子量バージンポリエチレンテレフタレート樹脂(0.85dL/gの固有粘度を有する、約260℃の溶融温度のInvista T49H)と、低分子量ポリエステル接着剤との乾燥ブレンドを調製した。低分子量ポリエステル接着剤を、1、10、25および30%(w/w)(または重量%)の重量比で混ぜ込んだ。
【0068】
低分子量ポリエステル接着剤は、約120℃の溶融温度、約30Pa.sの粘度および約21%の結晶化度を有する。
【0069】
接着剤樹脂材料は、押出プロセスにおける適用前に冷凍ミルにかけた(そして乾燥させた)。
【0070】
押出は、45mm一軸スクリュー押出機(Collin E45P、31Dスクリュー長さおよび8~10kg/時処理量)で行い、270℃の温度で運転した。
【0071】
1、10および25%(w/w)接着剤入り組成物の押出後にストランドを延伸することが可能であったのに対して、30%(w/w)接着剤入り組成物の押出は、しばしば起こるストランド破損をもたらし、したがって規則性ストランドの延伸を妨げた。
図1
図2