(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】フォトレジスト組成物及びこれを利用する微細パターン形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/038 20060101AFI20220809BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20220809BHJP
C08F 12/24 20060101ALI20220809BHJP
C08F 20/28 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G03F7/038 601
G03F7/20 521
C08F12/24
C08F20/28
(21)【出願番号】P 2017226700
(22)【出願日】2017-11-27
【審査請求日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】10-2016-0166911
(32)【優先日】2016-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0101279
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 珍
(72)【発明者】
【氏名】金 賢友
【審査官】川口 真隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-516422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/038
G03F 7/20
C08F 12/24
C08F 20/28
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子鎖(polymer chain)、及び前記高分子鎖に連結された少なくとも1つの第1作用基を含む感光性高分子と、
光酸発生剤(photoacid generator)と、を含み、
前記第1作用基は、下記の化学式1又は化学式1-1の構造を有
し、
前記感光性高分子は下記の化学式2又は化学式3の構造を含み、
前記光酸発生剤は、光を受ければ、酸イオン(H
+
)を発生させ、
前記第1作用基は、前記酸イオン(H
+
)触媒下で脱保護反応によって第2作用基に変換され、
前記第2作用基は、下記の化学式8又は化学式11の構造を有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
【化1】
【化1-1】
【化2】
【化3】
【化8】
【化11】
ここで、R
1は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、R
2は-H、-F、-Cl、-Br、炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つである。R
5は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、Xは-H、-F、-Cl、-Br、-I、-NH
2、-OH、及びハライド(halide)の中で何れか1つであ
り、
nは1乃至1、000、000範囲内の整数であり、R
3
は-H及び-CH
3
の中で何れか1つであり、Rは前記化学式1又は前記化学式1-1である。
【請求項2】
前記感光性高分子は、下記の化学式2又は化学式3の構造を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト組成物。
【化2】
【化3】
ここで、nは1乃至1、000、000範囲内の整数であり、R
3は-H及び-CH
3の中で何れか1つであり、Rは下記の化学式4である。
【化4】
ここで、R
1及びR
2は前記化学式1での定義と同一である。
【請求項3】
基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成することと、
前記基板上に露光工程を遂行して前記フォトレジスト膜の一部を露光させることと、
前記基板上に現像工程を遂行して前記フォトレジスト膜をパターニングすることと、を含み、
前記フォトレジスト組成物は、
高分子鎖(polymer chain)、及び前記高分子鎖に連結された少なくとも1つの第1作用基を含む感光性高分子と、
光酸発生剤(photoacid generator)と、を含み、
前記第1作用基は、下記の化学式1又は化学式1-1の構造を有
し、
前記感光性高分子は下記の化学式2又は化学式3の構造を含み、
前記光酸発生剤は、光を受ければ、酸イオン(H
+
)を発生させ、
前記第1作用基は、前記酸イオン(H
+
)触媒下で脱保護反応によって第2作用基に変換され、
前記第2作用基は、下記の化学式8又は化学式11の構造を有すること特徴とする微細パターン形成方法。
【化1】
【化1-1】
【化2】
【化3】
【化8】
【化11】
ここで、R
1は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、R
2は-H、-F、-Cl、-Br、炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つである。R
5は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、Xは-H、-F、-Cl、-Br、-I、-NH
2、-OH、及びハライド(halide)の中で何れか1つであ
り、
nは1乃至1、000、000範囲内の整数であり、R
3
は-H及び-CH
3
の中で何れか1つであり、Rは前記化学式1又は前記化学式1-1である。
【請求項4】
前記感光性高分子は、下記の化学式2又は化学式3の構造を含む
ことを特徴とする請求項
3に記載の微細パターン形成方法。
【化2】
【化3】
ここで、nは1乃至1、000、000範囲内の整数であり、R
3は-H及び-CH
3の中で何れか1つであり、Rは下記の化学式4である。
【化4】
ここで、R
1及びR
2は前記化学式1での定義と同一である。
【請求項5】
前記フォトレジスト膜は、前記露光工程によって露光されない第1部分、及び前記露光工程によって露光された第2部分を含み、
前記第2部分は、前記光酸発生剤によって発生された酸イオン(H
+)を含み、
前記第2部分で、前記第1作用基は、前記酸イオン(H
+)触媒下で脱保護反応によって第2作用基に変換され、
前記第2作用基は、下記の化学式8又は化学式11の構造を有する
ことを特徴とする請求項
3に記載の微細パターン形成方法。
【化8】
【化11】
ここで、R
1及びR
2は前記化学式1での定義と同一である。R
5及びXは前記化学式1-1での定義と同一である。
【請求項6】
前記フォトレジスト膜は、前記露光工程によって露光されない第1部分、及び前記露光工程によって露光された第2部分を含み、
前記第2部分は、変形された感光性高分子を含み、
前記変形された感光性高分子は、前記高分子鎖、及び前記高分子鎖に連結された少なくとも1つの第2作用基を含み、
前記第2作用基は、下記の化学式8又は化学式11の構造を有する
ことを特徴とする請求項
3に記載の微細パターン形成方法。
【化8】
【化11】
ここで、R
1及びR
2は前記化学式1での定義と同一である。R
5及びXは前記化学式1-1での定義と同一である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化学増幅形フォトレジスト組成物及びこれを利用する半導体素子の微細パターン形成方法に係る。
【背景技術】
【0002】
高集積化された半導体素子を製造するためにはパターンの微細化が必須である。狭い面積内に多数の素子を集積するためには個別素子のサイズをできる限り、小さく形成しなければならず、このために形成しようとするパターンの各々の幅と前記パターンとの間の間隔の合計であるピッチを小さくしなければならない。
【0003】
半導体素子のデザインルール(design rule)が急激に微細化されることによって半導体素子具現に必要であるパターンを形成するためのフォトリソグラフィ工程の解像度の限界が生じ、これによって微細ピッチを有するパターンを形成するのに限界がある。最近、パターンのピッチが小さくなるに連れて、フォトレジスト膜の厚さが相対的に厚くなっていることが障害になってきており、この障害を克服するために、フォトレジスト膜上に露光される光に敏感であるフォトレジスト組成物に対する研究が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8,795,943号公報
【文献】米国特許第8,628,911号公報
【文献】米国特許第8,623,590号公報
【文献】米国特許第8,440,386号公報
【文献】米国特許公開第2015/0370168号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が達成しようとする一技術的課題は高感度フォトレジスト組成物を提供することにある。
本発明が達成しようとする他の技術的課題はパターン形成が容易である微細パターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るフォトレジスト組成物は、高分子鎖(polymer chain)、及び前記高分子鎖に連結された少なくとも1つの第1作用基を含む感光性高分子と、光酸発生剤(photoacid generator)と、を含む。
前記第1作用基は、下記の化学式1又は化学式1-1の構造を有し、前記感光性高分子は下記の化学式2又は化学式3の構造を含み、前記光酸発生剤は、光を受ければ、酸イオン(H
+
)を発生させ、前記第1作用基は、前記酸イオン(H
+
)触媒下で脱保護反応によって第2作用基に変換され、前記第2作用基は、下記の化学式8又は化学式11の構造を有する。
【化1】
【化1-1】
【化2】
【化3】
【化8】
【化11】
ここで、R
1は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、R
2は-H、-F、-Cl、-Br、炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つである。R
5は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、Xは-H、-F、-Cl、-Br、-I、-NH
2、-OH、及びハライド(halide)の中で何れか1つであ
り、nは1乃至1、000、000範囲内の整数であり、R
3
は-H及び-CH
3
の中で何れか1つであり、Rは前記化学式1又は前記化学式1-1である。
【0007】
本発明に係る微細パターン形成方法は、基板上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト膜を形成することと、前記基板上に露光工程を遂行して前記フォトレジスト膜の一部を露光させることと、前記基板上に現像工程を遂行して前記フォトレジスト膜をパターニングすることと、を含む。
前記フォトレジスト組成物は、高分子鎖(polymer chain)、及び前記高分子鎖に連結された少なくとも1つの第1作用基を含む感光性高分子と、光酸発生剤(photoacid generator)と、を含
み、前記第1作用基は、下記の化学式1又は化学式1-1の構造を有し、前記感光性高分子は下記の化学式2又は化学式3の構造を含み、前記光酸発生剤は、光を受ければ、酸イオン(H
+
)を発生させ、前記第1作用基は、前記酸イオン(H
+
)触媒下で脱保護反応によって第2作用基に変換され、前記第2作用基は、下記の化学式8又は化学式11の構造を有する。
【化1】
【化1-1】
【化2】
【化3】
【化8】
【化11】
ここで、R
1は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、R
2は-H、-F、-Cl、-Br、炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つである。R
5は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、Xは-H、-F、-Cl、-Br、-I、-NH
2、-OH、及びハライド(halide)の中で何れか1つであ
り、nは1乃至1、000、000範囲内の整数であり、R
3
は-H及び-CH
3
の中で何れか1つであり、Rは前記化学式1又は前記化学式1-1である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の概念によれば、光感度が高いフォトレジスト組成物が提供される。前記フォトレジスト組成物を利用してフォトレジストパターンを形成する場合、前記フォトレジストパターンの間にフォトレジストスカムが発生されることが最小化されることができる。従って、微細ピッチを有する前記フォトレジストパターンを形成することが容易することができる。従って、パターン形成が容易である微細パターン形成方法が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための順序図である。
【
図2】本発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための概念図である。
【
図3】本発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための概念図である。
【
図4】本発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための概念図である。
【
図5】本発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための概念図である。
【
図6】本発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための概念図である。
【
図7】本発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の一部の実施形態によれば、フォトレジスト組成物は感光性高分子及び光酸発生剤(PAG、photoacid generator)を含む化学増幅形ネガティブフォトレジスト組成物である。前記感光性高分子は高分子鎖(polymer chain)、及び前記高分子鎖に連結される少なくとも1つの第1作用基(first functional group)を含む。前記高分子鎖はポリスチレン主鎖(polystyrene backbone chain)又はメタクリレート主鎖(methacrylate backbone chain)であり、前記第1作用基は下記の化学式1又は下記の化学式1-1の構造を有する。
【化1】
【化1-1】
【0011】
ここで、R1は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、R2は-H、-F、-Cl、-Br、炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つである。R5は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、Xは-H、-F、-Cl、-Br、-I、-NH2、-OH、及びハライド(halide)の中で何れか1つである。
【0012】
一部の実施形態によれば、前記感光性高分子は下記の化学式2又は化学式3の構造を含むことができる。
【化2】
【化3】
【0013】
前記化学式2及び前記化学式3で、nは1乃至1、000、000の範囲内の整数である。R
3は-H及び-CH
3の中で何れか1つである。Rは前記化学式1又は前記化学式1-1であるか、或いは下記の化学式4及び化学式5の中で何れか1つである。
【化4】
ここで、R
1及びR
2は前記化学式1での定義と同一である。
【化5】
【0014】
ここで、a+b=2であり、aは1以上の整数、bは0以上の整数である。mは1乃至20である。R1及びR2は前記化学式1での定義と同一であり、R4は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つである。
【0015】
前記光酸発生剤は光を受ければ、酸イオン(H+)を発生させる。前記光酸発生剤は一例として、トリアリールスルホニウム塩(triarylsulfonium salts)、 ジアリールヨードニウム塩(diaryliodonium salts)、 スルホン酸塩(sulfonates)又はこれらの混合物を含むが、本発明の概念はこれに限定されない。
【0016】
前記フォトレジスト組成物が光に露出される場合、前記フォトレジスト組成物は前記光酸発生剤によって発生される酸イオン(H
+)を含む。前記感光性高分子内の前記第1作用基は、下記の反応式1又は反応式1-1のように、酸イオン(H
+)触媒下で、脱保護(de-protection)反応によって第2作用基に変換される。
【化12】
【化12-1】
【0017】
従って、前記フォトレジスト組成物は前記光によって変形された感光性高分子を含む。前記変形された感光性高分子は前記高分子鎖、及び前記高分子鎖に連結された少なくとも1つの前記第2作用基を含む。一部の実施形態によれば、前記変形された感光性高分子は下記の化学式6又は化学式7の構造を含む。
【化6】
【化7】
【0018】
前記化学式6及び前記化学式7で、n及びR
3は前記化学式2及び化学式3での定義と同一である。R’は前記第2作用基を示し、下記の化学式8、化学式9、化学式10、及び化学式11の中で何れか1つである。
【化8】
【0019】
ここで、R
1及びR
2は前記化学式1での定義と同一である。
【化9】
【0020】
ここで、R
1及びR
2は前記化学式1での定義と同一である。
【化10】
【0021】
ここで、R
1及びR
2は前記化学式1での定義と同一であり、a、b、m、及びR
4は前記化学式5での定義と同一である。
【化11】
【0022】
ここで、R5及びXは前記化学式1-1での定義と同一である。
【0023】
前記フォトレジスト組成物が前記光に露出される前の前記感光性高分子は親水性を有し、前記フォトレジスト組成物が前記光に露出された後、前記変形された感光性高分子は疏水性を有する。前記第1作用基と前記第2作用基との間の溶解度の差によって、前記変形された感光性高分子は前記感光性高分子と異なる溶解度を有する。
【0024】
一般的に、化学増幅形ネガティブフォトレジスト組成物は親水性を有する感光性高分子を含む。前記化学増幅形ネガティブフォトレジスト組成物が光に露出される場合、前記感光性高分子は露光によって発生される酸イオン(H+)触媒下で架橋剤と反応し、従って疏水性を有する感光性高分子に変換される。この場合、前記感光性高分子と前記架橋剤との架橋反応は、前記感光性高分子内の第1高分子と前記架橋剤との1次反応、及び前記感光性高分子内の第2高分子と前記架橋剤との2次反応によって遂行されることができる。前記架橋反応が複数の反応段階を経て遂行されることによって、前記架橋反応の反応速度は相対的に遅い。従って、前記化学増幅形ネガティブフォトレジスト組成物の光感度は低い。
【0025】
本発明の実施形態によれば、前記フォトレジスト組成物の前記感光性高分子は前記高分子鎖に連結される少なくとも1つの前記第1作用基を含む。前記フォトレジスト組成物が光に露出される場合、前記第1作用基は、別の架橋反応無しで、露光によって発生される酸イオン(H+)触媒下で脱保護反応によって前記第2作用基に変換される。この場合、前記脱保護反応は架橋剤による架橋反応より反応経路が単純であるので、前記脱保護反応の反応速度は相対的に速い。従って、前記フォトレジスト組成物の光感度が高くなる。加えて、前記第1作用基と前記第2作用基との溶解度の差によって、前記フォトレジスト組成物を利用するとパターンが容易に形成できる。
【0026】
以下の合成例は本発明の1又は複数の実施形態の特徴を際立たせるために提供されるが、これらの合成例は本発明のスコープを如何なる意味においても限定しないと理解されるべきである。
【0027】
【0028】
酸又は塩基の存在下で、出発物質(a)に水(H2O)を添加して反応させることによって、生成物(b)を製造する。
【0029】
【0030】
ここで、R5は炭素数1乃至20であるアルキル基、及び炭素数1乃至20であるアリール基の中で何れか1つであり、Xは-H、-F、-Cl、-Br、-I、-NH2、-OH、及びハライド(halide)の中で何れか1つである。
【0031】
常温で出発物質(a)をDCM(di chloro methane)に溶解する。出発物質(a)とDCM溶媒からなされた溶液にH2Oを添加する。この場合、出発物質(a)1当量に対してH2O 3当量が添加されるようにする。その後、前記溶液の温度を0℃に下げ、酸イオン(H+)を前記溶液に添加する。この時、出発物質(a) 1当量に対して酸イオン(H+) 1.2当量が添加されるようにする。H2O及び酸イオン(H+)が添加された前記溶液(反応物)を0℃で30分間攪拌して生成物(b)を製造する。
【0032】
【0033】
反応スタート物質(1) 1当量を常温のArガス雰囲気下でdry DCM(di chloro methane)に溶解する。反応温度を0℃に冷却する。0℃のArガス雰囲気下で、NaH 1.2当量を反応混合物に緩やかに添加する。反応物質(2)を、0℃のArガス雰囲気下で、前記反応混合物に添加する。反応温度を常温に上昇させる。1時間の間に攪拌して反応させる。中間生成物(3)のA部分が脱保護化されて最終生成物(4)を製造する。最終生成物(4)の重合反応によって感光性高分子を製造する。
【0034】
【0035】
0℃のArガス雰囲気下で、反応物質(1) 1当量及び反応物質(2) 1.2当量をDTBMP 2当量と共にdry DCM(di chloro methane)に溶解する。反応温度を常温に上昇させる。1時間の間に攪拌して反応させる。中間生成物(3)のB部分が脱保護化されて最終生成物(4)を製造する。最終生成物(4)の重合反応によって感光性高分子を製造する。ここで、Xは-H、-F、-Cl、-Br、-I、-NH2、-OH、及びハライド(halide)の中で何れか1つである。
【0036】
図1は本発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための順序図である。
図2乃至
図7は発明の一部の実施形態に係る微細パターン形成方法を説明するための概念図である。
【0037】
図1及び
図2を参照すれば、基板10上に蝕刻対象膜20が形成され、前記蝕刻対象膜20上にフォトレジスト膜30が形成される(S10)。前記基板10は半導体基板であり、前記蝕刻対象膜20は導電膜及び/又は絶縁膜である。前記フォトレジスト膜30を形成することは、前記基板10上に前記フォトレジスト組成物を塗布することを含む。前記フォトレジスト組成物は前記感光性高分子及び前記光酸発生剤(PAG、photoacid generator)を含む化学増幅型ネガティブフォトレジスト組成物である。前記感光性高分子は前記高分子鎖(polymer chain)、及び前記高分子鎖に連結される少なくとも1つの前記第1作用基を含む。一部の実施形態によれば、前記感光性高分子は前記化学式2又は前記化学式3の構造を含む。
【0038】
図1及び
図3を参照すれば、前記フォトレジスト膜30上に露光工程が遂行される(S20)。前記露光工程は前記フォトレジスト膜30上にフォトマスク40を提供すること及び前記フォトレジスト膜30上に光Lを照射することを含む。前記フォトマスク40は開口部40aを有し、前記光Lは前記開口部40aを通じて前記フォトレジスト膜30上に照射される。前記露光工程によって、前記フォトレジスト膜30は前記光Lに露出されない第1部分30a、及び前記光Lに露出された第2部分30bを含む。前記第2部分30bで、前記フォトレジスト組成物は前記光酸発生剤によって発生される酸イオン(H
+)を含む。前記第2部分30bで、前記感光性高分子内の前記第1作用基は、前記反応式1及び前記反応式1-1を参照して説明したように、酸イオン(H
+)触媒下で脱保護反応によって前記第2作用基に転換される。従って、前記第2部分30bは前記光Lによって変形された感光性高分子を含む。前記変形された感光性高分子は前記高分子鎖、及び前記高分子鎖に連結された少なくとも1つの前記第2作用基を含む。
一部の実施形態によれば、前記変形された感光性高分子は前記化学式6又は前記化学式7の構造を含む。前記第1部分30aは前記化学式2又は前記化学式3の構造を含む前記感光性高分子を含む。前記感光性高分子は親水性を有し、前記変形された感光性高分子は疏水性を有する。即ち、前記露光工程によって、前記フォトレジスト膜30は親水性を有する前記第1部分30a及び疏水性を有する前記第2部分30bを含む。
【0039】
図1、
図4、及び
図6を参照すれば、露光された前記フォトレジスト膜30上に現像工程を遂行してフォトレジストパターン32が形成される(S30)。一例として、
図4に示されたように、前記現像工程はPTD(positive tone developing)方法を利用して遂行される。この場合、親水性を有する前記第1部分30aが前記現像工程によって除去され、疏水性を有する前記第2部分30bが前記基板10上に残る。即ち、前記第2部分30bは前記フォトレジストパターン32を定義する。
他の例として、
図6に示されたように、前記現像工程はNTD(negative tone developing)方法を利用して遂行される。この場合、疏水性を有する前記第2部分30bが前記現像工程によって除去され、親水性を有する前記第1部分30aが前記基板10上に残る。即ち、前記第1部分30aが前記フォトレジストパターン32を定義する。
【0040】
図1、
図5、及び
図7を参照すれば、前記フォトレジストパターン32をマスクとして利用して前記蝕刻対象膜20がパターニングされる(S40)。前記蝕刻対象膜20をパターニングすることは、前記フォトレジストパターン32を蝕刻マスクとして利用する蝕刻工程を遂行することを含む。前記蝕刻対象膜20がパターニングされることによって、前記基板10上にパターン22が形成される。
【0041】
従来技術に係って、前記フォトレジスト膜30を構成するフォトレジスト組成物の光感度が低い場合、前記露光工程を遂行して前記フォトレジスト膜30の物性を変化させることが容易でないこともあり得る。即ち、前記光Lに露出される前記第2部分30bが前記光Lに露出されない前記第1部分30aと異なる極性及び/又は溶解度を有するように変化させることが容易でないこともあり得る。この場合、前記露光及び現像工程が遂行された後にも、前記フォトレジスト膜30の一部が前記フォトレジストパターン32の間に残る可能性がある。前記フォトレジストパターン32の間に残った前記フォトレジスト膜30の前記一部(以下、フォトレジストスカム(photoresist scum))は後続の蝕刻工程の不良を惹起する可能性がある。
【0042】
本発明の実施形態によれば、前記フォトレジスト膜30を構成する前記フォトレジスト組成物は前記感光性高分子を含み、前記感光性高分子は前記高分子鎖に連結される少なくとも1つの前記第1作用基を含む。前記フォトレジスト膜30の前記第2部分30bで、前記第1作用基は、別途の架橋反応無しで、露光によって発生される酸イオン(H+)触媒下で脱保護反応によって前記第2作用基に変換される。この場合、前記脱保護反応は架橋剤による架橋反応より反応経路が単純であるので、前記光Lを利用して前記第2部分30bの物性(即ち、極性及び/又は溶解度)を変化させることが容易である。従って、前記フォトレジストパターン32の間に前記フォトレジストスカムが発生されることが最小化され、微細ピッチを有する前記フォトレジストパターン32を形成することが容易である。従って、微細ピッチを有する前記パターン22を形成することが容易である。
【0043】
本発明の実施形態に対する以上の説明は本発明の説明のための例示を提供する。従って、本発明は以上の実施形態に限定されなく、本発明の技術的思想内で当該技術分野の通常の知識を有する者によって前記実施形態を組合して実施する等様々な多い修正及び変更が可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0044】
10 基板
20 蝕刻対象膜
22 パターン
30 フォトレジスト膜
40 フォトマスク
L 光
30a 第1部分
30b 第2部分
32 フォトレジストパターン