(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】駆動機構
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20220809BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20220809BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20220809BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20220809BHJP
H02K 33/18 20060101ALI20220809BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/00 B
G03B5/00 J
G03B30/00
H02K33/18 B
H04N5/225 300
H04N5/225 400
H04N5/225 700
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017246540
(22)【出願日】2017-12-22
【審査請求日】2020-06-25
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201711293803.0
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505259022
【氏名又は名称】台湾東電化股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 富源
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 詩▲てい▼
(72)【発明者】
【氏名】聶 奕心
(72)【発明者】
【氏名】宋 欣忠
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-237193(JP,A)
【文献】特開2014-174404(JP,A)
【文献】特開2003-167180(JP,A)
【文献】特開2008-058946(JP,A)
【文献】特開2012-002973(JP,A)
【文献】特開2011-039481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G02B 7/00
G03B 5/00
G03B 30/00
H02K 33/18
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を駆動する駆動機構であって、
ハウジングモジュール、
前記光学素子を収容する前記ハウジングモジュールに移動可能に配置され、貫通孔を形成する側壁部を有する中空ホルダ、および
第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、前記第1の磁気素子は、前記中空ホルダの上に配置され、前記貫通孔を介して前記中空ホルダの内側に露出され、前記第2の磁気素子は、前記ハウジングモジュールに連結され、前記第1の磁気素子に対応して、前記中空ホルダを前記ハウジングモジュールに対して移動させる電磁駆動アセンブリ、を含み、
前記ハウジングモジュールは、上部および複数の側壁を有するカバーを有し、前記上部は、前記側壁の少なくとも1つに延伸する開口を形成し、
前記中空ホルダは、金属フレームおよび前記金属フレームに連結されたプラスチック体を含み、
前記第1の磁気素子は、巻回部を有するコイルであり、前記金属フレームは、前記巻回部を支持する平板の支持部を有す
る駆動機構。
【請求項2】
光学素子を駆動する駆動機構であって、
ハウジングモジュール、
前記光学素子を収容する前記ハウジングモジュールに移動可能に配置され、貫通孔を形成する側壁部を有する中空ホルダ、および
第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、前記第1の磁気素子は、前記中空ホルダの上に配置され、前記貫通孔を介して前記中空ホルダの内側に露出され、前記第2の磁気素子は、前記ハウジングモジュールに連結され、前記第1の磁気素子に対応して、前記中空ホルダを前記ハウジングモジュールに対して移動させる電磁駆動アセンブリ、を含み、
前記ハウジングモジュールは、上部および複数の側壁を有するカバーを有し、前記上部は、前記側壁の少なくとも1つに延伸する開口を形成し、
前記ハウジングモジュールは、互いに連結したカバーとベースを有し、前記カバーは、一体成型された金属部材とプラスチック体を有し、
前記金属部材は、前記金属部材の角部にロッド部を形成し、前記プラスチック体は、前記ロッド部がその中に埋め込まれた埋め込み部を有す
る駆動機構。
【請求項3】
光学素子を駆動する駆動機構であって、
ハウジングモジュール、
前記光学素子を収容する前記ハウジングモジュールに移動可能に配置され、貫通孔を形成する側壁部を有する中空ホルダ、および
第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、前記第1の磁気素子は、前記中空ホルダの上に配置され、前記貫通孔を介して前記中空ホルダの内側に露出され、前記第2の磁気素子は、前記ハウジングモジュールに連結され、前記第1の磁気素子に対応して、前記中空ホルダを前記ハウジングモジュールに対して移動させる電磁駆動アセンブリ、を含み、
前記ハウジングモジュールは、上部および複数の側壁を有するカバーを有し、前記上部は、前記側壁の少なくとも1つに延伸する開口を形成し、
前記ハウジングモジュールは、互いに連結したカバーとベースを有し、前記カバーは、金属部材を含み、前記ベースは、プラスチック材料を含み、前記カバーと前記ベースは、一体成型され、
前記カバーは、前記カバーの角部にロッド部を形成し、前記ベースは、前記ロッド部がその中に埋め込まれた埋め込み部を形成す
る駆動機構。
【請求項4】
光学素子を駆動する駆動機構であって、
ハウジングモジュール、
前記光学素子を収容する前記ハウジングモジュールに移動可能に配置され、貫通孔を形成する側壁部を有する中空ホルダ、および
第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、前記第1の磁気素子は、前記中空ホルダの上に配置され、前記貫通孔を介して前記中空ホルダの内側に露出され、前記第2の磁気素子は、前記ハウジングモジュールに連結され、前記第1の磁気素子に対応して、前記中空ホルダを前記ハウジングモジュールに対して移動させる電磁駆動アセンブリ、を含み、
前記ハウジングモジュールは、上部および複数の側壁を有するカバーを有し、前記上部は、前記側壁の少なくとも1つに延伸する開口を形成し、
前記ハウジングモジュールは、前記光学素子の光軸に沿って延伸する2つの突出部を有する四辺形のベースを有し、前記突出部は、前記ベースの対角の二隅にそれぞれ配置され、前記電磁駆動アセンブリに対応し、
2つのスプリングを更に含み、前記ベースは、前記ベースのその他の2つの角部に2つの連結部を更に有し、前記2つのスプリングは、前記連結部を前記中空ホルダとそれぞれ連結す
る駆動機構。
【請求項5】
光学素子を駆動する駆動機構であって、
ハウジングモジュール、
前記光学素子を収容する前記ハウジングモジュールに移動可能に配置され、貫通孔を形成する側壁部を有する中空ホルダ、および
第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、前記第1の磁気素子は、前記中空ホルダの上に配置され、前記貫通孔を介して前記中空ホルダの内側に露出され、前記第2の磁気素子は、前記ハウジングモジュールに連結され、前記第1の磁気素子に対応して、前記中空ホルダを前記ハウジングモジュールに対して移動させる電磁駆動アセンブリ、を含み、
前記中空ホルダは、金属フレームおよび前記金属フレームに連結されたプラスチック体を含み、
前記第1の磁気素子は、巻回部を有するコイルであり、前記金属フレームは、前記巻回部を支持する平板の支持部を有す
る駆動機構。
【請求項6】
光学素子を駆動する駆動機構であって、
ハウジングモジュール、
前記光学素子を収容する前記ハウジングモジュールに移動可能に配置され、貫通孔を形成する側壁部を有する中空ホルダ、および
第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、前記第1の磁気素子は、前記中空ホルダの上に配置され、前記貫通孔を介して前記中空ホルダの内側に露出され、前記第2の磁気素子は、前記ハウジングモジュールに連結され、前記第1の磁気素子に対応して、前記中空ホルダを前記ハウジングモジュールに対して移動させる電磁駆動アセンブリ、を含み、
前記ハウジングモジュールは、互いに連結したカバーとベースを有し、前記カバーは、一体成型された金属部材とプラスチック体を有し、
前記金属部材は、前記金属部材の角部にロッド部を形成し、前記プラスチック体は、前記ロッド部がその中に埋め込まれた埋め込み部を有す
る駆動機構。
【請求項7】
光学素子を駆動する駆動機構であって、
ハウジングモジュール、
前記光学素子を収容する前記ハウジングモジュールに移動可能に配置され、貫通孔を形成する側壁部を有する中空ホルダ、および
第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、前記第1の磁気素子は、前記中空ホルダの上に配置され、前記貫通孔を介して前記中空ホルダの内側に露出され、前記第2の磁気素子は、前記ハウジングモジュールに連結され、前記第1の磁気素子に対応して、前記中空ホルダを前記ハウジングモジュールに対して移動させる電磁駆動アセンブリ、を含み、
前記ハウジングモジュールは、互いに連結したカバーとベースを有し、前記カバーは、金属部材を含み、前記ベースは、プラスチック材料を含み、前記カバーと前記ベースは、一体成型され、
前記カバーは、前記カバーの角部にロッド部を形成し、前記ベースは、前記ロッド部がその中に埋め込まれた埋め込み部を形成す
る駆動機構。
【請求項8】
光学素子を駆動する駆動機構であって、
ハウジングモジュール、
前記光学素子を収容する前記ハウジングモジュールに移動可能に配置され、貫通孔を形成する側壁部を有する中空ホルダ、および
第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、前記第1の磁気素子は、前記中空ホルダの上に配置され、前記貫通孔を介して前記中空ホルダの内側に露出され、前記第2の磁気素子は、前記ハウジングモジュールに連結され、前記第1の磁気素子に対応して、前記中空ホルダを前記ハウジングモジュールに対して移動させる電磁駆動アセンブリ、を含み、
前記ハウジングモジュールは、前記光学素子の光軸に沿って延伸する2つの突出部を有する四辺形のベースを有し、前記突出部は、前記ベースの対角の二隅にそれぞれ配置され、前記電磁駆動アセンブリに対応し、
2つのスプリングを更に含み、前記ベースは、前記ベースのその他の2つの角部に2つの連結部を更に有し、前記2つのスプリングは、前記連結部を前記中空ホルダとそれぞれ連結す
る駆動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年12月23日に出願された米国特許仮出願番号第62/438749号、2017年12月8日に出願された中国特許出願番号第201711293803.0号についての優先権を主張するものであり、これらの全ては引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、駆動機構に関するものであり、特に、電磁力を用いて光学素子を移動させる駆動機構に関するものである。
【背景技術】
【0003】
技術の発展に伴い、カメラが携帯電話およびタブレットコンピュータなどの携帯用電子機器に広く用いられている。カメラの高い画像品質を達成するために、電磁駆動機構がカメラレンズモジュールの位置を迅速に調整するために用いられており、フォトセンサによって鮮明な画像を得ている。従って、カメラのオートフォーカスとオートズーム制御を容易にする。
【0004】
カメラレンズモジュールの小型化の動向により、駆動機構の寸法は、縮小されているため、駆動機構の不十分な構造強度により、駆動機構に損傷が生じる可能性がある。従って、駆動機構の寸法の縮小と十分な構造強度を提供することが重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハウジングモジュール、中空ホルダ、電磁駆動アセンブリを含む光学素子を駆動する駆動機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これに鑑みて、本発明の1つの目的は、ハウジングモジュール、中空ホルダ、電磁駆動アセンブリを含む光学素子を駆動する駆動機構を提供することである。ホルダは、ハウジングモジュールに移動可能に配置され、光学素子を収容し、ホルダは、貫通孔を形成する側壁部を有する。電磁駆動アセンブリは、第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、第1の磁気素子は、ホルダの上に配置され、貫通孔を介してホルダの内側に露出され、第2の磁気素子は、ハウジングモジュールに連結され、第1の磁気素子に対応して、ホルダをハウジングモジュールに対して移動させる。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、ハウジングモジュールは、上部および複数の側壁を有するカバーを有し、上部は、側壁の少なくとも1つに延伸する開口を形成する。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、開口は、円形状に近い形状を有し、側壁の少なくとも1つに延伸する突出領域を形成する。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、カバーは、金属材料を含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、ハウジングモジュールは、多角形構造を有し、第2の磁気素子は、多角形構造の角部に配置される。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、第1の磁気素子の一部は、側壁部の内側面に沿う円弧に接する。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、第1の磁気素子は、磁石またはコイルを含む。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、第1の磁気素子は、FPCに形成されたコイルを含み、ホルダを囲む。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、ハウジングモジュールは、互いに連結したカバーとベースを有し、カバーは、一体成型された金属部材とプラスチック体を有する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、金属部材は、金属部材の角部にロッド部を形成し、プラスチック体は、ロッド部がその中に埋め込まれた埋め込み部を有する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、金属部材とプラスチック体は、インサート成形プロセスによって一体成型される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、ハウジングモジュールは、互いに連結したカバーとベースを有し、カバーは、金属部材を含み、ベースは、プラスチック材料を含み、カバーとベースは、一体成型される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、カバーは、カバーの角部にロッド部を形成し、ベースは、ロッド部がその中に埋め込まれた埋め込み部を形成する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、カバーとベースは、インサート成形プロセスによって一体成型される。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、側壁部の外側面は、貫通孔と連通した凹部を形成し、第1の磁気素子は、凹部内に配置される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、ハウジングモジュールは、光学素子の光軸に沿って延伸する突出部を有するベースを有し、第2の磁気素子は、突出部に固定され、第1の磁気素子に対応する。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、ハウジングモジュールは、光学素子の光軸に沿って延伸する2つの突出部を有する四辺形のベースを有し、突出部は、ベースの対角の二隅にそれぞれ配置され、電磁駆動アセンブリに対応する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、駆動機構は、2つのスプリングを更に含み、ベースは、ベースのその他の2つの角部に2つの連結部を更に有し、2つのスプリングは、連結部をホルダとそれぞれ連結する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、ホルダは、金属フレームおよび金属フレームに連結されたプラスチック体を含む。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、第1の磁気素子は、巻回部を有するコイルであり、プラスチック体は、巻回部を支持する平板の支持部を有する。
【0026】
本発明のもう一つの目的は、カバー、中空ホルダ、および電磁駆動アセンブリを含む光学素子を駆動する駆動機構を提供することである。カバーは、上部および延伸部を有し、上部は、開口を形成し、延伸部は、光学素子の光軸に沿った開口の内縁部から延伸する。ホルダは、光学素子を収容するようにカバーに移動可能に配置され、ホルダは、貫通孔を形成する側壁部を有し、延伸部は、貫通孔を介してホルダの内側に露出される。電磁駆動アセンブリは、第1の磁気素子および第2の磁気素子を含み、第1の磁気素子は、ホルダの上に配置され、第2の磁気素子は、カバーに連結され、第1の磁気素子に対応して、ホルダをカバーに対して移動させる。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態に基づいて、ホルダは、上面および上面に形成された規制溝を更に有し、規制溝は、貫通孔と連通し、延伸部は、規制溝内に延伸される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
実施形態及びその利点をより完全に理解するために、添付の図面とともに以下の詳細な説明を参照する。
【
図1A】本発明の実施形態に係る、駆動機構の分解図を示している。
【
図1E】側壁部201の弧状の内側面に沿う円弧に接するコイルCの一部の断面図を示している。
【
図2A】本発明のもう1つの実施形態に係る、駆動機構の分解図を示している。
【
図2B】アセンブリ後の
図2Aの駆動機構の斜視図を示している。
【
図3A】本発明のもう1つの実施形態に係る、駆動機構の分解図を示している。
【
図3B】
図3Aのプラスチック体40と金属部材50の斜視図を示している。
【
図3C】アセンブリ後の
図3Bのプラスチック体40と金属部材50の断面図を示している。
【
図4A】本発明のもう1つの実施形態に係る、駆動機構の分解図を示している。
【
図4B】
図4Aのカバー10とベース30の斜視図を示している。
【
図4C】アセンブリ後の
図4Bのカバー10とベース30の断面図を示している。
【
図5A】本発明のもう1つの実施形態に係る、駆動機構の分解図を示している。
【
図5B】アセンブリ後の
図5Aの駆動機構の断面図を示している。
【
図6A】本発明のもう1つの実施形態に係る、駆動機構の分解図を示している。
【
図6B】ベース30の2つの連結部33にそれぞれ連結した2つの下スプリングS2の斜視図を示している。
【
図7A】本発明のもう1つの実施形態に係る、ホルダ20とコイルCの分解図を示している。
【
図7B】アセンブリ後の
図7Aのホルダ20とコイルCの斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明は種々の態様に関連して記述されているが、この発明がさらなる変更ができることは理解される。本用途は、本発明の一般的な原理を用いて、本発明の任意の変形、使用または改造を含むことが意図される。さらに、本用途は、本発明が属する分野において公知の、または慣例的実施の範囲内に入るような本開示からの逸脱を含むことが意図される。
【0030】
本発明の例示的な実施形態についての次の詳細な説明では、本発明の添付図面を参照し、本発明を実施することができる特定の実施形態を例として示す。この観点から、例えば「上部」、「底部」、「前部」、「後部」などの方向を示す用語は、説明される図面の方向を参照にしながら用いられる。本発明の構成要素は、多くの異なる方向で配置することができる。このように、方向を示す用語は、説明の目的のために用いられ、決してこれを限定するものではない。
【0031】
図1A~
図1Dに示すように、
図1Aは、本発明の実施形態に基づいた駆動機構を示す分解図である。
図1Bは、
図1Aの駆動機構を示す斜視図である。
図1Cは、
図1BのラインA-Aに沿った断面図であり、
図1Dは、
図1BのラインB-Bに沿った断面図である。
図1A~
図1Bに示されるように、駆動機構は、光学レンズなどの光学素子を駆動するのに用いられ、主に、カバー10、中空ホルダ20、ベース30、コイルC、少なくとも1つの上スプリングS1、少なくとも1つの下スプリングS2、および少なくとも1つの磁石Mを含む。
【0032】
ホルダ20は、光学素子(例えば、光学レンズ)を受けるのに用いられる。この実施形態では、駆動機構は、携帯電話またはタブレットコンピュータなどの携帯用電子機器に配置されて、回路ユニット(図示されていない)に電気的に接続され、光学素子の位置を調整することができるため、光学素子を通過する光線が光学センサ(図示されていない)に正確に集束されることができる。いくつかの実施形態では、駆動機構は、オートフォーカスおよび/またはズームを実現するボイスコイルモータ(VCM)であることができる。
【0033】
図1A~
図1Dに示されるように、カバー10とベース30は、互いに連結されてハウジングモジュールを形成し、ホルダ20、コイルC、上と下スプリングS1とS2、および磁石Mは、全てハウジングモジュール内に収容される。コイルC(第1の磁気素子)は、FPCに形成されたコイルを含んでもよく、ホルダ20を囲むことができる。特に、コイルC、ホルダ20、およびその中に収容された光学素子は、上スプリングS1および/または下スプリングS2を介してカバー10および/またはベース30に移動可能に連結され、これらはハウジングモジュール内に吊設され、Z軸に沿って移動可能である。ここでは、カバー10は、多角形構造を有し、磁石M(第2の磁気素子)は、カバー10の角部に固定され、ホルダ20上のコイルCに対応する。
【0034】
この実施形態では、コイルCとそれに対応する少なくとも1つの磁石Mは、電磁駆動アセンブリを構成することができる。電流がコイルCに流れたとき、磁力がコイルCと磁石Mの間に発生し、コイルC、ホルダ20、およびその中の光学素子がハウジングモジュールに対してZ軸に沿って移動するように駆動させるため、オートフォーカスおよび/またはズームを実現することができる。留意すべきことは、コイルCおよび磁石Mの位置は、交換可能であることである。即ち、磁石Mは、第1の磁気素子としてホルダ20に配置されることができ、それに対応して、コイルC(例えばFPCに形成されたコイルでもよい)は、第2の磁気素子としてカバー10またはベース30に固定されることができるため、磁力が生成され、コイルC、ホルダ20、およびその中の光学素子がカバー10およびベース30に対してZ軸に沿って移動するように駆動させることができる。
【0035】
X方向とY方向に沿った駆動機構の寸法を縮小させるために、本実施形態のホルダ20は、その側壁部201上に、磁石Mに対応する貫通孔21を形成する。
図1Cおよび
図1Dに示されるように、コイルCは、側壁部201の内側面に近接して配置され、コイルCの少なくとも一部は、貫通孔21を介してホルダ20の内側に露出される。
図1Dは、ホルダ20の反対側にある2組の貫通孔21が2つの延伸線L1とL2を定義していることを明確に示している。延伸線L1とL2は、光学素子の光軸Oに実質的に垂直であるX軸とY軸にそれぞれ平行である。留意すべきことは、駆動機構の内側(光軸O)から外側を観察したとき、延伸線L1とL2は、光軸Oから延伸され、光学素子、コイルC、およびカバー10を順次に通過し、コイルCとカバー10は、その間に形成された間隙Dを有して、直接互いに対向している(
図1D)。即ち、コイルCとカバー10の間に磁石が配置されていない。ホルダ20がコンパクトな寸法の駆動機構で異なるタイプの光学素子を搭載することができるため、使用上、および設計上の自由度の利便性が大幅に向上する。また、この実施形態の構成に基づいて、空間利用は、より効率的であることができ、水平方向(XY面)に沿ったコイルCとホルダ20の寸法も縮小され、駆動機構の小型化を達成することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、
図1Eに示されるように、可能な限り水平方向(XY面)に沿ったコイルCとホルダ20の寸法を更に縮小するために、コイルCの一部は、側壁部201の内側面に沿う円弧に接することができ、駆動機構の小型化を容易にする。
【0037】
更に
図1A~
図1Dに示すように、カバー10は、上部11と4つの側壁12を有する。上部11は、実質的に円形の開孔Hを形成し、開孔Hは、少なくとも1つの側壁12に延伸する少なくとも1つの突出領域Rを有する。留意すべきことは、本実施形態のカバー10は、金属を含み、四辺形構造を有することができ、開孔Hは、パンチング加工によって形成されることができる。ここでは、4つの突出領域Rは、X、-X、Y、-Y方向に沿って4つの側壁12にそれぞれ延伸され、開孔Hと側壁12の縁部間の短過ぎる距離によるカバー10の不十分な構造強度が防止されることができる。また、水平方向(XY面)に沿ったカバー10の寸法が効率的に縮小されることができるとき、駆動機構の小型化も達成されることができる。
【0038】
図2A、
図2B、および
図2Cは、駆動機構のもう1つの実施形態を示している。
図1A~
図1Dの実施形態と異なる個所は、本実施形態のホルダ20は、少なくとも1つの貫通孔21ともう1つの貫通孔22を形成し、カバー10は、上部11に連結された延伸部101を形成するところである。ここでは、延伸部101は、光学素子の光軸に沿った開孔Hの内縁部から下方(-Z方向)に延伸され、貫通孔22を部分的にまたは完全にブロックする。延伸部101は、貫通孔22を介してホルダ20の内側に露出される。
【0039】
また、
図2A、
図2B、および
図2Cでは、少なくとも1つの規制溝23がホルダ20の上面に形成され、貫通孔22と連通している。留意すべきことは、延伸部101は、組み立て時に、規制溝23内に挿入される。ここでは、延伸部101は、規制溝23の内側面に当接するストッパーとして用いられることができ、ホルダ20が水平方向(XY面)に沿った移動/回転範囲内で制限されることができる。従って、意図しない衝突による駆動機構への損傷とホルダ20より発生した粒子を防ぐことができる。
【0040】
図3A、
図3B、および
図3Cは、駆動機構のもう1つの実施形態を示している。
図1A~
図1Dの実施形態と異なる個所は、本発明の実施形態のカバー10は、一体成型されたプラスチック体40と金属部材50を含む。
図3Bと
図3Cに示されるように、プラスチック体40は、その角部に少なくとも1つの埋め込み部を形成し、金属部材50は、その角部に埋め込み部41に対応するロッド部51を形成する。製造プロセス時、ロッド部51は、予め形成されることができ、次いで、プラスチック体40がインサート成形、または他のプラスチック形成プロセスによって金属部材50の上に形成され、ロッド部51が埋め込み部41内に埋め込まれる(
図3C)。
【0041】
上述のように、この実施形態のカバー10は、プラスチック体40と金属部材50によって実質的に構成される。留意すべきことは、プラスチック体40は、金属材料に代替してカバー10の上部に用いられることができ、開孔Hが
図1Aと
図1Bに示された突出領域Rを形成することなく、完全な円形状を有することができる。従って、開孔Hとカバー10の側壁の縁部間の短過ぎる距離によるカバー10の不十分な構造強度の問題が効率的に回避される。
【0042】
図4A、
図4B、および
図4Cは、駆動機構のもう1つの実施形態を示している。
図3A~
図3Cの実施形態と異なる個所は、本発明のベース30は、カバー10の金属部材50と一体成型されるところである。
図4および
図4Cに示されるように、ベース30は、プラスチック材料を含むことができ、その角部に少なくとも1つの埋め込み部31を形成し、金属部材50は、その角部に埋め込み部31に対応する少なくとも1つのロッド部52を形成する。製造プロセス時、ロッド部52は、予め形成されることができ、次いで、プラスチックベース30がインサート成形、または他のプラスチック形成プロセスによって金属部材50の上に形成され、ロッド部52が埋め込み部31内に埋め込まれ(
図4C)、カバー10とベース30間の構造強度が効率的に向上されることができる。
【0043】
図5Aおよび
図5Bは、駆動機構のもう1つの実施形態を示している。
図1A~
図1Dの実施形態と異なる個所は、本実施形態ではコイルCと磁石Mの位置が交換されているところである。即ち、磁石Mは、第1の磁気素子としてホルダ20に配置され、コイルC(例えばFPCに形成されたコイル)は、ベース30に固定され、第2の磁気素子として磁石Mに対応する。特に、少なくとも1つの凹部211は、ホルダ20の側壁部201の内側の外側面に形成され、貫通孔21と連通し、磁石M(第1の磁気素子)は、凹部211に収容され、貫通孔21を介してホルダ20の内側に露出される。
【0044】
いくつかの実施形態では、可能な限り水平方向(XY面)に沿ったホルダ20の寸法を更に縮小するために、一部の磁石Mは、側壁部201の内側面に沿う円弧に接することができ、駆動機構の小型化を容易にする。
【0045】
更に
図5Aおよび
図5Bに示すように、複数のコイルがこの実施形態に示されており、フレキシブル回路板Pのいくつかの延伸したセグメントP1にそれぞれ配置されたFPCに形成されたコイルを含むことができる。また、ベース30は、光学素子(Z方向)の光軸に沿って延伸する、いくつかの突出部32を形成する。組み立て時、突出部32は、その上に取り付けられたフレキシブル回路板Pの延伸したセグメントP1を支える支持構造として用いられることができる。この配置では、フレキシブル回路板Pのクラックは、意図しない衝突が発生したとき、回避されることができ、駆動機構への粒子の侵入もフレキシブル回路板Pによって防止され、ブロックされることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、コイルCは、第1の磁気素子として凹部211に配置されることができ、コイルに対応して、磁石Mは、第2の磁気素子としてベース30に固定されることができる。電流がコイルCに流れたとき、磁力がコイルCと磁石Mの間に発生し、コイルC、ホルダ20、およびその中の光学素子がカバー10とベース30に対してZ軸に沿って移動するように駆動させるため、オートフォーカスおよび/またはズームを実現することができる。
【0047】
図6Aおよび
図6Bに示すように、本実施形態は、
図3A~
図3Dの実施形態と異なる個所は、本実施形態では、2つの突出部32だけがベース30の対角の二隅に形成され、残りの空間は、他の構成要素、例えば下スプリングS2を収容するために省スペース化されることができる。
図6Bに示されるように、二つの下スプリングS2の第1の端部は、ベース30の対角の二隅で連結部33にそれぞれ連結することができ、2つの下スプリングS2の第1の端部と第1端部と反対側の第2の端部は、ホルダ20(図示されていない)に連結することができ、連結部33の高さは、突出部32の高さより低い。従って、空間利用は、より効率的であり、駆動機構の小型化を達成することができる。
【0048】
留意すべきことは、上述の実施形態のホルダ20は、異なる材料からなる2つ以上の部材を含むことができる。
図7Aおよび
図7Bに示されるように、この例示的な実施形態では、ホルダ20は、プラスチック体20Aと金属フレーム20Bで実質的に構成される。実際には、金属フレーム20Bは、予め形成されることができ、次いで、プラスチック体20Aは、インサート成形、または他のプラスチック形成プロセスによって金属部材50の上に形成され、ホルダ20の十分な構造強度を確保するようにする。
【0049】
留意すべきことは、コイルC(第1の磁気素子)は、FPCに形成されたコイルを含んでいてもよく、ホルダ20を囲むことができる。コイルCは、貫通孔21を介してホルダ20の内側に露出される。また、
図7Aと
図7Bは、コイルCの少なくとも1つの巻回部C1が金属フレーム20Bの平板の第1の支持部(sustaining portion)Sに対応して配置され、駆動機構の巻回部C1を強固に支持することができる。
【0050】
上述のように、可能な限り水平方向(XY面)に沿ったホルダ20の寸法を更に縮小するために、貫通孔21は、ホルダ20の上に形成される必要がある。少なくともこの理由のために、ホルダ20は、プラスチック体20Aと金属フレーム20Bによって構成され、その機構強度を向上させるだけでなく、磁石MとコイルCで生成された電磁力を向上させることもできる。また、貫通孔21は、可撓性且つ環状のコイルCでカバーされることもでき、粒子の侵入と貫通孔21を介して接着剤が溢れ出るのを防ぐことができる。
【0051】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0052】
10 カバー
11 上部
12 側壁
101 延伸部
20 中空ホルダ
20A プラスチック体
20B 金属フレーム
21、22 貫通孔
211 凹部
23 規制溝
201 側壁部
30 ベース
31 埋め込み部
32 突出部
33 連結部
40 プラスチック体
41 埋め込み部
50 金属部材
51、52 ロッド部
C コイル
C1 巻回部
D 間隙
H 開孔
L1、L2 延伸線
M 磁石
O 光軸
P フレキシブル回路板
P1 セグメント
R 突出領域
S 支持部
S1 上スプリング
S2 下スプリング