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特許7120763免疫調節化合物を抗体と併用する多発性骨髄腫の治療方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】免疫調節化合物を抗体と併用する多発性骨髄腫の治療方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/454 20060101AFI20220809BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 31/69 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 35/28 20150101ALI20220809BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A61K31/454 ZMD
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/69
A61K35/28
A61K39/395 T
A61K39/395 U
A61K45/00
A61K47/12
A61K47/26
A61K47/38
A61P7/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2017510546
(86)(22)【出願日】2015-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-09-07
(86)【国際出願番号】 US2015046091
(87)【国際公開番号】W WO2016029004
(87)【国際公開日】2016-02-25
【審査請求日】2018-08-16
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】62/040,918
(32)【優先日】2014-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509307635
【氏名又は名称】セルジーン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】アンジャン サクルタ
(72)【発明者】
【氏名】モハメド フセイン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチアン ジャククエス
【合議体】
【審判長】原田 隆興
【審判官】藤原 浩子
【審判官】渕野 留香
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-500371(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0142128(US,A1)
【文献】The New England Journal of Medicine,2012,Vol.366,No.19,pp.1770-1781
【文献】Journal of Clinical Oncology,2013,Vol.31,No.20,pp.2523-2526
【文献】Blood,2012,Vol.119,No.3,pp.687-691
【文献】Blood,2013,Vol.122,Issue 21,p.1843
【文献】Journal of Clinical Oncology, Published online ahead of print at www.jco.org on July 14,2014,Vol.32,No.25,pp.2712-2717
【文献】Blood,2012,Vol.120,Issue 21,Abstract 202
【文献】Seminars in Oncology,2013,Vol.40,No.5,pp.634-651
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00- 9/72
A61K 31/00-31/80
A61K 47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多発性骨髄腫を有しており、かつ幹細胞移植を受けたことのある患者の多発性骨髄腫を治療するための医薬組成物であって、該医薬組成物が、下記式
【化1】
を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含み、該患者が、該幹細胞移植を受ける前に、該化合物での導入療法を受けており、かつ該治療が、
a.該患者の該幹細胞移植後の微小残存病変(MRD)ステータスを判定すること、及び
b.該患者の該微小残存病変(MRD)ステータスにおいて、細胞数が0.01%より大きい場合、1日あたり約1~約50mgの該化合物を、多発性骨髄腫の治療のために、治療的有効量の抗CS1抗体と組み合わせて使用すること、を含む、
前記医薬組成物。
【請求項2】
前記患者が、前記幹細胞移植に先立ち、前記化合物とプロテアソーム阻害剤との組み合わせを用いた導入療法を受けている、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記多発性骨髄腫が、再発性、難治性、または再発性かつ難治性の多発性骨髄腫である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記治療が、前記化合物の周期的投与を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記治療が、28日サイクルにおいて、前記化合物を21日間投与した後7日間休薬することを含む、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記化合物を1日当たり約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは、25mgの量で投与するように用いられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記化合物を1日当たり約25mgの量で投与するように用いられる、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記化合物を1日当たり約10mgの量で投与するように用いられる、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記化合物を1日当たり約5mgの量で投与するように用いられる、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記化合物をカプセル剤にして約25mgの量で投与するように用いられる、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項11】
経口投与用に製剤化されている、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
カプセル剤または錠剤の形態に製剤化されている、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記カプセル剤が、前記化合物、無水乳糖、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記化合物をカプセル剤にして2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは、25mgの量で投与するように用いられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記化合物をカプセル剤にして約10mgの量で投与するように用いられる、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記化合物をカプセル剤にして約5mgの量で投与するように用いられる、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記化合物をカプセル剤にして約2.5mgの量で投与するように用いられる、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記抗CS1抗体がモノクローナル抗体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記抗CS1抗体がエロツズマブである、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記抗体を約1~約1000mgの量で静脈内に毎週または隔週投与する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記抗体を約10mg/kgの量で投与する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記抗体を28日サイクルにおいて毎週または隔週投与する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記抗体を28日サイクルの1日目、8日目、15日目及び22日目に投与する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記抗体を28日サイクルの1日目及び15日目に投与する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記化合物が、
【化2】
であり、かつその薬理学的に許容される塩、溶媒和物または立体異性体ではない、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記化合物が、
【化3】
の薬理学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記化合物が、
【化4】
の薬理学的に許容される溶媒和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブである、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記患者が、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブとの併用によるレナリドミドを用いた導入療法を受けている、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記患者が、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブ、及びデキサメタゾンとの併用によるレナリドミドを用いた導入療法を受けている、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記幹細胞移植が、自家幹細胞移植である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記幹細胞移植が、造血幹細胞移植である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記幹細胞移植が、末梢血幹細胞移植である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記患者幹細胞移植後微小残存病変(MRD)ステータスにおいて、細胞数が0.01%より大きい、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記化合物が、前記抗CS1抗体及びデキサメタゾンと組み合わせて投与されるように用いられる、請求項1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.本発明の分野
本発明は、1つ以上の免疫調節化合物を1つ以上の抗体と併用することにより多発性骨髄腫を治療、予防及び/または管理する方法に関する。具体的には、本発明は、免疫調節化合物レナリドミドをエロツズマブなどの抗CS1抗体と併用して、自家幹細胞移植を受けた患者の多発性骨髄腫を治療する方法に関する。本発明はまた、医薬組成物及び投与レジメンに関する。
【背景技術】
【0002】
2.本発明の背景
2.1 癌の病理生物学
癌は、主に、特定の正常組織に由来する異常細胞数が増加すること、これらの異常細胞が隣接組織へ浸潤すること、または悪性細胞が所属リンパ節及び遠隔部位にリンパ性または血行性に広がること(転移)を特徴とする。臨床データ及び分子生物学的研究から、癌とは、小さな前がん性の変化に始まる多段階プロセスであり、これがある種の条件下で進行して新生物となり得ることが示されている。腫瘍性病変は、クローン的に進行し、浸潤、増殖、転移、及び不均一化する能力を増大させ得、腫瘍性細胞が宿主の免疫監視から逃れる条件下では特にそうである。Roitt,I.,Brostoff,J and Kale,D.,Immunology,17.1-17.12(3rd ed.,Mosby,St.Louis,Mo.,1993)。
【0003】
医学文献には膨大な種類の癌が詳述されている。例としては、肺、結腸、直腸、前立腺、乳房、脳、及び小腸の癌が挙げられる。一般集団の加齢、新たな癌の発生、及び感受性集団(例えば、AIDS感染者または日光に過度に曝露した人々)の増加に伴い癌発生率は上昇を続ける。したがって、癌患者を治療するために使用できる新たな方法及び組成物が大きく求められている。
【0004】
癌の種類の多くは、新しい血管が形成される、血管新生として知られるプロセスと関連している。腫瘍誘導性血管新生に関与する機序が幾つか解明されている。これらの機序のうち最も直接的なものは、腫瘍細胞により分泌される血管新生能を有するサイトカインである。これらのサイトカインの例には、酸性及び塩基性の性の線維芽細胞増殖因子(a、b-FGF)、アンジオゲニン、血管内皮増殖因子(VEGF)、及びTNF-αが挙げられる。別の機序として、腫瘍細胞は、プロテアーゼの産生と、それに続く、一部のサイトカイン(例えば、b-FGF)が貯蔵されている細胞外基質の分解とを介して血管新生ペプチドを放出できる。血管新生はまた、炎症性細胞(特にマクロファージ)の動員と、それらによるその後の血管新生サイトカイン(例えば、TNF-α、bFGF)の放出を介して間接的にも誘導され得る。
【0005】
多種多様な他の疾患及び障害もまた、望ましくない血管新生に関連する、またはそれを特徴としている。例えば、増強した、または制御不能の血管新生は、多数の疾患及び病状への関与が示唆されており、これには眼内血管新生性疾患、脈絡膜血管新生性疾患、網膜血管新生性疾患、ルベオーシス(隅角の血管新生)、ウイルス性疾患、遺伝性疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、線維症、関節炎及び自己免疫疾患が挙げられるが、これらに限定されない。そのような疾患及び病態の例には、糖尿病網膜症、未熟児網膜症、角膜移植片拒絶、血管新生緑内障、後水晶体線維増殖症、及び増殖性硝子体網膜症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0006】
したがって、望ましくない血管新生を制御及び/若しくは阻害できる、またはTNF-αなどある特定のサイトカインの産生を阻害できる化合物は、さまざまな疾患及び病態の治療及び予防において有用であり得る。
【0007】
多発性骨髄腫は骨髄形質細胞の癌である。通常は、形質細胞は抗体を産生し、免疫機能において主要な役割を果たす。しかし、これらの細胞が無秩序に増殖すると、骨痛及び骨折、貧血、感染症、ならびに他の合併症をもたらす。多発性骨髄腫は2番目に多い血液悪性腫瘍であるが、多発性骨髄腫の正確な原因は未だに不明である。多発性骨髄腫では、血中、尿中、及び臓器中のタンパク質が高レベルになり、そのようなタンパク質にはMタンパク質及び他の免疫グロブリン(抗体)、アルブミン、ならびにベータ-2-ミクログロブリンが挙げられるが、これらに限定されない。モノクローナル(monoclonal)タンパク質を略したMタンパク質はパラプロテインとしても知られるが、これは、骨髄腫形質細胞により産生される特に異常なタンパク質であり、多発性骨髄腫患者のほぼ全員の血中または尿中で見られる。
【0008】
骨痛などの骨格系症状は、多発性骨髄腫の臨床的に最も重大な症状である。悪性形質細胞は破骨細胞刺激因子(IL-1、IL-6及びTNFを含む)を放出し、これによりカルシウムが骨から浸出して溶融性病変を生じさせるが、もう一つの症状に高カルシウム血症がある。サイトカインとも呼ばれる破骨細胞刺激因子により、骨髄腫細胞のアポトーシス、すなわち細胞死が妨げられ得る。患者の50パーセントには、診断時、X線検査で検出可能な骨髄腫関連の骨格病変がある。多発性骨髄腫の他の一般臨床症状には、多発性神経障害、貧血、過粘稠、感染症、及び腎不全が挙げられる。
【0009】
骨髄間質細胞は、多発性骨髄腫疾患の増悪及び化学療法に対する抵抗性を支持することがよく知られている。多発性骨髄腫細胞と間質細胞の相互作用を破壊することは多発性骨髄腫化学療法のさらなる狙いである。
【0010】
過去10年、新規な治療剤、特にレナリドミド及びポマリドミドなどの免疫調節薬により、多発性骨髄腫患者の奏効率が有意に高まり、無増悪生存期間(PFS)及び全生存(OS)が有意に延長した。しかし、骨髄(BM)形態、タンパク質電気泳動と免疫固定電気泳動、及び軽鎖定量の感度より下の持続的レベルの残存病変は多発性骨髄腫の多くの患者において存在し、これらの患者が完全奏功(CR)に達した後でも認められ、最終的に疾患を再発させることになる。骨髄腫の微小残存病変(MRD)は無増悪生存(PFS)の独立予測因子であり、生存率の差を特定するために現在5~10年の追跡調査が必要な最先端の臨床試験の場合には特に、有効治療の特定を改善するための代理の臨床試験評価項目として検討されている。したがって、多発性骨髄腫患者の微小残存病変(MRD)を監視することにより、PFS及びOSを予測し治療を決定する際に予後的な価値がある。骨髄腫における微小残存病変(MRD)の検出では、治療後閾値0.01%(10-4)、すなわち、細胞数が10-4以下をMRD陰性、細胞数が10-4以上をMRD陽性とみなす閾値を使用できる。MRD閾値10-4は元来技術的な性能に基づいたものであったが、現在ではフローサイトメトリーにより10-5で、またハイスループット塩基配列決定法により10-6でMRDを定量的に検出できる。Rawstron et al., Blood. 2015;125(12):1932-1935 (2015)。MRDの測定方法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びマルチパラメータ・フローサイトメトリー(MPF)が挙げられる。MRDの評価法、例えば、クロノタイプ(clonotype)プロファイル測定に基づいた評価法もまた、参照により本明細書に組み込まれるFahamらへの米国特許第8,628,927号に記載されている。
【0011】
2.2 癌の治療方法
現在の癌治療では、患者の腫瘍性細胞を根絶するために手術、化学療法、ホルモン療法及び/または放射線治療が行われ得る(例えば、Stockdale,1998,Medicine,vol.3,Rubenstein and Federman,eds.,Chapter 12,Section IVを参照されたい)。最近では、癌治療に生物学的療法または免疫療法の使用も可能になった。これらのアプローチはいずれも患者にとっては著しい弊害をもたらす。例えば、手術は、患者の健康状態により禁忌となる場合、または患者に受け入れられない場合がある。その上、腫瘍性組織を手術で完全に除去できない場合がある。放射線治療は、腫瘍性組織が正常組織よりも高い感受性を放射線に対して示す場合にしか有効ではない。また、放射線治療で重篤な副作用がしばしば誘発され得る。ホルモン療法を単独で行うことはまれである。ホルモン療法は有効であり得るが、他の治療法で癌細胞の大部分を除去した後で、癌の再発予防または再発遅延のために使用されることが多い。生物学的治療及び免疫療法は数が制限されており、発疹若しくは腫脹、インフルエンザ様症状(発熱、悪寒及び倦怠感など)、消化管異常またはアレルギー反応といった副作用を引き起こす場合がある。
【0012】
化学療法に関しては、癌治療に利用可能な多種多様な化学療法薬がある。癌の化学療法薬の大部分は、DNA合成を直接阻害するか、またはデオキシリボヌクレオチド三リン酸前駆体の生合成を阻害して間接的に阻害して、DNA複製とそれに伴う細胞分裂を妨げることによって作用する。Gilman et al.,Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics,Tenth Ed.(McGraw Hill,New York)。
【0013】
多種多様な化学療法薬が利用可能であるにも係わらず、化学療法には多くの欠点がある。Stockdale,Medicine,vol.3,Rubenstein and Federman,eds.,ch.12、sect.10、1998。ほとんどすべての化学療法薬は毒性があり、化学療法により重度の悪心、骨髄抑制、及び免疫抑制などの重大な、時に危険な副作用が生じる。その上、化学療法薬の併用投与であっても多くの腫瘍細胞は、かかる化学療法薬に対して耐性であるか、または耐性を生じる。実際、治療プロトコルで使用する特定の化学療法薬に耐性のある細胞は、他の薬物がたとえ特定の治療で使用する薬物の作用機序とは異なる作用機序の薬剤であっても、その薬物に耐性を示すことが多い。この現象は、多剤耐性(pleiotropic drug resistance)または多剤耐性(multidrug resistance)と呼ばれる。そのような薬物耐性のため、多くの癌が標準的化学療法治療プロトコルに対し難治性となる。
【0014】
望ましくない血管新生に関連する、またはそれを特徴とする他の疾患若しくは病態もまた治療が困難である。しかし、プロタミン、ヘパイン(hepain)及びステロイドなど一部の化合物は、ある特定の疾患の治療において有用であると提案されている。Taylor et al.,Nature 297:307(1982);Folkman et al.,Science 221:719(1983);ならびに米国特許第5,001,116号及び第4,994,443号。サリドマイド及びそのある特定の誘導体もまたそのような疾患及び病態の治療として提案されている。D’Amatoへの米国特許第5,593,990号、第5,629,327号、第5,712,291号、第6,071,948号及び第6,114,355号。
【0015】
さらに、癌(例えば、多発性骨髄腫)ならびに望ましくない血管新生に関連するか、またはそれを特徴とする他の疾患及び病態を治療、予防及び管理しつつも、従来治療に関連した毒性及び/または副作用を低減または回避させる、安全かつ有効な方法に対する強いニーズがある。
【0016】
2.3 免疫調節薬(複数可)
TNF-αの異常産生に関連した疾患の治療に安全かつ有効に使用できる化合物を提供するために数多くの研究が行われている。例えば、Marriott,J.B.,et al.,Expert Opin.Biol.Ther.1(4):1-8(2001);G.W.Muller,et al.,Journal of Medicinal Chemistry 39(17):3238-3240(1996);及びG.W.Muller,et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 8:2669-2674(1998)を参照されたい。一部の研究では、LPSで刺激されたPBMCによるTNF-α産生を強力に阻害する能力について選択された一群の化合物に焦点を当てている。L.G.Corral,et al.,Ann.Rheum.Dis.58:(Suppl I)1107-1113(1999)。これらの化合物は免疫調節薬(複数可)(セルジーン株式会社(Celgene Corporation))と呼ばれ、TNF-αの強力な阻害だけではなく、LPS誘導性の単球IL1β産生及びIL12産生の著しい阻害を示す。LPSの誘導によるIL6もまた部分的にではあるが免疫調節化合物により阻害される。これらの化合物は、LPSの誘導によるIL10の強力な刺激物質である(同文献)。免疫調節薬(複数可)の具体的な例として、米国特許第6,281,230号及び第6,316,471号(いずれもG.W.Muller,et al.への特許)に記載の置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0017】
本明細書で提供する方法のための化合物には、米国特許第6,281,230号及び第6,316,471号(いずれもG.W.Muller,et alへの特許)に記載の置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書に開示するさらに他の具体的な化合物は、米国特許第6,395,754号、第6,555,554号、第7,091,353号、米国公開第2004/0029832号、及び国際公開第WO98/54170号に開示されるイソインドール-イミドのクラスに属し、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
レナリドミド及びポマリドミドなどの免疫調節薬ならびにサリドマイドは、多発性骨髄腫、リンパ腫、及び骨髄異形成症候群のような他の血液学的疾患に罹患した患者において著しい反応を示した。Galustian C,et al.,Expert Opin Pharmacother.,2009,10:125-133を参照されたい。これらの薬物は、抗血管新生能、炎症誘発性サイトカインの調節、T細胞の共刺激、強いNK細胞毒性、直接的抗腫瘍効果及び幹細胞分化調節など、幅広い活性を示す。
【0019】
例えば、サリドマイド、レナリドミド及びポマリドミドは、新たに多発性骨髄腫と診断された患者、化学療法または移植が奏功せず疾患が進行した患者、及び再発性または難治性の多発性骨髄腫の患者の多発性骨髄腫を治療するための重要な選択肢として浮上してきている。デキサメタゾンとの併用によるレナリドミドは、少なくとも1種の前治療歴のある多発性骨髄腫患者の治療用に承認されている。ポマリドミドも、それまでにレナリドミド及びボルテゾミブなど少なくとも2種の前治療歴があり、治療最終日から60日目または60日以内に疾患の進行が見られた多発性骨髄腫患者の治療用に承認されている。第3相臨床試験で、前治療後の再発性多発性骨髄腫及び/または難治性多発性骨髄腫を治療する、デキサメタゾンとの併用によるポマリドミドの有効性が確認された。米国特許第7,968,569号及び第8,198,262号には多発性骨髄腫の治療が開示されており、その開示内容は、本発明によりその全体が組み込まれる。
【発明の概要】
【0020】
3.本発明の概要
本発明の一態様は、それまでに幹細胞移植を受けたことのある患者の多発性骨髄腫を治療、管理及び予防する方法を包含する。かかる方法は、そのような治療、管理、または予防を必要とする患者に、治療的または予防的に有効量の免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを、治療的有効量の抗体と組み合わせて投与することを含む。
【0021】
ある実施形態では、免疫調節化合物は下記式を有するか
【化1】
(すなわち、レナリドミド)、
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を有する。いくつかの実施形態では、化合物は遊離塩基である。他の実施形態では、化合物は薬理学的に許容される塩または薬理学的に許容される溶媒和物である。好ましい実施形態では、化合物は水和物である。
【0022】
ある実施形態では、免疫調節化合物は下記式を有するか
【化2】
(すなわち、ポマリドミド)、
または薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を有する。いくつかの実施形態では、化合物は遊離塩基である。他の実施形態では、化合物は薬理学的に許容される塩または薬理学的に許容される溶媒和物である。好ましい実施形態では、化合物は遊離塩基である。好ましい実施形態では、化合物はレナリドミドである。
【0023】
ある実施形態では、多発性骨髄腫は新たに診断された多発性骨髄腫である。他の実施形態では、多発性骨髄腫は再発性、難治性、または再発性かつ難治性の多発性骨髄腫である。
【0024】
ある実施形態では、方法は、化合物の周期的投与を含む。好ましい実施形態では、化合物を、21日間投与した後、7日の休薬期間を設ける28日サイクルで投与する。
【0025】
ある実施形態では、化合物を1日当たり1~約50mgの量で投与する。ある実施形態では、化合物を1日当たり1~約50mgの量で抗体、好ましくはエロツズマブと組み合わせて投与する。いくつかの実施形態では、化合物を1日当たり2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgの量で投与する。いくつかの実施形態では、化合物を1日当たり2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgの量で抗体、好ましくはエロツズマブと組み合わせて投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約25mgの量で投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約25mgの量で抗体、好ましくはエロツズマブと組み合わせて投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約20mgの量で投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約20mgの量で抗体、好ましくはエロツズマブと組み合わせて投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約15mgの量で投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約15mgの量で抗体、好ましくはエロツズマブと組み合わせて投与する。別の好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約10mgの量で投与する。別の好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約10mgの量で抗体、好ましくはエロツズマブと組み合わせて投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約5mgの量で投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約5mgの量で抗体、好ましくはエロツズマブと組み合わせて投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約2.5mgの量で投与する。好ましい実施形態では、化合物を1日当たり約2.5mgの量で抗体、好ましくはエロツズマブと組み合わせて投与する。
【0026】
ある実施形態では、化合物を経口投与する。ある実施形態では、化合物を経口投与するが、併用療法中は抗体を経口投与しない。いくつかの実施形態では、化合物をカプセル剤または錠剤の形態で投与する。カプセル剤は、約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgの化合物を含んでよい。錠剤は、約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgの化合物を含んでよい。カプセル剤は、約2.5mgの化合物を含んでよい。錠剤は、約2.5mgの化合物を含んでよい。カプセル剤は約5mgを含んでよい。錠剤は、約5mgの化合物を含んでよい。カプセル剤は、約10mgの化合物を含んでよい。錠剤は、約10mgの化合物を含んでよい。カプセル剤は、約15mgの化合物を含んでよい。錠剤は、約15mgの化合物を含んでよい。カプセル剤は、約20mgの化合物を含んでよい。錠剤は、約20mgの化合物を含んでよい。カプセル剤は、約25mgの化合物を含んでよい。錠剤は、約25mgの化合物を含んでよい。ある実施形態では、カプセル剤は、化合物のほかに無水乳糖、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0027】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗CS1抗体である。いくつかの実施形態では、抗CS1抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、化合物とともに投与される抗CS1抗体はモノクローナル抗体であり、化合物は好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。いくつかの実施形態では、抗CS抗体はヒト化モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、化合物とともに投与される抗CS抗体はヒト化モノクローナル抗体であり、化合物は好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。好ましい実施形態では、抗CS1抗体はエロツズマブである。好ましい実施形態では、化合物とともに投与される抗CS1抗体はエロツズマブであり、化合物は好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0028】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗CD20抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗CD20抗体はオビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))である。特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はオビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))である。別の特定の実施形態では、抗CD20抗体はリツキシマブ(例えば、リツキサン(登録商標))である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はリツキシマブ(例えば、リツキサン(登録商標))である。別の特定の実施形態では、抗CD20抗体はイブリツモマブ・チウキセタン(ゼヴァリン(登録商標))である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はイブリツモマブ・チウキセタン(ゼヴァリン(登録商標))である。別の特定の実施形態では、抗CD20抗体はトシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標))である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はトシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標))である。別の特定の実施形態では、抗CD20抗体はオファツムマブ(アーゼラ(登録商標))である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はオファツムマブ(アーゼラ(登録商標))である。別の特定の実施形態では、抗CD20抗体はAME-133v(オカラツズマブ)である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はAME-133v(オカラツズマブ)である。別の特定の実施形態では、抗CD20抗体はオクレリズマブである。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はオクレリズマブである。別の特定の実施形態では、抗CD20抗体はTRU-015である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はTRU-015である。別の特定の実施形態では、抗CD20抗体はIMMU-106(ベルツズマブ)である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗CD20抗体はIMMU-106(ベルツズマブ)である。抗CD20抗体と組み合わせて投与される化合物はレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0029】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗PD-1または抗PD-L1の抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はランブロリズマブ(MK-3475)である。特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はランブロリズマブ(MK-3475)である。別の特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はBMS-936559である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はBMS-936559である。別の特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はアテゾリズマブ(MPDL3280A)である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はアテゾリズマブ(MPDL3280A)である。別の特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はピディリズマブ(CT-011)である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はピディリズマブ(CT-011)である。別の特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はペンブロリズマブ(キイトルーダ(Keytruda)(登録商標))である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はペンブロリズマブ(キイトルーダ(Keytruda)(登録商標))である。別の特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はMedi7436である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はMedi7436である。別の特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はニボルマブ(オプジーボ(登録商標);BMS-936558)である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はニボルマブ(オプジーボ(登録商標);BMS-936558)である。別の特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はMDX-1106である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はMDX-1106である。別の特定の実施形態では、抗PD-1または抗PD-L1の抗体はONO-4538である。別の特定の実施形態では、化合物とともに投与される抗PD-1または抗PD-L1の抗体はONO-4538である。抗PD-1または抗PD-L1の抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0030】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗KIR抗体である。いくつかの実施形態では、抗KIR抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗KIR抗体はIPH2101である。抗KIR抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0031】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗CD40抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD40抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗CD40抗体はSGN-40(ダセツズマブ)である。別の特定の実施形態では、抗CD40抗体はHCD122(ルカツムマブ(lucatumumab))である。抗CD40抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0032】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗IGF1-R抗体である。いくつかの実施形態では、抗IGF1-R抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗IGF1-R抗体はCP751,871(フィジツムマブ(figitumumab))である。抗IGF1-R抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0033】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗DKK-1抗体である。いくつかの実施形態では、抗DKK-1抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗DKK-1抗体はBHQ880である。抗DKK-1抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0034】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗FGFR3抗体である。いくつかの実施形態では、抗FGFR3抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗FGFR3抗体はPRO-001である。抗FGFR3抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0035】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗CD56抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD56抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗CD56抗体はIMGN901(ロルボツズマブ(lorvotuzumab))である。抗CD56抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0036】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗RANKL抗体である。いくつかの実施形態では、抗RANKL抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗RANKL抗体はデノスマブである。抗RANKL抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0037】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗IL-6抗体である。いくつかの実施形態では、抗IL-6抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗IL-6抗体はシルツキシマブである。抗IL-6抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0038】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗CD138抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD138抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗CD138抗体はBT062(インダツキシマブ(indatuximab))である。抗CD138抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0039】
ある実施形態では、化合物とともに投与される抗体は抗CD38抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体はモノクローナル抗体である。特定の実施形態では、抗CD38抗体はダラツムマブである。抗CD38抗体と組み合わせて投与される化合物は、好ましくはレナリドミドまたはポマリドミドである。
【0040】
ある実施形態では、抗体を約1~約1000mgの量で毎週または隔週で静脈内投与する。好ましい実施形態では、エロツズマブを10mg/kgのIV溶液として投与する。別の好ましい実施形態では、エロツズマブを28日サイクルの各週、1日目、8日目、15日目、22日目(第1及び第2サイクル)、ならびに28日サイクルの1日目及び15日目に(第3サイクル以降)投与する。
【0041】
ある実施形態では、幹細胞移植は自家幹細胞移植である。他の実施形態では、幹細胞移植は造血幹細胞移植または末梢血幹細胞移植である。他の実施形態では、幹細胞移植は造血幹細胞移植である。他の実施形態では、幹細胞移植は末梢血幹細胞移植である。
【0042】
ある実施形態では、患者は、幹細胞移植を受ける前に化合物、プロテアソーム阻害剤、またはその両方を用いた治療を受けている。特定の実施形態では、プロテアソーム阻害剤はボルテゾミブまたはカルフィルゾミブである。特定の実施形態では、プロテアソーム阻害剤はボルテゾミブである。特定の実施形態では、プロテアソーム阻害剤はカルフィルゾミブである。
【0043】
ある実施形態では、患者は、化合物投与前に微小残存病変陽性(MRD(+))として確認される。他の実施形態では、患者は、化合物投与前にMRD陰性(MRD(-))として確認される。
【0044】
さらに別の実施形態では、免疫調節化合物を、さらに第2の活性薬剤または癌の治療、予防若しくは管理のための従来治療と組み合わせて投与する。そのような第2の活性薬剤の例は、4.2項に記載されている。具体例には、イキサゾミブ及びマリゾミブなどのプロテアソーム阻害剤、シクロホスファミドなどの免疫調節薬、プレブナーなどのワクチン、PD-L1阻害剤などのチェックポイント阻害剤、及びアザシチジンなどのエピジェネティック修飾物質(epigenetic modifiers)が挙げられるが、これに限定されるものではない。そのような従来治療の例には、手術、化学療法、放射線治療、ホルモン療法、生物学的療法及び免疫療法が挙げられるが、これに限定されるものではない。具体例として、CAR-T細胞免疫療法などの細胞療法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0045】
本発明の別の態様は、医薬組成物、単一単位剤形、投与レジメン、ならびに免疫調節化合物またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグ、及び抗体を含むキットを包含する。
【発明を実施するための形態】
【0046】
4.本発明の詳細な説明
本発明の実施形態は、多発性骨髄腫を治療、管理、または予防する方法を包含し、これには、そのような治療または予防を必要とする患者に対し、治療的若しくは予防的に有効量の項4.1記載の免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを、治療的または予防的に有効量の抗体と組み合わせて投与することが含まれる。本発明の意味において、用語「in combination with(と組み合わせて)」または「administered with(とともに投与する)」には、混合物としての投与、別々の製剤を使用する同時投与、及び任意の順序での連続投与が含まれる。
【0047】
本発明の化合物と組み合わせて使用できる抗体には、モノクローナル及びポリクローナル抗体が含まれる。そのような抗体例として、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(商標))、ペルツズマブ(オムニターグ(Omnitarg)(商標))、エドレコロマブ(パノレックス(Panorex)(登録商標))、及びG250が挙げられるが、これに限定されるものではない。免疫調節化合物は、抗TNF-α抗体と組み合わせるか、または併用することも可能である。
【0048】
抗体は、好ましくは、抗CS1抗体であり、より好ましくは、ヒト化モノクローナル抗CS1抗体である。特定の実施形態では、抗CS1抗体はエロツズマブである。
【0049】
抗体はまた、好ましくは、抗CD20抗体、例えばオビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、リツキシマブ(例えば、リツキサン(登録商標))、イブリツモマブ・チウキセタン(ゼヴァリン(登録商標))、トシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標))、オファツムマブ(アーゼラ(登録商標))、AME-133v(オカラツズマブ)、オクレリズマブ、TRU-015、またはIMMU-106(ベルツズマブ)でもある。
【0050】
抗体はまた、好ましくは、ランブロリズマブ(MK-3475)、BMS-936559、アテゾリズマブ(MPDL3280A)、ピディリズマブ(CT-011)、ペンブロリズマブ(キイトルーダ(Keytruda)(登録商標))、Medi7436、ニボルマブ(オプジーボ(登録商標);BMS-936558)、MDX-1106、またはONO-4538などの抗PD-L1抗体でもある。
【0051】
抗体は、IPH2101などの抗KIR抗体;SGN-40(ダセツズマブ)、HCD122(ルカツムマブ(lucatumumab))などの抗CD40抗体;CP751,871(フィジツムマブ(figitumumab))などの抗IGF1-R抗体;BHQ880などの抗DKK-1抗体;PRO-001などの抗FGFR3抗体;IMGN901(ロルボツズマブ(lorvotuzumab))などの抗CD56抗体;デノスマブなどの抗RANKL抗体;シルツキシマブなどの抗IL-6抗体;BT062(インダツキシマブ(indatuximab))などの抗CD138抗体、またはダラツムマブなどの抗CD38抗体であってもよい。
【0052】
本実施形態で包含される特定の方法では、自家幹細胞移植を受けたことのある多発性骨髄腫患者に免疫調節化合物をエロツズマブと組み合わせて投与する。より具体的な方法では、前記患者は、自家幹細胞移植を受ける前に導入療法において免疫調節化合物、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブ)、またはその両方を用いた治療を受けた。
【0053】
本発明に包含される方法は、治療的または予防的に有効量の1つ以上のさらなる活性薬剤(すなわち、第2の活性薬剤)の投与または多発性骨髄腫を治療、管理、若しくは予防する他の方法を含んでよい。第2の活性薬剤として、本明細書で例を提供する低分子及び高分子(例えば、タンパク質)、ならびに幹細胞が挙げられる。免疫調節化合物及び抗体の投与と組み合わせ可能な方法または治療として、手術、輸血、免疫療法、生物学的療法、放射線治療、ならびに癌または望ましくない血管新生に関連するか若しくはそれを特徴とする疾患及び病態を治療、予防または管理するために現在使用されている、薬物を用いない他の治療法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0054】
本発明はまた、本明細書に開示する方法で使用できる医薬組成物(例えば、単一単位剤形)またはキットを包含する。特定の医薬組成物またはキットは、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグ、及び抗体を含む。
【0055】
4.1 免疫調節化合物
本発明に使用する化合物としては、ラセミ体、立体的に濃縮された、若しくは立体的に純粋である免疫調節化合物、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、及びプロドラッグが含まれる。本発明に使用する好ましい化合物は、分子量が約1,000g/mol未満の有機小分子であり、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖または他の巨大分子ではない。
【0056】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「immunomodulatory compounds(免疫調節化合物)」(セルジーン株式会社(Celgene Corporation))は、TNF-α、LPSの誘導による単球 IL1β及びIL12を顕著に阻害し、かつIL6産生を部分的に阻害する有機小分子を包含する。具体的な免疫調節化合物を以下に記載する。
【0057】
TNF-αは、急性炎症の際にマクロファージ及び単球により産生される炎症性サイトカインである。TNF-αは、細胞内で多様な範囲のシグナル伝達イベントに関与している。TNF-αは、癌において病理学的役割を果たしている場合がある。理論により制限されわけではないが、本発明の免疫調節化合物により示される生物学的作用の1つはTNF-α合成の抑制である。本発明の免疫調節化合物は、TNF-α mRNAの分解を高める。
【0058】
さらに、理論に制限されるわけではないが、本発明に使用する免疫調節化合物は、T細胞の強力な共刺激物質となり、用量依存的に細胞増殖を劇的に高めてよい。本発明の免疫調節化合物はまた、CD4+ T細胞サブセットよりもCD8+ T細胞サブセットに対して共刺激作用が大きくてよい。さらに、化合物は好ましくは、抗炎症特性を有し、効率的にT細胞を共刺激する。
【0059】
本発明の免疫調節化合物の具体例として、米国特許第5,929,117号に開示されているような置換スチレンのシアノ誘導体及びカルボキシ誘導体;米国特許第5,874,448号に記載のような1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3イル)イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン;米国特許第5,798,368号に記載の四置換2-(2,6-ジオキソピペルジン(dioxopiperdin)-3-イル)-1-オキソイソインドリン;米国特許第5,635,517号に開示のものを含むがそれらに限定されない、1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン(例えば、サリドマイドの4-メチル誘導体及びEM-12);ならびに米国特許第5,698,579号及び第5,877,200号に開示の非ポリペプチド環状アミドのクラス;D’Amatoへの特許の米国特許第5,593,990号、第5,629,327号、及び第6,071,948号に記載のような、サリドマイドの加水分解生成物、代謝物、誘導体及び前駆体を含むサリドマイドの類似体と誘導体;アミノサリドマイド(aminothalidomide)、ならびにアミノサリドマイド(aminothalidomide)の類似体、加水分解生成物、代謝物、誘導体及び前駆体、ならびに米国特許第6,281,230号及び第6,316,471号に記載のような置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドール;2001年10月5日出願の米国特許出願第09/972,487号、2001年12月21日出願の米国特許出願第10/032,286号、及び国際出願PCT/US01/50401号(国際公開第WO02/059106号)に記載のようなイソインドール-イミド化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。本明細書で確認した特許及び特許出願それぞれの全体は参照により本明細書に組み込まれる。本発明の免疫調節化合物としてサリドマイドは含まれない。
【0060】
本発明の他の具体的な免疫調節化合物には、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,635,517号に記載のようにベンゾ環(benzo ring)をアミノで置換した1-オキソ-及び1,3ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンが含まれるが、これに限定されるものではない。これらの化合物は構造I:
【化3】
を有し、ここでX及びYの一方はC=O、X及びYの他方はC=OまたはCHであり、Rは水素または低級アルキル、特にメチルである。具体的な免疫調節化合物として、
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン、
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-アミノイソインドリン、
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-アミノイソインドリン、
1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-7-アミノイソインドリン、
1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン、及び
1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-5-アミノイソインドリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
本発明の他の具体的な免疫調節化合物は、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,281,230号、第6,316,471号、第6,335,349号、及び第6,476,052号、ならびに国際特許出願PCT/US97/13375号(国際公開第WO98/03502号)に記載のような、置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールのクラスに属する。このクラスの代表的化合物は、式、
【化4】
で表されるものであり、式中、Rは水素またはメチルである。別の実施形態では、本発明は、これらの化合物の鏡像異性的に純粋な形態(例えば、光学的に純粋な(R)または(S)鏡像異性体)の使用を包含する。
【0062】
本発明のさらに他の具体的な免疫調節化合物は、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/032,286号及び第09/972,487号、ならびに国際出願PCT/US01/50401号(国際公開第WO02/059106号)に開示されるイソインドール-イミドのクラスに属する。代表的化合物は式II、
【化5】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、及び立体異性体の混合物であり、式中、
X及びYの一方はC=O、他方はCHまたはC=Oであり、
はH、(C-C)アルキル、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロシクロアルキル、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロアリール、C(O)R、C(S)R、C(O)OR、(C-C)アルキル-N(R、(C-C)アルキル-OR、(C-C)アルキル-C(O)OR、C(O)NHR、C(S)NHR、C(O)NR3’、C(S)NR3’または(C-C)アルキル-O(CO)Rであり、
はH、F、ベンジル、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、または(C-C)アルキニルであり、
及びR3’は独立して、(C-C)アルキル、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロシクロアルキル、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロアリール、(C-C)アルキル-N(R、(C-C)アルキル-OR、(C-C)アルキル-C(O)OR、(C-C)アルキル-O(CO)R、またはC(O)ORであり、
は(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルキル-OR、ベンジル、アリール、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロシクロアルキル、または(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロアリールであり、
は(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、ベンジル、アリール、または(C-C)ヘテロアリールであり、
出現するそれぞれのRは独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C-C)ヘテロアリール、または(C-C)アルキル-C(O)O-Rであるか、またはR基は結合してヘテロシクロアルキル基を形成することができ、
nは0または1であり、かつ
はキラル炭素中心を表す。
【0063】
式IIの特定の化合物において、nが0の場合、Rは(C-C)シクロアルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロシクロアルキル、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロアリール、C(O)R、C(O)OR、(C-C)アルキル-N(R、(C-C)アルキル-OR、(C-C)アルキル-C(O)OR、C(S)NHR、または(C-C)アルキル-O(CO)Rであり、
はHまたは(C-C)アルキルであり、
は(C-C)アルキル、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、ベンジル、アリール、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロシクロアルキル、(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロアリール、(C-C)アルキル-N(R;(C-C)アルキル-NH-C(O)O-R;(C-C)アルキル-OR、(C-C)アルキル-C(O)OR、(C-C)アルキル-O(CO)R、またはC(O)ORであり、その他の変数の定義は同一である。
【0064】
式IIの他の特定の化合物においては、RはHまたは(C-C)アルキルである。
【0065】
式IIの他の特定の化合物においては、Rは(C-C)アルキルまたはベンジルである。
【0066】
式IIの他の特定の化合物においては、RはH、(C-C)アルキル、ベンジル、CHOCH、CHCHOCH、または
【化6】
である。
【0067】
式IIの化合物の別の実施形態では、R
【化7】
であり、ここで、QはOまたはSであり、出現するそれぞれのRは独立して、H、(C-C)アルキル、ベンジル、CHOCH、またはCHCHOCHである。
【0068】
式IIの他の特定の化合物においては、RはC(O)Rである。
【0069】
式IIの他の特定の化合物においては、Rは(C-C)アルキル-(C-C)ヘテロアリール、(C-C)アルキル、アリール、または(C-C)アルキル-ORである。
【0070】
式IIの他の特定の化合物においては、ヘテロアリールはピリジル、フリル、またはチエニルである。
【0071】
式IIの他の特定の化合物においては、RはC(O)ORである。
【0072】
式IIの他の特定の化合物においては、C(O)NHC(O)のHは、(C-C)アルキル、アリール、またはベンジルで置換することができる。
【0073】
本発明のさらに他の具体的な免疫調節化合物は、各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第09/781,179号、国際公開第WO98/54170号、及び米国特許第6,395,754号に開示されるイソインドール-イミドのクラスに属する。代表的化合物は式III、
【化8】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、包接化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、及び立体異性体の混合物であり、式中、
X及びYの一方はC=O、他方はCHまたはC=Oであり、
RはHまたはCHOCOR’であり、
(i)R、R、R、またはRのそれぞれは他とは独立して、ハロ、炭素原子1~4個のアルキル、または炭素原子1~4個のアルコキシであるか、または(ii)R、R、R、またはRのうちの1つがニトロまたは-NHRであり、R、R、R、またはRの残りが水素であり、
は水素または炭素数1~8のアルキルであり、
は水素、炭素原子1~8個のアルキル、ベンゾ、クロロ、またはフルオロであり、
R’はR-CHR10-N(R)であり、
はm-フェニレンまたはp-フェニレンまたは-(C2n)-であって、nは値0~4を有し、
及びRのそれぞれは他とは独立して、水素または炭素原子1~8個のアルキルであるか、またはR及びRは互いに結合して、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、または-CHCH[X]XCHCH-であり、[X]Xは-O-、-S-、若しくは-NH-であり、
10は水素、炭素原子8個までのアルキル、またはフェニルであり、かつ
はキラル炭素中心を表す。
【0074】
本明細書で提供する方法及び組成物での使用対象となる化合物を、本明細書では「5-置換キナゾリノン化合物(複数可)」と総称する。本明細書で提供する具体的な5-置換キナゾリノン化合物として、各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,635,700号及び米国特許公開第2012/0230983号(2012年9月13日公開)に記載のような化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は式(I)、
【化9】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
は、水素、ハロ、-(CHOH、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシ、または-(CHNHRであって、これにおいて、Rが、水素;任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル;-(CH-(6~10員アリール);-C(O)-(CH-(6~10員アリール)若しくは-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)(ただし、アリールまたはヘテロアリールは、任意選択でハロ、-SCF、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される);アルキルが任意選択で1つ以上のハロで置換される-C(O)-(C-C)アルキル;-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル);-C(O)-(CH-NRであり、R及びRが互いに独立して、水素、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシ、または6~10員アリール(ただし、アリールは、任意選択で、ハロ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される)である-C(O)-(CH-NR;-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキル;または-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)であり、
は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0075】
一実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は式(II)、
【化10】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
は、水素、ハロ、-(CHOH、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであり、
は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0076】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rはハロである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシである。
【0077】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、Rはフェニルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0078】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0079】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0080】
本明細書で提供する化合物は、上述したR、R、R及びnのいかなる組み合わせをも包含する。
【0081】
具体的な一実施形態では、Rはメチルである。別の実施形態では、Rはメトキシである。別の実施形態では、Rは-CF3である。別の実施形態では、RはFまたはClである。
【0082】
別の特定の実施形態では、Rはメチルである。別の実施形態では、Rは-CF3である。
【0083】
具体的な5-置換キナゾリノン化合物の例として、表Aに記載のものが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0084】
表A。
【化11】
【0085】
別の実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は式(III)、
【化12】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
は、
水素;
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル;
-C(O)-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される);
-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH-NR(ここで、R及びRは互いに独立して、
水素、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、または
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシである)、または
-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキルである。
は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0086】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル)である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-NRであり、ここで、R及びRは本明細書で前述したとおりである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-O-(CH-(C-C)アルキルである。
【0087】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、Rはフェニルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0088】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0089】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0090】
本明細書で提供する5-置換キナゾリノン化合物は、上述したR、R、R及びnのいかなる組み合わせをも包含する。
【0091】
具体的な一実施形態では、Rはメチルである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、RはNHである。別の実施形態では、Rは-C(O)-CH-O-(C-C)アルキルである。
【0092】
具体的な5-置換キナゾリノン化合物の例には、表Bに記載のものが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0093】
表B。
【化13】
【0094】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化14】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0095】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩である。
【0096】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化15】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0097】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化16】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0098】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化17】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0099】
別の実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は式(IV)、
【化18】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
は、
-(CH-(6~10員アリール);
-C(O)-(CH-(6~10員アリール)若しくは-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)(ただし、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で、ハロ、-SCF、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される);
-C(O)-(CH-NHR(ここで、Rは、
6~10員アリールであり、任意選択でハロ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される)、または
-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)であり、
は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
10は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0100】
一実施形態では、Rは-(CH-(6~10員アリール)である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-(6~10員アリール)または-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)であり、ここで、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で上記のように置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-NHRであり、ここで、Rは6~10員アリールであり、任意選択で上記のように置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)である。
【0101】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、Rはフェニルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0102】
一実施形態では、R10は水素である。別の実施形態では、R10は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0103】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0104】
本明細書で提供する5-置換キナゾリノン化合物は、上述したR、R、R10及びnのいかなる組み合わせをも包含する。
【0105】
具体的な一実施形態では、Rはメチルである。別の実施形態では、Rは-C(O)-フェニルまたは-C(O)-CH-フェニルであり、ここで、フェニルは任意選択でメチル、-CF、及び/またはハロで置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-NH-フェニルであり、ここで、フェニルは任意選択でメチル、-CF、及び/またはハロで置換される。
【0106】
具体的な5-置換キナゾリノン化合物には、表Cに記載のものが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0107】
表C。
【化19】
【0108】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化20】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0109】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化21】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0110】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化22】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0111】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化23】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0112】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化24】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0113】
本明細書で提供する具体的な5-置換キナゾリノン化合物には、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US2009/0093504号に記載のような6-置換、7-置換、または8-置換キナゾリノン化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。一実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は式(V)、
【化25】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
は水素であり、
、R、及びRのそれぞれは独立して、水素、ハロ、-(CHOH、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシ、または-(CHNHRであって、ここで、Rは、水素;任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル;-(CH-(6~10員アリール);-C(O)-(CH-(6~10員アリール)若しくは-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)(ただし、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で、ハロ、-SCF、アルキル自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはアルコキシ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される);-C(O)-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される);-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル);-C(O)-(CH-NR(ただし、R及びRは互いに独立して、水素、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであるか、または
任意選択でハロ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、若しくはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される6~10員アリールである);-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキル;若しくは-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)であるか、または、R~Rのうち2つが互いに結合して、任意選択で、ハロ、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、及び任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される5員環若しくは6員環を形成することができ、
は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0114】
別の実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は、式(VI)、
【化26】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
は、水素、ハロ、-(CHOH、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシ、または-(CHNHRであって、
が、
水素;
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル;
-(CH-(6~10員アリール);
-C(O)-(CH-(6~10員アリール)若しくは-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)(ただし、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で、ハロ、-SCF、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される);
-C(O)-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される);
-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH-NR(ここで、R及びRは互いに独立して、
水素、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであるか、または、
任意選択で、ハロ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、若しくはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される6~10員アリールである);
-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキル;または
-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)であり、
は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0115】
別の実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は、式(VII)、
【化27】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
10は、水素、ハロ、-(CHOH、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであり、
11は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
12は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0116】
一実施形態では、R10は水素である。別の実施形態では、R10はハロである。別の実施形態では、R10は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R10は-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、R10は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシである。
【0117】
一実施形態では、R11は水素である。別の実施形態では、R11は-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、R11はフェニルである。別の実施形態では、R11は任意選択で1つ以上のハロで置換される-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R11は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0118】
一実施形態では、R12は水素である。別の実施形態では、R12は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0119】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0120】
本明細書で提供する5-置換キナゾリノン化合物は、上述したR10、R11、R12及びnのいかなる組み合わせをも包含する。
【0121】
具体的な一実施形態では、R10はハロである。別の実施形態では、R10はヒドロキシルである。別の実施形態では、R10はメチルである。
【0122】
別の特定の実施形態では、R11は水素である。別の実施形態では、R11はメチルである。
【0123】
別の特定の実施形態では、R12は水素である。別の実施形態では、R12はメチルである。
【0124】
具体的な5-置換キナゾリノン化合物には、表Dに記載のものが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0125】
表D。
【化28】
【0126】
別の実施形態では、本明細書で提供する5-置換キナゾリノン化合物は、式(VIII)
【化29】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
は、
水素;
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル;
-(CH-(6~10員アリール);
-C(O)-(CH-(6~10員アリール)若しくは-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)(ただし、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で、ハロ、-SCF、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される);
-C(O)-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される);
-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH-NR(ただし、R及びRは互いに独立して、
水素、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであるか、または
任意選択で、ハロ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、若しくはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される6~10員アリールである);
-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキル;または
-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)であり、
13は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
14は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0127】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-(CH-(6~10員アリール)である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-(6~10員アリール)または-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)であり、ここで、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で上記のように置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-(C-C)アルキルであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル)である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-NRであり、ここで、R及びRは上述のとおりである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)である。
【0128】
一実施形態では、R13は水素である。別の実施形態では、R13は-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、R13はフェニルである。別の実施形態では、R13は任意選択で1つ以上のハロで置換される-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R13は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0129】
一実施形態では、R14は水素である。別の実施形態では、R14は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0130】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0131】
本明細書で提供する5-置換キナゾリノン化合物は、上述したR、R13、R14及びnのいかなる組み合わせをも包含する。
【0132】
具体的な一実施形態では、Rは水素であり、nは0または1である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-C(O)-フェニルであり、任意選択で1つ以上のメチル、ハロ、及び/または(C-C)アルコキシで置換される。
【0133】
別の特定の実施形態では、R13はメチルである。別の実施形態では、R14は水素である。
【0134】
具体的な5-置換キナゾリノン化合物には、表Eに記載のものが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0135】
表E。
【化30】
【0136】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化31】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0137】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化32】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0138】
別の実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は、式(IX)、
【化33】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
15は、水素、ハロ、-(CHOH、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシ、または-(CHNHRであって、
が、
水素;
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル;
-(CH-(6~10員アリール);
-C(O)-(CH-(6~10員アリール)若しくは-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)(ただし、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で、ハロ、-SCF、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される);
-C(O)-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される);
-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH-NR(ただし、R及びRは互いに独立して、
水素、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであるか、または任意選択で、ハロ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、若しくはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される6~10員アリールである);
-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキル;または
-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)であり、
16は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
17は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0139】
一実施形態では、R15は水素である。別の実施形態では、R15はハロである。別の実施形態では、R15は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R15は-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、R15は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシである。
【0140】
一実施形態では、R15は-(CHNHRである。一実施形態では、式中、R15は-(CHNHRであり、Rは水素である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-(CH-(6~10員アリール)である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-(6~10員アリール)または-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)であり、ここで、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で上記のように置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-(C-C)アルキルであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル)である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-NRであり、ここで、R及びRは上述のとおりである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)である。
【0141】
一実施形態では、R16は水素である。別の実施形態では、R16は-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、R16はフェニルである。別の実施形態では、R16は任意選択で1つ以上のハロで置換される-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R16は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0142】
一実施形態では、R17は水素である。別の実施形態では、R17は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0143】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0144】
本明細書で提供する5-置換キナゾリノン化合物は、上述したR15、R16、R17及びnのいかなる組み合わせをも包含する。
【0145】
具体的な一実施形態では、R15はメチルである。別の実施形態では、R15はハロである。別の実施形態では、R15は-CFである。別の実施形態では、R15は-(CHNHRである。
【0146】
15が-(CHNHRである具体的な一実施形態では、Rは水素であり、nは0または1である。R15が-(CHNHRである別の実施形態では、Rは-C(O)-(O)-(C-C)アルキルである。
【0147】
具体的な一実施形態では、R16は水素である。別の実施形態では、R16はメチルである。別の特定の実施形態では、R17は水素またはメチルである。
【0148】
具体的な5-置換キナゾリノン化合物には、表Fに記載のものが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0149】
表F。
【化34】
【0150】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化35】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0151】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化36】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0152】
別の実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は、式(X)、
【化37】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
18は、水素、ハロ、-(CHOH、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシ、または-(CHNHRであって、
が、
水素;
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル;
-(CH-(6~10員アリール);
-C(O)-(CH-(6~10員アリール)若しくは-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)(ただし、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で、ハロ、-SCF、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される);
-C(O)-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される);
-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH-NR(ただし、R及びRは互いに独立して、
水素、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、
任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであるか、または任意選択で、ハロ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、若しくはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される6~10員アリールである);
-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキル;または
-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)であり、
19は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
20は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0153】
一実施形態では、R18は水素である。別の実施形態では、R18はハロである。別の実施形態では、R18は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R18は-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、R18は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシである。
【0154】
一実施形態では、R18は-(CHNHRである。一実施形態では、式中、R28は-(CHNHRであり、Rは水素である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-(CH-(6~10員アリール)である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-(6~10員アリール)または-C(O)-(CH-(6~10員ヘテロアリール)であり、ここで、アリールまたはヘテロアリールは任意選択で上記のように置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-(C-C)アルキルであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロで置換される。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-(C-C10-シクロアルキル)である。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-NRであり、ここで、R及びRは上述のとおりである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-C(O)-(CH-O-(CH-(6~10員アリール)である。
【0155】
一実施形態では、R19は水素である。別の実施形態では、R19は-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、R19はフェニルである。別の実施形態では、R19は任意選択で1つ以上のハロで置換される-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R19は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0156】
一実施形態では、R20は水素である。別の実施形態では、R20は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0157】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0158】
本明細書で提供する5-置換キナゾリノン化合物は、上述したR18、R19、R20及びnのいかなる組み合わせをも包含する。
【0159】
具体的な一実施形態では、R18はメチルである。別の実施形態では、R18はハロである。別の実施形態では、R18はヒドロキシルである。別の実施形態では、R18は-CFである。
【0160】
具体的な一実施形態では、R19は水素である。別の実施形態では、R19はメチルである。別の特定の実施形態では、R20は水素である。
【0161】
具体的な5-置換キナゾリノン化合物には、表Gに記載のものが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0162】
表G。
【化38】
【0163】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化39】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0164】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化40】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0165】
別の実施形態では、代表的5-置換キナゾリノン化合物は、式(XI)、
【化41】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、及び立体異性体であり、式中、
21は水素であり、
22、R23、及びR24は互いに独立して、ハロ、-(CHOH、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであるか、または
21~R24のうち2つが互いに結合して5~6員環を形成し、かかる5~6員環は任意選択で、ハロ、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、及び任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換され、
25は、水素、-(CHOH、フェニル、-O-(C-C)アルキル、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、
26は、水素、または任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、または2である。
【0166】
一実施形態では、R22~R24のうち2つはハロである。別の実施形態では、R22~R24のうち2つは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R22~R24のうち2つは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシである。
【0167】
別の実施形態では、R22~R24のうち1つはハロであり、R22~R24のもう1つは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R22~R24のうち1つはハロであり、R22~R24のもう1つは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシである。別の実施形態では、R22~R24のうち1つは、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシであり、R22~R24のもう1つは任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0168】
別の実施形態では、R22~R24のうち2つは互いに結合して5~6員環を形成する。具体的な一実施形態では、R22とR23は互いに結合して5~6員環を形成する。具体的な一実施形態では、R22とR23は互いに結合してフェニル環を形成する。別の実施形態では、R22とR23により形成された環は、任意選択で、ハロ、任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキル、及び任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルコキシのうち1つ以上で置換される。
【0169】
一実施形態では、R25は水素である。別の実施形態では、R25は-(CHOHまたはヒドロキシルである。別の実施形態では、R25はフェニルである。別の実施形態では、R25は任意選択で1つ以上のハロで置換される-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R25は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0170】
一実施形態では、R26は水素である。別の実施形態では、R26は任意選択で1つ以上のハロで置換される(C-C)アルキルである。
【0171】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0172】
本明細書で提供する5-置換キナゾリノン化合物は、上述したR21、R22、R23、R24、R25、R26、及びnのいかなる組み合わせをも包含する。
【0173】
具体的な5-置換キナゾリノン化合物として、
【化42】
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0174】
一実施形態では、5-置換キナゾリノン化合物は、
【化43】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0175】
記載されるすべての5-置換キナゾリノン化合物は、市販のものを購入するか、または本明細書に開示する特許若しくは特許公報に記載の方法にしたがって調製することができる。さらに、光学的に純粋な5-置換キナゾリノン化合物は、公知の分割剤またはキラルカラム、ならびに、他の標準的有機合成化学技術を使用して不斉合成または分割を行うことができる。
【0176】
描かれた構造とその構造に与えられた名称との間に矛盾がある場合、描かれた構造がより重視されることに留意すべきである。さらに、構造または構造の一部分の立体化学が、例えば太線または点線で示されていない場合、かかる構造またはその構造の一部分にはその立体異性体の全てが包含されると解釈されるべきである。
【0177】
本明細書で提供するさらに他の特定の免疫調節薬は、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US2009/0142297号に開示される5-置換イソインドール化合物のクラスに属する。代表的化合物は、式XI、
【化44】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、及びプロドラッグであり、式中、
nは0または1であり、
XはCH、C=O、またはC=Sであり、
は、
a)-(CHまたは-CO(CH
(ただし、mは0、1、2、または3であり、かつ
は5~10員のアリールまたはヘテロアリールであり、任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される);
b)-C=YR
(ただし、YはOまたはSであり、かつ
は、(C-C10)アルキル;(C-C10)アルコキシ;(C-C10)アルキル-(5~10員ヘテロアリールまたは複素環)であり、当該ヘテロアリールまたは複素環が、任意選択で、(C-C)アルキル、ハロゲン、オキソ、(C-C)アルコキシ、または-Z-(C-C)アルキルのうち1つ以上で置換される(ただし、ZはSまたはSO、かつ当該(C-C)アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい)(C-C10)アルキル-(5~10員ヘテロアリールまたは複素環);(C-C10)アルキル-(5~10員アリール)であり、当該アリールが任意選択で、ハロゲン、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル、または-Z-(C-C)アルキルのうち1つ以上で置換される(ただし、ZはSまたはSOであり、かつ当該(C-C)アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい)(C-C10)アルキル-(5~10員アリール);若しくは(C-C)アルキル-CO-O-R12(ただし、R12はHまたは(C-C)アルキルである)である);または
c)-C=ZNHR
(ただし、ZはOまたはSであり、かつ
は、(C-C10)アルキル;(C-C10)アルコキシ;任意選択で、ハロゲン、シアノ、(C-C)アルキレンジオキシ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル、若しくはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキルチオのうち1つ以上で置換される、5~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールである)であり、かつ
はHまたは(C-C)アルキルである。
【0178】
代表的化合物は、式、
【化45】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、及びプロドラッグであり、式中、
nは0または1であり、
XはCHまたはC=Oであり、
は-(CHであり、ここで、mは0、1、2、または3であり、Rは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される5~10員のアリールまたはヘテロアリールであり、かつ
はHまたは(C-C)アルキルである。
【0179】
一実施形態では、XはC=Oである。別の実施形態では、XはCHである。
【0180】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。
【0181】
一実施形態では、mは0である。別の実施形態では、mは1である。別の実施形態では、mは2である。別の実施形態では、mは3である。
【0182】
一実施形態では、Rは5~10員アリールである。ある具体的な実施形態では、Rはフェニルであり、任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される。
【0183】
一実施形態では、Rは5~10員ヘテロアリールである。ある具体的な実施形態では、R9はフリルまたはベンゾフリルである。
【0184】
一実施形態では、RはHである。別の実施形態では、Rは(C-C)アルキルである。ある具体的な実施形態では、Rはメチルである。
【0185】
上述の実施形態の組み合わせはすべて本発明により包含される。
【0186】
例として、下記に掲載するもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【化46】
【0187】
他の代表的化合物は、式、
【化47】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、及びプロドラッグであり、式中、
XはCHまたはC=Oであり、
YはOまたはSであり、
10は、(C-C10)アルキル;(C-C10)アルコキシ;(C-C10)アルキル-(5~10員ヘテロアリールまたは複素環)であり、当該ヘテロアリールまたは複素環が、任意選択で、それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル、ハロゲン、オキソ、それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシ、または-Z-(C-C)アルキル(ただし、ZはSまたはSOであり、かつ当該(C-C)アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい)のうち1つ以上で置換される、(C-C10)アルキル-(5~10員ヘテロアリールまたは複素環);(C-C10)アルキル-(5~10員アリール)であり、当該アリールが、任意選択で、ハロゲン、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル、または-Z-(C-C)アルキル(ただし、ZはSまたはSOであり、かつ当該(C-C)アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい)のうち1つ以上で置換される(C-C10)アルキル-(5~10員アリール);または(C-C)アルキル-CO-O-R12(ただし、R12はHまたは(C-C)アルキルである)であり、かつ
11はHまたは(C-C)アルキルである。
【0188】
一実施形態では、XはCHである。別の実施形態では、XはC=Oである。
【0189】
一実施形態では、YはOである。別の実施形態では、YはSである。
【0190】
一実施形態では、R10は(C-C10)アルキルである。ある具体的な実施形態では、R10は(C-C10)アルキルである。ある具体的な実施形態では、R10はペンチルまたはヘキシルである。
【0191】
一実施形態では、R10は(C-C10)アルコキシである。ある具体的な実施形態では、R10は(C-C10)アルコキシである。ある具体的な実施形態では、R10はペンチルオキシまたはヘキシルオキシである。
【0192】
一実施形態では、R10は5~10員ヘテロアリールである。ある具体的な実施形態では、R10はチオフェンイルまたはフリルである。
【0193】
一実施形態では、R10は5~10員アリールであり、任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される。ある具体的な実施形態では、R10はフェニルであり、任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される。
【0194】
一実施形態では、R10は5~10員アリールまたはヘテロアリールであり、任意選択で(C-C)アルキルまたは(C-C)アルコキシで置換され、これら自体は任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される。ある具体的な実施形態では、R10は1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル若しくは1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシで置換されるフェニルである。ある具体的な実施形態では、R10は1つ、2つ、または3つのハロゲンで置換されるメチル若しくは1つ、2つ、または3つのハロゲンで置換されるメトキシで置換されるフェニルである。
【0195】
一実施形態では、R10は-S-(C-C)アルキルで置換されるアリールまたはヘテロアリールであり、ここで、当該アルキルはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される。別の実施形態では、R10は-SO-(C-C)アルキルで置換されるアリールまたはヘテロアリールであり、ここで、当該アルキルはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される。
【0196】
一実施形態では、R10は(C-C)アルキル-CO-O-R12であり、R12は(C-C)アルキルである。具体的な一実施形態では、R10はブチル-CO-O-tBuである。
【0197】
一実施形態では、R10は(C-C)アルキル-CO-O-R12であり、R12はHである。具体的な一実施形態では、R10はブチル-COOHである。
【0198】
一実施形態では、R11はHである。別の実施形態では、R11は(C-C)アルキルである。ある具体的な実施形態では、R11はメチルである。
【0199】
上述の実施形態の組み合わせはすべて本発明により包含される。
【0200】
例として、下記表Jに掲載するもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物(例えば、水和物)、若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
表J。
【化48】
【0201】
他の例には、下記表Kに掲載するもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物(例えば、水和物)、若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
表K。
【化49】
【0202】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化50】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0203】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化51】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0204】
さらに他の代表的化合物は、式、
【化52】
で表されるもの、ならびにその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、及びプロドラッグであり、式中、
XはCHまたはC=Oであり、
YはOまたはSであり、
13は、(C-C10)アルキル;(C-C10)アルコキシ;5~10員アリール若しくは5~10員ヘテロアリール(ただし、任意選択で、ハロゲン、シアノ、(C-C)アルキレンジオキシ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル、若しくはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキルチオのうち1つ以上で置換される)であり、かつ
14はHまたは(C-C)アルキルである。
【0205】
一実施形態では、XはCHである。別の実施形態では、XはC=Oである。
【0206】
一実施形態では、YはOである。別の実施形態では、YはSである。
【0207】
一実施形態では、R13は(C-C10)アルキルである。ある具体的な実施形態では、R13は(C-C)アルキルである。ある具体的な実施形態では、R13はプロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。
【0208】
一実施形態では、R13は(C-C10)アルコキシである。
【0209】
一実施形態では、R13は5~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、任意選択でシアノで置換される。ある具体的な実施形態では、R13はフェニルであり、任意選択でシアノで置換される。
【0210】
一実施形態では、R13は5~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、任意選択で(C-C)アルキレンジオキシで置換される。ある具体的な実施形態では、R13はフェニルであり、任意選択でメチレンジオキシで置換される。
【0211】
一実施形態では、R13は5~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される。ある具体的な実施形態では、R13はフェニルであり、任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される。
【0212】
別の実施形態では、R13は5~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、任意選択で(C-C)アルキルまたは(C-C)アルコキシ(これら自体は任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される。ある具体的な実施形態では、R13はフェニルであり、任意選択でメチルまたはメトキシ(これら自体は任意選択で1つ、2つ、または3つのハロゲンで置換される)で置換される。
【0213】
別の実施形態では、R13は5~10員アリールまたは5~10員ヘテロアリールであり、任意選択で、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキルチオで置換される。
【0214】
別の実施形態では、R14はHである。別の実施形態では、R14は(C-C)アルキルである。ある具体的な実施形態では、R14はメチルである。
【0215】
上述の実施形態の組み合わせはすべて本発明により包含される。
【0216】
例として、下記表Lに掲載するもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
表L。
【化53】
【0217】
他の例には、下記表Mに掲載するもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
表M。
【化54】
【0218】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化55】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0219】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化56】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0220】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化57】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0221】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化58】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0222】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化59】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0223】
本明細書で提供するさらに他の特定の免疫調節薬は、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,129,375号に開示のイソインドリン化合物のクラスに属する。代表的化合物は、式XIII、
【化60】
に表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体であり、式中、
XはC(=O)またはCHであり、
YはO、シアナミド(cyanamido)(N-≡N)、またはアミド(NH)であり、
mは、0、1、2、または3の整数であり、
は水素またはC1-6アルキルであり、
は水素、-NO、C1-10アルキル、C0-6アルキル-(5~10員ヘテロアリール)、C0-6アルキル-(5~6員ヘテロシクリル)、C0-6アルキル-OH、C0-4アルキル-NH、-NHCO-C1-6アルキル、-OR21、または-(CH-Z)0-2-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、各ヘテロアリール及びヘテロシクリルは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換され、
は水素、ハロゲン、-NO、C0-6アルキル-(5~10員ヘテロアリール)、C0-6アルキル-(5~6員ヘテロシクリル)、C0-6アルキル-OH、C0-4アルキル-NH、-NHCO-C1-6アルキル、-OR21、または-(CH-Z)0-2-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、各ヘテロアリール及びヘテロシクリルは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換され、
21はC6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、5~6員ヘテロシクリル、または-CO(CH0-222であり、ここで、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルはそれぞれ任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換され、
22は-NHまたは5~6員ヘテロシクリルであり、かつ
ZはCH、NH、またはOであるが、
が水素のとき、Rは水素でもC1-10アルキルでもないことを条件とし、
YがOのとき、Rはハロゲンではないことを条件とし、かつ
YがO、またRがハロゲンのとき、RはC0-6アルキル-(5~6員ヘテロシクリル)であることを条件とする。
【0224】
ある実施形態では、XはCHである。ある実施形態では、XはC(=O)である。
【0225】
ある実施形態では、YはOである。ある実施形態では、Yはシアナミド(cyanamido)である。ある実施形態では、Yはアミドである。
【0226】
ある実施形態では、ZはCHである。ある実施形態では、ZはNHである。ある実施形態では、ZはOである。
【0227】
ある実施形態では、mは0である。ある実施形態では、mは1である。ある実施形態では、mは2である。ある実施形態では、mは3である。
【0228】
ある実施形態では、Rは水素である。ある実施形態では、RはC1-6アルキルであり、任意選択で1つ、2、または3つの本明細書に記載の置換基Qで置換される。ある実施形態では、Rはメチルである。
【0229】
ある実施形態では、Rは水素である。ある実施形態では、Rはハロゲンである。ある実施形態では、Rはニトロである。ある実施形態では、RはC1-10アルキルである。ある実施形態では、RはC0-6アルキル-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、ヘテロアリールは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換される。ある実施形態では、RはC0-6アルキル-(5~6員ヘテロシクリル)であり、ここで、ヘテロシクリルは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換される。ある実施形態では、RはC0-6アルキル-OHである。ある実施形態では、RはC0-4アルキル-NHである。ある実施形態では、Rは-NHCO-C1-6アルキルである。ある実施形態では、Rは-OR21であり、ここで、R21は本明細書に記載のとおりである。ある実施形態では、Rはまたは(or)-(CH-Y)0-2-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、ヘテロアリールは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換される。ある実施形態では、Rは水素、アミノ、アセトアミド、ヒドロキシ、ニトロ、アミノメチル、ヒドロキシメチル、2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル、3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)メチル、2-メチル-2H-ピラゾール-3-イル、1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル、2-メチルチアゾール-4-イル、4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル、モルホリノメチル、(ピリジン-4-イル)メチル、(ピリジン-4-イルオキシ)メチル、フェオキシ(pheoxy)、ピリジン-2-イルオキシ、ピペリジン-4-イルオキシ、2-アミノアセトキシ、または2-ピペラジン-1-イルアセトキシである。
【0230】
ある実施形態では、Rは水素である。ある実施形態では、Rはニトロである。ある実施形態では、RはC0-6アルキル-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、ヘテロアリールは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換される。ある実施形態では、RはC0-6アルキル-(5~6員ヘテロシクリル)であり、ここで、ヘテロシクリルは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換される。ある実施形態では、RはC0-6アルキル-OHである。ある実施形態では、RはC0-4アルキル-NHである。ある実施形態では、Rは-NHCO-C1-6アルキルである。ある実施形態では、Rは-OR21であり、ここで、R21は本明細書に記載するとおりである。ある実施形態では、Rはまたは(or)-(CH-Y)0-2-(5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、ヘテロアリールは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換される。ある実施形態では、Rは水素、アミノ、アセトアミド、ヒドロキシ、ニトロ、メチル、アミノメチル、ヒドロキシメチル、2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル、3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、4-メチルピペラジン-1-イル)メチル、2-メチル-2H-ピラゾール-3-イル、1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル、2-メチルチアゾール-4-イル、4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル、モルホリノメチル、(ピリジン-4-イル)メチル、(ピリジン-4-イルオキシ)メチル、フェオキシ(pheoxy)、ピリジン-2-イルオキシ、ピペリジン-4-イルオキシ、2-アミノアセトキシ、または2-ピペラジン-1-イルアセトキシである。
【0231】
一実施形態では、化合物は下記表Qに掲載のものから選択されるか、
表Q。
【化61】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体である。
【0232】
別の実施形態では、代表的化合物は、式XIV、
【化62】
に表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体であり、式中、
XはC(=O)またはCHであり、
mは、0、1、2、または3の整数であり、
は、C3-10シクロアルキル、5~10員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロアリール、またはC0-4アルキル-NR4142であって、かかるシクロアルキル、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールが、それぞれ任意選択で1つ以上のハロゲン、C1-6アルキル、-CO-NR4344、-COOR45、またはC0-4アルキル-C6-10アリールで置換され、ここで、アリール自体は任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよく、かつ
41、R42、R43、R44、及びR45は互いに独立して、水素またはC1-6アルキルである。
【0233】
ある実施形態では、XはCHである。ある実施形態では、XはC(=O)である。
【0234】
ある実施形態では、mは0である。ある実施形態では、mは1である。ある実施形態では、mは2である。ある実施形態では、mは3である。
【0235】
ある実施形態では、RはC3-10シクロアルキルであり、任意選択で1つ以上の(C1-6)アルキルまたはC0-4アルキル-C6-10アリールで置換される。ある実施形態では、Rは5~6員ヘテロシクリルであり、任意選択で1つ以上の(C1-6)アルキルまたはC0-4アルキル-C6-10アリールで置換される。ある実施形態では、RはC0-4アルキル-NR4142であり、ここで、R41及びR42はそれぞれ本明細書に記載するとおりである。
【0236】
ある実施形態では、Rは3-(N,N-ジエチルアミノ)プロピル、4-アセトアミドフェニル、3-(2-アミノアセトキシ)-4-メチルフェニル、3-アミノメチル-4-メチルフェニル、2-アミノメチル-5-メチルフェニル、3-アミノフェニル、3-アミノ-4-メチルフェニル、3-クロロ-4-メチルフェニル、4-ヒドロキシメチルフェニル、3-ヒドロキシ-4-メチルフェニル、3-(2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル、4-メチル-3-ニトロフェニル、3-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)フェニル、4-メチル-3-(2-ピペラジン-1-イルアセトキシ)-フェニル、3-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)フェニル、3-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル、3-(2-メチル-2H-ピラゾール-3-イル)フェニル、3-(2-メチルチアゾール-4-イル)フェニル、4-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル、3-(モルホリノメチル)フェニル、4-(モルホリノメチル)フェニル、4-ニトロフェニル、フェニル、3-(ピペリジン-4-イルオキシ)フェニル、4-(ピリジン-4-イル)メチルフェニル、4-((ピリジン-4-イルオキシ)メチル)フェニル、3-(ピリジン-2-イルオキシ)フェニル、3-フェノキシフェニル、4-tert-ブチルシクロヘキシル、シス-4-tert-ブチルシクロヘキシル、トランス-4-tert-ブチルシクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、シス-4-メチルシクロヘキシル、トランス-4-メチルシクロヘキシル、1-ベンジルピペリジン-4-イル、4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル、ピペリジン-4-イル、4-フェニルシクロヘキシル、シス-4-フェニルシクロヘキシル、またはトランス-4-フェニルシクロヘキシルである。
【0237】
一実施形態では、化合物は、下記表Rに掲載のものから選択されるか、
表R。
【化63】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0238】
さらに別の実施形態では、代表的化合物は、式XV、
【化64】
に表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体であり、式中、
XはC(=O)またはCHであり、
mは、0、1、2、または3の整数であり、
及びRは互いに独立して、水素、ハロ、C1-6アルキル、オキソ、-NO、C1-6アルコキシ、-Z-C1-6アルキル、C0-6アルキル-(5~10員ヘテロアリール)、C0-6アルキル-(5~6員ヘテロシクリル)、C0-6アルキル-OH、C0-4アルキル-NH、-NHCO-C1-6アルキル、-OR21、または-(CH-Y)0-2-(5~10員ヘテロアリール)であり、
ここで、ZはSまたはSOであり、
21は上記で定義されるとおりであり、
上述の各ヘテロアリール及び各ヘテロシクリルは任意選択で1つ以上のC1-6アルキルで置換され、かつ
上述のアルキルまたはアルコキシが任意選択で、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C1-6アルキリデンジオキシ、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されるC1-6アルコキシ、またはそれ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されるC1-6アルキルチオのうち1つ以上で置換されてよく、
は-COR71または-PO(OR72)(OR73)であり、
71はC1-10アルキル、C6-10アリール、または5~6員ヘテロシクリルであり、かかるアルキル、アリール、ヘテロシクリルが任意選択で、1つ以上のアミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、または-COOR74で置換されてよく、かつ
72、R73、及びR74は互いに独立して、水素またはC1-10アルキルである。
【0239】
ある実施形態では、XはCH2である。ある実施形態では、XはC(=O)である。
【0240】
ある実施形態では、mは0である。ある実施形態では、mは1である。ある実施形態では、mは2である。ある実施形態では、mは3である。
【0241】
ある実施形態では、R5は水素である。ある実施形態では、R5はハロである。ある実施形態では、R5はフルオロまたはクロロである。
【0242】
ある実施形態では、R6は水素である。ある実施形態では、R6はハロである。ある実施形態では、R6はフルオロまたはクロロである。
【0243】
ある実施形態では、R7は-COR41であり、ここで、R41は本明細書に記載するとおりである。ある実施形態では、R7は-PO(OR42))(OR43)であり、ここで、R42及びR43はそれぞれ本明細書に記載するとおりである。
【0244】
一実施形態では、化合物は、下記表Sに掲載のものから選択されるか、
表S。
【化65】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体であり、ここで、
及びRは上述の定義のとおりである。
【0245】
さらに別の実施形態では、代表的化合物は、式XVI、
【化66】
に表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体であり、式中、
XはC(=O)またはCHであり、
nは、0または1の整数であり、
は水素またはハロであり、かつ
は水素、アミノ、または5~10員ヘテロアリール若しくはヘテロシクリルであるが、
mが0のとき、Rは水素ではないことを条件とする。
【0246】
ある実施形態では、XはCHである。ある実施形態では、XはC(=O)である。
【0247】
ある実施形態では、nは0である。ある実施形態では、nは1である。
【0248】
ある実施形態では、Rは水素である。ある実施形態では、Rはハロである。ある実施形態では、Rはフルオロまたはクロロである。
【0249】
ある実施形態では、Rは水素である。ある実施形態では、Rはアミノである。ある実施形態では、Rは5~10員ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは5~10員ヘテロシクリルである。
【0250】
一実施形態では、化合物は、
【化67】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0251】
さらに別の実施形態では、代表的化合物は、式XVII、
【化68】
に表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体であり、式中、
XはC(=O)またはCHであり、
mは、0、1、2、または3の整数であり、
10及びR11は互いに独立して、水素、ハロ、C1-6アルキル、またはC6-10アリールオキシであり、ここで、アルキル及びアリールは、それぞれ任意選択で1つ以上のハロで置換される。
【0252】
ある実施形態では、XはCHである。ある実施形態では、XはC(=O)である。
【0253】
ある実施形態では、mは0である。ある実施形態では、mは1である。ある実施形態では、mは2である。ある実施形態では、mは3である。
【0254】
ある実施形態では、R10は水素である。ある実施形態では、R10はハロである。ある実施形態では、R10はフルオロまたはクロロである。ある実施形態では、R10は任意選択で1つ以上のハロで置換されるC1-6アルキルである。ある実施形態では、R10は任意選択で1つ以上のハロで置換されるC6-10アリールオキシである。
【0255】
ある実施形態では、R11は水素である。ある実施形態では、R11はハロである。ある実施形態では、R11はフルオロまたはクロロである。ある実施形態では、R11は任意選択で1つ以上のハロで置換されるC1-6アルキルである。ある実施形態では、R11は任意選択で1つ以上のハロで置換されるC6-10アリールオキシである。
【0256】
一実施形態では、化合物は、下記表Tに掲載のものから選択されるか、
表T。
【化69】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0257】
さらに別の実施形態では、代表的化合物は、式XVIII、
【化70】
に表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体であり、式中、
XはCHまたはC=O
m及びnは互いに独立して、0または1であり、
pは0、1、2、または3であり、
81は5~6員ヘテロシクリルであって、任意選択でC1-6アルキルで置換され、かつ
82は水素またはハロゲンである。
【0258】
一実施形態では、XはCHである。別の実施形態では、XはC=Oである。
【0259】
一実施形態では、mは0である。別の実施形態では、mは1である。別の実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。
【0260】
一実施形態では、pは0である。別の実施形態では、pは1である。別の実施形態では、pは2である。別の実施形態では、pは3である。
【0261】
一実施形態では、R81は5員複素環である。別の実施形態では、5員複素環はC1-6アルキルで置換される。別の実施形態では、R81は6員複素環である。別の実施形態では、6員複素環はC1-6アルキルで置換される。
【0262】
一実施形態では、R82は水素である。別の実施形態では、R82はハロゲンである。
【0263】
一実施形態では、化合物は、下記表Uに掲載のものから選択されるか、
表U。
【化71】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0264】
さらに別の実施形態では、代表的化合物は、下記表Vの以下の式、
表V。
【化72】
で表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0265】
本明細書で提供するさらに他の特定の免疫調節薬は、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US2011/0196150号に開示される4’-アリールメトキシ(arylmethoxy)イソインドリン化合物のクラスに属する。代表的化合物は、式XIX、
【化73】
で表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体であり、式中、
XはC=OまたはCHであり、
は-Y-Rであり、
はHまたは(C-C)アルキルであり、
Yは、6~10員アリール、ヘテロアリールまたは複素環であり、各々が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよいか、若しくは結合であり、
は、アリールが、任意選択で、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル、それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシ、オキソ、アミノ、カルボキシル、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、重水素、任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ若しくはハロゲンで置換される6~10員のアリール若しくはヘテロアリール、-CONH、または-COO-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい)のうち1つ以上で置換される、-(CH-アリール、-O-(CH-アリール若しくは-(CH-O-アリール;複素環が、任意選択で、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル、それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシ、オキソ、アミノ、カルボキシル、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、重水素、任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ若しくはハロゲンで置換される6~10員のアリール若しくはヘテロアリール、-CONH、または-COO-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい)のうち1つ以上で置換される、-(CH-複素環、-O-(CH-複素環若しくは-(CH-O-複素環;または、ヘテロアリールが、任意選択で、それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルキル、それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される(C-C)アルコキシ、オキソ、アミノ、カルボキシル、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン、重水素、任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシ若しくはハロゲンで置換される6~10員のアリール若しくはヘテロアリール、-CONH、または-COO-(C-C)アルキル(ただし、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい)のうち1つ以上で置換される、-(CH-ヘテロアリール、-O-(CH-ヘテロアリール若しくは-(CH-O-ヘテロアリールであり、かつ、nは0、1、2または3である。
【0266】
一実施形態では、XはC=Oである。別の実施形態では、CはCHである。
【0267】
一実施形態では、RはHである。別の実施形態では、Rは(C-C)アルキルである。
【0268】
一実施形態では、Yはアリールである。別の実施形態では、Yはヘテロアリールである。別の実施形態では、Yは複素環である。別の実施形態では、Yは結合である。
【0269】
一実施形態では、Rは非置換-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-(CH-アリールであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0270】
一実施形態では、Rは非置換-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-O-(CH-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-O-(CH-アリールであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0271】
一実施形態では、Rは非置換-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-(CH-O-アリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-(CH-O-アリールであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0272】
一実施形態では、Rは非置換-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-(CH-複素環であり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0273】
一実施形態では、Rは非置換-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-O-(CH-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-O-(CH-複素環であり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0274】
一実施形態では、Rは非置換-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-(CH-O-複素環である。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-(CH-O-複素環であり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0275】
一実施形態では、Rは非置換-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-(CH-ヘテロアリールであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0276】
一実施形態では、Rは非置換-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-O-(CH-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-O-(CH-ヘテロアリールであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0277】
一実施形態では、Rは非置換-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルキル(それ自体が任意選択で1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の(C-C)アルコキシ(それ自体が1つ以上のハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のオキソで置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のアミノで置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のカルボキシルで置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のシアノで置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のヒドロキシルで置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上のハロゲンで置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の重水素で置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員アリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキルで置換される)で置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の6~10員ヘテロアリール(任意選択で1つ以上の(C-C)アルキル、(C-C)アルコキシまたはハロゲンで置換される)で置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-CONHで置換される-(CH-O-ヘテロアリールである。別の実施形態では、Rは1つ以上の-COO-(C-C)アルキルで置換される-(CH-O-ヘテロアリールであり、ここで、アルキルは任意選択で1つ以上のハロゲンで置換されてよい。
【0278】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。
【0279】
X、R、R、Y、R及びnについて本明細書で提供する定義から生じ得る特定の組み合わせすべてが包含される。
【0280】
一実施形態では、XはCHである。
【0281】
一実施形態では、Yはアリールである。別の実施形態では、Yはフェニルである。
【0282】
Yがフェニルである別の実施形態では、Rは-(CH-複素環である。一実施形態では、複素環はモルホリニル、ピペリジニルまたはピロリジニルである。
【0283】
一実施形態では、Yはヘテロアリールである。別の実施形態では、Yは10員ヘテロアリールである。別の実施形態では、Yはベンゾ[d]チアゾールである。別の実施形態では、Yはベンゾフランである。別の実施形態では、Yはキノリンである。
【0284】
Yがヘテロアリールである別の実施形態では、Rは-(CH-複素環である。一実施形態では、複素環はモルホリニル、ピペリジニルまたはピロリジニルである。
【0285】
一実施形態では、Yは結合である。Yが結合である別の実施形態では、Rは-(CH-複素環または-(CH-ヘテロアリールである。
【0286】
一実施形態では、例として、下記表Wに掲載するもの、
表W。
【化74】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0287】
別の実施形態では、代表的化合物は、式(XX)、
【化75】
で表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体であり、式中、
は非置換二環式9~10員環であり、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、ナフタレン、2,3-ジヒドロ-1H-インデン、ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、イミダゾ[1,2-a]ピリジン、ベンゾフラン、2,3-ジヒドロベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾ[d]オキサゾールイソインドリンまたはクロマンであるが、ここで、二環式環がベンゾフランまたはベンゾチオフェンのとき、かかる環はイソインドール環に2位を介した結合をしないことを条件とする。
【0288】
一実施形態では、Rはベンゾチアゾールである。別の実施形態では、Rはキノリンである。別の実施形態では、Rはイソキノリンである。別の実施形態では、Rはナフタレンである。別の実施形態では、Rは2,3-ジヒドロ-1H-インデンである。別の実施形態では、Rはベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールである。別の実施形態では、Rはイミダゾ[1,2-a]ピリジンである。別の実施形態では、Rはベンゾフランである。別の実施形態では、Rは2,3-ジヒドロベンゾフランである。別の実施形態では、Rはベンゾチオフェンである。別の実施形態では、Rはベンゾ[d]オキサゾールイソインドリンである。別の実施形態では、Rはクロマンである。
【0289】
一実施形態では、具体例として、下記表Xに掲載するもの、
表X。
【化76】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0290】
別の実施形態では、代表的化合物は、式(XXI)、
【化77】
で表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体であり、式中、
XはCHまたはC=Oであり、
、R及びRは互いに独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、カルバモイル、アミノ、-SO、-CONR10、-(C-C)アルキルまたは-(C-C)アルコキシであり、当該アルキルまたはアルコキシは任意選択で1つ以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、またはNR10で置換されてよく、
は、任意選択で(C-C)アルキル若しくは(C-C10)アリールで置換される(C-C)アルキル、任意選択で(C-C)アルキル若しくは(C-C10)アリールで置換されるアミノ、または、任意選択で(C-C)アルキル若しくは(C-C10)アリールで置換される6~10員複素環であり、
及びR10は互いに独立して、水素、6~10員アリール、-COO-(C-C)アルキル、-(C-C)アルキル-CHO、-(C-C)アルキル-COOH、-(C-C)アルキル-NR9’10’、-(C-C)アルキル-(5~10員複素環)、-(C-C)アルキル-OH、-(C-C)アルキル-O-(C-C)アルキル、(C-C)アルキル、または(C-C)シクロアルキルであるか、または
とR10が互いに結合して、1つ以上のヘテロ原子を含有する任意選択の置換5~6員環を形成してよく、かつ
9’及びR10’は互いに独立して、水素または(C-C)アルキルであるが、
~Rのすべてが水素ということはあり得ないことを条件とし、また
~Rのうち1つが水素、残る2つがいずれも塩化物であるとき、かかる2つの塩化物原子はフェニル環の3位及び4位にはあり得ないことを条件とする。
【0291】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rはハロゲンである。別の実施形態では、Rはニトロである。別の実施形態では、Rはカルバモイルである。別の実施形態では、Rはアミノである。別の実施形態では、Rは-SOである。別の実施形態では、Rは-CONR10である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、またはNR10で置換される-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシルまたはNR10で置換される-(C-C)アルコキシである。
【0292】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rはハロゲンである。別の実施形態では、Rはニトロである。別の実施形態では、Rはカルバモイルである。別の実施形態では、Rはアミノである。別の実施形態では、Rは-SOである。別の実施形態では、Rは-CONR10である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、またはNR10で置換される-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシルまたはNR10で置換される-(C-C)アルコキシである。
【0293】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rはハロゲンである。別の実施形態では、Rはニトロである。別の実施形態では、Rはカルバモイルである。別の実施形態では、Rはアミノである。別の実施形態では、Rは-SOである。別の実施形態では、Rは-CONR10である。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、またはNR10で置換される-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは任意選択で1つ以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシルまたはNR10で置換される-(C-C)アルコキシである。
【0294】
一実施形態では、Rは任意選択で(C-C)アルキルまたは(C-C10)アリールで置換される(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは任意選択で(C-C)アルキルまたは(C-C10)アリールで置換されるアミノである。別の実施形態では、Rは任意選択で(C-C)アルキルまたは(C-C10)アリールで置換される6~10員複素環である。
【0295】
一実施形態では、Rは水素である。別の実施形態では、Rは6~10員アリールである。別の実施形態では、Rは-COO-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは-(C-C)アルキル-CHOである。別の実施形態では、Rは-(C-C)アルキル-COOHである。別の実施形態では、Rは-(C-C)アルキル-NR9’10’である。別の実施形態では、Rは-(C-C)アルキル-(5~10員複素環)である。別の実施形態では、Rは-(C-C)アルキル-OHである。別の実施形態では、Rは-(C-C)アルキル-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは(C-C)アルキルである。別の実施形態では、Rは(C-C)シクロアルキルである。
【0296】
一実施形態では、R10は水素である。別の実施形態では、R10は6~10員アリールである。別の実施形態では、R10は-COO-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R10は-(C-C)アルキル-CHOである。別の実施形態では、R10は-(C-C)アルキル-COOHである。別の実施形態では、R10は-(C-C)アルキル-NR9’10’である。別の実施形態では、R10は-(C-C)アルキル-(5~10員複素環)である。別の実施形態では、R10は-(C-C)アルキル-OHである。別の実施形態では、R10は-(C-C)アルキル-O-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R10は(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R10は(C-C)シクロアルキルである。
【0297】
一実施形態では、RとR10は互いに結合して5~6員環を形成する。一実施形態では、環は1つ以上のヘテロ原子を含有する。一実施形態では、ヘテロ原子はN、S及びOからなる群から選択される。
【0298】
一実施形態では、R9’は水素である。別の実施形態では、R9’は(C-C)アルキルである。
【0299】
一実施形態では、R10’は水素である。別の実施形態では、R10’は(C-C)アルキルである。
【0300】
ある実施形態では、R~R10とR9’~R10’とのあらゆる組み合わせから生じる化合物を提供する。
【0301】
一実施形態では、R~Rのうち1つは水素であり、R~Rのうち残りの2つはハロゲンである。一実施形態では、R~Rのうち1つは水素であり、R~Rのうち残りの2つは(C-C)アルコキシである。一実施形態では、R~Rのうち1つは水素であり、R~Rのうち残りの2つは(C-C)アルキルである。一実施形態では、Rは水素であり、Rはハロゲンであり、Rは(C-C)アルコキシである。
【0302】
一実施形態では、R~Rのうち2つは水素であり、R~Rのうち残る1つはハロゲンである。一実施形態では、R~Rのうち2つは水素であり、R~Rのうち残る1つは(C-C)アルコキシである。一実施形態では、R~Rのうち2つは水素であり、R~Rのうち残る1つは(C-C)アルキルである。
【0303】
一実施形態では、具体例として、下記表Yに掲載するもの、
表Y。
【化78】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0304】
別の実施形態では、代表的化合物は、式(XXII)、
【化79】
で表されるもの、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体であり、式中、
XはNまたはCであり、
YはCHまたはC=Oであり、
11及びR12は互いに独立して、水素、-(C-C)アルキル、
-(C-C)アルキル-(C-C)シクロアルキル、-(C-C)アルコキシ、-(C-C10)アリール、-CO(C-C)アルキル、-CO(C-C)シクロアルキル、-CO(C-C10)アリール、-COO(C-C)アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、3~10員複素環、6~10員ヘテロアリール、-NHCO(C-C)アルキル、-(CH-フェニル、-SO(C-C)アルキル、-SO(C-C)シクロアルキル、-SO(C-C10)アリール、または-NR1415であり、ここで、基それぞれのアルキル部分、アリール部分またはヘテロアリール部分は、任意選択で1つ以上のハロゲン、ヒドロキシルまたは-(C-C)アルコキシで置換されてよく;
13は水素または-(C-C)アルキルであり、
14及びR15は互いに独立して、水素または-(C-C)アルキルであり、かつ
nは0、1、2または3である。
【0305】
一実施形態では、XはNである。別の実施形態では、XはCである。
【0306】
一実施形態では、YはCHである。別の実施形態では、YはC=Oである。
【0307】
一実施形態では、R11は水素である。別の実施形態では、R11は-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R11は-(C-C)アルキル-(C-C)シクロアルキルである。別の実施形態では、R11は-(C-C)アルコキシである。別の実施形態では、R11は-(C6-C10)アリールである。別の実施形態では、R11は-CO(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R11は-CO(C-C)シクロアルキルである。別の実施形態では、R11は-CO(C-C10)アリールである。別の実施形態では、R11は-COO(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R11はハロゲンである。別の実施形態では、R11はヒドロキシルである。別の実施形態では、R11はオキソである。別の実施形態では、R11は3~10員複素環である。別の実施形態では、R11は6~10員ヘテロアリールである。別の実施形態では、R11は-NHCO(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R11は-(CH-フェニルである。別の実施形態では、R11は-SO(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R11は-SO(C-C)シクロアルキルである。別の実施形態では、R11は-SO(C-C10)アリールである。別の実施形態では、R11は-NR1415である。別の実施形態では、R11のアルキル部分、アリール部分またはヘテロアリール部分は1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル及び/または-(C1-C6)アルコキシで置換される。
【0308】
一実施形態では、R12は水素である。別の実施形態では、R12は-(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R12は-(C-C)アルキル-(C-C)シクロアルキルである。別の実施形態では、R12は-(C-C)アルコキシである。別の実施形態では、R12は-(C6-C10)アリールである。別の実施形態では、R12は-CO(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R12は-CO(C-C)シクロアルキルである。別の実施形態では、R12は-CO(C-C10)アリールである。別の実施形態では、R12は-COO(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R12はハロゲンである。別の実施形態では、R12はヒドロキシルである。別の実施形態では、R12はオキソである。別の実施形態では、R12は3~10員複素環である。別の実施形態では、R12は6~10員ヘテロアリールである。別の実施形態では、R12は-NHCO(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R12は-(CH-フェニルである。別の実施形態では、R12は-SO2(C-C)アルキルである。別の実施形態では、R12は-SO(C-C)シクロアルキルである。別の実施形態では、R12は-SO(C-C10)アリールである。別の実施形態では、R12は-NR14R15である。別の実施形態では、R12のアルキル部分、アリール部分またはヘテロアリール部分は1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル及び/または-(C-C)アルコキシで置換される。
【0309】
一実施形態では、R13は水素である。別の実施形態では、R13は-(C-C)アルキルである。
【0310】
一実施形態では、R14は水素である。別の実施形態では、R14は-(C-C)アルキルである。
【0311】
一実施形態では、R15は水素である。別の実施形態では、R15は-(C-C)アルキルである。
【0312】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。別の実施形態では、nは2である。別の実施形態では、nは3である。
【0313】
一実施形態では、上述で定義したX、Y、R11~R15及びnのあらゆる組み合わせから生じる化合物を提供する。
【0314】
一実施形態では、具体例として、下記表Zに掲載するもの、
表Z。
【化80】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0315】
別の実施形態では、代表的化合物は、下記表AAに掲載するもの、
表AA。
【化81】
またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0316】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化82】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0317】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化83】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0318】
一実施形態では、免疫調節化合物は、
【化84】
であるか、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは立体異性体である。
【0319】
本発明の最も好ましい免疫調節化合物は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン及び3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンである。かかる化合物は、標準的合成方法(例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,635,517号を参照されたい)で取得可能である。化合物は、セルジーン株式会社(Celgene Corporation)(ニュージャージー州ウォーレン)から入手可能である。4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)は、以下の化学構造を有する。
【化85】
化合物3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)は、以下の化学構造を有する。
【化86】
【0320】
本発明の化合物は、市販のものを購入するか、または本明細書に開示する特許若しくは特許公報に記載の方法にしたがって調製することができる。さらに、光学的に純粋な化合物は、公知の分割剤またはキラルカラム、ならびに、他の標準的有機合成化学技術を使用して不斉合成または分割を行うことができる。
【0321】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「pharmaceutically acceptable salt(薬理学的に許容される塩)」は、かかる用語が言及する化合物の非毒性の酸付加塩及び塩基付加塩を包含する。許容される非毒性の酸付加塩には、当技術分野で公知の有機及び無機の酸または塩基から誘導されるもの、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸、エンボル酸(embolic acid)、エナント酸等が挙げられる。
【0322】
天然で酸性の化合物は、さまざまな薬理学的に許容される塩基とともに塩を形成することができる。そのような酸性化合物の薬理学的に許容される塩基付加塩を調製するために使用できる塩基は、非毒性の塩基付加塩を形成する塩基、すなわち、薬理学的に許容される陽イオンを含有する塩、例えば、限定されることなく、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩、及び特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩である。好適な有機塩基には、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(meglumaine)(N-メチルグルカミン)、リシン、及びプロカインが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0323】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「prodrug(プロドラッグ」は、化合物の誘導体であって、生物学的条件下(インビトロまたはインビボ)で加水分解、酸化、またはそれ以外の反応を起こして該化合物を提供できる誘導体を意味する。プロドラッグの例には、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カーボネート、生加水分解性ウレイド、及び生加水分解性ホスフェート類似体のような生加水分解性部分を含む本発明の免疫調節化合物の誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。他のプロドラッグの例として、-NO、-NO、-ONO、または-ONO部分を含む本発明の免疫調節化合物の誘導体が挙げられる。プロドラッグは、典型的には、1 Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery,172-178,949-982(Manfred E.Wolff ed.,5th ed.1995)、及びDesign of Prodrugs(H.Bundgaard ed.,Elselvier,New York 1985)に記載のような周知の方法を使用して調製できる。
【0324】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、「biohydrolyzable amide(生加水分解性 アミド)」、「biohydrolyzable ester(生加水分解性エステル)」、「biohydrolyzable carbamate(生加水分解性 カルバマート)」、「biohydrolyzable carbonate(生加水分解性 カーボネート)」、「biohydrolyzable ureide(生加水分解性 ウレイド)」、「biohydrolyzable phosphate(生加水分解性 ホスフェート)」という用語はそれぞれ、化合物のアミド、エステル、カルバマート、カーボネート、ウレイド、またはホスフェートを意味し、1)化合物の生物活性は妨害せずに、インビボで有利な特性、例えば取込み、作用の持続、または作用の発現をその化合物に付与できるもの、または2)生物学的に不活性であるが、インビボで生物学的に活性な化合物に変換されるもの、のいずれかである。生加水分解性エステルの例として、低級アルキルエステル、低級アシルオキシアルキルエステル(アセトキシメチルエステル、アセトキシエチルエステル、アミノカルボニルオキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、及びピバロイルオキシエチルエステルなど)、ラクトニルエステル(フタリジルエステル及びチオフタリジルエステルなど)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(メトキシカルボニル-オキシメチルエステル、エトキシカルボニルオキシエチルエステル及びイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステルなど)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル、及びアシルアミノアルキルエステル(アセトアミドメチルエステルなど)が挙げられるが、これに限定されるものではない。生加水分解性アミドの例として、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられるが、これに限定されるものではない。生加水分解性カルバメートの例には、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式及びヘテロ芳香族アミン、及びポリエーテルアミンが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0325】
本発明のさまざまな免疫調節化合物は1つ以上のキラル中心を含有し、鏡像異性体のラセミ混合物またはジアステレオマーの混合物として存在できる。本発明は、そのような化合物の立体的に純粋な形態を使用すること、ならびに、それらの形態の混合物を使用することを包含する。例えば、本発明の特定の免疫調節化合物の鏡像異性体を等量または不等量で含む混合物を本発明の方法及び組成物に使用してよい。これらの異性体は、キラルカラムまたはキラル分割剤などの標準技術を使用して不斉合成または分割され得る。例えば、Jacques,J.,et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley-Interscience,New York,1981);Wilen,S.H.,et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L.,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962);及びWilen,S.H.,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972)を参照されたい。
【0326】
本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「stereomerically pure(立体的に純粋)」は、化合物の1種の立体異性体を含み、その化合物の他の立体異性体が実質的に含まれていない組成物を意味する。例えば、キラル中心が1つである化合物の立体的に純粋な組成物は、その化合物の反対側鏡像異性体を実質的に含まないことになる。キラル中心が2つある化合物の立体的に純粋な組成物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないことになる。典型的な立体的に純粋な化合物は、化合物の1種の立体異性体を約80重量%超及び化合物の他の立体異性体を約20重量%未満含み、より好ましくは、化合物の1種の立体異性体を約90重量%超及び化合物の他の立体異性体を約10重量%未満含み、さらにより好ましくは、化合物の1種の立体異性体を約95重量%超及び化合物の他の立体異性体を約5重量%未満含み、最も好ましくは、化合物の1種の立体異性体を約97重量%超及び化合物の他の立体異性体を約3重量%未満含む。本発明による立体的に純粋な化合物は、化合物の1種の立体異性体を約80重量%超、より好ましくは、化合物の1種の立体異性体を約90重量%超、さらにより好ましくは、化合物の1種の立体異性体を約95重量%超、最も好ましくは、化合物の1種の立体異性体を約97重量%超を含む。本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「stereomerically enriched(立体的に濃縮された)」は、化合物の1種の立体異性体を約60重量%超、好ましくは約70重量%超、より好ましくは、化合物の1種の立体異性体を約80重量%超含む組成物を意味する。本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「enantiomerically pure(鏡像異性的に純粋な)」は、1つのキラル中心を有する化合物の立体的に純粋な組成物を意味する。同様に、用語「stereomerically enriched(立体的に濃縮された)」は、1つのキラル中心を有する化合物の立体的に濃縮された組成物を意味する。
【0327】
本明細書で提供する化合物の同位体的に濃縮された類似体もまた本明細書で提供される。薬物動態(「PK」)、薬動力学(「PD」)、及び毒性プロファイルの改善を目的とした医薬品の同位体濃縮(例えば、重水素化)が、これまでに一部のクラスの薬物で示されている。例えば、Lijinsky et.al.,Food Cosmet.Toxicol.,20:393(1982);Lijinsky et.al.,J.Nat.Cancer Inst.,69:1127(1982);Mangold et.al.,Mutation Res.308:33(1994);Gordon et.al.,Drug Metab.Dispos.,15:589(1987);Zello et.al.,Metabolism,43:487(1994);Gately et.al.,J.Nucl.Med.,27:388(1986);Wade D,Chem.Biol.Interact.117:191(1999)を参照されたい。
【0328】
いかなる特定の理論にも拘束されることなく、薬物の同位体濃縮を用いて、例えば、(1)望ましくない代謝物の低下または排除、(2)親薬物の半減期の延長、(3)所望効果の達成に要する投与数の減少、(4)所望効果の達成に要する投与量の減量、(5)活性代謝物が形成される場合の形成増加、ならびに/または(6)特定組織における有害代謝物の産生低下及び/または併用療法が意図されるか否かにかかわらず、より有効な薬物かつ/またはより安全な併用療法用薬物の創製が可能である。
【0329】
ある原子をその同位体の1つと置換すると、しばしば化学反応の反応速度に変化が生じることになる。この現象は速度論的同位体効果(「KIE」)として知られる。例えば、化学反応で律速段階(すなわち、エネルギーの最も高い遷移状態の段階)中にC-H結合が壊れる場合、その水素を重水素で置換すると反応速度が低下することになるので、プロセスは減速されることになる。この現象は重水素速度論的同位体効果(「DKIE」)として知られる。(例えば、Foster et al.,Adv.Drug Res.,vol.14,pp.1-36(1985);Kushner et al.,Can.J.Physiol.Pharmacol.,vol.77,pp.79-88(1999)を参照されたい)。
【0330】
DKIEの大きさは、C-H結合が壊れる所与の反応の速度と、同じ反応で水素を重水素に置換した場合の速度との比として表すことができる。DKIEは、約1(同位体効果なし)から非常に大きな数字、例えば50以上までの範囲を取り得、50以上という場合、その反応は、水素を重水素で置換したとき50倍以上遅くなり得ることを意味する。特定の理論に拘束されることなく、高いDKIE値は、一部は、不確定性原理の結果であるトンネリングとして知られる現象のためであり得る。トンネリングは、水素原子の質量が小さいことに起因し、プロトンが関与する遷移状態が、必要な活性化エネルギーがなくても形成されることがあるために生じる。重水素は水素より質量が大きいため、統計的には、この現象が発生する確率はかなり低い。
【0331】
三重水素(「T」)は水素の放射性同位体であり、研究、核融合炉、中性子発生装置及び放射性医薬品に使用される。三重水素は、核内に中性子を2つ有する水素原子であり、原子量が3に近い。天然環境中に非常に低濃度で存在し、TOとして最もよく見られる。三重水素は、緩徐に崩壊し(半減期=12.3年)、ヒトの皮膚の表層を貫通できない低いエネルギーのベータ粒子を発する。内部被曝はこの同位体に関連する主要な障害であるが、大量に摂取しない限りは重大な健康上の危険はない。重水素と比較すると、より少ない量の三重水素の消費で危険なレベルに達する。水素を三重水素(「T」)で置換すると、重水素の場合より結合はさらに強くなり、数字的により大きい同位体効果を与える。
【0332】
同様に、他の元素を同位体で置換する、例えば、限定されることなく含まれる、炭素を13Cまたは14Cで、硫黄を33S、34S、または36Sで、窒素を15Nで、及び酸素を17Oまたは18Oで置換することにより、同様の速度論的同位体効果が得られるであろう。
【0333】
動物の体は、治療剤などの外来物質をその循環系から排除するための多種多様な酵素を発現している。そのような酵素の例には、チトクロームP450酵素(「CYP」)、エステラーゼ、プロテアーゼ、レダクターゼ、デヒドロゲナーゼ、及びモノアミン酸化酵素が挙げられ、腎排泄を行うためにこれらの外来物質と反応して極性がより大きい中間体若しくは代謝物に変換する。医薬化合物の最も一般的な代謝反応の中には、炭素-水素(C-H)結合が酸化されて、炭素-酸素(C-O)または炭素-炭素(C-C)いずれかのパイ結合ができるものがある。生成代謝物は生理的条件下で安定または不安定な場合があり、薬物動態プロファイル、薬力学的プロファイル、ならびに急性及び長期の毒性プロファイルは親化合物とは実質的に異なり得る。多くの薬物の場合、そのような酸化は急速である。結果として、これらの薬物は、複数用量にするかまたは1日用量を高くして投与しなければならないことが多い。
【0334】
本明細書で提供する化合物の特定の位置での同位体濃縮により、天然の同位体組成物を有する類似化合物と比較すると、本明細書で提供する化合物の薬物動態学的、薬理学的、及び/または毒性学的プロファイルに影響を与える、検出可能なKIEが得られる場合がある。一実施形態では、代謝中にC-H結合が開裂する部位で重水素の濃縮を実施する。
【0335】
描かれた構造とその構造に与えられた名称との間に矛盾がある場合、描かれた構造がより重視されることに留意すべきである。さらに、構造または構造の一部分の立体化学が、例えば太線または点線で示されていない場合、かかる構造またはその構造の一部分にはその立体異性体の全てが包含されると解釈されるべきである。
【0336】
4.2 併用療法
免疫調節化合物と組み合わせて使用できる抗体には、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が挙げられる。抗体の例として、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(商標))、ペルツズマブ(オムニターグ(Omnitarg)(商標))、エドレコロマブ(パノレックス(Panorex)(登録商標))、及びG250が挙げられるが、これらに限定されるものではない。免疫調節化合物は、抗TNF-α抗体と組み合わせるか、または併用することも可能である。
【0337】
抗体は、好ましくは、抗CS1抗体であり、より好ましくは、ヒト化モノクローナル抗CS1抗体である。特定の実施形態では、抗CS1抗体はエロツズマブである。
【0338】
抗体はまた、好ましくは、抗CD20抗体、例えばオビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、リツキシマブ(例えば、リツキサン(登録商標))、イブリツモマブ・チウキセタン(ゼヴァリン(登録商標))、トシツモマブ(ベキサール(Bexxar)(登録商標))、オファツムマブ(アーゼラ(登録商標))、AME-133v(オカラツズマブ)、オクレリズマブ、TRU-015、またはIMMU-106(ベルツズマブ)でもある。
【0339】
抗体はまた、好ましくは、抗PD-L1抗体、例えばランブロリズマブ(MK-3475)、BMS-936559、アテゾリズマブ(MPDL3280A)、ピディリズマブ(CT-011)、ペンブロリズマブ(キイトルーダ(Keytruda)(登録商標))、Medi7436、ニボルマブ(オプジーボ(登録商標);BMS-936558)、MDX-1106、またはONO-4538でもある。
【0340】
抗体はまた、IPH2101などの抗KIR抗体;SGN-40(ダセツズマブ)、HCD122(ルカツムマブ(lucatumumab))などの抗CD40抗体;CP751,871(フィジツムマブ(figitumumab))などの抗IGF1-R抗体;BHQ880などの抗DKK-1抗体;PRO-001などの抗FGFR3抗体;IMGN901(ロルボツズマブ(lorvotuzumab))などの抗CD56抗体;デノスマブなどの抗RANKL抗体;シルツキシマブなどの抗IL-6抗体;BT062(インダツキシマブ(indatuximab))などの抗CD138抗体、または、ダラツムマブなどの抗CD38抗体であってもよい。
【0341】
免疫調節化合物及び抗体は、さらに他の薬理学的活性成分(「第2の活性薬剤」)と組み合わせて、本発明の方法及び組成物で投与することができる。特定の組み合わせは、特定の種類の癌ならびに望ましくない血管新生に関連するか、またはそれを特徴とする、特定の疾患及び病態の治療において、相乗的に作用すると考えられる。免疫調節化合物を作用させて、特定の第2の活性薬剤に関連した有害作用を軽減させることもでき、また、いくつかの第2の活性薬剤を使用して免疫調節化合物に関連した有害作用を軽減させることもできる。
【0342】
1つ以上の第2の有効成分または活性薬剤を、免疫調節化合物及び抗体とともに本発明の方法及び組成物に使用できる。第2の活性薬剤は、高分子(例えば、タンパク質)でも低分子(例えば、合成無機分子、有機金属分子、または有機分子)でも可能である。
【0343】
高分子活性薬剤の例として、造血増殖因子及びサイトカインが挙げられるが、これらに限定されるものではない。典型的な高分子活性薬剤は、天然に生じるまたは人工的に作られたタンパク質などの生物学的分子である。本発明の特に有用なタンパク質には、造血前駆細胞及び免疫学的に活性な造(poietic)細胞の生存及び/または増殖をインビトロまたはインビボで刺激するタンパク質が挙げられる。他はインビトロまたはインビボにおいて、細胞中で決定されている赤血球系前駆細胞の分裂及び分化を刺激する。特定のタンパク質には、IL-2(組換えIL-II(「rIL2」)及びカナリア痘IL-2を含む)、IL-10、IL-12、及びIL-18などのインターロイキン;インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンベータ-I a、及びインターフェロンガンマ-I bなどのインターフェロン;GM-CF及びGM-CSF;ならびにEPOが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0344】
本発明の方法及び組成物に使用できる特定のタンパク質には、商品名Neupogen(登録商標)(アムジェン:カリフォルニア州サウザンドオークス)として米国で販売されているフィルグラスチム;商品名Leukine(登録商標)(Immunex:ワシントン州シアトル)として米国で販売されているサルグラモスチム;及び商品名Epogen(登録商標)(アムジェン:カリフォルニア州サウザンドオークス)として米国で販売されている組換えEPOが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0345】
GM-CSFの組換え型及び変異型は、米国特許第5,391,485号、第5,393,870号、及び第5,229,496号(いずれも参照により本明細書に組み込まれる)に記載のように調製可能である。G-CSFの組換え型及び変異型は、米国特許第4,810,643号、第4,999,291号、第5,528,823号、及び第5,580,755号(いずれも参照により本明細書に組み込まれる)に記載のように調製可能である。
【0346】
本発明は、未変性タンパク質、天然に生じるタンパク質、及び組換えタンパク質の使用を包含する。本発明は、天然に生じるタンパク質の変異体及び誘導体(例えば、修飾された形態)で、元のタンパク質の薬理活性の少なくとも一部をインビボで示すものをさらに包含する。変異体の例として、1つ以上のアミノ酸残基が、そのタンパク質の天然に生じる形態の対応する残基とは異なっているタンパク質が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、用語「mutants(変異体)」には、天然に生じる形態(例えば、非グリコシル化形態)には通常存在する炭水化物部分を欠くタンパク質も包含される。誘導体の例として、ペグ化誘導体及び融合タンパク質、例えば、IgG1またはIgG3を対象タンパク質または対象タンパク質の活性部分に融合させて形成したタンパク質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、Penichet,M.L.and Morrison,S.L.,J.Immunol.Methods 248:91-101(2001)を参照されたい。
【0347】
高分子活性薬剤を、抗癌ワクチンの形態で投与してよい。例えば、IL-2、G-CSF、及びGM-CSFなどのサイトカインを分泌する、またはその分泌を引き起こすワクチンを、本発明の方法、医薬組成物、及びキットで使用することができる。例えば、Emens,L.A.,et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.3(1):77-84(2001)を参照されたい。他のワクチンには、プレブナーのような抗感染ワクチンが挙げられる。
【0348】
本発明の一実施形態では、高分子活性薬剤は、免疫調節化合物の投与に関連する有害作用を軽減、排除、または予防する。特定の免疫調節化合物及び治療される疾患または障害によるが、有害作用として、眠気及び傾眠、めまい及び起立性低血圧、好中球減少、好中球減少による感染、HIVウイルス量の増加、徐脈、スチーヴンズ-ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死融解症、ならびに痙攣(例えば、痙攣大発作)が挙げられる得るが、これに限定されるものではない。具体的な有害作用は好中球減少である。
【0349】
低分子の第2の活性薬剤を使用して、免疫調節化合物の投与に関連する有害作用を軽減することも可能である。しかし、一部の高分子同様に、多くは、免疫調節化合物とともに(例えば、その投与前、投与後または同時に)投与すると相乗効果を提供することができると考えられている。低分子の第2の活性薬剤の例として、抗癌剤、抗生物質、免疫抑制剤、及びステロイドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0350】
抗癌剤の例には、アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;ブレオマイシン硫酸塩;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン(cactinomycin);カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;セレコキシブ(COX-2阻害剤);クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシラート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;ドロロキシフェンクエン酸塩;ドロモスタノロンプロピオナート;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロルニチン塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロキシウリジン;フルダラビンリン酸エステル;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシウレア;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモホシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;ランレオチド酢酸塩;レトロゾール;ロイプロリド酢酸塩;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペグアスパラガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;ペプロマイシン硫酸塩;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテール;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;トレミフェンクエン酸塩;トレストロンアセタート;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;ビンブラスチン硫酸塩;ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビンデシン硫酸塩;ビネピジンスルファート;ビングリシナートスルファート;硫酸ビンロイロシン;ビノレルビン酒石酸塩;ビンロシジンスルファート;ビンゾリジンスルファート;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;及びゾルビシン塩酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0351】
他の抗癌剤には、20-epi-1,25-ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TK拮抗薬;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;拮抗薬D;拮抗薬G;アンタレリックス;抗背側形成タンパク質-1(anti-dorsalizing morphogenetic protein-1);抗アンドロゲン、前立腺癌薬;抗エストロゲン薬;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシナート;アポトーシス遺伝子修飾因子;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABL拮抗薬;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータアレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン(budotitane);ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来の阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリン(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタアントラキノン;シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド(dexifosfamide);デキスラゾキサン;デキスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール,9-;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン(diphenyl spiromustine);ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲン作動薬;エストロゲン拮抗薬;エタニダゾール;エトポシドホスファート;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメックス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゲラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イマチニブ(例えば、Gleevec(登録商標))、イミキモド;免疫賦活薬ペプチド;インスリン様成長因子-1受容体阻害剤;インターフェロン作動薬;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール,4-;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン;イソベンガゾール(isobengazole);イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-N-トリアセタート(lamellarin-N triacetate);ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;レンチナンスルファート(lentinan sulfate);レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;リュープロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖類ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン(lobaplatin);ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン(lysofylline);溶解性ペプチド;マイタンシン(maitansine);マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン(maspin);マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞増殖因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;アービタックス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗がん剤;ミカペルオキシドB;マイコバクテリウム細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調節因子;ニトロキシド抗酸化薬;ニトルリン(nitrullyn);オブリメルセン(Genasense(登録商標));O-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペグアスパラガーゼ;ペルデシン;ペントサン多硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニル酢酸;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチン(placetin)A;プラセチン(placetin)B;プラスミノーゲン活性化阻害剤;白金複合体;白金化合物;白金-トリアミン複合体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン(propyl bis-acridone);プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;タンパク質A系免疫調節薬;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、微細藻類;プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;raf拮抗薬;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン(retelliptine demethylated);レニウムRe186エチドロン酸塩(rhenium Re186 etidronate);リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣物;セムスチン;老化由来阻害剤1(senescence derived inhibitor 1);センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプテイトナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン(sonermin);スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンジスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン;高活性血管作用性小腸ペプチド拮抗薬(superactive vasoactive intestinal peptide antagonist);スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド(tetrachlorodecaoxide);テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポチエン;トロンボポチエン模倣物;サイマルファシン;チモポイエチン受容体作動薬;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルエチオプルプリンすず;チラパザミン;チタノセンビクロリド(titanocene bichloride);トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長抑制因子;ウロキナーゼ受容体拮抗薬;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン(vinxaltine);ビタキシン(vitaxin);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0352】
具体的な第2の活性薬剤としては、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン(Decadron(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチナム、テモゾロミド、エトポシド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、ギリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキサート、Arisa(登録商標)、タキソール、タキソテール、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゼローダ、CPT-11、インターフェロン・アルファ、ペグインターフェロン・アルファ(例えば、PEG INTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソーム化ダウノルビシン、シタラビン、ドキセタキソール(doxetaxol)、パシリタキセル(pacilitaxel)、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート(palmitronate)、ビアキシン(biaxin)、ブスルファン、プレドニゾン、ビスフォスフォネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、リン酸エストラムスチンナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク、及びエトポシドが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0353】
さらに具体的な第2の活性薬剤には、イキサゾミブ及びマリゾミブなどのプロテアソーム阻害剤、シクロホスファミドなどの免疫調節薬、PD-L1阻害剤などのチェックポイント阻害剤、及びアザシチジンなどのエピジェネティック修飾物質(epigenetic modifiers)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0354】
4.3 治療及び予防の方法
本発明の方法は、多発性骨髄腫を治療、予防及び/または管理する方法を包含する。本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「treating(治療する)」とは、本明細書に記載する免疫調節化合物及び抗体、ならびに、任意選択で、さらなる他の活性薬剤を、多発性骨髄腫の症状発症後に投与することを指す。本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「preventing(予防する)」とは、特に、多発性骨髄腫のリスクがある患者に対して症状発症前に投与することを指す。用語「prevention(予防)」には、多発性骨髄腫の症状の抑制が挙げられる。多発性骨髄腫の家族歴のある患者は、予防的レジメンの候補として好ましい。本明細書で使用する場合、特に明記しない限り、用語「managing(管理)」は、かつて多発性骨髄腫に罹患したことのある患者の多発性骨髄腫再発を予防する、及び/またはかつて多発性骨髄腫に罹患したことのある患者の寛解持続期間を延長させることを包含する。
【0355】
本発明は、それまでに多発性骨髄腫の治療を受けたことがあるが、標準的治療に応答しない患者、ならびに、それまで治療を受けたことのない患者を治療する方法を包含する。多発性骨髄腫は特定の年齢群によく見られる疾患であるが、本発明は、患者の年齢に関係なく患者を治療する方法をも包含する。本発明は、さらに、問題となっている疾患または病態を治療するために手術を受けたことがある患者、ならびに、手術を受けたことがない患者を治療する方法を包含する。多発性骨髄腫患者の臨床症状にはばらつきがあり、臨床転帰はさまざまであるため、前記患者に行う治療は、その予後に応じて異なり得る。熟練した臨床医師は、過度の実験をせずに、多発性骨髄腫の個々の患者を治療するために有効に用いることができる特定の第2の薬剤、手術の種類、及び、薬物を用いない標準療法の種類について容易に決定できるであろう。
【0356】
本発明に包含される方法は、1つ以上の本明細書に記載する免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを1つ以上の抗体と併用して、多発性骨髄腫に罹患している、または罹患する可能性の高い患者(例えば、ヒト)に投与することを含む。
【0357】
本発明の一実施形態では、本発明の免疫調節化合物を経口投与でき、1日用量を単回で若しくは分割して、約0.10~約150mg/日の量で投与できる。特定の実施形態では、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)を、1日約0.1~約5mgの量で投与してよい。好ましい実施形態では、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を、1日あたり約1~50mg、またはより好ましくは、1日あたり約5~約25mgの量で投与してよい。
【0358】
特定の実施形態では、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)を、連日投与してよく、治療が忍容される限り、初回用量0.1~5mg/日の後、用量を1~10mg/日漸増(毎週)して最大用量50mg/日まで継続的に投与してよい。特定の実施形態では、ポマリドミドを1日あたり約1、2、3、4または5mgの量で再発多発性骨髄腫患者に投与できる。別の特定の実施形態では、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を、初回用量5mg/日で投与してよく、かかる用量を毎週10、15、20、25、30、35、40、45及び50mg/日に漸増可能である。漸増投与レジメンを使用して有害作用を克服することができる。特定の実施形態では、レナリドミドを、1日あたり約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgの量で多発性骨髄腫の患者に投与することができる。
【0359】
一実施形態では、抗体を、毎週または隔週あたり約1~約1000mgの量で静脈内投与または皮下投与することができる。特定の実施形態では、抗CS1抗体(例えば、エロツズマブ)を毎週または隔週あたり約10mg/kgの量で静脈内投与する。
【0360】
4.3.1 第2の活性薬剤を用いた併用療法
本発明の特定の方法は、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグ、及び抗体(例えば、エロツズマブ)をさらに、1つ以上の第2の活性薬剤と組み合わせて、かつ/または放射線治療、輸血、若しくは手術と組み合わせて投与することを含む。本発明の特定の方法は、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグ、及び抗体(例えば、エロツズマブ)をさらに、1つ以上の第2の活性薬剤、または放射線治療、輸血、若しくは手術と組み合わせて投与することを含む。本発明の特定の方法は、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグ、及び抗体(例えば、エロツズマブ)をさらに、1つ以上の第2の活性薬剤と組み合わせて、かつ、放射線治療、輸血、または手術と組み合わせて投与することを含む。本発明の免疫調節化合物の例を本明細書に開示する(例えば、項4.1を参照されたい)。第2の活性薬剤の例もまた本明細書に開示する(例えば、項4.2を参照されたい)。
【0361】
患者に対する免疫調節化合物、抗体、及び第2の活性薬剤の投与は、同時投与であっても、または同一若しくは異なる投与経路による連続投与でも可能である。特定の活性薬剤のために使用する特定の投与経路の適性は、活性薬剤それ自体(例えば、血流に入る前に分解されてしまわない経口投与の可否)及び治療される疾患に依存することになる。免疫調節化合物の好ましい投与経路は経口である。抗体(例えば、エロツズマブ)の好ましい投与経路は静脈内注入である。本発明の第2の活性薬剤または成分の好ましい投与経路は当業者に公知である。例えば、Physicians’ Desk Reference,1755-1760(56th ed.,2002)を参照されたい。
【0362】
第2の活性薬剤は、経口投与、静脈内投与または皮下投与により、連日1回または2回、約1~約1000mg、約5~約500mg、約10~約350mg、または約50~約200mgの量で投与可能である。第2の活性薬剤の具体的な量は、使用する特定の薬剤、治療または管理される疾患の種類、疾患の重症度及び病期、ならびに患者に対する本発明の免疫調節化合物及び併用投与する任意選択の任意のさらなる活性薬剤の量(複数可)に依存することになる。特定の実施形態では、第2の活性薬剤はオブリメルセン(Genasense(登録商標))、GM-CSF、G-CSF、EPO、タキソテール、イリノテカン、ダカルバジン、トランスレチノイン酸(transretinoic acid)、トポテカン、ペントキシフィリン、シプロフロキサシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、ドキソルビシン、COX-2 阻害剤、IL2、IL8、IL18、IFN、Ara-C、ビノレルビン、イキサゾミブ、マリゾミブ、シクロホスファミド、プレブナー、PD-L1 阻害剤、アザシチジン、またはこれらの組み合わせである。
【0363】
特定の実施形態では、GM-CSF、G-CSFまたはEPOを、4週間または6週間を1サイクルとし、約5日の間に約1~約750mg/m/日の量で、好ましくは約25~約500mg/m/日の量で、より好ましくは約50~約250mg/m/日の量で、最も好ましくは約50~約200mg/m/日の量で皮下投与する。ある実施形態では、GM-CSFを、約60~約500mcg/mの量を静脈内に2時間かけて、または約5~約12mcg/m/日の量を皮下に投与してよい。特定の実施形態では、G-CSFを、初回量約1mcg/kg/日で皮下投与してよく、総顆粒球数の上昇に応じて調整可能である。G-CSFの維持量を、約300(小柄な患者の場合)または480mcgの量で皮下投与してよい。ある実施形態では、EPOを、10,000単位の量で週3回皮下投与してよい。
【0364】
一実施形態では、さまざまなタイプまたは病期の多発性骨髄腫に罹患した患者に対して、免疫調節化合物及び抗体と組み合わせて投与可能な第2の活性薬剤として、デキサメタゾン、ゾレドロン酸、パルミトロナート(palmitronate)、GM-CSF、ビアキシン(biaxin)、ビンブラスチン、メルファラン、ブスルファン、シクロホスファミド、IFN、パルミドロネート(palmidronate)、プレドニゾン、ビスフォスフォネート、セレコキシブ、三酸化ヒ素、PEG INTRON-A、ビンクリスチン、イキサゾミブ、マリゾミブ、プレブナー、PD-L1阻害剤、アザシチジン、またはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0365】
別の実施形態では、再発性または難治性の多発性骨髄腫に罹患した患者に対して、免疫調節化合物及び抗体と組み合わせて投与可能な第2の活性薬剤は、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、ビンクリスチン及び/またはデキサメタゾン(Decadron(登録商標))である。
【0366】
特定の実施形態では、レナリドミドをエロツズマブ及びデキサメタゾンと組み合わせて多発性骨髄腫の患者に投与する。
【0367】
本発明はまた、安全かつ有効に患者に投与できる、抗癌剤または薬剤の用量を増量する方法を包含し、これには、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される誘導体、塩、溶媒和物、包接化合物、水和物、若しくはプロドラッグを抗体と組み合わせて患者(例えば、ヒト)に投与することが含まれる。この方法で利益を受け得る患者は、多発性骨髄腫治療用の抗癌剤に関連した有害作用で苦しむ可能性の高い患者である。免疫調節化合物と抗体との併用投与により、他の方法では抗癌剤の量が制限されるような重度の有害作用が軽減または低下する。
【0368】
一実施形態では、患者への抗癌剤投与に関連した有害作用の発現の前、発現中、または発現後、免疫調節化合物を約0.1~約150mg、及び好ましくは約1~約50mg、より好ましくは、約2~約25mgの量で連日、経口投与可能である。特定の実施形態では、本発明の免疫調節化合物をさらに、特定の薬剤、例えばヘパリン、アスピリン、クマジン、またはG-CSFと組み合わせて投与し、抗癌剤に関連する有害作用、例えば、限定されるものではないが、好中球減少または血小板減少を回避する。
【0369】
一実施形態では、免疫調節化合物を、抗癌剤、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、抗生物質、及びステロイドなど、これらに限定されないさらなる有効成分とさらに組み合わせて多発性骨髄腫患者に投与することができる。
【0370】
別の実施形態では、本発明は、多発性骨髄腫を治療、予防及び/または管理する方法を包含し、この方法には、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを、抗体と組み合わせて投与し、それをさらに、手術、免疫療法、生物学的療法、放射線治療、または、癌の治療、予防若しくは管理のために現在使用されている非薬物的な他の療法など、これらに限定されない従来治療と併用して(例えば、治療前、または治療中、治療後)行うことが含まれる。そのような治療には、CAR T細胞免疫療法などの細胞療法も含まれる。免疫調節化合物、抗体及び従来治療の併用により、特定の患者に予期せず有効な、特異的治療レジメンが提供され得る。理論により制限されることなく、免疫調節化合物及び/または抗体は、従来治療と同時に与えた場合に相加効果または相乗効果を提供し得ると考えられる。
【0371】
本明細書の別の箇所に記載があるように、本発明は、手術、化学療法、放射線治療、ホルモン療法、生物学的療法及び免疫療法を含むがこれらに限定されない従来治療に関連する、有害若しくは望ましくない作用を抑制、治療及び/または予防する方法を包含する。1つ以上の免疫調節化合物を、1つ以上の抗体及び、任意選択で、さらなる有効成分と組み合わせたものを、従来治療に関連した有害作用の発現前、発現中、または発現後に患者に投与することができる。
【0372】
一実施形態では、免疫調節化合物を従来治療の使用前、使用中、または使用後に約0.1~約150mg、好ましくは約1~約50mg、より好ましくは、約2~約25mgの量で経口により連日投与可能である。
【0373】
4.3.2 移植療法との併用
本発明は、癌を治療、予防及び/または管理する方法を包含し、この方法には、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグ、及び抗体の投与と、移植療法との併用が含まれる。
【0374】
当業者に知られているように、癌の治療は疾患の病期及び機序に基づくことが多い。例えば、癌の特定の病期に白血病への不可避な転化が発生すると、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物または骨髄の移植が必要な場合がある。免疫調節化合物、抗体及び移植療法の併用により、特異な予期しなかった相乗作用が得られる。特に、免疫調節化合物は、移植療法と同時に癌患者に与えた場合に相加効果または相乗効果を提供し得る免疫調節作用を示す。
【0375】
本発明は、多発性骨髄腫を治療、予防及び/または管理する方法を包含し、この方法には、臍帯血、胎盤血、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物または骨髄の移植の前、移植中、または移植後に患者(例えば、ヒト)に、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを、抗体と組み合わせて投与することが含まれる。本発明の方法での使用に好適な幹細胞の例は、R.Haririらによる米国特許第7,498,171号に開示されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0376】
この方法の一実施形態では、自己末梢血前駆細胞移植の前、移植中、または移植後に多発性骨髄腫の患者に対し免疫調節化合物と抗体とを組み合わせて投与する。
【0377】
別の実施形態では、幹細胞移植後の再発性多発性骨髄腫に罹患した患者に対し、免疫調節化合物を抗体と組み合わせて投与する。
【0378】
別の実施形態では、免疫調節化合物、抗体及びプレドニゾンを、自家幹細胞移植後の多発性骨髄腫患者に維持療法として投与する。
【0379】
別の実施形態では、移植後リスクの低い多発性骨髄腫患者に免疫調節化合物、抗体及びデキサメタゾンをサルベージ療法として投与する。
【0380】
別の実施形態では、免疫調節化合物、抗体及びデキサメタゾンを、自家骨髄移植後の多発性骨髄腫患者に維持療法として投与する。
【0381】
別の実施形態では、化学療法反応性の多発性骨髄腫の患者に対し、高用量メルファラン投与及び自家幹細胞移植の後に免疫調節化合物及び抗体を投与する。
【0382】
別の実施形態では、免疫調節化合物、抗体及びPEG INTRO-Aを、自家CD34-選択末梢血幹細胞を移植後に多発性骨髄腫の患者に投与する。
【0383】
別の実施形態では、新たに多発性骨髄腫と診断された患者に対し、免疫調節化合物及び抗体を、移植後地固め化学療法と併用して投与し、抗血管新生を評価する。
【0384】
別の実施形態では、65歳以上の多発性骨髄腫患者に対し、高用量のメルファランによる治療及び末梢血幹細胞移植に続くDCEP地固め療法後の維持療法として、免疫調節化合物、抗体及びデキサメタゾンを投与する。
【0385】
好ましい実施形態では、免疫調節化合物(例えば、レナリドミド)及び抗CS1抗体(例えば、エロツズマブ)を、自家幹細胞移植後の微小残存病変を有する患者に投与する。より詳細な実施形態では、前記患者は、新たに診断された多発性骨髄腫の導入療法として、免疫調節化合物(例えば、レナリドミド)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブ)、またはその両方を用いた治療を受けた。別の好ましい実施形態では、免疫調節化合物(例えば、レナリドミド)を、抗CS1抗体(例えば、エロツズマブ)及びデキサメタゾンと組み合わせて投与する。
【0386】
4.3.3 サイクリング療法
ある実施形態では本発明の予防薬または治療剤を患者に周期的に投与する。サイクリング療法では、ある期間、活性薬剤の投与を行った後、一定の休薬期間があり、これを順次繰り返して投与を行う。サイクリング療法では、療法の1つ以上に対して抵抗性が発現することを抑制し、療法のうち1療法の副作用を回避若しくは軽減し、かつ/または治療の有効性を改善することができる。
【0387】
そのため、本発明の特定の一実施形態では、免疫調節化合物を、単回または分割量で連日投与し、1サイクルを4~6週間、休薬期間を約1週間または2週間として行う。本発明により、さらに、投与サイクルの頻度、数、及び長さを増やすことが可能になる。したがって、本発明の別の特定の実施形態は、本発明の免疫調節化合物を単独で投与した場合に典型的とされるサイクル数より多いサイクル数でかかる免疫調節化合物を投与することを包含する。本発明のさらに別の特定の実施形態では、本発明の免疫調節化合物を、第2の有効成分を投与しない患者において典型的に用量制限毒性を生じるであろうさらに多いサイクル数で、投与する。
【0388】
一実施形態では、本明細書に記載する免疫調節化合物を、約0.1~約150mg/日の用量で3週間または4週間、連日かつ継続的に投与し、その後、1週間または2週間休薬する。特定の実施形態では、ポマリドミドを約1、2、3、4及び5mg/日の量で3~4週間投与し、その後、1週間または2週間の休薬を設ける、4週間または6週間サイクルで投与を行う。別の個々の実施形態では、レナリドミドを、約2.5、5、10、15、20または25mg/日の量で、好ましくは約10mg/日または25mg/日の量で3~4週間投与し、その後、1週間または2週間の休薬を設ける、4週間または6週間サイクルで投与を行う。
【0389】
本発明の一実施形態では、免疫調節化合物と第2の有効成分とを経口投与するが、その際、4~6週間のサイクル期間中、本発明の免疫調節化合物を投与してから30~60分後に第2の有効成分を投与する。本発明の別の実施形態では、免疫調節化合物と第2の有効成分との組み合わせを、サイクルごとに静脈内注入により約90分かけて投与する。特定の実施形態では、1サイクルは、約5~約25mg/日のレナリドミド及び約50~約200mg/m/日の第2の有効成分を連日3~4週間投与し、その後、1週間または2週間休薬することを含む。別の特定の実施形態では、各サイクルは、約1~約10mg/日のポマリドミド及び約50~約200mg/m/日の第2の有効成分を3~4週間投与し、その後、1週間または2週間休薬することを含む。典型的には、患者に併用治療を投与するサイクル数は、約1~約24サイクル、より典型的には約2~約16サイクル、さらにより典型的には約4~約3サイクルとなるであろう。
【0390】
本発明の方法における抗体を多発性骨髄腫の患者に周期的に投与することもできる。抗CS1抗体(例えば、エロツズマブ)を毎週または隔週で投与することが好ましい。特定の実施形態では、抗CS1抗体を、最初の2回の28日サイクルでは1日目、8日目、15日目及び22日目に投与し、その後の後続28日サイクルでは1日目及び15日目に投与する。
【0391】
4.4 医薬組成物及び剤形
医薬組成物は、個々の、単一単位剤形を調製する際に使用することができる。本発明の医薬組成物及び剤形は、本発明の免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを含む。本発明の医薬組成物及び剤形は1つ以上の添加物をさらに含むことができる。
【0392】
本発明の医薬組成物及び剤形はまた、1つ以上の抗体、及び、任意選択で、さらなる有効成分を含むことができる。したがって、本発明の医薬組成物及び剤形は、本明細書に開示する有効成分(例えば、免疫調節化合物及び抗体)を含む。任意選択の第2の有効成分、またはさらなる有効成分を本明細書に開示している(例えば、項5.2を参照されたい)。
【0393】
本発明の単一単位剤形は、患者に対する経口投与、粘膜投与(例えば、経鼻、舌下、膣、頬側、または直腸)、非経口投与(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、または動脈内)、局所投与(例えば、点眼剤または他の眼科調製物)、経皮吸収または経皮投与に好適である。剤形の例には、錠剤;カプレット剤;軟ゼラチンカプセル剤などのカプセル剤;カシェ;トローチ;薬用ドロップ;分散液;坐剤;粉末;エアロゾル剤(例えば、点鼻スプレーまたは吸入剤);ゲル剤;懸濁液(例えば、水性または非水性懸濁液、水中油型エマルジョン、若しくは油中水型液体エマルジョン)、溶液剤、及びエリキシル剤を含む、患者への経口投与または粘膜投与に好適な液剤;患者への非経口投与に好適な液剤;点眼剤または局所投与に好適な他の眼科調製物;及び患者への非経口投与に好適な液剤を得るために再調製可能な無菌固形物(例えば、結晶性または無晶性の固形物)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0394】
本発明の剤形の組成、形状、及び種類は、典型的に、その用途に応じて異なるであろう。例えば、疾患の急性期治療に使用する剤形には、含まれている1種以上の有効成分量が、その同一疾患の慢性期治療に使用する剤形よりも多く含有されていてよい。同様に、非経口剤には、含まれている1種以上の有効成分量が、同一疾患の治療に使用する経口剤よりも少なく含有されていてよい。本発明により包含される具体的な剤形は互いに異なってくるであろう、前述及び他の方法は、当業者に容易に明らかとなるであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,Easton PA(1990)を参照されたい。
【0395】
典型的な医薬組成物及び剤形は、1つ以上の添加物を含む。好適な添加物は製薬当業者に周知であり、好適な添加物の非限定的な例は本明細書で提供されている。特定の添加物が医薬組成物または剤形への組込みに好適であるか否かは、限定されることなく、その剤形が患者に投与される方法など、当技術分野で周知のさまざまな因子に依存する。例えば、錠剤などの経口剤は、非経口剤での使用には適していない添加物を含有してよい。特定の添加物の適性は、剤形内の特定の有効成分に依存する場合もある。例えば、いくつかの有効成分の分解は、乳糖のような一部の添加物により加速される場合もあれば、水への曝露により加速される場合もある。第一級または第二級アミンを含む有効成分はそのような加速性の分解を特に受けやすい。したがって、本発明は、乳糖、単糖類または二糖類をほとんど含有しない(含有する場合)医薬組成物及び剤形を包含する。本明細書で使用する場合、用語「lactose-free(乳糖不含)」は、存在する乳糖量(存在する場合)が、有効成分の分解速度を上昇させるには実質的不十分であることを意味する。
【0396】
本発明の乳糖不含組成物は、当技術分野において周知である添加物及び、例えば、米国薬局方(USP)25-NF20(2002)に掲載されている添加物を含むことができる。一般に、乳糖不含組成物は、有効成分、結合剤/賦形剤、及び滑沢剤を薬理学的に適合性があり、かつ薬理学的に許容される量で含む。好ましい乳糖不含剤形は、有効成分、微結晶セルロース、アルファー化デンプン、及びステアリン酸マグネシウム、を含む。
【0397】
本発明は、いくつかの化合物の分解は水により促進され得るため、有効成分を含む無水の医薬組成物及び剤形をさらに包含する。例えば、貯蔵寿命または製剤の経時的安定性などの特性を測定するために、長期保存をシミュレートする手段として、水を添加すること(例えば、5%)が製薬業界で広く受け入れられている。例えば、Jens T.Carstensen,Drug Stability:Principles & Practice,2d.Ed.,Marcel Dekker,NY,NY,1995,pp.379-80を参照されたい。実際、水及び熱によりいくつかの化合物の分解が促進される。したがって、製剤の製造中、取扱い中、包装中、保管中、輸送中、及び使用中は一般に水分及び/または湿度に遭遇することから、製剤に及ぼす水の影響は非常に重大となり得る。
【0398】
本発明の無水の医薬組成物及び剤形は、無水または低水分の成分及び水分若しくは湿度の低い条件を用いて調製可能である。製造中、包装中、及び/または保管中に、水分及び/または湿度と実質的に接触することが予想されている場合、第一級または第2級アミンを含む少なくとも1つの有効成分と乳糖とを含む医薬組成物及び剤形は、好ましくは無水である。
【0399】
無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるよう調製及び保管する必要がある。したがって、無水組成物を好適な処方薬キットに含めることができるよう、水への曝露を防ぐことが知られている材料を使用して該無水組成物を包装することが好ましい。好適な包装の例として、密封フォイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0400】
本発明は、有効成分の分解速度を低下させる化合物を1つ以上含む医薬組成物及び剤形をさらに包含する。そのような化合物を本明細書では「stabilizers(安定化剤)」と言い、これには、アスコルビン酸のような抗酸化剤、pH緩衝剤、または塩緩衝剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0401】
添加物の量及び種類と同様、剤形中の有効成分の量及び具体的種類は、限定されるものではないが、患者への投与経路などの要因に応じて異なってよい。しかし、本発明の典型的な剤形は、免疫調節化合物またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを、約0.10~約150mgの量で含む。典型的な剤形は、免疫調節化合物またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接化合物、若しくはプロドラッグを約0.1、1、2、2.5、3、4、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150または200mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)を約1、2、3、4、5、10、25または50mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を約2.5、5、10、15、20、25または50mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を約2.5mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を約5mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を約10mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を約15mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を約20mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を約25mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドミド)を約50mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)を約1mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)を約2mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)を約3mgの量で含む。特定の実施形態では、好ましい剤形は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(ポマリドミド)を約4mgの量で含む。
【0402】
典型的な剤形は、抗体を1~約1000mg、約5~約500mg、約10~約350mg、または約50~約200mgの量で含む。特定の実施形態では、エロツズマブは10mg/kgのIV溶液に溶解されている。当然のことながら、抗体または第2のさらなる抗癌剤の具体的な量は、使用する個々の薬剤、治療または管理される癌の種類、ならびに免疫調節化合物及び患者に併用投与する任意選択のさらなる活性薬剤の量(複数可)に依存することになる。
【0403】
4.4.1 経口剤
経口投与に好適な本発明医薬組成物は、限定されるものではないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット剤、カプセル剤、及び液剤(例えば、香味シロップ剤)など、個々の剤形として提示され得る。そのような剤形には所定量の有効成分が含有され、それらを当業者に周知の製薬方法で調製してよい。概要は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,Easton PA(1990)を参照されたい。
【0404】
本発明の典型的な経口剤は、各有効成分の密接混和物と、少なくとも1つ添加物とを、従来の医薬配合技術にしたがって組み合わせることにより調製される。添加物は、投与に所望される調製物形態に応じ、多種多様な形態を取り得る。例えば、経口液剤またはエアロゾル剤での使用に好適な添加物として、水、グリコール、油、アルコール、矯味剤、防腐剤、及び着色剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。固形経口剤(例えば、粉末、錠剤、カプセル剤、及びカプレット剤)での使用に好適な添加物の例には、デンプン、糖、微晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0405】
錠剤及びカプセル剤は、その投与のしやすさから、最も有利な経口投与単位形態となっており、その場合、固形添加物が使用される。所望であれば、標準的な湿式(aqueous)または乾式(nonaqueous)技術により錠剤をコーティングできる。そのような剤形は、任意の製薬方法により調製可能である。一般に、医薬組成物及び剤形は、有効成分と、液状担体、微粉化固形担体、またはその両方とを均一かつ密に混合し、その後、生成物を必要に応じ、所望の提示形態に成形することにより調製される。
【0406】
例えば、錠剤は、圧縮または成形により調製可能である。圧縮錠剤は、任意選択で添加物と混合した、粉末または顆粒のような自由流動形態の有効成分を、好適な機械で圧縮することにより調製可能である。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することにより製造され得る。
【0407】
本発明の経口剤に使用できる添加物の例として、結合剤、賦形剤、崩壊剤、及び滑沢剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。医薬組成物及び剤形に使用するために好適な結合剤としては、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、若しくは他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然及び合成のゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グァーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、アセチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、2208、2906、2910各番)、微結晶セルロース、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0408】
微結晶セルロースの好適な形態として、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103 AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Sales(ペンシルベニア州マーカスフック)より入手可能)として販売されている材料、及びその混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。具体的な結合剤は、AVICEL RC-581として販売されている、微結晶セルロースとカルボキシルメチルセルロースナトリウムの混合物である。好適な無水若しくは低水分の添加物または添加剤には、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch 1500 LMがある。
【0409】
本明細書に開示する医薬組成物及び剤形に使用するための好適な賦形剤の例として、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファー化デンプン、及びその混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明の医薬組成物中には、結合剤または賦形剤は、典型的に、医薬組成物または剤形の約50~約99重量パーセント含まれる。
【0410】
本発明の組成物では、水性環境に曝露された場合に崩壊する錠剤を提供するため、崩壊剤を使用する。過量の崩壊剤を含有する錠剤は保管時に崩壊してしまう場合がある一方、過少量の崩壊剤を含有する錠剤は所望の速度または所望の条件下で崩壊しない場合がある。したがって、過量または過少量であるために有効成分の放出を変化させ悪影響を与えることのない、十分量の崩壊剤を使用して、本発明の固形経口製剤を形成する必要がある。使用崩壊剤の量は製剤の種類により異なり、これは当業者には容易に識別可能である。典型的な医薬組成物は、約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、好ましくは約1~約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0411】
本発明の医薬組成物及び剤形に使用できる崩壊剤としては、寒天-寒天(agar-agar)、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファー化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴム、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0412】
本発明の医薬組成物及び剤形に使用できる滑沢剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽質鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素添加植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらなる滑沢剤には、例えば、サイロイド(syloid)シリカゲル(AEROSIL200、W.R.Grace Co.(メリーランド州ボルチモア)製造)、合成シリカの凝集エアロゾル(Degussa Co.(テキサス州プレイノ)より販売)、CAB-O-SIL(Cabot Co.(マサチューセッツ州ボストン)より販売されている燃焼法による二酸化ケイ素生成物)、及びその混合物が挙げられる。滑沢剤を使用する場合は、典型的に、それが組み込まれる医薬組成物または剤形の約1重量パーセント未満の量で使用する。
【0413】
本発明の好ましい固形経口剤は、本明細書に記載する免疫調節化合物、無水乳糖、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンを含む。特定の実施形態では、固形経口剤は、免疫調節化合物、無水乳糖、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含むカプセル剤である。
【0414】
4.4.2 遅延放出剤形
本発明の有効成分は、放出制御手段によって、または当業者に周知の送達デバイスによって投与可能である。例として、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;ならびに第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号、及び第5,733,566号に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。そのような剤形を使用して、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース(hydropropylmethyl cellulose)、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過膜、浸透システム(osmotic system)、多層コーティング、微小粒子、リポソーム、マイクロスフェア、またはその組み合わせを用いて1つ以上の有効成分を徐放または放出制御させることにより、さまざまな比率で所望の放出プロファイルを得ることができる。本明細書に記載のものも含め、当業者に公知の好適な放出制御製剤は、本発明の有効成分とともに使用するために容易に選択され得る。したがって、本発明は、経口投与に好適な単一単位剤形、例えば、限定されるものではないが、放出制御に適合した、錠剤、カプセル剤、ジェルキャップ剤、及びカプレット剤を包含する。
【0415】
すべての放出制御医薬品には、それらの対応する非放出制御医薬品で達成される薬物療法よりも薬物療法を改善させるという共通の目標がある。医療における最適に設計された放出制御製剤の使用は、最小限の原薬を使用して最小限の時間で病態の治癒または管理を行うことにより特徴づけられることが理想的である。放出制御製剤の利点には、薬物の活性延長、投与頻度の低下、及び患者のコンプライアンスの向上が挙げられる。さらに、放出制御製剤を使用して、作用発現時間または、薬物の血中濃度のような他の特性に影響を与えることができるため、副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を与えることができる。
【0416】
ほとんどの放出制御製剤は、初めに、所望の治療効果を速やかに生じさせる量の薬物(有効成分)を放出させてから、このレベルの治療効果または予防効果を長期間にわたり維持するための他の量の薬物を徐々にかつ継続的に放出させるよう設計されている。この一定濃度の薬物を体内に維持するためには、代謝され体から排泄される薬物量を補う速度で薬物を剤形から放出させる必要がある。有効成分の放出制御をさまざまな条件、例えば、限定されるものではないが、pH、温度、酵素、水、または他の生理的条件または化合物によって刺激することができる。
【0417】
4.4.3 非経口剤
非経口剤は、患者に対し、さまざまな経路、例えば、限定されるものではないが、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内、及び動脈内に投与することができる。それらの投与は、典型的に、汚染物質に対する患者の自然防御を経ないので、非経口剤は、好ましくは無菌であるか、または患者への投与前に滅菌できる。非経口剤の例には、そのまま使用可能な注射液、薬理学的に許容される注射用ビヒクルにそのまま溶解または懸濁させることができる乾燥製品、懸濁液、そのまま使用可能な注射用懸濁液、及びエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0418】
本発明の非経口剤を提供するために使用できる好適なビヒクルは当業者に周知である。例として、注射用水USP;水性ビヒクル、例えば、限定されることなく、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖及び塩化ナトリウム注射液、ならびに乳酸リンゲル注射液;水混和性ビヒクル、例えば、限定されることなく、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール;ならびに非水性ビヒクル、例えば、限定されることなく、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0419】
本明細書に開示する有効成分の1つ以上の溶解度を高める化合物を、本発明の非経口剤に組み込むこともできる。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体を使用して、本発明の免疫調節化合物及びその誘導体の溶解度を高めることができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,134,127号を参照されたい。
【0420】
4.4.4 局所及び粘膜適用製剤
本発明の局所及び粘膜適用製剤には、スプレー剤、エアロゾル剤、溶液剤、エマルジョン剤、懸濁液、点眼剤若しくは他の眼科調製物、または当業者に公知の他の形態が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th and 18th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1980 & 1990);及びIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms,4th ed.,Lea & Febiger,Philadelphia(1985)を参照されたい。口腔内での粘膜組織の治療に好適な剤形は、洗口剤または経口ゲル剤として製剤化可能である。
【0421】
本発明により包含される局所及び粘膜適用製剤を提供するために使用できる好適な添加物(例えば、担体及び希釈剤)及び他の材料は、製薬分野の当業者に周知であり、それらは、所与の医薬組成物または剤形が適用される特定の組織に依存する。そうした事実をふまえつつ、非毒性かつ薬理学的に許容される溶液剤、エマルジョン剤またはゲル剤を形成するための典型的な添加物としては、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、イソプロピルパルミチン酸塩、鉱油、及びその混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。所望であれば、保湿剤または湿潤剤を医薬組成物及び剤形に加えることもできる。そのようなさらなる成分の例は、当技術分野において周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th and 18th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1980 & 1990)を参照されたい。
【0422】
医薬組成物または剤形のpHを調整して1つ以上の有効成分の送達を改善してよい。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度、または等張性を調整して送達を改善できる。送達が改善されるよう、ステアリン酸塩などの化合物を医薬組成物または剤形に加えて1つ以上の有効成分の親水性または親油性を有利に改変することもできる。この点において、ステアリン酸塩は、製剤の脂質ビヒクルとして、乳化剤または界面活性剤として、及び送達増強剤または浸透増強剤として作用し得る。有効成分の各種の塩、水和物または溶媒和物を使用して、得られる組成物の特性をさらに調整することができる。
【0423】
4.4.5 キット
典型的に、本発明の各有効成分は、同時、または同一投与経路で患者に投与されないことが好ましい。したがって、本発明は、医療従事者が使用する場合に、患者への適切量の有効成分の投与を簡素化できるキットを包含する。
【0424】
本発明の典型的なキットは、免疫調節化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、プロドラッグ、若しくは包接化合物の剤形を含む。本発明で包含されるキットは、免疫調節化合物とともに投与するための抗体(例えば、エロツズマブ)をさらに含むことができる。キットは、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、メルファラン、G-CSF、GM-CSF、EPO、トポテカン、ダカルバジン、イリノテカン、タキソテール、IFN、COX-2阻害剤、ペントキシフィリン、シプロフロキサシン、デキサメタゾン、IL2、IL8、IL18、Ara-C、ビノレルビン、イソトレチノイン、13シス-レチノイン酸、または薬理学的活性な変異体若しくはその誘導体、またはそれらの組み合わせといった、さらなる有効成分をさらに含むことができる。さらなる有効成分の例として、本明細書に開示するもの(例えば、項4.2を参照されたい)が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0425】
本発明のキットは、有効成分の投与に使用するデバイスをさらに含むことができる。そのようなデバイスの例に、シリンジ、ドリップバッグ、パッチ、及び吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0426】
本発明のキットは、移植用の細胞または血液、ならびに、1つ以上の有効成分の投与に使用できる薬理学的に許容されるビヒクルをさらに含むことができる。例えば、有効成分が固形形態で提供され非経口投与用に再調製が必要な場合、キットには、好適なビヒクルの入った密封容器が含まれ得、その中で有効成分が溶解して、非経口投与に好適な、微粒子のない無菌溶液が形成され得る。薬理学的に許容されるビヒクルの例として、注射用水USP;水性ビヒクル、例えば、限定されることなく、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、ブドウ糖注射液、ブドウ糖及び塩化ナトリウム注射液、ならびに乳酸リンゲル注射液;水混和性ビヒクル、例えば、限定されることなく、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール;ならびに非水性ビヒクル、例えば、限定されることなく、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【実施例
【0427】
5.実施例
本発明の特定の実施形態を、以下の非限定的な例で説明する。
【0428】
5.1 患者のサイクリング療法
特定の実施形態では、免疫調節化合物、例えば、レナリドミドを多発性骨髄腫の患者に周期的に投与する。サイクリング療法では、第1薬剤の投与をある期間行った後、ある期間で休薬し、こうした連続投与を繰り返し行う。サイクリング療法は、療法の1つ以上に対して抵抗性となることを抑制し、療法のうち1療法の副作用を回避若しくは軽減し、かつ/または治療の有効性を改善することができる。
【0429】
特定の実施形態では、予防薬または治療剤を連日約1回または2回、約4~6週間のサイクルで投与する。1サイクルには、治療剤または予防薬の3~4週間の投与及び少なくとも1週間または2週間の休薬が含まれ得る。投与するサイクル数は約1~約24サイクル、より典型的には約2~約16サイクル、また、より典型的には約4~約8サイクルである。
【0430】
例えば、4週間のサイクルでは、1日目に、10mg/日の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの投与を開始する。22日目に、かかる化合物の投与を中止し1週間休薬する。29日目に、10mg/日の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの投与を再開する。
【0431】
抗CS1抗体、例えば、エロツズマブは、多発性骨髄腫の患者に周期的に投与する。例えば、4週間のサイクルでは、1日目、8日目、15日目及び22日目にエロツズマブを10mg/kg IV溶液で静脈内投与するが、その4週間サイクル中の他の日には投与しない。最初の2サイクル後は、1日目及び15日目にエロツズマブを10mg/kg IV溶液で静脈内投与するが、その4週間サイクル中の他の日には投与しない。
【0432】
5.2 患者の臨床試験
多発性骨髄腫治療のための幹細胞移植を受けた患者の臨床試験を行い、エロツズマブとの併用によるレナリドミドの多発性骨髄腫治療能を評価する。
【0433】
5.2.1.MRD(+)試験(CC-5013-MM-029)
MRD(+)(MRD陽性)は、Sequentaで測定した細胞数が10-5またはそれ以上であることと定義される。
【0434】
18歳齢以上の患者は、インフォームドコンセントに署名してからこの試験に参加できる。患者は、症候性多発性骨髄腫である新たに診断された多発性骨髄腫に罹患しており、かつ、レナリドミドと、ボルテゾミブ/カルフィルゾミブ及びデキサメタゾンとの併用(3剤併用)またはボルテゾミブ/カルフィルゾミブとデキサメタゾンとの併用(2剤併用)による導入療法に続く幹細胞移植をすでに受けている必要がある。導入療法に先立ち、以下の基準を満たしている必要がある。
i.導入療法前にMM診断基準の3基準すべて及びCRAB基準の少なくとも1つを満たしている
ii.骨髄中単クローン性形質細胞≧10%、かつ/または生検で確認された形質細胞腫の存在
iii.血清及び/または尿中のモノクローナルタンパク質
iv.骨髄腫関連臓器障害(以下のうち1つ以上):
a)[C]血中カルシウム上昇(血清カルシウム血症(Calcemia)≧正常値上限[ULN])
b)[R]腎不全(血清クレアチニン>2mg/dL)
c)[A]貧血(ヘモグロビン<10g/dLまたは2g<正常検査値(laboratory normal))
d)[B]溶解性骨病変または骨粗鬆症。
【0435】
患者は、スクリーニング時の初期診断から、Sequenta、LDH、細胞遺伝学的所見、B2M及び血清アルブミン(ISS病期)により判定された最小残存病変(minimum residue disease)(MRD)を有している必要がある。自家幹細胞移植に先立つ導入レジメンを除いては、抗骨髄腫化学療法歴はない。無作為化する前に、国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)の基準にしたがって完全奏功(CR)、非常に良好な部分奏効(VGPR)、部分奏効(PR)、または病勢安定(SD)を記録に取らなければいけない。
【0436】
自家幹細胞移植に先立ち、患者は、プロテアソーム阻害剤を用いるか、またはレナリドミドを用いた導入療法を受けている必要がある。幹細胞移植後100日目に、少なくとも病勢安定に達している患者を、レナリドミドとエロツズマブのコホート及びレナリドミドとプラセボのコホートに無作為化する。無作為化時の層別化は、細胞遺伝学的所見(高リスク対標準的リスク)、幹細胞移植前の導入療法の種類(2剤併用レジメン対3剤併用レジメン)、及び最小化法に基づいて行う。レナリドミドとエロツズマブのコホートでは、レナリドミドを28日サイクルの1日目~21日目まで1日10mgの量で経口投与する。28日サイクル(第1及び第2サイクル)の1日目、8日目、15日目、22日目(毎週)、また、28日サイクル(第3サイクル以降)の1日目及び15日目にエロツズマブを10mg/kgのIV溶液として投与する。いずれのコホートにおいても、病勢進行(PD)または許容できない毒性が現われるまで治療を継続する。
【0437】
レナリドミドを用いるかまたはプロテアソーム阻害剤を用いた導入療法に先立ち、骨髄穿刺(BMA)及びSequentaによりMRDステータスを評価する。細胞遺伝学的所見のベースライン評価も行う。MRDステータスも、無作為化時(BMA)、12か月ごと(BMA)、2サイクルごと(BMA)、及び中止時(末梢血)に監視する。一旦MRD(-)ステータスが取得されたら、そのステータスをBMAで確認する。
【0438】
試験の主要評価項目は無増悪生存(PFS)である。すべての被検患者の第2評価項目として、以下が挙げられる:無増悪生存2(PFS2);全生存(OS);全奏効率(ORR);奏効期間(DoR);MRD(-)転換率;無作為化時からMRD(-)転換までの時間;安全性;MRD(-)ステータスの持続期間;経時的MRDレベル(探索試験);MRDステータスの変化と転帰との相関(PFS、OS)(探索試験);及び生活の質(QoL)。MRD(-)転換達成の被検患者の第2評価項目には、以下が挙げられる:MRD(+)再発までの時間(探索試験);及びMRD(+)再発からIMWGが定義する進行までの時間(探索試験)。MRD(-)転換率を評価する中間解析が実施されることになる。
【0439】
5.2.2.MRD(-)試験(第II相)
MRD(-)(MRD陰性)は、Sequentaで測定した細胞数が10-4以下であることと定義される。自家幹細胞移植に先立ち、患者は、プロテアソーム阻害剤を用いるか、またはレナリドミドを用いた導入療法を受けている必要がある。幹細胞移植後100日目に、少なくとも病勢安定に達している患者を、レナリドミドとエロツズマブのコホート及びレナリドミドとプラセボのコホートに無作為化する。無作為化時の層別化は、細胞遺伝学的所見(高リスク対標準的リスク)及び幹細胞移植前の導入療法の種類(2剤併用レジメン対3剤併用レジメン)に基づいて行う。レナリドミドとエロツズマブのコホートでは、レナリドミドを28日サイクルの1日目~21日目まで1日10mgの量で経口投与する。28日サイクル(第1及び第2サイクル)の1日目、8日目、15日目、22日目(毎週)、また、28日サイクル(第3サイクル以降)の1日目及び15日目にエロツズマブを10mg/kgのIV溶液として投与する。いずれのコホートにおいても、病勢進行(PD)または許容できない毒性が現われるまで治療を継続する。
【0440】
レナリドミドを用いるかまたはプロテアソーム阻害剤を用いた導入療法に先立ち、骨髄穿刺(BMA)及びSequentaによりMRDステータスを評価する。細胞遺伝学的所見のベースライン評価も行う。MRDステータスも、無作為化時(BMA)、12か月ごと(BMA)、2サイクルごと(BMA)、及び中止時(末梢血)に監視する。一旦MRD(+)ステータスが取得されたら、そのステータスを末梢血で確認する
【0441】
試験の主要評価項目は24か月時点の無増悪生存(PFS)率である。すべての被検患者の第2評価項目として、以下が挙げられる:PFS;PFS2;中間解析の時点のPFS;OS;中間解析の時点のOS;ORR;DoR;MRD(-)の消失速度;MRD(-)ステータスについての高リスク患者対標準的リスク患者の比較;12か月及び18か月の時点におけるMRD(+)への転換;MRD(+)転換からIMWGが定義する進行までの時間;MRD(+)転換までの時間;MRD(-)ステータスの持続時間;経時的MRDレベル(探索試験);MRDステータスの変化と転帰との相関(PFS、OS)(探索試験);QoL;及び安全性。
【0442】
上述の本発明の実施形態は、あくまで例示を意図するものであり、当業者は、慣用的な範囲の実験を用いて、特定の化合物、材料、及び手順について多数の等価物を認識する、または確認できるであろう。そのような等価物はすべて本発明の範囲内であるとみなされ、添付の請求の範囲により包含される。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
[構成1]
多発性骨髄腫に罹患しており、幹細胞移植を受けたことのある患者の多発性骨髄腫を治療する方法であって、
a.前記患者の前記幹細胞移植後の微小残存病変(MRD)ステータスを判定し、かつ
b.前記患者がMRD陽性の場合、前記患者に1日約1~約50mgの式
【化1】
を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を、治療的有効量の抗CS1抗体と組み合わせて投与し、
前記患者がMRD陰性の場合、前記患者に前記化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を1日約1~約50mgを投与することを含む、前記方法。
[構成2]
前記患者が、前記幹細胞移植に先立ち、前記化合物、プロテアソーム阻害剤、またはその組み合わせを用いた導入療法を受けている、構成1に記載の方法。
[構成3]
前記多発性骨髄腫が、再発性、難治性、または再発性かつ難治性の多発性骨髄腫である、構成1に記載の方法。
[構成4]
前記方法が、前記化合物の周期的投与を含む、構成1に記載の方法。
[構成5]
28日サイクルにおいて、前記化合物を21日間投与した後7日間休薬する、構成4に記載の方法。
[構成6]
前記化合物を1日当たり約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは、25mgの量で投与する、構成1に記載の方法。
[構成7]
前記化合物を1日当たり約25mgの量で投与する、構成6に記載の方法。
[構成8]
前記化合物を1日当たり約10mgの量で投与する、構成6に記載の方法。
[構成9]
前記化合物を1日当たり約5mgの量で投与する、構成6に記載の方法。
[構成10]
前記化合物をカプセル剤にして約25mgの量で投与する、構成6に記載の方法。
[構成11]
前記化合物を経口投与する、構成1に記載の方法。
[構成12]
前記化合物をカプセル剤または錠剤の形態で投与する、構成11に記載の方法。
[構成13]
前記カプセル剤が、前記化合物、無水乳糖、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含む、構成12に記載の方法。
[構成14]
前記化合物をカプセル剤にして2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは、25mgの量で投与する、構成1に記載の方法。
[構成15]
前記化合物をカプセル剤にして約10mgの量で投与する、構成14に記載の方法。
[構成16]
前記化合物をカプセル剤にして約5mgの量で投与する、構成14に記載の方法。
[構成17]
前記化合物をカプセル剤にして約2.5mgの量で投与する、構成14に記載の方法。
[構成18]
前記抗CS1抗体がモノクローナル抗体である、構成1に記載の方法。
[構成19]
前記抗CS1抗体がエロツズマブである、構成18に記載の方法。
[構成20]
前記抗体を約1~約1000mgの量で静脈内に毎週または隔週投与する、構成18に記載の方法。
[構成21]
前記抗体を約10mg/kgの量で投与する、構成18に記載の方法。
[構成22]
前記抗体を毎週または隔週投与する、構成18に記載の方法。
[構成23]
前記抗体を28日サイクルの1日目、8日目、15日目及び22日目に投与する、構成18に記載の方法。
[構成24]
前記抗体を28日サイクルの1日目及び15日目に投与する、構成18に記載の方法。
[構成25]
前記化合物が、
【化2】
であり、かつ薬理学的に許容される塩、溶媒和物または立体異性体ではない、構成1に記載の方法。
[構成26]
前記化合物が、薬理学的に許容される塩である、構成1に記載の方法。
[構成27]
前記化合物が、薬理学的に許容される溶媒和物である、構成1に記載の方法。
[構成28]
前記プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブである、構成1に記載の方法。
[構成29]
前記患者が、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブとの併用によるレナリドミドを用いた導入療法を受けている、構成28に記載の方法。
[構成30]
前記患者が、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブ、及びデキサメタゾンとの併用によるレナリドミドを用いた導入療法を受けている、構成28に記載の方法。
[構成31]
前記幹細胞移植が自家幹細胞移植である、構成1に記載の方法。
[構成32]
前記幹細胞移植が造血幹細胞移植である、構成1に記載の方法。
[構成33]
前記幹細胞移植が末梢血幹細胞移植である、構成1に記載の方法。
[構成34]
前記患者が、前記幹細胞移植後、微小残存病変(MRD)陽性である、構成1に記載の方法。
[構成35]
前記患者が、前記幹細胞移植後、微小残存病変(MRD)陰性である、構成1に記載の方法。
[構成36]
多発性骨髄腫に罹患しており、幹細胞移植を受けたことのある患者の多発性骨髄腫を治療する方法において使用するための化合物であって、前記方法が、
a.前記患者の前記幹細胞移植後の微小残存病変(MRD)ステータスを判定し、かつ
b.(i)前記患者がMRD陽性の場合、前記患者に1日約1~約50mgの式
【化3】
を有する前記化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を、治療的有効量の抗CS1抗体と組み合わせて投与するか、または
(ii)前記患者がMRD陰性の場合、前記患者に1日約1~約50mgの前記化合物、またはその薬理学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を投与することを含む、前記化合物。
[構成37]
前記患者が、前記幹細胞移植に先立って前記化合物、プロテアソーム阻害剤、またはその組み合わせを用いた導入療法を受けている、構成36の使用のための化合物。
[構成38]
前記多発性骨髄腫が、再発性、難治性、または再発性かつ難治性の多発性骨髄腫である、構成36の使用のための化合物。
[構成39]
前記方法が前記化合物の周期的投与を含み、任意選択で、前記化合物を28日サイクル中で21日間投与した後7日間休薬する、構成36の使用のための化合物。
[構成40]
前記化合物を1日当たり約2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgの量で投与する、構成36の使用のための化合物。
[構成41]
前記化合物をカプセル剤にして約25mgの量で投与する、構成40の使用のための化合物。
[構成42]
前記化合物を経口投与する、構成36の使用のための化合物。
[構成43]
前記化合物をカプセル剤または錠剤の形態で投与する、構成42の使用のための化合物。
[構成44]
前記カプセル剤が、前記化合物、無水乳糖、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含む、構成43の使用のための化合物。
[構成45]
前記抗CS1抗体がモノクローナル抗体であり、任意選択でエロツズマブである、構成36の使用のための化合物。
[構成46]
前記抗体を、約1~約1000mgの量で毎週または隔週で静脈内投与し、ここで、任意選択で、前記抗体を約10mg/kgの量で投与する;または、前記抗体を毎週または隔週投与する;または、前記抗体を28日サイクルの1日目、8日目、15日目及び22日目に投与する;または、前記抗体を28日サイクルの1日目及び15日目に投与する、構成45の使用のための化合物。
[構成47]
前記化合物が、
【化4】
であり、かつ薬理学的に許容される塩、溶媒和物または立体異性体ではない;または、前記化合物が薬理学的に許容される塩である;または、前記化合物が薬理学的に許容される溶媒和物である、構成36の使用のための化合物。
[構成48]
前記プロテアソーム阻害剤がボルテゾミブまたはカルフィルゾミブである、構成36の使用のための化合物。
[構成49]
前記患者が、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブとの併用によるレナリドミドを用いた導入療法を受けている;または、前記患者が、ボルテゾミブまたはカルフィルゾミブ、及びデキサメタゾンとの併用によるレナリドミドを用いた導入療法を受けている、構成48の使用のための化合物。
[構成50]
前記幹細胞移植が自家幹細胞移植、または造血幹細胞移植、または末梢血幹細胞移植である、構成36の使用のための化合物。
[構成51]
前記患者が、前記幹細胞移植後に微小残存病変(MRD)が陽性である;または前記患者が、前記幹細胞移植後に微小残存病変(MRD)が陰性である、構成36の使用のための化合物。