(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】硫酸金属塩粒子、それを含む化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/26 20060101AFI20220809BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20220809BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220809BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20220809BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20220809BHJP
C01F 7/76 20220101ALI20220809BHJP
【FI】
A61K8/26
A61Q15/00
A61Q19/00
A61Q1/02
A61Q1/12
C01F7/76
(21)【出願番号】P 2018045170
(22)【出願日】2018-03-13
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】397024627
【氏名又は名称】株式会社シービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(74)【代理人】
【識別番号】100197022
【氏名又は名称】谷水 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100210619
【氏名又は名称】井津 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】可児 俊之
(72)【発明者】
【氏名】山本 敏子
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-523489(JP,A)
【文献】特開2018-002682(JP,A)
【文献】Andrea F. Kardos et al.,RSC Adv.,6,2016年,pp.5466-5473,DOI: 10.1039/C5RA18497E
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01F 7/76
A61K 8/26
A61Q 15/00
A61Q 19/00
A61Q 1/02
A61Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3価の金属塩の硫酸塩である硫酸金属塩の粒子であって、
粒子の形状が球状であり、メディアン径が200μm以下であることを特徴とする、硫酸金属塩粒子
含有化粧料。
【請求項2】
前記硫酸金属塩粒子は、中空状であることを特徴とする、請求項1に記載の硫酸金属塩粒子
含有化粧料。
【請求項3】
前記硫酸金属塩は水和物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の硫酸金属塩粒子
含有化粧料。
【請求項4】
前記硫酸金属塩は無水物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の硫酸金属塩粒子
含有化粧料。
【請求項5】
前記
硫酸金属塩粒子含有化粧料が、制汗剤、ボディパウダー、フェイスパウダー、ファンデーション、化粧下地又はチークである、請求項
1~4のいずれか一項に記載の
硫酸金属塩粒子含有化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3価の金属塩の硫酸塩である硫酸金属塩の球状粒子に関する。また、この硫酸金属塩の球状粒子を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
腋臭、汗臭、足臭等の体臭は、周囲の人に不快感を与えるため、体臭を防臭、消臭するためのデオドラント化粧料が開発されている。体臭の原因物質としては、イソ吉草酸やカプロン酸等の低級脂肪酸、アンモニア、ブチルアミン等の含窒素化合物、インドール、エチルメルカプタン等の含イオウ化合物、揮発性ステロイド化合物、ノネナール等が知られている。また、これらの体臭を消臭するためのデオドラント製品として、収れん性のアルミニウム化合物を用いることにより発汗を抑制する制汗剤や、殺菌成分を用いることによりバクテリアの繁殖を阻止して汗や皮脂の分解を防止する殺菌剤や、金属酸化物や植物抽出物等を用いることにより発生した臭気を消す消臭剤や、香料を用いて臭気をマスキングするマスキング剤などが知られている。例えば、特許文献1には、酸化マグネシウム粉体を有効成分として含有するデオドラント化粧料が開示されている。このデオドラント化粧料では、酸化マグネシウムが汗臭の主成分である低級脂肪酸を中和することにより消臭作用を発揮する。しかし、アンモニアなどの体臭には十分には対応できていなかった。
【0003】
収れん性のアルミニウム化合物として、硫酸アルミニウムカリウムや硫酸アルミニウムアンモニウムなどの硫酸アルミニウム塩が知られている。硫酸アルミニウム塩は、液状、粉状、ブロック状などの様々な形態で供給されている。例えば、特許文献2には、硫酸アルミニウムカリウムの熱溶液に粉砕した乾燥硫酸アルミニウムカリウムの粉末を加えて得られたスラリー液を、放冷固化したブロック状の硫酸アルミニウム塩が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-187721号公報
【文献】特開2002-193615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デオドラント化粧料において、アンモニアなどの塩基性物質に由来する体臭を消臭することが求められている。これらの塩基性物質を消臭するには、酸性物質などを添加して中和する方法が考えられる。ここで、本発明者らは、3価の金属塩の硫酸塩である硫酸金属塩が酸性であることに着目し、この硫酸金属塩の粒子を用いてアンモニアなどの塩基性物質による体臭を消臭することを検討した。アンモニアなどの塩基性物質は、汗と共に皮膚の皮溝や毛穴に溜まっているため、硫酸金属塩の粒子を皮溝や毛穴にアプローチすることにより、効果的な消臭作用を発揮することができると考えられる。しかしながら、従来の粉状として供給される硫酸金属塩は、粉砕により調製されるため、角を有する多面体形状であり、これらの多面体形状の粒子は、皮膚に塗布したとしても滑り難く、皮膚の皮溝や毛穴に十分にアプローチできないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、皮膚に塗布した際に、皮膚の皮溝や毛穴にアプローチして、アンモニア等の塩基性物質を効果的に中和することができる硫酸金属塩の粒子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討したところ、硫酸金属塩の粒子について、粒子形状を球状とし、メディアン径を200μm以下とすることで、前記課題を解決できること見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の硫酸金属塩粒子及びこれを含有する化粧料である。
【0008】
本発明の硫酸金属塩粒子は、3価の金属塩の硫酸塩である硫酸金属塩の粒子であって、粒子の形状が球状であり、メディアン径が200μm以下であることを特徴とする。
この特徴によれば、粒子の形状が球状であるため、皮膚に塗布した際に滑りがよく、粒子を皮溝や毛穴に十分にアプローチすることができる。また、塗布した際に滑りがよいことから、さらさらとした感触を付与することもできる。
また、毛穴の大きさや皮溝の幅は、肌質によっても異なるが、数百ミクロンである。そのため、硫酸金属塩粒子の粒子径をメディアン径として200μm以下とすることにより、皮膚に塗布した際に、多くの硫酸金属塩粒子が毛穴や皮溝にはまり込み、毛穴や皮溝に留まることができる。よって、毛穴や皮溝に溜まった汗に含まれるアンモニア等の塩基性物質を効果的に中和することが可能となる。
また、本発明の硫酸金属塩粒子は、毛穴や皮溝へ留まり易いため、収れん作用により毛穴や皮溝を引き締めるという効果も期待される。
その他にも、本発明の硫酸金属塩粒子は、粒子の形状が球状であることから流動性がよく、化粧料の製造においてハンドリング性に優れるという効果もある。
【0009】
更に本発明の硫酸金属塩粒子の一実施態様としては、中空状であることを特徴とする。
この特徴によれば、表面積が大きいため、汗に溶けやすいという性質が付与される。そのため、皮溝や毛穴に溜まった汗にすばやく溶け、アンモニア等の塩基性物質を中和することができる。
【0010】
更に本発明の硫酸金属塩粒子の一実施態様としては、水和物であることを特徴とする。
この特徴によれば、溶解性が優れているため、皮溝や毛穴に溜まった汗にすばやく溶け、アンモニア等の塩基性物質を中和することができる。
【0011】
更に本発明の硫酸金属塩粒子の一実施態様としては、無水物であることを特徴とする。
この特徴によれば、潮解性が小さいため、製品の保存安定性に優れるという効果を奏する。
【0012】
本発明の化粧料は、上記硫酸金属塩粒子を含有することを特徴とする。
この特徴によれば、硫酸金属塩粒子が毛穴や皮溝に十分にアプローチすることができるため、毛穴や皮溝に溜まったアンモニア等の塩基性物質を効果的に中和することが可能な化粧料を提供することができる。また、この化粧料によれば、収れん作用を有する硫酸金属塩粒子が毛穴や皮溝にアプローチすることができるため、毛穴や皮溝を効果的に引き締めることが可能な化粧料を提供することができる。
【0013】
更に本発明の化粧料の一実施態様としては、制汗剤、ボディパウダー、フェイスパウダー、ファンデーション、化粧下地又はチークであることを特徴とする。
この特徴によれば、毛穴や皮溝に硫酸金属塩粒子を留まらせ、アンモニア等の塩基性物質を効果的に中和するという効果や、毛穴や皮溝を効果的に引き締めるという効果をより発揮することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、皮膚に塗布した際に、皮膚の皮溝や毛穴にアプローチして、アンモニア等の塩基性物質を効果的に中和することができる硫酸金属塩の粒子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】皮溝に汗が流れ込む様子を示す概略説明図である。
【
図3】毛穴に球状の硫酸金属塩粒子がアプローチした状態を示す概略説明図である。
【
図4】球状の硫酸アルミニウムカリウム粒子のSEM画像である。
【
図5】中空状の硫酸アルミニウムカリウム粒子のSEM画像である。
【
図6】非球状の硫酸アルミニウムカリウム粒子のSEM画像である。
【
図7】粒子の平均摩擦係数(MIU)を測定するための概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための最良の形態を含めて説明する。
[硫酸金属塩粒子]
本発明の硫酸金属塩粒子は、3価の金属塩の硫酸塩である硫酸金属塩の粒子であって、粒子の形状が球状であり、メディアン径が200μm以下であることを特徴とする。
この特徴によれば、粒子の形状が球状であり、メディアン径が200μm以下であるため、皮膚に塗布した際に滑りがよく、粒子を毛穴や皮溝に十分にアプローチすることができる。そして、毛穴や皮溝に溜まった汗に溶解し、汗中のアンモニア等の塩基性物質を効果的に中和することができる。
【0017】
発汗のメカニズムと、本発明の硫酸金属塩粒子の作用について図面を用いて説明する。
図1は、皮膚の構造を示す概略説明図である。
図1に示すように、皮膚は、表皮に網状に形成された皮溝20と、皮溝20に囲まれた領域に形成された皮丘30と、皮溝20が交差する領域に形成された毛穴10を有する。毛穴10の深層には毛根があり、毛穴10から毛が発毛する。
【0018】
汗は、エクリン腺又はアポクリン腺の2種類の汗腺から出ることが知られている。エクリン腺は、ほぼ全身に分布し、主に体温調節のために発汗するための汗腺である。エクリン腺は皮丘30に開口しており、エクリン腺から出る汗は皮溝20に流れ込み、皮溝20内を流れて毛穴10に溜まる(
図2参照。)。なお、エクリン腺から出る汗は、無色無臭であり、臭いの成分をほとんど含んでいない。
一方、アポクリン腺は、ワキ、乳首、下腹部などの特定の部位に多く存在する汗腺である。また、アポクリン腺は毛根に開口しており、アポクリン腺から出る汗は、そのまま毛穴10に溜まる。アポクリン腺から出る汗は、脂質やタンパクなどの成分を含み、これらの成分が微生物等に分解されて臭いの原因成分となりやすいことが知られている。
【0019】
図3に示すように、本発明の硫酸金属塩粒子は、粒子の形状が球状であるため、皮膚に塗布した際に皮丘30上を転がり、毛穴10に十分にアプローチすることができる。また、皮溝20に溜まった硫酸金属塩粒子についても汗とともに流れて、毛穴10へアプローチすることができる。そして、毛穴10において、汗中の臭いの原因成分であるアンモニア等の塩基性物質を効果的に中和することができる。
【0020】
<硫酸金属塩>
本発明の硫酸金属塩は、3価の金属塩の硫酸塩である。また、本発明の硫酸金属塩は、3価の金属塩の硫酸塩と1価の陽イオンの硫酸塩との複塩でもよい。3価の金属塩は、特に限定されないが、例えば、アルミニウムイオン、鉄イオンなどが挙げられる。収れん作用も付与されるという観点から、好ましくはアルミニウムイオンを含むことが好ましい。
また、1価の陽イオンは、特に限定されないが、例えば、カリウム、ナトリウムなどの1価の金属イオンや、アンモニウムイオンなどが挙げられる。臭い抑制の観点から、カリウムやナトリウムなどの1価の金属イオンを含むことが好ましい。
【0021】
好ましくは、以下の化学式(1)によって表される化合物である。
M1+M3+(SO4)2またはM3+
2(SO4)3 (1)
[式中、M1+は、K+、Na+、NH4
+又はそれらの混合物である。M3+は、Al3+、Fe3+又はそれらの混合物である。]
より好ましい硫酸アルミニウム塩であり、さらに好ましくは硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムカリウムであり、特に好ましくは硫酸アルミニウムナトリウム、硫酸アルミニウムカリウムである。
【0022】
本発明の硫酸金属塩は水和物でも、無水物でもよい。
水和物とは、水を含む物質であり、水和水の個数によって、1水和物、2水和物等の水和物が挙げられる。本発明の水和物において、水和水の個数は特に限定されないが、8水和物や12水和物が好ましい。硫酸金属塩の水和物は、水に対する溶解性が優れているため、皮溝や毛穴に溜まった汗にすばやく溶け、アンモニア等の塩基性物質を中和するという効果をより発揮することができる。
【0023】
無水物とは、結晶水や水和水を含む物質がその水をなくした状態のものである。硫酸金属塩を無水物とすることで、水等に対する溶解性が小さくなり、潮解を防ぐことができる。そのため、スティック状の制汗剤等として、安定した品質を保つことができる。
【0024】
本発明の硫酸金属塩粒子のメディアン径は200μm以下であり、その形状は球状である。球状とは、真球状のみを意味するものではなく、楕円や略球状、表面に微細な穴や凹凸があるものでもよい。楕円状、略球状の場合は短径と長径の比率が1:1~1:2であれば球状として好ましい。
【0025】
メディアン径の下限としては、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上である。上限としては、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、特に好ましくは30μm以下である。
硫酸金属塩粒子のメディアン径を上記範囲とすることで、皮膚に塗布した際に、多くの硫酸金属塩粒子が毛穴や皮溝にはまり込み、毛穴や皮溝に留まることができる。よって、毛穴や皮溝に溜まった汗に含まれるアンモニア等の塩基性物質を効果的に中和することが可能となる。
なお、本発明のメディアン径は、レーザー回析/散乱法(粒子径分布測定装置HELOS;株式会社日本レーザー製)を用いて測定することによって得られる体積メディアン径(Volume Median Diameter:VMD)である。
【0026】
また、本発明の硫酸金属塩粒子の形状は、中空状であることが好ましい。
中空状とは、球状部分の表層部分にのみ一次粒子が存在する状態であって、内部空間を有していることをいい、内部空間と外部空間の間の殻は開口部を有していてもよい。
表層部分の膜厚は、特に限定されないが、0.1μm~5μm程度が好ましい。
硫酸金属塩粒子を中空状の粒子とすることで、表面積を大きくなるため、汗に溶けやすいという性質を付与することができる。そのため、皮溝や毛穴に溜まった汗にすばやく溶け、アンモニア等の塩基性物質を中和することができる。
【0027】
[硫酸金属塩粒子の製造方法]
球状の硫酸金属塩粒子を調製する方法は、特に限定されないが、通常公知の造粒方法、例えば、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、流動層造粒法等を用いることができる。特に、噴霧乾燥法を用いれば、成分を美観よく球状化できるため好ましい。
【0028】
噴霧乾燥法によって球状粒子を調製するには、例えば、以下の方法を用いることができる。まず、硫酸金属塩を水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等の1種または2種以上の分散溶媒中に溶解又は均一分散させ、硫酸金属塩の溶液又はスラリーを調製する。
【0029】
この硫酸金属塩の溶液又はスラリーを調製する際に、必要に応じて賦形剤などを添加してもよい。賦形剤は、生理活性を有しない物資であり、例えば、澱粉、デキストリン、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、マルチトール、ソルビトールなどが挙げられる。賦形剤を添加することにより、粒子の形状や、硫酸金属塩粒子の溶解性などを調整することができる。
【0030】
また、硫酸金属塩の溶液の濃度は、特に制限されないが、一般的には1~80質量%である。下限としては、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、特に好ましくは8質量%以上である。上限としては、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、特に好ましくは45質量%以下である。溶液の濃度を高めることにより、生産性が向上する。一方、溶液の濃度を低下すると噴霧霧乾燥中における粒子同士の付着を防止し、美観に優れた球状の粒子を得ることができる。
なお、中空状の粒子は、硫酸金属塩の溶液の濃度や溶媒の種類などを調整することにより得ることができる。
【0031】
次いで、硫酸金属塩の溶液又はスラリーに対して、上記噴霧乾燥法(スプレードライ法)等を使用して球状化処理を行う。噴霧乾燥における熱風の温度は150~300℃であることが好ましく、より好ましくは、200~250℃である。
【0032】
最後に、球状化処理された粒子は熱処理炉等を用いて焼結してもよい。焼結は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行われる。焼結温度は100~500℃で行うのが好ましく、200~300℃がより好ましい。この焼結に要する時間は、5~15時間程度が好ましい。
【0033】
この焼結により、球状粒子が得られるとともに造粒処理に起因する不純物を除去することもできる。
更に、焼結条件を制御することで、前記硫酸金属塩の水和物又は無水物を作りわけることができる。
また、得られた球状粒子は、必要に応じて分級して用いることもできる。
【0034】
[硫酸金属塩粒子を含有する化粧料]
本発明の化粧料としては、特に制限されないが、消臭を目的とする化粧料や、収れん作用による毛穴等の引き締めを目的とする化粧料などに好適に利用することができる。例えば、制汗剤、ボディパウダー、フェイスパウダー、ファンデーション、化粧下地、チーク等が挙げられる。
【0035】
次に、本発明の化粧料について、具体的に説明する。
<制汗剤>
制汗剤とは該制汗性薬剤を皮膚に噴霧、塗布、付着させて、制汗効果を発生させることができる製品を示すものである。
制汗剤の形態としては、皮膚に直接塗布して用いるスティックタイプ、ジェルタイプ、クリームタイプのものや、皮膚に噴霧して用いられるエアゾールタイプやノンエアゾールタイプのものなどが挙げられる。
【0036】
<ボディパウダー>
ボディパウダーとは、油のぎらつきを抑え、マットで自然な仕上がりを与えるために用いられる化粧料である。
【0037】
<フェイスパウダー>
フェイスパウダーとは、化粧の仕上げに使用し、皮脂やファンデーションのテカリやべたつきを抑えるための化粧料である。
【0038】
<ファンデーション>
ファンデーションとは、肌の色を整えたり、しみやそばかす等のカバー、紫外線からの保護、外界のストレスからの防御等の機能を有するものである。化粧下地を肌上に塗布した後、塗布されるメーキャップ化粧料である。
【0039】
<化粧下地>
化粧下地とは、メイクアップ製品を塗布する前に下地として用いるものであり、ファンデーションなどのメイクアップ製品の発色性を付着力(つき)、被覆力(のり)をよくして、化粧仕上がりの美しさや、化粧くずれを防ぎメイクアップ効果の持続などを目的として使用される化粧料である。
【0040】
<チーク>
チークとは、頬紅のことであって、頬に塗布して顔色を明るく見せたり、陰影をつけて立体感をだすために用いられる化粧料である。剤型は固形状、クリーム状、液状、スティック状などがある。
【0041】
本発明の化粧料において、硫酸金属塩粒子の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.1~100.0質量%である。下限としては、より好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは5.0質量%以上であり、特に好ましくは10.0質量%以上である。上限としては、より好ましくは50.0質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、特に好ましくは20.0質量%以下である。前記範囲内であると、毛穴に溜まった汗中のアンモニア等の塩基性物質を中和する効果や、収れん作用により毛穴等を引き締める効果を十分に発揮する。
【0042】
本発明の化粧料は、用途に応じて、化粧品に通常使用される他の成分を含有することができる。例えば、無機顔料、体質顔料、高分子粉体、油性原料、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、ポリマー類、紫外線防御剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、金属イオン封鎖剤、ステアリン酸マグネシウム等の金属石けん、美白用薬剤、抗シワ剤、肌荒れ改善剤、ニキビ用薬剤、防臭用薬剤、清涼化剤、収れん剤、抗菌剤、有機顔料、天然色素、香料、ビタミン類、皮膚軟化剤等が挙げられる。
【0043】
無機顔料としては、体質顔料、着色顔料、白色顔料等が挙げられる。
体質顔料は、製品の剤型を保つために用いられるものであり、これにより製品の使用性(伸展性、付着性)や光沢などを調節することができる。具体的には、マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、合成金雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が例示される。
着色顔料は、製品の色調を調整するものであり、具体的には、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、紺青、カーボンブラック等が例示される。
白色顔料は、製品の色調を調整する役割のほか、隠蔽力を調整することができるものであり、具体的には、二酸化チタン、酸化亜鉛等が例示される。
【0044】
高分子粉体としては、具体的には、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリエチレンテレフタラート・ポリメチルメタクリレート積層末、ナイロンパウダー、ポリウレタンパウダー、シリコーンパウダー等が例示される。
【0045】
油性原料としては、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン油等が挙げられる。更に具体的には、油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油等、ロウ類としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン等、炭化水素としては、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等、高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等、高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等、エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル等、シリコーン油としては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、高重合メチルポリシロキサン等が例示される。
【0046】
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。更に具体的には、アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸石けん、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アシルN-メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N-アシルアミノ酸塩等、カチオン界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等、両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン型、多価アルコールエステル型、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体等が例示される。
【0047】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、乳酸ナトリウム、2-ピロリドン-5-カルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0048】
増粘剤としては、例えば、クインスシードガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
【0049】
ポリマー類としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、高分子シリコーン等が挙げられる。
【0050】
紫外線防御剤としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等の紫外線吸収剤、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄等の紫外線散乱剤が挙げられる。
【0051】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、BHT、没食子酸エステル類等が挙げられる。また、酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等が挙げられる。
【0052】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0053】
美白用薬剤としては、例えば、ビタミンC類、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール等が挙げられる。
【0054】
抗シワ剤としては、例えば、レチノイド(ビタミンA類)、α-ヒドロキシ酸等が挙げられる。
【0055】
肌荒れ改善剤としては、例えば、βグリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、プロテアーゼ阻害剤等が挙げられる。
【0056】
ニキビ用薬剤としては、例えば、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、ビタミンB6等の皮脂抑制成分、イオウ、サリチル酸、レゾルシン等の角質剥離・溶解成分、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、2,4,4-トリクロロ-2-ヒドロキシフェノール等の殺菌成分、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の抗炎症成分等が挙げられる。
【0057】
防臭用薬剤としては、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、銀含有ゼオライト等の制汗成分、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩酸クロルヘキシジン等の殺菌成分、ポリフェノール系カキタンニン、茶カテキン等の消臭成分、チオタウリン、ヒポタウリン、トコフェロール等の酸化防止成分等が挙げられる。
【0058】
清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル等が挙げられる。
【0059】
収れん剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸、乳酸等が挙げられる。
【0060】
抗菌剤としては、安息香酸及びその塩類、サリチル酸及びその塩類塩、フェノール、ソルビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、パラベン、クロルクレゾール、ヘキサクロロフェン、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、臭化アルキルイソキノリニウム、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、感光素201号、フェノキシエタノール、トリクロサン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、ビサボロール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、トリクロロ・サリチルアニリド、トリブロモ・サリチルアニリド、水銀系化合物、ホルマリン、白降こう、ビチオノール、ホウ酸・ホウ砂、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ハロゲン化サリチルアニリド等が挙げられる。
【0061】
<剤型・形態>
【0062】
本発明の化粧料の剤型は、硫酸金属塩粒子の形状が球形に維持されるものであれば、特に制限されず、使用目的に合わせて適宜選択することができる。球形に維持するには、水へ溶解しなければよく、例えば、粉末や油性成分に分散させることにより球形を維持することができる。保存時の吸湿が防止され、球形の形状を維持しやすいという観点から、油性成分に分散させることが好ましい。粉末や油性成分に分散したものを、粉末状、固形粉末状、油性状、油性固形状、クリーム状、ゲル状、水中油型乳化状、油中水型乳化状等の剤型とすることができる。
また、製品の形態についても特に制限されず、パウダータイプ、コンパクトタイプ、スティックタイプ、クリームタイプ、乳液タイプ、ジェル、ワックス、ロールオンタイプ、エアゾールタイプ、ノンエアゾールタイプなどとしてもよい。
【0063】
本発明の化粧料は、ミキサーやプレス装置などの通常の製造装置を使用した製造方法を適用して製造することができる。
具体的には、ミキサーで顔料やその他の粉体を攪拌混合し、必要であれば予め加温溶解したバインターを加え、均一になるまで十分に攪拌し、必要であれば型に入れプレス形成する方法などを適用することができる。
【実施例】
【0064】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
【0065】
[硫酸アルミニウム塩粒子の摩擦性評価]
まず、球状の硫酸アルミニウム塩粒子の作成方法について説明する。
硫酸アルミニウムカリウム(タイエースK20 メディアン径4~6μm;大明化学株式会社製:)を水に溶解させて、8質量%の硫酸アルミニウムカリウム溶液を調製した。次に、この溶液をスプレードライ乾燥装置(装置名OC16;大川原化工機株式会社製)により噴霧乾燥し、硫酸アルミニウムカリウムの球状粒子を得た。
得られた粒子のメディアン径は、レーザー回析/散乱法(粒子径分布測定装置HELOS;株式会社日本レーザー製)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。なお、表1中の実施例1~3は、得られた粒子について3箇所からサンプリングしたものである。
得られた硫酸アルミニウムカリウム粒子について
図4に示す。更に中空状の硫酸アルミニウムカリウム粒子について
図5に示す。
図4をみると、球状の硫酸アルミニウムカリウム粒子が得られることがわかる。更に
図5をみると、球状かつ中空状の硫酸アルミニウムカリウム粒子についても得られることがわかる。
【0066】
次に、得られた球状の硫酸アルミニウムカリウム粒子について、摩擦感テスター(KES-SE;カトーテック株式会社製)を用いて平均摩擦係数(MIU)の評価を行った。比較例として、非球状硫酸アルミニウムカリウム粒子(タイエースK20
図6)についても、同様に評価を行った。
【0067】
評価の方法について、
図7を用いて説明する。
まず、エタノールで洗浄したスライドガラス220に両面テープ210(ナイスタックNW-15;ニチバン株式会社製)を貼り付け、反対の粘着面に硫酸アルミニウムカリウム粒子240を塗工ナイフ200でテープの粘着剤面が表面に現れないように塗布し、測定キット300を作製する。その後、前記測定キット300を摩擦感テスター500にセットし、移動ステージ240で移動させながら、センサ250で平均摩擦係数(MIU)を測定した。温度24℃、湿度31%の条件で測定を行った。測定結果を表1に示す。
【0068】
【0069】
表1の結果より、実施例で用いた球状の硫酸アルミニウムカリウム粒子は、比較例で用いた非球状の硫酸アルミニウムカリウム粒子に比べて、小さい平均摩擦係数を有することがわかった。これは、皮膚に塗布した際に滑りがよく、粒子を皮溝や毛穴に十分にアプローチすることができることを意味する。また、塗布した際に滑りがよいことから、さらさらとした感触を付与することもできる。
【0070】
[処方例]
次に、本発明の球状の硫酸アルミニウム塩粒子を、制汗剤、ボディパウダー、フェイスパウダー、ファンデーション、チークに適用した配合処方の例を示す。但し、これらの処方例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
【0071】
(処方例1)
下記処方で制汗剤(スティックタイプ)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
球状硫酸アルミニウムカリウム粒子 15.00
塩化ベンザルコニウム 0.10
銀含有ゼオライト 5.00
イソプロピルメチルフェノール 0.10
シクロペンタシロキサン 19.35
ジメチコン 2.00
ステアリルアルコール 25.00
POP-ブチルエーテル-1 20.00
窒化ホウ素 3.00
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.50
マイクロクリスタリンワックス 3.00
メントール 0.30
リンゴ酸ジイソステアリル 1.00
ジイソステアリン酸グリセリン 2.50
ブチルヒドロキシトルエン 0.05
水酸化アルミニウム 0.10
酸化チタン 1.00
【0072】
(処方例2)
下記処方で制汗剤(スティックタイプ)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
球状硫酸アルミニウムカリウム粒子 22.00
イソプロピルパルミテート 15.00
水素化ヒマシ油 3.00
シクロペンタシロキサン 20.00
ポリデセン 18.00
PEG-8ジステアレート 1.50
ステアリルアルコール 17.00
香料 0.50
PPG-14ブチルエーテル 残部
【0073】
(処方例3)
下記処方で制汗剤(エアゾールタイプ)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
球状硫酸アルミニウムカリウム粒子 2.50
ステアラルコニウムベントナイト 0.50
イソプロピルパルミテート 2.50
香料 0.50
イソブタン 85.00
シクロペンタシロキサン 0.50
トリエチルシトレート 1.00
シクロペンタシロキサン 残部
【0074】
(処方例4)
下記処方で制汗剤(スティックタイプ)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
球状硫酸アルミニウムカリウム粒子 16.00
イソプロピルメチルフェノール 0.10
シクロペンタシロキサン 27.45
ジメチコン 2.00
ステアリルアルコール 20.00
POP-ブチルエーテル-1 20.00
オキシ塩化ビスマス 2.00
板状アルミナ 1.00
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.50
水添ヒマシ油 2.00
マイクロクリスタリンワックス 2.00
メントール 0.30
リンゴ酸ジイソステアリル 1.00
ジイソステアリン酸グリセリン 2.50
ブチルヒドロキシトルエン 0.05
水酸化アルミニウム 0.10
酸化チタン 1.00
【0075】
(処方例5)
下記処方でフェイスパウダーを調製した。
成分名 配合量(質量%)
タルク 残部
球状硫酸アルミニウムカリウム粒子 22.00
ポリウレタン 8.00
無水ケイ酸 0.50
酸化チタン 1.00
ベンガラ 適量
黄酸化鉄 適量
黒酸化鉄 適量
雲母チタン 2.00
【0076】
(処方例6)
下記処方でボディパウダーを調製した。
成分名 配合量(質量%)
タルク 残部
球状硫酸アルミニウムカリウム粒子 15.00
ステアリン酸マグネシウム 適量
香料 適量
【0077】
(処方例7)
下記処方でファンデーション(コンパクトタイプ)を調製した。
成分名 配合量(質量%)
球状硫酸アルミニウムカリウム粒子 3.00
タルク 43.20
セリサイト 22.00
二酸化チタン 12.00
シリカ 5.00
フェノキシエタノール 0.80
ミネラルオイル 5.00
ジメチルシリコーン 5.00
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.00
黄酸化鉄 1.50
赤酸化鉄 0.30
黒酸化鉄 0.20
【0078】
(処方例8)
下記処方でチークを調製した。
成分名 配合量(質量%)
タルク 残部
球状硫酸アルミニウムカリウム粒子 15.0
セリサイト 20.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
雲母チタン 10.0
着色剤 適量
エチルヘキサン酸セチル 1.0
パルミチン酸エチルヘキシル 3.0
ジメチコン 3.0
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の球状の硫酸金属塩粒子は、形状が球状であるため、皮膚に塗布した際に滑りがよく、粒子を皮溝や毛穴に十分にアプローチすることができる。
本発明の硫酸金属塩粒子は、制汗剤、ボディパウダー、フェイスパウダー、ファンデーション、化粧下地、チーク等の化粧料に利用することもできる。
【符号の説明】
【0080】
10 毛穴、20 皮溝、30 皮丘、100 球状粒子、200 塗工ナイフ、210 両面テープ、220 スライドガラス、240 硫酸アルミニウムカリウム粒子、240 移動ステージ、250 センサ300 測定キット、500 摩擦感テスター