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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】喫煙品の包装箱およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20220809BHJP
   B65B 19/20 20060101ALI20220809BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20220809BHJP
   B65D 5/60 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B65D85/10
B65B19/20
B65D5/44 E
B65D5/60 A
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018066498
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2018177372
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-01-15
(31)【優先権主張番号】102017000037680
(32)【優先日】2017-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ フェラーリ
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ ヴェントゥローリ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ フェデリーチ
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/087828(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3017852(JP,U)
【文献】実開昭51-071900(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0130074(US,A1)
【文献】特表2011-529421(JP,A)
【文献】特表2017-536309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65B 19/20
B65D 5/44
B65D 5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ側端部(201)とフィルタ側端部(202)とを有する長手方向(A)に沿って長い形状の喫煙品(2)の包装箱(1)を製造する方法であって、
補強要素(5)を形成するために薄く曲げやすい板紙で形成されるブランク(6)を準備する工程であって、該ブランク(6)が、少なくとも第一パネル(601)および第二パネル(602)と、前記第一パネル(601)と前記第二パネル(602)とを接続するよう配置されるとともに前記第一パネル(601)および前記第二パネル(602)より小さい寸法で主長手方向(A)に対して垂直に延設される少なくとも一つの接続パネル(604)と、前記第一パネル(601)または前記第二パネル(602)から延設される第一ペアの側部ウィング(603)と、を有している工程と、
一群(3)の喫煙品(2)であって、前記喫煙品(2)の前記タバコ側端部(201)に面している第一領域(303)と、前記第一領域(303)から長手方向に間隔を空けて配置されるとともに前記喫煙品(2)の前記フィルタ側端部(202)に面している第二領域(304)と、を有する一群(3)の喫煙品(2)を準備する工程と、
前記ブランク(6)から前記補強要素(5)を形成し、前記補強要素(5)を一群(3)の喫煙品(2)に連結する工程と、
封止パネル(402)によって開閉可能な、前記喫煙品(2)を取り出すための抜き取り用の開口部を有する熱可塑性物質のフィルムを用いて、前記補強要素(5)が連結された前記一群(3)の喫煙品(2)を収容する気密に封止される包装材(4)を構成する工程と、
を含む方法において、
前記補強要素(5)を形成し、前記補強要素(5)を前記一群(3)の喫煙品(2)に連結する工程は、
前記少なくとも一つの接続パネル(604)が、前記一群(3)の喫煙品(2)の前記第一領域(303)の非被覆部分(303’)を形成するよう、前記一群(3)の喫煙品(2)の前記第一領域(303)を部分的に覆うよう前記喫煙品(2)の前記タバコ側端部(201)に面するように配置される少なくとも一つの上端部壁(504)を構成するよう、前記ブランク(6)の前記少なくとも一つの接続パネル(604)を前記一群(3)の喫煙品(2)の前記第一領域(303)と接するように配置する工程と、
前記第一パネル(601)および第二パネル(602)が互いに平行になるとともに前記長手方向(A)に沿った向きとなるよう、前記ブランク(6)を「U」字状に折り畳む工程と、
前記補強要素(5)の側壁(503)を構成するよう、前記少なくとも一つの第一ペアの側部ウィング(603)を折り畳む工程と、
を含んでおり、
前記包装材(4)が、前記一群(3)の喫煙品(2)と、前記一群(3)の喫煙品(2)の前記第一領域(303)の前記非被覆部分(303’)と重なるよう配置される前記喫煙品(2)を取り出すための前記開口部を有する前記補強要素(5)と、の周囲に形成され
前記第一ペアの側部ウィング(603)は前記第一パネル(601)から延設されており、
前記補強要素(5)を形成し、前記補強要素(5)を前記一群(3)の喫煙品(2)に連結する工程は、
前記第一パネル(601)に対してある角度で配置するよう、前記第一ペアの側部ウィング(603)を折り畳む工程と、
前記第一パネル(601)に対して直角となるよう前記接続パネル(604)を折り畳む工程と、
前記タバコ側端部(201)が前記接続パネル(604)と接するよう前記一群(3)の喫煙品(2)を押圧する工程であって、押圧力が前記喫煙品(2)の前記フィルタ側端部(202)に加えられる工程と、
前記第一パネル(601)および前記第二パネル(602)が互いに平行になるとともに前記長手方向(A)に沿って向くよう、前記第二パネル(602)を折り畳む工程と、
を含んでいる方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法において、
ブランク(6)を準備する前記工程は、前記第一パネル(601)と前記第二パネル(602)とを接続するよう配置されるとともに前記第一パネル(601)および前記第二パネル(602)より小さい寸法で前記主長手方向(A)に対して垂直に延設される一ペアの接続パネル(604)を有するブランク(6)であって、前記接続パネル(604)が前記ブランク(6)の中央窓部(607)によって互いから分離されているブランク(6)を準備する工程を含んでおり、
前記ブランク(6)の前記少なくとも一つの接続パネル(604)を前記一群(3)の喫煙品(2)の第一領域(303)と接するように配置する前記工程は、前記窓部(607)によって分離される二つの上端部壁(504)を構成するよう、前記接続パネル(604)を前記一群(3)の喫煙品(2)の前記第一領域(303)と接するように配置する工程を含んでおり、
前記包装材(4)を構成する前記工程は、前記包装材から前記喫煙品(2)を取り出すための前記開口部に前記窓部(607)を重ねて、前記喫煙品(2)を取り出すための前記開口部が閉じている構成において、前記封止パネル(402)の側部部分(402’)を前記上端部壁(504)に載置させる工程を含んでいる方法。
【請求項3】
請求項またはに記載の方法であって、
前記第一ペアの側部ウィング(603)は前記第一パネル(601)から延設されており、
前記ブランク(6)は、前記第二パネル(602)から延設される第二ペアの側部ウィング(603)を備えており、
前記補強要素(5)の前記側壁(503)を構成する前記工程は、前記第一ペアの第一側部ウィング(603)と前記第二ペアの側部ウィング(603)とを折り畳んで重ねる工程を含んでいる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状が長手方向に長く、長手方向軸と平行な長手方向にタバコ側端部とフィルタ側端部とを有する喫煙品の包装箱に関する。
【0002】
より具体的には、包装箱は、タバコ先端にすなわち喫煙可能な側に対応するタバコの第一端部に面する第一領域と、第一領域から長手方向に間隔を空けて配置されるとともにフィルタ側に対応するタバコの第二端部に面する第二領域と、を有する一群のタバコを備える。
【0003】
また本発明は、喫煙品の包装箱を製造する方法に関する。
【0004】
より具体的には、包装箱は、一群のタバコの周囲に配置される気密に封止された包装材を有する。
【背景技術】
【0005】
柔らかいタバコ包装箱と、硬いヒンジ状蓋付タバコ包装箱と、が知られている。
【0006】
柔らかい包装箱は、一群のタバコの周囲に配置されて保護する箔包装紙と、一群のタバコの上端部以外のすべてを保護するよう箔包装材の周囲に配置される一枚の紙材料と、を備える。
【0007】
通常、包装箱は、上端部から開かれ、そして、タバコが、フィルタ領域と対応する第二端部によって上端部から取り出される。
【0008】
通常、四つの側壁と上端部と底端部とを有する平行六面体の形状である硬質包装箱は、一群のタバコの周囲に巻き付けられた箔紙で形成される内側包装材と、容器本体と容器の背面に形成される水平方向ヒンジ線に沿ってヒンジ状に開く蓋とを備える外側容器と、を備える。
【0009】
上面に関して、蓋はまた、包装箱の外側容器の前述の上端部を構成し、開いた位置へと回転すると、内側包装材の上端部を露出させて開くことができ、そして、タバコが、フィルタ領域に対応する第二端部によって、内側包装材の上端部を通じて取り出される。
【0010】
また、内側包装材と外側容器との間に、容器自体と一体的に、蓋が開いた位置に移動される毎に突出するカラーが備えられている。
【0011】
両方のタイプの包装箱は、外側包装材を開くよう引き裂くように用いられる薄い引き裂きテープを有するプラスチック材料(ポリプロピレン)の外側包装材内に包装される。この包装材は完全には気密でなく、したがって包装箱の内容物を封止しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
硬質包装箱と略同じ形状および特徴を有する、気密に封止される包装箱が現在開発されている。これらの包装箱は、気密に封止される内側包装材を有する。
【0013】
包装材は、開くことができそして再び閉じることができるタイプであり、閉じた位置から取り外し可能であるとともに、タバコにアクセスでき取り出すことができるとともにその後包装材を再び閉めるよう閉じた位置に戻すことが可能なタブを有する。
【0014】
この再開閉可能なタイプの気密に封止される包装材は、通常、一群のタバコが熱可塑性フィルム内に包装されるフロー・パック機械(flow-pack machine)から得られる。
【0015】
包装プロセスの際には、群を構成するタバコが乱れる可能性があり、したがって、補強要素が一群のタバコに利用される。
【0016】
補強要素は通常、薄い板紙で形成され、一群のタバコを少なくとも部分的に囲繞し、完成した包装箱において、密封される包装材の内部に配置される。
【0017】
タバコを一群として一体に保持する機能を適切に満たすために、補強要素を一群のタバコの周囲にぴったりと巻き付けなければならず、かつ構造的に安定させなければならない。
【0018】
補強要素を、適切に形成されたブランクを折り畳み接着することにより構成することができる。
【0019】
通常、柔らかいパックおよび硬いパックの両方の場合において、タバコの第一端部(喫煙可能なタバコ端部)が底部にあり、第二(フィルタ)端部が包装箱を開けてタバコを取り出す領域が位置する最上部にある状態で、一群のタバコはそれぞれの包装箱内に配置される。
【0020】
最近の市場要求では、柔らかいパックおよび硬いパックの両方の場合において、タバコの第一端部(喫煙可能なタバコ端部)が包装箱を開けてタバコを取り出す領域が位置する上端部の近傍に配置され、タバコの第二(フィルタ)端部が底部に配置される状態で、一群のタバコがそれぞれの包装箱内に配置されることが求められている。
【0021】
これらの要求は、タバコを包装する場合に特に、一群のタバコの周囲に巻き付けられる補強要素を有する、封止が必要な再開閉タイプの内側包装材の場合に、現在まで行われている解決法とはまさに逆である。
【0022】
現在の補強要素は、その形状がタバコを第二フィルタ端部によって取り出すことを可能にするよう特別に設計されているので、欠点を有することは明らかであろう。
【0023】
したがって、本発明は、従来技術の上述した欠点を克服する喫煙品の包装箱およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0024】
より詳細には、本開示は、包装箱を閉じると同時に喫煙品を一体的に保持することができる、さらに詳細には、タバコ(の喫煙可能な)端部が包装箱の最上部に向くよう配置される場合に一群の喫煙品を安定させる補強要素の機能を最適化できる喫煙品(例えばタバコ)の包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この目的は、添付の特許請求の範囲に記載した本発明の包装箱および方法によって十分に達成される。
【0026】
より詳細には、本発明は、長手方向に長い形状であって、タバコ側端部とフィルタ側端部とを有するとともに、一群の喫煙品と、気密に封止される包装材と、補強要素とを備える喫煙品の包装箱を提供する。
【0027】
一群の喫煙品は、喫煙品のタバコ側端部に面している第一領域と、第一領域から長手方向に間隔を空けて配置されるとともに喫煙品のフィルタ側端部に面している第二領域と、を有する。
【0028】
気密に封止される包装材は、一群の喫煙品を閉じ込め、喫煙品を取り出すための開口部を有し、該開口部自体に貼り付けられる封止パネルを用いて開いて再び閉じることができる。
【0029】
補強要素は、包装材の内部に配置されるとともに、一群の喫煙品と少なくとも部分的に接するよう配置される。
【0030】
補強要素は、前壁と背面壁と二つの側壁と少なくとも一の上端部壁とを有する。
【0031】
四つの側部が閉じており一群の喫煙品を囲繞する補強要素の環状部が、前壁と背面壁と側壁とによって構成される。
【0032】
好適には、少なくとも一つの上端部壁は、包装材に面する第一領域の非被覆部分を形成するよう、一群の喫煙品の第一領域を部分的に覆うように配置される。
【0033】
喫煙品を包装材から取り出すための開口部が、一群の喫煙品の第一領域の非被覆部分と少なくとも部分的に重なるよう配置される。
【0034】
好適には、一群の喫煙品を閉じ込める包装材は、喫煙品のための、一枚の紙材料およびプラスチック材料のフィルム内に包装することができるもしくは包装しないこともできる柔らかいタイプの包装箱を、または硬いヒンジ状蓋タイプの包装箱を構成するよう硬い板紙容器内に挿入されるように構成される内側包装箱を構成する。
【0035】
一群の喫煙品の第一領域に配置される少なくとも一つの上端部壁が備えられることによって、喫煙品のタバコ側端部を効果的に保護することができると同時にユーザが封止パネルを押圧することにより閉じる作用を加えることにより封止パネルを閉じることができる。
【0036】
従属項は、本発明の種々の想定される態様に対応する。
【0037】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の添付図面を参照した、タバコ包装箱およびその製造方法の好ましいものであるが他のものを排除することを意図しない実施形態の、限定するものではない説明からより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明にかかる喫煙品の包装箱の、より詳細には内側包装材が一群の喫煙品の周囲に配置される喫煙品の包装箱の、概略的な斜視図である。
図1A図1に示したタイプの内側包装材を有する、硬いヒンジ状蓋付の、喫煙品の包装箱の斜視図である。
図2図1の包装箱に収容される一群の喫煙品の概略的な斜視図である。
図3図1の包装箱に収容される補強要素を構成するのに用いられるブランクの概略的な平面図である。
図4図3のブランクを用いて構成された、図2の一群の喫煙品を収容している補強要素の第一の概略的な斜視図である。
図5図3のブランクを用いて構成された、図2の一群の喫煙品を収容している補強要素の第二の概略的な斜視図である。
図6図1の包装箱を製造する方法における工程を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
添付図面を参照して、参照符号1は、喫煙品2のための包装箱全体を示している。
【0040】
なお、実際には、図1は、柔らかいタイプの包装箱の場合においては、以下により詳細に説明する通り、上端部を除いてある長さの紙材料内に包装することもできる、一群3の喫煙品2の周囲に配置された内側包装材を示していることを記載しておく。
【0041】
また、本開示はタバコ2に言及するが、より一般的に、長手方向軸に沿って細長い形状であり、タバコ側端部とフィルタ側端部とを有するあらゆる喫煙品にも、例えばタバコ産業における非燃焼加熱式タバコ(heat-not-burn products)のセグメント等にも適用できることも記載しておく。
【0042】
さらに、包装箱1は、図1に示すように、一枚の紙材料およびプラスチック材料のフィルム(図示せず)内に包装することができるもしくは包装しないこともできる、喫煙品のための、柔らかいタイプの包装箱を構成することも、または図1Aに示すように、硬いヒンジ蓋タイプの包装箱を構成するよう硬い板紙容器内に挿入されるように構成される内側包装箱を構成することもできる。
【0043】
図2に示す通り、それぞれのタバコ2は、長手方向軸「A」に沿って細長く延びており、タバコ側端部に対応する第一端部201とフィルタ側端部に対応する第二端部202とを有する。
【0044】
第一端部201と第二端部202とにおいて、タバコ2は、長手方向軸に対して交差する面を有する。
【0045】
図2に示す例示的実施形態において、それぞれのタバコ2は第二端部202においてフィルタ203を有する。
【0046】
それぞれの包装箱1に関して、タバコ2は、同じように並べられ向きが同じである一群3のタバコ2にまとめられる、つまり、一群3のすべてのタバコ2の第一端部201が同じ側にあり、すべての第二端部202も同じ側にある。このように、一群3のタバコ2の第一端部301と一群3のタバコ2の第二端部302とが定義される。
【0047】
一群3のタバコ2は、タバコ2の第一端部201に面する、すなわち一群3のタバコ2の第一端部301に面する第一領域303を有する。同様に、一群3のタバコ2は、タバコ2の第二端部202に面する、すなわち一群3のタバコ2の第二端部302に面する第二領域304を有する。
【0048】
一群3のタバコ2の第一領域303と第二領域304とは、軸方向にオフセットされている、すなわち、互いから長手方向に(タバコ2が向けられている長手方向「A」に沿って)間隔を空けて配置されている。
【0049】
また包装箱1は、一群3のタバコ2を閉じ込める気密に封止される包装材4を備える。
【0050】
包装材4は、好ましくは湿気を通さないとともに風味を通さず風味が失われるのを防ぐ遮断壁を構成する熱可塑性物質のフィルムから形成される。
【0051】
包装材4は、図1における破線で示す開口部を有する。開口部を通じてタバコ2を取り出すことができる。また包装材4は、タバコ2を取り出すために開口部を開き、また閉じることができるよう、包装材4の開口部に貼り付けられる封止パネル402を有する。封止パネル402は、タバコ2を取り出されることができるよう、繰り返し何度も閉じた位置から開いた位置に、そして開いた位置から閉じた位置に移動することができる。
【0052】
このために、封止パネル402を繰り返し開閉した後でも包装材4に封止パネル402を密着させるのに適した接着剤の層が、封止パネル402に備えられている。好ましくは、上に接着剤がない部分を有するタブ403が、指で掴みやすくするために脆弱線を介して封止パネル402の自由端に接続される。
【0053】
好適には、包装箱1はまた、薄い厚紙または他の同様の材料で形成され、包装材4の内部に配置される補強要素5を備える。補強要素5は、一群3のタバコ2を少なくとも部分的に包装するよう形成された略箱状体である。
【0054】
補強要素5は、(その内側の表面が)一群3のタバコに接しており、特に、一群3のタバコ2の少なくとも一部を囲繞するよう一群3のタバコ2の周囲に配置される。
【0055】
実際には、補強要素5は、前壁501と、背面壁502と、二つの側壁503と、前壁501と背面壁502を接続する少なくとも一つの上端部壁504と、を有する。
【0056】
補強要素5は長手方向「A」に沿って延設される。
【0057】
言い換えれば、補強要素5は、機能的に(補強要素5が一群3のタバコ2に連結された場合に)一群3のタバコ2が延設される長手方向と同じである方向に沿って長い。
【0058】
長手方向「A」に関して、補強要素5は第一端部と第二端部とを有する。少なくとも一つの上端部壁504は、一群3のタバコ2の第一領域301に面するよう、補強要素5の第一端部に配置される。
【0059】
好ましくは、補強要素5の前壁501と背面壁502と側壁503は、タバコ2の長手方向全長に対応して延設される。
【0060】
図4および図5を参照して、前壁501と背面壁502と側壁503によって、四つの側部が閉じており一群3のタバコ2を囲繞する補強要素の環状部が構成される。
【0061】
好適には、一群3のタバコ2の第一領域303の非被覆部分303’を形成するよう、一群3のタバコ2の第一領域303を部分的に覆うようタバコ2のタバコ側端部201を面するように、補強要素5の前述の上端部壁504は配置される。
【0062】
語「非被覆」は、覆われていない部分を、したがって包装材4の封止パネル402を単に開けることによってアクセス可能となる部分を意味するよう用いられる。言い換えれば、「非被覆」は補強要素5に関して覆われていないことのみを意味する。
【0063】
どのように非被覆部分が得られるかに関しては、本開示において後で補強要素5を得るための平坦なブランクを説明したときに、明瞭に理解されよう。
【0064】
また非被覆部分303’は包装材4に面する。また、包装材からタバコ2を取り出すための開口部は、一群3のタバコ2の第一領域303の非被覆部分303’と少なくとも部分的に重なるよう配置される。
【0065】
このように、包装材4の封止パネル402を開いた位置に持ち上げることによって、一群3のタバコ2を取り出すよう、ユーザは、一群3のタバコ2の第一領域303の非被覆部分303’にアクセスすることができる。
【0066】
好適には、封止パネル402は、包装材4の開口部を閉じる構成において上端部壁504と少なくとも部分的に重なるよう、形成されるとともに配置される。
【0067】
図2図4および図5に示す実施形態のように、タバコ2がフィルタ203を有するタバコであり、かつフィルタ203がタバコ2の第二端部202に配置される場合、上端部壁504は、タバコ2の先端と、すなわちタバコ端部と接する。
【0068】
言い換えれば、図4および図5に示す実施形態において例示する通り、第一端部201がタバコ側端部となるように、タバコ2の向きが決められている。
【0069】
この構成の目的は、タバコ2が包装箱1から取り出される場合にフィルタ203と接触させないことにある。
【0070】
一群3のタバコ2の第一領域303を部分的に覆うよう配置される少なくとも一つの上端部壁504が備えられているので、ユーザがある程度の力を加えることによって封止パネル402が非被覆部分303’を再び閉じる場合に潰れやすいタバコ2の先端が押し潰されて戻らなくなるのを防止できる利点がある。もし上端部壁504がなければ、その力によって、タバコ2のタバコ先端を破損させてしまう虞がある。
【0071】
言い換えれば、本発明によって、封止パネル402を密着させるのに必要な押し潰し圧力が、一群3のタバコ2の第一領域303に影響せず補強要素5の上端部壁504に加えられるので、封止パネル402が非被覆部分303’を閉じる場合に一群3のタバコ2の第一領域303の形状が潰れてしまうのを防止することができる。
【0072】
好ましくは、添付図面に示す包装箱1の実施形態に関して、補強要素5は、前壁501と背面壁502とを接続するよう配置された二つの上端部壁504を有しており、二つの上端部壁504の間に一群3のタバコ2の第一領域303の非被覆部分303’が形成される。
【0073】
なお、添付図面においては、上端部壁504は長方形または正方形であることを記載しておく。しかしながら、異なる形状も想定できる。
【0074】
さらにより好ましくは、二つの上端部壁504は、補強要素5の側壁503に隣接している側部肩部を構成しているとともに、一群3のタバコ2の第一領域303の対応する両側部バンドを覆うよう配置されている。
【0075】
好ましくは、封止パネル402は、タバコ2を取り出すための開口部を閉じる構成において、それぞれが対応するそれぞれの上端部壁504に載置される側部部分402’を有する。側部部分402’は、必ずしも必須ではないが好ましくは平行である。
【0076】
本発明にかかる包装箱1の一の実施可能な形態において、補強要素5は、図3に示すタイプのブランク6から構成される。
【0077】
好ましくは、ブランク6の形状が平面状で略長方形であり、ブランキングによって一枚の紙または板紙から得られる。
【0078】
好ましくは、ブランク6は、少なくとも第一パネル601および第二パネル602(補強要素5の前壁501および背面壁502にそれぞれ対応しており、また、主長手方向に延設されている)と、一群3のタバコ2の第一領域303を部分的に覆うよう、補強要素5の対応するそれぞれの上端部壁504を構成するために、第一パネル601と第二パネル602とを接続するために配置される少なくとも一つの接続パネル604と、を有する。
【0079】
延設の主長手方向に対して垂直に測定される、接続パネル604の一の寸法は、第一パネル601および第二パネル602より小さい。
【0080】
また好ましくは、補強要素5のそれぞれの側壁503は、前壁501からそして背面壁502から延設される一ペアの側部部分を少なくとも部分的に重ねることにより構成される。このように、ブランク6は、第一ペアおよび第二ペアの側部ウィングを備える。それぞれのペアは、第一パネル601および第二パネル602から延設される。
【0081】
他の実施形態において、ブランク6は、第一パネル601からまたは第二パネル602から延設される一方のペアのみの側部ウィング603で構成することもできる。
【0082】
側部ウィング603はそれぞれ、対応する長手方向折り畳み線605に沿って対応するそれぞれのパネル601,602に連結される。一方、それぞれの側部接続パネル604が、好ましくは長手方向折り畳み線605に垂直である対応する横方向折り畳み線606に沿ってそれぞれの第一パネル601および第二パネル602に連結される。
【0083】
好ましくは、ブランク6は、第一パネル601と第二パネル602とを接続するよう配置される一ペアの接続パネル604を有する。延設の主長手方向に対して垂直に測定される、それぞれの接続パネル604の一の寸法は、第一パネル601および第二パネル602より小さい。
【0084】
二つの接続パネル604は、一群3のタバコ2の第一領域303の非被覆部分303’を形成するブランク6の中央窓部607によって互いから分離される。
【0085】
好適には、ブランク6が折り畳まれると、横方向折り畳み線606によって前壁501と一群のタバコ2の第一領域303が潰れるのを防止する上端部壁504との間に縁505が形成される。詳細には、第一領域303の非被覆部分303’がしたがって封止パネル402が閉じられて、タバコ先端が崩れないよう保護するために構造的な補強が提供される。
【0086】
好ましくは、図3に示す通り、ブランク6の形状が、延設の主長手方向と平行な方向に対して対称である。
【0087】
補強要素5には底壁がない。好適には、以下に説明する方法にかかる包装箱1の生産方法は、部分的に形成された補強要素5内へと補強要素5の底部から一群3のタバコ2を正確に挿入することができる工程を含む。
【0088】
本発明は、長手方向「A」に長い形状であって、タバコ側端部とフィルタ側端部とを有する喫煙品の包装箱1を製造する方法を提供する。
【0089】
方法は、好ましくは上述した特徴の一以上を有するブランク6を準備する工程と、上述したタイプの一群3のタバコ2を準備する工程と、を含む。
【0090】
また方法は、強化ブランク6から補強要素5を構成し、補強要素5を一群3のタバコ2と連結する工程を含む。
【0091】
方法はさらに、タバコは取り出すことができるとともに封止パネル402によって開き再び閉めることができる開口部を有する熱可塑性物質のフィルムを用いて、補強要素5が連結された一群3のタバコ2を収容する気密に封止される包装材4の構成する工程を含む。
【0092】
好適には、補強要素5を形成し、補強要素5を一群3のタバコ2に連結する工程は、
第一領域303の非被覆部分303’を形成するために第一領域303を部分的に覆うよう配置される上端部壁504を接続パネル604が構成するように、ブランク6の接続パネル604を一群3のタバコ2の第一領域303と接するように配置する工程と、
第一パネル601および第二パネル602が互いに平行になるとともに長手方向「A」に沿った向きとなるよう、ブランク6を「U」字状に折り畳む工程と、
補強要素5の側壁503を構成するよう、少なくとも一つの第一ペアの側部ウィング603を折り畳む工程と、
を含む。
【0093】
好適には、包装材4は、一群3のタバコ2と、一群3のタバコ2の第一領域303の非被覆部分303’、すなわち、被覆されない接続パネル604の部分と重なるよう配置されるタバコ2を取り出すための開口部を有する補強要素5と、の周囲に形成される。
【0094】
好ましい実施形態において、第一ペアの側部ウィング603は第一パネル601から延設される。またブランク6は、第二パネル602から延設される第二ペアの側部ウィング603を備えることもできる。その場合、補強要素5の側壁503を構成する工程は、第一ペアの第一側部ウィング603と第二ペアの側部ウィング603とを折り畳んで重ねる工程を含む(方法はまた、第一ペアおよび第二ペアの側部ウィングを互いに接着する工程を含むことができる)。
【0095】
第一ペアの側部ウィング603が第一パネル601から延設される場合、図6に示す通り、補強要素5を形成し補強要素5を一群3の喫煙品2に連結する工程は、
第一パネル601に対してある角度で配置されるよう、第一ペアの側部ウィング603を折り畳む工程と、
第一パネル601に対して直角となるよう接続パネル604を折り畳む工程と、
タバコ側端部201が接続パネル604と接するよう一群3の喫煙品2を押圧する工程であって、押圧力が喫煙品2のフィルタ側端部202に加えられる工程と、
第一パネル601および第二パネル602が互いに平行になるとともに長手方向Aに沿った向きとなるよう、第二パネル602を折り畳む工程と、
を以上に説明した順序で含む。
【0096】
方法のこの実施形態によって、一群3の喫煙品2が接続パネル604と接触するよう押されたときであっても、喫煙品2が互いに並んでいる状態から外れて移動することを確実になくすことができる利点がある。さらに、得られた包装箱1においては、喫煙品2はフィルタ側端部202から押されるが、喫煙品2はタバコ側端部201によって取り出すことができる。このことは、補強要素5の特別な形状によって可能となる。
【0097】
図6は、本発明にかかる包装箱1を製造する方法の一の実施可能な形態の工程を概略的に示している。
【0098】
参照符号100は、強化ブランク6が薄い板紙の連続的なウェブ101から打ち抜かれるパンチステーションを示す。ブランクは、一群3のタバコ2を受けるよう第一脆弱線605および第二脆弱線606に沿って少なくとも部分的に折り畳むように、回転経路102回りに回転する送出ドラム(図示せず)へと送出される。
【0099】
少なくとも部分的に完成したブランク6は、充填ステーション103に配置される。充填ステーション103では、回転経路102に沿って配置される供給ライン104から供給される一群3のタバコ2がそれぞれ、対応する少なくとも部分的に折り畳まれた補強要素5に押し込まれる。
【0100】
完成すると、一群3のタバコ2を収容した補強要素5は、包装材4を補強要素5の周囲に配置する包装ステーション105へと送出され、次に、封止パネル402を貼り付ける貼り付けステーション106へと送出される。
【0101】
この時点おいて、包装箱1を、例えば、硬いヒンジ蓋タイプの包装箱を構成するよう硬い厚紙収容器に挿入することができる。
【0102】
本発明は、従来技術の上述した欠点を克服することにより、そして単に包装材4の封止パネル402を持ち上げることによって一群3のタバコ2の第一領域303の非被覆部分303’にアクセスすることができる非常に実用的な方法で、タバコ側に対応しているタバコ2の第一端部201に面している、タバコ2が領域303から取り出されることを可能にする包装箱1をユーザに提供することおよびその包装箱1を製造する方法を提供することによって、所期の目的を達成する。
【0103】
少なくとも一つの上端部壁504を備えることによって、タバコ2を潰すことなく、封止パネル402を効果的に再び閉じることができる。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6