(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】枝豆選別装置
(51)【国際特許分類】
B07B 1/12 20060101AFI20220809BHJP
B07B 1/46 20060101ALI20220809BHJP
A23N 15/00 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B07B1/12 Z
B07B1/46 K
A23N15/00 F
(21)【出願番号】P 2018082698
(22)【出願日】2018-04-24
【審査請求日】2021-04-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売日 :平成30年2月26 販売場所:山形パック株式会社(山形市花楯二丁目14番60号)
(73)【特許権者】
【識別番号】000143444
【氏名又は名称】株式会社高速
(74)【代理人】
【識別番号】100110722
【氏名又は名称】齊藤 誠一
(72)【発明者】
【氏名】森 智之
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202270661(CN,U)
【文献】特開昭56-155676(JP,A)
【文献】実開昭58-082887(JP,U)
【文献】特開平10-005694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00-15/00
A23N 1/00-17/02
B07C 1/00-99/00
A01D 43/00-43/04
A01D 43/08-46/30
A01D 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枝豆の選別を行う枝豆選別装置において、
投入された枝豆を振動式コンベアによって前方へ搬送する振動台を備え、
前記振動台は、
選別前の枝豆を投入する
メッシュ状の拡散部と、
前記拡散部に連接され、枝豆の選別を行う選別部と、
前記選別部に連接され、選別後の枝豆を搬送する排出部と、
が設けられ、
前記選別部は、複数の丸棒を並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置し、下流側の丸棒の隙間から寸法不良の枝豆を落下させることにより前記選別を行うことを特徴とする枝豆選別装置。
【請求項2】
枝豆の選別を行う枝豆選別装置において、
投入された枝豆を振動式コンベアによって前方へ搬送する振動台を備え、
前記振動台は、
選別前の枝豆を投入する拡散部と、
前記拡散部に連接され、枝豆の選別を行う選別部と、
前記選別部に連接され、選別後の枝豆を搬送する排出部と、
が設けられ、
前記選別部は、複数の丸棒を並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置し、下流側の丸棒の隙間から寸法不良の枝豆を落下させることにより前記選別を行うものであり、
前記振動台の下流側には、前記選別部から落下した寸法不良の枝豆を排出する不良品排出口が備えられることを特徴とする枝豆選別装置。
【請求項3】
枝豆の選別を行う枝豆選別装置において、
投入された枝豆を振動式コンベアによって前方へ搬送する振動台を備え、
前記振動台は、
選別前の枝豆を投入する拡散部と、
前記拡散部に連接され、枝豆の選別を行う選別部と、
前記選別部に連接され、選別後の枝豆を搬送する排出部と、
が設けられ、
前記選別部は、下流側ほど細いテーパー状の複数の丸棒を並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置し、下流側の丸棒の隙間から寸法不良の枝豆を落下させることにより前記選別を行うことを特徴とする枝豆選別装置。
【請求項4】
請求項1
から3の何れか1項に記載の枝豆選別装置において、
前記選別部は、直列に複数配置されていることを特徴とする枝豆選別装置。
【請求項5】
寸法不良の枝豆を振動によって選別する枝豆選別装置の選別部構造であって、
下流側ほど細いテーパー状の複数の丸棒を並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置し、下流側の丸棒の隙間から寸法不良の枝豆を落下させることにより前記選別を行うことを特徴とする枝豆選別装置の選別部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枝豆選別装置に関し、さらに詳しくは、振動式コンベヤを利用した枝豆選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収穫された枝豆から出荷前に不良品を除去する枝豆選別装置が提案されている(特許文献1、2等を参照。)。特許文献1、2に記載の枝豆選別装置は、搬送選別体の全体を搬送方向にかけて傾斜させた姿勢で振動させることにより、枝豆の搬送及び選別を行う装置である。この枝豆選別装置で試みているのは、搬送選別体に並設された複数のV字状ガイド溝を採用し、搬送方向端部に設けられた選別間隙から一粒莢を落下させることである。そのために、この枝豆選別装置では、長さの不足している一粒莢が乗り越えられないような堰(ガイド板9、選別体3)を選別間隙の終端に設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-195971号公報
【文献】特開平05-276916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者等が実験したところ特許文献1、2に開示された枝豆選別装置は枝豆の選別を十分な精度で行うことができず、依然として改善の余地のあることが判明した。
【0005】
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、枝豆の選別を高精度に行うことが可能な振動式コンベヤ利用の枝豆選別装置を提供することを目的とする。
また、振動式コンベヤの巾をコンパクトに収めることが容易な構成の枝豆選別装置を提供することを目的とする。
また、選別判断の閾値を調整することが容易な構成の枝豆選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、枝豆の選別を行う枝豆選別装置において、投入された枝豆を振動式コンベアによって前方へ搬送する振動台を備え、前記振動台は、選別前の枝豆を投入するメッシュ状の拡散部と、前記拡散部に連接され、枝豆の選別を行う選別部と、前記選別部に連接され、選別後の枝豆を搬送する排出部と、が設けられ、前記選別部は、複数の丸棒を並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置し、下流側の丸棒の隙間から寸法不良の枝豆を落下させることにより前記選別を行う枝豆選別装置を提供する。なお、寸法不良の枝豆には、一粒莢の枝豆、未熟莢の枝豆、莢以外の部分(枝など)のうち少なくとも1つが含まれる。
上記課題を解決するために請求項2に記載の発明は、枝豆の選別を行う枝豆選別装置において、投入された枝豆を振動式コンベアによって前方へ搬送する振動台を備え、前記振動台は、選別前の枝豆を投入する拡散部と、前記拡散部に連接され、枝豆の選別を行う選別部と、前記選別部に連接され、選別後の枝豆を搬送する排出部と、が設けられ、前記選別部は、複数の丸棒を並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置し、下流側の丸棒の隙間から寸法不良の枝豆を落下させることにより前記選別を行うものであり、前記振動台の下流側には、前記選別部から落下した寸法不良の枝豆を排出する不良品排出口が備えられる枝豆選別装置を提供する。
上記課題を解決するために請求項3に記載の発明は、枝豆の選別を行う枝豆選別装置において、投入された枝豆を振動式コンベアによって前方へ搬送する振動台を備え、前記振動台は、選別前の枝豆を投入する拡散部と、前記拡散部に連接され、枝豆の選別を行う選別部と、前記選別部に連接され、選別後の枝豆を搬送する排出部と、が設けられ、前記選別部は、下流側ほど細いテーパー状の複数の丸棒を並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置し、下流側の丸棒の隙間から寸法不良の枝豆を落下させることにより前記選別を行う枝豆選別装置を提供する。
【0007】
上記課題を解決するために請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の枝豆選別装置において、前記選別部は、直列に複数配置されていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項5に記載の発明は、寸法不良の枝豆を振動によって選別する枝豆選別装置の選別部構造であって、下流側ほど細いテーパー状の複数の丸棒を並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置し、下流側の丸棒の隙間から寸法不良の枝豆を落下させることにより前記選別を行うことを特徴とする枝豆選別装置の選別部構造を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る枝豆選別装置によれば、振動台の選別部に複数の丸棒が並列配置されるので、それら丸棒の配列がガイド溝の働きをし、搬送中の枝豆を整列させることができる。そして、互いに隣接する丸棒の下流側の高さに差異が設けられるので、互いに隣接する丸棒の間には、下流側にかけて徐々に大きくなる高さ方向の隙間が形成される。従って、互いに隣接する丸棒は、搬送中の枝豆に混在している寸法不良の枝豆(一粒莢の枝豆、未熟莢の枝豆、莢以外の部分(枝など))を、寸法の小さい順に落下させて排除できるという効果がある。しかも、互いに隣接する丸棒の間に、下流側に向かって拡大する高さ方向の隙間を確保したので、丸棒の巾方向の隙間を拡大せずとも確実に選別効果が得られるという利点がある。更に、互いに隣接する丸棒の下流側の高さの差を調節するだけで、排除すべき寸法不良の枝豆の最大寸法、すなわち選別判断の閾値を、容易に調節できるという利点もある。
【0013】
また、少なくとも2つの選別部(ここでは、上流側選別部及び下流側選別部という。)が隙間を介して直列に配置された場合には、上流側選別部で排除しきれなかった寸法不良の枝豆を下流側選別部手前の隙間で排除できる共に、その隙間で排除しきれなかった寸法不良の枝豆を、下流側選別部における丸棒の隙間で排除できるという効果がある。
【0014】
また、拡散部をメッシュ状とした場合には、選別部に導入される前の時点で、選別前の枝豆を広範囲に拡散しつつ、不要物(砂等)を排除できるという効果がある。
【0015】
また、振動台の下流端側に不良品排出口を備えた場合には、寸法不良の枝豆を纏めて排出できるという効果がある。
【0016】
また、丸棒を下流側ほど細いテーパー状とした場合には、選別部の丸棒間に生じる隙間の上流側と下流側との差を容易に拡大できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る枝豆選別装置の一実施形態を含むシステムの側面図である。
【
図2】
図1に示す枝豆選別装置を含むシステムの上面図である。
【
図5】(A)は選別部の概略側面図、(B)は選別部の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る枝豆搬装置について、好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。
[システム構成]
図1は、本発明に係る枝豆選別装置の一実施形態を含むシステムの側面図であり、
図2は、
図1に示す枝豆選別装置を含むシステムの上面図である。
図1、
図2において符号Fで示す方向が枝豆の搬送方向(前方)である(他の図においても同様である。)。
図1、
図2に示すとおり、本実施形態のシステム1には、搬送方向Fの上流側から順に、振動式コンベヤを利用して寸法不良の枝豆を排除する枝豆選別装置10と、色彩不良の枝豆を排除する色彩選別装置20と、選別後の良品の枝豆を搬送する傾斜コンベヤ30及び目視選別用コンベヤ40とが直列配置されている。なお、「寸法不良の枝豆」には、一粒莢の枝豆、未熟莢の枝豆、莢以外の部分(枝など)のうち少なくとも1つが含まれる。但し、本実施形態のシステム1では、未選別の枝豆から選別により一粒莢の枝豆、未熟莢の枝豆、莢以外の部分(枝など)を逐次に排除し、残りの枝豆(最終的には良品の枝豆)を搬送する。
【0019】
[枝豆選別装置の構成]
図3は、枝豆選別装置10の側面図である。
図3に示すとおり、枝豆選別装置10には、概略として、床面などのベースに設置されるフレーム11と、振動台であるトラフ12と、フレーム11に固定され、かつフレーム11を介してトラフ12を振動させる振動用モータ13と、振動用モータ13を制御する制御装置14と、フレーム11とトラフ12の間に介設された加振用の板バネ15と、フレーム11に連結され、かつトラフ12を振動可能に支持するヒンジアーム16を備えている。
【0020】
以上の構成において、制御装置14が振動モータ13を駆動すると、振動モータ13の加振力は板バネ15を介してトラフ12へ伝達され、トラフ12が振動する。トラフ12が振動する方向は、板バネ15が撓む方向であって、搬送方向Fを前方とした前方斜め上方向F’である。よって、トラフ12に載った枝豆は、前方斜め上方向F’への跳躍後に落下するという運動を、振動の周期と同じ周期で繰り返す。これによって、トラフ12に載った枝豆が搬送方向Fに向かって逐次に搬送される。
【0021】
なお、トラフ12の上段部12Aの下流端には良品排出口17が形成され、トラフ12の下段部12Bの下流側には、トラフ12の上段部12A(後述する選別部122、123)から落下した寸法不良の枝豆を排出する不良品排出口18が設けられている。
[トラフ上段部の構成]
【0022】
図4は、枝豆選別装置10の平面図である。枝豆選別装置10は、前述したとおり投入された枝豆を振動式コンベアによって前方へ搬送する振動台としてのトラフ12を備える。トラフ12の上段部12Aには、上流側から順に、選別前の枝豆が投入されるメッシュ状の拡散部121と、拡散部121に連接され、かつ枝豆の選別を行う複数の選別部(ここでは2つの選別部122、123とする。)と、2つの選別部122、123に連接され、かつ選別後の枝豆を色彩選別装置20の側へ搬送する平板状の排出部124とが設けられる。本実施形態では2つの選別部122、123を設けているが、1つでも或いは3つ以上設けることもできる。なお、トラフ12の拡散部121へ投入される枝豆(選別前の枝豆)は、基本的には収穫後に枝から分離されたものであって、色彩不良の枝豆や寸法不良の枝豆を含んでいる。
【0023】
トラフ12に備えられた上流側の選別部122と下流側の選別部123とは、寸法不良の枝豆(例えば一粒莢の枝豆)をトラフ12の下段部12Bへ落下させるための隙間Gを介して直列に配置されている。なお、図示された例では選別部122と選別部123との間に短冊状の平板125が配置されており、平板125と選別部122の間には隙間Gが設けられている(平板125の搬送方向の長さは36mm程度又はそれより大きく設定することができる。)。また、下流側の選別部123と排出部124との連接部にも、寸法不良の枝豆(例えば一粒莢の枝豆)をトラフ12の下段部12Bへ落下させるための隙間Gが設けられている。また、拡散部121と選別部122との連接部、平板125と選別部123との連接部の隙間は僅かであり、寸法不良の枝豆を落下させるための隙間Gよりも狭く5mm程度である。なお、拡散部121は、耐食性の高い材質、例えばステンレス製のパンチング板であり、平板125及び排出部124は、耐食性の高い材質、例えばステンレス製の平板である。また、選別部122、123の詳細については下述する。
[選別部の構成]
【0024】
図5(A)は選別部の概略側面図、(B)は選別部の概略平面図であり、ここでは上流側の選別部122を示している。下流側の選別部123の構成は、上流側の選別部122の構成と基本的に同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0025】
図5(A)及び
図5(B)に示すとおり、選別部122は、搬送方向Fにかけて長い複数の丸棒100(ここでは9本の丸棒100とする。)を水平方向(方向W)に等間隔に並列配置すると共に、上流側の高さ位置は均一とし、下流側の高さを交互に変えて配置している。隣り合う丸棒100の水平方向における間隔は枝豆を搬送する際に少なくとも良品の枝豆が落下しないような幅間隔とされている。このような選別部122は、互いに隣接する丸棒100の隙間で枝豆を整列・搬送しつつ、下流側の丸棒100を高さ方向にずらした隙間から寸法不良の枝豆(例えば枝、未熟莢の枝豆)を、トラフ12の下段部12Bへ落下させることによっても枝豆の選別を行う。なお、9本の丸棒100A,100Bの各々の材質は、耐食性の高い材質、例えばステンレスが用いられている。また、丸棒100A,100Bの数は9本に限るものではなく、適宜の数を設けることができる。
【0026】
図5(A)、(B)に示すとおり、9本の丸棒100の各々は、例えば固定用ボルト10c及び不図示のナットなどによってトラフ12に固定されているが、9本の丸棒100のうち奇数番目に配置された5本の丸棒100Bは水平面Pに沿うような姿勢で配置され、9本の丸棒100のうち偶数番目に配置された4本の丸棒100Aは、丸棒100Bの中心部を長手方向に延びる仮想的な中心線である軸線に対し、基端側に配置された固定用ボルト10cの位置においてトラフ12の巾方向Wに延びる仮想的な直線との交点Oを基準として角度θだけ丸棒100Bを傾斜させた姿勢で配置されている。そして、傾斜角度θは、丸棒100A,100Bの長さにもよるが、例えば、長さ約300mmの場合には下流側端における端面の中心位置は丸棒100Bに対して丸棒100Aは約8mm高く配置されている。また、丸棒100A、100Bの各々は、下流側へ行くに従って次第に細くなったテーパー状、すなわち円錐形状とすることもできる。但し、
図5ではテーパーを不図示としている。
[実施形態の効果]
【0027】
上述した枝豆選別装置10では、トラフ12の選別部122、123の各々に複数の丸棒100が並列に配置されているので(
図4参照)、それら複数の丸棒100の配列がガイド溝の働きをし、搬送中の枝豆の姿勢を整えることができる。枝豆の整った姿勢とは、莢粒の並び方向(2以上の粒数莢の枝豆の長手方向)が搬送方向Fに一致するような姿勢のことである。)。そして本実施形態の選別部122、123では、互いに隣接する丸棒100A、100Bの下流側の高さに差異が設けられるので(
図5(A))、互いに隣接する丸棒100A、100Bの間には、下流側にかけて徐々に大きくなる高さ方向の隙間が形成される。従って、互いに隣接する丸棒100A、100Bの隙間は、搬送中の枝豆に混在している寸法不良の枝豆(一粒莢の枝豆、未熟莢の枝豆、莢以外の部分(枝など))を、寸法の小さい順にトラフ12の下段部12Bへ落下させて排除することができる。しかも、互いに隣接する丸棒100A、100Bの間には、下流側に向かって拡大する高さ方向の隙間が確保されるので(
図5(A))、丸棒100A、100Bの巾方向Wの隙間を拡大せずとも確実に選別効果が得られるという利点がある。更に、本実施形態では、互いに隣接する丸棒100A、100Bの下流側の高さの差を調節するだけで、排除すべき寸法不良の枝豆の最大寸法、すなわち選別判断の閾値を、容易に調節できるという利点もある。
【0028】
また、本実施形態では、上流側の選別部122と下流側の選別部123とが平板125及び隙間Gを介して直列に配置されるので(
図4参照)、これら選別部122、123の間での枝豆の詰まりを防ぐことができる。また、上流側の選別部122で排除しきれなかった寸法不良の枝豆(例えば一粒莢)を下流側の選別部123の手前の隙間Gで排除できる共に、その隙間Gで排除しきれなかった寸法不良の枝豆(例えば未熟莢)を、下流側の選別部123における丸棒100の隙間で排除できるという効果がある。
【0029】
また、本実施形態では、拡散部121はメッシュ状であるので(
図4参照)、選別部122に導入される前の時点で、選別前の枝豆を広範囲に拡散しつつ、不要物(砂等)を排除できるという効果がある。
【0030】
また、本実施形態では、トラフ12の下段12Bの下流端側(排出部124)に不良品排出口18が備えられるので(
図3参照)、寸法不良の枝豆を纏めて排出できるという効果がある。
【0031】
また、本実施形態では、丸棒100を下流側ほど細いテーパー状としたので、丸棒100A、100Bの間に生じる隙間の上流側と下流側との差を容易に拡大できるという効果がある。
[実施例]
【0032】
以下、本実施形態の実施例を示す。
トラフ12の巾:254mm
丸棒100の長さ:295mm
丸棒100の上流端の径:13mm
丸棒100の下流端の径:12mm
巾方向Wにおける丸棒100の配列ピッチ:均一
丸棒100の巾方向Wの配列数:13
丸棒100の上流端から軸線Oまでの距離:40mm
互いに隣接する丸棒100A、100Bの下流端での高低差:8mm
[実験結果]
【0033】
以下、本実施例による選別の条件及び実験結果を示す。
原料:約53kg
実施例による選別:5.5kg
色選別:9.3kg
特許文献1、2の装置による選別:1.6kg
人選別(3人):6.5kg
寸法不良の枝豆の合計:22.9kg
良品(包装品)計 250g×120P=30kg
良品率:57%
但し、実験では、丸棒100A、100Bにテーパー状の丸棒を使用した。
[振動パターン制御についての補足]
【0034】
なお、上述した実施形態においては、制御装置14が振動用モータ13の振動数及び振幅の少なくとも1つを適切に制御することにより、枝豆の搬送速度、選別速度を高めることも可能である。
[傾斜角度調整についての補足]
【0035】
また、上述した実施形態においては、丸棒100A、100Bの傾斜角度差を調節可能とすることで、選別判断の閾値(排除される寸法不良の枝豆の最大寸法)を容易に調節することができる。なお、傾斜角度差の調節をするために、例えば、丸棒100A、100Bの少なくとも一方の下流側の固定用ボルト100Cの先端側に、高さ調整用のアジャスタを設けてもよい。
[不良品分別についての補足]
【0036】
また、上述した実施形態においては、選別部123における丸棒100A、100Bの傾斜角度差と、選別部122における当該傾斜角度差とをそれぞれ適切に調整することで、選別部123で排除される寸法不良の枝豆の最大寸法と、選別部122で排除される寸法不良の枝豆の最大寸法とをそれぞれ設定することができる。また、本実施形態においては、上流側の選別部122と下流側の選別部123との隙間Gを適切に調整することで、当該隙間Gで排除される寸法不良の枝豆の最大寸法を設定することができる。そして、これら各部の調整により、例えば、上流側の選別部122の互いに隣接する丸棒100の隙間から主に枝を落下させ、選別部122と選別部123の隙間Gから主に一粒莢を落下させ、下流側の選別部123の互いに隣接する丸棒100の隙間から主に未熟莢を落下させることもできる。なお、上記実施例によると、これを実現することができる。
[丸棒断面についての補足]
【0037】
また、上述した実施形態においては、選別部122、123に備わる複数の丸棒100の少なくとも1つの断面形状は、真円形に限定されることはなく、楕円形であってもよいし、円形に近い多角形(正五角形、正六角形、正八角形、正十二角形など)であってもよい。
[選別部の数についての補足]
【0038】
また、上述した実施形態においては、トラフ12の上段部12Aに直列配置される選別部の数は1であってもよいし、3以上であってもよい。選別部の数を増やすことで選別精度の向上を図ることができる。
[振動コンベヤについての補足]
【0039】
また、上述した実施形態において、振動式コンベヤの構成としては、公知のいずれかの振動式コンベヤの構成を採用することが可能である。例えば、板バネ14の代わりにコイルスプリングを用いることも可能であるし、フレーム11に防振機能を搭載することも可能である。
[他の実施の形態]
【0040】
その他、本発明は、上記実施形態又は実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 システム
10 枝豆選別装置
11 フレーム
12 トラフ
13 振動用モータ
14 制御装置
15 板バネ
16 ヒンジアーム
17 良品排出口
18 不良品排出口
20 色彩選別装置
30 傾斜コンベヤ
40 目視選別用コンベヤ
100A 丸棒
100B 丸棒
100C 固定用ボルト
121 拡散部
122 選別部
123 選別部
125 平板
P 水平面
O 軸線
θ 傾斜角度
F 搬送方向
F’ 振動方向
W 巾方向