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特許7120804機器、表示体用部品及び表示体の固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】機器、表示体用部品及び表示体の固定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20220809BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
H05K5/02 A
G09F3/10 A
G09F3/10 J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018094489
(22)【出願日】2018-05-16
(65)【公開番号】P2019201096
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】相見 悟
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-39902(JP,A)
【文献】特開2004-99807(JP,A)
【文献】特開平5-330276(JP,A)
【文献】特開平9-114383(JP,A)
【文献】特開平11-282988(JP,A)
【文献】特開2000-160117(JP,A)
【文献】特開2002-104505(JP,A)
【文献】特開2002-319279(JP,A)
【文献】特開2007-65176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
G09F 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体と表示体用部品を有し、
前記表示体用部品は、
表示面と、当該表示面と反対側の面上に形成された粘着層を有する表示体と、
前記粘着層の全体を覆うように、剥離可能に前記粘着層上に貼付された剥離シートとを有し、
前記機器本体は、前記表示体が固定される被固定面を有し、
前記表示体用部品は、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されており、
前記表示体用部品は、前記剥離シートと前記機器本体の前記被固定面との間に配置した粘着体の粘着力によって、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されており、
前記粘着体の前記剥離シート側の粘着力は、当該粘着体の前記被固定面側の粘着力よりも大きいことを特徴とする機器。
【請求項2】
機器本体と表示体用部品を有し、
前記表示体用部品は、
表示面と、当該表示面と反対側の面上に形成された粘着層を有する表示体と、
前記粘着層を少なくとも部分的に覆うように、剥離可能に前記粘着層上に貼付された剥離シートとを有し、
前記機器本体は、前記表示体が固定される被固定面を有し、
前記表示体用部品は、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されており、
前記機器本体は、前記表示体および前記表示体用部品を複数の向きのうちの任意の向きで嵌め込むことのできる、底面が前記被固定面となる窪みを有し、
前記表示体用部品は、前記窪みに嵌め込まれた形態で、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されていることを特徴とする機器。
【請求項3】
機器本体と表示体用部品を有し、
前記表示体用部品は、
表示面と、当該表示面と反対側の面上に形成された粘着層を有する表示体と、
前記粘着層を少なくとも部分的に覆うように、剥離可能に前記粘着層上に貼付された剥離シートとを有し、
前記機器本体は、前記表示体が固定される被固定面を有し、
前記表示体用部品は、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されており、
前記剥離シートは、前記粘着層の一部が露出するように当該粘着層を部分的に覆っており、
前記表示体用部品は、前記粘着層の露出した部分の粘着力によって、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に前記剥離シートと共に取り外し可能に貼付されており、
前記機器本体は、前記表示体および前記表示体用部品を複数の向きのうちの任意の向きで嵌め込むことのできる、底面が前記被固定面となると共に照明光の出射面となる窪みを有し、
前記表示体が前記複数の向きのいずれかの向きで前記窪みに嵌め込まれ、当該表示体が、前記機器本体の前記被固定面と当該表示体との間に前記剥離シートを介在させない形態で、直接、前記粘着層の粘着力によって前記被固定面に貼付された状態である最終固定状態において、当該表示体は、前記被固定面から出射された照明光を前記表示面上に所定の発光パターンが形成されるように部分的に前記表示面外まで透過し、
前記剥離シートは、前記表示体用部品を前記被固定面に取り外し可能に貼付したときに、前記最終固定状態において前記所定の発光パターンを形成する光が通る可能性のある前記被固定面の部分に重なる前記粘着層の部分が露出しないように当該粘着層を部分的に覆っていることを特徴とする機器。
【請求項4】
請求項1記載の機器であって、
前記機器本体は、前記表示体および前記表示体用部品を複数の向きのうちの任意の向きで嵌め込むことのできる、底面が前記被固定面となると共に照明光の出射面となる窪みを有し、
前記表示体が前記複数の向きのいずれかの向きで前記窪みに嵌め込まれ、当該表示体が、前記機器本体の前記被固定面と当該表示体との間に前記剥離シートを介在させない形態で、直接、前記粘着層の粘着力によって前記被固定面に貼付された状態である最終固定状態において、当該表示体は、前記被固定面から出射された照明光を前記表示面上に所定の発光パターンが形成されるように部分的に前記表示面外まで透過し、
前記粘着体は、前記表示体用部品を前記被固定面に取り外し可能に貼付したときに、前記最終固定状態において前記所定の発光パターンを形成する光が通る可能性のある前記被固定面の部分に重ならないように配置されていることを特徴とする機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示体を機器に固定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロゴプレート等の表示体を機器に固定する技術としては、機器の縦置き/横置きの使用形態に関わらずに表示体を正立させることができるように、表示体を機器に回転可能に連結する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-13896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した、表示体を回転可能に機器に固定する技術によれば、表示体を機器に対して回転可能とする特段の構造や機構を表示体や機器に設ける必要がある。
一方、表示体を機器に固定する手法としては、表示体を粘着により機器に固定する手法が最も簡便で安価な手法である。
しかし、機器の出荷時に表示体を粘着により、縦置き/横置きで使用可能な機器に固定してしまうと、機器の縦置き/横置きの使用形態によっては表示体を正立させることができなくなってしまうことがある。
【0005】
そこで、表示体を機器に固定せずに機器に同梱して出荷し、使用者において、機器の縦置き/横置きの使用形態に応じた向きで、表示体を機器に粘着して固定することが考えられる。
【0006】
しかし、このようにすると、使用者が表示体の機器への固定を失念し、表示体の無い状態で機器を使用してしまうことがあり、このことによる問題が生じる場合がある。
すなわち、たとえば、表示体が機器のブランドのロゴを表示したロゴプレートであり、使用者が機器の販売店であり、販売店が機器をロゴプレートを固定せずに展示してしまった場合には、ブランドの宣伝機会の喪失や、機器の美観が損なわれることによる機器の訴求力の低下が生じてしまうことがある。
【0007】
そこで、本発明は、使用者が所望の向きで表示体を粘着により機器本体に固定可能としつつ、使用者の表示体の機器本体への固定の失念を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題達成のために、本発明は、機器本体と表示体用部品を有する機器を提供する。ここで、前記表示体用部品は、表示面と、当該表示面と反対側の面上に形成された粘着層を有する表示体と、前記粘着層を少なくとも部分的に覆うように、剥離可能に前記粘着層上に貼付された剥離シートとを備え、前記機器本体は、前記表示体が固定される被固定面を備えている。そして、前記表示体用部品は、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されている。
【0009】
ここで、このような機器は、前記表示体用部品の剥離シートは、前記表示面と反対側の面の外側に突出した部分であるベロ部を備えたものとすることが好ましい。
また、以上の機器は、前記剥離シートが、前記粘着層の一部が露出するように当該粘着層を部分的に覆うものであり、前記表示体用部品が、前記粘着層の露出した部分の粘着力によって、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されているものであってもよい。
【0010】
また、以上の機器は、前記剥離シートが、前記粘着層の全体を覆うものであり、前記表示体用部品が、前記剥離シートと前記機器本体の前記被固定面との間に配置した粘着体の粘着力によって、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されているものであってもよい。
【0011】
また、以上の機器は、前記機器本体が、前記表示体および前記表自体用部品を複数の向きのうちの任意の向きで嵌め込むことのできる、底面が前記被固定面となる窪みを有するものであり、前記表示体用部品が、前記窪みに嵌め込まれた形態で、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付されているものであってもよい。
【0012】
ここで、上記した前記剥離シートが、前記粘着層の一部が露出するように当該粘着層を部分的に覆うものである機器は、前記機器本体が、前記表示体および前記表自体用部品を複数の向きのうちの任意の向きで嵌め込むことのできる、底面が前記被固定面となると共に照明光の出射面となる窪みを有するものとしてもよい。また、この場合、前記表示体が前記複数の向きのいずれかの向きで前記窪みに嵌め込まれ、当該表示体が、前記機器本体の前記被固定面と当該表示体との間に前記剥離シートを介在させない形態で、直接、前記粘着層の粘着力によって前記被固定面に貼付された状態である最終固定状態において、当該表示体は、前記被固定面から出射された照明光を前記表示面上に所定の発光パターンが形成されるように部分的に前記表示面外まで透過するものとしてもよい。そして、この場合には、前記剥離シートは、前記表示体用部品を前記被固定面に取り外し可能に貼付したときに、前記最終固定状態において前記所定の発光パターンを形成する光が通る可能性のある前記被固定面の部分に重なる前記粘着層の部分が露出しないように当該粘着層を部分的に覆うようにすることが好ましい。
【0013】
また、上記した前記剥離シートと前記機器本体の前記被固定面との間に粘着体を配置した機器は、前記機器本体が、前記表示体および前記表自体用部品を複数の向きのうちの任意の向きで嵌め込むことのできる、底面が前記被固定面となると共に照明光の出射面となる窪みを有するものとしてもよい。また、この場合、前記表示体が前記複数の向きのいずれかの向きで前記窪みに嵌め込まれ、当該表示体が、前記機器本体の前記被固定面と当該表示体との間に前記剥離シートを介在させない形態で、直接、前記粘着層の粘着力によって前記被固定面に貼付された状態である最終固定状態において、当該表示体は、前記被固定面から出射された照明光を前記表示面上に所定の発光パターンが形成されるように部分的に前記表示面外まで透過するものとしてもよい。そして、この場合には、前記粘着体は、前記表示体用部品を前記被固定面に取り外し可能に貼付したときに、前記最終固定状態において前記所定の発光パターンを形成する光が通る可能性のある前記被固定面の部分に重ならないように配置することが好ましい。
【0014】
また、併せて本発明は、表示面と、当該表示面と反対側の面上に形成された粘着層を有する表示体と、前記粘着層の一部が露出するように当該粘着層を部分的に覆う、剥離可能に前記粘着層上に貼付された剥離シートとを有することを特徴とする表示体用部品を提供する。
【0015】
また、本発明は、表示面と、当該表示面と反対側の面上に形成された粘着層を有する表示体と、前記粘着層の覆う、剥離可能に前記粘着層上に貼付された剥離シートと、前記剥離シートの前記粘着層と反対側の面に配置された粘着体とを有することを特徴とする表示体用部品も提供する。
【0016】
また、併せて本発明は、表示面と、当該表示面と反対側の面上に形成された粘着層を有する表示体を、機器の被固定面に固定する表示体の固定方法として、前記表示体と、前記粘着層を少なくとも部分的に覆うように、剥離可能に前記粘着層上に貼付された剥離シートとを備えた表示体用部品を、前記機器本体の前記被固定面と前記表示体との間に前記剥離シートが介在する形態で、前記機器本体の前記被固定面に取り外し可能に貼付するステップと、前記表示体用部品を、前記機器本体の前記被固定面から取り外すステップと、前記表示体から前記剥離シートを剥離するステップと、前記剥離シートを剥離した前記表示体の前記表示面と反対側の面を前記機器本体の前記被固定面に押し当てて、前記粘着層の粘着力によって当該表示体を前記機器本体の前記被固定面に固定するステップとを有する表示体の固定方法も提供する。
【0017】
以上のような機器や、表示体用部品や、表示体の固定方法によれば、表示体の粘着面を少なくとも部分的の覆う剥離シートを備えた表示体用部品を、機器本体に取り外し可能に貼付して出荷するので、機器の使用者は、表示体用部品を機器本体から取り外して、剥離シートを剥離した上で、表示体を、任意の向きで、粘着層の粘着力によって機器本体に固定することができるようになる。また、機器本体と表示体用部品が一体として出荷されるので、使用者が表示体用部品を見落として、表示体の機器本体への固定を失念してしまうことを防止することができる。また、上述したベロ部を設けた場合には、外観に表れるベロ部の存在により、使用者は表示体用部品が仮止めの状態であることを認識できるので、表示体用部品を仮止めのまま使用してしまうことも防止できる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、使用者が所望の向きで表示体を粘着により機器本体に固定可能としつつ、使用者の表示体の機器本体への固定の失念を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る機器とロゴプレートを示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るロゴプレート用部品を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るロゴプレートの固定手順を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るロゴプレート用部品の他の構成例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係るロゴプレート用部品の他の構成例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係るロゴプレート用部品の他の構成例と固定手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るロゴプレートと機器本体との関係を示す。
図1aに示すように、ロゴプレート1の上下左右前後を定めるものとして、ロゴプレート1は、上面にブランドのロゴが表されたプレートであり、ロゴプレート1の下面には粘着材の層である粘着層が設けられている。
【0021】
次に、図1bに示すように、機器本体2は、たとえば、オーディオパワーアンプなどの電子機器であり、機器本体2の筐体の一つの面にはロゴプレート1を嵌め込むための窪みである凹部21が設けられている。
【0022】
ここで、凹部21は、ロゴプレート1を少なくとも縦向きと横向きのいずれでも嵌め込むことができる形状を備えている。すなわち、図示した例では、ロゴプレート1の前後左右方向の形状と凹部21の開口の形状の双方を正方形として、ロゴプレート1を90度ずつ異なる4つの向きで機器本体2の凹部21に嵌め込むことができるようになっている。
【0023】
次に、機器本体2は、縦向きと横向きのいずれでも使用可能であり、使用者は、図1c、dに示すように、機器本体2を使用する向きに応じて、ロゴプレート1の向きをロゴが正立して視認される向きに設定した上で、機器本体2の凹部21に嵌め込み、ロゴプレート1の裏面の粘着層を用いて、ロゴプレート1を機器本体2に固定することができる。
【0024】
次に、図2に、本実施形態に係るロゴプレート用部品を示す。
図2aはロゴプレート用部品の後面を表し、図2bはロゴプレート用部品の左側面を表し、図2cはロゴプレート用部品の上面を表し、図2dはロゴプレート用部品の右側面を表し、図2eはロゴプレート用部品の下面を表す。なお、ロゴプレート用部品の前面は後面と同様に現れる。
【0025】
また、図2fは図2eの断面線AAによる断面を表し、図2gは図2eの断面線BBによる断面を表している。
図示するように、ロゴプレート用部品は、下面に粘着層11を有するロゴプレート1の下面に、粘着層11をほぼ覆うように、剥離シート3を粘着層11の粘着力によって貼付したものである。ただし、剥離シート3の粘着層11と当接する面は剥離材の層となっており、剥離シート3はロゴプレート1から比較的弱い力で剥離することができる。
【0026】
また、剥離シート3は、上下方向にみてロゴプレート1から側方(図では右方)に突出したベロ部31を備えている。
そして、剥離シート3の上下方向にみてロゴプレート1と重なる範囲内の一部は、剥離シート3の不在部分である切欠部32となっており、この切欠部32の内側において、ロゴプレート1の下面の粘着層11の一部が露出している。すなわち、図示した例では、剥離シート3の上下方向にみてロゴプレート1と重なる範囲の中央に小領域の孔を切欠部32として設け、ロゴプレート1の下面の粘着層11の中央部分の小領域が露出するようにしている。
【0027】
次に、本実施形態に係るロゴプレート1の機器本体2への固定の手順について説明する。
まず、機器本体2の出荷は、図3a1、a2に示すように、ロゴプレート用部品を剥離シート3ごと、機器本体2の凹部21に嵌め込んで、剥離シート3の切欠部32の内側に露出しているロゴプレート1の下面の粘着層11の部分の粘着力によって機器本体2に粘着させることにより、ロゴプレート用部品を機器本体2に仮固定した状態で行う。
【0028】
出荷された機器本体2を使用する使用者は、使用開始前に、図3b1、b2に示すように、機器本体2に仮固定されているロゴプレート用部品の剥離シート3のベロ部31を機器本体2から引き上げることにより、ロゴプレート用部品を機器本体2から取り外す。ここで、剥離シート3の切欠部32は、切欠部32の内側に露出している粘着層11の部分の粘着力が、ロゴプレート用部品が通常の振動によっては機器本体2から脱落せず、かつ、ベロ部31の引き上げによって、比較的容易にロゴプレート用部品を機器本体2から取り外すことができる粘着力となるサイズに設定する。
【0029】
そして、次に使用者は、図3cに示すように、剥離シート3のベロ部31をロゴプレート1から離れる方向に引いて、剥離シート3をロゴプレート1から取り外す。
そして、図3dに示すように剥離シート3が取り外された状態となったロゴプレート1を、図3eに示すように、機器本体2の凹部21に嵌め込み、ロゴプレート1の裏面の粘着層11を用いて、ロゴプレート1を機器本体2に固定する。
【0030】
ここで、このとき使用者は、先に説明した通り、図3f1、f2に示すように、機器本体2を使用する向きに応じて、ロゴが正立して視認される向きにロゴプレート1の向きを設定して、機器本体2の凹部21に嵌め込み、ロゴプレート1の裏面の粘着層11を用いて、ロゴプレート1を機器本体2に固定する。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、図4aに示すように、機器本体2が、内部の光源から凹部21の底に配置したシートレンズ22を介して照明光を出射するものであり、ロゴプレート1が、機器本体2の凹部21に固定された状態において、図4bに示すように、凹部21の底から入射する照明光のロゴのパターンを通る部分を透過させることにより、ロゴを光らせるものである場合、図4cに示す、凹部21の底のシートレンズ22のロゴプレート1を透過する光が通る可能性のある部分221は異物が付着しないようにする必要がある。
【0032】
また、凹部21の底のシートレンズ22への異物の付着は、ロゴプレート用部品を機器本体2の凹部21に仮固定したときの、剥離シート3の切欠部32の内側に露出しているロゴプレート1の下面の粘着層11の部分の粘着材のシートレンズ22への付着に起因して生じ得る。
【0033】
そこで、このような場合には、たとえば、図4dに示すように、剥離シート3の切欠部32は、ロゴプレート1の固定時に凹部21の底のシートレンズ22のロゴプレート1を透過する光が通る可能性のある部分221に重ならないように設ける。
【0034】
なお、凹部21の底のシートレンズ22のロゴプレート1を透過する光が通る可能性のある部分221は、図4e1、e2、e3、e4に示すように、凹部21にロゴプレート1を嵌め込める各向きについて、当該向きにロゴプレート1を嵌め込んだときにシートレンズ22のロゴプレート1を透過する光が通る部分222の和となる。
【0035】
さて、剥離シート3の切欠部32は、図2図4に示した配置や形状以外にも様々の配置や形状とすることができる。
すなわち、たとえば、図5aに示すように切欠部32を十字状に設けたり、図5bに示すように切欠部32を矩形状に設けたり、図5cに示すように切欠部32を同心円状に設けたり、図5dに示すように切欠部32を1または複数の線状に設ける等してよい。
【0036】
また、ロゴプレート用部品は、図5e1に示すように粘着層11の全体が剥離シート3で覆われ、かつ、切欠部32を覆う剥離シート3の部分34が剥離シート3の他の部分と分離している状態で製作し、機器本体2への仮固定時に、図5e2に示すように剥離シート3の切欠部32を覆う部分のみを剥離することにより切欠部32が形成されるようにしてもよい。
【0037】
さて、ここで、以上の実施形態では、ロゴプレート用部品の機器本体2への仮固定を剥離シート3の切欠部32の内側に露出しているロゴプレート1の下面の粘着層11の部分221の粘着力により行ったが、これは、剥離シート3に切欠部32を設けずに、剥離シート3の下面に両面粘着テープや粘着材などの粘着部材を設けることにより、ロゴプレート用部品の機器本体2への仮固定を行うようにしてもよい。
【0038】
ここで、このように剥離シート3の下面に粘着部材として両面粘着テープを設けたロゴプレート用部品を図6a、b、c、d、eに示す。
図6aはロゴプレート用部品の後面を表し、図6bはロゴプレート用部品の左側面を表し、図6cはロゴプレート用部品の上面を表し、図6dはロゴプレート用部品の右側面を表し、図6eはロゴプレート用部品の下面を表す。なお、ロゴプレート用部品の前面は後面と同様に現れる。
【0039】
図示するように、このロゴプレート用部品では、剥離シート3に切欠部32を設けずに、剥離シート3の下面の、上下方向に見てロゴプレート1と重なる位置に両面粘着テープ33を貼り付けている。
【0040】
このようなロゴプレート用部品によっても、図6f1に示すように、ロゴプレート用部品を機器本体2の凹部21に嵌め込んで、剥離シート3の下面に貼り付けた両面粘着テープ33の粘着力によって機器本体2に粘着させることにより、ロゴプレート用部品を機器本体2に仮固定した状態で機器本体2を出荷することができる。
【0041】
また、出荷された機器本体2を使用する使用者は、使用開始前に、図6f2に示すように、機器本体2に仮固定されているロゴプレート用部品の剥離シート3のベロ部31を機器本体2から引き上げることにより、ロゴプレート用部品を機器本体2から取り外すことができる。ここで、両面粘着テープ33の粘着力は、ロゴプレート用部品が通常の振動によっては機器本体2から脱落せず、かつ、ベロ部31の引き上げによって、比較的容易にロゴプレート用部品を、機器本体2から取り外すことができる粘着力となるように設定する。なお、ベロ部31の引き上げによって、両面粘着テープ33が剥離シート3から剥がれて機器本体2の凹部21の底に残ってしまわないように、両面粘着テープ33の剥離シート3側の粘着力を、凹部21の底側に粘着する側の粘着力より大きく設定することが好ましい。
【0042】
また、使用者は、図6f3に示すように、剥離シート3のベロ部31をロゴプレート1から離れる方向に引いて、剥離シート3を両面粘着テープ33と共にロゴプレート1から取り外し。図6f4に示すように剥離シート3が取り外された状態となったロゴプレート1を、図6f5に示すように、所望の向きて、機器本体2の凹部21に嵌め込み、ロゴプレート1の裏面の粘着層11を用いて、ロゴプレート1を機器本体2に固定することができる。
【0043】
なお、このように両面粘着テープ33等の粘着部材を設けることにより、ロゴプレート用部品の機器本体2への仮固定を行う場合にも、図4に示したように、表示体が、機器本体2の凹部21の底から入射する照明光のロゴのパターン部分を透過させることにより、ロゴを光らせるものである場合には、ロゴプレート用部品の仮固定時に凹部21の底のシートレンズ22のロゴプレート1を透過する光が通る可能性のある部分221に重ならないように粘着部材は配置する。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、ロゴプレート1の粘着面を少なくとも部分的の覆う剥離シート3を備えたロゴプレート用部品を、機器本体2に取り外し可能に貼付して出荷するので、機器の使用者は、ロゴプレート用部品を機器本体2から取り外して、剥離シート3を剥離した上で、ロゴプレート1を、任意の向きで、粘着層11の粘着力によって機器本体2に固定することができるようになる。また、機器本体2とロゴプレート用部品が一体として出荷されるので、使用者がロゴプレート部品を見落として、ロゴプレート1の機器本体2への固定を失念してしまうことを防止することができる。また、外観に表れるベロ部31の存在により、使用者はロゴプレート用部品が仮止めの状態であることを認識できるので、ロゴプレート用部品を仮止めのまま使用してしまうことも防止できる。
【0045】
なお、以上の実施形態では、ロゴプレート1の機器本体2への固定を例にとり説明したが、本実施形態は、機器本体2の装飾用の表示体や、機器本体2の操作に関する情報を表示した表示体や、機器本体2に関する問い合わせ先を表示した表示体等の任意の表示体の機器本体2への固定に同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…ロゴプレート、2…機器本体、3…剥離シート、11…粘着層、21…凹部、22…シートレンズ、31…ベロ部、32…切欠部、33…両面粘着テープ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6