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特許7120818サーバ装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20220809BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20220809BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q40/08
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018111112
(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公開番号】P2019215615
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】500007325
【氏名又は名称】アットホームホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100167667
【弁理士】
【氏名又は名称】安高 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100206955
【氏名又は名称】宮本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 純一
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-076439(JP,A)
【文献】特開2013-065077(JP,A)
【文献】特開2007-199875(JP,A)
【文献】特開2013-105382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備えるサーバ装置であって、
内見の申込情報を取得する申込情報取得部と、
前記申込情報取得部により取得された前記内見の前記申込情報に基づき、前記内見の実施状況を示す内見実績情報を取得する内見実績情報取得部と、
前記内見実績情報を外部装置に送信し、前記内見におけるトラブルによって発生した物件所有者の損失を補償するための内見保険の保険料を該外部装置に算出させる送信部と、
加工されていない前記申込情報または前記内見実績情報を示すオリジナルデータを保険金の支払い可否を判別するための保険金請求根拠情報として加工を受け付けないように記憶し、加工可能な前記申込情報または前記内見実績情報を示すデータを記憶する前記記憶部と、
を備える、
サーバ装置。
【請求項2】
前記内見を行う内見者の位置又は移動の履歴を示す行動情報をセンサの検知情報から取得する行動情報取得部をさらに備える、
請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記記憶部は、加工されていない前記行動情報を示すオリジナルデータを保険金の支払い可否を判別するための保険金請求根拠情報として加工を受け付けないように記憶し、加工可能な前記行動情報を示すデータを記憶する、
請求項2記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記内見実績情報取得部は、ドアの解錠を示す信号と該解錠に使用したスマートロックの鍵を示す鍵情報とを含む前記内見実績情報を取得する、
請求項1から3のいずれか記載のサーバ装置。
【請求項5】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにおいて、
前記プロセッサを、請求項1から4のいずれか記載のサーバ装置として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記プロセッサに、
内見の申込情報を取得する申込情報取得ステップと、
前記申込情報取得ステップにおいて取得された前記内見の前記申込情報に基づき、前記内見の実施状況を示す内見実績情報を取得する内見実績情報取得ステップと、
前記内見実績情報を外部装置に送信し、前記内見におけるトラブルによって発生した物件所有者の損失を補償するための内見保険の保険料を該外部装置に算出させる送信ステップと、
加工されていない前記申込情報または前記内見実績情報を示すオリジナルデータを保険金の支払い可否を判別するための保険金請求根拠情報として加工を受け付けないように記憶し、加工可能な前記申込情報または前記内見実績情報を示すデータを記憶する記憶ステップと、
を実行させる情報処理方法。
【請求項7】
前記プロセッサに、
前記内見を行う内見者の位置又は移動の履歴を示す行動情報をセンサの検知情報から取得する行動情報取得ステップと、
を実行させる、
請求項6記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記記憶ステップは、加工されていない前記行動情報を示すオリジナルデータを保険金の支払い可否を判別するための保険金請求根拠情報として加工を受け付けないように記憶し、加工可能な前記行動情報を示すデータを記憶するステップである、
請求項7記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保険料算出システム、サーバ装置、保険料算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、営業担当者又は顧客が管理会社から物理的なカギを受け取ることなく、単独で内見を行うことを可能とするセルフ内見に対する期待が高まっている。セルフ内見は、高セキュリティなスマートロックを使用することによって実現される。
【0003】
セルフ内見では、営業担当者又は管理会社が遠隔で解錠と施錠を行ったり、内見者がスマートフォン等の通信端末を使用してパスワードや電子的な鍵によって解錠と施錠を行ったりすることができる。この場合、解錠と施錠に使用されるパスワードや電子的な鍵を利用可能な利用者、利用可能な時間帯等を制限することも可能である。例えば、特許文献1には、セルフ内見に適用される物件管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-25091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、セルフ内見における入退室の管理を行う技術を開示しているものの、内見に関連する情報を反響情報として営業に役立てることについて開示していない。例えば、閲覧者が内見を申し込んだこと、内見したこと、内見者の内見時の行動等の内見に関連する情報は、追客に役立つ反響情報として利用可能である。
【0006】
通常の内見では、このような情報は、その物件を紹介する営業会社(紹介会社や仲介会社とも称される)の営業担当者又はその物件を管理する管理会社の管理担当者によって取得される。例えば、営業担当者又は管理担当者は、顧客の内見に付き添って物件を案内し、顧客の意見を聞くことによって内見に関連する情報を取得する。なお、営業担当者が顧客からアンケートの回答を収集して、それらを反響情報として取得することも可能である。また、営業会社のサーバ装置が、顧客の通信端末に入力されたアンケートの回答を受信することによって、それらを反響情報として取得することも可能である。
【0007】
しかし、このような反響情報の取得方法では、顧客と営業担当者と管理担当者の少なくともいずれかが情報を入力しなければならない。そのため、入力作業の手間がかかる。また、それらの集計に手間がかかる場合もある。多数の物件を内見する場合、これらの手間は大きな負担になり得る。
【0008】
特に、セルフ内見では、営業担当者と管理担当者は、内見を行う顧客に同行しないため、反響情報を取得する機会が得られないことも多い。営業担当者又は管理担当者は、顧客にアンケート回答を求めることも可能である。しかし、その情報の入力作業には手間がかかり、顧客にとって利点がない。そのため、顧客がアンケートに協力しないことも考えられる。
【0009】
このように、従来の内見に関連する情報(反響情報)の取得方法では、手間がかかったり、取得機会がなかったりする。そのため、反響情報を円滑に取得することができない。
【0010】
ところで、物件を内見する内見者は、内見現場においてトラブルを起こす虞がある。例えば、内見者が内見時に、部屋を傷つけたり、窓を開けたままにして床が水浸しになったりするトラブルが発生し得る。内見者が施錠を怠った場合に、物件が犯罪被害にあう虞もある。内見者は、このようなトラブルを起こして物件所有者の損失を発生させたとしても、それを自発的に通報するとは限らない。
【0011】
このような問題は、セルフ内見ではない通常の内見であっても生じる虞がある。セルフ内見では、内見者に同行する者がおらず、内見者が単独で内見を行うため、特にこのような問題が顕在化する。
【0012】
特許文献1には、そのような損失に対する措置が開示されていない。この点、トラブルによる損失をカバーする保険があれば、事後処理において有利である。そこで、本開示では、新規な保険サービスとして、内見におけるトラブルによって発生した物件所有者の損失を補償するための保険(以下、「内見保険」と称する)を提案する。しかし、新規な保険サービスであるため、保険料の算出方法が不明である。この点、上記のような内見に関連する情報を活用すれば、内見保険の保険料を算出することが可能であると考えられる。
【0013】
そこで、本開示はこのような事情に鑑み、内見に関連する情報を円滑に取得して、内見に関連する情報を活用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係る保険料算出システムは、内見の申込情報を取得する申込情報取得部と、内見の実施状況を示す内見実績情報を取得する内見実績情報取得部と、内見実績情報に基づく算出基礎情報に基づいて、内見におけるトラブルによって発生した物件所有者の損失を補償するための内見保険の保険料を算出する保険料算出部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本開示の第2の観点に係るサーバ装置は、内見の申込情報を取得する申込情報取得部と、内見の実施状況を示す内見実績情報を取得する内見実績情報取得部と、内見実績情報に基づく算出基礎情報に基づいて、内見におけるトラブルによって発生した物件所有者の損失を補償するための内見保険の保険料を算出する保険料算出部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本開示の第3の観点に係るサーバ装置は、内見の申込情報を取得する申込情報取得部と、内見の実施状況を示す内見実績情報を取得する内見実績情報取得部と、内見実績情報に基づく算出基礎情報を外部装置に送信し、内見におけるトラブルによって発生した物件所有者の損失を補償するための内見保険の保険料を外部装置に算出させる算出基礎情報送信部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本開示の第4の観点に係る保険料算出方法は、内見の申込情報を取得する申込情報取得ステップと、内見の実施状況を示す内見実績情報を取得する内見実績情報取得ステップと、内見実績情報に基づく算出基礎情報に基づいて、内見におけるトラブルによって発生した物件所有者の損失を補償するための内見保険の保険料を算出する保険料算出ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本開示の第5の観点に係るプログラムは、コンピュータを、内見の申込情報を取得する申込情報取得手段、内見の実施状況を示す内見実績情報を取得する内見実績情報取得手段、内見実績情報に基づく算出基礎情報を外部装置に送信し、内見におけるトラブルによって発生した物件所有者の損失を補償するための内見保険の保険料を該外部装置に算出させる算出基礎情報送信手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、内見に関連する情報を円滑に取得して、内見に関連する情報を活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る保険料算出システムの構成例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るサーバ装置が取得する内見実績情報の一例を示す図である。
図4】現地内見される物件の一例を示す平面図である。
図5】実施形態に係るサーバ装置が取得する行動情報の一例を示す図である。
図6】実施形態に係るサーバ装置の制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7】変形例に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0022】
本開示において、内見を行う内見者には、物件の購入又は賃貸契約を行う顧客だけでなく、物件を顧客に紹介し、契約手続きを仲介する営業担当者も含まれる。本開示において、内見は、通常の内見だけでなく、セルフ内見も含む。セルフ内見には、顧客又は営業担当者が現地に行って内見する場合と、営業担当者が現地でWebカメラを使用してカメラの映像によって顧客に内見させる場合とが含まれる。
【0023】
(実施形態)
本実施形態では、内見保険の保険料を算出する保険料算出システム1を説明する。図1に示すように、保険料算出システム1は、サーバ装置100と、一台以上の中継装置200と、一台以上の通信端末300とを備える。サーバ装置100と、中継装置200と、通信端末300と、通信装置400とは、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、WAN(World Area Network)、LAN(Local Area Network)等から構成される。
【0024】
サーバ装置100は、ネットワークNWを介して内見に関連する情報を取得し、それらを不動産関係の事業者や内見保険サービスを提供する保険会社に提供する。不動産関係の事業者は、例えば、管理会社の管理担当者である。サーバ装置100は、内見される物件から離れた場所、例えば管理会社に配置される。
【0025】
中継装置200は、内見される物件に配置される各種センサから検知信号を取得して、ネットワークNWを介して、それらをサーバ装置100に送信する。すなわち、中継装置200は、各種センサ及びサーバ装置100間の通信を中継するためのゲートウェイ機能を備える通信装置である。中継装置200は、内見される物件に配置され、各種センサと有線通信又は無線通信を行う。各種センサについては後述する。
【0026】
通信端末300は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の通信機能を有する端末装置である。なお、通信端末300は、内見者が使用する携帯型の無線通信端末である。通信端末300は、内見の申込にのみ使用される通信端末であってもよいし、内見と内見の申込の両方に使用される通信端末であってもよい。
【0027】
通信装置400は、ネットワークNWを介して、後述する算出基礎情報を取得する。通信装置400は、取得した算出基礎情報に基づいて内見保険の保険料を算出する保険料算出部410を備える。通信装置400は、例えば、保険サービスを提供する保険会社によって管理されるサーバ装置である。なお、通信装置400は、サーバ装置ではなく、保険会社の担当者が使用する通信端末であってもよい。
【0028】
<サーバ装置の構成>
以下、サーバ装置100の構成を詳細に説明する。図2に示すように、サーバ装置100は、他の装置と通信を行う通信部110と、各種データを記憶する記憶部120と、装置全体の制御を行う制御部130とを備える。これらの構成要素は、バスラインBLによって相互に接続される。
【0029】
通信部110は、有線通信又は無線通信を行うためのNIC(Network Interface Card controller)を備える通信インターフェースである。通信部110は、ネットワークNWを介して、他の装置(例えば、中継装置200、通信端末300及び通信装置400等)と通信を行う。
【0030】
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。記憶部120は、各種制御処理を実行するためのプログラム、各種データ等を記憶する。各種データは、例えば、顧客の管理情報、内見の申込情報、内見実績情報、行動情報、物件情報、物件の間取りと各種センサの配置との対応関係を示す情報テーブル等を含む。
【0031】
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ装置100の全体の動作を制御する。
【0032】
以下、制御部130の機能的な構成を説明する。制御部130は、申込情報取得部131、内見実績情報取得部132、行動情報取得部133、算出基礎情報送信部134として機能する。
【0033】
申込情報取得部131は、内見の申込情報を取得する。具体的には、申込情報取得部131は、通信部110を介して通信端末300からの内見の申込を受け付けることによって、申込情報を取得する。申込情報は、内見対象の物件、内見希望者、内見の申込日時、内見の予約日時等の内見の申込に関する情報である。
【0034】
内見実績情報取得部132は、申込情報取得部131が取得した申込情報に基づいて、内見実績を示す内見実績情報を取得する。内見実績情報は、申込情報を集計することによって得られる物件ごとの内見申込数であってもよいし、申込に基づいて内見が実施された内見実績数であってもよい。
【0035】
図3は内見実績情報の一例を示している。この例では、内見実績情報は、物件名と、内見申込数と、内見実績数と、物件の種別とを関連付けた情報である。この例では物件数は3つであり、それぞれの物件の内見申込数と、内見実績数と、物件の種別が関連付けられる。
【0036】
なお、物件数は3つに限られない。内見申込数及び内見実績数は、この例では、件数又は回数であるが、人数であってもよい。物件の種別は、その物件が賃貸物件か売買物件かを示す情報である。例えば、申込だけで内見実績としてカウントされる場合、内見実績情報は、内見申込数だけであってもよい。申込だけでは内見実績としてカウントされず、実際に内見した数のみが内見実績としてカウントされる場合、内見実績情報は、内見実績数だけであってもよい。
【0037】
内見実績情報取得部132は、例えば、物件の出入口のドアの解錠を示す信号と該解錠に使用したスマートロックの鍵を示す鍵情報とを取得することによって内見実績数を取得する。具体的には、内見実績情報取得部132は、通信部110を介して中継装置200からスマートロックが解除されたことを示す情報を受信することによって内見実績数を取得する。
【0038】
行動情報取得部133は、内見を行う内見者の内見時の行動に基づく行動情報を取得する。行動情報取得部133は、例えば、内見時における内見者の位置又は移動の履歴を示す履歴情報を行動情報として取得する。行動情報は、保険金の支払い対象となる証拠(不正な保険金請求ではないという証拠)として使用されてもよいし、保険料の算出根拠に使用されてもよい。
【0039】
内見時における内見者の位置又は移動の履歴は、例えば、内見者が内見において携帯する通信端末300を利用した屋内測位によって取得される。内見時における内見者の位置又は移動の履歴は、例えば、ドアセンサ、人感センサ等の各種センサの検知情報から取得されてもよい。
【0040】
屋内測位は、例えば、衛星測位、IMES(Indoor MEssaging System)、Wi-Fi測位、基地局測位、音波測位、Bluetooth(登録商標)測位、可視光測位、PDR(Pedestrian Dead Reckoning:歩行者自立航法)測位、ビーコン信号の受信による測位等の方法によって行われる。なお、これらの測位は、屋内に限らず、屋外の出入口付近、車庫、倉庫、駐車場等について行われてもよい。
【0041】
行動情報取得部133は、履歴情報から内見に要した時間及び内見における物件内の予め定められたエリアごとの滞在時間を推定し、行動情報として取得してもよい。行動情報取得部133は、通信端末300が内見される物件に配置されたQRコード(登録商標)を読み取ったことを行動情報として取得してもよい。QRコードは、例えば、通信端末300に、内見される物件に関する説明を配信するWebページに接続させるものであり、行動情報取得部133は、そのWebページに対するアクセスを行動情報として取得する。
【0042】
行動情報取得部133は、内見者が内見される物件の窓又はドアを開閉したことを示す情報を行動情報として取得してもよい。窓の開閉は、例えば、マグネットセンサによって検出される。ドアの開閉は、例えば、ドアセンサによって検出される。行動情報取得部133は、これらのセンサの検知信号を物件に配置される各種センサから中継装置200及び通信部110を介して取得する。
【0043】
行動情報取得部133は、内見者の通信端末300が内見される物件において写真撮影をしたことを行動情報として取得してもよい。この場合、行動情報取得部133は、内見者の通信端末300から通信部110を介して行動情報を取得する。なお、先に述べた内見実績情報では、行動情報が取得された場合のみを内見実績数としてカウントされてもよい。
【0044】
算出基礎情報送信部134は、算出基礎情報をサーバ装置400に送信し、通信装置400に内見保険の保険料を算出させる。算出基礎情報は、保険料の算出の基礎となる情報である。例えば、算出基礎情報は、内見実績情報取得部132が取得した内見実績情報に基づく情報である。なお、算出基礎情報は、行動情報取得部133が取得した行動情報であってもよい。算出基礎情報は、これらの情報を加工した情報であってもよい。
【0045】
ここで、取得した内見実績情報や行動情報のうち、営業活動に役立たない情報(例えば、管理会社自身で内見申込した場合の情報)は、削除できるように構築されることが望ましい。しかしながら、内見保険においては、保険金請求の不正防止のため、改変されていない内見実績情報(オリジナルデータ)を記憶しておく必要がある。例えば、「被保険者本人やその共謀者が内見申込をして部屋に入室し故意に事故を作出した後、自身の内見実績情報を改変した上で、不正に保険金を請求する」といった不正行為を防げるシステムが求められる。
【0046】
一方で、内見保険は内見の実績に応じて保険料を変動させる場合があり、保険料を算出するためには、オリジナルデータではなく実績に応じて加工された内見実績情報が必要となる。例えば、被保険者自身が起こした事故は保険の対象外となる場合、被保険者による申込情報や鍵の開閉履歴に基づく内見実績は内見実績情報から除く必要がある。
【0047】
また、顧客ではなく営業会社が顧客の代理で申込情報を登録し、その後に顧客である内見者が正確な情報を登録するといった情報更新も必要になる。さらに、婚姻などにより氏名が変わった場合も個人を追跡特定できるようにするため、変更前後の情報が保存されていることが好ましい。
【0048】
このように内見保険の提供には、これら2つの要件を満たすために、加工を受け付けない保険金請求根拠情報と、加工が可能な保険料算出根拠情報を別々に蓄積し管理する必要がある。
【0049】
そこで、制御部130は、申込情報、内見実績情報及び行動情報を加工していない状態で、保険金請求根拠情報として記憶部120に記憶させる。これらの情報は、被保険者が保険金を請求するための根拠として使用される。通信端末400に送信される算出基礎情報には、これらの情報が付加されてもよいが、基本的には付加されない。
【0050】
制御部130は、申込情報、内見実績情報及び行動情報を加工して算出基礎情報として記憶部120に記憶させる。算出基礎情報送信部134は、かかる算出基礎情報を通信装置400に送信する。このような構成によれば、不正な保険金請求を抑制することと、保険料を適切に算出することとを両立させることができる。
【0051】
このようにオリジナルデータを残しておくことは、内見実績に応じて課金する内見申込サービスを実現する上でも、不正防止の手段となりうる。例えば、内見実績に応じてサービス提供料金を算出させたり、契約情報や申込情報を組み合わせてサービス提供料金を算出させたりすることで、これまでよりも成約確度の高い反響に応じて顧客(不動産関連会社)は利用料を支払えるようになる。
【0052】
通信装置400は、例えば、算出基礎情報が示す内見の実施状況から想定される事故率(一定期間の内見実施数に対する事故数の割合)を算出し、その事故率に応じた保険料を算出する。内見実施数は、戸数と戸当たりの内見実施回数との乗算値である。この場合、外部装置は、一定期間の内見申込者数又は内見実施者数に対する事故数の割合に基づいて物件の事故率を算出し、その事故率に応じた保険料を算出してもよい。
【0053】
なお、上記構成において、スマートロック、ドアセンサ等を含む各種センサの検知結果を示す信号には、各種センサの識別情報が含まれ、どのセンサがどの検知結果を出力したかは、サーバ装置100又は中継装置200に記憶される変換テーブルに基づいて判別される。すなわち、どのセンサがどの検知結果を出力したかは、サーバ装置100が判別してもよいし、中継装置200が判別してもよい。
【0054】
<内見時の行動に基づく行動情報の一例>
以下、図4及び図5を参照しながら、内見における内見者の行動に基づく行動情報の一例を説明する。図4は、内見される物件の一例を示す平面図である。ここでは、集合住宅の物件Aを内見者Bが内見した場合に、サーバ装置100が取得する行動情報について説明する。
【0055】
物件Aには、各種センサが配置されている。具体的には、センサS1は、出入口を施錠可能なスマートロックである。センサS2、S3、S5、S7、S10、S11、S12、S13は、ドアセンサである。なお、本開示において、ドアセンサは、蝶番を有する開き戸の開閉を検知するセンサだけでなく、引き戸の摺動を検知することによって引き戸の開閉を検知するセンサをも含む。
【0056】
センサS4、S8、S9は、周辺に人がいるか否かを検知する人感センサである。センサS6、S14は、窓の開閉を検知するマグネットセンサである。これらの各種センサの検知結果は、内見者の行動に基づく行動情報に含まれる。
【0057】
物件内に、QRコードQ1、Q2が配置される。これらのQRコードは、例えば、シールや紙に印刷され、物件内の任意の場所に貼付される。この例では、キッチンの冷蔵庫にQRコードQ1が設けられ、キッチンとリビング・ダイニングの間のパーティションにQRコードQ2が設けられている。また、物件内には、中継装置200が配置され、中継装置200は、各種センサの検知結果をサーバ装置100に送信する。
【0058】
図5は、内見者Bの行動に基づいて取得された行動情報の一例を示している。これらの行動情報は、検知時刻又は検知結果の取得時刻に基づいて時系列形式で取得される。まず、内見者Bがスマートロックを解錠すると、センサS1の検知結果に基づいて「出入口 解錠」という行動情報が得られる。「10:03:23」は、解錠された時刻又は解錠されたことを示す行動情報の取得時刻である。なお、行動情報には、スマートロックの解錠に使用された電子的な鍵を示す情報も含まれるが、ここでは図示を省略する。
【0059】
内見者Bが出入口のドアを開放すると、センサS2の検知結果に基づいて「出入口ドア 開放」という行動情報が得られる。内見者Bがホールのドアを開放すると、センサS3の検知結果に基づいて「ホールのドア 開放」という行動情報が得られる。
【0060】
内見者Bがホールからキッチンへ移動すると、センサS4の検知結果に基づいて「キッチン 滞在」という行動情報が得られる。滞在場所がキッチンであることは、記憶部120に記憶されている情報テーブルが示す、物件の間取りと各種センサの配置との対応関係と、センサS4の識別情報とに基づいて判別される。滞在時間を示す「10:10:16-10:14:22」は、センサS4が内見者を感知していた時間である。この滞在時間から内見者Bが4分6秒の時間だけキッチンに滞在していたことがわかる。
【0061】
なお、このような滞在時間は、ドアの開放から次のドアの開放までの時間から取得されてもよい。例えば、出入口ドアが開放された時刻からホールのドアが開放された時刻までの時間は、内見者Bが玄関又はホールに滞在していた滞在時間として取得されてもよい。
【0062】
このような原理に基づいて、行動情報取得部133は、物件内の予め定められたエリアごとの滞在時間を推定して行動情報として取得してもよい。また、行動情報取得部133は、センサS1が検知する物件の出入口に設けられたスマートロックの解錠時刻と施錠時刻とに基づいて内見に要した時間を推定して行動情報として取得してもよい。
【0063】
内見者Bが洋室2を見た後に、再びキッチンに移動した場合、再びセンサS4の検知結果に基づいて「キッチン 滞在」という行動情報が得られる。しかし、この滞在時間は、わずか11秒である。このような短い滞在時間は、実際には、滞在時間というよりキッチンから納戸へ移動したときの通過時間と考えられる。そのため、所定時間内(例えば15秒以内)の滞在時間は、行動情報では、滞在時間ではない通過時間と判別されてもよい。
【0064】
内見者Bが通信端末300を使用して、冷蔵庫に設けられたQRコードQ1を読み取ると、そのWebページに対するアクセスに基づいて「QRコード(Q1) 読み取り」という行動情報が得られる。なお、Webページはサーバ装置100が配信してもよいし、他のサーバ装置が配信してもよい。他のサーバ装置がWebページを配信する場合、サーバ装置100は、他のサーバ装置からQRコードが読み取られたことを示す通知を受信することによって行動情報を取得してもよい。
【0065】
以上のように、サーバ装置100は、各種センサの検知結果やQRコードが読み取られたことを行動情報として取得する。なお、上記の例では、ドアセンサがドアの開放を検知したことのみが行動情報として取得されているが、ドアセンサがドアの閉鎖を検知したことも行動情報として取得されてもよい。
【0066】
<処理の流れ>
以下、図6を参照しながら、サーバ装置100が実行する制御処理の一例を説明する。この処理は、サーバ装置100の通信部110が他の装置から送信されたデータを受信したことを契機として実行される。
【0067】
まず、制御部130は、通信部110を介して他の装置から受信した受信データが内見の申込情報であるか否かを判別する(ステップS101)。
【0068】
受信データが内見の申込情報であると判別された場合(ステップS101;Y)、申込情報取得部131は、内見の申込情報を取得する(ステップS102)。受信データが内見の申込情報ではないと判別された場合(ステップS101;N)、制御部130は、受信データが行動情報であるか否かを判別する(ステップS103)。受信データが行動情報であると判別された場合(ステップS103;Y)、行動情報取得部133は、内見を行う内見者の内見時の行動に基づく行動情報を取得する(ステップS104)。受信データが行動情報ではないと判別された場合(ステップS103;N)、制御部130は、その他の処理を実行する(ステップS108)。
【0069】
制御部130は、ステップS102、S104、S105において取得した取得データ(すなわち、申込情報、内見実績情報、行動情報)を記憶部120に記憶させる(ステップS106)。この際、制御部130は、加工されていないオリジナルデータを保険金請求根拠情報として記憶部120に記憶させる。制御部130は、加工可能なデータを算出基礎情報として記憶部120に記憶させる。
【0070】
算出基礎情報送信部134は、通信部110を介して、算出基礎情報を通信装置400に送信する(ステップS107)。通信装置400は、その算出基礎情報に基づいて内見保険の保険料を算出する。
【0071】
上記ステップS105において、内見実績情報取得部132は、取得した行動情報に基づいて、申込情報に対応する内見の実施状況を示す内見実績情報を取得してもよい。この場合、内見実績情報取得部132は、例えば、物件の出入口のドアの解錠を示す信号と該解錠に使用したスマートロックの鍵を示す鍵情報とを取得した場合に内見が実施されたと判別してもよい。また、内見実績情報取得部132は、申込情報が示す内見の予約時間帯において、行動情報が取得された場合に、内見が実施されたと判別してもよい。
【0072】
また、内見実績情報取得部132は、上記ステップS105ではなく、行動情報とは無関係な処理である上記ステップS108において内見実績情報を取得してもよい。この場合、内見実績情報取得部132は、例えば、通信部110を介して内見者の通信端末300から移動履歴を取得して、内見者が物件内に入った場合に内見が実施されたと判別してもよい。
【0073】
また、内見者が通信端末300を使用して内見を実施したことを示す通知を送信した場合に、内見実績情報取得部132は、通信部110を介してそれを受信することにより、内見が実施されたと判別してもよい。内見を実施したことを示す通知は、営業担当者又は管理担当者の通信端末(不図示)から送信されてもよい。
【0074】
このように、内見実績情報の取得は上記ステップS105で行われてもよいし、上記ステップS108で行われてもよい。また、上記処理は順序が変更されてもよい。例えば、受信データが申込情報であるか否かを判別するステップS101より前に、受信データが行動情報であるか否かを判別するステップS103が行われてもよい。
【0075】
ステップS106とステップS107の順序は逆であってもよい。ステップS107の算出基礎情報の送信は、ステップS101~S106の処理が繰り返され、データ量が蓄積した場合にのみ実行されてもよい。すなわち、算出基礎情報は、図6のように、内見実績情報や行動情報が取得されるたびに送信される必要はない。
【0076】
<効果の説明>
本実施形態に係る保険料算出システム1において、サーバ装置100は、内見実績情報と行動情報とを取得する。また、サーバ装置100は、これらの情報を内見者の意思に依らずに取得する。
【0077】
これらの情報は、自動的に収集されるため、情報入力と情報取得に手間がかからない。そのため、保険料を算出するために使用する算出基礎情報を円滑に取得することができる。保険会社の担当者は、サーバ装置100から受信した算出基礎情報に基づいて、通信装置400に保険料を算出させることができる。また、不動産の営業担当者は、取得した申込情報と内見実績情報と行動情報とを閲覧して営業に役立ててもよい。すなわち、申込情報と内見実績情報と行動情報は、内見に関連する情報(反響情報)として活用することができる。
【0078】
管理担当者や営業担当者は、算出基礎情報に行動情報、内見実績情報等の情報が含まれている場合、それを確認することにより、トラブルの発生とその原因を知ることができる。例えば、管理担当者は、行動情報に含まれるドアセンサや窓センサの検知結果の履歴により、内見者によって戸締りがなされていないことを確認することが可能である。
【0079】
管理担当者は、申込情報、行動情報、内見実績情報等を確認して、内見予約がされていない時間帯に行動情報が取得されている場合、その物件が不法侵入されていると判別することができる。算出基礎情報が正当な内見の実績に基づく情報であって自作自演による不正な情報でないことも、これらの情報解析によって推定することが可能となる。
【0080】
なお、内見保険は、セルフ内見ではなく通常の内見に適用されてもよい。すなわち、保険料算出システム1は、通常の内見時に生じたトラブルに対して適用可能な内見保険の保険料を算出してもよい。
【0081】
以上で実施形態の説明を終了するが、上記実施形態は一例に過ぎない。そのため、保険料算出システム1及びサーバ装置100の具体的な構成、処理内容等は上記実施形態で説明したものに限られない。以下、上記実施形態の変形例について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態に係る保険料算出システム1及びサーバ装置100と共通する構成要素については同一の符号を付す。
【0082】
(変形例)
上記実施形態では、サーバ装置100が、保険料をサーバ装置400に算出させる例を説明した。しかし、本開示はこれに限られない。以下、図7を参照しながら、変形例に係るサーバ装置500について説明する。
【0083】
サーバ装置500は、通信部110と、記憶部120と、制御部530とを備える。サーバ装置500は、算出基礎情報送信部134の代わりに、保険料算出部535と、入力受付部536と、回答収集部537とを備える点で実施形態に係るサーバ装置100と異なる。それ以外の構成は、サーバ装置100と同じである。
【0084】
保険料算出部535は、内見実績情報取得部132が取得した内見実績情報又は行動情報取得部133が取得した行動情報から算出基礎情報を取得する。保険料算出部535は、取得した算出基礎情報に基づいて、内見保険の保険料を算出する。
【0085】
入力受付部536は、トラブル関連情報の入力を受け付ける。トラブル関連情報は、現地内見の後に発覚したトラブルの有無と、内容と、損失額とのいずれか一つ以上を示す情報である。トラブル関連情報は、例えば、管理担当者によって入力され、入力受付部536は通信部110を介してそれを取得する。保険料算出部535は、入力受付部536が受け付けたトラブル関連情報に基づいて内見保険の保険料を算出する。
【0086】
トラブル関連情報は、本サービスを改善するための統計分析に使用されてもよい。管理担当者は、トラブル関連情報と、行動情報と、内見実績情報とからトラブルの原因、発生時刻、トラブルを起こした者を推定してもよい。なお、トラブルを起こした者が誰であるか(氏名、住所等)は詳細に特定する必要はない。あくまでも、この情報は、管理会社やオーナーによる自作自演を疑われた場合に、トラブルを起こした者が自作自演とは無関係の内見者であることを立証するために用いられる。
【0087】
入力受付部536は、さらに、物件の間取りと、内装と、什器と、設備とのいずれか一つ以上を示す物件関連情報の入力を受け付けてもよい。物件関連情報は、例えば管理担当者によって入力される。この場合、保険料算出部535は、入力受付部536が受け付けた物件関連情報に基づいて内見保険の保険料を算出してもよい。
【0088】
回答収集部537は、内見をした内見者のアンケート回答を収集する。アンケート回答は、内見者によって入力され、回答収集部537は、通信部110を介してそれを取得する。保険料算出部535は、回答収集部537が収集したアンケート回答の内容を集計した結果に基づいて内見保険の保険料を算出してもよい。
【0089】
なお、保険料算出部535は、内見の実績に応じて、保険料を算出し直してもよい。例えば、保険料は、内見実績が増えるほど、低下させてもよい。これは、最初に高めの保険料を設定し、トラブル発生率が正確になるにつれて、値下げできるからである。つまり、トラブル発生率のフィードバックを経て価格の見直しができる。なお、内見数が多くなるほど、トラブルが起こりやすいことを考慮して、内見数が多い場合に保険料を高価格に設定してもよい。
【0090】
このようにサーバ装置500によれば、内見に関連する情報に基づいて、自装置で内見保険の保険料を算出することができる。
【0091】
なお、サーバ装置500は、サーバ装置100と異なり、外部装置(すなわち通信装置400)ではなく、自装置で保険料を算出する。しかし、サーバ装置500による保険料の算出方法は、サーバ装置100が外部装置に行わせる保険料の算出方法にも適用可能である。例えば、サーバ装置100が入力受付部536、回答収集部537等を備え、それらの取得データを算出基礎情報として外部装置に送信してもよい。
【0092】
サーバ装置100、500は、保険金請求根拠情報を送信して、外部装置(例えば、通信装置400)又は外部装置の使用者(例えば、保険会社の担当者)に保険金の支払い可否を判別させてもよい。記憶部120は、内見実績情報が加工された場合に、その変更履歴を記憶してもよい。制御部130、530は、保険金請求根拠情報の加工を拒否するように構成されてもよい。
【0093】
サーバ装置100、500は、加工されていない申込情報、内見実績情報及び行動情報のいずれか一つ以上を示すオリジナルデータを保険金請求根拠情報として記憶し、加工可能な申込情報、内見実績情報及び行動情報のいずれか一つ以上を示すデータを算出基礎情報として記憶してもよい。
【0094】
上記実施形態及び変形例において、サーバ装置100、500は、さらに、行動情報を分析する分析部を備えていてもよい。例えば、分析部は、行動情報を分析することによって得られた統計データを、通信部110を介して外部装置に出力してもよい。このような統計データは、サービスの見直しや保険料算出に利用することができる。
【0095】
また、本開示に係る保険料算出システムは、上記装置によらず、例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、その機能を実現してもよい。保険料算出システムの機能を実現するためのプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、HDD(Hard Disc Drive)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【0096】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態及び変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0097】
1…保険料算出システム、100,500…サーバ装置、200…中継装置、300…通信端末、400…通信装置、110…通信部、120…記憶部、130,530…制御部、131…申込情報取得部、132…内見実績情報取得部、133…行動情報取得部、134…算出基礎情報送信部、410,535…保険料算出部、536…入力受付部、537…回答収集部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7