IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特許-塗布液用容器 図1
  • 特許-塗布液用容器 図2
  • 特許-塗布液用容器 図3
  • 特許-塗布液用容器 図4
  • 特許-塗布液用容器 図5
  • 特許-塗布液用容器 図6
  • 特許-塗布液用容器 図7
  • 特許-塗布液用容器 図8
  • 特許-塗布液用容器 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】塗布液用容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/00 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
A45D34/00 510Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018125458
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020000738
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(74)【代理人】
【識別番号】100165607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100196690
【弁理士】
【氏名又は名称】森合 透
(72)【発明者】
【氏名】吉村 和寿
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-120686(JP,A)
【文献】特開2017-055895(JP,A)
【文献】特開2010-094409(JP,A)
【文献】実開平06-005998(JP,U)
【文献】登録実用新案第3003865(JP,U)
【文献】中国実用新案第206264665(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/00-34/06
B43L 25/00
B43M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液が収容される容器本体(10)と、該容器本体(10)の口筒部(12)に冠着される蓋体(20)とを備える塗布液用容器であって、
前記容器本体(10)の内部には、内周面から容器軸(O)に向かって突出し、平面視において全体が半楕円形状を有し且つ幅方向において断面視湾曲形状を有して形成される突出板(34)が設けられていることを特徴とする塗布液用容器。
【請求項2】
突出板(34)の基端部(34a)と内周面との間に貫通孔(35)が形成されている請求項1記載の塗布液用容器。
【請求項3】
突出板(34)は、先端部(34b)は平面視円形状に形成されており、前記先端部(34b)の曲率半径(R)が、貫通孔(35)の曲率半径(R)よりも小さく設定されている請求項2記載の塗布液用容器。
【請求項4】
突出板(34)は、基端部(34a)に対して先端部(34b)が上方に持ち上がる傾斜姿勢を有して形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塗布液用容器。
【請求項5】
容器本体(10)内に嵌合する中栓(30)が設けられており、該中栓(30)の内周面(33)に突出板(34)が形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塗布液用容器。
【請求項6】
中栓(30)のフランジ(32)に複数の突起(32a)が形成されると共に、これに対向する蓋体(20)側に前記突起(32a)と係合可能な凸部(23)が周設され、前記中栓(30)の周壁部(31)の外周面に環状係合部(31a)が形成されると共に、これに対向する容器本体(10)側の口筒部(12)の内周面に、前記環状係合部(31a)に係合可能な環状凸部(12a)が周設され、
前記環状係合部(31a)と環状凸部(12a)と間の係合力が、前記複数の突起(32a)と前記凸部(23)の間の係合力よりも大きく設定されている請求項5記載の塗布液用容器。
【請求項7】
蓋体(20)の頂壁(21)又は側壁部(22)の下端に、軸対称に配置された一対の保持用凹部(25)又は周方向に所定の間隔で配置された複数の保持用凸部(26)が形成されている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の塗布液用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布液の試し塗りができる機能を備えた塗布液用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
爪の表面に化粧を施すマニキュアなどの塗布液を収容する容器として、塗布液が収容される容器本体を密封するキャップの内側に、塗布液を塗布するための塗布具としてのブラシが取り付けられた容器が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-140145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マニキュア等の塗布液を塗布する際には、例えばブラシの毛部内に吸収保持されている塗布液の量を適度に調整したり、ブラシの毛部を慣らして整えたりした後に、試し塗りを行う場合がある。
しかし、上記のような容器に入ったマニキュアは、事前に用意した紙やシート上に試し塗りを行う必要があり、その点において操作性を改善する余地があった。
【0005】
本発明は、上記した従来技術における操作性の改善を図るべく、試し塗り用の紙やシートを用意しなくても塗布液の試し塗りを可能とした塗布液用容器を創出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる手段は、
塗布液が収容される容器本体と、容器本体の口筒部に冠着される蓋体とを備える塗布液用容器であって、
容器本体の内部には、内周面から容器軸に向かって突出し、平面視において全体が半楕円形状を有し且つ幅方向において断面視湾曲形状を有して形成される突出板が設けられていることを特徴とする、と云うものである。
本発明の主たる手段では、容器本体内に設けられた突出板上に試し塗りを行うことがで
きる。
【0007】
また本発明の他の手段は、上記主たる手段に、突出板の基端部と内周面との間に貫通孔が形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、貫通孔の縁部にエッジを形成することができ、また貫通孔を、塗布具を立て置くための支持部として利用し得る。
【0008】
また本発明の他の手段は、上記手段に、突出板は、先端部は平面視円形状に形成されており、先端部の曲率半径が、貫通孔の曲率半径よりも小さく設定されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、突出板を爪形状に似せることが可能となるため、マニキュア用の容器としての使用に適するものとすることができる。
【0009】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、突出板は、基端部に対して先端部が上方に持ち上がる傾斜姿勢を有して形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、実際の爪の表面に塗布するような感覚で試し塗りを行うことができると共に、しごき落とされた塗布液を収容部内に戻しやすくすることができる。
【0010】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、容器本体内に嵌合する中栓が設けられており、中栓の内周面に突出板が形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、突出板が形成された中栓を、容器本体とは別部材とすることができるため、塗布液用容器の製造を容易化することができる。
【0011】
また本発明の他の手段は、上記手段に、中栓のフランジに複数の突起が形成されると共に、これに対向する蓋体側に突起と係合可能な凸部が周設され、中栓の周壁部の外周面に環状係合部が形成されると共に、これに対向する容器本体側の口筒部の内周面に、環状係合部に係合可能な環状凸部が周設され、
環状係合部と環状凸部と間の係合力が、複数の突起と凸部の間の係合力よりも大きく設定されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、初期状態において蓋体に取り付けられていた中栓を、蓋体を容器本体に冠着することにより容器本体に移動させことができる。
【0012】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、蓋体の頂壁又は側壁部の下端に、軸対称に配置された一対の保持用凹部又は周方向に所定の間隔で配置された複数の保持用凸部が形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、ブラシを蓋体で保持することが可能となるため、ブラシの転動や落下を防止し得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、紙やシートを事前に用意することなく、容器本体内に設けられた突出板を用いて塗布液の試し塗りを行うことができる。
また突出板を爪形状に形成することにより、塗布液を実際の爪の表面に塗布しなくても突出板上に試し塗りを行うことにより、塗布後の爪の表面の状態をイメージしやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施例を示す塗布液用容器の断面図である。
図2】第1実施例において蓋体を外した状態を示す塗布液用容器の斜視図である。
図3】第1実施例の塗布液用容器内に設けられた中栓を示し、(a)は中栓の平面図、(b)は中栓の部分断面図である。
図4】中栓内に設けられた突出板を示し、(a)は突出板の平面図、(b)は突出板の底面図、(c)は(a)のc-c線における断面図である。
図5】中栓の他の実施例を示す部分断面図である。
図6】本発明の第2実施例を示す塗布液用容器の断面図である。
図7】第2実施例の塗布液用容器内に設けられた中栓を示し、(a)は中栓の平面図、(b)は中栓の部分断面図である。
図8】(a)は蓋体の第1実施例として蓋体を下端側から示す斜視図、(b)は蓋体の第2実施例として蓋体を下端側から示す斜視図である。
図9】(a)は蓋体の第3実施例として蓋体を天面側から示す斜視図、(b)は蓋体の第4実施例として蓋体を天面側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
先ず本発明の第1実施例の構成について図1乃至図5を用いて説明する。
図1に示すように、塗布液用容器1は、例えばマニキュアなどの図示しない塗布液を収容する容器本体10と、この容器本体10の口筒部12に冠着して封止する蓋体20と、容器本体10内に嵌合される中栓30とを有して構成されている。これらは、例えば合成樹脂材料を射出成形することにより形成されるが、これに限られるものではない。
【0016】
容器本体10は、円筒状の外壁部13の内側に塗布液が充填される丸底状の収容部14を一体に備える構成であり、外壁部13及び収容部14の上部に設けられた口筒部12には雄ネジ15が刻設されている。
蓋体20は、円板状の頂壁21の外縁部に側壁部22が垂下設された有頂円筒状の部材であり、側壁部22の内周面には凸部23が周設され、さらにその下端には容器本体10側の雄ネジ15に螺合可能な雌ネジ24が刻設されている。また蓋体20の頂壁21の内面には、シール性を確保するパッキン40が図示しない両面テープを介して貼着されている。尚、パッキン40を有さない構成でも良く、例えば蓋体20の頂壁21の内面に垂下設されたインナーシールが容器本体10の口筒部12の内周面に密着することでシール性を確保する構成であってもよい。
【0017】
図2及び図3に示すように、中栓30は、短円筒状の周壁部31の上端に外径方向に環状に突出するフランジ32が一体に周設された部材である。そして、本実施例に示すように、中栓30を構成する周壁部31の内周面33には、突出板34が一体に突設されている。
突出板34は、周壁部31の内周面33に設けられた一対の基端部34aと、この基端部34aから容器軸O方向に向けて突出する先端部34bとを有し、基端部34aに対して先端部34bが上方に持ち上がる傾斜姿勢を有して形成されている。
【0018】
図4(a)に示すように、突出板34は、先端部34bが平面視円形状に形成され、基端部34aには略半円状に開口する貫通孔35が形成されている。先端部34bは、基端部34a側の貫通孔35の曲率半径R1よりも小さな曲率半径R2で形成され(R1>R2)、また上方に向かって凸を成し且つ幅方向において断面視湾曲形状(図4(c)参照)で形成されており、突出板34は全体として爪形状に似せた形状(半楕円形状)で形成されている。
ここで幅方向とは、一対の基端部34a間の中点と先端部34bとを通る仮想軸線x(図3図4参照)に対して交差する方向(例えば図4におけるc-c線に沿う方向)と規定するが、この幅方向は仮想軸線xの軸回りにある程度の角度を有して交差する方向をも含むものである。
【0019】
また図3(b)に示すように、突出板34の貫通孔35の上端側の縁部には内周面33側に突出し且つ鋭角に形成されて成るエッジ36が設けられ、突出板34の先端部34bの上端には丸み37が先端部34bに沿って形成されている。
尚、突出板34の傾斜姿勢は、上記のように基端部34aに対して先端部34bが上方に持ち上がる傾斜姿勢に限られるものではなく、例えば図5に示すように、基端部34aに対して先端部34b側が下方に下がる傾斜姿勢とすることもできる。
また中栓30の内周面33と突出板34との間に貫通孔35を有さない構成とすることも可能であるが、上記のように貫通孔35を備える構成とすることにより、上記のようにエッジ36を備える構成とすることができ、また例えばブラシ50の毛部51側を貫通孔35に挿入し、軸部52を突出板34の基端部34a又は中栓30のフランジ32の内縁で支えることにより、ブラシ50を容器本体10内に立てた状態で保持できるようになる。
【0020】
上記構成から成る塗布液用容器1では、収容部14に内容物が充填された容器本体10の開口端11に中栓30を嵌合させると共に、この中栓30の上にパッキン40が設けられた蓋体20を容器本体10の口筒部12に螺合させて冠着することにより封止される。
【0021】
次に、塗布液用容器1の作用について説明する。
塗布液用容器1は蓋体20を螺脱させ、中栓30を外部に露出させた状態にして使用される。使用者は中栓30を介して収容部14内に塗布具の一態様を構成するブラシを挿入することにより、ブラシの毛部に塗布液を付着させる。
【0022】
例えば、ブラシの毛部が吸収した塗布液の量が多い場合には、毛部の根本部分を突出板34のエッジ36に軽く当接させながらブラシの軸部を鉛直上方にも持ち上げるしごき操作を行うと良い。これにより、ブラシの毛部から余分な塗布液がエッジ36によってしごき落とされるため、しごき操作後のブラシの毛部に含まれる塗布液の量を減少させることができる。
【0023】
また、使用者は突出板34の表面34Aにブラシの毛部を当てた状態において滑らすことにより、表面34Aにおいて塗布液の試し塗りを行うことができる。突出板34は爪形状に似せて形成されているため、使用者は実際の爪の表面に塗布しなくても試し塗りを行うことにより、塗布後の爪の表面の状態をイメージしやすい。しかも突出板34は、先端部34bが上方に持ち上がる傾斜姿勢を有して形成されていることから、実際の爪の表面に塗布するような感覚で試し塗りを行うことができると共に、この際表面34Aにおいてしごき落とされた塗布液を収容部14内に戻すことができる。
【0024】
また突出板34の先端部34bの上端には丸み37が形成されており、ブラシの毛部を基端部34aから先端部34bに向けて滑らせて塗布したときに、先端部34bにおいてしごき落とされる塗布液の量が少なくなるのでブラシの毛部に含まれる塗布液の減少量を小さくでき、結果として試し塗りを連続的に行うことが可能になる。同時に、突出板34の表面34Aにおいてブラシの毛部を慣らして綺麗に整えることも可能となる。
尚、使用後は、突出板34の表面34Aに塗布された塗布液をテッシュ等で拭き取り、あるいは除光液を使用して落とすことにとり、再び表面34Aに塗布することが可能となる。
【0025】
次に本発明の第2実施例の構成について図6及び図7を用いて説明する。
第2実施例に示す塗布液用容器1は、上記第1実施例と異なる点は主として中栓30の構成にあり、その他の構成及び効果は上記第1実施例同様である。よって、以下においては第1実施例と異なる点を中心に説明するが、第1実施例と同一の部材については同一の符号を用いて説明する。
図7(a)(b)に示すように、第2実施例に示す中栓30のフランジ32の側面には、外径方向に突出する複数(第2実施例では6ヶ)の突起32aが形成されている。図6に示すように、中栓30は複数の突起32aが蓋体20の側壁部22の内周面に周設された凸部23を乗り越えることによって蓋体20の頂壁21の内面に保持可能に構成されている。
また中栓30の周壁部31の外周面には外径方向に向かって断面凸状に形成された環状係合部31aが形成され、これに対向する容器本体10の口筒部12の内周面には容器軸O方向に突出する環状凸部12aが周設されており、環状係合部31aが環状凸部12aを高さ方向に乗り越えることにより、中栓30と容器本体10とが係合状態及び係合解除状態に設定可能となっている。
【0026】
パッキン40が貼着されている蓋体20の頂壁21の内面に、中栓30を押し込んで頂壁21の内面にセットする。この状態では、中栓30の複数の突起32aが蓋体20側の凸部23を乗り越えて係合することから、中栓30が蓋体20の頂壁21の内面に保持される。
次に、塗布液を容器本体10の収容部14内に充填し、その後に蓋体20を容器本体10の口筒部12に螺合させて閉塞する。そして、図6に示すように、蓋体20を完全に締め込むと、中栓30側の環状係合部31aが環状凸部12aを乗り越えて環状係合部31aと環状凸部12aとが係合するため、中栓30を容器本体10内に取り付けることができる。
【0027】
ここで、中栓30の環状係合部31aと容器本体10の環状凸部12aと間の係合力は、中栓30の複数の突起32aと蓋体20側の凸部23の間の係合力よりも大きく設定されている。このため、蓋体20を螺脱させて開封状態にすると、中栓30を容器本体10の口筒部12に残留させることができる。すなわち、第2実施例に示す塗布液用容器1は、蓋体20を一度容器本体10に冠着させると、初期状態において蓋体20側に取り付けられていた中栓30を、冠着後には容器本体10側に移動させることが可能な移動中栓としての機能を備えている。これにより、容器本体10の収容部14内へ塗布液の充填作業を円滑に行うことが可能となる。
【0028】
次に、塗布液用容器1を構成する蓋体の好ましい態様について、図8及び図9を用いて説明する。
図8(a)は蓋体の第1実施例として蓋体を下端側から示す斜視図、図8(b)は蓋体の第2実施例として蓋体を下端側から示す斜視図、図9(a)は蓋体の第3実施例として蓋体を天面側から示す斜視図、図9(b)は蓋体の第4実施例として蓋体を天面側から示す斜視図である。
マニキュアなどの塗布液を塗布する塗布具としてのブラシ50は、多くの場合細い円筒状の軸部52の先端に毛部51を有して構成されるが、使用中においてブラシ50を机等の台座の上にそのまま放置すると、ブラシ50が台座上を転動したり、落下したりする虞がある。
【0029】
そこで、例えば図8(a)に示す蓋体の第1実施例のように、蓋体20の側壁部22の下端部の軸対称となる両側の位置に一対の保持用凹部25を設け、この一対の保持用凹部25内でブラシ50の軸部52を保持する態様、または図8(b)に示す蓋体の第2実施例のように、側壁部22の下端部に複数の保持用凸部26を周方向に所定の間隔で形成し、軸対称となる両側の位置において隣接する保持用凸部26間でブラシ50の軸部52を保持する態様、または図9(a)に示す蓋体の第3実施例のように、蓋体20の頂壁21に保持用凹部25を凹設し、この保持用凹部25内でブラシ50の軸部52を保持する態様、あるいは図9(b)に示す蓋体の第4実施例のように、蓋体20の頂壁21の外縁に複数の保持用凸部26を周方向に所定の間隔で形成し、軸対称となる両側の位置において隣接する保持用凸部26間でブラシ50の軸部52を保持する態様のいずれかにすると、ブラシ50の不用意な転動や落下を防止することができる点で好ましい。
【0030】
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
【0031】
例えば、上記実施例では、突出板34を中栓30の周壁部31の内周面33に形成される場合を示して説明したが、中栓30自体を有さない構成とし、突出板34が容器本体10の口筒部12の内周面に形成される構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の塗布液用容器は、マニキュアなどの塗布液を扱う分野における用途展開をさらに広い領域で図ることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 : 塗布液用容器
10 : 容器本体
11 : 開口端
12 : 口筒部
12a: 環状凸部
13 : 外壁部
14 : 収容部
15 : 雄ネジ
20 : 蓋体
21 : 頂壁
22 : 側壁部
23 : 凸部
24 : 雌ネジ
25 : 保持用凹部
26 : 保持用凸部
30 : 中栓
31 : 周壁部
31a: 環状係合部
32 : フランジ
32a: 突起
33 : 内周面
34 :突出板
34A: 表面
34a: 基端部
34b: 先端部
35 : 貫通孔
36 : エッジ
37 : 丸み
40 : パッキン
50 : ブラシ(塗布具)
51 : 毛部
52 : 軸部
O : 容器軸
R1 : 貫通孔の曲率半径
R2 : 先端部の曲率半径
x : 仮想軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9